(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165965
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168975
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2022200756の分割
【原出願日】2017-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100143063
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】川島 哲
(72)【発明者】
【氏名】倉田 豪
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】スルー入賞部34への入賞が発生することに基づき普図側保留情報が取得され、普図側保留情報が取得されることにより普図表示部39aにおいて表示継続回が行われる。そして、当該表示継続回が終了した後に特別入賞装置35が開放実行状態となる。この場合に、表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間が設定された場合には特別入賞装置35が開放実行状態となったとしても当該特別入賞装置35への入賞が基本的に不可であり、表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が設定された場合には特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生し得る。基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている状況において表示継続回が実行される場合に第3表示継続期間が設定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段と、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて契機情報を取得する情報取得手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を特別制御状態に移行させることで、遊技者に利益を付与する構成が知られている。
【0003】
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別制御状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別制御状態に移行する構成が知られている。そして、特別制御状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段と、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて契機情報を取得する情報取得手段と、
を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【
図2】パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。
【
図4】(a)非受入状態である場合における特別入賞装置及びその周辺の横断面図であり、(b)受入状態である場合における特別入賞装置及びその周辺の横断面図である。
【
図5】(a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。
【
図6】(a)~(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。
【
図7】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】各種カウンタ及び各種エリアの内容を説明するための説明図である。
【
図9】(a)第1特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(b)第1特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図であり、(c)第2特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(d)第2特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図であり、(e)大当たり種別テーブルを説明するための説明図である。
【
図10】主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図11】主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図12】主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【
図13】主側MPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。
【
図14】主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図15】主側MPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図16】主側MPUにて実行される普図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図17】主側MPUにて実行される普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図18】主側MPUにて実行される普図確定中処理を示すフローチャートである。
【
図19】(a)~(e)普図表示部の表示継続期間と特別入賞装置の受入状態との関係を示すタイムチャートである。
【
図20】第2の実施形態における主側MPUにて実行される普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図21】第3の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図22】第4の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図23】各種カウンタ及び各種エリアの内容を説明するための説明図である。
【
図24】主側MPUにて実行される第1普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図25】主側MPUにて実行される第2普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図26】主側MPUにて実行される第3普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図27】主側MPUにて実行される第4普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図28】主側MPUにて実行される第4普図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図29】主側MPUにて実行される第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図30】(a)~(f)第4普図表示部の表示継続期間と特別入賞装置の受入状態との関係を示すタイムチャートである。
【
図31】第5の実施形態における円盤部材の構成を示す平面図である。
【
図32】第6の実施形態における主側MPUにて実行される第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図33】第7の実施形態における主側MPUにて実行される第3普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図34】第8の実施形態における主側MPUにて実行される第3普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図35】第9の実施形態における主側MPUにて実行される第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図36】第10の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図37】主側MPUにて実行される第1普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図38】主側MPUにて実行される第2普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図39】主側MPUにて実行される第3普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図40】主側MPUにて実行される第4普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図41】主側MPUにて実行される第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図42】(a)~(h)第4普図表示部の表示継続期間と特別入賞装置の受入状態との関係を示すタイムチャートである。
【
図43】第11の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図44】主側MPUにて実行される第1普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図45】主側MPUにて実行される第2普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図46】主側MPUにて実行される第3普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図47】主側MPUにて実行される第4普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図48】主側MPUにて実行される第4普図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図49】主側MPUにて実行される第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【
図50】主側MPUにて実行される調整処理を示すフローチャートである。
【
図51】(a)~(j)大当たり状態の様子を示すタイムチャートである。
【
図52】第12の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図53】(a)~(i)遊技の流れを示すタイムチャートである。
【
図54】主側MPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【
図55】主側MPUにて実行される普図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図56】主側MPUにて実行される普図確定中処理を示すフローチャートである。
【
図57】主側MPUにて実行される普電開放中処理を示すフローチャートである。
【
図58】主側MPUにて実行される普電閉鎖中処理を示すフローチャートである。
【
図59】音光側MPUにて実行される普電報知処理を示すフローチャートである。
【
図60】(a),(b)図柄表示装置における普電報知の内容を説明するための説明図である。
【
図61】(a)~(i)図柄表示装置にて普電報知が実行されることによる作用を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10の斜視図、
図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PA内の構成を省略している。
【0011】
パチンコ機10は、
図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0012】
遊技機本体12は
図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15と、を備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0013】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0014】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、当該施錠装置は、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0015】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0016】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤24は木製に限定されることはなく、アクリル板やポリカーボネート板といった合成樹脂製であってもよい。
【0017】
遊技盤24の構成を
図3に基づいて説明する。
図3は遊技盤24の正面図である。
【0018】
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(
図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
【0019】
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿65aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
【0020】
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞部31、第1作動部32、第2作動部33、スルー入賞部34、特別入賞装置35、特電入賞装置36、可変表示ユニット37、特図ユニット38及び普図ユニット39等がそれぞれ設けられている。一般入賞部31は合計で3個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0021】
スルー入賞部34への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞部31、第1作動部32、第2作動部33、特別入賞装置35及び特電入賞装置36のいずれかへの入球が発生した場合、遊技者が使用可能な遊技媒体数を増加させるべく所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、一般入賞部31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行され、第1作動部32への入球が発生した場合には3個の遊技球の払い出しが実行され、第2作動部33への入球が発生した場合には1個の遊技球の払い出しが実行され、特別入賞装置35への入球が発生した場合には11個の遊技球の払い出しが実行され、特電入賞装置36への入球が発生した場合には15個の遊技球の払い出しが実行される。
【0022】
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば第1作動部32及び第2作動部33の賞球個数が同一である構成としてもよい。また、特別入賞装置35の賞球個数が11個よりも少ない構成としてもよく、11個よりも多い構成としてもよい。また、特別入賞装置35の賞球個数が特電入賞装置36の賞球個数よりも少ない構成に限定されることはなく、特別入賞装置35の賞球個数と特電入賞装置36の賞球個数とが同一である構成としてもよく、特別入賞装置35の賞球個数の方が特電入賞装置36の賞球個数よりも多い構成としてもよい。
【0023】
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが設けられているとともに、風車等の各種部材が設けられている。
【0024】
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞部31、第1作動部32、第2作動部33、スルー入賞部34、特別入賞装置35及び特電入賞装置36への遊技球の入球を入賞とも表現する。
【0025】
遊技領域PAの中央部を含むようにして可変表示ユニット37が設けられている。当該可変表示ユニット37の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PAに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット37の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PA1と、当該上側領域PA1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット37よりも左方の領域である左側領域PA2と、上側領域PA1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット37よりも右方の領域である右側領域PA3と、左側領域PA2及び右側領域PA3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット37よりも下方の領域である下側領域PA4と、に区画されている。
【0026】
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA1→左側領域PA2→下側領域PA4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA1→右側領域PA3→下側領域PA4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PA2及び右側領域PA3のうち左側領域PA2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PA3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。ちなみに、最大回動量で発射操作装置28の操作が行われた場合、上側領域PA1→右側領域PA3→下側領域PA4の順で遊技球が流下することとなる。
【0027】
第1作動部32は、下側領域PA4に設置されている。第1作動部32は上向きに開放されており、第1作動部32への遊技球の入球を阻止するための開閉部材といった部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく第1作動部32への入賞確率は一定となっている。換言すれば、第1作動部32は、遊技領域PAを当該第1作動部32に向けて流下する遊技球が常時入球可能となっている。
【0028】
第1作動部32は可変表示ユニット37に形成されたステージ37aの真下に配置されている。また、可変表示ユニット37の上部には導入口37bが左右一対となるようにして設けられているとともに、可変表示ユニット37には当該導入口37bに入球した遊技球をステージ37a上に誘導する図示しない誘導通路が形成されている。当該誘導通路を介してステージ37a上に流入した遊技球であってステージ37aの横方向の中央から可変表示ユニット37外に排出される遊技球は、第1作動部32に入賞し易くなっている。第1作動部32には図示しない検知センサが設けられており、当該検知センサにより第1作動部32に入賞した遊技球が検知される。当該検知センサは後述する主制御装置70と電気的に接続されており、主制御装置70は受信する信号に基づき第1作動部32への遊技球の入賞の有無を把握する。
【0029】
下側領域PA4において第1作動部32が設けられている位置は、左側領域PA2を流下した遊技球が入球可能である位置であって、右側領域PA3を流下する遊技球が入球可能な位置となっている。これにより、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合、及び右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれであっても、第1作動部32への入賞が可能となる。但し、これに限定されることはなく右側領域PA3から第1作動部32に向かう流下領域の途中位置に規制釘などを設けることにより、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には第1作動部32への入賞が不可となる構成としてもよい。
【0030】
第2作動部33は、右側領域PA3に配置されている。つまり、第2作動部33は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。第2作動部33は第1作動部32と同様に上向きに開放されており、第2作動部33への遊技球の入球を阻止するための開閉部材といった部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく第2作動部33への入賞確率は一定となっている。換言すれば、第2作動部33は、遊技領域PAを当該第2作動部33に向けて流下する遊技球が常時入球可能となっている。第2作動部33には図示しない検知センサが設けられており、当該検知センサにより第2作動部33に入賞した遊技球が検知される。当該検知センサは後述する主制御装置70と電気的に接続されており、主制御装置70は受信する信号に基づき第2作動部33への遊技球の入賞の有無を把握する。
【0031】
右側領域PA3において第2作動部33よりも上流側には、当該上流側の領域を流下する遊技球を第2作動部33に向けて誘導するように釘24bが配列されているとともに、他の入球部が設けられていない。したがって、右側領域PA3を流下する遊技球は第2作動部33に入球し易くなっている。具体的には、下側領域PA4に流入する遊技球の第1作動部32への入球確率よりも、右側領域PA3に流入する遊技球の第2作動部33への入球確率が高くなるように、第2作動部33及び周辺の釘24bが設けられている。但し、右側領域PA3に流入した遊技球の全てが第2作動部33に入球するわけではなく、右側領域PA3に流入した遊技球が概ね所定個数(例えば5個)に1個の割合で第2作動部33に入球する構成となっている。
【0032】
特別入賞装置35は、左側領域PA2に配置されている。つまり、特別入賞装置35は右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。特別入賞装置35は遊技球の入球が不可である非受入状態と遊技球の入球が可能である受入状態とに切り替え可能となっている。
【0033】
特別入賞装置35の構成について
図3に加えて
図4(a)及び
図4(b)を参照しながら説明する。
図4(a)は非受入状態である場合における特別入賞装置35及びその周辺の横断面図であり、
図4(b)は受入状態である場合における特別入賞装置35及びその周辺の横断面図である。
【0034】
特別入賞装置35は、
図3に示すように遊技領域PAから流入した遊技球を遊技盤24の後方に排出するための排出通路42が形成されたベース体41と、当該排出通路42への遊技球の流入を阻止又は許容するための開閉部材43と、を備えている。ベース体41は
図4(a)及び
図4(b)に示すように遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出するようにして設けられている。ベース体41において遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出した領域の上面を生じさせる球受け面44は横方向に延在しており、その横方向の寸法は遊技球の2個分以上、より詳細には遊技球の4個分程度となっている。
【0035】
球受け面44の左側には
図4(b)に示すように、排出通路42の入口部42aが上方に向けて開放させて形成されている。当該入口部42aは、遊技球1個分以上であって遊技球2個分未満の開口面積を有しており、1個の遊技球が入口部42aに入球することは可能であるものの、複数の遊技球が入口部42aに同時に入球することは不可となっている。
【0036】
排出通路42は
図3に示すように入口部42aから鉛直下方に延在するように形成されているとともに、ベース体41における縦方向の途中位置にてパチンコ機10後方に向かうように通路方向が途中で変更されている。入口部42aに入球した遊技球は排出通路42を通ることにより遊技盤24の背面側に誘導され、遊技盤24の背面側に誘導された後に下方へと排出される。排出通路42の途中位置には検知センサ45が設けられている。当該検知センサ45により排出通路42に入球した遊技球、すなわち特別入賞装置35に入球した遊技球が検知される。当該検知センサ45は後述する主制御装置70と電気的に接続されており、主制御装置70は受信する信号に基づき特別入賞装置35への遊技球の入賞の有無を把握する。
【0037】
入口部42aを開閉するようにして、
図4(a)及び
図4(b)に示すように開閉部材43が設けられている。開閉部材43は遊技盤24を前後方向に貫通するようにして形成された貫通孔46に挿通されている。開閉部材43は、貫通孔46に沿って前後方向に移動することで、
図4(a)に示すように排出通路42の入口部42aの全体に対して上方から対向し当該入口部42aへの遊技球の入球を阻止する非受入位置と、
図4(b)に示すように阻止位置からパチンコ機10後方に引っ込むことで入口部42aの全体に対して対向しないことにより当該入口部42aへの遊技球の入球を可能とする受入位置との間で切り替え配置可能となっている。
【0038】
開閉部材43を移動させるために遊技盤24の背面側に開閉駆動部47が設けられている。開閉駆動部47は後述する主制御装置70と電気的に接続されている。開閉駆動部47が非駆動状態である場合には図示しないバネなどといった付勢手段の付勢力によって開閉部材43は非受入位置に配置され、開閉駆動部47が駆動状態となることにより開閉部材43が上記付勢手段の付勢力に抗して変位することで受入位置に配置される。開閉部材43が非受入位置に配置されている状態が特別入賞装置35の非受入状態であり、開閉部材43が受入位置に配置されている状態が特別入賞装置35の受入状態である。
【0039】
開閉部材43の上面は
図3に示すように右方に向けて下り傾斜となっている。また、球受け面44において非受入位置に配置されている開閉部材43よりも右方の領域も右方に向けて下り傾斜となっている。また、ベース体41における上部の左端には球受け面44から上方へと起立させて起立壁48が一体形成されている。当該起立壁48は遊技球の1個分以上の高さ寸法となっており、具体的には遊技球の2個分程度の高さ寸法となっている。上記構成であることにより
図4(a)に示すように開閉部材43が非受入位置に配置されている状況において当該開閉部材43の上方に到達した遊技球は左方への移動が起立壁48により規制されるとともに、開閉部材43の上面及び球受け面44の傾斜に沿って自重により流下することで特別入賞装置35の右方にガイドされる。特別入賞装置35は
図3に示すように可変表示ユニット37の左端から左方に遊技球1個分以上離間させて設けられているため、開閉部材43の上面及び球受け面44の傾斜に沿って特別入賞装置35の右方にガイドされた遊技球は特別入賞装置35と可変表示ユニット37との間の空間を通って下方へと流下する。これにより、特別入賞装置35に到達したものの特別入賞装置35に入賞しなかった遊技球はそのまま左側領域PA2及び下側領域PA4の流下を継続する。そして、その流下を継続した遊技球は第1作動部32に入球することが可能である。
【0040】
左側領域PA2において特別入賞装置35の上方にはスルー入賞部34が設けられている。つまり、スルー入賞部34は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。スルー入賞部34は縦方向に貫通した貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過することによりスルー入賞部34への入賞が発生することとなる。したがって、スルー入賞部34に入賞した遊技球は遊技領域PAの流下を継続することとなる。スルー入賞部34には図示しない検知センサが設けられており、当該検知センサによりスルー入賞部34に入賞した遊技球が検知される。当該検知センサは後述する主制御装置70と電気的に接続されており、主制御装置70は受信する信号に基づきスルー入賞部34への遊技球の入賞の有無を把握する。
【0041】
スルー入賞部34の鉛直下方の位置には特別入賞装置35における排出通路42の入口部42a及び非受入位置に配置されている開閉部材43が存在している。この場合に、スルー入賞部34は排出通路42の入口部42a及び非受入位置に配置されている開閉部材43に対して上方に離間させた位置に設けられているが、これらの間の領域にはスルー入賞部34に入賞した遊技球を排出通路42の入口部42a又は非受入位置に配置されている開閉部材43に確実に誘導するための第1ガイド領域49aが形成されている。第1ガイド領域49aの形成方法は任意であるが、本パチンコ機10では複数の釘24bを配列させること及び特別入賞装置35の起立壁48により第1ガイド領域49aが形成されている。第1ガイド領域49aが形成されていることにより、開閉部材43が非受入位置に配置されている状況であればスルー入賞部34に入賞した遊技球は確実に非受入位置に配置されている開閉部材43上に到達し、開閉部材43が受入位置に配置されている状況であればスルー入賞部34に入賞した遊技球は確実に排出通路42に入球する。
【0042】
左側領域PA2においてスルー入賞部34よりも上流側には、上側領域PA1から左側領域PA2に流入した遊技球を確実にスルー入賞部34に誘導するための第2ガイド領域49bが形成されている。第2ガイド領域49bの形成方法は任意であるが、本パチンコ機10では複数の釘24bを配列させることで第2ガイド領域49bが形成されている。第2ガイド領域49bが形成されていることにより左側領域PA2に流入した遊技球はスルー入賞部34に確実に入賞する。そして、上記のとおりスルー入賞部34と特別入賞装置35との間には第1ガイド領域49aが形成されていることにより、スルー入賞部34に入賞した遊技球は確実に非受入位置に配置されている開閉部材43上又は排出通路42の入口部42aに到達する。
【0043】
スルー入賞部34への入賞に基づき特別入賞装置35の開閉部材43が非受入位置から受入位置に移動する。具体的にはスルー入賞部34への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット39の普図表示部39aにて絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。そして、内部抽選の結果が受入実行状態の当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部39aにおける表示継続回が終了した後に受入実行状態へ移行する。受入実行状態では、開閉部材43が所定の態様で受入位置に配置される。この受入実行状態は1種類のみ用意されており、遊技状態に関係なく受入実行状態となった場合における開閉部材43が受入位置に配置される回数及び受入位置から非受入位置に復帰させるための条件は一定となっている。具体的には、受入実行状態となった場合には開閉部材43が受入位置に1回のみ配置されるとともに、特別入賞装置35に普電側上限個数(具体的には10個)の遊技球が入球すること及び普電側開放継続期間(具体的には0.1秒)が経過することの一方の条件が成立することで開閉部材43の位置が受入位置から非受入位置に切り替えられる。
【0044】
普図表示部39aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されている。この場合、普図表示部39aにおいて後述する図柄表示装置51のような複雑な表示を行うことは不可であるが、普図表示部39aを表示制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部39aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0045】
普図ユニット39において、普図表示部39aに隣接した位置には、普図保留表示部39bが設けられている。遊技球がスルー入賞部34に入賞した個数に対応する情報は普図側保留情報として最大4個まで保留され、普図保留表示部39bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。普図表示部39aの表示範囲は後述する図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。さらには、普図表示部39aと普図保留表示部39bとの両方分の表示範囲も、図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。これにより、普図表示部39a及び普図保留表示部39bよりも図柄表示装置51への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0046】
普図表示部39aにおける1回の表示継続回の表示継続期間は複数種類設定されている。具体的には、第1表示継続期間、第2表示継続期間及び第3表示継続期間の3種類が設定されている。第1表示継続期間が選択された場合、普図表示部39aにおける絵柄の変動表示が0.05秒行われた後に、当該表示継続回が終了した後に受入実行状態が発生するか否かを示す停止結果が0.4秒に亘って確定表示されることとなる。受入実行状態の発生に対応する表示継続回であれば、当該確定表示が終了した後に受入実行状態となり開閉部材43が受入位置に配置される。この場合に、受入実行状態においては開閉部材43が1回のみ受入位置に配置されるとともに0.1秒が経過することで開閉部材43は非受入位置に配置される。そうすると普図側保留情報が保留記憶されていない状況でスルー入賞部34に所定の遊技球が入賞して第1表示継続期間が選択された場合、そのスルー入賞部34への入賞が発生した時点から0.45秒が経過したタイミングで開閉部材43が受入位置に配置され、そのスルー入賞部34への入賞が発生した時点から0.55秒が経過したタイミングで開閉部材43が非受入位置に配置される。これに対して、スルー入賞部34と特別入賞装置35との間の距離はスルー入賞部34に入賞した遊技球が特別入賞装置35において非受入位置に配置されている開閉部材43又は排出通路42の入口部42aに到達するまでに要する最短期間は0.65秒であり最長期間は0.7秒である。したがって、普図側保留情報が保留記憶されていない状況でスルー入賞部34に所定の遊技球が入賞して第1表示継続期間が選択される場合、特別入賞装置35が開放実行状態となるとしても、当該所定の遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置(すなわち開閉部材43が開閉される位置)に到達する前に開閉部材43が受入位置に配置されてさらに当該開閉部材43が非受入位置に復帰するため、当該所定の遊技球が特別入賞装置35に入球することはない。
【0047】
ここで、遊技球の発射が継続される場合における遊技球の発射周期は0.6秒となっている。したがって、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続されている場合には基本的にはスルー入賞部34の位置に0.6秒周期で遊技球が到達し、同様に特別入賞装置35に入球可能となる位置に0.6秒周期で遊技球が到達する。そうすると所定の遊技球よりも1個前に発射された遊技球は所定の遊技球がスルー入賞部34に入賞してから0.05秒~0.1秒の間に特別入賞装置35に入球可能となる位置に到達することとなる。これに対して、所定の遊技球がスルー入賞部34に入賞してから0.45秒が経過したタイミングで開閉部材43が受入位置に配置される。したがって、所定の遊技球がスルー入賞部34に入賞したことを契機として開閉部材43が受入位置に配置されるとしても、当該所定の遊技球よりも1個前に発射された遊技球が所定の遊技球を契機とした受入実行状態の特別入賞装置35に入賞することはない。以上より、普図表示部39aにおける1回の絵柄の表示継続期間として第1表示継続期間が選択されている場合には受入実行状態になるとしても特別入賞装置35への入賞は基本的に発生しない。
【0048】
普図側保留情報は、普図表示部39aにおける表示継続回である場合又は特別入賞装置35の受入実行状態である場合、すなわち普図表示部39aにおける表示継続回を新たに開始させることができない場合においてスルー入賞部34に遊技球が入賞した場合に保留記憶される。この場合に、第1表示継続期間が選択される場合には、受入実行状態が発生しない場合には普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから次の表示継続回の開始が可能となるまでの期間が0.45秒となり、受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから受入実行状態が終了するまでの期間が0.55秒となる。これに対して、上記のとおり遊技球の発射周期は0.6秒であり基本的にはスルー入賞部34の位置に0.6秒周期で遊技球が到達する。したがって、受入実行状態が発生しない場合及び受入実行状態が発生する場合のいずれであっても、第1表示継続期間が選択されている状況においては普図表示部39aにおける表示継続回を新たに開始させることができない状況でスルー入賞部34への遊技球の入賞が発生することはないため、普図側保留情報が取得されることはない。
【0049】
第2表示継続期間が選択された場合、普図表示部39aにおける絵柄の変動表示が10秒行われた後に、当該表示継続回が終了した後に受入実行状態が発生するか否かを示す停止結果が0.4秒に亘って確定表示されることとなる。受入実行状態の発生に対応する表示継続回であれば、当該確定表示が終了した後に受入実行状態となり開閉部材43が受入位置に配置される。この受入実行状態の実行態様は第1表示継続期間が選択された場合と同様である。そうすると普図側保留情報が保留記憶されていない状況でスルー入賞部34に所定の遊技球が入賞した場合、そのスルー入賞部34への入賞が発生した時点から10.4秒が経過したタイミングで開閉部材43が受入位置に配置され、そのスルー入賞部34への入賞が発生した時点から10.5秒が経過したタイミングで開閉部材43が非受入位置に配置される。これに対して、既に説明したとおりスルー入賞部34に入賞した遊技球が特別入賞装置35において非受入位置に配置されている開閉部材43又は排出通路42の入口部42aに到達するまでに要する期間は0.65秒~0.7秒である。したがって、普図側保留情報が保留記憶されていない状況でスルー入賞部34に所定の遊技球が入賞して第2表示継続期間が選択される場合、特別入賞装置35が開放実行状態となるとしても、当該所定の遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置(すなわち開閉部材43が開閉される位置)を通過した後に開閉部材43が受入位置に配置されるため、当該所定の遊技球が特別入賞装置35に入球することはない。その一方、当該所定の遊技球よりも後に発射された遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置に到達するタイミングが、開閉部材43が受入位置に配置されている期間に含まれるタイミングであれば、当該遊技球は特別入賞装置35に入球することとなる。
【0050】
また、遊技球の発射周期は既に説明したとおり0.6秒であり、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続されている場合には基本的にはスルー入賞部34の位置に0.6秒周期で遊技球が到達する。この場合に、第2表示継続期間が選択される場合には、受入実行状態が発生しない場合には普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから次の表示継続回の開始が可能となるまでの期間が10.4秒となり、受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから受入実行状態が終了するまでの期間が10.5秒となる。したがって、受入実行状態が発生しない場合及び受入実行状態が発生する場合のいずれであっても、第2表示継続期間が選択されている状況においては普図表示部39aにおける表示継続回を新たに開始させることができない状況でスルー入賞部34への遊技球の入賞が発生することとなり、普図側保留情報が取得されることとなる。また、第2表示継続期間が選択されている状況において左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続された場合には、基準個数(具体的には2個)以上の普図側保留情報が保留記憶され、さらに言うと上限個数(具体的には4個)の普図側保留情報が保留記憶されることとなる。
【0051】
第3表示継続期間が選択された場合、普図表示部39aにおける絵柄の変動表示が0.6秒行われた後に、当該表示継続回が終了した後に受入実行状態が発生するか否かを示す停止結果が0.4秒に亘って確定表示されることとなる。受入実行状態の発生に対応する表示継続回であれば、当該確定表示が終了した後に受入実行状態となり開閉部材43が受入位置に配置される。この受入実行状態の実行態様は第1表示継続期間が選択された場合及び第2表示継続期間が選択された場合と同様である。そうすると第3表示継続期間が選択された場合、普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから1秒が経過したタイミングで開閉部材43が受入位置に配置され、当該表示継続回が開始された時点から1.1秒が経過したタイミングで開閉部材43が非受入位置に配置される。これに対して、既に説明したとおりスルー入賞部34に入賞した遊技球が特別入賞装置35において非受入位置に配置されている開閉部材43又は排出通路42の入口部42aに到達するまでに要する期間は0.65秒~0.7秒である。したがって、スルー入賞部34に所定の遊技球が入賞して第3表示継続期間が選択される場合、特別入賞装置35が開放実行状態となるとしても、当該所定の遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置(すなわち開閉部材43が開閉される位置)を通過した後に開閉部材43が受入位置に配置されるため、当該所定の遊技球が特別入賞装置35に入球することはない。その一方、当該所定の遊技球よりも後に発射された遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置に到達するタイミングが、開閉部材43が受入位置に配置されている期間に含まれるタイミングであれば、当該遊技球は特別入賞装置35に入球することとなる。
【0052】
また、遊技球の発射周期は既に説明したとおり0.6秒であり、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続されている場合には基本的にはスルー入賞部34の位置に0.6秒周期で遊技球が到達する。この場合に、第3表示継続期間が選択される場合には、受入実行状態が発生しない場合には普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから次の表示継続回の開始が可能となるまでの期間が1秒となり、受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから受入実行状態が終了するまでの期間が1.1秒となる。したがって、受入実行状態が発生しない場合及び受入実行状態が発生する場合のいずれであっても、第3表示継続期間が選択されている状況においては普図表示部39aにおける表示継続回を新たに開始させることができない状況でスルー入賞部34への遊技球の入賞が発生することとなり、普図側保留情報が取得されることとなる。この場合に取得される普図側保留情報の個数は基本的には1個となる。
【0053】
第3表示継続期間は普図側保留情報が基準個数(具体的には2個)以上記憶されている状況において表示継続回の表示継続期間が決定される場合に選択される。したがって、第3表示継続期間が選択される状況は、第2表示継続期間による表示継続回が発生した後に発生することとなる。また、上記のとおり第3表示継続期間が選択される場合には、受入実行状態が発生しない場合には普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから次の表示継続回の開始が可能となるまでの期間が1秒となり、受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから受入実行状態が終了するまでの期間が1.1秒となる。この場合、表示継続回の発生に対応する内部抽選にて受入実行状態の発生当選となる確率は高確率に設定されており、具体的には98%となっている。したがって、表示継続回が発生した場合には概ね受入実行状態が発生する。また、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続される状況においては特別入賞装置35に入球可能となる位置に基本的に遊技球の発射周期である0.6秒に1個の割合で遊技球が到達することとなるが、遊技球の流下態様によっては0.1秒程度の誤差が生じることはある。したがって、第3表示継続期間が選択されることとなる表示継続回が繰り返し選択される場合には約1/11の確率で特別入賞装置35への入賞が発生することとなる。これに対して、特別入賞装置35への入賞が発生した場合に払い出される遊技球の個数は11個となっている。よって、第3表示継続期間が選択されることとなる表示継続回が繰り返し選択される状況において左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続された場合には、遊技者の持ち球は11個程度で増減を繰り返すこととなり、第3表示継続期間が選択されることとなる表示継続回が繰り返し選択される期間における遊技者の持ち球がほとんど増減しないようにすることが可能となる。
【0054】
第1表示継続期間が選択される場合、既に説明したとおり受入実行状態が発生しない場合には普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから次の表示継続回の開始が可能となるまでの期間が0.45秒となり、受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから受入実行状態が終了するまでの期間が0.55秒となる。したがって、受入実行状態が発生しない場合及び受入実行状態が発生する場合のいずれであっても、第1表示継続期間が選択されている状況においては普図表示部39aにおける表示継続回を新たに開始させることができない状況でスルー入賞部34への遊技球の入賞が基本的に発生することはないため、基本的に普図側保留情報が取得されることはない。しかしながら、遊技球の流下態様によってはスルー入賞部34への遊技球の到達周期に0.1秒程度の誤差が生じることはある。そうすると、第1表示継続期間が選択される場合であっても普図側保留情報が保留記憶されることはあり得る。但し、この場合に保留記憶される普図側保留情報は1個が限界であり、2個以上の普図側保留情報が保留記憶されることはない。これに対して、上記のとおり第3表示継続期間が選択される基準となる普図側保留情報の基準個数は1個ではなく所定の複数個である2個に設定されている。これにより、第1表示継続期間が選択される状況からいきなり第3表示継続期間が選択される状況へと移行することが防止され、第3表示継続期間が選択される状況への移行を発生させるためには第2表示継続期間が選択される状況を発生させる必要がある構成とすることが可能となる。
【0055】
第1作動部32、第2作動部33又は特別入賞装置35への入賞が発生したことに基づいて当たり抽選が行われる。当たり抽選が行われた場合には特図ユニット38において絵柄の変動表示が行われ、最終的にその当たり抽選の結果に対応した結果が表示される。
【0056】
特図ユニット38について詳細には特図ユニット38には、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bが設けられている。第1特図表示部38aでは、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が発生したことに基づいて当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われ、最終的に抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部38bでは、第2作動部33への入賞が発生したことに基づいて当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われ、最終的に抽選結果に対応した結果が表示される。第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのいずれかにて絵柄の変動表示が開始され、その絵柄の変動表示が所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。
【0057】
第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されている。この場合、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bにおいて後述する図柄表示装置51のような複雑な表示を行うことは不可であるが、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bを表示制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0058】
特図ユニット38において、第1特図表示部38aに隣接した位置には第1特図保留表示部38cが設けられている。遊技球が第1作動部32又は特別入賞装置35に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部38cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。一方、第2特図表示部38bに対応する特図保留表示部は設けられていない。遊技球が第2作動部33に入賞した個数は第1作動部32と異なり保留記憶されない。つまり、遊技回を開始させることが可能な状況において第2作動部33への入賞が発生した場合には第2特図表示部38bにおける遊技回が実行されるものの、遊技回を開始させることができない状況において第2作動部33への入賞が発生したとしてもそれに対して遊技回の開始契機となる保留情報は記憶されない。但し、遊技回を開始させることができない状況において第2作動部33への入賞が発生した場合であってもそれに対する遊技球の払い出しは実行される。
【0059】
第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示範囲は後述する図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。また、第1特図表示部38a、第2特図表示部38b及び第1特図保留表示部38cの全体分の表示範囲も、図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。これにより、第1特図表示部38a、第2特図表示部38b及び第1特図保留表示部38cよりも図柄表示装置51への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0060】
第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおいて絵柄の変動表示が行われる場合、すなわち遊技回が実行される場合、可変表示ユニット37に設けられた図柄表示装置51においてそれに合わせて表示演出が行われる。また、図柄表示装置51では、第1作動部32、第2作動部33又は特別入賞装置35への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり結果となった後などに移行する開閉実行モード中の表示演出などが行われる。図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
【0061】
遊技回の実行中に図柄表示装置51にて行われる表示演出の内容について
図5を参照しながら説明する。
図5は遊技回が実行される場合における図柄表示装置51の表示内容を説明するための説明図である。
【0062】
図5(a)に示すように、図柄表示装置51の表示面には、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。つまり、遊技回が実行される場合、図柄表示装置51の表示面の全体を利用して図柄の変動表示が行われる。
【0063】
図6は各図柄列Z1~Z3にて変動表示される主図柄及び副図柄を説明するための説明図である。
図6(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【0064】
図5(b)に示すように、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面では、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。図柄表示装置51は、図柄列Z1~Z3毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、図柄表示装置51には、
図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4及び右上がりラインL5が設定されている。
【0065】
第1作動部32、第2作動部33又は特別入賞装置35への入賞に基づいて図柄表示装置51において図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、基本的には上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1~Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する高確大当たり結果であった場合にはいずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果であった場合にはいずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する小当たり結果であった場合にはいずれかの有効ライン上に同一図柄の組合せではなく且つリーチ図柄の組合せでもない所定の図柄の組合せ(例えば「3・4・1」)が形成される。
【0066】
上記のように各図柄列Z1~Z3にて図柄の変動表示が行われる構成において、遊技回が実行される場合における図柄表示装置51の表示演出として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄表示装置51における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、大当たり結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や大当たり結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0067】
リーチ表示には、複数の図柄列Z1~Z3のうち上図柄列Z1及び下図柄列Z3について同一の種類の図柄を停止表示させることでリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの中図柄列Z2において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。大当たり結果となる遊技回であればリーチ図柄の組合せを形成している図柄と同一の種類の図柄が中図柄列Z2におけるリーチライン上に停止表示され、大当たり結果とならない遊技回であればリーチ図柄の組合せを形成している図柄とは異なる種類の図柄が中図柄列Z2におけるリーチライン上に停止表示される。
【0068】
予告表示には、各図柄列Z1~Z3にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列Z1~Z3であって複数の図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【0069】
第1作動部32、第2作動部33又は特別入賞装置35への入賞に基づき実行された内部抽選にて大当たり結果又は小当たり結果が選択された場合、大当たり結果又は小当たり結果に対応する遊技回が終了した後に開閉実行モードに移行する。開閉実行モードにおいては特電入賞装置36への入賞が可能となる。
図3に示すように、特電入賞装置36は、右側領域PA3において第2作動部33の下方の位置に設けられている。つまり、特電入賞装置36は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
【0070】
特電入賞装置36は、
図3に示すように、遊技球が通過可能な大きさに形成された大入賞口36aを備えているとともに、当該大入賞口36aを遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態との間で切り替える特電側開閉部材36bを備えている。特電側開閉部材36bは特電用の駆動部36cにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。特電入賞装置36は大入賞口36aが入口部分となるようにして遊技球通路を備えており、大入賞口36aを通じて遊技球通路に流入した遊技球は図示しない検知センサにより検知される。当該検知センサは後述する主制御装置70と電気的に接続されており、主制御装置70は受信する信号に基づき特電入賞装置36への遊技球の入賞の有無を把握する。
【0071】
開閉実行モードには、大当たり結果を契機として発生する第1開閉実行モードと、小当たり結果を契機として発生する第2開閉実行モードとが存在している。第1開閉実行モードと第2開閉実行モードとは、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置36への入賞の発生頻度が相違している。具体的には、第1開閉実行モードでは、予め定められた複数回数(具体的には16回)のラウンド遊技が実行される。ラウンド遊技とは、特電入賞装置36の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では1回のラウンド遊技において特電入賞装置36の開閉が1回行われるとともに、各ラウンド遊技における開放継続期間が29秒に設定されている。また、各ラウンド遊技における特電入賞装置36への入賞の上限個数は10個に設定されている。発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御されるため、ラウンド遊技の開放継続期間は遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い期間に設定されていることとなる。よって、各ラウンド遊技において特電入賞装置36に上限個数以上の遊技球が入賞することを期待することができる。
【0072】
一方、第2開閉実行モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置36の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了される。第2開閉実行モードにおける特電入賞装置36の開閉回数は所定のインターバル期間(例えば1秒)を挟んで3回に設定されており、各開放回における開放継続期間は1秒に設定されている。また、第2開閉実行モードにおける上限個数は10個に設定されている。発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御されるため、第2開閉実行モードにおける特電入賞装置36の合計の開放継続期間は遊技球の発射周期と第2開閉実行モードの上限個数との積よりも短い期間に設定されていることとなる。よって、第2開閉実行モードにおいて特電入賞装置36に上限個数の遊技球が入賞することを期待することはできない。但し、第2開閉実行モードにおける特電入賞装置36の各開放回では1個又は2個の遊技球の入賞が期待できるとともに、特電入賞装置36への入賞が発生した場合には15個の遊技球の払い出しが実行されるため、第2開閉実行モードが発生することにより遊技者は持ち球を増やすことが可能となる。
【0073】
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、
図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル62を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【0074】
窓部61の上方には表示発光部63が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部64が設けられている。また、窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置85より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0075】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
【0076】
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置70が搭載されている。主制御装置70は主制御基板71が基板ボックス70aに収容されてなる。なお、基板ボックス70aに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス70aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス70aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
【0077】
主制御装置70を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック81を備えており、当該裏パック81に払出機構部82及び制御装置集合ユニット83が取り付けられている。
【0078】
払出機構部82は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク84と、当該タンク84に貯留された遊技球を払い出すための払出装置85と、を備えている。払出装置85より払い出された遊技球は、当該払出装置85の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿65a又は下皿66aに排出される。なお、払出機構部82には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
【0079】
制御装置集合ユニット83は、払出装置85を制御する機能を有する払出制御装置86と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置87と、を備えている。これら払出制御装置86と電源・発射制御装置87とは、払出制御装置86がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0080】
<パチンコ機10の電気的構成>
図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0081】
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71にはMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置70以外の制御装置のMPUについても同様である。
【0082】
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、主制御装置70に設けられた停電監視基板75が接続されているとともに、払出制御装置86が接続されている。停電監視基板75には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置87が接続されており、MPU72には停電監視基板75を介して電力が供給される。
【0083】
MPU72の入力側には、各種入賞検知センサ32a,33a,34a,36d,45(以下、各種入賞検知センサ32a~45)といった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ32a~45には、第1作動部32に設けられた検知センサ32a、第2作動部33に設けられた検知センサ33a、スルー入賞部34に設けられた検知センサ34a、特別入賞装置35に設けられた検知センサ45、及び特電入賞装置36に設けられた検知センサ36dが含まれる。また、それ以外にも一般入賞部31に設けられた検知センサが含まれる。これら各種入賞検知センサ32a~45の検知結果に基づいて、MPU72において各入賞対応入球部への入賞判定が行われる。また、MPU72では第1作動部32、第2作動部33及び特別入賞装置35への入賞に基づいて各種抽選が実行されとともに、スルー入賞部34への入賞に基づいて別の抽選が実行される。
【0084】
MPU72の出力側には、停電監視基板75、払出制御装置86及び音声発光制御装置90が接続されている。払出制御装置86には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。払出制御装置86は賞球コマンドを受信した場合、払出装置85を駆動制御することにより、その賞球コマンドにより指定されている個数の遊技球が払い出されるようにする。音声発光制御装置90は後述する表示制御装置100とともに図柄表示装置51の背面に重ねて搭載されている。音声発光制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
【0085】
MPU72の出力側には、特電入賞装置36の特電側開閉部材36bを開閉動作させる特電用の駆動部36c、特別入賞装置35の開閉部材43を開閉動作させる開閉駆動部47、特図ユニット38及び普図ユニット39が接続されている。ちなみに、特図ユニット38には、第1特図表示部38a、第2特図表示部38b及び第1特図保留表示部38cが設けられているが、これらの全てがMPU72の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット39には、普図表示部39a及び普図保留表示部39bが設けられているが、これらの全てがMPU72の出力側に接続されている。主制御基板71には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU72は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0086】
つまり、特別入賞装置35の受入実行状態の当選となった場合には、特別入賞装置35が受入状態となるようにMPU72は開閉駆動部47に駆動信号を出力し、非受入状態への復帰条件が成立した場合には当該駆動信号の出力を停止させて特別入賞装置35を非受入状態に復帰させる。また、開閉実行モードにおいて特電入賞装置36の開放開始条件が成立した場合には、特電入賞装置36が遊技球の入賞可能な開放状態となるようにMPU72は特電用の駆動部36cに駆動信号を出力し、特電入賞装置36の閉鎖条件が成立した場合には当該駆動信号の出力を停止させて特電入賞装置36を遊技球の入賞が不可な閉鎖状態とさせる。また、各遊技回及び開閉実行モードにおいては、MPU72において特図ユニット38の表示制御が実行される。また、特別入賞装置35を受入実行状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU72において普図ユニット39の表示制御が実行される。
【0087】
停電監視基板75は、主制御基板71と電源・発射制御装置87とを中継し、また電源・発射制御装置87から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置86は、主制御装置70のMPU72から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置85により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0088】
電源・発射制御装置87は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板71や払出制御装置86等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置87にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置70のRAM74及び払出制御装置86に記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置87は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0089】
音声発光制御装置90は、MPU92が搭載された音声発光制御基板91を備えている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、そのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU92は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、表示発光部63及びスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置100にコマンドを送信する。
【0090】
表示制御装置100は、MPU102が搭載された表示制御基板101を備えている。MPU102には、当該MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM103と、そのROM103内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM104と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU102は、音声発光制御装置90から受信したコマンドに基づき、図柄表示装置51の表示制御を実行する。
【0091】
また、表示制御基板101には、図示は省略するが、MPU102の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。キャラクタROMは、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
【0092】
なお、以下の説明では、説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74を主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、音声発光制御装置90のMPU92を音光側MPU92という。
【0093】
<主側MPU72にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU72にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図8を用いて説明する。
【0094】
主側MPU72は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり抽選、第1特図表示部38aの表示の設定、第2特図表示部38bの表示の設定、図柄表示装置51の遊技回用演出の設定、普図表示部39aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図8に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、当たり種別を判定する際に使用する種別カウンタC2と、図柄表示装置51における遊技回用の演出において外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、遊技回の継続期間を決定する場合に使用する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。また、特別入賞装置35を受入実行状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は主側RAM74の抽選用カウンタエリア111に設けられている。
【0095】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に「1」が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が発生した場合に、主側RAM74に設けられた第1特図用エリア112に格納される。また、当たり乱数カウンタC1及び種別カウンタC2の各数値情報は、第2作動部33への入賞が発生した場合に、主側RAM74に設けられた第2特図用の実行エリア115に格納される。
【0096】
第1特図用エリア112は、第1エリア113a、第2エリア113b、第3エリア113c及び第4エリア113dを備えており、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が第1特図側の保留情報として、いずれかのエリア113a~113dに格納される。この場合、第1エリア113a~第4エリア113dには、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア113a→第2エリア113b→第3エリア113c→第4エリア113dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア113a~113dが設けられていることにより、第1作動部32又は特別入賞装置35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1特図用エリア112において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。第1特図用エリア112には第1エリア113a~第4エリア113d以外にも第1特図用の実行エリア114が設けられている。第1特図用の実行エリア114は、第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や種別判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。第1特図用の実行エリア114には、第1特図表示部38aの変動表示を開始する際に第1エリア113aに格納された保留情報がシフトされる。
【0097】
第2特図用の実行エリア115には、遊技回を開始させることが可能な状況において第2作動部33への入賞が発生した場合に当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が第2特図側の保留情報として格納される。ここで、第1特図用エリア112には既に説明したとおり第1~第4エリア113a~113dが設けられており、遊技回を開始させることが不可な状況であっても第1特図側の保留情報が保留記憶される構成であるのに対して、第2特図側の保留情報については第2特図用の実行エリア115のみが設けられており当該第2特図側の保留情報を保留記憶するためのエリアは設けられていない。これにより、第1特図側の保留情報と第2特図側の保留情報とで保留記憶の有無の扱いを異ならせることが可能となる。
【0098】
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルー入賞部34への入賞が発生した場合に、主側RAM74に設けられた普図保留エリア116に格納される。普図保留エリア116は、第1エリア117a、第2エリア117b、第3エリア117c及び第4エリア117dを備えており、スルー入賞部34への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側保留情報として、いずれかのエリア117a~117dに格納される。この場合、第1エリア117a~第4エリア117dには、スルー入賞部34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア117a→第2エリア117b→第3エリア117c→第4エリア117dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア117a~117dが設けられていることにより、スルー入賞部34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、普図保留エリア116において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。普図保留エリア116には、普図用の実行エリア118が設けられている。普図用の実行エリア118は、普図表示部39aにて変動表示を開始する際に、誘導用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部39aの変動表示を開始する際には、普図保留エリア116の第1エリア117aに格納された普図側保留情報が普図用の実行エリア118にシフトされる。
【0099】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0100】
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、「0~99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルー入賞部34に遊技球が入賞したタイミングでその時点における普電乱数カウンタC4の値が普図保留エリア116に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって特別入賞装置35を受入実行状態に制御するか否かの受入判定が行われる。
【0101】
