(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165962
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】承認管理装置、情報配信システム及びこれを用いた情報配信方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231110BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168812
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2020077816の分割
【原出願日】2020-04-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年11月13日にInter BEE 2019にて展示
(71)【出願人】
【識別番号】596027900
【氏名又は名称】株式会社インフォシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100109715
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100205693
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 協一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩浪 剛太
(72)【発明者】
【氏名】志村 宏
(72)【発明者】
【氏名】越智 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 武
(57)【要約】
【課題】 投稿者による投稿情報に対して承認者による配信の承認を可能にすること
【解決手段】 本発明は、投稿者から投稿される情報をインターネット上のユーザに配信するシステムにおける前記情報に対する配信の承認を管理する方法である。前記方法は、前記投稿者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信し、受信した前記情報に対する前記配信の承認可否の依頼を承認端末装置に送信し、前記承認可否を依頼された前記承認端末装置から承認可否情報を受信し、前記承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定し、前記情報に対する承認決定結果を情報配信サーバに送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供者から提供される情報をインターネット上のユーザに配信するための情報配信サーバに接続される承認管理装置であって、
前記情報提供者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記情報に対する配信の承認可否の依頼を少なくとも1つの承認端末装置に送信する承認依頼部と、
前記少なくとも1つの承認端末装置から得られる承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する承認決定部と、
前記承認決定部により前記配信の承認が得られる場合に、前記情報に対する承認決定結果を前記情報配信サーバに送信する送信部と、を備え、
前記少なくとも1つの承認端末装置は、
前記承認可否を依頼された前記情報を画面に表示して、前記画面に表示された前記情報に対して承認者から受け付けた前記承認可否情報を前記承認決定部に送信する、
承認管理装置。
【請求項2】
前記承認依頼部は、前記情報に対する前記配信の承認可否の依頼を複数の前記承認端末装置のそれぞれに同報的に送信する、
請求項1に記載の承認管理装置。
【請求項3】
前記承認決定部は、前記複数の承認端末装置のそれぞれから得られる前記承認可否情報が示す承認フラグ又は否認フラグの数に基づいて、前記配信の承認又は否認のいずれかを決定する、
請求項2に記載の承認管理装置。
【請求項4】
前記承認決定部は、前記承認可否の依頼の数に対する前記承認可否情報が示す承認フラグ又は否認フラグの数に基づいて、前記配信の承認又は否認のいずれかを決定する、
請求項3に記載の承認管理装置。
【請求項5】
前記承認依頼部は、一の前記承認端末装置から承認権限の委譲要求を受け付けた場合、他の前記承認端末装置に前記配信の承認可否を依頼する、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の承認管理装置。
【請求項6】
前記承認依頼部は、一の前記承認端末装置に依頼した時点から所定の制限時間内に前記承認可否情報を得られなかった場合、他の前記承認端末装置に前記配信の承認可否を依頼する、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の承認管理装置。
【請求項7】
前記複数の承認端末装置のそれぞれから定期又は不定期に取得される前記承認者の位置を示す承認者位置情報を管理する位置情報管理部を更に備え、
前記承認依頼部は、前記位置情報管理部によって取得された前記承認者位置情報に従って、前記複数の承認端末装置のうちのいくつかに前記配信の承認可否の依頼を送信する、
請求項2乃至6のいずれか一項に記載の承認管理装置。
【請求項8】
前記承認依頼部は、前記配信されるべき情報に関連付けられた前記情報提供者の位置を示す情報提供者位置情報と前記承認者位置情報との地理的位置関係に基づいて、前記配信の承認可否を依頼する、
請求項7に記載の承認管理装置。
【請求項9】
情報提供者から提供される情報を取得して、取得した前記情報をインターネット上のユーザに配信する情報配信サーバと、
前記取得した情報に対する配信の承認を行う承認管理サーバと、
承認者により前記情報に対する配信の承認可否を行うための少なくとも1つの承認端末装置と、を備える情報配信システムであって、
前記承認管理サーバは、
前記取得した情報に関連付けられた配信可否の依頼を受信する受信部と、
前記情報に対する配信の承認可否の依頼を少なくとも1つの承認端末装置に送信する承認依頼部と、
前記少なくとも1つの承認端末装置から得られる承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する承認決定部と、
前記承認決定部により前記配信の承認が得られる場合に、前記情報に対する承認決定結果を前記情報配信サーバに送信する送信部と、を備え、
前記少なくとも1つの承認端末装置は、
前記承認可否を依頼された前記情報を画面に表示して、前記画面に表示された前記情報に対して承認者から受け付けた前記承認可否情報を前記承認決定部に送信する、
情報配信システム。
【請求項10】
情報提供者から提供される情報をインターネット上のユーザに配信する情報配信システムによる情報配信方法であって、
前記情報提供者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信することと、
受信した前記情報に対する配信の承認可否の依頼を少なくとも1つの承認端末装置に送信することと、
前記承認可否を依頼された前記少なくとも1つの承認端末装置から承認可否情報を受信することと、
受信した前記承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定することと、
前記情報に対する配信の承認の決定がなされる場合に、前記情報を前記インターネット上に配信することと、を含む、
情報配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を配信するためのプラットフォーム技術に関し、特に、承認管理装置、情報配信システム及びこれを用いた情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術(Information Communication Technology(ICT))の進展に伴い、今や、世界人口に占めるインターネットユーザの数は、膨大な数に上っている。インターネット上のサービスは、日々様々なものが提案され、そのいくつかは、ユーザの重要なツールとして定着している。例えば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service(SNS))は、Web上で社会的なネットワークを構築可能にするサービスであると言われている。ツイッター社が提供するTwitter(登録商標)は、SNSの側面を有するコミュニケーション・ネットワークとして広く認識されている。Twitter(登録商標)では、個々のアカウントユーザがアプリを操作してツイートと呼ばれるメッセージを投稿すると、該投稿されたメッセージがフォロワーと呼ばれる他のアカウントユーザのアプリに配信され表示される。
【0003】
例えば、下記特許文献1は、デバイス非依存の一対多の通信のためのシステム及び方法に関する。具体的には、特許文献1は、1人以上の宛先ユーザに宛てられたメッセージを受信し、宛先ユーザ情報に基づいて該メッセージにルールを適用してメッセージエンドポイントを決定し、該宛先ユーザ情報とメッセージエンドポイントに基づいてメッセージを変換し、各エンド・ポイントにメッセージを送信する技術を開示する。
【0004】
