▶ 株式会社三洋物産の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165892
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023164721
(22)【出願日】2023-09-27
(62)【分割の表示】P 2021157038の分割
【原出願日】2011-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】西川 友彦
(57)【要約】
【課題】装置構成が大型化することなく、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できる遊技機を提供する。
【解決手段】リール表示窓410内の中央セグメント727と、リール表示窓410の周囲に沿って配設されたリール用セグメント440,450とで、セグメント変動表示を行うことができるので、リール図柄741aによる変動表示とは異なるセグメント変動表示を提供でき、変動表示に関して遊技の興趣性を向上でき、リール表示窓410内の中央セグメント727と、その外周箇所のリール用セグメント440,450とでセグメント変動表示が行われることから、遊技者は、通常のリール図柄741aによる変動表示を見るときと同じようにリール表示窓410の方を見たままで、セグメント変動表示を見ることができ、これらの変動表示を見落とすことを低減でき、装置構成が大型化しない。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する複数列の識別情報の変動表示を表示画面に表示する変動表示手段と、該識別情報の変動表示とは異なる態様で遊技者に視認可能な特定演出を実行する演出ユニットとを備えた遊技機において、
前記演出ユニットは、
光透過性を有する表示部が設けられた表示手段と、
前記表示部を所定方向に駆動可能な駆動手段と、
前記表示手段に光を照射する照射手段を備え、かつ、
前記表示部に所定の色を表示させ、前記照射手段からの入射光を前記遊技者の位置する前面側に拡散させるように変更するものであり、
前記遊技機は、
前記変動表示手段の表示画面にて行う変動表示と、前記表示手段における前記特定演出とを制御する変動演出制御手段を備え、
前記変動演出制御手段は、
始動条件成立に基づいて前記表示画面にて所定の変動表示を行う場合に、その表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報がこの識別情報以外の識別情報よりも相対的に目立つように表示する強調表示を実行させ、前記駆動手段および前記照射手段を制御して前記表示手段にて前記照射手段からの入射光を拡散させて前記特定演出を実行させる
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-162152号公報(第4-11頁,第1-6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、変動表示に関してこれ以上遊技の興趣性を向上させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する複数列の識別情報の変動表示を表示画面に表示する変動表示手段と、該識別情報の変動表示とは異なる態様で遊技者に視認可能な特定演出を実行する演出ユニットとを備えた遊技機において、
前記演出ユニットは、
光透過性を有する表示部が設けられた表示手段と、
前記表示部を所定方向に駆動可能な駆動手段と、
前記表示手段に光を照射する照射手段を備え、かつ、
前記表示部に所定の色を表示させ、前記照射手段からの入射光を前記遊技者の位置する前面側に拡散させるように変更するものであり、
前記遊技機は、
前記変動表示手段の表示画面にて行う変動表示と、前記表示手段における前記特定演出とを制御する変動演出制御手段を備え、
前記変動演出制御手段は、
始動条件成立に基づいて前記表示画面にて所定の変動表示を行う場合に、その表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報がこの識別情報以外の識別情報よりも相対的に目立つように表示する強調表示を実行させ、前記駆動手段および前記照射手段を制御して前記表示手段にて前記照射手段からの入射光を拡散させて前記特定演出を実行させることを特徴とする遊技機である。
【0007】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できる遊技機を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る遊技機によれば、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1のパチンコ機の正面図である。
【
図9】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図10】第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【
図13】(a)はセンターフレームを構成する前側部材の斜視図、(b)は縦向きのリール用セグメントの断面図、(c)は横向きのリール用セグメントの断面図である。
【
図14】(a)はセンターフレームを構成する後側部材及びリールユニットの斜視図、(b)はリールユニットが取り付けられた後側部材についての収容部箇所を側面視した概略説明図である。
【
図15】(a)はリールユニットの前方斜視図、(b)はリールユニットの後方斜視図である。
【
図16】(a)~(f)は、その順にリールユニットの平面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図及び底面図である。
【
図18】(a)はリール面発光装置の分解斜視図、(b)はリール面発光装置の斜視図である。
【
図20】
図19に示したセンターフレームのA-A線断面図である。
【
図21】(a)は外リールの正面図、(b)は内リールの正面図である。
【
図22】(a)は、外リールの透明領域部を介して内リールの図柄が視認可能な状態を示す図、(b)は、その(a)におけるリール表示窓と外リールの透明領域部と内リールとの位置関係を示す図である。
【
図23】(a)は、リール表示窓に外リールの遮光領域部が位置した状態を示す図、(b)は、その(a)におけるリール表示窓と外リールの遮光領域部と内リールとの位置関係を示す図である。
【
図24】導光レンズが支持部材に対して収納位置と待避位置とに変位可能なリールユニットの断面図である。
【
図25】(a)~(h)は、リールユニット、縦向きのリール用セグメント及び中央セグメントによって行われるあみだくじ演出を説明する図である。
【
図26】(a),(b)は、横方向に3個並設された状態のリールユニットの概略平面図及び正面図、(c),(d)は、両側のリールユニットが中央のリールユニットから離れるようにスライド移動したときの概略平面図及び正面図である。
【
図27】(a),(b)は、横方向に3個並設された状態のリールユニットの概略平面図及び正面図、(c),(d)は、両側のリールユニットの前面側が中央のリールユニットから離れるように回動移動したときの概略平面図及び正面図である。
【
図28】(a),(b)は、横方向に3個並設された状態のリールユニットの概略平面図及び正面図、(c),(d)は、中央のリールユニットの前面側が両側のリールユニットの前面側から離れるようにスライド後退したときの概略平面図及び正面図である。
【
図29】(a)~(c)は、実施例4のリールユニットの平面図、正面図及び右側面図である。
【
図30】実施例4のリールユニットの斜視図である。
【
図31】(a)は、実施例4のリール面発光装置の分解斜視図、(b)は、リール面発光装置の斜視図である。
【
図33】(a)は、リール表示窓に外リールの遮光領域部が位置した状態を示す図、(b)は、その(a)におけるリール表示窓と外リールの遮光領域部と内リールとの位置関係を示す図である。
【
図34】(a)~(c)は、実施例5の図柄ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチにおける第3図柄表示装置の変動表示画像及びリールユニットのリール表示窓内の表示を説明するための図である。
【
図35】(a),(b)は、
図34(c)に続いて表示される第3図柄表示装置の変動表示画像及びリールユニットのリール表示窓内の表示を説明するための図である。
【
図36】(a)~(c)は、新たなリーチライン上に位置するリール表示窓の変動停止箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所を発光させないようにしたことを説明するための図である。
【
図37】実施例6のリール面発光装置をリール内制御基板の内面箇所に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図38】実施例6のセンターフレームの横断面図である。
【
図39】実施例6のリール面発光装置に傾斜面付き導光レンズを備えた場合のセンターフレームの横断面図である。
【
図40】(a)は、裏面箇所に集光レンズを配設した変形例の内リールの部分側面図、(b)は、裏面箇所に環状の導光レンズを配設した変形例の内リールの部分側面図である。
【
図41】(a),(b)は、回転する内リールの特定図柄に追従して光照射を行うように駆動される変形例のLED実装基板を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例0011】
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1~
図7は、それぞれパチンコ機10の正面図、前方斜視図、背面図、右側面図、左側面図、平面図及び底面図である。
図8は、遊技盤30の正面図である。
図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
図10は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
【0012】
図1,
図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視における左側部)を開閉軸J1として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視における左側部)を開閉軸J2として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
【0013】
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)としている。なお、外枠11は、樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
【0014】
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース12a(
図2参照)と、この樹脂ベース12aに取り付けられる遊技盤30(
図8参照)とを備えている。また、内枠12は、
図1,
図2に示すように、樹脂ベース12aの前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
【0015】
具体的には、樹脂ベース12aは、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(
図8参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
【0016】
前面枠セット14は、
図1に示すように、正面視左側で上下方向の開閉軸J2を軸心にして当該内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。詳細には、前面枠セット14は、正面視で左側を開閉基端側とし右側を開閉先端側として前方へ回動可能とされている。
【0017】
遊技盤30(
図8参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース12aの開口部に位置させるようにして当該樹脂ベース12aの背面側より着脱自在に取り付けられる。
【0018】
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
【0019】
前面枠セット14は、
図1に示すように、それを正面視すると、最下部に位置する下皿部13と、この下皿部13の上側に位置する上皿部21と、この上皿部21の上側に位置するガラス枠部23と、下皿部13及び上皿部21の右側に位置する大型立体キャラクタ部25とに大別される。
【0020】
これらの下皿部13、上皿部21、ガラス枠部23及び大型立体キャラクタ部25を、前面枠セット14の樹脂成形部品であるベース板体(図示省略)の前面側各箇所にそれぞれ取り付けることで、前面枠セット14が構成されている。
【0021】
下皿部13は、
図1に示すように、下皿15を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿部13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17とを備えている。
【0022】
球受皿としての下皿15は、
図1,
図2に示すように、当該パチンコ機10の正面視で大型立体キャラクタ部25の左側箇所に設けられ、前面枠セット14の横幅半分程度の大きさとしており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能である。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を
図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所(例えば略中央箇所)に形成された円形排出部15a(
図2参照)が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面における開口された円形排出部15aを通して下方向外部に抜くことができる。
【0023】
大型立体キャラクタ部25は、
図1に示すように遊技球発射ハンドル18を備えている。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射装置229(
図3、
図9参照)によって遊技球が遊技盤30(
図8参照)の方へ打ち込まれる。
【0024】
上皿部21は、
図1に示すように、上皿19を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射装置229の方へ導出するための球受皿である。
【0025】
ガラス枠部23は、
図1に示すように、上皿部21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304)と音出力部24とを備えている。
【0026】
音出力部24は、
図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所に設けられ、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための複数個の出力口で形成されている。この出力口は、
図1では一部のみ図示し、全体図示を省略している。
【0027】
詳述すれば、前面枠セット14には、
図1に示すように、上皿部21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(
図8参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞(開口部101a)となっており、その開口部101aを略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の背面側に取り付けられたものである。このガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
【0028】
さらに、ガラス枠部23は、
図1に示すように、窓部101の周囲に、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304を備えている。詳述すれば、前面枠セット14は、
図1に示すように、その正面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
【0029】
パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、パチンコ機10の第1電飾部300及び第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。
【0030】
また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
【0031】
また、窓部101の右下方の大型立体キャラクタ部25には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0032】
また、大型立体キャラクタ部25は、
図1,
図2に示すように、遊技領域30aの方を向くように前面枠セット14に設けられているので、遊技者を自然に遊技領域30aに注視させることができる。
【0033】
また、大型立体キャラクタ部25は、
図1,
図2に示すように、遊技球発射ハンドル18の少なくとも一部を含む大きさのキャラクタとし、遊技球発射ハンドル18は大型立体キャラクタ部25と関連する装飾(例えば、色や模様や形状などの少なくとも一つが同じ装飾)が施されているので、大型立体キャラクタ部25と一体感を持たせた遊技球発射ハンドル18とすることができる。さらに、本実施例1の大型立体キャラクタ部25を有するパチンコ機(遊技機)は、このような大型立体キャラクタ部25を有しない他のパチンコ機(遊技機)と明確に区別でき、他の遊技機よりも際立たせることができる。
【0034】
また、前面枠セット14は、
図1に示すように、パチンコ機10の正面視で、右上隅部に「ホタテ貝」を象ったキャラクタ部26aが設けられている。このキャラクタ部26aは、例えば払出異常を発光表示する発光部でもある。また、
図1に示すように、前面枠セット14の左上隅部には、女性の顔(例えば、マリンちゃん)を象ったキャラクタ部26bが設けられている。また、
図1に示すように、前面枠セット14の右側の音出力口24及び左側箇所には、「カニ」を象ったキャラクタ部26cが設けられ、前面枠セット14の左側の音出力口24及び右側箇所には、「タコ」を象ったキャラクタ部26dが設けられている。また、球抜きレバー17は、
図1に示すように「魚」を象った形状を採用している。
【0035】
次に、
図8を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、
図8に示すように、正面視で四角形状の木製(例えば、合板)でその左側の両角部が取れたような形状の遊技板30bを備えており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース12a(
図2参照)の裏側に当接した状態で取り付けられている。この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aは、前面枠セット14のベース板体(図示省略)の略楕円形状の
図1に示した窓部101のガラス板137を通じて、当該前面枠セット14の前方外側から視認可能である。
【0036】
また、遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)及び可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34及び可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。
【0037】
始動入賞装置33は、
図2に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには第1の始動口33a用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球は、その第1の始動口33a用の作動口スイッチにより検出される。また、下部側の第2の始動口33bには第2の始動口33b用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球は、その第2の始動口33b用の作動口スイッチにより検出される。上述した上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
【0038】
また、一般入賞口31への入球が検出スイッチ(図示省略の入賞口スイッチ)で検出され、可変入賞装置32への入球が検出スイッチ(図示省略のカウントスイッチ)でそれぞれに検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。
【0039】
例えば、第1の始動口33a、第2の始動口33bへの入球の場合には、3個の賞球払い出しがされる。また、一般入賞口31及び可変入賞装置32への入球の場合には、10個の賞球払い出しがされる。なお、これらの賞球の個数は任意であり、種々の個数としてもよい。
【0040】
なお、第3の始動口34に遊技球が入球し、当該入球が検出スイッチ(図示省略の通過検出スイッチ)で検出されるが、当該第3の始動口34へ入球しても、遊技球の払い出しは実行されない。
【0041】
その他に、
図8に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘39が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
【0042】
可変表示装置ユニット35は、
図8に示すように、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
【0043】
第1図柄表示装置40は、
図8に示すように、例えば、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器(例えば、小数点付き7セグメントLED表示器)である第1セグメント表示部40a及び第2セグメント表示部40dを備えている。この第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する。第2セグメント表示部40dは、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する。また、第1図柄表示装置40は、
図8に示すように、第1セグメント表示部40aにおける変動表示の保留数を示す保留ランプ40cと、第2セグメント表示部40dにおける変動表示の保留数を示す保留ランプ40fとを備えている。
【0044】
第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、確変大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当り(特定当り)を示し、通常大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当り(非特定当り)を示し、外れを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを示す。
【0045】
上記と同様に、第2セグメント表示部40dは、第1の始動口33bへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、確変大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当り(特定当り)を示し、通常大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当り(非特定当り)を示し、外れを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを示す。
【0046】
このように確変大当り(特定当り)や通常大当り(非特定当り)となると、可変入賞装置32が後述する特定遊技状態(例えば、大当り状態)となる。
【0047】
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも2色以上の発光が可能なタイプの単一または複数個のLEDを採用してもよい。具体的には、第1図柄表示装置40として、例えば赤色と青色に発光可能な2個のLEDを採用した場合を例に挙げると、各LEDの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(各LEDの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLEDが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLEDが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLEDが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示すことが挙げられる。また、第1図柄表示装置40を構成する第1セグメント表示部40a、第2セグメント表示部40d、保留ランプ40c及び保留ランプ40fのうち少なくとも一つを、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRTまたはドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよいし、特に第3図柄表示装置42の表示画面に表示する構成としてもよい。また、第1図柄表示装置40にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成または複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0048】
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第3の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第3の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。また、第2図柄表示装置41及び保留ランプ41cのうち少なくとも一つを、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRTまたはドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよいし、特に第3図柄表示装置42の表示画面に表示する構成としてもよい。
【0049】
第3図柄表示装置42では、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞に基づき第1図柄表示装置40にて第1図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる場合にそれに合わせて第3図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる。なお、第3図柄表示装置42では、第1の始動口33aまたは第2の始動口33bへの入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する特定遊技状態中の表示演出などが行われる。
【0050】
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば
図10に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42として液晶表示装置を採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。
【0051】
図8に示す可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態(あるいは、入賞し難い閉状態としてもよい)になっており、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(発射装置229による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a、第2の始動口33bなどへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
【0052】
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが変動表示され、その変動停止後の第1セグメント表示部40aの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、確変大当りを示す記号を停止表示する場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、通常大当りを示す記号を停止表示する場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、外れを示す記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
【0053】
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第2セグメント表示部40dが変動表示され、その変動停止後の第2セグメント表示部40dの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、確変大当りを示す記号を停止表示する場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、通常大当りを示す記号を停止表示する場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、外れを示す記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
【0054】
そして、特定遊技状態の発生の場合には、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過または所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて表示される。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40fにて表示される。なお、保留ランプ40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
【0055】
また、遊技盤30には、
図8に示すように、発射装置229(
図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための2本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は2本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内される。2本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は、遊技盤30の正面視で、略縦楕円のうちでその左斜め上から時計回りで右斜め上までの箇所を除いた形状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0056】
内レール51の先端部分(
図8の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(
図8の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、返しゴム54が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、
図8に示すように、外レール52の先端部(
図8の右上部)から内レール51の右側先端部(
図8の右上部)までは、内枠12に形成された返しゴム54と、内枠12に形成された壁部55(
図8に破線で示す)とが位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
【0057】
なお、
図8に示すように、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシールSL(プレートとしてもよい)を貼着するためのスペースである。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシールSLを貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0058】
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、
図8に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
