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特開2023-166000フェロシアン化物の酸化還元電位を大きくするプロテアーゼの安定化剤を含む糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法
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  • 特開-フェロシアン化物の酸化還元電位を大きくするプロテアーゼの安定化剤を含む糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法 図1
  • 特開-フェロシアン化物の酸化還元電位を大きくするプロテアーゼの安定化剤を含む糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法 図2
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  • 特開-フェロシアン化物の酸化還元電位を大きくするプロテアーゼの安定化剤を含む糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166000
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】フェロシアン化物の酸化還元電位を大きくするプロテアーゼの安定化剤を含む糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/37 20060101AFI20231110BHJP
   C12N 9/08 20060101ALI20231110BHJP
   C12N 9/50 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
C12Q1/37
C12N9/08
C12N9/50
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023170804
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2021529153の分割
【原出願日】2020-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2019122997
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019122875
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303046299
【氏名又は名称】旭化成ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】本庄 暁子
(72)【発明者】
【氏名】植田 祐生
(72)【発明者】
【氏名】今野 翔太
(57)【要約】
【課題】試薬ブランクを抑制した糖化タンパク質測定試薬を提供する。
【解決手段】少なくともトリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む糖化タンパク質測定試薬であって、少なくともトリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、少なくとも4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、酸化還元電位が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、糖化タンパク質測定試薬。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともトリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む糖化タンパク質測定試薬であって、
少なくとも前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬。
【請求項2】
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項1に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項3】
前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項2に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項4】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項5】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項2に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項6】
前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、請求項1から3及び5のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項7】
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくとも一方が、前記フェロシアン化物を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項8】
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物をさらに含む、請求項1に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項9】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物をさらに含む、請求項1に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項10】
前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、請求項1から9のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項11】
少なくともトリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む糖化タンパク質測定試薬であって、
少なくとも前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくするプロテアーゼの安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬。
【請求項12】
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項11に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項13】
前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項12に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項14】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、請求項11から13のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項15】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項12に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項16】
前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、請求項11から13及び15のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項17】
前記フェロシアン化物含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、請求項12に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項18】
前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、請求項11から17のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項19】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、請求項11、12、及び15のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項20】
前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、請求項11から14のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項21】
前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、請求項11、12、及び17のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項22】
前記酸化還元電位が、0.058Vより大きく0.400V以下である、請求項1から21のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項23】
前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、請求項1から22のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項24】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、請求項1から16、19及び20のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項25】
前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、請求項11、12、17及び21のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項26】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、請求項1から16、19及び20のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項27】
前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、請求項11、12、17及び21のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項28】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、請求項1から16、19及び20のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項29】
前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、請求項11、12、17及び21のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項30】
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、請求項1から16、19及び20のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項31】
前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、請求項11、12、17及び21のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項32】
前記糖化タンパク質が糖化アルブミンである、請求項1から31のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項33】
2℃以上10℃以下で保存される、請求項1から32のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項34】
前記プロテアーゼの安定化剤がジメチルスルホキシドを除く、請求項1から33のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項35】
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、ペルオキシダーゼをさらに含む、請求項1から34のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項36】
糖化タンパク質の測定方法であって、
検体に、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
少なくとも前記接触させることの前に、前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記接触させることの前に、前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記フェロシアン化物を含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質の測定方法。
【請求項37】
糖化タンパク質の測定方法であって、
検体に、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
少なくとも前記接触させることの前に、前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記接触させることの前に、前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記接触させることの前に、前記フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物のいずれかが、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質の測定方法。
【請求項38】
糖化タンパク質測定試薬の保存方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
前記トリンダー試薬含有部分組成物を保存することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を保存することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤をさらに含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、フェロシアン化物をさらに含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【請求項39】
糖化タンパク質測定試薬の保存方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
前記トリンダー試薬含有部分組成物を保存することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を保存することと、
少なくともフェロシアン化物を含むフェロシアン化物含有部分組成物を調製することと、
前記フェロシアン化物含有部分組成物を保存することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかが、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【請求項40】
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、フェロシアン化物を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【請求項41】
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
少なくともフェロシアン化物を含むフェロシアン化物含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかに、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は臨床検査薬に関し、糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の診断及び管理を行う上で、糖化タンパク質の測定は重要であり、過去約1~2ヶ月の平均血糖値を反映する糖化ヘモグロビン(HbA1c等)、過去約2週間の平均血糖値を反映する糖化アルブミン(GA)、及び血清中の糖化タンパク質の総称であるフルクトサミン(FRA)等が日常的に測定されている。
【0003】
精度が高く、安価で、簡便に糖化タンパク質を測定する方法として、酵素法が挙げられる。例えば特許文献1、2、3は、糖化タンパク質にプロテアーゼを作用させ、生じた糖化アミノ酸又は糖化ペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼを用いて過酸化水素を発生させ、さらにペルオキシダーゼ、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリンを用いて比色定量することで血清中の糖化タンパク質を測定できることを記載している。特許文献4は、糖化タンパク質にプロテアーゼを作用させ、生じた糖化アミノ酸又は糖化ペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼを用いた際の酸素の消費量を発色反応又は酸素電極で測定することで血清中の糖化タンパク質を測定できることを記載している。特許文献5、6は、糖化ヘモグロビンや糖化アルブミンにプロテアーゼを作用させ、生じた糖化アミノ酸又は糖化ペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼを用いて過酸化水素を発生させ、さらにペルオキシダーゼ、トリンダー試薬、及び4-アミノアンチピリンを用いて比色定量することで糖化ヘモグロビンや糖化アルブミンを測定できることを記載している。
【0004】
これらの糖化タンパク質測定試薬には、試薬の安定性を改善するためにプロテアーゼ安定化剤が含まれている。例えば、特許文献6は、ジメチルスルホキシド、アルコール、水溶性カルシウム塩、食塩、第四級アンモニウム塩、又は第四級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤をプロテアーゼ安定化剤として開示している。また、測定試薬に関する言及はないものの、特許文献7は、プロテアーゼ阻害剤としてホウ酸、ボロン酸、フェニルボロン酸を含有することで液体洗剤中のプロテアーゼの貯蔵安定性を改善できると記載している。特許文献8は、油中水エマルジョン中の酵素としてのプロテアーゼを安定化させるために、ポリオールが有効であることを記載している。特許文献9、10は、液体洗剤組成物中のペプチドアルデヒド、カルシウムイオン、ホウ素組成物、ポリオール、及び塩酸ベンズアミジンが、プロテアーゼの安定化剤として用いられることができると記載している。
【0005】
一方、トリンダー試薬、及び4-アミノアンチピリンなどの色素を使用して過酸化水素を比色定量する試薬において、試薬中や検体中の測定成分以外の成分によって、トリンダー試薬と4-アミノアンチピリンが非特異的に縮合発色することがあり、試薬ブランクと呼ばれている。この試薬ブランクが大きいと、検体中の測定成分(シグナル)に対する試薬ブランク(ノイズ)の割合が大きくなり測定誤差の原因となるため、試薬ブランクは低い方が好ましい。例えば特許文献11は、糖化タンパク質測定試薬において、プロテアーゼ含有試薬にカタラーゼを共存させ、試薬中の過酸化物を消去することで試薬ブランクを抑制する方法を記載している。特許文献12では、フェロシアン化物とトリンダー試薬などの水素供与体とを含む試薬に、両性界面活性剤を配合することで試薬ブランクを抑制できることを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-46846号公報
【特許文献2】特開平5-192193号公報
【特許文献3】国際公開第96/34977号
【特許文献4】特開平2-195900号公報
【特許文献5】国際公開第1997/13872号
【特許文献6】国際公開第2002/061119号
【特許文献7】国際公開第1996/041859号
【特許文献8】国際公開第1995/028092号
【特許文献9】国際公開第98/13462号
【特許文献10】国際公開第98/13459号
【特許文献11】特開2004-49063号公報
