(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165989
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】ざ瘡及び/又は過剰角質化に関連する状態の処置をする方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20231110BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20231110BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231110BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20231110BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20231110BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20231110BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20231110BHJP
A61P 17/12 20060101ALI20231110BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231110BHJP
A61K 31/216 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/37
A61Q19/00
A61Q19/08
A61K31/192
A61P17/00
A61P17/10
A61P17/12
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61K31/216
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023169791
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2021504340の分割
【原出願日】2019-07-24
(31)【優先権主張番号】62/703,903
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/519,207
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リ・ウェン-ファ
(72)【発明者】
【氏名】マームード・カリド
(72)【発明者】
【氏名】パルサ・ラミン
(72)【発明者】
【氏名】メサ・ダフネ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・デン・フーヴェル・アントニウス・ピーター・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バーギーズ・ティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ネレン・マリナ
(57)【要約】
【課題】ざ瘡及び/又は過剰角質化に関連する状態の処置をする方法を提供する。
【解決手段】方法は、処置を必要とする皮膚に、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む組成物を局所的に適用することを含む。任意に、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルは、組成物の最大20重量%を構成し、任意に、組成物はまた、美容的に許容される担体を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ざ瘡及び/又は過剰角質化に関連する状態の処置をする方法であって、前記処置を必要とする皮膚に、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む組成物を局所的に適用することを含む、方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
【請求項2】
3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルが、前記組成物の最大20重量%を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物がまた、美容的に許容される担体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記状態が前記ざ瘡である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記状態が前記過剰角質化である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記状態が、シミ、吹き出物、発芽前吹き出物、ブラックヘッド、及び/又はホワイトヘッドである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
皮膚老化の徴候を治療する方法であって、前記皮膚老化の徴候の治療を必要とする皮膚に、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む組成物を局所的に適用することを含み、
前記皮膚老化の徴候が、コラーゲン又はエラスチンの合成の減少であり、
前記方法は、レチノール反応性遺伝子を上方調節することを含む、方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
【請求項8】
皮膚バリア特性を改善する方法であって、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む組成物を局所的に適用することを含み、
前記方法は、レチノール反応性遺伝子を上方調節することを含む、方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
【請求項9】
3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む組成物であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法における使用のための、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチノール様活性を有する組成物、並びに皮膚、毛髪、爪、口腔粘膜、鼻粘膜、膣粘膜などを含むヒトの組織を処置するための組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚は、特定の老化プロセスを受けるが、そのうちのいくつかは、内因性プロセス(例えば、経年老化)に起因し、いくつかは、外因性因子(例えば、光老化)に起因する。加えて、皮膚に対する一時的又は更には持続的な変化、例えば、にきび、脂っぽい又は乾燥した皮膚、角化症、酒さ、光感受性、炎症性、紅斑性、及びアレルギー又は自己免疫反応性の反応、例えば、皮膚炎及び光線皮膚症が生じる可能性がある。
【0003】
上述の老化プロセスの結果としては、皮膚の薄化、表皮及び真皮の交絡の脆弱化、並びに細胞の数及び供給血管の減少を挙げることができる。これは、多くの場合、小じわ及びしわの形成をもたらし、色素の欠陥が生じる場合がある。
【0004】
レチノイドは、内因性老化、外因性因子、又は皮膚疾患によって引き起こされる皮膚の状態を処置するために使用されてきた。しかしながら、レチノイド処置の有益な効果にもかかわらず、その利益は、レチノイドの皮膚刺激が原因で限定されている。これらの副作用によって、レチノイドの使用が制限されることがある。化粧品製品に使用されるレチノイドは、全て合成由来であり、化粧品の使用者からは、レチノール様活性及び皮膚の処置効果を有する天然化合物に対する大きな受容がある。
【0005】
これまで、レチノイドを置き換えるための代替又は天然化合物の探索は、皮膚萎縮、光老化などの老化に関連する皮膚の状態の処置において、並びにしわ、小じわ、妊娠線、又はセルライトの出現の低減において、ある程度の成功を収めている。
【0006】
Ecobiotics LTDに譲渡された米国特許出願第9,220,928号は、酸化防止剤、抗菌剤、駆虫剤、並びに抗炎症剤、癌化学予防剤、食品添加剤及び/又は芳香剤の成分として使用するための、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸を含むアクロニチア属の植物由来の化合物を開示している。しかしながら、この特許は、その中で組成物に関連する老化防止特性を特定していない。
【0007】
Johnson&Johnson Consumer Companies,Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2013/0259815号は、特定の芳香族化合物又はそのような化合物を含むアクロニチア属の植物を含む植物抽出物を皮膚に適用することによって皮膚を美白する方法を開示している。
【0008】
出願人らは、予期せぬことに、アクロニチア属、リカリア属、キンセンカ属及びレイリョウコウ属の植物からの植物抽出物、並びにアクチノミセス属の細菌抽出物を含む、特定の抽出物が、レチノール様生理活性及び/又は皮膚及び他のヒトの組織で使用するための他の消費者に望ましい特性を示すことを発見した。このような抽出物は、皮膚上で使用されて、有意な老化防止、皮膚バリアの改善及び保湿、抗ざ瘡、及びレチノールと通常関連する他の利益を提供することができる。このような抽出物は、例えば、口腔粘膜、鼻粘膜、及び膣粘膜上で使用されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、例えば、皮膚においてレチノール様生物活性を示す抽出物に関し、ヒトの皮膚外植片培養物におけるRARg、CRABP2、HbEGF、HAS3、及びUGCGなどのレチノール反応性遺伝子の上方調節を含む。更に、本発明は、このような植物又は細菌抽出物を用いて、老化の兆候を処置し、皮膚バリア機能を改善し、抗ざ瘡効果を提供する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、皮膚老化の兆候を処置する方法に関し、皮膚老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラ(Acronychia acidula)の抽出物、リカリア・ベルニコーサ(Licaria vernicosa)の抽出物、キンセンカ(Calendula officinalis)の抽出物、コロハ(Trigonella foenum-graecum)の抽出物、アクチノミセス(Actinomyces)属細菌の抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0011】
本発明はまた、皮膚バリア特性を改善する方法に関し、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物、リカリア・ベルニコーサの抽出物、キンセンカの抽出物、コロハの抽出物、アクチノミセス属細菌の抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0012】
本発明は更に、ざ瘡を処置する方法に関し、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物、リカリア・ベルニコーサの抽出物、キンセンカの抽出物、コロハの抽出物、アクチノミセス属細菌の抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0013】
本発明は、皮膚老化の兆候を処置する方法に関し、皮膚老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0014】
本発明はまた、皮膚バリア特性を改善する方法に関し、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0015】
本発明は更に、ざ瘡を処置する方法に関し、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0016】
本発明はまた、皮膚老化の兆候を処置する方法に関し、皮膚老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、リカリア・ベルニコーサの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0017】
本発明はまた、皮膚バリア特性を改善する方法に関し、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、リカリア・ベルニコーサの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0018】
本発明は更に、ざ瘡を処置する方法に関し、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、リカリア・ベルニコーサの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0019】
