(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165662
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】拡張可能な固定デバイス及びその取り付け方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023075974
(22)【出願日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】17/736,547
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
(71)【出願人】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】タイラー ヘスラ
(72)【発明者】
【氏名】アレックス ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】トッド ヤシンスキー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC06
4C097CC19
4C097DD01
4C097DD06
4C097DD09
4C097DD10
4C097FF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固定プロセスを容易にするために隣接する椎骨間に挿入されることができる、拡張可能な固定デバイスを提供する。
【解決手段】拡張可能な固定デバイス5500は、第1の端板5502及び第2の端板5504と、デバイスの前方側5524及び/又は後方側5526を拡張するように構成された並進部材と、第1の端板及び第2の端板を並進部材に接続するように構成された複数の梁と、デバイスの後側の開口部を使用して前方側、後方側、又はその両方を拡張又は圧縮することができ、かかる開口部を使用して移植片材料をデバイスに導入することもできるように、デバイスの内部に配設された第1の作動部材及び第2の作動部材と、を含み得る。
【選択図】
図64B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能な固定デバイスであって、
第1の端板及び第2の端板と、
前記第1の端板及び前記第2の端板と係合される、複数の可動梁と、
作動部材と、前記複数の梁と係合された複数の傾斜部と、を含む並進部材アセンブリと、
前記作動部材に固定された係止ワッシャであって、前記作動部材は、前記第1の端板及び前記第2の端板が互いから離れるように移動するように前記梁を移動させるように構成されており、前記係止ワッシャは、前記作動部材の回転を防止し、それによって、前記第1の端板及び前記第2の端板の高さ及び前弯を係止するように構成されている、係止ワッシャと、を備える、拡張可能な固定デバイス。
【請求項2】
前記作動部材は、ヘッドと、遠位端において終端する中央長手方向軸に沿って延在するねじ山付きシャフトと、を含む、請求項1に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項3】
前記並進部材アセンブリは、第1の貫通孔を画定する並進構成要素と、第2の貫通孔を画定する前傾斜部と、を含み、前記作動部材の前記ヘッドは、前記並進構成要素内の前記第1の孔を通して受容可能であり、前記シャフトは、前記前傾斜部内の前記第2の孔を通して受容可能である、請求項2に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項4】
前記ヘッドは、前記ヘッドの周囲に半径方向に延在する、間に間隙を備える複数の突出部及び前記突出部の下のチャネルを画定する、請求項2に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項5】
ドライバを挿入して前記作動部材を回転させると、前記係止ワッシャは脇に寄せられて、前記作動部材を解放して自由に回転させ、前記ドライバを取り出すことにより、前記係止ワッシャが前記ヘッド上の前記突出部内に固定されることを可能にし、それによって、前記作動部材の回転を制限する、請求項4に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項6】
前記係止ワッシャは、アームによって部分リングに接続された完全リングを含み、前記完全リングは、前記ヘッドの上部に接して静置されるように構成されており、前記部分リングは、前記チャネル内に着座するように構成されており、前記アームは、前記ヘッドに沿った前記突出部間の前記間隙のうちの1つに収まるように構成されている、請求項4に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項7】
前記アームは、前記完全リングの外周からの突出部を形成し、前記突出部は、凹部を画定するインプラントキー及び前記突出部と係合するように構成されたタブと接合するように構成されている、請求項6に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項8】
前記完全リングは、前記ヘッドの前記上部を覆うように構成された非対称面を有する、請求項6に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項9】
拡張可能な固定デバイスであって、
第1の端板及び第2の端板と、
前記第1の端板と係合された第1の梁及び第2の梁と、
前記第2の端板と係合された第3の梁及び第4の梁と、
前記第1の梁、前記第2の梁、前記第3の梁、及び前記第4の梁と係合している並進部材と、
前記並進部材と係合している第1の作動部材であって、前記第1の作動部材は、前記第1の梁及び前記第3の梁を移動させて、前記拡張可能な固定デバイスの第1の側で前記第1の端板及び前記第2の端板を拡張するように構成されている、第1の作動部材と、
前記第1の作動部材に取り付けられた第1の係止ワッシャであって、前記第1の係止ワッシャは、前記第1の作動部材の回転を防止するように構成されている、第1の係止ワッシャと、
前記並進部材と係合している第2の作動部材であって、前記第2の作動部材は、前記第2の梁及び前記第4の梁を移動させて、前記拡張可能な固定デバイスの第2の側で前記第1の端板及び前記第2の端板を拡張するように構成されている、第2の作動部材と、
前記第2の作動部材に取り付けられた第2の係止ワッシャであって、前記第2の係止ワッシャは、前記第2の作動部材の回転を防止するように構成されている、第2の係止ワッシャと、を備える、拡張可能な固定デバイス。
【請求項10】
前記第1の側は前方側であり、前記第2の側は後方側であり、前記第1の作動部材は前記前方側を拡張し、前記第2の作動部材は前記後方側を拡張する、請求項9に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項11】
前記第1の端板及び前記第2の端板は、それぞれの前記梁の上で枢動するように構成されている、請求項9に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項12】
前記梁のうちの1つは、前記第1の端板又は前記第2の端板に配設されたタブを受容するように構成されたポケットを含み、別の梁は、前記第1の端板又は前記第2の端板の反対側に配設された円筒状の軸を受容するように構成された円筒状の孔を含む、請求項9に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項13】
前記円筒状の軸は中空であり、前記第1の端板又は前記第2の端板の前から後に向かって延在する、請求項12に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項14】
前記第1の端板及び前記第2の端板の一方又は両方は、骨成長を促進するように構成された表面パターン及び双方向歯が3D印刷されている、請求項9に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項15】
前記表面パターンは、多孔質格子構造で充填された亀甲パターンである、請求項14に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項16】
前記表面パターンは、多孔質格子構造で充填された平行支柱パターンである、請求項14に記載の拡張可能な固定デバイス。
【請求項17】
拡張可能な固定デバイスを取り付ける、及び/又は拡張するためのシステムであって、前記システムは、
拡張可能な固定デバイスであって、
第1の端板及び第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板との間に少なくとも部分的に配設された並進部材アセンブリであって、前記並進部材アセンブリは、
第1の貫通孔を含む前方後傾斜部を含む、前記拡張可能な固定デバイスの前方側に配設された前方並進構成要素と、
ヘッドと、前記前方並進構成要素を移動させるためのねじ山付きシャフトと、を含む前方作動部材と、
第2の貫通孔を含む後方後傾斜部を含む、前記拡張可能な固定デバイスの後方側に配設された後方並進構成要素と、
ヘッドと、前記後方並進構成要素を移動させるためのねじ山付きシャフトと、を含む後方作動部材であって、前記前方作動部材及び/又は前記後方作動部材の回転は、それぞれ前記前方側及び/又は前記後方側で前記固定デバイスを拡張して、前記第1の端板及び前記第2の端板の高さ及び前弯を達成するように構成されている、後方作動部材と、を含む、並進部材アセンブリと、を含む、拡張可能な固定デバイスと、
前記拡張可能な固定デバイスを取り付ける、及び/又は拡張するための器具であって、
前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔の一方に取り付け可能なカニューレ状スリーブを備える本体と、
前記カニューレ状スリーブを通して位置付け可能な第1のドライバであって、前記第1のドライバは、前記前方作動部材又は前記後方作動部材の前記ヘッド内の駆動凹部と係合するように構成されている先端を有する、第1のドライバと、
前記他方の作動部材の前記ヘッド内の駆動凹部と係合するように構成された先端を有する第2のドライバと、を含む、器具と、を備える、システム。
【請求項18】
前記本体の遠位端は、前記前方後傾斜部及び前記後方後傾斜部の両側にある、対応する器具切り欠け部と接合するように構成された一対のタブを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のドライバ及び前記第2のドライバは、平行に整列している、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の貫通孔又は前記第2の貫通孔は、雌ねじ山付きであり得、前記カニューレ状スリーブは、前記前方後傾斜部又は前記後方後傾斜部の前記雌ねじ山付きの孔と嵌合するように構成された、ねじ山付き端を有する、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月12日に出願された米国特許出願第16/991,303号の一部継続出願であり、これは、2016年6月29日に出願された同第15/196,231号の一部継続出願であり、これらの全ての内容は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、椎間固定を促進するための装置及び方法に関し、より具体的には、隣接する椎骨間に挿入して固定プロセスを容易にすることができる、拡張可能な固定デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
外傷又は老化など様々な要因によって変性した椎間板に関連する疼痛に対処するための一般的な処置は、1つ以上の隣接する椎体を固定するための椎間固定デバイスの使用である。概して、隣接する椎体を固定するために、最初に椎間板が、部分的又は完全に除去され得る。典型的には、次いで椎間固定デバイスが隣接する椎骨間に挿入されて、正常な椎間板腔を維持し、脊椎の安定を回復させ、それによって椎間固定を容易にすることができる。
【0004】
当該分野には、椎間固定を達成するための多くの既知の従来の固定デバイス及び方法論が存在する。これらとしては、ねじ及びロッド装置、中実の骨インプラント、並びに典型的には骨及び/又は骨成長誘発物質で充填されるケージ又は他のインプラント機構を含む固定デバイスが挙げられる。これらのデバイスは、椎体を互いに固定するために隣接する椎体間に埋め込まれて、関連する疼痛を緩和する。
【0005】
しかしながら、既知の従来の固定デバイス及び方法論に関連する欠点がある。例えば、椎間固定における2つの重要な要因は、前方(前弯)角度の調節及び後方高さの調節であり得る。前弯角度は、矢状バランスを回復する際に重要であり得、後方高さは、椎間板高さの回復及び神経孔の間接的減圧を補助し得る。従来の固定デバイスは、原位置での拡張を可能にし得るが、前弯角度及び後方高さが、互いに独立して原位置で調節されることを可能にしない。
【発明の概要】
【0006】
