(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165635
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】細管を有するファイバコンバイナ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/04 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G02B6/04 A
G02B6/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023071720
(22)【出願日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】17/817,762
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/364,241
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ ゴンウェン
(72)【発明者】
【氏名】スン グアン
(72)【発明者】
【氏名】パン シャン
【テーマコード(参考)】
2H250
【Fターム(参考)】
2H250AA64
2H250AC04
2H250AC23
2H250AC25
2H250AC32
2H250CA32
2H250CA61
2H250CA69
2H250CB12
2H250CC28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ファイバコンバイナから放出される合成光ビームの輝度を改善するファイバコンバイナを提供する。
【解決手段】ファイバコンバイナは、細管と、細管内に配置された複数の入力ファイバと、を備える。細管の第1の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿って第1の非ゼロ勾配プロファイルを有する。細管の第2の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って第2の非ゼロ勾配プロファイルを有する。第2の非ゼロ勾配プロファイルは、第1の非ゼロ勾配プロファイルとは異なる。
【選択図】
図1-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細管と、及び
複数の入力ファイバと、
を備えるファイバコンバイナであって、
前記複数の入力ファイバの第1の部分は、前記細管の第1の部分内で、前記ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿って配置され、
前記細管の第1の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿ってゼロ勾配プロファイルを有し、
前記複数の入力ファイバの第2の部分は、前記細管の第2の部分内で、前記ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って配置され、
前記細管の第2の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って第1の非ゼロ勾配プロファイルを有し、
前記複数の入力ファイバの第3の部分が、前記細管の第3の部分内で、前記ファイバコンバイナの出力端の第3の部分に沿って配置され、
前記細管の第3の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第3の部分に沿って第2の非ゼロ勾配プロファイルを有し、前記第2の非ゼロ勾配プロファイルは、前記第1の非ゼロ勾配プロファイルとは異なり、
前記複数の入力ファイバの第4の部分が、前記ファイバコンバイナの出力端の第4の部分に沿って存在し、また
前記細管は、前記ファイバコンバイナの出力端の第4の部分に沿って存在する部分がない、ファイバコンバイナ。
【請求項2】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記複数の入力ファイバの第3の部分及び前記複数の入力ファイバの第4の部分はそれぞれ、融着型バンドル構成で配置される、ファイバコンバイナ。
【請求項3】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記第2の非ゼロ勾配プロファイルは断熱勾配プロファイルである、ファイバコンバイナ。
【請求項4】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記ファイバコンバイナはポンプコンバイナであり、前記複数の入力ファイバはポンプファイバである、ファイバコンバイナ。
【請求項5】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記ファイバコンバイナはポンプ信号コンバイナであり、前記複数の入力ファイバのうちの少なくとも1つは信号ファイバである、ファイバコンバイナ。
【請求項6】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記複数の入力ファイバの前記第4の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第4の部分に沿って、別のゼロ勾配プロファイルを有する、ファイバコンバイナ。
【請求項7】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記複数の入力ファイバの第4の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第4の部分に沿って第3の非ゼロ勾配プロファイルを有する、ファイバコンバイナ。
【請求項8】
請求項1に記載のファイバコンバイナにおいて、前記複数の入力ファイバの第4の部分は、出力構成要素の出力ファイバに接続される、ファイバコンバイナ。
【請求項9】
細管と、及び
前記細管内に配置された複数の入力ファイバと、
を備えるファイバコンバイナであって、
前記細管の第1の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿って第1の非ゼロ勾配プロファイルを有し、
前記細管の第2の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って第2の非ゼロ勾配プロファイルを有し、前記第2の非ゼロ勾配プロファイルは、前記第1の非ゼロ勾配プロファイルとは異なる、ファイバコンバイナ。
【請求項10】
請求項9に記載のファイバコンバイナにおいて、前記細管は、前記ファイバコンバイナの前記出力端の第3の部分に沿って存在する部分がない、ファイバコンバイナ。
【請求項11】
請求項9に記載のファイバコンバイナにおいて、
前記複数の入力ファイバの第1の部分は、前記細管の第1の部分内で、前記ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿って配置され、
前記複数の入力ファイバの第2の部分は、前記細管の第2の部分内で、前記ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って配置され、
前記複数の入力ファイバの第3の部分は、前記ファイバコンバイナの出力端の第3の部分に沿って存在し、
前記細管は、前記ファイバコンバイナの出力端の第3の部分に沿って存在する部分がない、ファイバコンバイナ。