本発明はまた、皮膚老化の兆候を処置する方法に関し、皮膚老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、キンセンカの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0020】
本発明はまた、皮膚バリア特性を改善する方法に関し、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、キンセンカの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0021】
本発明は更に、ざ瘡を処置する方法に関し、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、キンセンカの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0022】
本発明はまた、皮膚老化の兆候を処置する方法に関し、皮膚老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、コロハの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0023】
本発明はまた、皮膚バリア特性を改善する方法に関し、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、コロハの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0024】
本発明は更に、ざ瘡を処置する方法に関し、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、コロハの抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0025】
本発明はまた、皮膚老化の兆候を処置する方法に関し、皮膚老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、アクチノミセス属細菌の抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0026】
本発明はまた、皮膚バリア特性を改善する方法に関し、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、アクチノミセス属細菌の抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【0027】
本発明は更に、ざ瘡を処置する方法に関し、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、アクチノミセス属細菌の抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施例4に記載する、未処理、ビヒクル処理、1%アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)で処理及び0.1%レチノールで処理を含む、皮膚外植片の写真である。
【
図2】実施例5に示す、未処理、ビヒクル処理、1%アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)で処理及び0.1%レチノールで処理を含む、皮膚外植片の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
当業者であれば、本明細書の記載に基づいて本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の具体的な実施形態は、あくまで例示的なものとして解釈され得、いかなる意味においても以下の開示を限定するものとして解釈してはならない。
【0030】
特に断らない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。更に、本明細書において言及する刊行物、特許出願、特許、及びその他の引用文献は全て参照により援用するものである。本明細書で使用する場合、全ての百分率は、特に規定しない限り、組成物全体の重量/体積による。
【0031】
用語
本明細書で使用する場合、ある成分を「本質的に含まない」組成物とは、組成物が、組成物の総重量に基づいて、その成分を約2重量%以下しか含まないことを意味する。一実施形態では、ある成分を本質的に含まない組成物は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%以下、より好ましくは約0.5重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、より好ましくは約0.05重量以下、より好ましくは約0.01重量%以下しかその成分を含まない。特定の実施形態では、ある成分を本質的に含まない組成物は、その成分を含まない、すなわち組成物中にその成分が存在しない。
【0032】
本明細書で使用する場合、「美容的に許容される」とは、この用語が説明する成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、組織(例えば、皮膚又は毛髪)と接触して使用するのに好適であることを意味する。当業者に認識されるように、美容的に許容される塩は、酸性/アニオン性又は塩基性/カチオン性の塩である。無機塩基由来の美容的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム又はカリウムの塩などが挙げられる。有機塩基由来の美容的に許容される塩としては、例えば、一級、二級、又は三級のアミンなどと形成された塩が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用するとき、「化粧料」とは、具体的には組織又は皮膚の外観に関する場合、身体的に美しい外観を保つ、回復させる、与える、装う若しくは高める、又は美しさ若しくは若々しさが増すようにみえる美容用物質又は製剤を指す。
【0034】
本明細書で使用するとき、「安全かつ有効な量」という用語は、所望の効果を誘導するのに十分であるが、重篤な副作用を回避するのに十分少ない量を意味する。化合物、抽出物、又は組成物の安全かつ有効な量は、例えば、エンドユーザーの年齢、健康状態及び環境曝露、処置の期間及び性質、使用される具体的な化合物、抽出物、成分、又は組成物、使用される具体的な美容的に許容される担体、及び同様の要因に応じて異なる。
【0035】
本明細書で使用するとき、「処置」又は「処置する」とは、状態、疾患若しくは疾病、又はこれらの少なくとも1つの認識可能な症状の改善、予防、又は回復を意味する。一実施形態では、「処置」又は「処置する」とは、処置される被験体において又は当該被験体によって必ずしも認識可能ではない、処置される状態、疾患、又は疾病に関連する少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善、予防、又は回復を指す。別の実施形態では、「処置」又は「処置する」とは、身体的(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的(例えば、身体的パラメータの安定化)のいずれか又は両方において、状態、疾患又は疾病の進行を阻害する又は遅延させることを指す。別の実施形態では、「処置」又は「処置する」とは、状態、疾患又は疾病の発症を遅延させることを指す。
【0036】
特定の実施形態では、本発明の組成物は予防的手段として投与される。本明細書で使用するとき、「予防」又は「予防する」とは、所与の状態、疾患、又は疾病にかかるリスクを低下させることを指す。
【0037】
本発明の組成物は、皮膚老化の兆候を処置又は予防するのに好適である。本発明で使用する場合、「皮膚老化の兆候」としては、小じわ及びしわの存在、弾性の喪失、不均一な皮膚、シミが挙げられる。特に好ましい実施形態では、老化の兆候は、小じわ及びしわの存在、並びに/又は弾性の喪失である。
【0038】
本明細書で使用するとき、「しわ」は、細かい小じわ、細かいしわ、又は粗いしわを含む。しわの例としては、目の周囲の細かい小じわ(例えば、「目尻のしわ」)、額及び頬のしわ、眉間の小じわ、並びに口の周囲の笑い小じわが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の組成物は、皮膚の質感を改善するか、又は皮膚の張りを改善するのに好適である。
【0040】
本明細書で使用するとき、「皮膚の質感の改善」とは、皮膚表面における隆起又は裂け目のいずれかを除去するために皮膚の表面を滑らかにすることを意味する。
【0041】
本明細書で使用するとき、「皮膚の張りの改善」とは、皮膚の張り若しくは弾性の強化、皮膚の張り若しくは弾性の喪失の予防、又はたるみ、弛緩及び緩んだ皮膚の予防若しくは処置を意味する。
【0042】
本明細書で使用するとき、「弾性の喪失」には、たるみ、弛緩及び緩んだ組織を含むが、これらに限定されない皮膚又は組織の弾性又は構造的完全性の喪失を含む。弾性、又は組織の構造的完全性の喪失は、疾患、老化、ホルモン変化、機械的外傷、環境損傷、又は化粧料若しくは医薬品などの製品の組織への適用の結果を含むが、これらに限定されない、多数の要因の結果であり得る。
【0043】
本明細書で使用するとき、「不均一な皮膚」とは、炎症後色素沈着過剰などの色素沈着過剰に分類され得る、びまん性又は斑点模様の色素沈着に関連する皮膚の状態を意味する。
【0044】
本明細書で使用するとき、「シミ」とは、赤み又は紅斑に関連する皮膚の状態を意味する。
【0045】
本明細書で使用する場合、「加齢によるシミ」とは、個別の色素沈着に関連する皮膚の状態、例えば、顔及び手の上に発生し得る、より暗い色素沈着の小さな領域を意味する。
【0046】
皮膚老化の兆候はまた、皮膚の厚さの減少、並びにコラーゲン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、エラスチン、又はフィブロネクチンを含む糖タンパク質の異常な合成又は減少した合成の存在が含まれる。一実施形態では、老化の兆候は、コラーゲン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、エラスチン、又はフィブロネクチンを含む糖タンパク質の異常な合成又は合成の減少から選択される。別の実施形態では、皮膚老化の兆候は、コラーゲン又はエラスチンの合成の減少である。
【0047】
組成物はまた、ざ瘡の処置又は予防にも好適である。本明細書で使用する場合、「座瘡」とは、皮脂腺及び毛包でのホルモン及び他の物質の作用から生じ、典型的には、詰まった毛穴及び皮膚上の炎症性又は非炎症性病変の形成をもたらす不調を指す。特に、これは、シミ、病変、又は吹き出物、発芽前吹き出物(pre-emergent pimples)、ブラックヘッド、及び/又はホワイトヘッドに関する。本明細書で使用する場合、「発芽前吹き出物」とは、皮膚の表面上の裸眼で視覚的に明白ではない(例えば、病変として)炎症性小胞である。
【0048】
本発明の組成物は、酒さの処置又は予防にも好適である。本明細書で使用する場合、「酒さ」とは、丘疹、膿疱、又は小結節を伴う、又はこれらを伴わない持続性紅斑を有する皮膚を意味する。
【0049】
本発明の組成物はまた、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚の処置に好適である。本発明で使用する場合、「皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚」とは、水分が欠如している、皮脂が欠如している、ひび割れしている、乾燥している、痒みがある、鱗屑性である、乾皮症である、脱水状態である、柔軟性が欠如している、輝きが欠如している、くすんでいる、又は脂質が欠如しているが、これらに限定されない皮膚を意味する。
【0050】
本発明の組成物はまた、皮膚中の内因性ヒアルロン酸(「HA」)レベルを増強するのに好適であり、水分補給の改善及び皮膚老化の少なくとも1つの兆候の出現の改善を提供する。成物の局所的使用は、より若い皮膚で見られる方向へとヒアルロン酸のレベルを増大させることができ、これにより、皮膚への構造的支持を与えることで皮膚の老化の兆候の出現を低減することができる。
【0051】
本発明の組成物はまた、表皮の過剰角質化を低減するのに好適である。したがって、組成物は、ざ瘡又は疣贅などの過剰角質化によって特徴付けられる状態の処置又は予防のために使用することができる。
【0052】
組成物はまた、皮膚弛緩症(エラスチン関連疾患)、硬化症/強皮症(コラーゲン関連疾患)、毛孔性角化症、セルライト、伸展線、乾癬、疣贅、カポジ肉腫、及び皮膚T細胞リンパ腫として、そのような皮膚状態を処置又は予防するのに好適である。
【0053】
本発明の組成物はまた、口腔粘膜への適用に好適である。組成物は、ムチンの誘導の増加、ヒアルロン酸の誘導の増加、バリアの改善、又は密着接合の改善を必要とする口腔粘膜に適用することができる。
【0054】
