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  • 特開-EP4阻害剤およびその使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165946
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】EP4阻害剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20231110BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231110BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231110BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20231110BHJP
   A61K 31/435 20060101ALI20231110BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231110BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231110BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/437
A61K31/435
A61K39/395 U
A61P35/02
A61P37/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023167782
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2020558435の分割
【原出願日】2019-04-16
(31)【優先権主張番号】62/658,494
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/737,219
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520401712
【氏名又は名称】アリーズ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】513043352
【氏名又は名称】株式会社AskAt
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーク マンフレディ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エクセディ
(72)【発明者】
【氏名】長久 厚
(72)【発明者】
【氏名】武 之令
(72)【発明者】
【氏名】奥村 貴子
(57)【要約】
【課題】 疾患を処置する方法を提供すること
【解決手段】 本発明は、がんの処置のために、EP4活性を阻害する薬剤およびがん免疫療法剤、またはその組成物の使用を提供する。EP4阻害剤は、がんを含む増殖性障害の処置のためにがん免疫療法剤と組み合わせて使用できることが現在判明している。一態様では、本発明は、患者において増殖性障害を処置するための方法であって、患者に、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤、およびがん免疫療法剤を投与するステップを含む方法を提供する。EP4活性を阻害する薬剤、がん免疫療法剤、および増殖性障害の例は本明細書に記載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増殖性障害の処置のための、がん免疫療法剤と組み合わせたEP4阻害剤、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジンは、炎症に伴う疼痛、発熱および他の症状の媒介因子である。プロスタグランジンE(PGE)は、炎症状態において検出される主要なエイコサノイドである。加えて、PGEはまた、様々な生理学的および/または病理学的状態、例えば、痛覚過敏、子宮収縮、消化のぜん動、覚醒、胃酸分泌の抑制、血圧、血小板機能、骨代謝、血管新生などにも関与している。
【0003】
異なる薬理学的特性を示す4種のPGE受容体サブタイプ(EP1、EP2、EP3およびEP4)が存在する。EP4サブタイプであるGs共役受容体は、cAMP産生ならびにPI3KおよびGSK3βシグナル伝達を刺激し、多種多様な組織に分配され、PGE媒介性生物学的事象における主要な役割を示唆している。様々なEP4阻害剤が、例えば、その内容がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれるWO2002/032900、WO2005/021508、US6,710,054、およびUS7,238,714においてこれまで記載されてきた。
がん免疫療法は、悪性腫瘍の成長と闘うよう身体の免疫系に助けを求める。がん免疫療法剤の例は、例えば、その内容がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれる、Nature Reviews Drug Discovery 14 (2015) 603-622およびBioorganic & Medicinal Chemistry Letters 28 (2018) 319-329に論じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2002/032900号
【特許文献2】国際公開第2005/021508号
【特許文献3】米国特許第6,710,054号明細書
【特許文献4】米国特許第7,238,714号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
EP4阻害剤は、がんを含む増殖性障害の処置のためにがん免疫療法剤と組み合わせて使用できることが現在判明している。一態様では、本発明は、患者において増殖性障害を処置するための方法であって、患者に、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤、およびがん免疫療法剤を投与するステップを含む方法を提供する。EP4活性を阻害する薬剤、がん免疫療法剤、および増殖性障害の例は本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、CT-26腫瘍を保持するBALB/Cマウスにおける成長動態を表している。CT-26腫瘍を保持するBALB/Cマウスを、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびIgG2a)、抗PD-1、または化合物Bを、15mg/kgQDおよびBIDで、単独でまたは抗PD-1と組み合わせて処置した。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=10/群)が示されている。
【0007】
図2図2は、腫瘍を保持するマウスのKaplan-Meier曲線を表している。ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびIgG2a)、抗PD-1、または化合物Bを、15mg/kgQDおよびBIDで、単独でまたは抗PD-1と組み合わせて処置した腫瘍保持マウスのKaplan-Meier曲線。マウスは腫瘍接種後から99日モニターし、動物は腫瘍サイズが3000mmを超えた時点で屠殺した。
【0008】
図3図3は、4T1腫瘍を保持するBALB/Cマウスにおける腫瘍成長動態を表している。4T1腫瘍を保持するBALB/Cマウスは、ビヒクル、抗CTLA4、または化合物Bを、15mg/kgBIDで、単独でまたは抗CTLA41と組み合わせて処置した。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=10/群)が示されている。
【0009】
図4図4は腫瘍保持マウス研究のKaplan-Meier曲線を表している。ビヒクル、抗CTLA4、または化合物Bを15mg/kgBIDで、単独でまたは抗CTLA4と組み合わせて処置した腫瘍保持マウスのKaplan-Meier曲線。マウスは腫瘍接種後、41日間モニターし、動物は腫瘍サイズが3000mmを超えた時点で屠殺した。
【0010】
図5図5は、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびPBS)、抗PD1、または化合物Bを15mg/kgBIDで、単独でまたは抗PD1と組み合わせて処置したCT-26腫瘍を保持するBALB/Cマウスを表している。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=7/群)が示されている。
【0011】
図6図6は、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびPBS)、抗PD1、または化合物Bを15mg/kgBIDで、単独でまたは抗PD1と組み合わせて処置した4T1腫瘍を保持するBALB/Cマウスを表している。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=7/群)が示されている。
【0012】
図7図7は、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびPBS)、抗PD1、または化合物B(CPD-B)を15mg/kgBIDで、単独でまたは抗PD1と組み合わせて処置したBALB/cマウスにおいて成長させたCT-26腫瘍の免疫細胞の組成を表している。制御性T細胞(a)、樹状細胞(b)、活性化T細胞(c)および活性化PD-1高T細胞(d)のパーセンテージが示されている。ビヒクルを処置群と比較するスチューデントのt検定を使用してp値を決定した;p<0.05、**p<0.01。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.本発明のある種の実施形態の一般的説明
一態様では、本発明は、患者において、増殖性障害を処置するための方法であって、患者に、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤、およびがん免疫療法剤を投与するステップを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は選択的EP4阻害剤である。いくつかの実施形態において、がん免疫療法剤はPD-1阻害剤である。いくつかの実施形態において、増殖性障害は本明細書に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、増殖性障害は、過去においてPD-1またはPD-L1チェックポイント阻害剤のいずれかで12週より長く処置していたNSCLC被験体である。いくつかの実施形態において、増殖性障害はMSS疾患を有するCRC患者である。いくつかの実施形態において、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤は化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩である。いくつかの実施形態において、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤は化合物B、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0014】
2.EP4活性を阻害する例示的薬剤
2.1.定義
本発明の化合物は、本明細書において一般に記載されているものを含み、本明細書において開示されているクラス、部分クラスおよび種によってさらに例示される。本明細書で使用する場合、特に示さない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明の目的のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、元素周期表CAS版に従って特定される。さらに、有機化学の一般的な原理は、それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、「Organic
Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年および「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、編:Smith,M.B.およびMarch, J.、John Wiley & Sons、New York:2001年に記載されている。
【0015】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書で使用する場合、完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する、直鎖状(すなわち、非分岐状)または分岐状の置換または無置換の炭化水素鎖、あるいは完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書において、「炭素環」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも称される)を意味し、これらは、分子の残りへの結合点を1つ有する。別段の指定がない限り、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1~5個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態において、脂肪族基は、1~4個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1~3個の脂肪族炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1~2個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、「脂環式」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)とは、完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない単環式C~C炭化水素を指し、これは、分子の残りへの1つの結合点を有する。好適な脂肪族基には、以下に限定されないが、線状もしくは分岐状の、置換または無置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどのそれらの混成体が含まれる。
【0016】
本明細書で使用する場合、用語「二環式環」または「二環式環系」とは、任意の二環式環系、すなわち、炭素環式または複素環式の、飽和している、または1つもしくは複数の不飽和単位を有しており、環系の2つの環の間に共通した1個または複数の原子を有するものを指す。したがって、この用語は、オルト縮合またはスピロ環式などの任意の許容可能な環縮合を含む。本明細書で使用する場合、用語「ヘテロ二環式」は、1個または複数のヘテロ原子が、この二環の一方または両方に存在していることを必要とする、「二環式」のサブセットである。このようなヘテロ原子は、環の連結部に存在していてもよく、かつ必要に応じて置換されており、窒素(N-オキシドを含む)、酸素、硫黄(スルホンおよびスルホネートなどの酸化形態を含む)、リン(ホスフェートなどの酸化形態を含む)、ホウ素などから選択され得る。いくつかの実施形態において、二環式基は、7~12個の環員、および窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する。本明細書で使用する場合、用語「架橋二環式」とは、少なくとも1つの橋を有する任意の二環式環系、すなわち、炭素環式または複素環式の、飽和または部分不飽和なものを指す。IUPACによって定義されている通り、「橋」は、2つ橋頭を連結する、原子の非分岐鎖、または原子もしくは原子価結合であり、この場合、「橋頭」は、3個またはそれより多い骨格原子(水素を除外する)に結合した環系の任意の骨格原子である。いくつかの実施形態において、架橋二環式基は、7~12個の環員、および窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する。このような架橋二環式基は
、当技術分野で周知であり、以下に示されている基を含み、基はそれぞれ、任意の置換可能な炭素原子または窒素原子において、分子の残りに結合している。別段の指定がない限り、架橋二環式基は、脂肪族基に関して示されているような1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されている。さらにまたは代替的に、架橋二環式基の置換可能ないずれの窒素も、必要に応じて置換されている。例示的な二環式環には、以下が含まれる:
【化1】
。例示的な架橋二環式には、以下が含まれる:
【化2】
【0017】
用語「低級アルキル」とは、直鎖状または分岐状のC1~4アルキル基を指す。例示的な低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルである。
【0018】
用語「低級ハロアルキル」とは、1個または複数のハロゲン原子により置換されている直鎖状または分岐状のC1~4アルキル基を指す。
【0019】
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素(窒素、硫黄、リンまたはケイ素の任意の酸化形態、任意の塩基性窒素の四級化形態、または複素環式環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)またはNR(N-置換ピロリジニルにおけるような)を含めて)のうちの1つまたは複数を意味する。
【0020】
用語「不飽和」は、本明細書で使用する場合、ある部分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「二価の飽和または不飽和な、直鎖状または分岐状C
~8(またはC1~6)炭化水素鎖」とは、本明細書で定義されている直鎖状または分岐状である、二価のアルキレン鎖、アルケニレン鎖およびアルキニレン鎖を指す。
【0022】
用語「アルキレン」とは、二価のアルキル基を指す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、-(CH-であり、nは、正の整数、好ましくは1~6、1~4、1~3、1~2または2~3である。置換アルキレン鎖は、1個または複数のメチレン水素原子が置換基により置き換えられているポリメチレン基である。好適な置換基には、置換脂肪族基に関して以下に記載されているものが含まれる。
【0023】
用語「アルケニレン」とは、二価のアルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、1個または複数の水素原子が置換基により置き換えられている、少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基である。好適な置換基には、置換脂肪族基に関して以下に記載されているものが含まれる。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「シクロプロピレニル」とは、以下の構造である、二価のシクロプロピル基を指す:
【化3】
【0025】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0026】
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」におけるような、より大きな部分の一部として使用されている、用語「アリール」は、合計が5~14個の環員を有する単環式環系または二環式環系であって、これらの系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、これらの系中の各環は、3~7個の環員を含有するものを指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用することができる。本発明のある種の実施形態において、「アリール」とは、以下に限定されないが、1つまたは複数の置換基を有してもよい、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどを含む、芳香族環系を指す。同様に、用語「アリール」の範囲内には、本明細書において使用されている場合、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチルなどの、芳香族環が1つまたは複数の非芳香族環に縮合している基も含まれる。
【0027】
単独で、またはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用されている、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ-(heteroar-)」は、5~10個の環原子、好ましくは5個、6個または9個の環原子を有しており、環式配列中に共有されている6個、10個または14個のπ電子を有し、かつ炭素原子に加えて、1~5個のヘテロ原子を有する基を指す。用語「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基には、非限定的に、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルが含まれる。用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ-(heteroar-)」はまた、本明細書で使用する場合、複素芳香族環が、1つまたは複数のアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環に縮合している基であって、ラジカルまたは結合点が複素芳香族環上に存在するものを含む。非限定例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾ
リル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが含まれる。ヘテロアリール基は、単環式または二環式とすることができる。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「複素芳香族」と互換的に使用することができ、これらの用語のいずれも、必要に応じて置換されている環を含む。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールによって置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立して、必要に応じて置換されている。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」および「複素環式環」は、互換的に使用され、飽和しているかまたは部分不飽和であるかのいずれかの、安定な5~7員の単環式または7~10員の二環式の複素環式部分であって、炭素原子に加えて、1個または複数の、好ましくは1~4個の上で定義したヘテロ原子を有する、複素環式部分を指す。複素環の環原子を参照して使用する時、用語「窒素」は、置換されている窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0~3個のヘテロ原子を有する、飽和または部分不飽和な環では、窒素は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)またはNR(N-置換ピロリジニルにおけるような)であってもよい。
【0029】
複素環式環は、安定な構造をもたらす、任意のヘテロ原子または炭素原子において、そのペンダント基に結合され得、これらの環原子のいずれも、必要に応じて置換され得る。このような飽和または部分不飽和な複素環式ラジカルの例には、非限定的に、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが含まれる。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」および「複素環式ラジカル」は、本明細書において互換的に使用され、同様に、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどの、ヘテロシクリル環が1つまたは複数のアリール、ヘテロアリールまたは脂環式環に縮合している基を含む。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式とすることができる。用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルによって置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部分は、独立して、必要に応じて置換されている。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「部分不飽和な」とは、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む、環部分を指す。用語「部分不飽和な」は、複数の不飽和部位を有する環を包含することが意図されているが、本明細書において定義されている、アリール部分またはヘテロアリール部分を含むことは意図されていない。
【0031】
本明細書に記載されている通り、本発明の化合物は、「必要に応じて置換されている」部分を含有してもよい。一般に、用語「置換されている」とは、用語「必要に応じて」が前に付いていようがいなかろうが、指定部分の1個または複数の水素が好適な置換基により置き換えられていることを意味する。特に示さない限り、「必要に応じて置換されている」基は、この基のそれぞれの置換可能な位置に好適な置換基を有することがあり、任意の所与の構造中の1つより多くの位置が、特定の群から選択される1つより多くの置換基により置換され得る場合、この置換基は、各位置において、同一であってもよく、または異なっていてもよい。本発明によって想起される置換基の組合せは、好ましくは、安定な
または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。用語「安定な」とは、本明細書で使用する場合、その生成、検出、ならびにある種の実施形態において、本明細書において開示されている1つまたは複数の目的のための、その回収、精製および使用を可能にする条件が施されても、実質的に変質しない化合物を指す。
【0032】
置換可能な炭素原子上の各必要に応じた置換基は、独立して、ハロゲン;-(CH0~4R°;-(CH0~4OR°;-O(CH0~4R°、-O-(CH0~4C(O)OR°;-(CH0~4CH(OR°);-(CH0~4SR°;-(CH0~4Ph(これはR°で置換され得る);-(CH0~4O(CH0~1Ph(これはR°で置換され得る);-CH=CHPh(これはR°で置換され得る);-(CH0~4O(CH0~1-ピリジル(これはR°で置換され得る);-NO;-CN;-N;-(CH0~4N(R°);-(CH0~4N(R°)C(O)R°;-N(R°)C(S)R°;-(CH0~4N(R°)C(O)NR°;-N(R°)C(S)NR°;-(CH0~4N(R°)C(O)OR°;-N(R°)N(R°)C(O)R°;-N(R°)N(R°)C(O)NR°;-N(R°)N(R°)C(O)OR°;-(CH0~4C(O)R°;-C(S)R°;-(CH0~4C(O)OR°;-(CH0~4C(O)SR°;-(CH0~4C(O)OSiR°;-(CH0~4OC(O)R°;-OC(O)(CH0~4SR-、-SC(S)SR°;-(CH0~4SC(O)R°;-(CH0~4C(O)NR°;-C(S)NR°;-C(S)SR°;-SC(S)SR°;-(CH0~4OC(O)NR°;-C(O)N(OR°)R°;-C(O)C(O)R°;-C(O)CHC(O)R°;-C(NOR°)R°;-(CH0~4SSR°;-(CH0~4S(O)R°;-(CH0~4S(O)OR°;-(CH0~4OS(O)R°;-S(O)NR°;-S(O)(NR°)R°;-S(O)N=C(NR°;-(CH0~4S(O)R°;-N(R°)S(O)NR°;-N(R°)S(O)R°;-N(OR°)R°;-C(NH)NR°;-P(O)R°;-P(O)R°;-OP(O)R°;-OP(O)(OR°);-SiR°;-(C1~4の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)O-N(R;または-(C1~4の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)C(O)O-N(Rから選択される一価置換基である。
【0033】
各Rは、独立して、水素、C1~6脂肪族、-CHPh、-O(CH0~1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分不飽和環またはアリール環であるか、あるいは上の定義にかかわらず、介在原子(単数もしくは複数)と一緒になった、Rの2つの独立した出現が、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する3~12員の飽和、部分不飽和もしくはアリールの単環式環もしくは二環式環を形成し、これらの環は、Rの飽和炭素原子上で、=Oおよび=Sから選択される二価の置換基により置換されていてもよく、あるいはRはそれぞれ、ハロゲン、-(CH0~2、-(ハロR)、-(CH0~2OH、-(CH0~2OR、-(CH0~2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0~2C(O)R、-(CH0~2C(O)OH、-(CH0~2C(O)OR、-(CH0~2SR、-(CH0~2SH、-(CH0~2NH、-(CH0~2NHR、-(CH0~2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1~4直鎖状または分岐状アルキレン)C(O)ORあるいは-SSRから独立して選択される、一価の置換基により必要に応じて置換されている。
【0034】
各Rは、C1~4脂肪族、-CHPh、-O(CH0~1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和
環、部分不飽和環もしくはアリール環から独立して選択され、Rはそれぞれ、無置換であるか、またはハロが前に付く場合、1個もしくは複数のハロゲンだけによって置換されており、あるいは飽和炭素上の必要に応じた置換基は、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))2~3O-もしくは-S(C(R ))2~3S-から独立して選択される二価の置換基であるか、または「必要に応じて置換されている」基の置換可能なビシナル炭素に結合している二価の置換基は-O(CR 2~3O-であり、Rの独立した出現はそれぞれ、水素、C1~6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の無置換の飽和環、部分不飽和環もしくはアリール環から選択される。
【0035】
がC1~6脂肪族である場合、Rは、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH
、-NHR、-NR または-NOにより必要に応じて置換されており、Rはそれぞれ、C1~4脂肪族、-CHPh、-O(CH0~1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分不飽和環もしくはアリール環から独立して選択され、Rはそれぞれ、無置換であるか、またはハロが前に付く場合、1個もしくは複数のハロゲンだけによって置換されている。
【0036】
置換可能な窒素上の必要に応じた置換基は、独立して、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、-S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR または-N(R)S(O)であり、Rはそれぞれ、独立して、水素、C1~6脂肪族、無置換-OPh、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する無置換の5~6員の飽和環、部分不飽和環もしくはアリール環であるか、あるいはRの2つの独立した出現は、それらの介在原子(単数もしくは複数)と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する無置換の3~12員の飽和、部分不飽和もしくはアリールの単環式もしくは二環式環を形成し、RがC1~6脂肪族である場合、Rは、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR または-NOにより必要に応じて置換されており、Rはそれぞれ、C1~4脂肪族、-CHPh、-O(CH0~1Ph、あるいは窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分不飽和環またはアリール環から独立して選択され、Rはそれぞれ、無置換であるか、またはハロが前に付いている場合、1個または複数のハロゲンだけによって置換されている。
【0037】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、妥当な医療的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触させて使用するのに好適であり、かつ妥当な利益/リスク比に見合う塩を意味する。薬学的に受容可能な塩は、当技術分野において周知である。例えば、S.M.Bergeらが、参照により本明細書に組み込まれている、J.Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻、1~19頁に薬学的に受容可能な塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、好適な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導されるものを含む。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と共に、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と共に、またはイオン交換などの当技術分野において使用されている他の方法を使用することにより形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩には、アジピ
ン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。
【0038】
適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1~4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに、薬学的に受容可能な塩には、適切な場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成される、非毒性のアンモニウム陽イオン、四級アンモニウム陽イオン、およびアミン陽イオンが含まれる。
【0039】
特に明記しない限り、本明細書において図示されている構造は、該構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー異性体および幾何(または立体構造)異性体)、例えば、各不斉中心に関してRおよびS立体配置、ZおよびE二重結合異性体、ならびにZおよびE立体構造異性体を含むことがやはり意図される。したがって、本化合物の単一立体化学異性体、ならびに鏡像異性体、ジアステレオマー異性体および幾何(または立体構造)異性体混合物が、本発明の範囲内にある。特に明記しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体が、本発明の範囲内にある。さらに、特に明記しない限り、本明細書において図示されている構造は、1個または複数の同位体に富む原子が存在することしか違いのない化合物も含まれることがやはり意図される。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置き換え、または13Cもしくは14Cに富む炭素による炭素の置き換えを含む、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、分析用手段として、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または本発明による治療剤として有用である。ある種の実施形態において、提供される化合物の弾頭部分Rは、1個または複数の重水素原子を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「EP4活性を阻害する薬剤」または「EP4阻害剤」という用語は、EP4受容体の生物学的活性を減少させるまたは減衰させる薬剤を指す。このような薬剤は、タンパク質、例えば、抗EP4抗体、核酸、アミノ酸、ペプチド炭水化物、小分子(有機または無機)、あるいは細胞中に存在するEP4受容体の量を減少させること、またはEP4受容体の結合もしくはシグナル伝達活性を低下させることのいずれかによりEP4受容体の活性を低下させる任意の他の化合物または組成物を含むことができる。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「EP4受容体活性」または「EP4活性」は、PGE刺激によるcAMPレベルのEP4媒介性増加を指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「選択的EP4阻害剤」とは、当技術分野で公知の標準的方法により決定された場合、EP1、EP2、またはEP3活性の阻害に対するIC50の10分の1以下、好ましくは100分の1以下のIC50でEP4活性を阻害する
薬剤である。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「測定可能な親和性」または「測定可能な程度に阻害する」とは、本明細書に記載されているEP4阻害剤、またはその塩もしくは組成物およびEP4を含むサンプルと、前記化合物またはその組成物の非存在下でEP4を含む同等のサンプルとの間のEP4活性における測定可能な変化を指す。
【0044】
2.2.式I、II、およびIIIの化合物
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物:
【化4】
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y、YおよびYは、N、CHまたはC(L)から独立して選択され、
は、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル
、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択される3つまでの置換基により必要に応じて置換されており、
Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、ハロ置換C1~6アルキレン、C3~7シクロアルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、-O-C1~5アルキレン、C1~2アルキレン-O-C1~2アルキレンまたはC1~6アルキレンであり、
Wは、NH、N-C1~4アルキル、O、S、N-ORまたは共有結合であり、
は、H、C1~4アルキル、OHまたはC1~4アルコキシであり、
Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、NH(HN=)C-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
およびRは、独立して、HおよびC1~4アルキルから選択され、
は、H、C1~4アルキル、C1~4アルキル-(O=)C-またはC1~4アルキル-O-(O=)C-であり、
は、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または5~12員の三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、C1~4アルキル-C(=O)NH-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されている。
【0045】
上で一般的に定義されたように、Y、Y、YおよびYは、独立して、N、CHまたはC(L)から選択される。
【0046】
いくつかの実施形態において、YはNである。いくつかの実施形態において、YはCHである。いくつかの実施形態において、YはC(L)であり、Lは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0047】
いくつかの実施形態において、YはNである。いくつかの実施形態において、YはCHである。いくつかの実施形態において、YはC(L)であり、Lは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0048】
いくつかの実施形態において、YはNである。いくつかの実施形態において、YはCHである。いくつかの実施形態において、YはC(L)であり、Lは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0049】
いくつかの実施形態において、YはNである。いくつかの実施形態において、YはCHである。いくつかの実施形態において、YはC(L)であり、Lは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0050】
いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYは、
a)YおよびYはC(L)であり、YはCHであり、YはNであること、
b)YはCHであり、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
c)Y、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
d)YおよびYはC(L)であり、YはNであり、YはCHであること、
e)YはC(L)であり、Y、YおよびYはCHであること、
f)Y、YおよびYはCHであり、YはC(L)であること、
g)Y、YおよびYはCHであり、YはC(L)であること、
h)YおよびYはC(L)であり、YおよびYはCHであること、
i)YおよびYはC(L)であり、YおよびYはCHであること、
j)YおよびYはCHであり、YおよびYはC(L)であること、
k)YおよびYはCHであり、YはC(L)であり、YはNであること、
l)YおよびYはCHであり、YはC(L)であり、YはNであること、
m)Y、Y、YおよびYはCHであること、
n)YおよびYはC(L)であり、YはCHであり、YはNであること、
o)Y、YおよびYはCHであり、YはC(L)であること、
p)YおよびYはC(L)であり、YはNであり、YはCHであること、
q)YおよびYはC(L)であり、YおよびYはNであること、
r)YはC(L)であり、YおよびYはCHであり、YはNであること、または
s)YはC(L)であり、YおよびYはCHであり、YはNであること
から選択される。
【0051】
いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYは、
a)YおよびYはC(L)であり、YはCHであり、YはNであること、
b)YはCHであり、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
c)Y、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
d)YおよびYはC(L)であり、YはNであり、YはCHであること、
e)YはC(L)であり、Y、YおよびYはCHであること、
f)Y、YおよびYはCHであり、YはC(L)であること、
g)Y、YおよびYはCHであり、YはC(L)であること、
h)YおよびYはC(L)であり、YおよびYはCHであること、
i)YおよびYはC(L)であり、YおよびYはCHであること、または
j)YおよびYはCHであり、YおよびYはC(L)であること
から選択される。
【0052】
いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYのそれぞれは、表1に示されているものから独立して選択される。
【0053】
上で一般的に定義されたように、Rは、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、RはHである。いくつかの実施形態において、Rは、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル(tetrahydronaphtyl)、1,2-ジヒドロナフチル(dihydronaphtyl)、ピロリジニル、ピ
ペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、Q、m、およびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0055】
いくつかの実施形態において、Rは、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-またはジ-(C1~8アルキル)アミノであり、前記C1~8アルキルは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(O)-、Q-O-、Q-S-、Q-C1~4アルキル-O-、またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、Q、R、およびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0056】
いくつかの実施形態において、Rは、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニルまたはC3~7シクロアルキルであり、前記C1~8アルキルは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S-、Q-C1~4アルキル-O-、またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、Q、R、およびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0057】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されているC1~8アルキルであり、Q、m、およびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0058】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されているC2~8アルケニルであり、Q、m、およびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0059】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されているC2~8アルキニルであり、Q、m、およびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0060】
いくつかの実施形態において、Rは、C1~5アルキルまたはC3~7シクロアルキルであり、前記C1~5アルキルは、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、ピノリジニル(pynolidinyl)、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、
またはC1~4アルキル-C(O)-N(H)-により必要に応じて置換されており、Qは、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0061】
いくつかの実施形態において、Rは、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、5ま
たは6員単環式芳香族環により必要に応じて置換されているC1~5アルキルであり、前記5または6員単環式芳香族環は、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子、またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-(式中、Rは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである)を含有する。
【0062】
いくつかの実施形態において、RはC3~7シクロアルキルである。
【0063】
いくつかの実施形態において、RはC1~8アルコキシである。
【0064】
いくつかの実施形態において、Rはハロ置換C1~8アルコキシである。
【0065】
いくつかの実施形態において、RはC1~8アルキル-S(O)m-であり、mは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0066】
いくつかの実施形態において、RはQ-であり、Qは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0067】
いくつかの実施形態において、Rはピロリジニルである。
【0068】
いくつかの実施形態において、Rはピペリジルである。
【0069】
いくつかの実施形態において、Rはオキソピロリジニルである。
【0070】
いくつかの実施形態において、Rはオキソピペリジルである。
【0071】
いくつかの実施形態において、Rはアミノである。
【0072】
いくつかの実施形態において、Rはモノ-またはジ-(C1~8アルキル)アミノである。
【0073】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキル-C(=O)-N(R)-であり、Rは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0074】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、mおよびRのそれぞれは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0075】
いくつかの実施形態において、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルである。
【0076】
いくつかの実施形態において、Rは表1に示されているものから選択される。
【0077】
上で一般的に定義されたように、Qは、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R
C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されている。
【0078】
いくつかの実施形態において、Qは、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0079】
いくつかの実施形態において、Qは、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5または6員単環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0080】
いくつかの実施形態において、Qは、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0081】
いくつかの実施形態において、Qは、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する8~10員二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0082】
いくつかの実施形態において、Qは、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有し、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニルまたはC1~4アルキルC(=O)-により必要に応じて置換されている5~12員単環式芳香族環である。
【0083】
いくつかの実施形態において、Qは、NおよびSから選択される2個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式芳香族環系である。
【0084】
いくつかの実施形態において、Qは、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5または6員単環式芳香族環である。
【0085】
いくつかの実施形態において、Qは表1に示されているものから選択される。
【0086】
上で一般的に定義されたように、Aは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択される3つまでの置換基により必要に応じて置換されている。
【0087】
いくつかの実施形態において、Aは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5員単環式芳香族環であり、前記5員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択される3つまでの置換基により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0088】
いくつかの実施形態において、Aは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する6員単環式芳香族環であり、前記6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択される3つまでの置換基により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0089】
いくつかの実施形態において、Aは、O、N、およびSから選択される2個までのヘテ
ロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシおよびハロ置換C1~4アルコキシから選択される2つまでの置換基により必要に応じて置換されている。
【0090】
いくつかの実施形態において、Aは、ハロ、C1~4アルキルまたはC1~4アルコキシにより必要に応じて置換されている5~6員単環式芳香族環である。
【0091】
いくつかの実施形態において、Aは、ハロまたはC1~4アルキルにより必要に応じて置換されている5~6員単環式芳香族環である。
【0092】
いくつかの実施形態において、Aは5~6員単環式芳香族環である。
【0093】
いくつかの実施形態において、Aはフェニルである。
【0094】
いくつかの実施形態において、Aは表1に示されているものから選択される。
【0095】
上で一般的に定義されたように、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、ハロ置換C1~6アルキレン、C3~7シクロアルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、-O-C1~5アルキレン、C1~2アルキレン-O-C1~2アルキレンまたはC1~6アルキレンである。
【0096】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されているハロ置換C1~6アルキレンである。
【0097】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC3~7シクロアルキレンである。
【0098】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC2~6アルケニレンである。
【0099】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC2~6アルキニレンである。
【0100】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている-O-C1~5アルキレンである。
【0101】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC1~2アルキレン-O-C1~2アルキレンである。
【0102】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC1~6アルキレンである。
【0103】
いくつかの実施形態において、Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、C3~7シクロアルキレンまたはC1~6アルキレンである。
【0104】
いくつかの実施形態において、Bは、C1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC1~3アルキレンである。
【0105】
いくつかの実施形態において、Bは、メチルにより必要に応じて置換されているC1~
アルキレンである。
【0106】
いくつかの実施形態において、Bはエチレンまたはプロピレンである。
【0107】
いくつかの実施形態において、Bは表1に示されているものから選択される。
【0108】
上で一般的に定義されたように、Wは、NH、N-C1~4アルキル、O、S、N-ORまたは共有結合である。
【0109】
いくつかの実施形態において、Wは、NH、N-C1~4アルキル、OまたはN-OHである。
【0110】
いくつかの実施形態において、Wは、NH、N-C1~2アルキルまたはOである。
【0111】
いくつかの実施形態において、Wは、NH、N-CHまたはOである。
【0112】
いくつかの実施形態において、WはNHである。
【0113】
いくつかの実施形態において、WはN-C1~4アルキルである。
【0114】
いくつかの実施形態において、WはOである。
【0115】
いくつかの実施形態において、WはSである。
【0116】
いくつかの実施形態において、WはN-ORであり、Rは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0117】
いくつかの実施形態において、Wは共有結合である。
【0118】
いくつかの実施形態において、Wは表1に示されているものから選択される。
【0119】
上で一般的に定義されたように、Rは、H、C1~4アルキル、OHまたはC1~4アルコキシである。
【0120】
いくつかの実施形態において、RはHである。いくつかの実施形態において、Rは、C1~4アルキル、OHまたはC1~4アルコキシである。
【0121】
いくつかの実施形態において、Rは、HまたはC1~4アルキルである。
【0122】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキルである。
【0123】
いくつかの実施形態において、RはOHである。
【0124】
いくつかの実施形態において、RはまたはC1~4アルコキシである。
【0125】
いくつかの実施形態において、Rは表1に示されているものから選択される。
【0126】
上で一般的に定義されたように、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アル
キル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されている。
【0127】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5員単環式芳香族環であり、前記5員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、RおよびQのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0128】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する6員単環式芳香族環であり、前記6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、RおよびQのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0129】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する8員二環式芳香族環であり、前記8員二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、RおよびQのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0130】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する9員二環式芳香族環であり、前記9員二環式芳香族環は、ハ
ロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、RおよびQのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0131】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する10員二環式芳香族環であり、前記10員二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、RおよびQのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0132】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C1~4アルキル-C(=O)NH-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、R、Q、およびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0133】
いくつかの実施形態において、Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、RC(=O)N(R)-、C1~4アルキル-O(O=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、R、Q、およびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0134】
いくつかの実施形態において、Zは、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、RC(=O)N(R)-、C1~4アルキル-O(O=)C、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、R、Q、お
よびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0135】
いくつかの実施形態において、Zは、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ニトロ、RC(=O)N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、R、R、およびQのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0136】
いくつかの実施形態において、Zは、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~10員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~10員単環式芳香族環は、クロロ、ブロモ、メチル、ニトロ、CHC(=O)NH-、tBuC(=O)NH-またはフェニルにより必要に応じて置換されている。
【0137】
いくつかの実施形態において、Zは、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルは、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されている。
【0138】
いくつかの実施形態において、Zは表1に示されているものから選択される。
【0139】
上で一般的に定義されたように、Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、NH(HN=)C-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成する。
【0140】
いくつかの実施形態において、Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、ハロ置換C1~4アルコキシ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、R、R、Qおよびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0141】
いくつかの実施形態において、Lはハロである。いくつかの実施形態において、LはFである。いくつかの実施形態において、LはClである。いくつかの実施形態において、LはBrである。いくつかの実施形態において、LはIである。
【0142】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルキルである。
【0143】
いくつかの実施形態において、Lはハロ置換C1~4アルキルである。
【0144】
いくつかの実施形態において、Lはヒドロキシルである。
【0145】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルコキシである。
【0146】
いくつかの実施形態において、Lはハロ置換C1~4アルコキシである。
【0147】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルキルチオである。
【0148】
いくつかの実施形態において、Lはニトロである。
【0149】
いくつかの実施形態において、Lはアミノである。
【0150】
いくつかの実施形態において、Lはモノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノである。
【0151】
いくつかの実施形態において、Lはシアノである。
【0152】
いくつかの実施形態において、LはHO-C-1~4アルキルである。
【0153】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルコキシ-C1~4アルキルである。
【0154】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルキルスルホニルである。
【0155】
いくつかの実施形態において、Lはアミノスルホニルである。
【0156】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルキルC(=O)-である。
【0157】
いくつかの実施形態において、LはHO(O=)C-である。
【0158】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルキル-O(O=)C-である。
【0159】
いくつかの実施形態において、LはC1~4アルキルスルホニルアミノである。
【0160】
いくつかの実施形態において、LはC3~7シクロアルキルである。
【0161】
いくつかの実施形態において、LはRC(=O)N(R)-であり、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0162】
いくつかの実施形態において、LはNH(HN=)C-である。
【0163】
いくつかの実施形態において、LはRN(R)C(=O)-であり、RおよびRのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0164】
いくつかの実施形態において、LはRN(R)S(O)m-であり、R、R、およびmのそれぞれは、独立して、本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0165】
いくつかの実施形態において、LはQ-であり、Qは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0166】
いくつかの実施形態において、LはQ-C(=O)-であり、Qは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0167】
いくつかの実施形態において、LはQ-O-であり、Qは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0168】
いくつかの実施形態において、LはQ-C1~4アルキル-O-であり、Qは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0169】
いくつかの実施形態において、2つの隣接するL基は、必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が酸素原子により必要に応じて置き換えられている、3または4員を有するアルキレン鎖を形成する。
【0170】
いくつかの実施形態において、Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、シアノ、HO-C1~4アルキル、アセチル、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-であるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基(式中、R、R、Q、およびmのそれぞれが独立して本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである)を形成する。
【0171】
いくつかの実施形態において、Lは、クロロ、メチル、トリフルオロメチル(trifuluoromethyl)、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH、トリフルオロメチルオキシ(trifuluoromethyloxy)、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキ
シ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する。
【0172】
いくつかの実施形態において、Lは表1に示されているものから選択される。
【0173】
上で一般的に定義されたように、mは0、1または2である。
【0174】
いくつかの実施形態において、mは0または2である。
【0175】
いくつかの実施形態において、mは0である。いくつかの実施形態において、mは1である。いくつかの実施形態において、mは2である。
【0176】
いくつかの実施形態において、mは表1に示されているものから選択される。
【0177】
上で一般的に定義されたように、RおよびRのそれぞれは、HおよびC1~4アルキルから独立して選択される。
【0178】
いくつかの実施形態において、RはHである。
【0179】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキルである。
【0180】
いくつかの実施形態において、RはHである。
【0181】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキルである。
【0182】
いくつかの実施形態において、RおよびRそれぞれは表1に示されているものから独立して選択される。
【0183】
上で一般的に定義されたように、Rは、H、C1~4アルキル、C1~4アルキル-(O=)C-またはC1~4アルキル-O-(O=)C-である。
【0184】
いくつかの実施形態において、RはHである。
【0185】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキルである。
【0186】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキル-(O=)C-である。
【0187】
いくつかの実施形態において、RはC1~4アルキル-O-(O=)C-である。
【0188】
いくつかの実施形態において、Rは表1に示されているものから選択される。
【0189】
上で一般的に定義されたように、Qは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または5~12員の三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、C1~4アルキル-C(=O)NH-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されている。
【0190】
いくつかの実施形態において、Qは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または8~12員の三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、またはC1~4アルキル-C(=O)NH-により必要に応じて置換されており、RおよびRのそれぞれが独立して本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0191】
いくつかの実施形態において、Qは、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ
-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、C1~4アルキル-C(=O)NH-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRが本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0192】
いくつかの実施形態において、Qは、5または6員単環式芳香族環であり、前記5または6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、C1~4アルキル-C(=O)NH-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRが本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0193】
いくつかの実施形態において、Qは、8~10員二環式芳香族環であり、前記8~10員二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、C1~4アルキル-C(=O)NH-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、RおよびRが本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0194】
いくつかの実施形態において、QはO、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員三環式環である。
【0195】
いくつかの実施形態において、Qは、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する、5もしくは6員単環式芳香族環または8~12員三環式環であり、前記5または6員単環式芳香族環はハロにより必要に応じて置換されている。
【0196】
いくつかの実施形態において、Qは、1個の硫黄原子を必要に応じて含有する、5もしくは6員単環式芳香族環または8~12員三環式環であり、前記5または6員単環式芳香族環はハロにより必要に応じて置換されている。
【0197】
いくつかの実施形態において、Qは5または6員単環式芳香族環である。
【0198】
いくつかの実施形態において、Qは、表1に示されているものから選択される。
【0199】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は表1に示されている化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0200】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、I-4、I-5、I-8、I-14、I-18、I-22~I-24、I-27、I-30~I-34、I-40、I-42、およびI-52~I-77からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0201】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、化合物A:
【化5】
(グラピプラン(grapiprant)としても公知)、または薬学的に受容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、化合物Aは結晶形である。いくつかの実施形態において、化合物Aは、その内容がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,960,407号および第9,265,756号に記載されているような多形形態Aである。いくつかの実施形態において、化合物Aの多形形態Aは、CuKα放射線の照射により得られた粉末X線回折パターンを特徴とし、これは、2-シータ°9.8、13.2、13.4、13.7、14.1、17.5、19.0、21.6、24.0および25.7+/-0.2において主要ピークを含む。いくつかの実施形態において、化合物Aの多形形態Aは、それが約160℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)を特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物Aの多形形態Aは、約9.9、約13.5、約14.3、約16.1、約17.7、約21.8、約24.14、および約25.8において2-シータ度で表現される特徴的ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。いくつかの実施形態において、化合物Aの多形形態Aは、約155~170℃において吸熱/発熱を示した示差走査熱量測定プロファイルを示す。いくつかの実施形態において、化合物Aの多形形態Aは、約30℃から約150℃へと加熱した場合、0.
5~0.6%の質量損失を示す熱重量分析を示す。
【0202】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y、YおよびYのうちの1つがNであり、その他は、CHおよびC(L)から独立して選択され、
は、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルは、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択される3つまでの置換基により必要に応じて置換されており、
Bは、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、ハロ置換C1~6アルキレン、C3~7シクロアルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、-O-C1~5アルキレン、C1~2アルキレン-O-C1~2アルキレンまたはC1~6アルキレンであり、
Wは、NH、N-C1~4アルキル、O、S、N-ORまたは共有結合であり、
は、H、C1~4アルキル、OHまたはC1~4アルコキシであり、
Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)
N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、NH(HN=)C-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
およびRは、独立して、HおよびC1~4アルキルから選択され、
は、H、C1~4アルキル、C1~4アルキル-(O)C-またはC1~4アルキル-O-(O=)C-であり、
は、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または5~12員の三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、C1~4アルキル-C(=O)NH-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されている。
【0203】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、Y、およびYのうちの1つがNであり、その他は、CHおよびC(L)から独立して選択され、
が、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルが、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-C(=O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
が、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シ
アノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aが、O、N、およびSから選択される2個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環が、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシおよびハロ置換C1~4アルコキシから選択される2つまでの置換基により必要に応じて置換されており、
Bが、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、C3~7シクロアルキレンまたはC1~6アルキレンであり、
Wが、NH、N-C1~4アルキル、OまたはN-OHであり、
が、HまたはC1~4アルキルであり、
Zが、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環が、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C1~4アルキル-C(=O)NH-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lが、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、ハロ置換C1~4アルコキシ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基が必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が必要に応じて酸素原子で置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mが0または2であり、
およびRが、独立して、HおよびC1~4アルキルから選択され、
が、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または8~12員三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環が、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキル-(O=)C-、R(R)C(=O)N-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキルまたはC1~4アルキル-C(=O)NH-により必要に応じて置換されている。
【0204】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、Y、およびYのうちの1つがNであり、その他は、独立して、CHおよびC(L)から選択され、
が、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、Q-、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-またはジ-(C1~8アルキル)アミノであり、前記C1~8
ルキルが、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(O)-、Q-O-、Q-S-、Q-C1~4アルキル-O-、またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
が、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニルおよびC1~4アルキルC(=O)-により必要に応じて置換されており、
Aが、ハロ、C1~4アルキルまたはC1~4アルコキシにより必要に応じて置換されている5~6員単環式芳香族環であり、
Bが、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、C3~7シクロアルキレンまたはC1~6アルキレンであり、
Wが、NH、N-C1~4アルキル、OまたはN-OHであり、
が、HまたはC1~4アルキルであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環がハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C1~4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、RC(=O)N(R)-、C1~4アルキル-O(O=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lが、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(=O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基が、必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が酸素原子により必要に応じて置き換えられている、3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mが0または2であり、
およびRが、HおよびC1~4アルキルから独立して選択され、
が、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する、5もしくは6員単環式芳香族環、または8~12員三環式環であり、前記5または6員単環式芳香族環がハロにより必要に応じて置換されている。
【0205】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、YおよびYのうちの1つがNであり、その他は、CHおよびC(L)から独立して選択され、
が、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニルまたはC3~7シクロアルキルであり、前記C1~8アルキルが、ハロ、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S-、Q-C1~4アルキル-O-、またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
が、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5または6員単環式芳香族環であり、
Aが、ハロまたはC1~4アルキルにより必要に応じて置換されている5~6員単環式芳香族環系であり、
Bが、オキソ基またはC1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、またはC3~7シクロアルキレンまたはC1~6アルキレンであり、
Wが、NH、N-C1~4アルキル、OまたはN-OHであり、
がHまたはC1~4アルキルであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環が、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C1~4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、RC(=O)N(R)-、C1~4アルキル-O(O=)C、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lが、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)NR-、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-C1~4アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基が、必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が酸素原子により必要に応じて置き換えられている、3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mが0または2であり、
およびRが、HおよびC1~4アルキルから独立して選択され、
が、1個の硫黄原子を必要に応じて含有する、5もしくは6員単環式芳香族環または8~12員三環式環であり、前記5または6員の単環式芳香族環がハロにより必要に応じて置換されている。
【0206】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、YおよびYのうちの1つがNであり、その他は、CHおよびC(L)から独立して選択され、
が、C1~5アルキルまたはC3~7シクロアルキルであり、前記C1~5アルキルが、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q-、またはC1~4アルキル-C(O)-N(H)-により必要に応じて置換されており、
が、NおよびSから選択される2個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式芳香族環系であり、
Aが5~6員単環式芳香族環系であり、
Bが、C1~3アルキルにより必要に応じて置換されているC1~3アルキレンであり、
Wが、NH、N-C1~2アルキルまたはOであり、
がHであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式芳香族環が、ハロ、C1~4アルキル、ニトロ、RC(=O)N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lがハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、シアノ、HO-C1~4アルキル、アセチル、RN(R)C(=O)-、RN(R)S(O)m-、Q-、Q-C(=O)-であるか、または2つの隣接するL基が、一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成し、
およびRが、HおよびC1~4アルキルから独立して選択され、
が5または6員単環式芳香族環系である。
【0207】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、YおよびYのうちの1つがNであり、その他は、CHおよびC-Lから独立して選択され、
が、C1~3アルキル、ヒドロキシ、オキソ、5または6員単環式芳香族環により必要に応じて置換されているC1~5アルキルであり、前記5または6員単環式芳香族環が、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子、またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-を含有し、
Aがフェニルであり、
Bが、メチルにより必要に応じて置換されているC1~2アルキレンであり、
Wが、NH、N-CHまたはOであり、
がHであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~10員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~10員単環式芳香族環が、クロロ、ブロモ、メチル、ニトロ、CHC(=O)NH-、tBuC(=O)NH-またはフェニルにより必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する。
【0208】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、YおよびYのうちの1つがNであり、その他は、CHおよびC-(L)から独立して選択され、
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルであり、
Aがフェニルであり、
Bがエチレンまたはプロピレンであり、
WがNH、N-CHまたはOであり、
がHであり、
Zが、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルが、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する。
【0209】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、YおよびYは、
a)YおよびYはC(L)であり、YはCHであり、YはNであること、
b)YはCHであり、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
c)Y、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
d)YおよびYはC(L)であり、YはNであり、YはCHであること、
k)YおよびYはCHであり、YはC(L)であり、YはNであること、
l)YおよびYはCHであり、YはC(L)であり、YはNであること、
n)YおよびYはC(L)であり、YはCHであり、YはNであること、
p)YおよびYはC(L)であり、YはNであり、YはCHであること、
r)YはC(L)であり、YおよびYはCHであり、YはNであること、ならびに
s)YはC(L)であり、YおよびYはCHであり、YはNであること
からなる群より選択され、
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルであり、
Aがフェニルであり、
Bがエチレンまたはプロピレンであり、
WがNH、N-CHまたはOであり、
がHであり、
Zが、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルが、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する。
【0210】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、Y、Y、YおよびYは、
a)YおよびYはC(L)であり、YはCHであり、YはNであること、
b)YはCHであり、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、
c)Y、YおよびYはC(L)であり、YはNであること、ならびに
d)YおよびYはC(L)であり、YはNであり、YはCHであること、
からなる群より選択され、
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルであり、
Aがフェニルであり、
Bがエチレンまたはプロピレンであり、
WがNH、N-CHまたはOであり、
がHであり、
Zが、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルが、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する。
【0211】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式IIの化合物:
【化6】
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y、YおよびYは、N、CHまたはC(L)から独立して選択され、
は、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルは、ハロ、C1~3アルキル、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、3個までの置換基により必要に応じて置換されたベンゼン環または3個までの置換基により必要に応じて置換されたピリジン環であり、ここで、前記置換基は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択され、
Bは、C1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、C2~6アルキレン、C3~7シクロアルキレン、C2~6アルケニレンまたはC2~6アルキニレンであり、
Wは、NHまたはOであり、
Pは、H、保護基またはQ-OC(=O)-であり、
は、ハロにより必要に応じて置換された6~10員単環式もしくは二環式芳香族環、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、シアノ、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、またはC1~4アルキル-O(O=)C-であり、
Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、NH(HN=)C-、RN(R)C(=O)-、またはRN(R)S(O)m-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
およびRは、独立して、HおよびC1~4アルキルから選択される。
【0212】
いくつかの実施形態において、PはHである。
【0213】
いくつかの実施形態において、Pは保護基である。例示的な保護基は、その内容がその全体において参照により本明細書に組み込まれるGreene(2006)に詳細に記載されている。
【0214】
いくつかの実施形態において、Pは適切なアミノ保護基である。適切なアミノ保護基は当技術分野で周知であり、Greene(2006)に詳細に記載されているものを含む。いくつかの実施形態において、それらが結合している-NH-部分と一緒になった適切なアミノ保護基は、これらに限定されないが、アラルキルアミン、カルバメート、アリルアミン、アミドなどを含む。ある種の実施形態において、Pは、t-ブチルオキシカルボニル(BOC)、エチルオキシカルボニル、メチルオキシカルボニル、トリクロロエチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、アリル、ベンジル(Bn)、フルオレニルメチルカルボニル(Fmoc)、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、またはピバロイルから選択されるアミノ保護基である。いくつかの実施形態において、Pは、t-ブチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ピバロイル、およびアセチルから選択されるアミノ保護基である。いくつかの実施形態において、Pはピバロイルである。
【0215】
いくつかの実施形態において、Pは適切なヒドロキシル保護基である。適切なヒドロキシル保護基は当技術分野で周知であり、Greene(2006)に詳細に記載されているものを含む。ある種の実施形態において、それが結合している酸素原子と一緒になった適切なヒドロキシル保護基は、エステル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、およびアルコキシアルキルエーテルから選択される。このようなエステルの例には、ギ酸エステル、酢酸エステル、炭酸エステルおよびスルホン酸エステルが含まれる。具体例には、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、クロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、p-クロロフェノキシ酢酸エステル、3-フェニルプロピオン酸エステル、4-オキソペンタン酸エステル、4,4-(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバル酸エステル(トリメチルアセチル)、クロトン酸エステル、4-メトキシ-クロトン酸エステル、安息香酸エステル、p-ベニル安息香酸エステル(p-benylbenzoate)、2,4,6-トリメチル安息香酸エステル、炭酸エステル(メチル、9-フルオレニルメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリルおよびp-ニトロベンジルなど)が含まれる。このようなシリルエーテルの例には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルおよび他のトリアルキルシリルエーテルが含まれる。アルキルエーテルには、メチル、ベンジル、p
-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、トリチル、t-ブチル、アリルおよびアリルオキシカルボニルエーテルまたは誘導体が含まれる。アルコキシアルキルエーテルには、メトキシメチル、メチルチオメチル、(2-メトキシエトキシ)メチル、ベンジルオキシメチル、ベータ-(トリメチルシリル)エトキシメチルおよびテトラヒドロピラニルエーテルなどのアセタールが含まれる。アリールアルキルエーテルの例には、ベンジル、p-メトキシベンジル(MPM)、3,4-ジメトキシベンジル、O-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、2-および4-ピコリルが含まれる。ある種の実施形態において、それが結合している酸素原子と一緒になった適切なヒドロキシル保護基はシリルエーテルまたはアリールアルキルエーテルである。いくつかの実施形態において、Pはt-ブチルジメチルシリルおよびベンゾイルから選択される適切なヒドロキシル保護基である。いくつかの実施形態において、Pはt-ブチルジメチルシリル(「TBS」)である。
【0216】
いくつかの実施形態において、PはQ-OC(=O)-であり、Qは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0217】
いくつかの実施形態において、Qは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、シアノ、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、またはC1~4アルキル-O(O=)C-により必要に応じて置換されている6員単環式芳香族環である。
【0218】
いくつかの実施形態において、Qは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、シアノ、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、またはC1~4アルキル-O(O=)C-により必要に応じて置換されている8~10員二環式芳香族環である。
【0219】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式IIIの化合物:
【化7】
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y、YおよびYは、N、CHまたはC(L)から独立して選択され、
は、H、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、C3~7シクロアルキル、C1~8アルコキシ、ハロ置換C1~8アルコキシ、C1~8アルキル-S(O)m-、Q-、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~8アルキル)アミノ、C1~4アルキル-C(=O)-N(R)-またはC1~4アルキル-S(O)m-N(R)-であり、前記C1~8アルキル、C2~8アルケニルおよびC2~8アルキニルは、ハロ、C1~3アルキル、C1~4アルコキシ-、C1~4アルキル-S(O)m-、C3~7シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、Q-、Q-C(=O)-、Q-O-、Q-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-O-、Q-C1~4アルキル-S(O)m-、Q-C1~4アルキル-C(O)-N(R)-、Q-C1~4アルキル-N(R
)-またはC1~4アルキル-C(O)-N(R)-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、RN(R)C(=O)-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-またはNH(HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、3個までの置換基により必要に応じて置換されたベンゼン環または3個までの置換基により必要に応じて置換されたピリジン環であり、ここで、前記置換基は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、RN(R)C(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-およびNH(HN=)C-から選択され、
Bは、C1~3アルキルにより必要に応じて置換されている、C2~6アルキレン、C3~7シクロアルキレン、C2~6アルケニレン、またはC2~6アルキニレンであり、
Wは、NHまたはOであり、
Pは、H、保護基、またはZ-S(O)-N(R)-C(=O)-であり、
Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、C1~4アルケニル、C1~4アルキニル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、RC(=O)N(R)-、HO(O=)C、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、NH(HN=)C-、Q-S(O)m-、Q-O-、Q-N(R)-またはQ-により必要に応じて置換されており、
Lは、ハロ、C1~4アルキル、ハロ置換C1~4アルキル、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロ置換C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~4アルキル)アミノ、シアノ、HO-C1~4アルキル、C1~4アルコキシ-C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1~4アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C1~4アルキル-O(O=)C-、C1~4アルキルスルホニルアミノ、C3~7シクロアルキル、RC(=O)N(R)-、NH(HN=)C-、RN(R)C(=O)-、またはRN(R)S(O)m-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
、RおよびRは、独立して、HおよびC1~4アルキルから選択される。
【0220】
いくつかの実施形態において、PはHである。
【0221】
いくつかの実施形態において、Pは保護基である。
【0222】
いくつかの実施形態において、Pは、Z-S(O)-N(R)-C(=O)-であり、Zは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0223】
2.3.式I’、II’、およびIII’の化合物
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(I’)の化合物:
【化8】
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’およびR2’は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’およびR4’は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR3’およびR4’基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
5’は、
-COH、-COW’、
【化9】
を表し、
6’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の
炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からからなる群より選択され、
W’は薬学的に受容可能なエステルプロドラッグ基であるが、
ただし、R1’およびR2’は水素原子を同時に表さないものとする。
【0224】
上で一般的に定義されているように、A’はフェニル基またはピリジル基を表す。
【0225】
いくつかの実施形態において、A’はフェニルである。いくつかの実施形態において、A’はピリジルである。
【0226】
いくつかの実施形態において、A’は表2に示されているものから選択される。
【0227】
上で一般的に定義されているように、B’はアリール基またはヘテロアリール基を表す。
【0228】
いくつかの実施形態において、B’はアリールである。
【0229】
いくつかの実施形態において、B’はヘテロアリールである。
【0230】
いくつかの実施形態において、B’はフェニルまたはピリジル基を表し、前記基は非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、各置換基αは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0231】
いくつかの実施形態において、B’は、置換基αからなる群より選択される置換基によ
り必要に応じて置換されているフェニル基を表し、各置換基αは本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0232】
いくつかの実施形態において、B’は表2に示されているものから選択される。
【0233】
上で一般的に定義されているように、R1’およびR2’は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表す。
【0234】
いくつかの実施形態において、R1’は、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表す。
【0235】
いくつかの実施形態において、R1’は水素原子である。いくつかの実施形態において、R1’は、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基である。
【0236】
いくつかの実施形態において、R1’はハロゲン原子である。いくつかの実施形態において、R1’は1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態において、R1’は1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基である。いくつかの実施形態において、R1’は1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基である。いくつかの実施形態において、R1’は1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基である。いくつかの実施形態において、R1’はシアノ基である。いくつかの実施形態において、R1’はアミノカルボニル基である。
【0237】
いくつかの実施形態において、R2’は、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表す。
【0238】
いくつかの実施形態において、R2’は水素原子である。いくつかの実施形態において、R2’は、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基である。
【0239】
いくつかの実施形態において、R2’はハロゲン原子である。いくつかの実施形態において、R2’は1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態において、R2’は1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基である。いくつかの実施形態において、R2’は1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基である。いくつかの実施形態において、R2’は1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基である。いくつかの実施形態において、R2’はシアノ基である。いくつかの実施形態において、R2’はアミノカルボニル基である。
【0240】
いくつかの実施形態において、R1’はハロゲン原子を表し、R2’は水素原子を表す。
【0241】
いくつかの実施形態において、R1’およびR2’のそれぞれは表2に示されているも
のから独立して選択される。
【0242】
上で一般的に定義されているように、R3’およびR4’は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR3’およびR4’基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよい。
