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2023-165738二回折次数撮像を用いるオフ軸照明オーバレイ計測
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165738
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】二回折次数撮像を用いるオフ軸照明オーバレイ計測
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231110BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20231110BHJP
   G03F 9/00 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B11/00 G
G03F9/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142824
(22)【出願日】2023-09-04
(62)【分割の表示】P 2021508303の分割
【原出願日】2018-12-14
(31)【優先権主張番号】62/723,944
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャリボ ヨニ
(72)【発明者】
【氏名】パスコバー ユリ
(72)【発明者】
【氏名】レビンスキ ウラディミール
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
(72)【発明者】
【氏名】イーサンバッハ シュロモ
(72)【発明者】
【氏名】ラレド ジラド
(72)【発明者】
【氏名】ヒルデスハイム アリエル
(57)【要約】
【課題】計測の正確性を高め、計測プロセスの単純化を実現でき、且つ計量ターゲット・半導体デバイス間対応度が改善される、計量方法及びツールを提供する。
【解決手段】リトローコンフィギュレーションに従いターゲットを照明することで、-1次回折分及び0次回折分を含む第1計測信号と、+1次回折分及び0次回折分を含む第2計測信号とを、第1計測信号のうち-1次回折分と第2計測信号のうち+1次回折分とが照明方向を基準として180°回折する態でもたらし、第1計測信号についての第1計測と、第2計測信号についての第2計測とを遂行し、それらを踏まえ計量指標(群)を導出する方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明アーム及び集光アームを有する計量ツールにより計量ターゲットを計測する方法であって、
照明アームにより上記計量ターゲットを照明することで反射0次回折分と-1次及び+1次回折分とをもたらし、
集光アームにて、反射0次回折分を、-1次回折分と共に捉えられた第1成分と、+1次回折分と共に捉えられた第2成分とに分割することで、第1計測結果及び第2計測結果をもたらし、
第1及び第2計測結果から少なくとも1個の計量指標を導出する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、上記計量ターゲットを照明すること及び上記反射0次回析分を分割することを、第1及び第2計測それぞれに関し二通りの計測方向にて同時実行する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、更に、0次回折分の第1及び第2成分のうち少なくとも一方を減衰させる方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、上記少なくとも1個の計量指標が、上記計量ターゲットのオーバレイであり以下の式
【数1】
で算出されたものを含み、ここでOVLは上記計量ターゲットのオーバレイを表し、Pは上記計量ターゲットのピッチを表し、(φ-φ)は第2計測信号と第1計測信号との位相差を表し、xは上記計量ターゲットの対象中心の位置を表し、δφは上記+1次回析分と上記-1次回析分との差を表す、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、更に、層依存テレセントリシティに関し第1及び第2計測結果を校正する方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、更に、第1及び第2計測のテレセントリシティパラメタから焦点情報を導出する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、更に、非リトローなオフ軸照明を用い焦点感度データを取得し、上記計量ターゲットにおける位置シフトをもとに焦点を計測する方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1個のコンピュータプロセッサにより少なくとも部分的に実行される方法。
【請求項9】
コンピュータ可読プログラムを体現するコンピュータ可読格納媒体を備え、請求項21の方法を少なくとも部分的に実行するようそのコンピュータ可読プログラムが構成されているコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラム製品を備える計量モジュール。
【請求項11】
計量ターゲットを照明することで反射0次回折分と-1次及び+1次回折分とをもたらすよう、構成された照明アームと、