また、下記特許文献2は、ソーシャルメディアから取得した情報である投稿文が、どの種別の情報であるかを判定する情報判定モデルを追加学習する情報判定モデル学習装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,401,009号
【特許文献2】特開2019-215705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなSNSでは、ユーザ本人が投稿者として情報を直接的に投稿することができるといった手軽さがある。しかしながら、投稿者の投稿内容が、例えば差別的な表現や誤解を招く表現、過激な表現といった不適切な表現を含んでいたとしても、そのまま投稿されてしまうということが見受けられる。このような投稿は、サービス提供者の監視により、又はそれを閲覧したユーザの通報等により、サービス提供者によって特定され、随時削除されているが、その時点では、該投稿は、インターネット上に広く拡散されており、しばしばいわゆる「炎上」を招いてしまう。
【0007】
上述した特許文献2は、ソーシャルメディアから取得した情報である投稿文が、どの種別の情報であるかを判定し得る技術であるが、投稿内容を事前に承認又は否認することは行われていない。
【0008】
このような現状において、不適切な投稿を防ぐことを目的として、例えば企業や団体等のようなある種の組織であれば、投稿者による投稿前に責任者等が投稿内容をチェックして承認するという承認フローないしはスキームが考えられる。現状のSNSでは、そのような承認を可能にするプラットフォームが提供されていないため、投稿者は、投稿内容を電子メール等で責任者等に転送するか又は印刷するなどの手段を用いて、責任者等の承認を受けるというレガシーなスキームが一般的である。しかしながら、SNSという手軽さという側面から、投稿者自身の責任で投稿しており、企業等の組織のアカウントユーザであっても、しばしば不適切な投稿による炎上を招いているのが実情である。
【0009】
そこで、上記課題に鑑み、本発明は、インターネット上での情報配信サービスにおいて、情報提供者である一のユーザから提供される配信されるべき情報を、承認者である他のユーザにより配信前の承認を可能にする機能を備えたプラットフォームを提供することを目的とする。
【0010】
より具体的には、本発明の目的の一つは、配信されるべき情報に対する配信前の承認を可能にすることにより、不適切な情報が誤って配信されるリスクを低減し又はなくすことができる承認管理装置、情報配信システム及びこれを用いた情報配信方法を提供することである。
【0011】
また、本発明の目的の一つは、不適切な情報が誤って配信されるリスクを低減し又はなくすために、配信されるべき情報に対する配信前の承認を複数の承認者により行うことができる承認管理装置、情報配信システム及びこれを用いた情報配信方法を提供することである。
【0012】
ところで、上記のように、配信されるべき情報を複数の承認者により配信前に承認する承認スキームでは、僅か一人の承認者による承認が遅れてしまうと、速報性を担保することができなくなってしまう。例えば、情報配信前に複数の承認をシーケンシャルに行う承認フローでは、上流の承認者による承認が得られないと、全く先には進まない。
【0013】
また、災害発生時等の緊急時には、災害発生地域の状況をそこの住民やそこに繋がりの深い人たちにいち早くかつ正確に伝えることが望まれる。しかしながら、災害発生地域では、本来は情報の配信を担う側が被災して、十分な情報配信体制が整っていないこともある。例えば、地方自治体の災害対策本部は、災害発生地域の住民に自宅待機や避難といった災害時行動を促すため、現在の状況をいち早くかつ正確に伝えなければならないところ、現場の情報を簡易に収集することができなかったり、たとえ情報収集することができたとしても、情報の配信前にそれが配信されるべきか否かの判断が、責任者が他の案件の処理に追われて、迅速にできない場合がある。とりわけ、災害発生時等には、承認者自身が被災している可能性もあり、硬直的な承認スキームである限り、配信すべき情報がいつまでも承認されずに停滞し、配信されないという事態に陥る。
【0014】
そこで、本発明の目的の一つは、情報の配信前に複数の承認者による承認を必要とする場合であっても、速報性を担保した承認管理装置、情報配信システム及びこれを用いた情報配信方法を提供することである。
【0015】
また、本発明の目的の一つは、配信されるべき情報に対する承認スキームを随時に変更可能にした、情報管理装置、情報配信システム及びこれを用いた情報配信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
【0017】
すなわち、ある観点に従う本発明は、情報提供者から提供される情報をインターネット上のユーザに配信するための情報配信サーバに接続される承認管理装置である。前記承認管理装置は、前記情報提供者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信する受信部と、前記受信部により受信した前記情報に対する配信の承認可否の依頼を少なくとも1つの承認端末装置に送信する承認依頼部と、前記少なくとも1つの承認端末装置から得られる承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する承認決定部と、前記承認決定部により前記配信の承認が得られる場合に、前記情報に対する承認決定結果を前記情報配信サーバに送信する送信部とを備える。また、前記少なくとも1つの承認端末装置は、前記承認可否を依頼された前記情報を画面に表示して、前記画面に表示された前記情報に対して承認者から受け付けた前記承認可否情報を前記承認決定部に送信する。これにより、情報提供者から提供される配信されるべき情報は、承認者により配信前の承認の決定がなされる場合に、インターネット上の他のユーザに配信されることになる。
【0018】
また、前記承認依頼部は、前記情報に対する前記配信の承認可否の依頼を複数の前記承認端末装置のそれぞれに同報的に送信し得る。
【0019】
また、前記承認決定部は、前記複数の承認端末装置のそれぞれから得られる前記承認可否情報が示す承認フラグ又は否認フラグの数に基づいて、前記配信の承認又は否認のいずれかを決定し得る。
【0020】
また、前記承認決定部は、前記承認可否の依頼の数に対する前記承認可否情報が示す承認フラグ又は否認フラグの数に基づいて、前記配信の承認又は否認のいずれかを決定し得る。
【0021】
また、前記承認依頼部は、一の前記承認端末装置から承認権限の委譲要求を受け付けた場合、他の前記承認端末装置に前記配信の承認可否を依頼し得る。或いは、前記承認依頼部は、一の前記承認端末装置に依頼した時点から所定の制限時間内に前記承認可否情報を得られなかった場合、他の前記承認端末装置に前記配信の承認可否を依頼し得る。
【0022】
また、前記承認管理装置は、前記複数の承認端末装置のそれぞれから定期又は不定期に取得される前記承認者の位置を示す承認者位置情報を管理する位置情報管理部を更に備え得る。そして、前記承認依頼部は、前記位置情報管理部によって取得された前記承認者位置情報に従って、前記複数の承認端末装置のうちのいくつかに前記配信の承認可否の依頼を送信し得る。
【0023】
また、前記承認依頼部は、前記配信されるべき情報に関連付けられた前記情報提供者の位置を示す情報提供者位置情報と前記承認者位置情報との地理的位置関係に基づいて、前記配信の承認可否を依頼し得る。
【0024】
また、別の観点に従う本発明は、情報提供者から提供される情報を取得して、取得した前記情報をインターネット上のユーザに配信する情報配信サーバと、前記取得した情報に対する配信の承認を行う承認管理サーバと、承認者により前記情報に対する配信の承認可否を行うための少なくとも1つの承認端末装置とを備える情報配信システムである。前記承認管理サーバは、前記取得した情報に関連付けられた配信可否の依頼を受信する受信部と、前記情報に対する配信の承認可否の依頼を少なくとも1つの承認端末装置に送信する承認依頼部と、前記少なくとも1つの承認端末装置から得られる承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する承認決定部と、前記承認決定部により前記配信の承認が得られる場合に、前記情報に対する承認決定結果を前記情報配信サーバに送信する送信部とを備える。また、前記少なくとも1つの承認端末装置は、
前記承認可否を依頼された前記情報を画面に表示して、前記画面に表示された前記情報に対して承認者から受け付けた承認可否情報を前記承認決定部に送信し得る。
【0025】
更に、別の観点に従う本発明は、情報提供者から提供される情報をインターネット上のユーザに配信する情報配信システムによる情報配信方法である。前記情報配信方法は、前記情報提供者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信することと、受信した前記情報に対する配信の承認可否の依頼を少なくとも1つの承認端末装置に送信することと、前記承認可否を依頼された前記少なくとも1つの承認端末装置から承認可否情報を受信することと、受信した前記承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定することと、前記情報に対する配信の承認の決定がなされる場合に、前記情報を前記インターネット上に配信することとを含む。
