(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165788
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】照明器具用補助電源装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20231110BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20231110BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20231110BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21V21/03 450
F21V23/00 160
F21V23/06
F21V23/04 500
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150702
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2020556325の分割
【原出願日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2019116934
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】岡山 康彦
(72)【発明者】
【氏名】真野 泰広
(72)【発明者】
【氏名】冨田 仁
(57)【要約】
【課題】 照明器具としての機能を確保するとともに、多種多様な外部電気機器を装着することによって、照明器具の多機能化を図ることのできる照明器具用補助電源装置を提供する。
【解決手段】 照明器具用補助電源装置は筐体11を有する。筐体11は取付部18に設置された電源部1と着脱自在に取り付けられる引掛金具15と、引掛金具15と接続し筐体11の底板13から延出するAC電源出力ケーブル40と、引掛金具15と接続し前記電源部1から供給されるAC電力をDC電力に変換するDC電源装置20と、DC電源装置20と電気的に接続し筐体11に配設されたDC電源出力ケーブル21と、照明器具本体80を着脱自在に保持する保持部材16,17と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部に設置された電源部に着脱自在に取り付けられ、照明器具本体を着脱自在に保持する照明取付アダプタであって、前記電源部から供給されるAC電力を送電して、前記照明器具本体にAC電力を供給する照明取付アダプタと、
前記電源部から供給されるAC電力をDC電力に変換するDC電源装置と、
前記DC電源装置と接続して、前記DC電源装置から供給されるDC電力を出力するDC電源出力ケーブルと、
前記DC電源出力ケーブルの先端部に取り付けられ、外部電気機器の入力端子と接続し前記外部電気機器にDC電力を供給するDC電源出力端子と、
を備えたことを特徴とする照明器具用補助電源装置。
【請求項2】
前記照明取付アダプタは、前記電源部から供給されるAC電力を送電するAC電源出力ケーブルを備え、前記AC電源出力ケーブルの先端には、AC電源出力端子が取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の照明器具用補助電源装置。
【請求項3】
前記AC電源出力ケーブルは、分岐することにより、複数の前記AC電源出力端子を備えたことを特徴とする請求項2に記載の照明器具用補助電源装置。
【請求項4】
前記DC電源出力ケーブルは、分岐することにより、複数の前記DC電源出力端子を備えたことを特徴とする請求項1に記載の照明器具用補助電源装置。
【請求項5】
前記DC電源出力端子はUSB端子であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具用補助電源装置。
【請求項6】
前記外部電気機器は、センサ、赤外線信号送受信装置、無線信号送受信装置、移動体通信装置、無線通信リピータ、映像機器、音響機器から選ばれる機器の一つ又は複数の機器を組み合わせたシステムからなることを特徴とする請求項1に記載の照明器具用補助電源装置。
【請求項7】
請求項1に記載の照明器具用補助電源装置と照明器具本体を有する照明器具であって、
前記照明器具本体は、
中央部に開口部を有する天板と、
前記天板の下部に配設され発光素子が実装された基板を有する光源と、
リモートコントローラから送信された信号を検出する受光部を有する制御ユニットと、
前記照明器具本体の前面を覆う照明カバーと、を備え、
