(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165696
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】装飾不織布ラミネート
(51)【国際特許分類】
B32B 27/12 20060101AFI20231110BHJP
B32B 5/24 20060101ALI20231110BHJP
D04H 1/4382 20120101ALI20231110BHJP
【FI】
B32B27/12
B32B5/24
D04H1/4382
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132572
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2020500007の分割
【原出願日】2018-03-14
(31)【優先権主張番号】62/472,449
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519336643
【氏名又は名称】アウリア・ソリューションズ・ユーケー・アイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケネス・ミッチェル・ホワイトセル・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・ブラッケン・シモンズ
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト・フランクリン・ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・ヒース
(57)【要約】
【課題】本開示は、装飾不織布ラミネートを対象としている。
【解決手段】a)高分子シートの第1の面又はb)第2の不織布の一方又は両方に貼り付けられた第1の不織布の第1の面(ここで、第1の不織布は、15g/m
2~500g/m
2の坪量を示し、前記第2の不織布は、15g/m
2~1200g/m
2の坪量を示す)と、第1の不織布の第2の面の上に堆積された着色剤とを含む装飾不織布ラミネート及び形成方法である。局所コーティングは、印刷された表面層の耐久性を向上させるために塗布されてもされなくてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾不織布スクリムラミネートを形成する方法であって:
第1の不織布の第1の面を、高分子シートの第1の面に貼り付ける工程であり、前記第1の不織布は、15g/m2~500g/m2の坪量を有しており、前記第1の不織布の繊維は0.7デニール~45デニールの範囲のデニール値を有している、工程と、
第2の不織布を、前記高分子シートの第2の面に貼り付ける工程であり、前記第2の不織布は、15g/m2~1200g/m2の坪量を有している、工程と、
前記第1の不織布の第2の面の上に、インク、塗料または顔料色素から選択される着色剤を堆積させる工程であり、前記着色剤は0.01mm~0.3mmの厚さを有している、工程と、
前記着色剤及び前記第1の不織布の前記第2の面を覆って局所コーティングを堆積させる工程とを含み、
前記第1の不織布は0.1mm~6.0mmの厚さを有しており、及び前記第2の不織布は0.1mm~12.0mmの厚さを有しており、
前記局所コーティングは、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、ポリウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)又はその組合せを含み、前記局所コーティングは、0.1mm~3.0mmの範囲の厚さを有しており、前記局所コーティングは、15g/m2~340g/m2の坪量を有している、方法。
【請求項2】
前記着色剤が、スクリーン印刷によって堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記着色剤が、インク、塗料または顔料色素から選択され、0.01mm~0.3mmの厚さで前記第1の不織布の前記第2の面の表面上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記高分子シートが、以下の:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、コポリエステル、エチルビニルアセテート、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、及びその組合せから選択される1種又は複数の高分子材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記高分子シート及び前記第1の不織布は、熱、圧力、又は熱及び圧力の両方を加えるとラミネートされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記高分子シートは、0.1mm~4.0mmの厚さ及び30g/m2~5,000g/m2の坪量を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ラミネートを三次元形状に形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の不織布であって、前記第1の不織布の第1の面が高分子シートの第1の面に貼り付けられており、前記第1の不織布は、15g/m2~500g/m2の坪量を有しており、前記第1の不織布の繊維は0.7デニール~45デニールの範囲のデニール値を有している、第1の不織布と、