例示的な実施形態では、本開示は、第1の端板と、第2の端板と、第1の端板に接続された第1の梁及び第2の梁と、第2の端板に接続された第3の梁及び第4の梁と、第1の梁、第2の梁、第3の梁、及び第4の梁と係合している並進部材と、並進部材アセンブリと係合している第1の作動部材と、を備える拡張可能な固定デバイスを提供する。第1の作動部材は、第1の端板及び第2の端板が拡張可能な固定デバイスの第1の側で並進部材から離れる方向に移動するように、第1の梁及び第3の梁を移動させるように構成され得る。拡張可能な固定デバイスはまた、並進部材アセンブリと係合している第2の作動部材を含み得、第2の作動部材は、第1の端板及び第2の端板が拡張可能な固定デバイスの第2の側で並進部材から離れる方向に移動するように、第2の梁及び第4の梁を移動させるように構成されている。
【0007】
例示的な実施形態では、拡張可能な固定デバイスは、第1の端板と、第2の端板と、第1の端板と第2の端板との間に少なくとも部分的に配設された並進部材と、を備え、並進部材アセンブリは、拡張可能な固定デバイスの前方側に配設された前方並進構成要素を備え、前方並進部は、前方孔を備える。拡張可能な固定デバイスはまた、拡張可能な固定デバイスの後方側に配設された後方並進構成要素を含み得、後方並進部は後方孔を備える。並進部材は、第1の端板の前方側及び第2の端板の前方側を移動させることによって、前方側で固定デバイスを拡張するように構成され得、並進部材は、第1の端板の後方側及び第2の端板の後方側を移動させることによって、後方側で固定デバイスを拡張するように構成され得る。第1の端板は、第1の梁及び第2の梁を介して並進部材と係合され得、第2の端板は、第3の梁及び第4の梁を介して並進部材と係合される。
【0008】
例示的な実施形態では、拡張可能な固定デバイスは、第1の端板及び第2の端板と、第1の端板及び第2の端板と係合された複数の可動梁と、作動部材及び複数の梁と係合された複数の傾斜部を含む並進部材アセンブリと、作動部材に固定された係止ワッシャと、を含む。作動部材は、第1の端板及び第2の端板が互いから離れるように移動するように梁を移動させるように構成されており、係止ワッシャは、作動部材の回転を防止し、それによって、第1の端板及び第2の端板の高さ及び前弯を係止するように構成されている。作動部材は、ヘッドと、遠位端において終端する中央長手方向軸に沿って延在するねじ山付きシャフトと、を含み得る。並進部材アセンブリは、第1の貫通孔を画定する並進構成要素と、第2の貫通孔を画定する前傾斜部と、を含み得、作動部材のヘッドは、並進構成要素内の第1の孔を通して受容可能であり、シャフトは、前傾斜部内の第2の孔を通して受容可能である。ヘッドは、ヘッドの周囲に半径方向に延在する、間に間隙を備える複数の突出部及び突出部の下のチャネルを画定し得る。ドライバを挿入して作動部材を回転させると、係止ワッシャは脇に寄せられ得、作動部材を解放して自由に回転させ、ドライバを取り出すことにより、係止ワッシャがヘッド上の突出部内に固定されることを可能にし、それによって、作動部材の回転を制限し得る。係止ワッシャは、アームによって部分リングに接続された完全リングを含み得、完全リングは、ヘッドの上部に接して静置されるように構成されており、部分リングは、チャネル内に着座するように構成されており、アームは、ヘッドに沿った突出部間の間隙のうちの1つに収まるように構成されている。アームは、完全リングの外周からの突出部を形成し得、突出部は、凹部を画定するインプラントキー及び突出部と係合するように構成されたタブと接合するように構成されている。完全リングは、ヘッドの上部を被覆するように構成された非対称面を有し得る。
【0009】
例示的な実施形態では、拡張可能な固定デバイスは、第1の端板及び第2の端板と、第1の端板と係合された第1の梁及び第2の梁と、第2の端板と係合された第3の梁及び第4の梁と、第1の梁、第2の梁、第3の梁、及び第4の梁と係合している並進部材と、並進部材と係合している第1の作動部材であって、第1の作動部材は、第1の梁及び第3の梁を移動させて、拡張可能な固定デバイスの第1の側で第1の端板及び第2の端板を拡張させるように構成されている、第1の作動部材と、第1の作動部材に取り付けられた第1の係止ワッシャであって、第1の係止ワッシャは、第1の作動部材の回転を防止するように構成されている、第1の係止ワッシャと、並進部材アセンブリと係合している第2の作動部材であって、第2の作動部材は、第2の梁及び第4の梁を移動させて、拡張可能な固定デバイスの第2の側で第1の端板及び第2の端板を拡張させるように構成されている、第2の作動部材と、第2の作動部材に取り付けられた第2の係止ワッシャであって、第2の係止ワッシャは、第2の作動部材の回転を防止するように構成されている、第2の係止ワッシャと、を含む。第1の作動部材は前方側を拡張し、第2の作動部材は後方側を拡張するように、第1の側は前方側であり得、第2の側は後方側であり得る。第1の端板及び第2の端板は、それぞれの梁の上で枢動するように構成され得る。例えば、梁のうちの1つは、第1の端板又は第2の端板上に配設されたタブを受容するように構成されたポケットを含み得、別の梁は、第1の端板又は第2の端板の反対側に配設された円筒状の軸を受容するように構成された円筒状の孔を含み得る。円筒状の軸は中空であり得、第1の端板又は第2の端板の前部から後部に向かって延在し得る。第1の端板及び第2の端板の一方又は両方は、骨成長を促進するように構成された表面パターン及び双方向歯が3D印刷され得る。例えば、表面パターンは、開放亀甲パターン、開放平行支柱パターンであり得、又はパターンは、多孔質格子構造で充填され得る。
【0010】
例示的な実施形態では、拡張可能な固定デバイスを取り付ける、及び/又は拡張するためのシステムは、拡張可能な固定デバイスと、拡張可能な固定デバイスを取り付ける、及び/又は拡張するための器具と、を含む。拡張可能な固定デバイスは、第1の端板及び第2の端板と、第1の端板と第2の端板との間に少なくとも部分的に配設された並進部材アセンブリと、を含み、並進部材アセンブリは、第1の貫通孔を備える前方後傾斜部を含む、拡張可能な固定デバイスの前方側に配設された前方並進構成要素と、ヘッドと、前方並進構成要素を移動させるためのねじ山付きシャフトと、を含む前方作動部材と、第2の貫通孔を備える後方後傾斜部を含む、拡張可能な固定デバイスの後方側に配設された後方並進構成要素と、ヘッドと、後方並進構成要素を移動させるためのねじ山付きシャフトと、を含む後方作動部材であって、前方作動部材及び/又は後方作動部材の回転によって、それぞれ前方側及び/又は後方側で固定デバイスを拡張して、第1の端板及び第2の端板の高さ及び前弯を達成するように構成されている、後方作動部材と、を含む。拡張可能な固定デバイスを取り付ける、及び/又は拡張するための器具は、第1の貫通孔及び第2の貫通孔の一方に取り付け可能なカニューレ状スリーブを備える本体と、カニューレ状スリーブを通して位置決め可能な第1のドライバであって、第1のドライバは、前方作動部材又は後方作動部材のヘッド内の駆動凹部と係合するように構成された先端を有する、第1のドライバと、他方の作動部材のヘッド内の駆動凹部と係合するように構成された先端を有する第2のドライバと、を含む。本体の遠位端は、前方後傾斜部及び後方後傾斜部の両側にある、対応する器具切り欠け部と接合するように構成された一対のタブを含み得る。第1のドライバ及び第2のドライバは並列に整列し得る。第1の貫通孔又は第2の貫通孔は、雌ねじ山付きであり得、カニューレ状スリーブは、前方後傾斜部又は後方後傾斜部の雌ねじ山付きの孔と嵌合するように構成された、ねじ山付き端を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【
図1】本開示による、隣接する椎骨間に示される拡張可能な固定デバイスの一実施形態の側面図である。
【
図2】本開示による拡張可能な固定デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図3】
図2の拡張可能な固定デバイスの一実施形態の端面図である。
【
図4】枢動点を示す、
図2の拡張可能な固定デバイスの端板の一実施形態の端面図である。
【
図5】枢動点を示す、
図2の拡張可能な固定デバイスの端板の一実施形態の別の端面図である。
【
図6】
図2の拡張可能な固定デバイスの並進部材アセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図7】本開示の別の実施形態による拡張固定デバイスの斜視図である。
【
図8】
図7の拡張可能な固定デバイスの一実施形態の別の図である。
【
図9】
図7の拡張可能な固定デバイスの一実施形態の端面図である。
【
図10】
図7の拡張可能な固定デバイスの一実施形態の上面図である。
【
図11】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスを示す。
【
図12】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスを示す。
【
図13】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスを示す。
【
図14】線a-aに沿った、
図13の拡張可能な固定デバイスの断面図である。
【
図15】線b-bに沿った、
図13の拡張可能な固定デバイスの断面図である。
【
図16A】枢動点を示す、
図13の拡張可能な固定デバイスの端板の一実施形態の端面図である。
【
図16B】枢動点を示す、
図13の拡張可能な固定デバイスの端板の一実施形態の端面図である。
【
図18】傾斜並進部材との接触を示す、
図16の端板の一実施形態の側面図である。
【
図19】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの端面図である。
【
図20】線c-cに沿った、
図19の拡張可能な固定デバイスの断面図である。
【
図21】線d-dに沿った、
図20の拡張可能な固定デバイスの断面図である。
【
図22】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの端面図である。
【
図23】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの端面図である。
【
図24】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの端面図である。
【
図25】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの端面図である。
【
図26】本開示の別の実施形態による、並進バーの形態である並進部材アセンブリの斜視図である。
【
図27】本開示の別の実施形態による、側楔を組み込む並進部材アセンブリの端面図を示す。
【
図28】本開示の別の実施形態による、側楔を組み込む並進部材アセンブリの端面図を示す。
【
図29】本開示の別の実施形態による、側楔を組み込む並進部材アセンブリの端面図を示す。
【
図30】本開示の別の実施形態による椎体切除デバイスを示す。
【
図31】本開示の別の実施形態による椎体切除デバイスを示す。
【
図32】本開示の別の実施形態による椎体切除デバイスを示す。
【
図33】本開示の別の実施形態による椎体切除デバイスを示す。
【
図34】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図35】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図36】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図37】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図38】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図39】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図40】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図41】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図42】平面42に沿った、
図41の拡張可能な固定デバイスの一実施形態の断面図である。
【
図43】
図41の拡張可能な固定デバイスの拡張のためのいくつかの実施形態を示す。
【
図44】
図41の拡張可能な固定デバイスの拡張のためのいくつかの実施形態を示す。
【
図45】
図41の拡張可能な固定デバイスの拡張のためのいくつかの実施形態を示す。
【
図46】本開示の別の実施形態による拡張可能な固定デバイスの断面図である。
【
図47】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図48】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図49】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図50】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図51】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図52】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図53】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図54】本開示による拡張可能な固定デバイスの拡張のための別の技術を示す。
【