【0026】
また、別の観点に従う本発明は、コンピュータシステムが、前記方法を実行するためのコンピュータプログラム及びこれを記録した記録媒体としても把握される。
【0027】
なお、本開示において、「手段」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【0028】
また、本開示において、「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物を含み、各装置や機能モジュールが物理的に単一の物として構成されるか又は別体の物として構成されるかは問わない。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、情報の配信前に複数の承認者による承認を必要とする場合であっても、迅速に承認プロセスを実行することができ、情報の速報性を担保することができる。
【0030】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムを説明するブロックダイアグラムである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認スキームの概要を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバの機能的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバの承認スキーム設定部のモジュール構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバのコンソールに表示された承認スキーム設定画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバのコンソールに表示された承認者設定画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバのコンソールに表示された承認権限委譲設定画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバのコンソールに表示された承認権限自動委譲条件設定画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバのコンソールに表示された承認権限一時付与設定画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバのコンソールに表示された承認権限自動一時付与条件設定画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの概略を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける情報端末装置のインターフェースに表示された画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける情報端末装置のインターフェースに表示された画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの他の例を示すシーケンス図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの他の例を示すシーケンス図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの他の例を示すシーケンス図である。
【
図18】
図18は、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図21A】
図21Aは、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図21B】
図21Bは、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおけるコンピューティングデバイスのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムを説明するブロックダイアグラムである。同図に示すように、コンピュータシステム1は、通信ネットワーク10を介して相互に通信可能に接続された、情報通信端末装置20と、情報配信システム30とを含み構成される。また、コンピュータシステム1は、インターネット上のユーザにソーシャル・ネットワーキング・サービスを提供するSNSサーバ40を含み得る。
【0034】
通信ネットワーク10は、例えば、IPベースのコンピュータネットワーク12及び移動体通信ネットワーク14を含み得る。本開示において、コンピュータネットワーク12は、IPネットワークによって構築されたインターネットを含む広い概念で用いられているが、IPネットワークに限らず、ノード間通信を可能とするあらゆるプロトコルのネットワークが適用可能である。また、コンピュータネットワーク12は、図示されていない無線基地局によって構築される無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))を含み得る。移動体通信ネットワーク14は、基地局と移動局との間で移動体通信を行うための移動体通信システム規格に準拠したネットワークである。コンピュータネットワーク12と移動体通信ネットワーク14とは、例えば、ゲートウェイ16等を介して接続される。
【0035】
情報通信端末装置20は、情報をネットワーク上に提供する情報提供者であるユーザによって操作されるコンピューティングデバイスである。情報通信端末装置20は、典型的には、フィーチャフォンやスマートフォン、タブレットコンピュータといったモバイル型インテリジェントデバイスが該当するが、これらに限られず、デスクトップコンピュータであっても良いし、他のデバイスであっても良い。本開示では、ユーザが情報をネットワーク上に提供する行為を、「投稿」と称することもある。情報は、例えば、静止画データ、映像/オーディオデータ及び/又はテキストデータからなるリッチコンテンツである。ユーザは、例えば情報通信端末装置20をインタラクティブに操作して、写真や動画を撮影したり、テキストメッセージを入力したりして、それらを投稿し得る。
【0036】
情報通信端末装置20は、CPU(プロセッサ)やチップセット及びメモリ、通信モジュール、ユーザインターフェース等のハードウェア資源及びオペレーティングシステム(例えばカーネル、各種のデバイスドライバ、標準ライブラリ等を含み構成され得る。)(以下「OS」という。)のソフトウェア資源を含み構成される。情報通信端末装置20は、プロセッサの制御の下、OS上で各種のアプリケーションプログラムを実行し、所望の機能を実現する。また、情報通信端末装置20は、例えばGPSに適合された地理的位置情報(以下「位置情報」という。)を取得するモジュールを備え、OSを介して、アプリケーションプログラムのプロセスは取得した位置情報を利用し得る。情報通信端末装置20から取得された位置情報は、承認可否の依頼の際の位置的条件の判定に用いられる。
【0037】
本開示において、情報通信端末装置20は、例えば、アプリケーションプログラムの一つとして、情報通信端末装置20をSNS投稿クライアントとして機能させるための命令群乃至はモジュールを含む情報投稿アプリケーションプログラムを実装し得る。SNS投稿クライアントとして機能する情報通信端末装置20は、撮影した写真や動画を情報配信システム30に通信ネットワーク10を介してアップロード(投稿)し得る。また、情報通信端末装置20は、情報配信システム30によるプッシュ通知を受け取ることができるよう、例えば情報投稿アプリケーションプログラムを起動する度に、情報通信端末装置20のデバイスIDを情報配信システム30に送信する。
【0038】
情報配信システム30は、ユーザによって投稿された情報を、インターネット上の他のユーザに配信する情報配信サービスを実現するように構成された1つ又はそれ以上のコンピューティングデバイスである。他の例として、情報配信システム30は、複数のクラウドサービスを連携させたコンピューティングデバイスによって実現され得る。情報配信システム30は、例えば、情報配信サーバ32と、承認管理サーバ34と、データベース36とを含み構成される。情報配信システム30は、承認端末装置38を更に含み得る。同図では、承認端末装置38は、通信ネットワーク10を介して、情報配信システム30に接続されている。情報配信システム30を構成するコンピューティングデバイスのハードウェア構成は、例えば
図22に示されるが、そのような構成は既知であるため、その詳細は省略する。
【0039】
情報配信サーバ32は、ユーザの情報通信端末装置20から情報を受け付けて、所定の形式に変更して、インターネット上の他のユーザに送信乃至は配信する。情報配信サーバ32は、SNSサーバ40の一態様であっても良い。また、情報配信サーバ32は、他のSNSサーバ40を介して情報を配信しても良い。本開示では、後述するように、ユーザによって投稿された情報は、承認管理サーバ34による配信の承認を受け、これにより、情報配信サーバ32から配信される。情報配信サーバ32は、承認された情報を例えばプッシュ通知機能を用いて各ユーザの情報通信端末装置20に送信する。情報配信サーバ32は、プッシュ通知機能を実現するため、ユーザの情報通信端末装置20上のOSに依存したプッシュ通知に関するサービスプログラムを実装し得る。また、情報配信サーバ32は、情報通信端末装置20から送信されるデバイスIDを取得し得る。