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、「0~399」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~399)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動部32又は特別入賞装置35に入賞したタイミングでその時点における当たり乱数カウンタC1の値が第1特図用エリア112に格納され、遊技回を開始させることが可能な状況において遊技球が第2作動部33に入賞したタイミングでその時点における当たり乱数カウンタC1の値が第2特図用の実行エリア115に格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
【0102】
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM73に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルは、第1特図側の保留情報及び第2特図側の保留情報のそれぞれに対応させて設けられている。また、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されており、それぞれのモードに対応させて当否テーブルが記憶されている。つまり、当否テーブルは、第1特図用の低確当否テーブルと、第1特図用の高確当否テーブルと、第2特図用の低確当否テーブルと、第2特図用の高確当否テーブルとの4種類が存在している。これら当否テーブルについて説明する。
図9(a)は第1特図用の低確当否テーブルの内容を説明するための説明図であり、
図9(b)は第1特図用の高確当否テーブルの内容を説明するための説明図であり、
図9(c)は第2特図用の低確当否テーブルの内容を説明するための説明図であり、
図9(d)は第2特図用の高確当否テーブルの内容を説明するための説明図である。
【0103】
第1特図用の低確当否テーブルには
図9(a)に示すように大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値が2個設定されており、それ以外の当たり乱数カウンタC1の値は外れ結果に対応している。当否判定処理にて大当たり結果が選択された場合には、当該当否判定処理に対応する遊技回が終了した後に、既に説明した第1開閉実行モードが実行され、当否判定処理にて外れ結果が選択された場合には開閉実行モードは発生しない。また、第1特図用の高確当否テーブルには
図9(b)に示すように大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値が150個設定されており、それ以外の当たり乱数カウンタC1の値は外れ結果に対応している。これにより、高確率モードの方が低確率モードの場合よりも第1特図側の保留情報を契機として大当たり結果が発生し易くなる。
【0104】
第2特図用の低確当否テーブルには
図9(c)に示すように大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値が第1特図用の低確当否テーブルと同様に2個設定されており、第2特図用の高確当否テーブルには
図9(d)に示すように大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値が第1特図用の高確当否テーブルと同様に150個設定されている。つまり、低確率モードにおいて大当たり結果となる確率は第1特図側の保留情報と第2特図側の保留情報とで同一であるとともに、高確率モードにおいて大当たり結果となる確率も第1特図側の保留情報と第2特図側の保留情報とで同一である。
【0105】
第2特図用の低確当否テーブル及び第2特図用の高確当否テーブルのいずれにおいても大当たり結果以外に小当たり結果が設定されており、当該小当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値は第2特図用の低確当否テーブル及び第2特図用の高確当否テーブルにおいて共通となる240個となっている。つまり、大当たり結果となる確率は低確率モードと高確率モードとで相違するのに対して、小当たり結果となる確率は低確率モードと高確率モードとで共通している。当否判定処理にて小当たり結果が選択された場合には、当該当否判定処理に対応する遊技回が終了した後に、既に説明した第2開閉実行モードが実行される。また、第2特図用の低確当否テーブル及び第2特図用の高確当否テーブルにおいては、大当たり結果及び小当たり結果のいずれにも対応しない当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応付けられている。
【0106】
上記のように当否テーブルが設定されていることにより第1特図側の保留情報が当否判定処理の対象となった場合には大当たり結果及び外れ結果のいずれかが選択されるのに対して、第2特図側の保留情報が当否判定処理の対象となった場合には大当たり結果及び外れ結果だけではなく小当たり結果も選択対象となる。この場合に、第2特図側の保留情報が当否判定処理の対象となった際に小当たり結果が選択される確率は、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても大当たり結果が選択される確率よりも高い。この小当たり結果が選択される確率について詳細には1/2以上となっている。これにより、第2作動部33への入賞を狙って遊技球の発射操作が行われることにより、高い確率で小当たり結果が発生することとなる。
【0107】
なお、第2特図側の保留情報が当否判定処理の対象となる場合において大当たり結果とならない場合には小当たり結果が確実又はほぼ確実に選択される構成としてもよい。また、第1特図側の保留情報が当否判定処理の対象となる場合であっても小当たり結果が選択され得る構成としてもよい。
【0108】
種別カウンタC2は、「0~29」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動部32又は特別入賞装置35に入賞したタイミングでその時点における種別カウンタC2の値が第1特図用エリア112に格納され、遊技回を開始させることが可能な状況において遊技球が第2作動部33に入賞したタイミングでその時点における種別カウンタC2の値が第2特図用の実行エリア115に格納される。そして、この格納された種別カウンタC2の値を利用して、大当たり結果の種別判定が行われる。
【0109】
図9(e)は種別カウンタC2に対する大当たり結果の種別判定を行う場合に利用される大当たり種別テーブルを説明するための説明図である。大当たり種別テーブルにおいては、「0~29」の種別カウンタC2の値のうち、「0~19」が低確大当たり結果に対応しており、「20~29」が高確大当たり結果に対応している。これら低確大当たり結果及び高確大当たり結果はいずれも第1開閉実行モードへの移行契機となる。また、低確大当たり結果となった場合には第1開閉実行モードの終了後に、当該第1開閉実行モードの開始前における当否抽選モードの種類に関係なく低確率モードに設定され、高確大当たり結果となった場合には第1開閉実行モードの終了後に、当該第1開閉実行モードの開始前における当否抽選モードの種類に関係なく高確率モードに設定される。
【0110】
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば「0」~「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動部32又は特別入賞装置35に入賞したタイミングでその時点におけるリーチ乱数カウンタC3の値が第1特図用エリア112に格納され、遊技回を開始させることが可能な状況において遊技球が第2作動部33に入賞したタイミングでその時点におけるリーチ乱数カウンタC3の値が第2特図用の実行エリア115に格納される。外れ結果に対応する遊技回が実行される場合、これら格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を利用してリーチ表示の実行の有無が決定される。
【0111】
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、「0~198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、遊技回の継続期間を主側MPU72にて決定する上で用いられる。
【0112】
<主側MPU72にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU72にて遊技を進行させるために実行される各種処理を説明する。かかる主側MPU72の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
【0113】
<メイン処理>
まず、
図10のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
【0114】
メイン処理ではまず、電源投入ウェイト処理を実行する(ステップS101)。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。その後、主側RAM74のアクセスを許可するとともに(ステップS102)、主側MPU72の内部機能レジスタの設定を行う(ステップS103)。
【0115】
その後、電源・発射制御装置87に設けられたRAM消去ボタンが手動操作されているか否かを判定し(ステップS104)、主側RAM74の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS105)。また、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップS106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する(ステップS107)。
【0116】
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去ボタンを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去ボタンが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM74の初期化として当該主側RAM74をクリアする。その後、ステップS109に進む。
【0117】
一方、RAM消去ボタンが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM74の所定のエリアを初期値に設定する。また、払出制御装置86のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置86に送信する。
【0118】
その後、ステップS110~ステップS113の残余処理に進む。つまり、主側MPU72はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110~ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110~ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【0119】
残余処理では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う(ステップS110)。また、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに(ステップS111)、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する(ステップS112)。これらの更新処理では、主側RAM74の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り替える割込み許可の設定を行う(ステップS113)。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110~ステップS113の処理を繰り返す。
【0120】
<タイマ割込み処理>
次に、
図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は4msecの周期で繰り返し起動される。
【0121】
まず停電情報記憶処理を実行する(ステップS201)。停電情報記憶処理では、停電監視基板75から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
【0122】
その後、抽選用乱数更新処理を実行する(ステップS202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
【0123】
その後、ステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに(ステップS203)、ステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する(ステップS204)。その後、遊技停止判定処理を実行する(ステップS205)。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。その後、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に(ステップS206:NO)、ステップS207以降の処理を実行する。
【0124】
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を実行する。
【0125】
その後、読み込み処理を実行する(ステップS208)。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【0126】
その後、入賞検知処理を実行する(ステップS209)。当該入賞検知処理では、各種入賞検知センサ32a~45から受信している信号を読み込むとともに、一般入賞部31、第1作動部32、第2作動部33、スルー入賞部34、特別入賞装置35及び特電入賞装置36への入賞の有無を特定する処理を実行する。
【0127】
その後、主側RAM74に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(ステップS210)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【0128】
その後、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(ステップS211)。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
【0129】
その後、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(ステップS212)。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期となるように0.6秒に1個の遊技球が発射される。
【0130】
その後、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ32a~45の断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う(ステップS213)。
【0131】
その後、第1特図表示部38aにおける遊技回の実行制御、第2特図表示部38bにおける遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する(ステップS214)。また、普図表示部39aにおける表示継続回の実行制御、及び特別入賞装置35の受入実行状態の実行制御を行うための普図普電制御処理を実行する(ステップS215)。
【0132】
その後、直前のステップS214~ステップS215の処理結果に基づいて、第1特図側の保留情報の増減個数を第1特図保留表示部38cに反映させるための出力情報の設定、及び普図側保留情報の増減個数を普図保留表示部39bに反映させるための出力情報の設定を行う(ステップS216)。また、直前のステップS214~ステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定、第2特図表示部38bの表示内容を更新させるための出力情報の設定、及び普図表示部39aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う(ステップS216)。
【0133】
その後、払出制御装置86から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(ステップS217)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(ステップS218)。また、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS219)。ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207~ステップS219の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0134】
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(
図11)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について、
図12のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0135】
特図特電制御処理ではまず保留情報の取得処理を実行する(ステップS301)。
図13は保留情報の取得処理を示すフローチャートである。第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が発生している場合(ステップS401:YES)、第1特図用エリア112の第1エリア113a~第4エリア113dに記憶されている第1特図側の保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS402:NO)、第1特図用エリア112への格納処理を実行する(ステップS403)。当該格納処理では、当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を第1特図側の保留情報として、第1特図用エリア113の第1エリア113a~第4エリア113dにおける特図側の保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第1特図側の保留情報を取得した場合には、第1特図側の保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第1特図保留表示部38cの表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。また、第1特図側の保留情報を取得した場合には、保留増加コマンドを音光側MPU92に送信する。これにより、図柄表示装置51における第1特図側の保留情報の保留記憶数を報知するための画像が第1特図側の保留情報の新たな取得に対応させて更新される。
【0136】
ステップS401にて否定判定をした場合、ステップS402にて肯定判定をした場合、又はステップS403の処理を実行した場合、第2作動部33への入賞が発生しているか否かを判定する(ステップS404)。ステップS404にて肯定判定をした場合、現状が遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況であることを条件として(ステップS405:YES)、第2特図用の実行エリア115への格納処理を実行する(ステップS406)。当該格納処理では、当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を第2特図側の保留情報として、第2特図用の実行エリア115に格納する。つまり、第2特図側の保留情報は、第1特図側の保留情報を契機とした遊技回、第2特図側の保留情報を契機とした遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況においてのみ取得される。そして、詳細は後述するように当否判定処理の実行に関して、換言すれば遊技回の実行に関して、第2特図側の保留情報は第1特図側の保留情報よりも実行契機として優先されるため、第2特図側の保留情報が第2特図用の実行エリア115に格納された場合には即座に当該第2特図側の保留情報を契機とした当否判定処理が実行され、当該第2特図側の保留情報を契機とした遊技回が開始される。なお、第2特図側の保留情報が記憶されている個数を報知するための第2特図保留表示部は設けられておらず、さらに図柄表示装置51において第2特図側の保留情報の保留記憶数を報知するための画像は表示されない。
【0137】
特図特電制御処理(
図14)の説明に戻り、ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、主側ROM73に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す(ステップS302)。特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。特図特電カウンタは、特図特電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0138】
特図特電カウンタは「0」~「6」の値を取り得るものであり、「0」~「6」の各値は各処理(ステップS305~ステップS311)の開始アドレスSA0~SA6に対応している。具体的には、特図特電カウンタの値が「0」である場合には遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS305)が実行対象となり、特図特電カウンタの値が「1」である場合には遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS306)が実行対象となり、特図特電カウンタの値が「2」である場合には遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS307)が実行対象となり、特図特電カウンタの値が「3」である場合には開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS308)が実行対象となり、特図特電カウンタの値が「4」である場合には特電入賞装置36の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS309)が実行対象となり、特図特電カウンタの値が「5」である場合には特電入賞装置36の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS310)が実行対象となり、特図特電カウンタの値が「6」である場合には開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS311)が実行対象となる。
【0139】
特図特電制御処理では、特図特電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS302)、特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを特図特電アドレステーブルから取得し(ステップS303)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS304)。以下、ステップS305~ステップS311の各処理について個別に説明する。
【0140】
<特図変動開始処理>
まずステップS305の特図変動開始処理について、
図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0141】
特図変動開始処理では、第1特図側の保留情報又は第2特図側の保留情報が記憶されていることを条件として(ステップS501:YES)、データ設定処理を実行する(ステップS502)。データ設定処理では、第2特図用の実行エリア115に第2特図側の保留情報が記憶されている場合、第1特図用エリア112に当該第2特図側の保留情報よりも先に取得された第1特図側の保留情報が取得されているか否かに関係なく、第2特図用の実行エリア115に記憶されている第2特図側の保留情報を実行対象として設定する。これにより、第2特図側の保留情報を第1特図側の保留情報よりも当否判定処理の実行契機として優先させることが可能となるとともに、遊技回の実行契機として優先させることが可能となる。なお、第2特図用の実行エリア115に記憶された第2特図側の保留情報は当該第2特図側の保留情報を契機とした遊技回が終了した場合に消去される。
【0142】
一方、データ設定処理では、第2特図用の実行エリア115に第2特図側の保留情報が記憶されていない場合、第1特図用エリア112の第1エリア113aに格納されたデータを第1特図用の実行エリア114に移動する。その後、第1特図用エリア112の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリア113a~113dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア113aのデータをクリアするとともに、第2エリア113b→第1エリア113a、第3エリア113c→第2エリア113b、第4エリア113d→第3エリア113cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。また、データ設定処理では、第1特図側の保留情報の個数が今回減少したことに合わせて第1特図保留表示部38cの表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。また、データ設定処理では、保留減少コマンドを音光側MPU92に送信する。これにより、図柄表示装置51における第1特図側の保留情報の保留記憶数を報知するための画像が特図側の保留情報の減少に対応させて更新される。
【0143】
データ設定処理を実行した後は当否判定処理を実行する(ステップS503)。当否判定処理では、データ設定処理において当否判定処理の実行対象として選択された保留情報の種類、及び現状の当否抽選モードの組合せに対応する当否テーブル(
図9(a)~
図9(d))を主側ROM73から読み出す。そして、その読み出した当否テーブルに対して、今回の当否判定処理の実行対象となっている保留情報における当たり乱数カウンタC1についての数値情報を照合する。
【0144】
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合(ステップS504:YES)、大当たり時の種別判定処理を実行する(ステップS505)。大当たり時の種別判定処理では、
図9(e)に示す大当たり種別テーブルを主側ROM73から読み出す。また、第1特図側の保留情報が今回の遊技回の契機である場合には第1特図用の実行エリア114に格納されている種別カウンタC2についての数値情報を読み出し、第2特図側の保留情報が今回の遊技回の契機である場合には第2特図用の実行エリア115に格納されている種別カウンタC2についての数値情報を読み出す。そして、その読み出した種別カウンタC2についての数値情報が上記大当たり種別テーブルにおいて設定されている低確大当たり結果及び高確大当たり結果のうちいずれの種類の大当たり結果の数値範囲に対応しているのかを判定する。
【0145】
大当たり時の種別判定処理を実行した後は、当該種別判定処理にて特定した大当たり結果の種類に対応する主側RAM74のフラグに「1」をセットする(ステップS506)。具体的には、低確大当たり結果に対応している場合には低確大当たりフラグに「1」をセットし、高確大当たり結果に対応している場合には高確大当たりフラグに「1」をセットする。これら低確大当たりフラグ及び高確大当たりフラグのいずれかに「1」がセットされた状態は開閉実行モードが終了する場合において遊技状態の移行処理が実行された場合に「0」クリアされる。
【0146】
その後、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS507)。具体的には、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのうち遊技回の実行対象となっている側に今回の遊技回において最終的に停止表示させる絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM74に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bに停止表示される絵柄の停止態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS507では、ステップS505にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の停止態様の情報を主側RAM74に記憶する。なお、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の停止態様が設定されていてもよく、少なくとも一部の大当たり結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。複数種類の絵柄の停止態様が設定されている大当たり結果について停止結果を選択する方法は任意であるが、例えば種別カウンタC2の値に応じて停止結果が選択される構成としてもよい。
【0147】
当否判定処理の結果が大当たり結果ではない場合(ステップS504:NO)、当否判定処理の結果が小当たり結果であるか否かを判定する(ステップS508)。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1特図側の保留情報が当否判定処理の対象となった場合には小当たり結果が選択されることはなく、第2特図側の保留情報が当否判定処理の対象となった場合に小当たり結果が選択され得る。当否判定処理の結果が小当たり結果である場合(ステップS508:YES)、主側RAM74に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする(ステップS509)。そして、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS510)。具体的には、第2特図表示部38bに今回の遊技回において最終的に停止表示させる小当たり結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。この場合に選択される絵柄の停止態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。なお、小当たり結果に対して1種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよく、小当たり結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。
【0148】
当否判定処理の結果が大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合(ステップS504及びステップS508:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS511)。具体的には、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのうち遊技回の実行対象となっている側に今回の遊技回において最終的に停止表示させる外れ結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0149】
いずれかの停止結果設定処理を実行した後は、遊技回の継続期間の特定処理を実行する(ステップS512)。当該特定処理では、今回の遊技回の開始契機となった保留情報が第1特図側の保留情報であれば、まず今回の遊技回はリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回が大当たり結果に対応している場合、リーチ演出が発生すると判定する。また、今回の遊技回が大当たり結果に対応していない場合であっても、今回の遊技回の開始対象となっている第1特図側の保留情報におけるリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ演出が発生すると判定する。リーチ演出が発生すると判定した場合にはリーチ発生用変動表示期間テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出した変動表示期間テーブルに対して変動種別カウンタCSの現状の数値情報を照合することで変動表示期間を決定し、その決定した変動表示期間の情報を主側RAM74に設けられたタイマカウンタにセットする。また、リーチ演出が発生しないと判定した場合にはリーチ非発生用変動表示期間テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出した変動表示期間テーブルに対して変動種別カウンタCSの現状の数値情報及び現状の第1特図側の保留情報の個数の組合せを照合することで変動表示期間を決定し、その決定した変動表示期間の情報を主側RAM74に設けられたタイマカウンタにセットする。リーチ発生用変動表示期間テーブルが参照される場合には第1特図側の保留情報の個数に関係なく変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示期間が選択されるのに対して、リーチ非発生用変動期間テーブルが参照される場合には第1特図側の保留情報の個数が多いほど短い変動表示期間が選択される。タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(
図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、第1特図側の保留情報が遊技回の開始契機となった場合に選択され得る変動表示期間は1秒~180秒となっている。
【0150】
遊技回の継続期間の特定処理では、今回の遊技回の開始契機となった保留情報が第2特図側の保留情報であれば、まず現状の当否抽選モードが高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを判定する。当否抽選モードが高確率モードであれば、第1特図側の保留情報の場合と同様に、今回の遊技回がリーチ演出の発生に対応しているか否かに応じてリーチ発生用変動表示期間テーブル及びリーチ非発生用変動表示期間テーブルのいずれかを選択する。リーチ演出が発生するのであればリーチ発生用変動表示期間テーブルに対して変動種別カウンタCSの現状の数値情報を照合することで変動表示期間を決定し、その決定した変動表示期間の情報を主側RAM74に設けられたタイマカウンタにセットする。リーチ演出が発生しないのであればリーチ非発生用変動表示期間テーブルに対して変動種別カウンタCSの現状の数値情報を照合することで変動表示期間を決定し、その決定した変動表示期間の情報を主側RAM74に設けられたタイマカウンタにセットする。ちなみに、高確率モードである場合において第2特図側の保留情報が遊技回の開始契機となった場合に選択され得る変動表示期間は1秒~60秒となっている。この場合、選択され得る最長の変動表示期間は第1特図側の保留情報が契機となった場合に選択され得る最長の変動表示期間よりも短くなっているとともに、平均の変動表示期間も第1特図側の保留情報が契機となった場合に選択され得る平均の変動表示期間よりも短くなっている。
【0151】
一方、当否抽選モードが低確率モードであれば、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果、小当たり結果及び外れ結果のいずれであるか否かに関係なく、さらにリーチ乱数カウンタC3の値及び変動種別カウンタCSの値に関係なく1200秒の変動表示期間が選択される。この変動表示期間は、第1特図側の保留情報が契機となった場合に選択され得る最長の変動表示期間よりも長く、さらに高確率モードにおいて第2特図側の保留情報が契機となった場合に選択され得る最長の変動表示期間よりも長い。このように低確率モードにおける第2特図側の保留情報を契機とした遊技回の変動表示期間を極端に長くすることにより、低確率モードにおいて第2作動部33への遊技球の入球を狙って遊技が行われた場合に遊技回の消化効率を極端に悪くすることが可能となる。第2作動部33には既に説明したとおり遊技球の入球を阻止するための開閉部材は設けられていない。それに対して、第2特図側の保留情報が当否判定処理の対象となった場合には大当たり結果が選択され得るだけではなく、高い確率で小当たり結果が選択され、小当たり結果が選択された場合には第2開閉実行モードが発生することで特電入賞装置36への遊技球の入球に基づき遊技者の持ち球が増加することとなる。この場合に低確率モードにおいては上記のとおり第2作動部33への遊技球の入球を狙って遊技が行われた場合に遊技回の消化効率を極端に悪くすることにより、低確率モードにおいては第2作動部33への遊技球の入球を狙うのではなく、第1作動部32への遊技球の入球を狙わせ、第1特図側の保留情報を契機として高確大当たり結果となり高確率モードとなった後に第2作動部33への遊技球の入球を狙うという遊技を行わせることが可能となる。
【0152】
なお、低確率モードにおいて第2作動部33への遊技球の入球を狙うことを遊技者に思いとどまらせるための方法として、上記変動表示期間の選択の構成に加えて又は代えて、例えば低確率モードにおいて右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作が行われた場合にはそれに対応する報知が行われる構成としてもよい。具体的には、低確率モードにおいて第2作動部33への遊技球の入球が発生した場合には図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64の少なくとも1個を利用して右側領域PA3に向けた遊技球の発射を止めることを遊技者に認識可能とさせる報知が行われるようにする。当該構成によっても低確率モードにおいて第2作動部33への遊技球の入球を狙うことを遊技者に思いとどまらせることが可能となる。
【0153】
ちなみに、遊技回用の演出として第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置51における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態が最終停止期間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS512にて読み出される変動表示期間の情報は遊技回の継続期間に対して最終停止期間を差し引いた期間となっている。換言すれば、遊技回の継続期間は、変動表示期間と最終停止期間との和の期間となる。
【0154】
その後、今回の当否判定処理及び種別判定処理の結果、並びにステップS512の処理結果に対応する変動用コマンド及び種別コマンドを主側ROM73から選択する(ステップS513)。そして、その選択した変動用コマンド及び種別コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS514)。音光側MPU92は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに対応する遊技回用の演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにするための制御を実行する。
【0155】
その後、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのうち今回の遊技回の実行対象となっている側における絵柄の変動表示を開始させる(ステップS515)。第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示を行わせる場合に主側MPU72に参照されるテーブルとして、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bに対して共通となる特図用の変動表示テーブルが主側ROM73に予め記憶されている。第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおいて絵柄の変動表示が実行される場合には、当否判定処理の結果及び種別判定処理の結果に関係なく同一の変動表示テーブルが使用される。第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおいて絵柄の変動表示が行われる場合、所定のパターンによる絵柄の変動表示が繰り返されることとなるが、特図用の変動表示テーブルにはその所定のパターンによる絵柄の変動表示における1周分の制御データが設定されている。したがって、第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおいて絵柄の変動表示が行われる場合、ステップS512にて決定した遊技回の継続期間が経過するまで特図用の変動表示テーブルが繰り返し使用されることとなる。
【0156】
その後、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS516)。特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため1加算されることで特図特電カウンタの値は特図変動中処理(ステップS306)に対応する「1」となる。
【0157】
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(
図12)におけるステップS306の特図変動中処理について説明する。
【0158】
特図変動中処理では、遊技回中であって最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば今回の制御対象となっている特図表示部38a,38bにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、最終停止表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、当たり結果となるか否か及びリーチ表示が発生するか否かに関係なく、一定の態様で行われる。
【0159】
最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置51にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音光側MPU92に送信するとともに、今回の制御対象となっている特図表示部38a,38bにおける絵柄の表示態様を今回の遊技回の遊技結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止期間(0.5sec)の情報を主側ROM73から読み出し、タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理(ステップS307)に対応したものに更新する。
【0160】
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(
図12)におけるステップS307の特図確定中処理について説明する。
【0161】
特図確定中処理では今回の遊技回の最終停止期間が経過していない場合にはそのまま本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の最終停止期間が経過している場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果であれば、特図特電カウンタの値を「0」クリアした後に本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果又は小当たり結果であれば、開閉実行モード移行用の処理を実行する。
【0162】
開閉実行モード移行用の処理では、主側ROM73に予め記憶されているオープニング期間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報をタイマカウンタにセットする。ちなみに、当該オープニング期間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。また、オープニングコマンドを音光側MPU92に送信する。オープニングコマンドは、音光側MPU92に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音光側MPU92は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。さらに、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電開始処理(ステップS308)に対応したものに更新する。
【0163】
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(
図12)におけるステップS308の特電開始処理について説明する。
【0164】
特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング期間が経過したか否かを判定し、経過している場合には、今回の開閉実行モードが大当たり結果を契機とした第1開閉実行モードであれば主側RAM74に設けられたラウンドカウンタにラウンド遊技の回数の情報として「16」をセットする。また、主側RAM74に設けられた入賞カウンタに上限個数の情報として「10」をセットするとともに、タイマカウンタに開放継続期間の情報として29秒に対応する情報をセットする。一方、今回の開閉実行モードが小当たり結果を契機とした第2開閉実行モードであれば主側RAM74に設けられた開閉回数カウンタに特電入賞装置36の開閉回数の情報として「3」をセットする。また、主側RAM74に設けられた入賞カウンタに上限個数の情報として「10」をセットするとともに、タイマカウンタに開放継続期間の情報として1秒に対応する情報をセットする。これら各種設定を行った後に特電入賞装置36を開放状態とする。また、開放コマンドを音光側MPU92に送信する。音光側MPU92は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り替えるための制御を実行する。特電入賞装置36を開放状態とした後は、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電開放中処理(ステップS309)に対応したものに更新する。
【0165】
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(
図12)におけるステップS309の特電開放中処理について説明する。
【0166】
特電開放中処理では、第1開閉実行モードであれば1のラウンド遊技の終了条件が成立しているか否かを判定し、当該終了条件が成立している場合には特電入賞装置36を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音光側MPU92に送信する。また、1減算後のラウンドカウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」となっていない場合には、タイマカウンタに閉鎖期間(具体的には1秒)に対応する情報をセットする。一方、第2開閉実行モードであれば1回の開放継続期間が経過したか否か、及び上限個数の遊技球が特電入賞装置36に入球したか否かを判定し、いずれかの条件が成立している場合には特電入賞装置36を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音光側MPU92に送信する。また、開放継続期間が経過した場合には1減算後の開閉回数カウンタの値が「0」となっているか否か、及び特電入賞装置36への入賞が発生している場合には入賞個数の減算後の入賞カウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、いずれもが「0」となっていない場合には、タイマカウンタに閉鎖期間(具体的には1秒)に対応する情報をセットする。これら各種設定を行った後に、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電閉鎖中処理(ステップS310)に対応したものに更新する。
【0167】
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(
図12)におけるステップS310の特電閉鎖中処理について説明する。
【0168】
特電閉鎖中処理では、今回の開閉実行モードの終了条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、第1開閉実行モードであればラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定し、第2開閉実行モードであれば開閉回数カウンタ及び入賞カウンタのいずれかが「0」であるか否かを判定する。開閉実行モードの終了条件が成立していない場合には、閉鎖期間が経過していることを条件として、特電入賞装置36を開放状態とするとともに、第1開閉実行モードであれば入賞カウンタへの上限個数の設定及びタイマカウンタへの開放継続期間の設定を行い、第2開閉実行モードであればタイマカウンタへの開放継続期間の設定を行う。また、開放コマンドを音光側MPU92に送信する。その後、特図特電カウンタを1減算することで、当該カウンタの値を特電開放中処理(ステップS309)に対応したものに更新する。
【0169】
一方、今回の開閉実行モードの終了条件が成立している場合には、エンディングコマンドを音光側MPU92に送信する。エンディングコマンドは、音光側MPU92にエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音光側MPU92は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。また、主側ROM73に予め記憶されているエンディング期間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。その後、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電終了処理(ステップS311)に対応したものに更新する。
【0170】
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(
図12)におけるステップS311の特電終了処理について説明する。
【0171】
特電終了処理では、エンディング期間が経過したか否かを判定し、エンディング期間が経過している場合には、開閉実行モード後の当否抽選モードの内容を、今回の開閉実行モードへの移行契機となった大当たり結果の種類に対応した内容に設定し、さらに特図特電カウンタを「0」クリアする。なお、今回の開閉実行モードへの移行契機が小当たり結果であった場合には当該開閉実行モードの終了後における当否抽選モードとして、当該開閉実行モードの開始前における当否抽選モードが維持されるようにする。
【0172】
<普図普電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(
図11)のステップS215にて実行される普図普電制御処理について、
図15のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0173】
スルー入賞部34への入賞が発生している場合(ステップS601:YES)、普図保留エリア116の第1エリア117a~第4エリア117dに記憶されている普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS602:NO)、普図保留エリア116への格納処理を実行する(ステップS603)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側保留情報として、普図保留エリア116の第1エリア117a~第4エリア117dにおける普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、普図側保留情報を取得した場合には、普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて普図保留表示部39bの表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0174】
ステップS601にて否定判定をした場合、ステップS602にて肯定判定をした場合、又はステップS603の処理を実行した場合、主側ROM73に記憶されている普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS604)。普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。普図普電カウンタは、普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0175】
普図普電カウンタは「0」~「3」の値を取り得るものであり「0」~「3」の各値は各処理(ステップS607~ステップS610)の開始アドレスNA0~NA3に対応している。具体的には、普図普電カウンタの値が「0」である場合には普図表示部39aにおける表示継続回を開始させるための処理である普図変動開始処理(ステップS607)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「1」である場合には普図表示部39aにおける表示継続回を進行させるための処理である普図変動中処理(ステップS608)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「2」である場合には普図表示部39aにおける表示継続回を終了させるための処理である普図確定中処理(ステップS609)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「3」である場合には特別入賞装置35の受入実行状態を制御するための処理である普電開放中処理(ステップS610)が実行対象となる。
【0176】
普図普電制御処理では、普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS604)、普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS605)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS606)。以下、ステップS607~ステップS610の各処理について個別に説明する。
【0177】
<普図変動開始処理>
まずステップS607の普図変動開始処理について、
図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0178】
普図変動開始処理では、普図側保留情報が記憶されていることを条件として(ステップS701:YES)、データ設定処理を実行する(ステップS702)。データ設定処理では、普図保留エリア116の第1エリア117aに格納されたデータを普図用の実行エリア118に移動する。その後、普図保留エリア116の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリア117a~117dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア117aのデータをクリアするとともに、第2エリア117b→第1エリア117a、第3エリア117c→第2エリア117b、第4エリア117d→第3エリア117cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。また、データ設定処理では、普図側保留情報の個数が今回減少したことに合わせて普図保留表示部39bの表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0179】
データ設定処理を実行した後は受入判定処理を実行する(ステップS703)。受入判定処理では、受入判定テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出した受入判定テーブルに対して、今回の受入判定処理の実行対象となっている普図側保留情報における普電乱数カウンタC4についての数値情報を照合する。この場合、既に説明したとおり98%の確率で受入当選結果となる。
【0180】
受入判定処理の結果が受入当選結果である場合(ステップS704:YES)、受入当選結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS705)。具体的には、普図表示部39aにおける今回の表示継続回において最終的に停止表示させる受入当選結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。なお、受入当選結果に対して1種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよく、受入当選結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。
【0181】
受入判定処理の結果が受入当選結果ではない場合(ステップS704:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS706)。具体的には、普図表示部39aに今回の表示継続回において最終的に停止表示させる外れ結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、受入当選結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0182】
いずれかの停止結果設定処理を実行した後は、普図変動期間の特定処理を実行する(ステップS707)。その後、普図表示部39aにおける絵柄の変動表示を開始させる(ステップS708)。普図表示部39aにて絵柄の変動表示を行わせる場合に主側MPU72に参照されるテーブルとして、普図用の変動表示テーブルが主側ROM73に予め記憶されている。普図表示部39aにおいて絵柄の変動表示が実行される場合には、受入判定処理の結果に関係なく同一の変動表示テーブルが使用される。普図表示部39aにおいて絵柄の変動表示が行われる場合、所定のパターンによる絵柄の変動表示が繰り返されることとなるが、普図用の変動表示テーブルにはその所定のパターンによる絵柄の変動表示における1周分の制御データが設定されている。したがって、普図表示部39aにおいて絵柄の変動表示が行われる場合、確定表示を行う直前まで普図用の変動表示テーブルが繰り返し使用されることとなる。その後、普図普電カウンタの値を1加算する(ステップS709)。これにより、普図普電カウンタの値は普図変動中処理(ステップS608)に対応する「1」となる。
【0183】
図17はステップS707における普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。まず普図保留エリア116の第1エリア117a~第4エリア117dに記憶されている普図側保留情報の個数が基準個数以上であるか否かを判定する(ステップS801)。当該基準個数は具体的には2個となっている。
【0184】
ステップS801にて否定判定をした場合には、期間選択用の抽選処理を実行する(ステップS802)。当該抽選処理では主側RAM74において定期的(例えば4ミリ秒周期)に更新される乱数カウンタから数値情報を取得するとともに、その取得した数値情報を主側ROM73に予め記憶された期間選択用テーブルに対して照合する。期間選択用テーブルは1/500の確率で選択当選結果となるように設定されている。
【0185】
期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果ではなく外れ結果であった場合(ステップS803:NO)、今回の表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間を選択する(ステップS804)。既に説明したとおり第1表示継続期間は0.45秒となっている。期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果であった場合(ステップS803:YES)、今回の表示継続回の表示継続期間として第2表示継続期間を選択する(ステップS805)。既に説明したとおり第2表示継続期間は10.4秒となっている。つまり、普図側保留情報の個数が基準個数未満である場合には、期間選択用の抽選処理にて選択当選結果とならない限り第1表示継続期間が選択され、期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となった場合に第2表示継続期間が選択される。そして、この選択当選結果となる確率は1/500であるため、第1特図側の保留情報又は第2特図側の保留情報を契機として低確率モードにおいて大当たり結果となる確率(具体的には1/200)よりも低い確率となっている。但し、これに限定されることはなく、選択当選結果となる確率が1/100などに設定されていることにより、当該選択当選結果となる確率が、第1特図側の保留情報又は第2特図側の保留情報を契機として低確率モードにおいて大当たり結果となる確率(具体的には1/200)よりも高い確率である構成としてもよく、選択当選結果となる確率が1/200に設定されていることにより、当該選択当選結果となる確率が、第1特図側の保留情報又は第2特図側の保留情報を契機として低確率モードにおいて大当たり結果となる確率(具体的には1/200)と同一である構成としてもよい。
【0186】
一方、普図側保留情報の個数が基準個数以上である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、今回の表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間を選択する(ステップS806)。つまり、普図側保留情報の個数が基準個数以上である場合には抽選処理が実行されることなく確実に第3表示継続期間が選択される。既に説明したとおり第3表示継続期間は1秒となっている。
【0187】
ステップS804~ステップS806のいずれかの処理を実行した場合、ステップS804~ステップS806のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の普図側タイマカウンタに設定する(ステップS807)。普図側タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(
図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
【0188】
<普図変動中処理>
次に、普図普電制御処理(
図15)におけるステップS608の普図変動中処理について説明する。
【0189】
普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している普図側タイマカウンタの値が残り0.4秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、普図表示部39aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、確定表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、受入当選結果となるか否かに関係なく一定の態様で行われる。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、普図表示部39aにおける絵柄の表示態様を今回の受入判定処理の判定結果に対応した表示態様とする。そして、普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を普図変動中処理に対応したものから普図確定中処理に対応したものに更新する。
【0190】
<普図確定中処理>
次に、普図普電制御処理(
図15)におけるステップS609の普図確定中処理について、
図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0191】
今回の表示継続回の表示継続期間を計測しているタイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.4秒)が経過したか否かを判定する(ステップS901)。確定表示期間が経過している場合には(ステップS901:YES)、今回の表示継続回における受入判定処理の結果が受入当選結果であるか否かを判定する(ステップS902)。受入当選結果ではない場合(ステップS902:NO)、普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に(ステップS903)、本普図確定中処理を終了する。
【0192】
受入当選結果である場合(ステップS902:YES)、主側RAM74に設けられた普電開放カウンタに特別入賞装置35の開閉回数の情報として「1」をセットする(ステップS904)。また、主側RAM74に設けられた普電入賞カウンタに今回の受入実行状態における特別入賞装置35への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする(ステップS905)。また、普図側タイマカウンタに特別入賞装置35の開放継続期間の情報として0.1秒に対応する情報をセットする(ステップS906)。また、開閉駆動部47への駆動信号の出力を開始することで特別入賞装置35を受入状態とする(ステップS907)。その後、普図普電カウンタを1加算する。これにより、普図普電カウンタの値は普電開放中処理(ステップS610)に対応する「3」となる。
【0193】
<普電開放中処理>
次に、普図普電制御処理(
図15)におけるステップS610の普電開放中処理について説明する。
【0194】
普電開放中処理では、特別入賞装置35への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の普電入賞カウンタの値から減算する。そして、普電入賞カウンタの値が「0」である場合には主側RAM74の普電開放カウンタの値を「0」クリアし、さらに開閉駆動部47への駆動信号の出力を停止することで特別入賞装置35を非受入状態とする。そして、普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図変動開始処理(ステップS607)となる。また、普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても主側RAM74の普図側タイマカウンタの値が「0」である場合には、主側RAM74の普電入賞カウンタ及び普電開放カウンタの値を「0」クリアし、さらに開閉駆動部47への駆動信号の出力を停止することで特別入賞装置35を非受入状態とする。そして、普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図変動開始処理(ステップS607)となる。
【0195】
<普図表示部39aの表示継続期間と特別入賞装置35の受入状態との関係>
次に、
図19のタイムチャートを参照しながら普図表示部39aの表示継続期間と特別入賞装置35の受入状態との関係について説明する。
図19(a)はスルー入賞部34を遊技球が通過している期間を示し、
図19(b)は特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球が存在している期間を示し、
図19(c)は普図表示部39aにおいて表示継続回が実行されている期間を示し、
図19(d)は特別入賞装置35が受入状態となっている期間を示し、
図19(e)は普図側保留情報の保留個数を示す。
【0196】
既に説明したとおり左側領域PA2に流入する遊技球は全てスルー入賞部34に入賞することとなるとともに、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続された場合にはスルー入賞部34の位置に0.6秒周期で遊技球が到達する。したがって、
図19(a)に示すようにt1のタイミング、t3のタイミング、t6のタイミング、t8のタイミング、t10のタイミング、t12のタイミング、t14のタイミング、t16のタイミング、t19のタイミング及びt22のタイミングのそれぞれでスルー入賞部34に遊技球が入賞することとなる。
【0197】
スルー入賞部34は貫通孔を有しており当該貫通孔を通過することでスルー入賞部34への入賞が発生することとなり、スルー入賞部34に入賞した遊技球はそのまま遊技領域PAの流下を継続する。そして、スルー入賞部34に入賞した遊技球は当該スルー入賞部34に入賞してから0.65秒~0.7秒の範囲で特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達する。したがって、
図19(b)に示すように、t1のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt4のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t3のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt7のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t6のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt9のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t8のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt11のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t10のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt13のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t12のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt15のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t16のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt20のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達し、t19のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt23のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達することとなる。
【0198】
この場合に、普図側保留情報が保留記憶されていないt1のタイミングにおけるスルー入賞部34への入賞を契機として
図19(c)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミングに亘って普図表示部39aにおける表示継続回が発生し、さらに普図側保留情報が保留記憶されていないt3のタイミングにおけるスルー入賞部34への入賞を契機として
図19(c)に示すようにt3のタイミング~t5のタイミングに亘って普図表示部39aにおける表示継続回が発生することとなる。これら表示継続回が開始される場合における普図変動期間の特定処理(
図17)にて期間選択用の抽選処理(ステップS802)にて選択当選結果とならないことにより、これら表示継続回の表示継続期間はいずれも第1表示継続期間となっている。そして、第1表示継続期間の表示継続回が終了した後は、
図19(d)に示すようにt2のタイミング及びt5のタイミングのそれぞれで特別入賞装置35が受入状態となる。第1表示継続期間は既に説明したとおり0.45秒であり、さらにその後に続けて受入実行状態と開始されるとしても当該受入実行状態による特別入賞装置35の受入状態が維持される期間は0.1秒であるため、これらの合計期間である0.55秒は遊技球の発射周期である0.6秒よりも短い。したがって、これら普図表示部39aの表示継続回及び特別入賞装置35の受入実行状態においてスルー入賞部34への新たな入賞は発生することはなく、
図19(e)に示すように普図側保留情報は保留記憶されない。
【0199】
また、t1のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球は当該遊技球を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態が終了した後のタイミングであるt4のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達するとともに、t3のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球は当該遊技球を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態が終了した後のタイミングであるt7のタイミングで、特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達する。したがって、これら遊技球は自らが契機となって実行された受入実行状態の特別入賞装置35に入賞することはない。さらにまた、t3のタイミング~t5のタイミングにおける普図表示部39aの表示継続回を例に挙げて説明すると、t3のタイミングでスルー入賞部34に入賞する遊技球よりも1個前に発射された遊技球はt4のタイミングで特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達することとなるが、当該遊技球が特別入賞装置35への入賞が可能となる位置を通過した後に、当該遊技球の次にスルー入賞部34に入賞した遊技球を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態が開始される。したがって、普図表示部39aの表示継続期間として第1表示継続期間が選択されている状況においては基本的に特別入賞装置35への入賞が発生しない。
【0200】
普図側保留情報が保留記憶されていないt6のタイミングにおけるスルー入賞部34への入賞を契機として
図19(c)に示すようにt6のタイミング~t17のタイミングに亘って普図表示部39aにおける表示継続回が発生する。当該表示継続回が開始される場合における普図変動期間の特定処理(
図17)にて期間選択用の抽選処理(ステップS802)にて選択当選結果となることにより、当該表示継続回の表示継続期間は第2表示継続期間となっている。第2表示継続期間は既に説明したとおり10.4秒であり、さらにその後に続けて受入実行状態が開始されるとしても当該受入実行状態による特別入賞装置35の受入実行状態が維持される期間は0.1秒であるため、これらの合計期間である10.5秒は遊技球の発射周期の4倍よりも長い。したがって、これら合計期間に対応するt6のタイミング~t18のタイミングの期間に含まれるt8のタイミング、t10のタイミング、t12のタイミング及びt14のタイミングのそれぞれにおいて
図19(a)に示すようにスルー入賞部34への入賞が発生し、
図19(e)に示すように各タイミングで普図側保留情報が保留記憶されていく。そして、t14のタイミングで普図側保留情報の保留記憶数が上限個数に到達する。
【0201】
その後、
図19(d)に示すようにt18のタイミングで、t6のタイミングで開始された表示継続回を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態が終了することで、
図19(c)に示すようにt18のタイミングで普図表示部39aにおける新たな表示継続回が開始されるとともに、
図19(e)に示すように保留記憶されている普図側保留情報の個数が1個減算される。この場合、普図側保留情報の保留個数が基準個数(具体的には2個)以上である状況で新たな表示継続回における普図変動期間の特定処理(
図17)が実行されるため、当該特定処理にて表示継続期間として第3表示継続期間が選択される。第3表示継続期間は既に説明したとおり1秒であり、さらにその後に続けて受入実行状態が開始されるとしても当該受入実行状態による特別入賞装置35の受入実行状態が維持される期間は0.1秒であるため、これらの合計期間である1.1秒は遊技球の発射周期よりも長い。したがって、普図表示部39aの新たな表示継続回を開始させることが可能となるタイミングよりも前のタイミングであるt19のタイミングで
図19(a)に示すようにスルー入賞部34への新たな入賞が発生し、
図19(e)に示すように当該t19のタイミングで普図側保留情報が新たに取得されて普図側保留情報の保留記憶数が上限個数となる。これにより、普図側保留情報の保留記憶数が基準個数以上となり普図表示部39aの表示継続期間として第3表示継続期間が選択される状況となった場合には、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射を継続させることにより当該第3表示継続期間が選択される状況が継続されることとなる。
【0202】
但し、上記合計期間である1.1秒は遊技球の発射周期の2倍よりも短い。したがって、第3表示継続期間の表示継続回及び当該表示継続回を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態の合計期間にてスルー入賞部34に入賞する遊技球の個数は基本的に1個となり、多くても2個となる。この場合、第2表示継続期間が選択されたことで普図側保留情報の保留記憶数が基準個数以上となったとしても、第3表示継続期間の表示継続回及び当該表示継続回を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態の第3表示継続期間の表示継続回及び当該表示継続回を契機とした特別入賞装置35の受入実行状態の1回の合計期間においてスルー入賞部34への入賞を1回発生させていなかいと、第3表示継続期間が選択される状況を継続させることができなくなる。よって、第3表示継続期間が選択される状況においてスルー入賞部34に遊技球が入賞するか否かに注目することとなるため、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0203】