組成物は更に、喘息、アレルギー、及び痒みの処置又は予防に好適である。例えば、組成物は、そのような目的のために、皮膚に局所的に、又は鼻粘膜に鼻腔内的に適用することができる。
【0055】
植物抽出物
本発明者らは、レチノール様生理活性を有する植物抽出物を予想外に同定した。抽出物は、例えば、アクロニチア、リカリア、キンセンカ、及びレイリョウコウ属の植物を含む植物から得られる。
【0056】
アクロニチア属の植物としては、例えば、アクロニチア・アベランス(Acronychia aberrans)、アクロニチア・アシデュラ(Acronychia acidula)、アクロニチア・アクロニキオイデス(Acronychia acronychioides)、アクロニチア・アキュミナーテ(Acronychia acuminate)、アクロニチア・バウアレンニ(Acronychia baeuerlenii)、アクロニチア・クーリーチラム(Acronychia chooreechillum)、アクロニチア・クラシペタラ(Acronychia crassipetala)、アクロニチア・ユーゲレンシス(Acronychia eungellensis)、アクロニチア・インペルフォラテ(Acronychia imperforate)、ラエヴィス・ラエヴィス(Acronychia laevis)、アクロニチア・ラウリフォリア(Acronychia laurifolia)、アクロニチア・リトラリス(Acronychia littoralis)、アクロニチア・オブロンジフォリア(Acronychia oblongifolia)、アクロニチア・オクタンドラ(Acronychia octandra)、アクロニチア・パルウィフローラ(Acronychia parviflora)、アクロニチア・パウシフローラ(Acronychia pauciflora)、アクロニチア・ペドゥンクラータ(Acronychia pedunculata)、アクロニチア・プベッセンス(Acronychia pubescens)、アクロニチア種(Acronychia species)(バタヴィア・ダウンス)、アクロニチア・スベロサ(Acronychia suberosa)、アクロニチア・ヴェスティータ(Acronychia vestita)、及びアクロニチア・ウィルコクシニア(Acronychia wilcoxiana)が挙げられる。
【0057】
一実施形態では、抽出物は、アクロニチア・アシデュラから得られる。アクロニチア・アシデュラの一般名は、レモンアスペン、ハードアスペン、及びレモンウッドである。アクロニチア・アシデュラのラテン語の同義語名は、ジャンボリフェラ・アシデュラ(Jambolifera acidula)及びアクロニチア・スペルバ(Acronychia superba)である。
【0058】
リカリア属の植物としては、例えば、リカリア・ベルニコーサ(Licaria vernicosa)、リカリア・ブリトニアーナ(Licaria brittoniana)、リカリア・カネラ(Licaria canella)、リカリア・キュベンシス(Licaria cubensis)、リカリア・ベルティーナ(Licaria velutina)及びリカリア・トリアンドラ(Licaria triandra)が挙げられる。報告されているリカリア属には約40種が存在し、それらは中南米に固有である。
【0059】
一実施形態では、抽出物は、リカリア・ベルニコーサから得られる。
【0060】
キンセンカ属の植物としては、15~20種、例えば、キンセンカが挙げられる。キンセンカの既知の同義語は、カレンドゥラ・アウランティアカ(Calendula aurantiaca)、カレンドゥラ・エリオカルパ(Calendula eriocarpa)、カレンドゥラ・ヒドランティア(Calendula hydruntina)、カレンドゥラ・プロリフェラ(Calendula prolifera)、カレンドゥラ・サンタマリア(Calendula×santamariae)、及びカレンドゥラ・オフィシナリス(Caltha officinalis)である。
【0061】
一実施形態では、抽出物は、キンセンカから得られる。キンセンカの一般名は、ポットマリーゴールド、キンセンカ、一般的なマリーゴールド及びスコッチマリーゴールドである。
【0062】
レイリョウコウ属の植物としては、既知の36種、例えば、コロハ、トリゴネラ・バランサエ(Trigonella balansae)、トリゴネラ・コルニクラータ(Trigonella corniculata)、トリゴネラ・マリチマ(Trigonella maritima)、トリゴネラ・スピカタ(Trigonella spicata)、トリゴネラ・カエルレア(Trigonella caerulea)、トリゴネラ・オクルタ(Trigonella occulta)、トリゴネラ・ポリセラータ(Trigonella polycerata)、トリゴネラ・カリセラス(Trigonella Calliceras)、及びトリゴネラ・クレティカ(Trigonella Cretica)が挙げられる。コロハ又はハーブフェヌグリークは、最もよく知られているレイリョウコウ属の種である。
【0063】
一実施形態では、抽出物は、コロハから得られる。コロハの一般名は、フェヌグリーク、ギリシャの干し草、ギリシャのクローバー、鳥の足、fenugrec、hu lu ba、レイリョウコウ、及びbockshornkleeである。
【0064】
アクロニチア、リカリア、キンセンカ、又はレイリョウコウの様々な抽出物のいずれかを使用することができる。1つの抽出物又は抽出物の組み合わせを使用することができる。
【0065】
抽出物は、果実、種子、樹皮、葉、花、花弁、根及び木部などの植物の任意の部分から得ることができる。特定の実施形態では、抽出物は、植物の果実、木部、花弁、又は葉から得られる。
【0066】
一実施形態では、抽出物は、アクロニチア・アシデュラの果実由来である。
【0067】
別の実施形態では、抽出物は、リカリア・ベルニコーサの木部由来である。
【0068】
更なる実施形態では、抽出物はリカリア・ベルニコーサの根由来である。
【0069】
別の実施形態では、抽出物は、キンセンカの花弁由来である。
【0070】
別の実施形態では、抽出物は、コロハの葉由来である。
【0071】
特定の実施形態では、本発明において有用なアクロニチア及び/又はリカリア抽出物は、以下の式の化合物を含み、
【0072】
【化1】
式中、
R
1が、C
1~C
20アルキル、C
2~C
20アルケニル、C
2~C
20アルキニル、及びC
3~C
8シクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
R
2が、水素、ヒドロキシル、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル又はアリール、-OC
1~C
6アルキル、-OC
2~C
6アルケニル、-OC
2~C
6アルキニル、-OC
3~C
8シクロアルキル又はアリール、チオール、-SC
1~C
6アルキル、-SC
2~C
6アルケニル、-SC
2~C
6アルキニル、-SC
3~C
8シクロアルキル又はアリール、-NR
4C
1~C
6アルキル、-NR
4C
2~C
6アルケニル、-NR
4C
2~C
6アルキニル、及び-NR
4C
3~C
8シクロアルキル又はアリールからなる群から選択され、
R
3が、-CO
2H、-CO
2R
4又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、R
4が、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
3~C
8シクロアルキル、又はアリールであり、
Yが、-(CH
2-CH
2)-、-(CH=CH)-、又は
【0073】
【化2】
であり、
又はそれらの美容的に許容される塩である。
【0074】
特定の実施形態では、本発明において有用なアクロニチア及び/又はリカリア抽出物は、以下の式を含み、
【0075】
【化3】
式中、
R
1が、C
5~C
16アルキル、C
5~C
16アルケニル、及びC
5~C
16アルキニル、より好ましくは、例えば、ファルネシルを含むC
5~C
16アルケニルからなる群から選択され、
R
2が、水素、ヒドロキシル、-OC
1~C
6アルキル、-OC
2~C
6アルケニル、-OC
2~C
6アルキニル、-OC
3~C
8シクロアルキル、より好ましくは、水素、ヒドロキシル、-OC
1~C
6アルキル、更により好ましくは、水素又は-OC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
R
3が、-CO
2H、-CO
2R
4から選択され、R
4が、C
1~C
6アルキル、又はカルボキシ基の等配電子等価物から選択され、
Yが、-(CH
2-CH
2)-又は-(CH=CH)-であり、
又はそれらの美容的に許容される塩である。
【0076】
特定の実施形態では、上記式の化合物のうちの少なくとも1つは、アクロニチア及び/又はリカリアの抽出物の1重量%以上(又は約1重量%)~約20%、又は任意選択的に約7重量%(又は約7重量%)~約10%(又は約10重量%)の濃度でアクロニチア及び/又はリカリアの抽出物中に存在する。
【0077】
特定の実施形態では、上記式の化合物は、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシオキシ-3-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸、3-(4-ファルネシオキシ-3-メトキシフェニル)-プロピオン酸、これらのアルキルエステル、特にこれらのエチルエステル、及びこれらの2つ以上の組み合わせから選択される(又はからなる群から選択される)酸又はアルキルエステルの形態である。
【0078】
特定の実施形態では、上記式の化合物は、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルである。
【0079】
特定の実施形態では、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルは、アクロニキア及び/又はリカリアの抽出物の1重量%以上(又は約1重量%)~約20%、又は任意選択的に約7重量%(又は約7重量%)~約10%(又は約10重量%)の濃度でアクロニキア及び/又はリカリアの抽出物中に存在する。
【0080】
3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルは、従来の有機合成プロセスを用いて合成することができる。
【0081】
したがって、一実施形態では、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む組成物が使用される。そのような組成物は、本発明の任意の方法で使用することができる。特定の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、1重量%以上(又は約1重量%)~約20重量%、又は任意選択的に約7重量%(又は約7重量%)~約10重量%(又は約10重量%)の3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含んでもよい。
【0082】
好適な抽出物を、限定されるものではないが、粉砕、離解、押圧、圧搾、摺り潰し、遠心分離、及び/又は、冷間灌注、撹拌/蒸留、マイクロ波支援抽出、超臨界/亜臨界CO2圧縮ガス抽出、加圧溶媒抽出、加速溶媒抽出、加圧又は通常熱水抽出、界面活性剤支援加温温水抽出、油抽出、膜抽出、ソックスレー抽出、金指蒸留/抽出及び/又は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7442391号、同第7473435号及び同第7537791号、Integrated Botanical Technologies,LLCに開示されているプロセスによる、又は溶媒抽出などの他の方法による、バイオマスからの材料の直接抽出を含む従来の方法を使用して得ることができる。
【0083】
極性溶媒、非極性溶媒、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む様々な溶媒のいずれかを、溶媒抽出を含む方法で使用することができる。好適な極性溶媒としては、水などの極性無機溶媒、アルコール及び対応する有機酸などの極性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを含むC1~C8アルコール、並びに酢酸、ギ酸、プロパン酸などを含む有機酸、C1~C8ポリオール/グリコールなどを含むポリオール及びグリコール、並びにこれらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。好適な非極性溶媒としては、C1~C8アルカンを含むアルカン、C1~C8アルカンを含むシクロアルカン、C1~C8アルキルエーテルを含むアルキルエーテル、石油エーテル、C1~C8ケトンを含むケトン、塩化メチレン、酢酸エチル、キシレン、トルエン、クロロホルム、植物油、鉱油などを含むケトンなどの非極性有機溶媒が挙げられる。別の実施形態では、抽出は、上記の非極性溶媒、又はC1~C8アルコール、水、C1~C8ポリオール/グリコール若しくはC1~C8有機酸などの極性修飾剤を用いて又は用いずに超臨界流体抽出によって得られ得る。