【特許文献12】特開2006-10711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、様々な試薬ブランク抑制方法が提案されているが、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む糖化タンパク質測定試薬において、試薬ブランクを十分に抑制する方法は開示されていない。そこで、本発明は、試薬ブランクを抑制した糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法を提供することを課題の一部とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らの知見によれば、ビリルビン等の還元性物質による測定誤差を防止する目的でフェロシアン化物を糖化タンパク質測定試薬に含めると、試薬中のフェロシアン化物が保存中にフェリシアン化物に酸化され、試薬ブランクの原因となることがある。これに対し、本発明者は鋭意研究を行った結果、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む試薬において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物が混合した場合にフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくするプロテアーゼの安定化剤を用いることにより、試薬ブランクを顕著に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
[1]少なくともトリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む糖化タンパク質測定試薬であって、
少なくとも前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬。
【0010】
[2]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくとも一方が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、
[1]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0011】
[3]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、[2]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0012】
[4]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、[1]から[3]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0013】
[5]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくとも一方が、前記フェロシアン化物を含む、[1]から[4]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0014】
[6]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、[2]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0015】
[7]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、[1]から[3]及び[6]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0016】
[8]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくとも一方が、前記フェロシアン化物を含む、[6]又は[7]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0017】
[9]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物をさらに含む、[1]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0018】
[10]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物をさらに含む、[1]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0019】
[11]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[1]から[10]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0020】
[12]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[1]から[5]及び[9]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0021】
[13]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[1]、[2]、[6]から[10]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0022】
[14]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、キレート剤をさらに含む、[1]から[13]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0023】
[15]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[14]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0024】
[16]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[14]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0025】
[17]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[14]から[16]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0026】
[18]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[17]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0027】
[19]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[17]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0028】
[20]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[17]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0029】
[21]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[17]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0030】
[22]少なくともトリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含む糖化タンパク質測定試薬であって、
少なくとも前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくするプロテアーゼの安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬。
【0031】
[23]前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかが、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、[22]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0032】
[24]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0033】
[25]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、[22]から[24]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0034】
[26]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0035】
[27]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼをさらに含む、[22]から[24]、及び[26]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0036】
[28]前記フェロシアン化物含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含む、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0037】
[29]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[22]から[28]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0038】
[30]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[22]、[23]及び[26]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0039】
[31]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[22]から[25]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0040】
[32]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[22]、[23]及び[28]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0041】
[33]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又は前記フェロシアン化物含有部分組成物が、キレート剤をさらに含む、[22]から[32]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0042】
[34]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[33]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0043】
[35]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[33]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0044】
[36]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[33]から[35]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0045】
[37]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[36]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0046】
[38]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[36]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0047】
[39]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[36]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0048】
[40]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[36]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0049】
[41]前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系が、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸と、塩化ナトリウムと、をさらに含む、[1]から[40]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0050】
[42]前記酸化還元電位が、銀/塩化銀電極を参照電極として用いて測定された酸化還元電位である、[1]から[41]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0051】
[43]前記酸化還元電位が、0.058Vより大きく0.400V以下である、[1]から[42]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0052】
[44]前記酸化還元電位が、0.070V以上である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0053】
[45]前記酸化還元電位が、0.084V以上である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0054】
[46]前記酸化還元電位が、0.112V以上である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0055】
[47]前記酸化還元電位が、0.300V以下である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0056】
[48]前記酸化還元電位が、0.250V以下である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0057】
[49]前記酸化還元電位が、0.235V以下である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0058】
[50]前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、[1]から[49]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0059】
[51]前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールである、[1]から[49]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0060】
[52]前記カルボキシフェニルボロン酸が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[50]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0061】
[53]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[1]から[51]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0062】
[54]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[53]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0063】
[55]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[53]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0064】
[56]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[53]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0065】
[57]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[53]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0066】
[58]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[22]から[40]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0067】
[59]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[58]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0068】
[60]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[58]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0069】
[61]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[58]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0070】
[62]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[58]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0071】
[63]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[1]から[50]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0072】
[64]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0073】
[65]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0074】
[66]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0075】
[67]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0076】
[68]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[22]から[40]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0077】
[69]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[68]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0078】
[70]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[68]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0079】
[71]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[68]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0080】
[72]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[68]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0081】
[73]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[1]から[50]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0082】