ここで、普図側保留情報の保留記憶数が基準個数以上となり普図表示部39aの表示継続期間として第3表示継続期間が繰り返し選択される状況は、第1特図側の保留情報を契機とした当否判定処理にて大当たり結果が選択されて第1開閉実行モードが発生した場合に自ずと終了される。つまり、第1開閉実行モードとなった場合には特電入賞装置36が開閉されることとなるとともに当該特電入賞装置36への入賞を発生させることで多数の遊技球が払い出されることとなるが、当該特電入賞装置36は右側領域PA3に設けられており右側領域PA3を流下するように発射操作が継続された場合には左側領域PA2に設けられたスルー入賞部34への入賞が発生しない。そして、上限個数分の普図側保留情報の全ての表示継続回及び特別入賞装置35の受入実行状態が終了するまでに要する最長期間は、第1開閉実行モードが終了するまでに要する最短期間よりも短い。さらに言うと、上限個数分の普図側保留情報の全ての表示継続回及び特別入賞装置35の受入実行状態が終了するまでに要する最長期間は、第1開閉実行モードにおける1回のラウンド遊技が終了するまでに要する最短期間よりも短い。したがって、普図表示部39aの表示継続期間として第3表示継続期間が選択される状況は、基本的に第1開閉実行モードが発生した場合に終了されるようにすることが可能となり、第3表示継続期間が選択される状況が過剰に長く継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0204】
第3表示継続期間は普図側保留情報が基準個数(具体的には2個)以上記憶されている状況において表示継続期間が開始される場合に選択される。したがって、第3表示継続期間が選択される状況は、第2表示継続期間による表示継続回が発生した後に発生することとなる。また、上記のとおり第3表示継続期間が選択される場合には、受入実行状態が発生しない場合には普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから次の表示継続回の開始が可能となるまでの期間が1秒となり、受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aにおける表示継続回が開始されてから受入実行状態が終了するまでの期間が1.1秒となる。この場合、表示継続回の発生に対応する内部抽選にて受入実行状態の発生当選となる確率は高確率に設定されており、具体的には98%となっている。したがって、表示継続回が発生した場合には概ね受入実行状態が発生する。また、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続される状況においては特別入賞装置35に入球可能となる位置に基本的に遊技球の発射周期である0.6秒に1個の割合で遊技球が到達することとなるが、遊技球の流下態様によっては0.1秒程度の誤差が生じることはある。したがって、第3表示継続期間が選択されることとなる表示継続回が繰り返し選択される場合には約1/11の確率で特別入賞装置35への入賞が発生することとなる。
図19の場合について具体的には、t18のタイミング~t21のタイミングに亘る第3表示継続期間の表示継続回が終了した後におけるt21のタイミング~t24のタイミングに亘る特別入賞装置35の受入実行状態の途中のタイミングであるt23のタイミングで
図19(b)に示すように特別入賞装置35に入賞可能となる位置に遊技球が到達するため、当該遊技球は特別入賞装置35に入賞することとなる。特別入賞装置35への入賞が発生した場合に払い出される遊技球の個数は11個となっている。つまり、左側領域PA2に11個の遊技球が供給された場合にそのうちの1個が特別入賞装置35に入賞する可能性がある構成において、特別入賞装置35への入賞が発生することで11個の遊技球が払い出される。よって、第3表示継続期間が選択されることとなる表示継続回が繰り返し選択される状況において左側領域PA2を流下するように遊技球の発射が継続された場合には、遊技者の持ち球は11個程度で増減を繰り返すこととなり、第3表示継続期間が選択されることとなる表示継続回が繰り返し選択される期間における遊技者の持ち球がほとんど増減しないようにすることが可能となる。
【0205】
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0206】
左側領域PA2にスルー入賞部34及び特別入賞装置35が設けられており、スルー入賞部34に遊技球が入賞したことに基づき実行された受入判定処理にて受入当選結果となることで特別入賞装置35が受入状態となる。また、特別入賞装置35が受入状態となる場合、普図表示部39aにおいて絵柄の変動表示を含む表示継続回が実行された後に特別入賞装置35が受入状態となる。これにより、遊技者は特別入賞装置35が受入状態となることを事前に予測することが可能となる。この場合に、表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が設定されている場合には特別入賞装置35が受入状態となっている状況において当該特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球が到達し得るのに対して、表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間が設定されている場合には特別入賞装置35が受入状態となっている状況において当該特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球が基本的に到達しない。これにより、所定期間として第3表示継続期間が設定されることを遊技者は期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、表示継続回の表示継続期間を調整することにより上記のような状況を生じさせることが可能となるため、特別入賞装置35を受入状態と非受入状態との間で切り替える制御を複雑化させることなく上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0207】
普図表示部39aの表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間及び第3表示継続期間のいずれが選択される場合であっても受入実行状態における特別入賞装置35の制御態様は一定である。これにより、特別入賞装置35を受入状態と非受入状態との間で切り替える制御処理の構成を簡素なものとしながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0208】
特別入賞装置35への入賞が基本的に発生しないことになる第1表示継続期間は、特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生し得ることになる第3表示継続期間よりも短い期間となっている。これにより、特別入賞装置35への入賞が基本的に発生しないことに対応する一の表示継続回が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0209】
第3表示継続期間は遊技球の発射周期以上の期間であり、第1表示継続期間は遊技球の発射周期未満の期間である。これにより、普図表示部39aの表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が設定されている状況においてはスルー入賞部34に入賞可能となる位置に1個以上の遊技球が供給されることを期待することが可能となる一方、第1表示継続期間が設定されている状況においては一の表示継続回が実行されている範囲において無駄に消費されてしまう遊技球の数を抑えることが可能となる。
【0210】
左側領域PA2においてスルー入賞部34は特別入賞装置35よりも上流側に設けられており、スルー入賞部34に入賞した遊技球は特別入賞装置35に入球可能となる位置に到達し得る。これにより、1個の遊技球によってスルー入賞部34の入賞と特別入賞装置35の入賞との両方を生じさせることが可能となる。この場合に、スルー入賞部34に入賞した遊技球は特別入賞装置35に入球可能となる位置に確実に到達する。これにより、普図表示部39aの表示継続回が開始されるタイミングに対する特別入賞装置35に入球可能となる位置に遊技球が到達するタイミングの相対的な関係を特定し易くなるため、表示継続期間の設定に対する特別入賞装置35への遊技球の入球のし易さを調整し易くなる。
【0211】
第1表示継続期間はスルー入賞部34に入賞した遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置に到達するまでに要する最短期間よりも短い期間である。これにより、普図表示部39aの表示継続回において第1表示継続期間が設定されている場合には、スルー入賞部34に入賞して普図表示部39aの表示継続回を開始させた遊技球が特別入賞装置35に入賞しないようにすることが可能となる。
【0212】
第1表示継続期間は、スルー入賞部34に所定の遊技球が入賞したことを契機として第1表示継続期間の計測が開始される場合において当該所定の遊技球に対して1個前の発射順序の遊技球が特別入賞装置35に入球可能となる位置を通過した後に経過する期間である。これにより、普図表示部39aの表示継続回において第1表示継続期間が設定されている場合にはスルー入賞部34に入賞して普図表示部39aの表示継続回を開始させた所定の遊技球及び当該所定の遊技球に対して1個前の発射順序の遊技球の両方が、当該所定の遊技球によるスルー入賞部34への入賞に基づき受入状態となっている特別入賞装置35に入賞しないようにすることが可能となる。よって、普図表示部39aの表示継続回において第1表示継続期間が設定されている場合には特別入賞装置35への入賞を基本的に不可とすることが可能となる。
【0213】
普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定されている場合、特別入賞装置35に入賞可能となる位置に連続して遊技球が供給されている場合に特別入賞装置35への入賞が発生する確率は1/11であるのに対して、特別入賞装置35に1個の遊技球が入賞した場合には11個の遊技球が遊技者に付与される。これにより、第3表示継続期間に設定されている場合には実質的に遊技者の所有している遊技球を増減させないようにしながら特別入賞装置35への入賞を狙わせることが可能となる。
【0214】
普図表示部39aの表示継続回において第1表示継続期間が設定されている場合、当該表示継続回の後に特別入賞装置35の受入実行状態が発生するとしても普図表示部39aの表示継続回を新たに開始させるために必要な期間が遊技球の発射周期よりも短い期間となる。したがって、第1表示継続期間が設定されている場合には基本的に普図側保留情報が取得されない。これにより、第1表示継続期間が設定されている場合にはスルー入賞部34に遊技球が入賞したタイミングで普図表示部39aの表示継続回が開始されることとなるため、当該第1表示継続期間が設定されている状況においては特別入賞装置35に入球可能となる位置に遊技球が到達するタイミングと当該特別入賞装置35が受入状態となるタイミングとの関係をパチンコ機10の設計段階において想定した関係となるようにすることが可能となる。よって、第1表示継続期間が設定されている場合には特別入賞装置35への入賞が基本的には発生しないように設計し易くなる。
【0215】
普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定されている場合、当該表示継続回の後に特別入賞装置35の受入実行状態が発生するか否かに関係なく普図表示部39aの表示継続回を新たに開始させるために必要な期間が遊技球の発射周期よりも長い期間となる。したがって、第3表示継続期間が設定されている場合にはスルー入賞部34への入賞が発生したタイミングとは異なるタイミングで普図表示部39aの表示継続回が開始され易くなる。よって、第3表示継続期間が設定されている場合には特別入賞装置35に入球可能となる位置に遊技球が到達するタイミングと当該特別入賞装置35が受入実行状態となるタイミングとの関係を不規則なものとすることが可能となる。
【0216】
基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されていない状況において普図表示部39aの表示継続回が開始される場合に当該表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間が設定され、基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている状況において普図表示部39aの表示継続回が開始される場合に当該表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が設定される。これにより、特別入賞装置35への入賞の発生を期待する遊技者は基準個数以上の普図側保留情報が取得されるか否かに注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0217】
また、既に説明したとおり第3表示継続期間が設定されている場合には、表示継続回の後に特別入賞装置35の受入実行状態が発生するか否かに関係なく普図表示部39aの表示継続回を新たに開始させるために必要な期間が遊技球の発射周期よりも長い期間となる。これにより、基準個数以上の普図側保留情報が一旦保留記憶された場合には第3表示継続期間が設定される状況をスルー入賞部34への入賞を連続的に発生させることにより維持させることが可能となる。
【0218】
上記基準個数は複数の個数として設定されている。これにより、普図表示部39aの表示継続回において第1表示継続期間が設定されている状況において偶発的にスルー入賞部34への入賞が発生して1個の普図側保留情報が取得されたとしても、その後に第3表示継続期間が設定されることはない。よって、第3表示継続期間が設定される状況を発生しづらくさせることが可能となる。
【0219】
基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている状況において普図表示部39aの表示継続回が開始される場合に、特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生することを可能とする第3表示継続期間が設定される。これにより、普図側保留情報の保留記憶の状況によって遊技者の有利度が相違することとなるため、普図側保留情報が保留記憶されるか否かに遊技者を注目させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0220】
基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されていない状況において期間選択用の抽選処理にて選択当選となることで、普図表示部39aの表示継続回において第2表示継続期間が設定される。そして、第2表示継続期間が設定されている場合には、表示継続回の後に特別入賞装置35の受入実行状態が発生するか否かに関係なく普図表示部39aの表示継続回を新たに開始させることが可能となるまでに基準個数よりも多い数の遊技球をスルー入賞部34に入賞させることが可能となる。これにより、普図表示部39aの表示継続回にて第1表示継続期間が繰り返し設定されている状況において、第3表示継続期間が設定される状況への切り替え契機を生じさせることが可能となる。さらに、このような切り替えを表示継続期間の設定によって実現することが可能となる。
【0221】
第2表示継続期間が設定されている場合には基準個数よりも2個以上多い数分の遊技球をスルー入賞部34に入賞させることが可能となり、この場合、普図側保留情報が基準個数よりも2個以上多く保留記憶されることとなる。これにより、第2表示継続期間が設定された場合には、その後に普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定される状況が長く継続されるようにすることが可能となる。
【0222】
スルー入賞部34及び特別入賞装置35は左側領域PA2に設けられているのに対して、特電入賞装置36は右側領域PA3に設けられている。これにより、基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されており普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が繰り返し設定されている状況において開閉実行モードへの移行が発生した場合、開閉実行モードと並行して第3表示継続期間となる普図表示部39aの表示継続回が実行されたとしても、特電入賞装置36への入賞を狙って発射操作が行われることでスルー入賞部34への入賞が発生しないことにより、当該開閉実行モードの最中に基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されていない状況となる。よって、第3表示継続期間が繰り返し設定される状況を開閉実行モードの発生を契機として終了させることが可能となり、第3表示継続期間が繰り返し設定される状況が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0223】
また、開閉実行モードが開始されてから終了するまでに要する最短の期間は、上限個数分の普図側保留情報が保留記憶されている状況において基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されていない状況で普図表示部39aの表示継続回が開始されるまでに要する最長の期間よりも長い期間に設定されている。したがって、開閉実行モードが発生した場合には、第3表示継続期間が繰り返し設定される状況を確実に終了させることが可能となる。
【0224】
特別入賞装置35への入賞が発生することに基づいて第1特図側の保留情報が取得されることにより当否判定処理が実行され、当否判定処理にて大当たり結果が選択された場合に開閉実行モードが発生する。これにより、特別入賞装置35への入賞が発生することを期待することとなり、結果的に普図表示部39aの表示継続回において第2表示継続期間又は第3表示継続期間が選択されるか否かに遊技者を注目させることが可能となる。また、第1作動部32への入賞が発生することに基づいて第1特図側の保留情報が取得される構成において特別入賞装置35への入賞が発生した場合にも第1特図側の保留情報が取得される。これにより、開閉実行モードへの移行を期待する遊技者は第1作動部32への入賞が発生することだけではなく特別入賞装置35への入賞が発生することも期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0225】
第1作動部32、スルー入賞部34及び特別入賞装置35はいずれも左側領域PA2を流下するように発射操作が行われている場合に遊技球が到達可能な位置に設けられている。これにより、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作を行うことで、第1作動部32、スルー入賞部34及び特別入賞装置35の全てについて入賞の発生を狙うことが可能となる。よって、発射操作が複雑化してしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0226】
<第1の実施形態の別形態>
(1)開閉実行モードが発生した場合には普図側保留情報が消去される構成としてもよい。この場合、第3表示継続期間が選択される状況において開閉実行モードとなった場合には当該開閉実行モードを契機として第3表示継続期間が選択されない状況に強制的に移行させることが可能となる。
【0227】
(2)普図側保留情報が取得されたとしても受入判定処理にて受入当選結果とならないと特別入賞装置35が受入実行状態とならない構成としたが、普図側保留情報が取得された場合には確実に特別入賞装置35が受入実行状態となる構成としてもよく、普図側保留情報が取得された場合には略100%の確率で特別入賞装置35が受入実行状態となる構成としてもよい。
【0228】
(3)特別入賞装置35への入賞が発生した場合に第1特図側の保留情報が取得される構成に代えて、第2特図側の保留情報が取得される構成としてもよい。当該構成においては例えば第2作動部33に代えて右側領域PA3にスルー入賞部34及び特別入賞装置35の組合せを設け、当否抽選モードが低確率モードである場合には普図表示部39aの表示継続回において第1表示継続期間が選択され、当否抽選モードが高確率モードである場合には普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が選択される構成としてもよい。これにより、低確率モードである場合には特別入賞装置35への入賞が不可又は発生しづらくなり、高確率モードである場合には特別入賞装置35への入賞が可能又は発生し易くすることが可能となる。なお、当該構成においては高確率モードにて第2特図側の保留情報が高頻度で取得される構成とする必要があるため、第3表示継続期間が選択される場合における特別入賞装置35への入賞頻度を高めることが好ましい。また、当該構成において特別入賞装置35への入賞に基づき遊技者の持ち球が極端に増加してしまうことは好ましくないため、特別入賞装置35への入賞に基づき払い出される遊技球の個数を1個や2個とすることが好ましい。
【0229】
(4)上記(3)の別形態のように特別入賞装置35への入賞が発生した場合には第2特図側の保留情報が取得される構成において、第2作動部33を不具備とする一方、スルー入賞部34及び特別入賞装置35の組合せを上側領域PA1、左側領域PA2又は下側領域PA4に設けて第1作動部32に向けて流下し得るように遊技領域PAに遊技球が供給されている場合にはスルー入賞部34及び特別入賞装置35への入賞が発生し得る構成としてもよい。当該構成において、当否抽選モードが低確率モードである場合には普図表示部39aの表示継続回において基本的には第1表示継続期間が選択されるとともに所定の確率で第2表示継続期間が選択されるようにし、当否抽選モードが高確率モードである場合には普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が選択される構成としてもよい。これにより、高確率モードにおいて特別入賞装置35への入賞に基づき第2特図側の保留情報が取得されるようにしながら、低確率モードであっても所定の確率で特別入賞装置35への入賞に基づき第2特図側の保留情報が取得されるようにすることが可能となる。なお、当該構成においては高確率モードにて第2特図側の保留情報が高頻度で取得される構成とする必要があるため、第3表示継続期間が選択される場合における特別入賞装置35への入賞頻度を高めることが好ましい。また、当該構成において特別入賞装置35への入賞に基づき遊技者の持ち球が極端に増加してしまうことは好ましくないため、特別入賞装置35への入賞に基づき払い出される遊技球の個数を1個や2個とすることが好ましい。
【0230】
(5)上記第1の実施形態や上記(4)の別形態において特別入賞装置35の開放実行状態の実行態様により、特別入賞装置35への入賞が発生しづらい遊技状態と特別入賞装置35への入賞が発生し易い遊技状態とが存在している構成としてもよい。具体的には、前者の遊技状態においては上記第1の実施形態にて説明した態様で特別入賞装置35の開放実行状態が行われるようにし、後者の遊技状態においては普図表示部39aの表示継続回における表示継続期間に関係なく特別入賞装置35への入賞が発生し易い態様で当該特別入賞装置35の開放実行状態が行われるようにする。これにより、普図表示部39aの表示継続回に関係なく特別入賞装置35への入賞が発生する状態を生じさせることが可能となる。なお、後者の遊技状態は当否抽選モードが高確率モードとなった場合に発生する構成としてもよく、当該構成に加えて又は代えて、開閉実行モードの終了後には確実に発生する構成としてもよい。また、後者の遊技状態となった場合には、次回の開閉実行モードが発生するまでは当該後者の遊技状態が継続される構成としてもよく、当否抽選モードが高確率モードである場合には当該後者の遊技状態が継続される構成としてもよく、開閉実行モードが終了してから所定回数の遊技回が実行されるまでは当該後者の遊技状態が継続される構成としてもよく、終了抽選にて当選となるまでは当該後者の遊技状態が継続される構成としてもよい。
【0231】
(6)普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定されるための基準となる普図側保留情報の保留個数は2個に限定されることはなく1個であってもよく、3個であってもよく、上限個数である4個であってもよい。基準個数が1個である場合には普図側保留情報が2個以上保留記憶されている状況において普図表示部39aの表示継続回が新たに開始される場合には当該表示継続回にて第3表示継続期間が設定されることとなるため、普図側保留情報が保留記憶されることに対する遊技者の注目度をより高めることが可能となる。
【0232】
(7)普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定されるための基準となる普図側保留情報の保留個数が遊技状態に応じて変化する構成としてもよい。この場合、少ない基準個数の遊技状態となることを期待しながら遊技者は遊技を行うこととなる。
【0233】
(8)普図表示部39aの表示継続回における表示継続期間として第2表示継続期間と第3表示継続期間との両方が存在している構成に限定されることはなく、これらのうち一方である対象期間が存在しており、普図変動期間の特定処理(
図17)において期間選択用の抽選処理(ステップS802)にて選択当選結果となった場合及び普図側保留情報の保留個数が基準個数以上である場合にはその対象期間が設定される構成としてもよい。当該対象期間として第3表示継続期間が設定されている場合には普図側保留情報の保留個数が基準個数以上となる状況を生じさせる必要があるため、第3表示継続期間を上記第1の実施形態よりも長くする、又は基準個数の数を少なくすることが好ましい。
【0234】
(9)普図表示部39aの表示継続回を開始することができない状況において普図側保留情報が取得された場合にはその後に当該表示継続回が開始される場合には第3表示継続期間が設定される構成としてもよい。この場合、第3表示継続期間が設定される頻度を高めることが可能となる。
【0235】
(10)特電入賞装置36が開放状態である場合には特電入賞装置36への遊技球の入球が可能であり特電入賞装置36が閉鎖状態である場合には特電入賞装置36への遊技球の入球が不可である構成に限定されることはなく、特電入賞装置36が閉鎖状態である場合であっても特電入賞装置36への遊技球の入球が可能であるものの開放状態である場合よりも特電入賞装置36への遊技球の入球が発生しづらい構成としてもよい。
【0236】
(11)基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている状況において普図表示部39aの表示継続回が開始される場合には確実に第3表示継続期間が設定される構成に限定されることはなく、第3表示継続期間が設定され易くなる構成としてもよい。具体的には、基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されていない状況及び基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている状況のいずれであっても普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定され得るが、基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている状況の方が基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されていない状況よりも普図表示部39aの表示継続回において第3表示継続期間が設定され易い構成としてもよい。
【0237】
(12)普図表示部39aの表示継続回における表示継続期間を決定するタイミングにおいて基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている場合に第3表示継続期間が設定される構成に代えて、普図変動開始処理(
図16)におけるデータ設定処理(ステップS702)が実行される前のタイミングにおいて基準個数以上の普図側保留情報が保留記憶されている場合に第3表示継続期間が設定される構成としてもよい。
【0238】
<第2の実施形態>
本実施形態では主側MPU72における普図変動期間の特定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0239】
図20は本実施形態における普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。普図側保留情報の個数が基準個数以上ではない場合(ステップS1001:NO)、上記第1の実施形態と同様に期間選択用の抽選処理を実行し(ステップS1002)、選択当選結果ではない場合には(ステップS1003:NO)、第1表示継続期間を選択し(ステップS1004)、当選当選結果である場合には(ステップS1003:YES)、第2表示継続期間を選択する(ステップS1005)。
【0240】
一方、普図側保留情報の個数が基準個数以上である場合(ステップS1001:YES)、短期間選択用の抽選処理を実行する(ステップS1006)。短期間選択用の抽選処理では主側RAM74において定期的(例えば4ミリ秒周期)に更新される乱数カウンタから数値情報を取得するとともに、その取得した数値情報を主側ROM73に予め記憶された短期間選択用テーブルに対して照合する。短期間選択用テーブルはステップS1002における期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となる確率よりも高い確率である1/300の確率で選択当選結果となるように設定されている。但し、これに限定されることはなくステップS1002における期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となる確率よりも低い構成としてもよく、同一又は略同一である構成としてもよい。
【0241】
短期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果ではなく外れ結果であった場合(ステップS1007:NO)、今回の表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間を選択する(ステップS1008)。一方、短期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果であった場合(ステップS1007:YES)、今回の表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間を選択する(ステップS1004)。
【0242】
ステップS1004、ステップS1005及びステップS1008のいずれかの処理を実行した場合、これらの処理のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の普図側タイマカウンタに設定する(ステップS1009)。
【0243】
以上詳述した本実施形態によれば、普図側保留情報が保留記憶されている個数が基準個数以上である状況であっても短期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となった場合には、第3表示継続期間ではなく第1表示継続期間が選択される。そして、第1表示継続期間が選択された場合には普図表示部39aの表示継続回及びそれに続く特別入賞装置35の受入実行状態の合計期間においてスルー入賞部34への新たな遊技球の入賞が期待できない。これにより、普図側保留情報の保留個数が基準個数以上である状況であっても普図表示部39aの表示継続期間として第3表示継続期間ではなく第1表示継続期間が選択される状況を生じさせることが可能となり、普図側保留情報の保留個数が基準個数以上である状況であっても普図表示部39aの表示継続期間に遊技者を注目させることが可能となる。
【0244】
なお、短期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となった場合には普図側保留情報の保留個数が基準個数となるまで又は0個となるまで、普図表示部39aの表示継続期間として第1表示継続期間が確実に選択される構成としてもよい。これにより、短期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となった場合には第3表示継続期間が選択される状況を確実に終了させることが可能となる。
【0245】
<第3の実施形態>
本実施形態では遊技領域PAにおいてスルー入賞部34及び特別入賞装置35が設けられている位置が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0246】
図21は本実施形態における遊技盤24の正面図である。
図21に示すようにスルー入賞部34及び特別入賞装置35は左側領域PA2ではなく上側領域PA1に設けられている。詳細には、スルー入賞部34は内レール部25と外レール部26とにより区画された誘導レールの出口に近い位置において、当該誘導レールの通路方向とスルー入賞部34の貫通孔の軸線方向とが一致するように傾斜させて設けられている。これにより、遊技領域PAに発射される遊技球は当該遊技球が左側領域PA2及び右側領域PA3のいずれを流下する場合であっても確実にスルー入賞部34に入賞することとなるとともに、遊技球の発射が継続されている場合には確実に遊技球の発射周期でスルー入賞部34への入賞が発生することとなる。
【0247】
特別入賞装置35は上側領域PA1において左側に寄せた位置に設けられている。また、特別入賞装置35は起立壁48がベース体41の右端に存在し、さらに球受け面44及び非受入位置に配置されている開閉部材43の上面が左方に向けて下り傾斜となる向きに設置されている。この場合、起立壁48に遊技球が当たる強度で当該遊技球の発射を行うことで、特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球を確実に到達させることが可能となる。
【0248】
上記構成によればスルー入賞部34への入賞が確実に発生するように遊技球の発射操作を行うことが可能となるとともに、特別入賞装置35に入賞可能となる位置に確実に到達するように遊技球の発射操作を行うことが可能となる。
【0249】
また、スルー入賞部34及び特別入賞装置35よりも上流側における遊技球の流下方向を変更させる障害部材の数が少なくなることにより、スルー入賞部34への遊技球の到達周期及び特別入賞装置35への入賞が可能となる位置への遊技球の到達周期が遊技球の発射周期と同一又は略同一となり易くなる。よって、普図表示部39aにおける表示継続期間の選択態様に対する普図側保留情報の取得態様及び特別入賞装置35への入賞態様をパチンコ機10の設計段階において想定した態様に近づけることが可能となる。
【0250】
<第4の実施形態>
本実施形態では遊技領域PAの構成が上記第1の実施形態と異なっているとともに、第1作動部32への入賞が発生した場合及び特別入賞装置35への入賞が発生した場合に実行される処理内容が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0251】
図22は本実施形態における遊技盤24の正面図である。遊技領域PAは上記第1の実施形態と同様に可変表示ユニット37により上側領域PA1、左側領域PA2、右側領域PA3及び下側領域PA4に区画されている。下側領域PA4には上記第1の実施形態と同様に第1作動部32が設けられている。また、左側領域PA2には上記第1の実施形態と同様にスルー入賞部34及び特別入賞装置35が設けられている。この場合、第1ガイド領域49a及び第2ガイド領域49bも上記第1の実施形態と同様に設けられているため、左側領域PA2を流下する遊技球は確実にスルー入賞部34に入賞するとともに、スルー入賞部34に入賞した遊技球は特別入賞装置35に入賞可能となる位置に確実に到達する。また、これらスルー入賞部34及び特別入賞装置35の相対的な位置関係も上記第1の実施形態と同様となっている。
【0252】
右側領域PA3には上記第1の実施形態における第2作動部33及び特電入賞装置36が設けられておらず、その代わりに第1普電装置121及び第2普電装置122が設けられている。これら第1普電装置121及び第2普電装置122は左側領域PA2を流下するように発射操作が行われている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を流下するように発射操作が行われることにより入賞が可能となる。
【0253】
第1普電装置121には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第1普電役物121aが設けられている。第1普電役物121aの閉鎖状態では遊技球が第1普電装置121に入賞できず、第1普電役物121aが開放状態となることで第1普電装置121への入賞が可能となる。第1普電役物121aを開閉させるための第1普電駆動部121b及び第1普電装置121に入賞した遊技球を検知する第1普電検知センサ121cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第1普電駆動部121bに駆動信号が送信されることで第1普電役物121aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第1普電役物121aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第1普電検知センサ121cの検知結果に基づき第1普電装置121への遊技球の入球の有無を把握する。
【0254】
第2普電装置122には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第2普電役物122aが設けられている。第2普電役物122aの閉鎖状態では遊技球が第2普電装置122に入賞できず、第2普電役物122aが開放状態となることで第2普電装置122への入賞が可能となる。第2普電役物122aを開閉させるための第2普電駆動部122b及び第2普電装置122に入賞した遊技球を検知する第2普電検知センサ122cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第2普電駆動部122bに駆動信号が送信されることで第2普電役物122aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第2普電役物122aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第2普電検知センサ122cの検知結果に基づき第2普電装置122への遊技球の入球の有無を把握する。これら第1普電装置121及び第2普電装置122は第1普電装置121が上方となるようにして、所定の間隔をあけて鉛直方向に並べて配置されている。
【0255】
詳細は後述するが本実施形態のパチンコ機10では第1作動部32又は特別入賞装置35に遊技球が入球したことに基づき実行される内部抽選にて当選となることで第1普電装置121が開放状態となる。また、第1普電装置121に遊技球が入球したことに基づき実行される内部抽選にて当選となることで第2普電装置122が開放状態となる。第1普電装置121及び第2普電装置122のいずれに遊技球が入球した場合であっても、1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行される。
【0256】
第1普電装置121及び第2普電装置122以外にも第3普電装置123が設けられている。第3普電装置123は左側領域PA2において特別入賞装置35よりも下流側に設けられている。したがって、左側領域PA2に流入した遊技球であって特別入賞装置35に入賞しなかった遊技球が第3普電装置123に入賞し得る。なお、左側領域PA2に流入した遊技球であって特別入賞装置35及び第3普電装置123に入賞しなかった遊技球は下側領域PA4に流入する。当該遊技球は第1作動部32に入賞し得る。
【0257】
第3普電装置123には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第3普電役物123aが設けられている。第3普電役物123aの閉鎖状態では遊技球が第3普電装置123に入賞できず、第3普電役物123aが開放状態となることで第3普電装置123への入賞が可能となる。第3普電役物123aを開閉させるための第3普電駆動部123b及び第3普電装置123に入賞した遊技球を検知する第3普電検知センサ123cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第3普電駆動部123bに駆動信号が送信されることで第3普電役物123aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第3普電役物123aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第3普電検知センサ123cの検知結果に基づき第3普電装置123への遊技球の入球の有無を把握する。
【0258】
第3普電装置123を開放状態とする契機を生じさせるための特定作動部124は可変表示ユニット37のステージ37a上に設けられている。詳細には特定作動部124は可変表示ユニット37においてステージ37aの奥側を規定する奥壁125の横方向の中央において前方に向けて開放させて形成されている。特定作動部124に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導出されて下方へと排出される。この排出通路の途中位置には特定検知センサ124aが設けられている。特定検知センサ124aは主制御装置70と電気的に接続されており、主側MPU72は特定検知センサ124aの検知結果に基づき特定作動部124への遊技球の入球の有無を把握する。特定作動部124に遊技球が入球した場合には、1個の遊技球の入球に対して5個の遊技球の払い出しが実行される。なお、ステージ37a上に供給されたものの特定作動部124に入球しなかった遊技球は下側領域PA4に流入する。下側領域PA4に流入した遊技球は第1作動部32に入球し得る。特定作動部124に遊技球が入球したことに基づき実行される内部抽選にて当選となることで第3普電装置123が開放状態となる。第3普電装置123に遊技球が入球した場合には、1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行される。
【0259】
ステージ37a上には可変表示ユニット37の左上部に設けられた導入口126に入球した遊技球が供給される。導入口126には上側領域PA1において可変表示ユニット37の左端よりも右方に到達した遊技球が左側領域PA2に向けて流下する過程で入球し得る。但し、このように上側領域PA1において可変表示ユニット37の左端よりも右方に到達した遊技球が左側領域PA2に向けて流下する過程で確実に導入口126に入球することはなく、当該過程で流下する10個の遊技球のうち1個の遊技球が入球する程度となっている。また、導入口126に入球した遊技球は可変表示ユニット37に設けられたワープ通路127を通じてステージ37a上に供給されることとなるが、当該ステージ37a上に供給された遊技球の全てが特定作動部124に入球することはなく、遊技球の横方向の移動速度がステージ37a上における横方向の中央である特定作動部124の前方で十分に減速された遊技球のみが特定作動部124に入球する。この入球確率はステージ37a上に供給される10個の遊技球のうち1個の遊技球が入球する程度となっている。上記構成であることにより特定作動部124には左側領域PA2に向けて流下する遊技球が入球可能であり右側領域PA3に向けて流下する遊技球は入球不可である。但し、これに限定されることはなく右側領域PA3に向けて流下する遊技球であっても特定作動部124に入球可能ではあるものの左側領域PA2に向けて流下する遊技球の方が右側領域PA3に向けて流下する遊技球よりも特定作動部124に入球し易い構成としてもよい。
【0260】
なお、上側領域PA1において可変表示ユニット37よりも左方に到達するように遊技球が発射された場合には、当該遊技球は導入口126に入球することなく確実に左側領域PA2を流下することとなる。そして、当該発射態様で遊技球の発射が行われた場合には当該遊技球はスルー入賞部34に確実に入賞することとなる。
【0261】
遊技領域PAの右下側において遊技球が通過しない領域に第1普図表示部131、第2普図表示部132、第3普図表示部133、第4普図表示部134、第1普図保留表示部135、第2普図保留表示部136及び第3普図保留表示部137が設けられている。第1普図表示部131~第4普図表示部134はいずれも複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されている。この場合、第1普図表示部131~第4普図表示部134において図柄表示装置51のような複雑な表示を行うことは不可であるが、第1普図表示部131~第4普図表示部134を表示制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1普図表示部131~第4普図表示部134にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。また、第1普図表示部131~第4普図表示部134の表示範囲は図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。さらには、第1普図表示部131~第4普図表示部134と第1普図保留表示部135~第3普図保留表示部137との両方分の表示範囲も、図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。これにより、第1普図表示部131~第4普図表示部134及び第1普図保留表示部135~第3普図保留表示部137よりも図柄表示装置51への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0262】
第1作動部32又は特別入賞装置35に遊技球が入球することに基づき第1普図表示部131において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第1普図表示部131に隣接した位置に上記第1普図保留表示部135が設けられている。遊技球が第1作動部32又は特別入賞装置35に入賞した個数に対応する情報は第1普図側保留情報として最大4個まで保留され、第1普図保留表示部135の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0263】
第1普電装置121に遊技球が入球することに基づき第2普図表示部132において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第2普図表示部132に隣接した位置に上記第2普図保留表示部136が設けられている。遊技球が第1普電装置121に入賞した個数に対応する情報は第2普図側保留情報として最大4個まで保留され、第2普図保留表示部136の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0264】
特定作動部124に遊技球が入球することに基づき第3普図表示部133において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第3普図表示部133に隣接した位置に上記第3普図保留表示部137が設けられている。遊技球が特定作動部124に入賞した個数に対応する情報は第3普図側保留情報として最大4個まで保留され、第3普図保留表示部137の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0265】
スルー入賞部34に遊技球が入球することに基づき第4普図表示部134において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。ここで、第4普図表示部134に対しては普図保留表示部が設けられていない。つまり、スルー入賞部34に入賞した場合に取得される第4普図側保留情報は保留記憶されない。
【0266】
<主側MPU72にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU72にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図23を用いて説明する。
【0267】
主側MPU72は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり抽選、第1普図表示部131~第4普図表示部134の表示の設定、図柄表示装置51の表示継続回用演出の設定などを行うこととしており、具体的には、
図23に示すように、特別入賞装置35を受入実行状態とするか否かの抽選、並びに第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123を開放実行状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC11と、図柄表示装置51における表示継続回用の演出において外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC12と、普電乱数カウンタC11の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタC13と、第1普図表示部131における表示継続回の表示継続期間を決定する場合に使用する変動種別カウンタC14と、を用いることとしている。
【0268】
各カウンタC11~C14は、その更新の都度前回値に「1」が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタC11~C14は短時間間隔で更新される。普電乱数カウンタC11の数値情報は、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が発生した場合に主側RAM74に設けられた第1普図保留エリア141に格納され、第1普電装置121への入賞が発生した場合に主側RAM74に設けられた第2普図保留エリア142に格納され、特定作動部124への入賞が発生した場合に主側RAM74に設けられた第3普図保留エリア143に格納され、スルー入賞部34への入賞が発生した場合に主側RAM74に設けられた第4普図用実行エリア144に格納される。
【0269】
第1普図保留エリア141は、第1エリア141a、第2エリア141b、第3エリア141c及び第4エリア141dを備えており、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC11の数値情報が第1普図側保留情報として、いずれかのエリア141a~141dに格納される。この場合、第1エリア141a~第4エリア141dには、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア141a→第2エリア141b→第3エリア141c→第4エリア141dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア141a~141dが設けられていることにより、第1作動部32又は特別入賞装置35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1普図保留エリア141において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。第1普図保留エリア141には第1エリア141a~第4エリア141d以外にも第1普図用実行エリア141eが設けられている。第1普図用実行エリア141eは、第1普図表示部131にて表示継続回を開始する際に、開放判定処理を行う対象の第1普図側保留情報が格納されるエリアである。第1普図用実行エリア141eには、第1普図表示部131の表示継続回を開始する際に第1エリア141aに格納された第1普図側保留情報がシフトされる。
【0270】
第2普図保留エリア142は、第1エリア142a、第2エリア142b、第3エリア142c及び第4エリア142dを備えており、第1普電装置121への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC11の数値情報が第2普図側保留情報として、いずれかのエリア142a~142dに格納される。この場合、第1エリア142a~第4エリア142dには、第1普電装置121への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア142a→第2エリア142b→第3エリア142c→第4エリア142dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア142a~142dが設けられていることにより、第1普電装置121への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第2普図保留エリア142において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。第2普図保留エリア142には第1エリア142a~第4エリア142d以外にも第2普図用実行エリア142eが設けられている。第2普図用実行エリア142eは、第2普図表示部132にて表示継続回を開始する際に、開放判定処理を行う対象の第2普図側保留情報が格納されるエリアである。第2普図用実行エリア142eには、第2普図表示部132の表示継続回を開始する際に第1エリア142aに格納された第2普図側保留情報がシフトされる。
【0271】
第3普図保留エリア143は、第1エリア143a、第2エリア143b、第3エリア143c及び第4エリア143dを備えており、特定作動部124への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC11の数値情報が第3普図側保留情報として、いずれかのエリア143a~143dに格納される。この場合、第1エリア143a~第4エリア143dには、特定作動部124への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア143a→第2エリア143b→第3エリア143c→第4エリア143dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア143a~143dが設けられていることにより、特定作動部124への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第3普図保留エリア143において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。第3普図保留エリア143には第1エリア143a~第4エリア143d以外にも第3普図用実行エリア143eが設けられている。第3普図用実行エリア143eは、第3普図表示部133にて表示継続回を開始する際に、開放判定処理を行う対象の第3普図側保留情報が格納されるエリアである。第3普図用実行エリア143eには、第3普図表示部133の表示継続回を開始する際に第1エリア143aに格納された第3普図側保留情報がシフトされる。
【0272】
第4普図用実行エリア144には、第4普図表示部134において表示継続回を開始させることが可能な状況(すなわち第4普図表示部134において表示継続回が行われておらず、さらに特別入賞装置35が受入実行状態となっていない状況)においてスルー入賞部34への入賞が発生した場合に普電乱数カウンタC11の数値情報が第4普図側保留情報として格納される。ここで、第1普図保留エリア141、第2普図保留エリア142及び第3普図保留エリア143には既に説明したとおり第1~第4エリア141a~141d,142a~142d,143a~143dが設けられており、対応する普図表示部131~133にて表示継続回を開始させることができない状況であっても対応する普図側保留情報が保留記憶される構成であるのに対して、第4普図側保留情報については第4普図用実行エリア144のみが設けられており当該第4普図側保留情報を保留記憶するためのエリアは設けられていない。これにより、第1~第3普図側保留情報と第4普図側保留情報とで保留記憶の有無の扱いを異ならせることが可能となる。
【0273】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0274】
まず、普電乱数カウンタC11について説明する。普電乱数カウンタC11は、「0~99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。この場合に、普電乱数カウンタC11が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタC13の値が当該普電乱数カウンタC11の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタC13は、普電乱数カウンタC11と同様のループカウンタである(値=0~99)。
【0275】
普電乱数カウンタC11は定期的に更新され、既に説明したように第1作動部32又は特別入賞装置35に遊技球が入賞したタイミングでその時点における普電乱数カウンタC11の値が第1普図保留エリア141に格納され、第1普電装置121に遊技球が入賞したタイミングでその時点における普電乱数カウンタC11の値が第2普図保留エリア142に格納され、特定作動部124に遊技球が入賞したタイミングでその時点における普電乱数カウンタC11の値が第3普図保留エリア143に格納され、スルー入賞部34に遊技球が入賞したタイミングでその時点における普電乱数カウンタC11の値が第4普図用実行エリア144に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC11の値によって第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123を開放実行状態に制御するか否かの開放判定が行われるとともに、特別入賞装置35を受入実行状態に制御するか否かの受入判定が行われる。
【0276】
なお、これら開放判定及び受入判定における当選確率を変更するモードは存在していないが、当該当選確率を変更するモードが存在している構成としてもよい。例えば第1普図保留エリア141に格納された第1普図側保留情報を利用した開放判定における当選確率を異ならせる複数のモードが存在している構成としてもよく、第2普図保留エリア142に格納された第2普図側保留情報を利用した開放判定における当選確率を異ならせる複数のモードが存在している構成としてもよく、第3普図保留エリア143に格納された第3普図側保留情報を利用した開放判定における当選確率を異ならせる複数のモードが存在している構成としてもよく、第4普図用実行エリア144に格納された第4普図側保留情報を利用した受入判定における当選確率を異ならせる複数のモードが存在している構成としてもよい。
【0277】
次に、リーチ乱数カウンタC12について説明する。リーチ乱数カウンタC12は、例えば「0」~「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC12は定期的に更新され、第1普図表示部131における絵柄の変動表示を含む表示継続回を開始させるタイミングでその時点におけるリーチ乱数カウンタC12の値が取得される。ここで、本実施形態のパチンコ機10では、第1普図表示部131における表示継続回が開始される場合に図柄表示装置51にて上記第1の実施形態における遊技回用の演出に対応する図柄の変動表示が開始され、第1普図表示部131における表示継続回が終了される場合に図柄表示装置51における図柄の変動表示後における最終停止表示が終了される。そして、第1普図表示部131において第1普電装置121を開放実行状態とすることに対応する停止結果が表示される場合には図柄表示装置51にて同一図柄の組合せが停止表示され、第1普図表示部131において第1普電装置121を開放実行状態としないことに対応する停止結果が表示される場合には図柄表示装置51にて同一図柄の組合せとは異なる外れ結果に対応する図柄の組合せが停止表示される。当該構成において外れ結果に対応する表示継続回が実行される場合、リーチ乱数カウンタC12の値を利用して図柄表示装置51にてリーチ表示を実行するか否かが決定される。
【0278】
次に、変動種別カウンタC14について説明する。変動種別カウンタC14は、「0~198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタC14は、第1普図表示部131における表示継続回の表示継続期間を主側MPU72にて決定する上で用いられる。
【0279】
<第1普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される各種処理について説明する。まず第1普図表示部131における表示継続回の実行制御、及び第1普電装置121の開放実行状態の実行制御を行うための第1普図普電制御処理について説明する。
図24は第1普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0280】
第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が発生している場合(ステップS1101:YES)、第1普図保留エリア141の第1エリア141a~第4エリア141dに記憶されている第1普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS1102:NO)、第1普図保留エリア141への格納処理を実行する(ステップS1103)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第1普図側保留情報として、第1普図保留エリア141の第1エリア141a~第4エリア141dにおける第1普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第1普図側保留情報を取得した場合には、第1普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第1普図保留表示部135の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0281】
ステップS1101にて否定判定をした場合、ステップS1102にて肯定判定をした場合、又はステップS1103の処理を実行した場合、第2普電装置122が開放実行状態であるか否か、又は特別入賞装置35が受入実行状態であるか否かを判定する(ステップS1104)。ステップS1104にて否定判定をした場合、ステップS1105~ステップS1107の処理を実行する。これらの処理については後に説明する。その後、主側ROM73に記憶されている第1普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS1108)。第1普図普電アドレステーブルには、第1普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第1普図普電カウンタは、第1普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0282】
第1普図普電カウンタは「0」~「4」の値を取り得るものであり、「0」~「4」の各値は各処理(ステップS1111~ステップS1115)の開始アドレスNA10~NA14に対応している。具体的には、第1普図普電カウンタの値が「0」である場合には第1普図表示部131における表示継続回を開始させるための処理である第1普図変動開始処理(ステップS1111)が実行対象となり、第1普図普電カウンタの値が「1」である場合には第1普図表示部131における表示継続回を進行させるための処理である第1普図変動中処理(ステップS1112)が実行対象となり、第1普図普電カウンタの値が「2」である場合には第1普図表示部131における表示継続回を終了させるための処理である第1普図確定中処理(ステップS1113)が実行対象となり、第1普図普電カウンタの値が「3」である場合には第1普電装置121の開放状態を制御するための処理である第1普電開放中処理(ステップS1114)が実行対象となり、第1普図普電カウンタの値が「4」である場合には第1普電装置121を再度開放状態とするための処理である第1普電閉鎖中処理(ステップS1115)が実行対象となる。
【0283】
第1普図普電制御処理では、第1普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS1108)、第1普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第1普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS1109)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS1110)。以下、ステップS1111~ステップS1115の各処理について個別に説明する。
【0284】
ステップS1111の第1普図変動開始処理では、第1普図保留エリア141に第1普図側保留情報が保留記憶されていることを条件に、第1普図保留エリア141に保留記憶されている第1普図側保留情報をシフトする処理を実行する。具体的には、第1普図保留エリア141の第1エリア141aに格納されている第1普図側保留情報を第1普図用実行エリア141eにシフトし、その後に第2エリア141b→第1エリア141a、第3エリア141c→第2エリア141b、及び第4エリア141d→第3エリア141cとなるように第1普図側保留情報をシフトする。なお、第1普図側保留情報をシフトした場合には、第1普図側保留情報の個数が今回減少したことに合わせて第1普図保留表示部135の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0285】
第1普図変動開始処理では上記シフト処理を実行した後は、第1普図用実行エリア141eに新たににシフトされた第1普図側保留情報を抽選値として第1普電開放抽選処理を実行する。本実施形態のパチンコ機10では第1普電開放抽選処理にて第1普電開放当選となる確率は遊技状態に関係なく一定であり、具体的には1/100の確率で第1普電開放当選となる。但し、これに限定されることはなく、第1普電開放当選となる確率がこれよりも高くてもよく低くてもよい。
【0286】
第1普図変動開始処理では第1普電開放抽選処理を実行した場合、今回の表示継続回の表示継続期間を特定するための処理を実行する。当該特定処理では、まず今回の表示継続回はリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回が第1普電開放当選に対応している場合、リーチ演出が発生すると判定する。また、今回の表示継続回が第1普電開放当選に対応していない場合であっても、リーチ乱数カウンタC12の値を取得し、その取得したリーチ乱数カウンタC12の値がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ演出が発生すると判定する。リーチ演出が発生すると判定した場合にはリーチ発生用テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出したリーチ発生用テーブルに対して変動種別カウンタC14の現状の数値情報を照合することで表示継続期間を決定し、その決定した表示継続期間の情報を主側RAM74に設けられた第1タイマカウンタにセットする。また、リーチ演出が発生しないと判定した場合にはリーチ非発生用テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出したリーチ非発生用テーブルに対して変動種別カウンタC14の現状の数値情報及び現状の第1普図側保留情報の個数の組合せを照合することで表示継続期間を決定し、その決定した表示継続期間の情報を主側RAM74に設けられた第1タイマカウンタにセットする。リーチ発生用テーブルが参照される場合には第1普図側保留情報の個数に関係なく変動種別カウンタC14の値に対応した表示継続期間が選択されるのに対して、リーチ非発生用テーブルが参照される場合には第1普図側保留情報の個数が多いほど短い表示継続期間が選択される。第1タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(
図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、第1普図側保留情報が表示継続回の開始契機となった場合に選択され得る表示継続期間は1秒~180秒となっている。
【0287】
第1普図変動開始処理では表示継続期間を特定するための処理を実行した場合、第1普電開放抽選処理の結果及び決定された表示継続期間の情報に対応するコマンドを主側ROM73から読み出し、音光側MPU92に送信する。音光側MPU92は、受信したコマンドに対応する表示継続回用の演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにするための制御を実行する。なお、図柄表示装置51では表示継続回用の演出として上記第1の実施形態における遊技回用の演出と同様の演出が実行される。
【0288】
第1普図変動開始処理では上記コマンドを送信した後、第1普図表示部131における絵柄の変動表示を開始させる。第1普図表示部131にて絵柄の変動表示を行わせる場合に主側MPU72に参照されるテーブルとして、普図用の変動表示テーブルが主側ROM73に予め記憶されている。第1普図表示部131において絵柄の変動表示が実行される場合には、第1普電開放抽選処理の結果に関係なく同一の変動表示テーブルが使用される。第1普図表示部131において絵柄の変動表示が行われる場合、所定のパターンによる絵柄の変動表示が繰り返されることとなるが、普図用の変動表示テーブルにはその所定のパターンによる絵柄の変動表示における1周分の制御データが設定されている。したがって、第1普図表示部131において絵柄の変動表示が行われる場合、確定表示を行う直前まで普図用の変動表示テーブルが繰り返し使用されることとなる。なお、第2普図表示部132、第3普図表示部133及び第4普図表示部134において絵柄の変動表示が行われる場合にも同一の普図用の変動表示テーブルが使用される。
【0289】
第1普図表示部131における絵柄の変動表示を開始させた後、第1普図普電カウンタの値を1加算する。第1普図変動開始処理が実行される場合における第1普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで第1普図普電カウンタの値は第1普図変動中処理(ステップS1112)に対応する「1」となる。
【0290】
ステップS1112の第1普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している第1タイマカウンタの値が残り0.4秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、第1普図表示部131における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、確定表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、第1普電開放当選となるか否かに関係なく一定の態様で行われる。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、第1普図表示部131における絵柄の表示態様を今回の第1普電開放抽選処理の結果に対応した表示態様とする。また、確定表示コマンドを音光側MPU92に送信する。音光側MPU92は確定表示コマンドを受信した場合、図柄表示装置51における今回停止表示させる図柄の組合せを最終停止表示させる。その後、第1普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を第1普図変動中処理に対応したものから第1普図確定中処理(ステップS1113)に対応したものに更新する。
【0291】
ステップS1113の第1普図確定中処理では、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.4秒)が経過したか否かを判定する。確定表示期間が経過している場合には、今回の表示継続回における第1普電開放抽選処理の結果が第1普電開放当選であるか否かを判定する。第1普電開放当選ではない場合、第1普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に、本第1普図確定中処理を終了する。第1普電開放当選である場合、主側RAM74に設けられた第1普電開放カウンタに第1普電装置121の開閉回数の情報として「3」をセットする。また、主側RAM74に設けられた第1普電入賞カウンタに今回の開放実行状態における第1普電装置121への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする。また、第1タイマカウンタに第1普電装置121の開放継続期間の情報として3秒に対応する情報をセットする。また、第1普電駆動部121bへの駆動信号の出力を開始することで第1普電装置121を開放状態とする。その後、第1普図普電カウンタを1加算する。この場合、第1普図確定中処理が実行される場合における第1普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は第1普電開放中処理(ステップS1114)に対応する「3」となる。
【0292】
ステップS1114の第1普電開放中処理では、第1普電装置121への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の第1普電入賞カウンタの値から減算する。そして、第1普電入賞カウンタの値が「0」である場合には、第1普電開放カウンタの値を「0」クリアするとともに第1タイマカウンタの値を「0」クリアし、さらに第1普電駆動部121bへの駆動信号の出力を停止することで第1普電役物121aを閉鎖状態として、第1普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第1普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第1普図変動開始処理(ステップS1111)となる。また、第1普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても第1タイマカウンタの値が「0」である場合には、第1普電駆動部121bへの駆動信号の出力を停止することで第1普電役物121aを閉鎖状態とするとともに主側RAM74の第1普電開放カウンタの値を1減算する。そして、第1普電開放カウンタの値が「0」ではない場合には第1普電役物121aの閉鎖継続期間(具体的には1秒)の数値情報を第1タイマカウンタにセットした後に第1普図普電カウンタの値を「3」から「4」に更新する。これにより、第1普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第1普電閉鎖中処理(ステップS1115)となる。第1普電開放カウンタの値が「0」である場合には、第1タイマカウンタに値をセットすることなく第1普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第1普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第1普図変動開始処理(ステップS1111)となる。
【0293】
ステップS1115の第1普電閉鎖中処理では、第1タイマカウンタの値が「0」となっていることを条件として、第1普電駆動部121bへの駆動信号の出力を開始することで第1普電役物121aを開放状態とするとともに第1普電役物121aを1回開放状態とする場合における開放継続期間(具体的には3秒)の数値情報を第1タイマカウンタにセットする。そして、第1普図普電カウンタの値を「4」から「3」に更新する。これにより、第1普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第1普電開放中処理(ステップS1114)となる。
【0294】
以上のように第1普図普電制御処理が実行されることにより、第1作動部32又は特別入賞装置35への入賞が発生することを契機として第1普図表示部131において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われるとともに図柄表示装置51において図柄の変動表示が行われる。そして、第1普電開放抽選処理において第1普電開放当選となった場合には第1普図表示部131及び図柄表示装置51における表示継続回が終了した後に、第1普電装置121が開放実行状態となる。開放実行状態においては第1普電装置121にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第1普電装置121への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。また、第1普電装置121に遊技球が入賞することで第2普図側保留情報が4個を上限として第2普図保留エリア142に格納される。
【0295】
第1普図普電制御処理では、第2普電装置122が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合、ステップS1104にて肯定判定をすることで、ステップS1116にて変動停止処理を実行する。変動停止処理では、現状が第1普図表示部131及び図柄表示装置51における表示継続回の実行中であれば、第1普図表示部131における表示継続回を現状の第1普図表示部131の表示態様の状態で一旦停止させるとともに第1タイマカウンタの更新を一旦停止させ、さらに停止中コマンドを音光側MPU92に送信する。音光側MPU92は停止中コマンドを受信することで、図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64における演出をそのまま継続させる一方、停止中コマンドを受信してから後述する停止解除コマンドを受信するまでの期間分だけ、今回の表示継続回において図柄の組合せを最終停止表示させる期間を延長させる。また、変動停止処理では、主側RAM74に設けられた第1停止中フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。
