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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165868
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023163677
(22)【出願日】2023-09-26
(62)【分割の表示】P 2020153813の分割
【原出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】牛山 武聡
(72)【発明者】
【氏名】中西 貴
(72)【発明者】
【氏名】石原 佳嗣
(57)【要約】
【課題】 電気的なノイズの影響を低減させることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 演出物36の背後からのノイズが放熱開口112を通じて基板106に直接到達する領域には、スルーホールVIA114が設けられないようにして、スルーホールVIA114と電気的に接続されている集積回路等にノイズの影響が及ばないようにしている。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤を保持する内枠と、
前枠と、
回転操作が可能に形成されたハンドルと、
前記ハンドルの回転操作に応じて遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置から発射された遊技球が接する板状の外レール部と、
を備えた遊技機であって、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する複数の指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記複数の指掛部のうち、最も突出量の大きい指掛部を特定指掛部とし、
前記ハンドルの回転軸から前記特定指掛部の先端部までの距離を第1距離とし、
前記ハンドルの回転軸から前記前枠の下側の縁までの距離を第2距離とすると、
前記第1距離が前記第2距離より大きくなっており、
前記初期位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記前枠の下側の縁よりも下に突出せず、
前記最大回転位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記前枠の下側の縁よりも下に突出せず、
前記初期位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記前枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記前枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記外レール部には、前記外レール部の取り付け位置に前記外レール部を位置決め可能とする所定の位置決め部が複数形成されており、
前記外レール部の前記発射装置側の端部を始端部とし、
前記外レール部の前記発射装置から離れた側の端部を終端部とし、
前記外レール部の始端部から左端部までの範囲を第1の範囲とし、
前記外レール部の左端部から上端部までの範囲を第2の範囲とし、
前記外レール部の上端部から終端部までの範囲を第3の範囲とすると、
前記第1の範囲は前記第2の範囲より狭く、
前記外レール部の終端部は、前記外レール部の上端部よりも右方に位置し、
各範囲における前記所定の位置決め部の数は、前記第1の範囲の方が前記第2の範囲よりも多く、前記第2の範囲の方が前記第3の範囲よりも多くなっている、遊技機。
【請求項2】
遊技盤を保持する内枠と、
前枠と、
回転操作が可能に形成されたハンドルと、
前記ハンドルの回転操作に応じて遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置から発射された遊技球が接する板状の外レール部と、
を備えた遊技機であって、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する複数の指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記複数の指掛部のうち、最も突出量の大きい指掛部を特定指掛部とし、
前記ハンドルの回転軸から前記特定指掛部の先端部までの距離を第1距離とし、
前記ハンドルの回転軸から前記内枠の下側の縁までの距離を第2距離とすると、
前記第1距離が前記第2距離より大きくなっており、
前記初期位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記内枠の下側の縁よりも下に突出せず、
前記最大回転位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記内枠の下側の縁よりも下に突出せず、
前記初期位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記内枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も、前記内枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記外レール部には、前記外レール部の取り付け位置に前記外レール部を位置決め可能とする所定の位置決め部が複数形成されており、
前記外レール部の前記発射装置側の端部を始端部とし、
前記外レール部の前記発射装置から離れた側の端部を終端部とし、
前記外レール部の始端部から左端部までの範囲を第1の範囲とし、
前記外レール部の左端部から上端部までの範囲を第2の範囲とし、
前記外レール部の上端部から終端部までの範囲を第3の範囲とすると、
前記第1の範囲は前記第2の範囲より狭く、
前記外レール部の終端部は、前記外レール部の上端部よりも右方に位置し、