前記高分子シートの第2の面に貼り付けられた第2の不織布であって、前記第2の不織布は、15g/m2~1200g/m2の坪量を有している、第2の不織布と、
インク、塗料または顔料色素から選択され、前記第1の不織布の第2の面の上に堆積された着色剤であって、前記着色剤は0.01mm~0.3mmの厚さを有している、着色剤と、
前記着色剤及び前記第1の不織布の前記第2の面上に堆積された局所コーティングとを含む、装飾不織布ラミネートであって、
前記第1の不織布は0.1mm~6.0mmの厚さを有しており、及び前記第2の不織布は0.1mm~12.0mmの厚さを有しており、
前記局所コーティングは、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、ポリウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)又はその組合せを含み、前記局所コーティングは、0.1mm~3.0mmの範囲の厚さを有しており、前記局所コーティングは、15g/m2~340g/m2の坪量を有している、装飾不織布ラミネート。
【請求項9】
前記着色剤が、インク、塗料または顔料色素から選択され、0.01mm~0.3mmの厚さで前記第1の不織布の前記第2の面の表面上に堆積されている、請求項8に記載の装飾不織布ラミネート。
【請求項10】
前記高分子シートが、以下の:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、コポリエステル、エチルビニルアセテート、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、及びその組合せから選択される1種又は複数の高分子材料である、請求項8に記載の装飾不織布ラミネート。
【請求項11】
前記高分子シートが、0.1mm~4.0mmの厚さ及び30g/m2~5,000g/m2の坪量を有している、請求項8に記載の装飾不織布ラミネート。
【請求項12】
前記第2の不織布が、前記高分子シートの第2の面に貼り付けられている、請求項8に記載の装飾不織布ラミネート。
【請求項13】
前記ラミネートが、三次元形状を有している、請求項8に記載の装飾不織布ラミネート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に完全に組み込まれている、2016年3月16日に出願した米国仮特許出願第62/472,449号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、装飾不織布ラミネート、特に、自動車内装用装飾不織布スクリムラミネートを対象とする。
【背景技術】
【0003】
車両の雰囲気又は知覚される快適さを依然として維持しながら、燃料経済規制に適合し、並びに車両で利用される部品のリサイクル性を改善するための取り組みでは、自動車内装設計の様々な側面が刷新されている。1つの考慮事項は、フロア、アクセサリーマット、カーゴマット、トランクライニング、グローブボックスライニング、ロードフロア、コンソール及びマップポケットライニング、シートバック及びトリム、パッケージトレイ、アウターホイールアーチライナー、及びアンダーボディシールドの可視面を含めた、内装用途に利用される材料の変更である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不織布材料は、例えば、カーペット用途のラミネート構造で使用することが既知であり得るが、不織布材料の厚さと重量を削減するため、また、不織布自体が消費者に見える装飾特徴を提供する不織布製品を開発するための改善の余地が残っている。更に、上記の目標を満たしながら、既知のニードルパンチ不織布製品と比較して、同様又は強化された耐久性及び耐変色性を示す材料を提供することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、装飾不織布スクリムラミネートを形成する方法に関する。この方法は、第1の不織布の第1の面を、a)高分子シートの第1の面、又はb)第2の不織布の少なくとも一方に貼り付けてラミネートを得ることを含み、ここで、第1の不織布は、15g/m2~500g/m2の坪量を示し、第2の不織布は、15g/m2~1200g/m2の坪量を示す。この方法は、第1の不織布の第2の面の上に着色剤を堆積させることを更に含む。
【0006】
好ましくは、存在する場合、高分子シートは、以下の:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、コポリエステル、エチルビニルアセテート、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、及びその組合せから選択される1種又は複数の高分子材料を含む。更に、高分子シート及び第1の不織布は、熱、圧力、又は熱及び圧力の両方を加えるとラミネートされることが好ましい。実施形態では、第2の不織布は、高分子シートの第2の面に貼り付ける。高分子シートが除外されている実施形態では、第1の不織布及び第2の不織布は、機械的に結合されることが好ましい。