【請求項12】
請求項11に記載のファイバコンバイナにおいて、前記複数の入力ファイバの第2の部分及び前記複数の入力ファイバの第3の部分はそれぞれ、融着型バンドル構成で配置される、ファイバコンバイナ。
【請求項13】
請求項9に記載のファイバコンバイナにおいて、前記第2の非ゼロ勾配プロファイルは断熱勾配プロファイルである、ファイバコンバイナ。
【請求項14】
請求項9に記載のファイバコンバイナにおいて、前記第1の非ゼロ勾配プロファイルは断熱勾配プロファイルである、ファイバコンバイナ。
【請求項15】
ファイバコンバイナを形成するための方法であって、
細管に複数の入力ファイバを挿入するステップと、
前記細管の第1の部分に第1の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップと、
前記細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップと、
を備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記細管の第1の部分に前記第1の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、前記細管の第1の部分をテーパ状にするステップを含み、
前記細管の第1の部分をテーパ状にするステップは、前記細管の第1の部分内に配置された前記複数の入力ファイバの部分もテーパ状にする、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記細管の第2の部分に前記第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、前記細管の第2の部分をエッチングするステップを含み、
前記細管の第2の部分をエッチングするステップは、前記細管の第2の部分内に配置された前記複数の入力ファイバの部分に影響を及ぼさない、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法において、前記細管の第2の部分に前記第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップによって、前記細管の第3の部分を除去し、
前記細管の第3の部分を除去するステップは、前記細管の第3の部分内に配置された前記複数の入力ファイバの部分に影響を及ぼさない、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法において、前記細管の第2の部分に前記第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、
前記細管及び前記細管内の前記複数の入力ファイバを特定の地点で切断して、前記細管の第1の部分、前記細管の第2の部分、及び前記細管の第3の部分を含む前記細管の出力端を形成するステップと、
前記細管を切断することに基づいて、前記細管の第2の部分及び前記細管の第3の部分をエッチングするステップと、
を含み、
前記細管の第2の部分をエッチングするステップによって、前記細管の第2の部分に前記第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせ、また
前記細管の第3の部分をエッチングするステップによって、前記細管の第3の部分を除去する、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法において、前記細管の第2の部分に前記第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、
前記細管の第2の部分及び前記細管の第3の部分をエッチングするステップであって、
前記細管の第2の部分をエッチングするステップによって、細管の第2の部分に前記第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせ、また
前記細管の第3の部分をエッチングするステップによって、前記細管の第3の部分を除去し、それにより、前記細管の第3の部分内に予め配置されている前記複数の入力ファイバの一部を露出させる、
該エッチングするステップと、及び
前記細管の第2の部分及び前記細管の第3の部分をエッチングするステップに基づいて、前記複数の入力ファイバの一部に関連付けられる特定の地点で前記複数の入力ファイバを切断して、前記ファイバコンバイナの出力端を形成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2022年5月5日に出願された「HIGH BRIGHTNESS COMBINERS FABRICATED WITH ETCHED CAPILLARY TUBES」という名称の米国特許出願第63/364,241号の優先権を主張するものである。先行出願の開示は、その一部とみなされ、参照により本特許出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ファイバコンバイナ及び細管付きファイバコンバイナに関する。
【背景技術】
【0003】
ファイバコンバイナは、高出力ファイバレーザの重要な構成要素である。ファイバコンバイナは、入力ファイバの光を結合することにより、ファイバレーザによって放出される光の合計パワーを増加させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、ファイバコンバイナが、細管と、及び複数の入力ファイバと、を備え、複数の入力ファイバの第1の部分は、細管の第1の部分内で、ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿って配置され、細管の第1の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿ってゼロ勾配プロファイルを有し、複数の入力ファイバの第2の部分は、細管の第2の部分内で、ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って配置され、細管の第2の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って第1の非ゼロ勾配プロファイルを有し、複数の入力ファイバの第3の部分は、細管の第3の部分内で、ファイバコンバイナの出力端の第3の部分に沿って配置され、細管の第3の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第3の部分に沿って第2の非ゼロ勾配プロファイルを有し、第2の非ゼロ勾配プロファイルは、第1の非ゼロ勾配プロファイルとは異なり、複数の入力ファイバの第4の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第4の部分に沿って存在し、細管は、ファイバコンバイナの出力端の第4の部分に沿って存在する部分がない。
【0005】
いくつかの実施形態では、ファイバコンバイナが、細管と、及び細管内に配置された複数の入力ファイバと、を備え、細管の第1の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第1の部分に沿って第1の非ゼロ勾配プロファイルを有し、細管の第2の部分は、ファイバコンバイナの出力端の第2の部分に沿って第2の非ゼロ勾配プロファイルを有し、第2の非ゼロ勾配プロファイルは、第1の非ゼロ勾配プロファイルとは異なる。
【0006】