前記照明取付アダプタからAC電力が供給されるものであることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅において用いられる照明器具用補助電源装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般住宅では、シーリングライト等の照明器具が広く用いられている。これらの照明器具を天井(取付部)に取り付ける場合、まず天井(取付部)に設置されている引掛シーリング等の電源部に、照明器具専用の照明取付アダプタを取り付け、この照明取付アダプタに照明器具本体を取り付けるのが通例である。このように電源部と照明取付アダプタを用いることにより、簡単な操作で、天井(取付部)に照明器具本体を取り付けることができる。照明取付アダプタは、商用電源からAC電力が供給される電源部に機械的及び電気的に接続され、照明器具本体を保持するとともに、照明取付アダプタを介して照明器具本体にAC電力を供給する役割を果たしている。
【0003】
シーリングライト等の照明器具に用いられる引掛シーリング等の電源部は、照明器具専用のコンセントである。そこで、この電源部から供給されるAC電源の一部を他の照明器具に分岐して供給するなど、AC電源の効率的な利用が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、引掛シーリングボディ(電源部)、照明器具用アダプタ(照明取付アダプタ)を備えた照明装置において、間接光照明機能を追加するために、照明装置と照明器具用アダプタとの間に、間接照明機構を備えた照明装置を追加し、その照明装置に電力供給部を設けたものである。間接照明機構を備えた照明装置は、照明装置全体からみれば、中段に位置する照明装置であり、下段に位置する照明装置等に電力供給するために、この照明装置に電力供給部を追加したものである。しかしながら、この照明装置は、他の照明装置等にDC電源を出力する機能を有するものではなく、また照明器具以外の外部電気機器を取り付ける構造ではないため、照明装置の多機能化を図ることができないという課題があった。
【0007】
また、特許文献2では、引掛シーリングボディ(電源部)、照明器具用アダプタ(照明取付アダプタ)、照明器具本体を備えた照明器具において、照明器具用アダプタから光源を発光させるための電力が供給される。しかしながら、この照明器具用アダプタは、外部電気機器にDC電源を供給する機能を有するものではなく、また照明器具本体以外の外部電気機器を取り付ける構造ではないため、照明器具の多様化、多機能化を図ることができないという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、照明器具本体を取り付ける照明取付アダプタに、照明器具本体に用いられるAC電源出力端子と外部電気機器用のDC電源出力端子を設けることによって、照明取付アダプタとしての機能を確保するとともに、多種多様な外部電気機器を装着し、照明器具の多機能化を図ることのできる照明器具用補助電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る照明器具用補助電源装置は、
筐体を有する照明器具取付アダプタであって、
前記筐体は、
天板に設けられ取付部に設置された電源部と着脱自在に取り付けられる一対の引掛金具と、
前記引掛金具と接続し前記筐体の底板から延出されたAC電源出力ケーブルと、
前記AC電源出力ケーブルの先端部に取り付けられたAC電源出力端子と、
前記筐体の内部に配置され前記引掛金具と接続し前記電源部から供給されるAC電力をDC電力に変換するDC電源装置と、
前記DC電源装置と接続して前記筐体の底板から延出し前記DC電源装置から供給されるDC電力を出力するDC電源出力ケーブルと、
前記DC電源出力ケーブルの先端部に取り付けられたDC電源出力端子と、
前記照明取付アダプタに取り付けられる照明器具本体を着脱自在に保持する保持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る照明器具用補助電源装置は、
筐体を有する照明取付アダプタとDC電源装置本体を備える照明器具用補助電源装置であって、
前記照明取付アダプタは、
天板に設けられ取付部に設置された電源部と着脱自在に取り付けられる一対の引掛金具と、
前記引掛金具と接続し前記筐体の底板から延出されたAC電源出力ケーブルと、
照明器具本体を着脱自在に保持する保持部材とを備え、
前記DC電源装置本体は、
前記照明器具取付アダプタの底板に着脱自在に取り付けられるとともに、
前記DC電源装置本体の内部に配置され前記AC電源出力ケーブルと接続して前記電源部から供給されるAC電力をDC電力に変換するDC電源装置と、