【0040】
承認管理サーバ34は、ユーザによって投稿された情報をインターネット上の他のユーザに配信しても良いか否かの承認プロセスを実行する。承認管理サーバ34は、承認プロセスの実行において、投稿された情報に対する承認可否を、1つ又は複数の承認端末装置38に同報的に依頼する。承認プロセスは、所定の承認方法及び承認条件に従って行われる。本開示において、承認方法は、例えば、積極的承認と消極的承認とを含み得る。積極的承認は、承認権限を有する者(以下「承認者」という。)による承認行為がなされることによって承認が成立するものであり、消極的承認は、承認者による否認行為がなされないことによって承認が成立するものである。情報配信システム30による情報配信サービスを管理する管理者は、情報配信サービスの運用にあたり、例えば承認管理サーバ34を用いて、所定の承認方法及び承認条件を設定する。設定された所定の承認方法及び承認条件は、例えばデータベース36に登録され、承認プロセスにおいて、承認管理サーバ34によって参照される。
【0041】
データベース36は、情報配信サービスを受けるユーザの情報(ユーザ情報)を管理するデータベースシステムである。ユーザ情報は、例えば、情報通信端末装置20の情報投稿アプリケーションプログラムの実行の下、ユーザがユーザ登録のために入力することにより情報通信端末装置20から提供される情報である。ユーザ情報は、また、該情報通信端末装置20を識別するためのデバイスID及び位置情報を含む。データベース36はまた、承認管理サーバ34により作成された承認方法及び承認条件に関するデータセットを記憶する。
【0042】
承認端末装置38は、情報提供者から投稿された情報に対して承認行う承認者であるユーザによって操作されるコンピューティングデバイスである。承認端末装置38は、デスクトップコンピュータであっても良いし、フィーチャフォンやスマートフォン、タブレットコンピュータといったモバイル型インテリジェントデバイスであっても良い。承認端末装置38もまた、プロセッサの制御の下、OS上で各種のアプリケーションプログラムを実行し、所望の機能を実現する。本開示において、承認端末装置38は、例えば、アプリケーションプログラムの一つとして、承認端末装置38を承認プロセスにおける情報承認クライアントとして機能させるための命令群乃至はモジュールを含む情報承認アプリケーションプログラムを実装し得る。情報承認クライアントとして機能する承認端末装置38は、承認管理サーバ34から送信される、投稿された情報に対する承認可否要求に応答して、承認者から承認又は否認を受け付けて、これを承認管理サーバ34に送信する。承認端末装置38は、例えばGPSに適合された位置情報を取得するモジュールを備え、OSを介して、アプリケーションプログラムのプロセスは取得した位置情報を利用し得る。例えば、承認端末装置38は、取得した位置情報を定期又は不定期に承認管理サーバ34に送信する。
【0043】
なお、情報提供者であるユーザは、他のユーザから見て承認者にもなり得るし、承認者であるユーザは、情報提供者にもなり得る。すなわち、情報通信端末装置20は、情報配信アプリケーションプログラムを実装して情報投稿クライアントとして機能すると共に、情報承認アプリケーションプログラムを実装して情報承認クライアントとしても機能し得る。また、承認端末装置38は、情報承認アプリケーションプログラムを実装して情報承認クライアントとしても機能すると共に、情報承認アプリケーションプログラムを実装して情報承認クライアントとしても機能し得る。
【0044】
また、本開示において、情報配信サーバ32と承認管理サーバ34とは別体のコンピューティングデバイスとして構成されているが、これに限られず、情報配信サーバ32が、承認管理サーバ34が有する機能を含むように1つ又はそれ以上のコンピューティングデバイスとして構成されても良い。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認スキームの概要を説明するための図である。なお、後述するように、本開示の情報配信システム30では、管理者は、承認方法及び承認条件を設定し、変更することにより、適宜に承認スキームを設定し、変更し得る。
【0046】
情報通信端末装置20は、上述したように、ユーザの操作の下、例えばSNSに投稿しようとする情報を情報配信サーバ32に提供する。情報配信サーバ32は、情報通信端末装置20から情報の提供を受けると、該情報について、SNSへの配信の承認可否の決定を得るために、該情報を配信可否の依頼と共に承認管理サーバ34に引き渡す。情報の引き渡しは、例えば、該情報のデータの実体が与えられて良いし、或いは該データの実体を示すポインタが与えられても良い。承認管理サーバ34は、該情報に対する承認可否を決定するため、少なくとも1つの承認端末装置38に承認可否を依頼する。
【0047】
承認可否の依頼を受けた承認端末装置38は、承認者に対して投稿された情報を提示して、承認者から該情報の配信を承認すべきか否かを示す情報(承認可否情報)を受け付ける。承認端末装置38は、承認者から承認可否情報を受け付けると、これを承認管理サーバ34に送信する。
【0048】
承認管理サーバ34は、承認端末装置38のそれぞれから承認可否情報を受け付けると、データベース36に登録されている承認方法及び承認条件に従い、投稿された情報をSNS上に配信して良いか否かを決定する。配信の承認又は否認の決定は、例えば、収集された承認可否情報が示す承認数に基づく多数決によりなされる。また、承認管理サーバ34は、例えば依頼した承認端末装置38から所定時間内に承認可否情報を受け取ることができなかった場合、承認者を変更するために、予め設定された他の承認者の承認端末装置38に承認可否を依頼する。承認管理サーバ34は、承認可否情報に基づいて配信の承認又は否認を決定すると、該決定結果を情報配信サーバ32に送信する。情報配信サーバ32は、配信承認の決定結果を受け取った場合、情報提供者によって投稿された情報をSNS上に配信する。
【0049】
同図に示した例では、承認管理サーバ34は、情報提供者によって投稿された情報を、情報配信サーバ32を介して受信する構成であるが、これに限られず、承認管理サーバ34が、情報提供者から情報を直接的に受信し、該情報に対する配信の承認を決定した場合に、該情報を配信承認の決定結果と共に情報配信サーバ32に送信する構成であっても良い。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバの機能的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、承認管理サーバ34は、例えば、通信インターフェース部341と、承認スキーム設定部342と、承認スキーム実行部343といったコンポーネントを含み構成される。かかるコンポーネントは、例えば、承認管理サーバ34のプロセッサが、承認プロセス管理プログラムを実行することにより、他のハードウェア資源との協働によって、実現され得る。
【0051】
通信インターフェース部341は、例えば情報配信サーバ32や承認端末装置38といった外部の装置との間でプロトコル通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース部341は、例えば、送信部3411と受信部3412とを含み構成される。
【0052】
承認スキーム設定部342は、管理者によるインタラクティブな操作の下、承認プロセスを実行するための承認方法及び承認条件を設定する。承認スキーム設定部342は、承認方法及び承認条件を設定するための各種の設定画面(コンソール)を管理者に提供し、管理者から各種の設定を受け付けて、それらをデータベース36に登録する。
【0053】
承認スキーム実行部343は、設定された承認方法及び承認条件に従って、承認プロセスを実行する。承認スキーム実行部343は、例えば、承認依頼部3431と、承認決定部3432と、位置情報管理部3433とを含み構成される。
【0054】
承認依頼部3431は、情報配信サーバ32から受信部3412を介して受信した情報に対する配信の承認可否を、設定された承認方法に従って、1つ又はそれ以上の情報承認クライアントに送信部3411を介して依頼する。情報承認クライアントは、承認者の承認端末装置38である。例えば、承認依頼部3431は、複数の承認者のそれぞれの承認端末装置38に対して配信の承認可否を同報的に依頼し、所定の時間内に、承認可否情報を受信できなかった承認端末装置38があった場合、他の承認者の承認端末装置38に対して配信の承認可否を新たに依頼する。
【0055】