【0296】
第1普図普電制御処理では、ステップS1104にて否定判定をした場合であって主側RAM74の第1停止中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1105:YES)、当該第1停止中フラグを「0」クリアする(ステップS1106)。これにより、第1普図表示部131が表示継続回の途中で一旦停止されている場合には当該表示継続回が再開されるとともに第1タイマカウンタの更新が再開される。その後、音光側MPU92に停止解除コマンドを送信する(ステップS1107)。これにより、今回の表示継続回において図柄の組合せの最終停止表示を延長させる期間が音光側MPU92にて把握される。
【0297】
上記のとおり第1普図普電制御処理では第2普電装置122が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合、第1普図表示部131の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第2普電装置122が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合には、第1普図表示部131の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第2普電装置122が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合に、それに重複して第1普電装置121が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0298】
<第2普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第2普図普電制御処理について説明する。第2普図普電制御処理では、第2普図表示部132における表示継続回の実行制御、及び第2普電装置122の開放実行状態の実行制御を行う。
図25は第2普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0299】
第1普電装置121への入賞が発生している場合(ステップS1201:YES)、第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dに記憶されている第2普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS1202:NO)、第2普図保留エリア142への格納処理を実行する(ステップS1203)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第2普図側保留情報として、第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dにおける第2普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第2普図側保留情報を取得した場合には、第2普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第2普図保留表示部136の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0300】
ステップS1201にて否定判定をした場合、ステップS1202にて肯定判定をした場合、又はステップS1203の処理を実行した場合、第1普電装置121が開放実行状態であるか否か、又は特別入賞装置35が受入実行状態であるか否かを判定する(ステップS1204)。ステップS1204にて否定判定をした場合、ステップS1205及びステップS1206の処理を実行する。これらの処理については後に説明する。その後、主側ROM73に記憶されている第2普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS1207)。第2普図普電アドレステーブルには、第2普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第2普図普電カウンタは、第2普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0301】
第2普図普電カウンタは「0」~「4」の値を取り得るものであり、「0」~「4」の各値は各処理(ステップS1210~ステップS1214)の開始アドレスNA20~NA24に対応している。具体的には、第2普図普電カウンタの値が「0」である場合には第2普図表示部132における表示継続回を開始させるための処理である第2普図変動開始処理(ステップS1210)が実行対象となり、第2普図普電カウンタの値が「1」である場合には第2普図表示部132における表示継続回を進行させるための処理である第2普図変動中処理(ステップS1211)が実行対象となり、第2普図普電カウンタの値が「2」である場合には第2普図表示部132における表示継続回を終了させるための処理である第2普図確定中処理(ステップS1212)が実行対象となり、第2普図普電カウンタの値が「3」である場合には第2普電装置122の開放状態を制御するための処理である第2普電開放中処理(ステップS1213)が実行対象となり、第2普図普電カウンタの値が「4」である場合には第2普電装置122を再度開放状態とするための処理である第2普電閉鎖中処理(ステップS1214)が実行対象となる。
【0302】
第2普図普電制御処理では、第2普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS1207)、第2普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第2普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS1208)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS1209)。以下、ステップS1210~ステップS1214の各処理について個別に説明する。
【0303】
ステップS1210の第2普図変動開始処理では、第2普図保留エリア142に第2普図側保留情報が保留記憶されていることを条件に、第2普図保留エリア142に保留記憶されている第2普図側保留情報をシフトする処理を実行する。具体的には、第2普図保留エリア142の第1エリア142aに格納されている第2普図側保留情報を第2普図用実行エリア142eにシフトし、その後に第2エリア142b→第1エリア142a、第3エリア142c→第2エリア142b、及び第4エリア142d→第3エリア142cとなるように第2普図側保留情報をシフトする。なお、第2普図側保留情報をシフトした場合には、第2普図側保留情報の個数が今回減少したことに合わせて第2普図保留表示部136の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0304】
第2普図変動開始処理では上記シフト処理を実行した後は、第2普図用実行エリア142eに新たににシフトされた第2普図側保留情報を抽選値として第2普電開放抽選処理を実行する。本実施形態のパチンコ機10では第2普電開放抽選処理にて第2普電開放当選となる確率は遊技状態に関係なく一定であり、具体的には99/100の確率で第2普電開放当選となる。但し、これに限定されることはなく、第2普電開放当選となる確率がこれよりも高くてもよく低くてもよい。また、第2普電開放抽選処理が実行されることなく第2普図側保留情報が取得された場合には確実に第2普電装置122の開放実行状態が発生する構成としてもよい。
【0305】
第2普図変動開始処理では第2普電開放抽選処理を実行した場合、今回の表示継続回の表示継続期間を特定するための処理を実行する。当該特定処理では、第2普電開放抽選処理の結果及び第2普図側保留情報の個数に関係なく0.2秒の固定の表示継続期間を主側RAM74に設けられた第2タイマカウンタにセットする。なお、第2普図表示部132にて表示継続回が実行される場合には図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にてそれに対応する演出は実行されない。第1普電装置121が開放実行状態となった後であって、当該開放実行状態により取得された第2普図側保留情報の全てが消化されて当該第2普図側保留情報を契機とした第2普電装置122の開放実行状態が全て終了するまでは、本実施形態におけるパチンコ機10の大当たり状態に該当しており、当該大当たり状態においては大当たり状態に対応する演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行される。
【0306】
第2普図変動開始処理では表示継続期間を特定するための処理を実行した後、第2普図表示部132における絵柄の変動表示を開始させる。第2普図表示部132にて絵柄の変動表示を行わせる場合には、既に説明した普図用の変動表示テーブルが参照される。第2普図表示部132における絵柄の変動表示を開始させた後、第2普図普電カウンタの値を1加算する。第2普図変動開始処理が実行される場合における第2普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで第2普図普電カウンタの値は第2普図変動中処理(ステップS1211)に対応する「1」となる。
【0307】
ステップS1211の第2普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している第2タイマカウンタの値が残り0.1秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、第2普図表示部132における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、第2普図表示部132における絵柄の表示態様を今回の第2普電開放抽選処理の結果に対応した表示態様とする。その後、第2普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を第2普図変動中処理に対応したものから第2普図確定中処理(ステップS1212)に対応したものに更新する。
【0308】
ステップS1212の第2普図確定中処理では、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.1秒)が経過したか否かを判定する。確定表示期間が経過している場合には、今回の表示継続回における第2普電開放抽選処理の結果が第2普電開放当選であるか否かを判定する。第2普電開放当選ではない場合、第2普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に、本第2普図確定中処理を終了する。第2普電開放当選である場合、主側RAM74に設けられた第2普電開放カウンタに第2普電装置122の開閉回数の情報として「3」をセットする。また、主側RAM74に設けられた第2普電入賞カウンタに今回の開放実行状態における第2普電装置122への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする。また、第2タイマカウンタに第2普電装置122の開放継続期間の情報として3秒に対応する情報をセットする。また、第2普電駆動部122bへの駆動信号の出力を開始することで第2普電装置122を開放状態とする。その後、第2普図普電カウンタを1加算する。第2普図確定中処理が実行される場合における第2普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は第2普電開放中処理(ステップS1213)に対応する「3」となる。
【0309】
ステップS1213の第2普電開放中処理では、第2普電装置122への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の第2普電入賞カウンタの値から減算する。そして、第2普電入賞カウンタの値が「0」である場合には、第2普電開放カウンタの値を「0」クリアするとともに第2タイマカウンタの値を「0」クリアし、さらに第2普電駆動部122bへの駆動信号の出力を停止することで第2普電役物122aを閉鎖状態として、第2普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第2普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第2普図変動開始処理(ステップS1210)となる。また、第2普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても第2タイマカウンタの値が「0」である場合には、第2普電駆動部122bへの駆動信号の出力を停止することで第2普電役物122aを閉鎖状態とするとともに主側RAM74の第2普電開放カウンタの値を1減算する。そして、第2普電開放カウンタの値が「0」ではない場合には第2普電役物122aの閉鎖継続期間(具体的には1秒)の数値情報を第2タイマカウンタにセットした後に第2普図普電カウンタの値を「3」から「4」に更新する。これにより、第2普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第2普電閉鎖中処理(ステップS1214)となる。第2普電開放カウンタの値が「0」である場合には、第2タイマカウンタに値をセットすることなく第2普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第2普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第2普図変動開始処理(ステップS1210)となる。
【0310】
ステップS1214の第2普電閉鎖中処理では、第2タイマカウンタの値が「0」となっていることを条件として、第2普電駆動部122bへの駆動信号の出力を開始することで第2普電役物122aを開放状態とするとともに第2普電役物122aを1回開放状態とする場合における開放継続期間(具体的には3秒)の数値情報を第2タイマカウンタにセットする。そして、第2普図普電カウンタの値を「4」から「3」に更新する。これにより、第2普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第2普電開放中処理(ステップS1213)となる。
【0311】
以上のように第2普図普電制御処理が実行されることにより、第1普電装置121への入賞が発生することを契機として第2普図表示部132において絵柄の変動表示が行われる。そして、第2普電開放抽選処理において第2普電開放当選となった場合には第2普図表示部132における表示継続回が終了した後に、第2普電装置122が開放実行状態となる。開放実行状態においては第2普電装置122にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第2普電装置122への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。
【0312】
第2普図普電制御処理では、第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合、ステップS1204にて肯定判定をすることで、ステップS1215にて変動停止処理を実行する。変動停止処理では、現状が第2普図表示部132における表示継続回の実行中であれば、第2普図表示部132における表示継続回を現状の第2普図表示部132の表示態様の状態で一旦停止させるとともに第2タイマカウンタの更新を一旦停止させる。また、変動停止処理では、主側RAM74に設けられた第2停止中フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。
【0313】
第2普図普電制御処理では、ステップS1204にて否定判定をした場合であって主側RAM74の第2停止中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1205:YES)、当該第2停止中フラグを「0」クリアする(ステップS1206)。これにより、第2普図表示部132が表示継続回の途中で一旦停止されている場合には当該表示継続回が再開されるとともに第2タイマカウンタの更新が再開される。
【0314】
上記のとおり第2普図普電制御処理では第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合、第2普図表示部132の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合には、第2普図表示部132の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合に、それに重複して第2普電装置122が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0315】
<第3普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第3普図普電制御処理について説明する。第3普図普電制御処理では、第3普図表示部133における表示継続回の実行制御、及び第3普電装置123の開放実行状態の実行制御を行う。
図26は第3普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0316】
特定作動部124への入賞が発生している場合(ステップS1301:YES)、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに記憶されている第3普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS1302:NO)、第3普図保留エリア143への格納処理を実行する(ステップS1303)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第3普図側保留情報として、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dにおける第3普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第3普図側保留情報を取得した場合には、第3普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第3普図保留表示部137の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0317】
ステップS1301にて否定判定をした場合、ステップS1302にて肯定判定をした場合、又はステップS1303の処理を実行した場合、主側ROM73に記憶されている第3普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS1304)。第3普図普電アドレステーブルには、第3普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第3普図普電カウンタは、第3普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0318】
第3普図普電カウンタは「0」~「3」の値を取り得るものであり、「0」~「3」の各値は各処理(ステップS1307~ステップS1310)の開始アドレスNA30~NA33に対応している。具体的には、第3普図普電カウンタの値が「0」である場合には第3普図表示部133における表示継続回を開始させるための処理である第3普図変動開始処理(ステップS1307)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「1」である場合には第3普図表示部133における表示継続回を進行させるための処理である第3普図変動中処理(ステップS1308)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「2」である場合には第3普図表示部133における表示継続回を終了させるための処理である第3普図確定中処理(ステップS1309)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「3」である場合には第3普電装置123の開放状態を制御するための処理である第3普電開放中処理(ステップS1310)が実行対象となる。
【0319】
第3普図普電制御処理では、第3普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS1304)、第3普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第3普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS1305)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS1306)。以下、ステップS1307~ステップS1310の各処理について個別に説明する。
【0320】
ステップS1307の第3普図変動開始処理では、第3普図保留エリア143に第3普図側保留情報が保留記憶されていることを条件に、第3普図保留エリア143に保留記憶されている第3普図側保留情報をシフトする処理を実行する。具体的には、第3普図保留エリア143の第1エリア143aに格納されている第3普図側保留情報を第3普図用実行エリア143eにシフトし、その後に第2エリア143b→第1エリア143a、第3エリア143c→第2エリア143b、及び第4エリア143d→第3エリア143cとなるように第3普図側保留情報をシフトする。なお、第3普図側保留情報をシフトした場合には、第3普図側保留情報の個数が今回減少したことに合わせて第3普図保留表示部137の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0321】
第3普図変動開始処理では上記シフト処理を実行した後は、第3普図用実行エリア143eに新たににシフトされた第3普図側保留情報を抽選値として第3普電開放抽選処理を実行する。本実施形態のパチンコ機10では第3普電開放抽選処理にて第3普電開放当選となる確率は遊技状態に関係なく一定であり、具体的には1/100の確率で第3普電開放当選となる。但し、これに限定されることはなく、第3普電開放当選となる確率がこれよりも高くてもよく低くてもよい。
【0322】
第3普図変動開始処理では第3普電開放抽選処理を実行した場合、今回の表示継続回の表示継続期間を特定するための処理を実行する。当該特定処理では、第3普電開放抽選処理の結果及び第3普図側保留情報の個数に関係なく300秒の固定の表示継続期間を主側RAM74に設けられた第3タイマカウンタにセットする。なお、第3普図表示部133にて表示継続回が実行される場合には図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にてそれに対応する演出は実行されない。
【0323】
第3普図変動開始処理では表示継続期間を特定するための処理を実行した後、第3普図表示部133における絵柄の変動表示を開始させる。第3普図表示部133にて絵柄の変動表示を行わせる場合には、既に説明した普図用の変動表示テーブルが参照される。第3普図表示部133における絵柄の変動表示を開始させた後、第3普図普電カウンタの値を1加算する。第3普図変動開始処理が実行される場合における第3普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで第3普図普電カウンタの値は第3普図変動中処理(ステップS1308)に対応する「1」となる。
【0324】
ステップS1308の第3普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している第3タイマカウンタの値が残り0.4秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、第3普図表示部133における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、第3普図表示部133における絵柄の表示態様を今回の第3普電開放抽選処理の結果に対応した表示態様とする。その後、第3普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を第3普図変動中処理に対応したものから第3普図確定中処理(ステップS1309)に対応したものに更新する。
【0325】
ステップS1309の第3普図確定中処理では、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.4秒)が経過したか否かを判定する。確定表示期間が経過している場合には、今回の表示継続回における第3普電開放抽選処理の結果が第3普電開放当選であるか否かを判定する。第3普電開放当選ではない場合、第3普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に、本第3普図確定中処理を終了する。第3普電開放当選である場合、主側RAM74に設けられた第3普電開放カウンタに第3普電装置123の開閉回数の情報として「1」をセットする。また、主側RAM74に設けられた第3普電入賞カウンタに今回の開放実行状態における第3普電装置123への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする。また、第3タイマカウンタに第3普電装置123の開放継続期間の情報として1秒に対応する情報をセットする。また、第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を開始することで第3普電装置123を開放状態とする。その後、第3普図普電カウンタを1加算する。第3普図確定中処理が実行される場合における第3普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は第3普電開放中処理(ステップS1310)に対応する「3」となる。
【0326】
ステップS1310の第3普電開放中処理では、第3普電装置123への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の第3普電入賞カウンタの値から減算する。そして、第3普電入賞カウンタの値が「0」である場合には、第3普電開放カウンタの値を「0」クリアするとともに第3タイマカウンタの値を「0」クリアし、さらに第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を停止することで第3普電役物123aを閉鎖状態として、第3普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第3普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第3普図変動開始処理(ステップS1307)となる。また、第3普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても第3タイマカウンタの値が「0」である場合には、主側RAM74の第3普電入賞カウンタ及び第3普電開放カウンタの値を「0」クリアし、さらに第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を停止することで第3普電役物123aを閉鎖状態とする。そして、第3普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第3普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第3普図変動開始処理(ステップS1307)となる。
【0327】
以上のように第3普図普電制御処理が実行されることにより、特定作動部124への入賞が発生することを契機として第3普図表示部133において絵柄の変動表示が行われる。そして、第3普電開放抽選処理において第3普電開放当選となった場合には第3普図表示部133における表示継続回が終了した後に、第3普電装置123が開放実行状態となる。開放実行状態においては第3普電装置123にて1秒の開放状態が1回行われる。なお、遊技球の発射周期は0.6秒であるため1秒の開放状態において上限個数分の遊技球が第3普電装置123に入賞することはない。
【0328】
ここで、第3普図普電制御処理では第1普電装置121が開放実行状態である場合、第2普電装置122が開放実行状態である場合、及び特別入賞装置35が受入実行状態である場合のいずれであっても第3普図表示部133の表示継続回を一旦停止させるための処理は実行されない。これにより、第1普電装置121が開放実行状態である場合、第2普電装置122が開放実行状態である場合、又は特別入賞装置35が受入実行状態である場合であっても、それとは関係なく第3普図表示部133の表示継続回を進行させることが可能となるとともに、第3普電装置123における開放実行状態を進行させることが可能となる。また、第1普図普電制御処理では第3普電装置123が開放実行状態である場合であっても第1普図表示部131の表示継続回を一旦停止させるための処理は実行されず、第2普図普電制御処理では第3普電装置123が開放実行状態である場合であっても第2普図表示部132の表示継続回を一旦停止させるための処理は実行されず、後述する第4普図普電制御処理では第3普電装置123が開放実行状態である場合であっても第4普図表示部134の表示継続回を一旦停止させるための処理は実行されない。これにより、第3普電装置123が開放実行状態である場合であっても、それとは関係なく第1普図表示部131の表示継続回を進行させることが可能となるとともに第1普電装置121における開放実行状態を進行させることが可能となり、それとは関係なく第2普図表示部132の表示継続回を進行させることが可能となるとともに第2普電装置122における開放実行状態を進行させることが可能となり、それとは関係なく第4普図表示部134の表示継続回を進行させることが可能となるとともに特別入賞装置35における受入実行状態を進行させることが可能となる。
【0329】
<第4普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第4普図普電制御処理について説明する。第4普図普電制御処理では、第4普図表示部134における表示継続回の実行制御、及び特別入賞装置35の受入実行状態の実行制御を行う。
図27は第4普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0330】
第1普電装置121が開放実行状態であるか否か、又は第2普電装置122が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS1401)。ステップS1401にて否定判定をした場合、ステップS1402及びステップS1403の処理を実行する。これらの処理については後に説明する。その後、主側ROM73に記憶されている第4普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS1404)。第4普図普電アドレステーブルには、第4普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第4普図普電カウンタは、第4普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0331】
第4普図普電カウンタは「0」~「3」の値を取り得るものであり、「0」~「3」の各値は各処理(ステップS1407~ステップS1410)の開始アドレスNA40~NA43に対応している。具体的には、第4普図普電カウンタの値が「0」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を開始させるための処理である第4普図変動開始処理(ステップS1407)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「1」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を進行させるための処理である第4普図変動中処理(ステップS1408)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「2」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を終了させるための処理である第4普図確定中処理(ステップS1409)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「3」である場合には特別入賞装置35の受入状態を制御するための処理である第4普電開放中処理(ステップS1410)が実行対象となる。
【0332】
第4普図普電制御処理では、第4普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS1404)、第4普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第4普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS1405)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS1406)。以下、ステップS1407~ステップS1410の各処理について個別に説明する。
【0333】
図28はステップS1407の第4普図変動開始処理を示すフローチャートである。スルー入賞部34への入賞が発生している場合(ステップS1501:YES)、受入判定処理を実行する(ステップS1502)。受入判定処理では、現状の普電乱数カウンタC11の数値情報を第4普図側保留情報として第4普図用実行エリア144に格納する。そして、受入判定テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出した受入判定テーブルに対して、第4普図用実行エリア144に格納されている第4普図側保留情報を照合する。この場合、98%の確率で受入当選結果となる。
【0334】
受入判定処理の結果が受入当選結果である場合(ステップS1503:YES)、受入当選結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS1504)。具体的には、第4普図表示部134における今回の表示継続回において最終的に停止表示させる受入当選結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。なお、受入当選結果に対して1種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよく、受入当選結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。
【0335】
受入判定処理の結果が受入当選結果ではない場合(ステップS1503:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS1505)。具体的には、第4普図表示部134に今回の表示継続回において最終的に停止表示させる外れ結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、受入当選結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0336】
いずれかの停止結果設定処理を実行した後は、第4普図変動期間の特定処理を実行する(ステップS1506)。その後、第4普図表示部134における絵柄の変動表示を開始させる(ステップS1507)。第4普図表示部134にて絵柄の変動表示を行わせる場合には、既に説明した普図用の変動表示テーブルが参照される。
【0337】
その後、第4普図普電カウンタの値を1加算する(ステップS1508)。第4普図変動開始処理が実行される場合における第4普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで第4普図普電カウンタの値は第4普図変動中処理(ステップS1408)に対応する「1」となる。
【0338】
図29はステップS1506における第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。まず、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに第3普図側保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定する(ステップS1601)。
【0339】
ステップS1601にて否定判定をした場合には、期間選択用の抽選処理を実行する(ステップS1602)。当該抽選処理では主側RAM74において定期的(例えば4ミリ秒周期)に更新される乱数カウンタから数値情報を取得するとともに、その取得した数値情報を主側ROM73に予め記憶された期間選択用テーブルに対して照合する。期間選択用テーブルは1/500の確率で選択当選結果となるように設定されている。なお、これに限定されることはなく、期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となる確率が1/50といったように第1普電開放抽選処理にて第1普電開放当選となる確率よりも高い構成としてもよく、期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となる確率が1/100といったように第1普電開放抽選処理にて第1普電開放当選となる確率と同一である構成としてもよく、略同一である構成としてもよい。
【0340】
期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果ではなく外れ結果であった場合(ステップS1603:NO)、今回の表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間を選択する(ステップS1604)。上記第1の実施形態と同様に第1表示継続期間は0.45秒となっている。第1表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35が受入実行状態となるとしても当該特別入賞装置35への入賞は基本的に発生しない。
【0341】
一方、第3普図側保留情報が1個以上記憶されておりステップS1601にて肯定判定をした場合、又は期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果でありステップS1603にて肯定判定をした場合、今回の表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間を選択する(ステップS1605)。上記第1の実施形態と同様に第3表示継続期間は1秒となっている。第3表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35に入賞可能となる位置に到達する遊技球の11個のうち1個の特別入賞装置35への入賞が期待できる。
【0342】
ステップS1604及びステップS1605のいずれかの処理を実行した場合、ステップS1604及びステップS1605のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の第4タイマカウンタに設定する(ステップS1606)。第4タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(
図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
【0343】
上記構成であることにより、第3普図側保留情報が保留記憶されている状況においては第4普図表示部134における表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が選択されるため、特別入賞装置35への入賞が発生し得ることとなる。これにより、特別入賞装置35への入賞の発生を期待する遊技者は特定作動部124に遊技球が入賞するか否かに注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0344】
第3普図表示部133における表示継続回が実行されているだけでは第4普図表示部134における表示継続回において第3表示継続回は選択されず、第4普図表示部134における表示継続回において第3表示継続回が選択されるためには、さらに第3普図側保留情報が保留記憶される必要がある。これにより、第4普図表示部134における表示継続回において第3表示継続回が選択されるようにするための難易度を高めることが可能となり、この点からも特定作動部124に遊技球が入賞するか否かへの注目度が高められ、結果的に遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0345】
第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況であっても期間選択用の抽選処理にて選択当選結果となることで第4普図表示部134における表示継続回において第3表示継続期間が選択される。これにより、第4普図表示部134における表示継続回において第3表示継続期間が選択される頻度を高めることが可能となる。
【0346】
ステップS1408の第4普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している第4タイマカウンタの値が残り0.4秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、第4普図表示部134における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、第4普図表示部134における絵柄の表示態様を今回の受入判定処理の結果に対応した表示態様とする。その後、第4普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を第4普図変動中処理に対応したものから第4普図確定中処理(ステップS1409)に対応したものに更新する。
【0347】
ステップS1409の第4普図確定中処理では、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.4秒)が経過したか否かを判定する。確定表示期間が経過している場合には、今回の表示継続回における受入判定処理の結果が受入当選結果であるか否かを判定する。受入当選結果ではない場合、第4普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に、本第4普図確定中処理を終了する。受入当選結果である場合、主側RAM74に設けられた第4普電開放カウンタに特別入賞装置35の開閉回数の情報として「1」をセットする。また、主側RAM74に設けられた第4普電入賞カウンタに今回の受入実行状態における特別入賞装置35への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする。また、第4タイマカウンタに特別入賞装置35の開放継続期間の情報として0.1秒に対応する情報をセットする。また、開閉駆動部47への駆動信号の出力を開始することで特別入賞装置35を受入状態とする。その後、第4普図普電カウンタを1加算する。第4普図確定中処理が実行される場合における第4普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は第4普電開放中処理(ステップS1410)に対応する「3」となる。
【0348】
ステップS1410の第4普電開放中処理では、特別入賞装置35への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の第4普電入賞カウンタの値から減算する。そして、第4普電入賞カウンタの値が「0」である場合には主側RAM74の第4普電開放カウンタの値を「0」クリアし、さらに開閉駆動部47への駆動信号の出力を停止することで特別入賞装置35を非受入状態とする。そして、第4普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普図変動開始処理(ステップS1407)となる。また、第4普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても主側RAM74の第4タイマカウンタの値が「0」である場合には、主側RAM74の第4普電入賞カウンタ及び第4普電開放カウンタの値を「0」クリアし、さらに開閉駆動部47への駆動信号の出力を停止することで特別入賞装置35を非受入状態とする。そして、第4普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普図変動開始処理(ステップS1407)となる。
【0349】
以上のように第4普図普電制御処理が実行されることにより、スルー入賞部34への入賞が発生することを契機として第4普図表示部134において絵柄の変動表示が行われる。そして、受入判定処理において受入当選結果となった場合には第4普図表示部134における表示継続回が終了した後に、特別入賞装置35が受入実行状態となる。受入実行状態においては特別入賞装置35にて0.1秒の受入状態が1回行われる。
【0350】
第4普図普電制御処理では、第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は第2普電装置122が開放実行状態である場合、ステップS1401にて肯定判定をすることで、ステップS1411にて変動停止処理を実行する。変動停止処理では、現状が第4普図表示部134における表示継続回の実行中であれば、第4普図表示部134における表示継続回を現状の第4普図表示部134の表示態様の状態で一旦停止させるとともに第4タイマカウンタの更新を一旦停止させる。また、変動停止処理では、主側RAM74に設けられた第4停止中フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。
【0351】
第4普図普電制御処理では、ステップS1401にて否定判定をした場合であって主側RAM74の第4停止中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1402:YES)、当該第4停止中フラグを「0」クリアする(ステップS1403)。これにより、第4普図表示部134が表示継続回の途中で一旦停止されている場合には当該表示継続回が再開されるとともに第4タイマカウンタの更新が再開される。
【0352】
上記のとおり第4普図普電制御処理では第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は第2普電装置122が開放実行状態である場合、第4普図表示部134の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は第2普電装置122が開放実行状態である場合には、第4普図表示部134の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第1普電装置121が開放実行状態である場合、又は第2普電装置122が開放実行状態である場合に、それに重複して特別入賞装置35が受入実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0353】
<第4普図表示部134の表示継続期間と特別入賞装置35の受入状態との関係>
次に、
図30のタイムチャートを参照しながら第4普図表示部134の表示継続期間と特別入賞装置35の受入状態との関係について説明する。
図30(a)は特定作動部124の特定検知センサ124aに遊技球が検知されている期間を示し、
図30(b)は第3普図表示部133において表示継続回が実行されている期間を示し、
図30(c)はスルー入賞部34を遊技球が通過している期間を示し、
図30(d)は特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球が存在している期間を示し、
図30(e)は第4普図表示部134において表示継続回が実行されている期間を示し、
図30(f)は特別入賞装置35が受入状態となっている期間を示す。
【0354】
既に説明したとおり上側領域PA1において可変表示ユニット37の左端よりも右方に到達した遊技球は特定作動部124に向けた遊技球の流入を可能とする導入口126に入球し得るとともに、導入口126に入球しなかった場合には左側領域PA2に流入する。そして、左側領域PA2に流入する遊技球は全てスルー入賞部34に入賞することとなる。また、左側領域PA2に流入する遊技球は第1作動部32に入賞し得る。したがって、第1普電装置121及び第2普電装置122のいずれかが開放状態とならない状況においては基本的に、上側領域PA1において可変表示ユニット37の左端よりも右方から左側領域PA2に向けて遊技球が流下するように発射操作が行われることとなる。そして、このように発射操作が行われている状況においては、
図30(c)においてt1のタイミング、t6のタイミング、t12のタイミング、t16のタイミング、t19のタイミング、t23のタイミング、t28のタイミング及びt32のタイミングで示すように基本的にスルー入賞部34への入賞が発生し、
図30(a)においてt7のタイミング及びt13のタイミングに示すように特定作動部124への入賞が低い確率で発生する。
【0355】
スルー入賞部34への入賞が発生することに基づきt1のタイミング~t2のタイミング、t6のタイミング~t8のタイミング、t12のタイミング~t14のタイミング、t16のタイミング~t20のタイミング、t23のタイミング~t29のタイミング及びt32のタイミング~t35のタイミングのそれぞれの期間において、
図30(e)に示すように第4普図表示部134における表示継続回が行われる。そして、当該表示継続回に続くようにしてt2のタイミング~t3のタイミング、t8のタイミング~t9のタイミング、t14のタイミング~t15のタイミング、t20のタイミング~t22のタイミング、t29のタイミング~t31のタイミング及びt35のタイミング~t36のタイミングのそれぞれの期間において、
図30(f)に示すように特別入賞装置35が受入実行状態となる。
【0356】
この場合に、
図30(a)に示すようにt7のタイミングで特定作動部124への入賞が発生することで、当該t7のタイミングで
図30(b)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が開始される。そして、当該表示継続回が実行されている状況におけるt13のタイミングで
図30(a)に示すように特定作動部124への入賞が再度発生する。当該特定作動部124への入賞発生により第3普図側保留情報が保留記憶された状態となる。その後、
図30(b)に示すようにt25のタイミングで第3普図表示部133における表示継続回が終了するとともに図示は省略するが即座に第3普電装置123の開放実行状態が行われる。そして、当該開放実行状態が終了した後のタイミングであるt27のタイミングで
図30(b)に示すように第3普図表示部133における新たな表示継続回が開始される。この場合、第3普図側保留情報が保留記憶された状態が解除される。
【0357】
上記のように遊技が行われた場合、t13のタイミング~t27のタイミングに亘って第3普図側保留情報が保留記憶されることとなる。したがって、t1のタイミング~t2のタイミング、t6のタイミング~t8のタイミング、t12のタイミング~t14のタイミング及びt32のタイミング~t35のタイミングのそれぞれの期間における第4普図表示部134の表示継続回は表示継続期間として第1表示継続期間が選択されるのに対して、t16のタイミング~t20のタイミング及びt23のタイミング~t29のタイミングのそれぞれの期間における第4普図表示部134の表示継続回は表示継続期間として第3表示継続期間が選択される。そうすると、
図30(d)に示すようにt4のタイミング~t5のタイミング、t10のタイミング~t11のタイミング、t17のタイミング~t18のタイミング、t20のタイミング~t21のタイミング、t24のタイミング~t26のタイミング、t29のタイミング~t30のタイミング及びt33のタイミング~t34のタイミングのそれぞれの期間において特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球が到達することとなるが、これらのうち第4普図表示部134において第3表示継続期間となる表示継続回が実行された直後における特別入賞装置35の受入実行状態の実行期間に含まれるt20のタイミング~t21のタイミング及びt29のタイミング~t30のタイミングに当該特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達する遊技球が特別入賞装置35に入賞し、それ以外の遊技球は特別入賞装置35に入賞しない。
【0358】
以上詳述した本実施形態によれば上記第1の実施形態において説明した効果に加えて又は代えて、以下の優れた効果を奏する。
【0359】
スルー入賞部34への入賞が発生することにより第4普図側保留情報が取得され、当該第4普図側保留情報が取得されることにより第4普図表示部134の表示継続回が行われ、当該表示継続回の終了後に特別入賞装置35の受入実行状態が行われ得る構成において、特別入賞装置35の受入実行状態の発生に直接的に寄与しない特定作動部124への入賞に基づき取得される第3普図側保留情報が保留記憶されている状況で第4普図表示部134の表示継続回が実行される場合に第3表示継続期間が設定され、第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況で第4普図表示部134の表示継続回が実行される場合には第1表示継続期間が設定される。そして、第1表示継続期間が設定されている場合には特別入賞装置35への入賞が基本的に不可となり、第3表示継続期間が設定されている場合には所定の頻度で特別入賞装置35への入賞が発生する。これにより、特別入賞装置35への入賞を期待する遊技者はスルー入賞部34及び特別入賞装置35だけではなく特定作動部124にも注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0360】
特定作動部124に遊技球を入賞させるためには左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作を行う必要があるのに対して、大当たり状態において開放状態となる第1普電装置121及び第2普電装置122は右側領域PA3に設けられている。これにより、第3普図側保留情報が保留記憶されており第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が繰り返し設定されている状況において大当たり状態が発生した場合、大当たり状態と並行して第3普図表示部133の表示継続回が消化されるとともに特電入賞装置36への入賞を狙って発射操作が行われることで特定作動部124への入賞が発生しないことにより、当該大当たり状態の最中に第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況となり得る。よって、第3表示継続期間が繰り返し設定される状況を大当たり状態の発生を契機として終了させることが可能となり、第3表示継続期間が繰り返し設定される状況が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0361】
第3普図側保留情報が取得されたことに基づいて第3普電開放抽選処理が実行され第3普電開放当選となった場合に第3普電装置123が開放実行状態となる。そして、第3普電装置123への入賞が発生することで遊技球の払い出しが実行される。その一方、上記のとおり第3普図側保留情報が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回が実行される場合に第3表示継続期間が設定され、当該第3表示継続期間が設定された場合に特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生することとなる。つまり、第3普図側保留情報が保留記憶されることにより、第3普電装置123が開放実行状態となるという利益だけではなく特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生するという利益も付与されることとなる。よって、第3普図側保留情報が取得されるか否かに遊技者が注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0362】
特別入賞装置35への入賞が発生することに基づいて第1普図側保留情報が取得されることにより第1普電開放抽選処理が実行され、第1普電開放当選となった場合に第1普電装置121及び第2普電装置122が開放実行状態となる大当たり状態が発生する。これにより、特別入賞装置35への入賞が発生することを期待することとなり、結果的に第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定されることを可能とするための特定作動部124への入賞が発生するか否かに遊技者を注目させることが可能となる。また、第1作動部32への入賞が発生することに基づいて第1普図側保留情報が取得される構成において特別入賞装置35への入賞が発生した場合にも第1普図側保留情報が取得される。これにより、大当たり状態の発生を期待する遊技者は第1作動部32への入賞が発生することだけではなく特別入賞装置35への入賞が発生することも期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0363】
第1作動部32、スルー入賞部34、特別入賞装置35及び特定作動部124はいずれも左側領域PA2を流下するように発射操作が行われている場合に遊技球が到達可能な位置に設けられている。これにより、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作を行うことで、第1作動部32、スルー入賞部34、特別入賞装置35及び特定作動部124の全てについて入賞の発生を狙うことが可能となる。よって、発射操作が複雑化してしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0364】
第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうちいずれかが発生している場合にはそれらのうち他の状態が発生しないのに対して、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうちいずれかが発生している場合であっても第3普電装置123の開放実行状態は発生し得る。これにより、入賞の発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0365】
特別入賞装置35への入賞が発生することに基づいて第1普電装置121が開放実行状態となり、第1普電装置121への入賞が発生することに基づいて第2普電装置122が開放実行状態となる構成において、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうちいずれかが発生している場合にはそれらのうち他の状態が発生しない。これにより、遊技者は特別入賞装置35、第1普電装置121及び第2普電装置122への入賞を段階的に狙うことが可能となる。その一方、第3普電装置123の開放実行状態は、特別入賞装置35、第1普電装置121及び第2普電装置122への入賞とは無関係に発生する。この場合に、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうちいずれかが発生している場合であっても第3普電装置123の開放実行状態は発生し得る。これにより、例えば特別入賞装置35への入賞と第3普電装置123への入賞とを同時に狙うことが可能となる状況を生じさせることが可能となる。
【0366】
特別入賞装置35の受入実行状態と第3普電装置123の開放実行状態とが重複して発生し得る構成において、第3普電装置123は特別入賞装置35に向けて流下するように遊技球が流下している場合に入賞可能となる位置に設けられている。これにより、特別入賞装置35への入賞と第3普電装置123への入賞との両方を狙って発射操作を行うことが可能となる。
【0367】
第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうちいずれかが発生した場合には、それらのうち他の装置に対応する普図表示部131,132,134における表示継続回が進行されないようにされる。これにより、表示継続回の進行を調整するだけで、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうちいずれかが発生している場合にはそれらのうち他の状態が発生しないようにすることが可能となる。
【0368】
上記のように表示継続回が進行されないようにされる状態は、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のうち表示継続回の進行停止対象となっていない普図表示部131,132,134に対応する状態が終了した後に解除され、仮に表示継続回が途中で一旦停止されていた場合には当該表示継続回の進行が再開される。これにより、進行の停止対象となった表示継続回が無効化されてしまわないようにすることが可能となる。
【0369】
<第4の実施形態の別形態>
(1)上記構成では第3普図側保留情報が上限個数の4個保留記憶されている状況において大当たり状態が発生した場合に第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況となるまでに要する最長の期間が大当たり状態の開始から終了までに要する最短の期間よりも長い期間であることにより、第3普図側保留情報が保留記憶されている状況において大当たり状態が発生した場合に当該大当たり状態が終了した後も第3普図側保留情報が保留記憶されている状況であり得る構成としたが、これに限定されることはなく、第3普図側保留情報が上限個数の4個保留記憶されている状況において大当たり状態が発生した場合に第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況となるまでに要する最長の期間が大当たり状態の開始から終了までに要する最短の期間よりも短い期間である構成としてもよい。例えば第3普図表示部133における表示継続回の表示継続期間を300秒ではなく30秒とすることにより第3普図側保留情報の消化効率を高める構成としてもよく、大当たり状態となった場合には第3普図表示部133における表示継続回の表示継続期間が大当たり状態ではない場合に比べて短縮される構成としてもよく、大当たり状態となった場合には第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況となるように第3普図保留エリア143から第3普図側保留情報が消去される構成としてもよい。これにより、大当たり状態が発生した場合には、第3表示継続期間が繰り返し設定される状況を確実に終了させることが可能となる。
【0370】
(2)第3普図表示部133の表示継続回は第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態となったとしても一旦停止されることはなく、さらに特別入賞装置35が受入実行状態となったとしても一旦停止されない構成としたが、これに限定されることはなく、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び特別入賞装置35の受入実行状態のいずれかが発生した場合には第3普図表示部133の表示継続回が一旦停止され、その一旦停止契機となった事象が終了した場合には第3普図表示部133の表示継続回が再開される構成としてもよい。当該構成においては、大当たり状態において第3普図表示部133の表示継続回の一旦停止が発生することとなるため、第3普図側保留情報が保留記憶されている状況において大当たり状態が開始された場合に当該大当たり状態が終了した後も第3普図側保留情報が保留記憶されている状況が維持され易くなる。よって、特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生する状況が大当たり状態の終了後も継続し得るようにすることが可能となる。
【0371】
(3)第4普図側保留情報が取得されたとしても受入判定処理にて受入当選結果とならないと特別入賞装置35が受入実行状態とならない構成としたが、第4普図側保留情報が取得された場合には確実に特別入賞装置35が受入実行状態となる構成としてもよく、第4普図側保留情報が取得された場合には略100%の確率で特別入賞装置35が受入実行状態となる構成としてもよい。
【0372】
(4)特別入賞装置35の受入実行状態、第1普電装置121の開放実行状態及び第2普電装置122の開放実行状態のいずれかが発生した場合には第3普図表示部133の表示継続回が途中で終了されてそのまま無効化される構成としてもよい。
【0373】
(5)普図表示部131,132,134における表示継続回の途中で当該普図表示部131,132,134に対応しない所定の装置35,121,122が受入実行状態又は開放実行状態となる場合にはその実行途中の表示継続回が一旦停止される構成としたが、これに限定されることはなく、所定の装置35,121,122が受入実行状態又は開放実行状態となっている期間分だけ表示継続回の表示継続期間が延長される構成としてもよい。この場合、所定の装置35,121,122が受入実行状態又は開放実行状態となっている期間において実行途中の表示継続回に対応する普図表示部131,132,134にて絵柄の変動表示が継続される構成としてもよい。
【0374】
(6)第2普電装置122への入賞が発生した場合に遊技球の入賞が可能となる入球装置が別に設けられている構成としてもよい。当該入球装置は第2普電装置122への入賞に基づき電気的な駆動部が駆動状態となることで遊技球の入賞が可能な状態となる構成としてもよい。また、当該入球装置は、第2普電装置122に入賞した遊技球が機械的な動作機構に当接して当該動作機構を動作させることにより遊技球の入賞が可能な状態となり、当該入球装置に入球した遊技球が別の機械的な動作機構に当接して当該動作機構を動作させることにより遊技球の入賞が不可な状態となる構成としてもよい。この場合、入球装置への入賞に基づき遊技球の払い出しが実行されるようにすることで、大当たり状態において遊技者に付与される遊技球の個数を多くすることが可能となる。
【0375】
(7)第4普図側保留情報が保留記憶されない構成としたが、第4普図側保留情報が保留記憶される構成としてもよい。
【0376】
(8)第3普電装置123の開放実行状態の実行態様は任意であり、例えば第3普電装置123が開放実行状態となった場合には当該第3普電装置123への上限個数の遊技球の入賞が期待できるように当該第3普電装置123が開放状態となる構成としてもよい。これにより、第3普電装置123が開放実行状態となることの有利度を高めることが可能となる。
【0377】
(9)第3普図側保留情報が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回が開始される場合には確実に第3表示継続期間が設定される構成に限定されることはなく、第3表示継続期間が設定され易くなる構成としてもよい。具体的には、第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況及び第3普図側保留情報が保留記憶されている状況のいずれであっても第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定され得るが、第3普図側保留情報が保留記憶されている状況の方が第3普図側保留情報が保留記憶されていない状況よりも第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定され易い構成としてもよい。
【0378】
<第5の実施形態>
本実施形態では特定作動部124の構成が上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違する構成について説明し、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0379】
上記第4の実施形態では可変表示ユニット37においてステージ37aの奥側を規定する奥壁125に特定作動部124が設けられていたが、本実施形態ではステージ37aに円盤部材151が設けられており、当該円盤部材151に供給された遊技球が入球可能となるように当該円盤部材151に特定作動部124が設けられている。円盤部材151について詳細に説明する。
図31は円盤部材151の平面図である。
【0380】
円盤部材151は当該円盤部材151の上面が遊技者から視認可能となるようにしてステージ37aに設けられている。円盤部材151には当該円盤部材151を縦方向に貫通する孔部が3個設けられており、そのうちの1個の孔部が特定作動部124であり、残りの2個の孔部が排出用孔部152,153である。特定作動部124及び排出用孔部152,153は所定の間隔を置いて周方向に設けられており、円盤部材151の上面は当該円盤部材151に供給された遊技球が特定作動部124及び排出用孔部152,153のいずれかに入球するようにこれら特定作動部124及び排出用孔部152,153に向けて下り傾斜となっている。特定作動部124に入球した遊技球はそのまま遊技盤24の背面側に排出され、排出用孔部152,153に入球した遊技球は下側領域PA4に排出されて当該下側領域PA4の流下を継続する。なお、排出用孔部152,153に入球して下側領域PA4に排出された遊技球は当該下側領域PA4に設けられた第1作動部32に入球し得る。
【0381】
可変表示ユニット37の導入口126に入球してワープ通路127を通過した遊技球は円盤部材151上に供給される。そして、円盤部材151上に供給された遊技球は1/3の確率で特定作動部124に入球し、2/3の確率でいずれかの排出用孔部152,153に入球する。
【0382】
上記構成によれば特定作動部124への遊技球の入球を期待する遊技者は円盤部材151に遊技球が供給されることだけではなく、円盤部材151に遊技球が供給された場合には当該遊技球が特定作動部124に入球することを期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0383】
<第6の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行される第4普図変動期間の特定処理の処理構成が上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違する構成について説明し、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0384】
図32は本実施形態における第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。まず第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに第3普図側保留情報が1個以上記憶されているか否か又は第3普図表示部133の表示継続回が実行中であるか否かを判定する(ステップS1701)。
【0385】
ステップS1701にて否定判定をした場合には、期間選択用の抽選処理を実行する(ステップS1702)。当該抽選処理では主側RAM74において定期的(例えば4ミリ秒周期)に更新される乱数カウンタから数値情報を取得するとともに、その取得した数値情報を主側ROM73に予め記憶された期間選択用テーブルに対して照合する。期間選択用テーブルは1/500の確率で選択当選結果となるように設定されている。
【0386】
期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果ではなく外れ結果であった場合(ステップS1703:NO)、今回の表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間を選択する(ステップS1704)。上記第1の実施形態と同様に第1表示継続期間は0.45秒となっている。第1表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35が受入実行状態となるとしても当該特別入賞装置35への入賞は基本的に発生しない。
【0387】
一方、第3普図側保留情報が1個以上記憶されており若しくは第3普図表示部133の表示継続回が実行中でありステップS1701にて肯定判定をした場合、又は期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果でありステップS1703にて肯定判定をした場合、今回の表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間を選択する(ステップS1705)。上記第1の実施形態と同様に第3表示継続期間は1秒となっている。第3表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35に入賞可能となる位置に到達する遊技球の11個のうち1個の特別入賞装置35への入賞が期待できる。
【0388】
ステップS1704及びステップS1705のいずれかの処理を実行した場合、ステップS1704及びステップS1705のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の第4タイマカウンタに設定する(ステップS1706)。
【0389】
上記構成によれば第3普図側保留情報が保留記憶されている場合だけではなく、第3普図表示部133にて表示継続回が実行されている場合にも、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定される。そして、第3表示継続期間が選択されることで特別入賞装置35への入賞が発生し得る。これにより、特別入賞装置35への入賞の発生頻度を高めることが可能となる。
【0390】
また、第3普図表示部133にて表示継続回が実行されている場合には、その後に第3普電装置123が開放実行状態となる可能性があるだけではなく、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定されることで、特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生し得ることとなる。これにより、第3普図表示部133にて表示継続回が実行されることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0391】
なお、第3普図表示部133の表示継続回が実行されている状況において第4普図表示部134の表示継続回が開始される場合には確実に第3表示継続期間が設定される構成に限定されることはなく、第3表示継続期間が設定され易くなる構成としてもよい。具体的には、第3普図表示部133の表示継続回が実行されていない状況及び第3普図表示部133の表示継続回が実行されている状況のいずれであっても第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定され得るが、第3普図表示部133の表示継続回が実行されている状況の方が第3普図表示部133の表示継続回が実行されていない状況よりも第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定され易い構成としてもよい。
【0392】
また、第4普図変動期間の特定処理においてステップS1702及びステップS1703の処理が実行されない構成としてもよい。この場合、第3普図側保留情報が1個以上記憶されている場合又は第3普図表示部133の表示継続回が実行中である場合に限って、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定される。
【0393】
<第7の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行される第3普図普電制御処理の処理構成が上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違する構成について説明し、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0394】
図33は本実施形態における第3普図普電制御処理を示すフローチャートである。特定作動部124への入賞が発生している場合(ステップS1801:YES)、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに記憶されている第3普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS1802:NO)、第3普図保留エリア143への格納処理を実行する(ステップS1803)。当該格納処理の処理内容は上記第4の実施形態における第3普図普電制御処理(
図26)のステップS1303と同様である。
【0395】
ステップS1801にて否定判定をした場合、ステップS1802にて肯定判定をした場合、又はステップS1803の処理を実行した場合、第1普電装置121が開放実行状態であるか否か、第2普電装置122が開放実行状態であるか否か、又は特別入賞装置35が受入実行状態であるか否かを判定する(ステップS1804)。ステップS1804にて否定判定をした場合、ステップS1805及びステップS1806の処理を実行する。これらの処理については後に説明する。その後、ステップS1807~ステップS1813の処理を実行する。これらステップS1807~ステップS1813の処理内容は上記第4の実施形態における第3普図普電制御処理(
図26)のステップS1304~ステップS1310の処理内容と同一である。
【0396】
