(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165661
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】道路車両の運転者の眠気又は注意力レベルを判定する方法及びその道路車両
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023075942
(22)【出願日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】102022000009065
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア セコンディ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンマルコ リモンタ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181LL01
5H181LL07
5H181LL20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造が容易かつ安価な、道路車両の運転者の眠気/注意力レベルを判定するための方法、及びその道路車両を提供する。
【解決手段】操舵のために運転者(DR)に操作される装置の運動学に関連する、少なくとも1つの操舵パラメータを検出するステップであって、この操舵パラメータが、道路車両(1)の操舵角(δ)及び/又は操舵速度(ω)に関連するものであるステップと、検出された少なくとも1つの操舵パラメータの関数として、操舵指数を精緻化するステップと、車線(8)内の道路車両(1)の位置(P)に関する、少なくとも1つの車線パラメータを検出するステップと、検出された少なくとも1つの車線パラメータの関数として、車線指数を処理するステップと、操舵指数と車線指数との組み合わせの関数として、運転者(DR)の眠気/注意力指数を計算するステップと、を含む方法。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路車両(1)の運転者(DR)の、眠気/注意力レベルを判定するための方法であって、
操舵のために前記運転者(DR)によって操作される装置の運動学に関連する、少なくとも1つの操舵パラメータ(S)を検出するステップであって、前記操舵パラメータ(S)が、前記道路車両(1)の操舵角(δ)及び/又は操舵速度(ω)に関連するステップと、
検出された少なくとも1つの前記操舵パラメータ(S)の関数として、操舵指数(IS)を精緻化するステップと、
車線(8)内の前記道路車両(1)の位置(P)に関する、少なくとも1つの車線パラメータ(L)を検出するステップと、
検出された少なくとも1つの前記車線パラメータ(L)の関数として、車線指数(IL)を処理するステップと、を含み、
前記操舵指数(IS)と前記車線指数(IL)との組み合わせの関数として、前記運転者(DR)の眠気/注意力指数(IDA)を処理することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記操舵指数(IS)及び/又は前記車線指数(IL)のそれぞれが、前記操舵パラメータ(S)及び/又は前記車線パラメータ(L)の、それぞれの定時検出(PIS、PIL)と、前記操舵パラメータ(S)及び/又は前記車線パラメータ(L)の、それぞれの基本検出(BIS、BIL)との関数として計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操舵指数(IS)及び/又は前記車線指数(IL)が、前記それぞれの基本検出(BIS、BIL)と、前記それぞれの定時検出(PIS、PIL)との間の差分の関数として計算され、特に、前記操舵指数(IS)及び/又は前記車線指数(IL)が、前記それぞれの基本検出(BIS、BIL)と、前記それぞれの定時検出(PIS、PIL)との間の差分の経時的な積分として計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記操舵パラメータ(S)の前記基本検出(BIS)が、特定の時間間隔(TI)の間、特に運転開始(TO)から現時点(AT)までの間の、前記操舵パラメータ(S)の前記定時検出(PIS)の平均の関数として計算される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記操舵パラメータ(S)の前記定時検出(PIS)が、前記操舵角(δ)と前記操舵速度(ω)との2乗和平方根の関数として計算される、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記車線パラメータ(L)の前記基本検出(BIS)が、所与の時間間隔(TI)の間、特に前記運転開始(TO)から前記現時点(AT)までの間に前記運転者(DR)によって実行された、重大な操作(CM)の頻度の関数として計算される、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記車線パラメータ(L)の前記定時検出(PIL)が、前記現時点(AT)から過去時点(PT)までの範囲の移動時間窓(WS)の間に、前記運転者(DR)によって実行された、重大な操作(CM)の頻度の関数として計算される、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記移動時間窓(WS)が、1分よりも大きく、特に2分よりも大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記運転者(DR)の前記眠気/注意力指数(IDA)が、前記操舵指数(IS)と前記車線指数(IL)との加重和によって定められる運転指数の関数として計算され、特に、前記操舵指数(IS)の重み及び前記車線指数(IL)の重みが、実験的試験によって定義される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記運転者(DR)の前記眠気/注意力指数(IDA)が、感度関数(SF)を考慮することによって計算され、前記感度関数(SF)は、前記運転者(DR)の前記眠気/注意力指数(IDA)の値を、境界条件の関数として増加又は減少させるものである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記境界条件が、運転時間(t)、及び/又は時刻、及び/又は前記道路車両(1)内の乗員の存在、及び/又は運転支援の使用である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記重大な操作(CM)が、