反射0次回折分を、-1次回折分と共に捉えられた第1成分と、+1次回折分と共に捉えられた第2成分とに分割することで、第1計測結果及び第2計測結果をもたらすよう、構成された像スプリッタを備える集光アームと、
第1及び第2計測結果から少なくとも1個の計量指標を導出するよう構成された処理ユニットと、
を備える計量ツール。
【請求項12】
請求項11に記載の計量ツールであって、照明アーム及び集光アームが、上記計量ターゲットを照明すること及び上記第1計測及び上記第2計測を遂行することを二通りの計測方向にて同時実行するよう構成されている計量ツール。
【請求項13】
請求項11に記載の計量ツールであって、集光アームが、0次回折分の第1及び第2成分のうち少なくとも一方を減衰させるよう構成された、少なくとも1個の0次回折分減衰器を備える計量ツール。
【請求項14】
請求項11に記載の計量ツールであって、上記処理ユニットが、更に、層依存テレセントリシティに関し第1及び第2計測結果を校正すること、第1及び第2計測結果のテレセントリシティパラメタから焦点情報を導出すること、及び/又は、非リトローなオフ軸照明を用い焦点感度データを取得し上記計量ターゲットにおける位置シフトをもとに焦点を計測すること、のうち、少なくとも一つを実行するよう構成されている計量ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量分野に関し、より具体的には、計測正確度を増強する照明及び計測コンフィギュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願では、2018年8月28日付米国暫定特許出願第62723944号の利益を主張するので、参照によりその全容を本願に繰り入れることにする。
【0003】
光学的オーバレイ(重ね合わせ量)計測は、通常は二種類のうち一つ、即ち撮像かスキャタロメトリ(散乱法)かに分類される。撮像依拠オーバレイ計測(IBO)では、ターゲットに備わるパターン群を2個の別々な層内に横並び印刷し、それらの横方向シフトを像面内でその光学システムを基準として計測する。スキャタロメトリ即ち回折依拠オーバレイ計測(DBO)では、相異なる層に属するパターンを重ね合わせ印刷し、その積層体に発する諸次回折分の振幅からオーバレイを取得する。この計測の詳細原理は本書面の範囲から外れている。
【0004】
撮像テクノロジは、明視野撮像及び暗視野撮像という二通りの主要構成へと更にカテゴリ分けすることができる。明視野撮像では、そのシステムの数値開口内に収まる諸次回折分全てで像が形成されるのに対し、暗視野撮像では0次分が遮蔽される。後者は、通常、秀逸な画像コントラスト/精度を狙い用いられる。従前の労作で指し示されるところによれば、参照によりその全容が本願に繰り入れられる特許文献1等により教示されている次数選択により、計測正確性を改善することができる。例えば、参照によりその全容が本願に繰り入れられる特許文献2等により教示されているように、0次及び±1次のみを選択することが、最良コントラスト焦点における正確性の改善につながる。参照によりその全容が本願に繰り入れられる特許文献2等により教示されているように、0次の振幅及び位相の制御を通じ、この構成における正確性及びコントラストの更なる改善も実現できる。従来技術によれば、±1次のみを選択することで、信号振幅を代償にして最良な結果を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO2007143056号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第20170146915号明細書
【特許文献3】米国特許第7528953号明細書
【特許文献4】米国特許第8456641号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、計測の正確性を高め、計測プロセスの単純化及び計量ターゲット・半導体デバイス間対応度の改善を可能にする、計量方法及びツールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の簡略な概要では本発明の原初的理解を図っている。本概要は、本発明の根幹要素を必ずしも特定せず技術的範囲も限定しないが、以下の記述への序章としては役立つものである。
【0008】
本発明の一態様により提供される方法は、照明アーム及び集光アームを有する計量ツールにより計量ターゲットを計測する方法であって、リトローコンフィギュレーションに従い照明アームによりターゲットを照明することで、-1次回折分及び0次回折分を含む第1計測信号と、+1次回折分及び0次回折分を含む第2計測信号とを、第1計測信号のうち-1次回折分と第2計測信号のうち+1次回折分とが照明方向を基準として180°回折した態でもたらし、第1計測信号についての第1計測と第2計測信号についての第2計測とを集光アームにより遂行し、第1及び第2計測を踏まえ少なくとも1個の計量指標を導出する方法である。
【0009】
本発明の一態様により提供される方法は、照明アーム及び集光アームを有する計量ツールにより計量ターゲットを計測する方法であって、照明アームによりターゲットを照明することで反射0次回折分と-1次及び+1次回折分とをもたらし、集光アームにて、その反射0次回折分を、-1次回折分と共に捉えられた第1成分と、+1次回折分と共に捉えられた第2成分とに分割することで、対応する第1及び第2計測結果をもたらし、第1及び第2計測結果から少なくとも1個の計量指標を導出する方法である。