【0243】
いくつかの実施形態において、R3’は水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
【0244】
いくつかの実施形態において、R3’は水素原子である。いくつかの実施形態において、R3’は1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0245】
いくつかの実施形態において、R4’は、水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
【0246】
いくつかの実施形態において、R4’は水素原子である。いくつかの実施形態において、R4’は1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0247】
いくつかの実施形態において、R3’およびR4’基は、一緒に結合して2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよい。
【0248】
いくつかの実施形態において、R3’およびR4’は、独立して、水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
【0249】
いくつかの実施形態において、R3’は1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R4’は水素原子を表す。
【0250】
いくつかの実施形態において、R3’はメチル基を表し、R4’は水素原子を表す。
【0251】
いくつかの実施形態において、R3’およびR4’のそれぞれは表2に示されているものから独立して選択される。
【0252】
上で一般的に定義されているように、R5’は、-COH、-COW’、
【化10】
を表す。
【0253】
いくつかの実施形態において、R5’は-COHである。
【0254】
いくつかの実施形態において、R5’は-COW’であり、W’は本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0255】
いくつかの実施形態において、R5’
【化11】
である。
【0256】
いくつかの実施形態において、R5’は、
【化12】
であり、R6’は本明細書に記載されている実施形態において定義されている通りである。
【0257】
いくつかの実施形態において、R5’は-COH、
【化13】
を表し、R6’は、ハロゲン原子またはヘテロアリール基により必要に応じて置換されているアリール基を表す。
【0258】
いくつかの実施形態において、R5’は-COH、
【化14】
を表し、R6’は、ハロゲン原子により必要に応じて置換されているアリール基を表す。
【0259】
いくつかの実施形態において、R5’は-COH、
【化15】
を表し、R6’はハロゲン原子により必要に応じて置換されているフェニル基を表す。
【0260】
いくつかの実施形態において、R5’は、-COHまたは
【化16】
を表す。
【0261】
いくつかの実施形態において、R5’は表2に示されているものから選択される。
【0262】
上で一般的に定義されているように、R6’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
【0263】
いくつかの実施形態において、R6’は1~6個の炭素原子を有するアルキル基である
【0264】
いくつかの実施形態において、R6’は3~7個の環原子を有するシクロアルキル基である。
【0265】
いくつかの実施形態において、R6’はアリール基である。
【0266】
いくつかの実施形態において、R6’はヘテロアリール基である。
【0267】
いくつかの実施形態において、R6’は表2に示されているものから選択される。
【0268】
上で一般的に定義されているように、X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
【0269】
いくつかの実施形態において、Xはメチレン基である。
【0270】
いくつかの実施形態において、Xは酸素原子である。
【0271】
いくつかの実施形態において、Xは硫黄原子である。
【0272】
いくつかの実施形態において、Xはメチレン基または酸素原子を表す。
【0273】
いくつかの実施形態において、Xは表2に示されているものから選択される。
【0274】
上で一般的に定義されているように、前記アリール基は6~10個の炭素原子を有する。
【0275】
いくつかの実施形態において、アリール基は6個の炭素項目(carbon item)を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は7個の炭素項目を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は8個の炭素項目を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は9個の炭素項目を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は10個の炭素項目を有する。
【0276】
いくつかの実施形態において、アリール基は表2に示されているものから選択される。
【0277】
上で一般的に定義されているように、前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基である。
【0278】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員芳香族複素環式基である。
【0279】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する6員芳香族複素環式基である。
【0280】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する7員芳香族複素環式基である。
【0281】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する8員芳香族複素環式基である。
【0282】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する9員芳香族複素環式基である。
【0283】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する10員芳香族複素環式基である。
【0284】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は表2に示されているものから選択される。
【0285】
一般的に上で定義されているように、B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0286】
いくつかの実施形態において、B’の定義において言及されたアリール基は非置換である。いくつかの実施形態において、B’の定義において言及されたアリール基は置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0287】
いくつかの実施形態において、B’の定義において言及されたヘテロアリール基は非置換である。いくつかの実施形態において、B’の定義において言及されたヘテロアリール基は、置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0288】
いくつかの実施形態において、B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、表2に示されているものから選択される。
【0289】
上で一般的に定義されているように、E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0290】
いくつかの実施形態において、E’の定義において言及された1,4-フェニレン基は非置換である。いくつかの実施形態において、E’の定義において言及された1,4-フェニレン基は、置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0291】
いくつかの実施形態において、E’の定義において言及された1,4-フェニレン基は、ハロゲン原子および1~4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている1,4-フェニレン基である。
【0292】
いくつかの実施形態において、E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、表2に示されているものから選択される。
【0293】
上で一般的に定義されているように、R6’およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0294】
いくつかの実施形態において、R6’の定義において言及されたアリール基は非置換である。いくつかの実施形態において、R6’の定義において言及されたアリール基は、置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0295】
いくつかの実施形態において、αの定義において言及されたアリール基は非置換である。いくつかの実施形態において、αの定義において言及されたアリール基は、置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0296】
いくつかの実施形態において、R6’の定義において言及されたヘテロアリール基は非置換である。いくつかの実施形態において、R6’の定義において言及されたヘテロアリール基は、置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0297】
いくつかの実施形態において、αの定義において言及されたヘテロアリール基は非置換である。いくつかの実施形態において、αの定義において言及されたヘテロアリール基は、置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0298】
いくつかの実施形態において、R6’およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基のそれぞれは、表2に示されているものから独立して選択される。
【0299】
上で一般的に定義されたように、前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択される。
【0300】
いくつかの実施形態において、置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有する
ハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、各アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択される。
【0301】
いくつかの実施形態において、置換基αはハロゲン原子である。
【0302】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0303】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0304】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基である。
【0305】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基である。
【0306】
いくつかの実施形態において、置換基αはシアノ基である。
【0307】
いくつかの実施形態において、置換基αは2~6個の炭素原子を有するアルキニル基である。
【0308】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基である。
【0309】
いくつかの実施形態において、置換基αは3~7個の環原子を有するシクロアルキル基である。
【0310】
いくつかの実施形態において、置換基αはヘテロアリール基である。
【0311】
いくつかの実施形態において、置換基αはアリール基である。
【0312】
いくつかの実施形態において、置換基αは7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基である。
【0313】
いくつかの実施形態において、置換基αはアリールカルボニル基である。
【0314】
いくつかの実施形態において、置換基αはアミノカルボニル基である。
【0315】
いくつかの実施形態において、置換基αは2~5個の炭素原子を有するアルケニル基である。
【0316】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基である。
【0317】
いくつかの実施形態において、置換基αはアミノスルフィニル基である。
【0318】
いくつかの実施形態において、置換基αはアミノスルホニル基である。
【0319】
いくつかの実施形態において、置換基αはヒドロキシ基である。
【0320】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である。
【0321】
いくつかの実施形態において、置換基αはニトロ基である。
【0322】
いくつかの実施形態において、置換基αはアミノ基である。
【0323】
いくつかの実施形態において、置換基αはカルボキシ基である。
【0324】
いくつかの実施形態において、置換基αは2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基である。
【0325】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基である。
【0326】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基である。
【0327】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基である。
【0328】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基である。
【0329】
いくつかの実施形態において、置換基αはアルカノイルとアルキル部分の両方において1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基である。
【0330】
いくつかの実施形態において、置換基αはアルカノイルと各アルキル部分の両方において1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基である。
【0331】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基である。
【0332】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基である。
【0333】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基である。
【0334】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基である。
【0335】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基である。
【0336】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基である。
【0337】
いくつかの実施形態において、置換基αは各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基である。
【0338】
いくつかの実施形態において、置換基αは7~10個の炭素原子を有するアラルキル基である。
【0339】
いくつかの実施形態において、置換基αはアルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基である。
【0340】
いくつかの実施形態において、置換基αはアルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基である。
【0341】
いくつかの実施形態において、置換基αは1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基である。
【0342】
いくつかの実施形態において、2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して、3または4個の炭素原子を有するアルキレン鎖またはアルケニレン鎖を形成する。
【0343】
いくつかの実施形態において、2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して、3または4個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成する。いくつかの実施形態において、2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して、3または4個の炭素原子を有するアルケニレン鎖を形成する。
【0344】
いくつかの実施形態において、前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成する)、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、およびアルキル部分に1~6個の炭素原子を有するジ-アルキルアミノアルキル基からなる群より
選択され、αの定義において言及された前記ヘテロアリール基は非置換であるか、または1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている。
【0345】
いくつかの実施形態において、前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するジ-アルキルアミノアルキル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンジルオキシ基、フェニル基またはベンゾイル基からなる群より選択され、αの定義において言及された前記チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基およびピリジル基は、非置換であるか、または1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている。
【0346】
いくつかの実施形態において、前記置換基αは、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、エチニル基、アセチル基、シクロペンチル基、メチルチオ基、ジメチルアミノエチル基、フェニル基、メチル基により必要に応じて置換されているイミダゾリル基、メチル基により必要に応じて置換されているチアゾリル基、ピリジル基またはベンジルオキシ基からなる群より選択される。
【0347】
いくつかの実施形態において、前記置換基αは表2に示されているものから選択される。
【0348】
上で一般的に定義されているように、前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からなる群より選択される。
【0349】
いくつかの実施形態において、置換基βはハロゲン原子である。
【0350】
いくつかの実施形態において、置換基βは1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0351】
いくつかの実施形態において、置換基βは1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0352】
いくつかの実施形態において、置換基βは1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基である。
【0353】
いくつかの実施形態において、置換基βは1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基である。
【0354】
いくつかの実施形態において、置換基βはシアノ基である。
【0355】
いくつかの実施形態において、前記置換基βは表2に示されているものから選択される。
【0356】
上で一般的に定義されているように、W’は薬学的に受容可能なエステルプロドラッグ基である。
【0357】
いくつかの実施形態において、W’は表2に示されているものから選択される。
【0358】
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は表2に示されている化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0359】
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は、I’-1~I’-7、I’-8、I’-11~I’-13、I’-15、I’-16、I’-18、I’-20、I’-22、I’-23、I’-25、I’-26、I’-28、I’-29、I’-34~I’-38、I’-40~I’-43からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0360】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式I’の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’およびR2’は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’およびR4’は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR3’およびR4’基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
5’は、
-COH、-COW’、
【化17】
を表し、
6’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基
で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からからなる群より選択され、
W’は薬学的に受容可能なエステルプロドラッグ基であるが、
ただし、R1’およびR2’は水素原子を同時に表さないものとする。
【0361】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、E’が非置換1,4-フェニレン基を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0362】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、E’がハロゲン原子および1~4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている1,4-フェニレン基を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0363】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(I’)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、B’は、フェニルまたはピリジル基を表し、前記基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成する)、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、およびア
ルキル部分に1~6個の炭素原子を有するジ-アルキルアミノアルキル基からなる群より選択され、αの定義において言及された前記ヘテロアリール基は非置換であるか、または1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている。
【0364】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式I’の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、B’は、置換基αからなる群より選択される置換基により必要に応じて置換されているフェニル基を表し、前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するジ-アルキルアミノアルキル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンジルオキシ基、フェニル基またはベンゾイル基からなる群より選択され、αの定義において言及された前記チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基およびピリジル基は、非置換であるか、または1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている。
【0365】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(I’)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、B’は、置換基αからなる群より選択される置換基により必要に応じて置換されているフェニル基を表し、前記置換基αは、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、エチニル基、アセチル基、シクロペンチル基、メチルチオ基、ジメチルアミノエチル基、フェニル基、メチル基により必要に応じて置換されているイミダゾリル基、メチル基により必要に応じて置換されているチアゾリル基、ピリジル基またはベンジルオキシ基からなる群より選択される。
【0366】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、X’がメチレン基または酸素原子を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0367】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R1’がハロゲン原子を表し、R2’が水素原子を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0368】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R3’およびR4’が独立して水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0369】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である
【0370】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R3’が1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R4’が水素原子を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0371】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R3’がメチル基を表し、R4’が水素原子を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0372】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R5’が-COH、
【化18】
を表し、R6’がハロゲン原子またはヘテロアリール基により必要に応じて置換されているアリール基を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0373】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R5’が-COH、
【化19】
を表し、R6’がハロゲン原子により必要に応じて置換されているアリール基を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0374】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R5’が-COH、
【化20】
を表し、R6’がハロゲン原子により必要に応じて置換されているフェニル基を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0375】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、R5’が-COH、または
【化21】
を表す、式(I’)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0376】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(II’)の化合物:
【化22】
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’およびR2’は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’およびR4’は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR3’およびR4’基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
a’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、または7~12個の炭素原子を有するアラルキル基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からからなる群より選択され、
ただし、R1’およびR2’は水素原子を同時に表さないものとする。
【0377】
上で一般的に定義されているように、Ra’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基または7~12個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。
【0378】
いくつかの実施形態において、Ra’は1~6個の炭素原子を有するアルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は1~5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は1~3個の炭素原子を有するアルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’はメチルである。いくつかの実施形態において、Ra’はエチルである。いくつかの実施形態において、Ra’はプロピルまたはイソプロピルである。
【0379】
いくつかの実施形態において、Ra’は7~12個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は7~11個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は7~10個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は7~9個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。いくつかの実施形態において、Ra’は8~10個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。
【0380】
いくつかの実施形態において、Ra’は表2に示されているものから選択される。
【0381】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(III’)の化合物:
【化23】
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’およびR2’は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’およびR4’は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR3’およびR4’基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
a’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基または7~12個の炭素原子を有するアラルキル基を表し、
1’は、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルカンスルホニルオキシ基、1~4個の炭素原子を有するアルキル基により必要に応じて置換されているアリールスルホニルオキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルカンスルホニルオキシ基またはボロン酸(B(OH))基を表し、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からなる群より選択されるが
ただし、R1’およびR2’が水素原子を同時に表すことはない。
【0382】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、式(I’)の化合物:
【化24】
またはその薬学的に受容可能なエステルまたは塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、フェニレン基を表し、
1’およびR2’は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’およびR4’は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR3’およびR4’基は、一緒に結合して、3~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
5’は、
-COH、
【化25】
を表し、
6’は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基または1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基またはシアノ基からからなる群より選択される。
【0383】
いくつかの実施形態において、E’は、非置換1,4-フェニレン基を表す。
【0384】
いくつかの実施形態において、E’は、ハロゲン原子および1~4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている1,4-フェニレン基を表す。
【0385】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は、化合物B:
【化26】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0386】
3.例示的がん免疫療法剤
ある種の実施形態において、がん免疫療法剤は、本明細書に記載されているような増殖性障害の処置のために、EP4活性を阻害する薬剤と共に投与することができる。本明細
書で使用される場合、用語「がん免疫療法剤」は、被験体において免疫応答を向上させる、刺激する、および/または上方調節するのに有効な薬剤を指す。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤とのがん免疫療法剤の投与は、がんを処置する上で相乗効果を有する。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩である。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は化合物B、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0387】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤はがん免疫療法剤の投与前に逐次的に投与される。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤はがん免疫療法剤と同時進行的に投与される。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤はがん免疫療法剤の投与後に逐次的に投与される。
【0388】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤はがん免疫療法剤と共に共製剤化(co-formulate)され得る。
【0389】
腫瘍免疫剤は、例えば、低分子薬物、抗体、または生物学的もしくは低分子であり得る。生物学的腫瘍免疫剤の例としては、がんワクチン、抗体、およびサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体である。
【0390】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞の(i)刺激(共刺激を含む)受容体のアゴニスト、または(ii)阻害(共阻害を含む)シグナルのアンタゴニストであり、これらの両方が、抗原特異的T細胞応答の増幅をもたらす。
【0391】
刺激分子および阻害分子の特定のものは、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの1つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、これは、B7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、およびB7-H6を含む。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、コグネイトTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、これは、CD40およびCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRを含む。
【0392】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL-6、IL-10、TGF-β、VEGF、および他の免疫抑制性サイトカイン)、または免疫反応を刺激するための、T細胞活性化を刺激するサイトカインである。
【0393】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤と腫瘍免疫剤との組み合わせ物は、T細胞応答を刺激し得る。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、(i)T細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害
剤)(例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、およびTIM-4);または(ii)T細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニスト(例えば、B7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28H)である。
【0394】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、NK細胞の阻害受容体のアンタゴニスト、またはNK細胞の活性化受容体のアゴニストである。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、リリルマブなどの、KIRのアンタゴニストである。
【0395】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、マクロファージまたは単球を阻害または枯渇する薬剤であり、CSF-1Rアンタゴニスト(例えば、RG7155(WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA-008(WO11/140249;WO13169264;WO14/036357)が挙げられるCSF-1Rアンタゴニスト抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0396】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、正の共刺激受容体を連結するアゴニスト性剤、阻害性の受容体、アンタゴニスト、および抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増大させる1つまたはそれより多くの薬剤を介してシグナル伝達を減衰させる遮断剤、腫瘍微小環境内の異なる免疫抑制経路に打ち勝つ(例えば、阻害受容体の関与を遮断する(例えば、PD-L1/PD-1相互作用)、Tregsを枯渇もしくはは阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ(daclizumab))を使用して、またはエキソビボ抗CD25ビーズ枯渇により)、IDOなどの代謝酵素を阻害する、あるいはT細胞のエネルギーまたは枯渇を逆転/防止する)薬剤、ならびに先天性免疫活性化および/または炎症を腫瘍部位で誘発する薬剤から選択される。
【0397】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CTLA-4アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、CTLA-4アンタゴニストは、アンタゴニスト性CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態において、アンタゴニスト性CTLA-4抗体は、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブ(tremelimumab)である。
【0398】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD-1アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、PD-1アンタゴニストは、注入により投与される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、プログラム細胞死-1(PD-1)受容体に特異的に結合し、そしてPD-1活性を阻害する、抗体またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態において、PD-1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD-1抗体である。いくつかの実施形態において、アンタゴニスト性PD-1抗体は、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514;WO2012/145493)である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、ピディリズマブ(pidilizumab)(CT-011)であり得る。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、IgG1のFc部分に融合したPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインからなる、AMP-224と呼ばれる組換えタンパク質である。
【0399】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD-L1アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、PD-L1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD-L1抗
体である。いくつかの実施形態において、PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)、BMS-936559(WO2007/005874)、およびMSB0010718C(WO2013/79174)である。
【0400】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、LAG-3アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、LAG-3アンタゴニストは、アンタゴニスト性LAG-3抗体である。いくつかの実施形態において、LAG3抗体は、BMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP-731もしくはIMP-321(WO08/132601、WO009/44273)である。
【0401】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD137(4-1BB)アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD137(4-1BB)アゴニストは、アゴニスト性CD137抗体である。いくつかの実施形態において、CD137抗体は、ウレルマブ(urelumab)またはPF-05082566(WO12/32433)である。
【0402】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、GITRアゴニストである。いくつかの実施形態において、GITRアゴニストは、アゴニスト性GITR抗体である。いくつかの実施形態において、GITR抗体は、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO006/105021、WO009/009116)、またはMK-4166(WO11/028683)である。
【0403】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、IDOアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、IDOアンタゴニストは、INCB-024360(WO2006/122150、WO07/75598、WO08/36653、WO08/36642);インドキシモドまたはNLG-919(WO09/73620、WO009/1156652、WO11/56652、WO12/142237)から選択される。
【0404】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、OX40アゴニストである。いくつかの実施形態において、OX40アゴニストは、アゴニスト性OX40抗体である。いくつかの実施形態において、OX40抗体は、MEDI-6383またはMEDI-6469である。
【0405】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、OX40Lアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、OX40Lアンタゴニストは、アンタゴニスト性OX40抗体である。いくつかの実施形態において、OX40Lアンタゴニストは、RG-7888(WO06/029879)である。
【0406】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD40アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40アゴニストは、アゴニスト性CD40抗体である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD40アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40アンタゴニストは、アンタゴニスト性CD40抗体である。いくつかの実施形態において、CD40抗体は、ルカツムマブ(lucatumumab)またはダセツズマブ(dacetuzumab)である。
【0407】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD27アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD27アゴニストは、アゴニスト性CD27抗体である。いくつかの実施形態において、CD27抗体は、バーリルマブ(varlilumab)である。
【0408】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、MGA271(B7H3に対して)(WO11/109400)である。
【0409】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、アバゴボマブ(abagovomab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アフツズマブ(afutuzumab)、アレムツズマブ、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アポリズマブ(apolizumab)、アテゾリマブ(atezolimab)、アベルマブ(avelumab)、ブリナツモマブ(blinatumomab)、BMS-936559、カツマキソマブ(catumaxomab)、デュルバルマブ、エパカドスタット(epacadostat)、エプラツズマブ(epratuzumab)、インドキシモド(indoximod)、イノツズマブオゾガマイシン、インテルムマブ(intelumumab)、イピリムマブ、イサツキシマブ(isatuximab)、ランブロリズマブ(lambrolizumab)、MED14736、MPDL3280A、ニボルマブ、オビヌツズマブ(obinutuzumab)、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オファツムマブ、オラタツマブ(olatatumab)、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ(ticilimumab)、サマリズマブ(samalizumab)、またはトレメリムマブである。
【0410】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、免疫刺激薬である。例えば、PD-1およびPD-L1阻害性軸を遮断する抗体は、活性化された腫瘍反応性T細胞を開放することができ、免疫療法に感受性があるとは従来、考えられていなかった一部の腫瘍タイプを含めた、増加している数の腫瘍組織学における永続的な抗腫瘍応答を誘発することが臨床試験において示された。例えば、Okazaki,T.ら(2013年)Nat.Immunol.14巻、1212~1218頁;Zouら(2016年)Sci.Transl.Med.8巻を参照されたい。抗PD-1抗体であるニボルマブ(Opdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb、ONO-4538、MDX1106およびBMS-936558としても公知)は、以前の抗血管新生治療法の間またはその後に、疾患進行を経験したRCCを有する患者における、全生存率を改善させる可能性を示した。
【0411】
いくつかの実施形態において、免疫調節治療剤は、腫瘍細胞のアポトーシスを特異的に誘発する。本発明において使用することができる承認を受けている免疫調節治療剤には、ポマリドミド(Pomalyst(登録商標)、Celgene);レナリドマイド(Revlimid(登録商標)、Celgene);インゲノールメブテート(Picato(登録商標)、LEO Pharma)が含まれる。
【0412】
他の実施形態において、免疫調節治療剤はがんワクチンである。いくつかの実施形態において、がんワクチンは、シプリューセル-T(Provenge(登録商標)、Dendreon/Valeant Pharmaceuticals)(無症候性または最小限の症候性転移性の去勢抵抗性(ホルモン不応性)前立腺がんの処置に承認を受けている);およびタリモジンラヘルパレプベク(Imlygic(登録商標)、BioVex/Amgen、以前はT-VECとして公知であった)(黒色腫における、切除不能な皮膚、皮下および節病巣の処置に承認を受けた、遺伝子修飾した腫瘍溶解性ウイルス治療法)から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、肝細胞癌(NCT02562755)および黒色腫(NCT00429312)に対する、GM-CSFを発現するよう操作されているチミジンキナーゼ-(TK-)欠損ワクシニアウイルスである、ペキサスチモジンデバシレプベク(PexaVec/JX-594、SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)などの腫瘍溶解性ウイルス治療法;ペラレオレップ(Reolysin(登録商標)、Oncolytics Bio
tech)(結腸直腸がん(NCT01622543);前立腺がん(NCT01619813)、頭頚部扁平上皮細胞がん(NCT01166542)、膵臓腺癌(NCT00998322)および非小細胞肺がん(NSCLC)(NCT00861627)を含めた多数のがんにおける、RASにより活性化されていない細胞では複製しない呼吸器腸管孤立ウイルス(レオウイルス)の変異体);卵巣がん(NCT02028117)、結腸直腸がん、膀胱がん、頭頚部扁平上皮癌および唾液腺がん(NCT02636036)などの転移性または進行性上皮腫瘍における、エナデノツシレブ(NG-348、PsiOxus、以前はColoAd1として公知であった)(T細胞受容体CD3タンパク質に特異的な完全長CD80および抗体断片を発現するよう操作されているアデノウイルス);黒色腫(NCT03003676)、および腹膜疾患、結腸直腸がんまたは卵巣がん(NCT02963831)における、ONCOS-102(Targovax/以前のOncos)(GM-CSFを発現するよう操作されているアデノウイルス);GL-ONC1(GLV-1h68/GLV-1h153、Genelux GmbH)(癌性腹膜炎(NCT01443260);卵管がん、卵巣がん(NCT02759588)において、それぞれ、ベータ-ガラクトシダーゼ(ベータ-gal)/ベータ-グルコロニダーゼまたはベータ-gal/ヒトナトリウムヨウ素共輸送体(hNIS)を発現するよう操作されているワクシニアウイルスが検討された);あるいは膀胱がん(NCT02365818)における、CG0070(Cold Genesys)(GM-CSFを発現するよう操作されているアデノウイルス)から選択される。
【0413】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、JX-929(SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)(プロドラッグである5-フルオロシトシンを細胞毒性薬5-フルオロウラシルに変換することが可能な、シトシンデアミナーゼを発現するよう操作されている、TKおよびワクシニア成長因子欠損ワクシニアウイルス);TG01およびTG02(Targovax/以前のOncos)(難治性RAS変異を標的とするペプチドをベースとする免疫療法剤);およびTILT-123(TILT Biotherapeutics)(Ad5/3-E2F-デルタ24-hTNFα-IRES-hIL20と表される操作されたアデノウイルス);およびVSV-GP(ViraTherapeutics)(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)のグリコタンパク質(GP)を発現するよう操作されており、抗原特異的CD8T細胞応答を向上するよう設計されている抗原を発現するようさらに操作され得る、水泡性口内炎ウイルス(VSV))から選択される。
【0414】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、キメラ抗原受容体すなわちCARを発現するよう操作されているT細胞である。このようなキメラ抗原受容体を発現するよう操作されているT細胞は、CAR-T細胞と呼ばれる。
【0415】
結合ドメインからなるCARが構築され、このドメインは、細胞表面抗原に特異的なモノクローナル抗体から誘導される、天然リガンドである一本鎖可変断片(scFv)であって、Tリンパ球において活性化シグナルを生じることが可能な、TCRに由来するCD3-ゼータシグナル伝達ドメインなどの、T細胞受容体(TCR)の機能端部であるエンドドメインに融合している、一本鎖可変断片(scFv)から誘導され得る。抗原に結合すると、このようなCARは、エフェクター細胞における内因性シグナル伝達経路にリンクし、TCR複合体により開始されるものと類似の活性シグナルを生じる。
【0416】
例えば、いくつかの実施形態において、CAR-T細胞は、米国特許第8,906,682号(June、その全体が参照により本明細書に組み込まれている)に記載されているものの1つであり、この特許は、抗原結合ドメイン(CD19に結合するドメインなど)を有する細胞外ドメインであって、T細胞抗原受容体複合体ゼータ鎖(CD3ゼータなど)の細胞内シグナル伝達ドメインに融合している、細胞外ドメインを含むよう操作され
ているCAR-T細胞を開示している。CARは、T細胞において発現する場合、抗原結合特異性に基づいて、抗原認識の方向を変えることができる。CD19の場合、抗原は、悪性B細胞上で発現する。200を超える臨床試験が、現在、幅広い範囲の適応症において、CAR-Tを使用して、進行中である[https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=chimeric+antigen+receptors&pg=1]。
【0417】
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γ(RORγt)のアクチベーターである。RORγtは、CD4+(Th17)およびCD8+(Tc17)T細胞のタイプ17エフェクターサブセットの分化および維持、ならびにNK細胞などの、IL-17を発現する自然免疫細胞部分集合の分化において、重要な役割を有する転写因子である。いくつかの実施形態において、のアクチベーターは、固形腫瘍(NCT02929862)の処置に関する臨床試験において現在評価されているLYC-55716(Lycera)である。
【0418】
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、toll様受容体(TLR)のアゴニストまたはアクチベーターである。TLRの好適なアクチベーターは、SD-101(Dynavax)などのTLR9のアゴニストまたはアクチベーターを含む。SD-101は、濾胞性B細胞および他のリンパ腫(NCT02254772)に関して現在、検討されている免疫刺激性CpGである。本発明において使用することができるTLR8のアゴニストまたはアクチベーターには、頭頚部の扁平上皮細胞がん(NCT02124850)および卵巣がん(NCT02431559)に関して、現在、検討中のモトリモド(VTX-2337、VentiRx Pharmaceuticals)が含まれる。
【0419】
本発明において使用され得る他の腫瘍免疫剤としては、ウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、抗CD137モノクローナル抗体;バーリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)、抗CD27モノクローナル抗体;BMS-986178(Bristol-Myers Squibb)、抗OX40モノクローナル抗体;リリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma、Bristol-Myers Squibb)、抗KIRモノクローナル抗体;モナリズマブ(monalizumab)(IPH2201、Innate Pharma、AstraZeneca)抗NKG2Aモノクローナル抗体;アンデカリキシマブ(andecaliximab)(GS-5745、Gilead Sciences)、抗MMP9抗体;MK-4166(Merck &
Co.)、抗GITRモノクローナル抗体が挙げられる。
【0420】
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、エロツズマブ、ミファムルチド、toll様受容体のアゴニストまたはアクチベーター、およびRORγtのアクチベーターから選択される。
【0421】
いくつかの実施形態において、免疫刺激治療剤は、組換えヒトインターロイキン15(rhIL-15)である。rhIL-15は、診療所において、黒色腫および腎細胞癌(NCT01021059およびNCT01369888)、ならびに白血病(NCT02689453)に対する治療剤として、試験されている。いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)である。いくつかの実施形態において、IL-15ベースの免疫治療剤は、ヘテロ二量体IL-15(hetIL-15、Novartis/Admune)であり、これは、可溶性IL-15結合タンパク質IL-15受容体α鎖に複合体化した、内因性IL-15の合成形態からなる融合複合体(IL15:sIL-15RA)であり、これは、黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺がんおよび頭頚部扁平上皮癌(NCT02452268)に関して、第1相臨床試験
で試験されている。いくつかの実施形態において、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)は、NM-IL-12(Neumedicines、Inc.)、NCT02544724、またはNCT02542124である。
【0422】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.al.,“Big opportunities for small molecules in immuno-oncology,”Cancer Therapy 2015,Vol.14,pages 603-622に記載されるものから選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.alの表1に記載される例から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.alの表2に列挙されるものから選択される腫瘍免疫的標的を標的化する、低分子である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.alの表2に列挙されるものから選択される低分子薬剤である。
【0423】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Peter L.Toogood,“Small molecule immuno-oncology therapeutic agents,”Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2018,Vol.28,pages 319-329に記載される低分子腫瘍免疫剤から選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Peter L.Toogoodに記載される経路を標的化する薬剤である。
【0424】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Sandra L.Ross et al.,“Bispecific T cell engager(BiTE(R))antibody constructs can mediate bystander tumor cell killing”,PLoS ONE 12(8):e0183390に記載されるものから選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、CD19/CD3二重特異的抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、EGFR/CD3二重特異的抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させる。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させ、これは、細胞間接着分子1(ICAM-1)および巻き添え(bystander)細胞のFASの上方調節を誘導するサイトカインを放出する。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させ、これは、巻き添え細胞溶解の誘導をもたらす。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、固形腫瘍内にある。いくつかの実施形態において、溶解する巻き添え細胞は、BiTE(登録商標)により活性化されたT細胞の近隣にある。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、腫瘍関連抗原(TAA)ネガティブがん細胞を含む。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、EGFRネガティブがん細胞を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD-L1/PD1軸および/またはCTLA4を遮断する抗体である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、エキソビボで増殖した腫瘍浸潤T細胞である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞を腫瘍関連表面抗原(TAAs)と直接接続させる、二重特異的抗体構築物またはキメラ抗体受容体(CAR)である。
3.1.例示的な免疫チェックポイント阻害剤
【0425】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、本明細書中に記載されるような免疫チェックポイント阻害剤である。
【0426】
用語「チェックポイント阻害剤」は、本明細書で使用する場合、がん細胞が患者の免疫系を回避するのを阻止するのに有用な作用剤に関する。抗腫瘍免疫破壊の主な機序の1つは「T細胞の疲弊」として公知であり、これは、阻害性受容体の上方調節をもたらす抗原への長期曝露に起因する。これらの阻害性受容体は、無差別な免疫反応を予防するために、免疫チェックポイントとして働く。
【0427】
PD-1、および細胞毒性T-リンパ球抗原4(CTLA-4、BおよびTリンパ球アテニュエータ(BTLA;CD272)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン-3(Tim-3)、リンパ球活性化遺伝子-3(Lag-3;CD223)などの共阻害性受容体は、チェックポイント調節因子と称されることが多い。それらは、細胞周期進行および他の細胞内シグナル伝達過程が進行するべきかを細胞外情報が指令することを可能にする、分子「ゲートキーパー」として働く。
【0428】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はPD-1への抗体である。PD-1は、プログラム細胞死1受容体(PD-1)に結合して、この受容体が阻害性リガンドPDL-1に結合するのを阻止し、こうして、腫瘍が宿主の抗腫瘍免疫応答を抑制する能力を無効にする。
【0429】
1つの局面において、チェックポイント阻害剤は、生物学的治療剤または低分子である。別の局面において、チェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、融合タンパク質またはそれらの組合せである。さらなる局面において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーのリガンドまたはそれらの組合せから選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。追加的な局面において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーのリガンドまたはそれらの組合せから選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する。ある局面において、チェックポイント阻害剤は、免疫刺激剤、T細胞成長因子、インターロイキン、抗体、ワクチンまたはそれらの組合せである。さらなる局面において、インターロイキンはIL-7またはIL-15である。特定の局面において、インターロイキンは、グリコシル化IL-7である。追加的な局面において、ワクチンは樹状細胞(DC)ワクチンである。
【0430】
チェックポイント阻害剤には、免疫系の阻害経路を統計的に有意な方法で、遮断または阻害する任意の薬剤が含まれる。このような阻害剤は、低分子阻害剤を含むことができる、あるいは免疫チェックポイント受容体に結合して遮断または阻害する抗体またはその抗原結合断片、あるいは免疫チェックポイント受容体リガンドに結合して遮断または阻害する抗体を含むことができる。遮断または阻害のために標的とされ得る例示的な免疫チェックポイント分子には、以下に限定されないが、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(CD2ファミリーの分子に属し、NK、γδおよびメモリCD8(αβ)T細胞のすべてに発現する)、CD160(BY55とも称される)、CGEN-15049、CHK1およびCHK2キナーゼ、A2aRおよび様々なB-7ファミリーのリガンドが含まれる。B7ファミリーのリガンドには、以下に限定されないが
、B7-1、B7-2、B7-DC、B7-H1、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H5、B7-H6およびB7-H7が含まれる。チェックポイント阻害剤には、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160およびCGEN-15049のうちの1つまたは複数に結合して、その活性を遮断または阻害する、抗体もしくはその抗原結合断片、他の結合タンパク質、生物治療剤または低分子が含まれる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤には、トレメリムマブ(CTLA-4ブロッキング抗体)(抗OX40)、PD-L1モノクローナル抗体(抗B7-H1;MEDI4736)、MK-3475(PD-1ブロッカー)、ニボルマブ(抗PD1抗体)、CT-011(抗PD1抗体)、BY55モノクローナル抗体、AMP224(抗PDL1抗体)、BMS-936559(抗PDL1抗体)、MPLDL3280A(抗PDL1抗体)、MSB0010718C(抗PDL1抗体)およびイピリムマブ(抗CTLA-4チェックポイント阻害剤)が含まれる。チェックポイントタンパク質リガンドには、以下に限定されないが、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD28、CD86およびTIM-3が含まれる。
【0431】
特定の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニストおよびCTLA-4アンタゴニストから選択される。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))およびペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(抗PD-1抗体、Opdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb);ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体、Keytruda(登録商標)、Merck);イピリムマブ(抗CTLA-4抗体、Yervoy(登録商標)、Bristol-Myers Squibb);デュルバルマブ(抗PD-L1抗体、Imfinzi(登録商標)、AstraZeneca);およびアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体、Tecentriq(登録商標)、Genentech)から選択される。
【0432】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ランブロリズマブ(MK-3475)、ニボルマブ(BMS-936558)、ピジリズマブ(CT-011)、AMP-224、MDX-1105、MEDI4736、MPDL3280A、BMS-936559、イピリムマブ、リリルマブ(lirlumab)、IPH2101、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))またはトレメリムマブからなる群より選択される。
【0433】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、REGN2810(Regeneron)(基底細胞癌(NCT03132636);NSCLC(NCT03088540);皮膚扁平上皮癌(NCT02760498);リンパ腫(NCT02651662);および黒色腫(NCT03002376)を有する患者において試験された抗PD-1抗体);びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫および多発性骨髄腫に関する臨床試験中の、ピジリズマブ(CureTech)(CT-011としても公知であり、PD-1に結合する抗体);非小細胞肺がん、メルケル細胞癌、中皮腫、固形腫瘍、腎がん、卵巣がん、膀胱がん、頭頚部がん、および胃がんに関する臨床試験中の、アベルマブ(Bavencio(登録商標)、Pfizer/Merck KGaA)(MSB0010718Cとしても公知であり、完全ヒトIgG1抗PD-L1抗体);または非小細胞肺がん、黒色腫、トリプルネガティブ乳がんおよび進行性、または転移性固形腫瘍に関する臨床試験中の、PDR001(Novartis)(PD-1に結合する阻害性抗体)である。トレメリムマブ(CP-675,206;Astrazeneca)は、中皮腫、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がんおよび非小細胞肺がん、膵臓導管腺癌、膵臓
がん、生殖細胞がん、頭頚部の扁平上皮細胞がん、肝細胞癌、前立腺がん、子宮内膜がん、肝臓における転移性がん、肝臓がん、大細胞型B細胞性リンパ腫、卵巣がん、子宮頚がん、転移性未分化甲状腺がん、尿路上皮がん、卵管がん、多発性骨髄腫、膀胱がん、軟組織肉腫および黒色腫を含めた、いくつかの適応症に関する臨床試験において検討された、CTLA-4に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。AGEN-1884(Agenus)は、進行性固形腫瘍(NCT02694822)について、第1相臨床試験において現在検討中の、抗CTLA4抗体である。
【0434】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、T細胞免疫グロブリンムチン含有タンパク質-3(TIM-3)の阻害剤である。本発明において使用することができるTIM-3阻害剤には、TSR-022、LY3321367およびMBG453が含まれる。TSR-022(Tesaro)は、固形腫瘍(NCT02817633)において現在、検討中の抗TIM-3抗体である。LY3321367(Eli Lilly)は、固形腫瘍(NCT03099109)において現在、検討中の抗TIM-3抗体である。MBG453(Novartis)は、進行性悪性腫瘍(NCT02608268)において現在、検討中の抗TIM-3抗体である。
【0435】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ある種のT細胞およびNK細胞上の免疫受容体である、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体、すなわちTIGITの阻害剤である。本発明において使用することができるTIGIT阻害剤には、BMS-986207(Bristol-Myers Squibb)、抗TIGITモノクローナル抗体(NCT02913313);OMP-313M32(Oncomed);および抗TIGITモノクローナル抗体(NCT03119428)が含まれる。
【0436】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)の阻害剤である。本発明において使用することができるLAG-3阻害剤には、BMS-986016およびREGN3767およびIMP321が含まれる。抗LAG-3抗体である、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)は、神経膠芽腫および膠肉腫(NCT02658981)において、現在、検討されている。REGN3767(Regeneron)もまた、抗LAG-3抗体であり、悪性腫瘍(NCT03005782)において現在、検討中である。IMP321(Immutep S.A.)は、LAG-3-Ig融合タンパク質であり、黒色腫(NCT02676869);腺癌(NCT02614833);および転移性乳がん(NCT00349934)において検討されている。
【0437】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、OX40アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のOX40アゴニストには、転移性腎臓がん(NCT03092856)ならびに進行性がんおよび新生物(NCT02554812;NCT05082566)における、PF-04518600/PF-8600(Pfizer)(アゴニスト性抗OX40抗体);がんの第1相臨床試験(NCT02528357)におけるGSK3174998(Merck)(アゴニスト性抗OX40抗体);進行性固形腫瘍(NCT02318394およびNCT02705482)におけるMEDI0562(Medimmune/AstraZeneca)(アゴニスト性抗OX40抗体);結腸直腸がん(NCT02559024)、乳がん(NCT01862900)、頭頚部がん(NCT02274155)および転移性前立腺がん(NCT01303705)を有する患者における、MEDI6469(アゴニスト性抗OX40抗体)(Medimmune/AstraZeneca);ならびに進行性がん(NCT02737475)におけるBMS-986178(Bristol-Myers Squibb)(アゴニスト性抗OX40抗体)が含まれる。
【0438】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD137(4-1BBとも呼ばれる)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のCD137アゴニストには、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(NCT02951156)、ならびに進行性がんおよび新生物(NCT02554812およびNCT05082566)における、ウトミルマブ(PF-05082566、Pfizer)(アゴニスト性抗CD137抗体);黒色腫および皮膚がん(NCT02652455)ならびに神経膠芽腫および膠肉腫(NCT02658981)におけるウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)(アゴニスト性抗CD137抗体)が含まれる。
【0439】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD27アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のCD27アゴニストには、扁平上皮細胞頭頚部がん、卵巣癌、結腸直腸がん、腎細胞がんおよび神経膠芽腫(NCT02335918)、リンパ腫(NCT01460134)、ならびに神経膠腫および星状細胞腫(NCT02924038)におけるバルリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)(アゴニスト性抗CD27抗体)が含まれる。
【0440】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、グルココルチコイド誘発性腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のGITRアゴニストには、悪性黒色腫および他の悪性固形腫瘍(NCT01239134およびNCT02628574)におけるTRX518(Leap Therapeutics)(アゴニスト性抗GITR抗体);固形腫瘍およびリンパ腫(NCT02740270)におけるGWN323(Novartis)(アゴニスト性抗GITR抗体);進行性がん(NCT02697591およびNCT03126110)におけるINCAGN01876(Incyte/Agenus)(アゴニスト性抗GITR抗体);固形腫瘍(NCT02132754)におけるMK-4166(Merck)(アゴニスト性抗GITR抗体)、ならびに進行性固形腫瘍(NCT02583165)におけるMEDI1873(Medimmune/AstraZeneca)(ヒトIgG1 Fcドメインを有するアゴニスト性六量体GITRリガンド分子)が含まれる。
【0441】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、誘発性T細胞共刺激剤(ICOS、CD278としても公知)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のICOSアゴニストには、リンパ腫(NCT02520791)におけるMEDI-570(Medimmune)(アゴニスト性抗ICOS抗体);第1相試験(NCT02723955)における、GSK3359609(Merck)(アゴニスト性抗ICOS抗体);第1相試験(NCT02904226)における、JTX-2011(Jounce Therapeutics)(アゴニスト性抗ICOS抗体)が含まれる。
【0442】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、キラーIgG様受容体(KIR)阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のKIR阻害剤には、白血病(NCT01687387、NCT02399917、NCT02481297、NCT02599649)、多発性骨髄腫(NCT02252263)およびリンパ腫(NCT01592370)における、リリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma/Bristol-Myers Squibb)(抗KIR抗体);骨髄腫(NCT01222286およびNCT01217203)における、IPH2101(1-7F9、Innate Pharma);ならびにリンパ腫(NCT02593045)における、IPH4102(Innate Pharma)(長い細胞質尾部の3つのドメイン(KIR3DL2)に結合する抗KIR抗体)が含まれる。
【0443】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD47とシグナル
調節タンパク質アルファ(SIRPa)との間の相互作用のCD47阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCD47/SIRPa阻害剤には、第1相試験(NCT03013218)における、ALX-148(Alexo Therapeutics)(CD47に結合してCD47/SIRPa媒介性シグナル伝達を阻止する(SIRPa)のアンタゴニスト性変異体);第1相の臨床試験(NCT02890368およびNCT02663518)における、TTI-621(SIRPa-Fc、Trillium Therapeutics)(SIRPaのN末端CD47結合ドメインとヒトIgG1のFcドメインとを連結させることにより生成する可溶性組換え融合タンパク質は、ヒトCD47に結合して、ヒトCD47がその「私を食べないで(do not eat」)シグナルをマクロファージに送るのを阻止することにより作用する);白血病(NCT02641002)における、CC-90002(Celgene)(抗CD47抗体);ならびに結腸直腸の新生物および固形腫瘍(NCT02953782)、急性骨髄性白血病(NCT02678338)およびリンパ腫(NCT02953509)における、Hu5F9-G4(Forty Seven,Inc.)が含まれる。
【0444】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD73阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCD73阻害剤には、固形腫瘍(NCT02503774)における、MEDI9447(Medimmune)(抗CD73抗体);および固形腫瘍(NCT02754141)における、BMS-986179(Bristol-Myers Squibb)(抗CD73抗体)が含まれる。
【0445】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、インターフェロン遺伝子タンパク質の刺激因子(STING、膜貫通タンパク質173またはTMEM173としても公知)のアゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のSTINGのアゴニストには、リンパ腫(NCT03010176)における、MK-1454(Merck)(アゴニスト性合成環式ジヌクレオチド);ならびに第1相試験(NCT02675439およびNCT03172936)における、ADU-S100(MIW815、Aduro Biotech/Novartis)(アゴニスト性合成環式ジヌクレオチド)が含まれる。
【0446】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CSF1R阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCSF1R阻害剤には、結腸直腸がん、膵臓がん、転移性および進行性がん(NCT02777710)ならびに黒色腫、非小細胞肺がん、扁平上皮細胞頭頚部がん、消化管間質腫瘍(GIST)および卵巣がん(NCT02452424)における、ペキシダルチニブ(PLX3397、Plexxikon)(CSF1R低分子阻害剤);ならびに膵臓がん(NCT03153410)、黒色腫(NCT03101254)および固形腫瘍(NCT02718911)における、IMC-CS4(LY3022855、Lilly)(抗CSF-1R抗体);ならびに進行性固形腫瘍(NCT02829723)における、BLZ945(4-[2((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)-ベンゾチアゾール-6-イルオキシル]-ピリジン-2-カルボン酸メチルアミド、Novartis)(CSF1Rの経口利用可能な阻害剤)が含まれる。
【0447】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、NKG2A受容体阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のNKG2A受容体阻害剤には、頭頚部の新生物(NCT02643550)および慢性リンパ球性白血病(NCT02557516)における、モナリズマブ(IPH2201、Innate Pharma)(抗NKG2A抗体)が含まれる。
【0448】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロ
リズマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブまたはピジリズマブから選択される。
【0449】
4.製剤および投与
4.1.薬学的に受容可能な組成物
いくつかの実施形態によれば、本発明は、EP4活性を阻害する薬剤、がん免疫療法剤、および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含む組成物を提供する。ある種の実施形態において、本発明の組成物中のEP4活性を阻害する薬剤の量は、生物学的サンプルまたは患者において測定可能な程度にEP4活性またはその変異体を阻害するのに有効となるようなものである。ある種の実施形態において、本発明の組成物は、このような組成物を必要としている患者に投与するために製剤化される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。いくつかの実施形態において、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤は、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩である。いくつかの実施形態において、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤は化合物B、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0450】
用語「患者」とは、本明細書で使用する場合、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを意味する。
【0451】
用語「薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクル」とは、共に製剤化される、本化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性のキャリア、アジュバントまたはビヒクルを指す。本発明の組成物中で使用することができる、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルには、以下に限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩など)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとする物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
【0452】
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸により、経鼻により、頬により、経膣により、または埋め込まれたレザーバーを介して投与することができる。用語「非経口的」には、本明細書で使用する場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、鞘内、肝臓内、病巣内および頭蓋内への注射または注入技法が含まれる。好ましくは、本組成物は、経口的に、腹腔内にまたは静脈内に投与される。本発明の組成物の滅菌注射可能な形態は、水性または油性の懸濁液剤とすることができる。これらの懸濁液剤は、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して、当技術分野で公知の技法に従い、製剤化することができる。滅菌注射調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液剤として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液剤または懸濁液剤とすることもできる。使用することができる、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌の不揮発油が、溶媒または懸濁媒体として、慣用的に使用される。
【0453】
この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を用いてよい。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、とりわけポリオキシエチル化型のオリーブ油またはヒマシ油などの、天然の薬学的に受容可能な油と同様に
、注射剤の調製に有用である。これらの油性溶液または懸濁液剤はまた、エマルション剤および懸濁液剤を含む、薬学的に受容可能な剤形の製剤化に一般に使用される、カルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤などの、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有してもよい。薬学的に受容可能な固体、液体または他の剤形の製造において一般に使用される、Tweens、Spansおよび他の乳化剤、または生体利用率の向上剤などの、他の一般に使用される界面活性剤もまた、製剤化の目的で使用することができる。
【0454】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、以下に限定されないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液剤または溶液剤を含めた、任意の経口的に許容される剤形で、経口により投与することができる。経口使用向けの錠剤の場合、一般に使用されるキャリアには、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた、通常、加えられる。カプセル剤形態での経口投与の場合、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。水性懸濁液剤が経口使用に必要な場合、活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と一緒にされる。所望の場合、ある種の甘味剤、着香剤または着色剤も添加されてもよい。
【0455】
代替的に、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、直腸投与向けの坐剤の形態で投与されてもよい。これらは、薬剤を、室温では固体であるが、直腸温度では液体となり、したがって、直腸で溶融して薬物を放出する、好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような物質には、カカオ脂、ビーワックスおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0456】
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、とりわけ、処置の標的が、眼、皮膚または腸管下部の疾患を含めた、局所施用により容易に接近可能な領域または器官を含む場合、局所的に投与することもできる。好適な局所製剤は、これらの領域または器官の各々向けに容易に調製される。
【0457】
腸管下部向けの局所施用は、直腸の坐剤製剤(上を参照されたい)または好適な浣腸製剤で行うことができる。局所経皮パッチ剤もまた、使用されてもよい。
【0458】
局所施用の場合、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1つまたは複数のキャリア中に懸濁または溶解された活性構成成分を含有する好適な軟膏剤で製剤化されてもよい。本発明の化合物の局所投与向けキャリアには、以下に限定されないが、鉱物油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が含まれる。代替的に、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1種または複数の薬学的に受容可能なキャリアに懸濁または溶解した活性構成成分を含有する、好適なローション剤またはクリーム剤で製剤化され得る。好適なキャリアには、以下に限定されないが、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
【0459】
眼用途の場合、提供される薬学的に受容可能な組成物は、等張性のpH調整した滅菌生理食塩水中のマイクロ化懸濁液剤として、または好ましくは、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を含むかまたは含まない、等張性のpH調整した滅菌生理食塩水中の溶液剤として製剤化されてもよい。代替的に、眼用途の場合、薬学的に受容可能な組成物は、ワセリンなどの軟膏剤中で製剤化されてもよい。
【0460】
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、経鼻用エアゾールまたは吸入によって投与されてもよい。このような組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の技法に準拠して調製され、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、生体利用率を向上させるための吸収促
進剤、フルオロカーボン、および/または他の慣用的な可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液剤として調製されてもよい。
【0461】
最も好ましくは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与向けに製剤化される。このような製剤は、食物と共に、または食物なしに投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物なしに投与される。他の実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物と一緒に投与される。
【0462】
単一剤形の組成物を生成するためにキャリア物質と一緒にされ得る、本発明の化合物の量は、処置される宿主、投与の特定の様式に応じて様々となろう。好ましくは、提供される組成物は、0.01~100mg/kg体重/日の間となる阻害剤の投与量が、これらの組成物を服用する患者に投与され得るよう製剤化されるべきである。
【0463】
任意の特定の患者のための具体的な投与量および処置レジメンは、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物組合せ、ならびに処置を行う医師の判断および処置を受ける特定の疾患の重症度を含めた、様々な因子に依存することもやはり理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定の化合物に依存するであろう。
【0464】
4.2.投与
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤および本明細書に記載されているようながん免疫療法剤は、単一剤形として単一組成物で投与される。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤および本明細書に記載されているようながん免疫療法剤は、複数投与量レジメンとして別個に投与される。複数投与量レジメンとして投与される場合、2種の薬剤は同時に、逐次的にまたは互いにある時間内に、例えば、互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、18、20、21、22、23、または24時間内に投与されてもよい。いくつかの実施形態において、2種の薬剤は、24時間より長く間をあけて複数投与量レジメンとして投与される。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩である。いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤は化合物B、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0465】
本明細書で使用される場合、用語「組合せ」、「組み合わせた」および関連用語は、本発明による治療剤の同時投与または逐次投与を指す。例えば、EP4活性を阻害する薬剤は、別個の単位剤形で、がん免疫療法剤と同時にもしくは逐次に投与されてもよく、またはEP4活性を阻害する薬剤は単一の単位剤形でがん免疫療法剤と共に同時に投与されてもよい。したがって、本発明は、EP4活性を阻害する薬剤、がん免疫療法剤、および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。
【0466】
単一剤形を生成するためにキャリア物質と一緒にされ得る、EP4活性を阻害する薬剤およびがん免疫療法剤の量は、処置される宿主および投与の特定の様式に応じて様々となろう。好ましくは、本発明の組成物は、0.01~100mg/kg体重/日の間となる各薬剤の投与量が投与され得るよう製剤化されるべきである。
【0467】
いくつかの実施形態において、EP4活性を阻害する薬剤およびがん免疫療法剤は相乗的に作用することができる。したがって、各薬剤の量は、その治療剤だけしか利用しない単剤療法において必要となる量未満となろう。このような組成物において、各薬剤の通常投与される量の約50%~約100%の間の投与量を投与することができる。いくつかの実施形態において、各薬剤は、各薬剤の通常投与される量の約50%、約55%、約60
%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%の投与量で投与される。本明細書で使用される場合、語句「通常投与される」とは、FDAの承認を受けている治療剤が、FDAラベルインサートにしたがう投薬について承認されている量を意味する。
【0468】
本発明の組成物中に存在する各薬剤の量は、唯一の活性剤として該治療剤を含む組成物で通常投与される量以下となろう。いくつかの実施形態において、本開示組成物中の各薬剤の量は、唯一の治療活性剤として該薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%~100%の範囲となろう。
【0469】
いくつかの実施形態において、記載されるEP4活性を阻害する薬剤および/またはがん免疫療法剤またはその医薬組成物はまた、補綴物、人工弁、脈管移植片、ステントおよびカテーテルなどの、埋込式医療用装具をコーティングするための組成物に取り込ませることもできる。脈管ステントは、例えば、再狭窄(損傷後の脈管壁の再狭小化)の克服に使用されてきた。しかし、ステント、または他の埋込式装具を使用する患者は、凝塊形成または血小板活性化のリスクがある。これらの望ましくない作用は、キナーゼ阻害剤を含む、薬学的に受容可能な組成物によりこれらのデバイスを予めコーティングすることにより予防または軽減することができる。記載されるEP4活性を阻害する薬剤および/またはがん免疫療法剤またはその医薬組成物によりコーティングされた埋込式装具は、本発明の別の実施形態である。
【0470】
5.使用
いくつかの実施形態において、本発明は、患者において増殖性障害を処置するための方法であって、患者に、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤を、本明細書に記載されているようながん免疫療法剤と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、増殖性障害は本明細書に記載されているようなものから選択されるがんである。いくつかの実施形態において、患者は、免疫療法で処置された、または処置を受けているまたは処置すべきがん患者である。いくつかの実施形態において、がん患者は、本発明の処置を受ける時点で、妊娠しておらず、授乳もしていない。いくつかの実施形態において、がん患者は、本発明の処置を受ける時点で、受胎していない。いくつかの実施形態において、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤は化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩である。いくつかの実施形態において、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤は化合物B、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0471】
本明細書で使用する場合、用語「処置(treatment)」、「処置する(treat)」および「処置すること(treating)」とは、本明細書に記載されているような疾患もしくは障害、または1つもしくは複数のそれらの症状を逆転させる、軽減する、それらの発症を遅延させる、またはそれらの進行を阻害することを指す。いくつかの実施形態において、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に、行われてもよい。他の実施形態において、処置は、症状の非存在下で行われてもよい。例えば、処置は、症状の発症前に、感受性の高い個体に行われてもよい(例えば、症状歴に照らし合わせて、および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らし合わせて)。処置はまた、症状が治癒した後に、例えば、その再発を予防または遅延させるために、継続されてもよい。
【0472】
いくつかの実施形態において、がんは非小細胞肺がん(NSCLC)である。いくつかの実施形態において、がんは進行したおよび/または転移性NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは卵巣がんである。いくつかの実施形態において、がんは乳がんである。いくつかの実施形態において、がんは頭頸部がんである。いくつかの実施形態において、がんは直腸結腸がん(CRC)である。いくつかの実施形態において、がんは
進行したまたは進行性のマイクロサテライト安定(MSS)CRCである。
【0473】
NSCLC患者
いくつかの実施形態において、がん患者はNSCLC患者である。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は免疫療法で処置された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はPD-1/L1免疫療法で処置された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は最低12週間PD-1/L1免疫療法で処置された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は最低12週間付与されたPD-1/L1免疫療法において進行していた(別名、PD-1/L1後NSCLC腺癌(post-PD-1/L1 NSCLC adenocarcinoma)患者)。
【0474】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者はNSCLCの病理学的に診断された腺癌組織学を有する。
【0475】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、RECIST1.1(固形腫瘍における応答評価基準(Response Evaluation Criteria in
Solid Tumors))にしたがって臨床的におよび/またはX線検査で進行している、進行した(ステージIIIb)および転移性(ステージIV)の患者である。
【0476】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は少なくとも18歳である。
【0477】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は公知のPD-L1陽性状態(>1%)を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はRECIST1.1による測定可能病変を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、最低12週間付与された、PD-1またはPD-L1アンタゴニストによる過去の免疫療法処置から進行がある。いくつかの実施形態において、過去の免疫療法は、化学療法と共にまたは化学療法なしで付与され、任意の系統で使用された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、進行後、1つの追加の系統の介入化学療法がある。
【0478】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者はECOG0~1のパフォーマンスステータスを有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード0を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード1を有する。ECOGパフォーマンスステータスは、Oken M, Creech R, Tormey D, et al. "Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group" Am J Clin Oncol. 1982; 5:649-655で論じられている。ECOGパフォーマンスステータスグレード0は、完全に
活動的であり、疾患前の動作をすべて制限なしで実行することができる患者を指す。ECOGパフォーマンスステータスグレード1は、肉体的に激しい活動には制限があるが、歩行および軽いまたは座って行う性質の作業、例えば、軽い家事、事務などを行うことができる患者を指す。
【0479】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、以下の通り、十分な骨髄、腎臓、および肝臓機能を有する(療法開始の7日以内):
・好中球絶対数(ANC)≧1000/μL;および/または
・ヘモグロビン>9g/dl;および/または
・血小板数>75,000/μL;および/または
・血清クレアチニン≦1.5×正常上限(ULN)、もしくはクレアチニンレベル>1.5×施設ULN(Cockcroft-Gault式を使用)を有する被験体に対して糸球体濾過率(GFR)≧40mL/分;および/または
・血清全ビリルビン≦1.5×ULN、もしくは全ビリルビンレベル>1.5ULNを有
する被験体に対して直接ビリルビン≦ULN;および/または
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦2.5×ULN(または肝臓転移が存在する場合≦5×)。
【0480】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、過去の療法からのすべての臨床的に有意な進行中の有害事象(AE)について、グレード1またはベースラインまで回復している。
【0481】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、クローン病および潰瘍性大腸炎、または非感染性間質性肺疾患を含めた、炎症性腸疾患(IBD)の最近の病歴(最近12カ月内)を有さない。
【0482】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、有害事象の管理のために使用する以外は、処置開始前の3日以内にまたは研究中のいかなる時点においても、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)またはシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤の現行の使用はない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はアスピリン製品を使用していない、または予防的心血管用量でのみこれを使用する。
【0483】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、連続的な全身免疫抑制療法を必要とする、消化管(GI)潰瘍もしくは大腸炎(IBD以外)または臨床的に有意な自己免疫疾患(すなわち重篤)を最近(最近12カ月以内)または現在有さない。
【0484】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、PD-1抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0485】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の計画された最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0486】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の2週以内にコルチコステロイド(>10mgの一日プレドニゾン当量)または他の免疫抑制薬物のいずれかによる連続的な全身的処置を必要とする任意の状態を有さない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、活動性自己免疫疾患の非存在下で、吸入または局所的ステロイドおよび10mgまでの一日プレドニゾン当量の生理学的補充用量を取っている。
【0487】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は公知のEGFR、ALK、またはROS遺伝子変更を有さない。
【0488】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は喫煙歴を有する。
【0489】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、無制御なまたは命にかかわる症候性の併発疾患(公知の症候性HIV、症候性B型肝炎およびC型肝炎、または活動性結核[TB]を含む)を有さない。