【0007】
上記実施形態のいずれかにおいて、着色剤は、ISO 105-A02/AATCC評価手順1によって測定して、225kJ/m2以上の性能の耐退色性レベルを示すことが好ましい。更に、着色剤は、スクリーン印刷によって堆積されることが好ましい。その上、着色剤は、市松模様、千鳥格子、木目調、炭素繊維、迷彩、レザー調、又は他の幾何学的模様をもたらすことが好ましい。
【0008】
その上、上記実施形態のいずれかにおいて、局所コーティングは、着色剤及び第1の不織布の第2の面を覆って堆積させる。
【0009】
更に、上記実施形態のいずれかにおいて、ラミネートは、三次元形状に形成されてもされなくてもよい。
【0010】
別の態様では、本開示は、好ましくは上記の方法に基づいて作製された装飾不織布ラミネートに関する。ラミネートは、a)高分子シートの第1の面、又はb)第2の不織布の少なくとも一方に貼り付けられた第1の不織布の第1の面を含み、ここで、第1の不織布は、15g/m2~500g/m2の坪量を示し、第2の不織布は、15g/m2~1200g/m2の坪量を示す。ラミネートはまた、第1の不織布の第2の面の上に堆積された着色剤も含む。
【0011】
好ましい実施形態では、着色剤は、ISO 105-A02/AATCC評価手順1によって測定して、225kJ/m2以上の性能の耐退色性レベルを示す。着色剤はまた、市松模様、千鳥格子、木目調、炭素繊維、迷彩、レザー調、又は他の幾何学的模様をもたらすことが好ましい。
【0012】
上記実施形態のいずれかにおいて、高分子シートは、以下の:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、コポリエステル、エチルビニルアセテート、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、及びその組合せから選択される1種又は複数の高分子材料である。実施形態では、第2の不織布は、高分子シートの第2の面に貼り付けられている。
【0013】
また、第1の不織布は、好ましくは0.1mm~6.0mmの範囲の厚さ及び15グラム毎平方メートル~500グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示すことが好ましいことも留意されたい。更に、存在する場合、高分子シートは、0.1mm~4.0mmの範囲の厚さ及び30グラム毎平方メートル~5,000グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示すことが好ましい。また、存在する場合、第2の不織布は、0.1mm~12.0mmの範囲の厚さ及び15グラム毎平方メートル~1200グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示す。
【0014】
上記実施形態のいずれかにおいて、局所コーティングは、着色剤及び第1の不織布の第2の面の上に堆積されている。
【0015】
更に、上記実施形態のいずれかにおいて、ラミネートは、三次元形状を示しても示さなくてもよい。
【0016】
本開示の上述及び他の特徴、及びそれらを達成する方法は、添付図と併せて、本明細書に記載された実施形態の以下の説明を参照することにより、より明らかとなり、よく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】高分子シートを含む、装飾不織布スクリムラミネートの実施形態の概略図である。
【
図2】高分子シート、任意選択の第2の不織布、及び局所コーティングを含む、装飾不織布スクリムラミネートの実施形態の概略図である。
【
図3】第2の不織布を含む、装飾不織布スクリムラミネートの実施形態の概略図である。
【
図4】第2の不織布及び局所コーティングを含む、装飾不織布スクリムラミネートの実施形態の概略図である。
【
図5】装飾不織布スクリムラミネートの更に他の実施形態のさらなる概略図である。
【
図6】装飾不織布スクリムラミネートの実施形態の写真である。
【
図7】三次元形状に形成された装飾不織布スクリムラミネートの実施形態の写真である。
【
図8】三次元形状に形成された局所コーティングを含む代替模様の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、装飾不織布ラミネート、特に、自動車内装用のパターン化された、不織布ラミネートを対象とする。装飾不織布スクリムラミネートは、a)高分子シートの第1の面若しくはb)第2の不織布及び不織布スクリム層の第2の面の上に堆積された着色剤に貼り付けられたスパンボンド、スパンレース、又はニードルパンチ不織布スクリム層を含むことが好ましい。
【0019】
装飾不織布ラミネートは、装飾表面層として、自動車のテキスタイルの裏側に一般的に使用されるスクリムの使用を可能にする。更に、装飾不織布スクリムは、同様の用途で現在利用されている不織布ニードルパンチ材料と比較して軽い。その上、本明細書における装飾不織布ラミネートを形成する方法は、木目調及び迷彩等のパターンにまで色の選択肢及びパターンの選択肢を拡張する。最後に、本明細書におけるラミネートは、ISO 105-A02/AATCC評価手順1によって測定して、225kJ/m2以上の性能の耐退色性レベルを達成する。
【0020】
上述、及び