前記DC電源装置から供給されるDC電力を出力するDC電源出力ケーブルと、
前記DC電源出力ケーブルの先端部に取り付けられたDC電源出力端子と、
前記AC電源出力ケーブルと接続し前記DC電源装置本体の底板から延出するAC電源出力ケーブルと、
前記AC電源出力ケーブルの先端部に取り付けられたAC電源出力端子と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る照明器具は、
上記第1又は第2の観点に係る照明器具用補助電源装置と、照明器具本体を有する照明器具であって、
前記照明器具本体は、
中央部に開口部を有する天板と、
前記天板の下部に配設され発光素子が実装された基板を有する光源と、
リモートコントローラから送信された信号を検出する受光部を有する制御ユニットと、
前記AC電源出力端子と接続しAC電力を入力するAC電源入力端子と、
前記照明器具本体の前面を覆う照明カバーと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、DC電源装置を照明取付アダプタに設け、照明取付アダプタを介して、照明器具本体にAC電力、外部電気機器にDC電力を供給し、AC電力を必要とする照明器具本体のほか、DC電力を必要とする外部電気機器を作動させ、照明器具の多様化、多機能化を図ることができる照明器具用補助電源装置及び照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態1に係る照明器具用補助電源装置の概略断面図である。
【
図2】本発明の実施形態2に係る照明器具用補助電源装置の概略断面図である。
【
図3】本発明の実施形態3に係る照明器具用補助電源装置の概略断面図である。
【
図4】(A)は本発明の実施形態4に係る照明取付アダプタ及びDC電源装置本体を側面から見た斜視図、(B)は本発明の実施形態4に係るDC電源装置本体をAC電源出力ケーブル側から見た斜視図、(C)はDC電源装置本体を底板側からみた底面図である。
【
図5】本発明の実施形態5に係る照明器具用補助電源装置の概略断面図である。
【
図6】(A)は一般的な照明取付アダプタを用いた照明器具の概略斜視図、(B)は同照明取付アダプタを用いた照明器具の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の理解を容易にするために一般的な照明器具の例を
図6(A)及び(B)を参照して説明する。
図6(A)は一般的な照明取付アダプタを用いた照明器具の概略斜視図、(B)は照明取付アダプタを用いた照明器具の概略断面図である。
一般家庭用の住宅では、天井に、シーリングライト等を取り付けるための引掛シーリングローゼット、引掛シーリングボディ、引掛シーリング、引掛ローゼットなどと呼称される電源部が取り付けられている。
図6(A)及び(B)に示すように、住宅内の天井(取付部)18に設置された電源部1に、照明器具が取り付けられる。
【0015】
また、一般家庭用の住宅には、商用電源からAC電力が供給される。天井(取付部)18に設置された電源部1に照明取付アダプタ10が取り付けられることで、電源部1と照明取付アダプタ10とが機械的及び電気的に接続される。電源部1と照明取付アダプタ10との接続により、住宅内電力線から電源部1を通して照明取付アダプタ10にAC電力が供給される。
【0016】
ここで、本発明の実施形態に係る照明器具用補助電源装置を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一具体例を示すものであるから、実施形態に記載されている構成部品の配置、機能、数値などは、あくまで一例であって、これらによって本発明の範囲が限定解釈されるものではない。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る照明器具用補助電源装置などを、図面を参照しながら説明する。
まず、照明取付アダプタ10の構成について説明する。
図1に、照明取付アダプタ10の概略断面図を示す。同図には、照明器具用補助電源装置として機能する照明取付アダプタ10が図示されている。照明取付アダプタ10には、DC電源装置20が収納されている。なお、
図1において、引掛金具15、DC電源装置20、DC電源出力端子30などの構成要素は、概略断面図として描き、断面を表すハッチングおよび内部構造は省略した。
【0017】