図55A】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図55B】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図55C】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図55D】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図56A】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの端面図を示す。
【
図56B】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの端面図を示す。
【
図56C】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの端面図を示す。
【
図56D】本開示の一実施形態による、拡張の様々な状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの端面図を示す。
【
図57A】本開示の一実施形態による、拡張状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図57B】本開示の一実施形態による、拡張状態にある例示的な拡張可能な固定デバイスの斜視図を示す。
【
図58A】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な並進部材の斜視図を示す。
【
図58B】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な並進部材の斜視図を示す。
【
図59】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な並進部材及び梁の斜視図を示す。
【
図60A】拡張可能な固定デバイスの梁の2つの例示的な実施形態の斜視図を示す。
【
図60B】拡張可能な固定デバイスの梁の2つの例示的な実施形態の斜視図を示す。
【
図61A】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な端板の斜視図を示す。
【
図61B】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な端板及び例示的な梁の斜視図を示す。
【
図62A】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な係止軸の斜視図を示す。
【
図62B】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な係止軸の斜視図を示す。
【
図62C】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な並進部材の斜視図を示す。
【
図63】本開示の一実施形態による、拡張可能な固定デバイスの例示的な並進部材の斜視図を示す。
【
図64A】一実施形態による、折り畳み位置にあるインプラント及び任意の角度に部分的に拡張されたインプラントの正面図をそれぞれ示す。
【
図64B】一実施形態による、折り畳み位置にあるインプラント及び任意の角度に部分的に拡張されたインプラントの正面図をそれぞれ示す。
【
図65A】一実施形態による、それぞれ梁が追加された前方傾斜部及び後方傾斜部の斜視図を示す。
【
図65B】一実施形態による、それぞれ梁が追加された前方傾斜部及び後方傾斜部の斜視図を示す。
【
図66A】前傾斜部と後傾斜部との間の移動を制御し、それによって端板の拡張をもたらすための前方作動部材及び後方作動部材の斜視図及び上面図を示す。
【
図66B】前傾斜部と後傾斜部との間の移動を制御し、それによって端板の拡張をもたらすための前方作動部材及び後方作動部材の斜視図及び上面図を示す。
【
図67A】一実施形態による、端板が梁の上で枢動することを可能にする、1つの端板及び梁を示す。
【
図67B】一実施形態による、端板が梁の上で枢動することを可能にする、1つの端板及び梁を示す。
【
図67C】一実施形態による、端板が梁の上で枢動することを可能にする、1つの端板及び梁を示す。
【
図67D】一実施形態による、端板が梁の上で枢動することを可能にする、1つの端板及び梁を示す。
【
図68A】一実施形態による、拡張されたインプラントの正面及び背面等角図をそれぞれ示す。
【
図68B】一実施形態による、拡張されたインプラントの正面及び背面等角図をそれぞれ示す。
【
図69A】一実施形態による、回転を係止するための係止ワッシャを備える作動部材の斜視図及び正面図をそれぞれ示す。
【
図69B】一実施形態による、回転を係止するための係止ワッシャを備える作動部材の斜視図及び正面図をそれぞれ示す。
【
図69C】一実施形態による、回転を係止するための係止ワッシャを備える作動部材の斜視図及び正面図をそれぞれ示す。
【
図69D】一実施形態による、回転を係止するための係止ワッシャを備える作動部材の斜視図及び正面図をそれぞれ示す。
【
図70A】一実施形態による、インプラントを挿入する、及び/又は拡張するための器具を示す。
【
図70B】一実施形態による、インプラントを挿入する、及び/又は拡張するための器具を示す。
【
図71A】三次元印刷によって形成された亀甲パターンを備える端板の一実施形態の斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ示す。
【
図71B】三次元印刷によって形成された亀甲パターンを備える端板の一実施形態の斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ示す。
【
図71C】三次元印刷によって形成された亀甲パターンを備える端板の一実施形態の斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ示す。
【
図72A】三次元印刷によって形成された支柱パターンを備える端板の一実施形態の斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ示す。
【
図72B】三次元印刷によって形成された支柱パターンを備える端板の一実施形態の斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ示す。
【
図72C】三次元印刷によって形成された支柱パターンを備える端板の一実施形態の斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ示す。
【
図73】歯及び/又は充填多孔質構造を備える端板の代替的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の特定の実施形態の説明は、本質的に単なる例示であり、決して本発明、その用途、又は使用を限定することを意図するものではない。
【0013】
脊椎固定は、典型的には、変性した椎間板材料の運動によって引き起こされる疼痛を排除するために使用される。固定が成功すると、固定デバイスは椎間板腔内に永久的に固定されるようになる。
図1を見ると、拡張可能な固定デバイス10の例示的な一実施形態が、隣接する椎体15と20との間に示されている。拡張可能な固定デバイス10は、頸椎部分、胸椎部分、腰椎部分、及び仙椎部分など脊椎の任意の部分の2つの隣接する椎体15と20との間に埋め込まれ得る。2つ以上の拡張可能な固定デバイス10は、体内に、例えば、連続した又は分離した椎骨の間に埋め込まれ得る。図示されるように、拡張可能な固定デバイス10は、隣接する椎体15及び20の端板25及び30に係合し、取り付け位置において、正常な椎間板腔を維持し、脊椎の安定性を回復させ、それによって椎間固定を容易にする。拡張可能な固定デバイス10は、チタン、ステンレス鋼、チタン合金、非チタン金属合金、ポリマー材料、プラスチック、プラスチック複合材、PEEK、セラミック、及び弾性材料など多数の材料から製造することができる。一実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、内視鏡管を下って、隣接する椎体15と20との間の椎間板腔内に配置されるように構成され得る。
【0014】
図示されるように、拡張可能な固定デバイス10は、前方側35と、後方側40と、を有し得る。以下でより詳細に論じるように、拡張可能な固定デバイス10の拡張は、前方高さHa及び後方高さHpが独立して制御され得るように制御され得る。例として、拡張可能な固定デバイス10は、独立した前方拡張機構及び後方拡張機構を有し得る。前方拡張及び後方拡張を別々に制御することによって、操作者は、拡張可能な固定デバイス10を調節して、所望の量の後方高さHp及び前湾角度θを提供し得る。当業者は、前弯角度θが拡張可能な固定デバイス10の前方高さHa及び後方高さHpに依存することを理解するであろう。いくつかの実施形態では、前方側35及び後方側40での拡張はまた、前方高さHa及び後方高さHpを同じ割合で変化させるだけで、前弯角度θを維持するように同時に行われ得る。いくつかの様々な実施形態を使用して拡張可能な固定デバイス10について本明細書に記載しているが、拡張可能な固定デバイス10は、これらの実施形態に限定されるべきではない。
【0015】
いくつかの実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、挿入管を下って隣接する椎体15と20との間の椎間板腔内に配置されるように構成され、サイズ決めされ得る。例えば、拡張可能な固定デバイス10は、例えばカニューレなど挿入管を通して挿入されるように構成され得る。しかしながら、挿入管は、あるいは、任意の好適な直径を有し得ることに留意されたい。一実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、約8.5mmの直径を有するカニューレを通して挿入され得る。いくつかの実施形態において、拡張可能な固定デバイス10は、約8mm~約26mmの範囲の幅、及び約20mm~約65mmの範囲の長さを有し得るか、又は他の好適な寸法を有し得る。拡張可能な固定デバイス10は、直接的な側方の手技を介して患者に挿入され得るが、前方、前外側、後外側、又は後方の手技が代わりに用いられ得る。
【0016】
拡張可能な固定デバイス10は、独立して調節可能な前方高さHaと、後方高さHpと、を有し得る。いくつかの実施形態では、前方高さHa及び後方高さHpは、これらの高さのそれぞれの初期高さの約150%以上である高さまでそれぞれ独立して拡張され得る。一実施形態では、前方高さHa及び後方高さHpは、これらの高さのそれぞれの初期高さの約200%以上、又はこれらの高さのそれぞれの初期高さの別の好適な割合以上である高さまでそれぞれ独立して拡張され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、椎間固定を更に促進し、容易にするために、骨移植片又は同様の骨成長誘発物質を拡張可能な固定デバイス10の周囲及び内部に導入することができる。拡張可能な固定デバイス10は、一実施形態では、拡張可能な固定デバイス10を通して及びその周囲で骨の成長を促進するために、骨移植片又は同様の骨成長誘導物質で充填され得る。かかる骨移植片は、拡張可能な固定デバイス10の埋め込みの前後、又は埋め込み中に、隣接する椎体15及び20の端板間に充填され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、骨のオングロース(on-growth)を促すためにチタン及び/又はハイドロキシアパタイトプラズマスプレーコーティングで処理され、それぞれの構成要素と下層の骨(例えば、椎体)との間の接続の強度及び安定性を向上し得る。任意の他の好適なコーティングも、拡張可能な固定デバイス10上に提供され得る。かかるコーティングは、所望に応じて治療薬を含み得る。拡張可能な固定デバイス10はまた、生体内視覚化を容易にするために放射線不透過性マーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な固定デバイス10の一部は、放射線透過性材料で形成され得、拡張可能な固定デバイス10の他の部分は放射線不透過性材料で形成されて、例えば、作動機構、端板、傾斜部など拡張可能な固定デバイス10の放射線不透過性部分の撮像を容易にし得る。
【0019】
ここで
図2及び
図3を参照すると、拡張可能な固定デバイス10の一実施形態が示されている。例示的な実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、並進部材アセンブリ55と、を含む。拡張可能な固定デバイス10はまた、並進部材アセンブリ55の運動を第1の端板45及び第2の端板50に伝達する、複数の傾斜枠を含み得る。図示の実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、前方側35で第1の端板45に係合するための第1の前方傾斜枠60を備え得る。拡張可能な固定デバイス10はまた、前方側35で第2の端板50に係合するための第2の前方傾斜枠65を備え得る。拡張可能な固定デバイス10はまた、後方側40で第1の端板に係合するための第1の後方傾斜枠70を備え得る。拡張可能な固定デバイス10はまた、後方側40で第2の端板50に係合するための第2の後方傾斜枠(図示なし)を備え得る。拡張可能な固定デバイス10はまた、前方高さH
aを制御するための第1の作動ねじ75などの作動部材と、後方高さH