承認決定部3432は、承認可否の依頼を受けた承認端末装置38から得られる承認可否情報に基づいて、配信されるべき情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する。承認可否情報は、例えば、承認を示すフラグ(承認フラグ)又は否認を示すフラグ(否認フラグ)を含む。配信の承認又は否認の決定は、所定の承認条件に従ってなされる。一例として、承認決定部3432は、得られた承認可否情報のうち、承認フラグの数が所定数に達した場合に、承認の決定を行う。他の例として、承認決定部3432は、得られた承認可否情報のうち、否認フラグの数が所定数に達しなかった場合に、承認の決定を行う。また、承認決定部3432は、所定の時間内に必要な数の承認可否情報が得られなかった場合、その旨を承認依頼部3431に出力し、これを受けて、承認依頼部3431は、他の承認端末装置38に対して新たな配信の承認可否を依頼する。承認決定部3432は、承認又は否認の決定の結果を、送信部3411を介して、情報配信サーバ32に送信する。
【0056】
位置情報管理部3433は、承認端末装置38から位置情報を取得し、管理する。すなわち、位置情報管理部3433は、承認者の承認端末装置38のそれぞれから定期又は不定期に送信されてくる位置情報を、受信部3412を介して取得して、データベース36に登録し、更新する。承認端末装置38から取得された位置情報は、承認可否の依頼の際の位置的条件の判定に用いられる。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認管理サーバの承認スキーム設定部342のモジュール構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、承認スキーム設定部342は、例えば、承認スキーム設定モジュール3421と、承認者設定モジュール3422と、承認権限委譲設定モジュール3423と、承認権限一時付与設定モジュール3424とを含み得る。承認スキーム設定部342は、承認スキームの設定処理において、これらのモジュールを適宜に呼び出して実行する。
【0058】
承認スキーム設定モジュール3421は、投稿された情報に対する承認方法及び承認条件等を設定する。
図5は、承認スキーム設定モジュール3421の実行により、承認管理サーバ34のコンソールに表示された承認スキーム設定画面の一例を示す。同図に示すように、承認スキーム設定画面500は、例えば、承認方法設定領域501と、承認条件設定領域502と、承認権限委譲設定領域503と、承認権限一時付与設定領域504とを含む。
【0059】
承認方法設定領域501は、承認方法として、例えば、積極的承認又は消極的承認のいずれかを選択的に設定する領域である。承認条件設定領域502は、承認が成立するための条件を設定する領域である。承認が成立するための条件は、算出される承認係数、例えば、承認された数の合計、承認者に付与されている承認スコアの合計点、又は承認可否の依頼の総数に対する承認(又は否認)の数の割合等に基づいて判断される。承認権限委譲設定領域503は、承認権限の委譲を認めるか否か、承認権限の委譲を認める場合、委譲先の承認者を手動で選択するか自動で選択するかを設定する領域である。承認権限一時付与設定領域504は、承認権限の一時的な付与を認めるか否か、承認権限の一時付与を認める場合、一時的に付与する承認者を手動で選択するか自動で選択するかを設定する領域である。
【0060】
管理者は、承認スキーム設定画面500において必要な情報を入力して設定ボタンを押下すると、承認スキーム設定モジュール3421は、入力された内容をデータベース36に登録する。
【0061】
承認者設定モジュール3422は、情報に対する配信の承認権限を有する承認者を登録すると共に、該承認者による承認の条件を設定する。
図6は、承認者設定モジュール3422の実行により、承認管理サーバ34のコンソールに表示された承認者設定画面の一例を示す。同図に示すように、承認者設定画面600は、例えば、承認者登録領域601と、承認スコア設定領域602と、承認依頼受付条件設定領域603とを含む。
【0062】
承認者登録領域601は、承認権限を有するユーザ(承認者)を登録するための領域である。承認スコア設定領域602は、承認者に与えられる承認スコアを設定するための領域である。例えば、管理者は、承認者が高位の役職者であるほど、高い承認スコアが入力されるといった運用ルールに従って、承認スコアを入力する。承認スコアは、承認(否認)が成立するための条件や承認権限の委譲のための条件等に用いられ得る。
【0063】
承認依頼受付条件設定領域603は、例えば、承認可否の依頼を受け付ける条件として、時間的条件及び/又は位置的条件を設定する領域である。管理者は、例えば、承認者が指定時間帯にのみ承認可否の依頼を受け付ける場合、チェックボックスにチェックを入れ、承認者が承認可否の依頼を受け付けることができる時間帯を指定し得る。また、管理者は、承認者が承認可否の依頼を受け付ける否かを、承認者と情報提供者(すなわち、投稿場所)との地理的位置関係に従って指定し得る。管理者は、例えば、チェックボックスにチェックを入れ、承認可否の依頼を受け付け可能な情報提供者からの距離を入力する。例えば、災害発生地域から投稿される情報について、管理者は、該災害発生地域からある程度離れたユーザを承認者の対象に設定することができる。
【0064】
管理者は、承認者設定画面600において必要な情報を入力して設定ボタンを押下すると、承認者設定モジュール3422は、入力された内容をデータベース36に登録する。
【0065】
承認権限委譲設定モジュール3423は、承認権限が委譲される承認者の順番及びその委譲条件を設定する。本開示では、承認権限の委譲とは、委譲する者と委譲される者とが1対1の関係であり、再委譲が可能な形態をいう。例えば、重要度が高い投稿情報等について、責任の所在をより厳格に管理したい場合や責任度の順に権限を与えていきたい場合での使用が想定される。
図7は、承認権限委譲設定モジュール3423の実行により、承認管理サーバ34のコンソールに表示された承認権限委譲設定画面の一例を示す。同図に示すように、承認権限委譲設定画面700は、例えば、移譲先承認者設定領域701と、委譲順位設定領域702とを含む。
【0066】
移譲先承認者設定領域701は、所定の条件の下、承認権限が委譲される承認者を設定する領域である。承認権限が移譲される承認者の名前は、例えば、
図6に示した承認者設定画面600において入力された承認者の名前がプルダウン形式で表示され、その選択により、委譲順位設定領域702にエントリーされる。委譲順位設定領域702は、エントリーされた移譲先承認者の順位を設定するための領域である。管理者は、例えば、ここにエントリーされた承認者を選択して、上下ボタンを押下することにより、委譲順位を設定し得る。
【0067】
承認権限委譲設定モジュール3423は、承認権限委譲設定画面700に対する設定が行われた後、例えば、承認権限の自動委譲が設定されている場合、
図8に示すような承認権限自動委譲条件設定画面を提示する。同図に示すように、承認権限自動委譲条件設定画面800は、承認制限時間設定領域801と、承認受付条件設定領域802とを含む。
【0068】
承認制限時間設定領域801は、承認可否の依頼を受けた承認者が承認可否を行うことができる制限時間を設定する領域である。一例として、承認者が承認依頼を受け取ってから600秒以内に承認可否を行わなかった場合、他の承認者に承認権限が委譲され、該承認者による承認可否は無効となる。承認受付条件設定領域802は、承認者に設定されている承認依頼受付条件を提示する領域である。
【0069】
管理者は、承認権限委譲設定画面700及びこれに続く承認権限自動委譲条件設定画面800において必要な情報を入力して設定ボタンを押下すると、承認権限委譲設定モジュール3423は、入力された内容をデータベース36に登録する。
【0070】
承認権限一時付与設定モジュール3424は、承認権限を一時的に付与する承認者を設定する領域である。承認権限の一時付与は、承認権限を付与する者と付与される者とが1対多の関係にある形態をいう。例えば、重要度が比較的低い投稿等について、短時間で承認の可否を決めたい場合等での使用が想定される。
図9は、承認権限一時付与設定モジュール3424の実行により、承認管理サーバ34のコンソールに表示された承認権限一時付与設定画面の一例を示す。同図に示すように、承認権限一時付与設定画面900は、承認権限一時付与先承認者設定領域901と、承認権限一時付与順位設定領域902とを含む。
【0071】
承認権限一時付与先承認者設定領域901は、所定の条件の下、承認権限が一時付与される承認者を設定する領域である。承認権限が一時付与される承認者の名前は、例えば、
図6に示した承認者設定画面600において入力された承認者の名前がプルダウン形式で表示され、その選択により、承認権限一時付与順位設定領域902にエントリーされる。承認権限一時付与順位設定領域902は、エントリーされた承認権限一時付与先承認者の順位を設定するための領域である。管理者は、例えば、ここにエントリーされた承認者を選択して、上下ボタンを押下することにより、承認権限一時付与順位を設定し得る。
【0072】
承認権限一時付与設定モジュール3424は、承認権限一時付与設定画面900に対する設定が行われた後、例えば、承認権限の自動一時付与が設定されている場合、
図10に示すような承認権限自動一時付与設定画面1000を提示する。同図に示すように、承認権限自動一時付与設定画面1000は、承認制限時間設定領域1001と、承認受付条件設定領域1002とを含む。承認制限時間設定領域1001は、承認可否の依頼を受けた承認者が承認可否を行うことができる制限時間を設定する領域である。承認受付条件設定領域802は、承認者に設定されている承認依頼受付条件を提示する領域である。