いくつかの実施形態では、ファイバコンバイナを形成するための方法は、細管に複数の入力ファイバを挿入するステップと、細管の第1の部分に第1の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップと、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1A~
図1Fは、本明細書に記載される例示的な実施形態の図である。
図1A~
図1Fの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2A】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2B】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2C】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2D】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2E】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2F】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2G】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2H】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図2I】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の図である。
図2A~2Iの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図3A】本明細書に記載する細管の一部に関連付けられた例示的な実施形態の図である。
図3A~3Bの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図3B】本明細書に記載する細管の一部に関連する例示的な実施形態の図である。
図3A~3Bの全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図4】本明細書に記載するファイバコンバイナを形成するためのプロセスに関連付けられた例示的な実施形態の図である。
図4の全て又は一部は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【
図5】細管を有するファイバコンバイナの形成に関連付けられた例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面における同一の参照符号が、同一又は類似の要素を識別することがある。
【0009】
コンバイナは、高出力ファイバレーザの重要な構成要素である。多くの場合、コンバイナは、入力ファイバをバンドル構成として配置し、このバンドル構成は出力ファイバに継ぎ合わされる。いくつかの場合、入力ファイバは、捩じれバンドル構成として配置され、捩じれバンドル構成は、(例えば、出力ファイバに継ぎ合わせるために)捩じれバンドル構成のテーパ長を制限し、それにより、出力ファイバに伝送される光の輝度が低減する。通常、このような捩じれバンドル構成は、複雑な工具も必要とする。
【0010】
いくつかの場合、コンバイナは、入力ファイバのバンドルを保持するように構成された、エッチングされていない細管を含む。細管がエッチングされていないので、光が入力ファイバから細管に漏れ、それにより、出力ファイバに伝送される光の輝度が低下する。細管が厚いほど、生じる光の輝度が低下する。例として、エッチング及びドープがされていない溶融シリカ細管を含む従来のコンバイナでは、従来のコンバイナの入力ファイバにおける光の開口数(NA)がNAin、テーパ比がTR(例えば、細管をテーパ状にすることによって形成された細管のくびれ部の外径に対する元の外径の比)、細管内に配置される入力ファイバのバンドルの外径がD、細管の外径がdである。入力ファイバのバンドルから細管に光が逃げるとき、輝度劣化はD/d-1である。さらに、(例えば、テーパ後の)従来のコンバイナの出力ファイバにおける光のNAは、NAout=NAin×TR×D/dである。したがって、細管が厚いほど、NAoutは高くなり、そのため、輝度劣化は大きくなる。
【0011】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、ファイバコンバイナ(例えば、ポンプコンバイナ又はポンプ信号コンバイナ)から放出される合成光ビームの輝度を改善するファイバコンバイナを提供する。いくつかの実施形態において、ファイバコンバイナは、細管と、細管内に配置された複数の入力ファイバと、を含む。細管のある部分が、ファイバコンバイナの出力端のある部分に沿って第1の非ゼロ勾配プロファイルを有し、いくつかの実施形態では、細管の別の部分が、ファイバコンバイナの出力端の別の部分に沿って第2の非ゼロ勾配プロファイル(例えば、第1の非ゼロ勾配プロファイルとは異なる)を有する。いくつかの実施形態では、ファイバコンバイナの出力端における追加部分に沿って、入力ファイバの追加部分が存在するが、(例えば、細管のエッチング等によって細管の部分が除去されるため、)細管の部分は何ら存在しない。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の非ゼロ勾配プロファイル及び/又は第2の非ゼロ勾配プロファイルが断熱勾配プロファイルであるため、合成光ビームが細管の対応する部分を通って伝播するときの合成光ビームの漏れが最小化される。さらに、(例えば、細管が複数の入力ファイバを直線配置で保持するため、)複数の入力ファイバは、ファイバコンバイナの出力端に沿って、「捩じり」配置又は「巻線」配置ではなく、「直線」配置で配置されてもよい。こうすることで、複数の入力ファイバのテーパ長を長くして、それにより、出力ファイバから放出される合成光ビームの輝度を高めることができる。また、こうすることで、(例えば、複数の入力ファイバの捩じり及び/又は巻き付けを行う必要がないため)ファイバコンバイナの形成の簡素化もする。
【0013】
さらに、細管の一部がファイバコンバイナの出力端から除去され、それにより、複数の入力ファイバのみを有するファイバコンバイナの出力端の区間が残る。これにより、(例えば、細管を通ることによる輝度劣化がゼロに低減されるため、)ファイバコンバイナの出力端の区間を通って伝播するときの結合光ビームの漏れがさらに最小化される。したがって、ファイバコンバイナから放出される合成光ビームのNAが最小化され、そのため、合成光ビームは、従来のコンバイナによって放出される合成光ビームの輝度よりも高い輝度を有する。
【0014】
図1A~
図1Fは、本明細書に記載される例示的な実施形態100の図である。
図1A-1Fに示されるように、例示的な実施形態100は、ファイバコンバイナ102を含んでもよい。ファイバコンバイナ102は、複数の入力ファイバ104及び細管106を含んでもよい。
【0015】