pを制御するための第2の作動ねじ80などの第2の作動部材と、を備え得る。前方及び後方という用語は、患者に対する解剖学的位置を表すために使用されることを認識すべきである。したがって、前方及び後方という用語は、拡張可能な固定デバイス10に関して使用される場合、示される特定の側に限定されるべきではない。これは、前方及び後方の方向が、例えば、挿入方向に応じて変化し得るためである。
【0020】
拡張可能な固定デバイス10は、患者の体内に最初に挿入され得る遠位端85を形成し得、遠位端85は、隣接する椎体15と20との間への挿入を容易にするために先細であってよい。拡張可能な固定デバイス10はまた、挿入デバイス(図示せず)が接続され得る近位端90を形成し得る。拡張可能な固定デバイス10は、拡張構成よりも小さい折り畳み構成で挿入され得る。拡張構成では、前方高さHa及び/又は後方高さHpは増加している。拡張可能な固定デバイス10は、折り畳み構成から拡張構成に移動可能であり得る。
【0021】
図4及び
図5を更に参照して、ここで第1の端板45についてより詳細に説明する。以下の説明は第1の端板45に関するものであるが、本発明のいくつかの実施形態では第2の端板50は第1の端板45と実質的に同一であるので、第2の端板50にも等しく適用されることを理解されたい。図示の実施形態では、第1の端板45は、遠位端85から近位端90まで延在する外面95を備え得る。図示されていないが、例示的な実施形態では、外面95は、隣接する椎体の把持を補助するためにテクスチャリングを含み得る。以下に限定されないが、テクスチャリングは、歯、隆起、摩擦増大要素、竜骨突起、又は把持用若しくは引き上げ用突出部を含み得る。第1の端板45はまた、前方端板側100及び後方端板側105を備え得る。前方端板側100は、拡張可能な固定デバイス10の前方側35に配設され得る。後方端板側105は、拡張可能な固定デバイス10の後方側40に配設され得る。
図4に最もよく見られるように、第1の端板45はまた、内面110を備え得る。
【0022】
第1の端板45は、第1の前方傾斜枠60及び第1の後方傾斜枠70に係合し得る。第1の端板45は、第1の嵌合特徴部115と、第2の嵌合特徴部120と、を含み得る。第1の嵌合特徴部115及び第2の嵌合特徴部120、第1の嵌合特徴部115及び第2の嵌合特徴部120は、第1の前方傾斜枠60及び第1の後方傾斜枠70の対応する嵌合特徴部125及び130との接合部を形成し得る。第1の嵌合特徴部115及び第2の嵌合特徴部120と、対応する嵌合特徴部125及び130との係合によって形成された接合部は、前方側35及び後方側40の独立した拡張を容易にするための枢動点を形成し得る。第1の嵌合特徴部115及び第2の嵌合特徴部120は、第1の前方傾斜枠60及び第1の後方傾斜枠70に対する第1の端板45の枢動を可能にするために、ボール、舌部、又は別様に形成された突出部であり得る。例えば、第1の嵌合特徴部115は、第1の前方傾斜枠60の対応する嵌合特徴部125内で枢動し得る。第1の嵌合特徴部115及び第2の嵌合特徴部120はまた、第1の前方傾斜枠60及び/又は第1の後方傾斜枠70に対する第1の端板45の摺動を可能にし得る。例えば、第2の嵌合特徴部120は、第1の後方傾斜枠70の対応する嵌合特徴部130内で枢動し、摺動し得る。図示の実施形態では、第1の嵌合特徴部115及び第2の嵌合特徴部120は、凹部、溝、又は別様に形成された開口部の形態であり得る、対応する嵌合特徴部125及び130と嵌合するボール、舌部、又は他の突出部の形態であり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の端板45及び第2の端板50は、貫通開口部135を更に備え得る。貫通開口部135は、
図2の第1の端板45内に示されている。貫通開口部135は、外面95から内面110まで延在する開口部を形成し得る。貫通開口部135は、例示的な実施形態では、骨移植片又は同様の骨成長誘導物質を受容し、更に骨移植片又は同様の骨成長誘導物質が拡張可能な固定デバイス10の中心開口部(図示せず)に充填されることを可能にするようにサイズ決めされ得る。
【0024】
ここで
図6を参照して、並進部材アセンブリ55についてより詳細に説明する。図示の実施形態では、並進部材アセンブリ55は、前方並進部140と、後方並進部145と、前方傾斜端150と、後方傾斜端155と、を備え得る。前方並進部140及び前方傾斜端150は、拡張可能な固定デバイス10の前方側35に配設され得る。後方並進部145及び後方傾斜端155は、拡張可能な固定デバイス10の後方側40に配設され得る。前方傾斜端150及び後方傾斜端155は、拡張可能な固定デバイス10の近位端90上に配設され得る。前方傾斜端150及び後方傾斜端155は、矢印160及び165によって示される方向に移動可能であり得る。前方並進部140及び後方並進部145は、矢印170及び175によって示される方向に移動可能であり得る。前方並進部140、後方並進部145、前方傾斜端150、及び後方傾斜端155は、対応する傾斜枠に係合して、拡張可能な固定デバイスの拡張を生じさせ得る。例えば、前方並進部140及び前方傾斜端150は、第1の前方傾斜枠60及び第2の前方傾斜枠65に係合するように移動可能であり得、したがって、第1の前方傾斜枠60が第1の端板45を外向きに押し、第2の前方傾斜枠65が第2の端板50を外向きに押すようにさせ得る。このようにして、拡張可能な固定デバイスの前方側35は、前方並進部140及び前方傾斜端150と第1の前方傾斜枠60及び第2の前方傾斜枠65との係合によって拡張/収縮され得る。更なる例として、後方並進部145及び後方傾斜端155は、第1の後方傾斜枠70及び第2の後方傾斜枠に係合するように移動可能であり得、したがって、第1の後方傾斜枠70が第1の端板45を外向きに押し、第2の後方傾斜枠が第2の端板50を外向きに押すようにさせ得る。このようにして、拡張可能な固定デバイスの後方側40は、後方並進部145及び後方傾斜端155と第1の後方傾斜枠70及び第2の前方傾斜枠との係合によって拡張/収縮され得る。
【0025】
前方並進部140は、第1の端180と、第2の端185と、を備え得る。図示のように、接続バー190は、第1の端180から第2の端185まで延在し得る。第1の端180は、第1の作動ねじ75を受容するための孔195を含み得、この孔はねじ山付きであり得る。前方並進部140は傾斜部200、205、210など1つ以上の傾斜部を更に備え得、これらの傾斜部は、第1の前方傾斜枠60及び第2の前方傾斜枠65に係合し、前方並進部140の運動を傾斜部に伝達するように構成されている。傾斜部200は第1の端180上に配設され得、傾斜部205は接続バー190上に配設され得、傾斜部210は第2の端185上に配設され得る。
【0026】
後方並進部145は、第1の端215と、第2の端220と、を備え得る。図示のように、接続バー226は、第1の端215から第2の端220まで延在し得る。第1の端215は、第2の作動ねじ80を受容するための孔225を含み得、この孔はねじ山付きであり得る。後方並進部145は傾斜部230、235、240など1つ以上の傾斜部を更に備え得、これらの傾斜部は、第1の後方傾斜枠70及び第2の後方傾斜枠に係合し、後方並進部145の運動をこれらの傾斜枠に伝達するように構成されている。傾斜部230は第1の端215上に配設され得、傾斜部235は接続バー226上に配設され得、傾斜部240は第2の端220上に配設され得る。
【0027】
前方並進部140は、後方並進部145に係合し得る。いくつかの実施形態では、前方並進部140は、例えば、蟻継ぎ又は他の好適な摺動接合部を用いて、後方並進部145に摺動係合し得る。図示のように、前方並進部140は、後方並進部145の第2の端220にあるスロット250内に受容され得るフランジ245又は他の好適な突出部を第2の端185に備え得る。フランジ245は、スロットからフランジ245が取り外されないように、拡張縁部(図示せず)を有し得る。更に図示されるように、前方並進部140は、第1の端180に突出部255(例えば、舌部)を更に備え得る。フランジ245及びスロット250は、前方並進部140及び後方並進部145の互いに対する並進を可能にする連動摺動接合部を形成し得、これは、後方並進部145の第1の端215において溝260内に受容され得る。突出部255及び溝260は、前方並進部140及び後方並進部145の互いに対する並進も可能にする連動摺動接合部を形成し得る。
【0028】
前方傾斜端150は、本体部265を備え得る。本体部265は、傾斜部270及び孔275を備え得る。傾斜部270は、第1の前方傾斜枠60及び第2の前方傾斜枠65に係合し、前方傾斜端150の運動をこれらの傾斜枠に伝達するように構成され得る。孔275は、第1の作動ねじ75を受容するためにねじ山付きであり得る。前方傾斜端150は、第1の作動ねじ75を介して前方並進部140に結合され得る。
【0029】
後方傾斜端155は、傾斜部285及び孔290を備え得る本体部280を備え得る。傾斜部285は、第1の後方傾斜枠70及び第2の前方傾斜枠に係合し、後方傾斜端155の運動をこれらの傾斜枠に伝達するように構成され得る。孔290は、第2の作動ねじ80を受容するためにねじ山付きであり得る。後方傾斜端155は、第2の作動ねじ80を介して後方並進部145に結合され得る。後方傾斜端155は、例えば、蟻継ぎ295など摺動接続を介して前方傾斜端150に係合し得る。
【0030】
ここで、例示的な実施形態に従って、
図1~
図6の拡張可能な固定デバイス10を取り付ける方法について説明する。拡張可能な固定デバイス10の挿入前に、椎間腔が調製され得る。取り付けの1つの方法では、椎間板全体が除去される椎間板切除術を実施し得る。あるいは、椎間板の一部のみを除去し得る。次いで、隣接する椎体15及び20の端板を掻爬して、椎間腔にわたる骨成長を容易にするために露出した端面を作り出し得る。次いで、1つ以上の内視鏡管を椎間腔に挿入し得る。次いで、拡張可能な固定デバイス10は、内視鏡管を下って椎間腔内に導入され、椎間板腔内の適切な位置に着座し得る。
【0031】
拡張可能な固定デバイス10が椎間板腔内の適切な位置に挿入された後、拡張可能な固定デバイス10は、次いで、拡張構成に拡張され得る。前述のように、前方側35及び後方側40の拡張は、独立して制御され得る。例えば、前方側35及び後方側40は、異なる時間に別個に拡張され、異なる速度で拡張され得る、及び/又は(例えば、所望の前弯角度θを維持するために)その速度で拡張され得る。拡張可能な固定デバイス10の前方側35を拡張するために、前方傾斜端150及び前方並進部140は、互いに対して移動され得る。例えば、前方傾斜端150は、矢印165によって示される方向に前方並進部140に向かって移動され得る。更なる例として、前方並進部140は、矢印170によって示される方向に前方傾斜端150に向かって移動され得る。又は、前方傾斜端150及び前方並進部140の両方が、互いに向かって移動され得る。前方傾斜端150及び前方並進部140が互いに対して移動するにつれて、それらは、対応する第1の前方傾斜枠60及び第2の前方傾斜枠65を押し付け、次いで、第1の端板45及び第2の端板50を押し付けて、前方高さHaを増加させる。拡張可能な固定デバイス10の後方側40を拡張するために、後方傾斜端155及び後方並進部145は、互いに対して移動され得る。例えば、後方傾斜端155は、矢印160によって示される方向に後方並進部145に向かって移動され得る。更なる例として、後方並進部145は、矢印175によって示される方向に後方傾斜端155に向かって移動され得る。又は、後方傾斜端155及び後方並進部145の両方は、互いに向かって移動され得る。後方傾斜端155及び後方並進部145が互いに対して移動するにつれて、それらは、対応する第1の後方傾斜枠70及び第2の後方傾斜枠を押し付け、次いで、第1の端板45及び第2の端板50を押し付けて、後方高さHpを増加させる。
【0032】
拡張可能な固定デバイス10の取り付け及び拡張後に再配置又は修正が必要である場合、拡張可能な固定デバイス10は、収縮して非拡張構成に戻され、再配置され、所望の位置決めが達成されると再び拡張され得る。拡張可能な固定デバイス10を収縮させるために、上述の手順を逆にしてよい。例として、前方側35の収縮のために、前方傾斜端150及び前方並進部140は、第1の作動ねじ75を使用して互いから離れるように移動され得る。後方側40の収縮のために、後方傾斜端155及び後方並進部145は、第2の作動ねじ80を使用して、互いから離れるように移動され得る。
【0033】
第1の作動ねじ75又は別の他の好適な作動機構が、前方側35の拡張を容易にするために使用され得る。前述のように、第1の作動ねじ75は、前方傾斜端150の孔275及び前方並進部140の孔195内に配設され得る。第1の作動ねじ75が第1の方向に回転させられると、前方傾斜端150及び前方並進部は、互いに引き寄せられ得る。第1の作動ねじ75が第2の方向(第1の方向と反対)に回転させられると、前方傾斜端150及び前方並進部140は、互いから離れるように移動させられ得る。
【0034】
第2の作動ねじ80又は別の他の好適な作動機構が、後方側40の拡張を容易にするために使用され得る。前述のように、第2の作動ねじ80は、後方傾斜端155の孔290及び後方並進部145の孔225内に配設され得る。第2の作動ねじ80が第1の方向に回転させられると、後方傾斜端155及び後方並進部145は、互いに引き寄せられ得る。第2の作動ねじ80が第2の方向(第1の方向と反対)に回転させられると、後方傾斜端155及び後方並進部145は、互いから離れるように移動させられ得る。
【0035】
ここで
図7~