【0010】
本発明のこれらの、付加的な及び/又はその他の諸態様及び/又は長所については、後続する詳細記述中で説明され、恐らくはその詳細記述から推量可能であり、及び/又は、本発明の実施により学習可能である。
【0011】
本発明の諸実施形態についてより良好な理解を図りそれをどう実施すればよいかを示すため、以下、全体を通じ対応諸要素又は諸部分に同様の符号が付されている添付図面を、純粋に例示手段として、参照することにする。
【0012】
添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の幾つかの実施形態に係る計量ツール及びターゲット計測方法を描出する上位模式ブロック図である。
図2】本発明の幾つかの実施形態に係り可変照明を用い実現・実施される計量ツール及び計測の上位模式図である。
図3-1】本発明の幾つかの実施形態に係り適合光学系不使用で実現・実施される計量ツール及び計測の上位模式図である。
図3-2】本発明の幾つかの実施形態に係り適合光学系不使用で実現・実施される計量ツール及び計測の上位模式図である。
図4】本発明の幾つかの実施形態に係り像分割コンフィギュレーションに従い実現・実施される計量ツール及び計測の上位模式図である。
図5-1】本発明の幾つかの実施形態に係る方法を描出する上位フローチャートである。
図5-2】本発明の幾つかの実施形態に係る方法を描出する上位フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の記述では本発明の様々な態様が述べられている。説明目的にて具体的な構成及び細部を説明し本発明の一貫理解を図っている。とはいえ、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)にはやはり明らかな通り、本発明は本願提示の具体的細部抜きで実施することもできる。更に、周知特徴を省略又は単純化しているところがあるのは、本発明を曖昧化させないためである。図面への具体的参照との関連で強調されるのは、図示事項が例示であり専ら本発明についての例証的議論を目的としていること、並びにそれらの提示理由が本発明の諸原理及び概念的諸側面についての最有用且つ理解容易な記述と思しきものの提供であることである。その際、本発明の基礎的理解に必要な以上に詳細に本発明の構造的細部を示す試みはせず、本明細書を図面と併用することで、本発明の幾つかの形態をどのように実施すればよいかをいわゆる当業者向けに明らかにしている。
【0015】
本発明の少なくとも1個の実施形態を詳説するのに先立ち、本発明の用途が、後掲の記述中で説明され又は図面中に描出されている諸部材の詳細構成及び配置により限定されない。本発明は、様々なやり方で実施又は実行されるであろう他の諸実施形態にも、開示されている諸実施形態の組合せにも適用することができる。本願にて採用されている表現法及び用語法は記述目的のものであり、限定として解されるべきではない。
【0016】
別様な具体的宣明がない限り、後掲の議論から明察される通り、明細書中、「処理」、「計算」、「算出」、「判別」、「拡張」、「導出」等の語を利用した具体的議論は皆、コンピュータ若しくは情報処理システム又はそれに類する電子情報処理装置の動作及び/又はプロセスであり、その情報処理システムのレジスタ及び/又はメモリ内で物理量例えば電子量として表現されているデータを操作し、及び/又は、その情報処理システムのメモリ、レジスタその他の情報格納、伝送又は表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと変換するもののことを、指すものと認められる。ある種の実施形態によれば、照明テクノロジを、可視域内電磁輻射、紫外線或いは更に短波長の輻射例えばX線で構成することができ、恐らくは粒子ビームでさえ構成することができる。
【0017】
計測の正確性を高め、計測プロセスの単純化及び計量ターゲット・半導体デバイス間対応度の改善を可能にする、計量方法及びツールを提供する。リトローコンフィギュレーションに従いターゲットを照明することで、-1次回折分及び0次回折分を含む第1計測信号と、+1次回折分及び0次回折分を含む第2計測信号とを、第1計測信号のうち-1次回折分と第2計測信号のうち+1次回折分とが照明方向を基準として180°回折した態でもたらし、第1計測信号についての第1計測と第2計測信号についての第2計測とを遂行し、それらを踏まえ計量指標(群)を導出する方法である。これに代え又は補足として、反射0次回折分を分割することで、-1次及び+1次回折分と相互作用する成分をもたらしてもよい。
【0018】
光学オーバレイツールは、光波長における可計測性に鑑み且つリソグラフィ及びプロセス工程との両立性に鑑み最適化されたデザインを有する代表ターゲット上で、オーバレイを計測する。デバイスピッチがスケールダウンするにつれ、これら相反する二条件がもとで、最適化ターゲットとデバイスとの両立性が低下し(これは往々にしてオーバレイバイアスにつながる)、或いはその回折効率の低下により計測がより困難になる。有益なことに、開示諸実施形態にて提供されるやり方で、計測正確性を損ねることなく、計測装置の感度を高めること及び低回折効率ターゲットの計測を容易化することができる。
【0019】