【0059】
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの向かって右側限界位置は壁部55(内枠12の一部)及び内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
【0060】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、発射装置229には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
【0061】
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。
図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるとともに所定の制御基板が前後に重ねられる(例えば、後述する
図9の払出制御基板311aが背面視で手前側で、電源装置313の電源制御基板及び発射制御装置312の発射制御基板が払出制御基板311aよりも奥側に位置する)ようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー353等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を
図3に示す複数(3個)の取付台230~232に分けて搭載してそれらを各制御基板ユニットとし、各制御基板ユニットが個別に内枠12または遊技盤30の背面に装着するようにしている。具体的には、
図3に示すように、主制御装置261を取付台230に搭載し、サブ制御装置262を取付台232に搭載してそれぞれユニット化すると共に、払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を取付台231に搭載してユニット化している。
【0062】
また、払出機構部352は、
図3に示すように、各種部品(後述するタンク355、タンクレール356、ケースレール357、払出装置358及び電源スイッチ基板382)がパチンコ機10の背面視で逆Lの字状に配設されて構成されており、払出機構部352及び保護カバー353も1ユニットとして一体化されており、当該ユニットを裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
【0063】
裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の背面に対して開閉できる構成としている。これは、裏パックユニット203とその他構成とが前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0064】
また、遊技盤30の背面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ(図示省略)が設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)と第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)(図示省略)とがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球をそれぞれの作動口スイッチで検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
【0065】
一般入賞口31の入賞口スイッチ(図示省略)及び第3の始動口34のゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(
図9参照)に接続されている。また、可変入賞装置32のカウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、第1の始動口33a及び第2の始動口33bの各作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
【0066】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
【0067】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
【0068】
図3に示すように、主制御装置261は、パチンコ機10の背面視における下側の取付台230に搭載され、サブ制御装置262は、パチンコ機10の背面視における上側の取付台232に搭載されている。ここで、主制御装置261は、
図9に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット261cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0069】
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。後述する電源基板より供給される電源はサブ制御装置262を介して表示制御装置45に出力される。
【0070】
図3に示すように、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が取付台231に搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。また、発射制御装置312は発射制御基板を具備している。また、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(
図9参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用している。なお、それ以外の発射装置229として、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものを採用してもよい。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(
図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0071】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス311b(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス311bが封印されている。
【0072】
払出制御装置311には、
図3に示すように、状態復帰スイッチ311cが設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ311cが押下されると、払出モータ358a(
図9参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0073】
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できる。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0074】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、
図3に示すように、樹脂成形された保護カバー353と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
【0075】
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて上皿19に供給される。
【0076】
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられる。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触しており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わる。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消される。
【0077】
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされる。
【0078】
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にて接地(アース)されている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
【0079】
なお、
図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力される。
【0080】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図9を用いて説明する。パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
【0081】
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0082】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0083】
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0084】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
【0085】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0086】
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0087】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0088】
図9に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可または禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。また、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じたボリューム信号S10が当該遊技球発射ハンドル18から発射制御装置312に入力されており、発射制御装置312はこのボリューム信号S10を主制御装置261に出力する。
【0089】
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がONである期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。なお、発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値は、主制御装置261においてボリューム信号S10に基づいて決定されており、例えば遊技球発射ハンドル18の操作量が大きいほど発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値が大きくなる。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFFである期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
【0090】
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
【0091】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42における装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0092】
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
【0093】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0094】
図9に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0095】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0096】
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが22ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0097】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
【0098】
ここで、始動入賞を契機として装飾図柄の変動表示演出などを実行するパチンコ機10において、主制御装置261、サブ制御装置262及び表示制御装置45の関係性について、以下に説明する。
【0099】
図9に示す主制御装置261は、大当たり状態を発生させるか否かの抽選するための大当たり乱数カウンタ、確変大当たりとするか通常大当たりとするかの抽選するための大当たり図柄乱数カウンタ、第3図柄表示装置42で表示される第3図柄の変動表示演出において各種のリーチ表示演出を行うか否かを抽選するためのリーチ乱数カウンタなどを備えており、第1の始動口33aまたは第2の始動口33b(
図8参照)に入球した際の大当たり乱数カウンタ、大当たり図柄乱数カウンタ及びリーチ乱数カウンタ等の各乱数値に基づいて、大当たり状態の当選の有無や、リーチ表示演出を行うか否かを判定する。また、主制御装置261は、その判定結果に応じたコマンドをサブ制御装置262に出力する。
【0100】
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドを編集したコマンドを表示制御装置45に出力するとともに、主制御装置261からのコマンドに基づいて、後述するリールユニット600、リール用セグメント(縦向き及び横向きのリール用セグメント440,450)及び遊技回転表示灯490(
図8参照)などを制御する。
【0101】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からのコマンドに基づいて、第3図柄表示装置42に第3図柄の変動表示演出を実行するように表示制御する。リーチ表示演出としては、例えば、大当たり状態となる期待値が低いノーマルリーチ、このノーマルリーチよりも当該期待値が高いスーパーリーチ、このスーパーリーチよりも当該期待値が高いスペシャルリーチ、このスペシャルリーチよりも当該期待値が高いスーパースペシャルリーチ、必ず大当たり状態となるプレミアムリーチなどが挙げられる。
【0102】
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、
図10に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」~「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順または降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
【0103】
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される。
【0104】
続いて、本実施例のパチンコ機10のセンターフレーム47について、
図11~
図14も用いて説明する。
【0105】
図11は、遊技盤30の斜視図である。
図12は、遊技盤30の分解斜視図である。
図13(a)は、センターフレーム47を構成する前側部材400の斜視図、
図13(b)は、縦向きのリール用セグメント440の断面図、
図13(c)は、横向きのリール用セグメント450の断面図である。
図14(a)は、センターフレーム47を構成する後側部材480及びリールユニット600の斜視図、
図14(b)は、リールユニット600が取り付けられた後側部材480についての収容部484の箇所を側面視した概略説明図である。
【0106】
図8及び
図11に示すように、センターフレーム47は、遊技盤30の遊技領域30aにおける所定箇所に配設されている。具体的には、遊技領域30aを高さ方向に略三等分した場合に、当該遊技領域30aの上側三分の二の範囲内における上端側部分及び左端側部分の箇所を除いた箇所に、センターフレーム47が配設されている。
【0107】
センターフレーム47は、
図12に示すように、遊技盤30の前面(表面)に取り付けられる前側部材400と、遊技盤30の後面(裏面)に取り付けられる後側部材480と、この後側部材480の正面視右側に形成された収容部484に取り付けられるリールユニット600とを備えている。この後側部材480の背面箇所であって収容部484の以外箇所には、第3図柄表示装置42(
図8参照)が取り付けられる。
【0108】
以下に、前側部材400、後側部材480及びリールユニット600の各構成について説明する。
【0109】
前側部材400は、
図8及び
図11に示すように、正面視において第3図柄表示装置42(
図8参照)の表示画面周囲を覆う枠状部材であって、当該正面視右側箇所に、リールユニット600の図柄(
図22に示す内リール740のリール図柄741aなど)が視認可能なリール表示窓410が形成された樹脂成形品である。
【0110】
具体的には、前側部材400は、
図12に示すように、遊技盤30の前側から取り付けた状態において、遊技盤30の遊技領域30aに形成された開口部30cに一部が挿入されてそれ以外の部分が遊技盤30の背後に突出した状態となる挿入領域部420と、遊技盤30における開口部30cの前側周縁部30dを覆うように遊技盤30の表面に沿って延出した環状の外周鍔部460と、この外周鍔部460よりも前方(遊技領域30aの前方)に所定長さ(少なくとも遊技球1個分以上の長さ)突出した位置となる前側突出部470とを備えている。
【0111】
前側部材400の挿入領域部420は、
図13(a)に示すように、第3図柄表示装置42(
図8参照)の正面視で当該表示画面の周囲箇所に向かうように後方に突出した環状の周囲壁421を備えている。具体的には、この周囲壁421は、第3図柄表示装置42(
図8参照)の正面視で長方形状の表示画面における周囲箇所である上辺、左辺、右辺及び下辺にそれぞれ向かうように突出した上側壁部422、左側壁部423、右側壁部424及び下側壁部425を備えている。
【0112】
上側壁部422は、後述する遊技回転表示灯490の前方側及び下方側を覆う形状であって当該遊技回転表示灯490を視認可能な透明壁部422aを備えている。なお、この透明壁部422aは、光透過性を維持しつつ着色(樹脂自体の色で構成されるものや、事後的に塗装などの色付けするものでもよい。以下同じ。)された壁部としてもよいし、半透明壁部としてもよいし、半透明でかつ着色された壁部としてもよい。左側壁部423は、装飾的な凹凸が形成された有色透明壁である。右側壁部424は、第3図柄表示装置42の表示画面における右辺に向けて突出した壁部であるとともに、リールユニット600の左側面が見えないように隠す有色不透明な領域を有する壁部である。下側壁部425は、後述するステージ426の奥側端部から上方に所定長さ(例えば遊技球3球分)だけ立設した上で第3図柄表示装置42(
図8参照)における表示画面の下辺箇所に向けて突出した段差形状とした透明の壁部(有色、半透明あるいは半透明で有色等とした壁部でもよい)としている。
【0113】
前側部材400の外周鍔部460は、
図11に示すように当該前側部材400の遊技盤30への取付状態において、
図12に示すように、遊技盤30における開口部30cの前側周縁部30dに当接している。また、この外周鍔部460には、
図13(a)に示すように、前側部材400を遊技盤30に対してネジ止めするためにネジが挿入される貫通孔461が、上部2箇所と、左上及び左下箇所と、下部中央2箇所及び下部右側箇所と、右上及び右下箇所との合計9箇所に形成されている。前側部材400の挿入領域部420を遊技盤30の前側から開口部30cに挿入した状態において、当該前側部材400の外周鍔部460における各貫通孔461に挿入されたネジを遊技盤30に螺入することで、前側部材400が遊技盤30に固定される。
【0114】
前側部材400の前側突出部470は、
図13(a)に示すように、当該前側部材400の正面視において、上側部471、右側部472、下側部473の右端部及び左側部474の上部から中部の箇所を連ねた形状であって、遊技領域30aよりも前方に突出しているため、遊技領域30aを流下する遊技球が接触可能である。例えば、前側突出部470の上側部471における上面を遊技球が左方向または右方向に転がって流下したり、前側突出部470の右側部472や左側部474に接触等して遊技球が流下することがある。
【0115】
また、前側突出部470の左側部474は、
図13(a)に示すように、遊技球が入球可能な入球口475を備えている。前側部材400の挿入領域部420における左側壁部423には、入球口475に入球した遊技球を案内する通路部423a(例えば、ワープ通路)を備えている。挿入領域部420は、その下側壁部425の手前側に、通路部423aを通ってきた遊技球が転動可能で再び遊技領域30aに排出するステージ426を備えている。なお、この通路部423aは、遊技球が通過していることが分かるように有色半透明(無色透明や無色半透明等としてもよい)としている。
【0116】
このステージ426は、
図8及び
図11に示すように、正面視でその左端側から中央側に向けて下り傾斜して谷部427に至り、その後に中央箇所に形成された緩やかな山部429に向けて上り傾斜し、当該山部429の頂上を越えると再び下り傾斜して谷部427に至り、その後に右端側に向けて上り傾斜した形状の転動面を形成している。
【0117】
また、ステージ426は、
図11に示すように、山部429の頂上箇所に、当該山部429の奥側に位置する下側壁部425に向けて下り傾斜した傾斜窪み通路430が形成され、この下側壁部425における当該傾斜窪み通路430の下流端に対応する箇所に、傾斜窪み通路430によって奥側の方に案内された遊技球が入球可能な球案内口431が形成されるとともに、この球案内口431に入球した遊技球を山部429の下方を潜り抜けて再び遊技領域30aの始動入賞装置33(特に、第1の始動口33a)に向けて排出する潜り排出通路432が当該山部429の頂上の下方箇所に形成されている。例えば、ステージ426の方に案内されて当該ステージ426上を正面視で左右方向に揺動した遊技球が、山部429の傾斜窪み通路430に捕らえられて山部429の奥側に位置する下側壁部425における球案内口431に入球して、潜り排出通路432を通って遊技領域30aの始動入賞装置33の方に向けて排出され、第1の始動口33aや第2始動口33bに入球することがある。
【0118】
また、ステージ426の各谷部427には、
図11に示すように、遊技盤30の盤面に向けて下り傾斜した谷部用下り傾斜部428がそれぞれ形成されている。例えば、ステージ426の方に案内されて当該ステージ426上を正面視で左右方向に揺動した遊技球が、谷部427の谷部用下り傾斜部428に捕らえられて遊技領域30aに再び排出されることがある。
図8に示すように、山部429の真下には始動入賞装置33が位置し、谷部427の真下には始動入賞装置33が位置していないため、谷部427の谷部用下り傾斜部428から遊技球が排出される場合は、山部429の潜り排出通路432から遊技球が排出される場合に比べて、始動入賞装置33に入球し難くなっている。
【0119】
また、
図13(a)に示すように、前側部材400における上側部471の右側部分、右側部472及び下側部473の右端部が遊技領域30aから手前側に突出していることによって、遊技盤30の遊技領域30aを流下する遊技球がリール表示窓410に衝突することが防止されている。
【0120】
さらに、前側部材400は、
図8及び
図13(a)に示すように、正面視した状態において、リール表示窓410の外部周囲箇所401に沿って複数個(本実施例では6個)の縦向き及び横向きのリール用セグメント440,450が配設されている。具体的には、前側部材400におけるリール表示窓410の外部周囲箇所401のうちで左側箇所に沿うように縦向きのリール用セグメント440が2個縦方向に一列に並べて配設され、当該外部周囲箇所401のうちで右側箇所に沿うように縦向きのリール用セグメント440が2個縦方向に一列に並べて配設されている。また、前側部材400におけるリール表示窓410の外部周囲箇所401のうちで上側箇所及び下側箇所に横向きのリール用セグメント450がそれぞれ配設されている。
【0121】
例えば、縦向きのリール用セグメント440は、
図13(a)及び(b)に示すように、複数個(本実施例では3個)のLED441(発光ダイオード)が間隔を空けて実装されたLED実装基板442と、このLED実装基板442におけるLED441の実装面に配設された、これらのLED441からの光が入射されて内部で光が拡散して手前側面(出射面)が面発光する棒状の導光部品443と、を備えている。縦向きのリール用セグメント440におけるLED実装基板442は、例えば、正面視において長方形状であり、側面視において薄板状のものとしている。また、縦向きのリール用セグメント440における導光部品443は、
図13(a)に示すように、正面視において長方形状であり、
図13(b)に示すように、側面視において出射面が円弧状とし、かつ、入射面が直線状とした蒲鉾形としている。
【0122】
また、横向きのリール用セグメント450は、
図13(c)に示すように、複数個(本実施例では3個)のLED451(発光ダイオード)が間隔を空けて実装されたLED実装基板452と、このLED実装基板452におけるLED451の実装面に配設された、これらのLED451からの光が入射されて内部で光が拡散して手前側面(出射面)が面発光する棒状の導光部品453と、を備えている。
図13(c)に示すように、横向きのリール用セグメント450におけるLED実装基板452は、例えば、正面視において長方形状であり、側面視において薄板状のものとしている。また、横向きのリール用セグメント450における導光部品453は、
図13(c)に示すように、正面視において長方形状であり、側面視において出射面及び入射面が直線状とした薄板状としている。
【0123】
図8及び
図13に示すように、前側部材400におけるリール表示窓410の外部周囲箇所401は、例えば、有色で光透過性としているので、上述した縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450の発光表示を当該外周周囲箇所を介して遊技者が視認可能となっている。
【0124】
続いて、後側部材480について説明する。後側部材480は、
図14(a)に示すように、正面視(遊技盤30の裏面に取り付けられる側を見た状態)においてその外形が略四角形で奥側方向(遊技盤30の裏面から離れる方向)に窪んだ枠状部材である。また、後側部材480は、その外周における上下左右箇所にそれぞれ当接部481が形成されており、遊技盤30の裏面への取付状態において当該遊技盤30の裏面に当接部481が当接する。この当接部481には、ネジが挿入される貫通孔482が形成されており、遊技盤30の裏面に後側部材480を位置させた状態で当接部481の貫通孔482にネジを挿入して遊技盤30の裏面に螺入することで後側部材480が遊技盤30の裏面に固定される。
【0125】
また、後側部材480は、正面視でその窪み箇所に、第3図柄表示装置42(
図8参照)の表示画面に対応した大きさの画面用開口483が形成され、この画面用開口483の右側箇所に、リールユニット600が取り付けられる収容部484が形成されている。また、後側部材480における窪み箇所のうちで、画面用開口483の上側に位置する上部側窪み部485には、遊技回転表示灯490が配設されており、画面用開口483の下側に位置する下部側窪み部486には、前述した第1図柄表示装置40及び第2図柄表示装置41が配設されている。
【0126】
また、後側部材480は、
図14(b)に示すように、当該後側部材480の背面箇所であって収容部484の下方箇所に形成された、リールユニット600の背面側に沿って高さ方向に延出する金属製の背面板602における下端602bが挿入されて支持可能な細長溝状の被挿入支持部487と、当該後側部材480の背面箇所であって収容部484の上方箇所に後方に向けて突出形成された、背面板602の上端602cにおいて横方向に間隔を空けて形成された2個の取付孔602a(
図15参照)に挿入される2個の突出ピン489と、背面板602の上端602cに対して当接状態と非当接状態とに回動軸を軸心として回動切り換え可能な固定レバー498とを備えている。
【0127】
なお、
図14(a)に示すように画面用開口483と収容部484との間には、仕切り板499が形成されている。
図11に示すように、遊技盤30の裏面に後側部材480が取り付けられ、かつ、遊技盤30の前面に前側部材400が取り付けられた状態となると、
図14(a)に示した後側部材480の仕切り板499における画面用開口483に近い方の側面に対して、前側部材400の右側壁部424が近接した状態となる。
【0128】
遊技回転表示灯490は、
図14(a)に示すように、鉛直方向の回転軸491を中心としてモータ492によって回転される透明円盤493(
図14(a)における二点鎖線円内に示す拡大図を参照)と、この透明円盤493の下面側における偏心位置において下向きに延びた舌状部材である偏心回転反射部494と、透明円盤493の上面側において回転軸491を中心としてこの回転軸491の周りに円弧状に複数個(例えば9個)のLEDが配設されたLED実装基板(図示省略)と、LEDからの光や偏心回転反射部494によって奥側方向に反射された光を前方に反射させる、下向き椀を縦割りで半分にしたような形状の反射鏡部497とを備えている。偏心回転反射部494は、
図14(a)において二点鎖線円内に示す遊技回転表示灯490の一部破断拡大図に示すように、当該舌状部材の表面494aにキャラクタ494b(例えばクジラ)が形成されており、その裏面494cに反射面が形成されたものである。
【0129】
遊技回転表示灯490は、所定の条件成立(例えば、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、スーパースペシャルリーチ、プレミアムリーチ発生時など)の場合に、発光回転表示を実行する。
【0130】
具体的には、透明円盤493の上部におけるLED実装基板の全LEDが発光して当該透明円盤493を透過して下方に光が出射されるとともに、モータ492によって透明円盤493が回転することで当該透明円盤493の下面側に配設された偏心回転反射部494が偏心回転し、この偏心回転する偏心回転反射部494の表面494aのキャラクタ494bと裏面494c(反射面)とが交互に見える状態となる。
【0131】
例えば、偏心回転反射部494の裏面494c(反射面)が前方に向いた状態では、LEDからの光がこの裏面494c(反射面)によって前方に反射されることから、裏面494c(反射面)が発光する態様となる。これに対して、偏心回転反射部494の表面494a(キャラクタ494bが存する面)が前方を向いた状態では、LEDからの光が偏心回転反射部494の裏面494c(反射面)により奥側に反射されて反射鏡部497に達し、この反射鏡部497によって分散して前方に反射された状態となることから、前述した裏面494c(反射面)が前方に向いた場合とは異なり、正面視において反射鏡部497における偏心回転反射部494の両側箇所(つまり、偏心回転反射部494によって隠れていない箇所)が発光する態様となる。
【0132】
この遊技回転表示灯490は、例えば、
図9に示すサブ制御装置262によって回転表示制御される。具体的には、サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば遊技者にとって大当り状態となる期待値が低いノーマルリーチや単なる外れの場合には、遊技回転表示灯490は回転点灯表示させない。
【0133】
これに対して、サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば遊技者にとって大当り状態となる期待値がノーマルリーチよりも高いスーパーリーチを示すコマンドである場合には、CPU551が遊技回転表示灯490の回転表示制御プログラムを実行することで、遊技回転表示灯490が第1回転速度で回転するとともに所定の色(例えば赤色)で発光するという回転点灯表示される。
【0134】
また、サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えばスーパーリーチよりも期待値が高いスペシャルリーチや、スペシャルリーチよりも期待値が高いスーパースペシャルリーチや、必ず大当たり状態となるプレミアムリーチの場合には、CPU551が遊技回転表示灯490の回転表示制御プログラムを実行することで、遊技回転表示灯490が第1回転速度よりも速い第2~4回転速度(第4回転速度が最も速い)で回転するとともにその赤色発光輝度がその順に高くなる(プレミアムリーチが最も輝度が高い)という回転点灯表示される。