複数の入力ファイバ104はそれぞれ、ファイバクラッド及び/又はファイバコアを含んでもよい。例えば、入力ファイバ104は、ファイバクラッドによって周方向を囲まれたファイバコアを含んでもよい。複数の入力ファイバ104は、入力光が結合して(例えば、ファイバコンバイナ102内で)合成光ビームを形成するように、(例えば、複数の入力ファイバ104の各ファイバコアを介して)入力光を伝搬するように構成されてもよい。例えば、入力光の一部が、複数の光源(例えば、図示しない複数のレーザ光源)によってそれぞれ放出されてもよく、また、複数の入力ファイバ104を介してそれぞれ伝播して、合成光ビームを形成するように結合してもよい。したがって、合成光ビームのパワー(例えば、光パワー)は、複数の入力ファイバ104のうちの特定の入力ファイバ104によって伝搬される単一部分の入力光のパワーよりも大きくなる場合がある。
【0016】
いくつかの実施形態において、合成光ビームは、ファイバコンバイナ102の出力端108(
図1A~
図1Bの縦断面図に示される)から放出されてもよく、出力構成要素(図示せず)の出力ファイバに伝播してもよい。いくつかの実施形態において、例えばファイバコンバイナ102が(例えば、出力構成要素と共に)レーザシステムに含まれている場合、ファイバコンバイナ102の出力端108は、出力構成要素の出力ファイバに接続(例えば、継ぎ合わせ)されてもよい。
【0017】
細管106は、細管チューブ(例えば、ガラス製の細管チューブ)等の中空の開放端チューブ(例えば、円筒チューブ)であってもよい。したがって、細管106の内部は、細管106の1つ又は複数の壁の内面間の空間等の、細管106内の空間によって画定されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104は、細管106内、例えば、細管106の内部内に配置されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104及び細管106はそれぞれ、ガラス(例えば、シリカ系ガラス、石英系ガラス、フッ素化ガラス、及び/又は別の種類のガラス)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104及び細管106は同じ種類のガラスを備えてもよい。いくつかの実施形態において、細管106は、複数の入力ファイバ104のガラスとは異なるガラスを備えてもよい。
【0019】
図1A及び
図1Bの縦断面図に示されるように、ファイバコンバイナ102の出力端108は、第1の部分110、第2の部分112、第3の部分114、及び/又は第4の部分116等の1つ又は複数の部分を含んでもよい。複数の入力ファイバ104及び細管106はそれぞれ、ファイバコンバイナ102の出力端108の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つに対応する1つ又は複数の部分を有してもよい。例えば、
図1Bに示されるように、複数の入力ファイバ104は、第1の部分110
IF、第2の部分112
IF、第3の部分114
IF、及び/又は第4の部分116
IFを含んでもよく、細管106は、第1の部分110
C、第2の部分112
C、及び/又は第3の部分114
Cを含んでもよい。すなわち、複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第1の部分110に沿って配置されてもよく、複数の入力ファイバ104の第2の部分112
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第2の部分112に沿って配置されてもよく、複数の入力ファイバ104の第3の部分114
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第3の部分114に沿って配置されてもよく、且つ/又は、複数の入力ファイバ104の第4の部分116
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第4の部分116に沿って配置されてもよい。さらに、細管106の第1の部分110
Cは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第1の部分110に沿って配置されてもよく、細管106の第2の部分112
Cは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第2の部分112に沿って配置されてもよく、且つ/又は細管106の第3の部分114
Cは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第3の部分114に沿って配置されてもよい。
【0020】
図1Bにさらに示されるように、複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFは、細管106の第1の部分110
C内に、ファイバコンバイナ102の出力端108の第1の部分110に沿って配置されてもよく、複数の入力ファイバ104の第2の部分112
IFは、細管106の第2の部分112
C内に、ファイバコンバイナ102の出力端108の第2の部分112に沿って配置されてもよく、複数の入力ファイバ104の第3の部分114
IFは、細管106の第3の部分114
C内に、ファイバコンバイナ102の出力端108の第3の部分114に沿って配置されてもよい。さらに、複数の入力ファイバ104の第4の部分116
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第4の部分116に沿って存在してもよく、また、細管106のどの部分も、コンバイナ102の出力端108の第4の部分116に沿って存在しなくてもよい。複数の入力ファイバ104の第4の部分116
IFは、例えばファイバコンバイナ102の出力端108が出力構成要素の出力ファイバに接続される場合、出力構成要素の出力ファイバに接続(例えば、継ぎ合わせ)されてもよい。
【0021】
複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFは、細管106の第1の部分110
C内に、非融着型バンドル構成として配置されてもよい(例えば、複数の入力ファイバ104はそれぞれ、細管106の第1の部分110
C内で、互いに分離しており且つ別個であってもよい)。例えば、
図1Cは、(例えば、ファイバコンバイナ102がポンプコンバイナであり、複数の入力ファイバ104がポンプファイバである場合の、)第1の非融着型バンドル構成118内に配置された複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFの断面を示し、
図1Dは、(例えば、ファイバコンバイナ102がポンプ信号コンバイナであり、複数の入力ファイバのうちの少なくとも1つが信号ファイバ122である場合の、)第2の非融着型バンドル構成120内に配置された複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFの断面を示す。複数の入力ファイバ104の第2の部分112
IFは、細管106の第2の部分112
C内に、部分的に融着したバンドル構成で配置されてもよい(例えば、複数の入力ファイバ104のファイバクラッドが、複数の入力ファイバ104のファイバクラッド間に1つ又は複数の隙間を有する統合されたバンドルを形成するように、細管106の第2の部分112
C内で共に接合されてもよい)。例えば、
図1Eは、部分的に融着したバンドル構成124内に配置された複数の入力ファイバ104の第2の部分112
IFの、ある長手方向地点における断面を示す(例えば、ファイバコンバイナ102がポンプコンバイナであり、複数の入力ファイバ104がポンプファイバである場合、複数の入力ファイバ104のファイバクラッド間に1つ又は複数の隙間126が形成される)。第2の部分112