注記されることに、開示されている諸原理、ツール100及び方法200は現行の計量プラットフォーム及び/又は開発中の計量プラットフォームにて実現・実施することができ、それにより計量計測(例.オーバレイ計測)の正確性を改善すること及び実デバイスとの関連性が強い計量計測結果を提供することができる。
【0020】
開示諸実施形態では明視野撮像の短所、例えば各対の次数分がオーバレイに対し相異なる誤差を及ぼすため合計誤差を制御しにくくなる恐れが克服される。開示されている次数選択は等式1で以て非限定的要領にて描出されている通り誤差低減上有益である;この等式は最も低い三通りの回折次数(0次及び±1次)のみを含む式であり、Pは周期ターゲットのピッチ、aはn次回折振幅、Ψは0次・±1次回折間平均位相差、δφ,δaは順に+1次・-1次間位相差,振幅差を表している。IBFは明視野撮像への等式1の適用可能性を表しており、項(atan(δatanΨ))は明視野撮像におけるターゲット非対称性誤差の増幅を表している。xはターゲットの対称中心の位置を表している。
【数1】
【0021】
発明者が注目しているのは、ターゲット非対称性による幾何曖昧性に繰り入れられうるオーバレイ誤差がδφにより引き起こされる一方、一次高調波内第2位相項(atan(δatanΨ))が任意値のΨに関し値域[-π/2,+π/2]内であらゆる値を採りうるので、オーバレイ誤差がP/4のオーダとなりうることである。自明な理由によって、tanΨはしばしば不正確性倍率と呼ばれる。
【0022】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に係る計量ツール100及びターゲット計測方法200(図5も参照されたい)を描出する上位模式ブロック図である。計量ツール100は、少なくとも1個の処理ユニット99(例.計量モジュール内のそれ)と連携する照明アーム101及び集光アーム105を有しており、それらは、例えば方法200に従いウェハ上の計量ターゲット60の計量計測を遂行するよう構成されている。
【0023】
計量ツール100は、リトローコンフィギュレーションに従い照明アーム101により計量ターゲット60を照明する(段階210,図5参照)ことで、第1入射照明110からは-1次回折分115B及び0次回折分115Aを含む第1計測信号(100A参照)を、また第2入射照明120からは+1次回折分125B及び0次回折分125Aを含む第2計測信号(100B参照)をもたらすよう、またその第1計測信号のうち-1次回折分115Bと第2計測信号のうち+1次回折分125Bとがそれぞれ入射照明110及び120の方向を基準として180°回折するよう、構成されている。
【0024】
計量ツール100は、更に、集光アーム105により、(-1次回折分115B及び0次回折分115Aを含む)第1計測信号についての第1計測と、(+1次回折分125B及び0次回折分125Aを含む)第2計測信号についての第2計測とを、例えば1個又は複数個のカメラ及び/又はセンサを用い遂行する(段階230)よう、且つそれら第1及び第2計測を踏まえ少なくとも1個の計量指標を導出する(段階240,図5中の更なる方法段階を参照)よう、構成されている。
【0025】
ある種の実施形態では、各照明コンディションにてその像(順に第1,第2計測信号)が0次及び+1次,0次及び-1次なる二通りの次数分のみで組成される態で、オーバレイが相異なる二通りの照明コンディション100A,100Bにて計測される。sinθ=±λ/(2P)を満足するよう照明角を設定すること(リトローコンフィギュレーション)で、標準的格子等式に従い、n次回折分の角度を、sinθ=-sinθ+nλ/P=λ/P(-(±1)/2+n)を満足するものにすることができる。非限定的な諸実施形態によれば、λ≒Pなる仮定の許では二通りの次数分のみが数値開口内に収まるので、負角度照明に係る回折分の角度がsinθ-1=-λ/(2P),sinθ=+λ/(2P)を満足し(照明及び計測コンディション100A)、正角度照明に係るそれらがsinθ=λ/(2P),sinθ=-λ/(2P)を満足することとなる(照明及び計測コンディション100B)。注記されることに、図1には一次元セッティングを描いたが、同じ諸原理を二次元セッティングに適用することができる(例えば図2図4参照)。
【0026】
等式群2は、順にコンディション100A,100Bに係る信号強度I(x),I(x)を表している。
【数2】
【0027】
等式3は、等式群2により表される信号群から導出可能な計量指標の非限定的な例たるオーバレイを表しており、これは等式群2を用い信号計測結果から導出可能なδφに相当する信号間位相差(φ-φ)から得ることができる。
【数3】
【0028】
有益なことに、開示されている計量ツール100及び方法200には以下の有益な特性がある(その何れも本発明を限定するものではない)。(i)その振幅非対称性が不正確性に影響を及ぼさない。(ii)平均トポグラフィック位相が打ち消されるので、幾何曖昧性-P/(2π)・δφ以外に付加的な不正確性源が存在しない。(iii)両次数分が同じ光路を辿るため対称収差が相殺される。結果として、焦点深度は集光開口ではなく照明数値開口に依存する。(iv)直交照明コンディションでのそれに比べそれら次数分が少なくとも2倍隔たっているため、瞳面でのより高次な回折分による汚染が無視しうるほどしかない。そして、(v)正確性目的で集光瞳に遮蔽素子を設ける必要がない。実施形態によってはここで列記した諸特性のうち1個又は複数個が欠けること、恐らくは具体的な構成及び現実的なトレードオフ問題が原因でそうなることがあろう。