【0135】
例えば、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、スーパースペシャルリーチ及びプレミアムリーチの場合には、例えばリールユニット600による図柄変動表示などが行われるため、遊技回転表示灯490による回転点灯表示によって、遊技者をリールユニット600による図柄変動表示などに注視させることができるとともに、リーチ演出の種類に対応した回転点灯表示を行うことができる。
【0136】
なお、この実施例では、期待値の高いリーチ演出になるにつれて、遊技回転表示灯490の回転速度が速く且つその発光輝度が高くなるとしているが、その他の種類の回転点灯表示を採用してもよい。例えば、輝度を変化させるのではなく、発光色を変化させる態様や、回転速度、輝度及び発光色の全てが異なる態様や、回転速度は一定のままで輝度のみが異なる態様や、回転速度は一定のままで発光色のみが異なる態様や、回転速度は一定のままで輝度及び発光色が異なる態様や、点滅させる態様や、これらを組み合わせた態様など、種々の態様を採用してもよい。
【0137】
続いて、リールユニット600について、
図15~
図21も用いて説明する。
【0138】
図15(a),(b)は、リールユニット600の前方斜視図及び後方斜視図である。
図16(a)~(f)は、その順にリールユニット600の平面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図及び底面図である。
図17は、リールユニット600の分解斜視図である。
図18(a)は、リール面発光装置750の分解斜視図、
図18(b)は、リール面発光装置750の斜視図である。
図19は、センターフレーム47の正面図である。
図20は、
図19に示したセンターフレーム47のA-A線断面図である。
図21(a)は、外リール720の正面図、
図21(b)は、内リール740の正面図である。
【0139】
リールユニット600は、
図15~
図17に示すように、その前面側に位置する透明樹脂成形品である前面透明カバー部601と、後面側に位置する金属製の背面板602と、上側に位置する樹脂成型品である天側部品603と、下側に位置する樹脂成型品である底側部品604と、左側に位置する金属製の左側板605と、右側に位置する金属製の右側板606と、によって外形容器が形成され、この外形容器の内部に二重リール部700(
図17参照)を備えたものである。
【0140】
二重リール部700は、
図17に示すように、左側板605の内面にネジ止めされた外リール用ステップモータ710と、この外リール用ステップモータ710の回転部711に軸支されて当該回転部711の回転軸心を回転中心として回転可能な外リール720と、右側板606の内面にネジ止めされた内リール用ステップモータ730と、この内リール用ステップモータ730の回転部731に軸支されて当該回転部731の回転軸心を回転中心として回転可能で、外リール720の内周側に位置しつつ当該外リール720と非接触に回転可能な内リール740と、を備えている。
【0141】
外リール720は、
図17に示すように、樹脂成形品である透明円筒形状とした円筒部721と、この円筒部721の一方の開口側に一体形成されたスポーク部722と、このスポーク部722の中央箇所に形成されて外リール用ステップモータ710の回転部711に取り付けられる中央当接部723とを備えている。この円筒部721の外周箇所には、
図21(a)に示す長尺状の外リール用フィルム724が巻き付けられている。外リール用フィルム724は、
図21(a)に示すように、その長尺方向に二分した場合に、その一方の半分箇所には透明領域部725が形成され、その他方の半分箇所には遮光領域部726が形成されたものである。遮光領域部726には、その中央箇所に、透明で横向き長方形状とした中央セグメント727が形成されている。
【0142】
また、
図17に示すように、外リール720の中央当接部723の中心箇所に貫通孔723aが形成され、この中央当接部723における貫通孔723aを挟む2箇所に位置決め孔723bがそれぞれ形成されている。外リール用ステップモータ710の回転部711には、その中心箇所にネジ孔712が形成され、このネジ孔712を挟む2箇所に位置決め突起713がそれぞれ形成されている。
【0143】
そして、外リール720の位置決め孔723bに外リール用ステップモータ710の回転部711における位置決め突起713を挿入した状態にして、外リール720の貫通孔723aに挿入したネジを外リール用ステップモータ710の回転部711におけるネジ孔712に螺入することで、外リール720が外リール用ステップモータ710の回転部711に取り付けられている。
【0144】
また、外リール用ステップモータ710は、
図17に示すように、そのコネクタ部710aと中継基板715のコネクタ部715aとが配線ケーブル(図示省略)によって接続されている。また、この中継基板715のコネクタ部715bが配線ケーブル(図示省略)によってサブ制御装置262(
図9参照)に接続されている。
【0145】
内リール740は、
図17に示すように、光透過性を有する環状の内リール用フィルム741と、この環状とした内リール用フィルム741の一方の開口側における内周端部が接着される樹脂成形品であるスポーク部743と、内リール用フィルム741の他方の開口側における内周端部が接着される樹脂成形品であるリング部744とを備えている。このスポーク部743は、その中央箇所に、内リール用ステップモータ730の回転部731に取り付けられる中央当接部743aを備えている。
【0146】
内リール用フィルム741は、
図21(b)に示すように、その長尺方向に例えば10個のリール図柄741a(「0」~「9」のリール図柄741a)が配列されており、10個のリール図柄741a以外の領域箇所を無色透明な背景部741bとしたものである。また、この内リール用フィルム741の「7」を示すリール図柄741aにおける数字箇所は、背景部741bよりも光透過率は低いものの、他の数字のリール図柄741aに比べて光透過率が高い明光表示領域部742である。この明光表示領域部742は、例えば薄い色(例えば薄い赤色)で透明としている。また、他のリール図柄741a(「0」~「6」、「8」及び「9」)は、濃い色(例えば濃い青色)であり、明光表示領域部742よりも光透過率が低くなっている。よって、明光表示領域部742は他のリール図柄741aに比べて輝度が高くなっている。
【0147】
また、
図17に示すように、内リール740の中央当接部743aの中心箇所に貫通孔743bが形成され、この中央当接部743aにおける貫通孔743bを挟む2箇所に位置決め孔743cがそれぞれ形成されている。内リール用ステップモータ730の回転部731には、その中心箇所にネジ孔732が形成され、このネジ孔732を挟む2箇所に位置決め突起733がそれぞれ形成されている。
【0148】
そして、内リール740の位置決め孔743cに内リール用ステップモータ730の回転部731における位置決め突起733を挿入した状態にして、内リール740の貫通孔743bに挿入したネジを内リール用ステップモータ730の回転部731におけるネジ孔732に螺入することで、内リール740が内リール用ステップモータ730の回転部731に取り付けられている。
【0149】
また、内リール用ステップモータ730は、
図17に示すように、そのコネクタ部730aとリール内基板770のコネクタ部770aとが配線ケーブル(図示省略)によって接続されている。また、このリール内基板770のコネクタ部770bが配線ケーブル(図示省略)によってサブ制御装置262(
図9参照)に接続されている。
【0150】
図19に示したセンターフレーム47をA-A線断面視すると、
図20に示すように、左側板605の内面に取り付けられた外リール用ステップモータ710の回転部711に外リール720が回転可能に取り付けられており、この外リール720の内周に当該外リール720に対して非接触に内リール740が内リール用ステップモータ730の回転部731に回転可能に取り付けられており、外リール720と内リール740とが各自独立して回転可能となっている。
【0151】
さらに、内リール740の内側には、当該内リール740のうちでリール表示窓410に対応する箇所(リール表示窓410が投影される内リール740の領域箇所)に向けて光を照射するリール面発光装置750を備えている。
【0152】
具体的には、リール面発光装置750は、
図17及び
図18に示すように、入射光が内部で拡散されて面状発光する導光レンズ751と、この導光レンズ751を支持する支持部材752と、この支持部材752の後面側における上部箇所753、中部箇所754及び下部箇所755にそれぞれネジ止めされて取り付けられる、複数個(例えば4個)のLED761が実装された3枚のLED実装基板760とを備えている。
【0153】
図18に示すように、導光レンズ751は、正面視で長方形状で、側面視で円弧状とした光学部品であり、その前面側(出射面側)がリール表示窓410に対応した大きさとしている。具体的には、導光レンズ751は、その前面側(出射面側)が、リール表示窓410を正面視した状態において、リール表示窓410内に収まる大きさとしている。
【0154】
この導光レンズ751は、後面側(入射面側)にLED実装基板760のLED761からの光が入射され、その入射光が内部で拡散して、前面側(出射面側)が面状に発光するものである。導光レンズ751の前面側(出射面側)からの一様の面状光が、内リール740におけるリール表示窓410内に位置する箇所の裏面側に対して照射される。つまり、導光レンズ751は、リール表示窓410内における内リール740のリール図柄741aの各変動位置に当該リール図柄741aがそれぞれ位置するときのこれらの各変動位置についての当該リール図柄741aへの光照射強度の差を低減するように変更する。
【0155】
また、この導光レンズ751は、
図18(a)に示すように、その上端部及び下端部に係止穴751aが形成されている。
【0156】
また、支持部材752は、その傾斜天部756及び傾斜底部757における内側に係止爪756aがそれぞれ形成されている。
図18(b)に示すように、導光レンズ751が支持部材752に取り付けられた状態では、支持部材752の各係止爪756aが導光レンズ751の各係止穴751aにそれぞれ係止されており、導光レンズ751が支持部材752に保持されている。
【0157】
支持部材752は例えば樹脂成形品であり、その傾斜天部756及び傾斜底部757は互いに離れる方向に力を与えて当該方向に撓ますことで、導光レンズ751の係止穴751aと支持部材752の係止爪756aとの係止状態を解除でき、導光レンズ751を支持部材752から取り外すことが可能である。
【0158】
また、この導光レンズ751は、その前面側(出射面側)に光透過性の白色コーティング(他の色のコーティングとしてもよい)が施されている。なお、導光レンズ751における後面側(入射面)に光透過性の白色コーティングを施してもよい。また、前レンズと後レンズとを前後方向に重ね合わせて導光レンズ751を構成し、前レンズの後レンズ側箇所または後レンズの前レンズ側箇所に白色コーティングを施してもよい。また、この白色コーティングに替えて、導光レンズ751の前面側(出射面)、後面側(入射面)またはそれらの間の透過面に、光透過性の白色表示フィルムを貼り付けるようにしてもよい。また、この導光レンズ751自体が白色発光する樹脂成形品としてもよいし、導光レンズ751の出射面、入射面またはそれらの間の透過面に凹凸加工を施して白色発光するものを採用していもよい。
【0159】
図18(a)に示すように、支持部材752は、その上部箇所753、中部箇所754及び下部箇所755に、それぞれ複数個(例えば4個)の開口部759が形成されている。
図18(b)に示すように、導光レンズ751が支持部材752に取り付けられた状態では、支持部材752の上部箇所753、中部箇所754及び下部箇所755にそれぞれ形成された開口部759に、LED実装基板760のLED761がそれぞれ位置している。
【0160】
図17に示すように、右側板606の内面のうちで内リール用ステップモータ730の配設箇所以外の箇所には、内リール用ステップモータ730を回転制御するとともに、リール面発光装置750のLED実装基板760におけるLED761を発光制御するリール内制御基板770が配設されている。具体的には、このリール内制御基板770と金属製の右側板606との間に絶縁性フィルム780を介装した状態で当該リール内制御基板770が右側板606の内面にネジ止めされており、内リール制御基板の絶縁性を高めている。
【0161】
図18に示すように、支持部材752の右端側には取付部758が形成され、この取付部758には貫通孔758aが形成されている。
図17に示すように、リール内制御基板770には、取付部758の貫通孔758aに対応する箇所に貫通孔771が形成されている。また、右側板606におけるリール内制御基板770の貫通孔771に対応する箇所にネジ孔606aが形成されている。
図17に示すように、右側板606の内側に取り付けられたリール内制御基板770における対応箇所に、支持部材752を位置させた状態とし、支持部材752の貫通孔758aとリール内制御基板770の貫通孔771とにネジを挿入して右側板606のネジ孔606aに螺入することで、支持部材752がリール内制御基板770を介して右側板606の内側に固定されている。
【0162】
図20に示すように、リール面発光装置750のLED761から出射された光が導光レンズ751の後面である入射面に入射され、この導光レンズ751の前面である出射面が面状に発光し、この導光レンズ751から出射された光によって内リール740が背後から照らされ、さらにこの内リール740を透過した光によって外リール720が背後から照らされる。
【0163】
ここで、リール表示窓410を通して内リール740のリール図柄741aが視認可能に変動表示される場合について、
図22を用いて説明する。
【0164】
図22(a)は、外リール720の透明領域部725を介して内リール740のリール図柄741aが視認可能な状態を示す図、
図22(b)は、その
図22(a)におけるリール表示窓410と外リール720の透明領域部725と内リール740との位置関係を示す図である。
【0165】
図22(b)に示すように、外リール720における透明領域部725がリール表示窓410に位置し、内リール740が回転することで、
図22(a)に示すように、外リール720の透明領域部725を介して内リール740の図柄変動(例えば、リール図柄741aの番号が増える順に変動)が遊技者に視認可能となり、内リール740の回転が停止することで内リール740のリール図柄741aが確定表示される。
図22(a)では、リール表示窓410内において、内リール740における例えば「6」~「8」のリール図柄741aが停止表示されている。
【0166】
リールユニット600は、例えば、
図9に示すサブ制御装置262によって、外リール720及び内リール740が回転制御され、上述した内リール740の図柄変動表示を実行する。具体的には、サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば単独ドラム変動を示すコマンドや、スーパーリーチ(後述する実施例5のドラムリーチ演出有りのスーパーリーチを含む)を示すコマンドである場合には、CPU551が外リール720及び内リール740の回転制御プログラムを実行することで、内リール740の図柄変動表示が実行される。なお、サブ制御装置262のROM552には、外リール720及び内リール740の回転制御プログラムが記憶されており、RAM553には、CPU551における外リール720及び内リール740の回転制御プログラムの実行に際して回転制御に関するプログラムやデータ等を一時的に記憶する記憶エリアが用意されている。
【0167】
サブ制御装置262は、外リール720及び内リール740の回転制御を行うので、当該回転制御を主制御装置261に負担させることがなく、主制御装置261の処理負担を低減できる。
【0168】
リールユニット600は、外リール720及び内リール740を単に回転させるだけでなく、外リール720及び内リール740を指定の回転位置となるように回転制御でき、リール表示窓410に目的のリール図柄741aなどを位置させることが可能である。
【0169】
具体的には、外リール用ステップモータ710及び内リール用ステップモータ730は、例えば、その各回転部711,731の基準角度位置(例えば、0度位置)がそれぞれ検出可能である。また、外リール720及び内リール740は、それぞれの回転部711,731の2個の位置決め突起713,733によって、外リール用ステップモータ710及び内リール用ステップモータ730に対する取付状態がそれぞれ一義的に決められて取り付けられている。また、外リール用フィルム724及び内リール用フィルム741は、外リール720及び内リール740に対して決められた位置関係に取り付けられている。また、外リール用ステップモータ710及び内リール用ステップモータ730は「+1」ステップで所定角度(例えば、1度。その他の角度であってもよい。)だけリール表示窓410における下方向に回動し、「-1」ステップで1度だけリール表示窓410における上方向に回動する。以上のことから、外リール720及び内リール740を基準角度位置からそれぞれ指定したステップに回転させることで、外リール720及び内リール740を指定の回転位置に制御でき、リール表示窓410に目的のリール図柄741aなどを位置させることができる。また、後述するように中央セグメント727と明光表示領域部742との正対関係を維持したままで外リール720及び内リール740を回転させることもできる。
【0170】
次に、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726が位置するとともに、この遮光領域部726内の中央セグメント727、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450とからなるリールセグメント表示部800によるセグメント表示について、
図23も用いて説明する。
【0171】
図23(a)は、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726が位置した状態を示す図、
図23(b)は、その
図22(a)におけるリール表示窓410と外リール720の遮光領域部726と内リール740との位置関係を示す図である。
【0172】
図23(b)に示すように、外リール720における遮光領域部726がリール表示窓410に位置し、この遮光領域部726の中央セグメント727に対して内リール740の明光表示領域部742(「7」を示すリール図柄741aの数字箇所)の横長部分(
図23(b)において破線で示す横長の長方形部分)が正対するように、内リール740が回転することで、
図23(a)に示すように、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726が位置するとともに、この遮光領域部726の中央セグメント727が発光した態様となる。なお、セグメント表示を行う場合には、中央セグメント727と明光表示領域部742の前記横長部分との正対関係を維持したままで外リール720及び内リール740が回転制御される。
【0173】
リールユニット600は、例えば、
図9に示すサブ制御装置262によって、外リール720及び内リール740が回転制御され、上述した外リール720の中央セグメント727の発光表示を実行する。具体的には、サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えばスペシャルリーチを示すコマンドである場合には、CPU551がセグメント表示用制御プログラムを実行することで、上述したように外リール720及び内リール740が回転制御され、外リール720の中央セグメント727の発光表示が実行される。なお、サブ制御装置262のROM552には、セグメント表示用制御プログラムが記憶されており、RAM553には、CPU551におけるセグメント表示用制御プログラムの実行に際してセグメント表示制御に関するプログラムやデータ等を一時的に記憶する記憶エリアが用意されている。
【0174】
サブ制御装置262は、セグメント表示制御を行うので、当該セグメント表示制御を主制御装置261に負担させることがなく、主制御装置261の処理負担を低減できる。
【0175】
さらに、サブ制御装置262は、上記の外リール720の中央セグメント727の発光表示に際して、
図19に示す縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450のうち所定のセグメントも発光させるように制御する。例えば、数字「0」や「8」を表示する場合には、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450の全てが発光する。そして、
図19に示すように、外リール720の中央セグメント727がリール表示窓410の中央箇所に停止すると、これらのセグメンによって、所定の記号情報としての数字「8」が表示されるし、外リール720の中央セグメント727がリール表示窓410の中央箇所に位置することなくそのまま下方に変動していき、リール表示窓410の外側に移動して停止すると、数字「0」が表示されることになる。
【0176】
もう少し詳述すると、主制御装置261からのコマンドが例えばスペシャルリーチを示すコマンドである場合には、第3図柄表示装置42において
図10に示す左装飾図柄列L及び右装飾図柄列Rにて例えば「8」で停止したリーチ表示され、中装飾図柄列Mが「8」以外の数字で停止した後に、遊技回転表示灯490が回転表示されるとともに、上記のセグメント表示が実行される。このセグメント表示は、まず、外リール720が回動制御されて、リール表示窓410に遮光領域部726のみが位置し、中央セグメント727が位置しない状態とするとともに、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450の全てが発光した状態となる。この時点では、数字の「0」がセグメント表示された状態である。
【0177】
その後に、外リール720及び内リール740が回動し、外リール720の中央セグメント727がリール表示窓410の上側箇所に現れて、下方向に変動する表示が行われる。そして、大当たりの場合には、最終的に中央セグメント727が中央箇所で停止し、数字「8」がセグメント表示される。つまり、このセグメント表示の数字「8」と、第3図柄表示装置42の左装飾図柄列L及び右装飾図柄列Rにおける数字「8」の停止図柄とで、図柄が数字「8」で揃ったことになり、大当たり状態となる。なお、中央セグメント727が中央箇所を行き過ぎて再び中央箇所に戻って停止するような演出をすることも可能である。
【0178】
また、大当たりではなかった場合には、中央セグメント727がリール表示窓410の中央箇所で変動停止せずに、そのまま変動を続けてリール表示窓410の外で停止し、当該リール表示窓410が遮光領域部726のみが表示され、セグメント表示が数字「0」となり、リーチ外れの最終結果を表示するようにしてもよい。
【0179】
また、上述した内リール740の各リール図柄741aが後述する表示部に相当する。上述した外リール720の中央セグメント727が表示部、特定表示部に相当する。上述した内リール740が表示部材、後側表示部材、リール部材に相当し、外リール720が表示部材、前側表示部材、リール部材に相当し、上述したリール表示窓410が視認部に相当する。外リール用ステップモータ710が駆動手段、第1駆動手段に相当し、上述した内リール用ステップモータ730が駆動手段、第2駆動手段に相当し、上述した3枚のLED実装基板760が照射手段に相当し、上述した導光レンズ751が変更手段に相当し、上述したリール面発光装置750が特定表示部発光手段に相当し、上述したリールユニット600が図柄変動表示手段に相当し、上述したサブ制御装置262が制御手段に相当する。
【0180】
また、導光レンズ751の出射面側に施された光透過性の白色コーティングが、後述する色表示部材に相当する。また、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450が後述する発光部に相当する。上述した明光表示領域部742が明光表示部に相当する。
【0181】
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、複数のリール図柄741a(例えば、「0」~「9」のリール図柄741a)が配列された光透過性を有する内リール740と、この内リール740のリール図柄741aが視認可能に配設されたリール表示窓410と、このリール表示窓410を介してこれらのリール図柄741aが所定順(例えば昇順、すなわち、リール図柄741aの番号が増える順)に変動表示されるように内リール740を回転する内リール用ステップモータ730と、この内リール用ステップモータ730によって回転される内リール740におけるリール表示窓410内を変動するリール図柄741aの裏面側に対して光を照射することを当該変動過程にわたって行う3枚のLED実装基板760と、リール表示窓410内におけるリール図柄741aの各変動位置に当該リール図柄741aがそれぞれ位置するときのこれらの各変動位置についての当該リール図柄741aへの光照射強度の差を低減するように変更する導光レンズ751と、を備えている。
【0182】
したがって、3枚のLED実装基板760は、内リール用ステップモータ730によって回転される内リール740におけるリール表示窓410内を変動するリール図柄741aの裏面側に対して光を照射することを当該変動過程にわたって行う。導光レンズ751は、リール表示窓410内におけるリール図柄741aの各変動位置に当該リール図柄741aがそれぞれ位置するときのこれらの各変動位置についての当該リール図柄741aへの光照射強度の差を低減するように変更するので、リール表示窓410内を変動するリール図柄741aをその変動過程において、発光ムラを低減して発光させることができる。正確には、導光レンズ751は、リール表示窓410内における内リール740のリール図柄741aの各変動位置についての当該リール図柄741aへの光照射強度の差を遊技者が識別できない程度に低減しているので、リール表示窓410内を変動するリール図柄741aをその変動過程において一様に発光させることができる。よって、回転される内リール740のリール表示窓410内を変動するリール図柄741aを見易く表示できる遊技機を提供することができる。
【0183】
また、リール面発光装置750からの入射光が透過して内リール740の裏面側に出射する導光レンズ751は、その出射面に光透過性の白色コーティングが施されており、リール表示窓410に対応した大きさである。また、内リール740のリール図柄741a以外の全部である背景部741bが透明である。
【0184】
したがって、導光レンズ751の出射面に施された光透過性の白色コーティングにより、リール面発光装置750のLED761(つまり、内リール740の裏面側のLED761)を直視できないように隠すことができる。また、導光レンズ751の出射面がリール表示窓410に対応した大きさとしているので、必要最小限の範囲であるリール表示窓410の範囲に対応した大きさの導光レンズ751の出射面に対して所定の色を施すだけでよく、内リール740におけるリール表示窓410内の範囲に対して当該白色の光を出射することができる。また、内リール740のリール図柄741a以外の全部である背景部741bを透明としており、内リール740のリール図柄741a以外の全体にわたって所定の地色(背景色)を施す工程を排除できる。また、駆動される内リール740のリール表示窓410内を変動するリール図柄741aに対して当該色の光を一様に出射することができる。また、内リール740における各リール図柄741a間に色表示区間(光源が直視されないように隠すためのもの)を設ける必要がないので、内リール740におけるリール図柄741a間の隙間を低減できる。
【0185】
また、リール表示窓410を正面視した状態で当該リール表示窓410の周囲箇所に配設された縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450と、複数のリール図柄741aのうちの特定の図柄であってリール表示窓410内で変動されて変動停止する中央セグメント727と、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示するように制御するサブ制御装置262と、を備えている。
【0186】
したがって、リール表示窓410内で変動する中央セグメント727をその変動過程において一様に発光させることができるので、リール表示窓410内で変動する中央セグメント727と、リール表示窓410における内リール740の周囲箇所の縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450との組み合わせにより所定の記号情報(本実施例では例えば数字「8」)の形成表示についての誤認を低減することができる。
【0187】
また、リール表示窓410を正面視した状態で手前側に位置する外リール720と、この外リール720の裏面側に位置する内リール740とを備え、この内リール740は、複数のリール図柄741aが配列され、外リール720は、内リール740に設けられたリール図柄741aが視認可能な透明領域部725と、内リール740に設けられたリール図柄741aが視認不可能な遮光領域部726と、遮光領域部726に囲まれた光透過性を有する中央セグメント727とを備え、外リール720を回転させる外リール用ステップモータ710と、内リール740を回転させる内リール用ステップモータ730とを備え、サブ制御装置262は、内リール740の図柄変動表示を視認させる場合にリール表示窓410に透明領域部725が位置するように外リール720を回転制御するとともに、内リール740を回転制御し、中央セグメント727の変動表示を視認させる場合にリール表示窓410に遮光領域部726が位置するように外リール720を回転制御するとともに、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450を発光制御する。
【0188】
したがって、リール表示窓410に外リール720の透明領域部725を位置させて内リール740を回転させることで、透明領域部725を介して内リール740によるリール図柄741aの変動表示を行うことができる。また、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726を位置させるとともに縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450を発光制御することで、内リール740のリール図柄741aを外リール720の遮光領域部726で隠すことができ、外リール720による遮光領域部726の中央セグメント727とこの遮光領域部726の周囲所定箇所に位置する縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450とによる変動表示を見易く表示することができる。
【0189】
また、内リール740における複数のリール図柄741aのうち「7」を示すリール図柄741aの数字「7」の箇所である明光表示領域部742は、他のリール図柄741a(「0」~「6」、「8」及び「9」のリール図柄741a)の何れの箇所に比べて光透過率が高いので、他のリール図柄741a(「0」~「6」、「8」及び「9」のリール図柄741a)よりも明るく表示できる。よって、リール表示窓410に外リール720の透明領域部725が位置し、内リール740の図柄変動表示を視認させる場合において、遊技者が操作するリール停止ボタン(停止用操作手段)を備えた遊技機(パチンコ機やスロットマシンなど)において、遊技者がリール停止ボタンを操作して内リール740の回転停止を行う際に、目押し操作に役立てることができる。
【0190】
また、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726が位置し、この遮光領域部726の一部である中央セグメント727の変動表示を視認させる場合において、外リール720における遮光領域部726における中央セグメント727の裏面側に明光表示領域部742が位置するので、中央セグメント727の裏面側に明光表示領域部742以外のリール図柄741aが位置する場合よりも明るく中央セグメント727を表示することができる。
【0191】