前記車線(8)内の前記車両(1)の理想的軌道(TJ)からの第1の閾値(TVD)を超える逸脱、及び/又は、
前記車線(8)を画定する線(11)への過度の接近、及び/又は、
前記道路車両(1)をその最適な軌道に戻す突然の補正
を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記操舵パラメータ(S)及び前記車線パラメータ(L)の前記検出、又は前記眠気/注意力指数(IDA)の前記計算が、前記道路車両(1)が走行する道路に応じて、及び/又は、前記運転者(DR)の前記運転スタイルに応じて中断され、特に、前記操舵パラメータ(S)及び前記車線パラメータ(L)の前記検出、又は前記眠気/注意力指数(IDA)の前記計算が、カーブ(C)を運転している間、及び/又は、運転者(DR)がスポーティな運転若しくは危険な運転スタイルをとっている場合に中断される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記眠気/注意力指数が、特定の第2の閾値(TVI)を超える場合、前記運転者(DR)に警告する、又は、アクチュエータを作動させる、更なるステップを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
道路車両(1)であって、
少なくとも一対が駆動される、4つの車輪(2、3)と、
操舵のために運転者(DR)に操作される装置の運動学に関連する、少なくとも1つの操舵パラメータ(S)を検出するように構成された、第1のセンサ装置(4)であって、前記操舵パラメータ(S)が、前記道路車両(1)の操舵角(δ)及び/又は操舵速度(ω)に関連する、第1のセンサ装置(4)と、
車線(8)内の前記道路車両(1)の位置(P)に対する、少なくとも1つの車線パラメータ(L)を検出するように構成された、第2のセンサ装置(7)と、を備え、
前記道路車両(1)は、制御ユニット(9)を備えることを特徴し、
前記制御ユニット(9)は、
検出された少なくとも1つの前記操舵パラメータ(S)に従って、操舵指数(IS)を処理し、かつ、検出された少なくとも1つの前記車線パラメータ(L)に従って、車線指数(IL)を処理し、
前記操舵指数(IS)と前記車線指数(IL)との組み合わせの関数として、前記運転者(DR)の眠気/注意力指数(IDA)を処理するように構成されている、道路車両(1)。
【請求項16】
前記第1のセンサ装置(4)が、前記車輪(2、3)、及び/又は、ステアリングにセンサ素子(10)を備え、前記第2のセンサ装置(7)が、カメラ、及び/又は、無線機若しくはレーザ装置を備える、請求項15に記載の道路車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【関連特許出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、2022年5月4日に出願されたイタリア特許出願第102022000009065号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、道路車両の運転者の眠気/注意力レベルを判定するための方法、及びその道路車両に関する。
【0003】
特に、本発明は、有利には、高性能道路車両において具体化され、以下の説明では明示的にそれを参照するが、これは排他的なものではなく、そのために一般性を失うことはない。
【背景技術】
【0004】
運転時の疲労感及び眠気、並びに注意力の欠如は、重大な車両事故の最も一般的な原因の1つである。これは、車線から逸脱している車両によって引き起こされることが多く、車両自体を道路から外れさせ、又は反対方向に走行する車両との正面衝突を引き起こす。
【0005】
このような事故を防止しようとする試みとして、注意監視システム(DDAW:Driver Drowsiness Attention Warning)とも呼ばれる、道路車両の運転者監視システム(DMS:Driver Monitoring System)が知られている。
【0006】
したがって、この技術は、運転者の疲労感/注意力の識別に基づいて、事故のリスクが甚大である状況を特定しようとするものである。
【0007】
したがって、そのようなシステムは、通常、運転者の顔を監視するために道路車両のステアリングコラム又は天井灯に配置された、カメラなどの赤外線センサを使用して、運転者の注意力を監視する。
【0008】
運転者が前方の道路に十分に注意を払っておらず、したがって危険な状況が検出された場合、システムは通常、照明の合図(多くの場合、休憩が必要であることを知らせるためにコーヒーカップのような形状である)、及び警告音によって、運転者に警告を行う。何も起こらなければ、一部の車両では、運転者を最大限に保護するためにブレーキがかけられ、「前後左右のランプ」(ハザードランプ)が作動される。
【0009】
例えば、運転者の眠気/注意レベルを評価するための最も普及している尺度の1つに、運転者の眠気の客観的評価(1~9)である、カロリンスカ眠気尺度(KSS:Karolinska Sleepiness Scale)があり、これを用いて運転中の運転者の身体状態を定義することができる。
【0010】
