(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165638
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法および端末機器
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023072220
(22)【出願日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】10 2022 204 372.3
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ロスバッハ,アンドレ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】コザン,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,フロリアン
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD34
2F129DD38
2F129DD53
2F129DD65
2F129EE55
(57)【要約】
【課題】本発明は、複数のオートバイ(106)の1つのグループ(104)内のオートバイ(106)を運転する方法に関する。
【解決手段】オートバイ(106)のために予め規定された制限特性(108)を、グループ(104)の計画されたルート(102)上のコース区間(110)のコース特性(112)と比較し、コース区間(110)のコース特性(112)と、制限特性(108)とが対応しないときは、オートバイ(106)のために、少なくとも1つのコース区間(110)を迂回する、制限特性(108)を有するルート選択肢(100)を計画するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオートバイ(106)の1つのグループ(104)内のオートバイ(106)を運転する方法であって、前記オートバイ(106)のために予め規定された制限特性(108)を、前記グループ(104)の計画されたルート(102)上のコース区間(110)のコース特性(112)と比較し、前記コース区間(110)の前記コース特性(112)と、前記制限特性(108)とが対応しないときは、前記オートバイ(106)のために、少なくとも1つのコース区間(110)を迂回する、前記制限特性(108)を有するルート選択肢(100)を計画する、複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法。
【請求項2】
前記制限特性(108)を、前記オートバイ(106)の運転者のドライビングスキルを反映している前記運転者の運転者クラスを用いて予め規定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記制限特性(108)を、前記オートバイ(106)の技術的な限定要因を反映している前記オートバイ(106)のオートバイクラスを用いて予め規定する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記ルート選択肢(100)を、前記ルート(102)上における、前記ルート(102)からの前記ルート選択肢(100)の分岐点(116)と、前記ルート(102)への前記ルート選択肢(100)の合流点(118)との間の走行時間に実質的に相当する走行時間を有するように計画する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記ルート(102)のスタートポイント(202)への、前記オートバイ(106)のための、前記制限特性(108)を有する乗り付けルート(200)をさらに計画する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記乗り付けルート(200)を開始する出発時点(206)を、前記ルート(102)上への前記グループ(103)の計画されたスタート時点(208)を用いて決定する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ルート(102)上への前記グループ(104)のスタート時点(208)を、前記乗り付けルート(200)を開始する所望の出発時点(206)を用いて決定する、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記乗り付けルート(200)を開始する出発時点(206)を、前記乗り付けルート(200)の所望の長さを用いて計画する、請求項5から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記乗り付けルート(200)を、前記グループ(104)の計画されたスタート時点(208)の前の、許容誤差範囲内にある到着時点(210)を有するように計画する、請求項5から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
オートバイ(106)を運転する端末機器であって、制御機器は、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法を相応の装置内で実施、変換かつ/または制御するように形成されている、オートバイを運転する端末機器。