照明取付アダプタ10は、上部に天板12、下部に底板13、側面に側板14を有し、全体として略円筒形をなしている。天板12と底板13は略円形の平板であり、天板12の上部には一対のカギ状をなす引掛金具15が固定されている。引掛金具15は、天井(取付部)18に設置された電源部1(取付部)に穿設された二条の円弧状の係止溝(引掛金具係止溝)に、引掛金具15のカギ状部が収まる形で固定される。それにより、照明取付アダプタ10が電源部1に固定されるとともに、引掛金具15のカギ状部と電源部1内の出力端子とが電気的及び機械的に接続し、AC電源が導通される。
【0018】
また、照明取付アダプタ10は、側板14に穿設された図示しない切欠孔から突出する一対のツメ16を有する。ツメ16は、照明取付アダプタ1の側板14の外側方向に付勢されている。また、照明器具本体80の天板81には略円形の開口部84が設けられている。
【0019】
照明器具本体80を照明取付アダプタ10に取り付けるには、天板81の開口部84を照明取付アダプタ10に挿通する。次に、ツメ16を押すように天板81を持ち上げると、ツメ16が側板14内に押し込まれる。天板81はツメ16を乗り越え、ツメ16は天板81の下に位置するようになる。ツメ16は側板14の外側方向に付勢されているので、再び側板14の外側方向に突出し、天板81を下から支えることになる。
【0020】
また、照明取付アダプタ10から天板12を取り外すには、照明取付アダプタ10の底板13に設けられた一対の解除レバー17を使用する(ツメ16と解除レバー17をあわせて保持部材という)。一対の解除レバー17に手をかけて内側に移動させることで、ツメ16は側板14内に引っ込み、天板12の係止が解除され、照明取付アダプタ10から天板12が取り外される。
なお、照明取付アダプタ10の形状は、略円筒形に限ることなく、直方体、三角柱、八角柱など種々の形状が採用される。
【0021】
照明取付アダプタ10は、電源部1から供給されるAC電力を送電するAC電源出力ケーブル19と、AC電源出力ケーブル19と接続して筐体11の外部にAC電力を出力するAC電源出力ケーブル40とを備える。AC電源出力ケーブル40の先端部には、AC電源出力端子41が取り付けられている。AC電源出力端子41は、照明器具本体80に設けられた図示しない入力端子と接続し、照明器具本体80にAC電力を供給する。なお、AC電源出力ケーブル40は、分岐することにより、複数のAC電源出力端子41を備えてもよい。また、AC電源出力端子41は、後述のDC電源出力端子30と並列するように筐体11の底板13に設置してもよい。
【0022】
また、照明取付アダプタ10の筐体11には、AC電源出力ケーブル19と接続するDC電源装置20が収納されている。DC電源装置20に入力したAC電力はDC電力に変換されてDC電源出力ケーブル21を通してDC電源出力端子30に送電される。例えば、AC電圧100VはDC5Vなどに変換される。DC電源出力端子30には、出力電圧等が合致する外部電気機器が接続する。また、DC電源出力端子30は、通常、筐体11の底板13に、その先端が底板13から突出しないように、底板13と略同一面となるように設置される。なお、
図2に示すように、DC電源出力ケーブル21を筐体11の底板13から延出するように構成してもよい。
【0023】
DC電源出力端子30は、USB(Universal Serial Bus)端子等である。また、必要に応じて、DC電源出力端子30は、DC電源出力ケーブル21を分岐することによって、二箇所に設けるなど、複数箇所に設けることができる。さらに、DC電源ソケットほか他の電源端子等を設けてもよい。
使用に際し、DC電源出力端子30と外部電気機器100のUSB入力端子とを、USBケーブルによって接続する。前記接続によって、DC電源装置20から出力されたDC電力は、外部電気機器100に受電される。
【0024】
外部電気機器100は、例えば、照明器具本体80と異なる機能を有する照明器具(例えば、スポットライト、非常点灯ライト)、各種センサ(例えば、室内の明るさ等を測定する照度センサ、人の在室の有無を検出する人感センサ、室内の気温や湿度等の状況を検出する温度センサ)、カメラ(例えば、監視カメラ、赤外線カメラ、ビデオカメラ)、音響機器(例えば、スピーカシステム、マイクロホン、ラジオ)、赤外線通信装置(例えば、照明器具本体80や外部電気機器等に対して赤外線信号を送受信する赤外線信号送受信装置)、映像機器(例えば、照明カバー90を含むスクリーン等に文字、記号、映像やメッセージを投影する投影装置、テレビジョン受像機、電光掲示板)、移動体通信装置(例えば、第3世代移動通信システム(3G)、第5世代移動通信システム(5G)、LTE(Long Term Evolution)通信、LPWA(Low Power、Wide Area)通信を用いた通信装置)、無線通信装置(例えば、Wi-Fi(登録商標)無線通信装置、Bluetooth(登録商標)送受信装置、無線通信リピータ)、又は上記各種機器を組み合わせたシステムなどである。