しかしながら、公知のシステムの精度では、システムが調整されるパラメータは、統計的かつ非定時的なユーザデータに基づくものであるため、評価誤差が生じるおそれがある。特に運転者の顔監視に関しては、様々なユーザが、実質的に異なる方法(様々な瞼の垂下、まばたきの頻度など)で、眠気又は注意の欠如を示し得る。
【0011】
更に、公知のシステムでは、運転者の注意力及び/又は眠気に影響を及ぼすかどうか分からない、様々な境界条件が考慮されていない。実際、同じ運転者が、異なる心身状態においては異なる姿勢をとり、監視システムによる危険な状態の管理において、偽陽性又は偽陰性を生成するおそれがある。
【0012】
ドイツ国特許出願公開第102015208208号は、車両の運転者の眠気を検出する方法に関するものである。この方法は、車両が車線を跨ぐことが差し迫っていることの表示として、超過信号を読み取るステップと、その超過信号を読み取る瞬間の前の、車両の走行軌道を評価するステップと、有効性の値がオーバーシュート信号は妥当であることを示す場合に、オーバーシュート信号を使用して眠気表示信号を提供するステップとを含む。
【0013】
米国特許出願公開第2009048737号には、車両の運転者の眠気を検出する方法が開示されており、覚醒状態推定部は、操舵角検知部で取得された操舵角に基づいて、平均操舵角、平均操舵角速度、及び補正操舵角を算出する。覚醒状態推定は、車速センシングから車両の走行速度を取得するものである。覚醒状態の推定は、車両が走行している経路の種類に応じた修正値で、計算された補正操舵角を修正し、修正後の補正操舵角に基づいて運転者の覚醒状態を推定するものである。
【0014】
ドイツ国特許出願公開第102014219810号は、車両の運転者の眠気レベルを判定するための方法及び装置に関するものである。この方法は、運転者が車線違反を無意識に行ったものか、又は意識的に行ったものか、車線違反の挙動を分類することに基づいて、運転者の眠気レベルを決定するステップを含む。
【0015】
本発明の目的は、少なくとも部分的に上述した欠点がなく、同時に、製造が容易かつ安価な、道路車両の運転者の眠気/注意力レベルを判定するための方法、及びその道路車両を提供することである。
【発明の概要】
【0016】
本発明によれば、以下の独立請求項、及び好ましくは、独立請求項に直接的又は間接的に従属する請求項のいずれか1つに記載されているものに従って、道路車両の運転者の眠気/注意力レベルを判定するための方法、及びその道路車両が提供される。
【0017】
添付の特許請求の範囲は、本明細書の不可欠な部分を形成する、本発明の好ましい実施形態を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
次に、本発明のいくつかの非限定的な実施形態を示す、添付の図面を参照して、本発明の説明を行う。
【
図1】明瞭にするために詳細を取り除いた、集中している運転者によって運転される、本発明による車両の内側からの透視概略図である。
【
図2】明瞭にするために詳細を取り除いた、注意散漫な、又は疲労した運転者によって運転される、
図1の車両の内側からの透視概略図である。
【
図3】集中している運転者、並びに、注意散漫な、又は疲労した運転者についてそれぞれ計算された、操舵指数に関する2つのグラフを示す図である。
【
図4】操舵指数に関する3つのグラフであり、そのうちの第1のグラフは、絶対的な定時性の検出を示し、そのうちの第2のグラフは、基本検出を示し、そのうちの第3のグラフは、第1及び第2の検出から導出された、特徴付けられた検出を示す。
【
図5】車線指数に関する3つのグラフであり、そのうちの第1のグラフは、絶対的な定時性の検出を示し、そのうちの第2のグラフは、基本検出を示し、そのうちの第3のグラフは、第1及び第2のものから導出された、特徴付けられた検出を示す。
【
図6】運転者の疲労感/注意力指数を算出する際に、境界条件を考慮するために用いられる、感度関数に関するグラフである。
【
図7】操舵指数、車線指数、及び感度関数を考慮して計算された、運転者の疲労感/注意力指数に関するグラフである。
【
図8】運転者の疲労感/注意力指数の算出を有効にするか無効にするかを決定する、ロジック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面を参照すると、符号1は、2つの前輪2及び2つの後輪3を備えた、道路車両全体を示す。車両1は自動車であり、1つ又はそれ以上の推進システムの位置に基づいて、前輪駆動、後輪駆動、又は4輪駆動であり得る。
【0020】
図中の同一の参照番号及び文字は、同一の機能を有する、同一の要素又は構成要素を特定するものである。
【0021】
本明細書の文脈において、「第2の」構成要素という用語は、「第1の」構成要素が存在することを意味するものではない。これらの用語は、実際には、明瞭性を向上させるための標示として使用されており、限定的に理解されるべきではない。
【0022】
図面を含む、様々な好ましい実施形態に示されている要素及び特徴は、以下に記載するような本出願の保護の範囲から逸脱することなく、互いに組み合わせることができる。
【0023】
有利には、道路車両1は、操舵のために運転者DRによって操作される装置5の運動学に関する、少なくとも1つの操舵パラメータSを検出するように構成された、第1のセンサ装置4を備える。装置5は、例えば、
図1及び
図2に示すような、従来のステアリングホイール6、又は適切なジョイスティック又はつり鐘型ハンドルである。
【0024】
具体的には、操舵パラメータSは、道路車両1の操舵角δ、及び/又は、操舵速度ωに関するものである。
【0025】
「操舵角δ」とは、車輪2が真っすぐであるステアリングホイール6の位置と、(運転者DRが、それ自体の中心回転軸の周りで、どの程度回転させたかに拠る)現在のステアリングホイール6の位置との間の、角度を意味する。明らかに、操舵角δは、前輪2の(後輪3が操舵される場合には、後輪3の)、直線位置を基準とする垂直軸周りの偏差の関数として、同様に計算することもできる。
【0026】
「操舵速度ω」とは、操舵角δの経時的変化を意味する。