【請求項11】
コンピュータプログラム製品であって、プロセッサに、前記コンピュータプログラム製品の実行時、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法を実施、変換かつ/または制御すべく、指示するように構成されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項11記載のコンピュータプログラム製品が記憶されている機械可読な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法、相応の端末機器および相応のコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のオートバイの1つのグループでの走行時、グループは、グループの最弱の運転者のスキルに相当するルート、あるいはグループのすべてのオートバイが走ることが可能なルートのみ、走行することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これを背景として、ここで紹介するアプローチでもって、独立請求項に記載の、複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法、相応の端末機器および相応のコンピュータプログラム製品を紹介する。ここで紹介するアプローチの有利な発展形および改良は、明細書から看取可能であり、かつ従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0004】
ここで紹介するアプローチでは、グループの選択されたルートが、オートバイのある運転者のルート希望に合わないときや、運転者のドライビングスキルに合わないとき、かつ/またはオートバイにとって不適であるとき、複数のオートバイの1つのグループの少なくとも1つのオートバイのために、ルート選択肢を区間的に探索する。
【0005】
ここで紹介するアプローチにより、それぞれ異なるオートバイと、それぞれ異なるスキルおよび/または所望ルートを有する運転者とは、1つのグループで、少なくとも区間的に一緒に1つのルートを走行することができる。合わない区間は、この区間が合わないオートバイによって迂回される。合わない区間の後、グループは、再び落ち合い、一緒に引き続きルート上を走行する。
【0006】
複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法であって、オートバイのために予め規定された制限特性を、グループの計画されたルート上のコース区間のコース特性と比較し、コース区間のコース特性と、制限特性とが対応しないときは、オートバイのために、コース区間を迂回する、制限特性を有するルート選択肢を計画する、複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法を提案する。
【0007】
本発明の実施形態に関する観念は、とりわけ、以下に説明する思想および認識に基づくと見なされ得る。
【0008】
オートバイは、駆動される二輪車であってもよい。オートバイは、例えばモータサイクル、モキックまたはスクータであってもよい。オートバイは、電動式の駆動部または内燃機関を有していてもよい。
【0009】
複数のオートバイの1つのグループは、それぞれ異なるオートバイからなっていることがある。各オートバイには、制限特性がプリセットされ得る。制限特性は、オートバイの特性および/またはオートバイの運転者の特性を反映している。制限特性は、オートバイに関する前もって選択された制限および/または運転者に関する前もって選択された制限を反映している。制限特性は、つまり、どの道路を、ある特定の運転者が、ある特定のオートバイにより走行することができないか、かつ/または走行したくないか、を表している。制限特性は、例えばオートバイの型式を反映していることもある。制限特性は、オートバイのモータリゼーションを反映していることもある。制限特性は、オートバイの騒音エミッションを反映していることもある。制限特性は、オートバイの走行特性を反映していることもある。例えば制限特性は、オートバイの最小のカーブ半径および/またはオートバイの最大のバンク角を反映していることもある。制限特性は、オートバイのタイヤ一式およびオートバイの最低地上高を反映していることもある。制限特性は、運転者のドライビングスキルを反映していることもある。同じく制限特性は、運転者のルートに対する期待を反映していることもある。
【0010】
コース区間は、要求をオートバイおよび/または運転者に課すことがある。コース特性は、これらの要求を反映している。特にコース特性は、運転者がこのコース区間をオートバイで走行することができるように、運転者およびオートバイへの最低要求を反映している。コース特性は、例えばコース区間の最も悪い道路舗装を反映していることもある。コース特性は、コース区間上の最小のカーブ半径を反映していることもある。コース特性は、コース区間上の最大の上り勾配および/または最大の下り勾配を反映していることもある。コース特性は、特にコース区間の全体的性質、つまり、このコース区間を走行するのがどの程度難しいか、を反映していることもある。コース特性は、コース区間上の特別な障害、例えば水場横断を反映していることもある。コース特性は、コース区間上の利用制限を反映していることもある。例えばコース特性は、コース区間上の騒音限度を反映していることもある。同じくコース特性は、コース区間上のエミッション限度を反映していることもある。