各範囲における前記所定の位置決め部の数は、前記第1の範囲の方が前記第2の範囲よりも多く、前記第2の範囲の方が前記第3の範囲よりも多くなっている、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球(遊技媒体)が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する遊技機(ぱちんこ遊技機)が知られている。この種の遊技機は、遊技領域において遊技球を検出する検出領域として始動入賞口を設け、始動入賞口に遊技球が進入したことを検出すると、特別抽選を行うとともに表示装置において図柄の変動表示を開始させ、特別抽選の結果が大当たりである場合に、図柄を特定の態様で停止表示させる。すると遊技状態を特別遊技状態に移行させ、特別遊技状態では複数回の大当たり遊技を実行し、各大当たり遊技では遊技領域に設けられている大入賞口を開状態に動作させ、大入賞口への遊技球の進入に応じて遊技球を払い出す。
【0003】
そしてこの種の遊技機では、遊技機の前面に演出物を設け、特別抽選の結果に応じて演出物を動作させることにより遊技を演出するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-8108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そしてこの種の遊技機では、演出物の前面に光を透過するアウターレンズを設け、演出物の内部に設けたLEDから演出光が出力されるようにするものがあるが、演出物の内部の熱が放出されるようにするための開口を設けると、演出物の周辺の部品から出る電気的なノイズが開口を通じて演出物の内部に直接到達し、演出物の内部に設けられている電子部品にノイズの影響が及んでしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気的なノイズの影響を低減させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、抽選の結果に応じて遊技を進行させる遊技機であって、電子部品が設けられた基板と、前記基板を覆うカバーと、を備え、前記基板には、電子部品の端子が挿入されない複数のスルーホールビアが設けられ、前記カバーには、所定の開口が設けられ、前記スルーホールビアは、前記所定の開口から露出しない位置に設けられていることを特徴とする遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、カバーに開口を設けつつも、電気的なノイズの影響を低減させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気的なノイズの影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の前枠が開いた状態を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
図4】本発明の実施形態の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
図5】本発明の実施形態の演出物の分解斜視図である。
図6】本発明の実施形態の基板カバーの拡大図である。
図7】本発明の実施形態の基板の詳細を示す平面図である。
図8】本発明の実施形態のハンドルの正面図である。
図9】本発明の実施形態のハンドルの配置を説明する図である。
図10】本発明の実施形態の遊技盤の分解斜視図である。
図11】本発明の実施形態の外レールの平面図である。
図12】本発明の実施形態の遊技盤の上部の拡大側断面図である。
図13】本発明の実施形態の遊技盤の正面図である。
図14】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0012】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2(枠体)と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板を遊技機の内部において保持する本体7と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(扉体)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
【0013】
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0014】
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、ハンドル20が設けられており、遊技者がハンドル20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0015】
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0016】
また上皿16の手前側の中央部には、ボタンやハンドルなどにより構成される演出入力装置25(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置25を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0017】
ここで前枠10は、前枠10の左辺および外枠2の左辺に沿った枠回転軸26を中心として外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そして上皿16の右方に設けられたシリンダー錠27に鍵を差し込んで一方向に回転させると、施錠が解除されて前枠10を外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0018】
図2は、前枠10が外枠2に対して開いている状態を示す斜視図である。図2に示すように、本実施形態の遊技機は、遊技盤6や各種の制御基板などが設けられた本体7も、枠回転軸26を中心として外枠2および前枠10に対して回転可能に取り付けられており、前枠10を外枠2および本体7に対して開くことができるとともに、本体7を外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0019】