【0027】
車両1はまた、(
図1及び
図2に概略的に示されている)車線8内の道路車両1の(動的な)位置Pに関する、少なくとも1つの車線パラメータLを検出するように構成された、第2のセンサ装置7を備える。
【0028】
有利には、車両はまた、検出された少なくとも1つの操舵パラメータSの関数としての、操舵指数IS、並びに、検出された少なくとも1つの車線パラメータLの関数としての、車線指数ILを処理するように構成された、制御ユニット9を備える。
【0029】
更に、制御ユニット9は、操舵指数ISと車線指数ILとの組み合わせの関数として、運転者DRの疲労感/注意力指数IDAを処理するように構成される。この指数は、例えば公知の評価尺度に従って、運転者の眠気/注意力レベルを定量的に(すなわち、数値で)示すものであり、(KSSスケールのように)それほど詳細ではない。
【0030】
物理的には、制御ユニット9は、単一の装置、又は互いに分離され、道路車両1のローカルネットワーク(例えば、CAN又はイーサネット)を介して通信する、いくつかの装置から構成することができる。
【0031】
図1及び
図2の非限定的な実施形態に示すように、好ましくはこれらに限定するものではないが、第1のセンサ装置4は、車輪2及び/又はステアリングホイール6にセンサ素子10を備え、第2のセンサ装置7は、カメラ及び/又は無線機、又はレーザ装置(例えば、LiDAR又はレーダ)を備える。
【0032】
図1では、(通常、しかるべき境界線11によって区切られている)車線8内で、運転者DRによって運転される車両1が、制限なく示されている。特に、この図は、運転者DRが集中して、注意を怠っていない(すなわち、特に眠気を催しておらず、疲労感を受けておらず、又は注意散漫になっていない)場合の、道路車両1の道程12(特に、車輪2、3に従った軌跡13)を示している。したがって、これらの状態において、車両の位置Pが、どれだけ実質的に理想的軌道TJ上に留まっているか、並びに、車線8を区切る線11からの、車両の(特に軌跡13の)距離Dを理解することができる。
【0033】
逆に、
図2は、運転者DRが疲労しており、注意力不足である(すなわち、眠気を催し、疲労感を受け、又は運転外の何かによって注意散漫になっている)場合の、道路車両1の道程12(及び、特に、車輪2、3に従った軌跡13)を示している。したがって、これらの状態において、車両の位置Pが、理想的軌道TJに対してどれだけ変化してしまっているか、並びに、車線8を区切る線11からの、車両の(特に軌跡13の)距離Dを理解することができる。
【0034】
本発明の更なる態様によれば、道路車両1の運転者DRの眠気/注意力レベルを判定するための方法が提供される。
【0035】
本方法は、(例えば、第1のセンサ装置4によって)装置5の運動学に関する、操舵パラメータSを検出するステップを提供する。操舵パラメータSは、道路車両1の操舵角δ及び/又は操舵速度ωを基準とする(すなわち、その関数として計算される)。
【0036】
本方法はまた、前もって検出された操舵パラメータSの関数として、操舵指数ISを処理する、以下のステップを提供する。
【0037】
文脈上、本方法は、車線8内の道路車両1の位置Pに関する、車線パラメータLを検出するステップ、並びに、前もって検出された車線パラメータLの関数として、車線インデックスILを処理するステップを提供する。
【0038】
有利には、本方法は、制御ユニット9によって、運転者DRの疲労感/注意力指数IDAを、操舵指数ISと車線指数ILの組み合わせの関数として処理する、すなわち数値的に計算するステップを更に含む。
【0039】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、(
図4cに示す)操舵指数IS、及び/又は(
図5cに示す)車線指数ILは、操舵パラメータS及び/又は車線パラメータLのそれぞれの定時検出である、(
図4a及び
図5aに示す)PIS、PILのそれぞれ、並びに、操舵パラメータS及び/又は車線パラメータLのそれぞれの基本検出である、(
図4b及び
図5bに示す)BIS、BILのそれぞれに従って計算される。特に、基本的出BIS、BILは、操舵指数IS及び車線指数ILをそれぞれ調整し、ユーザごとにそれらを特徴付けるための、基準(ベンチマーク)の役割を果たすものであり、年齢、体格、運転技能、反射神経などの違いを無視することができる。
【0040】
本明細書において、「定時検出」とは、運転の進行中、すなわち現時点に関する検出を意味する。
【0041】
図4b及び
図5bに示すような、いくつかの好ましい非限定的な事例では、基本検出BIS、BILは、車両1が始動され、運転が開始されるたびに、運転者DRを特徴付けるための基準となる。このようにして、運転者DRの状態、意志、及び習慣によって、時には進化する運転者DRの運転スタイルを考慮に入れることもできる。
【0042】
他の非限定的かつ図示されていない事例では、運転者が1度特徴付けられ、基本検出BIS、BILが各運転者DRに対して1度実行されれば、それらは車両が作動するたびに実行されるものではない。こうした場合、使用されるキー、携帯電話、車両1内のビデオカメラを使用した顔認識などの公知のシステムによって、運転者DRを認識することができる。
【0043】
これが必須ではないが、有利には、操舵指数IS及び/又は車線指数ILは、定時検出PIS、PILのそれぞれと、基本検出BIS、BILのそれぞれとの間の、差分に従って計算される。特に、操舵指数IS及び/又は車線指数ILは、定時検出PIS、PILのそれぞれと、基本検出BIS、BILのそれぞれとの間の差分の、経時的な積分として計算される。
【0044】
言い換えれば、限定するものではないが好ましくは、
図4cの非限定的な実施形態に示されているものによる操舵指数ISは、以下の式に従って計算される。
[数1]
IS=∫(BIS-PIS)dt
また、
図5cの非限定的な実施形態に示すような車線指数ILは、以下の式に従って計算される。
[数2]
IL=∫(BIL-PIL)dt.