【0011】
ルート上の少なくとも1つのコース区間のコース特性が、制限特性に合わなければ、コース特性が制限特性に合う少なくとも1つの代替的なコース区間を経由したルート選択肢を計画する。ルート選択肢は、除外されたコース区間より長い、同じ長さまたはより短いことがある。
【0012】
制限特性を、オートバイの運転者のドライビングスキルを反映している運転者の運転者クラスを用いて予め規定してもよい。運転者クラスは、例えば初心者、中級者および上級者であってもよい。運転者は、自らを運転者クラスに分類してもよい。運転者クラスは、経験により、つまり、時間と、走行したコースとを経て向上し得る。運転者クラスは、前もって選択された最大で望まれる難易度を反映していることもある。
【0013】
制限特性を、オートバイの技術的な限定要因を反映しているオートバイのオートバイクラスを用いて予め規定してもよい。オートバイクラスは、例えばチョッパ、ツアラ、スーパーバイクまたはエンデューロであってもよい。オートバイクラスは、例えばオートバイの予想される騒音エミッションを反映していることもある。同じくオートバイクラスは、オートバイのその型式にとって典型的な最大のバンクを反映していることもある。
【0014】
ルート選択肢を、ルート上における、ルートからのルート選択肢の分岐点と、ルートへのルート選択肢の合流点との間の走行時間に実質的に相当する走行時間を有するように計画してもよい。ルート選択肢は、ルートを分岐点で離脱し、合流点で再びルート上に乗り得る。分岐点と合流点との間には、ルートの除外されたコース区間が位置し、かつルート選択肢の代替的なコース区間も位置している。ルート選択肢を走るのに、分岐点と合流点との間のルートと近似的に同じ長さがかかるようにしてもよい。近似的に同じ走行時間により、グループの他の人々の待ち時間は、回避され得る。
【0015】
さらに、ルートのスタートポイントへの、オートバイのための、制限特性を有する乗り付けルートを計画してもよい。乗り付けルートは、オートバイの目下の現在地からルートのスタートポイントへと通じている。乗り付けルートは、オートバイの制限特性に合ったコース特性を有するコース区間を経由し得る。
【0016】
乗り付けルートを開始する出発時点を、ルート上へのグループの計画されたスタート時点を用いて決定してもよい。出発時点は、オートバイがスタートポイントにスタート時点前に到達するように選択し得る。したがって、グループの他の人々の待ち時間は、回避され得る。
【0017】
代替的には、ルート上へのグループのスタート時点を、乗り付けルートを開始する所望の出発時点を用いて決定してもよい。特にスタート時点は、最も長い乗り付けルートを有するオートバイにより決定し得る。グループの他のすべての出発時点は、相応にこのスタート時点に合わせて決定し得る。したがって、グループのすべてのメンバーは、近似的に同じ時間にスタートポイントに参着できる。所望の出発時点は、例えば時間的な限界によりプリセットされていてもよい。
【0018】
乗り付けルートを開始する出発時点を、乗り付けルートの所望の長さを用いて計画してもよい。所望の長さにより、乗り付けルートを延ばしてもよい。したがって、前置のツーリングを走行し得る。乗り付けルートの長さは、コースまたは時間として前もって選択し得る。
【0019】
乗り付けルートを、グループの計画されたスタート時点の前の、許容誤差範囲内にある到着時点を有するように計画してもよい。時間的に前置された許容誤差範囲により、ルート上へのグループのスタートの遅延は、回避され得る。許容誤差範囲は、時間バッファと称呼してもよい。
【0020】
本方法は、好ましくは、コンピュータに実装されており、例えばソフトウェアもしくはハードウェア内に、またはソフトウェアとハードウェアとからなる混合形態、例えば制御機器内に実装されていてもよい。
【0021】
ここで紹介するアプローチは、さらに、ここで紹介する方法の一変化態様のステップを相応の装置内で実施、制御あるいは変換するように形成されている端末機器を提供する。端末機器は、例えばオートバイの運転者のモバイル機器であってもよい。同じく端末機器は、オートバイのナビゲーションシステムであってもよい。
【0022】
端末機器は、電気機器であって、信号またはデータを処理する少なくとも1つの演算ユニットと、信号またはデータを記憶する少なくとも1つの記憶ユニットと、通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み取るまたは出力する少なくとも1つのインタフェースおよび/または通信インタフェースとを備える電気機器であってもよい。演算ユニットは、例えば、センサ信号を処理し、データ信号をセンサ信号に応じて出力する信号プロセッサ、いわゆるシステムASICまたはマイクロコントローラであってもよい。記憶ユニットは、例えばフラッシュメモリ、EPROMまたは磁気式の記憶ユニットであってもよい。インタフェースは、センサからセンサ信号を読み取るセンサインタフェースとして、かつ/またはデータ信号および/または制御信号をアクチュエータに出力するアクチュエータインタフェースとして形成されていてもよい。通信インタフェースは、データをワイヤレスにかつ/または有線で読み取るまたは出力するように形成されていてもよい。インタフェースは、ソフトウェアモジュールであってもよく、このソフトウェアモジュールは、例えばマイクロコントローラ上において別のソフトウェアモジュールの他に存在している。