図3は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図3に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0020】
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)と、液晶ディスプレイ31の表示領域を囲むように形成された装飾部32を備える演出ユニット33が設けられている。ここで装飾部32は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の装飾部ランプ34が設けられている。
【0021】
また図4に示すように、本実施形態の演出ユニット33は、液晶ディスプレイ31の表示領域の手前側でVの字を形成する演出物36(可動物)を備えており、演出物36は、図4に示すように液晶ディスプレイ31の表示領域の一部を覆い、遊技者から視認可能となる出現状態(第1状態)と、図3に示すように液晶ディスプレイ31の下方に収納されて、遊技者から視認不能となる収納状態(第2状態)との間で動作(変位)可能に設けられている。
【0022】
そして本実施形態では、演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、演出ユニット33の左側の遊技領域4か演出ユニット33の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0023】
また装飾部32の左部には、演出ユニット33の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる左開口40が形成されており、この左開口40を通過した遊技球は装飾部32の内部に設けられている通路42を通過して、装飾部32の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0024】
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0025】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0026】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0027】
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
【0028】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
【0029】
また遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
【0030】
そして遊技球の発射装置は、図1で示したハンドル20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、ハンドル20の回転量が少ない場合には演出ユニット33の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、ハンドル20の回転量が多い場合には演出ユニット33の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0031】
従って遊技者は、遊技状況に応じてハンドル20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは左開口40と通路42とステージ44を通過して、第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0032】
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
【0033】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示装置70が設けられている。
【0034】
2.演出物の内部構成
図5は、図4で示した演出物36の分解斜視図である。図5に示すように、演出物36は、演出物36の前面を形成しつつ光を透過させるアウターレンズ101を備えた意匠飾り100と、演出物36の内部を見えにくくしつつ光を透過させる意匠シート102と、側面(端面)に供給された光を板面から出力させる導光レンズ104と、複数のLED110が設けられている基板106と、演出物36の背面を形成する基板カバー108を備えている。
【0035】
そして、意匠飾り100と、導光レンズ104と、基板カバー108がネジ止めされることにより、意匠飾り100と基板カバー108の内部に、意匠シート102、導光レンズ104、基板106が、重ね合わされた状態で保持される。
【0036】
詳細には、基板106の前面の外縁には、複数のLED110が配列されており、導光レンズ104と基板106が重ね合わされると、複数のLED110が導光レンズ104の周囲を囲むようになっている。そして複数のLED110のそれぞれは、横方向、すなわち基板106に沿う方向に光を出力するサイドビュータイプとなっており、基板106の内側に向かって、すなわち基板106に重ね合わされた導光レンズ104の側面に向かって、光を出力するように配列されている。
【0037】
従って、複数のLED110から出力された光は、導光レンズ104の側面に供給され、導光レンズ104の板面から、意匠シート102、アウターレンズ101を介して、演出物36の前方に出力される。
【0038】
図6は、基板カバー108の拡大図である。図6に示すように、基板カバー108の外縁には、基板106や、基板106に設けられた集積回路(電子部品)や素子(電子部品)などを熱から保護するために、細長い形状の複数の放熱開口112(所定の開口)が、基板カバー108を貫通するように設けられている。そして、図5に示すように、複数の放熱開口112は、基板106の外縁における複数のLED110の配列に沿うように、基板カバー108の外縁に配列されている。