【0490】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始の3週間以内に化学療法または研究用薬剤またはデバイスを受けていない、または大手術もしくは全身放射線を受けていない、または本発明の処置の開始前、これらのうちのいずれかの合併症から不十分な治癒または回復を有した。
【0491】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始前の3年以内に潜
在的に命にかかわる第2の悪性疾患を有さない。
【0492】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は臨床的に不安定な中枢神経系(CNS)/脳転移(処置したまたは安定したCNS転移は許容される)を有さない。
【0493】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、寛解のために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、任意の他の同時進行の抗腫瘍性処置を行っていない。
【0494】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、これらに限定されないが、
・脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月);および/または
・心筋梗塞(登録前<6カ月);および/または
・不安定な狭心症;および/または
・うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類(New York Heart
Association Classification)クラスII);および/または
・薬物を必要とする重度の心不整脈
を含む、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患を有さない。
【0495】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤の同時投与を必要とする医学的状態を有さない。
【0496】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は妊娠または授乳していない、または本発明の処置中に受胎する予定はない。
【0497】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、進行したまたは転移性PD-1/L1後非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する。
【0498】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、任意のPD-1またはPD-L1チェックポイント阻害剤で最低12週間過去に処置したことのあるNSCLCと診断された成人患者である。
【0499】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、グラピプラン、1日2回(BID)300mgの開始用量レベルで処置される。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は2年までの間グラピプランおよびペムブロリズマブで処置される。
【0500】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は組織学的に確認された非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する成人患者である。
【0501】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、同時進行の化学放射線療法による治癒的意図の処置に適していない進行した(ステージIIIb)疾患を有し、転移性の(ステージIV)患者である。
【0502】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は最低12週間PD-1またはPD-L1アンタゴニストを投与後、RECIST v1.1にしたがって臨床的におよび/またはX線検査で進行している。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は化学療法と共に免疫療法を受けた。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は化学療法を伴わない免疫療法を受けた。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は任意の系統での免疫療法を受けた。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は1つ以下の免疫療法の過去のレジメンを受けた。
【0503】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、現地の研究者/放射線学により評価されたように、RECIST v1.1に従い測定可能病変を有する。いくつかの実施形態において、以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
【0504】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、複数のコア生検のための気管支鏡、胸腔鏡または経皮的生検(1つの生検当たり最低3通りの経路)を介して安全に到達できる疾患を有する。
【0505】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0~1を有する。
【0506】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、以下の表Aに定義されているような十分な器官機能を有する。
【0507】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、処置開始前の3日以内にまたは処置中のいかなる時点においても、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用しない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、AEの管理のため、処置開始前の3日以内にまたは処置中のいずれかの時点において、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、予防的心血管用量に限定されたアスピリン製品を使用する。
【0508】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、公知の上皮成長因子受容体(EGFR)、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)、またはROS遺伝子変更を有さない。
【0509】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は公知のBRAF遺伝子変異を有さない。
【0510】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は喫煙歴を有する(生涯の煙草の本数>100本)。
【0511】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、PD-1/L1抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0512】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、処置前の4週以内に研究用薬剤を含む過去の全身抗がん療法を受けていない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、過去の療法によるすべてのAEから≦グレード1またはベースラインまで回復している。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は≦グレード2ニューロパシーを有する。
【0513】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けていない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、すべての放射線関連の毒性から回復し、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して1週間のウォッシュアウトを有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、本発明の処置中
任意の抗腫瘍性処置を受けない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始前に、手術を受け、ならびに介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復している。
【0514】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は実験処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0515】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置前および処置中に強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取しない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取していたが、本発明の処置の投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行している。
【0516】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用薬剤の研究に参加しない、または参加していない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していない。
【0517】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は免疫不全の診断を有さない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の7日以内に、慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)、または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けない。
【0518】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は本発明の処置の最初の用量前の3年以内に積極的な処置を進めているまたは必要とする公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有さない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は皮膚の基底細胞癌を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は皮膚の扁平上皮癌を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は潜在的に治癒的療法を受けてきた上皮内癌(すなわち、乳癌、上皮子宮頸がん)を有する。
【0519】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、公知の活動性のCNS転移および/または癌性髄膜炎を有さない(臨床的に安定したおよび/または以前に処置した不活性なCNS転移は許容される)。
【0520】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、過去2年間全身的処置を必要とする活動性自己免疫疾患(つまり、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)を有さない。いくつかの実施形態において、全身的処置は補充療法(つまり、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)ではない。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎である。
【0521】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有さない、または現行の肺炎を有する。
【0522】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、全身療法を必要とする活動性感染症を有さない。
【0523】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、最近の(最近12カ月以内)または現行のGI潰瘍または大腸炎または非免疫大腸炎を有さない。
【0524】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有さない。
【0525】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有さない。
【0526】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈を有さない。
【0527】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有さない。
【0528】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置前に妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)ではない。
【0529】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の予測される期間内に授乳していない、または受胎する、または子供の父親になることが予想されていない。
【0530】
CRC患者
いくつかの実施形態において、CRC患者は組織学的に確認された進行した、転移性、または進行性の直腸結腸がん(CRC)である。いくつかの実施形態において、マイクロサテライト安定疾患(MSS)は過去のPCRまたは免疫組織化学の結果に基づく。
【0531】
いくつかの実施形態において、CRC患者は少なくとも18歳である。
【0532】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、第一選択の5-FUベースの療法において進行している、療法を拒絶した、または5-FUベースの療法に耐えられない。
【0533】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、RECIST1.1(固形腫瘍における応答評価基準)の通り測定可能病変を有する。
【0534】
いくつかの実施形態において、CRC患者はECOG0~1のパフォーマンスステータスを有する。いくつかの実施形態において、CRC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード0を有する。いくつかの実施形態において、CRC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード1を有する。
【0535】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、以下の通り、十分な骨髄、腎臓、および肝臓機能を有する(療法開始の7日以内):
・好中球絶対数(ANC)≧1000/μL;および/または
・ヘモグロビン>9g/dl;および/または
・血小板数>75,000/μl;および/または
・血清クレアチニン≦1.5×正常上限(ULN)、もしくはクレアチニンレベル>1.5×施設ULN(Cockcroft-Gault式を使用)を有する被験体に対して糸球体濾過率(GFR)≧40mL/分;および/または
・血清全ビリルビン≦1.5×ULN、もしくは全ビリルビンレベル>1.5ULNを有する被験体に対して直接ビリルビン≦ULN;および/または
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦2.5×ULN(または肝臓転移が存在する場合、≦5×)。
【0536】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、過去の療法によるすべての臨床的に有意な進行中の有害事象(AE)について、グレード1またはベースラインまで回復している。
【0537】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始の少なくとも3週間前には過去の処置(他の研究用療法を含む)を完了している。
【0538】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、抗PD-1、抗PD-L1、または抗PD-L2治療抗体で処置されていない。
【0539】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、AEの管理のために使用する以外は、本発明の処置開始前の3日以内にまたは本発明の処置中のいかなる時点でも、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)またはシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤を使用していない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、任意のアスピリン製品を使用しない、または予防的心血管用量でのみこれを使用する。
【0540】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、クローン病および潰瘍性大腸炎、または非感染性間質性肺疾患を含む、炎症性腸疾患(IBD)の最近の(最近12カ月以内)病歴を有さない。
【0541】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、連続的な全身免疫抑制療法を必要とする、最近(最近12カ月以内)または現行の消化管(GI)潰瘍または大腸炎(IBD以外)または臨床的に有意な自己免疫疾患(すなわち重篤)を有さない。
【0542】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の2週以内に、コルチコステロイド(>10mgの一日プレドニゾン当量)または他の免疫抑制薬物のいずれかによる連続的な全身的処置を必要とする任意の状態を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、臨床的に活動性のある有意な(重篤)自己免疫疾患の非存在下で、吸入または局所的ステロイドおよび10mgまでの一日プレドニゾン当量の生理学的補充用量を摂取している。
【0543】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、キメラ抗体またはヒト化抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0544】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0545】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、任意の他の同時進行の抗腫瘍性処置を受けていない。
【0546】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、無制御なまたは命にかかわる症候性の併発疾患(公知の症候性HIV、症候性B型肝炎およびC型肝炎、または活動性結核[TB]を含む)を有さない。
【0547】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始の3週間以内に大手術もしくは全身放射線を受けていない、または本発明の処置の開始前、手術または放射線の合併症から不十分な治癒または回復をしている。
【0548】
いくつかの実施形態において、CRC患者は最近3年以内に潜在的に命にかかわる第2の悪性疾患を有さない。
【0549】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、臨床的に不安定な中枢神経系(CNS)/脳転移(処置したまたは安定したCNS転移は許容される)を有さない。
【0550】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、これらに限定されないが:
・脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月);および/または
・心筋梗塞(登録前<6カ月);および/または
・不安定な狭心症;および/または
・うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII);および/または
・薬物を必要とする重度の心不整脈
を含む、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患を有さない。
【0551】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤の同時投与を必要とする医学的状態を有さない。
【0552】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、進行したまたは進行性のMSS CRCを有する。
【0553】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、グラピプラン、開始用量300mgの1日2回(BID)の経口投与で処置される。
【0554】
いくつかの実施形態において、CRC患者はグラピプラン300mg、BID経口投与、およびペムブロリズマブ200mg、3週ごとの(Q3W)IV投与で処置される。
【0555】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、MSSである、組織学的に確認された進行した、転移性、または進行性のCRCを有する成人患者である。いくつかの実施形態において、マイクロサテライト安定性は、施設標準に従い、過去のポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、Next-Gen配列決定、または免疫組織化学の結果に基づく。
【0556】
いくつかの実施形態において、CRC患者はそのうちの少なくとも1つがフルオロウラシルを含んだ、進行したまたは転移性CRCに対する少なくとも2回の過去の系統の療法を受けた。いくつかの実施形態において、CRC患者は補助療法を受け、その完了から6カ月以内に進行が生じている。
【0557】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、現地の研究者/放射線学により評価されたように、RECIST v1.1に従い測定可能病変を有する。いくつかの実施形態において、以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
【0558】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、複数のコア生検のために安全に入手できる到達可能な腫瘍を有する。
【0559】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0~1を有する。
【0560】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、以下の表Aに定義されているような十分な器官機能を有する。
【0561】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、経口の錠剤を嚥下および吸収することができる。
【0562】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、閉経していない、避妊している女性であるか、または男性である。
【0563】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、抗PD-1、抗PD-L1、または抗PD-L2薬剤による、または別の刺激性または共阻害性T-細胞受容体(例えば、CTLA-4、OX40、CD137)を対象とする薬剤による過去の療法を受けていない。
【0564】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始前の3日以内にまたは本発明の処置中のいかなる時点においても、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用しない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置のAEの管理のため、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用する。いくつかの実施形態において、CRC患者は予防的心血管用量に限定されたアスピリン製品を使用する。
【0565】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、キメラ抗体またはヒト化抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0566】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置前の4週以内に(または5半減期、どちらか短い方)研究用薬剤を含む全身抗がん療法を過去に受けていない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、過去の療法によるすべてのAEから≦グレード1またはベースラインまで回復している。いくつかの実施形態において、CRC患者は≦グレード2ニューロパシーを有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は大手術を受け、本発明の処置開始前に、介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復している。
【0567】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けていない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、すべての放射線関連の毒性から回復し、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがない。いくつかの実施形態において、CRC患者は非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して1週間のウォッシュアウトを有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置と同時進行的に抗腫瘍性処置を受けない。いくつかの実施形態において、CRC患者は寛解のみのための病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)のための抗腫瘍処置を受ける。
【0568】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0569】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取しない。いくつかの実施形態において、CRC患者は強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取していたが、本発明の処置の投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行している。
【0570】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用薬剤の研究に参加しない、または参加していない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用してい
ない。
【0571】
いくつかの実施形態において、CRC患者は免疫不全の診断を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の7日以内に、慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)、または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けない。
【0572】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の開始前の3年以内に、進行するまたは積極的な処置を必要とした公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は皮膚の基底細胞癌を有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は皮膚の扁平上皮癌を有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は、上皮内癌(例えば、乳癌、上皮子宮頸がん)を有し、潜在的に治癒的な療法を受けている。
【0573】
いくつかの実施形態において、CRC患者は公知の活動性CNS転移および/または癌性髄膜炎を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、脳転移を以前に処置したことがあり、放射線学的には安定している、すなわち、反復画像化により少なくとも4週間の間進行の証拠がなく(反復画像化は、実験スクリーニング中に実施されるべきであることに注目されたい)、および/または臨床的に安定しており、本発明の処置の最初の用量前の少なくとも14日以内にステロイド処置の必要がない。
【0574】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の開始前の2年間に全身的処置(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)を必要とする活動性自己免疫疾患を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は本発明の処置の開始前の2年間に補充療法(例えば、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)を受けている。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、これらに限定されないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む。
【0575】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有さない、または現行の肺炎を有する。
【0576】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、全身療法を必要とする活動性感染症を有さない。
【0577】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、最近の(本発明の処置開始から12カ月以内)または現行のGI潰瘍または非免疫大腸炎を有さない。
【0578】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有さない。
【0579】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有さない。
【0580】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈を有さない。
【0581】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置との協調を妨げる公知の精
神障害または物質乱用障害を有さない。
【0582】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置前に妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)ではない。
【0583】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置中に、授乳していない、または受胎する、または子供の父親になることが予想されていない。
【0584】
がん
がんには、一実施形態では、非限定的に、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性多血症、リンパ腫(例えば、ホジキン病または非ホジキン病)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、重鎖病および固形腫瘍(肉腫および癌腫など)(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑液膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓がん
、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚がん、子宮がん、精巣がん、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、多形膠芽細胞腫(GBM、神経膠芽腫としても公知)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、神経線維肉腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫)である。
【0585】
いくつかの実施形態において、がんは、神経膠腫、星状細胞腫、多形膠芽細胞腫(GBM、神経膠芽腫としても公知)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、神経線維肉腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫または網膜芽細胞腫が含まれる。
【0586】
いくつかの実施形態において、がんは、聴神経鞘腫、星状細胞腫(例えば、グレードI-毛様細胞性星細胞腫、グレードII-低悪性星状細胞腫、グレードIII-退形成性星細胞腫もしくはグレードIV-神経膠芽腫(GBM))、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹グリオーマ、上衣腫、混合型神経膠腫、視神経膠腫、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性(PNET)腫瘍または神経鞘腫である。いくつかの実施形態において、がんは、脳幹グリオーマ、頭蓋咽頭腫、上衣腫、若年性毛様細胞性星細胞腫(JPA)、髄芽腫、視神経膠腫、松果体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)またはラブドイド腫瘍などの、成人よりも子供に一般的に見出されるタイプである。いくつかの実施形態において、患者は成人のヒトである。いくつかの実施形態において、患者は子供または小児患者である。
【0587】
がんには、別の実施形態では、非限定的に、中皮腫、胆管道(肝臓および胆管)、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頚部のがん、皮下または眼内黒色腫、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、胃腸管(胃、結腸直腸および十二指腸)、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、膣癌、外陰部の癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、精巣がん、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓がんまたは尿管がん、腎細胞癌、腎盂癌、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸椎腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹グリオーマ、下垂体腺種、
副腎皮質がん、胆嚢がん、多発性骨髄腫、胆管細胞癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽
細胞腫、または上述のがんのうちの1つまたは複数の組合せが含まれる。
【0588】
いくつかの実施形態において、がんは、肝細胞癌、卵巣がん、卵巣上皮がんまたは卵管がん;乳頭状漿液嚢胞腺癌または子宮体部漿液性腺癌(UPSC);前立腺がん;精巣がん;胆嚢がん;肝臓胆管癌;軟部組織および骨滑膜肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺がん;副腎皮質腺腫;膵臓がん;膵管腺癌または膵臓腺癌;胃腸管/胃(GIST)がん;リンパ腫;頭頚部の扁平上皮癌(SCCHN);唾液腺がん;神経膠腫または脳がん;神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;または髄芽腫から選択される。
【0589】
いくつかの実施形態において、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵管がん、乳頭状漿液嚢胞腺癌、子宮体部漿液性腺癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織および骨滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質腺腫、膵臓がん、膵管腺癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症または髄芽腫から選択される。
【0590】
いくつかの実施形態において、がんは、肉腫、癌腫またはリンパ腫などの固形腫瘍である。固形腫瘍は、嚢胞または液状領域を通常は含まない、異常な組織の塊を一般に含む。いくつかの実施形態において、がんは、腎細胞癌または腎臓がん;肝細胞癌(HCC)または肝芽腫または肝臓がん;黒色腫;乳がん;結腸直腸癌または結腸直腸がん;結腸がん;直腸がん;肛門がん;非小細胞肺がん(NSCLC)または小細胞肺がん(SCLC)などの肺がん;卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌または卵管がん;乳頭状漿液嚢胞腺癌または子宮体部漿液性腺癌(UPSC);前立腺がん;精巣がん;胆嚢がん;肝臓胆管癌;軟部組織および骨滑膜肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺がん;副腎皮質癌;膵臓がん;膵管腺癌または膵臓腺癌;胃腸管/胃(GIST)がん;リンパ腫;頭頚部の扁平上皮癌(SCCHN);唾液腺がん;神経膠腫または脳がん;神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;または髄芽腫から選択される。
【0591】
いくつかの実施形態において、がんは、腎細胞癌、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸直腸腫、結腸直腸がん、結腸がん、直腸がん、肛門がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌、卵管がん、乳頭状漿液嚢胞腺癌、子宮体部漿液性腺癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織および骨滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質癌、膵臓がん、膵管腺癌、膵臓腺癌、神経膠腫、脳がん、神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症または髄芽腫から選択される。
【0592】
いくつかの実施形態において、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌、卵管がん、乳頭状漿液嚢胞腺癌、子宮体部漿液性腺癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織および骨滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質癌、膵臓がん、膵管腺癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症または髄芽腫から選択される。
【0593】
いくつかの実施形態において、がんは肝細胞癌(HCC)である。いくつかの実施形態において、がんは肝芽腫である。いくつかの実施形態において、がんは結腸がんである。いくつかの実施形態において、がんは直腸がんである。いくつかの実施形態において、がんは、卵巣がんまたは卵巣癌である。いくつかの実施形態において、がんは卵巣上皮がんである。いくつかの実施形態において、がんは卵管がんである。いくつかの実施形態にお
いて、がんは乳頭状漿液嚢胞腺癌である。いくつかの実施形態において、がんは子宮体部漿液性腺癌(UPSC)である。いくつかの実施形態において、がんは肝臓胆管癌である。いくつかの実施形態において、がんは、軟部組織および骨滑膜肉腫である。いくつかの実施形態において、がんは横紋筋肉腫である。いくつかの実施形態において、がんは骨肉腫である。いくつかの実施形態において、がんは未分化甲状腺がんである。いくつかの実施形態において、がんは副腎皮質癌である。いくつかの実施形態において、がんは、膵臓がんまたは膵管腺癌である。いくつかの実施形態において、がんは膵臓腺癌である。いくつかの実施形態において、がんは神経膠腫である。いくつかの実施形態において、がんは悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)である。いくつかの実施形態において、がんは神経線維腫症1型関連MPNSTである。いくつかの実施形態において、がんはワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。いくつかの実施形態において、がんは髄芽腫である。
【0594】
いくつかの実施形態において、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、肛門がん、虫垂がん、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、星状細胞腫、脳および脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、原発不明癌、中枢神経系がん、子宮頸がん、小児期がん、脊索腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、直腸結腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚芽腫、子宮内膜がん、上衣芽腫、上衣細胞腫、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼のがん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化菅カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞がん、組織球症、ランゲルハンス細胞がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、白血病、唇および口腔がん、肝臓がん、上皮内小葉癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、マクログロブリン血症、男性の乳がん、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、NUT遺伝子を含む正中管癌、口のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻腔がん、副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔のがん、口腔がん、口唇がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がん、鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、中間分化型松果体実質腫瘍(Pineal Parenchymal Tumors of Intermediate Differentiation)、松果体芽腫、下垂体の腫瘍、形質細胞新生物、胸膜肺芽腫(Pleuropulmonary Blastoma)、乳がん、原発性中枢
神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、明細胞腎臓細胞癌、腎盂がん、尿管がん、移行性細胞がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明の頸部扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、胃がん、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、腎孟尿管の移行性細胞がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、妊娠性絨毛腫瘍、小児期の未知の原発性、稀ながん、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍である。
【0595】
ある種の実施形態において、がんは、膀胱がん、乳がん(TNBCを含む)、子宮頸がん、直腸結腸がん、慢性リンパ球性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、食道の腺癌、神経膠芽腫、頭頸部がん、白血病(急性および慢性)、低
悪性度の神経膠腫、肺がん(腺癌、非小細胞肺がん、および扁平上皮癌を含む)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、黒色腫、多発性骨髄腫(MM)、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん(腎臓の明細胞癌および腎臓乳頭状細胞癌を含む)、および胃がんから選択される。
【0596】
いくつかの実施形態において、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、膵臓がん、肝臓がん、肝細胞がん、神経芽細胞腫、他の固形腫瘍または他の血液がんである。
【0597】
いくつかの実施形態において、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、多発性骨髄腫、またはAMLである。
【0598】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連固形腫瘍、ヒトパピローマウイルス(HPV)-16に陽性な治癒不能固形腫瘍および成人T細胞白血病(これは、ヒトT細胞性白血病ウイルスI型(HTLV-I)により引き起こされ、白血病細胞におけるHTLV-Iのクローン組込みを特徴とするCD4+T細胞白血病の非常に侵襲性の形態である(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02631746を参照されたい))、ならびに胃がん、鼻咽頭癌、子宮頚がん、膣がん、疣状がん、頭頚部の扁平上皮癌およびメルケル細胞癌におけるウイルス関連腫瘍(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02488759を参照されたい。https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT0240886;https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02426892もまた参照されたい)を含めた、ウイルス関連がんの診断、予後および処置のための方法および組成物をさらに特徴とする。
【0599】
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者において腫瘍を処置するための方法であって、患者に、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤および本明細書に記載されているようながん免疫療法剤、または本明細書に記載されているその医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、腫瘍は、本明細書に記載されているがんのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は黒色腫がんを含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は乳がんを含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は肺がんを含む。いくつかの実施形態において腫瘍は小細胞肺がん(SCLC)を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は非小細胞肺がん(NSCLC)を含む。
【0600】
いくつかの実施形態において、腫瘍は、腫瘍のさらなる成長を抑止することにより処置される。いくつかの実施形態において、腫瘍は、処置前の腫瘍のサイズに比べて、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%または99%、腫瘍のサイズ(例えば、体積または塊)を退縮させることにより処置される。いくつかの実施形態において、腫瘍は、処置前の腫瘍の量に比べて、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%または99%、患者における腫瘍の量を低減させることにより処置される。
【0601】
本発明の方法による化合物および組成物は、がんを処置する、またはそれらの重症度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与することができる。必要な正確な量は、被験体の人種、年齢および全身状態、疾患または状態の重症度、具体的な薬剤、その投与形式などに応じて、被験体ごとに様々となろう。本発明の方法に従う化合物および組成物は、投与を容易にするため、および投与量を均質とするために、投与量単位形態で好ましくは製剤化される。「投与量単位形態」という表現は、本明細書で使用
する場合、処置される患者にとって適切な、物理的に個別の薬剤の単位を指す。しかし、化合物および組成物の1日あたりの合計使用量は、妥当な医療的判断の範囲内で、主治医により決定されることが理解されよう。任意の特定の患者または生物に対する具体的に有効な用量レベルは、処置される障害および障害の重症度、使用される具体的な化合物の活性、使用される具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康、性別および食事、投与時間、投与経路、および使用される具体的な化合物の排出速度、処置の期間、使用される具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物を含めた様々な因子、ならびに医療分野において周知の同様の因子に依存する。用語「患者」とは、本明細書で使用する場合、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを意味する。
【0602】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置されている疾患または状態の重症度に応じて、経口的に、直腸により、非経口的に、嚢内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤またはドロップ剤によるなど)、口腔により、経口噴霧剤または点鼻薬などとして、ヒトおよび他の動物に投与することができる。ある種の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るため、1日あたり、1回または複数回で、1日あたり約0.01mg/被験体の体重のkg~約50mg/被験体の体重のkg、および好ましくは約1mg/kg~約25mg/被験体の体重のkgの投与量レベルで、経口的または非経口的に投与することができる。
【0603】
経口投与向けの液状剤形には、以下に限定されないが、薬学的に受容可能なエマルション剤、マイクロエマルション剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液状剤形は、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの他の溶媒、可溶化剤ならびに乳化剤などの、当技術分野において一般に使用される不活性な希釈剤を含有することができる。不活性な希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤および芳香剤などのアジュバントを含むことができる。
【0604】
公知技術に従い、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して、注射調製物、例えば注射可能な水性または油性の滅菌懸濁液剤を製剤化することができる。滅菌注射調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液剤として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液剤、懸濁液剤またはエマルション剤とすることもできる。使用することができる、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液,U.S.P.および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌の不揮発油が、溶媒または懸濁媒体として、従来、使用される。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に使用される。
【0605】
注射可能な製剤は、使用前に、例えば、細菌保持フィルターでろ過することにより、または滅菌水もしくは他の注射可能な滅菌媒体中に溶解または分散することができる滅菌固体組成物の形態の殺菌剤を配合することにより、滅菌され得る。
【0606】
本明細書に記載の化合物の作用を延長するために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を減速させることが望ましいことが多い。これは、水への溶解度が乏しい、結晶性物質またはアモルファス性物質の液体懸濁液の使用により行うことができる。次に、化合物の吸収速度は、この溶出速度に依存し、ひいては、結晶サイズおよび結晶形態に依存することがある。代替として、非経口的に投与される化合物形態の吸収遅延は、油性ビヒク
ル中に化合物を溶解または懸濁することにより行われる。ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に、本化合物のマイクロ封入マトリックスを形成させることにより、注射可能なデポ剤形態が作製される。化合物とポリマーとの比、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が含まれる。注射可能なデポ製剤もまた、身体組織と適合可能なリポソームまたはマイクロエマルション中に本化合物を捕捉することにより調製される。
【0607】
直腸または膣投与向けの組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが、身体温度では液体であり、したがって、直腸または膣腔において融解し、活性化合物を放出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックスなどの、好適な非刺激性賦形剤またはキャリアと混合することにより調製することができる坐剤である。
【0608】
経口投与向けの固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。このような固形剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1腫の不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、ならびに/あるいはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケートおよび炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形はまた、緩衝化剤を含んでもよい。
【0609】
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として使用されてもよい。錠剤、ドラジェ剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング剤、および医薬調合分野において周知の他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、これらは、腸管のある部分において、必要に応じて遅延させて、活性成分(単数または複数)を単独で、または優先的に放出するような組成物とすることもできる。使用され得る埋め込み組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコール(polethylene glycol)などの賦形剤を使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として使用されてもよい。
【0610】
活性化合物はまた、上記のような1種または複数の賦形剤とのマイクロ封入形態にあることもできる。錠剤、ドラジェ剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング剤、放出制御用コーティング剤、および医薬調合分野において周知の他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。このような固形剤形では、活性化合物はスクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性な希釈剤と混合されてもよい。このような剤形はまた、通常実務のように、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびマイクロクリスタリンセルロースなどの錠剤化用滑沢剤および他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形はまた、緩衝化剤を含んでもよい。それら
は、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、これらは、腸管のある部分において、必要に応じて遅延させて、活性成分(単数または複数)を単独で、または優先的に放出するような組成物とすることもできる。使用され得る埋め込み組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
【0611】
本発明の化合物の局所または経皮投与向け剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、噴霧剤、吸入薬またはパッチ剤が含まれる。活性構成成分は、滅菌条件下において、必要となることがある、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要な保存剤または緩衝化剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤も、本発明の範囲内にあることがやはり企図されている。さらに、本発明は、身体への化合物の制御送達の提供という追加の利点を有する、経皮パッチ剤の使用を企図する。このような剤形は、適切な媒体中に本化合物を溶解または分注することにより作製することができる。吸収促進剤はまた、本化合物が皮膚を通過する流動を増大させるために使用することもできる。速度は、速度制御膜を設けることによるか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に本化合物を分散させることによるかのどちらか一方によって、制御することができる。
【実施例0612】
例証
以下の実施例は、本発明を例示することを意図するもので、本発明に対する制限と解釈されないものとする。
【0613】
EP4活性を阻害する薬剤およびがん免疫療法剤は、当業者に公知の方法で調製することができる。例えば、EP4活性を阻害する薬剤は、その内容がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれるWO2002/032900、WO2005/021508、および米国特許第6,710,054号および第7,960,407号に記載されているように合成することができる。化合物Aの多形形態Aを調製するための例示的プロトコールは、その内容がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,960,407号および第9,265,756号に記載されている。特に述べられていない限り、本明細書で以下に記載されている実施例の化合物の1つまたは複数の互変異性形態は、in situで調製および/または単離することができる。これより以下に記載されている実施例の化合物のすべての互変異性形態は、開示されているものと考えられるべきである。
【0614】
(実施例1:化合物Aの多形形態Aを調製するためのプロトコール)
1.1 プロトコール1(米国特許第7,960,407号に記載の通り)
ステップ1:粗製の非晶質生成物
機械撹拌装置、温度計、および2個の滴下漏斗を備えた4口丸底フラスコを水槽に浸す(水槽温度18℃)。フラスコ内で、2-[4-(2-エチル-4,6-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)フェニル]エタンアミンおよびトリエチルアミンのCHCl中溶液に、内部温度を28℃未満に維持した滴下漏斗の1つから、p-トシルイソシアネートをゆっくりと滴加添加する。生成した溶液を室温で撹拌し、次いで、内部温度を22℃未満に維持しながらクエン酸水溶液を滴下添加する。生成した混合物を室温で激しく撹拌し、次いでNaOH水溶液を滴下添加する。添加完了後、溶液のpH値が5~5.5であることを確認する。次いで、層を分離し、水層をCHClで再抽出し、有機層を一緒にする。有機層をクエン酸水溶液とNaOH水溶液の混合物で洗浄する。層を分離後、水層をCHClで再抽出し、有機層を一緒にする。生成した有機層にNaSOおよび木炭を加え、混合物を室温で穏やかに撹拌する。混合物を、セライトパッドを介して濾過した後、これを濃縮して、粗生成物を得る。
【0615】
ステップ2:多形形態Aへの変換およびその精製
機械撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えた丸底、4口フラスコを水槽に浸す。フラスコ内で、高温の(40℃)アセトンを粗製のN-[({2-[4-(2-エチル-4,6-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミドに加える(ステップ1)。混合物を窒素雰囲気下、50℃で撹拌し、次いでゆっくりと室温に冷却する。アセトンを加え、混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌する。紙フィルターを介して結晶を濾過し、アセトンで洗浄し、窒素ガスを流すことにより乾燥させて、表題化合物の結晶を得、これを以下の手順でさらに精製する。
【0616】
機械撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えたステンレス3口反応器を水槽に浸す。フラスコ内で、上記化合物のアセトン中混合物(懸濁物)を50℃で撹拌し、次いで室温に冷却する。アリコートを取り出し、結晶を吸引により収集し、HPLC分析用サンプルを調製して結晶の純度を決定する。混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌する。紙フィルターを使用して、結晶を濾別し、アセトンで洗浄し、窒素ガスを流すことにより乾燥させ、減圧下40℃で乾燥させる。生成物を以下の手順でさらに精製する。
【0617】
機械撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えた丸底、4口フラスコを水槽に浸す。フラスコ内で、アセトンを上述の結晶に加える。混合物を窒素雰囲気下、50℃で撹拌し、次いで、ゆっくりと室温に冷却する。アリコートを取り出し、結晶を吸引で収集して、HPLC分析用のサンプルを調製して、結晶の純度を決定する。混合物を窒素雰囲気下室温で撹拌する。結晶を、紙フィルターを介して濾過し、アセトンで洗浄し、窒素ガスを流すことにより乾燥させ、減圧下40℃で乾燥させて、表題化合物、多形形態Aを得る。
【0618】
1.2 プロトコール2(米国特許第7,960,407号に記載されている通り)
清潔な、乾燥した3口丸底フラスコに2-[4-(2-エチル-4,6-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)フェニル]エタンアミンおよびCHClを入れる。温度を21℃未満に保ちながら、CHClに溶解したイソシアン酸トシルを反応物に加え、撹拌する。HPLCにより反応が完了したとみなしたら、活性炭を加える。生成したスラリーを、0.5ミクロンフィルターを介して濾過してほこり(speck)のない3口丸底フラスコに取り、CHClでフィルターを洗浄する。反応物を撹拌可能な最小容量まで大気濃縮し、内部温度58℃~62℃が達成されるまで、ほこりのないアセトンによる置換を継続する。反応物を少なくとも30℃に冷却し、N-[({2-[4-(2-エチル-4,6-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aのシードを加える。反応物を20℃~25℃の間で造粒させる。反応を0℃~5℃へ冷却し、そして造粒した後、反応物をほこりのないフィルター上で濾過する。0℃~5℃に冷却したほこりのないアセトンで2回固体を洗浄する。湿ったケーキをほこりのない3口丸底フラスコに戻し、ほこりのない酢酸エチルを加える。スラリーを少なくとも75℃に加熱し、しばらくの間保持する。反応物を少なくとも30℃に冷却し、固体をほこりのないフィルター上で濾過する。固体をほこりのない酢酸エチルで洗浄する。湿ったケーキを同じほこりのない3口丸底フラスコに戻し、ほこりのない酢酸エチルを加える。スラリーを少なくとも75℃に加熱し、しばらくの間保持する。反応物を少なくとも30℃に冷却し、固体をほこりのないフィルター上で濾過する。固体をほこりのない酢酸エチルで洗浄する。生成物を45℃~50℃に乾燥させて、表題生成物、多形形態Aを生成する。
【0619】
上記方法により生成した粒径は、ミリングを必要としない粒径を生成する。単純な手動篩分けプロセスによりあらゆる塊を除去する。0.0278インチ開口を有するほこりのない#25手動ふるいを介して、生成物を手動で篩い分けする。
【0620】
1.3 プロトコール3(米国特許第9,265,756号に記載されている通り)
化合物Aの多形形態Aを、1:2ジクロロメタン/アセトン(v/v)中化合物Aの形態Jのスラリーにより、25℃で調製する。化合物Aの形態Jは、未確認の量の水を有するジクロロメタン(DCM)溶媒和物である。形態J結晶は、化合物Aを2:1ジクロロメタン/n-ヘプタン(2:1)中に沈殿させることにより調製する。
【0621】
(実施例2:進行したまたは転移性のPD-1/L1後非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する患者における、グラピプラン、EP4阻害剤、およびペムブロリズマブ、PD-1チェックポイント阻害剤のフェーズ1b/2実験)
全体的設計:本実験は、最低12週間の間PD-1またはPD-L1チェックポイント阻害剤のいずれかで以前に処置していた、NSCLCと診断された成人患者において、ペムブロリズマブと組み合わせたグラピプランの安全性および効力を評価するための多施設、非盲検、単一アーム、フェーズ1b/2実験である。参加者登録および連続的な安全性評価はmTPIモデルにより指示される。用量の漸増および漸減に対する決定は、参加する実験研究者およびスポンサーで構成される安全性審査委員会(SRB)によりなされる。実験開始時にSRBにより低下されない限り、グラピプラン開始用量は、1日2回300mg(BID)である。用量の漸増および確認は、選択された用量のいずれかで処置した14名の参加者が許容されると判明した後、終了する。連続的な安全性評価フェーズに続いて、全治験サイズ25名までの追加の参加者が登録して効力を評価する。完全奏効(CR)を達成するものを含む参加者は、2年までまたは参加者が臨床的悪化、許容不可能な毒性、または同意撤回を伴う疾患進行を経験するまでグラピプランおよびペムブロリズマブによる処置を受けることができ、これに続いて、これらの実験処置の最後の日から30日および90日後に処置終了追跡診察を行う。
・参加者らはサイクル1、第1日目にグラピプランおよびペムブロリズマブで処置する。・PKサンプルを実施計画(SoE)に示されている通り採取する。
・腫瘍評価用スキャンは、すべての参加者に対して、最初の3サイクルは処置開始から8週間ごとに(+/-7日)、次いでその後は12週ごとに(+/-7日)および研究者の裁量で評価される。
・参加者は併用処置の間通常の食事を維持するように指導され、食物は、類似のクラスの薬物(COX-2阻害剤)において共通の軽度GI AEを低減することが公知であるため、グラピプランを食物と共に定期的に摂取することが促される。投薬後PKサンプルを採取する場合、朝の食物摂取をその日の薬物投与日誌に記録する。
・強制的腫瘍生検は、サイクル1、第1日目の前におよびサイクル1の終点とサイクル3の終点との間、理想的には同じ腫瘍由来の、反復生検に対して安全とみなされた、10名までの評価可能な参加者のサブセットで収集される。第3の腫瘍生検は、入手が安全であり、スポンサーに相談の上、腫瘍評価について部分奏効を有する生検サブグループ内の任意の参加者において、RECISTv1.1応答記録の1カ月以内に収集される。
【0622】
主な組み入れ基準:
1.組織学的に確認された非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する男性および女性の成人患者(インフォームドコンセント署名日に年齢≧18歳)。
2.化学放射線療法が同時進行している、治癒的意図の処置に適していない進行した(ステージIIIb)疾患および転移性(ステージIV)の患者。過去の処置レジメンの数に対する制限はない。
3.患者は、最低12週間の間PD-1またはPD-L1アンタゴニストの投与を受けた後、RECIST v1.1にしたがって臨床的におよび/またはX線検査で進行していなければならない。注釈:免疫療法は、化学療法と共にまたは化学療法なしで付与されていてもよく、任意の系統で使用されていてもよいが、ただし、許容される免疫療法の過去のレジメンは1つ以下とする。
4.現地の研究者/放射線学により評価されたRECIST v1.1に従う測定可能病変を有する。以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
5.生検サブグループ(10名の参加者)に対して、複数のコア生検のための気管支鏡、胸腔鏡または経皮的生検(1回の生検当たり最低3通りの経路)を介して安全に到達できる疾患であり、参加者は実験で新しく得た生検からの組織を提供する意志がある。
6.Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0~1を有する。
7.以下の表Aで定義されているような十分な器官機能を有する。
8.閉経していない女性およびすべての男性については避妊を使用する意志がある。
9.治験に対して文書によるインフォームドコンセントを提供する意志があり、それが可能である。
【表A】
ALT(SGPT)=アラニンアミノトランスフェラーゼ(血清グルタミン酸ピルビン酸トランスア
ミナーゼ); ANC=好中球絶対数; aPTT=活性化部分的トロンボプラスチン時間; AST(SGOT)=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ); CrCl=クレアチニンクリアランス; GFR=糸球体濾過率; INR=国際正規化比;
PT=プロトロンビン時間; ULN=正常上限。
1最近2週間以内に、エリスロポエチン依存なし、および濃縮赤血球(pRBC)輸血なしで基準を満たさなければならない。
2クレアチニンクリアランス(単位:ml/分)はCockcroft-Gault式で予測するものとする。
注釈:この表は、処置を受けるための資格を定義する実験値要件を含む;実験値要件は特定
の化学療法の投与に対する地方の規制およびガイドラインに適応させるべきである。
【0623】
主な除外基準:
1.AEの管理のために使用されている、またはさもなければ医学的指導者の認可を得ている場合を除いて、処置開始前の3日以内または実験中のいずれかの時点における、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)の現行の使用。スポンサーと相談した場合を除いて、アスピリン製品は、予防的心血管用量に限定される。
2.公知の上皮成長因子受容体(EGFR)、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)、またはROS遺伝子変更を有する任意の患者。
3.公知のBRAF遺伝子変異を有する任意の患者。
4.喫煙歴を有さない任意の患者(生涯の煙草の本数≦100本)は、登録前にスポンサーに相談すべきである。
5.PD-1/L1抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴。
6.処置前の4週以内に研究用薬剤を含む過去の全身抗がん療法を受けている。注釈:参加者は、過去の療法によるすべてのAEから≦グレード1またはベースラインまで回復している。≦グレード2ニューロパシーを有する参加者は、スポンサーとの相談後、適格となり得る。
7.実験処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けている。参加者は、すべての放射線関連の毒性から回復しており、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがないことが必要である。非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して1週間のウォッシュアウトが許される。
注釈:寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、他の同時進行の抗腫瘍性処置は実験に対して許されない。
注釈:参加者が手術を受けた場合、参加者は、実験処置を開始する前の介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復していなければならない。
8.実験処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けている。
9.強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を服用している参加者は、投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行することができる場合を除いて、実験から除外される。
10.研究用薬剤の研究に現在参加しているもしくは参加していた、または実験処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していた。注釈:研究用実験の追跡フェーズに入った参加者は、過去の研究用薬剤の最終用量から4週間後である場合に限り参加可能である。
11.実験処置の最初の用量前の7日以内に、免疫不全の診断を受けている、または慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けている。
12.過去3年以内に、進行しているまたは積極的な処置を必要とする、公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有する。注釈:潜在的に治癒的療法を受けた、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、または上皮内癌(例えば、乳癌、上皮子宮頸がん)を有する参加者は除外されないものとする。
13.公知の活動性CNS転移および/または癌性髄膜炎を有する(臨床的に安定したおよび/または以前に処置した不活性なCNS転移は許容される)。
14.過去2年間の間に全身的処置を必要とする(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)活動性自己免疫疾患を有する。補充療法(例えば、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)は全身的処置の形態とは考えられていないので、許容される。自己免疫疾患は、これらに限定されないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む。
15.ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有する、または現行の肺炎を有
する。
16.全身療法を必要とする活動性感染症を有する。
17.最近の(最近12カ月)または現行のGI潰瘍もしくは大腸炎または非免疫性大腸炎。
18.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有する。
19.B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有する。
20.臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈。
21.処置する研究者の見解により、実験の結果を混乱させ得る、参加者の全実験期間の参加を妨げ得る、または参加者の参加への関心があまりない任意の状態、療法、または検査所見の異常の履歴または現在の証拠を有する。
22.実験の必要条件との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有する。
23.処置前、妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)。
24.予測される実験期間内に授乳している、または受胎する、または子供の父親になることが予想される。
【0624】
参加者数:
・米国内のおよそ3~6の実験センターからおよそ30名の患者がスクリーニングされて、25名の参加者をこの実験に登録する。登録は、実験処置の最初の用量の開始時と定義される。
・最初のサイクル(すなわち、用量制限毒性[DLT]期間)の間にAE以外の理由で処置から離脱した参加者は差し替えられる
【0625】
介入群および期間:
【0626】
1サイクルの処置は3週間ごと(Q3W)と定義される。
・参加者はサイクル1第1日目から開始して、グラピプランとペムブロリズマブの組合せを受ける。
・グラピプランの用量は、BIDで経口投与される300mgである(1日用量は8~12時間の間隔で、好ましくは食物と共に摂取する)。
・ペムブロリズマブ用量は200mg、IV、Q3Wである。
・用量およびスケジュール調節、コルチコステロイド投与、およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
・最初のサイクルにおいてDLTを有する参加者は、これらの毒性が改善するまでグラピプランとペムブロリズマブのこれらの両方の用量をそのままにとどめ、スポンサーと相談した場合を除いて、グラピプランのこれらの既存の用量を50mgBIDまたは100mgBIDだけ減少させる。
・最初のサイクル後、治療により発現した、許容できない最初の有害事象(TEAE)を経験した参加者は、これらの毒性が改善するまでグラピプランおよびペムブロリズマブのこれらの用量をそのままにとどめ、これらの既存のグラピプラン用量を50mgBID分だけ減らす。TEAEの性質によっては、グラピプラン投与を投与2週間/休み1週間のスケジュールに切り替えることも研究者により考慮されるものとする。
・グラピプラン用量を150mgBID未満に低減しなければならない任意の参加者は、グラピプラン処置を停止するが、臨床上の利益が実証される場合にはペムブロリズマブを受け続けることができる。
【0627】
5日間またはそれよりも長い間、グレード2またはそれよりも高い消化不良を有する参加者は、研究者の判断で、症状が軽減するまで、グラピプランの用量の2時間後に摂取する経口BIDでのラニチジン75mgを開始することができる。
【0628】
追加の用量調節およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
【0629】
CRを達成するものを含む参加者は、臨床的悪化、許容不可能な毒性、または同意撤回を伴う疾患進行を経験するまでグラピプランおよびペムブロリズマブの投与を受け、これに続いてこれらの実験処置の最終日から30日および90日後に処置終了追跡診察が行われる。
【0630】
各参加者に対する実験期間は、28日までの実験への組み込みのためのスクリーニング期間、21日ごとに最大35サイクル(2年まで)繰り返される組合せ処置サイクルの過程、ならびに実験処置投与の最終日から30日および90日後の処置終了追跡診察を含むことになる。処置終了から90日目の追跡診察が実験診察の終点と考えられる。
【0631】
すべての参加者に対する用量の漸減は安全性規定が示す任意の時間に行われる(例えば、最初の6名の参加者のうちの4名またはそれよりも多くの参加者がDLTを経験するなど)。すでに登録し、重篤なAEなしに薬物を受けている参加者は、スポンサーと相談後、元の用量レベルで追加の用量を受けることが許されてもよい。
【0632】
予想される登録期間は15カ月である。実験停止日は、すべての参加者が16週の処置を完了した(すなわち、第2の腫瘍評価まで)または実験処置を止めた日付のいずれかと定義される。実験停止日後、実験処置を継続して受ける参加者は観察が続けられ、すべての参加者が実験処置を止めた時点で適当な統計分析(安全性、薬物暴露および活性に対するリスティングまたは表の更新)が実施される。
【0633】
統計的検討事項:
サンプルサイズの決定:併用の副作用プロファイルはペムブロリズマブ単独の場合と類似していると予想される。
【0634】
mTPI設計に対して推奨されるサンプルサイズは、n=k(d+1)である(Ji and Wang, J Clin Oncol. 2013;31(14):1785-91)。8名の被験体に1つの用量レベル(k=8)が投薬され、2つの用量が試験される場合(d=2)、24名の被験体が必要と予測される。1つの用量が試験される場合、n=16の被験体が必要と予測される。選択された用量のいずれかで処置した14名の参加者が受容可能と判明した後で、用量漸増および確認は終了する。連続的な安全性評価フェーズ後、全治験サイズ25名までの追加の被験体を評価して、効力の推定値を確立する。多重度に対する正式な仮説検定または調節は存在しない。
【0635】
一般的な統計手法:安全性パラメーターの記述的分析を、処置した集団全体(少なくとも1つの用量のグラピプランに曝露されたすべての参加者と定義される)に実施する。TEAEの種類、頻度、重症度および関連性をMedical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)に従い分析する。米国国立癌研究所の有害事象の一般用語基準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events)(NCI-CTCAE)v5.0に従い実験の異常を分析する。
【0636】
薬物動態学的分析:グラピプランのPKパラメーターは、用量レベルおよび最終用量からの時間により、記述統計学を使用して要約される。グラピプランの血漿PKは、CmaxおよびAUC PKパラメーターに対して記載される。任意の追加のPK分析は統計分析プラン(SAP)に記載される。
【0637】
集団PKおよび曝露-応答分析:本実験からのデータは、集団PK分析における過去の実験から収集したデータと共に含まれる。PKパラメーターに対する共変量の影響(例えば、体重、年齢、性別、人種、および併用薬)は、必要および適当な場合調査される。
【0638】
追加の探索的PKおよび/または曝露-応答モデリングを、必要に応じてデータに適用することができる。
【0639】
PKおよび/または任意の集団PKの結果または曝露-応答分析は、臨床研究報告とは別に報告されてもよい。
【0640】
効力分析:抗腫瘍効力データは、スクリーニングにおいておよび実験処置中の最低1つの他の時間点において疾患評価を受けた参加者を含む評価可能な奏効集団について記述により提示される。
【0641】
以下の推定値および信頼区間(CI)は、いくつかのシナリオの下でのORR推定値の精度の概説を提供することを意図する。
1/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.04(0.0020、0.1761)である。
2/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.08(0.0144、0.2310)である。
3/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.12(0.0335、0.2817)である。
4/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.16(0.0566、0.3296)である。
5/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.20(0.0823、0.3754)である。
8/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.32(0.1703、0.5036)である。
【0642】
(実施例3:進行したまたは進行性のマイクロサテライト安定(MSS)直腸結腸がん(CRC)を有する患者における、グラピプラン、EP4阻害剤、およびペムブロリズマブ、PD-1チェックポイント阻害剤のフェーズ1b実験)
全体的設計:本実験は、進行したまたは進行性のMSS CRCを有する成人患者において、ペムブロリズマブと組み合わせたグラピプランの多施設、非盲検、単一アーム、フェーズ1b、安全性、および効力実験である。これは、グラピプランをPD-1抗体(ペムブロリズマブ)と組み合わせた最初の実験であり、したがって、参加者登録および連続的な安全性評価はmTPIモデルにより指示されることになる。併用処置期間は35サイクル(2年まで)からなる。実験はまた、単剤としてのグラピプラン、ならびに以下の併用処置期間にペムブロリズマブと組み合わせたグラピプランの薬力学を評価する目的のための1週間の単剤導入期間を含む。コホート1に登録した参加者は、単剤導入期間中はグラピプランで処置し、コホート1およびコホート2に登録したすべての参加者は、併用処置期間中、グラピプランおよびペムブロリズマブによる処置を受ける。およそ30名の患者に対して本実験のスクリーニングが計画され、コホート1への登録に対して15名までの参加者およびコホート2への登録に対して10名までの参加者が許容される。コホート2への参加者の登録前にコホート1への参加者が登録する。連続的な安全性評価フェーズ後、全治験サイズ25名までの参加者の追加参加者の登録が評価されて、効力の推定値を確立する。
【0643】
単剤導入期間:コホート1
・参加者は、単剤として薬理学的に活性な用量のグラピプランを用いて1週間処置する。
グラピプランの開始用量300mgを1日2回(BID)経口投与する。
・参加者は単剤導入期間中は通常の食事を維持するように指導され、食物は、類似のクラスの薬物(COX-2阻害剤)において一般的な軽度GI AEを低減することが公知であるため、グラピプランを食物と共に定期的に摂取することが促される。
・第1日目のグラピプランの最初の用量前にコホート1において反復生検に対して安全とみなされた参加者に対して強制的な処置前腫瘍生検を収集し、単剤導入期間の第5日目と、併用処置期間のサイクル1第1日目のペムブロリズマブの投薬前との間に、理想的には同じ腫瘍から強制的な処置後腫瘍生検を得る。
・PKサンプルは実施計画(SoE)に示されている通り採取する。
【0644】
併用処置期間:コホート1および2
・コホート1および2のすべての参加者は、サイクル1第1日目から開始して、用量の漸減が生じない限り、BIDで経口投与されるグラピプラン開始用量300mg、および3週ごとに(Q3W)IVで200mg投与される固定用量のペムブロリズマブで処置される。
・PKサンプルはSoEに示されている通り採取される。
・コホート2において反復生検に対して安全とみなされた参加者に対して、強制的な処置前腫瘍生検はサイクル1第1日目のいずれかの薬剤の最初の用量を受ける前のスクリーニングの間に収集され、強制的な第2の腫瘍生検は、サイクル1の終点と、サイクル3の終点との間に、理想的には同じ腫瘍から収集される。第3の腫瘍生検は、生検がすでに奏効から1カ月以内に得られている、またはさもなければ医学的指導者と相談した場合を除いて、固形腫瘍における応答評価基準バージョン1.1(RECISTv1.1)応答記録の1カ月以内に、腫瘍評価に対して部分奏効(PR)を有する任意の参加者に対して収集される。
・腫瘍評価のためのスキャンは、すべての参加者(コホート1および2)に対して処置開始から最初の3サイクルの間は、8週ごとに(+/-7日)、次いでその後は12週ごとに(+/-7日)、および研究者の裁量により評価される。
・参加者は併用処置の間通常の食事を維持するように指導され、食物は、類似のクラスの薬物(COX-2阻害剤)において一般的な軽度GI AEを低減することが公知であるため、グラピプランを食物と共に定期的に摂取することが促される。投薬後PKサンプルを採取する場合、朝の食物摂取をその日の薬物投与日誌に記録する。
【0645】
主な組み入れ基準:
1.組織学的に確認された進行した、転移性、または進行性のCRC(MSSである)を有する男性および女性の成人患者(インフォームドコンセント署名日に年齢≧18歳)。マイクロサテライト安定性は、施設標準による、過去のポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、Next-Gen配列決定、または免疫組織化学の結果に基づく。
2.患者は、進行したまたは転移性のCRCに対して少なくとも2回の過去の系統の療法を受け、このうち少なくとも1回がフルオロウラシルを含んだ。補助療法は、進行がその完了の6カ月以内に生じた場合のみ、1系統の療法とカウントされる。過去の処置レジメンの数に対する制限はない。
3.現地の研究者/放射線学により評価されたRECIST v1.1に従う測定可能病変を有する。以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
4.複数のコア生検に対して、安全に到達できる到達可能な腫瘍であり、患者は処置前および処置中に新しく得た生検からの組織を提供する意志がある。
5.Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0~1を有する。
6.上記表Aで定義されているような十分な器官機能を有する。
7.経口錠剤を嚥下および吸収することができる。
8.閉経していない女性およびすべての男性については避妊を使用する意志がある。
9.治験に対して文書によるインフォームドコンセントを提供する意志があり、それが可能である。
【0646】
主な除外基準:
1.抗PD-1、抗PD-L1、または抗PD-L2薬剤を用いた、または別の刺激性もしくは共阻害性T-細胞受容体(例えば、CTLA-4、OX40、CD137)を対象とする薬剤を用いた過去の療法を受けた。
2.AEの管理のために使用した、またはさもなければスポンサーによる承認を受けた場合を除いて、処置開始前の3日以内または実験のいずれかの時点における、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)の現行の使用。スポンサーと相談した場合を除いて、アスピリン製品は、予防的心血管用量に限定されるべきである。
3.キメラ抗体またはヒト化抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴。
4.処置前の4週以内、または5半減期以内のどちらか短い方に、研究用薬剤を含む、過去の全身抗がん療法を受けた。参加者は、過去の療法によるすべてのAEから、≦グレード1またはベースラインまで回復していなければならない。≦グレード2ニューロパシーを有する参加者はスポンサーと相談後、適格になり得る。参加者が大手術を受けた場合、この参加者は実験処置の開始前に、介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復していなければならない。
5.実験処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けている。参加者は、すべての放射線関連の毒性から回復しており、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがない。非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して、1週間のウォッシュアウトが許される。寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、他の同時進行の抗腫瘍性処置は実験に対して許されない。
6.実験薬物の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けている。
7.強力なCYP3A4またはP-糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を服用している参加者は、投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行することができる場合を除いて、実験から除外される。
8.研究用薬剤の研究に現在参加しているもしくは参加していた、または実験処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していた。研究用実験の追跡フェーズに入った参加者は、過去の研究用薬剤の最終用量から4週間後である場合に限り参加可能である。
9.実験薬物の最初の用量前の7日以内に、免疫不全の診断を受けている、または慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けている。
10.過去3年以内に、進行しているまたは積極的な処置を必要とする、公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有する。潜在的に治癒的療法を受けた、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、または上皮内癌(例えば、乳癌、上皮子宮頸がん)を有する参加者は除外されないものとする。
11.公知の活動性CNS転移および/または癌性髄膜炎を有する。脳転移を以前に処置した参加者は参加できるが、ただし、この参加者は放射線学的に安定している、すなわち、反復画像化により少なくとも4週間の間進行の証拠がなく(反復画像化は、実験スクリーニング中に実施されるべきであることに注目されたい)、および/または臨床的に安定しており、実験処置の最初の用量前の少なくとも14日間の期間、ステロイド処置の必要がないものとする。
12.過去2年間の間に全身的処置を必要とする(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)活動性自己免疫疾患を有する。補充療法(例えば、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチ
コステロイド補充療法)は全身的処置の形態とは考えられていないので、許容される。自己免疫疾患は、これらに限定されないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む。
13.ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有する、または現行の肺炎を有する。
14.全身療法を必要とする活動性感染症を有する。
15.最近の(最近12カ月以内)または現行のGI潰瘍もしくは非免疫大腸炎。
16.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有する。
17.B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有する。
18.臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈。
19.処置する研究者の見解により、実験の結果を混乱させ得る、参加者の全実験期間の参加を妨げ得る、または参加者の参加への関心があまりない任意の状態、療法、または検査所見の異常の履歴または現在の証拠を有する。
20.実験の必要条件との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有する。
21.処置前、妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)。
22.予測される実験期間内に授乳している、または受胎する、または子供の父親になることが予想される。
【0647】
参加者数:米国内のおよそ3~5の実験センターからおよそ30名の患者がスクリーニングされて、25名の参加者をこの実験に登録する(コホート1に15名の参加者およびコホート2に10名の参加者)。登録は実験薬物の最初の用量の開始時と定義される。単一薬剤導入(コホート1)の間または併用の最初のサイクル(すなわち、用量制限毒性[DLT]期間)の間にAE以外の理由で処置から離脱した参加者は差し替えられる。
【0648】
処置群および期間:
【0649】
1サイクルの処置はQ3Wと定義される。
【0650】
ペムブロリズマブ用量は200mg、IV、Q3Wとする。
・用量およびスケジュール調節、コルチコステロイド投与、およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
【0651】
グラピプランの用量は、BIDで経口投与される300mgである(1日用量は8~12時間の間隔で、好ましくは食物と共に摂取する)。
・最初のサイクルにおいてDLTを有する参加者は、これらの毒性が改善するまでこれらの用量をそのままにとどめ、スポンサーと相談した場合を除いて、これらの既存の用量を50mgBIDまたは100mgBIDだけ減少させる。
・最初のサイクル後、治療により発現した、許容できない最初の有害事象(TEAE)を経験した参加者は、これらの毒性が改善するまでこれらの用量をそのままにとどめ、これらの既存の用量を50mgBID分だけ減らす。TEAEの性質によっては、グラピプラン投与を投与2週間/休み1週間のスケジュールに切り替えることも研究者により考慮されるものとする。
・グラピプラン用量を150mgBID未満に低減しなければならない任意の参加者は、グラピプラン処置を停止するが、臨床上の利益が実証される場合にはペムブロリズマブを受け続けることができる。
【0652】
5日間またはそれよりも長い間、グレード2またはそれよりも高い消化不良を有する参加者は、研究者の判断で、腹部の不快感が軽減するまで、グラピプランの用量の2時間後
に摂取する経口BIDでのラニチジン75mgを開始することができる。
【0653】
追加の用量調節およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
【0654】
完全奏効(CR)を達成するものを含む参加者は、2年までまたは参加者が、疾患進行、許容不可能な毒性、または同意撤回を経験するまでグラピプランおよびペムブロリズマブによる処置を受けることができ、これに続いてこれらの実験薬物の最終日から30日および90日後に処置終了追跡診察が行われる。
【0655】
各参加者に対する実験期間は、28日までの実験への組み込みのためのスクリーニング期間、7日間の単剤導入(コホート1に対してのみ)、21日ごと繰り返される併用処置サイクルの過程、ならびに最終実験薬物投与から30日および90日後のすべての参加者に対する処置終了追跡診察を含むことになる。参加者は、最大35サイクル(2年まで)実験薬物を受け続けることができる。
【0656】
すべての参加者に対する用量漸減は、安全性規定が示す任意の時間に行われる(例えば、最初の5名の参加者のうちの3名またはそれよりも多くの参加者がDLTを経験するなど)。すでに登録し、重篤なAEなしに薬物を受けている参加者は、スポンサーと相談後、元の用量レベルで追加の用量を受けることが許されてもよい。
【0657】
予想される登録期間は10カ月である。実験停止日は、すべての参加者が16週の処置を完了した(すなわち、第2の腫瘍評価まで)または実験薬物を止めた日付のいずれかと定義される。実験停止日後、実験薬物を継続して受ける参加者は観察が続けられ、すべての参加者が実験薬物を止めた時点で適当な統計分析(安全性、薬物暴露および活性に対するリスティングまたは表の更新)を実施する。
【0658】
統計的検討事項:
【0659】
サンプルサイズの決定:併用の副作用プロファイルはペムブロリズマブ単独の場合と類似していると予想される。
【0660】
mTPI設計に対して推奨されるサンプルサイズは、n=k(d+1)である(Ji and Wang, J Clin Oncol. 2013;31(14):1785-91)。8名の被験体に1つの用量レベル(k=8)が投薬され、2つの用量が試験される場合(d=2)、24名の被験体が必要と予測される。1つの用量が試験される場合、n=16名の被験体が必要と予測される。連続的な安全性評価フェーズ後、全治験サイズ25名までの追加の被験体を評価して、効力の推定値を確立する。多重度に対する正式な仮説検定または調節は存在しない。
【0661】
一般的な統計手法:安全性パラメーターの記述的分析を、処置した集団全体(少なくとも1つの用量のグラピプランに曝露されたすべての参加者と定義される)に実施する。具体的には、両方の実験コホートをプールし、コホートごとの分析は実施しない。TEAEの種類、頻度、重症度および関連性をMedical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)に従い分析する。米国国立癌研究所の有害事象の一般用語基準(NCI-CTCAE)v5.0に従い実験の異常を分析する。
【0662】
薬物動態学的分析:グラピプランのPKパラメーターは、用量レベルおよび最終用量からの時間により、記述統計学を使用して要約される。グラピプランの血漿PKは、CmaxおよびAUC PKパラメーターに対して記載される。任意の追加のPK分析は統計分析プラン(SAP)に記載される。
【0663】
集団PKおよび曝露-応答分析:本実験からのデータは、集団PK分析における過去の実験から収集したデータと共に含まれる。PKパラメーターに対する共変量の影響(例えば、体重、年齢、性別、人種、および併用薬)は、必要および適当な場合調査される。
【0664】
追加の探索的PKおよび/または曝露-応答モデリングを、必要に応じてデータに適用することができる。
【0665】
PKおよび/または任意の集団PKの結果または曝露-応答分析は、臨床研究報告とは別に報告されてもよい。
【0666】
効力分析:抗腫瘍効力データは、スクリーニングにおいておよび実験処置中の最低1つの他の時間点において疾患評価を受けた参加者を含む評価可能な奏効集団について記述により提示される。
【0667】
スポンサーの裁量で将来の治験計画を可能にするための非公式の中間分析が行われ、データは、用量発見の決定を可能にする継続ベースで検討される。
【0668】
(実施例4:CT-26結腸腺癌マウスモデルにおける化合物Bの抗腫瘍活性)
BALB/cマウスで成長させたCT-26マウス結腸腺癌モデルにおいて、単剤としてのおよびマウス抗PD-1抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を評価した。マウスは、右の側腹部に、5×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ71mm(腫瘍細胞接種から6日後)に到達した時点で投薬を開始した。それぞれ10匹のマウスを含む8つの別個のコホートにおける投薬レジメンは以下の通りである:
【表4】
【0669】
投薬期間中、15mg/kg1日1回(QD)およびBIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、ビヒクル処置したマウスととりわけ異なることはなかった(図1)。処置期間中、抗PD-1と組み合わせて15mg/kgQDおよびBIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態もまた単剤抗PD-1で処置したマウスととりわけ異なることはなかった。各投薬レジメンは、処置期間中および処置を中止した後、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0670】
処置を中止した後、抗PD-1と組み合わせて15mg/kgBIDでの化合物Bにより処置したマウスは、抗PD-1と比べて成長動態の低減(図1)および生存の改善(図
2)を実証した。腫瘍接種後99日間マウスを継続してモニターした後、10匹のうち5匹のマウスが依然生存していた(4匹は腫瘍なし)のに対して、抗PD-1を単剤として処置した10匹では1匹のマウスのみが、化合物Bでは10匹のうち1匹のマウスが依然生存し、腫瘍がなかった。これらのデータは抗PD-1と組み合わせた場合、化合物Bは、改善された長期的な抗腫瘍応答をもたらすことを示している。
【0671】
CT26腫瘍細胞を6匹の腫瘍ナイーブマウス、または以前化合物Bおよび抗PD-1単独もしくはそれらの組合せで処置したCT26腫瘍保持マウスの完全奏効マウスに接種した。データは、完全奏効を有するマウスは、ナイーブマウスと比べて、CT26の成長を低減したことを示しており、これは、治癒したマウスにワクチン効果があったことを示唆している。
【0672】
単剤として用いた、およびマウス抗PD1抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を追加の実験において、BALB/cマウスで成長させたCT-26マウス結腸腺癌モデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に、5×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ91mmに到達した時点で、投薬を開始した。7匹のマウスをそれぞれ含む4つの別個のコホートの投薬レジメンは以下の通りである:
【表5】
【0673】
投薬期間中、15mg/kg1日2回(BID)で投薬した化合物Bおよび抗PD1で処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、ビヒクル群のものよりも低かった(図5)。抗PD1と組み合わせて15mg/kg、BIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、いずれかの単剤で処置したマウスより低かった。各投薬レジメンは、処置期間中、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0674】
(実施例5:4T1乳がんマウスモデルにおける化合物Bの抗腫瘍活性)
単剤として用いたおよびマウス抗CTLA4抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を、BALB/cマウスで成長させた4T1マウス乳がんモデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に3×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ100mmに到達した時点で(腫瘍細胞接種から7日後)投薬を開始した。
【0675】
投薬期間中、15mg/kg、BIDで投薬した化合物Bおよび抗CTLA4で処置し
たマウスにおける腫瘍成長動態は、ビヒクル処置したマウスと比べて低減した(図3)。さらに、化合物Bおよび抗CTLA4を組み合わせて処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、いずれかの薬剤が単独で投薬された場合と比べて低減した。各投薬レジメンは、処置期間中および処置を中止した後、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0676】
処置を中止した後、抗CTLA4と組み合わせて15mg/kgBIDでの化合物Bにより処置したマウスは、いずれかの単剤単独の場合と比べて改善された生存率を実証した(図4)。例えば、腫瘍接種後47日間マウスを継続してモニターした後、組み合わせて処置した10匹のうち7匹のマウスは依然生存したのに対して、いずれかの単剤を単独で用いて処置したマウスのうち、腫瘍接種の47日後に生存していたマウスはいない。組み合わせて処置した10匹のマウスのうちの3匹は腫瘍接種から55日後の実験終了時にまだ生存していた。これらのデータは、化合物Bおよび抗CTLA4の併用は、いずれかの薬剤単独の場合と比べて改善された抗腫瘍応答をもたらすことを示唆している。
【0677】
単剤として用いた、およびマウス抗PD1抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を、追加の実験において、BALB/cマウスで成長させた4T1マウス乳がんモデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に3×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ97mmに到達した時点で、投薬を開始した。7匹のマウスそれぞれを含む4つの別個のコホートの投薬レジメンは以下の通りである:
【表6】
【0678】
投薬期間中、15mg/kg1日2回(BID)で投薬した化合物Bにより処置したマウスの腫瘍成長動態は、ビヒクル群および単独で投薬した抗PD1のものより低かった(図6)。抗PD1と組み合わせて、15mg/kgBIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、いずれかの単剤で処置したマウスにおけるものより低かった。各投薬レジメンは、処置期間中、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0679】
(実施例6:CT-26結腸腺癌マウスモデルにおける免疫細胞組成に対する化合物Bの影響)
単剤として用いたおよびマウス抗PD1抗体と組み合わせた化合物Bの免疫細胞組成を
BALB/cマウスで成長させたCT-26マウス結腸腺癌モデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に、5×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ85mmに到達した時点で、投薬を開始した。10匹のマウスをそれぞれ含む4つの別個のコホートの投薬レジメンは以下の通り列挙される:
【表7】
【0680】
動物に7日間投薬した後、腫瘍を切除し、これを使用して単一細胞懸濁物を調製した。腫瘍および免疫細胞を表す生細胞を、異なる蛍光タグにコンジュゲートした複数の免疫細胞マーカー(抗CD45、抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD25、抗FoxP3、抗PD-1、抗CD11c)を標的とする抗体カクテルで染色した。染色した細胞を4%パラホルムアルデヒド中に固定し、マルチカラーフローサイトメーター(Fortessa)を使用して定量化した。データをFloJoソフトウエアで分析した。
【0681】
化合物B、抗PD-1および2種の薬剤の組合せは、制御性T細胞(CD45、CD4、FoxP3、CD25陽性)の有意な低減をもたらした(図7a)。単独でおよび抗PD-1と共に投薬した化合物Bは、樹状細胞(CD45、CD11c陽性)のパーセンテージの増加をもたらしたのに対して、抗PD-1単独では増加を生じなかった(図7b)。化合物Bの抗PD-1との組合せはまた、CD25の発現を評価することにより、活性化T細胞(CD45、CD3、CD8)のパーセンテージの増加をもたらしたが、単独で投薬したいずれの薬剤も増加をもたらすことはなかった(図7c)。CD25のパーセンテージは、PD-1のレベルが増加したT細胞においてより高かった(図7d)。総合的に、これらの知見は、単独で用いたおよび抗PD-1抗体と組み合わせた化合物Bは、CT-26腫瘍の免疫細胞組成を変化させ、炎症促進性の表現型の増加を示すことを実証している。
【0682】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
患者においてがんを処置するための方法であって、前記患者に、プロスタグランジンEP4受容体(EP4)活性を阻害する薬剤を、がん免疫療法剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法。
(項2)
EP4活性を阻害する前記薬剤がEP4選択的である、上記項1に記載の方法。
(項3)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式Iの化合物:
【化27】

またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y 、Y およびY は、N、CHまたはC(L)から独立して選択され、
は、H、C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニル、C 2~8 アルキニル、C 3~7 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、ハロ置換C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキル-S(O)m-、Q -、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~8 アルキル)アミノ、C 1~4 アルキル-C(=O)-N(R )-またはC 1~4 アルキル-S(O)m-N(R )-であり、前記C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニルおよびC 2~8 アルキニルは、ハロ、C 1~3 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C 1~4 アルコキシ-、C 1~4 アルキル-S(O)m-、C 3~7 シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-O-、Q -C 1~4 アルキル-S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-、Q -C 1~4 アルキル-N(R )-またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、R N(R )C(=O)-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-またはNH (HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環は、ハロ、C 1~4 アルキル
、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、R N(R )C(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-およびNH (HN=)C-から選択される3つまでの置換基により必要に応じて置換されており、
Bは、オキソ基またはC 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されている、ハロ置換C 1~6 アルキレン、C 3~7 シクロアルキレン、C 2~6 アルケニレン、C 2~6 アルキニレン、-O-C 1~5 アルキレン、C 1~2 アルキレン-O-C 1~2 アルキレンまたはC 1~6 アルキレンであり、
Wは、NH、N-C 1~4 アルキル、O、S、N-OR または共有結合であり、
は、H、C 1~4 アルキル、OHまたはC 1~4 アルコキシであり、
Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、C 1~4 アルキニル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、R C(=O)N(R )-、HO(O=)C、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、NH (HN=)C-、Q -S(O)m-、Q -O-、Q -N(R )-またはQ -により必要に応じて置換されており、
Lは、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-、NH (HN=)C-、R N(R )C(=O)-、R N(R )S(O)m-、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -C 1~4 アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
およびR は、独立して、HおよびC 1~4 アルキルから選択され、
は、H、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキル-(O=)C-またはC 1~4 アルキル-O-(O=)C-であり、
は、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または5~12員の三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、C 1~4 アルキニル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~8 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキル-(O=)C、R (R )C(=O)N-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、C 1~4 アルキル-C(=O)NH-またはNH (HN=)C-により必要に応じて置換されている、
上記項1または2に記載の方法。
(項4)
、Y 、Y 、およびY が、N、CHおよびC(L)から独立して選択され、
が、H、C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニル、C 2~8 アルキニル、C 3~7 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、ハロ置換C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキル-S(O)m-、Q -、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~8 アルキル)アミノ、C 1~4 アルキル-C(=O)-N(R )-またはC 1~4 アルキル-S(O)m-N(R )-であり、前記C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニルおよびC 2~8 アルキニルが、ハロ、C 1~3 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C 1~4 アルコキシ-、C 1~4 アルキル-S(O)m-、C 3~7 シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-O-、Q -C 1~4 アルキル-S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-C(=O)-N(R )-またはC 1~4 アルキル-C(=O)-N(R )-により必要に応じて置換されており、
が、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C、C 1~4 アルキル-O(O)C-、R N(R )C(=O)-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-またはNH (HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aが、O、N、およびSから選択される2個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員単環式芳香族環であり、前記5~6員単環式芳香族環が、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシおよびハロ置換C 1~4 アルコキシから選択される2つまでの置換基により必要に応じて置換されており、
Bが、オキソ基またはC 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されている、C 3~7 シクロアルキレンまたはC 1~6 アルキレンであり、
Wが、NH、N-C 1~4 アルキル、OまたはN-OHであり、
が、HまたはC 1~4 アルキルであり、
Zが、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環が、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、R C(=O)N(R )-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 1~4 アルキル-C(=O)NH-、Q -S(O)m-、Q -O-、Q -N(R )-またはQ -により必要に応じて置換されており、
Lが、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-、R N(R )C(=O)-、R N(R )S(O)m-、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -C 1~4 アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基が必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が必要に応じて酸素原子で置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mが0または2であり、
およびR が、独立して、HおよびC 1~4 アルキルから選択され、
が、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式もしくは二環式芳香族環、または8~12員三環式環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環が、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、C 1~4 アルキニル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキル-(O=)C-、R (R )C(=O)N-、HO(O=)C、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキルまたはC 1~4 アルキル-C(=O)NH-により必要に応じて置換されている、上記項3に記載の方法。
(項5)
、Y 、Y 、およびY が、独立して、N、CHおよびC(L)から選択され、
が、H、C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニル、C 2~8 アルキニル、C 3~7 シクロアルキル、Q -、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、アミノ、モノ-またはジ-(C 1~8 アルキル)アミノであり、前記C 1~8 アルキルが、ハロ、C 1~3 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C 1~4 アルコキシ-、C 1~4 アルキル-S(O)m-、C 3~7 シクロアルキル-、シアノ、インダニル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q -、Q -C(O)-、Q -O-、Q -S-、Q -C 1~4 アルキル-O-、またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-により必要に応じて置換されており、
が、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式芳香族環であり、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニルまたはC 1~4 アルキルC(=O)-により必要に応じて置換されており、
Aが、ハロ、C 1~4 アルキルまたはC 1~4 アルコキシにより必要に応じて置換されている5~6員単環式芳香族環であり、
Bが、オキソ基またはC 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されている、C 3~7 シクロアルキレンまたはC 1~6 アルキレンであり、
Wが、NH、N-C 1~4 アルキル、OまたはN-OHであり、
が、HまたはC 1~4 アルキルであり、
Zが、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する、5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環がハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、C 1~4 アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、R C(=O)N(R )-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、Q -S(O)m-、Q -O-、Q -N(R )-またはQ -により必要に応じて置換されており、
Lが、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-、R N(R )C(=O)-、R N(R )S(O)m-、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -C 1~4 アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基が、必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が酸素原子により必要に応じて置き換えられている、3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mが0または2であり、
およびR が、HおよびC 1~4 アルキルから独立して選択され、
が、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する、5もしくは6員
単環式芳香族環、または8~12員三環式環であり、前記5または6員単環式芳香族環がハロにより必要に応じて置換されている、上記項3または4に記載の方法。
(項6)
、Y 、Y およびY が、N、CHおよびC(L)から独立して選択され、
が、H、C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニル、C 2~8 アルキニルまたはC 3~7 シクロアルキルであり、前記C 1~8 アルキルが、ハロ、C 1~3 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C 1~4 アルコキシ-、C 1~4 アルキル-S(O)m-、C 3~7 シクロアルキル-、シアノ、インダニル、ピロリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -S-、Q -C 1~4 アルキル-O-、またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-により必要に応じて置換されており、
が、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5または6員単環式芳香族環であり、
Aが、ハロまたはC 1~4 アルキルにより必要に応じて置換されている5~6員単環式芳香族環系であり、
Bが、オキソ基またはC 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されている、またはC 3~7 シクロアルキレンまたはC 1~6 アルキレンであり、
Wが、NH、N-C 1~4 アルキル、OまたはN-OHであり、
がHまたはC 1~4 アルキルであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環が、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、C 1~4 アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、R C(=O)N(R )-、C 1~4 アルキル-O(O=)C、Q -S(O)m-、Q -O-、Q -N(R )-またはQ -により必要に応じて置換されており、
Lが、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)NR -、R N(R )C(=O)-、R N(R )S(O)m-、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -C 1~4 アルキル-O-であるか、または2つの隣接するL基が、必要に応じて一緒に結合して、1または2個の(隣接しない)炭素原子が酸素原子により必要に応じて置き換えられている、3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mが0または2であり、
およびR が、HおよびC 1~4 アルキルから独立して選択され、
が、1個の硫黄原子を必要に応じて含有する、5もしくは6員単環式芳香族環または8~12員三環式環であり、前記5または6員の単環式芳香族環がハロにより必要に応じて置換されている、上記項3から5のいずれか一項に記載の方法。
(項7)
、Y 、Y およびY が、N、CHおよびC(L)から独立して選択され、
が、C 1~5 アルキルまたはC 3~7 シクロアルキルであり、前記C 1~5 アルキルが、C 1~3 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、ピノリジニル、ピペリジル、オキソピロリジニル、オキソピペリジル、Q -、またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(H)-により必要に応じて置換されており、
が、NおよびSから選択される2個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式芳香族環系であり、
Aが5~6員単環式芳香族環系であり、
Bが、C 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されているC 1~3 アルキレンであり、
Wが、NH、N-C 1~2 アルキルまたはOであり、
がHであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式芳香族環が、ハロ、C 1~4 アルキル、ニトロ、R C(=O)N(R )-またはQ -により必要に応じて置換されており、Lがハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、アセチル、R N(R )C(=O)-、R N(R )S(O)m-、Q -、Q -C(=O)-であるか、または2つの隣接するL基が、一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成し、
およびR が、HおよびC 1~4 アルキルから独立して選択され、
が5または6員単環式芳香族環系である、上記項3から6のいずれか一項に記載の方法。
(項8)
、Y 、Y およびY が、N、CHおよびC-Lから独立して選択され、
が、C 1~3 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、5または6員単環式芳香族環により必要に応じて置換されているC 1~5 アルキルであり、前記5または6員単環式芳香族環が、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子、またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-を含有し、
Aがフェニルであり、
Bが、メチルにより必要に応じて置換されているC 1~2 アルキレンであり、
Wが、NH、N-CH またはOであり、
がHであり、
Zが、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~10員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~10員単環式芳香族環が、クロロ、ブロモ、メチル、ニトロ、CH C(=O)NH-、tBuC(=O)NH-またはフェニルにより必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH 、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する、上記項3から7のいずれか一項に記載の方法。
(項9)
、Y 、Y およびY が、N、CHおよびC-Lから独立して選択され、
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルであり、
Aがフェニルであり、
Bがエチレンまたはプロピレンであり、
WがNH、N-CH またはOであり、
がHであり、
Zが、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルが、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH 、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する、上記項3から8のいずれか一項に記載の方法。
(項10)
、Y 、Y およびY が、
a)Y およびY はC(L)であり、Y はCHであり、Y はNであること、
b)Y はCHであり、Y およびY はC(L)であり、Y はNであること、
c)Y 、Y およびY はC(L)であり、Y はNであること、
d)Y およびY はC(L)であり、Y はNであり、Y はCHであること、
e)Y はC(L)であり、Y 、Y およびY はCHであること、
f)Y 、Y およびY はCHであり、Y はC(L)であること、
g)Y 、Y およびY はCHであり、Y はC(L)であること、
h)Y およびY はC(L)であり、Y およびY はCHであること、
i)Y およびY はC(L)であり、Y およびY はCHであること、
j)Y およびY はCHであり、Y およびY はC(L)であること、
k)Y およびY はCHであり、Y はC(L)であり、Y はNであること、
l)Y およびY はCHであり、Y はC(L)であり、Y はNであること、
m)Y 、Y 、Y およびY はCHであること、
n)Y およびY はC(L)であり、Y はCHであり、Y はNであること、
o)Y 、Y およびY はCHであり、Y はC(L)であること、
p)Y およびY はC(L)であり、Y はNであり、Y はCHであること、
q)Y およびY はC(L)であり、Y およびY はNであること、
r)Y はC(L)であり、Y およびY はCHであり、Y はNであること、ならびに
s)Y はC(L)であり、Y およびY はCHであり、Y はNであること
からなる群より選択され、
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルであり、
Aがフェニルであり、
Bがエチレンまたはプロピレンであり、
WがNH、N-CH またはOであり、
がHであり、
Zが、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルが、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH 、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する、上記項3から9のいずれか一項に記載の方法。
(項11)
、Y 、Y およびY が、
a)Y およびY はC(L)であり、Y はCHであり、Y はNであること、
b)Y はCHであり、Y およびY はC(L)であり、Y はNであること、
c)Y 、Y およびY はC(L)であり、Y はNであること、
d)Y およびY はC(L)であり、Y はNであり、Y はCHであること、
e)Y はC(L)であり、Y 、Y およびY はCHであること、
f)Y 、Y およびY はCHであり、Y はC(L)であること、
g)Y 、Y およびY はCHであり、Y はC(L)であること、
h)Y およびY はC(L)であり、Y およびY はCHであること、
i)Y およびY はC(L)であり、Y およびY はCHであること、
j)Y およびY はCHであり、Y およびY はC(L)であること
からなる群より選択され、
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、チアゾリルエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、ピリジル、または1-アセチルアミノ-1-メチルエチルであり、
Aがフェニルであり、
Bがエチレンまたはプロピレンであり、
WがNH、N-CH またはOであり、
がHであり、
Zが、フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ナフチルまたはベンゾチエニルであり、前記フェニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルおよびチエニルが、クロロ、ブロモ、メチル、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ニトロおよびフェニルから独立して選択される1~3つの置換基により必要に応じて置換されており、
Lが、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、アセチル、-C(=O)NH 、トリフルオロメチルオキシ、メタンスルホニル、もしくは1-ヒドロキシ-1-メチル-エチルであるか、または2つの隣接するL基が一緒に結合して、メチレンジオキシ基を形成する、上記項3から10のいずれか一項に記載の方法。
(項12)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、表1から選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である、上記項3から11のいずれか一項に記載の方法。
(項13)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、I-4、I-5、I-8、I-14、I-18、I-22~I-24、I-27、I-30~I-34、I-40、I-42、およびI-52~I-77からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である、上記項3から12のいずれか一項に記載の方法。
(項14)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式IIの化合物:
【化28】

またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y 、Y およびY は、N、CHまたはC(L)から独立して選択され、
は、H、C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニル、C 2~8 アルキニル、C 3~7 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、ハロ置換C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキル-S(O)m-、Q -、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~8 アルキル)アミノ、C 1~4 アルキル-C(=O)-N(R )-またはC 1~4 アルキル-S(O)m-N(R )-であり、前記C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニルおよびC 2~8 アルキニルは、ハロ、C 1~3 アルキル、C 1~4 アルコキシ-、C 1~4 アルキル-S(O)m-、C 3~7 シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-O-、Q -C 1~4 アルキル-S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-、Q -C 1~4 アルキル-N(R
)-またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、R N(R )C(=O)-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-またはNH (HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、3個までの置換基により必要に応じて置換されたベンゼン環または3個までの置換基により必要に応じて置換されたピリジン環であり、ここで、前記置換基は、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、R N(R )C(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-およびNH (HN=)C-から選択され、
Bは、C 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されている、C 2~6 アルキレン、C 3~7 シクロアルキレン、C 2~6 アルケニレンまたはC 2~6 アルキニレンであり、
Wは、NHまたはOであり、
Pは、H、保護基またはQ -OC(=O)-であり、
は、ハロにより必要に応じて置換された6~10員単環式もしくは二環式芳香族環、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、シアノ、C 1~4 アルキルスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、またはC 1~4 アルキル-O(O=)C-であり、