図1に例示されているように、装飾不織布ラミネート100は、一般に、高分子シート108の第1の面106に貼り付けられた第1の不織布層104の第1の面102を含む。塗料、染料、顔料、又はインク等の着色剤110は、第1の不織布104の第2の面112の上に堆積されており、不織布の第1の面に対向する。
【0021】
第1の不織布層は、それ自体が、好ましくはスパンボンド、スパンレース、又はニードルパンチスクリムであり、それだけには限らないが、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(例えば0.94g/cc~0.96g/cc)、低密度ポリエチレン(0.91g/cc~0.92g/cc)、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば0.93g/cc)、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン6及びナイロン6,6を含む)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)、又はその組合せ等の熱可塑性ポリマー材料から好ましくは供給される繊維から形成される。繊維はまた、その全ての値及び範囲を含む、0.7デニール~45デニールの範囲のデニールを示すことが好ましい。本明細書において用語スクリムの使用は、ウェブ状製品を示すと理解されてもよい。すなわち、繊維が互いの上に重なっている。スパンボンドは、繊維が紡糸され、その後ウェブに分散される不織布を指し、例えば、デフレクターの利用によって又はそれらは気流によって方向付けられてもよい。スパンレース不織布は、好ましくはウォータージェットによってもたらされる不織布の交絡の形成を指し、得られたボンド材料は、等方性を有する不織布であり、あらゆる方向において実質的に同様の強度を意味する。ニードルパンチは、繊維が機械的に絡み合っている不織布を指し、繊維状のウェブに有刺針を繰り返し貫通させることで達成される。
【0022】
第1の不織布層104は、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~6.0mmの範囲の厚さと、その全ての個々の値及び範囲を含む、15グラム毎平方メートル~500グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示し得る。例えば、第1の不織布は、好ましくは35グラム毎平方メートル~200グラム毎平方メートル、又は50グラム毎平方メートル~150グラム毎平方メートル、又は50グラム毎平方メートル~100グラム毎平方メートルの範囲の面密度を有し得る。特定の厚さ及び面密度は、第1の不織布スクリム層が選択される用途によって決まり得る。
【0023】
例えばトランク用途では、第1の不織布層は、その全ての値及び範囲を含む、0.1~6.0mmの範囲の厚さと、その全ての値及び範囲を含む、15グラム毎平方メートル~500グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示すことが好ましい。好ましくはトランク用途では、第1の不織布層は、60グラム毎平方メートル~130グラム毎平方メートルの範囲、更により好ましくは、60グラム毎平方メートル~90グラム毎平方メートルの範囲の面密度を有し得る。
【0024】
フローリング用途では、本明細書における第1の不織布層の厚さは、好ましくはその全ての値及び範囲を含む、0.1~6.0mmの範囲であり、第1の不織布の面密度は、好ましくは60グラム毎平方メートル~200グラム毎平方メートルの範囲、より好ましくは60グラム毎平方メートル~150グラム毎平方メートルの範囲、更には60グラム毎平方メートル~130グラム毎平方メートルの範囲である。
【0025】
高分子シートは、それだけには限らないが、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(例えば0.94g/cc~0.96g/cc)、低密度ポリエチレン(0.91g/cc~0.92g/cc)、又は直鎖状低密度ポリエチレン(例えば0.93g/cc)等)、ポリプロピレン、エチルビニルアセテート、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド(ナイロン6及びナイロン6,6等)又はその組合せ等の熱可塑性ポリマーであることが好ましい。実施形態では、熱可塑性ポリマーは、架橋していてもよく、又は代わりに熱硬化性ポリマーを利用してもよい。高分子シートは、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~4.0mmの範囲の厚さと、その全ての値及び範囲を含む、30gsm~5000gsmの範囲の面密度を示すことが好ましい。
【0026】
1種又は複数の着色剤を使用して、消費者に見られるための第1の不織布層の目に見える装飾的外観を形成する。着色剤は、顔料色素等のインク、塗料又は染料を含むことが好ましい。着色剤は、0.01mm~0.3mmの範囲の厚さで堆積されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、着色剤は、市松模様、千鳥格子、木目調、炭素繊維、革、迷彩、又は他の幾何学的模様等のパターンに堆積され、これは、1種若しくは複数の幾何学的形状を含むデザインとして本明細書において理解され得る。図(
図1から