【0025】
外部電気機器100のなかで比較的軽量なものは、DC電源出力端子30への差込みによる取り付けや両面テープ・接着剤による接着、底板13等に鉄等の金属材料を用いている場合には磁石によって、照明取付アダプタ10に取り付けることができる。また、外部電気機器100のなかで重量のあるものは、筐体11の底板13へのネジ止めや、筐体11に固定した取付アタッチメントへの装着など、適宜の固定手段により取り付けることができる。
【0026】
ここで、
図6(A)及び(B)を参照して、照明器具本体80の構成について説明する。照明器具本体80は、照明取付アダプタ10を用いて電源部1に取り付けられる。照明器具本体80の天板81は、金属などから形成された平板であり、中央には開口部84を有し、全体としてリング状をなしている。上記したように、照明取付アダプタ10のツメ16は、天板81の開口部84の周辺を下から支えるように作用する。これにより、天板81を含む照明器具本体80は、照明取付アダプタ10から脱落しないように、ツメ16で保持される。天板81の下部には、LED等の発光素子が実装された基板からなる光源82と制御ユニット83が配設されている。制御ユニット83には、リモートコントローラ91の受光部85、図示しない駆動回路等が備えられている。なお、光源82、制御ユニット83、受光部85、駆動回路等、照明器具本体80を構成する部材間は、図示しない配線によって接続されている。
【0027】
天板81には、光源82からの光を下面に向けて効率よく反射するように、表面に白色塗装が施されている。
【0028】
照明器具本体80は、受光部85を備え、受光部85とリンクするリモートコントローラ91によって遠隔操作される。リモートコントローラ91は、ユーザなどによって行われた操作によって指示される内容(照明器具本体80をどのように制御するかの制御内容)を示す赤外線信号を出力する。赤外線信号は、例えば、制御内容を示すIR(Infrared)コードを示す信号などであればよい。リモートコントローラ91は、例えば、操作内容に応じたIRコードを示す赤外線信号を出力することで、照明器具本体80の制御内容を示す赤外線信号を出力する。
【0029】
照明器具本体80に設けられた受光部85は、リモートコントローラ91からの赤外線信号を受光する。受光部85は、赤外線信号を受光可能な受光素子(例えば、赤外線センサなど)によって構成される。受光部85は受信した赤外線信号を電気信号に変換し、図示しない駆動回路に供給する。駆動回路は、受光部85から供給された電気信号(例えば、赤外線信号が示す制御内容)に従って、光源82を制御して点灯/消灯、調光などを行う。すなわち、受光部85は、リモートコントローラ91から送信された赤外線信号を検出する検出部として機能する。
【0030】
これら受光部85および駆動回路等の動作によって、リモートコントローラ91による照明器具本体80の遠隔操作が実現する。例えば、ユーザがリモートコントローラ91に対して照明器具本体80を点灯させる操作を行うと、点灯を示す赤外線信号を照明器具本体80に供給し、制御ユニット83は、受光部85によって赤外線信号を受信し、赤外線信号に基づいて、光源82を点灯させる。例えば、ユーザがリモートコントローラ91に対して照明器具本体80を消灯させる操作を行うと、消灯を示す赤外線信号を照明器具本体80に供給し、制御ユニット83は、受光部85によって赤外線信号を受信し、当該赤外線信号に基づいて、光源82を消灯させる。また、ユーザがリモートコントローラ91に対して照明器具本体80を調光する操作を行うと、調光およびどのような調光を行うかを示す赤外線信号を照明器具本体80に供給し、制御ユニット83は、受光部85によって当該赤外線信号を受信し、当該赤外線信号に基づいて、光源82を調光する。制御ユニット83は、AC電源出力端子41、61、AC電源出力ケーブル40、60を通して電源部1と電気的に接続されている。
【0031】
そこで、制御ユニット83には、電源部1から照明取付アダプタ10を通してAC電力が供給され、駆動回路はこの電力を光源82に供給する。制御ユニット83は、赤外線信号に従って光源82に供給する電力量(具体的には、光源82に流す電流量)を制御して、光源82を制御する。駆動回路は、光源82に電力を供給することで、光源82を点灯させる。さらに、駆動回路は、光源82への電力の供給を停止することで、光源82を消灯させる。駆動回路は、光源82への電力の供給量(具体的には、電流量)を変化させることで、光源82の輝度を変化させる調光を行う。制御ユニット83は、光源82からの光によって影を生成しないような位置、形状に設けられる。このように、制御ユニット83は、光源82を制御する光源制御部として機能する。