【0039】
これにより、基板カバー108で基板106等を保護しつつも、演出物36の内部の熱が外部に放出されるようにしている。
【0040】
図7(A)は、基板106の詳細を示す平面図である。図7(A)に示すように、基板106には、基板106の全層を貫通し、電子部品の端子が挿入されないスルーホールVIA114(スルーホールビア)が多数設けられている。そして、多数のスルーホールVIA114は、内側面が導電性物質で覆われる(導電領域が形成される)ことにより基板106の各層を導通しており、電流量を調整している。
【0041】
ここで本実施形態の演出物36は、図4で示したように、演出物36が出現状態となった場合には、演出物36の背後に液晶ディスプレイ31が存在しており、また、図2で示したように、演出物36が収納状態となった場合には、演出物36の背後に本体7の内部に設けられている各種の制御基板が存在しているため、演出物36の基板106は、演出物36の背後からの電気的なノイズの影響を受けやすい。
【0042】
特に、演出物36の基板106のうち、放熱開口112に対応する領域は、演出物36の背後からのノイズが直接到達するため、放熱開口112に対応する領域にスルーホールVIA114を設けると、スルーホールVIA114と電気的に接続されている集積回路等にノイズの影響が及んでしまうおそれがある。
【0043】
そこで本実施形態では、演出物36の基板106のうち、放熱開口112に対応する領域には、スルーホールVIA114を設けないようにしている。すなわち、スルーホールVIA114は、放熱開口112から露出しない位置に設けられている
【0044】
図7(B)は、基板106においてスルーホールVIA114を設けない領域として設定されたVIA禁止領域116を示す図である。図7(B)に示すように、本実施形態では、基板106の外縁部に対応する領域や、基板106を基板カバー108に保持するために基板カバー108の突起が貫通する孔に対応する領域や、基板106に設けられた素子に対応する領域などの他に、放熱開口112に対応する領域が、VIA禁止領域116として設定されている。
【0045】
詳細には本実施形態では、基板106を基板カバー108に取り付けた状態で、放熱開口112を基板106に投影した領域を含む領域が、VIA禁止領域116として設定されている。具体的には、放熱開口112を基板106に投影した領域を、全方向に約1mmずつ拡大した領域が、VIA禁止領域116として設定されている。
【0046】
これにより本実施形態では、演出物36の背後からのノイズが放熱開口112を通じて基板106に直接到達する領域には、スルーホールVIA114が設けられないようにして、スルーホールVIA114と電気的に接続されている集積回路等へのノイズの影響を低減させるようにしている。
【0047】
図8(A)は、図1で示したハンドル20の拡大正面図である。図8(A)では、ハンドル20が初期位置となっており、ハンドル20が初期位置である場合におけるハンドル20の上部には、ハンドル20を握る遊技者の指を引っ掛けるための第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504が、外方向に突出するように形成されている。詳細には第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504は、遊技者がハンドル20を初期位置から回転軸506を中心として右方向に回転させる際に遊技者の指が引っ掛かることにより、遊技者がハンドル20を右方向に回転させやすい形状になっている。そしてハンドル20は、図8(A)に示す初期位置から、図8(B)に示すハンドル20の最大回転位置まで、前枠10に対して回転軸506を中心として100度回転可能に設けられている。
【0048】
そして本実施形態では、ハンドル20が初期位置から最大回転位置までのいずれの位置となる場合であっても、第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504のいずれも、内枠7の下側の縁部よりも下方に突出しないようになっている。また、前枠10の下側の縁部は内枠7の下側の縁部よりも内側となっているが、ハンドル20が初期位置から最大回転位置までのいずれの位置となる場合であっても、第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504のいずれも、前枠10の下側の縁部よりも下方に突出しないようになっている。
【0049】
また本実施形態では、ハンドル20が初期位置から最大回転位置までのいずれの位置となる場合であっても、第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504のいずれも、内枠7の右側の縁部よりも右方に突出しないようになっている。また、前枠10の右側の縁部は内枠7の右側の縁部よりも内側となっているが、ハンドル20が初期位置から最大回転位置までのいずれの位置となる場合であっても、第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504のいずれも、前枠10の右側の縁部よりも右方に突出しないようになっている。
【0050】
詳細には本実施形態では、図9に示すように、第1指掛部500の先端と回転軸506の距離d1が53.4mmとなっており、第2指掛部502の先端と回転軸506の距離d2が45.6mmとなっており、第3指掛部504の先端と回転軸506の距離d3が39.3mmとなっている。
【0051】
また、ハンドル20が初期位置である場合におけるハンドル20の最下端部と回転軸506の距離eが34.6mmとなっている。また、前枠10の下側の縁部と回転軸506の距離f1が40.0mmとなっており、内枠7の下側の縁部と回転軸506の距離f2が45.0mmとなっている。また、前枠10の右側の縁部と回転軸506の距離g1が49.1mmとなっており、内枠7の右側の縁部と回転軸506の距離g2が51.1mmとなっている。