【0023】
コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムであって、プログラムコードを備え、プログラムコードは、機械可読な担体または記憶媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスク記憶装置または光メモリ上に記憶されていることができ、特に、このプログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置上で実行されるとき、前述の実施形態のいずれかによる方法のステップを実施、変換かつ/または制御するために使用される、コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムも、有利である。
【0024】
付言すると、本発明の可能な特徴および利点の幾つかについて、ここで、それぞれ異なる実施形態を参照しながら説明する。当業者であれば、本発明のさらなる実施形態に想到するために、制御機器および方法の特徴を好適に組み合わせ、適合し、または置換し得ることは、自明である。
【0025】
以下に、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。図面も、明細書も、本発明を限定するものと解すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】複数のオートバイの1つのグループのルートに関する複数のルート選択肢を示す図である。
【
図2】複数のオートバイの1つのグループのルートのスタートポイントへの乗り付けルートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面は、概略図にすぎず、正しい縮尺のものではない。同じ符号は、同じまたは同一作用の特徴を指している。
【0028】
図1は、複数のオートバイ106の1つのグループ104のルート102に関する複数のルート選択肢100を示す図である。各オートバイ106には、個別の制限特性108が予め規定されている。オートバイ106の制限特性108は、オートバイ106のそれぞれ異なる技術的な前提を反映している。同じく制限特性108は、オートバイ106の運転者のそれぞれ異なる運転者に依存した前提を反映している。これらの前提は、各オートバイ106のために、ルート選択に際しての個別の制限を規定する。これらの制限は、各オートバイ106のための個別の制限特性108に委ねられている。
【0029】
例えば、制限特性108に委ねられているのは、オートバイ106の最大で可能なバンクあるいはオートバイ106の最小のカーブ半径であってもよい。同じく、制限特性108に委ねられているのは、オートバイ106の騒音エミッションであってもよい。さらに、制限特性108に委ねられているのは、運転者のドライビングスキルであってもよい。制限特性108に委ねられているのは、運転者がどのようなルート特徴を好むか、であってもよい。
【0030】
ルート102は、複数のコース区間110にわたっている。各コース区間110には、コース特性112が割り当てられている。コース特性112は、コース区間110の特性を反映している。
【0031】
例えば、コース特性112に委ねられているのは、コース区間110の最小のカーブ半径であってもよい。同じく、コース区間110における騒音限度が、コース特性112に委ねられていてもよい。コース区間110の難しさについての評価も、コース特性112に委ねられていてもよい。コース区間110のカーブの具合が、コース特性112に委ねられていてもよい。コース区間110の路面舗装や、路面舗装の状態が、コース特性112に委ねられていてもよい。特殊な障害、例えば水場横断も、コース特性112に委ねられていてもよい。
【0032】
ここで紹介するアプローチでは、各オートバイ106のために、ルート102のコース区間110のコース特性112を、オートバイ106の制限特性108と比較する。コース特性112が制限特性108と合わなければ、当該コース区間110を迂回するルート選択肢100を計画する。ルート選択肢100を、この場合、当該オートバイ106の制限特性108に合ったコース特性112を有するコース区間110で計画する。
【0033】
一実施例において、ルート102は、ワインディングコース114を経由している。複数のオートバイ106のうちの少なくとも1つのオートバイ106の制限特性108が、ワインディングコース114のコース特性112に対応しない。例えば、ワインディングコース114は、この運転者にとって難しすぎると評価されている。同じく、このオートバイ106が有する最小のカーブ半径が、大きすぎたり、あるいはこのオートバイ106が有する最大のバンクが、小さすぎたりすることもある。同じく、この運転者が、制限特性108に、ワインディングの気分ではなく、むしろ並木道を走りたいと記していることもある。それゆえ、ワインディングコース114を迂回するルート選択肢100を、このオートバイ106のために計画する。このオートバイ106は、ルート102を分岐点116で離脱する。このルート選択肢100を経由して、このオートバイ106は、ワインディングコース114の後、合流点118で再びルート102上に乗る。