【0084】
一実施形態では、抽出物は、アクロニキア・アシデュラの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、アクロニチア・アシデュラの果実の極性抽出物及び非極性抽出物の組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、アクロニキア・アシデュラの果実のアルコール抽出物又はグリコール抽出物を含む。
【0085】
一実施形態では、抽出物はリカリア・ベルニコーサの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、リカリア・ベルニコーサの木部又はリカリア・ベルニコーサの根の極性抽出物及び非極性抽出物の組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、リカリア・ベルニコーサの木又はリカリア・ベルニコーサの根のアルコール抽出物を含む。
【0086】
別の実施形態では、抽出物は、水、C1~C8アルコール、C1~C8ポリオール、又はC1~C8グリコール、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む極性溶媒を使用して調製された極性抽出物である。特定の実施形態では、抽出物は、1つ又は2つ以上のC1~C4アルコール、C1~C4ポリオール、及び/又はC1~C4グリコールを使用して抽出される。特定の実施形態では、抽出物は、メタノール、エタノール、又は水の存在下又は非存在下でのこれらの組み合わせを含む溶媒を使用して調製される。
【0087】
別の実施形態では、抽出物は、アルコールと水との組み合わせを用いてアクロニキア・アシデュラの果実から抽出される極性抽出物である。
【0088】
更に別の実施形態では、抽出物は、リカリア・ベルニコーサの粉砕された木部、又はリカリア・ベルニコーサの粉砕された根からメタノールを使用して抽出された極性抽出物である。
【0089】
一実施形態では、抽出物は、キンセンカの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、キンセンカの花弁の極性抽出物と非極性抽出物との組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、キンセンカの花弁の非極性抽出物を含む。
【0090】
一実施形態では、抽出物は、フェヌグリークの抽出物を含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、フェヌグリークの葉の極性抽出物と非極性抽出物との組み合わせを含む。別の実施形態では、本発明の抽出物は、フェヌグリークの葉の非極性抽出物を含む。
【0091】
更に別の実施形態では、抽出物は、1種又は複数のC1~C8アルカン、C1~C8シクロアルカン、C1~C8アルキルエーテル、C1~C8アルキルエステル及び/又はクロロホルム、より好ましくは1種又は複数のC1~C8アルカン、C1~C8アルキルエステル及び/又はクロロホルムを含む非極性溶媒を使用して調製される非極性抽出物である。
【0092】
更に別の実施形態では、抽出物は、ヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、又はこれらの2つ以上の混合物を使用して調製される非極性抽出物である。更に別の実施形態では、抽出物は、酢酸エチルを使用して調製される非極性抽出物である。
【0093】
一実施形態では、植物抽出物は、アクロニキア属、リカリア属、キンセンカ属及び/又はレイリョウコウ属の細胞培養物を含む様々な植物の細胞培養物を抽出することによって得られ得る。本発明で使用する植物抽出物を得るために抽出される細胞培養物は、懸濁細胞培養などを含む任意の形態であってもよい。
【0094】
細菌抽出物
本発明者らは、レチノール様生理活性を有する細菌抽出物を予想外に同定した。アクチノミセスの細菌としては、完全に特徴付けられている多くの種、並びに十分に特徴付けられていないいくつかの種、例えば、米国から収集され、A5640として標識された1種が挙げられる。この細菌の試料が収集され、培養物中で増殖させ、抽出物にする。抽出物は、現在、Baruch S.Blumerg Institute、Doylestown,PA(以前はInstitute of Hepatitis Virus Research Labs(IHVR)として知られていた)の管理下にある天然物収集の一部である。一実施形態では、抽出物は、抽出物A5640により生成されるものと同様の化学組成を生成する能力を有するアクチノミセス種から得られる。別の実施形態では、細菌は、米国で収集され、菌株は、予め割り当てられている種A5640と同一である。
【0095】
組成物
一実施形態では、本発明の方法は、処置を必要とする組織に、本明細書に記載の植物又は細菌抽出物を含む組成物を適用することを含む。このような組織は、例えば、ヒトの皮膚、毛髪、爪、口腔粘膜、鼻粘膜、又は膣粘膜であってもよい。このような組織は、レチノイド、好ましくはレチノールによって処置可能又は予防可能な疾患又は状態の処置又は予防を必要とし得る。
【0096】
好ましくは、本発明の方法は、処置を必要とする組織に、安全かつ有効な量の本発明の抽出物を含む組成物を投与することを含む。老化防止処置を必要とする皮膚の場合、老化防止有効量のこのような抽出物を使用することができる。
【0097】
一実施形態では、方法は、必要とする組織に、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%の抽出物を適用することを含む。別の実施形態では、方法は、必要とする組織に、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約20重量%、又は約0.001重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.2重量%~約2重量%の抽出物を適用することを含む。更に別の実施形態では、方法は、必要とする組織に、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約1重量%、又は約0.0001重量%~約1重量%、又は約0.001重量%~約1重量%、又は約0.01重量%~約1重量%の抽出物を適用することを含む。
【0098】
任意の好適な担体は、投与経路に応じて、すなわち、局所、口腔、頬、鼻内、歯周、又は膣に応じて、任意の好適な担体を使用することができる。好ましくは、局所組成物では、担体は美容的に許容される担体である。当業者に認識されるように、美容的に許容される担体は、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、身体と接触して、例えば皮膚、毛髪又は爪と接触して使用するのに好適な担体である。
【0099】
安全かつ有効な量の担体が、組成物中で使用される。例えば、担体は、組成物の約50%~約99.999%、好ましくは約80%~約99.9%、より好ましくは約99.9%~約95%、最も好ましくは約99.8%~約98%である。担体は、多種多様な形態であってよい。例えば、水中油型、油中水型、水中油中水型、及びシリコーン中水中油型のエマルションを含むがこれらに限定されないエマルションキャリアが、本明細書において有用である。これらのエマルションは、例えば約100cP~約200,000cPの広範囲にわたる粘度を網羅し得る。
【0100】
好適な化粧用として許容可能な担体の例としては、化粧用として許容可能な溶媒、並びに化粧用の溶液、懸濁液、ローション、クリーム、セラム、エッセンス、ゲル、トナー、スティック、スプレー、軟膏、洗浄液及び固形石鹸、シャンプー、ヘアコンディショナー、ペースト、フォーム、ムース、パウダー、シェービングクリーム、ワイプ、パッチ、ストリップ、粉末状パッチ(powered patches)、マイクロニードルパッチ、バンデージ、ヒドロゲル、フィルム形成製品、フェイシャル及びスキンマスク、メークアップ、リキッドドロップなどのための材料が挙げられる。これらの製品の種類は、溶液、懸濁液、マイクロエマルション及びナノエマルションなどのエマルション、ゲル、固形物、リポソーム、他のカプセル化技術などを含むがこれらに限定されない、数種類の化粧用として許容可能な担体を含有し得る。
【0101】
以下は、このような担体の非限定例である。当業者によれば他の担体を配合することもできる。一実施形態では、担体は水を含む。更なる一実施形態では、担体は、1つ又は2つ以上の水性又は有機溶媒を更に含んでもよい。有機溶媒の例としては、これらに限定されるものではないが、ジメチルイソソルビド、ミリスチン酸イロプロピル、カチオン性、アニオン性、及び非イオン性の界面活性剤、植物油、鉱物油、ワックス、ガム、合成及び天然ゲル化剤、アルカノール、グリコール、及びポリオールが挙げられる。グリコールの例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、カプリルグリコール、グリセロール、ブタンジオール及びヘキサントリオール、並びにこれらのコポリマー又は混合物が挙げられるが、これらに限定されない。アルカノールの例としては、イソプロパノール及びエタノールなどの約2個の炭素原子~約12個の炭素原子(例えば、約2個の炭素原子~約4個の炭素原子)を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリオールの例としては、プロピレングリコールなどの約2個の炭素原子~約15個の炭素原子(例えば、約2個の炭素原子~約10個の炭素原子)を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。有機溶媒は、担体の総重量に基づいて約1パーセント~約99.99パーセント(例えば約20パーセント~約50パーセント)の量で担体中に存在してよい。水は、担体中に、担体の総重量に対して約5%~約95%(例えば約50%~約90%)の量で存在してよい(使用の前に)。溶液は、約40~約99.99%を含む任意の適当な量の溶媒を含むことができる。一実施形態では、溶液は、約50%~約99.9%、約60%~約99%、約70%~約99%、約80%~約99%、又は約90%~約99%を含有する。
【0102】
ローションはそのような溶液から作製され得る。ローションは、典型的には、溶媒に加えて少なくとも1つの皮膚軟化剤を含有する。ローションは、約1%~約20%(例えば、約5%~約10%)の皮膚軟化剤と、約50%~約90%(例えば、約60%~約80%)の水と、を含み得る。本明細書で使用するとき、「皮膚軟化剤」は、乾燥の防止又は軽減、並びに皮膚又は毛髪の保護のために使用される材料を指す。皮膚軟化剤の例としては、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,eds.Wenninger and McEwen,pp.1656-61,1626,and 1654-55(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Assoc,Washington,D.C.,7th Edition,1997)(以後、「ICI Handbook」)に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
溶液から配合できる別の種類の製品はクリームである。クリームは、典型的には、約5%~約50%(例えば、約10%~約20%)の皮膚軟化剤(複数可)と、約45%~約85%(例えば、約50%~約75%)の水と、を含有する。
【0104】
更に、溶液から配合できる別の種類の製品は軟膏である。軟膏は、動物油、植物油、若しくは合成油、又は半固体の炭化水素の単純なベースを含有し得る。軟膏は、約2%~約10%の皮膚軟化剤(複数可)と、約0.1%~約2%の増粘剤(複数可)と、を含有し得る。
【0105】
本発明に有用な組成物はまた、エマルションとして配合することができる。担体がエマルションである場合、担体の約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)が乳化剤を含有する。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってもよい。乳化剤の例としては、ICI Handbookのpp.1673~1686に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
ローション及びクリームを、エマルションとして配合することができる。典型的には、このようなローションは、0.5%~約5%の乳化剤を含有し、このようなクリームは、典型的には、約1%~約20%(例えば約5%~約10%)の皮膚軟化剤を含有する。約20%~約80%(例えば、約30%~約70%)の水と、約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)の乳化剤(複数可)と、を含有する。
【0107】
水中油型及び油中水型の、ローション及びクリームなどの単相エマルションのスキンケア製剤は、当該技術分野で周知であり、本発明に有用である。水中油中水型又は油中水中油型などの多相エマルション組成物も、本発明に有用である。一般的に、このような単相又は多相のエマルションは、必須成分として水、皮膚軟化剤、及び乳化剤を含有する。