[74]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[73]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0083】
[75]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[73]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0084】
[76]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[73]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0085】
[77]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[73]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0086】
[78]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[22]から[40]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0087】
[79]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[78]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0088】
[80]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[78]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0089】
[81]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[78]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0090】
[82]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[78]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0091】
[83]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[1]から[50]及び[52]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0092】
[84]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[83]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0093】
[85]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[83]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0094】
[86]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[83]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0095】
[87]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[83]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0096】
[88]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[22]から[40]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0097】
[89]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[88]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0098】
[90]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[88]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0099】
[91]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[88]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0100】
[92]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[88]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0101】
[93]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[1]から[92]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0102】
[94]前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物が液状である、[22]から[40]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0103】
[95]前記フェロシアン化物がフェロシアン化カリウムである、[1]から[94]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0104】
[96]前記トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリンである、[1]から[95]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0105】
[97]前記糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[1]から[96]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0106】
[98]2℃以上10℃以下で保存される、[1]から[97]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0107】
[99]前記プロテアーゼの安定化剤がジメチルスルホキシドを除く、[1]から[98]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0108】
[100]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、ペルオキシダーゼをさらに含む、[1]から[99]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0109】
[101]
糖化タンパク質の測定方法であって、
検体に、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
少なくとも前記接触させることの前に、前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記接触させることの前に、前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記フェロシアン化物を含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質の測定方法。
【0110】
[102]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0111】
[103]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[101]又は[102]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0112】
[104]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0113】
[105]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[101]、[102]及び[104]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0114】
[106]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物を含む、[101]に記載の糖化タンパク質測定試薬の測定方法。
【0115】
[107]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物を含む、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0116】
[108]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[101]から[107]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0117】
[109]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[101]から[103]及び[106]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0118】
[110]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[101]、[104]、[106]及び[107]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0119】
[111]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、キレート剤をさらに含む、[101]から[110]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0120】
[112]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[111]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0121】
[113]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[111]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0122】
[114]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[111]から[113]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0123】
[115]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[114]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0124】
[116]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[114]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0125】
[117]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[114]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0126】
[118]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[114]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0127】
[119]
糖化タンパク質の測定方法であって、
検体に、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
少なくとも前記接触させることの前に、前記トリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記接触させることの前に、前記4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、
少なくとも前記接触させることの前に、前記フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかが、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質の測定方法。
【0128】
[120]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[119]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0129】
[121]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[119]又は[120]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0130】
[122]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[119]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0131】
[123]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[119]、[120]及び[122]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0132】
[124]前記フェロシアン化物含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[119]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0133】
[125]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[119]から[124]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0134】
[126]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[119]又は[122]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0135】
[127]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[119]から[121]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0136】
[128]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[119]又は[124]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0137】
[129]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又は前記フェロシアン化物含有部分組成物が、キレート剤をさらに含む、[119]から[128]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0138】
[130]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[129]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0139】
[131]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[129]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0140】
[132]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[129]から[131]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0141】
[133]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[132]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0142】
[134]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[132]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0143】
[135]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[132]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0144】
[136]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[132]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0145】
[137]前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系が、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸と、塩化ナトリウムと、をさらに含む、[101]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0146】
[138]前記酸化還元電位が、銀/塩化銀電極を参照電極として用いて測定された酸化還元電位である、[101]から[137]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0147】
[139]前記酸化還元電位が、0.058Vより大きく0.400V以下である、[101]から[138]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0148】
[140]前記酸化還元電位が、0.070V以上である、[139]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0149】
[141]前記酸化還元電位が、0.084V以上である、[139]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0150】
[142]前記酸化還元電位が、0.112V以上である、[139]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0151】
[143]前記酸化還元電位が、0.300V以下である、[139]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0152】
[144]前記酸化還元電位が、0.250V以下である、[139]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0153】
[145]前記酸化還元電位が、0.235V以下である、[139]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0154】
[146]前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、[101]から[145]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0155】
[147]前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールである、[101]から[145]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0156】
[148]前記カルボキシフェニルボロン酸が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[146]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0157】