また、「0」~「9」のリール図柄741aが配列された光透過性を有する内リール740を回転させることでリール表示窓410において内リール740のリール図柄741aを変動表示するリールユニット600と、リール表示窓410を正面視した状態でリール表示窓410の周囲に沿って配設された縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450と、外リール720の特定箇所であってリール表示窓410内の所定位置(例えば中央位置)に位置する中央セグメント727を発光させるリール面発光装置750と、リール表示窓410内の中央セグメント727と、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450とで変動表示(セグメント変動表示)を行うように、外リール720、内リール740、縦向きのリール用セグメント440、横向きのリール用セグメント450及びリール面発光装置750を制御するサブ制御装置262と、を備えている。
【0192】
したがって、リール図柄741aによる変動表示を行う場合には、リール表示窓410に外リール720の透明領域部725を位置させた状態で、内リール740を回転させることでリール表示窓410内をリール図柄741aが変動する図柄変動表示を提供できる。さらに、外リール720の特定箇所であってリール表示窓410内の中央位置に位置する中央セグメント727と、リール表示窓410の周囲に沿って配設された縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450とで、セグメント変動表示(例えば、中央セグメント727と縦向きのリール用セグメント440と横向きのリール用セグメント450とランダムに点灯消灯を繰り返し、最終的に所望の数字や文字などを示す状態に点灯させる変動表示)を行うことができるので、リール図柄741aによる変動表示とは異なる変動表示(セグメント変動表示)を提供でき、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
【0193】
また、リール表示窓410内に位置する中央セグメント727と、リール表示窓410の外周箇所に位置する縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450とでセグメント変動表示が行われることから、遊技者は、通常のリール図柄741aによる変動表示を見るときと同じようにリール表示窓410の方を見たままで、中央セグメント727と縦向きのリール用セグメント440と横向きのリール用セグメント450とによるセグメント変動表示を見ることができるため、リール図柄741aによる変動表示やセグメント変動表示を見落とすことを低減できる。また、リール表示窓410内の中央セグメント727を活用した変動表示、つまり、リール表示窓410の外周に配設した縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450と、リール表示窓410内の中央セグメント727とによるセグメント変動表示であるため、十分な大きさでの変動表示を実現することができるだけでなく、リールユニット600とは別個にそれと同程度の大きさである他の変動表示装置を配置するものではないことから、このような別個に他の変動表示装置を配置する構成に比べて、装置構成が大型化しない利点がある。
【0194】
なおこの実施例1では、外リール720と内リール740とを備えたリールユニット600を採用しているが、単一リール構成とし、この単一リールには、複数の図柄が配列され、そのうちの特定の図柄の所定箇所が発光可能な構成としてもよい。例えば、単一リールとして例えばおの実施例1の内リール740を採用し、実施例1のリール面発光装置750は導光レンズ751を備ず、かつ、この単一リール(内リール740)における「7」を示すリール図柄741aの数字箇所の横長部分(
図23(b)において破線で示す横長の長方形部分)の背後箇所に位置するLED761のみが点灯し、当該横長部分のみが発光可能な構成とすることが挙げられる。
【0195】
この場合には、単一リール(例えば内リール740)における複数(「0」~「9」)のリール図柄741aのうちで特定のリール図柄741a(「7」を示すリール図柄741a)の数字箇所の横長部分(
図23(b)において破線で示す横長の長方形部分)のみが発光するので、特定のリール図柄741aの当該横長部分を中央セグメント727として活用することができ、内リール740において複数のリール図柄741aとは別に、リール図柄741aの変動には無関係である専用の表示部を配列させることを防止できる。例えば、内リール740における複数のリール図柄741aの配列中に、当該リール図柄741aとは別個に専用の表示部が配列されていると、リール図柄741aとは無関係の専用の表示部が別個に存在していることで、リール図柄741aの変動表示において、遊技者に違和感を与えることが懸念されるが、特定のリール図柄741aにおける所定箇所(
図23(b)において破線で示す横長の長方形部分)を中央セグメント727として活用しているので、専用の表示部が別個に存在しているとの印象を遊技者に対して与えることがなく、リール図柄741aの変動表示に対して違和感を与えることを低減できる。
【0196】
また、サブ制御装置262は、中央セグメント727をリール表示窓410内で変動させた後に、リール表示窓410内の所定位置(例えば中央位置)またはリール表示窓410の外部位置(遊技者から見えない位置)で変動停止させるように、外リール720とリール面発光装置750を制御するので、中央セグメント727をリール表示窓410内で変動させた後に、リール表示窓410内の中央位置またはリール表示窓410の外部位置で変動停止されるので、中央セグメント727がリール表示窓410内の中央位置に変動停止されて、中央セグメント727と縦向きのリール用セグメント440と横向きのリール用セグメント450とによって変動結果が表示されるという変動表示の他に、中央セグメント727がリール表示窓410の外部位置で変動停止されて、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450のみによる変動結果が表示されるという変動表示を提供することができる。
【0197】
リールユニット600は、二重リール構造であって、外側に位置する外リール720と、この外リール720の内側に位置し、複数のリール図柄741aが配列された光透過性を有する内リール740とを備え、外リール720は、内リール740のリール図柄741aが視認可能な透明領域部725と、内リール740のリール図柄741aが視認不可能な遮光領域部726とが配列されるとともに、遮光領域部726の一部に光透過性を有する中央セグメント727が形成され、リールユニット600は、外リール720を駆動する外リール用ステップモータ710と、内リール740を駆動する内リール用ステップモータ730とを備え、サブ制御装置262は、内リール740の複数のリール図柄741aの変動表示を視認させる場合に、リール表示窓410に透明領域部725が位置するように外リール720を駆動制御するとともに内リール740を駆動制御し、中央セグメント727と縦向きのリール用セグメント440と横向きのリール用セグメント450とによるセグメント変動表示を視認させる場合に、リール表示窓410に遮光領域部726及び中央セグメント727が位置するように外リール720を駆動制御し、かつ、外リール720の中央セグメント727に、内リール740における複数(「0」~「9」)のリール図柄741aのうちで「7」を示すリール図柄741aの数字箇所の横長部分(
図23(b)において破線で示す横長の長方形部分)を対向させるように内リール740を駆動制御するとともに、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450を発光制御する。
【0198】
したがって、リール表示窓410に外リール720の透明領域部725を位置させて内リール740を駆動することで、透明領域部725を介して内リール740によるリール図柄741aの変動表示を行うことができる。また、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726及び中央セグメント727を位置させるとともに縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450を発光制御することで、内リール740のリール図柄741aを外リール720の遮光領域部726で隠すことができ、外リール720による遮光領域部726の中央セグメント727とこの遮光領域部726の周囲所定箇所に位置する縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450とによる変動表示を見易く表示することができる。
【実施例0199】
実施例2のセンターフレーム47について
図24及び
図25を用いて説明する。
【0200】
図24は、導光レンズ751が支持部材752に対して収納位置と待避位置とに変位可能なリールユニット600の断面図である。
【0201】
実施例2のリールユニット600は、
図24に示すように、その右側板606における導光レンズ751が対応する箇所に、導光レンズ751の側面形状よりも大きい出入り口607が形成されるとともに、その右側板606の外側箇所に、導光レンズ751が支持部材752に収納された収納位置(破線で示した導光レンズ751における位置)と、導光レンズ751が支持部材752から待避した待避位置(実線で示した導光レンズ751における位置)とに変位可能なレンズ変位機構部610を備えている。
【0202】
レンズ変位機構部610は、
図24に示すように、導光レンズ751が取り付けられた可動部611(ナット)と、この可動部611が摺動するボールねじ612と、このボールねじ612を回転させるモータ613と、ボールねじ612の先端に設けられた軸受け614と、モータ613を支持する支持壁部615とを備えている。モータ613を正転させることでボールねじ612が正転し、可動部611がボールねじ612に沿って支持部材752に近づく方向に移動し、導光レンズ751を収納位置に位置させることが可能である。また、モータ613を反転させることでボールねじ612が反転し、可動部611がボールねじ612に沿って支持部材752から離れる方向に移動し、導光レンズ751を待避位置に位置させることが可能である。
【0203】
前述した実施例1では、
図18に示すように導光レンズ751の係止穴751aに支持部材752の係止爪756aが係止することで導光レンズ751が支持部材752に取り付けられているが、かかる係止構造に替えて、この実施例2では
図24に示すように導光レンズ751を可動部611で支持する構成を採用している。
【0204】
また、前述した実施例1では、
図18に示すようにリール面発光装置750のLED実装基板760において2個のLED761が横方向に並設しているが、実施例2では、
図24に示すように、リール面発光装置750のLED実装基板760において4個のLED761が横方向に並設している。なお、このLED実装基板760において4個以外の複数個のLED761が横方向に並設するようにしてもよい。
【0205】
また、前述した実施例1では、
図13(a)に示すように縦向きのリール用セグメント440のLED実装基板442において3個のLED441が縦方向に並設しているが、実施例2では、
図25に示すように、縦向きのリール用セグメント440のLED実装基板442において7個のLED441が縦方向に並設したものを採用するとともに、各LED441の光が区分けして表示可能なように導光部品443には隣接するLED441の間箇所に光を遮光する仕切り部444(
図25(a)の左上のリール用セグメント440を参照。
図25では、他のリール用セグメント440における仕切り部444の図示を省略している。)が形成されたものを採用している。なお、このLED実装基板442において7個以外の複数個のLED441を縦方向に並設するようにしてもよいし、上述した導光部品443を採用しない構成としてもよい。
【0206】
なおここで、リールユニット600の中央セグメント727と、このリールユニット600の左右箇所に配設された縦向きのリール用セグメント440とによって、あみだくじ演出を行う場合について以下に説明する。
【0207】
図25(a)~(h)は、リールユニット600、縦向きのリール用セグメント440及び中央セグメント727によって行われるあみだくじ演出を説明する図である。
【0208】
サブ制御装置262(
図9参照)は、リールユニット600の外リール720及び内リール740を回転制御し、
図25(a)に示すようにリール表示窓410に外リール720の遮光領域部726のみが表示された状態(つまり、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726が位置するものの中央セグメント727が現れていない状態)とした後に、縦向きのリール用セグメント440の発光制御と、外リール720の中央セグメント727を駆動制御及び発光表示制御とを行うことで、例えば
図25(b)~(h)に示すようにLED点灯によるあみだくじ演出を制御する。つまり、縦向きのリール用セグメント440のLED441及び中央セグメント727のLED761が、
図25(h)に示すように縦向きのリール用セグメント440と外リール720の中央セグメント727とによって形成される梯子状経路をその複数の出発端(
図25において2個の最上端)の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端(
図25において2個の最下端)の一に移動していく。
【0209】
具体的には、サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えばスーパースペシャルリーチを示すコマンドである場合には、CPU551がセグメント表示用制御プログラムを実行することで、上述したように外リール720及び内リール740が回転制御され、外リール720の中央セグメント727の発光表示が実行される。なお、サブ制御装置262のROM552には、あみだくじ演出用制御プログラムが記憶されており、RAM553には、CPU551におけるあみだくじ演出用制御プログラムの実行に際してあみだくじ演出制御に関するプログラムやデータ等を一時的に記憶する記憶エリアが用意されている。
【0210】
図8に示した第3図柄表示装置42においてスーパースペシャルリーチ演出の変動表示が実行されており、あみだくじ演出がリールユニット600において実行されることを示唆する表示がされる。そして、
図25(a)に示すように、リール表示窓410に外リール720の遮光領域部726のみが表示された状態となる。そして、左上側の縦向きのリール用セグメント440における最上部(1番目)のLED441が点灯し、あみだくじ演出が開始する。
【0211】
なお、最終的に、左下側の縦向きのリール用セグメント440における最下部のLED441が点灯すると、あみだくじに外れたことを表示(示唆)することになり、右下側の縦向きのリール用セグメント440における最下部のLED441が点灯すると、あみだくじに当ったことを表示(示唆)することになる。
【0212】
図25(b)に示すように左上側の縦向きのリール用セグメント440における最上部のLED441の点灯に続いて、2番目、3番目のLED441が順番に点灯していく。そして、これらの点灯の際に、外リール720及び内リール740が回転することで、リール表示窓410の上側から外リール720の中央セグメント727が現れ、中央セグメント727が左上側の縦向きのリール用セグメント440における4番目のLED441の箇所に位置した状態で外リール720及び内リール740の回転が停止したとする。
【0213】
そして、
図25(c)に示すように左上側の縦向きのリール用セグメント440における4番目のLED441が順番に点灯し、中央セグメント727の左端(1番目)のLED761が点灯する。
【0214】
続いて、
図25(d)に示すように中央セグメント727の2~4番目のLED761が順番に点灯し、右上側の縦向きのリール用セグメント440における上から4番目のLED441が順番に点灯する。
【0215】
続いて、
図25(e)に示すように右上側の縦向きのリール用セグメント440における5番目~7番目のLED441が順番に点灯していく。そして、これらの点灯の際に、中央セグメント727の全LED761が消灯した後に外リール720及び内リール740が回転することで、
図25(e)に示すようにリール表示窓410内を外リール720の中央セグメント727が下向きに移動し、中央セグメント727が左下側の縦向きのリール用セグメント440における最上部(1番目)のLED441の箇所に位置した状態で外リール720及び内リール740の回転が停止したとする。
【0216】
図25(f)に示すように右下側の縦向きのリール用セグメント440における1番目のLED441が点灯した後に、中央セグメント727の右端(4番目)のLED761が点灯し、続いて3番目のLED761が点灯する。
【0217】
続いて、中央セグメント727の2番目、1番目(左端)のLED761が点灯し、
図25(g)に示すように左下側の縦向きのリール用セグメント440における1番目~4番目のLED441が上から順番に点灯する。そして、これらの点灯の際に、中央セグメント727の全LED761が消灯した後に外リール720及び内リール740が回転することで、
図25(g)に示すようにリール表示窓410内を外リール720の中央セグメント727が下向きに移動し、中央セグメント727が左下側の縦向きのリール用セグメント440における6番目のLED441の箇所に位置した状態で外リール720及び内リール740の回転が停止したとする。
【0218】
図25(h)に示すように左下側の縦向きのリール用セグメント440における5番目、6番目のLED441が点灯した後に、中央セグメント727の左端(1番目)のLED761が点灯し、続いて2番目~4番目のLED761が点灯し、続いて右下側の縦向きのリール用セグメント440における7番目、8番目のLED441が点灯する。このように、右下側の縦向きのリール用セグメント440における最下部(8番目)のLED441が点灯したので、今回のあみだくじ演出に当選したしことがわかる。
【0219】
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、縦向きのリール用セグメント440は、外リール720の外周箇所のうちで左右箇所に、外リール720の左辺または右辺に沿って配設された複数(例えば7個)のLED441を備え、リール面発光装置750は、リール視認窓を正面視した状態において中央セグメント727内でその長さ方向に沿って配設された複数(例えば4個)のLED761を備え、縦向きのリール用セグメント440の各LED441及びリール面発光装置750における各LED761について、点灯する光源(縦向きのリール用セグメント440のLED441及び中央セグメント727のLED761)が、
図25(h)に示すように縦向きのリール用セグメント440と外リール720の中央セグメント727とによって形成される梯子状経路をその複数の出発端(
図25において2個の最上端)の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端(
図25において2個の最下端)の一に移動していくように所定の順番(あみだくじの流れ方向の順番)に点灯させる制御を行うので、点灯するLED441,761が
図25(h)に示すように縦向きのリール用セグメント440と外リール720の中央セグメント727とによって形成される梯子状経路をあみだくじの如く移動するような表示態様(あみだくじ表示態様)を提供することができる。
【実施例0220】
実施例3のパチンコ機10について
図26を用いて説明する。
【0221】
図26(a),(b)は、横方向に3個並設された状態のリールユニット600Aの概略平面図、正面図、
図26(c),(d)は、両側のリールユニット600Aが中央のリールユニット600Aから離れるようにスライド移動したときの概略平面図、正面図である。
【0222】
前述した実施例1では、第3図柄表示装置42の右側に単一のリールユニット600を設けたパチンコ機10であったが、この実施例3では、第3図柄表示装置42及び実施例1のリールユニット600に替えて、
図26(b)に示すように合計3個のリールユニット600Aを横方向に並設したリール表示装置810を備えたパチンコ機10である点が、前述した実施例1と異なっている。
【0223】
実施例3では、例えば、前述の実施例1において
図8に示したセンターフレーム47の正面視で第3図柄表示装置42の表示画面が位置していた箇所に、
図26(b)に示すように、3個のリールユニット600Aを横方向に並設するとともに、
図8に示したセンターフレーム47の右端の収容部484を排除し、これら3個のリールユニット600Aにおける外周箇所にセンターフレーム47が位置する構成を採用している。
【0224】
リール表示装置810は、
図26に示すように、前述の実施例1の外リール720及び内リール740を備えたリールユニット600Aが横方向に3個並設されたものである。
【0225】
前述した実施例1と同様に、各リールユニット600Aは、リール表示窓410Aを介して内リール740における数字「0」~「9」のリール図柄741aを変動表示したり、外リール720の中央セグメント727を変動表示したりするように、外リール720を回転させる外リール用ステップモータ710と、内リール740を回転させる内リール用ステップモータ730と、を備えている。
【0226】
また、
図26(b)に示すように、各リールユニット600Aは、その外リール720や内リール740の一部が視認可能なリール表示窓410Aを備えている。前述の実施例1では、リールユニット600Aにおける前面透明カバー部601の全体を透明としていたが、
図26(b)に示すように、前面透明カバー部600Aの正面視においてその周縁表面箇所に不透明部材(例えば、不透明なシール部材など)を位置させるとともに、この不透明部材よりも内側に位置する透明領域部分をリール表示窓410Aとしている。また、
図26(b)に示すように、前面透明カバー部600Aの正面視において、不透明部材における横向きのリール用セグメント450が対応する箇所は、当該横向きのリール用セグメント450が視認可能なように透明領域としている。
【0227】
また、前述した実施例1では、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450が前側部材400に配設されていたが、この実施例3では、
図26(a)及び(b)に示すように、左側のリールユニット600Aの右側板606及び左側板605の外側箇所に縦向きのリール用セグメント440が縦方向に2個それぞれ配設されるとともに、天側部品603及び底側部品604に横向きのリール用セグメント450がそれぞれ配設されている点が前述の実施例1とは異なっている。
図26(b)に示すように、リール表示装置810を正面視した状態において、隣接するリール表示窓410Aの間には、各リールユニット600Aの縦向きのリール用セグメント440がそれぞれ位置している。つまり、
図26(b)に示すように、隣接するリールユニット600Aの間において、縦向きのリール用セグメント440が近接された状態となっている。
【0228】
さらに、実施例3のリール表示装置810は、
図26(a)及び(b)に示すように左側及び右側のリールユニット600Aを中央のリールユニット600Aに近接させた各通常位置と、この各通常位置にある左側及び右側のリールユニット600Aを、
図26(c)及び(d)に示すように中央のリールユニット600Aから離れる方向にスライド移動(直線移動)した各離れ位置と、にそれぞれ変位可能なユニット変位機構部820を備えている。
【0229】
ユニット変位機構部820は、
図26(a)に示すように、左用機構部820Aと右用機構部820Bとに大別される。
【0230】
左用機構部820Aは、
図26(a)に示すように、センターフレーム47に取り付けられた左側ユニット用モータ821Aと、この左側ユニット用モータ821Aによって回転する左側ユニット用ボールねじ822Aと、左側ユニット用ボールねじ822Aに沿って摺動するとともに左側のリールユニット600Aにおける背面箇所に形成されたユニット用可動部823と、左側ユニット用ボールねじ822Aの先端側を軸支し且つセンターフレーム47に設けられた軸受け824と、を備えている。
【0231】
左側ユニット用モータ821Aを正転させることで左側ユニット用ボールねじ822Aが正転し、ユニット用可動部823が左側ユニット用ボールねじ822Aに沿って軸受け824に近づく方向に移動し、左側のリールユニット600Aを離れ位置(
図26(c),(d)参照)に移動させることができる。また、左側ユニット用モータ821Aを反転させることで左側ユニット用ボールねじ822Aが反転し、ユニット用可動部823がボールねじに沿ってモータに近づく方向に移動し、左用のリールユニット600Aを通常位置(
図26(a),(b)参照)に位置させることができる。
【0232】
右用機構部820Bは、
図26(a)に示すように、センターフレーム47に取り付けられた右側ユニット用モータ821Bと、この右側ユニット用モータ821Bによって回転する右側ユニット用ボールねじ822Bと、右側ユニット用ボールねじ822Bに沿って摺動するとともに右側のリールユニット600Aにおける背面箇所に形成されたユニット用可動部823と、右側ユニット用ボールねじ822Bの先端側を軸支し且つセンターフレーム47に設けられた軸受け824と、を備えている。
【0233】
右側ユニット用モータ821Bを正転させることで右側ユニット用ボールねじ822Bが正転し、ユニット用可動部823が右側ユニット用ボールねじ822Bに沿って軸受け824に近づく方向に移動し、右側のリールユニット600Aを離れ位置(
図26(c),(d)参照)に移動させることができる。また、右側ユニット用モータ821Bを反転させることで右側ユニット用ボールねじ822Bが反転し、ユニット用可動部823がボールねじに沿ってモータに近づく方向に移動し、右用のリールユニット600Aを通常位置(
図26(a),(b)参照)に位置させることができる。
【0234】
図26(d)に示すように、左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aを中央のリールユニット600Aから離した離れ位置にスライド移動させると、隣接するリールユニット600Aの間に位置する各縦向きのリール用セグメント440が適度に離れた状態となり、各リールユニット600Aのリールセグメント表示が見易くなる。
【0235】
具体的には、サブ制御装置262は、主制御装置261からのセグメント表示実行コマンドに基づいて、
図26(a)及び(b)に示した通常位置から、
図26(c)及び(d)に示した離れ位置に、左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aをスライド移動させるようにユニット変位機構部820を制御するとともに、各リールユニット600Aについてリール表示窓410A内に表示されていた内リール740の図柄変動表示に替えて、遮光領域部726を表示するように外リール720及び内リール740を回転制御して、リール表示装置810におけるセグメント表示を実行制御する。
【0236】
また、サブ制御装置262は、主制御装置261からの通常表示実行コマンドに基づいて、
図26(c)及び(d)に示した離れ位置に左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aがスライド移動された状態から、
図26(a)及び(b)に示した通常位置に戻すようにユニット変位機構部820を制御するとともに、外リール720及び内リール740を回転制御して、リール表示装置810におけるセグメント表示に替えて、各リールユニット600Aについてリール表示窓410A内に内リール740による図柄変動表示を実行するように制御する。
【0237】
なお、上述した各リールユニット600Aが表示部材に相当し、リール表示装置810が表示手段に相当する。上述した隣接するリールユニット600Aの間に位置する縦向きのリール用セグメント440が区分発光部に相当し、リールセグメント表示部800が発光表示部に相当し、ユニット変位機構部820が変位駆動手段に相当し、サブ制御装置262が制御手段に相当する。
【0238】
上述したように、本実施例3のパチンコ機10によれば、各リール表示窓410Aには、並設された各リールユニット600Aの外リール720における遮光領域部726と中央セグメント727とが位置し、その隣接するリールユニット600Aの外周左右箇所に縦向きのリール用セグメント440がそれぞれ配設されてリール表示装置810が構成されている。また、ユニット変位機構部820は、各リールセグメント表示部800によってセグメント発光表示を行う場合に、各リールセグメント表示部800の隣接間隔が広くなるように、左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aを中央のリールユニット600Aから離した離れ位置にスライド移動させるので、リール表示装置810における横方向に隣接する両方の縦向きのリール用セグメント440を横方向に離すことができ、各リール表示装置810のリールセグメント表示部800がリールユニット600A毎に区別し易くなり、各リールセグメント表示部800による縦向きのリール用セグメント440の表示を見易くできる。
【0239】
なお、上述した構成では、リールユニット600Aにおける背面箇所にユニット用可動部823を備えているが、リールユニット600Aにおける上面、下面、側面等に備えるようにしてもよい。
【0240】
また、
図26(b)に示すように、各リールユニット600Aは、リール表示窓410A内に位置する外リール720及び内リール740の領域部分に対してその裏面側からリール面発光装置750からの光が照射されるので、外リール720及び内リール740のリール表示窓410Aに位置する図柄が発光し、各リールユニット600Aによる図柄の変動表示に遊技者を注視させることができる。
【0241】
また、このリール表示窓410A内の図柄が発光して変動表示される状態に替えて、
図26(c)及び(d)に示すように、各リールセグメント表示部800の隣接間隔が広くなるように左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aが中央のリールユニット600Aから離れた位置(離れ位置)にスライド移動した場合には、サブ制御装置262によって外リール720及び内リール740が回転制御され、リール表示窓410Aに外リール720の遮光領域部726が位置することで、各リール表示窓410A内がその中央セグメント727以外の領域が暗くなり、各リールユニット600Aの縦向きのリール用セグメント440、横向きのリール用セグメント450及び中央セグメント727によるセグメント表示を遊技者に注視させることができるとともに、各リールユニット600Aにおける並び方向に隣接する縦向きのリール用セグメント440を当該並び方向に離すことで、各リールユニット600Aの縦向きのリール用セグメント440がリールユニット600A毎に区別し易くなる。
【0242】
また、上述したスライド移動構成に替えて、
図27に示すように、左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aの前面側が中央のリールユニット600Aから離した離れ位置に回動移動させる構成を採用してもよい。
【0243】
図27(a),(b)は、横方向に3個並設された状態のリールユニット600Aの概略平面図、正面図、
図27(c),(d)は、両側のリールユニット600Aの前面側が中央のリールユニット600Aから離れるように回動移動したときの概略平面図、正面図である。
【0244】
センターフレーム47は、
図27(a)及び(b)に示すように、左側のリールユニット600Aの右奥側上方箇所に位置するように当該センターフレーム47によって支持されるモータ825と、このモータ825により回転する回転軸826と、この回転軸826の下端箇所に配設されて当該センターフレーム47によって支持される軸受け827と、を備え、
図27(a)において時計回りに回転軸826が回転すると、
図27(c)に示すように、この回転軸826を中心として左側のリールユニット600Aが時計回りに回転し、当該左側のリールユニット600Aの前面側が中央のリールユニット600Aから離れた位置に位置する。
【0245】
右側のリールユニット600Aについても上述した構成と同様の構成としており、
図27(a)において反時計回りに回転軸826が回転すると、
図27(c)に示すように、この回転軸826を中心として右側のリールユニット600Aが反時計回りに回転し、当該右側のリールユニット600Aの前面側が中央のリールユニット600Aから離れた位置に位置する。
【0246】
図27(d)に示すように、隣接するリールユニット600Aの間に位置する各縦向きのリール用セグメント440が適度に離れた状態となり、各リールユニット600Aのリールセグメント表示が見易くなる。
【0247】
また、上述した両側のリールユニット600Aをスライド移動する構成や回動させる構成に替えて、
図28に示すように、中央のリールユニット600Aが奥側に後退して当該中央のリールユニット600Aの前面側が両側のリールユニット600Aの前面側に対して前後方向に離した離れ位置にスライド移動させる構成を採用してもよい。