Lは、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-、NH (HN=)C-、R N(R )C(=O)-、またはR N(R )S(O)m-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
およびR は、独立して、HおよびC 1~4 アルキルから選択される、
上記項1または2に記載の方法。
(項15)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式IIIの化合物:
【化29】

またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
、Y 、Y およびY は、N、CHまたはC(L)から独立して選択され、
は、H、C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニル、C 2~8 アルキニル、C 3~7 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、ハロ置換C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキル-S(O)m-、Q -、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~8 アルキル)アミノ、C 1~4 アルキル-C(=O)-N(R )-またはC 1~4 アルキル-S(O)m-N(R )-であり、前記C 1~8 アルキル、C 2~8 アルケニルおよびC 2~8 アルキニルは、ハロ、C 1~3 アルキル、C 1~4 アルコキシ-、C 1~4 アルキル-S(O)m-、C 3~7 シクロアルキル-、シアノ、インダニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、Q -、Q -C(=O)-、Q -O-、Q -S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-O-、Q -C 1~4 アルキル-S(O)m-、Q -C 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-、Q -C 1~4 アルキル-N(R )-またはC 1~4 アルキル-C(O)-N(R )-により必要に応じて置換されており、
は、O、NおよびSから選択される4個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、R N(R )C(=O)-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-またはNH (HN=)C-により必要に応じて置換されており、
Aは、3個までの置換基により必要に応じて置換されたベンゼン環または3個までの置換基により必要に応じて置換されたピリジン環であり、ここで、前記置換基は、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-またはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アセチル、R N(R )C(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-およびNH (HN=)C-から選択され、
Bは、C 1~3 アルキルにより必要に応じて置換されている、C 2~6 アルキレン、C 3~7 シクロアルキレン、C 2~6 アルケニレン、またはC 2~6 アルキニレンであり、
Wは、NHまたはOであり、
Pは、H、保護基、またはZ-S(O) -N(R )-C(=O)-であり、
Zは、O、NおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を必要に応じて含有する5~12員単環式または二環式芳香族環であり、前記5~12員単環式または二環式芳香族環は、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、C 1~4 アルケニル、C
~4 アルキニル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、R C(=O)N(R )-、HO(O=)C、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、NH (HN=)C-、Q -S(O)m-、Q -O-、Q -N(R )-またはQ -により必要に応じて置換されており、
Lは、ハロ、C 1~4 アルキル、ハロ置換C 1~4 アルキル、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、ハロ置換C 1~4 アルコキシ、C 1~4 アルキルチオ、ニトロ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C 1~4 アルキル)アミノ、シアノ、HO-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ-C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C 1~4 アルキルC(=O)-、HO(O=)C-、C 1~4 アルキル-O(O=)C-、C 1~4 アルキルスルホニルアミノ、C 3~7 シクロアルキル、R C(=O)N(R )-、NH (HN=)C-、R N(R )C(=O)-、またはR N(R )S(O)m-であるか、または2つの隣接するL基は必要に応じて一緒に結合して、1または2個(隣接しない)の炭素原子が、酸素原子により必要に応じて置き換えられている3または4員を有するアルキレン鎖を形成し、
mは0、1または2であり、
、R およびR は、独立して、HおよびC 1~4 アルキルから選択される、
上記項1または2に記載の方法。
(項16)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式(I’)の化合物:
【化30】

またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’ およびR 2’ は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’ およびR 4’ は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR 3’ およびR 4’ 基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
5’ は、
-CO H、-CO W’、
【化31】

を表し、
6’ は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’ およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からからなる群より選択され、
W’は薬学的に受容可能なエステルプロドラッグ基であるが、
ただし、R 1’ およびR 2’ は水素原子を同時に表さないものとする、
上記項1または2に記載の方法。
(項17)
E’が非置換1,4-フェニレン基を表す、上記項16に記載の方法。
(項18)
E’が、ハロゲン原子および1~4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている1,4-フェニレン基を表す、上記項16または17に記載の方法。
(項19)
B’が、フェニルまたはピリジル基を表し、
前記基が、非置換であるか、または置換基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αが、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成する)、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、およびアルキル部分に1~6個の炭素原子を有するジ-アルキルアミノアルキル基からなる群より選択され、
αの定義において言及された前記ヘテロアリール基が非置換であるか、または1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている、上記項16から18のいずれか一項に記載の方法。
(項20)
B’が、置換基αからなる群より選択される置換基により必要に応じて置換されているフェニル基を表し、
前記置換基αが、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するジ-アルキルアミノアルキル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンジルオキシ基、フェニル基またはベンゾイル基からなる群より選択され、
αの定義において言及された前記チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基およびピリジル基が、非置換であるか、または1~4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている、上記項16から19のいずれか一項に記載の方法。
(項21)
B’が、置換基αからなる群より選択される置換基により必要に応じて置換されているフェニル基を表し、
前記置換基αが、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、エチニル基、アセチル基、シクロペンチル基、メチルチオ基、ジメチルアミノエチル基、フェニル基、メチル基により必要に応じて置換されているイミダゾリル基、メチル基により必要に応じて置換されているチアゾリル基、ピリジル基またはベンジルオキシ基からなる群より選択される、上記項16から20のいずれか一項に記載の方法。
(項22)
X’がメチレン基または酸素原子を表す、上記項16から21のいずれか一項に記載の方法。
(項23)
1’ がハロゲン原子を表し、R 2’ が水素原子を表す、上記項16から22のいずれか一項に記載の方法。
(項24)
3’ およびR 4’ が、独立して、水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表す、上記項16から23のいずれか一項に記載の方法。
(項25)
3’ が1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R 4’ が水素原子を表す、上記項16から24のいずれか一項に記載の方法。
(項26)
3’ がメチル基を表し、R 4’ が水素原子を表す、上記項16から25のいずれか一項に記載の方法。
(項27)
5’ が、
-CO H、
【化32】