一方、ステップS1804にて肯定判定をした場合、ステップS1814にて変動停止処理を実行する。変動停止処理では、現状が第3普図表示部133における表示継続回の実行中であれば、第3普図表示部133における表示継続回を現状の第3普図表示部133の表示態様の状態で一旦停止させるとともに第3タイマカウンタの更新を一旦停止させる。また、変動停止処理では、主側RAM74に設けられた第3停止中フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。
【0397】
その後、第1普電装置121が開放実行状態であること又は第2普電装置122が開放実行状態であることを条件として(ステップS1815:YES)、第3普図保留エリア143のクリア処理を実行する(ステップS1816)。当該クリア処理では、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dを「0」クリアする。これにより、第3普図側保留情報が保留記憶されていたとしてもそれら第3普図側保留情報が消去されて保留記憶されていない状態となる。また、当該クリア処理では、第3普図用実行エリア143eを「0」クリアするとともに第3普図普電カウンタを「0」クリアする。これにより、第3普図表示部133における表示継続回の実行中だったとしてもそれが無効化される。
【0398】
なお、本実施形態では第3普電装置123が開放実行状態である場合、第1普図普電制御処理(
図24)ではステップS1104にて肯定判定をすることで変動停止処理(ステップS1116)が実行され、第2普図普電制御処理(
図25)ではステップS1204にて肯定判定をすることで変動停止処理(ステップS1215)が実行され、第4普図普電制御処理(
図27)ではステップS1401にて肯定判定をすることで変動停止処理(ステップS1411)が実行される。したがって、第3普電装置123が開放実行状態である状況において第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態となることはなく、さらに特別入賞装置35が開放実行状態となることもない。
【0399】
第3普図普電制御処理では、ステップS1804にて否定判定をした場合であって主側RAM74の第3停止中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1805:YES)、当該第3停止中フラグを「0」クリアする(ステップS1806)。これにより、第3普図表示部133が表示継続回の途中で一旦停止されている場合には当該表示継続回が再開されるとともに第3タイマカウンタの更新が再開される。
【0400】
上記構成によれば第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態となった場合には第3普図側保留情報が保留記憶されていたとしてもそれが消去される。これにより、第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態となったことを契機として、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択される状況を終了させることが可能となる。よって、特別入賞装置35への入賞が発生し得る状況が、第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態となった後にまで継続されてしまわないようにすることが可能となる。
【0401】
<第8の実施形態>
本実施形態では主側MPU72における第3普図表示部133の表示継続期間の選択態様が上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違する構成について説明し、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0402】
図34は主側MPU72にて実行される第3普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。なお、第3普図変動期間の特定処理は第3普図普電制御処理(
図26)におけるステップS1307の第3普図変動開始処理にて実行される。
【0403】
まず第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dに第2普図側保留情報が1個以上記憶されているか否か又は第2普図表示部132の表示継続回が実行中であるか否かを判定する(ステップS1901)。ステップS1901にて否定判定をした場合には第3普図表示部133における今回の表示継続回の表示継続期間として長期間を選択する(ステップS1902)。長期間は上記第4の実施形態における第3普図表示部133の表示継続期間と同一の300秒に設定されている。したがって、この第3普図表示部133の表示継続回において特定作動部124への更なる入賞の発生が期待でき、当該入賞が発生した場合には第3普図側保留情報が保留記憶されて第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択されることとなる。一方、ステップS1901にて肯定判定をした場合には第3普図表示部133における今回の表示継続回の表示継続期間として短期間を選択する(ステップS1903)。短期間は0.5秒に設定されている。この場合、第3普図表示部133の表示継続回において特定作動部124への更なる入賞の発生が期待できないため、第3普図側保留情報が保留記憶されることはなく、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択されないこととなる。
【0404】
ステップS1902及びステップS1903のいずれかの処理を実行した場合、ステップS1902及びステップS1903のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の第3タイマカウンタに設定する(ステップS1904)。第3タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(
図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
【0405】
上記構成によれば第1普電装置121が開放実行状態となり当該第1普電装置121への入賞に基づき第2普図側保留情報が取得された場合には、第3普図側保留情報が保留記憶されない状況となる。そして、第3普図側保留情報が保留記憶されない場合には第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択されないため、特別入賞装置35への入賞が発生しないこととなる。これにより、第1普電装置121が開放実行状態となったことを契機として、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択される状況が継続しないようにすることが可能となる。よって、特別入賞装置35への入賞が発生し得る状況が、第1普電装置121が開放実行状態となった後にまで継続されてしまわないようにすることが可能となる。
【0406】
<第9の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行される第4普図変動期間の特定処理の処理構成が上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違する構成について説明し、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0407】
図35は本実施形態における第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。まず第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに第3普図側保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定する(ステップS2001)。ステップS2001にて否定判定をした場合には、第4普図保留エリアの第1エリア~第4エリアに第4普図側保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定する(ステップS2002)。
【0408】
ここで、上記第4の実施形態では第4普図側保留情報は保留記憶されない構成としたが、本実施形態では第4普図表示部134にて表示継続回が実行されている状況においてスルー入賞部34への入賞が発生した場合には当該入賞を契機として第4普図側保留情報が取得されて保留記憶される構成となっている。この保留記憶される上限個数は4個に設定されているが、これに限定されることはなく1個、2個又は3個であってもよく、5個以上であってもよい。
【0409】
ステップS2002にて否定判定をした場合には、期間選択用の抽選処理を実行する(ステップS2003)。当該抽選処理では主側RAM74において定期的(例えば4ミリ秒周期)に更新される乱数カウンタから数値情報を取得するとともに、その取得した数値情報を主側ROM73に予め記憶された期間選択用テーブルに対して照合する。期間選択用テーブルは1/500の確率で選択当選結果となるように設定されている。
【0410】
期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果ではなく外れ結果であった場合(ステップS2004:NO)、今回の表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間を選択する(ステップS2005)。上記第1の実施形態と同様に第1表示継続期間は0.45秒となっている。第1表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35が受入実行状態となるとしても当該特別入賞装置35への入賞は基本的に発生しない。
【0411】
一方、第3普図側保留情報が1個以上記憶されておりステップS2001にて肯定判定をした場合、第4普図側保留情報が1個以上記憶されておりステップS2002にて肯定判定をした場合、又は期間選択用の抽選処理の結果が選択当選結果でありステップS2004にて肯定判定をした場合、今回の表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間を選択する(ステップS2006)。上記第1の実施形態と同様に第3表示継続期間は1秒となっている。第3表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35に入賞可能となる位置に到達する遊技球の11個のうち1個の特別入賞装置35への入賞が期待できる。
【0412】
ステップS2005及びステップS2006のいずれかの処理を実行した場合、ステップS2005及びステップS2006のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の第4タイマカウンタに設定する(ステップS2007)。
【0413】
上記構成によれば第3普図側保留情報が保留記憶されている場合だけではなく第4普図側保留情報が保留記憶されている場合にも第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択される。そして、第3表示継続期間が選択されることで特別入賞装置35への入賞が発生し得ることとなる。これにより、特別入賞装置35への入賞の発生頻度を高めることが可能となる。
【0414】
特に、第3表示継続期間が選択された場合には第4普図表示部134にて表示継続回が実行されている状況においてスルー入賞部34への新たな入賞が発生し易いため、第4普図側保留情報が保留記憶されている状況が継続し易くなる。つまり、第3普図側保留情報が保留記憶されることにより第4普図表示部134の表示継続回にて第3表示継続期間が選択される。そして、第3表示継続期間が選択されることで第4普図側保留情報が保留記憶され易くなり、第4普図側保留情報が保留記憶された場合には第3普図側保留情報が保留記憶されていなくても第4普図表示部134の表示継続回にて第3表示継続期間が選択される。よって、第4普図表示部134の表示継続回にて第3表示継続期間が選択される状況が継続され易くすることが可能となる。
【0415】
<第10の実施形態>
本実施形態では遊技領域PAの構成が上記第1の実施形態と異なっているとともに、第1作動部32への入賞が発生した場合及び特別入賞装置35への入賞が発生した場合に実行される処理内容が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0416】
図36は本実施形態における遊技盤24の正面図である。遊技領域PAは上記第1の実施形態と同様に可変表示ユニット37により上側領域PA1、左側領域PA2、右側領域PA3及び下側領域PA4に区画されている。下側領域PA4には上記第1の実施形態と同様に第1作動部32が設けられている。一方、上記第1の実施形態ではスルー入賞部34及び特別入賞装置35が左側領域PA2に設けられていたが、本実施形態ではこれらスルー入賞部34及び特別入賞装置35は左側領域PA2ではなく右側領域PA3に設けられている。また、右側領域PA3には第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123が設けられている。第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123の構成は上記第4の実施形態と同様である。
【0417】
右側領域PA3において第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123は所定の間隔を置いて縦方向に並べて設けられている。この場合、第1普電装置121が最も上流側に配置され、第2普電装置122がその下方に配置され、第3普電装置123がその下方に配置されている。第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123はいずれも、対応する普電役物121a~123aが閉鎖状態である場合には遊技球の入賞が不可であり、対応する普電役物121a~123aが開放状態となることで遊技球の入賞が可能となる。そして、第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかに入賞した遊技球は遊技盤24の背面側に導かれて排出される。
【0418】
第1作動部32への入賞に基づき実行された内部抽選において当選となることで、第1普電装置121の開放実行状態となり当該第1普電装置121が開放状態となる。また、第1普電装置121への入賞に基づき実行された内部抽選において当選となることで、第2普電装置122の開放実行状態となり当該第2普電装置122が開放状態となる。また、第2普電装置122への入賞に基づき実行された内部抽選において当選となることで、第3普電装置123の開放実行状態となり当該第3普電装置123が開放状態となる。第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれに遊技球が入球した場合であっても、1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行される。
【0419】
右側領域PA3において第1普電装置121~第3普電装置123の下流側にスルー入賞部34及び特別入賞装置35が設けられている。第3普電装置123とスルー入賞部34との間には右側領域PA3に流入した遊技球であって第1普電装置121~第3普電装置123のいずれにも入賞しなかった遊技球を確実にスルー入賞部34に誘導するための上側ガイド領域155が形成されている。上側ガイド領域155の形成方法は任意であるが、本パチンコ機10では複数の釘24bを配列させることで上側ガイド領域155が形成されている。
【0420】
スルー入賞部34及び特別入賞装置35はスルー入賞部34が上方となるようにして縦方向に離間させて配置されている。この場合に、特別入賞装置35の向きが上記第1の実施形態における向きとは左右逆である点を除き、スルー入賞部34と特別入賞装置35との縦方向の位置関係は上記第1の実施形態と同一となっている。また、スルー入賞部34と特別入賞装置35との間の領域にはスルー入賞部34に入賞した遊技球を排出通路42の入口部42a又は非受入位置に配置されている開閉部材43に確実に誘導するための下側ガイド領域156が形成されている。下側ガイド領域156の形成方法は任意であるが、本パチンコ機10では複数の釘24bを配列させること及び特別入賞装置35の起立壁48により下側ガイド領域156が形成されている。下側ガイド領域156が形成されていることにより、開閉部材43が非受入位置に配置されている状況であればスルー入賞部34に入賞した遊技球は確実に非受入位置に配置されている開閉部材43上に到達し、開閉部材43が受入位置に配置されている状況であればスルー入賞部34に入賞した遊技球は確実に排出通路42に入球する。
【0421】
なお、開閉部材43の上面及び球受け面44は左方に向けて下り傾斜となるように形成されているため、これらの面に載った遊技球は自重により左方に向けて流下していくこととなる。この場合に、第1作動部32に対する特別入賞装置35の位置関係は、開閉部材43の上面及び球受け面44を左方に向けて流下する遊技球が第1作動部32に入球しない又は入球しづらい位置関係に設定されている。また、可変表示ユニット37においてステージ37aへの遊技球の流入を可能とする導入口37bは可変表示ユニット37の左上部にのみ設けられているため、右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作が行われている場合には導入口37bを通じてステージ37aに遊技球が供給されることはない。したがって、第1作動部32への入賞を発生させるためには右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作を行うのではなく、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射操作を行う必要がある。
【0422】
遊技領域PAの右下側において遊技球が通過しない領域に第1普図表示部131、第2普図表示部132、第3普図表示部133、第4普図表示部134、第1普図保留表示部135、第2普図保留表示部136及び第3普図保留表示部137が設けられている。第1普図表示部131~第4普図表示部134はいずれも複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されている。この場合、第1普図表示部131~第4普図表示部134において図柄表示装置51のような複雑な表示を行うことは不可であるが、第1普図表示部131~第4普図表示部134を表示制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1普図表示部131~第4普図表示部134にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。また、第1普図表示部131~第4普図表示部134の表示範囲は図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。さらには、第1普図表示部131~第4普図表示部134と第1普図保留表示部135~第3普図保留表示部137との両方分の表示範囲も、図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。これにより、第1普図表示部131~第4普図表示部134及び第1普図保留表示部135~第3普図保留表示部137よりも図柄表示装置51への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0423】
第1作動部32に遊技球が入球することに基づき第1普図表示部131において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第1普図表示部131に隣接した位置に上記第1普図保留表示部135が設けられている。遊技球が第1作動部32に入賞した個数に対応する情報は第1普図側保留情報として最大4個まで保留され、第1普図保留表示部135の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第1普図側保留情報を格納するためのエリアとして第1普図保留エリア141が設けられている。
【0424】
第1普電装置121に遊技球が入球することに基づき第2普図表示部132において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第2普図表示部132に隣接した位置に上記第2普図保留表示部136が設けられている。遊技球が第1普電装置121に入賞した個数に対応する情報は第2普図側保留情報として最大4個まで保留され、第2普図保留表示部136の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第2普図側保留情報を格納するためのエリアとして第2普図保留エリア142が設けられている。
【0425】
第2普電装置122に遊技球が入球することに基づき第3普図表示部133において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第3普図表示部133に隣接した位置に上記第3普図保留表示部137が設けられている。遊技球が第2普電装置122に入賞した個数に対応する情報は第3普図側保留情報として最大4個まで保留され、第3普図保留表示部137の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第3普図側保留情報を格納するためのエリアとして第3普図保留エリア143が設けられている。
【0426】
スルー入賞部34に遊技球が入球することに基づき第4普図表示部134において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。ここで、第4普図表示部134に対しては普図保留表示部が設けられていない。つまり、スルー入賞部34に入賞した場合に取得される第4普図側保留情報は保留記憶されない。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第4普図側保留情報を格納するためのエリアとして第4普図用実行エリア144が設けられている。
【0427】
ここで、第4普図表示部134における表示継続回の表示継続期間として、第1表示継続期間と第3表示継続期間とが設定されている。第1表示継続期間は上記第1の実施形態と同様に0.45秒に設定されている。また、第3表示継続期間は上記第1の実施形態と異なり1.5秒に設定されている。この場合に、スルー入賞部34と特別入賞装置35との位置関係は、第4普図表示部134の表示継続回において第1表示継続期間が選択された場合には特別入賞装置35への入賞が不可又は発生しづらくなり、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が選択された場合にはスルー入賞部34に入賞した遊技球の2個のうち1個の割合で特別入賞装置35への入賞が発生する位置関係に設定されている。特別入賞装置35への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行される。これにより、第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続回が選択される場合には、スルー入賞部34に供給される遊技球の個数よりも多くの数の遊技球が遊技者に払い出されることとなる。
【0428】
<第1普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される各種処理について説明する。まず第1普図表示部131における表示継続回の実行制御、及び第1普電装置121の開放実行状態の実行制御を行うための第1普図普電制御処理について説明する。
図37は第1普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0429】
第1作動部32への入賞が発生している場合(ステップS2101:YES)、第1普図保留エリア141の第1エリア141a~第4エリア141dに記憶されている第1普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS2102:NO)、第1普図保留エリア141への格納処理を実行する(ステップS2103)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第1普図側保留情報として、第1普図保留エリア141の第1エリア141a~第4エリア141dにおける第1普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第1普図側保留情報を取得した場合には、第1普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第1普図保留表示部135の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0430】
ステップS2101にて否定判定をした場合、ステップS2102にて肯定判定をした場合、又はステップS2103の処理を実行した場合、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2104)。ステップS2104にて否定判定をした場合、ステップS2105~ステップS2115の処理を実行する。これらステップS2105~ステップS2115の処理内容は上記第4の実施形態における第1普図普電制御処理(
図24)のステップS1105~ステップS1115の処理内容と同様である。また、ステップS2104にて肯定判定をした場合、ステップS2116の処理を実行する。ステップS2116の処理内容は上記第4の実施形態における第1普図普電制御処理(
図24)のステップS1116の処理内容と同様である。
【0431】
以上のように第1普図普電制御処理が実行されることにより、第1作動部32への入賞が発生することを契機として第1普図表示部131において絵柄の変動表示が行われるとともに図柄表示装置51において図柄の変動表示が行われる。そして、第1普電開放抽選処理において第1普電開放当選となった場合には第1普図表示部131及び図柄表示装置51における表示継続回が終了した後に、第1普電装置121が開放実行状態となる。開放実行状態においては第1普電装置121にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第1普電装置121への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。また、第1普電装置121に遊技球が入賞することで第2普図側保留情報が4個を上限として第2普図保留エリア142に格納される。
【0432】
また、第1普図普電制御処理では第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合、第1普図表示部131の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合には、第1普図表示部131の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合に、それに重複して第1普電装置121が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0433】
<第2普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第2普図普電制御処理について説明する。第2普図普電制御処理では、第2普図表示部132における表示継続回の実行制御、及び第2普電装置122の開放実行状態の実行制御を行う。
図38は第2普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0434】
第1普電装置121への入賞が発生している場合(ステップS2201:YES)、第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dに記憶されている第2普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS2202:NO)、第2普図保留エリア142への格納処理を実行する(ステップS2203)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第2普図側保留情報として、第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dにおける第2普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第2普図側保留情報を取得した場合には、第2普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第2普図保留表示部136の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0435】
ステップS2201にて否定判定をした場合、ステップS2202にて肯定判定をした場合、又はステップS2203の処理を実行した場合、第1普電装置121又は第3普電装置123が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2204)。ステップS2204にて否定判定をした場合、ステップS2205~ステップS2214の処理を実行する。これらステップS2205~ステップS2214の処理内容は上記第4の実施形態における第2普図普電制御処理(
図25)のステップS1205~ステップS1214の処理内容と同様である。また、ステップS2204にて肯定判定をした場合、ステップS2215の処理を実行する。ステップS2215の処理内容は上記第4の実施形態における第2普図普電制御処理(
図25)のステップS1215の処理内容と同様である。
【0436】
以上のように第2普図普電制御処理が実行されることにより、第1普電装置121への入賞が発生することを契機として第2普図表示部132において絵柄の変動表示が行われる。そして、第2普電開放抽選処理において第2普電開放当選となった場合には第2普図表示部132における表示継続回が終了した後に、第2普電装置122が開放実行状態となる。開放実行状態においては第2普電装置122にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第2普電装置122への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。また、第2普電装置122に遊技球が入賞することで第3普図側保留情報が4個を上限として第3普図保留エリア143に格納される。
【0437】
また、第2普図普電制御処理では第1普電装置121又は第3普電装置123が開放実行状態である場合、第2普図表示部132の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121又は第3普電装置123が開放実行状態である場合には、第2普図表示部132の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第1普電装置121又は第3普電装置123が開放実行状態である場合に、それに重複して第2普電装置122が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0438】
<第3普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第3普図普電制御処理について説明する。第3普図普電制御処理では、第3普図表示部133における表示継続回の実行制御、及び第3普電装置123の開放実行状態の実行制御を行う。
図39は第3普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0439】
第2普電装置122への入賞が発生している場合(ステップS2301:YES)、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに記憶されている第3普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS2302:NO)、第3普図保留エリア143への格納処理を実行する(ステップS2303)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第3普図側保留情報として、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dにおける第3普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第3普図側保留情報を取得した場合には、第3普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第3普図保留表示部137の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0440】
ステップS2301にて否定判定をした場合、ステップS2302にて肯定判定をした場合、又はステップS2303の処理を実行した場合、第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2304)。ステップS2304にて否定判定をした場合、ステップS2305及びステップS2306の処理を実行する。これらの処理については後に説明する。その後、主側ROM73に記憶されている第3普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS2307)。第3普図普電アドレステーブルには、第3普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第3普図普電カウンタは、第3普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0441】
第3普図普電カウンタは「0」~「4」の値を取り得るものであり、「0」~「4」の各値は各処理(ステップS2310~ステップS2314)の開始アドレスNA30~NA34に対応している。具体的には、第3普図普電カウンタの値が「0」である場合には第3普図表示部133における表示継続回を開始させるための処理である第3普図変動開始処理(ステップS2310)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「1」である場合には第3普図表示部133における表示継続回を進行させるための処理である第3普図変動中処理(ステップS2311)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「2」である場合には第3普図表示部133における表示継続回を終了させるための処理である第3普図確定中処理(ステップS2312)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「3」である場合には第3普電装置123の開放状態を制御するための処理である第3普電開放中処理(ステップS2313)が実行対象となり、第3普図普電カウンタの値が「4」である場合には第3普電装置123を再度開放状態とするための処理である第3普電閉鎖中処理(ステップS2314)が実行対象となる。
【0442】
第3普図普電制御処理では、第3普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS2307)、第3普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第3普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS2308)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS2309)。以下、ステップS2310~ステップS2314の各処理について個別に説明する。
【0443】
ステップS2310の第3普図変動開始処理では、第3普図保留エリア143に第3普図側保留情報が保留記憶されていることを条件に、第3普図保留エリア143に保留記憶されている第3普図側保留情報をシフトする処理を実行する。具体的には、第3普図保留エリア143の第1エリア143aに格納されている第3普図側保留情報を第3普図用実行エリア143eにシフトし、その後に第2エリア143b→第1エリア143a、第3エリア143c→第2エリア143b、及び第4エリア143d→第3エリア143cとなるように第3普図側保留情報をシフトする。なお、第3普図側保留情報をシフトした場合には、第3普図側保留情報の個数が今回減少したことに合わせて第3普図保留表示部137の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0444】
第3普図変動開始処理では上記シフト処理を実行した後は、第3普図用実行エリア143eに新たににシフトされた第3普図側保留情報を抽選値として第3普電開放抽選処理を実行する。本実施形態のパチンコ機10では第3普電開放抽選処理にて第3普電開放当選となる確率は遊技状態に関係なく一定であり、具体的には99/100の確率で第3普電開放当選となる。但し、これに限定されることはなく、第3普電開放当選となる確率がこれよりも高くてもよく低くてもよい。また、第3普電開放抽選処理が実行されることなく第3普図側保留情報が取得された場合には確実に第3普電装置123の開放実行状態が発生する構成としてもよい。
【0445】
第3普図変動開始処理では第3普電開放抽選処理を実行した場合、今回の表示継続回の表示継続期間を特定するための処理を実行する。当該特定処理では、第3普電開放抽選処理の結果及び第3普図側保留情報の個数に関係なく0.03秒の固定の表示継続期間を主側RAM74に設けられた第3タイマカウンタにセットする。なお、第3普図表示部133にて表示継続回が実行される場合には図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にてそれに対応する演出は実行されない。第1普電装置121が開放実行状態となった後であって、当該開放実行状態により取得された第2普図側保留情報の全てが消化されて当該第2普図側保留情報を契機とした第2普電装置122の開放実行状態が全て終了し、さらに当該開放実行状態により取得された第3普図側保留情報の全てが消化されて当該第3普図側保留情報を契機とした第3普電装置123の開放実行状態が全て終了するまでが本実施形態におけるパチンコ機10の大当たり状態に該当しており、当該大当たり状態においては大当たり状態に対応する演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行される。
【0446】
第3普図変動開始処理では表示継続期間を特定するための処理を実行した後、第3普図表示部133における絵柄の変動表示を開始させる。第3普図表示部133にて絵柄の変動表示を行わせる場合には、既に説明した普図用の変動表示テーブルが参照される。第3普図表示部133における絵柄の変動表示を開始させた後、第3普図普電カウンタの値を1加算する。第3普図変動開始処理が実行される場合における第3普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで第3普図普電カウンタの値は第2普図変動中処理(ステップS2311)に対応する「1」となる。
【0447】
ステップS2311の第3普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している第3タイマカウンタの値が残り0.01秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、第3普図表示部133における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、第3普図表示部133における絵柄の表示態様を今回の第3普電開放抽選処理の結果に対応した表示態様とする。その後、第3普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を第3普図変動中処理に対応したものから第3普図確定中処理(ステップS2312)に対応したものに更新する。
【0448】
ステップS2312の第3普図確定中処理では、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.01秒)が経過したか否かを判定する。確定表示期間が経過している場合には、今回の表示継続回における第3普電開放抽選処理の結果が第3普電開放当選であるか否かを判定する。第3普電開放当選ではない場合、第3普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に、本第3普図確定中処理を終了する。第3普電開放当選である場合、主側RAM74に設けられた第3普電開放カウンタに第3普電装置123の開閉回数の情報として「3」をセットする。また、主側RAM74に設けられた第3普電入賞カウンタに今回の開放実行状態における第3普電装置123への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする。また、第3タイマカウンタに第3普電装置123の開放継続期間の情報として3秒に対応する情報をセットする。また、第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を開始することで第3普電装置123を開放状態とする。その後、第3普図普電カウンタを1加算する。第3普図確定中処理が実行される場合における第3普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は第3普電開放中処理(ステップS2313)に対応する「3」となる。
【0449】
ステップS2313の第3普電開放中処理では、第3普電装置123への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の第3普電入賞カウンタの値から減算する。そして、第3普電入賞カウンタの値が「0」である場合には、第3普電開放カウンタの値を「0」クリアするとともに第3タイマカウンタの値を「0」クリアし、さらに第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を停止することで第3普電役物123aを閉鎖状態として、第3普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第3普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第3普図変動開始処理(ステップS2310)となる。また、第3普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても第3タイマカウンタの値が「0」である場合には、第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を停止することで第3普電役物123aを閉鎖状態とするとともに主側RAM74の第3普電開放カウンタの値を1減算する。そして、第3普電開放カウンタの値が「0」ではない場合には第3普電役物123aの閉鎖継続期間(具体的には1秒)の数値情報を第3タイマカウンタにセットした後に第3普図普電カウンタの値を「3」から「4」に更新する。これにより、第3普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第3普電閉鎖中処理(ステップS2314)となる。第3普電開放カウンタの値が「0」である場合には、第3タイマカウンタに値をセットすることなく第3普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第3普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第3普図変動開始処理(ステップS2310)となる。
【0450】
ステップS2314の第3普電閉鎖中処理では、第3タイマカウンタの値が「0」となっていることを条件として、第3普電駆動部123bへの駆動信号の出力を開始することで第3普電役物123aを開放状態とするとともに第3普電役物123aを1回開放状態とする場合における開放継続期間(具体的には3秒)の数値情報を第3タイマカウンタにセットする。そして、第3普図普電カウンタの値を「4」から「3」に更新する。これにより、第3普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第3普電開放中処理(ステップS2313)となる。
【0451】
以上のように第3普図普電制御処理が実行されることにより、第2普電装置122への入賞が発生することを契機として第3普図表示部133において絵柄の変動表示が行われる。そして、第3普電開放抽選処理において第3普電開放当選となった場合には第3普図表示部133における表示継続回が終了した後に、第3普電装置123が開放実行状態となる。開放実行状態においては第3普電装置123にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第3普電装置123への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。
【0452】
第3普図普電制御処理では、第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態である場合、ステップS2304にて肯定判定をすることで、ステップS2315にて変動停止処理を実行する。変動停止処理では、現状が第3普図表示部133における表示継続回の実行中であれば、第3普図表示部133における表示継続回を現状の第3普図表示部133の表示態様の状態で一旦停止させるとともに第3タイマカウンタの更新を一旦停止させる。また、変動停止処理では、主側RAM74に設けられた第3停止中フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。
【0453】
第3普図普電制御処理では、ステップS2304にて否定判定をした場合であって主側RAM74の第3停止中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2305:YES)、当該第3停止中フラグを「0」クリアする(ステップS2306)。これにより、第3普図表示部133が表示継続回の途中で一旦停止されている場合には当該表示継続回が再開されるとともに第3タイマカウンタの更新が再開される。
【0454】
上記のとおり第3普図普電制御処理では第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態である場合、第3普図表示部133の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態である場合には、第3普図表示部133の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第1普電装置121又は第2普電装置122が開放実行状態である場合に、それに重複して第3普電装置123が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0455】
<第4普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第4普図普電制御処理について説明する。第4普図普電制御処理では、第4普図表示部134における表示継続回の実行制御、及び特別入賞装置35の受入実行状態の実行制御を行う。
図40は第4普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0456】
まず主側ROM73に記憶されている第4普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS2401)。第4普図普電アドレステーブルには、第4普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第4普図普電カウンタは、第4普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0457】
第4普図普電カウンタは「0」~「3」の値を取り得るものであり、「0」~「3」の各値は各処理(ステップS2404~ステップS2407)の開始アドレスNA40~NA43に対応している。具体的には、第4普図普電カウンタの値が「0」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を開始させるための処理である第4普図変動開始処理(ステップS2404)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「1」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を進行させるための処理である第4普図変動中処理(ステップS2405)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「2」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を終了させるための処理である第4普図確定中処理(ステップS2406)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「3」である場合には特別入賞装置35の受入状態を制御するための処理である第4普電開放中処理(ステップS2407)が実行対象となる。
【0458】
第4普図普電制御処理では、第4普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS2401)、第4普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第4普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS2402)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS2403)。ステップS2405~ステップS2407の処理内容は上記第4の実施形態における第4普図普電制御処理(
図27)のステップS1407~ステップS1410の処理内容と同様である。また、ステップS2404の第4普図変動開始処理の処理内容は第4普図変動期間の特定処理の処理内容を除き、上記第4の実施形態における第4普図変動開始処理(
図28)の処理内容と同様である。
【0459】
図41は第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【0460】
まず第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dに第2普図側保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定する(ステップS2501)。ステップS2501にて否定判定をした場合には、今回の表示継続回の表示継続期間として第1表示継続期間を選択する(ステップS2501)。上記第1の実施形態と同様に第1表示継続期間は0.45秒となっている。第1表示継続期間が選択されている状況においては上記第1の実施形態と同様に、特別入賞装置35が受入実行状態となるとしても当該特別入賞装置35への入賞は基本的に発生しない。
【0461】
一方、第2普図側保留情報が1個以上記憶されておりステップS2501にて肯定判定をした場合、今回の表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間を選択する(ステップS2503)。第3表示継続期間は1.5秒となっている。第3表示継続期間が選択されている状況においては特別入賞装置35に入賞可能となる位置に到達する遊技球の2個のうち1個の特別入賞装置35への入賞が期待できる。
【0462】
ステップS2502及びステップS2503のいずれかの処理を実行した場合、ステップS2502及びステップS2503のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の第4タイマカウンタに設定する(ステップS2504)。
【0463】
上記構成であることにより、第2普図側保留情報が保留記憶されている状況においては第4普図表示部134における表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が選択されるため、特別入賞装置35への入賞が高頻度で発生し得ることとなる。これにより、第2普電装置122及び第3普電装置123が開放実行状態となる大当たり状態において、これら第2普電装置122及び第3普電装置123だけではなく特別入賞装置35への入賞に基づく遊技球の増加も期待することが可能となり、大当たり状態の有利度を高めることが可能となる。
【0464】
<第4普図表示部134の表示継続期間と特別入賞装置35の受入状態との関係>
次に、
図42のタイムチャートを参照しながら第4普図表示部134の表示継続期間と特別入賞装置35の受入状態との関係について説明する。
図42(a)は第1普電装置121が開放状態となっている期間を示し、
図42(b)は第1普電装置121の第1普電検知センサ121cに遊技球が検知されている期間を示し、
図42(c)は第2普図表示部132における表示継続回が実行されている期間を示し、
図42(d)は第2普図側保留情報が1個以上保留記憶されている期間を示し、
図42(e)はスルー入賞部34を遊技球が通過している期間を示し、
図42(f)は特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に遊技球が存在している期間を示し、
図42(g)は第4普図表示部134における表示継続回が実行されている期間を示し、
図42(h)は特別入賞装置35が受入状態となっている期間を示す。
【0465】
既に説明したとおり右側領域PA3に流入した遊技球であって第1普電装置121~第3普電装置123のいずれにも入賞しなかった遊技球は全てスルー入賞部34に入賞することとなる。したがって、第1普電装置121の開放実行状態が開始される前においては
図42(e)に示すようにt1のタイミング、t4のタイミング及びt9のタイミングでスルー入賞部34への入賞が発生する。これらの場合、
図42(g)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミング、t4のタイミング~t7のタイミング及びt9のタイミング~t13のタイミングのそれぞれの期間において第1表示継続期間による第4普図表示部134の表示継続回が行われる。そして、当該表示継続回に続くようにして
図42(h)に示すようにt2のタイミング~t3のタイミング、t7のタイミング~t8のタイミング及びt13のタイミング~t14のタイミングのそれぞれの期間において特別入賞装置35が受入実行状態となる。この場合、t1のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt5のタイミング~t6のタイミングに亘って、t4のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt10のタイミング~t11のタイミングに亘って、t9のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球はt15のタイミング~t16のタイミングに亘ってそれぞれ特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に到達することとなるが、これらいずれの期間においても特別入賞装置35が受入状態となっていないため当該特別入賞装置35への入賞は発生しない。
【0466】
その後、
図42(a)に示すようにt10のタイミング~t21のタイミングに亘って第1普電装置121が開放実行状態となる。したがって、
図42(b)に示すようにt12のタイミング、t17のタイミング及びt18のタイミングのそれぞれにおいて第1普電装置121への入賞が発生して第2普図側保留情報が取得される。この場合に、t12のタイミングにおける第1普電装置121への入賞を契機として
図42(c)に示すようにt12のタイミング~t19のタイミングに亘って第2普図表示部132の表示継続回が行われる。一方、t17のタイミング及びt18のタイミングにおける第1普電装置121への入賞は当該第2普図表示部132の表示継続回が行われている状況において発生するため、第2普図側保留情報が保留記憶されることとなる。したがって、
図42(d)に示すようにt17のタイミングで第2普図側保留情報が1個以上保留記憶された状態となる。
【0467】
第2普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況であるt20のタイミングで
図42(e)に示すようにスルー入賞部34への入賞が発生する。そして、当該t20のタイミングで
図42(g)に示すように第4普図表示部134における表示継続回が開始される。第2普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況であるため、当該表示継続回は第3表示継続期間となる。したがって、当該表示継続回はt20のタイミング~t22のタイミングに亘って行われる。そして、当該表示継続回が終了した後に
図42(h)に示すようにt22のタイミング~t24のタイミングに亘って特別入賞装置35が受入実行状態となる。この場合に、t20のタイミングでスルー入賞部34に入賞した遊技球が、
図42(f)に示すようにt22のタイミング~t23のタイミングに亘って特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に存在する。この期間は特別入賞装置35が受入状態となっている期間に該当するため、特別入賞装置35への入賞が発生することとなる。
【0468】
以上詳述した本実施形態によれば上記第1の実施形態において説明した効果に加えて又は代えて、以下の優れた効果を奏する。
【0469】
大当たり状態においては第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123が開放実行状態となるだけではなく、特別入賞装置35が受入実行状態となり得る。これにより、大当たり状態における有利度を高めることが可能となり、大当たり状態に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0470】
大当たり状態においてはまず第1普電装置121が開放実行状態となり、その開放実行状態となった第1普電装置121への入賞が発生することで第2普図側保留情報が取得されることで第2普電装置122が開放実行状態となる。この場合に、第2普図側保留情報が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回が実行される場合に当該表示継続回の表示継続期間として第3表示継続期間が設定され、第3表示継続期間が設定されることにより特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生することとなる。これにより、第1普電装置121への入賞を契機として複数の装置35,122への入賞が可能となる状況を作り出すことが可能となり、大当たり状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0471】
また、第2普電装置122は第2普図側保留情報が取得された場合には更なる入賞の発生を必要とすることなく開放実行状態となるのに対して、特別入賞装置35が受入実行状態となるためには第2普図側保留情報が保留記憶されている状況においてスルー入賞部34への入賞が発生する必要があり、さらに特別入賞装置35への入賞が発生するためには第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定された後に特別入賞装置35への入球が可能となる位置に遊技球が到達する必要がある。これにより、第2普図側保留情報が取得されることで特別入賞装置35及び第2普電装置122のそれぞれへの入賞が可能となるとしても、入賞を発生させるための条件を特別入賞装置35と第2普電装置122とで異ならせることが可能となる。
【0472】
スルー入賞部34及び特別入賞装置35は右側領域PA3において第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123よりも下流側に設けられている。これにより、大当たり状態において第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123に入賞しなかった遊技球がスルー入賞部34及び特別入賞装置35に入賞し得ることとなるため、大当たり状態において無駄に消費される遊技球の数を抑えることが可能となる。
【0473】
大当たり状態において第2普図側保留情報が保留記憶される構成において、第2普図側保留情報が保留記憶されていない状況においては第4普図表示部134の表示継続回にて第1表示継続期間が設定されることで、特別入賞装置35への入賞は基本的に発生しない。これにより、特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生する状況を大当たり状態に限定することが可能となる。
【0474】
第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうちいずれかが発生している場合にはそれらのうち他の状態が発生しないのに対して、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうちいずれかが発生している場合であっても特別入賞装置35の受入実行状態は発生し得る。これにより、入賞の発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0475】
第1普電装置121への入賞が発生することに基づいて第2普電装置122が開放実行状態となり、第2普電装置122への入賞が発生することに基づいて第3普電装置123が開放実行状態となる構成において、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうちいずれかが発生している場合にはそれらのうち他の状態が発生しない。これにより、遊技者は第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123への入賞を段階的に狙うことが可能となる。その一方、特別入賞装置35の受入実行状態は、第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123への入賞とは無関係に発生する。この場合に、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうちいずれかが発生している場合であっても特別入賞装置35の開放実行状態は発生し得る。これにより、第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかへの入賞と特別入賞装置35への入賞とを同時に狙うことが可能となる状況を生じさせることが可能となる。
【0476】
特別入賞装置35の受入実行状態と第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかの開放実行状態とが重複して発生し得る構成において、特別入賞装置35は第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123に向けて流下するように遊技球が流下している場合に入賞可能となる位置に設けられている。これにより、特別入賞装置35への入賞と第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかへの入賞との両方を狙って発射操作を行うことが可能となる。
【0477】
第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうちいずれかが発生した場合には、それらのうち他の装置に対応する普図表示部131,132,133における表示継続回が進行されないようにされる。これにより、表示継続回の進行を調整するだけで、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうちいずれかが発生している場合にはそれらのうち他の状態が発生しないようにすることが可能となる。
【0478】
上記のように表示継続回が進行されないようにされた状態は、第1普電装置121の開放実行状態、第2普電装置122の開放実行状態及び第3普電装置123の開放実行状態のうち表示継続回の進行停止対象となっていない普図表示部131,132,133に対応する状態が終了した後に解除され、仮に表示継続回が途中で一旦停止されていた場合には当該表示継続回の進行が再開される。これにより、進行の停止対象となった表示継続回が無効化されてしまわないようにすることが可能となる。
【0479】
<第10の実施形態の別形態>
(1)第4普図側保留情報が取得されたとしても受入判定処理にて受入当選結果とならないと特別入賞装置35が受入実行状態とならない構成としたが、第4普図側保留情報が取得された場合には確実に特別入賞装置35が受入実行状態となる構成としてもよく、第4普図側保留情報が取得された場合には略100%の確率で特別入賞装置35が受入実行状態となる構成としてもよい。
【0480】
(2)普図表示部131,132,133における表示継続回の途中で当該普図表示部131,132,133に対応しない所定の装置121,122,123が開放実行状態となる場合にはその実行途中の表示継続回が一旦停止される構成としたが、これに限定されることはなく、所定の装置121,122,123が開放実行状態となっている期間分だけ表示継続回の表示継続期間が延長される構成としてもよい。この場合、所定の装置121,122,123が開放実行状態となっている期間において実行途中の表示継続回に対応する普図表示部131,132,133にて絵柄の変動表示が継続される構成としてもよい。
【0481】
(3)第2普図側保留情報が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回における表示継続期間として第3表示継続期間が選択される構成としたが、これに限定されることはなく、第3普図側保留情報が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回における表示継続期間として第3表示継続期間が選択される構成としてもよく、第2普図側保留情報及び第3普図側保留情報のいずれかが保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回における表示継続期間として第3表示継続期間が選択される構成としてもよく、第2普図側保留情報及び第3普図側保留情報の両方が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回における表示継続期間として第3表示継続期間が選択される構成としてもよい。
【0482】
(4)第4普図表示部134の表示継続回は第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかが開放実行状態となったとしても一旦停止されない構成としたが、これに限定されることはなく、第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかが開放実行状態となった場合には第4普図表示部134の表示継続回が一旦停止され、その一旦停止契機となった事象が終了した場合には第4普図表示部134の表示継続回が再開される構成としてもよい。
【0483】
(5)第2普図側保留情報が保留記憶されている状況において第4普図表示部134の表示継続回が開始される場合には確実に第3表示継続期間が設定される構成に限定されることはなく、第3表示継続期間が設定され易くなる構成としてもよい。具体的には、第2普図側保留情報が保留記憶されていない状況及び第2普図側保留情報が保留記憶されている状況のいずれであっても第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定され得るが、第2普図側保留情報が保留記憶されている状況の方が第2普図側保留情報が保留記憶されていない状況よりも第4普図表示部134の表示継続回において第3表示継続期間が設定され易い構成としてもよい。
【0484】
<第11の実施形態>
本実施形態では遊技領域PAの構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0485】
図43は本実施形態における遊技盤24の正面図である。遊技領域PAは上記第1の実施形態と同様に可変表示ユニット37により上側領域PA1、左側領域PA2、右側領域PA3及び下側領域PA4に区画されている。下側領域PA4には上記第1の実施形態における第1作動部32に代えて第1スルー入賞部160が設けられている。当該第1スルー入賞部160は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合及び右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれであっても入賞可能な位置に設けられている。但し、可変表示ユニット37においてステージ37aへの遊技球の流入を可能とする導入口37bが当該可変表示ユニット37の左上部に設けられているとともに、ステージ37aに供給された遊技球は当該ステージ37aの横方向の中央付近で十分に減速して下方へと流下することで第1スルー入賞部160への入球が発生し易い。したがって、上側領域PA1における可変表示ユニット37の左端よりも右方であって左側領域PA2に向けて遊技球が流下するように発射操作が行われた場合の方が、右側領域PA3に向けて遊技球が流下するように発射操作が行われる場合よりも第1スルー入賞部160への入球が発生し易い。
【0486】
第1スルー入賞部160は縦方向に貫通した貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過して第1スルー検知センサ160aにより検知されることで、主側MPU72にて第1スルー入賞部160への入賞の発生が特定される。また、第1スルー入賞部160への入賞に際しては貫通孔を縦方向に通過するだけであるため、第1スルー入賞部160に入賞した遊技球は遊技領域PAの流下を継続することとなる。但し、これに限定されることはなく第1スルー入賞部160に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に排出される構成としてもよい。また、第1スルー入賞部160への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して3個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が3個以外であってもよく遊技球の払い出しが実行されない構成としてもよい。左側領域PA2には上記第1の実施形態におけるスルー入賞部34及び特別入賞装置35を含めて入球部は設けられていない。
【0487】
右側領域PA3には第1普電装置121、第2普電装置122、第3普電装置123、第4普電装置161及び第2スルー入賞部162が設けられている。これら第1普電装置121、第2普電装置122、第3普電装置123、第4普電装置161及び第2スルー入賞部162は左側領域PA2を流下するように発射操作が行われている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を流下するように発射操作が行われることにより入賞が可能となる。
【0488】
第1普電装置121には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第1普電役物121aが設けられている。第1普電役物121aの閉鎖状態では遊技球が第1普電装置121に入賞できず、第1普電役物121aが開放状態となることで第1普電装置121への入賞が可能となる。第1普電役物121aを開閉させるための第1普電駆動部121b及び第1普電装置121に入賞した遊技球を検知する第1普電検知センサ121cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第1普電駆動部121bに駆動信号が送信されることで第1普電役物121aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第1普電役物121aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第1普電検知センサ121cの検知結果に基づき第1普電装置121への遊技球の入球の有無を把握する。また、第1普電装置121への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が15個以外であってもよい。
【0489】
第2普電装置122には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第2普電役物122aが設けられている。第2普電役物122aの閉鎖状態では遊技球が第2普電装置122に入賞できず、第2普電役物122aが開放状態となることで第2普電装置122への入賞が可能となる。第2普電役物122aを開閉させるための第2普電駆動部122b及び第2普電装置122に入賞した遊技球を検知する第2普電検知センサ122cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第2普電駆動部122bに駆動信号が送信されることで第2普電役物122aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第2普電役物122aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第2普電検知センサ122cの検知結果に基づき第2普電装置122への遊技球の入球の有無を把握する。また、第2普電装置122への入賞が発生した場合には第1普電装置121と同様に、1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が15個以外であってもよい。
【0490】
第3普電装置123には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第3普電役物123aが設けられている。第3普電役物123aの閉鎖状態では遊技球が第3普電装置123に入賞できず、第3普電役物123aが開放状態となることで第3普電装置123への入賞が可能となる。第3普電役物123aを開閉させるための第3普電駆動部123b及び第3普電装置123に入賞した遊技球を検知する第3普電検知センサ123cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第3普電駆動部123bに駆動信号が送信されることで第3普電役物123aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第3普電役物123aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第3普電検知センサ123cの検知結果に基づき第3普電装置123への遊技球の入球の有無を把握する。また、第3普電装置123への入賞が発生した場合には第1普電装置121及び第2普電装置122と同様に、1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が15個以外であってもよい。
【0491】
第4普電装置161には左右一対の可動片よりなるガイド片としての第4普電役物161aが設けられている。第4普電役物161aの閉鎖状態では遊技球が第4普電装置161に入賞できず、第4普電役物161aが開放状態となることで第4普電装置161への入賞が可能となる。第4普電役物161aを開閉させるための第4普電駆動部161b及び第4普電装置161に入賞した遊技球を検知する第4普電検知センサ161cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から第4普電駆動部161bに駆動信号が送信されることで第4普電役物161aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで第4普電役物161aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は第4普電検知センサ161cの検知結果に基づき第4普電装置161への遊技球の入球の有無を把握する。また、第4普電装置161への入賞が発生した場合には第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123と同様に、1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が15個以外であってもよい。
【0492】
第2スルー入賞部162は縦方向に貫通した貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過して第2スルー検知センサ162aにより検知されることで、主側MPU72にて第2スルー入賞部162への入賞の発生が特定される。また、第2スルー入賞部162への入賞に際しては貫通孔を縦方向に通過するだけであるため、第2スルー入賞部162に入賞した遊技球は遊技領域PAの流下を継続することとなる。但し、これに限定されることはなく第2スルー入賞部162に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に排出される構成としてもよい。また、第2スルー入賞部162への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して2個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が1個以外であってもよく遊技球の払い出しが実行されない構成としてもよい。
【0493】