【0248】
図28(a),(b)は、横方向に3個並設された状態のリールユニット600Aの概略平面図、正面図、
図28(c),(d)は、中央のリールユニット600Aの前面側が両側のリールユニット600Aの前面側から離れるようにスライド後退したときの概略平面図、正面図である。
【0249】
センターフレーム47は、
図28(a)及び(b)に示すように、中央のリールユニット600Aの奥側上方箇所に位置するように当該センターフレーム47によって支持されるモータ830と、このモータ830により回転するボールねじ831と、このボールねじ831に沿って摺動するとともに中央のリールユニット600Aにおける上面奥側箇所に形成された可動部832と、ボールねじ831の先端側を軸支し且つセンターフレーム47に設けられた軸受け833と、を備えている。
【0250】
このモータ830を正転させることでボールねじ831が正転し、可動部832がボールねじ831に沿ってモータ830に近づく方向に移動し、中央のリールユニット600Aを離れ位置(
図28(c),(d)に示す後退位置を参照)に移動させることができる。また、モータ830を反転させることでボールねじ831が反転し、可動部832がボールねじ831に沿って軸受け833に近づく方向に移動し、中央のリールユニット600Aを通常位置(
図28(a),(b)参照)に位置させることができる。
【0251】
図28(c)及び(d)に示すように、中央のリールユニット600Aの前面が、両側のリールユニット600Aの前面に対して後退して前後方向に離れた位置(後退位置)となり、隣接するリールユニット600A間の各縦向きのリール用セグメント440が適度に離れた状態となり、各リールユニット600Aのリールセグメント表示が見易くなる。
【0252】
なお、上述した中央のリールユニット600Aを後退させる構成では、中央のリールユニット600Aにおける上面箇所に可動部832を備えているが、リールユニット600Aにおける下面、奥面等に備えるようにしてもよい。
【0253】
なお、この実施例3では、3個のリールユニット600Aを並設させた構成を例示したが、3個以外の複数個のリールユニット600Aを並設させた構成にも適用することができる。
【実施例0254】
実施例4のリールユニット600Bについて、
図29~
図33を用いて説明する。
【0255】
図29(a)~(c)は、実施例4のリールユニット600Bの平面図、正面図、右側面図である。
図30は、実施例4のリールユニット600Bの斜視図である。
図31(a)は、実施例4のリール面発光装置750の分解斜視図、
図31(b)は、リール面発光装置750の斜視図である。
図32は、センターフレーム47の横断面図である。
図33(a)は、リール表示窓410に外リール720Aの遮光領域部726が位置した状態を示す図、
図33(b)は、その
図33(a)におけるリール表示窓410と外リール720Aの遮光領域部726と内リール740との位置関係を示す図である。
【0256】
前述の実施例1では、リールユニット600以外の部品である前側部材400に縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450を備えた構成としているが、この実施例4のリールユニット600Bは、
図29(b)に示すように、縦向きのリール用セグメント440A及び横向きのリール用セグメント450Aを備えている点が、前述の実施例1とは異なっている。
【0257】
実施例4の横向きのリール用セグメント450Aは、
図29に示すように、前面透明カバー部601の上部及び下部に形成された切り欠き部601aに取り付けられた導光体840と、この導光体840と前面透明カバー部601の切り欠き部601aとの間に設けられた遮光部843と、導光体840の奥側箇所である入射面841の窪み箇所にLED844が位置するように配設されたLED実装基板845と、導光体840の前面所定箇所に横長形状に形成された出射光領域部842と、導光体840の前面側のうちで出射光領域部842以外の箇所に貼り付けられた反射シール部846と、を備えている。
【0258】
なお、前側部材400のリール表示窓410とリールユニット600Bとの位置関係を説明するために、
図29(b)では、リールユニット600Bの正面側にリール表示窓410を二点鎖線で示し、
図29(c)では、リール表示窓410を有する前側部材400が、リールユニット600Bの前方箇所に位置している様子を図示している。
【0259】
また、この前側部材400は、
図29に示すように、リール表示窓410よりも上側箇所及び下側箇所に、横向きのリール用セグメント450Aに応じた大きさで当該横向きのリール用セグメント450Aが視認可能な開口窓411をそれぞれ備えている。なお、リール表示窓410及び開口窓411を開口形状とするのではなく、例えば透明樹脂成形等による透明領域とした構成を採用してもよい。
【0260】
次に、実施例4の縦向きのリール用セグメント440Aについて説明する。
【0261】
実施例4の縦向きのリール用セグメント440Aは、
図31に示すように、実施例4のリール面発光装置750によって形成されている。
【0262】
実施例4のリール面発光装置750は、
図31に示すように、前述の実施例1とは細部か異なる導光レンズ751A、支持部材752A及びLED実装基板760Aを採用している点が前述の実施例1とは異なっている。
【0263】
実施例4の導光レンズ751Aは、
図31に示すように、左側面及び右側面に遮光シート851(あるいは反射シートなどでもよい)がそれぞれ貼り付けられた中央レンズ部850と、この中央レンズ部850の左側面に沿って接着される、遮光部品852を間に挟んだ2個の左レンズ部853と、中央レンズ部850の右側面に沿って接着される、遮光部品852を間に挟んだ2個の右レンズ部854と、を備え、これらが一体化されたものである。
【0264】
実施例4の支持部材752Aは、
図31に示すように、その上部箇所753、中部箇所754及び下部箇所755に、横方向に並ぶ3個の開口部759が2列分それぞれ形成されており、この点が実施例1の支持部材752とは異なる。
【0265】
実施例4における3枚のLED実装基板760Aは、
図31に示すように、支持部材752Aの上部箇所753、中部箇所754及び下部箇所755に形成された合計6個の開口部759に対応する箇所に、6個のLED761が実装されており、この点が実施例1のLED実装基板760とは異なる。
【0266】
また、
図31(a)に示すように、実施例4の導光レンズ751Aは、その上端部及び下端部に係止穴751aがそれぞれ形成され、実施例4の支持部材752Aは、その傾斜天部756及び傾斜底部757における内側にそれぞれ係止爪756aが形成され、支持部材752Aの各係止爪756aが導光レンズ751Aの各係止穴751aにそれぞれ係止されることで、導光レンズ751Aが支持部材752Aに保持される。
【0267】
図31(b)及び
図32に示すように、左レンズ部853は、LED実装基板760Aにおける左列のLED761(合計6個のLED761)の配設箇所に位置し、中央レンズ部850は、LED実装基板760Aにおける中列のLED761(合計6個のLED761)の配設箇所に位置し、右レンズ部854は、LED実装基板760Aにおける右列のLED761(合計6個のLED761)の配設箇所に位置している。
【0268】
よって、
図31(b)に示すように、3枚のLED実装基板760Aにおける左列のLED761(合計6個のLED761)のうち、上側3個のLED761からの光は、上側の左レンズ部853に入射され、下側3個のLED761からの光は、下側の左レンズ部853に入射され、この2個の左レンズ部853がそれぞれ発光する。また、3枚のLED実装基板760Aにおける中列のLED761(合計6個のLED761)からの光は、中央レンズ部850に入射され、この中央レンズ部850が発光する。また、3枚のLED実装基板760Aにおける右列のLED761(合計6個のLED761)のうち、上側3個のLED761からの光は、上側の右レンズ部854に入射され、下側3個のLED761からの光は、下側の右レンズ部854に入射され、この2個の右レンズ部854がそれぞれ発光する。
【0269】
中央レンズ部850は、その左側面及び右側面に、遮光シート851(あるいは反射シート)がそれぞれ貼り付けられているので、中央レンズ部850に入射された光が当該中央レンズの左側面及び右側面を通して左レンズ部853及び右レンズ部854に入射されることがないし、左レンズ部853及び右レンズ部854に入射された光が中央レンズの左側面及び右側面を通して当該中央レンズ部850に入射されることもない。
【0270】
また、外リール720Aは、
図33(b)に示すように、その遮光領域部726の両側箇所にセグメント用光透過領域部728が形成されている。また、内リール740は、
図33(b)に示すように、外リール720Aのセグメント用光透過領域部728に重なる箇所が光透過可能な領域であり、この領域の背後に2個の右レンズ部854及び2個の左レンズ部853が位置する位置関係としている。
【0271】
ここで、実施例4のリールユニット600Bによるセグメント表示について
図33も用いて説明する。
【0272】
リールユニット600Bは、前述の実施例1と同様に、
図9に示すサブ制御装置262によって、外リール720A及び内リール740が回転制御され、外リール720Aの中央セグメント727の発光表示を実行するとともに、リール表示窓410内における縦向きのリール用セグメント440Aの発光表示と、前面透明カバー部601の上部及び下部箇所の横向きのリール用セグメント450Aの発光表示とを行う。
【0273】
具体的には、リールユニット600Bは、
図33(b)に示すように、外リール720Aにおける遮光領域部726、中央セグメント727及びセグメント用光透過領域部728をリール表示窓410に位置させ、この遮光領域部726の中央セグメント727に対して内リール740の明光表示領域部742(リール図柄741a「7」の数字箇所)の横長部分(
図33(b)に破線で示す横長の長方形部分)が正対するように、内リール740を回転させることで、
図33(a)に示すように、リール表示窓410に外リール720Aの遮光領域部726を位置させるとともに、この遮光領域部726の中央セグメント727を発光した態様とする。なお、セグメント表示を行う場合には、中央セグメント727と明光表示領域部742の前記横長部分との正対関係を維持したままで外リール720A及び内リール740が回転制御される。
【0274】
さらに、リールユニット600Bは、上記の外リール720Aの中央セグメント727の発光表示に際して、
図33(a)に示す縦向きのリール用セグメント440A及び横向きのリール用セグメント450Aのうち所定のセグメントも発光させる。
【0275】
例えば、数字「0」や「8」をセグメント表示する場合には、縦向きのリール用セグメント440A及び横向きのリール用セグメント450Aの全てが発光する。なお、この実施例4では、縦向きのリール用セグメント440A及び横向きのリール用セグメント450Aの全てを発光させる場合について説明する。
【0276】
リールユニット600Bは、内リール740の背後側に設けられた2個の右レンズ部854及び2個の左レンズ部853を発光させる。この右レンズ部854及び左レンズ部853の発光は、当該内リール740の両側における光透過可能な領域と、外リール720Aのセグメント用光透過領域部728とを通して視認できることから、リール表示窓410内において遮光領域部726の両側箇所に縦向きのリール用セグメント440Aを発光表示することができる。
【0277】
続いて、リールユニット600Bは、
図29及び
図30に示すように、前面透明カバー部601の導光体840の背後に位置するLED実装基板845のLED844を発光させて、前面透明カバー部601の導光体840を発光させて、この導光体840で構成される横向きのリール用セグメント450Aを発光させる。
図29及び
図33(a)に示すように、横向きのリール用セグメント450Aは、リール表示窓410の外側上部箇所及び外側下部箇所にそれぞれ位置している。
【0278】
そして、
図33(a)に示すように、外リール720Aの中央セグメント727がリール表示窓410の中央箇所に停止すると、これらのセグメンによって、数字「8」が表示されるし、外リール720Aの中央セグメント727がリール表示窓410の中央箇所に位置することなくそのまま下方に変動していき、リール表示窓410の外側に移動して停止すると、数字「0」が表示されることになる。
【0279】
なお、実施例4のリールユニット600Bにおいて内リール740のリール図柄741aを表示する場合については、前述の実施例1と同様に、外リール720Aを回転させてリール表示窓410内に当該外リール720Aの透明領域部725を位置させた状態とし、内リール740を回転させて当該内リール740の図柄変動表示が行われる。
【0280】
上述したように、本実施例4のパチンコ機10によれば、リールユニット600Bは、中央セグメント727、縦向きのリール用セグメント440A及び横向きのリール用セグメント450Aを備えているので、当該リールユニット600B自体でセグメント表示を行うことができる。
【0281】
また、リール表示窓410を正面視した状態において、内リール740におけるリール表示窓410に位置する部分の裏面両側箇所に、縦向きのリール用セグメント440Aを備えているので、リール表示窓410内で変動する中央セグメント727をその変動過程において一様に発光させることができ、リール表示窓410内で変動する中央セグメント727と、内リール740におけるリール表示窓410に位置する部分の裏面両側箇所の縦向きのリール用セグメント440Aとによる変動表示についての誤認を低減することができる。また、リール表示窓410を正面視した状態で当該リール表示窓410内に位置する内リール740の領域内に、中央セグメント727と縦向きのリール用セグメント440Aとが収められているので、内リール740の領域を拡張することなく維持しつつ、中央セグメント727と縦向きのリール用セグメント440Aとによる変動表示を行うことができる。
【実施例0282】
実施例5のパチンコ機10について、
図34及び
図35を用いて説明する。
【0283】
図34(a)~(c)は、実施例5の図柄ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチにおける第3図柄表示装置42の変動表示画像及びリールユニット600のリール表示窓410内の表示を説明するための図である。
図35(a),(b)は、
図34(c)に続いて表示される第3図柄表示装置42の変動表示画像及びリールユニット600のリール表示窓410内の表示を説明するための図である。
【0284】
前述の実施例1では、単独ドラム変動を示すコマンドに基づいて、リールユニット600における内リール740の図柄変動表示の実行について説明しているが、この実施例5では、ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチを示すコマンドに基づいて、第3図柄表示装置42の変動表示画像がリーチ外れとなったが、第3図柄表示装置42の変動表示画像とリールユニット600とで新たなリーチ表示が実行される点が、前述の実施例1とは異なっている。
【0285】
第3図柄表示装置42は、前述の実施例1で
図10に示したように、遊技盤30の略中央箇所に形成された開口部30cに配設された表示画面に、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する複数列(左装飾図柄列L、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列R)の第3図柄(主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZ)の変動表示画像を表示する。
【0286】
リール表示窓410は、
図8及び
図34に示すように、第3図柄表示装置42の表示画面における変動領域に対応した大きさとしている。具体的には、つまり、リール表示窓410は、
図34に示すように、その縦辺長さが、第3図柄表示装置42の表示画面における縦辺長さ(第3図柄の変動方向長さ)と同程度の長さであり、その横辺長さが、右装飾図柄列Rの横幅長さと同程度の長さとしている。また、リール表示窓410は、
図34に示すように、所定の変動表示状態(図柄ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチ)のときに、隣に位置する変動領域である右装飾図柄列Rと並べて配設されている。つまり、第3図柄表示装置42の正面視で、その表示画面における右装飾図柄列Rの外部右側箇所に並設されている。また、リール表示窓410におけるリール図柄741aの変動方向は、
図35(a)に示すように、右装飾図柄列Rでの上から下方向の変動方向と同一方向としている。
【0287】
リールユニット600は、前述の実施例1において
図17及び
図21に示したように、「0」~「9」のリール図柄741aが固定的に配列された内リール740をリール表示窓410に対して変動させることで当該リール表示窓410内で「0」~「9」のリール図柄741aの変動表示を行うものである。
【0288】
この内リール740には、第3図柄表示装置42の表示画面における一列分の「0」~「9」の主装飾図柄SZと対応するリール図柄741a(一列分の「0」~「9」の主装飾図柄SZと外観が同じであるリール図柄741a)が固定的に配列されている。また、内リール740のリール図柄741aは、第3図柄表示装置42における主装飾図柄SZと同程度の大きさとしている。
【0289】
サブ制御装置262は、所定条件成立に基づいて、第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止された主装飾図柄SZと、リールユニット600におけるリール図柄741aとで当たり表示を行うようにリールユニット600を制御するものである。
【0290】
ここで、ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチについて、以下に説明する。
【0291】
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが、ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチを示すコマンドである場合には、CPU551が表示制御装置45に当該スーパーリーチを示すコマンドを出力し、表示制御装置45が当該コマンドに基づいて第3図柄表示装置42の表示画面にスーパーリーチ表示を行うとともに、CPU551が外リール720及び内リール740の回転制御プログラムを実行することで、内リール740の図柄変動表示が実行されることで、
図34及び
図35に示すようなドラムリーチ演出が実行される。
【0292】
具体的には、表示制御装置45は、サブ制御装置262からのスーパーリーチを示すコマンドに基づいて、第3図柄表示装置42の表示画面に第3図柄の変動表示を開始する。
図10に示すように左装飾図柄列L、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rの一連の装飾図柄(「0」~「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されている)が、第3図柄表示装置42の表示画面の上から下へと一斉に変動表示される。
【0293】
そして、左装飾図柄列Lと右装飾図柄列Rとの順に変動表示が停止し、
図34(a)に示すように、第3図柄表示装置42の表示画面に、例えば「1」を示す主装飾図柄SZ(第3図柄)が中ラインL2においてリーチ表示されている。例えば、この
図34(a)に示す中ラインL2において当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZは、第1輝度で表示されている。なおこのとき、
図18に示すリールユニット600のリール面発光装置750におけるLED実装基板760のLED761は消灯しており、
図34(a)に示すようにリールユニット600のリール表示窓410内は暗くなっている。
【0294】
続いて、
図34(b)に示すように、中装飾図柄列Mの変動表示が停止し、中装飾図柄列Mにおける中ラインL2上には副装飾図柄FZが停止表示されており、リーチ外れの結果が表示されている。
【0295】
続いて、
図34(c)に示すように、表示制御装置45は、第3図柄表示装置42の表示画面に表示された変動表示画像のうちで当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZが、これ以外の図柄である「0」の主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZを希薄表示(薄く表示)する。
【0296】
このとき、
図34(c)に示すように、新たな2本のリーチラインNL2,NL5が形成されている。なお、この
図34(c)に示すリーチラインNL2,NL5における当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZは、
図34(a)に示した中ラインL2で第1輝度で表示された「1」の主装飾図柄SZに比べて高い輝度である第2輝度で表示されている。
【0297】
続いて、
図35(a)に示すように、リールユニット600のリール面発光装置750におけるLED実装基板760のLED761が点灯するとともに、リール表示窓410内に外リール720の透明領域部725が位置し、内リール740の図柄変動表示が実行される。
【0298】
そして、
図35(b)に示すように、リール表示窓410を上下方向に三等分した場合の下側箇所に、内リール740の「1」を示すリール図柄741aが変動停止しており、新たなリーチラインNL5上において、第3図柄表示装置42の表示画面に表示された変動表示画像のうちで当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZと、内リール740の「1」を示すリール図柄741aとで揃った状態が表示されている。この直後に、可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動され、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされるという遊技者にとって有利な遊技状態が発生する。
【0299】
また、上述した遊技盤30が後述する遊技部品に相当する。上述した第3図柄表示装置42が画像表示手段に相当する。上述した内リール740が表記体に相当し、リールユニット600が表記体変動手段に相当する。上述したサブ制御装置262が変動演出制御手段に相当する。
【0300】
上述したように、本実施例5のパチンコ機10によれば、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する複数列(左装飾図柄列L、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列R)の第3図柄(主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZ)の変動表示画像を表示画面に表示する第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42の表示画面の正面視で遊技者にとって視認可能な表示画面部分において所定の変動表示状態(ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチ)のときに隣に位置する変動領域(右装飾図柄列Rの変動領域)と並べて配設され、当該変動領域に対応した大きさとしたリール表示窓410と、複数(「0」~「9」)のリール図柄741aが固定的に配列された内リール740をリール表示窓410に対して変動させることで当該リール表示窓410内で識別情報の変動表示が可能なリールユニット600と、所定条件成立(ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチを示すコマンド)に基づいて、第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止された主装飾図柄SZと、リールユニット600におけるリール図柄741aとで当たり表示を行うようにリールユニット600を制御するサブ制御装置262と、を備えている。
【0301】
したがって、変動停止表示された画像(第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止表示された主装飾図柄SZの変動表示画像)と、実体物(リールユニット600の内リール740によるリール図柄741aの変動表示)とを用いて当たり表示の変動演出を行うことができる。つまり、第3図柄表示装置42の表示画面に表示された主装飾図柄SZの変動表示画像の変動結果が例えばリーチ外れ(大当たり判定ライン上においてあと一つ所定(例えば「1」)の主装飾図柄SZが変動停止しなかったことにより当該判定ライン上において「1」の主装飾図柄SZで揃わなかった状態)であった場合に、実体物である内リール740によるリール図柄741aの変動表示が行われ、リール表示窓410内の所定箇所に「1」のリール図柄741aが変動停止し、「1」の主装飾図柄SZ及びリール図柄741aで揃った状態(
図35(b)の新たなリーチラインNL5上で揃った状態を参照)を発生させることができる。よって、第3図柄表示装置42の変動表示結果を不自然に再変動表示させる必要がないことから、遊技者は、第3図柄表示装置42の変動表示について違和感を感じたり、不信感を抱くおそれを低減できる。また、第3図柄表示装置42の変動表示結果がリーチ外れであった場合に、当該変動表示画像に何ら変更を加えることなくそのまま維持しつつ、実体物である内リール740によるリール図柄741aの変動表示を追加する形で補って大当たりに導くという変動演出を提供することができる。その結果、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
【0302】
例えば、4列の識別情報が変動表示する変動表示画像を表示画面に表示する構成、つまり、表示画面に4列全ての識別情報の変動表示を開始し、これらの各列の変動を所定の順番に停止し、4列全てが変動停止した最終停止状態となり、3列以上の識別情報が所定の当たり識別情報で揃っていることで当選となる構成において、3列までの識別情報が変動停止し、変動表示中の4列目の識別情報の変動停止を待たずして落選が確定している場合においても、4列目の識別情報の変動停止を待たなければならないことから、遊技者が遊技にストレスを感じるという問題がある。また、遊技者は毎回全4列の変動表示を見ないといけないため、見た目の変化に乏しい変動表示演出となってしまうという問題がある。つまり、1~3列目の変動停止で当選結果が確定している場合でも4列目が変動停止するまで待たなければならないし、仮に4列目の変動停止で当否結果が明らかになるような場合においても、4列変動態様であることに変わりがないことから、見た目の変化に乏しい変動表示演出となっている。
【0303】
これに対して、上述した実施例5のパチンコ機10の場合には、所定条件成立(例えばドラムリーチ演出有りのスーパーリーチ)とならない場合として、第3図柄表示装置42の表示画面による主装飾図柄SZの変動表示画像において当選となる場合や単なる外れ(リーチにならない外れ)となる場合には実体物は稼働しないので、変動表示に関する当否結果が分かっているのに遊技者を無駄に待たせるようなことは無い。さらに、所定条件成立(ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチ)の場合に限って、変動停止表示された画像(第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止表示された主装飾図柄SZの変動表示画像)と、実体物(リールユニット600の内リール740によるリール図柄741aの変動表示)とを用いて当たり表示の変動演出を行うことができるので、変動表示画像のみの表示から、変動停止した画像と実体物との表示に変更することができ、見た目を変えた変動表示演出を提供することができる。
【0304】
また、リールユニット600は、内リール740に、第3図柄表示装置42における一列分の主装飾図柄SZと同じリール図柄741aが固定的に配列されているので、第3図柄表示装置42による複数列の主装飾図柄SZについての変動表示画像と、実体物である内リール740による一列分のリール図柄741aについての変動表示とを行うことができ、これら2系統の変動表示を実現することができる。また、一列分のリール図柄741aを表記した単一の内リール740を並設することに止めているので、1個分の内リール740を並設する最小のスペースで済む。その結果、限られたスペースでこれら2系統の変動表示を実現することができる。
【0305】
また、内リール740は、第3図柄表示装置42の表示画面に表示される主装飾図柄SZと少なくとも同程度の大きさでリール図柄741aが表記されているので、第3図柄表示装置42による変動表示画像における主装飾図柄SZと、実体物である内リール740によるリール図柄741aと、が揃うのか否かについての変動表示を見易く提供することができる。
【0306】
また、第3図柄表示装置42は、第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止された主装飾図柄SZと、リールユニット600におけるリール図柄741aとによる表示を行う場合において、その表示画面に変動停止された主装飾図柄SZのうちで当たり表示になるか否かに関係する例えば「1」の主装飾図柄SZ(
図35(a)参照)が、「0」、「2」~「9」の主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZよりもを相対的に目立つように表示する強調表示を、第3図柄表示装置42の変動表示画像のみによる表示の場合における強調表示と異ならせているので、変動表示画像のみによる表示の場合と、識別情報が変動停止された変動表示画像と内リール740のリール図柄741aとによる表示の場合とで区別して、当たり表示になるか否かに関係する主装飾図柄SZを遊技者に提供することができる。
【0307】
そして、前記の画像と実体物とによる表示の場合には、第3図柄表示装置42の表示画面に当たり表示になるか否かに関係する主装飾図柄SZが目立つように表示されているので、この目立つように表示された主装飾図柄SZと外観が同一である内リール740のリール図柄741aに注目すれば良いことが分かり、リールユニット600において注目すべき「1」のリール図柄741aを遊技者に分かり易く示唆することができ、当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZの並び方向の延長線である新たなリーチラインNL2,NL5上に位置するリール表示窓410の変動停止箇所に、内リール740の注目すべき「1」のリール図柄741aが変動停止するか否かに注目させることができる。その結果、第3図柄表示装置42において外れ結果となった変動表示画像の一部と、実体物である内リール740によるリール図柄741aの変動表示とで、新たに当たり表示になるか否かの変動表示を遊技者に分かり易く提供することができる。
【0308】
なお、この実施例5では、「当たり表示になるか否かに関係する主装飾図柄SZを相対的に目立つように表示する」としては、第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止された主装飾図柄SZのうちで当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZ以外の識別情報(「0」、「2」~「9」の主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZ)を、希薄表示しているが、消去表示してもよい。また、この実施例5では、変動表示画像のみによる表示の場合における当たり表示になるか否かに関係する「1」の主装飾図柄SZを第1輝度で表示し、主装飾図柄SZが変動停止された変動表示画像と内リール740のリール図柄741aとによる表示の場合における当たり表示になるか否かに関係する主装飾図柄SZを第1輝度よりも高い第2輝度で表示しているが、輝度に替えてあるいは輝度と共に点滅間隔を速めたりなどすることで、これらの強調表示を異ならせて表示提供してもよい。
【0309】
また、
図36に示すように、第3図柄表示装置42の表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する例えば「1」の主装飾図柄SZの並び方向の延長線である新たなリーチラインNL2,NL5上に位置するリール表示窓410の変動停止箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所を発光させないようにしてもよい。