【0045】
これが必須ではないが、有利には、
図4bの非限定的な実施形態に示すように、操舵パラメータSの基本検出BISは、特に運転開始TOから現時点ATまでの所与の期間TIについての、操舵パラメータの定時検出PISの値の、平均の関数(演算)として計算される。
【0046】
図3a、
図3b、及び
図4aに示すような、いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、操舵パラメータSの定時検出PISは、操舵角δと操舵速度ωとの2乗和平方根の関数として計算される。言い換えれば、操舵パラメータSの定時検出PISは、以下の式に従って計算されることが好ましい。
[数3]
PIS=√(δ^2+ω^2)
【0047】
これが必須ではないが、有利には、操舵パラメータSの定時検出PISは、直線の車線8に沿って走行している間に検出された、角度δ及び速度ωに関連して計算される。
【0048】
特に、
図3aから分かるように、運転者DRが(
図1のように)集中しており、注意を怠っていない(すなわち、特定の眠気、疲労感を受けておらず、注意散漫になっていない)場合、操舵パラメータSの定時検出PISは、許容誤差範囲H内に留まる傾向がある。したがって、これらの状態において、運転者DRが、どれほどステアリングホイール6を実質的に中心位置(δ≒0)に維持し、かつ、低速(ω≒0)で補正を行っているかを、理解することができる。
【0049】
一方、
図3bから分かるように、運転者DRが(
図2のように)集中しておらず、注意を怠っている(すなわち、明らかな眠気、疲労感又は注意散漫に影響される)場合、操舵パラメータSの定時検出PISは、許容誤差範囲Hを規定する円から外れる傾向がある。したがって、これらの状況において、運転者DRが、どれほどステアリングホイール6の位置を修正する(操舵角δの正負の値を大きくする)ことが多く、かつ/又は、突然の修正(操舵速度ωの正負の値を大きくすること)を行っているかを、理解することができる。
【0050】
これが必須ではないが、有利には、
図5bの非限定的な実施形態に示すように、車線パラメータLの基本検出BILは、特定の期間TI、特に、やはり運転開始TOから現時点ATまでの間の、車線パラメータLの定時検出PILの(
図5aのグラフに存在するピークによって表される)重大な操作CMの、頻度の関数として計算される。
【0051】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、重大な操作CMは、車線8内の車両1の理想的な軌道TJから、第1のTVD閾値を超えて離れることを伴う。
【0052】
その代わりに、又は加えて、重大な操作CMは、車線8を区切る線11へ過度に接近することを伴う。
【0053】
その代わりに、又は加えて、重大な操作CMは、道路車両1を最適な軌道TJに戻す、運転者DRによる突然の補正を伴う。
【0054】
したがって、限定するものではないが、好ましくは、車線パラメータLの基本検出BILは、以下の式に従って計算される。
[数4]
BIL=(NCM(AT))/(AT-TO)*60
これは、初期時点TOから現時点ATまでの、1分当たりの重大な操作CMの数NCMを示す。ここで、NCM(AT)は、現時点ATにおける、重大な操作CMの総数を示す。
【0055】
図5aに示すような、いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、車線パラメータLの定時検出PILは、現時点ATから過去時点PTまでの範囲の移動時間窓WSに対して、運転者DRによって実行された、重大な操作の頻度の関数として計算される。
【0056】
したがって、限定するものではないが、好ましくは、車線パラメータLの定時検出PILは、以下の式に従って計算される。
[数5]
PIL=No/WS*60
これは、移動時間窓WS内で実行された、毎分の重大な操作CMの数Nを示す。
【0057】
特に、移動時間窓WSは1分より大きく、好ましくは2分より大きく、詳細には3分以上である。これにより、運転者DRは、車両1からの警告を継続的に受けることなく、瞬間的な不注意を補うことができる。
【0058】
これが必須ではないが、有利には、車線パラメータLの定時検出PILは、直線の車線8に沿って走行している間に実行される、重大な操作CMに関連して(同様に)計算される。
【0059】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、運転者の疲労感/注意力指数IDAは、操舵指数ISと車線指数ILとの加重和によって与えられる、運転指数IGの関数として計算される。言い換えれば、運転指数IGは、以下の式に従って算出され、ここで、α及びβはそれぞれ、操舵指数IS及び車線指数ILの重みである。
[数6]
IG=αIS+βIL
【0060】
特に、操舵指数ISの重みα、及び車線指数ILの重みβは、実験的試験によって定義される。詳細には、重みα及びβによって、疲労感/注意力指数IDAの値を、基準として使用されるスケール(例えば、これに限定されないが、KSSスケール)に適合させるために、指数IS及びILを調整することが可能となる。
【0061】
更に、これが必須ではないが、有利には、運転者の疲労感/注意力指数IDAは、疲労感/注意力指数IDAの値を境界条件の関数として増減させる、感度関数SFを考慮して算出される。