図11を参照すると、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10が示されている。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、前方側35と、後方側40と、を備え得る。図示の実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、それぞれ、前方拡張可能なインプラント300及び後方拡張可能なインプラント305として図示される、一対の拡張可能なインプラントを備える。前方拡張可能なインプラント300は、一対の対向する前方端板310を備え、後方拡張可能なインプラント305は、一対の対向する後方端板315を備える。前方端板310及び後方端板315は独立して拡張され得、拡張可能な固定デバイス10の両側の高さの制御を可能にする。結果として生じる前弯角度θは、前方拡張可能なインプラント300と後方拡張可能なインプラント305との間の高さの差に基づき得る。前方拡張可能なインプラント300は、後方拡張可能なインプラント305に固定され得る。例として、接続バー320は、前方拡張可能なインプラント300を後方拡張可能なインプラント305に取り付け得る。
【0036】
図9は、前方端板310が拡張された、拡張可能な固定デバイス10の前端面図を示す。図示のように、前方拡張可能なインプラント300及び後方拡張可能なインプラント305は、前(すなわち、駆動)傾斜部325を共有し得る。孔330及び335は前方傾斜325内に形成され得、第1の作動ねじ75及び第2の作動ねじ80は、これを通して配設され得る。前方拡張可能なインプラント300は、第1の作動ねじ75の回転によって拡張され得、後方拡張可能なインプラント305は、第2の作動ねじ80の回転によって拡張され得る。第1の作動ねじ75が回転すると、前方傾斜部(図示せず)が前方傾斜部325に引き寄せられ得、前方傾斜部及び前傾斜部325は前方端板310に係合して、前方拡張可能なインプラント300の拡張を生じさせる。第2の作動ねじ80が回転すると、後方傾斜部(図示せず)が前傾斜部325に引き寄せられ得、後方傾斜部及び前傾斜部325は後方端板315に係合して、後方拡張可能なインプラント305の拡張を生じさせる。前傾斜部325は、移植片穴340を更に備え得る。図示のように、移植片穴340は、孔330と335との間に配設され得る。移植片穴340は、骨移植片又は同様の骨成長誘導物質を受容し、更に骨移植片又は同様の骨成長誘導物質が拡張可能な固定デバイス10の中心開口部(図示せず)に充填されることを可能にするようにサイズ決めされ得る。
【0037】
図10は、前方端板310が拡張された、拡張可能な固定デバイス10の上面図を示す。図示のように、接続バー320は、前方拡張可能なインプラント300及び後方拡張可能なインプラント305を固定し得る。いくつかの実施形態では、接続バー320は、後方拡張可能なインプラント305のノーズ部345に堅固に取り付けられ得る。接続バー320は、前方拡張可能なインプラント300上の中心シャフト350内に収容され得、前方拡張可能なインプラント300が拡張され得る、又は折り畳まれ得るときに並進し得る。
【0038】
前方拡張可能なインプラント300及び後方拡張可能なインプラント305を拡張するために、任意の好適な技術が使用され得る。前方拡張可能なインプラント及び後方拡張可能なインプラント305を拡張するための1つの技術は、米国特許出願公開第2014/0067071号で提供され得、この開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。図示されていないが、前方拡張可能なインプラント300及び後方拡張可能なインプラント305は、それぞれ中央傾斜部を備え得る。中央傾斜部は、前方端板310及び後方端板315に係合する傾斜部を含み得る。前方側35を拡張するために、第1の作動ねじ75は、例えば、前傾斜部325に向かって中央傾斜部を引っ張ることによって、前方拡張可能なインプラント300の中央傾斜部及び前(すなわち、駆動)傾斜部325を互いに引き寄せるように回転させられ得る。中央傾斜部及び前傾斜部325は、前方端板310に係合して、それらを分離させ得る。図示されていないが、中央傾斜部及び前傾斜部325は、前方端板310内の対応する傾斜部に係合する傾斜部を備え得る。後方側40を拡張するために、第2の作動ねじ80は、例えば、前傾斜部325に向かって中央傾斜部を引っ張ることによって、後方拡張可能なインプラント305の中央傾斜部及び前(すなわち、駆動)傾斜部325を互いに引き寄せるように回転させられ得る。中央傾斜部及び前傾斜部325は、後方端板315に係合して、それらを分離させ得る。図示していないが、中央傾斜部及び前傾斜部325は、後方端板315内の対応する傾斜部に係合する傾斜部を備え得る。
【0039】
上記の説明は、拡張を容易にするための技術を提供し、説明するが、本開示はこれらの技術に限定されるべきではないことを理解されたい。拡張可能な固定デバイス10の前方側35及び後方側40の独立した拡張を容易にするために、任意の好適な技術が使用され得る。
図11~
図54の以下の説明は、拡張可能な固定デバイスの前方側35及び後方側40の拡張を容易にするために使用され得る、代替的な拡張技術を提供する。
【0040】
ここで
図11を参照すると、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10が示されている。図示の実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、を備える。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、ボールベアリング360に結合された作動ねじ355を更に備え得る。作動ねじ355及びボールベアリング360は、第1の端板45と第2の端板50との間に配設され得る。作動ねじ355の回転は、次いで、ボールベアリング360を駆動させる。ボールベアリング360は、第1の端板45と第2の端板50との間で前後に移動されて、高さを調節し得る。第1の端板45及び第2の端板50は、ヒンジ365に結合され得る。拡張可能な固定デバイス10の高さが調節され得るとき、第1の端板45及び第2の端板50は、ヒンジ365において枢動し得る。図示されていないが、ヒンジ365は枠に固定され得る。
【0041】
図12は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、を備え得る。拡張可能な固定デバイス10は、枠370を更に備え得る。枠370は、角度付きの壁、先細の壁、又は別様に形成された壁を有し得る。図示の実施形態では、第1の端板45及び第2の端板50はそれぞれ、枠370と重なり合い、それによって、第1の端板45及び第2の端板50の位置ずれを防止し得る、リップ部375を有し得る。第1の端板45及び第2の端板50は、枠370内で自由に移動することができ、拡張可能な固定デバイス10が拡張又は収縮することを可能にしつつ、第1の端板45及び第2の端板50は、隣接する椎体15及び20の解剖学的構造に適合し得る。
【0042】
図13~
図15は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。
図14は、線a-aに沿った、
図13の断面図である。
図15は、線b-bに沿った、
図13の断面図である。図示の実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、を備え得る。拡張可能な固定デバイス10は、後板380を更に備え得、第1の作動ねじ75及び第2の作動ねじ80は、これを通して配設され得る。第1の作動ねじ75は、第1の作動傾斜部385に結合され得る。第2の作動ねじ80は、第2の作動傾斜部390に結合され得る。傾斜部395はまた、第1の端板45及び第2の端板50に結合され得る。第1の作動ねじ75は回転させられて、第1の作動傾斜部385を駆動して傾斜部395を押し得、これにより、次いで、第1の端板45を押して、それを前方側35で外向きに移動させ得る。第2の作動ねじ80は回転させられて、第2の作動傾斜部390を駆動して傾斜部395を押し得、これにより、次いで、第1の端板45を押して、それを後方側40で外向きに移動させ得る。このようにして、前方側35及び後方側40での拡張は、独立して制御され得る。
図16a、
図16b、及び
図17は、傾斜部395に枢動可能に取り付けられた第2の端板50を示す。
図18は、第2の端板50及び傾斜部395を示す。傾斜部395は第2の端板50に結合されて、端板アセンブリを形成し得る。
【0043】
図19~
図21は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。
図20は、線c-cに沿った、
図19の断面図である。
図21は、線d-dに沿った、
図20の断面図である。図示のように、第1の作動ねじ75及び第2の作動ねじ80は、後板380を通して配設され得る。第1の作動ねじ75及び第2の作動ねじ80は、それぞれ第1のシム400及び第2のシム405に係合し得る。第1のシム400及び第2のシム405は、第1の枢動アセンブリ410及び第2の枢動アセンブリ415に係合し得る。第1の枢動アセンブリ410及び第2の枢動アセンブリ415は、それぞれ、第1の枢動点420及び第2の枢動点425において枢動し得る。図示の実施形態では、第1の枢動アセンブリ410及び第2の枢動アセンブリ415は、それぞれ第1の枢動点420及び第2の枢動点425において結合される枢動アーム416をそれぞれ備え得る。第1の作動ねじ75を回転させて、第1のシム400を
図20の矢印430の方向に移動させ得る。第1のシム400は、第1の枢動アセンブリ410に係合し、それを押して、第1の枢動アセンブリ410を矢印435によって示される方向に外向きに移動させ得る。第1の枢動アセンブリ410は、外向きに移動するにつれて伸長し得、これにより、次いで、第1の端板45及び第2の端板50を押し、互いから離れるようにそれらを移動させ、したがって、前方側35で拡張する。第2の作動ねじ80を回転させて、第2のシム405を
図20の矢印430の方向に移動させ得る。第2のシム405は、第2の枢動アセンブリ415に係合し、それを押して、第2の枢動アセンブリ415を矢印440の方向に外向きに移動させ得る。第2の枢動アセンブリ415は、外向きに移動するにつれて伸長し得、これにより、次いで、第1の端板45及び第2の端板50を押し、互いから離れるようにそれらを移動させ、したがって、後方側40で拡張する。
【0044】
図22及び
図23は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、を備え得る。カム部材450は、第1の端板45と第2の端板50との間に配設され得る。カム部材450は、第1の端板45及び第2の端板50に係合し得る。カム部材450は回転可能であり得る。いくつかの実施形態では、カム部材450は、第1の端板45と第2の端板50との間の角度を調節するように回転させられ得る。
図23は、本実施形態による、カム部材450を回転させて第1の端板と第2の端板50との間の角度を調節した後の拡張可能な固定デバイス10を示す。
【0045】
図24及び
図25は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、を備え得る。第1のカム部材455及び第2のカム部材460は、第1の端板45と第2の端板50との間に配設され得る。第1のカム部材455及び第2のカム部材460は、第1の端板45及び第2の端板50にそれぞれ係合し得る。第1のカム部材455及び第2のカム部材460は、それぞれ回転可能であり得る。いくつかの実施形態では、第1のカム部材455は、回転させられて第1の端板45及び第2の端板50を互いから離し、前方側35で拡張を生じさせ得る。いくつかの実施形態では、第2のカム部材460は、回転させられて第1の端板45及び第2の端板50を互いから離し、後方側40で拡張を生じさせ得る。拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45を第2の端板50に固定する連結板465を更に備え得る。
図24は、折り畳み構成の拡張可能な固定デバイス10を示す。
図25は、第1のカム部材455及び第2のカム部材460の回転後の拡張構成での拡張可能な固定デバイス10を示す。
【0046】
図26は、本実施形態による拡張可能な固定デバイス10(例えば、
図1に示される)の拡張を作動させるために使用され得る、別の拡張技術を示す。図示のように、中央バー470は、対応する端板(例えば、
図1の第1の端板45及び第2の端板50)に結合され得る端板コネクタ476の間に配設され得る。中心バー470は、端板コネクタ476間の異なる位置に移動させられ得る。端板コネクタ476間の中心バー470の位置決めに応じて、端板の可変拡張があり得る。
【0047】
図27~
図29は、本実施形態による拡張可能な固定デバイス10(例えば、
図1に示される)の拡張を作動させるために使用され得る、別の拡張技術を示す。簡略化のために、
図27~