[149]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[101]から[147]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0158】
[150]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[149]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0159】
[151]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[149]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0160】
[152]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[149]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0161】
[153]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[149]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0162】
[154]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[119]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0163】
[155]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[154]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0164】
[156]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[154]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0165】
[157]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[154]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0166】
[158]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[154]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0167】
[159]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[101]から[146]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0168】
[160]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[159]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0169】
[161]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[159]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0170】
[162]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[159]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0171】
[163]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[159]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0172】
[164]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[119]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0173】
[165]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[164]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0174】
[166]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[164]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0175】
[167]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[164]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0176】
[168]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[164]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0177】
[169]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[101]から[146]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0178】
[170]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[169]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0179】
[171]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[169]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0180】
[172]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[169]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0181】
[173]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[169]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0182】
[174]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[119]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0183】
[175]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[174]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0184】
[176]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[174]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0185】
[177]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[174]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0186】
[178]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[174]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0187】
[179]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[101]から[146]及び[148]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0188】
[180]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[179]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0189】
[181]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[179]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0190】
[182]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[179]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0191】
[183]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[179]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0192】
[184]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[119]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0193】
[185]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[184]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0194】
[186]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[184]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0195】
[187]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[184]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0196】
[188]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[184]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0197】
[189]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[101]から[188]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0198】
[190]前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物が液状である、[119]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0199】
[191]前記フェロシアン化物がフェロシアン化カリウムである、[101]から[190]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0200】
[192]前記トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリンである、[101]から[191]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0201】
[193]前記糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[101]から[192]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0202】
[194]前記トリンダー試薬含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[101]から[193]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0203】
[195]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[101]から[194]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0204】
[196]前記フェロシアン化物含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[119]から[136]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0205】
[197]前記プロテアーゼの安定化剤がジメチルスルホキシドを除く、[101]から[196]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0206】
[198]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、ペルオキシダーゼをさらに含む、[101]から[197]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0207】
[199]
糖化タンパク質測定試薬の保存方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
前記トリンダー試薬含有部分組成物を保存することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を保存することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤をさらに含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、フェロシアン化物をさらに含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0208】
[200]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[199]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0209】
[201]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[199]又は[200]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0210】
[202]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[199]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0211】
[203]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[199]、[200]、及び[202]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0212】
[204]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物を含む、[199]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0213】
[205]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物を含む、[199]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0214】
[206]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[199]から[205]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0215】
[207]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[199]から[201]及び[204]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0216】
[208]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[199]、[202]、[204]及び[205]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0217】
[209]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、キレート剤をさらに含む、[199]から[208]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0218】
[210]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[209]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0219】
[211]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[209]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0220】
[212]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[209]から[211]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0221】
[213]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[212]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0222】
[214]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[212]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0223】
[215]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[212]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0224】
[216]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[212]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0225】
[217]
糖化タンパク質測定試薬の保存方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
前記トリンダー試薬含有部分組成物を保存することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を保存することと、
少なくともフェロシアン化物を含むフェロシアン化物含有部分組成物を調製することと、
前記フェロシアン化物含有部分組成物を保存することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかが、プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含み、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0226】
[218]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[217]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0227】
[219]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[217]又は[218]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0228】
[220]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[217]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0229】
[221]前記トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼを含む、[217]、[218]、及び[220]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0230】