【0052】
なお本実施形態では、第1指掛部500、第2指掛部502および第3指掛部504のうち、第1指掛部500が先端と回転軸506の距離が最大となっているが、ハンドル20が最大回転位置である場合における第1指掛部500の先端は、ハンドル20が初期位置から最大回転位置まで回転する場合における第1指掛部500の先端の軌道の最下点に位置しないようになっている。
【0053】
これにより本実施形態では、遊技機を床などの上に置いた場合であっても、第1指掛部500、第2指掛部502または第3指掛部504が床などに接触しないようにして、ハンドル20が破損しないようにすることができる。
【0054】
また本実施形態では、ハンドル20を初期位置から回転させるために必要な操作トルクを第1操作トルク(6.8×N)とし、発射装置から発射された遊技球が左側の遊技領域4を落下可能なハンドル20の位置を左打ち基準位置とし、ハンドル20を初期位置から左打ち基準位置まで回転させるために必要な操作トルクを第2操作トルク(13.6×N)とし、ハンドル20を初期位置から最大回転位置まで回転させるために必要な操作トルクを第3操作トルク(23.8×N)とすると、第1操作トルクよりも第2操作トルクの方が大きいが、第2操作トルクは第1操作トルクの2倍以下となっている。
【0055】
このように本実施形態では、第1操作トルクと第2操作トルクの差が小さくなっており、初期位置から左打ち基準位置の間で操作トルクが急激に増大しないようになっている。これにより本実施形態では、遊技者に第1操作トルクと第2操作トルクの差を小さく感じさせることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
【0056】
更に本実施形態では、第2操作トルクよりも第3操作トルクの方が大きいが、第3操作トルクは第2操作トルクの2倍以下となっている。
【0057】
このように本実施形態では、第2操作トルクと第3操作トルクの差が小さくなっており、左打ち基準位置から最大回転位置の間で操作トルクが急激に増大しないようになっている。これにより本実施形態では、遊技者に第2操作トルクと第3操作トルクとの差を小さく感じさせることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
【0058】
なお本実施形態では、初期位置から左打ち基準位置までのハンドル20の操作角度を第1操作角度(45°~60°)とし、初期位置から最大回転位置までのハンドル20の操作角度を第2操作角度(100°~120°)とすると、第1操作角度(例えば、45°)が、第2操作角度(例えば、100°)の半分以下となっている。
【0059】
図10は、外レール28が取り付けられる外レール取付部608から外レール28が取り外された状態の遊技盤6を示す分解斜視図である。なお遊技盤6と外レール取付部608が一体的に構成されているようにしてもよいし、外レール28が遊技盤6に直接取り付けられるようにしてもよい。図10に示すように、外レール取付部608のうち、外レール28が取り付けられる取付面610には、複数の突出部612が設けられている。一方、外レール28には、複数の突出部612に対応する位置に、対応する突出部612を受け入れる複数の受入部614(位置決め部)が設けられている。そして、外レール28が外レール取付部608に沿って取り付けられる際には、複数の突出部612が複数の受入部614に受け入れられることにより、外レール取付部608における外レール28の取り付け位置に外レール28が位置決めされるようになっている。
【0060】
これにより本実施形態では、外レール28を正確な位置に取り付けることができるとともに、遊技球が繰り返し通過しても、外レール28がずれたり振動したりすることを防止することができる。
【0061】
図11は、外レール28の平面図である。図11に示すように、本実施形態の複数の受入部614のそれぞれは、外レール28の長さ方向に沿って長い長円形の貫通孔として形成されている。そして、複数の受入部614は、外レール28の中央部ではなく、外レール28が外レール取付部608に取り付けられた際に遊技盤6に近くなる位置に設けられている。なお受入部614は、貫通孔ではなく切欠きや溝として形成されているようにしてもよい。
【0062】
図12は、遊技盤6の上部の拡大側断面図である。図12に示すように、外レール28は、突出部612が受入部614に受け入れられた状態で、取付面610に密着するように取り付けられる。そして、複数の突出部612および複数の受入部614は、上述したように遊技盤6に近い位置に設けられていることにより、外レール28に沿って移動する遊技球が接触しないようになっている。
【0063】
そして、外レール28が外レール取付部608に取り付けられた状態では、外レール28が前方に向かってわずかに下るように、外レール28および取付面610が傾斜している。これにより、外レール28に沿って移動する遊技球が前方に向かいにくくなるようにしている。
【0064】
図13は、外レール28が取り付けられた状態の遊技盤6の正面図である。図13に示すように、本実施形態では、複数の突出部612のそれぞれの配置間隔と、複数の受入部614のそれぞれの配置間隔が均等になっていない。
【0065】
詳細には、円弧状に設けられた外レール28において発射装置に最も近い始端部Sから最も左方となる最左部Lまでの範囲を第1の範囲R1とし、最左部Lから最も上方となる最上部Uまでの範囲を第2の範囲R2とし、最上部Uから終端部Eまでの範囲を第3の範囲R3とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では0個となっており、第1の範囲R1の方が第2の範囲R2より多く、第2の範囲R2の方が第3の範囲R3よりも多くなっている。
【0066】
また、最左部Lから終端部Eまでの範囲を第4の範囲R4とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第4の範囲R4では2個となっており、第1の範囲R1の方が第4の範囲R4より多くなっている。