図29には第1の端板45のみが示されている。前方楔475は前方側35に位置付けられ得、第1の端板45に係合し得る。前方側35での拡張のために、前方楔475は、前方側35から第1の端板45の中へと押し込まれ得る。図示のように、前方楔475は、第1の端板45上の対応する傾斜面480に係合して、第1の端板45を外向きに押して、前方側35で拡張を生じさせ得る。後方楔485は後方側40に位置付けられ得、また、第1の端板45に係合し得る。後方側40での拡張のために、後方楔485は、後方側40から第1の端板45の中へと押し込まれ得る。図示のように、後方楔485は、第1の端板45上の対応する傾斜面488に係合して、第1の端板を外向きに押して、後方側40で拡張を生じさせ得る。いくつかの実施形態では、前方楔475及び後方楔485は、拡張可能な固定デバイスの長手方向軸を概ね横断する方向に第1の端板45の中へと押し込まれ得る。
【0048】
図30~
図33は、いくつかの実施形態による椎体切除デバイス490の拡張を示す。
図30に示されるように、椎体切除デバイス490は、第1の切断端板495と、第2の切断端板500と、を備え得る。第1の切断端板495及び第2の切断端板500は、椎体を切除するように動作可能であり得る。カム部材505は、第1の切断端板495と第2の切断端板500との間に配設され得る。カム部材505の回転により、第1の切断端板495及び第2の切断端板500が互いから離されて、椎体切除デバイス490を拡張させ得る。
図31は、隣接する椎体15と20との間に配設された椎体切除装置490を示す。カム部材505は、
図32に示されるように、第1の切断端板495と第2の切断端板500との間の角度を調節するように回転され得る。いくつかの実施形態では、椎体切除デバイス490は、隣接する椎体15及び20を除去するために使用され得、次いで、
図33に示されるように、更なる椎体510及び515に係合するために拡張され得る。
【0049】
図34及び
図35は、本実施形態による拡張可能な固定デバイス10(例えば、
図1に示される)の拡張を作動させるために使用され得る、別の拡張技術を示す。
図34は、本実施形態による、前方側35を通って切り取られた、拡張可能な固定デバイス10の断面側面図である。
図35に示すように、前方傾斜並進部材520は、第1の端板45と第2の端板50との間に配設され得る。前方傾斜並進部材520は、拡張可能な固定デバイス10の前方側35(例えば、
図1に示される)に配設され得る。前方傾斜並進部材520は、第1の端板45及び第2の端板50内の対応する傾斜部530に係合し得る、複数の傾斜部525を備え得る。前方傾斜並進部材520は、傾斜部525が傾斜部530に係合して、第1の端板45及び第2の端板50を互いから離れるように移動させるように、移動させられ得る。
図35は、本実施形態による拡張可能な固定デバイス10の断面端面図である。前方傾斜並進部材520は、第1の端板45と第2の端板50との間に示されている。連結アセンブリ535は、前方傾斜並進部材520に係合し得る。連結アセンブリ535は、前方傾斜並進部材520及び延長アーム545に係合する中央アーム540を備え得る。延長アーム545は、前方拡張のための枢動点550において後方側40の第1の端板45及び第2の端板50に係合され得る。いくつかの実施形態では、連結アセンブリ535は、後方高さH
pを増加させるように後方に駆動され得る。いくつかの実施形態では、第1の端板45及び第2の端板50は、1つ、又は代替の枢動点555を更に備え得る。延長アーム545を代替の枢動点555内に設定することによって、例えば、前方高さH
aと、後方高さH
pと、前弯角度θとの間の関係が調節され得る。
【0050】
図36及び
図37は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、上前方端板560と、上後方端板565と、を備え得る。簡略化のために、
図36及び
図37に示す実施形態では、下端板は示されていない。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、枠570を更に備え得る。第1のアーム575は、上前方端板560及び枠570に結合され得る。第1のアーム575は、枠との接続点580において枢動し得、また、上前方端板560との接続点585において枢動し得る。第1のラックレバー590はまた、接続点585において上前方端板560に枢動可能に結合され得る。第1のラックレバー590及び第2のラックレバー600は、接続点595において枠570に枢動可能に結合され得る。第2のラックレバー600は、接続点605において上後方端板565に枢動可能に結合され得る。第2のアーム610は、接続点605において上後方端板565に結合され得、また、接続点615において枠570に結合され得る。第2のアーム610は、枠との接続点615において枢動し得、また、上後方端板565との接続点605において枢動し得る。前方側35での拡張のために、歯車部材(図示せず)は、第1のラックレバー590に係合し、次いで、回転させられ、したがって、
図37に示されるように、前方側35を上昇させ得る。後方側40での拡張のために、歯車部材(図示せず)は、第2のラックレバー600に係合し、次いで、回転させられ、したがって、後方側40を上昇させ得る。
【0051】
図38及び
図39は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、第1の端板45と、第2の端板50と、を備え得る。一対の内部アーム616及び620は、第1の端板45と第2の端板50との間に配設され得、内部アーム616及び620の各々は、第1の端板45及び第2の端板50に係合する。内部アーム616及び620は、拡張可能な固定デバイス10の両側の異なる端板に結合され得る。例えば、内部アーム615は、前方側35で第1の端板45に結合され得、内部アーム620は、後方側40で第2の端板50に結合され得る。内部アーム616及び620のそれぞれの接続点を中心とした回転は、第1の端板45及び第2の端板50を押し離し、高さの増加をもたらす。内部アーム616及び620の各々は、拡張可能な固定デバイス10の異なる側で接続されるため、内部アーム616及び620は独立して回転し得、前方側35及び後方側40の独立した拡張を可能にする。内部アーム616及び620を回転させるために、様々な適切な技術のいずれかを使用することができる。一例として、内部アーム616及び620は、第1の端板45及び第2の端板50へのそれぞれの接続点において直接回転させられ得る。別の回転技術は、内部アーム616及び620のうちの1つを手動で外向きに移動させることを含み得、当該内部アームは端板に接触するが、端板に接続されない。
【0052】
図40は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示の実施形態では、拡張可能な固定デバイス10は、独立して調節可能な前方端板及び後方端板、例えば、上前方端板625及び上後方端板630を備え得る。上前方端板625及び上後方端板630など端板は独立拡張機構を有し得、したがって、前方側35及び後方側40での独立した拡張を容易にする。いくつかの実施形態では、上前方端板625の拡張は、第1の作動ねじ75によって作動され得、上後方端板630は、第2の作動ねじ80によって作動され得る。
【0053】
図41~
図45は、別の実施形態による拡張可能な固定デバイス10を示す。図示の実施形態は、拡張が単一の穴635を通して促進され得ることを除いて、
図40の実施形態と同様である。
図41は、本実施形態による拡張可能な固定デバイス10の斜視図である。
図42は、本実施形態による、
図41の平面42に沿った、拡張可能な固定デバイス10の断面図である。図示のように、拡張可能な固定デバイス10は、後方傾斜並進部材640と、前方傾斜並進部材645と、を備え得る。細長いシャフトを含み得るインプラントドライバ650は、例えば、ねじ接続を用いて穴635内に配設され得る。インプラントドライバ650は前後に移動させられて、並進部材(例えば、後方傾斜並進部材640、前方傾斜並進部材645、又は両方)を駆動させ、したがって、端板を押し離して拡張を生じさせ得る。インプラントドライバ650の遠位端655は回転して、後方傾斜並進部材640、前方傾斜並進部材645、又は両方に係合し得る。
図43は、本実施形態による、遠位端655と後方傾斜並進部材640との係合を示す。
図44は、本実施形態による、遠位端655と前方傾斜並進部材645との係合を示す。
図45は、本実施形態による、遠位端655と後方傾斜並進部材640及び前方傾斜並進部材645の両方との係合を示す。
【0054】
図46は、例えば、並んで配置された、別個に拡張可能な前方端板及び後方端板を備える、
図40に示される拡張可能な固定デバイス10の拡張のための別の技術を示す。図示の実施形態では、前弯ねじ660は、後板680を通って延在して、後方傾斜並進部材640に係合し得る。図示のように、前方傾斜並進部材645は、後方傾斜並進部材640の接触面665に係合するように構成されている延在部670を備え得る。前弯角度θは、前弯ねじ660を回転させて後方傾斜並進部材640を押し、したがって接触面665を延在部670から離れるように移動させることによって設定され得る。拡張ねじ675は、後板680を通して配設されて、前方傾斜並進部材640に係合し得る。拡張ねじ675は、前方傾斜並進部材645を駆動させて、対応する端板(例えば、
図40の上前方端板625及び上後方端板630)に押し付け、それらを外向きに移動させ、それによって、前方高さH
aを増加させ得る。前方高さH
aは、最初に、後方高さH
pを上回る所望の高さに調節され得、次いで、延在部670は、前方傾斜並進部材645が後方傾斜並進部材640を押して、後方傾斜並進部材640を対応する端板(例えば、
図40の上前方端板625及び上後方端板630)に押し付け、それらを外向きに移動させ、それによってまた、後方高さH
pを増加させるように、接触面665に係合し得る。いくつかの実施形態(図示せず)では、拡張可能な固定デバイス10は、最初に揺動して所望の前弯に入り、次いで、傾斜を利用して拡張可能な固定デバイス10を拡張し得る。
【0055】
図47~
図49は、例えば、
図1に示される拡張可能な固定デバイス10の拡張のための別の技術を示す。図示の実施形態では、傾斜並進部材685は、第1の端板45と第2の端板50との間に配設され得る。傾斜並進部材685は、例えば、扁球又は扁長であり得る、略回転楕円体状であり得る。傾斜並進部材685は、第1の端板45と第2の端板50との間で駆動されて、それらを離して高さを増加させるように駆動され得る。前弯は、いくつかの実施形態では、
図49に見られるように、第1の端板45及び/又は第2の端板50が傾斜並進部材685上で揺動可能にすることによって、受動的に達成されてもよい。第1の端板45及び第2の端板50は、椎間板腔の前弯に合うように形成され得る。
【0056】
図50~
図54は、例えば、
図1に示される拡張可能な固定デバイス10の拡張のための別の技術を示す。図示の実施形態では、作動枠690は、作動枠690内に配設された傾斜部700を駆動させる作動ねじ695を備え得る。図示のように、作動枠690は、近位端705と、遠位端710と、を備え得、これらは、例えば、椎間板腔への挿入を容易にするために先細であり得る。側方側715は、近位端705と遠位端710とを結合し得る。傾斜部700は、側方側に配設され得る。作動ねじ695は、近位端705内に配設され得る。
図50に示されるように、傾斜部700は、少なくとも部分的に作動枠690に引き込まれ得る。作動ねじ695の回転は、
図51に見られるように、傾斜部700を作動枠690から延出させ得る。
図52~
図54は、前方側35及び後方側40での傾斜部の独立した拡張を示す端面図である。
図52は、少なくとも部分的に作動枠690に引き込まれた傾斜部700を示す。前方側35の作動ねじ695は、
図53に見られるように、前方側35の傾斜部700を作動枠690から延出させるように回転させられ得る。図示されていないが、前方側35の傾斜部700は、端板(例えば、
図2の第1の端板45、第2の端板50)に係合して、前方高さH
aを増加させ得る。前方側35の作動ねじ695は、
図54に見られるように、前方側35の傾斜部700を作動枠690から延出させるように回転させられ得る。図示されていないが、前方側35の傾斜部700は、端板(例えば、
図2の第1の端板45、第2の端板50)に係合して、後方高さH
pを増加させ得る。
【0057】
図55A~
図62Bは、本開示の原理と一致する例示的な実施形態を示す。ここで
図55A~Cを参照すると、拡張可能な固定デバイス5500の例示的な一実施形態が示されている。拡張可能な固定デバイス5500は、第1の端板5502と、第2の端板5504と、並進部材アセンブリ5506と、を含み得る。並進部材アセンブリ5506は、前方前傾斜部5508と、前方後傾斜部5510と、後方前傾斜部5512と、後方後傾斜部5514と、を更に含み得る。デバイス5500はまた、梁5516、5518、5520、及び5522を含み得る。傾斜部5508、5510、5512、及び5514は、埋め込み後の患者内での相対位置に従って言及されているが、拡張可能な固定デバイス5500は、異なる配向で(例えば、図示の位置とは上下逆の位置で)埋め込まれ、したがって、埋め込み後の相対的な前方位置及び後方位置が変わり得ることに留意されたい。したがって、患者内の傾斜部の位置は限定されず、前方位置及び後方位置の両方に適用可能であり得る。
【0058】
図55A~
図55D及び
図56A~
図56Dは、異なる拡張状態及び角度付き配置のデバイス5500を示す。
図55A及び
図56Aは、圧縮状態のデバイス5500を示しており、これは、患者内の隣接する椎体への当初挿入時のインプラントの状態であり得る。この圧縮状態は、7mmの高さであり得るが、外科処置及び/又は標的椎体の特定の状況に応じて他の高さであり得る。