【0032】
また、受光部85を、照明器具本体80の内部に配置された部品でなく、受光部85を備えた外部電気機器100の一つとして活用することができる(例えば、受光部材という)。その場合、前記受光部材は、照明取付アダプタ10側のDC電源出力端子30と照明器具本体80側のDC電源入力端子(図面省略)の間に配置される。
受光部85が照明器具本体80の内部に配置された場合と同様にして、リモートコントローラ91から発信された照明器具本体80の制御内容を示す赤外線信号に基づいて、上記同様の処理により光源82の制御信号が出力される。
【0033】
照明カバー90は、光源82から出射した光を拡散する部材であり、光源82、制御ユニット83など照明器具を構成する部材全体を包むように下側(光源側)から覆う。照明カバー90は、照明器具の天板81に設けられた係止部材等によって、天板81に着脱自在に取り付けられる。また、照明カバー90は、乳白色のアクリル樹脂などの合成樹脂部材からなる。
【0034】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る照明器具用補助電源装置などを、
図2を参照しながら説明する。
図2は、
図1の照明取付アダプタ10において、DC電源出力端子30をDC電源出力ケーブル21によって延長した形態である。DC電源出力ケーブル21を延長しDC電源出力端子30を筐体11から離すことによって、ケーブルの短い又はケーブルのない外部電気機器のUSB端子等のDC電源入力端子に対して、DC電源を供給することができ、外部電気機器に対する柔軟な対応をすることができる。
【0035】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る照明器具用補助電源装置などを、
図3を参照しながら説明する。
図3は、DC電源装置50が内蔵されたDC電源装置本体70が照明取付アダプタ10に取り付けられた形態の照明器具用補助電源装置の全体図を示す。DC電源装置本体70は、DC電源装置50を内蔵している。照明取付アダプタ10から導出されるAC電源出力ケーブル40は、DC電源装置本体70の側板74の穿設された小孔(図面省略)からDC電源装置本体70内に引き込まれて、DC電源装置50の入力端子と接続する。AC電源出力ケーブル40がDC電源装置50と接続することで、DC電源装置50と照明取付アダプタ10は電気的に接続される。
また、AC電源出力ケーブル40は、DC電源装置本体70内で分岐し、一方はDC電源装置50に接続し、他方は底板73の小孔75を通して外部にAC電源出力ケーブル60として延出する。AC電源出力ケーブル60の先端部にはAC電源出力端子61が取り付けられている。
【0036】
DC電源装置本体70は、上部に天板72、下部に底板73、側面に側板74を有し、全体として略円筒形をなしている。照明取付アダプタ10とほぼ相似形であるが、照明取付アダプタ10に設けられている解除レバー17を含むように、天板72と側板74にかけて二箇所の凹部71が設けられている(
図4参照)。DC電源装置本体70の外形が解除レバー17の定置位置よりも内側になるような小型のサイズの場合には、凹部71を設ける必要はない。
図3に示すDC電源装置本体70は、解除レバー17よりも小型のサイズであるから、必ずしも凹部を設ける必要はない。また、天板72と底板73は略円形の平板であり、天板12の上部は照明取付アダプタ10の底板13に、適宜の取付手段により取り付けられる。
【0037】
また、照明取付アダプタ10が、一対のツメ16と解除レバー17により、照明器具本体80の保持、取り外しを行う操作方法についての詳細は、上記の実施形態1で説明したとおりである。
【0038】
なお、DC電源装置本体70の形状は、実施形態においては照明取付アダプタ10と同形状とされているが、これに限られることなく、直方体、三角柱、八角柱など種々の形状が採用される。
【0039】
DC電源装置50に入力されたAC電力は、DC電力に変換されてDC電源出力ケーブル51を通してDC電源出力端子52から出力される。出力電圧は、例えば、DC5Vである。DC電源出力端子52には、出力電圧等が合致する外部電気機器が接続される。また、DC電源出力端子52は、通常、DC電源装置本体70の底板73に、その先端が底板73から突出しないように、底板73と略同一面となるように設置される。
なお、DC電源出力ケーブル51をDC電源装置本体70の底板73の図示しない小孔から延出するように構成してもよい。
【0040】