【0029】
何れの開示実施形態でも、シングルグラブオプション及びそれに対応する照明コンディション(例.図2等に記載の左/上又は右/下照明極のうち一つだけ)を以て、相異なる二通りの照明コンディション100A,100Bを置き換え、0°及び180°なるウェハ方位にて2回の計測が実行されるようにすることができる。例えば、ウェハ運動に係る照明コンディション修正と引き換えにはなるが、0°及び180°なるウェハ方位双方にてある単一の照明コンディション下で全セルを計測することができる。有益なことに、実施形態によっては、相異なる照明コンディション100A,100Bにて左極及び右極の位置/サイズ間の一貫校正を実行する必要がなくなり、それでいてゼロTIS(ツール誘起性シフト)計測を焦点再現限界まで実施することができ、またDOF(視野深度)が大きいためその焦点再現限界が顕著でないことから、所要MAM(移動・捕捉・計測)時間の付加分が補償されることとなる。
【0030】
ある種の実施形態では、更に、所与計量ターゲットデザインに対する(同じターゲットデザインの)ターゲットのサイズ低減、例えば2の倍数による低減であり周期的構造のピッチを半減させることによるそれが、開示されている計量ツール100及び方法200、即ち瞳内開口によるサイドローブクリッピングのリスクが低いそれを用いることで、同様に実現される。実施形態によっては、同じ波長のままターゲットピッチを2の倍数で以て低減させることで、ターゲット60とデバイスとの両立性を高めることができる。
【0031】
ある種の実施形態に係る計量ツール100及び方法200によれば、更に、集光瞳にて0次分を減衰させることで、信号振幅に対する影響を中庸又は些少に留めつつコントラストを高めることができる。
【0032】
有益なことに、これは従来技術例えば特許文献3とは対照的である;同文献では、正反対のリトロー角でのターゲットの同時照明と、2個の干渉項0,+1又は0,-1の総和で組成される1枚の画像からのオーバレイの取得とが教示されており、そのために、トポグラフィック位相に結び付いた回折次数間振幅差が現れること、またそれが不正確性拡大につながることがままある。これに対し、ある種の実施形態に係る開示計量ツール100及び方法200では、等式群2及び3記載の如くターゲットの連発的照明、分離及び振幅差除去が用いられる。
【0033】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係り可変照明を用い実現・実施される計量ツール100及び計測100A,100Bの上位模式図である。図2で提示しているのはダブルグラブリトロー照明2ビーム撮像計測についての非限定的実現形態例である。ある種の実施形態によれば、照明アーム101に光源70と適合的光学素子(群)例えばディジタル光プロセッサ(DLP)75とを設け、集光アーム105に感知素子例えばカメラ(群)90及び/又は対応するセンサ群と適合的光学素子(群)例えば空間光変調器(SLM)95とを設け、波長変動下でフレキシブルリトロー角照明及び集光を実施・実現するようそれを構成すること、例えばX方向及びY方向に関し二通りのリトローコンフィギュレーション間で切り替えることができる(瞳面照明図77参照,全黒丸は瞳面内照明スポットを表している)。照明,集光アーム101,105は何れもビームスプリッタ85と連携しており対物系80内を通っている。照明110,120(別称グラブ)は順に計測100A,100Bでのものであり(図中の各照明ビーム110,120は方向X及びYに対応し2本のビームで構成されており)、-1次回折分(a-1exp(iφ-1))115Bと0次回折分(T・aexp(iφ))115A,+1次回折分(aexp(iφ))125Bと0次回折分(T・aexp(iφ))125Aは順に各計測方向X,Yでのものであり、Tは付随的な減衰因子である。注記されることに、諸実施形態の適合的光学素子(群)例えばDLP、SLMその他を様々な実施形態にて互換利用することができる。可変照明及び/又は集光を適宜構成することでコントラスト改善を果たすことができる。ターゲット60が低回折効率なものである場合、計測が透過により実行されるのかそれとも反射により実行されるのかにもよるが、同様のSLM及び/又はDLP素子(群)で以て(照明角毎に)0次分を減衰させることができる。
【0034】
図3は、本発明の幾つかの実施形態に係り適合光学系不使用で実現・実施される計量ツール100及び計測100A,100Bの上位模式図である。照明アーム101は照明71を供給可能で固定マスク78を備えており、例えばそのマスクに備わる4個の極(白丸により模式的に示されているそれ)により(例.ターゲット60の対応するX,Y周期構造を)正反対のリトロー角にて同時照明するものと、することができる。シャッタアセンブリ130は、例えば高速モータ上に実装された一対のナイフエッジシャッタを備えており、計測コンディション100A,100Bの態で描かれている通り、正/負照明角に係る極を交互に遮蔽するよう構成することができる(図中の各照明ビーム110,120は方向X及びYに対応し2本のビームで構成されている)。集光アーム105は、2本のサブアームとして非限定的要領にて模式的に描かれている通り相応な集光素子群を備えており、そのサブアームそれぞれに備わるカメラ90A,90B及び0次減衰器140A,140Bにより、対応する計測結果100A,100B(別称グラブ)を処理ユニット99に供給しうるものと、することができる。固定素子群を用いた0次減衰は、集光された諸次回折分を二分割すること、並びに集光瞳に2個の半不透明マスク140A,140Bを配置し各々相異なる対の次数分を減衰させることで、達成することができる。実施形態によっては、可変光学素子群例えばDLPやSLMを0次減衰に用いることで、集光アーム105の分割を省くことができる。付加的なビームスプリッタ85Aを用いることで、集光された輻射を、集光アーム105の2本のサブアームへと分割することができる。実施形態によっては、集光アームにおける光学的操作により、用いるカメラ90及び/又は0次減衰器140を単一化することができる(描出せず)。