図2を参照)は、識別されたパターンの場合のように、第1の不織布層の表面上の別々の位置における着色剤の配置を示しているが、着色剤(又は複数の着色剤)はまた、第1の不織布層の全面に塗布して着色剤層を形成できることを理解されたい。着色剤は、黒色、灰色、及び白色、並びにいくつかの他の色を含んでいてもよい。
【0027】
図2に示すように、ラミネート100は、第1の不織布材料の全体の耐久性を向上させるために、第1の不織布104の上に堆積させた局所コーティング114及び高分子シート108を任意選択で含む。局所コーティング114は、例えば、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、ポリウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)又はその組合せを含んでいてよい。局所コーティング114は、存在する場合、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~3.0mmの範囲の厚さを示す。局所コーティングの質量は、15gsm~340gsm、より具体的には30gsm~100gsmの範囲であり得る。局所層は、滑らかであるか、又は床の表面の牽引力を改善するために塗布された木目を有していてよい。局所コーティングを施したフローリングのテーバー摩耗試験は、(H18ホイール、1000gm重り)を使用した1500サイクルのクラス最高の不織布と比較して、(H18ホイール、1000gm重り)を使用して15,000サイクルもの高さになり得る。テーバーの試験は、SAE J1530及び/又はASTM D3884に基づいている。
【0028】
他の実施形態では、バインダー繊維は、第1の不織布層の耐久性を向上させるのに利用することができる。
【0029】
上記実施形態のいずれかにおいて、
図1から
図2に示すように、第2の不織布層120は、高分子シートの第2の表面122に任意選択で貼り付けられている。第2の不織布は、スパンボンド、スパンレース、ニードルパンチ、又はエアレイド不織布であってよい。第2の不織布は、その全ての値及び範囲を含む、15グラム毎平方メートル~1200グラム毎平方メートルの範囲の坪量と、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~12.0mmの範囲の厚さを示すことが好ましい。第2の不織布を形成する繊維は、それだけには限らないが、ポリエステル、綿、コポリエステル、高密度ポリエチレン(例えば0.94g/cc~0.96g/cc)、低密度ポリエチレン(0.91g/cc~0.92g/cc)、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば0.93g/cc)、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン6又はナイロン6,6等)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)、及びその組合せ等の熱可塑性材料から形成されることが好ましい。その上、繊維のデニールは、その全ての値及び範囲を含む、0.7デニール~45デニールの範囲であることが好ましい。
【0030】
不織布ラミネートは、本明細書において、第1の不織布を高分子シートの第1の面に貼り付けることによって形成されることが好ましい。第1の不織布は、高分子シートを第1の不織布上に直接押し出すこと、高分子シートがまだ溶融している間に繊維を高分子シート中にある程度インターロックさせることを含む、いくつかの方法によって貼り付け得る。特に好ましい実施形態では、熱、圧力、又は熱及び圧力の両方を第1の不織布及び高分子シートに加えると、第1の不織布及び高分子シートは一緒にラミネートされる。その上、又は或いは、第1の不織布と高分子シートの間に接着剤層を設けて、層を一緒に結合することができる。存在する場合、第2の不織布層も、高分子シートにラミネートされてもよい。第2の不織布層は、第1の不織布が高分子シートに貼り付けられるのと同時、その前、又はその後に、高分子シートに貼り付けられてもよい。
【0031】
実施形態では、
図3に示すように、ラミネートから高分子シートが除外されてもよい。このような実施形態では、装飾不織布ラミネート100は、一般に、第2の不織布120の第1の面124に貼り付けられた第1の不織布層104の第1の面102を含む。上記と同様に、塗料、染料、顔料、又はインク等の着色剤110は、第1の不織布104の第2の面112の上に堆積されており、それは不織布の第1の面に対向する。
【0032】
再度、第1の不織布層は、それ自体が、好ましくはスパンボンド、スパンレース又はニードルパンチスクリムであり、それだけには限らないが、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(例えば0.94g/cc~0.96g/cc)、低密度ポリエチレン(0.91g/cc~0.92g/cc)、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば0.93g/cc)、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン6及びナイロン6,6を含む)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)、又はその組合せ等の熱可塑性ポリマー材料から好ましくは供給される繊維から形成される。繊維はまた、その全ての値及び範囲を含む、0.7デニール~45デニールの範囲のデニールを示すことが好ましい。本明細書において用語スクリムの使用は、ウェブ状製品を示すと理解されてもよい。