【0108】
本発明の組成物は、ゲル(例えば、好適なゲル化剤を使用した水性、アルコール、アルコール/水、又は油ゲル)として配合することもできる。水性及び/又はアルコール性ゲル用の好適なゲル化剤には、天然ゴム、アクリル酸及びアクリレートのポリマー及びコポリマー、並びにセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。油(鉱油など)用の好適なゲル化剤としては、水素添加ブチレン/エチレン/スチレンコポリマー及び水素添加エチレン/プロピレン/スチレンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。このようなゲルは、典型的には、約0.1重量%~5重量%のこのようなゲル化剤を含有する。
【0109】
本発明の組成物はまた、固形製剤(例えば、ワックス系スティック、固形石鹸組成物、パウダー、又はワイプ)に配合することができる。本発明の組成物はまた、固体、半固体又は可溶性の基材(例えば、ワイプ、マスク、パッド、手袋、又はストリップ)と組み合わせることができる。
【0110】
本発明の組成物は、1種又は複数の追加の化粧用活性剤を更に含んでもよい。本明細書で使用する場合、「化粧用活性剤」は、皮膚、毛髪、爪、又は粘膜などのヒトの組織に化粧的又は処置的効果を有する化合物である。好適な追加の化粧用活性剤の例としては、皮膚美白剤、黒化剤、抗ざ瘡剤、光沢調整剤、抗酵母剤、抗真菌剤及び抗細菌剤などの抗微生物剤、抗炎症剤、抗寄生虫剤、外用鎮痛剤、日焼け止め剤、光防護剤、酸化防止剤、角質溶解剤、洗剤/界面活性剤、保湿剤、栄養素、ビタミン、エネルギーエンハンサ、制汗剤、皮膚収斂剤、防臭剤、脱毛剤、発毛強化剤、発毛遅延剤、安定剤、水和増進剤、有効性増進剤、抗たこ剤、皮膚コンディショニング剤、抗セルライト剤、フルオリド、歯ホワイトニング剤、歯石防止剤、及び歯石溶解剤、悪臭マスキング剤などの悪臭防止剤又はpH変更剤などが挙げられる。
【0111】
様々な好適な追加の化粧用として許容可能な活性物質の例としては、ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、D-パンテノール、UVフィルタ、例えば、限定されるものではないが、アボベンゾン(Parsol 1789)、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan AP)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(Uvinul A Plus)、エカムスル(Mexoryl SX)、アントラニル酸メチル、4-アミノ安息香酸(PABA)、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T150)、ホモサラート、4-メチルベンジリデンカンファー(Parsol 5000)、メトキシケイ皮酸オクチル(Octinoxate)、サリチル酸オクチル(Octisalate)、パジメートO(Escalol 507)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン-15(Parsol SLX)、トロラミンサリチル酸、ベモトリジノール(Tinosorb S)、ベンゾフェノン1-12、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)、イソコトリジノール(Uvasorb HEB)、オクトクリレン、オキシベンゾン(Eusolex 4360)、スルイソベンゾン、ビスオクトリゾール(Tinosorb M)、二酸化チタン、酸化亜鉛、カロテノイド、フリーラジカル捕捉剤、スピントラップ、レチノイド及びレチノールなどのレチノイド前駆体、レチノイン酸及びパルミチン酸レチニル、セラミド、多価不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素阻害剤、ミネラル、エストロゲンなどのホルモン、ヒドロコルチゾンなどのステロイド、2-ジメチルアミノエタノール、塩化銅などの銅塩、Cu:Gly-His-Lys、ペプチド、糖アミン、コエンザイムQ10、プロリンなどのアミノ酸、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチル補酵素A、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、NADH及びFADH2などの電子輸送体、並びにオーツ麦、アロエベラ、ナツシロギク、ダイズ、シイタケ抽出物などの他の植物抽出物、並びにこれらの誘導体及び混合物が挙げられる。
【0112】
一実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に記載の植物又は細菌抽出物、及び少なくとも1種の皮膚美白活性剤を含むスキンケア組成物である。好適な皮膚美白活性剤の例としては、チロシナーゼ阻害物質、メラニン阻害剤、PAR-2アンタゴニストを含むメラノソーム移動阻害剤、剥離剤、日焼け止め剤、レチノイド、酸化防止剤、トラネキサム酸、皮膚白化剤、アラントイン、乳白剤、タルク及びシリカ、亜鉛塩など、並びにSolanoらPigment Cell Res.2006、19(550~571)に記載の他の剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適なチロシナーゼ阻害物質の例としては、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、コウジ酸、アルブチン、レゾルシノール、ヒドロキノン、フラボン(例えば、カンゾウフラバノイド、カンゾウ根抽出物、クワ根抽出物、ディオスコレア・コポジータ(Dioscorea Coposita)根抽出物、ユキノシタ科抽出物など)、エラグ酸、サリチル酸塩及び誘導体、グルコサミン及び誘導体、フラーレン、ヒノキチオール、二酸、アセチルグルコサミン、マグノリグナン、これらのうちの2つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンCの誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸-2-グルコシド、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びビタミンCを濃縮した天然抽出物が挙げられる。ビタミンEの誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、及びこれらの混合物、酢酸トコフェロール、リン酸トコフェロール、及びビタミンE誘導体を濃縮した天然抽出物が挙げられる。レゾルシノール誘導体の例としては、レゾルシノール、4-置換レゾルシノール、例えば、4-ブチルレゾルシノール(ルシノール)、4-ヘキシルレゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-3-(2,4-ジメトキシ-3-メチルフェニル)-プロパンなどの4-アルキルレゾルシノール、及びレゾルシノールを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。サリチル酸塩の例としては、サリチル酸、アセチルサリチル酸、4-メトキシサリチル酸及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、チロシナーゼ阻害物質としては、4-置換レゾルシノール、ビタミンC誘導体、又はビタミンE誘導体が挙げられる。更に別の実施形態では、チロシナーゼ阻害物質は、フェニルエチルレゾルシノール、4-ヘキシルレゾルシノール、又はアスコルビル-2-グルコシドを含む。
【0113】
好適なメラニン分解剤の例としては、ペルオキシド及び酵素(例えば、ペルオキシダーゼ及びリグニナーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、メラニン阻害剤としては、ペルオキシド及びリグニナーゼが挙げられる。
【0114】
好適なメラノソーム移動阻害剤の例としては、PAR-2アンタゴニスト(例えば、ダイズトリプシン阻害物質又はボーマン-バーク阻害物質)、ビタミンB3及び誘導体(例えば、ナイアシンアミド)、必須ダイズ、全ダイズ、ダイズ抽出物が挙げられる。特定の実施形態では、メラノソーム移動阻害剤としては、ダイズ抽出物又はナイアシンアミドが挙げられる。
【0115】
剥離剤の例としては、α-ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、又は前述のもののいずれかの任意の組み合わせ)、β-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸、ポリヒドロキシ酸、例えば、ラクトビオン酸及びグルコン酸)、及び機械的剥離剤(例えば、マイクロ皮膚擦傷剤)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、剥離剤としては、グリコール酸又はサリチル酸が挙げられる。
【0116】
日焼け止めの例としては、アボベンゾン(Parsol 1789)、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan AP)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(Uvinul A Plus)、エカムスル(Mexoryl SX)、メチルアントラニレート、4-アミノ安息香酸(PABA)、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T150)、ホモサレート、4-メチルベンジリデンカンファー(Parsol 5000)、オクチルメトキシシンナメート(Octinoxate)、オクチルサリチレート(Octisalate)、パジメートO(Escalol 507)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン-15(Parsol SLX)、トロラミンサリチレート、ベモトリジノール(Tinosorb S)、ベンゾフェノン1-12、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)、イスコトリジノール(Uvasorb HEB)、オクトクリレン、オキシベンゾン(Eusolex 4360)、スルイソベンゾン、ビソクトリゾール(Tinosorb M)、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
レチノイドの例としては、レチノール、レチンアルデヒド、レチノイン酸、パルミチン酸レチニル、イソトレチノイン、タザロテン、ベキサロテン、及びアダパレンが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、レチノイドは、レチノールである。
【0118】
酸化防止剤の例としては、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチル-システイン、グルタチオン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、スチルベノイド(例えば、レスベラトロール及び誘導体)、ラクトフェリン、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、アスコビル-2-グルコシド、パルミチン酸アスコルビル及びアスコビルポリペプチド)などの水溶性酸化防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに好適な油溶性酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに好適な酸化防止剤を含有する天然抽出物としては、フラボノイド及びイソフラボノイドを含有する抽出物、並びにその誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)、レスベラトロールを含有する抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。このような天然抽出物の例としては、ブドウ種子、緑茶、マツ樹皮、ナツシロギク、パルテノライドを含まないナツシロギク、オート麦抽出物、グレープフルーツ抽出物、小麦胚抽出物、ヘスペリジン、ブドウ抽出物、スベリヒユ抽出物、リコカルコン、カルコン、2,2’-ジヒドロキシカルコン、サクラソウ抽出物、プロポリスなどが挙げられる。
【0119】
ビタミンの例としては、ビタミンA、ビタミンB群(例えば、ビタミンB3、ビタミンB5、及びビタミンB12)、ビタミンC、ビタミンK、及びビタミンE、並びに誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
追加の化粧用活性剤は、任意の好適な量、例えば、組成物の約0.0001重量%~約20重量%、例えば、約0.001重量%~約10重量%、例えば、約0.01重量%~約5重量%などの量で組成物中に存在してよい。特定の実施形態では、0.1%~5%、別の実施形態では、1%~2%の量である。