【0067】
また、始端部Sから最上部Uまでの範囲を第5の範囲R5とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第5の範囲R5では5個となっており、第5の範囲R5の方が第3の範囲R3より多くなっている。
【0068】
また、始端部Sから始端部Sと終点Eの中間点Mまでの範囲を第6の範囲R6とし、中間点Mから終端部Eまでの範囲を第7の範囲R7とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第6の範囲R6では4個、第7の範囲R7では1個となっており、第6の範囲R6の方が第7の範囲R7より多くなっている。
【0069】
そして、最左部Lと最上部Uには、突出部612および受入部614が設けられていない。
【0070】
このように本実施形態では、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール28の配置について特に正確さが求められる発射装置に近い部分において、配置されている複数の突出部612の数および複数の受入部614の数を多くすることにより、発射装置に近い部分における外レール28のずれや振動を確実に防止するようにしている。
【0071】
また、外レール取付部608の幅が狭くなる最左部Lと最上部Uに対応する部分には、突出部612および受入部614が設けられていないことにより、外レール取付部608の安定性が高い部分で外レール28のずれや振動を確実に防止するようにしている。
【0072】
これにより本実施形態では、遊技球の軌道を安定させることができ、各入賞口に遊技球が設計値通りに進入するようにして、設計通りの遊技が行われるようにすることができる。
【0073】
一方、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端部Eに近い部分では、配置されている複数の突出部612の数および複数の受入部614の数を少なくすることにより、外レール28や外レール取付部608の製造コストを低下させるとともに、外レール28を外レール取付部608に取り付ける作業が容易になるようにしている。
【0074】
なお、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では1個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では0個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では1個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では1個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では0個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では3個となるようにしてもよい。
【0075】
3.機能ブロック
図14は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板500およびサブ基板600を含む制御基板によって制御される。メイン基板500は、通過ゲートセンサ502、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505、大入賞口センサ506、払出センサ508等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物駆動装置520、特別役物駆動装置522、払出装置524等の出力手段の動作制御を行う。
【0076】
またサブ基板600は、メイン基板500から送られてくる信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置620、音響装置622、可動物駆動装置624等の演出装置626の動作制御を行う。またメイン基板500やサブ基板600等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0077】
そしてメイン基板500は、乱数発生手段540、普通抽選手段542、普通駆動制御手段544、特別抽選手段546、遊技状態移行制御手段548、特別駆動制御手段550、払出制御手段552、通信制御手段554、メインメモリ570を含んで構成されている。
【0078】
乱数発生手段540は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0079】
普通抽選手段542は、1個の遊技球が通過ゲート48を通過するごとに作動する通過ゲートセンサ502からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否を決定する普通抽選を行う。
【0080】
普通駆動制御手段544は、普通抽選で普通当たりが当選すると、普通役物52が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置520を制御する。
【0081】
特別抽選手段546は、1個の遊技球が第1始動入賞口46に進入するごとに作動する第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、あるいは1個の遊技球が第2始動入賞口50に進入するごとに作動する第2始動入賞口センサ505からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりの当否を決定するとともに、大当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
【0082】
遊技状態移行制御手段548は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