第1普電装置121、第2普電装置122、第3普電装置123及び第4普電装置161は、右側領域PA3において上流側から第1普電装置121→第2普電装置122→第3普電装置123→第4普電装置161となるように、所定の間隔をあけて鉛直方向に並べて配置されている。また、第2スルー入賞部162は右側領域PA3において第1普電装置121~第4普電装置161が設けられた領域よりも左方において第4普電装置161よりも下流側に設けられている。第2スルー入賞部162よりも上流側には右側領域PA3に流入した遊技球であって第1普電装置121~第4普電装置161に入賞しなかった遊技球を第2スルー入賞部162にガイドするための右側ガイド領域163が形成されている。右側ガイド領域163の形成方法は任意であるが、本パチンコ機10では複数の釘24bを配列させることにより右側ガイド領域163が形成されている。右側ガイド領域163が形成されていることにより、右側領域PA3に流入した遊技球であって第1普電装置121~第4普電装置161に入賞しなかった遊技球の2個のうち1個の第2スルー入賞部162への入球が期待できるように第2スルー入賞部162への入球確率が設定されている。
【0494】
ここで、既に説明したとおり第2スルー入賞部162に1個の遊技球が入賞することで2個の遊技球が払い出される。これに対して、上記のとおり右側領域PA3に流入した遊技球であって第1普電装置121~第4普電装置161に入賞しなかった遊技球の2個のうち1個の第2スルー入賞部162への入球が期待できるように第2スルー入賞部162への入球確率が設定されている。これにより、遊技者は持ち球を実質的に増減させないようにしながら第2スルー入賞部162への入賞を狙うことが可能となる。
【0495】
遊技領域PAの右下側において遊技球が通過しない領域に第1普図表示部131、第2普図表示部132、第3普図表示部133、第4普図表示部134、第1普図保留表示部135、第2普図保留表示部136及び第3普図保留表示部137が設けられている。第1普図表示部131~第4普図表示部134はいずれも複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されている。この場合、第1普図表示部131~第4普図表示部134において図柄表示装置51のような複雑な表示を行うことは不可であるが、第1普図表示部131~第4普図表示部134を表示制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1普図表示部131~第4普図表示部134にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。また、第1普図表示部131~第4普図表示部134の表示範囲は図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。さらには、第1普図表示部131~第4普図表示部134と第1普図保留表示部135~第3普図保留表示部137との両方分の表示範囲も、図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。これにより、第1普図表示部131~第4普図表示部134及び第1普図保留表示部135~第3普図保留表示部137よりも図柄表示装置51への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0496】
第1スルー入賞部160に遊技球が入球することに基づき第1普図表示部131において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第1普図表示部131に隣接した位置に上記第1普図保留表示部135が設けられている。遊技球が第1スルー入賞部160に入賞した個数に対応する情報は第1普図側保留情報として最大4個まで保留され、第1普図保留表示部135の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第1普図側保留情報を格納するためのエリアとして第1普図保留エリア141が設けられている。
【0497】
第1普電装置121又は第4普電装置161に遊技球が入球することに基づき第2普図表示部132において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第2普図表示部132に隣接した位置に上記第2普図保留表示部136が設けられている。遊技球が第1普電装置121又は第4普電装置161に入賞した個数に対応する情報は第2普図側保留情報として最大4個まで保留され、第2普図保留表示部136の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第2普図側保留情報を格納するためのエリアとして第2普図保留エリア142が設けられている。
【0498】
第2普電装置122に遊技球が入球することに基づき第3普図表示部133において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、第3普図表示部133に隣接した位置に上記第3普図保留表示部137が設けられている。遊技球が第2普電装置122に入賞した個数に対応する情報は第3普図側保留情報として最大4個まで保留され、第3普図保留表示部137の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第3普図側保留情報を格納するためのエリアとして第3普図保留エリア143が設けられている。
【0499】
第2スルー入賞部162に遊技球が入球することに基づき第4普図表示部134において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。ここで、第4普図表示部134に対しては普図保留表示部が設けられていない。つまり、第2スルー入賞部162に入賞した場合に取得される第4普図側保留情報は保留記憶されない。なお、上記第4の実施形態と同様に主側RAM74には第4普図側保留情報を格納するためのエリアとして第4普図用実行エリア144が設けられている。
【0500】
<第1普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される各種処理について説明する。まず第1普図表示部131における表示継続回の実行制御、及び第1普電装置121の開放実行状態の実行制御を行うための第1普図普電制御処理について説明する。
図44は第1普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0501】
第1スルー入賞部160への入賞が発生している場合(ステップS2601:YES)、第1普図保留エリア141の第1エリア141a~第4エリア141dに記憶されている第1普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS2602:NO)、第1普図保留エリア141への格納処理を実行する(ステップS2603)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第1普図側保留情報として、第1普図保留エリア141の第1エリア141a~第4エリア141dにおける第1普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第1普図側保留情報を取得した場合には、第1普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第1普図保留表示部135の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0502】
ステップS2601にて否定判定をした場合、ステップS2602にて肯定判定をした場合、又はステップS2603の処理を実行した場合、第2普電装置122、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2604)。ステップS2604にて否定判定をした場合、ステップS2605~ステップS2615の処理を実行する。これらステップS2605~ステップS2615の処理内容は上記第4の実施形態における第1普図普電制御処理(
図24)のステップS1105~ステップS1115の処理内容と同様である。この場合に、第1普図変動開始処理(ステップS2611)における第1普電開放抽選処理において第1普電開放当選となる確率は1/100となっている。また、第1普図変動開始処理(ステップS2611)において選択される第1普図表示部131及び図柄表示装置51における表示継続回の表示継続期間は1秒~180秒となっている。これらの構成は上記第4の実施形態と同様である。
【0503】
ステップS2604にて肯定判定をした場合、ステップS2616の処理を実行する。ステップS2616の処理内容は上記第4の実施形態における第1普図普電制御処理(
図24)のステップS1116の処理内容と同様である。
【0504】
以上のように第1普図普電制御処理が実行されることにより、第1スルー入賞部160への入賞が発生することを契機として第1普図表示部131において絵柄の変動表示が行われるとともに図柄表示装置51において図柄の変動表示が行われる。そして、第1普電開放抽選処理において第1普電開放当選となった場合には第1普図表示部131及び図柄表示装置51における表示継続回が終了した後に、第1普電装置121が開放実行状態となる。開放実行状態においては第1普電装置121にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第1普電装置121への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。また、第1普電装置121に遊技球が入賞することで第2普図側保留情報が4個を上限として第2普図保留エリア142に格納される。
【0505】
また、第1普図普電制御処理では第2普電装置122、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態である場合、第1普図表示部131の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第2普電装置122、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態である場合には、第1普図表示部131の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第2普電装置122、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態である場合に、それに重複して第1普電装置121が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0506】
<第2普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第2普図普電制御処理について説明する。第2普図普電制御処理では、第2普図表示部132における表示継続回の実行制御、及び第2普電装置122の開放実行状態の実行制御を行う。
図45は第2普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0507】
第1普電装置121又は第4普電装置161への入賞が発生している場合(ステップS2701:YES)、第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dに記憶されている第2普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS2702:NO)、第2普図保留エリア142への格納処理を実行する(ステップS2703)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第2普図側保留情報として、第2普図保留エリア142の第1エリア142a~第4エリア142dにおける第2普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第2普図側保留情報を取得した場合には、第2普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第2普図保留表示部136の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0508】
ステップS2701にて否定判定をした場合、ステップS2702にて肯定判定をした場合、又はステップS2703の処理を実行した場合、第1普電装置121、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2704)。ステップS2704にて否定判定をした場合、ステップS2705~ステップS2714の処理を実行する。これらステップS2705~ステップS2714の処理内容は上記第4の実施形態における第2普図普電制御処理(
図25)のステップS1205~ステップS1214の処理内容と基本的に同様である。但し、第2普図変動開始処理(ステップS2710)において第2普電開放抽選処理は実行されることはなく第2普図表示部132における表示継続回が終了した後は確実に第2普電装置122の開放実行状態となる。また、第2普図変動開始処理(ステップS2710)において選択される第2普図表示部132における表示継続回の表示継続期間は0.2秒で固定となっている。
【0509】
ステップS2704にて肯定判定をした場合、ステップS2715の処理を実行する。ステップS2715の処理内容は上記第4の実施形態における第2普図普電制御処理(
図25)のステップS1215の処理内容と同様である。
【0510】
以上のように第2普図普電制御処理が実行されることにより、第1普電装置121又は第4普電装置161への入賞が発生することを契機として第2普図表示部132において絵柄の変動表示が行われる。そして、第2普図表示部132における表示継続回が終了した後には確実に、第2普電装置122が開放実行状態となる。開放実行状態においては第2普電装置122にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第2普電装置122への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。また、第2普電装置122に遊技球が入賞することで第3普図側保留情報が4個を上限として第3普図保留エリア143に格納される。
【0511】
また、第2普図普電制御処理では第1普電装置121、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態である場合、第2普図表示部132の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態である場合には、第2普図表示部132の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第1普電装置121、第3普電装置123又は第4普電装置161が開放実行状態である場合に、それに重複して第2普電装置122が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0512】
<第3普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第3普図普電制御処理について説明する。第3普図普電制御処理では、第3普図表示部133における表示継続回の実行制御、及び第3普電装置123の開放実行状態の実行制御を行う。
図46は第3普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0513】
第2普電装置122への入賞が発生している場合(ステップS2801:YES)、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dに記憶されている第3普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS2802:NO)、第3普図保留エリア143への格納処理を実行する(ステップS2803)。当該格納処理では、普電乱数カウンタC11の数値情報を第3普図側保留情報として、第3普図保留エリア143の第1エリア143a~第4エリア143dにおける第3普図側保留情報が記憶されていないエリアのうち消化順序が早い側のエリアに格納する。なお、第3普図側保留情報を取得した場合には、第3普図側保留情報の個数が今回増加したことに合わせて第3普図保留表示部137の表示内容が更新されるようにするためのデータ設定を行う。
【0514】
ステップS2801にて否定判定をした場合、ステップS2802にて肯定判定をした場合、又はステップS2803の処理を実行した場合、第1普電装置121、第2普電装置122又は第4普電装置161が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2804)。ステップS2804にて否定判定をした場合、ステップS2805~ステップS2814の処理を実行する。これらステップS2805~ステップS2814の処理内容は上記第10の実施形態における第3普図普電制御処理(
図39)のステップS2305~ステップS2314の処理内容と基本的に同様である。但し、第3普図変動開始処理(ステップS2810)において第3普電開放抽選処理は実行されることはなく第3普図表示部133における表示継続回が終了した後は確実に第3普電装置123の開放実行状態となる。
【0515】
また、第3普図変動開始処理(ステップS2810)において選択される第3普図表示部133における表示継続回の表示継続期間は0.03秒で固定となっている。既に説明したとおり第2普図表示部132における表示継続回の表示継続期間は0.2秒で固定となっているとともに、第3普電装置123が開放実行状態となった場合には第2普図表示部132における表示継続回の進行は一旦停止され当該開放実行状態が終了した場合に当該表示継続回の進行が再開される。当該構成において第3普図表示部133の表示継続期間が、当該表示継続期間を第3普図側保留情報の保留記憶の上限個数に対応する値である「4」で乗算した期間が第2普図表示部132の表示継続期間よりも短い期間となるように設定されていることにより、第2普電装置122の1回の開放実行状態において取得された第3普図側保留情報の全てに対応する第3普電装置123の開放実行状態が終了する前に第2普電装置122の新たな開放実行状態が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
【0516】
ステップS2804にて肯定判定をした場合、ステップS2815の処理を実行する。ステップS2815の処理内容は上記第10の実施形態における第3普図普電制御処理(
図39)のステップS2315の処理内容と同様である。
【0517】
以上のように第3普図普電制御処理が実行されることにより、第2普電装置122への入賞が発生することを契機として第3普図表示部133において絵柄の変動表示が行われる。そして、第3普図表示部133における表示継続回が終了した後には確実に、第3普電装置123が開放実行状態となる。開放実行状態においては第3普電装置123にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第3普電装置123への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。
【0518】
また、第3普図普電制御処理では第1普電装置121、第2普電装置122又は第4普電装置161が開放実行状態である場合、第3普図表示部133の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121、第2普電装置122又は第4普電装置161が開放実行状態である場合には、第3普図表示部133の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第1普電装置121、第2普電装置122又は第4普電装置161が開放実行状態である場合に、それに重複して第3普電装置123が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0519】
<第4普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される第4普図普電制御処理について説明する。第4普図普電制御処理では、第4普図表示部134における表示継続回の実行制御、及び第4普電装置161の開放実行状態の実行制御を行う。
図47は第4普図普電制御処理を示すスローチャートである。
【0520】
まず第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態であるか否かを判定する(ステップS2901)。ステップS2901にて否定判定をした場合、ステップS2902及びステップS2903の処理を実行する。これらの処理については後に説明する。その後、主側ROM73に記憶されている第4普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS2904)。第4普図普電アドレステーブルには、第4普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。第4普図普電カウンタは、第4普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0521】
第4普図普電カウンタは「0」~「4」の値を取り得るものであり、「0」~「4」の各値は各処理(ステップS2907~ステップS2911)の開始アドレスNA40~NA44に対応している。具体的には、第4普図普電カウンタの値が「0」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を開始させるための処理である第4普図変動開始処理(ステップS2907)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「1」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を進行させるための処理である第4普図変動中処理(ステップS2908)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「2」である場合には第4普図表示部134における表示継続回を終了させるための処理である第4普図確定中処理(ステップS2909)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「3」である場合には第4普電装置161の開放状態を制御するための処理である第4普電開放中処理(ステップS2910)が実行対象となり、第4普図普電カウンタの値が「4」である場合には第4普電装置161を再度開放状態とするための処理である第4普電閉鎖中処理(ステップS2911)が実行対象となる。
【0522】
第4普図普電制御処理では、第4普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS2904)、第4普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを第4普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS2905)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS2906)。以下、ステップS2907~ステップS2911の各処理について個別に説明する。
【0523】
図48はステップS2907の第4普図変動開始処理を示すフローチャートである。第2スルー入賞部162への入賞が発生している場合(ステップS3001:YES)、開放判定処理を実行する(ステップS3002)。開放判定処理では、現状の普電乱数カウンタC11の数値情報を第4普図側保留情報として第4普図用実行エリア144に格納する。そして、開放判定テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出した開放判定テーブルに対して、第4普図用実行エリア144に格納されている第4普図側保留情報を照合する。この場合、開放判定処理において開放当選結果と判定される確率は第1普図普電制御処理(
図44)の第1普図変動開始処理(ステップS2611)における第1普電開放抽選処理にて第1普電開放当選となる確率と同一の1/100となっている。
【0524】
開放判定処理の結果が開放当選結果である場合(ステップS3003:YES)、開放当選結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3004)。具体的には、第4普図表示部134における今回の表示継続回において最終的に停止表示させる開放当選結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。なお、開放当選結果に対して1種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよく、開放当選結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。
【0525】
開放判定処理の結果が開放当選結果ではない場合(ステップS3003:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3005)。具体的には、第4普図表示部134に今回の表示継続回において最終的に停止表示させる外れ結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、開放当選結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0526】
いずれかの停止結果設定処理を実行した後は、第4普図変動期間の特定処理を実行する(ステップS3006)。その後、第4普図表示部134における絵柄の変動表示を開始させる(ステップS3007)。第4普図表示部134にて絵柄の変動表示を行わせる場合には、既に説明した普図用の変動表示テーブルが参照される。
【0527】
その後、第4普図普電カウンタの値を1加算する(ステップS3008)。第4普図変動開始処理が実行される場合における第4普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで第4普図普電カウンタの値は第4普図変動中処理(ステップS2908)に対応する「1」となる。
【0528】
図49はステップS3006における第4普図変動期間の特定処理を示すフローチャートである。
【0529】
当該特定処理では、今回の表示継続回における開放判定処理の結果が開放当選結果ではない場合(ステップS3101:NO)、第4普図表示部134における今回の表示継続回の表示継続期間として長期間を選択する(ステップS3102)。長期間は固定の600秒に設定されている。この期間は、第1普図表示部131における表示継続回において選択され得る最長の表示継続期間よりも長い期間となっている。このように開放当選結果ではない場合には第4普図表示部134における表示継続回の表示継続期間として長期間の600秒が設定されていることにより、第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかが開放実行状態となる状況である大当たり状態以外の状況において右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作が行われた場合に、第4普図表示部134における表示継続回の消化効率を悪くさせることが可能となり、当該状況においては右側領域PA3ではなく左側領域PA2を流下するように遊技球の発射操作を行うべきことを遊技者に認識させることが可能となる。
【0530】
一方、今回の表示継続回における開放判定処理の結果が開放当選結果である場合(ステップS3101:YES)、第4普図表示部134における今回の表示継続回の表示継続期間として短期間を選択する(ステップS3103)。短期間は固定の0.1秒に設定されている。
【0531】
既に説明したとおり第4普電装置161が開放実行状態となり当該第4普電装置161への入賞が発生した場合には第1普電装置121への入賞が発生した場合と同様に第2普図側保留情報が保留記憶される。第2普図側保留情報が保留記憶されている場合には第2普図表示部132の表示継続回が実行されるとともに第2普図表示部132の表示継続回が実行された場合には第2普電装置122が開放実行状態となり、さらに第2普電装置122への入賞に基づき第3普図側保留情報が保留記憶されることによりその後に第3普電装置123が確実に開放実行状態となる。つまり、基本的には第1スルー入賞部160への入賞に基づき取得された第1普図側保留情報を契機として第1普電開放抽選処理にて第1普電開放当選となることで第2普電装置122及び第3普電装置123が開放実行状態となる大当たり状態に移行することとなるが、当該大当たり状態の途中で第4普電装置161が開放実行状態となり第4普電装置161への入賞に基づき第2普図側保留情報が保留記憶されることにより、当該大当たり状態において第2普電装置122及び第3普電装置123が開放実行状態となる回数が増加されることとなる。当該構成において、第2普図表示部132における表示継続回の表示継続期間は0.2秒に固定されているとともに第3普図表示部133における表示継続回の表示継続期間は0.03秒に固定されている。この場合に、開放当選結果となった場合に選択される第4普図表示部134の表示継続期間が第2普図表示部132の表示継続期間よりも短い期間に設定されていることにより、大当たり状態のいずれのタイミングで開放当選結果に対応する第4普図表示部134の表示継続回が実行されたとしても、第4普電装置161への入賞が発生して第2普図側保留情報が新たに取得される状況を第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態となっている状況に対して近いタイミングで発生させることが可能となる。また、開放当選結果となった場合に選択される第4普図表示部134の表示継続期間が第3普図表示部133の表示継続期間よりも長い期間に設定されていることにより、第4普図表示部134において表示継続回が実行される期間をある程度担保することが可能となる。
【0532】
短期間を選択した後は、短期間選択コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3104)。短期間選択コマンドは第4普電装置161が開放実行状態となることを音光側MPU92に認識させるためのコマンドである。音光側MPU92は短期間選択コマンドを第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態となる状況である大当たり状態において受信した場合、第4普電装置161が開放実行状態となること及び当該第4普電装置161に遊技球を入賞させるべきであることを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0533】
なお、音光側MPU92は、第2普図側保留情報が取得された場合に主側MPU72が送信するコマンド及び第3普図側保留情報が取得された場合に主側MPU72が送信するコマンドに基づき、これら第2普図側保留情報の数及び第3普図側保留情報の数を把握し、第2普図側保留情報の数及び第3普図側保留情報の数を遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする構成としてもよい。この場合には大当たり状態において第4普電装置161が開放実行状態となり当該第4普電装置161への入賞に基づき第2普図側保留情報が取得された場合にはそれに対応する演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されることで、今回の大当たり状態において第2普電装置122及び第3普電装置123が開放実行状態となる回数が増加したことを遊技者は明確に認識することが可能となる。また、音光側MPU92は、第4普図表示部134における表示継続回が実行される場合に主側MPU72が送信するコマンドに基づき、当該表示継続回が実行されること及び当該表示継続回における開放判定処理の結果に対応する演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする構成としてもよい。これにより、大当たり状態において第4普電装置161が開放実行状態となるか否かに遊技者を注目させることが可能となる。
【0534】
ステップS3102及びステップS3104のいずれかの処理を実行した場合、ステップS3102及びステップS3104のいずれかにて選択した表示継続期間の情報を主側RAM74の第4タイマカウンタに設定する(ステップS3105)。
【0535】
ステップS2908の第4普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測している第4タイマカウンタの値が残り0.05秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、第4普図表示部134における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、第4普図表示部134における絵柄の表示態様を今回の開放判定処理の結果に対応した表示態様とする。その後、第4普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を第4普図変動中処理に対応したものから第4普図確定中処理(ステップS2909)に対応したものに更新する。
【0536】
ステップS2909の第4普図確定中処理では、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.05秒)が経過したか否かを判定する。確定表示期間が経過している場合には、今回の表示継続回における開放判定処理の結果が開放当選結果であるか否かを判定する。開放当選結果ではない場合、第4普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に、本第4普図確定中処理を終了する。開放当選結果である場合、主側RAM74に設けられた第4普電開放カウンタに第4普電装置161の開閉回数の情報として「3」をセットする。また、主側RAM74に設けられた第4普電入賞カウンタに今回の開放実行状態における第4普電装置161への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする。また、第4タイマカウンタに第4普電装置161の開放継続期間の情報として3秒に対応する情報をセットする。また、第4普電駆動部161bへの駆動信号の出力を開始することで第4普電装置161を開放状態とする。その後、第4普図普電カウンタを1加算する。第4普図確定中処理が実行される場合における第4普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は第4普電開放中処理(ステップS2910)に対応する「3」となる。
【0537】
ステップS2910の第4普電開放中処理では、第4普電装置161への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM74の第4普電入賞カウンタの値から減算する。そして、第4普電入賞カウンタの値が「0」である場合には、第4普電開放カウンタの値を「0」クリアするとともに第4タイマカウンタの値を「0」クリアし、さらに第4普電駆動部161bへの駆動信号の出力を停止することで第4普電役物161aを閉鎖状態として、第4普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普図変動開始処理(ステップS2907)となる。また、第4普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても第4タイマカウンタの値が「0」である場合には、第4普電駆動部161bへの駆動信号の出力を停止することで第4普電役物161aを閉鎖状態とするとともに主側RAM74の第4普電開放カウンタの値を1減算する。そして、第4普電開放カウンタの値が「0」ではない場合には第4普電役物161aの閉鎖継続期間(具体的には1秒)の数値情報を第4タイマカウンタにセットした後に第4普図普電カウンタの値を「3」から「4」に更新する。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普電閉鎖中処理(ステップS2911)となる。第4普電開放カウンタの値が「0」である場合には、第4タイマカウンタに値をセットすることなく第4普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普図変動開始処理(ステップS2907)となる。
【0538】
ステップS2911の第4普電閉鎖中処理では、第4タイマカウンタの値が「0」となっていることを条件として、第4普電駆動部161bへの駆動信号の出力を開始することで第4普電役物161aを開放状態とするとともに第4普電役物161aを1回開放状態とする場合における開放継続期間(具体的には3秒)の数値情報を第4タイマカウンタにセットする。そして、第4普図普電カウンタの値を「4」から「3」に更新する。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普電開放中処理(ステップS2910)となる。
【0539】
以上のように第4普図普電制御処理が実行されることにより、第2スルー入賞部162への入賞が発生することを契機として第4普図表示部134において絵柄の変動表示が行われる。そして、開放判定処理において開放当選結果となった場合には第4普図表示部134における表示継続回が終了した後に、第4普電装置161が開放実行状態となる。開放実行状態においては第4普電装置161にて1秒の閉鎖継続期間を挟んで3秒の開放状態が3回行われる。また、3秒の開放状態が3回行われる前に第4普電装置161への遊技球の入賞個数が10個以上となった場合には、3秒の開放状態が3回行われる前であっても今回の開放実行状態が終了される。
【0540】
第4普図普電制御処理では、第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合、ステップS2901にて肯定判定をすることで、ステップS2912にて調整処理を実行する。
図50は調整処理を示すフローチャートである。
【0541】
調整処理では第4普図表示部134の表示継続回である場合(ステップS3201:YES)、今回の表示継続回が開放当選結果に対応していないのであれば(ステップS3202:NO)、変動終了処理を実行する(ステップS3203)。変動終了処理では、第4普図表示部134の表示態様が外れ結果に対応する停止結果であればその状態を維持し、外れ結果に対応する停止結果でなければ当該外れ結果に対応する停止結果とする。また、変動終了処理では、第4タイマカウンタを「0」クリアする。これにより、第4普図表示部134における今回の表示継続回が外れ結果に対応する停止結果を表示した状態で途中で終了される。なお、外れ結果に対応する停止結果は第4普図変動開始処理(
図48)のステップS3005にて主側RAM74に読み出される外れ結果用の絵柄の停止態様の情報に対応している。その後、第4普図普電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3204)。これにより、第4普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が第4普図変動開始処理(ステップS2907)となる。
【0542】
今回の表示継続回が開放当選結果に対応している場合(ステップS3202:YES)、変動停止処理を実行する(ステップS3205)。変動停止処理では、第4普図表示部134における表示継続回を現状の第4普図表示部134の表示態様の状態で一旦停止させるとともに第4タイマカウンタの更新を一旦停止させる。また、変動停止処理では、主側RAM74に設けられた第4停止中フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。
【0543】
第4普図普電制御処理では、ステップS2901にて否定判定をした場合であって主側RAM74の第4停止中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2902:YES)、当該第4停止中フラグを「0」クリアする(ステップS2903)。これにより、第4普図表示部134が表示継続回の途中で一旦停止されている場合には当該表示継続回が再開されるとともに第4タイマカウンタの更新が再開される。
【0544】
上記のとおり第4普図普電制御処理では第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合、開放当選結果に対応しない第4普図表示部134の表示継続回であれば当該表示継続回を途中で終了させる。これにより、大当たり状態ではない状況において右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作が行われることを抑制すべく外れ結果に対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間を長期間とした構成において、大当たり状態においては第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態となったことを契機として当該外れ結果に対応する第4普図表示部134の表示継続回を途中で終了させることが可能となる。よって、大当たり状態において外れ結果に対応する第4普図表示部134の表示継続回が無意味に継続してしまわないようにすることが可能となり、結果的に大当たり状態において第4普電装置161が開放実行状態となる可能性を高めることが可能となる。
【0545】
一方、第4普図普電制御処理では第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合、開放当選結果に対応する第4普図表示部134の表示継続回を一旦停止させるための処理を実行する。これにより、第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合には、開放当選結果に対応する第4普図表示部134の表示継続回が進行されないようにすることが可能となる。よって、第4普電装置161が開放実行状態となる権利を無効化させてしまわないようにしながら、第1普電装置121、第2普電装置122又は第3普電装置123が開放実行状態である場合に、それに重複して第4普電装置161が開放実行状態となってしまわないようにすることが可能となる。
【0546】
<大当たり状態の様子>
次に、
図51のタイムチャートを参照しながら大当たり状態の様子について説明する。
図51(a)は第1普図表示部131における表示継続回が実行されている期間を示し、
図51(b)は第1普電装置121が開放実行状態となっている期間を示し、
図51(c)は第2普図側保留情報が取得されるタイミングを示し、
図51(d)は第2普図表示部132における表示継続回が実行されている期間を示し、
図51(e)は第2普電装置122が開放実行状態となっている期間を示し、
図51(f)は第3普図側保留情報が取得されるタイミングを示し、
図51(g)は第3普図表示部133における表示継続回が実行されている期間を示し、
図51(h)は第3普電装置123が開放実行状態となっている期間を示し、
図51(i)は第4普図表示部134における表示継続回が実行されている期間を示し、
図51(j)は第4普電装置161が開放実行状態となっている期間を示す。
【0547】
図51(a)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミングに亘って第1普図表示部131における表示継続回が行われる。この表示継続回は第1普電開放当選に対応しているため当該表示継続回が終了した後に
図51(b)に示すようにt2のタイミング~t7のタイミングに亘って第1普電装置121の開放実行状態となる。第1普電装置121が開放実行状態となることで遊技者はそれまで左側領域PA2を遊技球が流下するように行っていた発射操作を、右側領域PA3を遊技球が流下する発射操作に変更する。これにより、第1普電装置121への入賞が可能となる。そして、当該開放実行状態の途中であるt3のタイミング、t4のタイミング、t5のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれにおいて
図51(c)に示すように第2普図側保留情報が取得されて保留記憶される。なお、第1普電装置121の開放実行状態においては第2普図表示部132における表示継続回は開始されないため、第2普図側保留情報が保留記憶されたとしても第2普図表示部132における表示継続回は開始されない。
【0548】
その後、t7のタイミングで第1普電装置121の開放実行状態が終了することにより、当該t7のタイミングで
図51(d)に示すように第2普図表示部132における表示継続回が開始され、当該表示継続回はt9のタイミングまで実行される。なお、t7のタイミングで
図51(a)に示すように第1普図表示部131における表示継続回も開始される。また、当該状況では右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作が行われているため第2スルー入賞部162への入賞が発生し、
図51(i)に示すようにt8のタイミングで第4普図表示部134における表示継続回が開始される。当該表示継続回は開放判定処理にて開放当選結果となっていない。
【0549】
その後、t9のタイミングで
図51(d)に示すように第2普図表示部132における表示継続回が終了することで、
図51(e)に示すように第2普電装置122の開放実行状態となる。この場合に、開放当選結果に対応しない第4普図表示部134における表示継続回は
図51(i)に示すようにt9のタイミングで途中で終了される。また、当該t9のタイミングで
図51(a)に示すように第1普図表示部131における表示継続回が一旦停止される。
【0550】
t9のタイミングで開始された第2普電装置122の開放実行状態は
図51(e)に示すようにt14のタイミングまで実行される。そして、当該開放実行状態の途中であるt10のタイミング、t11のタイミング、t12のタイミング及びt13のタイミングのそれぞれにおいて
図51(f)に示すように第3普図側保留情報が取得されて保留記憶される。なお、第2普電装置122の開放実行状態においては第3普図表示部133における表示継続回は開始されないため、第3普図側保留情報が保留記憶されたとしても第3普図表示部133における表示継続回は開始されない。
【0551】
その後、t14のタイミングで第2普電装置122の開放実行状態が終了することにより、当該t14のタイミングで
図51(a)に示すように第1普図表示部131における表示継続回が再開され、
図51(d)に示すように第2普図表示部132における表示継続回が開始され、
図51(g)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が開始される。そして、t15のタイミングで
図51(g)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が先に終了することで、
図51(h)に示すように第3普電装置123の開放実行状態となる。この場合に、当該t15のタイミングで
図51(a)に示すように第1普図表示部131における表示継続回が一旦停止されるとともに
図51(d)に示すように第2普図表示部132における表示継続回が一旦停止される。
【0552】
t15のタイミングで開始された第3普電装置123の開放実行状態は
図51(h)に示すようにt16のタイミングで終了する。これにより、当該t16のタイミングで
図51(a)に示すように第1普図表示部131における表示継続回が再開され、
図51(d)に示すように第2普図表示部132における表示継続回が再開され、
図51(g)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が開始される。そして、t17のタイミングで
図51(g)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が先に終了することで、
図51(h)に示すように第3普電装置123の開放実行状態となる。この場合に、当該t17のタイミングで
図51(a)に示すように第1普図表示部131における表示継続回が一旦停止されるとともに
図51(d)に示すように第2普図表示部132における表示継続回が一旦停止される。
【0553】
その後、上記の動作が繰り返されることにより大当たり状態が進行して第2普図側保留情報の個数が0個となった後であるt18のタイミング~t19のタイミングに亘って
図51(g)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が開始されるとともに、
図51(i)に示すように第4普図表示部134における表示継続回が開始される。なお、第4普図表示部134における当該表示継続回は開放当選結果に対応している。そして、t19のタイミングで
図51(g)に示すように第3普図表示部133における表示継続回が終了することで、当該t19のタイミングで
図51(h)に示すように第3普電装置123の開放実行状態となる。この場合に、当該t19のタイミングで
図51(i)に示すように開放当選結果に対応する第4普図表示部134における表示継続回が一旦停止される。
【0554】
その後、t20のタイミングで第3普電装置123の開放実行状態が終了する。これにより、当該t20のタイミングで
図51(i)に示すように開放当選結果に対応する第4普図表示部134における表示継続回が再開される。そして、t21のタイミングで当該第4普図表示部134における表示継続回が終了することで、
図51(j)に示すようにt21のタイミング~t26のタイミングに亘って第4普電装置161の開放実行状態となる。そして、当該開放実行状態の途中であるt22のタイミング、t23のタイミング、t24のタイミング及びt25のタイミングのそれぞれにおいて
図51(c)に示すように第2普図側保留情報が取得されて保留記憶される。これにより、第2普電装置122が開放実行状態となる機会が再度付与されることとなる。
【0555】
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0556】
第4普図表示部134における表示継続回の途中で第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態が開始された場合、当該表示継続回がその後に第4普電装置161の開放実行状態が発生しないことに対応している場合には当該表示継続回をそのまま終了させる。これにより、第4普電装置161の開放実行状態の発生に結び付かない第4普図表示部134の表示継続回は第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態の発生で終了させることが可能となり、第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態の発生を優先させながら第4普図表示部134の表示継続回の消化効率を高めることが可能となる。一方、上記表示継続回がその後に第4普電装置161の開放実行状態が発生することに対応している場合には当該第4普電装置161の開放実行状態の発生タイミングが遅延される。これにより、第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態の発生を優先させながら、第4普電装置161の開放実行状態の発生という利益が消失してしまわないようにすることが可能となる。
【0557】
第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応する第4普図表示部134の表示継続回の途中で第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態が開始された場合には、表示継続回の進行を停止させ、その後に第1普電装置121~第3普電装置123の開放実行状態が終了された場合に当該表示継続回の進行を再開させる構成である。これにより、第4普図表示部134の表示継続回の一旦停止とその解除とを行うだけで上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0558】
第4普図表示部134の表示継続回を開始させることができない状況において第2スルー入賞部162への入賞が発生したとしても第4普図側保留情報は取得されない。つまり、第4普図側保留情報は保留記憶されない構成となっている。これにより、第4普図表示部134の表示継続回が実行されていない状況で第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態が発生し、さらに第2スルー入賞部162への入賞が発生したとしても、その入賞の発生に対して第4普図側保留情報を取得しないだけでよく、一旦取得した第4普図側保留情報を消去するといった処理を行う必要が生じない。
【0559】
第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間は、第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応しない第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間よりも短い。これにより、第4普図表示部134の表示継続回が開始されてから第4普電装置161の開放実行状態が開始されるまでに要する期間を短くすることが可能となる。この場合に、第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応しない第4普図表示部134の表示継続回は第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態が発生した場合に終了される。これにより、第4普図表示部134の表示継続回の消化効率を高めることが可能となる。
【0560】
第2スルー入賞部162及び第4普電装置161は第1普電装置121~第3普電装置123とともに右側領域PA3に設けられているが、大当たり状態ではない状態であっても第2スルー入賞部162への入賞が可能であり第2スルー入賞部162への入賞が発生した場合には第4普電装置161の開放実行状態が発生し得る。これに対して、第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応しない第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間は長く設定されている。これにより、大当たり状態ではない状態において第2スルー入賞部162への入賞を狙った場合における遊技効率を低下させることが可能となる。この場合に、第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応しない第4普図表示部134の表示継続回は第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかの開放実行状態が発生した場合に終了される。これにより、大当たり状態においては第4普図表示部134の表示継続回の消化効率を高めることが可能となる。
【0561】
第1スルー入賞部160への入賞に基づき実行された第1普電開放抽選処理にて第1普電開放当選となった場合に第1普電装置121が開放実行状態となり、第1普電装置121への入賞に基づき第2普電装置122の開放実行状態の発生契機となる第2普図側保留情報が取得されるのに対して、第2スルー入賞部162への入賞に基づき実行された第4普電開放抽選処理にて第4普電開放当選となることで第4普電装置161が開放実行状態となり、第4普電装置161への入賞に基づき第2普図側保留情報が取得される。これにより、第4普電装置161が開放実行状態となることを遊技者は期待することとなる。
【0562】
<第11の実施形態の別形態>
(1)大当たり状態ではない状況において右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作が行われた場合にはそれに対応する報知が行われる構成としてもよい。具体的には、大当たり状態において第2スルー入賞部162への遊技球の入球が発生した場合には図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64の少なくとも1個を利用して右側領域PA3に向けた遊技球の発射を止めることを遊技者に認識可能とさせる報知が行われるようにする。これにより、大当たり状態ではない遊技状態において第2スルー入賞部162への遊技球の入球を狙うことを遊技者に思いとどまらせることが可能となる。
【0563】
(2)第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間が、第2普図側保留情報の保留個数に応じて決定される構成としてもよい。具体的には、第2普図側保留情報の保留個数が少ないほど当該表示継続期間として短い表示継続期間が選択される構成としてもよい。当該構成としてより具体的には、第2普図側保留情報の保留個数が4個である状況においては第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間として4個の第2普図側保留情報を消化するのに要する程度の期間が選択され、第2普図側保留情報の保留個数が3個である状況においては第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間として3個の第2普図側保留情報を消化するのに要する程度の期間が選択され、第2普図側保留情報の保留個数が2個である状況においては第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間として2個の第2普図側保留情報を消化するのに要する程度の期間が選択され、第2普図側保留情報の保留個数が1個である状況においては第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間として1個の第2普図側保留情報を消化するのに要する程度の期間が選択されるようにする。これにより、第1普電装置121に入賞することで取得された第2普図側保留情報の保留個数が少なくなった状況において、第4普電装置161の開放実行状態が開始されて第2普図側保留情報の新たな取得が行われるようにすることが可能となり、1回の大当たり状態において消化される第2普図側保留情報の数を多くすることが可能となる。
【0564】
また、第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間を、第2普図側保留情報の保留個数を参照して行うのではなく、第2普図側保留情報の保留個数及び第3普図側保留情報の保留個数を参照して行う構成としてもよい。この場合、第2普図側保留情報の保留個数が少ないほど短い表示継続期間が選択されるだけではなく、第2普図側保留情報が同一の保留個数である場合で比較して第3普図側保留情報の保留個数が少ないほど短い表示継続期間が選択される構成とすることにより、1回の大当たり状態において消化される第2普図側保留情報及び第3普図側保留情報の数を多くすることが可能となる。
【0565】
(3)第4普電装置161が開放実行状態となることに対応する第4普図表示部134の表示継続回の表示継続期間が固定ではなく複数種類設定されており、設定対象の表示継続期間が抽選により決定される構成としてもよい。これにより、第4普図表示部134の表示継続回が開始されてから第4普電装置161が開放実行状態となるまでに要する期間を多様化させることが可能となる。
【0566】
(4)第4普図側保留情報が保留記憶されない構成としたが、第4普図側保留情報が保留記憶される構成としてもよい。この場合、第1普電装置121~第3普電装置123のいずれかが開放実行状態である状況において第4普図側保留情報の消化タイミングとなった場合、当該第4普図側保留情報が第4普電装置161の開放実行状態に対応していない場合には無効化され、当該第4普図側保留情報が第4普電装置161の開放実行状態に対応している場合には第1普電装置121~第3普電装置123の開放実行状態が終了するまで第4普図表示部134の表示継続回の開始対象として設定されるのが待機される構成としてもよい。これにより、第4普電装置161が開放実行状態となることの利益を消失させてしまわないようにしながら、第4普図側保留情報の消化効率を高めることが可能となる。
【0567】
(5)右側領域PA3において第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123よりも下流側に第4普電装置161が設けられている構成としたが、これに限定されることはなく、右側領域PA3において第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123よりも上流側に第4普電装置161が設けられている構成としてもよい。これにより、第4普電装置161への入賞を発生し易くすることが可能となる。
【0568】
(6)普図表示部131,132,133,134における表示継続回の途中で当該普図表示部131,132,133,134に対応しない所定の装置121,122,123,161が開放実行状態となる場合にはその実行途中の表示継続回が一旦停止される構成としたが、これに限定されることはなく、所定の装置121,122,123,161が開放実行状態となっている期間分だけ表示継続回の表示継続期間が延長される構成としてもよい。この場合、所定の装置121,122,123,124が開放実行状態となっている期間において実行途中の表示継続回に対応する普図表示部131,132,133,134にて絵柄の変動表示が継続される構成としてもよい。
【0569】
(7)第4普図表示部134の表示継続回が実行されている途中で第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかが開放実行状態となった場合、当該表示継続回が第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応している場合には当該表示継続回が終了されて無効化され、当該表示継続回が第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応していない場合には当該表示継続回が一旦停止されてその後に再開される構成としてもよい。
【0570】
(8)第4普図表示部134の表示継続回が実行されている途中で第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかが開放実行状態となった場合、当該表示継続回が第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応している場合には当該表示継続回が短縮され、当該表示継続回が第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応していない場合には当該表示継続回が終了されて無効化される構成としてもよい。
【0571】
(9)第4普図表示部134の表示継続回が実行されている途中で第1普電装置121、第2普電装置122及び第3普電装置123のいずれかが開放実行状態となった場合、当該表示継続回が第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応している場合には当該表示継続回が延長され、当該表示継続回が第4普電装置161の開放実行状態の発生に対応していない場合には当該表示継続回が短縮される構成としてもよい。
【0572】
<第12の実施形態>
本実施形態では遊技領域PAの構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0573】
図52は本実施形態における遊技盤24の正面図である。遊技領域PAは上記第1の実施形態と同様に可変表示ユニット37により上側領域PA1、左側領域PA2、右側領域PA3及び下側領域PA4に区画されている。下側領域PA4には上記第1の実施形態における第1作動部32に代えて所定スルー入賞部171が設けられている。当該所定スルー入賞部171は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合及び右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれであっても入賞可能な位置に設けられている。但し、可変表示ユニット37においてステージ37aへの遊技球の流入を可能とする導入口37bが当該可変表示ユニット37の左上部に設けられているとともに、ステージ37aに供給された遊技球は当該ステージ37aの横方向の中央付近で十分に減速して下方へと流下することで所定スルー入賞部171への入球が発生し易い。したがって、上側領域PA1における可変表示ユニット37の左端よりも右方であって左側領域PA2に向けて遊技球が流下するように発射操作が行われた場合の方が、右側領域PA3に向けて遊技球が流下するように発射操作が行われる場合よりも所定スルー入賞部171への入球が発生し易い。
【0574】
所定スルー入賞部171は縦方向に貫通した貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過して所定スルー検知センサ171aにより検知されることで、主側MPU72にて所定スルー入賞部171への入賞の発生が特定される。また、所定スルー入賞部171への入賞に際しては貫通孔を縦方向に通過するだけであるため、所定スルー入賞部171に入賞した遊技球は遊技領域PAの流下を継続することとなる。但し、これに限定されることはなく所定スルー入賞部171に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に排出される構成としてもよい。また、所定スルー入賞部171への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して3個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が3個以外であってもよく遊技球の払い出しが実行されない構成としてもよい。左側領域PA2には上記第1の実施形態におけるスルー入賞部34及び特別入賞装置35を含めて入球部は設けられていない。
【0575】
右側領域PA3には所定普電装置172、第1非電装置173、第2非電装置177及び第3非電装置179が設けられている。これら所定普電装置172、第1非電装置173、第2非電装置177及び第3非電装置179は左側領域PA2を流下するように発射操作が行われている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を流下するように発射操作が行われることにより入賞が可能となる。所定普電装置172、第1非電装置173、第2非電装置177及び第3非電装置179は、右側領域PA3において上流側から所定普電装置172→第1非電装置173→第2非電装置177→第3非電装置179となるように、所定の間隔をあけて鉛直方向に並べて配置されている。
【0576】
所定普電装置172には左右一対の可動片よりなるガイド片としての所定普電役物172aが設けられている。所定普電役物172aの閉鎖状態では遊技球が所定普電装置172に入賞できず、所定普電役物172aが開放状態となることで所定普電装置172への入賞が可能となる。所定普電役物172aを開閉させるための所定普電駆動部172b及び所定普電装置172に入賞した遊技球を検知する所定普電検知センサ172cはいずれも主制御装置70と電気的に接続されている。主側MPU72から所定普電駆動部172bに駆動信号が送信されることで所定普電役物172aが開放状態となり、当該駆動信号の送信が停止されることで所定普電役物172aが閉鎖状態に復帰する。また、主側MPU72は所定普電検知センサ172cの検知結果に基づき所定普電装置172への遊技球の入球の有無を把握する。所定普電装置172への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数が15個以外であってもよい。
【0577】
第1非電装置173には左右一対の可動片よりなる第1ガイド片173aが設けられている。第1ガイド片173aの閉鎖状態では遊技球が第1非電装置173に入賞できず、第1ガイド片173aが開放状態となることで第1非電装置173への入賞が可能となる。第1ガイド片173aを開閉させるための駆動部は設けられていない。その代わりに、所定普電装置172に入賞した遊技球が第1誘導通路174を通じて第1非電装置173に設けられた第1開放動作機構173bに当接して当該第1開放動作機構173bが変位することによって第1ガイド片173aが開放状態となり、第1非電装置173に入賞した遊技球が第2誘導通路175を通じて第2非電装置177に向かう過程で第1非電装置173に設けられた第1閉鎖動作機構173cに当接して当該第1閉鎖動作機構173cが変位することによって第1ガイド片173aが閉鎖状態となる。
【0578】
なお、所定普電装置172に入賞して第1誘導通路174により第1開放動作機構173bに誘導されて当該第1開放動作機構173bに当接した遊技球は排出用通路176により第2非電装置177側とは異なる側に排出される。また、第1開放動作機構173bにより第1ガイド片173aが開放状態となった場合には第1閉鎖動作機構173cは初期位置に復帰し、第1閉鎖動作機構173cにより第1ガイド片173aが閉鎖状態となった場合には第1開放動作機構173bは初期位置に復帰する。また、既に第1ガイド片173aが開放状態となっている状況において所定普電装置172への遊技球の入球が発生して第1開放動作機構173bにその遊技球が当接したとしても第1ガイド片173aの開放状態は維持される。
【0579】
第1非電装置173に入賞した遊技球は上記のとおり第2誘導通路175を通じて第2非電装置177に向けて流下することとなるが、当該第2誘導通路175の上流部には当該第1非電装置173に入賞した遊技球を検知するための第1非電検知センサ173dが設けられている。当該第1非電検知センサ173dは主制御装置70と電気的に接続されており、主側MPU72は第1非電検知センサ173dの検知結果に基づき第1非電装置173への遊技球の入球の有無を把握する。第1非電装置173への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数は15個以外であってもよい。なお、所定普電装置172に入賞して第1誘導通路174を通過し排出用通路176により排出される遊技球は第1非電検知センサ173dに検知されない。
【0580】
第2非電装置177には左右一対の可動片よりなる第2ガイド片177aが設けられている。第2ガイド片177aの閉鎖状態では遊技球が第2非電装置177に入賞できず、第2ガイド片177aが開放状態となることで第2非電装置177への入賞が可能となる。第2ガイド片177aを開閉させるための駆動部は設けられていない。その代わりに、第1非電装置173に入賞した遊技球が第2誘導通路175を通じて第2非電装置177に設けられた第2開放動作機構177bに当接して当該第2開放動作機構177bが変位することによって第2ガイド片177aが開放状態となり、第2非電装置177に入賞した遊技球が第3誘導通路178を通じて第3非電装置179に向かう過程で第2非電装置177に設けられた第2閉鎖動作機構177cに当接して当該第2閉鎖動作機構177cが変位することによって第2ガイド片177aが閉鎖状態となる。
【0581】
なお、第1非電装置173に入賞して第2誘導通路175により第2開放動作機構177bに誘導されて当該第2開放動作機構177bに当接した遊技球は排出用通路176により第3非電装置179側とは異なる側に排出される。また、第2開放動作機構177bにより第2ガイド片177aが開放状態となった場合には第2閉鎖動作機構177cは初期位置に復帰し、第2閉鎖動作機構177cにより第2ガイド片177aが閉鎖状態となった場合には第2開放動作機構177bは初期位置に復帰する。また、第1非電装置173に同時に2個以上の遊技球が入球したことにより、既に第2ガイド片177aが開放状態となっている状況において第2開放動作機構177bに遊技球が当接したとしても第2ガイド片177aの開放状態は維持される。
【0582】
第2非電装置177に入賞した遊技球は上記のとおり第3誘導通路178を通じて第3非電装置179に向けて流下することとなるが、当該第3誘導通路178の上流部には当該第2非電装置177に入賞した遊技球を検知するための第2非電検知センサ177dが設けられている。当該第2非電検知センサ177dは主制御装置70と電気的に接続されており、主側MPU72は第2非電検知センサ177dの検知結果に基づき第2非電装置177への遊技球の入球の有無を把握する。第2非電装置177への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数は15個以外であってもよい。なお、第1非電装置173に入賞して第2誘導通路175を通過し排出用通路176により排出される遊技球は第2非電検知センサ177dに検知されない。
【0583】
第3非電装置179には左右一対の可動片よりなる第3ガイド片179aが設けられている。第3ガイド片179aの閉鎖状態では遊技球が第3非電装置179に入賞できず、第3ガイド片179aが開放状態となることで第3非電装置179への入賞が可能となる。第3ガイド片179aを開閉させるための駆動部は設けられていない。その代わりに、第2非電装置177に入賞した遊技球が第3誘導通路178を通じて第3非電装置179に設けられた第3開放動作機構179bに当接して当該第3開放動作機構179bが変位することによって第3ガイド片179aが開放状態となり、第3非電装置179に入賞した遊技球が下流側排出用通路181を通じて下方に向かう過程で第3非電装置179に設けられた第3閉鎖動作機構179cに当接して当該第3閉鎖動作機構179cが変位することによって第3ガイド片179aが閉鎖状態となる。
【0584】
なお、第2非電装置177に入賞して第3誘導通路178により第3開放動作機構179bに誘導されて当該第3開放動作機構179bに当接した遊技球は排出用通路176により下流側排出用通路181側とは異なる側に排出される。また、第3開放動作機構179bにより第3ガイド片179aが開放状態となった場合には第3閉鎖動作機構179cは初期位置に復帰し、第3閉鎖動作機構179cにより第3ガイド片179aが閉鎖状態となった場合には第3開放動作機構179bは初期位置に復帰する。また、第2非電装置177に同時に2個以上の遊技球が入球したことにより、既に第3ガイド片179aが開放状態となっている状況において第3開放動作機構179bに遊技球が当接したとしても第3ガイド片179aの開放状態は維持される。
【0585】
第3非電装置179に入賞した遊技球は上記のとおり下流側排出用通路181を通じて下方に向けて流下することとなるが、当該下流側排出用通路181の上流部には当該第3非電装置179に入賞した遊技球を検知するための第3非電検知センサ179dが設けられている。当該第3非電検知センサ179dは主制御装置70と電気的に接続されており、主側MPU72は第3非電検知センサ179dの検知結果に基づき第3非電装置179への遊技球の入球の有無を把握する。第3非電装置179への入賞が発生した場合には1個の遊技球の入球に対して15個の遊技球の払い出しが実行されるが、払出個数は15個以外であってもよい。なお、第2非電装置177に入賞して第3誘導通路178を通過し排出用通路176により排出される遊技球は第3非電検知センサ179dに検知されない。
【0586】
遊技領域PAの右下側において遊技球が通過しない領域に所定普図表示部182及び所定普図保留表示部183が設けられている。所定普図表示部182は複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されている。この場合、所定普図表示部182において図柄表示装置51のような複雑な表示を行うことは不可であるが、所定普図表示部182を表示制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、所定普図表示部182にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。また、所定普図表示部182の表示範囲は図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。さらには、所定普図表示部182と所定普図保留表示部183との両方分の表示範囲も、図柄表示装置51の表示面よりも狭い範囲となっている。これにより、所定普図表示部182及び所定普図保留表示部183よりも図柄表示装置51への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0587】
所定スルー入賞部171に遊技球が入球することに基づき所定普図表示部182において絵柄の変動表示を含む表示継続回が行われる。また、所定普図表示部182に隣接した位置に上記所定普図保留表示部183が設けられている。遊技球が所定スルー入賞部171に入賞した個数に対応する情報は所定普図側保留情報として最大4個まで保留され、所定普図保留表示部183の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、主側RAM74には図示は省略するが所定普図側保留情報を格納するためのエリアとして所定普図保留エリアが設けられている。所定普図保留エリアの構成は上記第4の実施形態における第1普図保留エリア141と同様であり、所定普図側保留情報として普電乱数カウンタC11の数値情報が格納され、さらに所定普図表示部182の表示継続回においては当該表示継続回の実行対象となっていない所定普図側保留情報が4個を上限として保留記憶される。
【0588】
<遊技の流れ>
次に、本実施形態における遊技の流れについて
図53のタイムチャートを参照しながら説明する。
図53(a)は所定普図表示部182における表示継続回が実行されている期間を示し、
図53(b)は所定普電装置172が開放状態となっている期間を示し、
図53(c)は所定普電装置172への入賞が発生するタイミングを示し、
図53(d)は第1非電装置173が開放状態となっている期間を示し、
図53(e)は第1非電装置173への入賞が発生するタイミングを示し、
図53(f)は第2非電装置177が開放状態となっている期間を示し、
図53(g)は第2非電装置177への入賞が発生するタイミングを示し、
図53(h)は第3非電装置179が開放状態となっている期間を示し、