【0073】
管理者は、承認権限一時付与設定画面900及びこれに続く承認権限自動一時付与設定画面1000において必要な情報を入力して設定ボタンを押下すると、承認権限委譲設定モジュール3423は、入力された内容をデータベース36に登録する。
【0074】
図11は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの概略を示すシーケンス図である。
【0075】
同図に示すように、情報通信端末装置20は、情報提供者の操作の下、SNSに投稿しようとする情報を情報配信サーバ32に送信する(S1101)。情報配信サーバ32は、情報通信端末装置20から投稿情報を受信すると、該情報について、SNSへの配信の承認を得るために、該情報とこれに関連付けた配信の承認可否の依頼を承認管理サーバ34に送信する(S1102)。これを受けて、承認管理サーバ34は、データベース36を参照し(S1103)、承認方法及び承認条件を取得する(S1104)。続いて、承認管理サーバ34は、取得した承認方法に従って承認可否を依頼する承認者を決定し、該承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信する(S1105)。なお、同図では、一の承認端末装置38のみが示されているが、承認管理サーバ34は、典型的には、複数の承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信する。これにより、各承認者の承認端末装置38には、例えば
図12に示すような、承認可否の依頼が通知される。これを受けて、承認者は、承認端末装置38を操作して、例えば
図13に示すような、承認端末装置38上に承認可否画面を表示させ、投稿された情報をチェックする。
【0076】
承認可否の依頼を受けた承認者は、承認端末装置38上に提示された配信されるべき情報をチェックし、情報が配信されて良いか否かを判断する(S1106)。例えば、投稿された情報が動画であれば、再生ボタンを押下して、動画を再生し、その内容をチェックする(
図13参照)。承認者は、チェックした情報に対して承認又は否認のいずれかを選択し、これにより、承認端末装置38は、承認者による承認又は否認を示す承認可否情報を承認管理サーバ34に送信する(S1107)。
【0077】
承認管理サーバ34は、承認端末装置38のそれぞれから承認可否情報を受信すると、承認条件に従い、投稿された情報をSNSに配信して良いか否かを決定する(S1108)。一例として、承認管理サーバ34は、承認の合計数が所定のしきい値を上回ったか否かを判断し、これを上回っていると判断する場合、配信の承認を決定する。他の例として、承認管理サーバ34は、承認した承認者のスコアの合計点が所定のしきい値を上回ったか否かを判断し、これを上回っていると判断する場合、配信の承認を決定する。更に他の例として、承認可否の依頼の数に対して承認の合計数が所定の割合を上回ったか否かを判断し、これを上回っていると判断する場合、配信の承認を決定する。承認管理サーバ34は、承認又は否認の決定の結果を情報配信サーバ32に送信する(S1109)。
【0078】
情報配信サーバ32は、承認管理サーバ34から承認又は否認の決定結果を受信すると、該決定結果を情報提供者の情報通信端末装置20に送信する(S1110)。これにより、情報提供者は、自身が投稿した情報がSNSへ配信されるか否かを知ることができる。また、情報配信サーバ32は、該決定結果が配信の承認を示す場合に、情報提供者によって提供された情報をSNS上に配信する(S1111)、これにより、SNS上の他のユーザは、該情報を閲覧することができるようになる。
【0079】
図14は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの他の例を示すシーケンス図である。同図は、承認権限の委譲が手動で行われる場合の承認プロセスのシーケンスを示している。なお、上述したように、承認権限の委譲とは、委譲する者と委譲される者とが1対1の関係であり、再委譲が可能な形態をいう。
【0080】
情報通信端末装置20は、情報提供者の操作の下、SNSに配信されるべき情報を情報配信サーバ32に送信する(S1401)。同図に示すように、情報提供者による情報の投稿(S1401)から最初の承認者への承認可否の依頼(S1405)までの処理の流れは、上述したものと同じであるため、その説明を省略する。
【0081】
承認可否の依頼を受けた承認者は、例えば、承認可否の依頼を受けた情報について、承認の判断がつかない等の理由により、他のユーザに承認権限を委譲したい場合、承認権限の委譲(変更)を選択する(S1406)。これを受けて、該承認者の承認端末装置38は、承認権限の委譲要求を承認管理サーバ34に送信する(S1407)。
【0082】
承認管理サーバ34は、承認権限の委譲要求を受信すると、データベース36を参照し(S1408)、承認者の候補リストを取得する(S1409)。続いて、承認管理サーバ34は、取得した承認者の候補リストを該承認者の承認端末装置38に送信する(S1410)。承認権限の委譲要求を選択した承認者は、承認者の候補リストの中から一の承認者を選択し(S1411)、これを受けて、該承認者の承認端末装置38は、選択された承認者への委譲要求を承認管理サーバ34に送信する(S1412)。
【0083】
承認管理サーバ34は、選択された承認者への委譲要求を受信すると、該選択された承認者を新たな承認者に決定し、該新たな承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信する(S1413)。また、承認管理サーバ34は、承認権限の委譲を要求した承認者の承認権限を無効にする。なお、承認管理サーバ34は、新たな承認者に承認可否を依頼する際に、承認権限が委譲された旨を通知しても良い。
【0084】
新たに承認権限を委譲され承認可否の依頼を受けた承認者は、承認端末装置38上に提示された配信されるべき情報をチェックし、情報が配信されて良いか否かを判断する(S1414)。承認者は、上述したように、情報に対して承認又は否認のいずれかを選択し、これにより、承認端末装置38は、承認者による承認又は否認を示す承認可否情報を承認管理サーバ34に送信する(S1415)。なお、新たに承認権限を委譲された承認者は、上述したように、他のユーザに承認権限を委譲したい場合、同様に、承認権限の委譲を選択しても良い。
【0085】
承認管理サーバ34は、承認端末装置38のそれぞれから承認可否情報を受信すると、上述したように、承認条件に従い、投稿された情報をSNSに配信して良いか否かを決定し(S1416)、承認又は否認の決定の結果を情報配信サーバ32に送信する(S1417)。これを受けて、情報配信サーバ32、上述したように、該決定結果を情報提供者の情報通信端末装置20に送信すると共に(S1418)、情報提供者によって提供された情報をSNS上に配信する(S1419)。
【0086】
図15は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムにおける承認プロセスの他の例を示すシーケンス図である。同図は、承認者の委譲が予め設定した委譲条件に従って自動で行われる場合の承認プロセスのシーケンスを示している。より具体的には、本例は、承認可否の依頼に応答して所定の制限時間内に承認可否情報を受信できなかった場合の承認権限の自動委譲による承認プロセスのシーケンスを示している。
【0087】
情報通信端末装置20は、情報提供者の操作の下、SNSに配信されるべき情報を情報配信サーバ32に送信する(S1501)。同図に示すように、情報提供者による情報の投稿(S1501)から承認方法の取得(S1504)までの処理の流れは、上述したものと同じであるため、説明を省略する。
【0088】
承認管理サーバ34は、取得した承認方法に従って承認可否を依頼する承認者を決定し、最初の承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信する(S1505)。このとき、承認管理サーバ34は、時間の計測を開始する(S1506)。
【0089】
承認管理サーバ34は、時間の計測の下、所定の制限時間内に承認可否の依頼に応答して承認可否情報を受信しなかった場合、先に取得した承認方法に従って承認可否を依頼する他の承認者を決定し(S1507)、該他の承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信する(S1508)。これにより、該他の承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼が通知される。また、承認管理サーバ34は、最初の承認者に対する承認権限を無効にする。
【0090】
承認権限の委譲を受けた承認者は、配信可否の承認依頼に応答して、情報に対して承認又は否認のいずれかを選択し、これにより、承認端末装置38は、承認又は否認を示す承認可否情報を承認管理サーバ34に送信する(S1509)。なお、承認管理サーバ34は、承認権限を委譲された新たな承認者から所定の制限時間内に承認可否情報を受信しなかった場合、更に、他のユーザに承認を委譲し得る。