【0310】
ここで、この新たなリーチラインNL2,NL5上に位置するリール表示窓410の変動停止箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所を発光させない表示態様について、
図36を用いて以下に説明する。
【0311】
図36(a)~(c)は、新たなリーチラインNL2,NL5上に位置するリール表示窓410の変動停止箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所を発光させないようにしたことを説明するための図である。
【0312】
この実施例5において
図34に示すように第3図柄表示装置42にリーチ外れが表示された後に、
図36(a)に示すように、遊技者に注目させるべきリール表示窓410の変動停止箇所としての、リール表示窓410を上下方向に三等分した場合の中箇所及び下側箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所としての、リール表示窓410を上下方向に三等分した場合の上側箇所を発光させない。
【0313】
続いて、
図36(b)に示すように、内リール740の変動が停止し、新たなリーチラインNL5上において第3図柄表示装置42の「1」の主装飾図柄SZと内リール740の「1」のリール図柄741aとが揃っている。
【0314】
そして、最終的に
図36(c)に示すように、リール表示窓410における新たなリーチラインNL5上の箇所、つまり、リール表示窓410を上下方向に三等分した場合の下側箇所のみを発光させ、新たなリーチラインNL5上において第3図柄表示装置42の「1」の主装飾図柄SZと内リール740の「1」のリール図柄741aとが揃っていることを強調表示している。
【0315】
この
図36に示した場合には、第3図柄表示装置42から内リール740に亘って新たに形成されるリーチ成立ラインNL2,NL5を遊技者に示唆することができ、リール表示窓410内において注目すべき変動停止箇所(リール表示窓410を上下方向に三等分した場合の中箇所及び下側箇所)が発光しているので、かかる箇所を遊技者に分かり易く示唆することができる。その結果、第3図柄表示装置42の変動表示画像から実体物である内リール740に亘って新たに形成されるリーチ成立ラインNL2,NL5と、リール表示窓410内において注目すべき変動停止箇所リール表示窓410を上下方向に三等分した場合の中箇所及び下側箇所とを、遊技者に分かり易く提供することができる。
【実施例0316】
実施例6のパチンコ機10について、
図37及び
図38を用いて説明する。
【0317】
図37は、実施例6のリール面発光装置750をリール内制御基板770の内面箇所に取り付けた状態を示す斜視図である。
図38は、実施例6のセンターフレーム47の横断面図である。
【0318】
前述の実施例1では、リール面発光装置750が導光レンズ751を備えているが、この実施例6では、導光レンズ751を備えていない点が、前述の実施例1とは異なっている。
【0319】
実施例6のパチンコ機10は、
図8に示すように、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する
図10に示した複数列L,M,Rの第3図柄(主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZ)の変動表示画像を表示画面に表示する第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42の正面視において当該第3図柄表示装置42と並んで位置するリール表示窓410に対して、リール図柄741aが固定的に配設された光透過性を有する内リール740を駆動することで、当該リール表示窓410内でリール図柄741aを変動表示するリールユニット600と、を備えている。この点は前述の実施例1と同様である。
【0320】
リールユニット600のリール面発光装置750は、
図37に示すように、支持部材752の上部箇所753、中部箇所754及び下部箇所755のそれぞれに形成された開口部759に、LED実装基板760の各LED761が位置するように構成されている。そして、この各LED761からの光は、
図38に破線矢印で示すように、内リール740におけるリール表示窓410内に位置する箇所の裏面側に対して照射される。
【0321】
さらに、実施例6のパチンコ機10は、
図37及び
図38に示すように、第3図柄表示装置42の正面視において、リールユニット600における第3図柄表示装置42の表示画面から遠い方に位置する右側板606(
図17参照)に取り付けられたリール内制御基板770の所定箇所(例えば、リール面発光装置750が位置する箇所であって支持部材752の内側を臨む箇所)に設けられ、このリール内制御基板770における支持部材752の内側を臨む箇所から内リール740の裏面側に対して光を斜めに照射するLED773を備えている。
【0322】
具体的には、リール内制御基板770は、
図37に示すように、リール面発光装置750が位置する箇所であって支持部材752の内側を臨む箇所において、例えば6個のLED773が当該リール面発光装置750の右側面に沿うように間隔を空けて実装されている。詳述すれば、上部側の2個のLED773は、支持部材752の上部箇所753に対応して設けられ、中部側の2個のLED773は、支持部材752の中部箇所754に対応して設けられ、下部側の2個のLED773は、支持部材752の下部箇所755に対応して設けられている。
【0323】
リール内制御基板770のLED773から出射される光は、
図38に二点鎖線矢印で示すように、内リール740におけるリール表示窓410内に位置する箇所の裏面側に対して斜めに照射される。具体的には、LED773は、その照射強度の一番強い方向が内リール740におけるリール表示窓410内に位置する箇所の裏面側に対して斜めに向けられて照射するように配置されている。
【0324】
また、
図38に示すように、リール表示窓410は、第3図柄表示装置42の平面視において、当該第3図柄表示装置42の表示画面の位置P1よりも手前側に位置している。
【0325】
また、リールユニット600は、
図38に示すように、第3図柄表示装置42の平面視において、第3図柄表示装置42の表示画面に近い側に左側板605を備えている。この左側板605は、第3図柄表示装置42の表示画面の位置P1からリール表示窓410までの突出長さを少なくとも有するものであり、当該リールユニット600の奥行き長さとしている。
【0326】
そして、この左側板605は、前述した実施例1と同様に、金属製で有色(例えば銀色)の板部材としているので、可視光を遮光する。つまり、第3図柄表示装置42の表示画面からの光は、リールユニット600の左側板605を透過できないことから、左側板605を透過してリールユニット600の内部に進入するようなことは無い。また、リールユニット600の内部のLED761及びLED773からの光も、当該リールユニット600の左側板605を透過できないことから、左側板605を透過してリールユニット600の外部に進出することも無い。
【0327】
リールユニット600は、
図17及び
図38に示すように、二重リール構造であって、外側に位置する円筒形状の外リール720と、当該外リール720の内側に位置し、複数のリール図柄741aが配列された光透過性を有する円筒形状の内リール720とを備えている。
【0328】
図38に示すように、リールユニット600は、正面視において、第3図柄表示装置42の表示画面に近い側の左側板605に外リール用ステップモータ710を備え、第3図柄表示装置42の表示画面から遠い側の右側板606に内リール用ステップモータ730を備えている。
【0329】
前述した実施例1と同様に、外リール720は、
図38に示すように、円筒部721の円筒中心箇所に位置して外リール用ステップモータ710の回転部711(
図17参照)に取り付けられる中央当接部723と、この中央当接部723と円筒部721における第3図柄表示装置42に近い側の開口箇所とを連結するスポーク部722とを備えている。また、内リール740は、
図38に示すように、内リール用フィルム741の円筒中心箇所に位置して内リール用ステップモータ730の回転部731(
図17参照)に取り付けられる中央当接部743aと、この中央当接部743aと内リール用フィルム741における第3図柄表示装置42にに近い側の開口箇所とを連結するスポーク部743とを備えている。
【0330】
なお、内リール740は、円筒形状のリール部材であってその外周面箇所を見た状態でリール図柄741aが視認可能に固定的に配設されたものである。具体的には、内リール740の外周面である内リール用フィルム741の外側面にリール図柄741aが印刷されているが、外周面箇所を見た状態でリール図柄741aが視認できるのであれば、内リール740の内周面である内リール用フィルム741の内側面にリール図柄741aを印刷してもよい。
【0331】
また、上述した第3図柄表示装置42が画像表示手段に相当し、上述したリール表示窓410が視認部に相当し、上述した内リール740が表示部材に相当し、リールユニット600が図柄変動表示手段に相当し、上述した右側板606が後述する壁に相当し、上述したリール内制御基板770のLED773が後述する斜光照射手段に相当し、上述した左側板605が後述する遮光壁部に相当する。
【0332】
また、上述した外リール720が後述する外リール部材に相当し、上述した内リール740が後述する内リール部材に相当し、上述した外リール用ステップモータ710が後述する第1モータに相当し、上述した内リール用ステップモータが後述する第2モータに相当し、上述した外リール用ステップモータ710の回転部711が後述する第1モータの回動部に相当し、上述した内リール用ステップモータ730の回転部731が後述する第2モータの回動部に相当し、上述した中央当接部723が後述する外リール部材の回転中心部に相当し、上述した中央当接部743aが後述する内リール部材の回転中心部に相当し、上述したスポーク部722が後述する外リール部材の連結部に相当し、上述したスポーク部743が後述する内リール部材の連結部に相当する。
【0333】
上述したように、本実施例6のパチンコ機10によれば、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する
図10に示す複数列L,M,Rの第3図柄(主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZ)の変動表示画像を表示画面に表示する第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42の正面視において当該第3図柄表示装置42の表示画面と並んで位置するリール表示窓410に対して、リール図柄741aが固定的に配設された光透過性を有する内リール740を駆動することで、当該リール表示窓410内でリール図柄741aを変動表示するリールユニット600と、第3図柄表示装置42の正面視においてリールユニット600における第3図柄表示装置42から遠い方の右側板606に取り付けられたリール内制御基板770の所定箇所(例えば、リール面発光装置750が位置する箇所であって支持部材752の内側を臨む箇所)に設けられ、このリール内制御基板770における支持部材752の内側を臨む箇所から内リール740の裏面側に対して光を斜めに照射するLED773と、を備えている。
【0334】
したがって、リールユニット600は、第3図柄表示装置42の表示画面と並ぶリール表示窓410に対して内リール740を駆動することで、リール表示窓410内でリール図柄741aを変動表示する。LED773は、第3図柄表示装置42の表示画面の正面視において、当該表示画面と並ぶリールユニット600における当該表示画面から遠い方の右側板606に取り付けられたリール内制御基板770の所定箇所(例えば、リール面発光装置750が位置する箇所であって支持部材752の内側を臨む箇所)に設けられ、このリール内制御基板770における支持部材752の内側を臨む箇所から内リール740の裏面側に対して光を斜めに照射するので、この内リール740を斜めに透過した光(
図38に二点鎖線矢印を参照)が、第3図柄表示装置42の表示画面の前方箇所に向かう。つまり、当該前方箇所に居る遊技者に向かう。よって、遊技者の視線が第3図柄表示装置42の表示画面に向いているときにリールユニット600において内リール740面の発光演出がされたとしても、この内リール740面を斜めに透過した光が遊技者の方に向けて出射される、つまり、この出射光が第3図柄表示装置42の表示画面からの光とは異なり斜め方向から差し込まれる光であるので、遊技者は自己に向けられた内リール740面からの出射光を感知し易くなり、内リール740の発光演出に気付き易くできる。また、内リール740面を遊技者に対向させるようにリールユニット600を斜め配置に変更しなくてもよいため、斜め配置に起因する第3図柄表示装置42とリールユニット600との間などにデッドスペースが生じる問題や、遊技機の正面視でリールユニット600の占有幅が前記斜め配置にした分だけ大型化する問題を招かない。
【0335】
また、リール表示窓410は、第3図柄表示装置42の表示画面の正面視において当該表示画面の位置P1よりも手前側に位置しているので、リール表示窓410が表示画面よりも手前位置にあるとの前後位置関係の違いと、表示画面よりも近い位置にある内リール740からの光が遊技者に対して斜め方向から差し込まれる光であることから、内リール740を斜めに透過した光を表示画面からの光とは区別して遊技者に感知させ易くできる。また、リール表示窓410内で発光する内リール740面を表示画面の位置P1よりも遊技者に近い位置とした分だけ、内リール740を斜めに透過した光が遊技者に到達するまでの減衰量(伝搬損失)を抑えることができ、LED(発光ダイオード)などを光源として採用することができる。
【0336】
また、第3図柄表示装置42の正面視において、リールユニット600における第3図柄表示装置42に近い側に位置する左側板605によって、第3図柄表示装置42の表示画面とリールユニット600とを仕切ることができ、第3図柄表示装置42の表示画面からの光がリールユニット600の内部に差し込むことや、リールユニット600からの光が第3図柄表示装置42の表示画面に向かうことを低減できる。その結果、正面視で第3図柄表示装置42の表示画面と並設するリール表示窓410が当該表示画面よりも手前側に位置する構成において、第3図柄表示装置42の表示画面とリールユニット600との光の相互干渉を低減でき、第3図柄表示装置42の表示画面による変動表示画像と、リール表示窓410内のリール図柄741aの変動とを相互干渉無く遊技者に提供することができる。
【0337】
また、内リール740は、その外周面箇所を見た状態でリール図柄741aが視認可能に固定的に配設された円筒形状であり、その中央当接部743aがスポーク部743によって第3図柄表示装置42に近い側の内リール用フィルム741の開口箇所に連結された構成としているので、内リール740における第3図柄表示装置42から遠い側に開口を確保することができる。よって、リールユニット600における第3図柄表示装置42から遠い方に位置する右側板606(
図17参照)に取り付けられたリール内制御基板770の所定箇所(例えば、リール面発光装置750が位置する箇所であって支持部材752の内側を臨む箇所)に設けられたLED773からの光を、内リール740の当該遠い側の開口を介して、リール表示窓410に位置する内リール740における内周面箇所に対して斜めに照射することができ、内リール740の内周面箇所に照射される斜光が、内リール740の回動する際に何らかの部材等で遮られたり邪魔されることがなく、安定して内リール740の内周面箇所に対して照射することができ、内リール740を斜めに透過させた光を遊技者の方に向けて好適に出射することができる。
【0338】
また、二重リール構造を構成する外リール720及び内リール740は、それぞれ円筒形状であり、その中央当接部723,743aがスポーク部722,743によって第3図柄表示装置42に近い側の開口箇所にそれぞれ連結された構成としているので、外リール720及び内リール740における第3図柄表示装置42から遠い側に開口をそれぞれ確保することができる。よって、リールユニット600における第3図柄表示装置42から遠い方に位置する右側板606(
図17参照)に取り付けられたリール内制御基板770に設けられたLED773からの光を、外リール720及び内リール740の当該遠い側の開口を介して、リール表示窓410に位置する内リール740における内周面箇所に対して斜めに照射することができ、内リール740の内周面箇所に照射される斜光が、外リール720及び内リール740の回動する際に何らかの部材等で遮られたり邪魔されることがなく、安定して内リール740の内周面箇所に対して照射することができ、外リール720及び内リール740を斜めに透過させた光を遊技者の方に向けて好適に出射することができる。
【0339】
また、リールユニット600における第3図柄表示装置42に近い側の左側板605に外リール用ステップモータ710を備え、第3図柄表示装置42から遠い側の右側板606に内リール用ステップモータ730を備えているので、外リール用ステップモータ710及び内リール用ステップモータ730を対向配置することができ、リールユニット600の重量バランスを良くすることができる。
【0340】
なお、
図39に示すように、リールユニット600は、支持部材752に導光レンズ751Bを備えた構成としてもよい。この導光レンズ751Bは、内リール740の裏面側に対向する対向面751bと、内リール740の裏面側に対して光を斜めに照射する傾斜面751cとを備えている。このような傾斜面751cを備えた構成によっても、内リール740の裏面側に対して光を斜めに照射することができ。つまり、この
図39に二点鎖線矢印で示す出射光が、第3図柄表示装置42の表示画面からの光とは異なり斜め方向から差し込まれる光であるので、遊技者は自己に向けられた内リール740面からの出射光を感知し易くなり、内リール740の発光演出に気付き易くできる。
【0341】
また、傾斜面751cに替えて円弧面を採用してもよい。この場合には、対向面751bと傾斜面751cとの境界をぼかすことができる。
【0342】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
【0343】
<1>上述した実施例1では、
図17に示すように内リール740の内部に位置するリール面発光装置750に導光レンズ751を採用しているが、
図40(a)に示すように、例えば内リール740の裏面箇所のうちで特定図柄862が対応する箇所にレンズ部品860(例えば集光レンズ)を配設し、特定図柄862の背後箇所がLED761に正対していない状態においてもLED761からの光が入射するようにしてもよい。
図40(a)において、内リール740の前面側に沿って示した4個の破線箇所は、リール図柄741aが表示されている箇所を示すものであり、これらのリール図柄741aのうちで特定図柄862について符号を付している。
図40(a)に示すように、リールユニット600の側面視において、上下方向に並ぶLED761の間に特定図柄862が位置する状態においても、このレンズ部品860によって集光でき、内リール740の特定図柄862がリール表示窓410を変動する過程において当該特定図柄862を一様に発光させることができる。
【0344】
また、
図40(b)に示すように、内リール740の背面に、当該背面に沿った大きさである環状の導光レンズ864を配設してもよい。
図40(b)において、内リール740の前面側に沿って示した4個の破線箇所は、リール図柄741aが表示されている箇所を示すものである。LED761からの光が環状の導光レンズ864に入射され、当該導光レンズ864の内部で光が拡散して、内リール740においてリール表示窓410に位置する箇所に向けて少なくとも光が出射される。よって、内リール740の各リール図柄741aがリール表示窓410を変動する過程において、各リール図柄741aを一様に発光させることができる。
【0345】
また、
図41に示すように、内リール740の裏面箇所のうちで特定図柄862が対応する箇所に対してLED761が正対を維持するように、LED実装基板760を追従させる構成を採用してもよい。
図41(a)に示すように、内リール740の裏面箇所のうちで特定図柄862が対応する箇所に対してLED761が正対している。そして、
図41(b)に示すように内リール740が回転すると、内リール740の特定図柄862に追従するようにLED実装基板760も移動している。この場合にも、内リール740の特定図柄862がリール表示窓410を変動する過程において、この特定図柄862を一様に発光させることができる。なお、内リール740の特定図柄862が再びリール表示窓410に戻ってくるまでに、LED761を一旦消灯した状態にして
図41(a)に示す状態に戻しておき、再び特定図柄862がリール表示窓410に変動表示されることに追従してLED実装基板760を追動させることが挙げられる。
【0346】
<2>上述した各実施例では、二重リール部700を採用しているが、リール面の図柄を変動表示する単一のリールや、セグメント表示を行う単一のリールを採用してもよい。
【0347】
<3>上述した実施例3では、
図26(c)及び(d)に示すように、リール表示窓410A内に外リール720の遮光領域部726を位置させて、リール表示窓410A内の中央セグメント727と、縦向きのリール用セグメント440と、横向きのリール用セグメント450とによるセグメント表示について説明しているが、リール面発光装置750による光照射を停止してリール表示窓410A内を暗くし、リールユニット600Aの周囲のセグメント440,450のみよるセグメント発光表示を行うようにしてもよい。
【0348】
この場合には、通常時において、各リールユニット600Aは、リール表示窓410A内に位置する外リール720及び内リール740の領域部分に対してその裏面側からリール面発光装置750からの光が照射されるので、外リール720及び内リール740のリール表示窓410Aに位置する図柄が発光し、各リールユニット600Aによる図柄の変動表示に遊技者を注視させることができる。
【0349】
これに対して、セグメント発光表示時においては、リール面発光装置750による光照射を停止して、リール表示窓部410A内を暗くし、
図26(c)及び(d)に示すように、各リールセグメント表示部800の隣接間隔が広くなるように左側のリールユニット600A及び右側のリールユニット600Aが中央のリールユニット600Aから離れた位置(離れ位置)にスライド移動させ、各リールユニット600Aの縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450によるセグメント表示を遊技者に注視させることができる。例えば、縦向きのリール用セグメント440及び横向きのリール用セグメント450の全てが点灯すると当たりとし、その少なくとも一部が消灯であった場合に外れとするセグメント発光表示が挙げられる。さらに、各リールユニット600Aにおける並び方向に隣接する縦向きのリール用セグメント440を当該並び方向に離すことで、各リールユニット600Aの縦向きのリール用セグメント440がリールユニット600A毎に区別し易くなる。
【0350】
<4>上述した各実施例では、7セグメント表示を採用しているが、14セグメント表示やドットマトリクス表示を採用してもよい。
【0351】
<5>上述した実施例1では、内リール740のリール図柄741a以外の全部である背景部741bが透明であるとしているが、内リール740のリール図柄741a以外の一部が透明であるとしてもよい。
【0352】
<6>上述した実施例5では、第3図柄表示装置42は、
図34に示すように、複数列(左装飾図柄列L、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列R)の第3図柄(主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZ)の変動方向が同一(例えば下向きで同一)としているが、例えば第1ケースとして、複数列の第3図柄の変動方向が同一でない(第3図柄の変動方向が列によって異なる)場合や、第2ケースとして、所定の変動表示の際には第1の変動表示態様(例えば、識別情報が大きく表示されて自転する変動表示など)であり、特定の変動表示の際には、第1の変動表示態様とは異なる第2の変動表示態様(複数列の識別情報が所定の変動方向に変動する変動表示)となる場合においても、画像(第3図柄表示装置42による主装飾図柄SZの変動表示画像)と、実体物(内リール740によるリール図柄741aの変動表示)とを用いた変動演出を行うことができる。
【0353】
第1ケースの場合には、リール表示窓410は、第3図柄表示装置42の表示画面における複数列の識別情報による当該列分の変動領域のうちで特定の変動領域の隣に位置し、この特定の変動領域の変動方向長さと同程度の大きさとすることで、画像(第3図柄表示装置42による主装飾図柄SZの変動表示画像)と、実体物(内リール740によるリール図柄741aの変動表示)とを用いた変動演出を行うことができる。
【0354】
第2ケースの場合には、所定の変動表示(例えば、ドラムリーチ演出無しのリーチ変動表示)の際には、第3図柄表示装置42の表示画面に、第1の変動表示態様(例えば、複数個(例えば3個)の第3図柄のみが大きく表示されて、それらが自転する変動表示など)を表示し、特定の変動表示(例えば、ドラムリーチ演出有りのスーパーリーチ変動表示)の際には、前記の第1の変動表示態様とは異なる第2の変動表示態様(複数列(例えば3列)の第3図柄が所定の変動方向(例えば上から下への変動方向)に変動する変動表示)となる場合においても、リール表示窓410は、第3図柄表示装置42の表示画面における3列の変動領域のうちで特定の変動領域(例えば向かって右端列の変動領域)の隣に位置し、この特定の変動領域の変動方向長さと同程度の大きさとすることで、画像(第3図柄表示装置42による主装飾図柄SZの変動表示画像)と、実体物(内リール740によるリール図柄741aの変動表示)とを用いた変動演出を行うことができる。
【0355】
<7>上述した実施例5では、内リール740には、第3図柄表示装置42の表示画面に表示される主装飾図柄SZと外観が同一であるリール図柄741aを固定的に配設しているが、主装飾図柄SZと外観が異なっていてもその内容が同一である(同じ数字を示す点で同一であるもの等が挙げられる)リール図柄741aを固定的に配設するようにしてもよい。
【0356】
<8>上述した各実施例では、各実施例に係るリールユニット600,600A,600Bをパチンコ機に採用した場合について説明しているが、スロットマシンなど他の種類の遊技機に採用するようにしてもよい。
【0357】
例えば、本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0358】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0359】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0360】
<第1課題>
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンがある。このスロットマシンは、例えば、透明な視認部(例えば視認窓)が一部に形成された前扉と、この前扉により前側開口部が閉じられる筐体と、この筐体内に横並びに設けられた、外形が略円筒形状で当該外周表面に周方向に各図柄が順番に表示された3個のリールと、この3個のリールを円筒中心を回動軸としてそれぞれ回動させる各回動機構とを備え、視認窓に位置する各リールの面部分が当該視認窓を介して遊技者に視認可能としたものである。また、リールは、その内側で且つ視認窓に近い箇所に、当該リール背面に向けて光を照射するバックライト用LED(発光ダイオード)を備えており、回動停止したリールにおける視認窓に位置する停止図柄が明るく表示される(例えば、特許文献:特開2010-162152号公報(第4-11頁,第1-6図)参照)。
【0361】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のスロットマシンでは、例えば、回動停止した表示部材(例えばリール)における視認窓に位置する表示部(例えば図柄)を明るく表示することで停止図柄が見易く発光表示されているが、例えば回動停止前の低速回動状態におけるリールの図柄がそのリール回動位置によって輝度が異なって表示される。つまり、低速回動するリールの図柄が、バックライト用LEDに相対する位置にあるときは明るく表示され、当該相対する位置から外れた位置にあるときは暗く表示される。よって、視認窓の範囲内で移動する図柄の発光ムラがあるため、回動状態のリールにおける図柄表示が見にくいという問題がある。
【0362】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、駆動される表示部材の視認部内を変動する表示部を見易く表示できる遊技機を提供することを目的とする。
【0363】
(A1) 複数の表示部が配列された光透過性を有する表示部材と、
前記複数の表示部のうちの少なくとも一つの表示部が視認可能に前記表示部材の前方位置に配設された視認部と、
前記視認部を介して前記複数の表示部が所定順に変動表示されるように前記表示部材を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段によって駆動される前記表示部材における前記視認部内を変動する前記表示部の裏面側に対して光を照射することを当該変動過程にわたって行う照射手段と、
前記視認部内における前記表示部の各変動位置に当該表示部がそれぞれ位置するときのこれらの各変動位置についての当該表示部への光照射強度の差を低減するように変更する変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0364】
前記(A1)に記載の発明によれば、照射手段は、駆動手段によって駆動される表示部材における視認部内を変動する表示部の裏面側に対して光を照射することを当該変動過程にわたって行う。変更手段は、視認部内における表示部の各変動位置に当該表示部がそれぞれ位置するときのこれらの各変動位置についての当該表示部への光照射強度の差を低減するように変更するので、視認部内を変動する表示部をその変動過程において、発光ムラを低減して発光させたり、一様に発光させたりすることができる。よって、駆動される表示部材の視認部内を変動する表示部を見易く表示できる遊技機を提供することができる。
【0365】
前記各変動位置とは、視認部内において表示部が最終停止表示される最終停止位置と、視認部内における最終停止位置以外の各位置とを含む。詳述すれば、視認部内の最終停止位置と、最終停止位置に至るまでの視認部内における各位置や、当該最終停止位置を過ぎて視認部外に至るまでの視認部内における各位置を含む。例えば、前記各変動位置としては、視認部内に3個の表示部が最終停止表示される場合において、この3個の表示部が最終停止表示される視認部内における上部最終停止位置、中部最終停止位置及び下部最終停止位置と、これらの上部、中部及び下部最終停止位置の間の各位置を含む。
【0366】
なお、前記変更手段としては、前記視認部内の所定位置に前記表示部が位置するときの当該表示部への光照射強度に、当該視認部内の前記所定位置以外の各位置に当該表示部がそれぞれ位置するときの当該表示部への光照射強度を近づけるように変更する構成や、視認部内の所定位置と当該所定位置以外の各位置とに当該表示部がそれぞれ位置するときのこれらの位置についての当該表示部への光照射強度を同一とする構成等が挙げられる。
【0367】
具体的には、前記変更手段としては、前記駆動手段によって駆動される前記表示部材における前記視認部内に対して一様に光を照射する構成や、前記駆動手段によって駆動される前記表示部材における前記視認部内を変動する前記表示部に追従して光を照射する構成などが挙げられる。
【0368】
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記照射手段からの入射光が透過して前記表示部材の裏面側に出射するものであって、入射面、出射面またはそれらの間の透過面の少なくとも一つが所定の色であり、前記視認部に対応した大きさである色表示部材を備え、
前記表示部材の前記表示部以外の少なくとも一部が透明である
ことを特徴とする遊技機。
【0369】