図53(i)は第3非電装置179への入賞が発生するタイミングを示す。
【0589】
所定スルー入賞部171への入賞が発生することで
図53(a)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミングに亘って所定普図表示部182における表示継続回が行われる。この表示継続回は所定普電装置172の開放実行状態の発生に対応しているため当該表示継続回が終了した後に
図53(b)に示すようにt2のタイミング~t4のタイミングに亘って所定普電装置172が開放状態となる。所定普電装置172が開放状態となることで遊技者はそれまで左側領域PA2を遊技球が流下するように行っていた発射操作を、右側領域PA3を遊技球が流下する発射操作に変更する。これにより、所定普電装置172への入賞が可能となる。
【0590】
所定普電装置172が開放状態となっている状況の途中であるt3のタイミングで
図53(c)に示すように所定普電装置172への入賞が発生する。所定普電装置172への入賞が発生することで当該t3のタイミングで
図53(d)に示すように第1非電装置173が開放状態となる。そして、t5のタイミングで
図53(e)に示すように第1非電装置173への入賞が発生する。第1非電装置173への入賞が発生することで当該t5のタイミングで、
図53(d)に示すように第1非電装置173が開放状態から閉鎖状態となるとともに、
図53(f)に示すように第2非電装置177が閉鎖状態から開放状態となる。
【0591】
第2非電装置177が開放状態となっている状況であるt6のタイミングで
図53(g)に示すように第2非電装置177への入賞が発生する。第2非電装置177への入賞が発生することで当該t6のタイミングで、
図53(f)に示すように第2非電装置177が開放状態から閉鎖状態となるとともに、
図53(h)に示すように第3非電装置179が閉鎖状態から開放状態となる。
【0592】
第3非電装置179が開放状態となっている状況であるt7のタイミングで
図53(i)に示すように第3非電装置179への入賞が発生する。第3非電装置179への入賞が発生することで当該t7のタイミングで、
図53(h)に示すように第3非電装置179が開放状態から閉鎖状態となる。
【0593】
上記のとおり所定普電装置172に1個の遊技球が入球することで15個の遊技球の払い出しが実行されるだけではなく第1非電装置173が開放状態となる。また、開放状態となった第1非電装置173に1個の遊技球が入球することで15個の遊技球の払い出しが実行されるだけではなく、第1非電装置173が閉鎖状態となるとともに第2非電装置177が開放状態となる。また、開放状態となった第2非電装置177に1個の遊技球が入球することで15個の遊技球の払い出しが実行されるだけではなく、第2非電装置177が閉鎖状態となるとともに第3非電装置179が開放状態となる。また、開放状態となった第3非電装置179に1個の遊技球が入球することで15個の遊技球の払い出しが実行され、さらに第3非電装置179が閉鎖状態となる。このように所定普電装置172に1個の遊技球を入球させた後に、第1非電装置173→第2非電装置177→第3非電装置179の順序でそれぞれに遊技球を入球させることにより、少なくとも60個の遊技球が払い出される。そして、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作が行われている場合には所定普電装置172、第1非電装置173、第2非電装置177及び第3非電装置179のうち開放状態となっている装置に高い確率で遊技球が入賞する。よって、上記1サイクルが行われることにより遊技者が所有している遊技球の数を増加させることが可能となる。
【0594】
所定普電装置172の開放実行状態となった場合には詳細は後述するが所定普電装置172は所定の閉鎖継続期間を挟んで開放状態が複数回発生する。したがって、t8のタイミング~t10のタイミングに亘って
図53(b)に示すように所定普電装置172が再度開放状態となる。そして、所定普電装置172が開放状態となっている状況の途中であるt9のタイミングで
図53(c)に示すように所定普電装置172への入賞が発生する。所定普電装置172への入賞が発生することで当該t9のタイミングで
図53(d)に示すように第1非電装置173が開放状態となる。この場合に、上皿65aにおける遊技球の球詰まりなどに起因して第1非電装置173への入賞の発生が遅れることとなり、t11のタイミングで
図53(e)に示すようにようやく第1非電装置173への入賞が発生する。
【0595】
第1非電装置173への入賞が発生することで当該t11のタイミングで、
図53(d)に示すように第1非電装置173が開放状態から閉鎖状態となるとともに、
図53(f)に示すように第2非電装置177が閉鎖状態から開放状態となる。この場合に、上皿65aにおける遊技球の球詰まりなどが再度発生することに起因して第2非電装置177への入賞の発生が遅れることとなる。そして、第2非電装置177が未だ開放状態となっている状況であるt12のタイミングで
図53(b)に示すように所定普電装置172の次の開放回が開始される。つまり、当該状況においては所定普電装置172及び第2非電装置177の両方が開放状態となっている。右側領域PA3において所定普電装置172は第2非電装置177よりも上流側に設けられているため、第2非電装置177よりも所定普電装置172への入賞が発生し易い。したがって、
図53(c)に示すようにt13のタイミングで、第2非電装置177よりも先に所定普電装置172への入賞が発生する。
【0596】
所定普電装置172への入賞が発生することで当該t13のタイミングで
図53(d)に示すように第1非電装置173が開放状態となる。つまり、当該状況においては所定普電装置172、第1非電装置173及び第2非電装置177のそれぞれが開放状態となっている。その後、t14のタイミングで
図53(b)に示すように所定普電装置172が閉鎖状態となる。この状況においては第1非電装置173及び第2非電装置177の両方が開放状態となっている。右側領域PA3において第1非電装置173は第2非電装置177よりも上流側に設けられているため、第2非電装置177よりも第1非電装置173への入賞が発生し易い。したがって、
図53(e)に示すようにt15のタイミングで、第2非電装置177よりも先に第1非電装置173への入賞が発生する。
【0597】
第1非電装置173への入賞が発生することで当該t15のタイミングで
図53(d)に示すように第1非電装置173が閉鎖状態となる。但し、第2非電装置177は既に開放状態となっているため、第1非電装置173への入賞が発生したとしても当該第2非電装置177の開放状態が維持される。
【0598】
その後、t16のタイミングで
図53(g)に示すように第2非電装置177への入賞が発生する。第2非電装置177への入賞が発生することで当該t16のタイミングで、
図53(f)に示すように第2非電装置177が開放状態から閉鎖状態となるとともに、
図53(h)に示すように第3非電装置179が閉鎖状態から開放状態となる。そして、t17のタイミングで
図53(i)に示すように第3非電装置179への入賞が発生する。第3非電装置179への入賞が発生することで当該t17のタイミングで、
図53(h)に示すように第3非電装置179が開放状態から閉鎖状態となる。
【0599】
上記のとおり所定普電装置172→第1非電装置173→第2非電装置177→第3非電装置179という遊技球の入球の1サイクルが完了する前に所定普電装置172への新たな入賞が発生することで、当該実行中の1サイクルが実質的に途中で終了してしまうこととなる。そうすると、その分だけ遊技者に付与される遊技球の払出個数が減少してしまうこととなる。本実施形態ではそのような不都合の発生を抑制するための構成が採用されている。当該構成については後に説明する。
【0600】
<普図普電制御処理>
次に、主側MPU72にて実行される普図普電制御処理について説明する。普図普電制御処理では所定普図表示部182における表示継続回の実行制御、及び所定普電装置172の開放実行状態の実行制御を行う。
図54は本実施形態における普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【0601】
所定スルー入賞部171への入賞が発生している場合(ステップS3301:YES)、所定普図保留エリアに記憶されている所定普図側保留情報の数が上限個数である4個未満であることを条件として(ステップS3302:NO)、所定普図保留エリアへの格納処理を実行する(ステップS3303)。当該格納処理の処理内容は、上記第4の実施形態における第1普図普電制御処理(
図24)の第1普図保留エリアへの格納処理(ステップS1103)と同様である。
【0602】
ステップS3301にて否定判定をした場合、ステップS3302にて肯定判定をした場合、又はステップS3303の処理を実行した場合、主側ROM73に記憶されている普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS3304)。普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。普図普電カウンタは、普図普電制御処理にて実行すべき処理内容を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0603】
普図普電カウンタは「0」~「4」の値を取り得るものであり、「0」~「4」の各値は各処理(ステップS3307~ステップS3311)の開始アドレスNA0~NA4に対応している。具体的には、普図普電カウンタの値が「0」である場合には所定普図表示部182における表示継続回を開始させるための処理である普図変動開始処理(ステップS3307)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「1」である場合には所定普図表示部182における表示継続回を進行させるための処理である普図変動中処理(ステップS3308)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「2」である場合には所定普図表示部182における表示継続回を終了させるための処理である普図確定中処理(ステップS3309)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「3」である場合には所定普電装置172の開放状態を制御するための処理である普電開放中処理(ステップS3310)が実行対象となり、普図普電カウンタの値が「4」である場合には所定普電装置172の閉鎖状態を制御するための処理である普電閉鎖中処理(ステップS3311)が実行対象となる。
【0604】
普図普電制御処理では、普図普電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS3304)、普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを普図普電アドレステーブルから取得し(ステップS3305)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS3306)。以下、ステップS3307~ステップS3311の各処理について個別に説明する。
【0605】
<普図変動開始処理>
まずステップS3307の普図変動開始処理について、
図55のフローチャートを参照しながら説明する。
【0606】
普図変動開始処理では、所定普図側保留情報が記憶されていることを条件として(ステップS3401:YES)、データ設定処理を実行する(ステップS3402)。データ設定処理の処理内容は上記第1の実施形態における普図変動開始処理(
図16)のデータ設定処理(ステップS702)と同様である。これにより、所定普図保留エリアの第1エリアに格納されていた所定普図側保留情報が所定普図保留エリアにおける普図用の実行エリアにシフトされる。
【0607】
データ設定処理を実行した後は開放判定処理を実行する(ステップS3403)。開放判定処理では、開放判定テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出した開放判定テーブルに対して、今回の開放判定処理の実行対象となっている所定普図側保留情報における普電乱数カウンタC11についての数値情報を照合する。この場合、1/100の確率で開放当選結果となる。
【0608】
開放判定処理の結果が開放当選結果である場合(ステップS3404:YES)、開放当選結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3405)。具体的には、所定普図表示部182における今回の表示継続回において最終的に停止表示させる開放当選結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。なお、開放当選結果に対して1種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよく、開放当選結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。
【0609】
開放判定処理の結果が開放当選結果ではない場合(ステップS3404:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3406)。具体的には、所定普図表示部182に今回の表示継続回において最終的に停止表示させる外れ結果用の絵柄の停止態様の情報を、主側ROM73から読み出して主側RAM74に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、開放当選結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0610】
いずれかの停止結果設定処理を実行した後は、普図変動期間の特定処理を実行する(ステップS3407)。当該特定処理では、まず今回の表示継続回はリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回が開放当選結果に対応している場合、リーチ演出が発生すると判定する。また、今回の表示継続回が開放当選結果に対応していない場合であっても、リーチ乱数カウンタC12(
図23参照)の値を取得し、その取得したリーチ乱数カウンタC12の値がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ演出が発生すると判定する。リーチ演出が発生すると判定した場合にはリーチ発生用テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出したリーチ発生用テーブルに対して変動種別カウンタC14(
図23参照)の現状の数値情報を照合することで表示継続期間を決定し、その決定した表示継続期間の情報を主側RAM74に設けられたタイマカウンタにセットする。また、リーチ演出が発生しないと判定した場合にはリーチ非発生用テーブルを主側ROM73から読み出し、その読み出したリーチ非発生用テーブルに対して変動種別カウンタC14(
図23参照)の現状の数値情報及び現状の所定普図側保留情報の個数の組合せを照合することで表示継続期間を決定し、その決定した表示継続期間の情報を主側RAM74に設けられたタイマカウンタにセットする。リーチ発生用テーブルが参照される場合には所定普図側保留情報の個数に関係なく変動種別カウンタC14の値に対応した表示継続期間が選択されるのに対して、リーチ非発生用テーブルが参照される場合には所定普図側保留情報の個数が多いほど短い表示継続期間が選択される。タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(
図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに所定普図側保留情報が表示継続回の開始契機となった場合に選択され得る表示継続期間は1秒~180秒となっている。
【0611】
その後、開放判定処理の結果及び決定された表示継続期間の情報に対応する変動開始コマンドを主側ROM73から読み出し、音光側MPU92に送信する(ステップS3408)。音光側MPU92は、受信した変動開始コマンドに対応する表示継続回用の演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにするための制御を実行する。なお、図柄表示装置51では表示継続回用の演出として上記第1の実施形態における遊技回用の演出と同様の演出が実行される。
【0612】
その後、所定普図表示部182における絵柄の変動表示を開始させる(ステップS3409)。所定普図表示部182にて絵柄の変動表示を行わせる場合に主側MPU72に参照されるテーブルとして、普図用の変動表示テーブルが主側ROM73に予め記憶されている。所定普図表示部182において絵柄の変動表示が実行される場合には、開放判定処理の結果に関係なく同一の変動表示テーブルが使用される。所定普図表示部182において絵柄の変動表示が行われる場合、所定のパターンによる絵柄の変動表示が繰り返されることとなるが、普図用の変動表示テーブルにはその所定のパターンによる絵柄の変動表示における1周分の制御データが設定されている。したがって、所定普図表示部182において絵柄の変動表示が行われる場合、確定表示を行う直前まで普図用の変動表示テーブルが繰り返し使用されることとなる。
【0613】
その後、普図普電カウンタの値を1加算する(ステップS3410)。普図変動開始処理が実行される場合における普図普電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで普図普電カウンタの値は普図変動中処理(ステップS3308)に対応する「1」となる。
【0614】
<普図変動中処理>
次に、普図普電制御処理(
図54)におけるステップS3308の普図変動中処理について説明する。
【0615】
普図変動中処理では、表示継続回中であって確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回の表示継続回の表示継続期間を計測しているタイマカウンタの値が残り0.4秒となっている場合に確定表示前のタイミングであると判定する。確定表示前であれば、所定普図表示部182における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、確定表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、開放判定処理となるか否かに関係なく一定の態様で行われる。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、所定普図表示部182における絵柄の表示態様を今回の開放判定処理の判定結果に対応した表示態様とする。そして、普図普電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を普図変動中処理に対応したものから普図確定中処理(ステップS3309)に対応したものに更新する。
【0616】
<普図確定中処理>
次に、普図普電制御処理(
図54)におけるステップS3309の普図確定中処理について、
図56のフローチャートを参照しながら説明する。
【0617】
今回の表示継続回の表示継続期間を計測しているタイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、今回の表示継続回の確定表示期間(具体的には0.4秒)が経過したか否かを判定する(ステップS3501)。確定表示期間が経過している場合には(ステップS3501:YES)、今回の表示継続回における開放判定処理の結果が開放当選結果であるか否かを判定する(ステップS3502)。開放当選結果ではない場合(ステップS3502:NO)、普図普電カウンタの値を「0」クリアした後に(ステップS3503)、本普図確定中処理を終了する。これにより、次回の普図普電制御処理(
図54)では普図変動開始処理(ステップS3307)が実行対象となる。
【0618】
開放当選結果である場合(ステップS3502:YES)、主側RAM74に設けられた普電開放カウンタに所定普電装置172の開閉回数の情報として「20」をセットする(ステップS3504)。また、主側RAM74に設けられた普電入賞カウンタに今回の開放実行状態における所定普電装置172への入賞個数の上限個数の情報として「10」をセットする(ステップS3505)。また、タイマカウンタに所定普電装置172の開放継続期間の情報として0.3秒に対応する情報をセットする(ステップS3506)。なお、遊技球の発射周期は0.6秒であるため所定普電装置172の1回の開放回において当該所定普電装置172に入賞し得る遊技球の個数は1個程度となる。
【0619】
また、所定普電駆動部172bへの駆動信号の出力を開始することで所定普電装置172を開放状態とする(ステップS3507)。また、所定普電装置172の開放実行状態が開始されたことを示す普電開始コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3508)。音光側MPU92は当該普電開始コマンドを受信することで、所定普電装置172の開放実行状態が開始されたことを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて開始されるようにする。
【0620】
その後、普図普電カウンタを1加算する。この場合、普図確定中処理が実行される場合における普図普電カウンタの値は「2」であるため、1加算後は普電開放中処理(ステップS3310)に対応する「3」となる。
【0621】
<普電開放中処理>
次に、普図普電制御処理(
図54)におけるステップS3310の普電開放中処理について、
図57のフローチャートを参照しながら説明する。
【0622】
所定普電装置172への入賞が発生している場合(ステップS3601:YES)、その入賞個数に対応する値を主側RAM74の普電入賞カウンタの値から減算する(ステップS3602)。なお、普電入賞カウンタの値が「0」となった場合にはそれ以上の減算を行わない。また、所定普電装置172への今回の入賞個数に対応する情報がセットされた普電入賞コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3603)。音光側MPU92は当該普電入賞コマンドを受信することで、所定普電装置172への今回の入賞個数を把握し、それに対応した演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0623】
減算後における普電入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップS3604:YES)、所定普電駆動部172bへの駆動信号の出力を停止することで所定普電装置172を閉鎖状態とする(ステップS3605)。その後、主側RAM74の普電開放カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3606)。また、普図普電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3607)。これにより、次回の普図普電制御処理(
図54)では普図変動開始処理(ステップS3307)が実行対象となる。その後、普電終了コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3608)。音光側MPU92は当該普電終了コマンドを受信することで、所定普電装置172の開放実行状態が終了したことを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0624】
ステップS3601にて否定判定をした場合、又はステップS3604にて否定判定をした場合、主側RAM74のタイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、今回の所定普電装置172の開放回における開放継続期間が経過したか否かを判定する(ステップS3609)。ステップS3609にて肯定判定をした場合には、所定普電駆動部172bへの駆動信号の出力を停止することで所定普電装置172を閉鎖状態とする(ステップS3610)。
【0625】
その後、主側RAM74の普電開放カウンタの値を1減算し(ステップS3611)、その1減算後における普電開放カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS3612)。ステップS3612にて肯定判定をした場合には、主側RAM74の普電入賞カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3613)。また、普図普電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3614)。これにより、次回の普図普電制御処理(
図54)では普図変動開始処理(ステップS3307)が実行対象となる。その後、普電終了コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3615)。音光側MPU92は当該普電終了コマンドを受信することで、所定普電装置172の開放実行状態が終了したことを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0626】
一方、ステップS3612にて否定判定をした場合には、主側RAM74のタイマカウンタに所定普電装置172の閉鎖継続期間の情報として2秒に対応する情報をセットする(ステップS3616)。当該閉鎖継続期間の2秒は遊技球の発射周期の3倍よりも長い期間である。右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作を継続した場合において所定普電装置172への入賞が発生してから、第1非電装置173が開放状態となり、当該第1非電装置173への入賞が発生することで第2非電装置177が開放状態となり、当該第2非電装置177への入賞が発生することで第3非電装置179が開放状態となり、当該第3非電装置179への入賞が発生するまでに要する期間として想定される最短期間よりもわずかに長い期間となっている。したがって、所定普電装置172の開放実行状態において当該所定普電装置172の1回の開放回が終了してから当該所定普電装置172の次の開放回が開始されるまでに第1非電装置173→第2非電装置177→第3非電装置179という順序によるそれぞれの入賞が完了する場合と完了しない場合とがある。
【0627】
その後、普図普電カウンタの値を1加算する(ステップS3617)。これにより、次回の普図普電制御処理(
図54)では普電閉鎖中処理(ステップS3311)が実行対象となる。その後、普電閉鎖コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3618)。音光側MPU92は当該普電閉鎖コマンドを受信することで、所定普電装置172の閉鎖継続期間が開始されたことを把握するとともにそれに対応する演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0628】
<普電閉鎖中処理>
次に、普図普電制御処理(
図54)におけるステップS3311の普電閉鎖中処理について、
図58のフローチャートを参照しながら説明する。
【0629】
所定普電装置172が閉鎖状態となる直前に当該所定普電装置172への入賞が発生している場合には、普電閉鎖中処理において所定普電装置172への入賞が発生したことが特定されることとなる。そこで、所定普電装置172への入賞が発生している場合(ステップS3701:YES)、その入賞個数に対応する値を主側RAM74の普電入賞カウンタの値から減算する(ステップS3702)。なお、普電入賞カウンタの値が「0」となった場合にはそれ以上の減算を行わない。また、所定普電装置172への今回の入賞個数に対応する情報がセットされた普電入賞コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3703)。音光側MPU92は当該普電入賞コマンドを受信することで、所定普電装置172への今回の入賞個数を把握し、それに対応した演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0630】
減算後における普電入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップS3704:YES)、主側RAM74の普電開放カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3705)。また、普図普電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3706)。これにより、次回の普図普電制御処理(
図54)では普図変動開始処理(ステップS3307)が実行対象となる。その後、普電終了コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3707)。音光側MPU92は当該普電終了コマンドを受信することで、所定普電装置172の開放実行状態が終了したことを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0631】
ステップS3701にて否定判定をした場合、又はステップS3704にて否定判定をした場合、主側RAM74のタイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、今回の所定普電装置172の閉鎖回における閉鎖継続期間が経過したか否かを判定する(ステップS3708)。ステップS3708にて肯定判定をした場合には、主側RAM74のタイマカウンタに所定普電装置172の開放継続期間の情報として0.3秒に対応する情報をセットする(ステップS3709)。そして、所定普電駆動部172bへの駆動信号の出力を開始することで所定普電装置172を開放状態とする(ステップS3710)。
【0632】
その後、普図普電カウンタを1減算する(ステップS3711)。この場合、普電閉鎖中処理が実行される場合における普図普電カウンタの値は「4」であるため、1減算後は普電開放中処理(ステップS3310)に対応する「3」となる。その後、普電開放コマンドを音光側MPU92に送信する(ステップS3712)。音光側MPU92は当該普電開放コマンドを受信することで、所定普電装置172の新たな開放回が開始されたことを把握するとともにそれに対応する演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにする。
【0633】
<普電報知処理>
次に、音光側MPU92にて実行される普電報知処理について、
図59のフローチャートを参照しながら説明する。なお、普電報知処理は音光側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し起動される。
【0634】
主側MPU72から普電開始コマンドを受信している場合(ステップS3801:YES)、普電報知の開始処理を実行する(ステップS3802)。普電報知の開始処理では、所定普電装置172の開放実行状態が開始されることを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにするための処理を実行する。
【0635】
この場合に、音光側MPU92は表示制御装置100のMPU102に普電開始コマンドを送信する。表示制御装置100のMPU102は当該普電開始コマンドを受信することで、今回の開放実行状態を終了させる条件となる所定普電装置172への入賞個数の上限個数と、今回の開放実行状態を終了させる条件となる所定普電装置172の開放回数の上限回数とを遊技者に認識可能とさせる画像を図柄表示装置51に表示させる。
【0636】
図60(a)は当該画像の内容を説明するための説明図である。
図60(a)に示すように図柄表示装置51には、所定普電装置172の開放実行状態であることを示す画像G1と、所定普電装置172への残りの入賞個数を示す画像G2と、所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3とが表示されている。これにより、遊技者は所定普電装置172の開放実行状態となったことを認識するだけではなく、今回の開放実行状態における所定普電装置172への残りの入賞個数と所定普電装置172の残りの開放回数とを明確に認識することが可能となる。なお、所定普電装置172の開放実行状態が開始された場合には当該所定普電装置172の最初の開放回が開始されるため、所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3として、「20」ではなく「19」に対応する画像が表示される。なお、所定普電装置172の開放実行状態において所定普電装置172の最初の開放回が開始される前にオープニング期間に亘ってオープニング演出が実行される構成としてもよい。この場合、オープニング期間においては所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3として「20」が表示され、所定普電装置172の最初の開放回が開始された場合に当該画像G3として「19」が表示される構成としてもよい。
【0637】
普電報知処理(
図59)の説明に戻り、主側MPU72から普電入賞コマンドを受信している場合(ステップS3803:YES)、残入賞回数報知の更新処理を実行する(ステップS3804)。当該更新処理では、所定普電装置172への入賞個数に対応する数分減算された値が、所定普電装置172への残りの入賞個数を示す画像G2として表示されるようにする。
【0638】
主側MPU72から普電閉鎖コマンドを受信している場合(ステップS3805:YES)、閉鎖期間報知の開始処理を実行する(ステップS3806)。閉鎖期間報知の開始処理では、音光側MPU92は表示制御装置100のMPU102に普電閉鎖コマンドを送信する。表示制御装置100のMPU102は当該普電閉鎖コマンドを受信することで、所定普電装置172の今回の閉鎖回における残りの閉鎖継続期間を遊技者に認識可能とさせる画像を図柄表示装置51に表示させる。
【0639】
図60(b)は当該画像の内容を説明するための説明図である。
図60(b)に示すように図柄表示装置51には、所定普電装置172の開放実行状態であることを示す画像G1、所定普電装置172への残りの入賞個数を示す画像G2、及び所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3だけではなく、今回の閉鎖回における残りの閉鎖継続期間を示す画像G4が表示されている。残りの閉鎖継続期間を示す画像G4として、時間の経過とともに枠表示に対する帯表示の長さが短くなるメーター表示が行われているが、これに限定されることはなく、例えば、時間のカウントダウン表示が行われる構成としてもよく、時間のカウントアップ表示が行われる構成としてもよい。
【0640】
普電報知処理(
図59)の説明に戻り、上記閉鎖継続期間を示す画像G4が表示されている状況においては(ステップS3807:YES)、当該閉鎖継続期間を示す画像G4の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS3808)。具体的には0.1秒が経過する毎に更新タイミングとなる。更新タイミングである場合には(ステップS3808:YES)、閉鎖期間報知の更新処理を実行する(ステップS3809)。当該更新処理では、表示制御装置100のMPU102に更新コマンドを送信する。表示制御装置100のMPU102は当該更新コマンドを受信することで、図柄表示装置51における残りの閉鎖継続期間を示す画像G4の表示内容を0.1秒が経過したことに対応する表示内容に更新する。
【0641】
主側MPU72から普電開放コマンドを受信している場合(ステップS3810:YES)、残開放回数報知の更新処理を実行する(ステップS3811)。当該更新処理では、1減算された値が、所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3として表示されるようにする。また、閉鎖期間報知の終了処理を実行する(ステップS3812)。これにより、図柄表示装置51における残りの閉鎖継続期間を示す画像G4の表示が終了される。
【0642】
主側MPU72から普電終了コマンドを受信している場合(ステップS3813:YES)、普電報知の終了処理を実行する(ステップS3814)。普電報知の終了処理では、所定普電装置172の開放実行状態が終了することを遊技者に認識可能とさせる演出が図柄表示装置51、表示発光部63及びスピーカ部64にて実行されるようにするための処理を実行する。この場合に、音光側MPU92は表示制御装置100のMPU102に普電終了コマンドを送信する。表示制御装置100のMPU102は当該普電終了コマンドを受信することで、所定普電装置172の開放実行状態であることに対応する上記各画像G1~G3の表示を終了させて、通常遊技状態に対応する画像の表示が図柄表示装置51にて再開されるようにする。
【0643】
<普電報知が実行されることによる作用>
次に、図柄表示装置51にて普電報知が実行されることによる作用について、
図61のタイムチャートを参照しながら説明する。
図61(a)は所定普図表示部182における表示継続回が実行されている期間を示し、
図61(b)は所定普電装置172が開放状態となっている期間を示し、
図61(c)は所定普電装置172への入賞が発生するタイミングを示し、
図61(d)は第1非電装置173が開放状態となっている期間を示し、
図61(e)は第1非電装置173への入賞が発生するタイミングを示し、
図61(f)は第2非電装置177が開放状態となっている期間を示し、
図61(g)は第2非電装置177への入賞が発生するタイミングを示し、
図61(h)は第3非電装置179が開放状態となっている期間を示し、
図61(i)は第3非電装置179への入賞が発生するタイミングを示す。
【0644】
所定スルー入賞部171への入賞が発生することで
図61(a)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミングに亘って所定普図表示部182における表示継続回が行われる。この表示継続回は所定普電装置172の開放実行状態の発生に対応しているため当該表示継続回が終了した後に
図61(b)に示すようにt2のタイミング~t4のタイミングに亘って所定普電装置172が開放状態となる。所定普電装置172が開放状態となることで遊技者はそれまで左側領域PA2を遊技球が流下するように行っていた発射操作を、右側領域PA3を遊技球が流下する発射操作に変更する。これにより、所定普電装置172への入賞が可能となる。また、t2のタイミングで図柄表示装置51において所定普電装置172の開放実行状態であることを示す画像G1、所定普電装置172への残りの入賞個数を示す画像G2、及び所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3の表示(
図60(a)参照)が開始される。
【0645】
所定普電装置172が開放状態となっている状況の途中であるt3のタイミングで
図61(c)に示すように所定普電装置172への入賞が発生する。所定普電装置172への入賞が発生することで当該t3のタイミングで
図61(d)に示すように第1非電装置173が開放状態となる。その後、t4のタイミングで
図61(b)に示すように所定普電装置172が閉鎖状態となる。この場合に、図柄表示装置51においては、今回の閉鎖回における残りの閉鎖継続期間を示す画像G4の表示(
図60(b)参照)が開始される。これにより、所定普電装置172が次に開放状態となるまでの残りの期間を遊技者は把握することが可能となる。
【0646】
その後、上皿65aにおける遊技球の球詰まりなどに起因して第1非電装置173への入賞の発生が遅れることとなり、t5のタイミングで
図61(e)に示すようにようやく第1非電装置173への入賞が発生する。第1非電装置173への入賞が発生することで当該t5のタイミングで、
図61(d)に示すように第1非電装置173が開放状態から閉鎖状態となるとともに、
図61(f)に示すように第2非電装置177が閉鎖状態から開放状態となる。これに対して、上皿65aにおける遊技球の球詰まりなどが再度発生することに起因して第2非電装置177への入賞の発生が遅れることとなる。そして、第2非電装置177が未だ開放状態となっている状況であるt6のタイミングで
図61(b)に示すように所定普電装置172の次の開放回が開始される。
【0647】
ここで、所定普電装置172の開放実行状態は、当該開放実行状態の終了条件となる所定普電装置172への入賞個数の上限個数よりも、当該開放実行状態の終了条件となる所定普電装置172の開放回数の上限回数の方が多い数となるように設定されている。したがって、所定普電装置172の残りの開放回数が所定普電装置172への残りの入賞個数よりも多い状況においては所定普電装置172の1回の開放回において当該所定普電装置172への入賞が発生しなかったとしても、当該開放実行状態において所定普電装置172に上限個数分の遊技球の入賞を発生させることが可能である。この場合に、所定普電装置172の開放実行状態においては図柄表示装置51にて所定普電装置172への残りの入賞個数を示す画像G2と、所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3とが表示されるため、所定普電装置172の所定の開放回において当該所定普電装置172に遊技球を入賞させる必要があるか否かを遊技者は把握することが可能となる。さらに所定普電装置172の閉鎖期間においては図柄表示装置51にて残りの閉鎖継続期間を示す画像G4が表示される。したがって、遊技者は所定普電装置172の新たな開放回が開始される前に事前に所定普電装置172に向けた遊技球の発射を停止させることが可能となる。これにより、第1非電装置173→第2非電装置177→第3非電装置179の順序で遊技球を入賞させるサイクルの途中で所定普電装置172に遊技球が入球してしまわないようにすることが可能となる。
【0648】
図61の場合について具体的には、第2非電装置177が開放状態となっている途中のタイミングであるt6のタイミング~t7のタイミングに亘って
図61(b)に示すように所定普電装置172が開放状態となるが、当該開放回において所定普電装置172への入賞が発生しない。これにより、上記サイクルの途中で所定普電装置172に遊技球が入球してしまわないようにすることが可能となる。
【0649】
その後、
図61(g)に示すようにt8のタイミングで第2非電装置177への入賞が発生する。第2非電装置177への入賞が発生することで当該t8のタイミングで、
図61(f)に示すように第2非電装置177が閉鎖状態となるとともに、
図61(h)に示すように第3非電装置179が開放状態となる。そして、t9のタイミングで
図61(i)に示すように第3非電装置179への入賞が発生する。第3非電装置179への入賞が発生することで当該t9のタイミングで、
図53(h)に示すように第3非電装置179が開放状態から閉鎖状態となる。
【0650】
その後、
図61(b)に示すようにt10のタイミング~t12のタイミングに亘って所定普電装置172の新たな開放回が実行され、t11のタイミングで
図61(c)に示すように所定普電装置172への入賞が発生する。これにより、。t12のタイミング以降に示すように新たな1サイクルが開始される。
【0651】
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0652】
所定普電装置172の開放実行状態は、当該開放実行状態の終了条件となる所定普電装置172への入賞個数の上限個数よりも、当該開放実行状態の終了条件となる所定普電装置172の開放回数の上限回数の方が多い。これにより、所定普電装置172の開放状態の各実行回において当該所定普電装置172に1個以上の遊技球を入球させなくても、所定普電装置172の開放実行状態において上限個数の遊技球を所定普電装置172に入球させることが可能となる。この場合、所定普電装置172の開放実行状態において遊技者は上限個数の遊技球が所定普電装置172に入球するか否かを当該所定普電装置172が開放状態となった回数に注目しながら予測することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0653】
所定普電装置172の1回の開放回における開放継続期間は0.3秒に設定されているため、所定普電装置172の1回の開放回において当該所定普電装置172に入賞可能な遊技球の個数は1個程度であり、所定普電装置172の1回の開放回において当該所定普電装置172への遊技球の入球が発生しないこともあり得る。この場合に、上記のとおり上限回数の方が上限個数よりも多い数となっていることにより、所定普電装置172の開放実行状態において遊技者は上限個数の遊技球が所定普電装置172に入球するか否かを当該所定普電装置172が開放状態となった回数に注目しながら予測することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0654】
所定普電装置172の開放実行状態においては図柄表示装置51にて所定普電装置172への残りの入賞個数を示す画像G2と、所定普電装置172の残りの開放回数を示す画像G3とが表示される。これにより、所定普電装置172の所定の開放回において当該所定普電装置172に遊技球を入賞させる必要があるか否かを遊技者は把握することが可能となる。そして、当該把握を行うことにより、第1非電装置173→第2非電装置177→第3非電装置179の順序で遊技球を入賞させるサイクルの途中で所定普電装置172に遊技球が入球してしまわないようにすることが可能となる。
【0655】
所定普電装置172の開放実行状態における所定普電装置172の閉鎖期間においては図柄表示装置51にて残りの閉鎖継続期間を示す画像G4が表示される。したがって、遊技者は所定普電装置172の新たな開放回が開始される前に事前に所定普電装置172に向けた遊技球の発射を停止させることが可能となる。
【0656】
<第12の実施形態の別形態>
(1)大当たり状態となった場合における所定普電装置172への遊技球の入賞個数の上限個数と所定普電装置172が開放状態となる回数の上限回数との関係が異なるように複数種類の大当たり状態が設定されている構成としてもよい。この場合、いずれの大当たり状態であっても上限個数よりも上限回数の方が多い数であるが、その差が大当たり状態の種類に応じて相違する構成としてもよく、上限個数と上限回数との差は同一であるものの上限個数及び上限回数の値が大当たり状態の種類に応じて相違する構成としてもよい。また、第1大当たり状態においては上限個数よりも上限回数の方が多く、第2大当たり状態においては上限個数と上限回数とが同数であり、第3大当たり状態においては上限個数よりも上限回数の方が少ない構成としてもよい。これにより、大当たり状態の種類に応じて遊技者の有利度を異ならせることが可能となる。
【0657】
(2)所定普電装置172の開放実行状態においては、所定普電装置172への残りの入賞個数を示す報知と、所定普電装置172の残りの開放回数を示す報知と、所定普電装置172の残りの閉鎖継続期間を示す報知とがいずれも図柄表示装置51にて行われる構成としたが、これら報知のうちの一部が図柄表示装置51以外にて行われる構成としてもよく、各報知のそれぞれが専用の表示部にて行われる構成としてもよい。
【0658】
(3)第1非電装置173、第2非電装置177及び第3非電装置179の少なくとも1個は、開放状態と閉鎖状態との間の切り替えが電気的な駆動により行われる構成としてもよい。例えば、第1非電装置173が電気的に駆動される構成においては、所定普電装置172に1個の遊技球が入球した場合には第1非電装置173が開放状態となり当該第1非電装置173に1個の遊技球が入球した場合に第1非電装置173が閉鎖状態となるように制御される。また、第2非電装置177が電気的に駆動される構成においては、第1非電装置173に1個の遊技球が入球した場合には第2非電装置177が開放状態となり当該第2非電装置177に1個の遊技球が入球した場合に第2非電装置177が閉鎖状態となるように制御される。また、第3非電装置179が電気的に駆動される構成においては、第2非電装置177に1個の遊技球が入球した場合には第3非電装置179が開放状態となり当該第3非電装置179に1個の遊技球が入球した場合には第3非電装置179が閉鎖状態となるように制御される。
【0659】
(4)所定普電装置172の1回の開放状態において当該所定普電装置172に入賞可能な遊技球の個数が1個程度である構成に限定されることはなく、1回の開放状態において所定普電装置172に複数個の遊技球が入球可能である構成としてもよい。当該構成であっても所定普電装置172への1個の遊技球の入球に対して第1非電装置173が開放状態となり、当該第1非電装置173に遊技球が入球することにより当該第1非電装置173が閉鎖状態となる構成であるため、所定普電装置172の1回の開放状態において当該所定普電装置172には1個の遊技球のみを入賞させることが好ましい。
【0660】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよく、例示している実施形態とは異なる実施形態に適用してもよい。
【0661】
(1)特別入賞装置35は非受入状態では入賞不可であり受入状態となることで入賞可能となる構成としたが、これに代えて、特別入賞装置35は非受入状態であっても低い確率で遊技球の入賞が発生し得るが、受入状態となることで遊技球の入賞が発生し易くなる構成としてもよい。また、当該構成を第1普電装置121、第2普電装置122、第3普電装置123、第4普電装置161、所定普電装置172、第1非電装置173、第2非電装置177及び第3非電装置179に適用してもよい。
【0662】
(2)特別入賞装置35に対応する普図表示部39a,134の表示継続期間として第1表示継続期間が設定されている場合には確実に特別入賞装置35への入賞が不可である構成としてもよく、第3表示継続期間が設定されている場合よりも低い確率ではあるものの所定の確率で特別入賞装置35への入賞が発生し得る構成としてもよい。
【0663】
(3)上記第1~第10の実施形態において普図表示部39a,134の表示継続回における第1表示継続期間が複数種類設定されており、第1表示継続期間を設定する状況においていずれの第1表示継続期間を設定するのかが抽選により決定される構成としてもよい。この場合、いずれの第1表示継続期間が設定されたとしても特別入賞装置35への入賞が不可又は入賞が発生しづらい構成とすることが好ましい。
【0664】
(4)上記第1~第10の実施形態において普図表示部39a,134の表示継続回において第3表示継続期間が複数種類設定されており、第3表示継続期間を設定する状況においていずれの第3表示継続期間を設定するのかが抽選により決定される構成としてもよい。この場合、いずれの第3表示継続期間が設定されたとしても特別入賞装置35への入賞が所定の頻度で発生する構成とすることが好ましい。また、当該構成においては選択される第3表示継続期間の種類に応じて特別入賞装置35への入賞頻度が相違する構成としてもよい。
【0665】
(5)上記第1~第10の実施形態において特別入賞装置35の開放実行状態の種類が1種類のみである構成に限定されることはなく、1回の開放実行状態において期待できる特別入賞装置35への入賞個数が相違するように開放実行状態の種類が複数種類設定されている構成としてもよい。
【0666】
(6)上記第1~第10の実施形態においてスルー入賞部34に入賞した遊技球は特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に確実に到達する構成としたが、これに代えて、スルー入賞部34に入賞した遊技球は特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に略100%の確率で到達する構成としてもよく、スルー入賞部34に入賞した遊技球は特別入賞装置35への入賞が可能となる位置に10個のうち1個といったように所定の割合で到達しない構成としてもよい。
【0667】
(7)上記第1~第10の実施形態では表示継続回の開始契機となる所定の保留情報が保留記憶されることにより特別入賞装置35への入賞頻度に関して遊技者にとって有利な状況となる構成としたが、これに限定されることはなく、表示継続回の開始契機となる所定の保留情報が所定個数以上保留記憶された場合には遊技者に有利な利益を生じさせるか否かを決定する抽選処理の当選確率が高くなる構成としてもよく、表示継続回の開始契機となる所定の保留情報が保留記憶された場合には所定の入球部に遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数が多くなる構成としてもよい。この場合、上記所定個数は1個であってもよく、2個以上の個数であってもよい。
【0668】
(8)上記第6の実施形態では第3普図表示部133における表示継続回が実行されている状況においては特別入賞装置35への入賞頻度に関して遊技者にとって有利な状況となる構成としたが、これに限定されることはなく、所定の表示継続回が実行されている場合には遊技者に有利な利益を生じさせるか否かを決定する抽選処理の当選確率が高くなる構成としてもよく、所定の表示継続回が実行されている場合には所定の入球部に遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数が多くなる構成としてもよい。
【0669】
(9)上記第1の実施形態においてスルー入賞部34が1個ではなく2個、3個、4個又は5個以上といったように複数個設けられている構成としてもよい。この場合、これら複数個のスルー入賞部34が上記第1の実施形態における契機入球手段に該当することとなる。また、上記第4の実施形態において特定作動部124が1個ではなく2個、3個、4個又は5個以上といったように複数個設けられている構成としてもよい。この場合、これら複数個の特定作動部124が上記第4の実施形態における契機入球手段に該当することとなる。また、上記第10の実施形態において第1普電装置121が1個ではなく2個、3個、4個又は5個以上といったように複数個設けられている構成としてもよい。この場合、これら複数個の第1普電装置121が上記第10の実施形態における契機入球手段に該当することとなる。
【0670】
(10)上記各実施形態の構成を任意の組合せで相互に適用してもよく、上記各実施形態の構成を任意の組合せで相互に適用した上で<他の実施形態>に記載されている構成を任意の組合せで適用してもよい。
【0671】
(11)遊技者がパチンコ機10に遊技球を補充することが不可であってパチンコ機10内において遊技球が循環するとともに、遊技者が使用可能な遊技球数の情報が記憶保持され、その記憶保持されている使用可能な遊技球数の情報の範囲内で遊技球の発射が可能となる構成に、上記各実施形態の構成を適用してもよい。
【0672】
(12)主制御装置70から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置90により表示制御装置100が制御される構成に代えて、主制御装置70から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置100が音声発光制御装置90を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置90と表示制御装置100とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置70に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置70に集約されていてもよい。また、主制御装置70から音声発光制御装置90に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信されるコマンドの構成も任意である。
【0673】
(13)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0674】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0675】
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【0676】
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解を容易なものとするために、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0677】
<特徴A群>
特徴A1.所定入球部(排出通路42)への遊技球の入球が可能となる又は入球が発生し易い第1状態(受入状態)と前記所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は入球が発生しづらい第2状態(非受入状態)とに切り替わり可能に設けられた所定入球手段(特別入賞装置35)と、
所定契機が発生してから所定期間が経過した場合に前記所定入球手段を前記第1状態となるようにする所定制御手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS907の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1409の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2406の処理を実行する機能)と、
前記所定期間として、遊技領域を所定の態様で遊技球が流下している状況において、前記所定入球手段が前記第1状態である状況において前記所定入球部に入球可能となる位置に遊技球が到達することを可能とする又は到達し易くする第1期間(第3表示継続期間)を設定する第1設定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS806の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU72におけるステップS1008の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1605の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU72におけるステップS1705の処理を実行する機能、第9の実施形態では主側MPU72におけるステップS2006の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2503の処理を実行する機能)と、
前記所定期間として、前記遊技領域を前記所定の態様で遊技球が流下している状況において、前記所定入球手段が前記第1状態である状況において前記所定入球部に入球可能となる位置に遊技球が到達することを不可とする又は到達しづらくする第2期間(第1表示継続期間)を設定する第2設定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS804の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU72におけるステップS1004の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1604の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU72におけるステップS1704の処理を実行する機能、第9の実施形態では主側MPU72におけるステップS2005の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2502の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0678】
特徴A1によれば、所定契機が発生してから所定期間が経過した場合に所定入球手段が第1状態となるため、所定入球手段が第1状態となることを事前に予測することが可能となる。この場合に、所定期間として第1期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなるのに対して、所定期間として第2期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は当該入球が発生しづらくなる。これにより、所定期間として第1期間が設定されることを遊技者は期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、所定期間を調整することにより上記のような状況を生じさせることが可能となるため、所定入球手段を第1状態と第2状態との間で切り替える制御を複雑化させることなく上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0679】
特徴A2.前記所定制御手段は、前記所定期間として前記第1期間が設定される場合及び前記第2期間が設定される場合のいずれであっても前記所定入球手段を同一の態様で前記第1状態とすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0680】
特徴A2によれば、所定入球手段を第1状態と第2状態との間で切り替える制御を簡素なものとしながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0681】
特徴A3.前記第2期間は前記第1期間よりも短いことを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0682】
特徴A3によれば、所定期間として第2期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は当該入球が発生しづらい構成において第2期間が相対的に短い期間に設定されていることにより、所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は当該入球が発生しづらい状況が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0683】
特徴A4.前記第1期間は前記遊技領域への遊技球の最短の供給周期以上であり、前記第2期間は前記最短の供給周期よりも短いことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0684】
特徴A4によれば、所定期間として第1期間が設定されている状況においては所定入球手段などの位置に1個以上の遊技球が供給されることを期待することが可能となる一方、所定期間として第2期間が設定されている状況において遊技球が無駄に消費されてしまうことを抑制することが可能となる。
【0685】
特徴A5.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段(スルー入賞部34)を備え、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記所定契機が発生する構成であり、
前記契機入球手段は前記所定入球手段よりも遊技球の流下方向の上流側に設けられており、前記契機入球手段に入球した遊技球は前記所定入球部に入球可能な位置に到達し得ることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
【0686】
特徴A5によれば、契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定契機が発生するため、所定契機の発生が遊技者にとって明確となる。この場合に、契機入球手段は所定入球手段よりも上流側に設けられており、契機入球手段に入球した遊技球が所定入球部に入球可能な位置に到達し得る構成であることにより、1個の遊技球によって契機入球手段の入球と所定入球部への入球との両方を生じさせることが可能となる。
【0687】
特徴A6.前記契機入球手段に入球した遊技球は前記所定入球部に入球可能な位置に確実に到達することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
【0688】
特徴A6によれば、所定契機が発生するタイミングに対する所定入球部に入球可能な位置に遊技球が到達するタイミングを特定し易くなるため、所定期間の設定に対する所定入球部への遊技球の入球のし易さを調整し易くなる。
【0689】
特徴A7.前記第2期間は、前記契機入球手段に入球した遊技球が前記所定入球部に入球可能な位置に到達するまでに要する最短期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の遊技機。
【0690】
特徴A7によれば、所定期間として第2期間に設定されている場合には契機入球手段に入球して所定契機を発生させた遊技球が所定入球部に入球しないようにすることが可能となる。
【0691】
特徴A8.前記第2期間は、前記契機入球手段に所定の遊技球が入球したことを契機として前記第2期間の計測が開始される場合において当該所定の遊技球に対して1個前の発射順序の遊技球が前記所定入球部に入球可能な位置を通過した後に経過する期間であることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
【0692】
特徴A8によれば、所定期間として第2期間に設定されている場合には契機入球手段に入球して所定契機を発生させた所定の遊技球及び当該所定の遊技球に対して1個前の発射順序の遊技球の両方が、当該所定の遊技球による所定契機の発生に対して第1状態となっている所定入球手段の所定入球部に入球しないようにすることが可能となる。これにより、所定期間として第2期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球を不可又は当該入球を発生しづらくさせることが可能となる。
【0693】
特徴A9.前記所定期間が前記第1期間に設定されている場合、特定の確率で前記所定入球部への遊技球の入球が発生する構成であり、
前記特定の確率は1/X(Xは1以上の整数)であり、
前記所定入球部への遊技球の入球が発生した場合、X個の遊技球が遊技者に付与されることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
【0694】
特徴A9によれば、所定期間が第1期間に設定されている場合にはX個に1個の割合で所定入球部に遊技球が入球するのに対して、所定入球部に遊技球が入球した場合にはX個の遊技球が遊技者に付与されるため、所定期間が第1期間に設定されている場合には実質的に遊技者の所有している遊技球を増減させないようにしながら所定入球部への遊技球の入球を狙わせることが可能となる。
【0695】
特徴A10.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段(スルー入賞部34)を備え、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記所定契機が発生する構成であり、
本遊技機は、
前記所定期間の計測を開始することができない状況において前記契機入球手段への遊技球の入球が発生した場合、契機情報(普図側保留情報)を取得する情報取得手段(主側MPU72におけるステップS603の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が取得されている状況において前記所定期間の計測を開始することが可能な状況となった場合に前記所定期間の計測を開始する計測手段(主側MPU72における普図変動開始処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
【0696】
特徴A10によれば、契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定契機が発生するため、所定契機の発生が遊技者にとって明確となる。また、所定期間の計測を開始することができない状況において契機入球手段への遊技球の入球が発生した場合には契機情報が取得され、契機情報が取得されている場合には所定期間の計測が新たに開始される。これにより、所定期間の計測が行われる機会を多く付与することが可能となる。
【0697】
特徴A11.前記第2期間は前記契機情報の取得を不可とする期間又は取得をしづらくする期間であることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
【0698】
特徴A11によれば、所定期間として第2期間が設定されている場合には契機情報が取得されない又は取得されづらい。これにより、所定期間として第2期間が設定される場合には契機入球手段に遊技球が入球したタイミングで当該所定期間の計測が開始されることとなるため、当該第2期間が設定されている状況においては所定入球部への遊技球の入球を発生しづらくさせることが可能となる。
【0699】
特徴A12.前記第1期間は前記契機情報の取得を可能とする期間又は取得を発生し易くする期間であることを特徴とする特徴A10又はA11に記載の遊技機。
【0700】
特徴A12によれば、所定期間として第1期間が設定されている場合には契機情報が取得される又は取得され易い。これにより、所定期間として第1期間が設定される場合には契機入球手段に遊技球が入球したタイミングとは異なるタイミングで当該所定期間の計測が開始され易くなるため、当該第1期間が設定されている状況においては所定入球部への遊技球の入球を不規則に発生させることが可能となる。
【0701】
特徴A13.前記第2設定手段は、所定個数以上の前記契機情報が取得されていない状況において前記所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として前記第2期間を設定することを特徴とする特徴A10乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
【0702】
特徴A13によれば、所定個数以上の契機情報が取得されていない状況において所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として第2期間が設定されるため、当該第2期間が設定されている状況において所定入球部への遊技球の入球を不可又は発生しづらくするタイミングで所定入球手段を第1状態とする設計を行い易くなる。
【0703】
特徴A14.前記第1設定手段は、所定個数以上の前記契機情報が取得されている状況において前記所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として前記第1期間を設定することを特徴とする特徴A10乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
【0704】
特徴A14によれば、所定個数以上の契機情報が取得されている状況において所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として第1期間が設定されるため、当該第1期間が設定されることを期待する遊技者は所定個数以上の契機情報が取得されるか否かに注目することとなる。
【0705】
特徴A15.前記第1期間は前記契機情報の取得を可能とする期間又は取得を発生し易くする期間であることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
【0706】
特徴A15によれば、所定期間として第1期間が設定されている場合には契機情報が取得される又は取得され易い。これにより、所定個数以上の契機情報が一旦取得された場合には所定期間として第1期間が設定される状況を、契機入球手段に連続的に遊技球を入球させることにより維持させることが可能となる。
【0707】
特徴A16.前記所定個数は複数の個数であることを特徴とする特徴A14又はA15に記載の遊技機。
【0708】
特徴A16によれば、契機情報が複数取得されている状況において所定期間として第1期間が設定されるため、所定期間として第2期間が設定されている状況において偶発的に契機情報が取得されたとしても、その後に所定期間として第1期間が設定されることはない。これにより、所定期間として第1期間が設定される状況を発生しづらくさせることが可能となる。
【0709】
特徴A17.前記第1設定手段は、所定個数以上の前記契機情報が取得されている状況において前記所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として前記第1期間を設定し、
前記第2設定手段は、所定個数以上の前記契機情報が取得されていない状況において前記所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として前記第2期間を設定し、
本遊技機は、前記所定個数以上の前記契機情報が取得されていない状況において前記所定期間として前記第1期間又は前記契機情報の取得を可能とする期間を設定する第3設定手段(主側MPU72におけるステップS805の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A10乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
【0710】
特徴A17によれば、所定個数以上の契機情報が取得されている状況において所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として第1期間が設定されるため、当該第1期間が設定されることを期待する遊技者は所定個数以上の契機情報が取得されるか否かに注目することとなる。また、所定個数以上の契機情報が取得されていない状況において所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として第2期間が設定されるため、当該第2期間が設定されている状況において所定入球部への遊技球の入球を不可又は発生しづらくするタイミングで所定入球手段を第1状態とする設計を行い易くなる。
【0711】
この場合に、所定個数以上の契機情報が取得されていない状況であっても所定期間として第1期間又は契機情報の取得を可能とする期間が設定され得る。これにより、所定期間として第2期間が設定されている状況であっても、その後に所定期間として第1期間が設定される状況を生じさせることが可能となる。さらにこのような所定期間の切り替えの契機を、所定期間の設定によって実現することが可能となる。
【0712】
特徴A18.前記第3設定手段により設定された前記所定期間は、前記所定個数よりも多い個数の前記契機情報の取得を可能とする期間であることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
【0713】
特徴A18によれば、第3設定手段により所定期間が設定された場合には所定個数を超えた数の契機情報を取得させることが可能となる。これにより、第3設定手段により所定期間が設定された場合には、その後に所定期間として第1期間が設定される状況が長く継続されるようにすることが可能となる。
【0714】
特徴A19.前記第1設定手段は、所定状況(第1の実施形態では普図側保留情報が基準個数以上保留記憶されている状況、第4の実施形態では第3普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況、第6の実施形態では第3普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況又は第3普図表示部133において表示継続回が実行されている状況、第9の実施形態では第3普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況又は第4普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況、第10の実施形態では第2普図側保留情報が1個以上保留記憶されている状況)において前記所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として前記第1期間を設定し、
前記第2設定手段は、前記所定状況ではない状況において前記所定期間の計測が開始される場合に当該所定期間として前記第2期間を設定することを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
【0715】
特徴A19によれば、所定状況となることにより所定期間として第1期間が選択され、所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなる。これにより、遊技者は所定状況となることを期待しながら遊技を行うこととなる。
【0716】
特徴A20.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(第4の実施形態では特定作動部124、第10の実施形態では第1普電装置121)を備え、
前記所定状況は、前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づき発生することを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
【0717】
特徴A20によれば、所定状況は特定入球手段に遊技球が入球したことに基づき発生するため、所定期間として第1期間が選択されることを期待する遊技者は特定入球手段に遊技球が入球するか否かに注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0718】
特徴A21.前記特定入球手段に遊技球が入球したとしても前記所定契機は発生しないことを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
【0719】
特徴A21によれば、所定契機が発生することと特定入球手段に遊技球が入球することとの両方を期待しながら遊技者は遊技を行うこととなるため、遊技者が注目する対象が多様化され、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0720】
特徴A22.前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特定期間の計測が行われる構成であり、
前記所定状況は、前記特定期間の計測が行われている状況又は前記特定期間の計測が行われている状況において発生する状況であることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
【0721】