[222]前記フェロシアン化物含有部分組成物が、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含む、[217]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0231】
[223]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[217]から[222]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0232】
[224]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[217]から[219]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0233】
[225]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[217]又は[220]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0234】
[226]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[217]又は[222]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0235】
[227]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又は前記フェロシアン化物含有部分組成物が、キレート剤をさらに含む、[217]から[226]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0236】
[228]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[227]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0237】
[229]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[227]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0238】
[230]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[227]から[229]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0239】
[231]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0240】
[232]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0241】
[233]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0242】
[234]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0243】
[235]前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系が、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸と、塩化ナトリウムと、をさらに含む、[199]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0244】
[236]前記酸化還元電位が、銀/塩化銀電極を参照電極として用いて測定された酸化還元電位である、[199]から[235]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0245】
[237]前記酸化還元電位が、0.058Vより大きく0.400V以下である、[199]から[236]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0246】
[238]前記酸化還元電位が、0.070V以上である、[237]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0247】
[239]前記酸化還元電位が、0.084V以上である、[237]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0248】
[240]前記酸化還元電位が、0.112V以上である、[237]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0249】
[241]前記酸化還元電位が、0.300V以下である、[237]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0250】
[242]前記酸化還元電位が、0.250V以下である、[237]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0251】
[243]前記酸化還元電位が、0.235V以下である、[237]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0252】
[244]前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、[199]から[243]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0253】
[245]前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールである、[199]から[243]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0254】
[246]前記カルボキシフェニルボロン酸が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[244]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0255】
[247]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[199]から[245]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0256】
[248]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[247]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0257】
[249]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[247]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0258】
[250]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[247]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0259】
[251]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[247]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0260】
[252]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[217]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0261】
[253]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[252]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0262】
[254]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[252]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0263】
[255]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[252]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0264】
[256]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[252]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0265】
[257]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[199]から[244]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0266】
[258]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[257]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0267】
[259]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[257]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0268】
[260]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[257]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0269】
[261]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[257]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0270】
[262]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[217]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0271】
[263]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[262]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0272】
[264]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[262]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0273】
[265]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[262]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0274】
[266]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[262]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0275】
[267]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[199]から[244]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0276】
[268]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[267]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0277】
[269]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[267]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0278】
[270]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[267]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0279】
[271]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[267]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0280】
[272]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[217]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0281】
[273]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[272]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0282】
[274]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[272]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0283】
[275]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[272]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0284】
[276]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[272]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0285】
[277]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[199]から[244]及び[246]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0286】
[278]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[277]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0287】
[279]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[277]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0288】
[280]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[277]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0289】
[281]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[277]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0290】
[282]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[217]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0291】
[283]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[282]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0292】
[284]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[282]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0293】
[285]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[282]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0294】
[286]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[282]に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0295】
[287]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[199]から[286]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0296】
[288]前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物が液状である、[217]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0297】
[289]前記フェロシアン化物がフェロシアン化カリウムである、[199]から[288]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0298】
[290]前記トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリンである、[199]から[289]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0299】
[291]前記糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[199]から[290]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0300】
[292]前記トリンダー試薬含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[199]から[291]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0301】
[293]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[199]から[292]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0302】
[294]前記フェロシアン化物含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[217]から[234]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0303】
[295]前記プロテアーゼの安定化剤がジメチルスルホキシドを除く、[199]から[294]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0304】
[296]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、ペルオキシダーゼをさらに含む、[199]から[295]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【0305】
[297]
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、フェロシアン化物を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0306】
[298]前記トリンダー試薬含有部分組成物に、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませる、[297]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0307】
[299]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、糖化アミノ酸オキシダーゼを含ませる、[297]又は[298]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0308】