【0034】
一実施例において、ルート102は、市街地120を通る。複数のオートバイ106のうちの少なくとも1つのオートバイ106の制限特性108は、市街地120を通るコース区間110のコース特性112に対応しない。例えば、このオートバイ106は、市街地120にはうるさすぎ、かつ/または環境地域への乗り入れが禁止されている。同じく、この運転者は、制限特性108に、市街地走行の気分ではなく、むしろ牧草地に沿って走りたいと記していることもある。それゆえ、市街地120を迂回するルート選択肢100を、このオートバイ106のために計画する。このオートバイ106は、ルート102を分岐点116で離脱する。このルート選択肢100を経由して、このオートバイ106は、市街地116の後、合流点118で再びルート102上に乗る。
【0035】
一実施例では、ルート選択肢100を、このルート選択肢100を経由した走行時間が、分岐点116と合流点118との間のルート102を経由した走行時間に実質的に相当するように計画する。このために、ルート選択肢100の長さを、制限特性108に応じた走り方で、合った走行時間が生じるように選択する。特に、ルート選択肢100を、このオートバイ106が合流点118にグループ104よりも先着し、グループ104が待たずに済むように、若干短く選択する。
【0036】
図2は、複数のオートバイ106の1つのグループ104のルート102のスタートポイント202への乗り付けルート200を示す図である。スタートポイント202は、グループ104の少なくとも2人のグループメンバーの集合ポイントに相当する。別のグループメンバーは、後にルート102上のどこかでルート102に当たるようにしてもよい。これらのグループメンバーのためにも、ルート102の中間にあるポイントへの乗り付けルート200を計画することができる。代替的には、すべてのグループメンバーが、スタートポイント202で落ち合い、スタートポイント202からルート102へとスタートしてもよい。
【0037】
乗り付けルート200をオートバイ106の位置204から計画する。その際、オートバイ106の制限特性108に合ったコース特性112を有するコース区間110を経由した乗り付けルート200を計画する。
【0038】
一実施例では、位置204の出発時点206を、このオートバイ106がスタートポイント202に、制限特性108に応じた走り方で、グループ104のスタート時点208の直前に到達するように、計画する。
【0039】
一実施例では、スタート時点208を、複数のオートバイ106のうちの1つのオートバイ106の、スタートポイント202への到着時点210によって確定する。その際、到着時点210は、固定の出発時点206と、乗り付けルート200の長さと、運転者の、制限特性108に委ねられた走り方とから生じる。スタート時点208は、これにより、すべてのグループメンバーの出発時点206に影響を及ぼす。特に、スタート時点208を、最も長い乗り付けルート200に応じて確定する。それより短い乗り付けルート200のために、その後、相応に出発時点206を算出する。
【0040】
一実施例では、乗り付けルート200の長さをプリセットし、これに応じて、スタート時点208に合った出発時点206を算出する。したがって、マスツーリングの前に、プレツーリングを前置することが可能である。
【0041】
一実施例では、乗り付けルート200の長さを、この乗り付けルート200が、所望の出発時点206で開始され、スタートポイント202にスタート時点208の直前に到達するように算出する。
【0042】
以下に、本発明の可能な構成を再度まとめる、あるいは少し異なる言葉を選択して表現する。
【0043】
グループ走行のための、パーソナライズされたルート案内と、コース分類にしたがったナビゲーションとのための最適化されたルート案内について紹介する。
【0044】
モータサイクル運転者は、走行中、車両と、または相互に、通信することが可能である。モータサイクル運転者は、特にカーブの多いルートについて案内され得る。
【0045】
ここで紹介するアプローチでは、運転者は、1人で、または1つのグループ内で、ある特定のルートを、自身の運転スキルおよび/または自身の車両タイプに則して選択することが可能である。したがって、運転初心者は、例えば、比較的要求度の低いルートを選択することが可能である。同じく、スポーツモータサイクルの運転者は、砂利または水場横断のないコースを選択することが可能である。
【0046】
グループ体験、あるいは様々な運転者と車両とが参加し得る共同のグループとの関係において、この機能は、運転者に対して、マスツーリングにおいてある特定のポイントで、ルートのある特定の部分を迂回すべく別のルートに変更するが、ある特定のポイントで再び共通のルートに復帰することもでき、しかも、その復帰に際しては、可能な限り参加者が他の参加者を待たずに済むという目的をもって復帰するという可能性も有して、ルートを変更する可能性を提供するために用いられる。このために、付加的に車両タイプおよび/または運転者に依存したスキルについての情報を使用する。これらの情報は、手入力してもよいし、または自動的にデータインタフェースを介して検出してもよい。