特徴A22によれば、特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特定期間の計測が行われている場合に所定状況が発生し、当該所定状況においては所定期間として第1期間が設定されることにより所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなる。この場合、特定期間が長く継続するほど所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなる期間が長く継続し易くなる。よって、特定期間に遊技者を注目させることが可能となるとともに、所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなる状況が長く継続する状況を生じさせることが可能となる。
【0722】
特徴A23.前記所定状況は、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に発生することを特徴とする特徴A19乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
【0723】
特徴A23によれば、遊技者に有利な特別遊技状態が発生した場合にはそれだけではなく、所定期間として第1期間が設定されることにより所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなる。これにより、特別遊技状態が発生することの有利度を高めることが可能となる。
【0724】
特徴A24.前記特別遊技状態となった場合に遊技球の入球が可能となる特定入球手段(第10の実施形態における第1普電装置121)を備え、
前記所定入球手段は、前記特定入球手段に向けて遊技球が流下するように前記遊技領域に遊技球が供給されている場合に入球可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴A23に記載の遊技機。
【0725】
特徴A24によれば、特別遊技状態となった場合には特定入球手段への遊技球の入球が可能となるだけではなく、所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなる。さらに特別遊技状態においては遊技領域への遊技球の供給を所定の態様とすることにより、特定入球手段への遊技球の入球と所定入球手段への遊技球の入球との両方を狙うことが可能となる。よって、特別遊技状態における遊技操作の複雑化を抑制しながら、特別遊技状態が発生することの有利度を高めることが可能となる。
【0726】
特徴A25.前記所定期間として前記第1設定手段により前記第1期間が設定される状況は、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)への移行が発生した場合に終了し得ることを特徴とする特徴A1乃至A24のいずれか1に記載の遊技機。
【0727】
特徴A25によれば、特別遊技状態への移行を契機として所定期間として第1期間が設定される状況が終了し得るため、所定期間として第1期間が設定される状況が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0728】
なお、特徴A1~A25の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0729】
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段(第1の実施形態ではスルー入賞部34、第4の実施形態では特定作動部124、第10の実施形態では第1普電装置121)と、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて契機情報(第1の実施形態では普図側保留情報、第4の実施形態では第3普図側保留情報、第10の実施形態では第2普図側保留情報)を取得する情報取得手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS603の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1303の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2203の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が取得されたことを少なくとも一の条件として遊技者に所定利益(第1の実施形態では特別入賞装置35の受入実行状態、第4の実施形態では第3普電装置123の開放実行状態、第10の実施形態では第2普電装置122の開放実行状態)を付与する所定利益付与手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS610の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1310の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2213の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が取得されたことに基づいて所定期間の計測を行う計測手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS607~ステップS609の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1307~ステップSステップS1309の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2210~ステップS2212の処理を実行する機能)と、
少なくとも前記計測手段により前記所定期間の計測が行われている状況において前記契機入球手段への遊技球の入球が発生した場合に前記情報取得手段により取得された前記契機情報を記憶する情報記憶手段(第1の実施形態では普図保留エリア116、第4の実施形態では第3普図保留エリア143、第10の実施形態では第2普図保留エリア142)と、
を備え、
前記計測手段は、前記契機情報が取得されている状況において前記所定期間の計測を開始することが可能な状況となった場合に前記所定期間の計測を開始するものであり、
本遊技機は、所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されている状況において特定利益(特別入賞装置35への入賞)が遊技者に付与され得るようにする、又は所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されている状況において前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されていない状況よりも特定利益(特別入賞装置35への入賞)が遊技者に付与され易くする特定利益付与手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS806の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU72におけるステップS1008の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1605の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU72におけるステップS1705の処理を実行する機能、第9の実施形態では主側MPU72におけるステップS2006の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0730】
特徴B1によれば、契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて契機情報が取得されるとともに契機情報が取得されたことを少なくとも一の条件として遊技者に所定利益が付与されるため、契機入球手段に遊技球が入球することを遊技者は期待することとなる。この場合に、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されている状況においては特定利益が付与され得る又は付与され易くなる。これにより、契機入球手段に遊技球を入球させることに基づいて所定利益だけではなく特定利益までも付与され得ることとなるため、契機入球手段に遊技球を入球させることの有利度を高めることが可能となる。よって、契機入球手段に遊技球が入球するか否かに遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0731】
特徴B2.前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されている状況の方が、前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されていない状況よりも前記情報記憶手段に前記契機情報が記憶され易くなることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0732】
特徴B2によれば、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されている状況においては特定利益が付与され得る又は付与され易くなるだけではなく、情報記憶手段に契機情報が記憶され易くなる。これにより、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に一旦記憶された場合にはその状況が継続し易くなるため、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されることの有利度を高めることが可能となる。
【0733】
特徴B3.前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されている状況の方が、前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されていない状況よりも前記所定期間として長い期間が選択されるようにする又は選択され易くなることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0734】
特徴B3によれば、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されている状況においては所定期間として長い期間が選択される又は選択され易くなることにより、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されている状況においては特定利益が付与され得る又は付与され易くなるだけではなく、情報記憶手段に契機情報が記憶され易くなる。これにより、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に一旦記憶された場合にはその状況が継続し易くなるため、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されることの有利度を高めることが可能となる。
【0735】
特徴B4.前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されている状況において、前記所定期間として、当該所定期間の新たな計測を行うことが可能となる状況となる前に前記契機入球手段への遊技球の入球を可能とする又は当該入球を発生し易くする第1期間に設定される構成であり、
本遊技機は、
前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されていない状況において、前記所定期間として、当該所定期間の新たな計測を行うことが可能となる状況となる前に前記契機入球手段への遊技球の入球を不可とする又は当該入球を発生しづらくする第2期間を設定する第2設定手段(主側MPU72におけるステップS804の処理を実行する機能)と、
前記所定個数以上の前記契機情報が取得されていない状況において、前記所定期間として、前記第1期間又は前記契機情報の取得を可能とする期間を設定する第3設定手段(主側MPU72におけるステップS805の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
【0736】
特徴B4によれば、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されている状況においては所定期間として第1期間が設定され、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されていない状況においては所定期間として第2期間が設定されることにより、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されている状況においては特定利益が付与され得る又は付与され易くなるだけではなく、情報記憶手段に契機情報が記憶され易くなる。これにより、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に一旦記憶された場合にはその状況が継続し易くなるため、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されることの有利度を高めることが可能となる。この場合に、所定個数以上の契機情報が取得されていない状況であっても所定期間として第1期間又は契機情報の取得を可能とする期間が設定され得る。これにより、所定期間として第2期間が設定されている状況であっても、その後に所定期間として第1期間が設定される状況を生じさせることが可能となる。さらにこのような所定期間の切り替えの契機を、所定期間の設定によって実現することが可能となる。
【0737】
特徴B5.前記第3設定手段により設定された前記所定期間は、前記所定個数よりも多い個数の前記契機情報の取得を可能とする期間であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
【0738】
特徴B5によれば、第3設定手段により所定期間が設定された場合には所定個数を超えた数の契機情報を情報記憶手段に記憶させることが可能となる。これにより、第3設定手段により所定期間が設定された場合には、その後に所定期間として第1期間が設定される状況が長く継続されるようにすることが可能となる。
【0739】
特徴B6.前記特定利益付与手段は、前記特定利益の付与として、所定入球手段(特別入賞装置35)への遊技球の入球を可能とする状況を生じさせるものであり、
本遊技機は、前記所定入球手段に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として遊技者に有利な特別遊技状態に遊技状態を移行させる手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS308~ステップS311の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1114及びステップS1115の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
【0740】
特徴B6によれば、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されることにより所定入球手段への遊技球の入球が可能となり、当該所定入球手段に遊技球が入球することに基づき特別遊技状態に移行する。これにより、特別遊技状態への移行を期待する遊技者は所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されることを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0741】
特徴B7.前記所定個数以上の前記契機情報が前記情報記憶手段に記憶されているか否かに関係なく遊技球の入球が可能である別入球手段(第1作動部32)を備え、
前記別入球手段に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として前記特別遊技状態に遊技状態を移行させる手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS308~ステップS311の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1114及びステップS1115の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
【0742】
特徴B7によれば、別入球手段に遊技球が入球した場合にも特別遊技状態への移行が発生し得るが、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶された場合にはさらに所定入球手段への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態への移行が発生し得ることとなる。これにより、特別遊技状態への移行を期待する遊技者は別入球手段に遊技球が入球することだけではなく契機入球手段に遊技球が入球することにも期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0743】
特徴B8.前記契機入球手段、前記所定入球手段及び前記別入球手段は、前記遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されている場合に到達可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
【0744】
特徴B8によれば、遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されるようにすることで、契機入球手段、所定入球手段及び別入球手段のそれぞれについて遊技球の入球を狙うことが可能となる。これにより、遊技操作が複雑化してしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0745】
特徴B9.前記特別遊技状態においては前記遊技領域に特定の態様で遊技球が供給されるようにすることで遊技者に利益が付与され得る構成であり、
前記特定の態様で遊技球が供給される場合、前記契機入球手段への遊技球の入球が発生しない又は発生しづらいことを特徴とする特徴B6乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
【0746】
特徴B9によれば、特別遊技状態に移行したことに基づいて契機入球手段への遊技球の入球が発生しないようになり、契機入球手段への遊技球の入球が発生しないことにより所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されていない状況となる。よって、特別遊技状態への移行を契機として所定入球手段に遊技球が入球し得る状況を終了させることが可能となる。
【0747】
特徴B10.遊技者に有利な特別遊技状態となった場合に前記契機入球手段への遊技球の入球が可能となることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
【0748】
特徴B10によれば、特別遊技状態において契機入球手段への遊技球の入球が可能となることで所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶された状況となり、所定個数以上の契機情報が情報記憶手段に記憶されることにより特定利益が付与され得る又は特定利益が付与され易くなる。これにより、特別遊技状態への移行が発生することに対する有利度を高めることが可能となる。
【0749】
なお、特徴B1~B10の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0750】
<特徴C群>
特徴C1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段(特定作動部124)と、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて契機情報(第4の実施形態における第3普図側保留情報)を取得する情報取得手段(主側MPU72におけるステップS1303の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が取得されたことを少なくとも一の条件として遊技者に所定利益(第4の実施形態における第3普電装置123の開放実行状態)を付与する所定利益付与手段(主側MPU72におけるステップS1310の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が取得されたことに基づいて所定期間の計測を行う計測手段(主側MPU72におけるステップS1307~ステップSステップS1309の処理を実行する機能)と、
前記所定期間が計測されている状況において特定利益(特別入賞装置35への入賞)が遊技者に付与され得るようにする、又は前記所定期間が計測されている状況において前記所定期間が計測されていない状況よりも特定利益(特別入賞装置35への入賞)が遊技者に付与され易くする特定利益付与手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1605の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU72におけるステップS1705の処理を実行する機能、第9の実施形態では主側MPU72におけるステップS2006の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0751】
特徴C1によれば、契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて契機情報が取得されるとともに契機情報が取得されたことを少なくとも一の条件として遊技者に所定利益が付与されるため、契機入球手段に遊技球が入球することを遊技者は期待することとなる。この場合に、所定期間が計測されている状況においては特定利益が付与され得る又は付与され易くなる。これにより、契機入球手段に遊技球を入球させることに基づいて所定利益だけではなく特定利益までも付与され得ることとなるため、契機入球手段に遊技球を入球させることの有利度を高めることが可能となる。よって、契機入球手段に遊技球が入球するか否かに遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0752】
特徴C2.前記特定利益付与手段は、前記特定利益の付与として、所定入球手段(特別入賞装置35)への遊技球の入球を可能とする状況を生じさせるものであり、
本遊技機は、前記所定入球手段に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として遊技者に有利な特別遊技状態に遊技状態を移行させる手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS308~ステップS311の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1114及びステップS1115の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0753】
特徴C2によれば、所定期間が計測されている状況となることにより所定入球手段への遊技球の入球が可能となり、当該所定入球手段に遊技球が入球することに基づき特別遊技状態に移行する。これにより、特別遊技状態への移行を期待する遊技者は所定期間の計測が行われることを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0754】
特徴C3.前記所定期間が計測されているか否かに関係なく遊技球の入球が可能である別入球手段(第1作動部32)を備え、
前記別入球手段に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として前記特別遊技状態に遊技状態を移行させる手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS308~ステップS311の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1114及びステップS1115の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
【0755】
特徴C3によれば、別入球手段に遊技球が入球した場合にも特別遊技状態への移行が発生し得るが、所定期間が計測されている状況においてはさらに所定入球手段への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態への移行が発生し得ることとなる。これにより、特別遊技状態への移行を期待する遊技者は別入球手段に遊技球が入球することだけではなく契機入球手段に遊技球が入球することにも期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0756】
特徴C4.前記契機入球手段、前記所定入球手段及び前記別入球手段は、前記遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されている場合に到達可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
【0757】
特徴C4によれば、遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されるようにすることで、契機入球手段、所定入球手段及び別入球手段のそれぞれについて遊技球の入球を狙うことが可能となる。これにより、遊技操作が複雑化してしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0758】
特徴C5.前記特別遊技状態においては前記遊技領域に特定の態様で遊技球が供給されるようにすることで遊技者に利益が付与され得る構成であり、
前記特定の態様で遊技球が供給される場合、前記契機入球手段への遊技球の入球が発生しない又は発生しづらいことを特徴とする特徴C2乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
【0759】
特徴C5によれば、特別遊技状態に移行したことに基づいて契機入球手段への遊技球の入球が発生しないようになり、契機入球手段への遊技球の入球が発生しないことにより所定期間が計測されていない状況となる。よって、特別遊技状態への移行を契機として所定入球手段に遊技球が入球し得る状況を終了させることが可能となる。
【0760】
特徴C6.前記計測手段は、前記特別遊技状態においても前記所定期間の計測を継続することを特徴とする特徴C2乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
【0761】
特徴C6によれば、特別遊技状態が実行されている状況において所定期間の計測が完了することとなる。これにより、特別遊技状態への移行を契機として所定入球手段に遊技球が入球し得る状況を終了させることが可能となる。
【0762】
特徴C7.前記所定期間は、前記特別遊技状態を消化するために要する最短期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
【0763】
特徴C7によれば、特別遊技状態への移行が発生した場合には当該特別遊技状態が終了するまでに確実に所定期間の計測が完了しているようにすることが可能となる。
【0764】
なお、特徴C1~C7の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0765】
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(第10の実施形態における第1普電装置121)と、
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に前記特定入球手段に遊技球が入球可能となるようにする又は入球し易くなるようにする特定制御手段(主側MPU72におけるステップS2114及びステップS2115の処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態において前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる所定入球手段(特別入賞装置35)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0766】
特徴D1によれば、特別遊技状態となった場合には特定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなるだけではなく、所定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる。これにより、特別遊技状態における有利度を高めることが可能となり、特別遊技状態に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0767】
特徴D2.前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づき、前記遊技領域を流下する遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなる特別入球手段(第10の実施形態における第2普電装置122)を備え、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づき、前記所定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【0768】
特徴D2によれば、特別遊技状態に移行した場合には特定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる。そして、当該特定入球手段に遊技球が入球した場合には特別入球手段及び所定入球手段の両方について遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる。これにより、特別遊技状態における有利度を高めることが可能となるだけではなく、特別遊技状態において入球可能又は入球し易くなる対象となる入球手段を多様化することができる。
【0769】
特徴D3.特定の態様で前記遊技領域に遊技球が供給されることにより前記特定入球手段に入球可能となる位置に遊技球が到達し得る構成であり、
前記所定入球手段は前記特定入球手段よりも遊技球の流下方向の下流側に設けられており、
前記特定の態様で前記遊技領域に遊技球が供給された場合であって前記特定入球手段に入球しなかった遊技球が前記所定入球手段に入球可能となる位置に到達し得ることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
【0770】
特徴D3によれば、特別遊技状態において特定入球手段に入球しなかった遊技球が所定入球手段に入球し得ることとなる。これにより、特別遊技状態において無駄に消費される遊技球の数を抑えることが可能となる。
【0771】
特徴D4.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球手段(スルー入賞部34)と、
前記特別遊技状態ではない状況において前記契機入球手段に遊技球が入球したとしても前記所定入球手段への遊技球の入球を不可又は入球しづらくし、前記特別遊技状態である状況において前記契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記所定入球手段への遊技球の入球を可能とする又は入球し易くする所定制御手段(主側MPU72におけるステップS2501~ステップS2503の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
【0772】
特徴D4によれば、契機入球手段に遊技球が入球することに基づき所定入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるため、所定入球手段に遊技球を入球させるためのプロセスを段階的なものとすることが可能となる。この場合に、特別遊技状態ではない状況においては契機入球手段に遊技球が入球したとしても所定入球手段への遊技球の入球が不可又は発生しづらくなり、特別遊技状態である状況において契機入球手段に遊技球が入球することで所定入球手段への遊技球の入球が可能又は発生し易くなる。これにより、所定入球手段に遊技球が入球可能又は入球し易い状況を特別遊技状態に限定して発生させることが可能となる。
【0773】
特徴D5.前記所定入球手段は、所定入球部(排出通路42)への遊技球の入球が可能となる又は入球が発生し易い第1状態(受入状態)と前記所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は入球が発生しづらい第2状態(非受入状態)とに切り替わり可能に設けられており、
本遊技機は、前記契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定期間を計測する計測手段(主側MPU72におけるステップS2404~ステップS2406の処理を実行する機能)を備え、
前記所定制御手段は、前記計測手段による前記所定期間の計測が完了した後に前記所定入球手段を前記第1状態とするものであり、
本遊技機は、
前記特別遊技状態である場合に、前記所定期間として、前記遊技領域を所定の態様で遊技球が流下している状況において、前記所定入球手段が前記第1状態である状況で前記所定入球手段に入球可能となる位置に遊技球が到達することを可能とする又は到達し易くする第1期間(第3表示継続期間)を設定する第1設定手段(第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2503の処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態ではない場合に、前記所定期間として、前記遊技領域を前記所定の態様で遊技球が流下している状況において、前記所定入球手段が前記第1状態である状況で前記所定入球手段に入球可能となる位置に遊技球が到達することを不可とする又は到達しづらくする第2期間(第1表示継続期間)を設定する第2設定手段(第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2502の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
【0774】
特徴D5によれば、契機入球手段に遊技球が入球してから所定期間が経過した場合に所定入球手段が第1状態となるため、所定入球手段が第1状態となることを事前に予測することが可能となる。この場合に、所定期間として第1期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球が可能となる又は当該入球が発生し易くなるのに対して、所定期間として第2期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は当該入球が発生しづらくなる。これにより、所定期間を調整するだけで、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0775】
特徴D6.前記所定制御手段は、前記所定期間として前記第1期間が設定される場合及び前記第2期間が設定される場合のいずれであっても前記所定入球手段を同一の態様で前記第1状態とすることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
【0776】
特徴D6によれば、所定入球手段を第1状態と第2状態との間で切り替える制御を簡素なものとしながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0777】
特徴D7.前記第2期間は前記第1期間よりも短いことを特徴とする特徴D5又はD6に記載の遊技機。
【0778】
特徴D7によれば、所定期間として第2期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は当該入球が発生しづらい構成において第2期間が相対的に短い期間に設定されていることにより、所定入球部への遊技球の入球が不可となる又は当該入球が発生しづらい状況が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
【0779】
特徴D8.前記第1期間は前記遊技領域への遊技球の最短の供給周期以上であり、前記第2期間は前記最短の供給周期よりも短いことを特徴とする特徴D5乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
【0780】
特徴D8によれば、所定期間として第1期間が設定されている状況においては所定入球手段などの位置に1個以上の遊技球が供給されることを期待することが可能となる一方、所定期間として第2期間が設定されている状況において遊技球が無駄に消費されてしまうことを抑制することが可能となる。
【0781】
特徴D9.前記契機入球手段は前記所定入球手段よりも遊技球の流下方向の上流側に設けられており、前記契機入球手段に入球した遊技球は前記所定入球部に入球可能な位置に到達し得る構成であり、
前記第2期間は、前記契機入球手段に入球した遊技球が前記所定入球部に入球可能な位置に到達するまでに要する最短期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴D5乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
【0782】
特徴D9によれば、契機入球手段は所定入球手段よりも上流側に設けられており、契機入球手段に入球した遊技球が所定入球部に入球可能な位置に到達し得る構成であることにより、1個の遊技球によって契機入球手段の入球と所定入球部への入球との両方を生じさせることが可能となる。この場合に、第2期間は契機入球手段に入球した遊技球が所定入球部に入球可能な位置に到達するまでに要する最短期間よりも短い期間である。これにより、所定期間として第2期間に設定されている場合には契機入球手段に入球して所定期間の計測を開始させた遊技球が所定入球部に入球しないようにすることが可能となる。
【0783】
特徴D10.前記第2期間は、前記契機入球手段に所定の遊技球が入球したことを契機として前記第2期間の計測が開始される場合において当該所定の遊技球に対して1個前の発射順序の遊技球が前記所定入球部に入球可能な位置を通過した後に経過する期間であることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
【0784】
特徴D10によれば、所定期間として第2期間に設定されている場合には契機入球手段に入球して所定契機を発生させた所定の遊技球及び当該所定の遊技球に対して1個前の発射順序の遊技球の両方が、当該所定の遊技球による所定契機の発生に対して第1状態となっている所定入球手段の所定入球部に入球しないようにすることが可能となる。これにより、所定期間として第2期間が設定されている場合には所定入球部への遊技球の入球を不可又は当該入球を発生しづらくさせることが可能となる。
【0785】
なお、特徴D1~D10の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0786】
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球手段(第1普電装置121)と、
第1所定契機が発生した後に、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第1所定状態を発生させる第1制御手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1114及びステップS1115の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2114及びステップS2115の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第2入球手段(第2普電装置122)と、
第2所定契機が発生した後に、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第2所定状態を発生させる第2制御手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1213及びステップS1214の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2213及びステップS2214の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第3入球手段(第4の実施形態では第3普電装置123、第10の実施形態では特別入賞装置35)と、
第3所定契機が発生した後に、前記第3入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第3所定状態を発生させる第3制御手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1310の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
前記第2所定契機が発生したとしても前記第1所定状態が発生している状況において前記第2所定状態が発生しないようにする一方、前記第1所定状態が発生している状況であっても前記第3所定状態が発生し得るようにする特別実行手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1204及びステップS1215の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2204及びステップS2215の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0787】
特徴E1によれば、第1入球手段、第2入球手段及び第3入球手段が設けられていることにより、遊技者が遊技球の入球を期待する対象が多様化される。この場合に、第2所定契機が発生したとしても第1入球手段の第1所定状態が発生している状況において第2入球手段の第2所定状態が発生しないようにされる一方、第1所定状態が発生している状況であっても第3所定状態が発生し得る。これにより、複数の入球手段を備えた構成において遊技球の入球の発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0788】
特徴E2.前記特別実行手段は、前記第1所定契機が発生したとしても前記第2所定状態が発生している状況において前記第1所定状態が発生しないようにすることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
【0789】
特徴E2によれば、第1入球手段の第1所定状態と第2入球手段の第2所定状態とが重複して発生しないようにすることが可能となる。これにより、第1所定状態の発生条件及び第2所定状態の発生条件の両方が成立したとしても、遊技者は第1入球手段への遊技球の入球と第2入球手段への遊技球の入球とを段階的に狙うことが可能となる。
【0790】
特徴E3.前記特別実行手段は、前記第3所定状態が発生している状況であっても前記第1所定状態が発生し得るようにすることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
【0791】
特徴E3によれば、第1入球手段の第1所定状態と第3入球手段の第3所定状態とが重複して発生し得る。これにより、第1入球手段が第1所定状態である状況及び第3入球手段が第3所定状態である状況のうち一方の状況において他方の状況の発生を遊技者は期待することができる。
【0792】
特徴E4.前記第2所定契機は前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて発生し、前記第3所定契機は前記第1入球手段に遊技球が入球したとしても発生しないことを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
【0793】
特徴E4によれば、第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2入球手段が第2所定状態となる構成において、第2所定契機が発生したとしても第1入球手段の第1所定状態が発生している状況において第2入球手段の第2所定状態が発生しない。これにより、遊技者は第1入球手段への遊技球の入球と第2入球手段への遊技球の入球とを段階的に狙うことが可能となる。その一方、第3入球手段の第3所定状態が第1入球手段への遊技球の入球とは無関係で発生する構成において、第1入球手段の第1所定状態が発生している状況において第3入球手段の第3所定状態が発生する。これにより、第1入球手段への遊技球の入球と第3入球手段への遊技球の入球とを同時に狙うことが可能となる状況を生じさせることが可能となる。
【0794】
特徴E5.前記第3所定契機は前記第2入球手段に遊技球が入球したとしても発生しない構成であり、
前記特別実行手段は、前記第3所定状態が発生している状況であっても前記第1所定状態が発生し得るようにし、前記第2所定状態が発生している状況であっても前記第3所定状態が発生し得るようにし、前記第3所定状態が発生している状況であっても前記第2所定状態が発生し得るようにすることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
【0795】
特徴E5によれば、第1入球手段及び第2入球手段への遊技球の入球とは無関係に第3入球手段が第3所定状態となる構成において、第3入球手段の第3所定状態は第1入球手段の第1所定状態及び第2入球手段の第2所定状態のいずれとも重複して発生し得る。これにより、第3入球手段が第3所定状態となるタイミングの任意性を高めることが可能となる。
【0796】
特徴E6.前記第3入球手段は、前記第1入球手段に向けて遊技球が流下するように前記遊技領域に遊技球が供給されている場合に入球可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
【0797】
特徴E6によれば、第1入球手段の第1所定状態と第3入球手段の第3所定状態とが重複して発生し得る構成において、遊技領域への遊技球の供給を所定の態様とすることにより、第1入球手段への遊技球の入球と第3入球手段への遊技球の入球との両方を狙うことが可能となる。
【0798】
特徴E7.前記特別実行手段は、前記第2所定状態の発生に対応する前記第2所定契機が発生したとしても前記第1所定状態が発生している状況において前記第2所定状態が発生しないようにした場合、当該第1所定状態が終了した後に当該第2所定状態が開始されるようにする手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1205及びステップS1206の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2205及びステップS2206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
【0799】
特徴E7によれば、第2所定状態の発生に対応する第2所定契機の発生が第1所定状態の発生によって無効化されてしまわないようにすることが可能となる。
【0800】
特徴E8.前記第2制御手段は、前記第2所定契機が発生したことに基づいて、第2所定期間が経過した後に前記第2入球手段を前記第2所定状態とするものであり、
前記特別実行手段は、前記第2所定期間の途中において前記第1所定状態が発生した場合、前記第2所定期間の計測を停止させる又は前記第2所定期間を延長させることにより、前記第2所定契機が発生したとしても前記第1所定状態が発生している状況において前記第2所定状態が発生しないようにすることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
【0801】
特徴E8によれば、第2所定期間を調整するだけで、第1入球手段の第1所定状態が発生している状況において第2入球手段の第2所定状態が発生しないようにすることが可能となる。
【0802】
特徴E9.前記特別実行手段は、前記第2所定期間が計測されている状況において前記第1所定状態が発生することで前記第2所定期間の計測を停止させた場合、当該第1所定状態が終了した後にその停止させた前記第2所定期間の計測を再開させる手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1205及びステップS1206の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2205及びステップS2206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
【0803】
特徴E9によれば、第2所定期間の計測の一旦停止とその解除とを行うだけで、第1入球手段の第1所定状態が発生している状況において第2入球手段の第2所定状態が発生しないようにすることが可能となる。
【0804】
特徴E10.前記第3所定契機は前記第1入球手段に遊技球が入球したとしても発生しないものの、前記第1入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第3入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球が発生し易くなることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
【0805】
特徴E10によれば、第3所定契機の発生に第1入球手段が寄与しない構成であっても、第3入球手段への遊技球の入球のし易さを第1入球手段と関連付けることが可能となる。
【0806】
特徴E11.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球手段(第1普電装置121)と、
第1所定契機が発生したことに基づいて、第1所定期間が経過した後に、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第1所定状態を発生させる第1制御手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1114及びステップS1115の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2114及びステップS2115の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第2入球手段(第2普電装置122)と、
第2所定契機が発生したことに基づいて、前記第2所定期間が経過した後に、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第2所定状態を発生させる第2制御手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1213及びステップS1214の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2213及びステップS2214の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第3入球手段(第4の実施形態では第3普電装置123、第10の実施形態では特別入賞装置35)と、
第3所定契機が発生したことに基づいて、前記第3所定期間が経過した後に、前記第3入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第3所定状態を発生させる第3制御手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1310の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
前記第2所定期間の途中において前記第1所定状態が発生した場合、前記第2所定期間の計測を停止させる又は前記第2所定期間を延長させる一方、前記第3所定期間の途中において前記第1所定状態が発生したとしても前記第3所定期間を変動させない特別実行手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1204及びステップS1215の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU72におけるステップS2204及びステップS2215の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0807】
特徴E11によれば、第1入球手段、第2入球手段及び第3入球手段はいずれも、対応する所定契機が発生した場合には対応する所定期間が経過した後に、対応する所定状態となることで遊技球の入球が可能となる又は遊技球の入球がし易くなる。これにより、各入球手段が対応する所定状態となることを事前に予測することが可能となる。
【0808】
この場合に、第2所定期間の途中において第1入球手段の第1所定状態が発生した場合には当該第2所定期間の計測が停止される又は第2所定期間が延長される一方、第3所定期間が計測されている状況において第1入球手段の第1所定状態が発生したとしても当該第3所定期間の計測は停止されない。これにより、第1入球手段が第1所定状態となっている状況において第2入球手段が第2所定状態となることを阻止する一方、第1入球手段が第1所定状態となっている状況において第3入球手段が第3所定状態となることを許容することが可能となる。よって、複数の入球手段を備えた構成において遊技球の入球発生態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0809】
なお、特徴E1~E11の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0810】
上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群、上記特徴D群及び上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0811】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を特別制御状態に移行させることで、遊技者に利益を付与する構成が知られている。
【0812】
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別制御状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別制御状態に移行する構成が知られている。そして、特別制御状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
【0813】
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0814】
<特徴F群>
特徴F1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1特定入球手段(第4普電装置161)と、
第1特定契機が発生したことに基づいて、第1特定期間が経過した後に、前記第1特定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第1特定状態を発生させる第1特定制御手段(主側MPU72におけるステップS2910及びステップS2911の処理を実行する機能)と、
前記第1特定期間の途中において所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の発生の契機となった前記第1特定契機が前記第1特定状態の発生に対応している場合と前記第1特定状態の発生に対応していない場合とで当該第1特定期間の扱いを異ならせる事象対応手段(主側MPU72における調整処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0815】
特徴F1によれば、第1特定契機が発生した場合、第1特定期間が経過した後に第1特定入球手段が第1特定状態となる。これにより、遊技者は第1特定入球手段が第1特定状態となることを事前に予測することが可能となる。
【0816】
この場合に、第1特定期間の途中において所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の発生の契機となった第1特定契機が第1特定状態の発生に対応している場合と第1特定状態の発生に対応していない場合とで当該第1特定期間の扱いが異なるものとなる。これにより、第1特定状態の発生条件が成立している場合と成立していない場合とのそれぞれに適した態様で第1特定期間を扱うようにしながら、第1特定期間の途中で所定事象が発生した場合に第1特定期間の進行態様を所定事象の発生に対応させて変化させることが可能となる。
【0817】
特徴F2.前記事象対応手段は、前記第1特定期間の途中において前記所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の発生の契機となった前記第1特定契機が前記第1特定状態の発生に対応していない場合には当該第1特定期間を終了させる一方、当該第1特定期間の発生の契機となった前記第1特定契機が前記第1特定状態の発生に対応している場合には前記第1特定状態の発生タイミングを変動させることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
【0818】
特徴F2によれば、第1特定期間の途中において所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の発生の契機となった第1特定契機が第1特定状態の発生に対応していない場合には当該第1特定期間を終了させる。これにより、第1特定状態の発生に結びつかない第1特定期間は所定事象の発生で終了させることが可能となり、所定事象を優先させながら第1特定期間の消化効率を高めることが可能となる。一方、第1特定期間の発生の契機となった第1特定契機が第1特定状態の発生に対応している場合には当該第1特定状態の発生タイミングを変動させる。これにより、第1特定期間の進行態様を所定事象の発生に対応させて短縮又は延長させながら、第1特定状態の発生という利益が消失してしまわないようにすることが可能となる。
【0819】
特徴F3.前記事象対応手段は、前記第1特定期間の途中において前記所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の発生の契機となった前記第1特定契機が前記第1特定状態の発生に対応していない場合には当該第1特定期間を終了させる一方、当該第1特定期間の発生の契機となった前記第1特定契機が前記第1特定状態の発生に対応している場合には前記第1特定状態の発生タイミングを遅延させることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
【0820】
特徴F3によれば、第1特定期間の途中において所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の発生の契機となった第1特定契機が第1特定状態の発生に対応していない場合には当該第1特定期間を終了させる。これにより、第1特定状態の発生に結びつかない第1特定期間は所定事象の発生で終了させることが可能となり、所定事象を優先させながら第1特定期間の消化効率を高めることが可能となる。一方、第1特定期間の発生の契機となった第1特定契機が第1特定状態の発生に対応している場合には当該第1特定状態の発生タイミングを遅延させる。これにより、所定事象を優先させながら、第1特定状態の発生という利益が消失してしまわないようにすることが可能となる。
【0821】
特徴F4.前記事象対応手段は、前記第1特定状態の発生に対応した前記第1特定契機を契機とした前記第1特定期間の途中において前記所定事象が発生した場合、当該第1特定期間の計測を一旦停止させてその後に当該第1特定期間の計測を再開させることにより前記第1特定状態の発生タイミングを遅延させることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
【0822】
特徴F4によれば、第1特定期間の計測の一旦停止とその解除とを行うだけで、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0823】
特徴F5.前記第1特定状態の発生に対応する前記第1特定契機を契機とした前記第1特定期間は、前記第1特定状態の発生に対応しない前記第1特定契機を契機とした前記第1特定期間よりも短いことを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
【0824】
特徴F5によれば、第1特定契機が発生してから第1特定状態が開始されるまでに要する期間を短くすることが可能となる。この場合に、上記特徴F3の構成を備え、第1特定状態の発生に対応しない第1特定契機を契機とした第1特定期間は所定事象が発生した場合に終了されるため、第1特定期間の消化効率を高めることが可能となる。
【0825】
特徴F6.特別遊技状態において前記遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されることに基づき所定の利益が付与され得る構成であり、
前記第1特定契機は、前記遊技領域に前記所定の態様で遊技球が供給されている場合に発生し得ることを特徴とする特徴F3乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
【0826】
特徴F6によれば、特別遊技状態において遊技領域に所定の態様で遊技球を供給することにより所定の利益が付与されるだけではなく、第1特定入球手段が第1特定状態になり得る。これにより、特別遊技状態の有利度を高めることが可能となる。
【0827】
特徴F7.前記遊技領域に前記所定の態様とは異なる特定の態様で遊技球が供給されることに基づき遊技球の入球が可能となる位置又は遊技球の入球が発生し易い位置に設けられた入球手段(第1スルー入賞部160)に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記特別遊技状態に遊技状態を移行させる手段(主側MPU72におけるステップS2614及びステップS2615の処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定状態の発生に対応しない前記第1特定契機を契機とした前記第1特定期間は、前記第1特定状態の発生に対応する前記第1特定契機を契機とした前記第1特定期間よりも長いことを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
【0828】
特徴F7によれば、特別遊技状態に移行するまでは入球手段に遊技球が入球することを狙って遊技領域に特定の態様で遊技球が供給されるようにし、特別遊技状態に移行した後は所定の利益が付与されるように遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されるようにすることとなる。
【0829】
但し、特別遊技状態に移行していない状況において遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されるように遊技操作が行われてしまうことが想定され、この場合、特別遊技状態ではないにも関わらず第1特定入球手段が第1特定状態となってしまうおそれがある。これに対して、第1特定状態の発生に対応しない第1特定状態を契機とした第1特定期間が、第1特定状態の発生に対応する第1特定契機を契機とした第1特定期間よりも長いことにより、特別遊技状態ではないにも関わらず第1特定入球手段が第1特定状態となるようにするために遊技領域に所定の態様で遊技球が供給されたとしても遊技効率が低くなるようにすることが可能となる。その一方、上記特徴F3の構成を備え、第1特定状態の発生に対応しない第1特定契機を契機とした第1特定期間は所定事象が発生することで終了されるため、特別遊技状態においては遊技効率を高めることが可能となる。
【0830】
特徴F8.前記所定事象は、前記特別遊技状態において発生することを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
【0831】
特徴F8によれば、特別遊技状態においては所定事象が発生し、所定事象が発生した場合には第1特定状態の発生に対応しない第1特定契機を契機とした第1特定期間が終了するため、当該第1特定期間が比較的長期間に設定されていたとしても第1特定期間の消化効率を高めることが可能となる。
【0832】
特徴F9.前記特別遊技状態において前記所定事象の最短の発生間隔は、前記第1特定状態の発生に対応しない前記第1特定契機を契機とした前記第1特定期間よりも短いことを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
【0833】
特徴F9によれば、特別遊技状態においては所定事象が比較的短い間隔で発生することとなるため、第1特定状態の発生に対応しない第1特定契機を契機とした第1特定期間を早期に終了させることが可能となる。
【0834】
特徴F10.前記第1特定入球手段に遊技球が入球することに基づき、前記特別遊技状態の有利度を高めることを可能とする手段(主側MPU72におけるステップS2703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F6乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
【0835】
特徴F10によれば、特別遊技状態においては所定の利益が付与されることだけではなく、第1特定入球手段に遊技球が入球することに遊技者は期待することとなるため、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0836】
特徴F11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第2特定入球手段(第11の実施形態における第2普電装置122又は第3普電装置123)と、
第2特定契機が発生したことに基づいて、前記第2特定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第2特定状態を発生させる第2特定制御手段(主側MPU72におけるステップS2713~ステップS2714又はステップS2813~ステップS2814の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定事象は前記第2特定入球手段が前記第2特定状態となることであることを特徴とする特徴F1乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
【0837】
特徴F11によれば、第2特定入球手段が第2特定状態となっている状況において第1特定入球手段が第1特定状態とならないようにすることが可能となる。そして、この構成を利用しながら既に説明したように優れた効果を奏することが可能となる。
【0838】
特徴F12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第3特定入球手段(第11の実施形態における第2普電装置122)と、
第3特定契機が発生したことに基づいて、第3特定期間が経過した後に、前記第3特定入球手段に遊技球が入球可能となる又は入球し易くなる第3特定状態を発生させる第3特定制御手段(主側MPU72におけるステップS2713~ステップS2714の処理を実行する機能)と、
前記第3特定期間の途中において前記所定事象が発生した場合、当該第3特定期間の計測を一旦停止させてその後に当該第3特定期間の計測を再開させる手段(主側MPU72におけるステップS2705~ステップS2706及びステップS2715の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F11のいずれか1に記載の遊技機。
【0839】
特徴F12によれば、第3特定期間については所定事象が発生したとしても終了されないようにすることが可能となる。
【0840】
なお、特徴F1~F12の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0841】
上記特徴F群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0842】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を特別制御状態に移行させることで、遊技者に利益を付与する構成が知られている。
【0843】
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別制御状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別制御状態に移行する構成が知られている。そして、特別制御状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
【0844】
ここで、上記例示等のような遊技機においては斬新な遊技内容が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
【0845】
<特徴G群>
特徴G1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能であり、開状態と閉状態とに切り替わり可能に設けられた可変入球手段(所定普電装置172)と、
所定遊技状態となった場合に前記可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態とする開閉制御を実行する開閉制御手段(主側MPU72におけるステップS3507、ステップS3605、ステップS3610及びステップS3710の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において前記可変入球手段が前記開状態となった回数が上限回数となった後に当該所定遊技状態を終了させる第1終了手段(主側MPU72におけるステップS3613~ステップS3615の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において前記可変入球手段に入球した遊技球の個数が上限個数となった後に当該所定遊技状態を終了させる第2終了手段(主側MPU72におけるステップS3605~ステップS3608及びステップS3705~ステップS3707の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記上限回数の方が前記上限個数よりも多い数であることを特徴とする遊技機。
【0846】
特徴G1によれば、可変入球手段が開状態となった回数が上限回数となった後に所定遊技状態が終了するとともに、可変入球手段に入球した遊技球の個数が上限個数となった後に所定遊技状態が終了する構成において、上限回数の方が上限個数よりも多い数となっている。これにより、可変入球手段の開状態の各実行回において当該可変入球手段に1個以上の遊技球を入球させなくても、所定遊技状態において上限個数の遊技球を可変入球手段に入球させることが可能となる。この場合、所定遊技状態において遊技者は上限個数の遊技球が可変入球手段に入球するか否かを当該可変入球手段が開状態となった回数に注目しながら予測することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0847】
特徴G2.前記可変入球手段が前記開状態となった後に前記閉状態となるまでの期間は、前記遊技領域への遊技球の最短の供給周期以下であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
【0848】
特徴G2によれば、可変入球手段における1回の開状態の実行回において当該可変入球手段に遊技球が入球するとしても1個程度となり、入球しない実行回も発生することとなる。この場合に、上記特徴G1の構成を備え、上限回数の方が上限個数よりも多い数となっていることにより、所定遊技状態において遊技者は上限個数の遊技球が可変入球手段に入球するか否かを当該可変入球手段が開状態となった回数に注目しながら予測することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0849】
特徴G3.前記上限回数に到達するまでに必要な前記開状態の発生回数及び前記上限個数に到達するまでに必要な前記可変入球手段への遊技球の入球個数を遊技者に認識可能とさせる所定報知が実行されるようにする手段(音光側MPU92におけるステップS3802、ステップS3804及びステップS3811の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
【0850】
特徴G3によれば、可変入球手段の開状態の残りの発生回数と可変入球手段に入球可能な遊技球の残りの個数とを、所定報知を確認することで把握することが可能となる。これにより、遊技者は可変入球手段に遊技球を入球させるべき状況と入球させなくてもよい状況とを意識しながら所定遊技状態を消化することが可能となる。
【0851】
特徴G4.前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別利益が付与され得る状態となる構成であって、完了条件が成立する前に前記可変入球手段への遊技球の入球が新たに発生した場合には当該完了条件が成立した後に前記可変入球手段への遊技球の入球が新たに発生した場合よりも前記特別利益の有利度が低下してしまう構成であることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
【0852】
特徴G4によれば、可変入球手段に遊技球を入球させた場合、完了条件が成立する前に当該可変入球手段に遊技球を再度入球させてしまうと特別利益の有利度が低下してしまう。この場合に、上記特徴G1の構成を備え上限回数の方が上限個数よりも多い数となっていることにより、最終的に上限個数の遊技球の入球を発生させるようにしながら、完了条件が成立していない状況においては開状態となった可変入球手段に敢えて遊技球を入球させないことを選択することが可能となる。
【0853】
特徴G5.前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて開状態となり、自身に遊技球が入球したことに基づいて閉状態となる付随入球手段(第1非電装置173)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
【0854】
特徴G5によれば、可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて付随入球手段が開状態となり、当該付随入球手段に遊技球が入球したことに基づいて当該付随入球手段が閉状態となる構成においては、付随入球手段が開状態である状況において可変入球手段への遊技球の入球が発生してしまうと、付随入球手段への入球機会を1回分失うこととなってしまう。この場合に、上記特徴G1の構成を備え上限回数の方が上限個数よりも多い数となっていることにより、最終的に上限個数の遊技球の入球を発生させるようにしながら、付随入球手段が開状態となっている状況において開状態となった可変入球手段に敢えて遊技球を入球させないことを選択することが可能となる。
【0855】
特徴G6.前記所定遊技状態において前記可変入球手段が前記開状態となる一の実行回が終了してから次に前記可変入球手段が前記開状態となるまでに要する期間を遊技者に認識可能とさせる特定報知が実行されるようにする手段(音光側MPU92におけるステップS3806~ステップS3809の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G4又はG5に記載の遊技機。
【0856】
特徴G6によれば、特定報知を確認することで可変入球手段が次に開状態となるタイミングを把握することが可能となる。これにより、可変入球手段に遊技球を入球させるべき状況ではない場合には事前に可変入球手段に向けて遊技球が流下しないようにすることが可能となる。
【0857】
なお、特徴G1~G6の構成に対して、特徴A1~A25、特徴B1~B10、特徴C1~C7、特徴D1~D10、特徴E1~E11、特徴F1~F12、特徴G1~G6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0858】
上記特徴G群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0859】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を特別制御状態に移行させることで、遊技者に利益を付与する構成が知られている。
【0860】
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別制御状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別制御状態に移行する構成が知られている。そして、特別制御状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
【0861】
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0862】
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
【0863】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0864】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0865】
10…パチンコ機、32…第1作動部、34…スルー入賞部、35…特別入賞装置、42…排出通路、72…主側MPU、92…音光側MPU、116…普図保留エリア、121…第1普電装置、122…第2普電装置、123…第3普電装置、124…特定作動部、142…第2普図保留エリア、143…第3普図保留エリア、160…第1スルー入賞部、161…第4普電装置、172…所定普電装置、173…第1非電装置。