【0091】
承認管理サーバ34は、承認端末装置38のそれぞれから承認可否情報を受信すると、上述したように、承認条件に従い、投稿された情報をSNSに配信して良いか否かを決定し(S1510)、承認又は否認の決定の結果を情報配信サーバ32に送信する(S1511)。これを受けて、情報配信サーバ32は、上述したように、該決定結果を情報提供者の情報通信端末装置20に送信すると共に(S1512)、情報提供者によって提供された情報をSNS上に配信する(S1513)。
【0092】
なお、承認権限の一時付与の場合の承認プロセスのシーケンスは、基本的には、承認権限の委譲の場合のそれと同じである。すなわち、承認権限の手動による一時付与の場合、
図16に示すように、承認管理サーバ34は、承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信し(S1605)、承認者は一時付与を選択することにより(S1606)、承認端末装置38は、承認権限の一時付与要求を承認管理サーバ34に送信する(S1607)。承認管理サーバ34は、これを受けて、承認権限を一時付与する承認者候補リストを返信し(S1608~S1610)、承認者は、送信されてきた承認者候補リストの中から一の承認者を選択し(S1611)、これを承認管理サーバ34に送信する(S1612)。承認管理サーバ34は、選択された一時付与の承認者に、承認可否の依頼を送信する(S1613)。
【0093】
また、承認権限の自動一時付与の場合、
図17に示すように、承認管理サーバ34は、承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信し(S1705)、時間の計測を開始する(S1706)。承認管理サーバ34は、所定の制限時間内に承認可否の依頼に応答して承認可否情報を受信しなかった場合、一時付与する他の承認者を決定し(S1707)、該他の承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信する(S1708)。これにより、該他の承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼が通知される。
【0094】
図18及び
図19は、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。具体的には、同図は、承認管理サーバ34による承認権限の自動委譲処理を説明するためのフローチャートである。
【0095】
同図に示すように、承認管理サーバ34は、情報配信サーバ32から投稿情報の承認決定の依頼を受けて、データベース36を参照して承認方法を取得し、取得した承認方法において承認権限の自動委譲が設定されている場合、最初の承認者を選定する(S1801)。承認者の選定処理の詳細については、
図19を用いて説明する。
【0096】
承認管理サーバ34は、選定した承認者の承認端末装置38に承認可否の依頼を送信すると共に(S1802)、時間の計測を開始する(S1803)。これにより、承認管理サーバ34は、所定の制限時間内に承認可否情報を受信できたか否かを監視する(S1804~S1805)。
【0097】
承認管理サーバ34は、所定の制限時間内に承認可否情報を受信できなかった場合(S1805のOVER)、上述した承認者の選定処理(S1801)に戻る。一方、承認管理サーバ34は、所定の制限時間内に承認可否情報を受信できた場合(S1804のYes)、受信した承認可否情報に基づいて、承認可否の決定を行う(S1806)。
【0098】
図19は、承認者の選定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、承認管理サーバ34は、情報配信サーバ32から投稿情報の承認決定の依頼を受けて、データベース36を参照して承認者候補リストを取得する(S1901)。続いて、承認管理サーバ34は、承認者候補リストのうち、委譲順位が高い順に、一の承認者を候補者として選択する(S1902)。
【0099】
承認管理サーバ34は、選択した一の候補者について、設定された時間的条件及び/又は位置的条件を満たすか否かを判断する(S1903)。承認管理サーバ34は、選択した一の候補者について、設定された時間的条件及び/又は位置的条件を満たすかと判断する場合(S1903のYes)、該選択した一の候補者を承認者に決定するS1904)。一方、承認管理サーバ34は、選択した一の候補者について、設定された時間的条件及び/又は位置的条件を一部でも満たさないと判断する場合、次の候補者を選択し(S1902)、該候補者について、同様に判断する(S1903)。
【0100】
例えば、一の候補者について、時間的条件のみが設定されている場合、承認管理サーバ34は、情報配信サーバ32から承認可否の依頼を受信した時刻に基づいて、時間的条件が満たされるか否かを判断する。また、一の候補者について、位置的条件のみが設定されている場合、承認管理サーバ34は、投稿情報に付加された位置的情報に基づいて、位置的条件が満たされるか否かを判断する。また、一の候補者について、時間的条件及び位置的条件の両方が設定されている場合、承認管理サーバ34は、受信時刻及び位置情報のそれぞれに基づいて、時刻時間的条件及び位置的条件が満たされるか否かを判断する。なお、一の候補者について、時間的条件及び位置的条件のいずれも設定されていない場合、承認管理サーバ34は、該候補者を承認者に決定する。
【0101】
図20及び
図21は、本発明の一実施形態に係る承認管理サーバにおける承認プロセスの一例を示すフローチャートである。具体的には、同図は、承認管理サーバ34による承認決定処理を説明するためのフローチャートである。
【0102】
図20に示すように、承認管理サーバ34は、承認可否の依頼を承認端末装置38に送信した後、承認端末装置38から承認可否情報を受信したか否かを監視する(S2001)。承認管理サーバ34は、承認可否の依頼に応答して、承認端末装置38から承認可否情報を受信すると(S2001のYes)、設定されている承認方法が積極的承認及び消極的承認のいずれであるかを確認する(S2002)。
【0103】
承認管理サーバ34は、設定されている承認方法が積極的承認であると判断する場合、積極的承認の決定処理を行う(S2003)。一方、承認管理サーバ34は、設定されている承認方法が消極的承認であると判断する場合、消極的承認の決定処理を行う(S2004)。積極的承認の決定処理及び消極的承認の決定処理の詳細は、それぞれ、
図21A及び
図21Bを用いて説明される。承認管理サーバ34は、積極的承認の決定処理又は消極的承認の決定処理の後、決定された承認/否認の決定結果を情報配信サーバ32に送信する(S2005)。
【0104】
承認管理サーバ34は、
図21Aに示すように、積極的承認条件に従った承認係数を算出する(S2101A)。すなわち、一例として、承認管理サーバ34は、承認条件が承認数の合計である場合、受信した承認可否情報のうち、承認の数の合計を承認係数として算出する。他の例として、承認管理サーバ34は、承認条件が承認数の割合である場合、受信した承認可否情報のうち、承認可否の依頼の数に対する承認の数の割合を承認係数として算出する。更に他の例として、承認管理サーバ34は、承認条件が承認スコアの合計である場合、受信した承認可否情報のうち、承認した承認者の承認スコアの合計を承認係数として算出する。
【0105】
続いて、承認管理サーバ34は、算出した承認係数を、所定のしきい値を基準にして、承認条件が成立したか否かを判断する(S2102A)。承認管理サーバ34は、算出した承認係数が所定のしきい値を上回る場合(S2102AのYes)、承認条件が成立したものとみなし、承認の決定を行う(S2103A)。
【0106】
一方、承認管理サーバ34は、算出した承認係数が所定のしきい値を上回らない場合(S2102AのNo)、承認成立の確率を算出する(S2104A)。承認成立の確率は、承認可否情報を未だ送信していない承認者の数に基づいて、承認が成立する確率である。例えば、全ての承認者から承認可否情報を受信した場合や残りの承認者から承認可否情報を受信したと仮定した場合において、算出した承認係数が所定のしきい値を上回らない場合には、承認が成立する可能性がないため、承認成立の確率は0%である。承認管理サーバ34は、算出した承認成立の確率が所定のしきい値(本例では0%)を上回るか否かを判断する(S2105A)。承認管理サーバ34は、算出した承認成立の確率が所定のしきい値を上回らないと判断する場合(S2105AのNo)、承認不成立(否認)の決定を行う(S2106A)。一方、承認管理サーバ34は、算出した承認成立の確率が所定のしきい値を上回ると判断する場合(S2105AのYes)、他の承認者からの承認可否情報を承認条件の成立判断に算入するため、
図20のS2001の処理に戻る。
【0107】
図21Bに示すように、承認管理サーバ34は、消極的承認条件に従った否認係数を算出する(S2101B)。すなわち、一例として、承認管理サーバ34は、否認条件が否認数の合計である場合、受信した承認可否情報のうち、否認の数の合計を否認係数として算出する。他の例として、承認管理サーバ34は、否認条件が否認数の割合である場合、受信した承認可否情報のうち、承認可否の依頼の数に対する否認の数の割合を否認係数として算出する。更に他の例として、承認管理サーバ34は、否認条件が承認スコアの合計である場合、受信した承認可否情報のうち、承認スコアの合計を否認係数として算出する。