【0047】
すべての参加者がツーリングに合意した後、参加者は、ルートを自身の個人的なニーズに適合させることができる。
【0048】
ある運転者が、特定のコース区間を、自身の運転スキルのために迂回したければ、この運転者は、このことを計画段階において手動で適合させることができ、またはこのことは、ツーリング途中に自動的に提案され得る。このことは、ウインタースポーツにおいて既に知られているようなコース分類の原理にしたがっていてもよい。したがって、例えば簡単に走行可能な区間は、緑でマークしておいてもよい。要求度の高い区間は、例えば黒でマークしておいてもよい。
【0049】
図1において、運転者1は、運転初心者であり、好ましくは、簡単なコースを走行する。それゆえ運転者1は、共通のルートをポイント1で離脱し、共通のルートにポイント3で再び復帰する。その際、ルート選択肢は、運転者1が、最適には、運転者2&3がポイント3に到着するのと同じ時点で、ポイント3に到着するように算出される。
【0050】
運転者2は、慣れた運転者であり、好ましくは、最大で中難易度に指定されているコースを走行する。運転者2は、共通のルートをポイント1で離脱し、共通のルートにポイント2で再び復帰する。その際、ルート選択肢は、運転者2が、最適には、運転者3がポイント2に到着するのと同じ時点で、ポイント2に到着するように算出される。ポイント3には、その後、すべての運転者が一緒に到着する。
【0051】
運転者3は、熟練の運転者であり、好ましくは、チャレンジングな、あらゆる難易度のコースを走行する。運転者3は、共通のルートをポイント1で離脱し、共通のルートにポイント2で再び復帰する。最適には、運転者2と同じ時点でポイント2に到着する。ポイント3には、その後、すべての運転者が一緒に到着する。
【0052】
ある運転者が、特定のコース区間を、自身の車両タイプのために迂回したければ、この運転者は、このことを計画段階において手動で適合させることができ、またはこのことは、運転者にツーリング途中に自動的に提案され得る。このことは、他の車両により自動化されてコースが相応に指定されるかつ/または情報、例えば未舗装路がマップ内に格納されているコース分類の原理にしたがうことができる。例えば区間は、標識に応じて指定/マークされていてもよい。
【0053】
図1において、運転者1は、例えばその走行音のために騒音制限のないコースしか許されていない車両を所有している。運転者1は、共通のルートをポイント1で離脱し、共通のルートにポイント3で再び復帰する。その際、ルート選択肢は、運転者1が、最適には、運転者2&3がポイント3に到着するのと同じ時点で、ポイント3に到着するように算出される。
【0054】
運転者2は、例えばチョッパモデル等の、限定的なバンクを有する車両を所有している。これにより運転者2にとっては、難しいコースを走るには難しさがあろう。それゆえ運転者2は、共通のルートをポイント1で中程度の難しさのコースへ離脱し、共通のルートにポイント2で再び復帰する。その際、ルート選択肢は、運転者2が、最適には、運転者3がポイント2に到着するのと同じ時点で、ポイント2に到着するように算出される。ポイント3には、その後、すべての運転者が一緒に到着する。
【0055】
運転者3は、例えば難しいコース等の、きついカーブのために良好なカーブ姿勢を有するツーリング車両を所有している。運転者3は、共通のルートをポイント1で離脱し、共通のルートにポイント2で再び復帰する。最適には、運転者2と同じ時点でポイント2に到着する。ポイント3には、その後、すべての運転者が一緒に到着する。
【0056】
1つのグループの運転者にとってのこれらのオプションは、両変化態様の一方に限定されていてもよいし、または各運転者は、他の参加者が何を選択したかによらず、自身の所望のメソッドを選択してもよい。ゴールは、常に、場所および時間に関して共通の集合ポイントである。
【0057】
このシステムは、主として、1つのグループのモータサイクル運転者間において彼らのスマートフォンを介して通信するために設計されており、特にナビゲーション機能用である。しかし、旧車、自転車またはこれに類するものにおいても使用可能である。
【0058】
引き続き、グループ走行のための、簡単化された決定と、共通の集合ポイントへのナビゲーションとのための最適化されたルート案内について紹介する。
【0059】
ここでは、モータサイクル運転者同士の、かつスタートポイントがそれぞれ異なりながらも1つのゴールへ一緒に到着することをオーガナイズするための通信について紹介する。
【0060】
このゴールは、例えばドライブに出かける1つの共通のスタートポイントであってもよい。その際、各運転者には個別に、自身の規定されたスタート場所のために、すべての運転者がそれぞれ異なるスタートポイントから同時にゴールに到着するように、相応のスタート時間が決定される。
【0061】
スタートポイントについての情報は、例えばスマートフォンのGPS位置により求められてもよい。代替的には、運転者が、計画段階中、自身の後のスタートポイントとは異なる場所にいる場合、スタートポイントは、手入力されてもよい。
【0062】
すべての参加者が同時に、規定された集合ポイントに到着するように、運転者には、それぞれ、自身のスタート時点が指示され、通知される。その際、集合ポイントへの計画された共通の到着時間が確定され得る。代替的には、参加者の可能な最も早いスタート時点が確定され、したがって集合ポイントのための到着時間がプリセットされていてもよい。