IF内では、入力ファイバ104は、(例えば、
図1Cに示されるような)非融着型バンドル構成から、(
図1Eに示されるように)入力ファイバ104がより密接して融着され且つ隙間126がより小さくなる(
図1Fに示されるような)部分的に融着したバンドルになるまで、第2の部分112の長さに沿ってテーパ状になる。複数の入力ファイバ104の第3の部分114
IFは、細管106の第3の部分114
C内で、融着型バンドル構成で配置されてもよい(例えば、複数の入力ファイバ104のファイバクラッドは、複数の入力ファイバ104のファイバクラッド間に隙間のない統合されたバンドルを形成するように、細管106の第3の部分114C内で共に接合されてもよい)。例えば、
図1Fは、(例えば、ファイバコンバイナ102がポンプコンバイナであり、複数の入力ファイバ104がポンプファイバである場合の、)融着型バンドル構成128内に配置された複数の入力ファイバ104の第3の部分114
IFの断面を示す。さらに、複数の入力ファイバ104の第4の部分116
IFは、
図1Fに示される融着型バンドル構成と同様の(例えば、
図1Fに示される細管106のない)、融着型バンドル構成で配置されてもよい(例えば、複数の入力ファイバ104のファイバクラッドは、複数の入力ファイバ104のファイバクラッド間に隙間のない統合されたバンドルを形成するように、ファイバコンバイナ102の出力端108の第4の部分116に沿って共に接合されてもよい)。
【0022】
いくつかの実施形態において、細管106は、ファイバコンバイナ102の出力端108に沿って1つ又は複数の勾配プロファイルを有してもよい。勾配プロファイルは、ファイバコンバイナ102の出力端108に沿った細管106の1つ又は複数の壁の外面の、細管106の長手方向軸線130に対する角度を示してもよい。いくつかの実施形態において、細管106の第1の部分110
Cは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第1の部分110に沿って、
図1Bに示される第1のゼロ勾配等の第1の勾配を有してもよい(例えば、細管106の第1の部分110
Cの1つ又は複数の壁面の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対して平行であり、許容誤差は、1度、2度、及び/又は3度以下であってもよい)。いくつかの実施形態において、細管106の第2の部分112
Cは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第2の部分112に沿って、
図1Bに示される第1の非ゼロ勾配プロファイル等の第2の勾配プロファイルを有してもよい(例えば、細管106の第2の部分112
Cの1つ又は複数の壁面の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対して第1の角度をなしてもよい)。いくつかの実施形態において、細管106の第3の部分114
Cは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第3の部分114に沿って、
図1Bに示される第2の非ゼロ勾配プロファイル等の第3の勾配プロファイルを有してもよい(例えば、細管106の第3の部分114
Cの1つ又は複数の壁面の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対して第2の角度をなしてもよい)。
【0023】
細管106の第1の勾配プロファイル、第2の勾配プロファイル、及び第3の勾配プロファイルは、互いに異なっていてもよい。例えば、第1の角度及び第2の角度がそれぞれゼロでなくてもよく、第1の角度及び第2の角度が互いに等しくなくてもよい。いくつかの実施形態において、第1の勾配プロファイル、第2の勾配プロファイル、又は第3の勾配プロファイルのうちの少なくとも1つの勾配プロファイルは、断熱勾配プロファイルであってもよい。例えば、少なくとも1つの勾配プロファイルを有する、ファイバコンバイナ102の出力端108のうちの対応する部分を通って伝搬する少なくとも閾値割合の合成光ビームは、ファイバコンバイナ102の出力端108のうちの対応する部分から漏れない。閾値割合は、例えば、95%、97%、99%、及び/又は99.5%以上であってもよい。いくつかの実施形態において、第2の勾配プロファイルは、断熱勾配プロファイルであってもよく、及び/又は、第3の勾配プロファイルは、断熱勾配プロファイルであってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104は、ファイバコンバイナ102の出力端108に沿って1つ又は複数の勾配プロファイルを有してもよい。いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第1の部分110に沿って、
図1Bに示される第1のゼロ勾配プロファイル等の第1の勾配プロファイルを有してもよい(例えば、複数の入力ファイバ104の第1の部分110
IFの非融着型バンドル構成の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対して平行であってもよい)。いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104の第2の部分112
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第2の部分112に沿って、
図1Bに示される非ゼロ勾配プロファイル等の第2の勾配プロファイルを有してもよい(例えば、複数の入力ファイバ104の第2の部分112
IFの部分的に融着したバンドル構成の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対してある角度をなしてもよい)。いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104の第3の部分114IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第3の部分114に沿って、
図1Bに示される第2の非ゼロ勾配プロファイル等の第3の角度プロファイルを有してもよい(例えば、複数の入力ファイバ104の第3の部分114
IFの融着型バンドル構成の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対してある角度をなしてもよい)。いくつかの実施形態において、複数の入力ファイバ104の第4の部分116
IFは、ファイバコンバイナ102の出力端108の第4の部分116に沿って、
図1Bに示される第2のゼロ勾配プロファイル等の第4の勾配プロファイルを有してもよく(例えば、複数の入力ファイバ104の第4の部分116の融着型バンドル構成の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対して平行であってもよく)、あるいは代替的に、第4の部分116は、別の非ゼロ勾配プロファイルを有してもよい(例えば、複数の入力ファイバ104の第4の部分116の融着型バンドル構成の外面が、許容誤差の範囲内で、細管106の長手方向軸線130に対して別の非ゼロ角度をなしてもよい)。第1の勾配プロファイル、第2の勾配プロファイル、第3の勾配プロファイル、及び第4の勾配プロファイルのうちの少なくとも2つが互いに異なっていてもよい。例えば、ある角度と他の角度がそれぞれゼロでなくてもよく、また、ある角度と他の角度が互いに等しくなくてもよい。