【0062】
特に、境界条件は、(現在及び過去の)車両の挙動の外部にあるパラメータである。言い換えれば、境界条件は、運転及び運転者の通常の注意力に影響を及ぼし得る、外部条件である。
【0063】
有利には、これに限定されないが、境界条件とは、運転継続時間t、及び/又は、時刻、及び/又は、道路車両における乗員の存在、及び/又は、レベル2以下の運転支援の使用である。運転継続時間tは、疲労感/不注意の増加につながるおそれがある。したがって、運転持続時間tが大きいほど、感度関数SFが大きくなり、それに応じて指数IDAの値が増加する。また、時刻については、夜間では疲労を感じる可能性がより高く、したがって、時刻が進んでいるほど、すなわち、夕方/夜に近づくほど、感度関数SFが大きくなり、結果として、指数IDAの値が増加する。また、道路車両における乗員の存在は、運転者DRの疲労感に有益な影響を与え得るものであり、運転者DRの活性を維持し、乗員数が多いほど感度関数SFが小さくなり、指数IDAの値が減少する。また、レベル2以下の運転支援の使用により、注意力の低下がより起こりやすくなる。したがって、支援のレベルが高いほど、感度関数SFが大きくなり、その結果、指数IDAの値が増加する。
【0064】
つまり、疲労感/注意力指数IDAは、上記の運転指数IGに関数SFを乗じて、つまり以下の式に従って算出される。
[数7]
IDA=IG*SF
このようにすれば、同一の運転者DRであっても、運転に影響を及ぼし得る外界状況や運転者の通常の注意力に基づいて、疲労感/注意力指数IDAの値をより精緻化することができる。
【0065】
図6に示すようないくつかの好ましい実施形態によれば、感度関数SFは、実質的に放物線状の推移aを有し、(常に1に等しい値から始まる)その推移は、0に等しい運転時点tで、前述した境界条件の関数としてオフセットされる。
【0066】
これが必須ではないが、有利には、
図7の非限定的な実施形態に示すように、本方法は、眠気/注意力指数IDAが特定の第2の閾値TVIを超える場合に、運転者DRに警告する、又は(例えば、光、音、触覚又は車両ブレーキといった)アクチュエータを作動させる、更なるステップを含む。例えば、一般的なカップのような形状の照明の合図によって、又は、音響や触覚の警告によって、運転者に警告することができる。
【0067】
いくつかの好ましい非限定的な事例において、第2の閾値TVIは、KSSスケールの値7に相当する。
【0068】
これが必須ではないが、有利には、
図8の非限定的な実施形態に示すように、本方法は、操舵パラメータIS及び車線パラメータILの検出、又は、いずれにせよ疲労感/注意力指数IDAの計算を中断するための、信号DSを生成することを行う。
【0069】
特に、道路車両が走行する道路に応じて、及び/又は、運転者DRの運転スタイルに応じて、操舵パラメータIS及び車線パラメータILの検出(又は疲労感/注意力指数IDAの計算のみ)は中断される。好ましくは、カーブCを走行している間、及び/又は、運転者がスポーティな運転スタイルや無謀な運転スタイルを有する場合に、操舵パラメータIS及び車線パラメータILの検出(又は疲労感/注意力指数IDAの計算のみ)は中断される。
【0070】
図8の非限定的な実施形態では、ブロック14は、(例えば、道路車両1のヨーレートYRに応じて)カーブC又は直線ストレッチRを検出する段階を示す。カーブCの場合、すべての運転者DRが辿る予測可能な走行曲線の標準がなく、運転者DRと他の運転者DRとで運転技能が異なる可能性があり、同一の運転者DRが、左側のカーブCと右側のカーブCで異なるアプローチをする可能性があるため、上述した検出又は計算は中断され、疲労感/注意力指数の効果的な計算が損なわれる。
【0071】
更に、ブロック15は、例えば、道路車両1の縦加速度Ax及び横加速度Ayによって、運転者DRの運転スタイルを経時的に検出するための段階を示す。運転者は、場合によっては直線R区間であっても車線の中心を尊重せず、通常は運転者DR自身が眠気を催していないことの現れである、活動的な運転をすることを自発的に決定するため、自発的にスポーティな運転、又は無謀な運転が検出された場合、前述した検出又は前述した計算は中断される。
【0072】
最後に、ブロック16は、単純なOR論理演算を実行し、これにより、上述した2つの条件の一方が発生すると、停止信号DSが送信される。
【0073】
明らかに、カーブC又は運転者によるスポーティな運転/無謀な運転が検出されない場合にのみ、アクティブな起動信号を提供するなど、公知の方法で前述したロジックを反転することができ、したがって以下では更に詳細に説明しない。
【0074】
いくつかの非限定的な事例では、操舵指数ISの検出は、カーブCの存在下で中断又は除外されるが、車線指数の読み取り値は考慮され続ける。しかし、境界線11からの修正された距離D、すなわち第1のそれほど厳しくない閾値TVD値を有する。
【0075】
限定するものではないが、好ましくは、操舵指数IS及び車線指数ILの検出は、疲労感/注意力指数IDAの計算と同様に、連続的に実行される。
【0076】