[300]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませる、[297]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0309】
[301]前記トリンダー試薬含有部分組成物に、糖化アミノ酸オキシダーゼを含ませる、[297]、[298]、及び[300]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0310】
[302]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物を含ませる、[297]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0311】
[303]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、前記プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及び前記フェロシアン化物を含ませる、[297]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0312】
[304]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[297]から[303]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0313】
[305]前記トリンダー試薬含有部分組成物に前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含ませ、前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[297]から[299]及び[302]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0314】
[306]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を含ませ、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[297]、[300]、[302]及び[303]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0315】
[307]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、キレート剤をさらに含ませる、[297]から[306]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0316】
[308]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[307]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0317】
[309]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[307]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0318】
[310]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[307]から[309]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0319】
[311]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[310]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0320】
[312]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[310]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0321】
[313]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[310]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0322】
[314]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[310]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0323】
[315]
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
少なくともフェロシアン化物を含むフェロシアン化物含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかに、プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0324】
[316]前記トリンダー試薬含有部分組成物に、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませる、[315]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0325】
[317]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、糖化アミノ酸オキシダーゼを含ませる、[315]又は[316]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0326】
[318]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませる、[315]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0327】
[319]前記トリンダー試薬含有部分組成物に、糖化アミノ酸オキシダーゼを含ませる、[315]、[316]、及び[318]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0328】
[320]前記フェロシアン化物含有部分組成物に、前記プロテアーゼ及び前記プロテアーゼの安定化剤を含ませる、[315]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0329】
[321]前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記プロテアーゼの安定化剤と前記フェロシアン化物を混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[315]から[320]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0330】
[322]前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記トリンダー試薬含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[315]から[317]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0331】
[323]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物と前記フェロシアン化物含有部分組成物を混合した場合の前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[315]及び[318]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0332】
[324]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロテアーゼの安定化剤の濃度が、前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする濃度である、[315]及び[320]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0333】
[325]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又は前記フェロシアン化物含有部分組成物に、キレート剤をさらに含ませる、[315]から[324]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0334】
[326]前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びその塩からなる群より選択される、[325]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0335】
[327]前記キレート剤がクエン酸又はその塩である、[325]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0336】
[328]前記キレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[325]から[327]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0337】
[329]前記キレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[328]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0338】
[330]前記キレート剤の濃度が50μmol/L以上である、[328]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0339】
[331]前記キレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[328]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0340】
[332]前記キレート剤の濃度が25mmol/L以下である、[328]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0341】
[333]前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系が、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸と、塩化ナトリウムと、をさらに含む、[297]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0342】
[334]前記酸化還元電位が、銀/塩化銀電極を参照電極として用いて測定された酸化還元電位である、[297]から[333]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0343】
[335]前記酸化還元電位が、0.058Vより大きく0.400V以下である、[297]から[334]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0344】
[336]前記酸化還元電位が、0.070V以上である、[335]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0345】
[337]前記酸化還元電位が、0.084V以上である、[335]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0346】
[338]前記酸化還元電位が、0.112V以上である、[335]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0347】
[339]前記酸化還元電位が、0.300V以下である、[335]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0348】
[340]前記酸化還元電位が、0.250V以下である、[335]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0349】
[341]前記酸化還元電位が、0.235V以下である、[335]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0350】
[342]前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、[297]から[341]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0351】
[343]前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールである、[297]から[341]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0352】
[344]前記カルボキシフェニルボロン酸が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[342]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0353】
[345]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[297]から[343]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0354】
[346]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[345]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0355】
[347]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[345]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0356】
[348]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[345]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0357】
[349]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[345]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0358】
[350]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が7.5wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0359】
[351]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が20wt/vоl%以上である、[350]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0360】
[352]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が25wt/vоl%以上である、[350]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0361】
[353]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が62.5wt/vоl%以下である、[350]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0362】
[354]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記プロピレングリコールの濃度が60wt/vоl%以下である、[350]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0363】
[355]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[297]から[342]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0364】
[356]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[355]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0365】
[357]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[355]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0366】
[358]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[355]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0367】
[359]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[355]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0368】
[360]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0369】
[361]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[360]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0370】
[362]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[360]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0371】
[363]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[360]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0372】
[364]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記トリメチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[360]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0373】
[365]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[297]から[342]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0374】
[366]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[365]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0375】
[367]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[365]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0376】
[368]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[365]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0377】
[369]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[365]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0378】
[370]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールであり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が40wt/vоl%以上80wt/vol%以下である、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0379】