【0121】
様々な他の材料が本発明の組成物中に存在してもよい。これらとしては、例えば、キレート剤、保湿剤、タンパク質、乳白剤、コンディショナー、防腐剤、芳香剤などが挙げられる。組成物は、界面活性剤、例えば、アニオン性、非イオン性、両性、カチオン性、又はこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるものを含んでいてよい。
【0122】
本発明のこのような組成物を含有する組成物及び製品は、当業者に周知の方法を用いて調製することができる。
【0123】
特定の実施形態では、本発明は、このような材料を含む基材を介して本発明の化合物又は組成物を適用することを含む。本発明では、任意の好適な基材を使用することができる。好適な基材及び基材材料の例は、例えば、その全体が本明細書に参照により援用される米国特許第7,452,547号及び米国特許出願公開第2009/0241242号に開示されている。
【0124】
一実施形態では、基材は、ワイプ又はフェイシャルマスクである。このような実施形態は、上記に引用した参照文献において定義されるような水溶性基材を含む。特定の実施形態では、水溶性基材はヒトユーザーの顔面を覆うことでユーザーの顔面の周囲にマスク基材として水溶性基材を配置することを容易とするようなサイズ及び形状を有することができる。例えば、水溶性マスク基材は、ユーザーの口、鼻、及び/又は両目に対する開口部を有することができる。或いは、水溶性基材はこのような開口部を有さなくともよい。開口部のないこのような構成は、水溶性基材が皮膚の顔面以外の部分を覆って被せられるような本発明の実施形態において、又は水溶性基材がワイプとして使用されることを目的とするような場合に有用となり得る。水溶性基材は、角張った形状(例えば、矩形)、又は円形若しくは楕円形などの弓状の形状など、様々な形状を有することができる。
【0125】
一実施形態では、製品は、様々な形状の複数の水溶性基材を含む。本発明の一実施形態では、製品は、第1の非水溶性基材及び第2の非水溶性基材を含む。第1の非水溶性基材は、額に適用されるような形状であり、第2の非水溶性基材は、唇、顎、及び/又は頬の上及び/又は下の領域など、口に近接して適用されるような形状である。本発明の一実施形態では、第1の非水溶性基材は、顔の鼻領域にも適用される。第1の非水溶性基材は、約100cm2~約200cm2、例えば約120cm2~約160cm2の表面積を有していてよく、第2の非水溶性基材は、約100cm2~約300cm2、例えば約150cm2~約250cm2の表面積を有する。一実施形態では、非水溶性基材は、例えば、ユーザーの顔又は他の身体部分を容易に覆うか又は適合することができるように、剛性が低い。
【0126】
本発明は、人体における処置を必要とする任意の皮膚への適用を含んでもよい。例えば、顔、首、胸、背中、腕、腋、手、及び/又は足の皮膚のうちの任意の1つ以上に塗布されてよい。特定の実施形態では、方法は、顔の皮膚に、本明細書に記載される植物又は細菌抽出物を適用することを含む。
【0127】
更に、組成物は、毛髪、爪、口腔粘膜、鼻粘膜、又は膣粘膜を含む他の組織に適用することができる。
【0128】
必要としている組織に組成物を適用する任意の好適な方法を、本発明に従って使用することができる。例えば、組成物を、必要としている皮膚にパッケージから直接適用してもよく、必要としている組織に手で適用してもよく、或いはワイプ又はマスクなどの基材から移動させてもよく、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。別の実施形態では、組成物は、スポイト、チューブ、ローラー、スプレー、パッチを介して適用してもよく、或いは、組織などに適用するために浴又はそうでなければ水に添加することができる。
【0129】
特定の実施形態では、本発明の方法は、一定期間にわたって組成物を組織と接触させる工程を更に含む。例えば、組成物は、約15分間以上にわたって組織と接触させておく。別の実施形態では、組成物は、約20分間以上、より好ましくは約1時間以上にわたって組織と接触させておく。
【0130】
特定の実施形態では、本発明の方法は、選択された期間にわたって複数回、組成物を組織に適用することを含むレジメンを含む。
【0131】
例えば、本発明は、皮膚の老化の兆候の処置を必要とする皮膚に、本明細書に記載される抽出物を含む組成物を1日1回又は2回、少なくとも12週間、好ましくは少なくとも8週間、より好ましくは少なくとも2週間、適用することを含む老化の兆候を処置する方法を提供する。
【0132】
特定の実施形態では、本発明の方法は、植物又は細菌抽出物を含む少なくとも2つの異なる組成物又は製品を組織に適用することを含む。例えば、方法は、処置を必要とする組織に、抽出物を含む第1の組成物を適用し、続いて、処置を必要とする皮膚に、同じ又は異なる抽出物を含む第2の組成物を適用することを含むことができる。特定の実施形態では、第1及び第2の組成物は、ローション、クレンザー、マスク、ワイプ、クリーム、漿液、ゲルなどからなる群から独立して選択することができる。特定の実施形態では、第1及び第2の組成物の少なくとも一方は、クレンザー、ローション、クリーム、エッセンス、又は漿液であり、他方は、フェイシャルマスク又はワイプである。特定の他の実施形態では、第1及び第2の組成物の少なくとも一方は、クレンザーであり、他方は、ローション又はクリームである。
【0133】
特定の他の実施形態では、方法は、処置を必要とする組織に、抽出物を含む少なくとも3つの製品又は組成物を適用することを含む。好ましくは、このような3つの製品は、クレンザー、ローション、クリーム、エッセンス、及びフェイスマスクからなる群から選択される。
【0134】
本発明の組成物はまた、摂取可能な組成物に配合することができる。本明細書で使用する場合、「摂取可能な組成物」は、摂取又は経口投与されることが意図される組成物を意味する。摂取可能な組成物の形態の例としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末、顆粒、溶液又は懸濁液、及び点滴薬が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、丸ごと飲み込んでもよく、又は咀嚼可能な形態であってもよい。「摂取可能な組成物」はまた、クッキー、キャンディ、フードバー、チューインガム、ヨーグルト添加剤、スプリンクル、茶、ジュース又は他の飲料、液体シェイクなどの菓子又は食品製品の形態であってもよい。摂取可能な組成物は、皮膚又は口腔/膣腔に局所的に投与されることを意図した組成物を含まない。
【0135】
組成物は、皮膚老化、皮膚炎症、及び皮膚色素沈着の出現を低減するなど、様々な皮膚の疾患及び状態を処置するために使用することができる。
【0136】
本発明の組成物の局所又は経口使用によって処置することができる皮膚老化の例としては、皮膚のしわ、皮膚の張り又は弾性の喪失、たるみ、緩み及び緩んだ組織が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用するとき、用語「しわ」は、小じわ、細かいしわ、粗いしわ、セルライト、瘢痕、及び妊娠線を含む。しわの例としては、目の周囲の細かい小じわ(例えば、「目尻のしわ」)、額及び頬のしわ、眉間の小じわ、並びに口の周囲の笑い小じわが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
本発明の組成物の局所又は経口使用によって処置され得る皮膚炎症の例としては、関節炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、脂漏性皮膚炎、湿疹、アレルギー性皮膚炎、多形日光疹、炎症性皮膚病、毛嚢炎、脱毛症、ウルシ皮膚炎、咬虫症、化学物質、外傷、汚染物質(例えば、タバコの煙)、及びUV又は風への曝露を含むがこれらに限定されない外的要因によって誘発される刺激、並びに乾燥症、皮脂過多、そう痒症、炎症後色素沈着、瘢痕などを含むがこれらに限定されない炎症から生じる二次的病態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
本発明の組成物の局所又は経口使用によって処置され得る皮膚色素沈着の例としては、皮膚の色素沈着過剰、皮膚の白い領域(light areas)、皮膚の不均一な色調、目の周囲の変色及び腫れが挙げられるが、これらに限定されない。目の周囲の変色及び腫れとしては、目の下のくま及び黒ずみが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、処置される目の下のくまは、目の下の皮膚の血液濃度増加の結果である。
【0139】
本明細書に記載される植物又は細菌抽出物及び美容的に許容される担体を含む組成物の局所使用としては、例えば、ヒトの皮膚の老化、乾燥した皮膚、色素の欠陥、皮膚上のUV損傷、しわ、小じわ、肌荒れ、又はクレーター肌などの皮膚の不均一性、並びに欠陥のある角質化、ざ瘡、湿疹、炎症、及び皮膚萎縮などの皮膚老化に関連する疾患が挙げられる。
【0140】
本明細書で使用するとき、「局所使用」又は「局所的に塗布」とは、例えば、手、又はワイプなどのアプリケータを使用することによって、皮膚、毛髪、又は爪に直接塗るか又は広げることを意味する。
【0141】
一実施形態では、本発明は、皮膚老化の処置を必要とする皮膚に、本明細書に記載される抽出物を含む安全かつ有効な量の組成物を局所的に適用することを含む、皮膚老化の兆候を処置する方法である。
【0142】
別の実施形態では、本発明は、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、本明細書に記載される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む、皮膚バリア特性を改善する方法である。
【0143】
別の実施形態では、本発明は、ざ瘡の処置を必要とする皮膚に、本明細書に記載される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む、ざ瘡を処置する方法である。
【実施例0144】
以下の材料及び試験方法が実施例で使用された。
【0145】
遺伝子発現試験方法
腹部皮膚試料は、腹壁形成術を受けているヒト成人から得た。インフォームドコンセントを各患者から得、全ての実験工程は、治験審査委員会(IRB)によって承認を受けた。皮下脂肪を慎重に除去し、0.93cm2の皮膚生検を滅菌条件下で調製し、DMEM/F12(1:1)培地、2%熱不活化ウシ胎児血清、10μg/mLのインスリン、10ng/mLのヒドロコルチゾン、10ng/mLのEGF、1xABAM中、5% CO2加湿雰囲気下で一晩順化させた。皮膚外植片を、様々な濃度で48時間局所的に処理した。48時間のインキュベーションの終わりに、皮膚生検の半分を、100部のRLT緩衝液(RNeasy Miniキット、Qiagen,Valencia,CA)対1部の2-メルカプトエタノールを含む400μLの溶解緩衝液中で、スクリューキャップとOリング閉鎖を備えた強化チューブ内で溶解させ、チューブ内のセラミックビーズ(商標名PRECELLYS CKMix50-R,Bertin Corp,Rockville,MDで販売されている)で組織を粉砕した。チューブを、6300rpmで40秒間振盪した。製造元の使用説明に従いRNeasy Miniキット(Qiagen,Valencia,CA)を使用して溶液からRNAを抽出し、RNAを25μLのRNaseフリー水に溶出した。
【0146】
Applied Biosystems High Capacity Reverse Transcription Kit(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用して逆転写(RT)を実施した。細胞性レチノイン酸結合タンパク質2(CRABP2)、ヘパリン結合性上皮成長因子(HbEGF)、ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)、UDP-グルコースセラミドグルコシルトランスフェラーゼ(UGCG)、ポリメラーゼ(RNA)IIポリペプチドA(POLR2A)について商品名TAQMANで販売されている遺伝子発現アッセイ、及び商品名TAQMANで販売されているマスターミックスは、ThermoFisher Scientific(Bridgewater,NJ)から購入した。qPCR分析は、TaqMan(登録商標)Master Mix(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用して行い、商品名QUANTSTUDIO 7 Flex System(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)で販売されているリアルタイムPCRシステムで実行した。これらの遺伝子の発現を、ヒトPOLR2Aハウスキーピング遺伝子の発現に対して正規化した。倍率変化を、未処置又はビヒクル対照と比較して計算し、両側2標本スチューデントt検定(Microsoft Office Excel 2007;Microsoft、Redmond,WA,USA)を実行した。