使用時に、読取り又は計算を除外/中断するという前述の条件がない場合、車両は、疲労感/注意力指数IDAを連続的に計算し、これを異なる条件及び異なる運転者DRに適合させる(これにより、異なる基本検出BIS、BILが生成される)。このようにして、車両1は、制御ユニット9によって、運転者の注意力/眠気の改善又は悪化を認識することができる。
【0077】
疲労感/注意力指数IDA値が第2の閾値TVIを超えると、運転者DRに警告し、休憩をとることを推奨する。
【0078】
有利には、車両1は、これまでに説明した方法を実行するように構成される。
【0079】
上述した本発明は、実施形態の非常に明確な実施例を特に参照しているが、例えば、異なるタイプの道路車両、センサ要素の異なる配置、異なる計算方法、又は異なる境界条件、危険であると考えられる異なる操作、注意力の欠如又は眠気を知らせるための異なるシステムなど、添付の特許請求の範囲によってカバーされるすべての変形形態、修正形態、又は簡略化形態は、その範囲内に含まれる。そのため、実施形態のこの実施例に限定されると見なされるべきではない。
【0080】
上述した方法及び車両は、多くの利点を有する。
【0081】
第1に、危険な運転状態の場合に、運転者を理解し警告することによって、特に効率的な方法で車両、運転者、及び乗員の安全を保護することが可能となる。
【0082】
更に、運転者を特徴付けることによって、運転スタイル及び習慣に関して平均から逸脱した運転者に対して間違いにつながるおそれのある、統計的バイアスに陥ることが回避される。
【0083】
本発明の更なる利点は、それぞれの新しい運転において、運転者を定時的に特徴付けられることであり、したがって、同一の運転者であっても運転行動が変化する場合でさえ、それとは無関係に表現することができる。
【0084】
更に、本発明では、疲労感/眠気パラメータを境界条件の関数としても調整することが可能となる。境界条件は通常、運転者の有効能力を変化させ、偽陰性又は偽陽性を引き起こす可能性があり、運転者DRに誤って警告するおそれがある。
【0085】
最後に、上述した方法は、いかなる構成要素の追加も必要とせず、現代の道路車両1に既に通常存在するアーキテクチャを利用することによって、ソフトウェアによって完全に実施することができるため、道路車両1に実装するのが簡単かつ経済的である。上述した方法は、高い計算容量も大量のメモリも必要とせず、したがって、更新又はアップグレードすることなく、公知の制御ユニットで実装できることに留意することが重要である。
【符号の説明】
【0086】
1 車両
2 前輪
3 後輪
4 第1のセンサ装置
5 操舵装置
6 操舵
7 第2のセンサ装置
8 車線
9 制御ユニット
10 センサ素子
11 境界線
12 道程
13 軌跡
14 ブロック
15 ブロック
16 ブロック
AT 現時点
Ax 加速度
Ay 加速度
BIL 基本検出L
BIS 基本検出S
C カーブ
CM 重大な操作
D 線からの距離
DR 運転者
DS 停止信号
H 範囲
IDA 疲労感指数
IL 車線指数
IS 操舵指数
L 車線パラメータ
P 車両位置
PIL 定時検出L
PIS 定時検出S
PT 過去時点
R 直線部分
ST 操舵パラメータ
SF 感度関数
t 運転継続時間
TI 期間
TJ 理想的軌道
TO 運転開始
TVD 第1の閾値
TVI 第2の閾値
YR ヨーレート
WS 時間窓
δ 操舵角
ω 操舵速度
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路車両(1)の運転者(DR)の、眠気/注意力レベルを判定するための方法であって、
操舵のために前記運転者(DR)によって操作される装置の運動学に関連する、少なくとも1つの操舵パラメータ(S)を検出するステップであって、前記操舵パラメータ(S)が、前記道路車両(1)の操舵角(δ)及び/又は操舵速度(ω)に関連するステップと、
検出された少なくとも1つの前記操舵パラメータ(S)の関数として、操舵指数(IS)を精緻化するステップと、
車線(8)内の前記道路車両(1)の位置(P)に関する、少なくとも1つの車線パラメータ(L)を検出するステップと、
検出された少なくとも1つの前記車線パラメータ(L)の関数として、車線指数(IL)を処理するステップと、を含み、
前記操舵指数(IS)と前記車線指数(IL)との組み合わせの関数として、前記運転者(DR)の眠気/注意力指数(IDA)を処理することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記操舵指数(IS)及び/又は前記車線指数(IL)のそれぞれが、前記操舵パラメータ(S)及び/又は前記車線パラメータ(L)の、それぞれの定時検出(PIS、PIL)と、前記操舵パラメータ(S)及び/又は前記車線パラメータ(L)の、それぞれの基本検出(BIS、BIL)との関数として計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操舵指数(IS)及び/又は前記車線指数(IL)が、前記それぞれの基本検出(BIS、BIL)と、前記それぞれの定時検出(PIS、PIL)との間の差分の関数として計算され、特に、前記操舵指数(IS)及び/又は前記車線指数(IL)が、前記それぞれの基本検出(BIS、BIL)と、前記それぞれの定時検出(PIS、PIL)との間の差分の経時的な積分として計