[371]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が42.5wt/vоl%以上である、[370]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0380】
[372]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が45wt/vоl%以上である、[370]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0381】
[373]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が75wt/vоl%以下である、[370]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0382】
[374]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記エチレングリコールの濃度が70wt/vоl%以下である、[370]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0383】
[375]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[297]から[342]及び[344]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0384】
[376]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[375]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0385】
[377]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[375]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0386】
[378]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[375]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0387】
[379]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物又は前記トリンダー試薬含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[375]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0388】
[380]前記フェロシアン化物含有部分組成物が前記プロテアーゼの安定化剤を含み、前記プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vоl%以上10wt/vol%以下である、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0389】
[381]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.45wt/vоl%以上である、[380]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0390】
[382]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vоl%以上である、[380]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0391】
[383]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が7.5wt/vоl%以下である、[380]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0392】
[384]前記フェロシアン化物含有部分組成物における前記2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vоl%以下である、[380]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0393】
[385]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[297]から[384]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0394】
[386]前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物が液状である、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0395】
[387]前記フェロシアン化物がフェロシアン化カリウムである、[297]から[386]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0396】
[388]前記トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリンである、[297]から[387]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0397】
[389]前記糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[297]から[388]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0398】
[390]前記トリンダー試薬含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[297]から[389]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0399】
[391]前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[297]から[390]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0400】
[392]前記フェロシアン化物含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0401】
[393]前記プロテアーゼの安定化剤がジメチルスルホキシドを除く、[297]から[392]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0402】
[394]前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方が、ペルオキシダーゼをさらに含む、[297]から[393]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0403】
[395]トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物を5℃で28日保存した後の測定感度に対する、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物を5℃で1年保存した後の測定感度の割合が80%以上110%以下である、[297]から[394]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0404】
[396]トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物を5℃で28日保存した後の測定感度に対する、トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物を5℃で1年保存した後の測定感度の割合が80%以上110%以下である、[315]から[332]のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【発明の効果】
【0405】
本発明によれば、試薬ブランク上昇を抑制した、糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬の保存方法、及び糖化タンパク質測定試薬の安定化方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0406】
図1】実施例2に係る部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクと、フェロシアン化物の酸化還元電位と、の関係を示すグラフである。
図2】実施例4に係るフェロシアン化物含有液状部分組成物のpH、及びフェロシアン化物含有液状部分組成物へ添加されたキレート剤と、試薬ブランクと、の関係を示すグラフである。
図3】実施例7に係る部分組成物を1年保存した後の試薬ブランクと、フェロシアン化物の酸化還元電位の関係を示すグラフである。
図4】実施例9に係るフェロシアン化物含有液状部分組成物のpH、及びフェロシアン化物含有液状部分組成物へ添加されたキレート剤と、試薬ブランクと、の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0407】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下において、「実施形態」という。)について詳細に説明する。なお以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部材の組み合わせ等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0408】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬は、少なくともトリンダー試薬、4-アミノアンチピリン、プロテアーゼ、前記プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物を含み、少なくともトリンダー試薬がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれ、少なくとも4-アミノアンチピリンが4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれ、安定化剤が、当該安定化剤と混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であって、酸化還元電位が、安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である。
【0409】
本開示において、試薬とは、測定対象を測定する試薬であり、例えば部分組成物の集合体である。試薬は、それのみで測定対象を検出可能である。部分組成物とは、試薬の一部を構成する組成物である。部分組成物は、それのみでは測定対象を測定することができない。
【0410】
フェロシアン化物は、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれていてもよい。あるいは、フェロシアン化物は、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物とは異なるフェロシアン化物含有部分組成物に含まれていてもよい。
【0411】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬は、キットの形態で保存、流通及び使用されてもよい。キットの形態としては、例えば2試薬系キット、3試薬系キット等が挙げられる。例えば2試薬系キットの場合、フェロシアン化物は、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれる。例えば3試薬系キットの場合、フェロシアン化物は、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物とは異なるフェロシアン化物含有部分組成物に含まれる。トリンダー試薬と、4-アミノアンチピリンと、フェロシアン化物と、を別保存する形態である3試薬系キットは、2試薬系キットより感度低下が抑制されているため、検体感度残存率が高い傾向にある。ただし、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬が2試薬系であることを妨げない。
【0412】
糖化タンパク質は、例えば糖化アルブミン(GA)、糖化ヘモグロビン(HbA1c等)である。
【0413】
トリンダー試薬含有部分組成物は、糖化アミノ酸オキシダーゼ、フェロシアン化物、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤、及びペルオキシダーゼの少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。またはトリンダー試薬含有部分組成物は、糖化アミノ酸オキシダーゼ、フェロシアン化物、及びペルオキシダーゼの少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。この場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかが、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤をさらに含み得る。4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、フェロシアン化物をさらに含んでいてもよい。また、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかは、糖化アミノ酸オキシダーゼまたはペルオキシダーゼをさらに含んでいてもよい。
【0414】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、糖化アミノ酸オキシダーゼ、フェロシアン化物、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤、及びペルオキシダーゼの少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。または4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、糖化アミノ酸オキシダーゼ、フェロシアン化物、及びペルオキシダーゼの少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。この場合、トリンダー試薬含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかが、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤をさらに含み得る。トリンダー試薬含有部分組成物は、フェロシアン化物をさらに含んでいてもよい。また、トリンダー試薬含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかは、糖化アミノ酸オキシダーゼまたはペルオキシダーゼをさらに含んでいてもよい。
【0415】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬と、測定対象の検体(サンプル検体)に含まれるグルコースが結合したタンパク質(糖化タンパク質)と、を接触させると、糖化タンパク質がプロテアーゼにより糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドに分解される。糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドは、糖化アミノ酸オキシダーゼによりアミノ酸あるいはペプチドとグルコソンに分解される。また、この際、糖化アミノ酸オキシダーゼにより、水と酸素が反応して、過酸化水素が生じる。トリンダー試薬と、4-アミノアンチピリンと、は、過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在下、酸化縮合反応し呈色する。例えばトリンダー試薬として、N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン(TODB)を用いた場合、青紫色に呈色する発色反応が生じる。青紫色の呈色は、波長546nmにおける吸光度の測定により検出される。波長546nmにおける吸光度に基づき、検体に含まれる糖化タンパク質の濃度が定量される。
【0416】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がトリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれている場合、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬の通常の使用方法においては、サンプル検体に最初にトリンダー試薬含有部分組成物を添加し、数分、例えば5分から10分程度、サンプル検体とトリンダー試薬含有部分組成物の混合物を放置して、その後、当該混合物に4-アミノアンチピリン含有部分組成物を添加し、発色の程度を測定することによって、糖化タンパク質が測定できる。ただし、場合によっては、サンプル検体に添加する際に、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを同時に添加混合してもよいし、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物を予め混合して直ぐに使用してもよいし、先ず4-アミノアンチピリン含有部分組成物をサンプル検体に添加し、その後、トリンダー試薬含有部分組成物を添加してもよい。
【0417】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれる場合、例えば、予め、4-アミノアンチピリン含有部分組成物とフェロシアン化物含有部分組成物とが混合され、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物が用意される。その場合、サンプル検体に最初にトリンダー試薬含有部分組成物を添加し、数分、例えば5分から10分程度、サンプル検体とトリンダー試薬含有部分組成物の混合物を放置して、その後、当該混合物に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物を添加し、発色の程度を測定することによって、糖化タンパク質が測定できる。ただし、場合によっては、サンプル検体に添加する際に、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物とを同時に添加混合してもよいし、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物を予め混合して直ぐに使用してもよいし、先ず4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物をサンプル検体に添加し、その後、トリンダー試薬含有部分組成物を添加してもよい。または、予め、トリンダー試薬含有部分組成物とフェロシアン化物含有部分組成物とが混合され、トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有部分組成物を用意してもよい。その場合、サンプル検体に最初に4-アミノアンチピリン含有部分組成物を添加し、数分、例えば5分から10分程度、サンプル検体と4-アミノアンチピリン含有部分組成物の混合物を放置して、その後、当該混合物にトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有部分組成物を添加し、発色の程度を測定することによって、糖化タンパク質が測定できる。ただし、場合によっては、サンプル検体に添加する際に、4-アミノアンチピリン含有部分組成物とトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有部分組成物とを同時に添加混合してもよいし、4-アミノアンチピリン含有部分組成物とトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有部分組成物を予め混合して直ぐに使用してもよいし、先ずトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有部分組成物をサンプル検体に添加し、その後、4-アミノアンチピリン含有部分組成物を添加してもよい。または、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物を予め混合し、トリンダー試薬及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物としても良い。その場合、まずフェロシアン化物含有部分組成物とサンプル検体を混合し、数分、例えば5分から10分程度、サンプル検体とフェロシアン化物含有部分組成物の混合物を放置して、その後、トリンダー試薬及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物を混合してもよい。また場合によってはサンプル検体に添加する際に、フェロシアン化物含有部分組成物とトリンダー試薬及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを同時に添加混合してもよいし、フェロシアン化物含有部分組成物とトリンダー試薬及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物を予め混合し添加してもよいし、まずトリンダー試薬及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物をサンプル検体と混合してから、フェロシアン化物含有部分組成物を添加しても良い。あるいは、サンプル検体とトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とフェロシアン化物含有部分組成物を同時に添加混合してもよいし、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とフェロシアン化物含有部分組成物を予め混合し、サンプル検体に添加してもよい。