【0033】
上記実施形態と同様に、第1の不織布層104は、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~6.0mmの範囲の厚さと、その全ての個々の値及び範囲を含む、15グラム毎平方メートル~500グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示し得る。例えば、第1の不織布は、好ましくは35グラム毎平方メートル~200グラム毎平方メートル、又は50グラム毎平方メートル~150グラム毎平方メートル、又は50グラム毎平方メートル~130グラム毎平方メートルの範囲の面密度を有し得る。特定の厚さ及び面密度は、第1の不織布スクリム層が選択される用途によって決まり得る。
【0034】
再度、トランク用途では、第1の不織布層は、その全ての値及び範囲を含む、0.2~1.0mmの範囲の厚さと、その全ての値及び範囲を含む、50グラム毎平方メートル~100グラム毎平方メートルの範囲の面密度を示すことが好ましい。好ましくはトランク用途では、第1の不織布層は、60グラム毎平方メートル~130グラム毎平方メートルの範囲、更により好ましくは、60グラム毎平方メートル~90グラム毎平方メートルの範囲の面密度を有し得る。
【0035】
フローリング用途では、本明細書における第1の不織布層の厚さは、好ましくはその全ての値及び範囲を含む、0.2~1.5mmの範囲であり、第1の不織布の面密度は、好ましくは60グラム毎平方メートル~200グラム毎平方メートルの範囲、より好ましくは60グラム毎平方メートル~150グラム毎平方メートルの範囲、更には60グラム毎平方メートル~130グラム毎平方メートルの範囲である。
【0036】
不織布104の第1の表面102に貼り付けられた第2の不織布層120は、好ましくはスパンボンド、スパンレース、ニードルパンチ、又はエアレイド不織布であり、その全ての値及び範囲を含む、15グラム毎平方メートル~1200グラム毎平方メートルの範囲の坪量と、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~12.0mmの範囲の厚さを示す。第2の不織布を形成する繊維は、それだけには限らないが、ポリエステル、綿、コポリエステル、高密度ポリエチレン(例えば0.94g/cc~0.96g/cc)、低密度ポリエチレン(0.91g/cc~0.92g/cc)、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば0.93g/cc)、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン6又はナイロン6,6等)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)、及びその組合せ等の熱可塑性材料から形成されることが好ましい。その上、繊維のデニールは、その全ての値及び範囲を含む、0.7デニール~45デニールの範囲であることが好ましい。
【0037】
再度、1種又は複数の着色剤は、消費者に見られるための第1の不織布層の目に見える装飾的外観を形成するために使用される。着色剤は、顔料色素等のインク、塗料又は染料を含むことが好ましい。着色剤は、0.01mm~0.3mmの範囲の厚さで堆積されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、着色剤は、市松模様、千鳥格子、木目調、炭素繊維、革、迷彩、又は他の幾何学的模様等のパターンに堆積される。図(
図3から
図5を参照)は、識別されたパターンの場合のように、第1の不織布層の表面上の別々の位置における着色剤の配置を示しているが、着色剤(又は複数の着色剤)はまた、第1の不織布層の全面に塗布して着色剤層を形成できることを理解されたい。着色剤は、黒色、灰色、及び白色、並びにいくつかの他の色を含んでいてもよい。
【0038】
図4に示すように、ラミネート100は、第1の不織布材料の全体の耐久性を向上させるために、第1の不織布104の上に堆積させた局所コーティング114及び着色剤110を任意選択で含む。再度、局所コーティング114は、例えば、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、ポリウレタン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETg)を含んでいてよい。局所コーティング114は、存在する場合、その全ての値及び範囲を含む、0.1mm~3.0mmの範囲の厚さを示す。局所コーティングの質量は、15gsm~340gsm、より具体的には30gsm~100gsmの範囲であり得る。局所層は、滑らかであるか、又は床の表面の牽引力を改善するために塗布された木目を有していてよい。局所コーティングを施したフローリングのテーバー摩耗試験は、(H18ホイール、1000gm重り)を使用した1500サイクルのクラス最高の不織布と比較して、(H18ホイール、1000gm重り)を使用して15,000サイクルもの高さになり得る。テーバーの試験は、SAE J1530及び/又はASTM D3884に基づいている。