【0063】
運転者が最も速い路で共通の集合ポイントに到着したければ、コース最適化されて、合ったルートが決定され、相応のスタート時点が計算される。これにより、スタートポイント/場所と、ゴールまでの走行時間は、スタート時点(時刻)の決定にとって重要である。
【0064】
運転者が既に早めのスタートを希望し、前置のツーリングのために時間を使いたければ、所望のスタート時点が問い合わされ、共通の集合ポイントへの到着時間が遵守されるように、合ったルートが決定され得る。
【0065】
最後に付言すると、「有する、備える(aufweisend,umfassend等)」の概念は、その他の要素またはステップを排除するものではなく、また「不定冠詞(eineまたはein)」の概念は、複数を排除するものではない。特許請求の範囲における符号は、限定と見なすべきものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 運転者
2 運転者
3 運転者
1 ポイント
2 ポイント
3 ポイント
100 ルート選択肢
102 ルート
104 グループ
106 オートバイ
108 制限特性
110 コース区間
112 コース特性
114 ワインディングコース
116 分岐点
118 合流点
120 市街地
200 乗り付けルート
202 スタートポイント
204 位置
206 出発時点
208 スタート時点
210 到着時点
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオートバイ(106)の1つのグループ(104)内のオートバイ(106)を運転する方法であって、前記オートバイ(106)のために予め規定された制限特性(108)を、前記グループ(104)の計画されたルート(102)上のコース区間(110)のコース特性(112)と比較し、前記コース区間(110)の前記コース特性(112)と、前記制限特性(108)とが対応しないときは、前記オートバイ(106)のために、少なくとも1つのコース区間(110)を迂回する、前記制限特性(108)を有するルート選択肢(100)を計画する、複数のオートバイの1つのグループ内のオートバイを運転する方法。
【請求項2】
前記制限特性(108)を、前記オートバイ(106)の運転者のドライビングスキルを反映している前記運転者の運転者クラスを用いて予め規定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記制限特性(108)を、前記オートバイ(106)の技術的な限定要因を反映している前記オートバイ(106)のオートバイクラスを用いて予め規定する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記ルート選択肢(100)を、前記ルート(102)上における、前記ルート(102)からの前記ルート選択肢(100)の分岐点(116)と、前記ルート(102)への前記ルート選択肢(100)の合流点(118)との間の走行時間に実質的に相当する走行時間を有するように計画する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記ルート(102)のスタートポイント(202)への、前記オートバイ(106)のための、前記制限特性(108)を有する乗り付けルート(200)をさらに計画する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記乗り付けルート(200)を開始する出発時点(206)を、前記ルート(102)上への前記グループ(103)の計画されたスタート時点(208)を用いて決定する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ルート(102)上への前記グループ(104)のスタート時点(208)を、前記乗り付けルート(200)を開始する所望の出発時点(206)を用いて決定する、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記乗り付けルート(200)を開始する出発時点(206)を、前記乗り付けルート(200)の所望の長さを用いて計画する、請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記乗り付けルート(200)を、前記グループ(104)の計画されたスタート時点(208)の前の、許容誤差範囲内にある到着時点(210)を有するように計画する、請求項5記載の方法。
【請求項10】
オートバイ(106)を運転する端末機器であって、制御機器は、請求項1記載の方法を相応の装置内で実施、変換かつ/または制御するように形成されている、オートバイを運転する端末機器。
【請求項11】
コンピュータプログラム製品であって、プロセッサに、前記コンピュータプログラム製品の実行時、請求項1記載の方法を実施、変換かつ/または制御すべく、指示するように構成されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項11記載のコンピュータプログラム製品が記憶されている機械可読な記憶媒体。
【外国語明細書】