【0147】
RARgトランス活性化アッセイ方法
レチノイン酸受容体γ(RARg)アゴニズムをInvitrogen GeneBLAzer RAR γ-UAS-bla HEK 293T細胞系アッセイを使用して評価し、このアッセイでは、RARgの活性化はβラクタマーゼの転写をもたらす。FRETプローブが細胞に添加されると、FRETが観察される。しかし、受容体活性化及びその後のβ-ラクタマーゼ発現により、プローブは切断され、FRETはもはや観察されない。
【0148】
培養中の細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理し、増殖培地に再懸濁させ、ViCellセルカウンターを用いて計数し、次いで、適切な量の細胞をスピンダウンし、アッセイ緩衝液中に再懸濁させる(0.5E6細胞/ml)。30ulのアッセイ緩衝液中の15k細胞を、Greiner黒壁、透明な平底プレートに、Combiディスペンサーを使用してプレーティングする。最後の2つのカラムにアッセイ緩衝液を充填する。10ulの4x濃縮試験サンプルを、Janusディスペンサーを使用して細胞に添加し、細胞を、ブレーキなしで800rpmで2分間スピンダウンし、室温で15分間放置し、37℃でo/nインキュベーションする。
【0149】
18~20時間のインキュベーション後、8ulのFRET色素(Invitrogen K1096)を、テンペストディスペンサーを使用して添加し、その後、プレートをブレーキなしで800rpmで2分間スピンダウンし、室温で2時間暗所でインキュベートする。プレートの底部を帯電防止クリーニングワイプを使用して洗浄し、BMG Pherastarプレートリーダー(FRETモジュールを使用、10回の読み取り、両チャンネルのゲイン=1000、Ex 409、Em1 460、Em2 530)を使用して蛍光を測定する。アッセイ緩衝液のみのウェルからの平均Em1及びEm2値は、それぞれ試験Em1及びEm2値から減算され、その後のEm1/Em2比の決定は、RARg活性を表す。DMSO及びATRAをそれぞれ中性及び刺激剤対照として使用し、正規化を行った。
【0150】
アクロニチア・アシデュラの抽出物(E1)
予め計量したアクロニチア・アシデュラの冷凍果実を、冷凍果実に等量の変性アルコールを加えてブレンダーで30秒間ホモジナイズした。次いで、パルプを混合し、周囲温度(22~26℃)で更に24時間撹拌した。パルプをアルコールで十分に覆った状態を維持するために、必要に応じて追加の変性アルコールを添加した。次いで、混合物を重力濾過し、濾過ケーキを更なる量の変性アルコールで洗浄した。次いで、全濾液を減圧下で乾燥させて、アルコールを除去した。残留物を凍結乾燥して、抽出溶媒及び水を含まない乾燥物質を得た。抽出を濾過ケーキ上で数回繰り返し、各抽出物から定期的に5~7%の抽出収率が得られた。このようなバッチの1つを、100kgのアクロニチア・アシデュラの冷凍果実を使用して調製し、乾燥抽出物(E1)を、本明細書に記載の後続の実験で使用した。
【0151】
リカリア・ベルニコーサの抽出物(E2、E3)
リカリア・ベルニコーサの2つの抽出物は、Baruch S.Blumerg Institute,Doylestown,PA(旧称IVHR)から得た。第1の抽出物は、植物の木部由来(E2)であり、第2の抽出物は、植物の根由来(E3)であった。IHVR収集の命名法の範囲内で、抽出物は、それぞれIHVR_40256_G10=X-005348-001E002及びIHVR_40256_E10=X-005346-001M002として標識される。リカリア・ベルニコーサ(Mez)Kostermの木部及び根は、ガイアナから収集された。504.3gの乾燥した粉砕木部植物材料を、十分なメタノールで抽出し、これを真空中で乾燥させて、X-005348-001E002用の10.54gの粗メタノール抽出物(E2)を得た。403.8gの乾燥した粉砕根材料を、十分なメタノールで抽出し、これを真空下で乾燥させて、X-005346-001M002用の18.11gの粗メタノール抽出物(E3)を得た。
【0152】
アクチノミセス種A5640の抽出物(E4)
この株の一般的な培養及び抽出方法はBaruch S.Blumerg Institute,Doylestown,PA(旧称IVHR)に記録されている。IHVR収集の命名法の範囲内では、抽出物は、IHVR_39565_F7として標識されている。アクチノミセス種A5640の抽出物は、本明細書ではE4と呼ばれる。
【0153】
キンセンカの抽出物(E5)及びコロハの抽出物(E6)
キンセンカの抽出物(E5)及びコロハの抽出物(E6)は、Caithness Biotechnologies Ltd、UK(http://www.caithnessbiotechnes.com)から入手できる。これらの抽出物は、購入のために誰でも利用可能なPhytotitre Natural Product Libraryの一部である。抽出物の調製方法は、メタノール及び塩化メチレンの混合物を用いた非極性として、Caithness Biotechnologies Ltd.に記載されている。典型的な抽出では、予め秤量した乾燥粉末バイオマスを、メタノール/塩化メチレン(1:1)の混合物に懸濁し、周囲温度で一晩撹拌する。次いで、懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で乾燥させ、溶媒を含まない残渣とする。次いで、残渣を十分な量の100% DMSOに溶解して、10mg/mL.の濃度でストック溶液を得る。このようなストック溶液を使用して、スクリーニングのために適切な培地で希釈した。
【0154】
(実施例1)
CRABP2の遺伝子発現解析は、それぞれ30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の0.1%(w/v)アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)、0.1%(w/v)リカリア・ベルニコーサ抽出物(E2及びE3)、及び0.1%(w/v)アクチノミセス種A5640抽出物(E4)の組成物で行った。遺伝子発現は、上記の遺伝子発現解析試験方法に従って実施した。試験組成物を、商品名NEUTROGENA RAPID WRINKLE REPAIR (RWR)(Johnson&Johnson Consumer Inc.,Skillman NJ)で販売されている0.1%レチノール製品、未処理、及びビヒクル処理と比較した。結果を表1に示す。
【0155】
【0156】
結果:
細胞レチノイド結合タンパク質(CRABP)は、レチノールの取り込みを促進し、レチノールの自発的な非酵素的異性化及び酸化を防ぐことが示されている細胞質結合タンパク質のファミリーである。CRABP2(細胞レチノイン酸結合タンパク質-II)メッセージは、インビボ及びインビトロの両方で、ヒトの皮膚におけるレチノールでの処置によってアップレギュレートされることが示されている。
【0157】
本実施例は、0.1%(w/v)で使用したアクロニチア・アシデュラ、リカリア・ベルニコーサ及びアクチノミセス種A5640抽出物の組成物によるヒトの皮膚外植片の局所的処置が、CRABP2の遺伝子の発現の誘導によって示されるように、レチノール様生理活性を誘発することを示している。したがって、CRABP2及びそれに関連するレチノール様活性のアップレギュレーションは、例えば、小じわを減少させ、しわを減少させることを含む老化の兆候を減少させることを含む、改善された肌の外観などのレチノール様関連の皮膚の利点を示している。
【0158】
(実施例2)
CRABP2の遺伝子発現解析は、上記の遺伝子発現解析試験方法に従って、30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の0.04%(w/v)~3%(w/v)のアクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)の組成物で行った。試験組成物を、商品名NEUTROGENA RAPID WRINKLE REPAIR(RWR)で販売されている0.1%レチノール製品及びビヒクル処理と比較した。結果を表2に示す。
【0159】
【0160】
結果:
細胞レチノイド結合タンパク質(CRABP)は、レチノールの取り込みを促進し、レチノールの自発的な非酵素的異性化及び酸化を防ぐことが示されている細胞質結合タンパク質のファミリーである。CRABP2(細胞レチノイン酸結合タンパク質-II)メッセージは、インビボ及びインビトロの両方で、ヒトの皮膚におけるレチノールでの処置によってアップレギュレートされることが示されている。
【0161】
本実施例は、0.04%(w/v)~3%(w/v)のアクロニチア・アシデュラ抽出物の組成物によるヒトの皮膚外植片の局所的処置が、局所的に適用された場合に、ヒトの皮膚外植片でレチノイン酸遺伝子CRABP2遺伝子の発現を誘導したことを示している*、p<0.05。アクロニチア・アシデュラ抽出物は、CRABP2遺伝子の発現の誘導によって示されるように、アッセイの陽性対照として使用されるベンチマーク0.1%RWRレチノールと同様に、レチノール様生理活性を誘発する。
【0162】
(実施例3)
HAS3、UGCG、及びHbEGFについての遺伝子発現解析は、上記の遺伝子発現解析試験方法に従って、30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の0.1%(w/v)のアクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)の組成物で行った。試験組成物を、商品名NEUTROGENA RAPID WRINKLE REPAIR(RWR)で販売されている0.1%レチノール製品、ビヒクル処理、及び未処理と比較した。結果を表3に示す。
【0163】
これらの遺伝子活性のアップレギュレーションは、例えば、小じわを減少させ、しわを減少させることを含む老化の兆候候を減少させることを含む、改善された肌の外観などのレチノール様関連の皮膚の利点を示している。UCGC遺伝子のアップレギュレーションは、皮膚バリアを強化する表皮脂質生成を強化するグリコシル化セラミド形成を増加させる。
【0164】
【0165】
結果:
ヘパリン結合上皮成長因子(HbEGF)及びヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)の遺伝子もレチノールによって誘導される。HbEGFは、皮膚の厚さ、ふっくら感を改善し、ステロイド処置による皮膚の薄化を逆転させることが知られており、HAS3は、皮膚の水分を改善することが知られている。UGCGは、ヒトのセラミド合成に関与し、皮膚バリアを改善することが知られている酵素である。
【0166】
実施例3は、0.1%(w/v)アクロニチア・アシデュラ抽出物の組成物によるヒトの皮膚外植片の局所的処置が、局所的に適用された場合に、ヒトの皮膚外植片でRWR、0.1%レチノールと同様のHAS3、HbEGF、及びセラミドグルコシルトランスフェラーゼ(UGCG)遺伝子発現を誘導を誘導したことを示している*、p<0.05。
【0167】
(実施例4)
ヒト皮膚外植片の生検10mm生検を、30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル単独、又は30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の1%(w/v)のアクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)の組成物のいずれかで7日間局所的に処置し、エラスチン繊維形成に与える影響を調査した。加えて、ヒト皮膚外植片はまた、陽性対照として0.1%レチノールを含有する製剤で局所的に処置した。更に、ヒト皮膚外植片のサンプルを陰性対照として未処理のままにした。7日後、皮膚生検を10%緩衝ホルマリン溶液(Thermo Fisher Scientific,Hudson,NH)中に固定し、脱水し、次いでパラフィン中に包埋した。各生検から5マイクロメートル厚の切片を採取した。切片をLuna染色(American HistoLabs,Gaithersburg,MD)で染色し、紫色のエラスチン繊維を記録した。皮膚外植片の画像は、Leitz顕微鏡及びLeicaカメラ(Leica,Allendale,NJ)を使用して得た。
図1は、未処理、ビヒクル処理、1%アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)で処理及び1%レチノールで処理を含む、皮膚外植片の画像を示す。
【0168】
結果:
未処理ヒト皮膚サンプル又は30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル単独で局所的に処置した皮膚サンプルとは対照的に、30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の1%(w/v)アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)の組成物で7日間局所的に処置したヒト皮膚外植片の表皮-真皮領域では、実験陽性対照として使用した0.1%レチノールを含有する製剤で観察されたものと同様に、エラスチン繊維形成の増加が観察された。