また、DC電源出力端子52は、照明器具本体80に設けられた図示しない入力端子と接続し、照明器具本体80にDC電力を供給する。なお、AC電源出力ケーブル60は、分岐することにより、複数のAC電源出力端子61を備えてもよい。また、AC電源出力端子61は、後述のDC電源出力端子52と並列するように本体70の底板73に設置してもよい。
【0041】
DC電源装置50を収納するDC電源装置本体70は、照明取付アダプタ10の筐体11の底板13に取り付けられる。DC電源装置本体70を取り付けるための簡易的な手段として、DC電源装置本体70が軽量なものである場合には、両面テープ、接着剤などによって取り付けることができる。照明取付アダプタ10の筐体11が、内部に鉄等の金属材料を有する場合には、DC電源装置本体70に磁石を取り付け、当該磁石が金属を引きつける磁力によって、DC電源装置本体70を筐体11の底板13に取り付けるようにしてもよい。磁石による取り付けによって、両面テープなどを用意する必要もなく、DC電源装置本体70の取り付けが容易になる。
【0042】
また、筐体11の底板13とDC電源装置本体70との取り付けは、ネジ止めによる固着手段を用いてもよい。さらに、取付アタッチメントを用いて、筐体11とDC電源装置本体70を装着するようにしてもよい。
【0043】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る照明器具用補助電源装置などを、
図4(A)ないし
図4(C)を参照しながら説明する。
図4(A)ないし
図4(C)は、照明取付アダプタ10及びDC電源装置本体(本体)70などで構成される照明器具用補助電源装置の外観図である。
【0044】
図4(A)は、照明取付アダプタ10及びDC電源装置本体70を側面から見た斜視図であり、
図4(B)は、DC電源装置本体70をAC電源出力ケーブル40側から見た斜視図である。
図4(C)は、DC電源装置本体70を底板73側からみた底面図である。
本実施形態では、照明取付アダプタ10とDC電源装置本体70は、いずれも略同サイズの円筒形である。
図4(C)には、DC電源出力端子52と底板73に穿設された小孔75から延出するAC電源出力ケーブル60とその先端部に取り付けられたAC電源出力端子61が表示されている。
【0045】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、略円柱形のDC電源装置本体70には、上部側面(照明取付アダプタ10と接する面)に二カ所の凹部71が形成されている。照明器具取付アダプタ10は、底面13に照明器具本体80を取り外すための一対の解除レバー17を備えている。これらの凹部71は、DC電源装置本体70を照明取付アダプタ10に取り付ける際に、解除レバー17が邪魔にならないように解除レバー17を収納する。
【0046】
DC電源装置本体70の取り付けの際には、二カ所の凹部71に解除レバー17が入り込むように、相互の位置を合わせて、DC電源装置本体70を照明取付アダプタ10に取り付ける。したがって、解除レバー17はDC電源装置本体70に接触することがないため、DC電源装置本体70の取り付けを妨げない。DC電源装置本体70の照明取付アダプタ10への取り付けは、上記したように取付部材を用いてもよいし、磁石、両面テープなどを用いてもよい(
図4(A)参照)。
【0047】
また、DC電源装置本体70の側板74に穿設された小孔75には、照明取付アダプタ10から延出するAC電源出力ケーブル40が挿入されDC電源装置50に接続されている。AC電源出力ケーブル40からDC電源装置50にAC電力が供給される(
図4(B)参照)。
【0048】
DC電源装置本体70の照明取付アダプタ10への取り付けは、上記実施形態3と同様にして組み付けることができるので、ここでは説明を省略する。
【0049】
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る照明器具用補助電源装置などを、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の実施形態5に係る照明器具用補助電源装置などで、本発明の実施形態1で示した照明取付アダプタ10で構成される照明器具用補助電源装置に、DC電源で作動する外部電気機器100を、USB端子102を備えたUSBケーブル101を介して接続した状態を示す概略断面図である。外部電気機器100は照明取付アダプタ10の底板13に取り付けられている。上記したように、外部電気機器100は、例えば、照明器具、各種センサ、カメラ、音響機器、赤外線通信装置、映像機器、移動体通信装置、無線通信装置ほか上記各種機器等を組み合わせたシステムから選択される。
【0050】