【0083】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
【0084】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の大当たり遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
【0085】
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/50に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0086】
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
【0087】
特別駆動制御手段550は、特別遊技状態における各大当たり遊技において、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置522の駆動制御を行う。
【0088】
払出制御手段552は、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505あるいは大入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する払出数の遊技球を払出装置524に払い出させる制御を行う。
【0089】
通信制御手段554は、サブ基板600に信号を送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板500とサブ基板600との間では、メイン基板500からサブ基板600への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板600からはメイン基板500へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0090】
続いて、サブ基板600について説明する。サブ基板600は、演出制御手段640と、サブメモリ670とを含んで構成されている。
【0091】
演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号や、サブメモリ670に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置620を制御して前枠ランプ12、装飾部ランプ34を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させたり、音響装置622を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、可動物駆動装置624を駆動して可動物を動作させたりするなど、演出装置626を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
【0092】
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の入賞、演出入力装置25に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
【0093】
特別抽選演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置626に実行させる。本実施形態では演出制御手段640は、液晶ディスプレイ31において特別図柄画像を変動表示させた後に、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ31において実行する。
【0094】
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しが用意されており、演出制御手段640は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、可動物の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
【0095】
また演出制御手段640は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて可動物駆動装置624を制御して、第1演出物36や第2演出物38などの可動物を動作させる。詳細には本実施形態では、演出制御手段640(制御手段)は、ソレノイドやモーターなどの可動物駆動装置624を制御して第1演出物36を基準位置から落下位置に落下させたり、第2演出物38を基準位置から上昇位置に上昇させたり、第1演出物36あるいは第2演出物38を落下位置あるいは上昇位置から基準位置に復帰させたりする。
【0096】
状態演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
【0097】
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段640は、所定条件下で演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段640は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。また演出制御手段640は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
【0098】
また演出制御手段640は、予め定められたタイミングにおいて演出入力装置25に対する操作が行われたことに基づいて、特定の演出音をスピーカー14から出力したり、特定の演出画像を液晶ディスプレイ31に表示させたり、可動物を動作させたりする制御を行う。
【0099】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0100】