前記(A2)に記載の発明によれば、色表示部材は、照射手段からの入射光が透過可能で、入射面、出射面またはそれらの間の透過面の少なくとも一つが所定の色としているので、表示部材の裏面側の照射手段を直視できないように隠すことができる。また、色表示部材が視認部に対応した大きさとしているので、必要最小限の範囲である視認部の範囲に対応した色表示部材に対して所定の色を施すだけでよく、表示部材における視認部内の範囲に対して当該色の光を出射することができる。また、表示部材の表示部以外の少なくとも一部が透明であるので、その透明領域箇所について所定の地色(背景色)を施す必要が無い。また、表示部材の表示部以外の全部を透明とした場合には、表示部材の表示部以外の全体にわたって所定の地色(背景色)を施す工程を排除できる。また、駆動される表示部材の視認部内を変動する表示部に対して当該色の光を一様に出射することができる。また、表示部材における各表示部間に色表示区間(光源が直視されないように隠すためのもの)を設ける必要がないので、表示部材における表示部間の隙間を低減できる。
【0370】
(A3) 前記(A1)または(A2)に記載の遊技機において、
前記視認部を正面視した状態で当該視認部の周囲所定箇所、または、前記視認部を正面視した状態で前記表示部材における当該視認部内に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部と、
前記複数の表示部のうちの特定の表示部であって前記視認部内で変動されて変動停止する特定表示部と、前記発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示するように制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0371】
前記(A3)に記載の発明によれば、視認部内で変動する特定表示部をその変動過程において、発光ムラを低減して発光させたり、一様に発光させたりすることができるので、視認部内で変動する特定表示部と、視認部の周囲所定箇所の発光部または表示部材における視認部内に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部との組み合わせにより所定の記号情報の形成表示についての誤認を低減することができる。この「記号情報」とは、遊技に関する内容や事情等の遊技者への知らせであって、一定の内容を表すために用いられる文字、数字、符号、標章などが挙げられる。
【0372】
また、視認部内で変動する特定表示部と、表示部材における視認部内に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部との組み合わせにより所定の記号情報の形成表示を行う構成の場合については、視認部を正面視した状態で当該視認部内に位置する表示部材の領域内に、特定表示部と発光部とが収められているので、表示部材の領域を拡張することなく維持しつつ、特定表示部と発光部とによる変動表示を行うことができる。
【0373】
なお、上述した特定表示部と発光部との組み合わせにより所定の記号情報の形成表示としては、例えば、複数セグメント表示(例えば7セグメント表示)や、ドットマトリクス表示などが挙げられる。
【0374】
(A4) 前記(A3)に記載の遊技機において、
前記表示部材は、前記視認部を正面視した状態で手前側に位置する前側表示部材と、前記前側表示部材の裏面側に位置する後側表示部材とを備え、
前記後側表示部材は、前記複数の表示部が配列され、
前記前側表示部材は、前記後側表示部材に設けられた前記表示部が視認可能な透明領域部と、前記後側表示部材に設けられた前記表示部が視認不可能な遮光領域部と、前記遮光領域部に囲まれた光透過性を有する前記特定表示部とを備え、
前記駆動手段は、前記前側表示部材を駆動する第1駆動手段と、前記後側表示部材を駆動する第2駆動手段とを備え、
前記制御手段は、前記後側表示部材の前記複数の表示部の変動表示を視認させる場合に前記視認部に前記透明領域部が位置するように前記前側表示部材を駆動制御するとともに前記後側表示部材を駆動制御し、前記特定表示部の変動表示を視認させる場合に前記視認部に前記遮光領域部が位置するように前記前側表示部材を駆動制御するとともに、前記発光部を発光制御する
ことを特徴とする遊技機。
【0375】
前記(A4)に記載の発明によれば、視認部に前側表示部材の透明領域部を位置させて後側表示部材を駆動することで、透明領域部を介して後側表示部材による表示部の変動表示を行うことができる。また、視認部に前側表示部材の遮光領域部を位置させるとともに発光部を発光制御することで、後側表示部材の表示部を前側表示部材の遮光領域部で隠すことができ、前側表示部材による遮光領域部の特定表示部とこの遮光領域部の周囲所定箇所に位置する発光部とによる変動表示を見易く表示することができる。
【0376】
(A5) 前記(A4)に記載の遊技機において、
前記後側表示部材における前記複数の表示部のうち所定の表示部は、少なくともその一部が他の表示部の何れの箇所に比べても光透過率が高い明光表示部であり、
前記制御手段は、前記前側表示部材における前記遮光領域部における前記特定表示部の裏面側に、前記明光表示部が位置するように前記後側表示部材を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
【0377】
前記(A5)に記載の発明によれば、後側表示部材における複数の表示部のうち所定の明光表示部は、少なくともその一部が他の表示部の何れの箇所に比べても光透過率が高いので、他の表示部よりも明るく表示できる。よって、視認部に前側表示部材の透明領域部が位置し、後側表示部材の複数の表示部の変動表示を視認させる場合において、遊技者が停止用操作手段を操作して後側表示部材の駆動停止を行う際に、目押し操作に役立てることができる。
【0378】
また、視認部に前側表示部材の遮光領域部が位置し、この遮光領域部の一部である特定表示部の変動表示を視認させる場合において、前側表示部材における遮光領域部における特定表示部の裏面側に明光表示部が位置するので、特定表示部の裏面側に明光表示部以外の表示部が位置する場合よりも明るく特定表示部を表示することができる。
【0379】
(A6) 前記(A3)から(A5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記発光部は、前記周囲所定箇所または前記周縁所定箇所に、前記表示部材の周囲または周辺に沿って配設された複数の光源を備え、
前記照射手段は、前記視認部を正面視した状態において前記特定表示部内でその長さ方向に沿って配設された複数の光源を備え、
前記発光部及び前記照射手段における前記複数の光源について、点灯、消灯または点滅する光源が、前記発光部及び前記特定表示部によって形成される梯子状経路をその複数の出発端の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端の一に移動していくように所定の順番に点灯、消灯または点滅させる制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
【0380】
前記(A6)に記載の発明によれば、視認部を正面視した状態において、表示部材の周囲所定箇所または周縁所定箇所に配設された複数の光源と、特定表示部内に沿って配設された複数の光源とについて、点灯、消灯または点滅する光源が、発光部及び特定表示部によって形成される梯子状経路をその複数の出発端の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端の一に移動していくように所定の順番に点灯、消灯または点滅させるので、点灯、消灯または点滅する光源が発光部及び特定表示部によって形成される梯子状経路をあみだくじの如く移動するような表示態様を提供することができる。
【0381】
(A7) 前記(A1)から(A6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0382】
前記(A7)に記載の遊技機によれば、駆動される表示部材の視認部内を変動する表示部を見易く表示できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0383】
(A8) 前記(A1)から(A6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0384】
前記(A8)に記載の遊技機によれば、駆動される表示部材の視認部内を変動する表示部を見易く表示できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0385】
<第2課題>
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンがある。このスロットマシンは、例えば、透明な視認部(例えば視認窓)が一部に形成された前扉と、この前扉により前側開口部が閉じられる筐体と、この筐体内に横並びに設けられた、外形が略円筒形状で当該外周表面に周方向に各図柄が順番に表示された3個のリールと、この3個のリールを円筒中心を回動軸としてそれぞれ回動させる各回動機構とを備え、視認窓に位置する各リールの面部分が当該視認窓を介して遊技者に視認可能としたものである(例えば、特許文献:特開2010-162152号公報(第4-10頁,第1-4図)参照)。
【0386】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のスロットマシンは、例えば、各リールを回動することで図柄変動を行うものであるが、遊技の興趣性をさらに向上させるべく、視認窓を正面視した状態でリールの周囲箇所(例えば、上下左右の合計4箇所)に区分発光部(例えばセグメント)をそれぞれ配置することで構成される発光表示部(例えばセグメント表示部)を、リール毎に備える構成とする場合において、隣接するリール間に位置するセグメント同士が近接しているため、リール並び方向(横並び方向)に隣接する両セグメントが単一のセグメントに誤認されたり、各セグメント表示部を区別できなかったりするという新規な課題が想定される。つまり、各発光表示部(各セグメント表示部)による区分発光部の表示(セグメント表示)が見にくいという問題がある。
【0387】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、各発光表示部による区分発光部の表示が見易い遊技機を提供することを目的とする。
【0388】
(B1) 複数の表示部を配列した表示部材が所定方向に複数並設された表示手段と、
前記表示手段における各表示部材の一部が視認可能に配設された視認部と、
前記視認部を介して前記複数の表示部が所定順に変動表示されるように前記各表示部材をそれぞれ駆動する駆動手段と、
前記視認部を正面視した状態で前記各表示部材についての当該視認部内に位置する各領域部分の周囲箇所または周縁箇所のうちで少なくとも当該表示部材が隣接する箇所にそれぞれ区分発光部を配設することで構成される、当該表示部材毎の各発光表示部と、
前記各発光表示部によって所定の発光表示を行う場合に、前記各発光表示部の隣接間隔が広くなるようにまたは当該各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更するように、所定の前記表示部材を変位駆動する変位駆動手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0389】
前記(B1)に記載の発明によれば、視認部内には、並設された各表示部材の各領域部分と、その各領域部分の周囲に区分発光部を配設することで構成される各発光表示部とが視認可能に位置している。変位駆動手段は、各発光表示部によって所定の発光表示を行う場合に、各発光表示部の隣接間隔が広くなるようにまたは当該各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更するように、所定の表示部材を変位駆動するので、表示部材における並び方向に隣接する両区分発光部を当該並び方向または前後方向に離すことができ、各表示部材の発光表示部が表示部材毎に区別し易くなり、各発光表示部による区分発光部の表示を見易くできる。
【0390】
なお、前述した各発光表示部の隣接間隔が広くなるように、所定の表示部材を変位駆動するものとしては、各発光表示部の隣接間隔が広くなるように、隣接する各表示部材の少なくとも一方を相対的に平行移動させたり、隣接する各表示部材の少なくとも一方を回動させたりすることが挙げられる。
【0391】
また、各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更する場合には、各表示部材の並び方向幅を拡大しないので、表示手段の幅を拡大することなく維持することができ、各発光表示部による区分発光部の表示も見易くできる。
【0392】
(B2) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記表示部材は光透過性を有するものであり、
前記遊技機は、
前記各表示部材についての当該視認部内に位置する各領域部分に対してその裏面側から光を照射する照射手段と、
前記各発光表示部の隣接間隔が広くなるようにまたは当該各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更するように、所定の前記表示部材を変位駆動された場合に、前記照射手段による光照射を停止するように制御する照射制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0393】
前記(B2)に記載の発明によれば、各表示部材についての当該視認部内に位置する各領域部分に対してその裏面側から光が照射されるので、各表示部材の各領域部分が発光し、各表示部材による表示部の変動表示に遊技者を注視させることができる。また、この状態に替えて、各発光表示部の隣接間隔が広くなるようにまたは当該各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更する場合には、照射制御手段によって各領域部分への光照射が停止されるので、各領域部分が暗くなり、各表示部材の発光表示部に遊技者を注視させることができるとともに、表示部材における並び方向に隣接する両区分発光部を当該並び方向または前後方向に離すことで、各表示部材の発光表示部が表示部材毎に区別し易くなる。
【0394】
(B3) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記表示部材は、前記複数の表示部が配列された光透過性領域と、前記視認部における前記表示部の変動方向幅よりも長く形成された、光透過性のある特定表示部の周囲を遮光した遮光性領域とが配列され、
前記遊技機は、
前記各表示部材についての当該視認部内に位置する各領域部分に対してその裏面側から光を照射する照射手段と、
前記各発光表示部の隣接間隔が広くなるようにまたは当該各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更するように前記変位駆動手段によって所定の前記表示部材が変位駆動された場合に、前記視認部内に前記表示部材の前記遮光性領域が位置するように前記駆動手段を駆動制御するとともに、前記視認部内に位置する前記遮光性領域の前記特定表示部と、前記発光表示部とで所定の変動表示を行うように前記照明手段及び前記発光表示部を発光制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0395】
前記(B3)に記載の発明によれば、照射手段は、各表示部材についての当該視認部内に位置する各領域部分の裏面側に光を照射するので、各表示部材の各領域部分が発光し、各表示部材による表示部の変動表示に遊技者を注視させることができる。
【0396】
また、前記の各表示部材による表示部の変動表示に替えて、各発光表示部の隣接間隔が広くなるようにまたは当該各発光表示部のうち少なくとも一つの発光表示部の前後位置関係を変更する場合には、制御手段が駆動手段を駆動制御することで、視認部内に表示部材の遮光性領域及び特定表示部が位置し、制御手段が照明手段及び発光表示部を発光制御することで、各領域部分の特定表示部と各表示部材の発光表示部とによる所定の変動表示に遊技者を注視させることができるとともに、表示部材における並び方向に隣接する両区分発光部を当該並び方向または前後方向に離すことで、各表示部材の発光表示部が表示部材毎に区別し易くなる。
【0397】
なお、上述した特定表示部と発光表示部とによる所定の変動表示としては、複数セグメント表示(例えば7セグメント表示)や、ドットマトリクス表示などが挙げられる。
【0398】
(B4) 前記(B1)から(B3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0399】
前記(B4)に記載の遊技機によれば、できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0400】
(B5) 前記(B1)から(B3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0401】
前記(B5)に記載の遊技機によれば、できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0402】
<第3課題>
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンがある。このスロットマシンは、例えば、透明な視認部(例えば視認窓)が一部に形成された前扉と、この前扉により前側開口部が閉じられる筐体と、この筐体内に横並びに設けられた、外形が略円筒形状で当該外周表面に周方向に各図柄が順番に表示された3個のリールと、この3個のリールを円筒中心を回動軸としてそれぞれ回動させる各回動機構とを備え、視認窓に位置する各リールの面部分が当該視認窓を介して遊技者に視認可能としたものである(例えば、特許文献:特開2010-162152号公報(第4-10頁,第1-4図)参照)。
【0403】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のスロットマシンは、例えば、各リールを回動することで当該リール面に表示された図柄を変動表示するため、変動表示に関してこれ以上遊技の興趣性を向上させることができないという問題がある。また、変動表示に関して遊技の興趣性を向上させるために、リールとは別種類の変動表示装置を設ける場合には、遊技者はどちらの変動表示を見れば良いのかが分からず変動表示を見落としたりするおそれがあるだけでなく、当該別種類の変動表示装置を備えるため装置構成が大型化するという別異の問題が生じる。
【0404】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、装置構成が大型化することなく、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
【0405】
(C1) 複数の図柄が配列された光透過性を有するリール部材を、当該リール部材の前方に位置する視認部に対して駆動することで当該視認部内で図柄を変動表示する図柄変動表示手段と、
前記視認部を正面視した状態で当該視認部の周囲所定箇所、または、前記リール部材における当該視認部に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部と、
前記リール部材の特定箇所であって前記視認部内の所定位置に位置する特定表示部を発光させる特定表示部発光手段と、
前記視認部内の前記特定表示部と、前記発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示するように、前記リール部材、発光部及び特定表示部発光手段を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0406】
前記(C1)に記載の発明によれば、リール図柄による変動表示を行う場合には、リール部材を駆動することで視認部内を図柄変動する図柄変動表示を提供できる。さらに、リール部材の特定箇所であって視認部内の所定位置に位置する特定表示部と、視認部の周囲所定箇所またはリール部材における当該視認部に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示することができるので、リール図柄変動表示とは異なる変動表示を提供でき、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
【0407】
また、視認部内に位置する特定表示部と、視認部の外周または内周箇所に位置する発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示されることから、遊技者は、通常のリール図柄変動を見るときと同じように視認部の方を見たままで、特定表示部と発光部とによる所定の記号情報を形成表示を見ることができるため、かかる記号情報の形成表示を見落とすことを低減できる。また、視認部内の特定表示部を活用した変動表示、つまり、視認部の外周または内周に配設した発光部と、視認部内の特定表示部とによる所定の記号情報を形成表示であるため、十分な大きさでの記号情報の形成表示を実現することができるだけでなく、図柄変動表示手段とは別個にそれと同程度の大きさである他の変動表示装置を配置するものではないことから、このような別個に他の変動表示装置を配置する構成に比べて、装置構成が大型化しない利点がある。
【0408】
(C2) 前記(C1)に記載の遊技機において、
前記特定表示部は、前記リール部材における複数の図柄のうちで特定の図柄の所定箇所に形成されていることを特徴とする遊技機。
【0409】
前記(C2)に記載の発明によれば、リール部材における複数の図柄のうちで特定の図柄の所定箇所を特定表示部としているので、特定の図柄の所定箇所を特定表示部として活用することができ、リール部材において複数の図柄とは別に、リール図柄変動には無関係である専用の表示部を配列させることを防止できる。例えば、リール部材における複数の図柄配列中に、当該図柄とは別個に専用の表示部が配列されていると、図柄とは無関係の専用の表示部が別個に存在していることで、リール図柄の変動表示において、遊技者に違和感を与えることが懸念されるが、特定の図柄における所定箇所を特定表示部として活用しているので、専用の表示部が別個に存在しているとの印象を遊技者に対して与えることがなく、リール図柄変動表示に対して違和感を与えることを低減できる。
【0410】
(C3) 前記(C1)または(C2)に記載の遊技機において、
前記制御手段は、前記特定表示部を前記視認部内で変動させた後に、当該視認部内の所定位置または当該視認部外の位置で変動停止させるように、前記リール部材及び特定表示部発光手段を制御することを特徴とする遊技機。
【0411】
前記(C3)に記載の発明によれば、特定表示部を視認部内で変動させた後に、視認部内の所定位置または視認部外の位置で変動停止されるので、特定表示部が視認部内の所定位置に変動停止されて、特定表示部と発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示されるという変動表示結果の他に、特定表示部が視認部外で変動停止されて、発光部のみによる変動表示結果が表示されるという変動表示を提供することができる。
【0412】
(C4) 前記(C1)から(C3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記リール部材は、二重リール構造であって、外側に位置する外リール部材と、当該外リール部材の内側に位置し、複数の図柄が配列された光透過性を有する内リール部材とを備え、
前記外リール部材は、前記内リール部材の図柄が視認可能な透明領域部と、前記内リール部材の図柄が視認不可能な遮光領域部と、前記遮光領域部に囲まれた光透過性を有する前記特定表示部とを備え、
前記図柄変動表示手段は、前記外リール部材を駆動する第1駆動手段と、前記内リール部材を駆動する第2駆動手段とを備え、
前記制御手段は、前記内リール部材の前記複数の図柄の変動表示を視認させる場合に、前記視認部に前記透明領域部が位置するように前記外リール部材を駆動制御するとともに前記内リール部材を駆動制御し、前記特定表示部と前記発光部とによる変動表示を視認させる場合に、前記視認部に前記遮光領域部及び前記特定表示部が位置するように前記外リール部材を駆動制御し、かつ、前記外リール部材の前記特定表示部に、前記内リール部材における複数の図柄のうちで特定の図柄の所定箇所を対向させるように当該内リール部材を駆動制御するとともに、前記発光部を発光制御する
ことを特徴とする遊技機。
【0413】
前記(C4)に記載の発明によれば、視認部に外リール部材の透明領域部を位置させて内リール部材を駆動することで、透明領域部を介して内リール部材による図柄の変動表示を行うことができる。また、視認部に外リール部材の遮光領域部及び特定表示部を位置させるとともに発光部を発光制御することで、内リール部材の図柄を外リール部材の遮光領域部で隠すことができ、外リール部材による遮光領域部の特定表示部とこの遮光領域部の周囲所定箇所に位置する発光部とによる変動表示を見易く表示することができる。
【0414】
(C5) 前記(C4)に記載の遊技機において、
前記内リール部材における特定の図柄の所定箇所は、他の図柄の何れの箇所に比べても光透過率が高い明光表示部であり、
前記制御手段は、前記外リール部材の前記遮光領域部における前記特定表示部の裏面側に、前記明光表示部が位置するように前記内リール部材を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
【0415】
前記(C5)に記載の発明によれば、内リール部材における特定の図柄の所定箇所である明光表示部は、他の図柄の何れの箇所に比べても光透過率が高いので、他の図柄よりも明るく表示できる。よって、視認部に外リール部材の透明領域部が位置し、内リール部材の複数の図柄の変動表示を視認させる場合において、遊技者が停止用操作手段を操作して内リール部材の駆動停止を行う際に、目押し操作に役立てることができる。
【0416】
また、視認部に外リール部材の遮光領域部が位置し、この遮光領域部の一部である特定表示部の変動表示を視認させる場合において、外リール部材における遮光領域部における特定表示部の裏面側に明光表示部が位置するので、特定表示部の裏面側に明光表示部以外の図柄が位置する場合よりも明るく特定表示部を表示することができる。
【0417】
(C6) 前記(C3)から(C5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記発光部は、前記周囲所定箇所または前記周縁所定箇所に、前記リール部材の周囲または周辺に沿って配設された複数の光源を備え、
前記特定表示部発光手段は、前記視認部を正面視した状態において前記特定表示部内でその長さ方向に沿って配設された複数の光源を備え、
前記発光部及び前記特定表示部発光手段における前記複数の光源について、点灯、消灯または点滅する光源が、前記発光部及び前記特定表示部によって形成される梯子状経路をその複数の出発端の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端の一に移動していくように所定の順番に点灯、消灯または点滅させる制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
【0418】
前記(C6)に記載の発明によれば、視認部を正面視した状態において、リール部材の周囲所定箇所または周縁所定箇所に配設された複数の光源と、特定表示部内に沿って配設された複数の光源とについて、点灯、消灯または点滅する光源が、発光部及び特定表示部によって形成される梯子状経路をその複数の出発端の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端の一に移動していくように所定の順番に点灯、消灯または点滅させるので、点灯、消灯または点滅する光源が発光部及び特定表示部によって形成される梯子状経路をあみだくじの如く移動するような表示態様を提供することができる。
【0419】
(C7) 前記(C1)から(C6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0420】
前記(C7)に記載の遊技機によれば、装置構成が大型化することなく、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0421】
(C8) 前記(C1)から(C6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0422】
前記(C8)に記載の遊技機によれば、装置構成が大型化することなく、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0423】
<第4課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機としては、例えば、遊技球が打ち込まれる遊技領域を前面側に有する遊技盤と、この遊技盤の遊技領域に配設され遊技球が入賞可能な入賞口と、この遊技盤の略中央箇所に形成された開口部に表示画面が位置するように当該遊技盤の背後に設けられた、入賞口への入賞に基づいて識別情報を変動表示する液晶表示装置とを備え、液晶表示装置の表示画面に識別情報の変動表示画像が表示され、その変動表示結果が当たりである場合に、遊技者にとって有利な遊技状態となるものがある(例えば、特許文献:特開2003-181070号公報(第4-5頁,第3-6図)参照)。
【0424】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、液晶表示装置の表示画面に識別情報の変動表示画像が表示され、その変動表示結果が当たりであるか外れであるかを遊技者に示唆する。例えば、変動表示結果がリーチ外れであった場合に、かかる変動表示画像を再変動表示させて当たり結果に変更する表示演出を実行すると、遊技者は、リーチ外れが当たりに転じたという違和感を感じたり、識別情報の変動表示に関して不信感を抱くおそれがあり、変動表示に関してこれ以上遊技の興趣性を向上させることができないという問題がある。
【0425】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
【0426】
(D1) 遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する複数列の識別情報の変動表示画像を表示画面に表示する画像表示手段を備えた遊技機において、
前記表示画面の正面視で遊技者にとって視認可能な表示画面部分において所定の変動表示状態のときに隣に位置する変動領域と並べて配設され、当該変動領域に対応した大きさとした視認部と、
識別情報が固定的に配設された表記体を前記視認部に対して変動させることで当該視認部内で識別情報の移動表示が可能な表記体変動手段と、
所定条件成立に基づいて、前記画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報と、前記表記体変動手段における識別情報とで当たり表示を行うように前記表記体変動手段を制御する変動演出制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0427】
前記(D1)に記載の発明によれば、変動停止表示された画像(画像表示手段の表示画面に変動停止表示された識別情報の変動表示画像)と、実体物(表記体変動手段の表記体による識別情報の変動表示)とを用いて当たり表示の変動演出を行うことができる。つまり、画像表示手段の表示画面に表示された識別情報の変動表示画像の変動結果が例えばリーチ外れ(大当たり判定ライン上においてあと一つ所定の識別情報が変動停止しなかったことにより当該判定ライン上において所定の識別情報で揃わなかった状態)であった場合に、実体物である表記体による識別情報の変動表示が行われ、視認部内の所定箇所に前記所定の識別情報が変動停止し、所定の識別情報で揃った状態を発生させることができる。よって、画像表示手段の変動表示結果を不自然に再変動表示させる必要がないことから、遊技者は、画像表示手段の変動表示について違和感を感じたり、不信感を抱くおそれを低減できる。また、画像表示手段の変動表示結果がリーチ外れであった場合に、当該変動表示画像に何ら変更を加えることなくそのまま維持しつつ、実体物である表記体による識別情報の変動表示を追加する形で補って大当たりに導くという変動演出を提供することができる。その結果、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
【0428】
例えば、4列の識別情報が変動表示する変動表示画像を表示画面に表示する構成、つまり、表示画面に4列全ての識別情報の変動表示を開始し、これらの各列の変動を所定の順番に停止し、4列全てが変動停止した最終停止状態となり、3列以上の識別情報が所定の当たり識別情報で揃っていることで当選となる構成において、3列までの識別情報が変動停止し、変動表示中の4列目の識別情報の変動停止を待たずして落選が確定している場合においても、4列目の識別情報の変動停止を待たなければならないことから、遊技者が遊技にストレスを感じるという問題がある。また、遊技者は毎回全4列の変動表示を見ないといけないため、見た目の変化に乏しい変動表示演出となってしまうという問題がある。つまり、1~3列目の変動停止で当選結果が確定している場合でも4列目が変動停止するまで待たなければならないし、仮に4列目の変動停止で当否結果が明らかになるような場合においても、4列変動態様であることに変わりがないことから、見た目の変化に乏しい変動表示演出となっている。
【0429】