【0025】
【0026】
図2A~
図2Iは、
図1A~
図1Fに関連して本明細書に記載されるファイバコンバイナ102等のファイバコンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態200の図である。
図2A-2Iに示されるように、プロセスは、1つ又は複数のステップを含んでもよい。
【0027】
図2Aの細管の縦断面図に、且つ、参照符号202によって示されるように、プロセスは、細管106を選択及び/又は準備することを含んでもよい。例えば、プロセスは、(例えば、複数の入力ファイバ104が、
図1Cに示されるような非融着型バンドル構成で配置される場合、)複数の入力ファイバ104を細管106の内部に挿入できるように、特定のサイズ(例えば、特定の内径及び/又は特定の外径)の細管106を選択及び/又は準備することを含んでもよい。例えば、プロセスは、非融着型バンドル構成で配置された複数の入力ファイバ104の外径よりも大きい内径204を有する細管106を選択及び/又は準備することを含んでもよい。
【0028】
図2Bに、且つ、参照番号206によって示されるように、プロセスは、細管106をテーパ状にすることを含んでもよい。例えば、プロセスは、細管106の1つ又は複数の部分に熱を加えること、及び/又は力(例えば、張力)を加えることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、細管106をテーパ状にすることによって、細管がくびれ部208を有する。くびれ部208の内径210は、(例えば、細管106のテーパ付けされていない1つ又は複数の部分の)内径204よりも小さく、且つ、非融着型バンドル構成で配置される(例えば、本明細書に記載されるように、細管106に挿入された)複数の入力ファイバ104の外径よりも大きくてもよい。このようにして、細管106のくびれ部208は、(例えば、非融着型バンドル構成で配置される)複数の入力ファイバ104を保持するように形成される。
【0029】
図2Cに、且つ、参照符号212によって示されるように、プロセスは、複数の入力ファイバ104を細管106に挿入することを含んでもよい。例えば、プロセスは、複数の入力ファイバ104が細管106のくびれ部208内に挿入されるように、複数の入力ファイバ104を細管106内に挿入することを含んでもよい。このようにして、複数の入力ファイバ104は、細管106及び細管106のくびれ部208内に配置されてもよい。さらに、複数の入力ファイバ104は、細管106及び細管106のくびれ部208内に配置される場合、非融着型バンドル構成で配置されてもよい。
【0030】
図2Dに、且つ、参照符号214によって示されるように、プロセスは、細管106及び複数の入力ファイバ104をテーパ状にすることを含んでもよい。例えば、プロセスは、細管106の1つ又は複数の部分に熱を加えること、及び/又は力(例えば、張力)を加えることを含んでもよく、この部分内に複数の入力ファイバ104が配置される。特定の実施例では、
図2Dに示されるように、プロセスは、細管106のくびれ部208の1つ又は複数の部分216と、細管106のくびれ部208の1つ又は複数の部分216内に配置される、複数の入力ファイバ104の1つ又は複数の対応する部分と、をテーパ状にすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、テーパ状にした結果として、くびれ部の1つ又は複数の部分216及び複数の入力ファイバ104の1つ又は複数の対応する部分が融着して、(例えば、
図1Eに示されるバンドル構成と同様の)部分的に融着したバンドル構成、又は(例えば、
図1Fに示されるバンドル構成と同様の)融着型バンドル構成を形成してもよい。いくつかの実施形態では、テーパ状にした結果として、細管106のくびれ部208の1つ又は複数の部分216がそれぞれ、(例えば、本明細書の他の場所に記載されるように、)第1の非ゼロ勾配プロファイルを有してもよい。第1の非ゼロ勾配プロファイルは、断熱勾配プロファイルであってもよい。
【0031】
図2Eに、且つ、参照符号218によって示されるように、プロセスは、細管106及び複数の入力ファイバ104を(例えば、特定の地点で)切断することを含んでもよい。例えば、プロセスは、細管106のくびれ部208に沿った切断点220で、細管106及び複数の入力ファイバ104を切断することを含んでもよい。このようにして、(例えば、ファイバコンバイナ102の)出力端108を形成することができる。
【0032】
図2Eに、且つ、参照符号222によってさらに示されるように、プロセスは、(例えば、ウェットエッチング技術、反応性イオンエッチング技術、及び/又は別のエッチング技術等のうちの1つ又は複数のエッチング技術を使用して、)細管106をエッチングすることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、細管106をエッチングすることは、(例えば、細管106のくびれ部208の1つ又は複数の部分216のサブ部分である)細管106のある部分224をエッチングすることと、(例えば、細管106のくびれ部208に沿って部分224に隣接する)細管106の別の部分をエッチングすることと、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、部分224をエッチングすることによって、部分224に(例えば、本明細書の他の場所に記載されるような)第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせてもよい。第2の非ゼロ勾配プロファイルは、断熱勾配プロファイルであってもよい。いくつかの実施形態では、細管106のくびれ部208の他の部分をエッチングすることによって、他の部分を除去(例えば、エッチング除去)してもよい。とりわけ、他の部分をエッチングすることは、(例えば、エッチングによる他の部分の除去の前に、)細管106のくびれ部208の他の部分内に配置される複数の入力ファイバ104の部分226に影響を及ぼさなくてもよい(例えば、複数の入力ファイバ104の部分226をエッチングしなくてもよい)。
【0033】
図2Fに、且つ、参照符号228によって示されるように、プロセスは、(例えば、ファイバコンバイナ102の)出力端108に取っ手230を取り付けることを含んでもよい。例えば、プロセスは、複数の入力ファイバ104の部分226を(例えば、切断点220で)取っ手230に接合することを含んでもよい。取っ手230は、(例えば、複数の入力ファイバ104と同様の)1つ又は複数のファイバを含んでもよい。代替的に、取っ手230は、単一の大径ファイバを含んでもよい。
【0034】
図2Gに、且つ、参照符号232によって示されるように、プロセスは、複数の入力ファイバ104をテーパ状にすることを含んでもよい。例えば、プロセスは、複数の入力ファイバ104の1つ又は複数の部分に熱を加えること、及び/又は力(例えば、取っ手230を引っ張ること等による張力)を加えることを含んでもよい。特定の実施例では、
図2Gに示されるように、プロセスは、部分234(例えば、複数の入力ファイバ104の部分226のサブ部分)をテーパ状にすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、テーパ状にした結果として、複数の入力ファイバ104の部分234が(例えば、本明細書の他の場所に記載されるように)第3の非ゼロ勾配プロファイルを有してもよい。