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記操舵パラメータ(S)の前記基本検出(BIS)が、特定の時間間隔(TI)の間、特に運転開始(TO)から現時点(AT)までの間の、前記操舵パラメータ(S)の前記定時検出(PIS)の平均の関数として計算される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記操舵パラメータ(S)の前記定時検出(PIS)が、前記操舵角(δ)と前記操舵速度(ω)との2乗和平方根の関数として計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記車線パラメータ(L)の前記基本検出(BIS)が、所与の時間間隔(TI)の間、特に運転開始(TO)から現時点(AT)までの間に前記運転者(DR)によって実行された、重大な操作(CM)の頻度の関数として計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記車線パラメータ(L)の前記定時検出(PIL)が、現時点(AT)から過去時点(PT)までの範囲の移動時間窓(WS)の間に、前記運転者(DR)によって実行された、重大な操作(CM)の頻度の関数として計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記移動時間窓(WS)が、1分よりも大きく、特に2分よりも大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記運転者(DR)の前記眠気/注意力指数(IDA)が、前記操舵指数(IS)と前記車線指数(IL)との加重和によって定められる運転指数の関数として計算され、特に、前記操舵指数(IS)の重み及び前記車線指数(IL)の重みが、実験的試験によって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記運転者(DR)の前記眠気/注意力指数(IDA)が、感度関数(SF)を考慮することによって計算され、前記感度関数(SF)は、前記運転者(DR)の前記眠気/注意力指数(IDA)の値を、境界条件の関数として増加又は減少させるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記境界条件が、運転時間(t)、及び/又は時刻、及び/又は前記道路車両(1)内の乗員の存在、及び/又は運転支援の使用である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記重大な操作(CM)が、
前記車線(8)内の前記車両(1)の理想的軌道(TJ)からの第1の閾値(TVD)を超える逸脱、及び/又は、
前記車線(8)を画定する線(11)への過度の接近、及び/又は、
前記道路車両(1)をその最適な軌道に戻す突然の補正
を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記操舵パラメータ(S)及び前記車線パラメータ(L)の前記検出、又は前記眠気/注意力指数(IDA)の前記計算が、前記道路車両(1)が走行する道路に応じて、及び/又は、前記運転者(DR)の運転スタイルに応じて中断され、特に、前記操舵パラメータ(S)及び前記車線パラメータ(L)の前記検出、又は前記眠気/注意力指数(IDA)の前記計算が、カーブ(C)を運転している間、及び/又は、運転者(DR)がスポーティな運転若しくは危険な運転スタイルをとっている場合に中断される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記眠気/注意力指数が、特定の第2の閾値(TVI)を超える場合、前記運転者(DR)に警告する、又は、アクチュエータを作動させる、更なるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
道路車両(1)であって、
少なくとも一対が駆動される、4つの車輪(2、3)と、
操舵のために運転者(DR)に操作される装置の運動学に関連する、少なくとも1つの操舵パラメータ(S)を検出するように構成された、第1のセンサ装置(4)であって、前記操舵パラメータ(S)が、前記道路車両(1)の操舵角(δ)及び/又は操舵速度(ω)に関連する、第1のセンサ装置(4)と、
車線(8)内の前記道路車両(1)の位置(P)に対する、少なくとも1つの車線パラメータ(L)を検出するように構成された、第2のセンサ装置(7)と、を備え、
前記道路車両(1)は、制御ユニット(9)を備えることを特徴し、
前記制御ユニット(9)は、
検出された少なくとも1つの前記操舵パラメータ(S)に従って、操舵指数(IS)を処理し、かつ、検出された少なくとも1つの前記車線パラメータ(L)に従って、車線指数(IL)を処理し、
前記操舵指数(IS)と前記車線指数(IL)との組み合わせの関数として、前記運転者(DR)の眠気/注意力指数(IDA)を処理するように構成されている、道路車両(1)。
【請求項16】
前記第1のセンサ装置(4)が、前記車輪(2、3)、及び/又は、ステアリングにセンサ素子(10)を備え、前記第2のセンサ装置(7)が、カメラ、及び/又は、無線機若しくはレーザ装置を備える、請求項15に記載の道路車両(1)。
【外国語明細書】