【0035】
図4は、本発明の幾つかの実施形態に係り像分割コンフィギュレーションに従い実現・実施される計量ツール100及び計測100A,100Bの上位模式図である。ある種の実施形態では、計量ツール100に備わる照明アーム101が、照明122(照明110+照明120に相当)によりターゲット60を照明するよう、ひいては反射0次回折分112(0次回折分115A+0次回折分125Aに相当)と-1次,+1次回折分115B,125Bそれぞれとをもたらすよう、構成される。開示されている計量ツール100は更に集光アーム105を備えており、それに像スプリッタ150(例.プリズム例えばプリズムミラーであり潜在的には光学素子(群)86例えば鏡を介するそれ)が備わっており、その像スプリッタが、-1次回折分115Bと共に捉えられた第1成分115Aと、+1次回折分125Bと共に捉えられた第2成分125Aとに、反射0次回折分122を分割することで、対応する第1,第2計測結果100A,100Bをそれぞれもたらすよう、構成されている。計量ツール100は更に処理ユニット99(例.計量モジュールと連携するそれ)を備えており、第1,第2計測結果100A,100Bそれぞれから少なくとも1個の計量指標を導出するようその処理ユニットが構成されている。諸実施形態によれば、照明アーム101及び集光アーム105を、照明及び計測の遂行を二通りの計測方向(例.X及びY)にて同時実行するよう構成することができる。幾つかの実施形態によれば、集光アーム105に少なくとも1個の0次回折分減衰器(図示せず,減衰器140A,140B参照)を設け、0次回折分122の第1,第2成分115A,125Aのうち少なくとも一方を減衰させるようそれを構成することができる。
【0036】
ある種の実施形態に係る計量ツール100では、図4に模式的に描かれている像分割コンフィギュレーションを用いることで、信号レベルを劣化させずに、曖昧性以外の不正確性が排除される。ある種の実施形態によれば、集光瞳をその中庸(又は所与比率、潜在的には照明波長に関連するそれ)にて2個の半部(二通りの計測方向例えばX及びYに沿い周期構造を計測する際には4個の象限)へと分割することができ、それには例えばプリズムミラー150その他、参照によりその全容が本願に繰り入れられるところの特許文献4にて開示されている諸実施形態を用いることができる。+1次分(125B)を0次分122の正半部(第1成分125Aたるそれ)と干渉させることで1枚の画像100Aを構築することができ、-1次分(115B)を0次分122の負部分(第2成分115Aたるそれ)と干渉させることで2枚目の画像100Bを構築することができる。実施形態によっては、これら二画像(100A,100B)間のオーバレイ差が平均トポグラフィック位相Ψ(等式1参照)に依存せず、先に開示したリトロー法及びリトローコンフィギュレーションと同様、信号の振幅が回折効率に対し専ら直線的に減衰することとなる。
【0037】
ある種の実施形態では、更に、層依存テレセントリシティに関し第1,第2計測100A,100Bそれぞれ(例.対応する像)が校正される。ある種の実施形態では、更に、第1,第2計測100A,100B(例.対応する像)のテレセントリシティパラメタ群からの焦点情報の導出、例えば1個(又は複数個)のグラブ例えば100A及び/又は100Bからの各層焦点位置の取得が行われる。ある種の実施形態では、非リトローなオフ軸照明を用い、格子及び/又はセル位置のシフトをもとに焦点を計測することで、対称収差に対する感度の増大を代償にして、集光路にて瞳を分割することなく焦点感度を入手する。
【0038】
ある種の実施形態では、更に、0次分115A,125Aのうち1個又は複数個を減衰させることで、低回折効率ターゲットのコントラストを向上させる。これに代え又は補足として、0次分122を(計測方向毎に二部分、例えば二通りの計測方向を用いる場合は四部分へと)分割することで生じるコントラスト損失を様々な手法により補償すること、例えば二通りの計測方向に関し原信号122を4個のそっくりなコピーへと分割した上で各組合せ(0次,+1次)、(0次,-1次)、(0次,+1次)及び(0次,-1次)についての次数選択により各コピーから相異なる像(描出せず)を得ることができる。有益なことに、信号を分割してその0次分のうち一部分のみを用い一次信号(又はその構成部分)を伴う個別信号を生成することにより、全照明ポイントを1次分(例.信号丸ごと)と干渉させ続けながら0次信号の振幅を小さくすることができる。
【0039】
開示されている何れの実施形態でも、計量指標(群)例えばオーバレイを、個々の0次及び±1次分間の干渉で得られる信号の位相から、個別に導出することができる。
【0040】