【0169】
エラスチン形成の増加により、より強く、より弾性があり、例えばしわの形成などの皮膚老化の兆候及び症状が生じにくい皮膚が生成される。エラスチン繊維の形成の増加は、小じわを減少させ、しわを減少させることを含む老化の兆候を減少させることを含む、改善された肌の外観に関連する既知のレチノール誘発の老化防止皮膚効果である。したがって、アクロニチア・アシデュラ抽出物によるエラスチン繊維形成の増加は、レチノール様活性であり、例えば、小じわを減少させ、しわを減少させることを含む老化の兆候を減少させることを含む、レチノール様関連の皮膚の利点を示している。
【0170】
(実施例5)
ヒト皮膚外植片の生検10mm生検を、30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル単独、又は30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の1%(w/v)のアクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)の組成物のいずれかで7日間局所的に処置し、エラスチン繊維形成に与える影響を調査した。加えて、ヒト皮膚外植片はまた、比較目的のための実験陽性対照として0.1%レチノールを含有する製剤で局所的に処置した。更に、ヒト皮膚外植片のサンプルを、比較目的のための実験陰性対照として未処理のままにした。7日後、皮膚生検を10%緩衝ホルマリン溶液(Thermo Fisher Scientific,Hudson,NH)中に固定し、脱水し、次いでパラフィン中に包埋した。各生検から5マイクロメートル厚の切片を採取した。切片をHerovici染色(American HistoLabs, Gaithersburg,MD)で染色し、青色のプロコラーゲンを記録した。皮膚外植片の画像は、Leitz顕微鏡及びLeicaカメラ(Leica,Allendale,NJ)を使用して得た。
図2は、未処理、ビヒクル処理、1%アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)で処理及び1%レチノールで処理を含む、皮膚外植片の画像を示す。
【0171】
結果:
未処理ヒト皮膚サンプル又は30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル単独で局所的に処置した皮膚サンプルとは対照的に、30/70(v/v)ポリプロピレングリコール/エタノールビヒクル中の1%(w/v)アクロニチア・アシデュラ抽出物(E1)の組成物で7日間局所的に処置したヒト皮膚外植片の表皮-真皮領域では、実験陽性対照として使用した0.1%レチノールを含有する製剤で観察されたものと同様に、プロコラーゲン形成の増加が観察された。
【0172】
プロコラーゲン形成の増加により、より強く、より弾性があり、例えばしわの形成などの皮膚老化の兆候及び症状が生じにくい皮膚が生成され、水分補給が改善され、皮膚バリア機能が改善される。プロコラーゲン形成の増加は、小じわを減少させ、しわを減少させることを含む老化の兆候を減少させることを含む、改善された肌の外観に関連する既知のレチノール誘発の老化防止皮膚効果である。したがって、アクロニチア・アシデュラ抽出物によるプロコラーゲン形成の増加は、レチノール様活性であり、例えば、小じわを減少させ、しわを減少させることを含む老化の兆候を減少させることを含む、レチノール様関連の皮膚の利点を示している。
【0173】
(実施例6)
キンセンカ(E5)及びコロハ(E6)の様々な抽出物を、2つの別々の日に50ug/mlの濃度で、2日間の最初の日に複製しながらRARg Transactivation Assayを使用して試験した。15%未満の受容体活性化を提供する抽出物は、不活性であると見なされた。25%超の受容体活性化を提供する抽出物は、活性であった。
【0174】
結果を表4に示す。
【0175】
【0176】
特に、キンセンカの花弁及びコロハの葉の非極性抽出物は、有意なRARg活性化因子であった。対照的に、2種の植物のそれぞれからの他の抽出物は、50ug/mLの濃度で試験した際に不活性であることが判明した。
【0177】
RARgトランス活性化アッセイを使用したその後の用量応答実験を、2つのE5とE6の活性抽出物、並びにRARgトランス活性化アッセイでRARg活性が確認されたアクロニチア・アシデュラ果実の抽出物(E1)、リカリア・ベルニコーサ木部の抽出物(E2)、リカリア・ベルニコーサ根の抽出物(E3)及びアクチノミセス細菌の抽出物(E4)について行った。
【0178】
結果を表5に示す。
【0179】
【0180】
細胞生存率に対する抽出物の効果を評価し、毒性は観察されなかった。
【0181】
(実施例7)
化合物3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸を、以下のRARgトランス活性化アッセイを使用して試験した。
【0182】
3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸は、Organix Inc.,Woburn,Massachusetts,USA companyにより製造した。通常の合成スキームに従って、98%超の純度で100mgの化合物を得た。全ての分光学的データにより、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸の構造構成を確認した。
【0183】
化合物を、異なる濃度でDMSO中の溶液として試験してEC50値を評価し、0.22ug/mLであることが判明した。
【0184】
(実施例8)
皮膚の過剰角質化に対する3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸の効果を以下のように試験した。
【0185】
MatTek Company(Ashland,MA,USA)からのヒト表皮皮膚等価物を使用した。皮膚等価物を、登録商標のあるMatTek培地(フェノレッドフリー、ヒドロコルチゾンフリー)中で、1μMの3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸を含まない又は含む10%オレイン酸(OA)で48時間局所的に処置した。表皮皮膚等価物を処置終了時に回収し、10%中性緩衝ホルマリン溶液(Thermo Fisher Scientific,Hudson,NH,USA)中に固定し、脱水し、パラフィン中に包埋した。組織切片(厚さ5μm)を切断し、ヘマトキシリン-エオジンで染色した。各皮膚等価物について、切片当たり3枚の写真を撮影した。ImagePro Plus(Media Cybernetics Inc.,Rockville,MD,USA)を使用して、角質層又は表皮の厚さを測定した。角質層の厚さは、全表皮の%(=角質層の厚さを角質層及び表皮の厚さの合計で割ったもの)として表した。過剰角質化率(%)を、10% OA処置組織の厚さによって正規化した。統計分析を、両側2標本等分散スチューデントt検定(Microsoft Office Excel 2007;Microsoft,Redmond,WA,USA)を使用して実行した。
【0186】
結果を表6に示す。
【0187】
【0188】
結果は、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸が、ヒト表皮皮膚等価物のオレイン酸(OA)誘導過剰角質化を有意に(p<0.05)減少させたことを示している。
【0189】
尋常性ざ瘡は、過剰角質化を含む多因子性の病因を有する毛嚢脂腺単位の疾患である。ざ瘡被験者の皮脂中の過剰な不飽和遊離脂肪酸は、濾胞性角質層の厚さ及びざ瘡に見られる炎症の増加に関連した皮膚バリアの障害に寄与し得る。オレイン酸は、ざ瘡病変組織学を模倣したヒト表皮皮膚等価物において、過剰角質化を誘発し得ることが知られている(Li、2017)。したがって、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸を含有する本発明による組成物は、ざ瘡及び過剰角質化に関連する他の状態を処置するために有利に使用され得る。
【0190】
〔実施の態様〕
(1) 皮膚老化の徴候を治療する方法であって、皮膚老化の徴候の治療を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物、リカリア・ベルニコーサの抽出物、キンセンカの抽出物、コロハの抽出物、アクチノミセス属細菌の抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む、方法。
(2) 前記抽出物が、アクロニチア・アシデュラの果実の極性抽出物である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記抽出物が、リカリア・ベルニコーサの木部又はリカリア・ベルニコーサの根の極性抽出物である、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記抽出物が、キンセンカの花弁の非極性抽出物である、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記抽出物が、コロハの葉の非極性抽出物である、実施態様1に記載の方法。
【0191】
(6) 前記抽出物が、前記組成物の0重量%超かつ最大約20重量%を構成する、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記組成物がまた、美容的に許容される担体を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記皮膚老化の徴候が、コラーゲン又はエラスチンの合成の減少である、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記組成物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 皮膚バリア特性を改善する方法であって、皮膚バリア機能及び保湿の改善を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物、リカリア・ベルニコーサの抽出物、キンセンカの抽出物、コロハの抽出物、アクチノミセス属細菌の抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む、方法。
【0192】
(11) 前記抽出物が、アクロニチア・アシデュラの果実の極性抽出物である、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記抽出物が、リカリア・ベルニコーサの木部又はリカリア・ベルニコーサの根の極性抽出物である、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記抽出物が、キンセンカの花弁の非極性抽出物である、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記抽出物が、コロハの葉の非極性抽出物である、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記抽出物が、前記組成物の0重量%超かつ最大約20重量%を構成する、実施態様10に記載の方法。
【0193】
(16) 前記組成物がまた、美容的に許容される担体を含む、実施態様10に記載の方法。
(17) 前記局所的に適用することが、前記皮膚内のヒアルロン酸のレベルを増加させる、実施態様10に記載の方法。
(18) 前記組成物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む、実施態様10に記載の方法。
(19) ざ瘡を治療する方法であって、ざ瘡の治療を必要とする皮膚に、アクロニチア・アシデュラの抽出物、リカリア・ベルニコーサの抽出物、キンセンカの抽出物、コロハの抽出物、アクチノミセス属細菌の抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抽出物を含む組成物を局所的に適用することを含む、方法。
(20) 前記抽出物が、アクロニチア・アシデュラの果実の極性抽出物である、実施態様19に記載の方法。
【0194】
(21) 前記抽出物が、リカリア・ベルニコーサの木部又はリカリア・ベルニコーサの根の極性抽出物である、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記抽出物が、キンセンカの花弁の非極性抽出物である、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記抽出物が、コロハの葉の非極性抽出物である、実施態様19に記載の方法。
(24) 前記抽出物が、前記組成物の0重量%超かつ最大約20重量%を構成する、実施態様19に記載の方法。
(25) 前記組成物がまた、美容的に許容される担体を含む、実施態様19に記載の方法。
【0195】
(26) 前記組成物が、3-(4-ファルネシルオキシフェニル)-プロピオン酸及び/又はそのエチルエステルを含む、実施態様19に記載の方法。