【0039】
他の実施形態では、第1の不織布層の耐久性を向上させるために、バインダー繊維を利用することができる。
【0040】
上記不織布-不織布ラミネートは、第2の不織布を第1の不織布上に直接形成すること、不織布の繊維をある程度インターロックさせることを含む、いくつかの機械的結合法によって、又はニードルパンチ法若しくは水流交絡法等の交絡プロセスを使用して第1の不織布層を第2の不織布中にニードリングすることによって、本明細書において形成されることが好ましい。他の実施形態では、熱、圧力、又は熱及び圧力の両方を加えることによって、不織布は一緒にラミネートされ得る。その上、又は或いは、不織布間に接着剤層を設けて、層を一緒に結合することができる。
【0041】
図5は、第1の不織布104及び第2の不織布120がニードルパンチ又は水流交絡された好ましい実施形態を示す。示されているように、第1の不織布の繊維130の一部は、押し込まれており、いくつかの実施形態では、第2の不織布を通して、逆に、第2の不織布の繊維が第1の不織布に押し込まれており、又はその両方である。これは、追加の接着材料を与える必要なしに、不織布を機械的にインターロックする。しかしながら、このような接着材料はまた、耐久性を向上させるために加えてもよい。
【0042】
上記実施形態のいずれかにおいて、ラミネートを形成する前又は後に、第1の不織布の上に着色剤が堆積される。着色剤の1種又は複数の層を、印刷プロセスによって塗布して、上述のように所望の装飾的外観を作成することができる。好ましい実施形態では、着色剤は、印刷プロセスを利用して不織布上に堆積され、特に好ましい実施形態では、スクリーン印刷プロセスが使用されている。その上、又は或いは、フレキソ印刷又はパッド印刷等の他の印刷プロセスを利用してもよい。局所コーティングを塗布する場合、局所コーティングは、着色剤が堆積された後に塗布される。
【0043】
その上、上記ラミネートシートのいずれかは、着色剤の塗布前、後、又は塗布時に、圧力、熱、又は熱及び圧力の組合せを加えて使用して、三次元形状に形成されてもよい。このような方法は、したがって、熱成形、圧縮成形、及び真空成形を含んでいてもよい。三次元形状は、それらはラミネートシートから延びる突起又はくぼみを含み得るので、本明細書において三次元であると理解される。
【0044】
したがって、自動車両は、以前に利用されたニードルパンチ表地の性能特徴をまだ維持しながら、減量の目標を達成するのを助けるために、本明細書に記載された装飾不織布ラミネートを含み得る。不織布ラミネートは、フローリング、アクセサリーマット、カーゴマット、トランクライニング、グローブボックスライニング、コンソール及びマップポケットライニング、シートバック及びトリム、パッケージトレイ、アウターホイールアーチライナー、及びアンダーボディシールドの可視面で利用することができる。装飾不織布ラミネートは、現在、不織布が装飾層を提供している他の用途で利用することができる。
【0045】
得られたラミネートは、トランク材料における53%減量を含めて、比較的軽い質量を示すが、特にトランクのためのテーバー摩耗特性が維持され、OEM要件(H10 500g 1200サイクル)に合格している。テーバーの試験は、SAE J1530及び/又はASTM D3884に基づいている。
【0046】
更に、ラミネートはまた、OEMフェード試験に合格し、ISO 105-A02/AATCC評価手順1、(及びFLTM BO 116-01)で測定して、キセノン試験システムを使用して少なくとも225kJ毎平方メートルで最大451kJ毎平方メートル以下の退色への耐性を示す。結果は、グレースケールによって視覚的に得られ、最小ランキングの4に合格しなければならない。
【0047】
図6は、この場合はスパンボンドである、第1の不織布の表面につけられた木目調パターンを含む、本明細書に記載されたラミネートの実施形態の写真を示している。本明細書において二次元形状と呼ばれるものを示すシートの形態であることに加えて、ラミネートはまた、
図7に提供されたラミネートの実施形態の写真に示されているように、三次元形状であると本明細書で理解されるものに形成されてもよい。三次元形状は、それだけには限らないが、フロア、トランクライナー、グローブボックスライナー、ロードフロア、コンソール及びマップポケットライナー、シートバック及びトリム、パッケージトレイ、アウターホイールアーチライナー及びアンダーボディシールドの可視面等、このような不織布が使用され得る任意の自動車部品の形状を想定することができる。
【0048】
いくつかの方法及び実施形態の前述の説明は、例示目的のために提示されている。正確なステップ及び/又は開示された形態に請求項を包括又は限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして明らかに多くの修正及び変形が可能である。本発明の範囲は、ここに添付の請求項によって定義されるものとする。
【符号の説明】
【0049】
100 装飾不織布ラミネート
102 第1の不織布層の第1の面
104 第1の不織布層
106 高分子シートの第1の面
108 高分子シート
110 着色剤
112 第1の不織布層の第2の面
114 局所コーティング
120 第2の不織布層
122 高分子シートの第2の表面
124 第2の不織布層の第1の面
130 第1の不織布層の繊維
【外国語明細書】