これに対して、前記所定条件成立とならない場合として、画像表示手段の表示画面による識別情報の変動表示画像において当選となる場合や単なる外れ(リーチにならない外れ)となる場合には実体物は稼働しないので、変動表示に関する当否結果が分かっているのに遊技者を無駄に待たせるようなことは無い。さらに、所定条件成立の場合に限って、変動停止表示された画像(画像表示手段の表示画面に変動停止表示された識別情報の変動表示画像)と、実体物(表記体変動手段の表記体による識別情報の変動表示)とを用いて当たり表示の変動演出を行うことができるので、変動表示画像のみの表示から、変動停止した画像と実体物との表示に変更することができ、見た目を変えた変動表示演出を提供することができる。
【0430】
なお、前述した「変動領域」は、識別情報(例えば図柄など)が現に変動表示される領域だけに限らず、この領域に、遊技に関する保留表示(始動入賞についての保留表示など)の領域または識別情報以外の背景画像や装飾画像を表示する領域の少なくとも一方を含めた領域であってもよい。また、前述した「隣に位置する」とは、例えば複数列(例えば3列)の識別情報を表示するための複数列の変動領域を有する場合には、複数列の変動領域のうちで近い方の変動領域の隣に位置することを意味し、1列の変動領域とする場合にはその変動領域の隣に位置することを意味し、変動領域に相接する場合の他、例えば変動領域から識別情報1個分より小さい間隔が空いている場合や、変動領域との間に他の部材(例えば、前記間隔程度の幅の装飾部材や通路部品など)が位置する場合も含む。
【0431】
なお、前述したように視認部は、当該変動領域に対応した大きさ(当該変動領域に適合した大きさや当該変動領域と同程度の大きさであるとも言える)としている。例えば、当該変動領域内においてその変動方向に沿って識別情報の変動停止位置が複数設けられている場合には、視認部は、最上流側の変動停止位置で停止した識別情報から最下流側の変動停止位置で停止した識別情報までを含む範囲の大きさ(最小大きさ)以上で、前記最小大きさに、最上流側の変動停止位置よりも上流側に識別情報1個分よりも小さい領域部分と最下流側の変動停止位置よりも下流側に識別情報1個分よりも小さい領域部分とを加えた大きさ(最大大きさ)以下の範囲内の大きさであることが好ましい。前記「識別情報の変動停止位置」とは、識別情報が揃っているか否かを判定する有効ラインにおける、識別情報の変動停止についての位置が挙げられる。また、当該変動領域内において変動方向に沿って識別情報の変動停止位置が単一である場合には、視認部は、当該単一の変動停止位置で停止した識別情報を含む大きさ(最小大きさ)以上で、前記最小大きさに、その変動停止位置よりも上流側に識別情報1個分よりも小さい領域部分とその変動停止位置よりも下流側に識別情報1個分よりも小さい領域部分とを加えた大きさ(最大大きさ)以下の範囲内の大きさであることが好ましい。
【0432】
また、前述した「画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報と、前記表記体変動手段における識別情報とで当たり表示を行う」については、以下の構成が挙げられる。まず、表記体には、画像表示手段の表示画面に表示される識別情報と外観または内容が同一である識別情報が固定的に配設されている。そして、画像表示手段の表示画面に表示された落選結果を示す識別情報の変動表示画像のうちで外れ識別情報を当たり識別情報に置き換えれば当選結果となる場合に、この当たり識別情報と外観または内容が同一である、表記体の識別情報を視認部内に表示することで当たり表示を行うことが挙げられる。
【0433】
(D2) 前記(D1)に記載の遊技機において、
前記表記体変動手段は、前記表記体に、前記画像表示手段における一列分の識別情報が固定的に配列されていることを特徴とする遊技機。
【0434】
前記(D2)に記載の発明によれば、画像表示手段による複数列の識別情報についての変動表示画像と、実体物である表記体による一列分の識別情報についての変動表示とを行うことができ、これら2系統の変動表示を実現することができる。また、一列分の識別情報を表記した単一の表記体を並設することに止めているので、1個分の表記体を並設する最小のスペースで済む。その結果、限られたスペースでこれら2系統の変動表示を実現することができる。
【0435】
(D3) 前記(D1)または(D2)に記載の遊技機において、
前記表記体は、前記画像表示手段の表示画面に表示される識別情報と同程度の大きさで識別情報が表記されていることを特徴とする遊技機。
【0436】
前記(D3)に記載の発明によれば、表記体には、画像表示手段による識別情報と同程度の大きさで識別情報が表記されているので、画像表示手段による変動表示画像における識別情報と、実体物である表記体による識別情報と、が揃うのか否かについての変動表示を見易く提供することができる。
【0437】
(D4) 前記(D1)から(D3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に変動停止された識別情報と前記表記体変動手段における識別情報とによる表示を行う場合において、その表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報がこの識別情報以外の識別情報よりもを相対的に目立つように表示する強調表示を、前記変動表示画像のみによる表示の場合における強調表示と異ならせていることを特徴とする遊技機。
【0438】
前記(D4)に記載の発明によれば、画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報と、表記体変動手段における識別情報とによる表示を行う場合において、画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報がこの識別情報以外の識別情報よりも相対的に目立つように表示する強調表示を、変動表示画像のみによる表示の場合における強調表示と異ならせているので、変動表示画像のみによる表示の場合と、識別情報が変動停止された変動表示画像と表記体の識別情報とによる表示の場合とで区別して、当たり表示になるか否かに関係する識別情報を遊技者に提供することができる。
【0439】
そして、前記の画像と実体物とによる表示の場合には、画像表示手段の表示画面に当たり表示になるか否かに関係する識別情報が目立つように表示されているので、この目立つように表示された識別情報と外観または内容が同一である表記体の識別情報に注目すれば良いことが分かり、表記体変動手段において注目すべき識別情報を遊技者に分かり易く示唆することができ、当たり表示になるか否かに関係する識別情報の並び方向の延長線上に位置する視認部の変動停止箇所に、表記体の注目すべき識別情報が変動停止するか否かに注目させることができる。その結果、画像表示手段において外れ結果となった変動表示画像の一部と、実体物である表記体による識別情報の変動表示とで、新たに当たり表示になるか否かの変動表示を遊技者に分かり易く提供することができる。
【0440】
なお、「当たり表示になるか否かに関係する識別情報を相対的に目立つように表示する」としては、画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報以外の識別情報を消去表示したり、希薄表示したりすることが挙げられる。また、変動表示画像のみによる表示の場合における当たり表示になるか否かに関係する識別情報の輝度や点滅間隔に比べて、識別情報が変動停止された変動表示画像と表記体の識別情報とによる表示の場合における当たり表示になるか否かに関係する識別情報の輝度を大きくしたり点滅間隔を速めたりなどすることで、これらの強調表示を異ならせて表示提供することができる。
【0441】
なお、前記とは逆に、画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報と、表記体変動手段における識別情報とによる表示を行う場合において、画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報がこの識別情報以外の識別情報よりも相対的に目立つように表示する強調表示を、変動表示画像のみによる表示の場合における強調表示と同じとしてもよい。この場合には、変動表示画像のみによる表示の場合と、識別情報が変動停止された変動表示画像と表記体の識別情報とによる表示の場合とが同じ強調表示とすることができ、変動表示画像のみによる表示の場合における強調表示に続いて、それと同じ強調表示が、変動表示画像と表記体とによる表示でも行われるので、遊技者は同じ強調表示に着目して変動表示結果を見ることができ、表示が見易い。
【0442】
(D5) 前記(D4)に記載の遊技機において、
前記画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報の並び方向の延長線上に位置する前記視認部の変動停止箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所を発光させないようにすることを特徴とする遊技機。
【0443】
前記(D5)に記載の発明によれば、画像表示手段の表示画面に変動停止された識別情報のうちで当たり表示になるか否かに関係する識別情報の並び方向の延長線上に位置する視認部の変動停止箇所を発光させ、それ以外の変動停止箇所を発光させないようにするので、画像表示手段から表記体に亘って新たに形成されるリーチ成立ラインを遊技者に示唆することができ、視認部内において注目すべき変動停止箇所が発光しているので、かかる箇所を遊技者に分かり易く示唆することができる。その結果、画像表示手段の変動表示画像から実体物である表記体に亘って新たに形成されるリーチ成立ラインと、視認部内において注目すべき変動停止箇所とを、遊技者に分かり易く提供することができる。
【0444】
(D6) 前記(D1)から(D5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記表記体変動手段は、複数の識別情報が配列された光透過性を有するリール部材を、当該リール部材の前方に位置する前記視認部に対して駆動することで当該視認部内で識別情報を変動表示するものであり、
前記視認部を正面視した状態で当該視認部の周囲所定箇所、または、前記リール部材における当該視認部に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部と、
前記リール部材の特定箇所であって前記視認部内の所定位置に位置する特定表示部を発光させる特定表示部発光手段と、
前記視認部内の前記特定表示部と、前記発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示するように、前記リール部材、発光部及び特定表示部発光手段を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0445】
前記(D6)に記載の発明によれば、リール図柄による変動表示を行う場合には、リール部材を駆動することで視認部内を図柄変動する図柄変動表示を提供できる。さらに、リール部材の特定箇所であって視認部内の所定位置に位置する特定表示部と、視認部の周囲所定箇所またはリール部材における当該視認部に位置する部分の裏面側の周縁所定箇所に配設された発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示することができるので、リール図柄変動表示とは異なる変動表示を提供でき、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
【0446】
また、視認部内に位置する特定表示部と、視認部の外周または内周箇所に位置する発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示されることから、遊技者は、通常のリール図柄変動を見るときと同じように視認部の方を見たままで、特定表示部と発光部とによる所定の記号情報を形成表示を見ることができるため、かかる記号情報の形成表示を見落とすことを低減できる。また、視認部内の特定表示部を活用した変動表示、つまり、視認部の外周または内周に配設した発光部と、視認部内の特定表示部とによる所定の記号情報を形成表示であるため、十分な大きさでの記号情報の形成表示を実現することができるだけでなく、図柄変動表示手段とは別個にそれと同程度の大きさである他の変動表示装置を配置するものではないことから、このような別個に他の変動表示装置を配置する構成に比べて、装置構成が大型化しない利点がある。
【0447】
また、前記視認部内における前記識別情報の各変動位置に当該識別情報がそれぞれ位置するときのこれらの各変動位置についての当該識別情報への光照射強度の差を低減するように変更する変更手段を備えた場合には、視認部内を変動する識別情報をその変動過程において、発光ムラを低減して発光させたり、一様に発光させたりすることができるので、低速変動表示(低速スクロール表示)の場合における識別情報を見易く表示できる。
【0448】
(D7) 前記(D6)に記載の遊技機において、
前記特定表示部は、前記リール部材における複数の図柄のうちで特定の図柄の所定箇所に形成されていることを特徴とする遊技機。
【0449】
前記(D7)に記載の発明によれば、リール部材における複数の図柄のうちで特定の図柄の所定箇所を特定表示部としているので、特定の図柄の所定箇所を特定表示部として活用することができ、リール部材において複数の図柄とは別に、リール図柄変動には無関係である専用の表示部を配列させることを防止できる。例えば、リール部材における複数の図柄配列中に、当該図柄とは別個に専用の表示部が配列されていると、図柄とは無関係の専用の表示部が別個に存在していることで、リール図柄の変動表示において、遊技者に違和感を与えることが懸念されるが、特定の図柄における所定箇所を特定表示部として活用しているので、専用の表示部が別個に存在しているとの印象を遊技者に対して与えることがなく、リール図柄変動表示に対して違和感を与えることを低減できる。
【0450】
(D8) 前記(D6)または(D7)に記載の遊技機において、
前記制御手段は、前記特定表示部を前記視認部内で変動させた後に、当該視認部内の所定位置または当該視認部外の位置で変動停止させるように、前記リール部材及び特定表示部発光手段を制御することを特徴とする遊技機。
【0451】
前記(D8)に記載の発明によれば、特定表示部を視認部内で変動させた後に、視認部内の所定位置または視認部外の位置で変動停止されるので、特定表示部が視認部内の所定位置に変動停止されて、特定表示部と発光部との組み合わせにより所定の記号情報を形成表示されるという変動表示結果の他に、特定表示部が視認部外で変動停止されて、発光部のみによる変動表示結果が表示されるという変動表示を提供することができる。
【0452】
(D9) 前記(D6)から(D8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記リール部材は、二重リール構造であって、外側に位置する外リール部材と、当該外リール部材の内側に位置し、複数の図柄が配列された光透過性を有する内リール部材とを備え、
前記外リール部材は、前記内リール部材の図柄が視認可能な透明領域部と、前記内リール部材の図柄が視認不可能な遮光領域部と、前記遮光領域部に囲まれた光透過性を有する前記特定表示部とを備え、
前記図柄変動表示手段は、前記外リール部材を駆動する第1駆動手段と、前記内リール部材を駆動する第2駆動手段とを備え、
前記制御手段は、前記内リール部材の前記複数の図柄の変動表示を視認させる場合に、前記視認部に前記透明領域部が位置するように前記外リール部材を駆動制御するとともに前記内リール部材を駆動制御し、前記特定表示部と前記発光部とによる変動表示を視認させる場合に、前記視認部に前記遮光領域部及び前記特定表示部が位置するように前記外リール部材を駆動制御し、かつ、前記外リール部材の前記特定表示部に、前記内リール部材における複数の図柄のうちで特定の図柄の所定箇所を対向させるように当該内リール部材を駆動制御するとともに、前記発光部を発光制御する
ことを特徴とする遊技機。
【0453】
前記(D9)に記載の発明によれば、視認部に外リール部材の透明領域部を位置させて内リール部材を駆動することで、透明領域部を介して内リール部材による図柄の変動表示を行うことができる。また、視認部に外リール部材の遮光領域部及び特定表示部を位置させるとともに発光部を発光制御することで、内リール部材の図柄を外リール部材の遮光領域部で隠すことができ、外リール部材による遮光領域部の特定表示部とこの遮光領域部の周囲所定箇所に位置する発光部とによる変動表示を見易く表示することができる。
【0454】
(D10) 前記(D9)に記載の遊技機において、
前記内リール部材における特定の図柄の所定箇所は、他の図柄の何れの箇所に比べても光透過率が高い明光表示部であり、
前記制御手段は、前記外リール部材の前記遮光領域部における前記特定表示部の裏面側に、前記明光表示部が位置するように前記内リール部材を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
【0455】
前記(D10)に記載の発明によれば、内リール部材における特定の図柄の所定箇所である明光表示部は、他の図柄の何れの箇所に比べても光透過率が高いので、他の図柄よりも明るく表示できる。よって、視認部に外リール部材の透明領域部が位置し、内リール部材の複数の図柄の変動表示を視認させる場合において、遊技者が停止用操作手段を操作して内リール部材の駆動停止を行う際に、目押し操作に役立てることができる。
【0456】
また、視認部に外リール部材の遮光領域部が位置し、この遮光領域部の一部である特定表示部の変動表示を視認させる場合において、外リール部材における遮光領域部における特定表示部の裏面側に明光表示部が位置するので、特定表示部の裏面側に明光表示部以外の図柄が位置する場合よりも明るく特定表示部を表示することができる。
【0457】
(D11) 前記(D8)から(D10)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記発光部は、前記周囲所定箇所または前記周縁所定箇所に、前記リール部材の周囲または周辺に沿って配設された複数の光源を備え、
前記特定表示部発光手段は、前記視認部を正面視した状態において前記特定表示部内でその長さ方向に沿って配設された複数の光源を備え、
前記発光部及び前記特定表示部発光手段における前記複数の光源について、点灯、消灯または点滅する光源が、前記発光部及び前記特定表示部によって形成される梯子状経路をその複数の出発端の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端の一に移動していくように所定の順番に点灯、消灯または点滅させる制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
【0458】
前記(D11)に記載の発明によれば、視認部を正面視した状態において、リール部材の周囲所定箇所または周縁所定箇所に配設された複数の光源と、特定表示部内に沿って配設された複数の光源とについて、点灯、消灯または点滅する光源が、発光部及び特定表示部によって形成される梯子状経路をその複数の出発端の一から出発して一度進んだ経路は二度と通らないようにして複数の到着端の一に移動していくように所定の順番に点灯、消灯または点滅させるので、点灯、消灯または点滅する光源が発光部及び特定表示部によって形成される梯子状経路をあみだくじの如く移動するような表示態様を提供することができる。
【0459】
(D12) 前記(D1)から(D11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0460】
前記(D12)に記載の遊技機によれば、前記(D1)から(D5)のいずれか一つを備える場合には、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができるパチンコ機を提供できる。また、前記(D6)から(D11)のいずれか一つを備える場合には、装置構成が大型化することなく、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0461】
(D13) 前記(D1)から(D11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0462】
前記(D13)に記載の遊技機によれば、前記(D1)から(D5)のいずれか一つを備える場合には、変動表示に関して遊技の興趣性をさらに向上させることができるパチンコ機を提供できる。また、前記(D6)から(D11)のいずれか一つを備える場合には、装置構成が大型化することなく、変動表示に関して遊技の興趣性を向上できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0463】
<第5課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機としては、例えば、遊技球が打ち込まれる遊技領域を前面側に有する遊技盤と、この遊技盤の遊技領域に配設され遊技球が入賞可能な入賞口と、この遊技盤の略中央箇所に形成された開口部に表示画面が位置するように当該遊技盤の背後に設けられた、入賞口への入賞に基づいて図柄を変動表示する液晶表示装置とを備え、液晶表示装置の表示画面に図柄の変動表示画像が表示され、その変動表示結果が当たりである場合に、遊技者にとって有利な遊技状態となるものがある(例えば、特許文献:特開2010-162117号公報(第5-7頁,第1-2図)参照)。
【0464】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機として、近年では画像表示装置(例えば液晶表示装置)の表示画面が大型化している。例えば、この大型化した表示画面の右外側箇所に、環状のリールの外周表面に複数個の図柄が印刷されて当該リールを回転させて図柄変動表示を行うリール表示装置を配設する構成を採用することで、液晶表示装置とリール表示装置とで変動表示を行い、遊技の興趣性をさらに向上させることが期待される。しかしながら、リール表示装置は、そのリール面がパチンコ機の前方に向けられているものの、当該リール表示装置が遊技盤の右端側箇所に配設されている位置関係上、当該リール面が遊技者に対向していないため、遊技者の視線が液晶表示装置の表示画面に向いているときにリール表示装置においてリール面の発光演出がされた場合に遊技者が当該発光演出に気付かないおそれがあるという問題がある。だからと言って、リール面を遊技者に対向させるようにリール表示装置の方位角を変更して斜め配置すると、液晶表示装置とリール表示装置との間などにデッドスペースが生じたり、パチンコ機の正面視でリール表示装置の占有幅が当該斜め配置にした分だけ大型化したりするという別異の問題を招来してしまう。
【0465】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、画像表示装置の表示画面と並ぶリール表示装置のリール面を遊技者に対向させることなく当該リール面発光を遊技者に気付かせることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0466】
(E1) 遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を示唆する複数列の図柄の変動表示画像を表示画面に表示する画像表示手段を備えた遊技機において、
前記表示画面の正面視において当該表示画面と並んで位置する視認部に対して、図柄が固定的に配設された光透過性を有する表示部材を駆動することで、当該視認部内で図柄を変動表示する図柄変動表示手段と、
前記視認部に位置する前記表示部材の裏面側に対して、当該表示画面の前方箇所に向かうように光を斜めに照射する斜光照射手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0467】
前記(E1)に記載の発明によれば、図柄変動表示手段は、画像表示手段の表示画面と並ぶ視認部に対して表示部材を駆動することで当該視認部内で図柄を変動表示する。斜光照射手段は、視認部に位置する表示部材の裏面側に対して、当該表示画面の前方箇所に向かうように光を斜めに照射するので、この表示部材を斜めに透過した光が、画像表示手段の表示画面の前方箇所に向かう。つまり、当該前方箇所に居る遊技者に向かう。よって、遊技者の視線が画像表示手段の表示画面に向いているときに図柄変動表示手段において表示部材面の発光演出がされたとしても、この表示部材面を斜めに透過した光が遊技者の方に向けて出射される、つまり、この出射光が表示画面からの光とは異なり斜め方向から差し込まれる光であるので、遊技者は自己に向けられた表示部材面からの出射光を感知し易くなり、表示部材の発光演出に気付き易くできる。また、表示部材面を遊技者に対向させるように図柄変動表示手段を斜め配置に変更しなくてもよいため、斜め配置に起因する画像表示手段と図柄変動表示手段との間などにデッドスペースが生じる問題や、遊技機の正面視で図柄変動表示手段の占有幅が前記斜め配置にした分だけ大型化する問題を招かない。
【0468】
なお、斜光照射手段としては、前記表示画面の正面視において前記図柄変動表示手段における当該表示画面から遠い方の壁の所定箇所に設けられ、当該壁の所定箇所から前記表示部材の裏面側に対して光を斜めに照射する構成や、光源から入射された光を表示画面の前方箇所に向けて出射する出射面を有する導光部材を備える構成などが挙げられる。
【0469】
なお、斜光照射手段は、その照射強度の一番強い方向が前記表示部材の裏面側に対して斜めに向けられて照射するものが挙げられる。よって、表示部材の裏面側に対して正対させた光源であって、その照射強度が一番強い方向が当該表示部材の裏面側に対して直交する場合において、当該光源からの光が表示部材の裏面側に対して斜めに照射するような構成は、前記斜光照射手段には含まれない。
【0470】
(E2) 前記(E1)に記載の遊技機において、
前記視認部は、前記表示画面の正面視において当該表示画面の位置よりも手前側に位置していることを特徴とする遊技機。
【0471】
前記(E2)に記載の発明によれば、視認部は、画像表示手段の表示画面の正面視において当該表示画面の位置よりも手前側に位置しているので、視認部が表示画面よりも手前位置にあるとの前後位置関係の違いと、表示画面よりも近い位置にある表示部材からの光が遊技者に対して斜め方向から差し込まれる光であることから、表示部材を斜めに透過した光を表示画面からの光とは区別して遊技者に感知させ易くできる。また、視認部内で発光する表示部材面を表示画面位置よりも遊技者に近い位置とした分だけ、表示部材を斜めに透過した光が遊技者に到達するまでの減衰量(伝搬損失)を抑えることができ、LED(発光ダイオード)などを光源として採用することができる。
【0472】
(E3) 前記(E2)に記載の遊技機において、
前記表示画面の正面視において前記図柄変動表示手段における当該表示画面に近い側に位置し、前記表示画面の位置から前記視認部までの突出長さを有する遮光壁部を備えていることを特徴とする遊技機。
【0473】
前記(E3)に記載の発明によれば、表示画面の正面視において、図柄変動表示手段における当該表示画面に近い側に位置する遮光壁部によって、表示画面と図柄変動表示手段とを仕切ることができ、表示画面からの光が図柄変動表示手段の内部に差し込むことや、図柄変動表示手段からの光が表示画面に向かうことを低減できる。その結果、正面視で表示画面と並設する視認部が当該表示画面よりも手前側に位置する構成において、画像表示手段の表示画面と図柄変動表示手段との光の相互干渉を低減でき、表示画面による変動表示画像と、視認部内の図柄変動とを相互干渉無く遊技者に提供することができる。
【0474】
(E4) 前記(E1)から(E3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記表示部材は、円筒形状のリール部材であってその外周面箇所を見た状態で前記図柄が視認可能に固定的に配設されたものであり、当該リール部材の円筒中心箇所に位置してモータの回動部に取り付けられる回動中心部と、当該回動中心部と前記表示画面に近い側の開口の所定箇所とを連結する連結部とを備えたものである
ことを特徴とする遊技機。
【0475】
前記(E4)に記載の発明によれば、表示部材としてのリール部材は、その外周面箇所を見た状態で図柄が視認可能に固定的に配設された円筒形状であり、その回転中心部が連結部によって表示画面に近い側の開口の所定箇所に連結された構成としているので、リール部材における表示画面から遠い側に開口を確保することができる。よって、図柄変動表示手段における当該表示画面から遠い方の壁の所定箇所に設けられた斜光照射手段からの光を、リール部材の当該遠い側の開口を介して、視認部に位置するリール部材における内周面箇所に対して斜めに照射することができ、リール部材の内周面箇所に照射される斜光が、リール部材の回動する際に何らかの部材等で遮られたり邪魔されることがなく、安定してリール部材の内周面箇所に対して照射することができ、リール部材を斜めに透過させた光を遊技者の方に向けて好適に出射することができる。
【0476】
(E5) 前記(E1)から(E3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記表示部材は、二重リール構造であって、外側に位置する円筒形状の外リール部材と、当該外リール部材の内側に位置し、複数の図柄が配列された光透過性を有する円筒形状の内リール部材とを備え、
前記表示画面の正面視において前記図柄変動表示手段における当該表示画面に近い側の壁に第1モータを、当該表示画面から遠い側の壁に第2モータを備え、
前記外リール部材は、当該外リール部材の円筒中心箇所に位置して前記第1モータの回動部に取り付けられる回動中心部と、当該回動中心部と前記表示画面に近い側の開口の所定箇所とを連結する連結部とを備えたものであり、
前記内リール部材は、当該内リール部材の円筒中心箇所に位置して前記第2モータの回動部に取り付けられる回動中心部と、当該回動中心部と前記表示画面に近い側の開口の所定箇所とを連結する連結部とを備えたものである
ことを特徴とする遊技機。
【0477】
前記(E5)に記載の発明によれば、表示部材として二重リール構造を構成する外リール部材及び内リール部材は、それぞれ円筒形状であり、その回転中心部が連結部によって表示画面に近い側の開口の所定箇所に連結された構成としているので、外リール部材及び内リール部材における表示画面から遠い側に開口をそれぞれ確保することができる。よって、図柄変動表示手段における当該表示画面から遠い方の壁の所定箇所に設けられた斜光照射手段からの光を、外リール部材及び内リール部材の当該遠い側の開口を介して、視認部に位置する内リール部材における内周面箇所に対して斜めに照射することができ、内リール部材の内周面箇所に照射される斜光が、外リール部材及び内リール部材の回動する際に何らかの部材等で遮られたり邪魔されることがなく、安定して内リール部材の内周面箇所に対して照射することができ、外リール部材及び内リール部材を斜めに透過させた光を遊技者の方に向けて好適に出射することができる。
【0478】
また、図柄変動表示手段における表示画面に近い側の壁に第1モータを備え、当該表示画面から遠い側の壁に第2モータを備えているので、第1モータ及び第2モータを対向配置することができ、図柄変動表示手段の重量バランスを良くすることができる。
【0479】
なお、前記(E1)~(E5)に示す構成に対して、前記(A1)~(A8)、前記(B1)~(B5)、前記(C1)~(C8)、及び、前記(D1)~(D13)の構成のうち少なくとも一つを組み合わせるようにしてもよい。
【0480】
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。
【産業上の利用可能性】
【0481】
以上のように、この発明は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機に適している。
【符号の説明】
【0482】
30 …遊技盤(遊技部品)
42 …第3図柄表示装置(画像表示手段)
262 …サブ制御装置(制御手段、変動演出制御手段)
410 …リール表示窓(視認部)
440 …縦向きのリール用セグメント440(発光部、区分発光部)
450 …横向きのリール用セグメント450(発光部)
727 …中央セグメント(表示部、特定表示部)
600 …リールユニット(表記体変動手段、図柄変動表示手段)
600A…リールユニット(表示部材)
605 …左側板(遮光壁部)
710 …外リール用ステップモータ(駆動手段、第1駆動手段、第1モータ)
720 …外リール(表示部材、前側表示部材、外リール部材)
730 …内リール用ステップモータ(駆動手段、第2駆動手段、第2モータ)
740 …内リール(表示部材、後側表示部材、表記体、内リール部材)
741a…リール図柄(表示部)
742 …明光表示領域部(明光表示部)
751 …導光レンズ(変更手段)
760 …LED実装基板(照射手段)
773 …LED(斜光照射手段)
800 …リールセグメント表示部(発光表示部)
810 …リール表示装置(表示手段)
820 …ユニット変位機構部(変位駆動手段)
41