を表し、
6’ が、ハロゲン原子により必要に応じて置換されているアリール基またはヘテロアリール基を表す、上記項16から26のいずれか一項に記載の方法。
(項28)
5’ が、
-CO H、
【化33】

を表し、
6’ が、ハロゲン原子により必要に応じて置換されているアリール基を表す、上記項16から27のいずれか一項に記載の方法。
(項29)
5’ が、
-CO H、
【化34】

を表し、
6’ が、ハロゲン原子により必要に応じて置換されているフェニル基を表す、上記項16から28のいずれか一項に記載の方法。
(項30)
5’ が、
-CO Hまたは
【化35】

を表す、上記項16から29のいずれか一項に記載の方法。
(項31)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、表2から選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である、上記項16から30のいずれか一項に記載の方法。
(項32)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、I’-1~I’-7、I’-8、I’-11~I’-13、I’-15、I’-16、I’-18、I’-20、I’-22、I’-23、I’-25、I’-26、I’-28、I’-29、I’-34~I’-38、I’-40~I’-43からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である、上記項16から30のいずれか一項に記載の方法。
(項33)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式(II’)の化合物:
【化36】

またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’ およびR 2’ は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’ およびR 4’ は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR 3’ およびR 4’ 基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
a’ は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、または7~12個の炭素原子を有するアラルキル基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’ およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分の両方に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基および1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からからなる群より選択され、
ただし、R 1’ およびR 2’ は水素原子を同時に表さないものとする、
上記項1または2に記載の方法。
(項34)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式(III’)の化合物:
【化37】

またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
E’は、1,4-フェニレン基を表し、
1’ およびR 2’ は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’ およびR 4’ は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR 3’ およびR 4’ 基は、一緒に結合して、2~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
a’ は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基または7~12個の炭素原子を有するアラルキル基を表し、
1’ は、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルカンスルホニルオキシ基、1~4個の炭素原子を有するアルキル基により必要に応じて置換されているアリールスルホニルオキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルカンスルホニルオキシ基またはボロン酸(B(OH) )基を表し、
E’の定義において言及された前記1,4-フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基およびシアノ基からなる群より選択されるが
ただし、R 1’ およびR 2’ が水素原子を同時に表すことはない、
上記項1または2に記載の方法。
(項35)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、式(I’)の化合物:
【化38】

またはその薬学的に受容可能なエステルまたは塩であり、ここで式中、
A’は、フェニル基またはピリジル基を表し、
B’は、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
E’は、フェニレン基を表し、
1’ およびR 2’ は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基またはアミノカルボニル基を表し、
3’ およびR 4’ は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表すか、またはR 3’ およびR 4’ 基は、一緒に結合して、3~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を形成してもよく、
5’ は、
-CO H、
【化39】

を表し、
6’ は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
X’は、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、
前記アリール基は、6~10個の炭素原子を有し、
前記ヘテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~10員芳香族複素環式基であり、
B’の定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基αからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
E’の定義において言及された前記フェニレン基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
6’ およびαの定義において言及された前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換基βからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
前記置換基αは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、シアノ基、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基、1~5個の炭素原子を有するアルカノイル基、3~7個の環原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、7~10個の炭素原子を有するアラルコキシ基、アリールカルボニル基、(2つの隣接するα基は、必要に応じて一緒に結合して3または4個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン鎖を形成する)、アミノカルボニル基、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アミノスルフィニル基、アミノスルホニル基、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、2~5個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノ基、アルカノイル部分とアルキル部分に1~6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノアルキル基、アルカノイル部分と各アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するアルカノイル(アルキル)アミノアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノカルボニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルフィニル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノスルホニル基、1~4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノ基、アルキル部分に1~6個の炭素原子を有するモノ-またはジ-アルキルアミノアルキル基、7~10個の炭素原子を有するアラルキル基、アルキル部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキル基、アルコキシ部分に1~4個の炭素原子を有するヘテロアリールアルコキシ基または1~4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基からなる群より選択され、
前記置換基βは、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基またはシアノ基からからなる群より選択される、
上記項1または2に記載の方法。
(項36)
E’が、非置換の1,4-フェニレン基を表す、上記項35に記載の方法。
(項37)
E’が、ハロゲン原子および1~4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている1,4-フェニレン基を表す、上記項35に記載の方法。
(項38)
EP4活性を阻害する前記薬剤が、化合物:
【化40】

またはその薬学的に受容可能な塩である、上記項1、2、および16から37のいずれか一項に記載の方法。
(項39)
EP4活性を阻害する前記薬剤が化合物:
【化41】

またはその薬学的に受容可能な塩である、上記項1、2、および16から37のいずれか一項に記載の方法。
(項40)
前記がん免疫療法剤が、プログラム細胞死1(PD-1)受容体に特異的に結合し、PD-1活性を阻害する抗体またはその抗原結合部分である、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項41)
前記がん免疫療法剤がCTLA-4アンタゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項42)
前記がん免疫療法剤がLAG-3アンタゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項43)
前記がん免疫療法剤がCD137(4-1BB)アゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項44)
前記がん免疫療法剤がGITRアゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項45)
前記がん免疫療法剤がIDOアンタゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項46)
前記がん免疫療法剤がOX40アゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項47)
前記がん免疫療法剤がOX40Lアンタゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項48)
前記がん免疫療法剤がCD40アゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項49)
前記がん免疫療法剤がCD27アゴニストである、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項50)
前記がん免疫療法剤がMGA271(B7H3に対する)(WO11/109400)である、上記項1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項51)
前記がんが、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、膵臓がん、肝臓がん、肝細胞がん、神経芽細胞腫、他の固形腫瘍または他の血液がんである、先行する上記項のいずれか一項に記載の方法。
(項52)
前記がんが、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、多発性骨髄腫、またはAMLである、先行する上記項のいずれか一項に記載の方法。
(項53)
EP4活性を阻害する前記薬剤および前記がん免疫療法剤が単一剤形で投与される、先行する上記項のいずれか一項に記載の方法。
(項54)
EP4活性を阻害する前記薬剤および前記がん免疫療法剤が別個の剤形で投与される、先行する上記項のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】