有益なことに、開示されているツール100及び方法200を適宜構成することで、低回折効率コンディションでのIBOの正確性及び精度を、位相制御無しで秀逸化することができる。例えば、特許文献2等にて教示されている位相及び振幅制御手法との関連では、開示されている諸実施形態はより単純に実施すること、より容易に実現すること、並びにより単純な充足所要システム要件を提供することができる。また例えば、開示されているツール100及び方法200を適宜構成することで、一次項a(等式1参照)の最小化又は解消を追求する諸手法、例えば特許文献1により教示されており信号振幅がa に関連付けられたままとなるそれよりも、大きな信号振幅を提供することが可能となる。開示されているツール100及び方法200により達成される信号振幅は高めであり、達成される信号対雑音比はそれによっても改善される。
【0041】
注記されることに、図1図4中の諸要素はあらゆる可作動組合せで組み合わせうるのであり、ある種の要素がある種の図面に描かれているのに別の図面に描かれてなくても、それは単に説明目的で働き限定とはならない。
【0042】
図5は本発明の幾つかの実施形態に係る方法200を描出する上位フローチャートである。本方法の諸段階は上述の計量ツール100との関連で実行することができ、付随的には方法200を実施しうるようその計量ツールを構成することができる。方法200は少なくとも1個のコンピュータプロセッサ、例えば計量モジュール内のそれにより少なくとも部分的に実施されうる。ある種の実施形態では、方法200の関連諸段階を実行するようコンピュータ可読プログラムが構成され、そのコンピュータ可読プログラムを体現するコンピュータ可読格納媒体によりコンピュータプログラム製品が構成される。ある種の実施形態では、諸実施形態の方法200により設計された個別ターゲットにつきターゲットデザインファイルが構成される。方法200は、その順序を問わず以下の諸段階で構成されうる。
【0043】
方法200では、照明アーム及び捕捉アームを有する計量ツールにより計量ターゲットを計測する(段階205)に当たり、リトローコンフィギュレーションに従いそのターゲットを照明し(段階210)、-1次及び0次回折分を含む第1計測信号と+1次及び0次回折分を含む第2計測信号とを導出し(段階220)、その手段として第1及び第2計測信号につき第1及び第2計測を遂行し(段階230)、そしてそれら第1及び第2計測を踏まえ計量指標(群)例えばオーバレイを導出する(段階240)。開示されている何れの実施形態でも、第1及び第2計測は同じ照明コンディション下で0°及び180°なるウェハ方位にて実行する(段階231)ことができ、その際にはMAM時間に係る照明コンディションの修正が代償となる。
【0044】
方法200では、更に、各計測信号の-1次及び+1次回折分を照明方向を基準として180°回折させるよう照明アームを構成する(段階212)ことができる。実施形態によっては、方法200にて、空間光変調及び/又はディジタル光処理によりその照明を実行する(段階214)こと、及び/又は、一対のシャッタを用いそれらを四極照明源に交互適用する態、即ち二通りの計測方向にて同時照明する態にて、その照明を実行する(段階216)ことができる。実施形態によっては0次回折分のうち少なくとも一方を減衰させる(段階217)。実施形態によっては、複数波長にてその照明を実行し、フレキシブルリトローコンフィギュレーションを実現する(段階218)。
【0045】
ある種の実施形態によれば、それら計測の遂行を、空間光変調及び/又はディジタル光処理により実行する(段階232)ことができる。実施形態によっては、照明及び計測の遂行を二通りの計測方向にて同時実行する(段階234)。
【0046】
ある種の実施形態に係る方法200によれば、更に、周期構造のピッチを例えば2の倍数で以て低減することでターゲットサイズを例えば半減させる(段階250)ことや、開示されているリトローコンフィギュレーションを利用しそれを行うことができる。ある種の実施形態に係る方法200によれば、照明アームによりそのターゲットを照明して反射0次回折分と-1次及び+1次回折分とをもたらす(段階222)こと、-1次回折分と共に捉えられた第1成分と+1次回折分と共に捉えられた第2成分とに集光アームにてその反射0次回折分を分割して対応する第1及び第2計測結果をもたらすこと(段階224)、並びにそれら第1及び第2計測結果から少なくとも1個の計量指標を導出する(段階240)ことができる。諸実施形態によれば、照明222及び分割224を、第1及び第2計測のそれぞれに関し二通りの計測方向にて同時実行することができる。ある種の実施形態に係る方法200によれば、更に、0次回折分の第1成分及び第2成分のうち少なくとも一方を減衰させる(段階227)ことができる。その計量指標(群)には、ターゲットのオーバレイであり等式3で算出されたものを、含めることができる。
【0047】
ある種の実施形態では、更に、第1及び第2計測(例.対応する像)を層依存テレセントリシティに関し校正する(段階242)。実施形態によっては、更に、第1及び第2計測(例.対応する像)のテレセントリシティパラメタ群からの焦点情報の導出(段階244)、例えば1回(又は複数回)のグラブからの各層焦点位置の取得を行う。実施形態によっては、集光路にて瞳を分割することなく焦点感度を取得し(段階247)、またそれを、非リトローなオフ軸照明を用いること並びに格子及び/又はセル位置のシフトをもとに焦点を計測することで、対称収差に対する感度の上昇を代償にして行う。