【0108】
続いて、承認管理サーバ34は、算出した否認係数を、所定のしきい値を基準にして、否認条件が成立したか否かを判断する(S2102B)。承認管理サーバ34は、算出した否認係数が所定のしきい値を上回る場合(S2102BのYes)、否認条件が成立したものとみなし、否認の決定を行う(S2103B)。
【0109】
一方、承認管理サーバ34は、算出した否認係数が所定のしきい値を上回らない場合(S2102BのNo)、否認成立の確率を算出する(S2104B)。承認成立の確率は、承認可否情報を未だ送信していない承認者の数に基づいて、否認が成立する確率である。例えば、全ての承認者から承認可否情報を受信した場合や残りの承認者から承認可否情報を受信したと仮定した場合において、算出した否認係数が所定のしきい値を上回らない場合には、否認が成立する可能性がないため、承認不成立の確率は0%である。承認管理サーバ34は、算出した否認成立の確率が所定のしきい値(本例では0%)を上回るか否かを判断する(S2105B)。承認管理サーバ34は、算出した否認成立の確率が所定のしきい値を上回らないと判断する場合(S2105BのNo)、承認成立の決定を行う(S2106B)。一方、承認管理サーバ34は、算出した承認成立の確率が所定のしきい値を上回ると判断する場合(S2105BのYes)、他の承認者からの承認可否情報を承認条件の成立判断に算入するため、
図20のS2001の処理に戻る。
【0110】
上記の例では、承認管理サーバ34は、承認端末装置38から承認可否情報を受信するごとに、承認可否の決定を行うように構成されたが、これに限られず、有効な全ての承認可否情報を受信した後に、承認可否の決定を行うように構成されても良い。
【0111】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0112】
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしても良く、また、他のステップ、動作又は機能を追加しても良い。
【0113】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
1…コンピュータシステム
10…通信ネットワーク
12…コンピュータネットワーク
14…移動体通信ネットワーク
16…ゲートウェイ
20…情報通信端末装置
30…情報配信システム
32…情報配信サーバ
34…承認管理サーバ
341…通信インターフェース部
3411…送信部
3412…受信部
342…承認スキーム設定部
3421…承認スキーム設定モジュール
3422…承認者設定モジュール
3423…承認権限委譲設定モジュール
3424…承認権限一時付与設定モジュール
343…承認スキーム実行部
3431…承認依頼部
3432…承認決定部
3433…位置情報管理部
36…データベース
38…承認端末装置
40…SNSサーバ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供者から提供される情報をインターネット上のユーザにプッシュ配信するための情報配信サーバに接続される承認管理装置であって、
前記情報提供者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記情報に対する配信の承認可否の依頼を複数の承認端末装置のそれぞれに同報的に送信する承認依頼部と、
前記複数の承認端末装置の少なくともいくつかから得られる承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する承認決定部と、
前記承認決定部により前記配信の承認が得られる場合に、前記情報に対する承認決定結果を前記情報配信サーバに送信する送信部と、を備え、
前記複数の承認端末装置の少なくともいくつかは、
前記承認可否を依頼された前記情報を画面に表示して、前記画面に表示された前記情報に対して承認者から受け付けた前記承認可否情報を前記承認決定部に送信する、
承認管理装置。
【請求項2】
前記複数の承認端末装置のそれぞれから取得される前記承認者の位置を示す承認者位置情報を管理する位置情報管理部を更に備え、
前記承認依頼部は、前記位置情報管理部によって取得された前記承認者位置情報に従って、前記複数の承認端末装置のうちのいくつかに前記配信の承認可否の依頼を送信する、
請求項1に記載の承認管理装置。
【請求項3】
前記承認依頼部は、前記配信されるべき情報に関連付けられた前記情報提供者の位置を示す情報提供者位置情報と前記承認者位置情報との地理的位置関係に基づいて、前記配信の承認可否を依頼する、
請求項2に記載の承認管理装置。
【請求項4】
前記情報に対する配信の承認プロセスを実行するための承認方法及び承認条件を設定する承認スキーム設定部を更に備える、
請求項1に記載の承認管理装置。
【請求項5】
前記承認スキーム設定部は、前記承認方法及び前記承認条件を設定するための承認スキーム設定画面を提供する、
請求項4に記載の承認管理装置。
【請求項6】
前記承認スキーム設定部は、前記情報に対する配信の承認権限を有する承認者を登録すると共に、前記承認者による承認の条件を設定するための承認者設定画面を提供する、
請求項4に記載の承認管理装置。
【請求項7】
前記承認スキーム設定部は、前記承認権限が委譲される承認者を設定するための承認権限委譲設定画面を提供する、
請求項4に記載の承認管理装置。
【請求項8】
前記承認スキーム設定部は、前記承認スキーム設定画面おいて承認権限の自動委譲が設される場合に、承認権限自動委譲条件設定画面を提供する、
請求項5に記載の承認管理装置。
【請求項9】
前記承認スキーム設定部は、前記承認スキーム設定画面おいて承認権限の一時付与が設定される場合に、承認権限一時付与設定画面を提供する、
請求項5に記載の承認管理装置。
【請求項10】
前記承認スキーム設定部は、前記承認スキーム設定画面おいて承認権限の自動一時付与が設定される場合に、承認権限自動一時付与設定画面を提供する、
請求項5に記載の承認管理装置。
【請求項11】
情報提供者から提供される情報を取得して、取得した前記情報をインターネット上のユーザにプッシュ配信する情報配信サーバと、
前記取得した情報に対する配信の承認を行う承認管理サーバと、
承認者により前記情報に対する配信の承認可否を行うための複数の承認端末装置と、を備える情報配信システムであって、
前記承認管理サーバは、
前記取得した情報に関連付けられた配信可否の依頼を受信する受信部と、
前記情報に対する配信の承認可否の依頼を前記複数の承認端末装置の少なくともいくつかに同報的に送信する承認依頼部と、
前記複数の承認端末装置の少なくともいくつかから得られる承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定する承認決定部と、
前記承認決定部により前記配信の承認が得られる場合に、前記情報に対する承認決定結果を前記情報配信サーバに送信する送信部と、を備え、
前記複数の承認端末装置の少なくともいくつかは、
前記承認可否を依頼された前記情報を画面に表示して、前記画面に表示された前記情報に対して承認者から受け付けた前記承認可否情報を前記承認決定部に送信する、
情報配信システム。
【請求項12】
前記複数の承認端末装置から取得される前記承認者の位置を示す承認者位置情報を管理する位置情報管理部を更に備え、
前記承認依頼部は、前記位置情報管理部によって取得された前記承認者位置情報に従って、前記複数の承認端末装置のうちのいくつかに前記配信の承認可否の依頼を送信する、
請求項11に記載の情報配信システム。
【請求項13】
前記承認依頼部は、前記配信されるべき情報に関連付けられた前記情報提供者の位置を示す情報提供者位置情報と前記承認者位置情報との地理的位置関係に基づいて、前記配信の承認可否を依頼する、
請求項12に記載の情報配信システム。
【請求項14】
情報提供者から提供される情報をインターネット上のユーザにプッシュ配信する情報配信システムによる情報配信方法であって、
前記情報配信システムが
前記情報提供者の情報通信端末装置によって提供される情報を受信することと、
受信した前記情報に対する配信の承認可否の依頼を複数の承認端末装置に同報的に送信することと、
前記承認可否を依頼された前記複数の承認端末装置の少なくともいくつかから承認可否情報を受信することと、
受信した前記承認可否情報に基づいて、前記情報に対する配信の承認又は否認のいずれかを決定することと、
前記情報に対する配信の承認の決定がなされる場合に、前記情報を前記インターネット上に配信することと、を実行すること、を含む、
情報配信方法。
【請求項15】
前記複数の承認端末装置から前記承認者の位置を示す承認者位置情報を取得することと、
取得された前記承認者位置情報に従って、前記複数の承認端末装置のうちのいくつかに前記配信の承認可否を依頼することと、を更に含む、
請求項14に記載の情報配信方法。
【請求項16】
前記配信の承認可否の依頼することは、前記配信されるべき情報に関連付けられた前記情報提供者の位置を示す情報提供者位置情報と前記承認者位置情報との地理的位置関係に基づいて、前記配信の承認可否を依頼する、
請求項15に記載の情報配信方法。