【0035】
図2Gに、且つ、参照符号236によってさらに示されるように、プロセスは、複数の入力ファイバ104を(例えば、特定の地点で)切断することを含んでもよい。例えば、プロセスは、複数の入力ファイバ104の部分226に沿ったある切断点238で、複数の入力ファイバ104を切断することを含んでもよい。
【0036】
図2Hに、且つ、参照符号240によって示されるように、プロセスは、(例えば、図示しない出力構成要素の)出力ファイバ242を、(例えば、ファイバコンバイナ102の)出力端108に取り付けることを含んでもよい。例えば、プロセスは、複数の入力ファイバ104の部分226を(例えば、切断点238で)出力ファイバ242に継ぎ合わせることを含んでもよい。出力ファイバ242は、1つ又は複数のファイバを含んでもよい。
【0037】
図2Iは、(例えば、
図2A~2Hに関連して)本明細書に記載されるプロセスに関連する1つ又は複数のことを実行した結果として形成されるファイバコンバイナ102を示す。したがって、
図2Iにさらに示されるように、ファイバコンバイナ102の出力端108は、
図1A~
図1Fに関連して本明細書の他の場所に記載される第1の部分110、第2の部分112、第3の部分114、及び/又は第4の部分116等のうちの1つ又は複数の部分を含んでもよい。さらに、複数の入力ファイバ104は、第1の部分110
IF、第2の部分112
IF、第3の部分114
IF、及び/又は(例えば、複数の入力ファイバ104の部分226に対応する)第4の部分116
IFを含んでもよく、細管106は、第1の部分110
C、(例えば、細管106のくびれ部208の1つ又は複数の部分216のうちのある部分に対応する)第2の部分112
C、及び/又は(例えば、細管106の部分224に対応する)第3の部分114
Cを含んでもよく、これらの部分は、
図1A~1Fに関連して本明細書の他の場所に記載される。
【0038】
図2A~2Iは一実施例として提供される。他の実施例は、
図2A~
図2Iに関して説明したものとは異なる場合がある。
【0039】
図3A~
図3Bは、細管106の部分224に関連付けられた例示的な実施形態300の図である。
【0040】
いくつかの実施形態では、
図2A~
図2Iに関連して本明細書に記載されるプロセスのことのうちの1つ又は複数が、修正、省略、及び/又は
図2A~
図2Iに関連して本明細書に記載される順序とは異なる順序で実行されてもよい。例えば、プロセスは、(例えば、
図2D及び参照符号214に関連して本明細書に記載されるように)細管106及び複数の入力ファイバ104をテーパ状にすることを含んでもよいが、(例えば、
図2F及び参照符号228に関連して本明細書に記載されるように)取っ手230を取り付けること、及び、(例えば、
図2G及び参照符号232に関連して本明細書に記載されるように)複数の入力ファイバ104をテーパ状にすることを含まなくてもよい。別の例として、プロセスは、複数の入力ファイバ104が、(例えば、
図2H及び参照符号240に関連して本明細書に記載される)出力ファイバ242に取り付けることができるようなサイズになるように、細管106及び複数の入力ファイバ104をテーパ状にすることを含んでもよい。
図3Aは、細管106及び複数の入力ファイバ104をこのようにテーパ状にした後の細管106の部分224を示す。プロセスは、
図2E及び参照符号218及び222に関連して本明細書に記載される逆の順序の代わりに、次いで、細管106をエッチングし、次いで、細管106及び複数の入力ファイバ104を切断することを含んでもよい。
図3Bは、このように細管106をエッチングした後の細管106の部分224を示す。
【0041】
【0042】
図4は、(例えば、
図2A~2Iに関連して本明細書に記載されるように)ファイバコンバイナを形成するためのプロセスに関連付けられた例示的な実施形態400の図である。プロセスは、(例えば、
図2E及び参照符号218に関連して本明細書に記載されるように)細管106及び複数の入力ファイバ104を切断すること、(例えば、
図2E及び参照符号222に関連して本明細書に記載されるように)細管106をエッチングすること、並びに(例えば、
図2F及び参照符号228に関連して本明細書に記載されるように)取っ手230を取り付けることの代替として、
図4に、且つ、参照符号402によって示されるように、細管106をウィンドウ(窓)エッチングすることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、細管106をウィンドウエッチングすることは、細管106のくびれ部208のある部分をエッチングして除去する(例えば、エッチング除去する)ことを含んでもよい。とりわけ、他の部分をエッチングすることは、(例えば、ウィンドウエッチングによるある部分の除去の前に)細管106のくびれ部208内に配置された複数の入力ファイバ104の部分404に影響を及ぼさなくてもよい(例えば、複数の入力ファイバ104の部分404をエッチングしなくてもよい)。さらに、細管106及び複数の入力ファイバ104の各部分は残存するが、そうでない場合、(例えば、
図2E及び参照符号218に関連して本明細書に記載されるように)細管106及び複数の入力ファイバ104を切断することによって除去されている。そのため、細管106及び複数の入力ファイバ104の各部分を取っ手230の代わりに使用することによって、(例えば、
図2G及び参照符号232に関連して本明細書に記載に記載されるように)複数の入力ファイバ104をテーパ状にすることを容易にすることができる。
【0043】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、エッチングの代替として、レーザーアブレーション技術、機械加工技術、及び/又は別の技術等のうちの1つ又は複数の他の技術を使用する。
【0044】
図4は、一実施例として提供される。他の実施例は、
図4に関して説明したものとは異なる場合がある。
【0045】
図5は、細管を有するファイバコンバイナの形成に関連付けられた例示的なプロセス500のフローチャートである。いくつかの実施形態では、
図5の1つ又は複数のプロセスブロックが、ファイバコンバイナを形成するように構成されたシステムによって実行される。
【0046】
図5に示されるように、プロセス500は、細管内に複数の入力ファイバを挿入するステップを含んでもよい(ブロック510)。例えば、システムは、上記のように、細管内に複数の入力ファイバを挿入してもよい。
【0047】
図5にさらに示されるように、プロセス500は、細管の第1の部分に第1の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップを含んでもよい(ブロック520)。例えば、システムは、上記のように、細管の第1の部分に第1の非ゼロ勾配プロファイルを持たせてもよい。
【0048】
図5にさらに示されるように、プロセス500は、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップを含んでもよい(ブロック530)。例えば、システムは、上記のように、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせてもよい。
【0049】