まず上記実施形態では、放熱開口112を基板に投影した領域を含む領域にスルーホールVIA114が設けられていない例を挙げて説明したが、基板に設けられたコネクタを外部に露出させるためのコネクタ開口(所定の開口)や、基板に設けられたスイッチを外部に露出させるためのスイッチ開口(所定の開口)が基板カバー108に設けられている場合には、コネクタ開口やスイッチ開口を基板に投影した領域を含む領域にスルーホールVIA114が設けられていない(所定の開口から露出しない位置に設けられている)ようにしてもよい。
【0101】
例えば、遊技機の照合装置などの外部装置と接続するためのコネクタ、他の基板と接続するためのコネクタ、RAMクリアスイッチ、遊技機の設定を変更するための設定変更スイッチ、演出装置626の音量を調整するための音量調整スイッチなどは、遊技機の管理者が手で作業をするため静電気の影響を受けやすいことから、これらを外部に露出させるためのコネクタ開口やスイッチ開口に対応する領域には、スルーホールVIA114が設けられていない(所定の開口から露出しない位置に設けられている)ようにしてもよい。
【0102】
また上記実施形態では、基板カバー108に設けられている全ての放熱開口112に対応する領域にスルーホールVIA114が設けられていない例を挙げて説明したが、基板カバー108に設けられている一部の放熱開口112に対応する領域にスルーホールVIA114が設けられていない(所定の開口から露出しない位置に設けられている)ようにしてもよいし、基板カバー108に設けられている放熱開口112に対応する領域にはスルーホールVIA114が設けられていない(所定の開口から露出しない位置に設けられている)が、基板カバー108に設けられているコネクタ開口やスイッチ開口に対応する領域にはスルーホールVIA114が設けられている(他の開口から露出する位置に設けられている)ようにしてもよい。
【0103】
また上記実施形態および変形例では、基板の全層を貫通するスルーホールVIA114が所定の開口に対応する領域に設けられていない例を挙げて説明したが、内側面が導電性物質で覆われることにより基板106の各層を導通し、電子部品の端子が挿入されない他の種類のVIAホールは、所定の開口に対応する領域に設けられている(所定の開口から露出する位置に設けられている)ようにしてもよい。例えば、基板の一部を貫通するインナーVIAは、所定の開口に対応する領域に設けられているようにしてもよく、インナーVIAは、基板の表面と内層を貫通するブラインドVIA、あるいは基板の内層と内層を貫通するベリッドVIAであってもよい。
【0104】
また、内側面が導電性物質で覆われることにより基板106の各層を導通し、電子部品の端子を挿入して半田付けするための電子部品用スルーホールは、所定の開口に対応する領域に設けられているようにしてもよい。
【0105】
また、スルーホールVIA114以外の他の種類のVIAホールあるいは電子部品用スルーホールも、所定の開口に対応する領域に設けられていないようにしてもよい。
【0106】
また上記実施形態では、演出物36の背面を形成する基板カバー108に開口が設けられている例を挙げて説明したが、基板を前から覆うカバーに開口が設けられているようにしてもよいし、基板を上から覆うカバーに開口が設けられているようにしてもよいし、基板を下から覆うカバーに開口が設けられているようにしてもよい。
【0107】
また上記実施形態では、演出物36が動作する例を挙げて説明したが、演出物36が動作せずに固定されているようにしてもよい。
【0108】
また上記実施形態では、演出物36の内部に設けられた基板106においてスルーホールVIA114を設けない領域を設定する例を挙げて説明したが、演出物36の内部に限らず、カバーに覆われた基板においてスルーホールVIA114あるいは電子部品用スルーホールを設けない領域を設定するようにしてもよい。
【0109】
また上記実施形態では、遊技球が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射するぱちんこ遊技機に本発明を適用した例を説明したが、外周面に図柄が配列されている複数のリールを備え、遊技者の操作に応じて複数のリールを回転させ、抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させるスロットマシンに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0110】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、7 本体、8 ガラスユニット、10 前枠、
11 前枠開口、12 前枠ランプ、14 スピーカー、16 上皿、18 払出口、
20 ハンドル、22 供給口、24 下皿、25 演出入力装置、
26 枠回転軸、27 シリンダー錠、
28 外レール、30 内レール、31 液晶ディスプレイ、32 装飾部、
33 演出ユニット、34 装飾部ランプ、36 第1演出物、38 第2演出物、
40 左開口、42 通路、44 ステージ、46 第1始動入賞口、
48 通過ゲート、50 第2始動入賞口、52 普通役物、54 大入賞口、
56 特別役物、62 アウト口、70 状態表示装置、
100 意匠飾り、101 アウターレンズ、102 意匠シート、
104 導光レンズ、106 基板、108 基板カバー、110 LED、
112 放熱開口、114 スルーホールVIA、116 VIA禁止領域、
500 メイン基板、502 通過ゲートセンサ、504 第1始動入賞口センサ、
505 第2始動入賞口センサ、506 大入賞口センサ、508 払出センサ、
520 普通役物駆動装置、522 特別役物駆動装置、524 払出装置、
540 乱数発生手段、542 普通抽選手段、544 普通駆動制御手段、
546 特別抽選手段、548 遊技状態移行制御手段、550 特別駆動制御手段、
552 払出制御手段、554 通信制御手段、570 メインメモリ、
600 サブ基板、602 演出入力装置スイッチ、620 演出表示装置、
622 音響装置、624 可動物駆動装置、626 演出装置、
640 演出制御手段、670 サブメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14