図55B及び
図56Bは、部分拡張の状態にあるデバイス5500を示しており、第1の後方傾斜部5512及び第2の後方傾斜部5514は、前方側を圧縮位置又は後方側ほど拡張されない位置に保ちつつ、後方側で第1の端板5502及び第2の端板5504を拡張するために、並進部材5506によって移動されて、デバイス5500の図示される角度付き配置を作り出す。
図55C及び
図56Cは、別の角度付き配置のデバイス5500を示しており、並進部材5506は、後方側を非拡張又は前方側よりも低拡張に保ちつつ、第1の端板5502及び第2の端板5504に前方側での拡張をもたらす方法で、第1の前方傾斜部5508及び第2の前方傾斜部5510を移動させる。
図56Cは更に、梁5516及び5518の反対側にある梁5520及び5522を示す。
図55Dでは、デバイス5505は、完全拡張の状態で示されており、前方側及び後方側の両方が、傾斜部5508、5510、5512、及び5514を移動させることによって、並進部材5506によって拡張される。
図55A~
図56Dに示されるように、並進部材5506が前方傾斜部5508、5510を独立して並進させ得(これにより、梁5516及び5518を移動させる)、かつ/又は後方傾斜部5512及び5514を独立して並進させ得る(これにより、梁5520及び5522を移動させる)ので、拡張デバイス5500は、互いに独立して所望の後方高さ及び前弯角度に拡張され得る。
【0059】
図57A及び
図57Bは、前弯拡張状態のデバイス5500を示し、デバイス5500の前方側5524は拡張され、後方側5526は圧縮構成のままである。
図57Aは、隣接する椎体に最初に挿入される端であり得る、前方前傾斜部5508及び後方前傾斜部5512の視点からのデバイス5500を示す。
図57Bは、デバイス5500の埋め込み後に外科医がアクセス可能な端であり得る、前方後傾斜部5510及び後方後傾斜部5512の視点からのデバイス5500を示す。既に説明した要素に加えて、
図57Aは、前孔5528及び5530並びに移植片窓5540を示す。
図57Bは、後孔5532及び5534、内部後方孔5536、並びに移植片窓5540を示す。動作中、デバイス5500は、前傾斜部5508及び5512が先端である状態で、隣接する椎体間の腔に(
図55Aなどの圧縮状態で)挿入されるであろう。挿入後、デバイス5500の前方側の拡張が適切であることが判定され得る。これは、後孔5532にツールを挿入し、前方前傾斜部5508を前方後傾斜部5510に接近させる位置において並進部材5506内に配設されたねじ(図示せず)に係合することによって達成され得る。これは、次いで、梁5516、5518を並進部材5506に沿って移動させて、第1の端板5502及び第2の端板5504を圧縮位置から離すことによって、デバイス5505の前方側5524を拡張させる。所望の位置に到達すると、ねじは、定位置に係止され、それによって、端板の位置を所望の配向に固定する。後孔5532及び5534は開放しているので、移植片材料は、孔5532及び5534の一方又は両方を通って並進部材5506内へとデバイス5500に送達され得、次いで、移植片窓5540から流出し得る。これは、埋め込み後にデバイス5500をグラフト材料で埋め戻す方法を作り出す。並進部材5506、梁5516、5518、5520、5526、端板5502及び5504の動作は、以下でより詳細に説明する。
【0060】
図58A~
図58Bは、拡張固定デバイス5500内で使用され得る、並進部材5506の例示的な実施形態を示す。前述の構成要素に加えて、並進部材5506は、前方並進バー5542と、後方並進バー5544と、傾斜部5546と、後方並進構成要素5548と、前方並進構成要素5550と、後方ねじ、すなわち作動部材5552と、前方ねじ、すなわち作動部材5554と、前方内部孔5556と、を含み得る。例示的な動作では、前方並進バー5542は、梁5516及び5518に接続され得、これらは次いで、第1の端板5502及び第2の端板5504の前方側に接続され得る。
【0061】
端板5502及び/又は5504を拡張するためのデバイス5500の移動は、所望の拡張が達成されると、前傾斜部及び後傾斜部が互いに向かって摺動し、定位置に係止することを可能にする、機械的機構によって行われ得る。例えば、前方側で拡張するために、前方並進バー5542は、後孔5536を通してツールを挿入することによって係合されて、前方内部孔5556内に配設され、前孔5528に接続されるねじ5554に係合し得る。ねじ5554を回すことによって、前方前傾斜部5508は、前方並進構成要素5550に近づけられ得る。前方並進バー5542に接続された梁5516及び5518は、梁5516及び5518上に配設された、対応する傾斜部を介して前方側の傾斜部5546に沿って摺動して、端板5502及び5504を圧縮位置から拡張する。所望の拡張が達成されると、配向は係止され得る。
【0062】
図58Bは、並進部材5506の上面図を示し、後方並進バー5544は、後方前傾斜部5512に近づけられる。これは、対応する梁5520、5522を移動させて端板5502及び5504の後方側を拡張する効果を有するであろう。
【0063】
図59~
図61Bを参照すると、
図59は、梁5516、5518、5520、及び5522に接続された並進部材5506の例示的な実施形態を示す。
図59の視点のために、梁5522は示されていない。
図60は、2つの例示的なタイプの梁を示す。
図61A~
図61Bは、端板5502又は5504のいずれかの例示的な実施形態、及びそれが
図60に図示される2つのタイプの梁に係合し得る様式を示す。
【0064】
梁5516、5518、5520、及び5522は、異なるタイプの取り付け機構を使用して端板5502、5504に係合するように構成された別個の構成要素を含み得、並進部材5506に係合する傾斜部を含み得る。例えば、
図60は、第1のタイプの梁6002及び第2のタイプの梁6004を示す。梁6002はポケット6006を含み得、梁6004は円筒状の孔6008を含み得る。梁はまた、対応する傾斜部5546に係合するように構成された傾斜部6010を含み得る。前述した梁5516、5518、5520、及び5520は、いずれのタイプの梁でもあり得る。
【0065】
例示的な実施形態では、梁は、デバイス5500の上側がデバイスの一方の側(前方又は後方のいずれか)にあるタイプの梁(例えば、梁6002)を含み、デバイスの他方の側に他のタイプの梁(例えば、梁6004)を含むように配設され得る。
図59に示されるように、梁5516は円筒状の孔6008を有し得、梁5520はポケット6006を有し得る。ポケット6006は、端板のうちの1つの下側に配設されたタブ6102に係合するように構成され得る。例えば、
図61Aは、一方の側に配設されたタブ6102と、円筒状の孔6008に係合するように構成されている、他方の側に配設された円筒状の軸6104と、を備える端板5502の下側を示す。
図61Bに示されるように、端板5502は、このタイプの係合を使用して、梁5516及び5520上に配設されるように構成され得る。完全に組み立てられると、デバイス5500は、
図55A~
図55Dに示されるように見える。
【0066】
円筒状の軸6104及び円筒状の孔6008は、端板5502、5504の各々が枢動し得る設定点を提供し得る。タブ6102は、それぞれのポケット6006の内側で枢動し、及び/又はデバイス5500の反対側に向かって摺動するように構成され得る。この移動はわずかではあるが、デバイス5500が固定された幅にある間に、端板5502及び5504が関節接合することを可能にし得る。
【0067】
図62A~
図63は、本開示の原理と一致する並進部材6200の例示的な一実施形態を示す。並進部材6200は、本明細書に記載の他の並進部材と同様である。並進部材6200は、その中に配設され得る係止軸6202を含み得る。係止軸6202は、内歯6208と、逆トルクタブ6210と、を備え得る。
【0068】
歯6208及びタブ6210は、係止軸6202とツールとの間の堅固な接続を提供するために、並進部材6200の開口部6206に挿入されるツールに係合し得る。次いで、ツールを使用して並進部材6200を操作し、並進部材6200を含む固定デバイスを最終的に拡張することができる。動作中、ツールが係止軸6202と係合され、開口部6206に手動で引き寄せられ、固定デバイスは、本明細書に別様に提供されるように、例えば、前述の梁を使用して、並進部材6200に固着された端板により拡張し得る。開口部6206から離れる方向に移動されると、固定デバイスは、より圧縮された状態に移動し得る。所望の拡張又は圧縮の位置を固定するために、係止軸6202は、係止軸6202を回転させることによって、例えば、係止軸を90°回転させることによって係止され得る。この回転時に、係止軸6202の外歯6212は、並進部材6200の内部傾斜部6214の内側の内歯(
図63に示される)と係合して、デバイス6200を所望の配向に係止し得る。
【0069】
ここで
図64A~
図68Dを参照すると、拡張可能な固定デバイス5500の一実施形態がより詳細に示されている。インプラント5500は、低減された高さで挿入され得、インプラント5500の前弯角度及び後方高さに対する独立した制御を外科医に提供する。インプラント5500は、インプラント5500の前方側5524及び後方側5526で独立した拡張機構を用いるように構成されている。インプラント5500の前方拡張及び後方拡張の両方は別個に制御され得、これにより、外科医が、後方高さ及び前弯角度の所望の量を調整することを可能にする。必要に応じて、インプラント5500の現在の前弯角度を維持し、後方高さのみを変更するために、インプラント5500の両側で同時に拡張が行われ得る。
【0070】
図64A~
図64Bは、それぞれ折り畳み位置及び拡張位置にある前傾斜部5508、5512及び端板5502、5504の正面図を示す。
図64Bは、任意の角度に部分的に拡張されたインプラント5500を示す。所与の拡張量に基づいて、後方側5526は高さXmmを有し、前方側5524は高さYmmを有する。この実施形態では、所望の全高及び前弯を達成するために、前方高さYは後方高さXよりも大きい。拡張機構5506は互いに独立して制御され、これにより、インプラント5500が、互いに独立して所望の後方高さ及び前弯角度に拡張されることを可能にする。
【0071】
図65A~
図65Bに最もよく見られるように、インプラント5500の拡張機構は、インプラント5550の前方側5524及び後方側5526の両方に傾斜部5546、5558を備えた、対向する楔、すなわち傾斜部5508、5510、5512、5514を含む。前傾斜部5508、5512は、一連の後傾斜部5510、5514に対向する。前方前傾斜部5508及び前方後傾斜部5510は前方拡張を形成し、後方前傾斜部5512及び後方後傾斜部5514は後方拡張を形成する。これらの傾斜部5508、5510、5512、5514が互いに引き寄せられると、この動きにより、4つの梁5516、5518、5520、5522(
図65Bに示す)を、傾斜部5508、5510、5512、5514を介して垂直方向に拡張させる。前傾斜部5508、5512及び後傾斜部5510、5514が互いに引き寄せられると、この動きによってインプラント5500を垂直方向に拡張させる。インプラント5500の拡張は、対向する傾斜部5508、5510、5512、5514が互いに向かって摺動することによって生じる。4つの構成要素5508、5510、5512、5514は、
図65Aの矢印によって示される方向に摺動するように構成されている。
図65Bは、前方側5524及び後方側5526で完全に拡張されたインプラント5500を示す。
【0072】
図66A~
図66Bを重点的に検討すると、インプラント5500の拡張は、前傾斜部5508、5512及び後傾斜部5510、5514が互いに引き寄せられるときに生じる。この移動は、インプラント5500が所望の配向に拡張された後に、傾斜部5508、5510、5512、5514が互いに向かって摺動し、それらを定位置に係止することを可能にする、1つ以上の機械的機構によって実現することができる。一実施形態では、インプラント5500は、ねじなど一対の作動部材5552、5554を用いて拡張される。後方ねじ5552は、後方並進構成要素5548内の開口部5536を通して、後方前傾斜部5512内の前孔5530内に位置付けられる。同様に、前方ねじ5554は、前方並進構成要素5550内の開口部5556を通して、前方前傾斜部5508内の前孔5528内に位置付けられる。ねじ5552、5554の回転は、前傾斜部5508、5512及び後傾斜部5510、5514を一緒に引き寄せるように構成されている。一方のねじ5554はインプラント5500の前方側5524を拡張し、他方のねじ5552は後方側5526を拡張する。
【0073】
ここで
図67A~
図67Dを参照すると、端板5502、5504は、それぞれの梁5516、5518、5520、5522の上で枢動するように構成されている。
図67A~