プロセス500は、下記の任意の単一の実施形態若しくは下記の実施形態の任意の組合せ等の更なる実施形態を含んでもよく、且つ/又は、本明細書の他の場所に記載される1つ又は複数の他のプロセスと組み合わせた更なる実施形態を含んでもよい。
【0050】
第1の実施形態では、細管の第1の部分に第1の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、細管の第1の部分をテーパ状にするステップを含み、細管の第1の部分をテーパ状にするステップは、細管の第1の部分内に配置された複数の入力ファイバの一部もテーパ状にする。
【0051】
単独の又は第1の実施形態と組み合わせた第2の実施形態では、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、細管の第2の部分をエッチングするステップを含み、細管の第2の部分をエッチングするステップは、細管の第2の部分内に配置された複数の入力ファイバの一部に影響を及ぼさないようにする。
【0052】
単独の又は第1及び第2の実施形態のうちの1つ若しくは複数と組み合わせた第3の実施形態では、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、細管の第3の部分を除去し、細管の第3の部分を除去するステップは、細管の第3の部分内に配置された複数の入力ファイバの一部に影響を及ぼさないようにする。
【0053】
単独の又は第1~第3の実施形態のうちの1つ若しくは複数と組み合わせた第4の実施形態では、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、細管の第1の部分、細管の第2の部分、及び細管の第3の部分を含むファイバコンバイナの出力端を形成するため細管及び細管内の複数の入力ファイバを特定の地点で切断するステップと、細管を切断することに基づいて、細管の第2の部分及び細管の第3の部分をエッチングするステップと、を含み、細管の第2の部分をエッチングするステップは、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせ、細管の第3の部分をエッチングするステップは、細管の第3の部分を除去する。
【0054】
単独の又は第1~第4の実施形態のうちの1つ若しくは複数と組み合わせた第5の実施形態では、細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせるステップは、細管の第2の部分及び細管の第3の部分をエッチングするステップであって、細管の第2の部分のエッチングが細管の第2の部分に第2の非ゼロ勾配プロファイルを持たせ、また細管の第3の部分のエッチングが細管の第3の部分を除去し、これにより、細管の第3の部分内に予め配置されていた複数の入力ファイバの一部を露出させる、該エッチングするステップと、及び細管の第2の部分及び細管の第3の部分をエッチングするステップに基づいて、複数の入力ファイバの一部に関連付けられる特定の地点で複数の入力ファイバを切断して、ファイバコンバイナの出力端を形成するステップと、を備える。
【0055】
図5はプロセス500の例示的なブロックを示すが、いくつかの実施形態において、プロセス500は、
図5に示されるブロックの更なるブロック、より少ないブロック、異なるブロック、又は異なるように並べられたブロックを含む。追加で、又は代替として、プロセス500のブロックのうちの2つ以上は、並列で実行されてもよい。
【0056】
前述の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は開示される厳密な形態に実施形態を限定することを意図するものではない。修正及び変形は、上記の開示に照らして行うことができ、又は実施形態の実施から獲得することができる。さらに、1つ又は複数の実施形態を組み合わせることができない理由を前述の開示が明示的に提示しない限り、本明細書に記載される実施形態のうちのいずれを組み合わせてもよい。
【0057】
本明細書で使用される場合、閾値を満たすことは、文脈に応じて、閾値よりも大きい、閾値以上、閾値よりも小さい、閾値以下、閾値に等しい、閾値に等しくない等の値を指す。
【0058】
特徴の特定の組合せが特許請求の範囲に記載され、かつ/又は本明細書に開示されているが、これらの組合せは、様々な実施形態の開示を限定することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない及び/又は本明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接依存する場合もあるが、様々な実施形態の開示は、各従属請求項と、請求項セット中の他のすべての請求項との組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」を指す語句は、単一の要素を含む、これらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに同じ項目の倍数との任意の組合せを網羅するように意図される。
【0059】
本明細書で使用される要素、行為、又は命令のいずれも、そのように明示的に記載されていない限り、重要又は必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、1つ又は複数の項目を含むように意図され、「1つ又は複数(one or more)」と互換的に使用される場合がある。さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される1つ又は複数の項目を含むように意図され、「1つ又は複数(one or more)」と互換的に使用される場合がある。さらに、本明細書で使用される場合、用語「セット(set)」は、1つ又は複数の項目(例えば、関連する項目、無関係な項目、又は関連する項目と無関係な項目の組合せ)を含むように意図され、「1つ又は複数(one or more)」と互換的に使用されてもよい。また、本明細書で使用される場合、用語「有する(has, have, having)」等は、オープンエンドの用語となるように意図される。さらに、「~に基づく(based on)」という語句は、特に明記しない限り、「~に少なくとも部分的に基づく(based, at least in part, on)」ように意図される。また、本明細書で使用される場合、用語「又は(or)」は、連続して使用される場合は包括的であるように意図され、明示的に別段の定めがない限り(例えば、「いずれか(either)」又は「一方のみ(only one of)」と組み合わせて使用される場合)、「及び/又は(and/or)」と互換的に使用される場合がある。さらに、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」等の空間的に相対的な用語は、説明を容易にして、図に示されるようなある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するために、本明細書で使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図に示される方位の他に、使用又は動作中の装置、デバイス、及び/又は要素の異なる方位を包含するように意図される。装置は、他の方位(90度回転された、又は他の方位)に合わせられてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は同様に、それに応じて解釈される場合がある。
【外国語明細書】