上記したように、外部電気機器100について、軽量なものは、USB端子等のDC電源出力端子30に直接嵌入することによって固定することができる。また、外部電気機器100のうち、比較的軽量なものは両面テープ、磁石、接着剤などを用いて照明取付アダプタ10の底板13取り付けられ、重量のあるものは、取付アタッチメントやネジ止めなどの手段を用いて照明取付アダプタ10の底板13に着脱自在に固着される。
【0051】
照明取付アダプタ10(照明器具用補助電源装置)に照明器具本体80、外部電気機器100等が取り付けられた後、乳白色等の照明カバー90が照明器具本体80の光源82を覆うように天板81に取り付けられる。この際、照明カバー90は、照明取付アダプタ10、照明器具本体80、外部電気機器100等を前面から覆うように取り付けられる。外部電気機器100は、通常、照明カバー90の取り付けを妨げない程度の大きさであるが、外部電気機器100のサイズが大きくて照明カバー90に収まらないときは、照明カバー90の深さを大きくしたり、照明カバー90の中央部に開口を設けリング状の照明カバー90にするなど、外部電気機器100に合わせた照明カバー90を用いればよい。
【0052】
このように、本発明の照明器具用補助電源装置は、照明取付アダプタ10又は照明取付アダプタ10に取り付けるDC電源装置本体70の内部に、DC電源装置50を設置し、照明器具本体80を保持するとともに、外部電気機器100を接続することによって、AC電力で点灯する照明器具本体80とDC電力で作動する外部電気機器100を設け、室内を明るく照明する照明機能とともに、外部電気機器100による照明機能を含む多機能化を図るものである。本発明の照明用器具用補助電源装置に、照明器具の他、DC電源で起動する外部電気機器を接続することによって、さまざまな用途に応用することができる。
【0053】
なお、本発明の実施形態では、照明器具用補助電源装置について、AC電力で点灯する照明器具本体80とDC電力で作動する外部電気機器100の例を中心に掲げたが、これに限定されるものでなく、照明器具本体80、外部電気機器100の電源特性及びその配置の数に応じて、必要とされるAC電源出力端子及びDC電源出力端子を、適宜、照明器具用補助電源装置に設けることができる。
【0054】
また、外部電気機器100は、上記したとおり、天井(取付部)18という高い位置に、照明取付アダプタ10を介して取り付けられており、部屋内の照度、人の存否、室温等の感知等を行う各種センサ、室内機器を操作するための赤外線信号送受信装置、投影装置(照明カバー90や室内に設けられたスクリーンに映像や文字等を投影する)、無線通信リピータ(中継器)、赤外線監視カメラ、移動体通信装置(3G、5G、LTE通信、LPWAなど)、音響装置(マイク、スピーカなど)などの機器の1つ又は複数の機器を組み合わせたシステムを用いることにより、様々な機能を備えた照明器具などを得ることができる。
【0055】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されず、上記実施形態に対して種々の変形および応用が可能である。
【0056】
上述の実施形態では、天井(取付部)18に設置されている照明取付アダプタ10を備えた照明器具用補助電源装置に、照明器具本体80、外部電気機器100を取り付ける例を説明したが、照明取付アダプタ10の配置場所は、天井(取付部)18に限定されない。例えば、壁面上部に設置された照明取付アダプタ10を含む照明器具用補助電源装置に、照明器具本体80、外部電気機器100が取り付けられた場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を期待することができる。
【0057】
1… 電源部
10… 照明取付アダプタ
11… 筐体
12… 天板
13… 底板
14… 側板
15… 引掛金具
16… ツメ(保持部材)
17… 解除レバー(保持部材)
18… 天井(取付部)
19… AC電源出力ケーブル
20… DC電源装置
21… DC電源出力ケーブル
30… DC電源出力端子
40… AC電源出力ケーブル
41… AC電源出力端子
50… DC電源装置
51… DC電源出力ケーブル
52… DC電源出力端子
60… AC電源出力ケーブル
61… AC電源出力端子
70… DC電源装置本体(本体)
71… 凹部
72… 天板
73… 底板
74… 側板
75… 小孔
80… 照明器具本体
81… 天板
82… 光源
83… 制御ユニット
84… 開口部
85… 受光部
90… 照明カバー
91… リモートコントローラ(リモコン)
100… 外部電気機器
101… USBケーブル
102… USB端子