【0048】
以上、本発明の諸実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート描写及び/又は部分図を参照して本発明の諸態様を述べてきた。理解し得るように、それらフローチャート描写及び/又は部分図の各部分、並びにそれらフローチャート描写及び/又は部分図の諸部分の組合せを、コンピュータプログラム命令群により実施・実現することができる。それらコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータその他、プログラマブルデータ処理装置のプロセッサに供給してマシンを構築すること、ひいてはコンピュータその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによりそれらの命令を実行することで、そのフローチャート及び/又は部分図若しくはその諸部分にて特定されている諸機能/諸動作を実施・実現する手段を、生み出すことができる。
【0049】
それらコンピュータプログラム命令は、また、そこからコンピュータその他のプログラマブルデータ処理装置或いはその他の装置に指令して特定要領で機能させることができるコンピュータ可読媒体内に格納できるので、それら命令群をコンピュータ可読媒体内に格納することで、フローチャート及び/又は部分図若しくはその諸部分にて特定されている機能/動作を実施・実現する命令群が組み込まれた製品を、生産することができる。
【0050】
それらコンピュータプログラム命令を、コンピュータその他のプログラマブルデータ処理装置或いはその他の装置上にロードし、そのコンピュータその他のプログラマブルデータ処理装置或いはその他の装置上で一連の動作ステップを実行させることでコンピュータ実施プロセスをもたらすこと、ひいてはそのコンピュータその他のプログラマブル装置上で実行される命令群により、そのフローチャート及び/又は部分図若しくはその諸部分にて特定される諸機能/諸動作を実現するためのプロセスを提供することもできる。
【0051】
上掲のフローチャート及び図面には、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の潜在的諸実現形態のアーキテクチャ、機能及び動作が描かれている。その関係で、そのフローチャート又は部分図の各部分にて、特定されている論理機能(群)を実現するための可実行命令1個又は複数個で構成されたコードのモジュール、セグメント又は部分が表されていることがある。これも注記すべきことに、幾つかの代替的実現形態によれば、その部分に記されている諸機能を、図中に記されている順序とは異なる順序で生起させることができる。例えば、相連続する態で示されている二部分が、実際にはほぼ同時に実行されることも、それらの部分がときとして逆の順序で実行されることもあり、これは関わる機能により左右される。やはり注記されることに、それら部分図及び/又はフローチャート描写の各部分、並びにそれら部分図及び/又はフローチャート描写中の諸部分の組合せは、指定されている諸機能又は諸動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムでも、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せでも、実施・実現することができる。
【0052】
上掲の記述における実施形態は本発明の一例又は実現形態である。「ある実施形態」、「一実施形態」、「ある種の実施形態」又は「幾つかの実施形態」なる様々な表現が、必ずしも全て同じ実施形態を指すわけではない。本発明の様々な特徴がある単一の実施形態の文脈に沿い述べられもしているが、それらの特徴が個別に提供されることも何らかの好適な組合せで提供されることもありうる。逆に、本願では本発明が明瞭化のため個々別々の実施形態の文脈に沿い述べられもしているが、その発明が単一実施形態の態で実施されることもありうる。先に開示した色々な実施形態から本発明のある種の実施形態へと諸特徴を取り入れてもよいし、先に開示されている他の諸実施形態からある種の実施形態へと諸要素を取り入れてもよい。本発明の構成要素がある特定の実施形態の文脈に沿い開示されていることを以て、それらの用途が当該特定の実施形態のみに限定されるものと解すべきではない。更に、本発明は様々なやり方で実行又は実施することができ、また本発明は上掲の記述にて概括されたものとは異なる何らかの実施形態にて実現することもできる。
【0053】
本発明はそれらの図面や対応する記述により限定されない。例えば、図示されているボックス又は状態それぞれをフローが通り抜ける必要はないし、図示及び記述されているそれと厳密に同じ順序で通り抜ける必要もない。本願にて用いられている技術用語及び科学用語の意味は、別様に定義されているのでない限り、本発明が属する分野でいわゆる当業者が理解する通り通例に従い理解されるべきである。ある有限個数の実施形態を基準にして本発明を述べてきたが、それらを本発明の技術的範囲に対する限定事項として解すべきではなく、寧ろ好適な諸実施形態のうち幾つかの例として解すべきである。他の潜在的変形、修正及び応用もまた本発明の技術的範囲内とする。従って、本発明の技術的範囲は、これまでに述べられたものではなく、別項の特許請求の範囲及びその法的等価物により限定されるべきである。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5-1】
図5-2】