図67Dは、上端板5502及び2つの代表的な梁6002、6004を示すが、同じ構成が下端板5504に適用され得ることを理解されたい。端板5502は、梁6002、6604と接触し、接合するように構成された内側、すなわち下側6106と、骨と係合するように構成された反対側の外側6108と、を含む。端板5502の外側6108は、骨に係合するための複数の歯、隆起、又は他の摩擦増強面を含み得る。端板5502の内側、すなわち下側6106は、梁6002内の円筒状の孔6008と係合する、長い円筒状の軸6104を画定し得る。長い円筒状の軸6104は、端板5502の前部から後部まで、ほぼその全長に沿って延在し得る。円筒状の軸6104は、その長さ全体にわたって中空本体を有し得る。端板5502の反対側は、梁6004上の対応するポケット6006の内側に位置する1つ以上のタブ6102を含み得る。例えば、一対のタブ6102は、端板5502のそれぞれの前端及び後端の近くに位置付けられ得る。円筒状の軸6104及び孔6008は、端板5502が枢動する設定点を提供する。タブ6102は、それぞれのポケット6006の内側で枢動するだけでなく、タブ6102はまた、インプラント5500の反対側に向かって摺動する。ごくわずかではあるが、タブ6102の移動は、インプラント5500が固定された幅のままである間に、端板5502が成功裏に関節接合することを可能にする。
【0074】
ここで
図68A~
図68Bを参照すると、インプラント5500の拡張された端板5502、5504が、それぞれ、前方視点及び後方視点から示されている。前傾斜構成要素及び後傾斜構成要素5508、5510、5512、5514が作動部材5552、5554を介して互いに引き寄せられると、端板5502、5504の拡張が垂直方向に生じる。インプラント5500の各側5524、5526の高さの差は、インプラント5500の角度を作り出す。端板5502、5504は、インプラントが拡張するにつれて、梁5516、5518、5520、5522上で枢動する。インプラント5500の後方側5526での拡張は後方高さを制御し、インプラント5500の前方側5524での拡張は前弯角度を駆動する。インプラント5500の結果として生じる角度は、インプラント5500の前方側5524と後方側5526との間の高さの差に基づいている。前弯角度及び後方高さの独立した制御は、外科医がインプラント5500の形状及び患者の解剖学的構造への適合性をより良好にカスタマイズすることを可能にし得る。調整された適合性は、沈下のリスクを低減し、全体的により良好な術後結果を患者に提供するのに役立ち得る。
【0075】
インプラント5500の高さ及び前弯が定位置に留まることを確実にするために、1つ以上の追加係止機構が、作動部材5552、5554の設計に組み込まれ得る。これらは、受動的な機構、又は二次係止ステップを必要とする能動的な機構であり得る。
図69A~
図69Dを参照すると、受動的係止機構の1つのかかる構成が示されている。概して、作動部材5552を参照して説明されているが、係止機構は、作動部材5554に等しく適用可能であることを理解されたい。
【0076】
図69Aに最もよく見られるように、各作動部材5552、5554は、ヘッド5560と、遠位端5564において終端する中心長手方向軸に沿って延在するシャフト5562と、を含む。ヘッド5560は、並進構成要素5548、5550内のそれぞれの孔5536、5556内に受容されるように構成されており、シャフト5562は、前傾斜部5508、5512のそれぞれの孔5528、5530内に受容されるように構成されている。シャフト5562は、その長さに沿ってねじ山付きであり得、前傾斜部5508、5512内のそれぞれのねじ穴5528、5530と螺合するように構成されている。ヘッド5560は、並進構成要素5548、5550内のそれぞれの開口部5536、5556内の対応する凹部内に受容可能であるカラー5566を含み得、それによってそれをその中に固定する。ヘッド5560は、ドライバなどの器具を受容し、それによって、作動部材5552、5554を回転させるように構成された、器具駆動凹部5568を画定し得る。器具凹部5568は、トルクス、六角形、又は器具による係合のに好適な他の駆動凹部を含み得る。ヘッド5560は、ねじ頭5560の周囲を半径方向に延在する、間に間隙を備える複数の突出部5570と、突出部5570の下のチャネル5572と、を画定する。
【0077】
二次係止ワッシャ5580は、自身の回転を防止すためにインプラント本体に固定される、及びねじ頭自身の突出部5570にまたがる、の両方であり得る。
図69Bに最もよく見られるように、係止ワッシャ5580は、アーム5586によって部分リング5584に接続される完全リング5582を含み得る。
図69Dに最もよく見られるように、係止ワッシャ5580の完全リング5582は、ヘッド5560の上部を覆うように構成されたオフセット面、すなわち非対称面を有し得る。部分リング5584は、作動部材5552、5554のヘッド5560内のチャネル5572内に着座するように構成されている。
図69A及び
図69Cに示されるように、アーム5586は、ヘッド5560に沿って2つの隣接する突出部5570の間の間隙内に着座するように構成されている。アーム5586は、完全リング5582の外周からの突出部5588を形成し得、これは、インプラントキー5590と接合するように構成されている。インプラントキー5590は、突出部5588と係合するように構成された、凹部及び/又は摺動式若しくは可撓性タブを画定し得る。突出部5588が凹部内に着座し、インプラントキー5590のタブと係合すると、作動部材5552、5554は所定の位置に係止される。ドライバを挿入して作動部材5552、5554を回転させると、係止ワッシャ5580は脇に引っ張られ、作動部材5552、5554を解放して自由に回転させる。ドライバを取り外すことにより、係止ワッシャ5580をねじ頭5560上の突出部5570に固定することができ、その回転を制限する。あるいは、二次係止ワッシャが、最終ステップとして付加され得るか、又は固定機構の代わりに、作動部材5552、5554に対する摩擦を提供するために使用され得る。
【0078】
図70A~
図70Bは、インプラント5500の挿入及び/又は拡張に使用され得る器具5600を示す。この器具は、器具5600を制御するために近位端に取り付けられたハンドルを備える本体5602を含む。本体5602の遠位端は、インプラント5500の後傾斜部5510、5514の両側にある、対応する器具切り欠け部5606と接合するように構成された一対のタブ5604を含み得る。
【0079】
インプラント5500の近位端に位置する2つの貫通孔5532、5534を考慮すると、複数の器具オプションを使用してインプラント5500と協働して、挿入、除去、移植片のパッキングなどを補助することができる。1つのかかる例としては、インプラント5500の片側又は両側のねじ山付き構成が挙げられ、それによって挿入中の堅固な接続が可能になる。一実施形態では、器具5600の本体5602は、後傾斜部5510、5514の後孔5532、5534のうちの1つと接合するように構成されたねじ山付き端5610を備えたカニューレ状シャフト、すなわちスリーブ5608を受容し得る。1つのドライバ5612が、スリーブ5608を通して位置付けられ得る。ドライバ5612の遠位先端5614は、作動部材5552、5554のヘッド5560内の駆動凹部5568と係合するように構成されている。トルクがドライバ5612に加えられると、作動部材5552、5554が回転し、それによって端板5502、5504を拡張させる。
【0080】
第2のドライバ5612は、他方の後孔5532、5534を通して、他方の作動部材5552、5554の駆動凹部5568内に位置付けられ得る。2つのドライバ5612は、概して、互いに平行に整列し得る。ドライバ5612がそれぞれの作動部材5552、5554と係合されると、作動部材5552、5554は回転させられ、それによって、インプラント5500の端板5502、5504を拡張し得る。カニューレ状シャフト、すなわちスリーブ5608は、挿入中、及び挿入器5600がインプラント5500に取り付けられた状態の間の作動部材5552、5554の操作を可能にし得る。
【0081】
後開口部5532、5534はまた、インプラント5500が挿入器具5600に接続された状態での挿入中に、又は器具を取り付けずに開口部5532、5534のいずれかに直接アクセスすることによって、移植片材料をデバイス5500に導入する能力を提供する。他の器具類を使用して、到達困難な椎間板腔への角度付きのアクセス、除去及び/若しくは再配置を支援するツール、並びに/又はコンピュータ支援視覚追跡及び/若しくはナビゲーションを介してインプラント位置を監視するように設計されたツールを可能にすることもできる。
【0082】
ここで
図71A~
図73を参照すると、三次元(3D)印刷された端板5700の代替的な実施形態が示されている。インプラント及びその構成要素は機械加工され得、三次元(3D)印刷、除去製造、又はハイブリッド製造プロセスなど積層造形で構築され得る。3D印刷は、骨のオングロースに好ましい表面を提供し、また、インプラント強度を補助するために、異なる表面トポロジパターンを提供し得る。低減された高さにおける構造的剛性をインプラントに提供するために、インプラント構造と多孔質領域とのバランスを作り出して脊椎固定を補助することが好ましい場合がある。
【0083】
3D印刷された端板5700は、骨成長を促進するように構成された1つ以上の表面パターンを用い得る。各端板5700は、前側5702と、反対の後側5704と、前方側5706と、反対の後方側5708と、を含む。端板5700の前側5702は、非拡張時に前傾斜部5508、5512の上部の対応する凹部に収まるように構成されたバンプアウト、すなわち突出部を画定し得る。同様に、後側5704は、非拡張時に後傾斜部5510、5514の上部の対応する凹部に収まるように構成されたバンプアウト、すなわち突出部を画定し得る。前方側5706及び後方側5708は、端板5700の側部に沿って構造的支持を増加させるために、それらの長さに沿って厚くなり得るか、又は拡大され得る。端板5700を貫通する窓5710は、内壁5712によって画定され得る。窓5710は、インプラント5500を貫通する移植片窓5540の一部を形成し、それと整列するように構成され得る。内壁5712は、前方側5706及び/又は後方側5708に向けて尖る、1つ以上の切欠き部5714を含み得る。切り欠き部5714は、それぞれの前方並進バー5542及び後方並進バー5544上で傾斜部5546を受容するように構成され得る。
【0084】
図71A~
図71Cを重点的に検討すると、端板5700は、一実施形態による亀甲パターン5720を含み得る。亀甲パターン5720は、複数の開放六角形枠で構成され得る。開放六角形枠は、端板5700の外壁5702、5704、5706、5708と内壁5712との間を埋める反復パターンを形成し得る。六角形ユニットは、端板5700の上側及び下側で開放していてよい。
図71Cの側面図で最もよく見られるように、亀甲パターン5720の頂部は、骨に係合するように構成された複数の双方向歯5722を画定し得る。亀甲パターン5702は、依然として、従来の機械加工を実行して作成された端板に匹敵する構造剛性を目指しつつ、インプラント5500がより少ない材料で印刷されることを可能にする。亀甲パターン5720は、端板プロファイルの両凸曲線に従いつつも、双方向端板歯5722と一体化される。
【0085】
図72A~
図72Cを重点的に検討すると、端板5700は、一実施形態による支柱パターン5730を含み得る。支柱パターン5730は、複数の平行な支柱で構成され得る。支柱パターン5730は、端板5700の長さに沿って垂直に延在し得る。支柱は、端板5700の前端5702と後端5704との間に均等に離間していてよい。支柱は、端板5700の前方壁5706と後方壁5708との間、又は外壁5706、5708と内壁5712との間に延在し得る。支柱は、端板5700の上側及び下側で開放していてよい。中心枠5734は支柱のうちのいくつかの間に設けられて、端板5700の構造的完全性を更に向上させ得る。パターン5720と同様に、支柱の頂部は、骨に係合するように構成された複数の双方向歯5732を画定し得る。支柱は、端板プロファイルの両凸曲線に従いつつも、双方向端板歯5732と一体化され得る。
【0086】
図73を重点的に検討すると、端板5700の代替的な実施形態が示されている。端板5700Aは、骨に係合するように構成された複数のピラミッド型の歯を備える、中実の3D印刷された端板を示す。3D印刷された端板5700B、5700Cは、多孔性の開放端を備える、構造的に剛性の端板を提供して、成長を通して組織用のチャネルとして作用するように構成された、多孔質格子構造5740を示す。多孔質格子構造5740は、任意の適切な構造、単位セル、孔サイズ、及び/又は多孔性を含み得る。端板5700Bは、多孔質格子構造5740で充填された支柱パターン5730が3D印刷された端板を示す。端板5700Bの上側及び下側の支柱間の領域には多孔質格子構造5740が印刷されていて、スペーサを通る組織成長のための導管を提供する。同様に、端板5700Cは、多孔質格子構造5740で充填された亀甲パターン5720が3D印刷された端板を示す。六角形端板5700Cはまた、組織成長用の追加の導管を提供するために、多孔質格子構造5740が印刷され得る。
【0087】
以上、本発明について説明してきたが、本発明は多くの点において異なり得ることは明白であろう。かかる変形例は、本発明の主旨及び範囲からの逸脱として見なされるものではなく、全てのかかる変形例は、当業者には明白であるように、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが企図される。個々の実施形態が論じられるが、本発明は、これら実施形態の全ての組み合わせを包含する。
【外国語明細書】