【0418】
糖化タンパク質を定量するためには、通常、糖化タンパク質濃度が既知である1つ以上の検量用物質(キャリブレーター)を測定し、キャリブレーションを行うことが多い。キャリブレーターの作製方法やキャリブレーション方法としては公知情報に基づき当業者は実施することができるが、例えば、国際公開第2001/094618号や特開2005-261383号公報等の記載を参考に適宜実施することができる。また、測定試薬保存中の感度低下による測定値の変動を補正するために、例えば1カ月に1回等定期的にキャリブレーションを行うのが通常である。一方、感度低下が抑制された試薬であれば、初回のみキャリブレーションを行えば、その後の測定ではキャリブレーションを行わなくても長期に渡って安定した測定値を得ることができ、ノンキャリブレーション測定が可能となることが知られている。
【0419】
プロテアーゼはトリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれ得る。プロテアーゼは、糖化タンパク質を分解して糖化アミノ酸又は糖化ペプチドを有効に生成するものであればよい。プロテアーゼは、例えば、エンドペプチダーゼである。エンドペプチダーゼの例としては、セリンエンドペプチダーゼが挙げられる。プロテアーゼは、バチルス(Bacillus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、トリチラチウム(Tritirachium)属、及びアスペルギルス(Aspergillus)属等の微生物由来プロテアーゼ並びにその遺伝子組み換え型プロテアーゼが挙げられる。バチルス属由来プロテアーゼの例としては、アルカラーゼ、ニュートラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ(以上、ノボザイムズ社製)、ビオプラーゼ OP、ビオプラーゼ SP-20FG、ビオプラーゼ 30L、ビオプラーゼ 30G、ビオプラーゼ AL-15FG、ビオプラーゼ APL-30、プロテアーゼCL-15(以上、ナガセケムテックス社製)、プロチン SD PC-10CF、サモアーゼ PC-10F、プロチン SD-AY10、プロチン SD-NY10(以上、天野エンザイム社製)、Multifect PR6L、Optimase PR40L、Optimase PR40X、Optimase PR40E(以上、ダニスコジャパン社製)、オリエンターゼ 22BF、ヌクレイシン、オリエンターゼ10NL、オリエンターゼ90N(以上、エイチビイアイ社製)、アロアーゼ AP-10、アロアーゼ NP-10、アロアーゼ XA-10(以上、ヤクルト薬品工業社製)、サブチリシン、細菌プロテイナーゼ タイプ XXIV、プロテアーゼ Bacillus licheniformis由来 タイプ VIII、プロテアーゼ Bacillus polymyxa由来 タイプ IX、サーモリシン Geobacillus Stearothermophilus由来 タイプ X、プロテアーゼ Bacillus polymyxa由来 タイプ XV、プロテアーゼ Bacillus sp.由来 タイプ XXVII、プロテアーゼ Bacillus licheniformis由来 タイプ XXXI(以上、シグマ社製)、サーモリシン(富士フイルム和光純薬社製)、ディスパーゼI、ディスパーゼII(以上、合同酒精社製)、Neutral Proteinase(TOYOBO USA社製)等が挙げられる。ストレプトマイセス属由来プロテアーゼの例としては、プロナーゼ、プロテアーゼ Streptomyces griseus由来 タイプ XIV(以上、シグマ社製)、Alkalophilic proteinase(TOYOBO USA社製)、デナチーム PMC SOFTER(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。トリチラチウム属由来プロテアーゼの例としては、プロテイナーゼK(シグマ社製)等が挙げられる。アスペルギルス属由来プロテアーゼの例としては、プロテアーゼ P「アマノ」3SD、プロテアーゼ A「アマノ」SD、プロテアーゼ M「アマノ」SD(以上、天野エンザイム社製)、スミチーム MP、スミチーム LPL-G、スミチーム LP50D、スミチーム AP(以上、新日本化学工業社製)、オリエンターゼ OP、オリエンターゼ AY(以上、エイチビイアイ社製)、プロテアーゼ Aspergillus saitoi由来 タイプ XIII、プロテアーゼ Aspergillus sojae由来 タイプ XIX、プロテアーゼ Aspergillus melleus由来 タイプ XXIII、プロテアーゼ Aspergillus oryzae由来(以上、シグマ社製)、デナチーム AP、デナプシン 2P(以上、ナガセケムテックス社製)、パンチダーゼ NP-2、パンチダーゼ MP、パンチダーゼ P(以上、ヤクルト薬品工業社製)等が挙げられる。これらのうち、アルカラーゼ、ビオプラーゼ SP-20FG、プロチン SD-AY10、Multifect PR6L、Optimase PR40L、アロアーゼ XA-10、サブチリシン、プロナーゼ、プロテイナーゼK、PR“Amano”Kが好適である。
【0420】
また別の観点からプロテアーゼとしては、例えば、酵素番号がEC:3.4、又はEC:3.4.21のプロテアーゼが好ましい例として挙げられる。またEC:3.4.21.62のプロテアーゼもさらに好ましい例として挙げられる。
【0421】
本実施形態に係るプロテアーゼの安定化剤は、トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれ得る。本実施形態に係るプロテアーゼの安定化剤は、当該プロテアーゼの安定化剤と、フェロシアン化物と、を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする。なお、当該酸化還元電位は、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において測定される酸化還元電位である。当該反応系は、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸と、塩化ナトリウムと、をさらに含んでいてもよい。酸化還元電位は、銀/塩化銀電極を参照電極として用いて測定されてもよい。酸化還元電位を測定する反応系は、より具体的には実施例1で後述する。
【0422】
酸化還元電位の下限は、例えば0.058Vより大きく、0.070V以上、0.084V以上、あるいは0.112V以上であってもよい。酸化還元電位の上限は、例えば0.400V以下、0.300V以下、0.250V以下、あるいは0.235V以下であってもよい。
【0423】
プロテアーゼの安定化剤の例としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール、及びカルボキシフェニルボロン酸、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。カルボキシフェニルボロン酸の例としては、2-カルボキシフェニルボロン酸が挙げられる。安定化剤は、有効濃度、溶解度、及びコスト等の観点から、好ましくは、プロピレングリコールである。なお、本実施形態において、プロテアーゼの安定化剤は、ジメチルスルホキシドを含まない。プロテアーゼの安定化剤と、フェロシアン化物と、を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくしない安定化剤は、本実施形態に係るプロテアーゼの安定化剤から除外される。
【0424】
フェロシアン化物は、トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれ得る。フェロシアン化物は、検体に含まれるビリルビンが糖化タンパク質の測定に影響を与えることを抑制する。フェロシアン化物の例としてはフェロシアンイオンを含有するいずれの化合物であってもよく、例えばフェロシアン化カリウム(Fe(CN)64)及びフェロシアン化ナトリウム(Fe(CN)6Na4)が挙げられる。
【0425】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がトリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれている場合、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤は、例えば、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に含まれる。あるいは、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物は、例えば、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に含まれる。好ましくは、プロテアーゼ、プロテアーゼの安定化剤、及びフェロシアン化物は、4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれる。
【0426】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれている場合、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤は、例えば、トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物のいずれかに含まれる。例えば、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤は、トリンダー試薬含有部分組成物に含まれる。あるいは、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤は、4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれる。またあるいは、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤は、フェロシアン化物含有部分組成物に含まれる。
【0427】
トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれる糖化アミノ酸オキシダーゼとしてはヒトタンパク質由来の糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドに有効に作用する糖化アミノ酸オキシダーゼであればよく、その例としては、ジベレラ(Gibberella)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、カンジダ(Candida)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フザリウム(Fusarium)属、アクレモニウム(Acremonium)属、デバリオマイゼス(Debaryomyces)属、及びコリネバクテリウム(Corynebacterium)属由来の糖化アミノ酸オキシダーゼ、並びにその遺伝子組み換え型糖化アミノ酸オキシダーゼ変異体等が挙げられる。さらに具体的には、ケトアミンオキシダーゼ(KAOD、旭化成ファーマ社製、Clinica Chimica Acta、2002年、324、p.61-71に記載)、変異型KAOD(KAOD-V、旭化成ファーマ社製、特許文献1に記載)、及びFAOD-E(キッコーマン社製)等が挙げられる。
【0428】
トリンダー試薬含有部分組成物に含まれるトリンダー試薬の例としては、具体的にはN-(3-スルホプロピル)アニリン(HALPS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン(MAOS)、N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(HDAPS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(HDAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(DAPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(DAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)アニリン(ALPS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリン(ADPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリン(ADOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOOS)、N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン(TODB)、及び3-ヒドロキシ-2,4,6-トリヨード安息香酸(HTIB)、並びにそれらの塩等が挙げられる。これらのうち、TOPS、ALPS、TOOS、及びTODBが好適である。
【0429】
TOPSを用いた場合の発色波長は550nmである。ALPSを用いた場合の発色波長は561nmである。TOOSを用いた場合の発色波長は555nmである。TODBを用いた場合の発色波長は550nmである。ただし、吸光度を測定する装置が測定する波長は、発色波長と厳密に一致している必要はない。例えば、波長546nmにおける吸光度を測定する装置で、TOPS、ALPS、TOOS、及びTODBのそれぞれを用いた場合の発色反応を測定することが可能である。
【0430】
なお、トリンダー試薬と4-アミノアンチピリンとを同一試薬中に含めると、自然に酸化縮合反応して保存中に呈色するため、トリンダー試薬はトリンダー試薬含有部分組成物に含有され、4-アミノアンチピリンは4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含有される。
【0431】
従来、測定試薬や検体などに由来する過酸化物によって非特異的な発色反応が起こり、この吸光度が測定精度を低下させることがある。これら非特異的な発色を試薬ブランクという。これに対し、トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物、またはフェロシアン化物含有部分組成物のいずれかに含まれるペルオキシダーゼは、トリンダー試薬と4-アミノアンチピリンの酸化縮合反応を促進するとともに、過酸化水素を消去して、試薬ブランクを低減する機能を有する。ペルオキシダーゼはいずれの由来のものも使用でき、その例としては、西洋わさび由来等の植物由来のペルオキシダーゼ、及び細菌由来、カビ由来などの微生物由来のペルオキシダーゼ等が挙げられる。具体的には、Peroxidase from horseradish(Sigma社製)、ペルオキシダーゼ、西洋わさび由来(富士フイルム和光純薬社製)、PO”AMANO”3(天野エンザイム社製)等が挙げられる。
【0432】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物の少なくとも一方は、キレート剤をさらに含んでいてもよい。キレート剤の塩を使用すると、pH変動が抑制されるため好ましい。
【0433】
キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸、グルコン酸、りんご酸、こはく酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びそれらの塩が挙げられる。好ましいキレート剤は、例えば、クエン酸及びその塩である。
【0434】
キレート剤の塩としては、塩を形成するものであればその種類は特に限定されず、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよく、双性イオンの形態をとっていてもよい。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基との塩基付加塩、あるいはメチルアミン、2-アミノエタノール、アルギニン、リジン、若しくはオルニチン等の有機塩基との塩基付加塩などが含まれる。これらのうち無機塩基との塩基付加塩が好適である。なお、代表的な塩基付加塩としては、ナトリウム塩が例示される。
【0435】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物、トリンダー試薬含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物のそれぞれは、溶媒として、水及び有機溶媒等をさらに含んでいてもよい。有機溶媒の例としては、アルコール系溶媒(炭素数1~18のアルコールが挙げられ、具体的には、メタノール、ブタノール、エチレングリコール、及びグリセリン等)、ケトン系溶媒(アセトン、及びメチルエチルケトン等)、並びにエーテル系溶媒等(ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、及びテトラヒドロフランに代表される環状エーテル等)が挙げられる。
【0436】
また、4-アミノアンチピリン含有部分組成物、トリンダー試薬含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物のそれぞれは、緩衝剤を含んでいてもよい。緩衝剤の例としては、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)、3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸(EPPS)、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸(HEPPSO)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、N-(2-アセトアミド)イミノジ酢酸(ADA)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)、N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸(CHES)、3-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、2-モルホリノエタンスルホン酸(MES)、3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、2-ヒドロキシ-3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO)、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシ-3-プロパンスルホン酸)(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、2-ヒドロキシ-N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(Tricine)、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)、等を用いた緩衝剤、又はホウ酸、アンモニア、グリシン、炭酸、酢酸、リン酸、ジエタノールアミン、p-フェノールスルホン酸、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、カコジル酸、マレイン酸、ベロナール及び3,3-ジメチルグルタル酸等が挙げられる。
【0437】
また、4-アミノアンチピリン含有部分組成物、トリンダー試薬含有部分組成物、及びフェロシアン化物含有部分組成物のそれぞれは、その他の添加物として防腐剤、酵素の安定化剤、界面活性剤、及びその他の酵素等をさらに含んでいてもよい。防腐剤の例としては、アジ化ナトリウム、及びプロクリン(ProClin)等が挙げられる。酵素の安定化剤としては、保存中に酵素を安定化させる安定化剤であればいずれも利用可能であるが、例えば、シクロデキストリン、スクロース、マンノース、フルクトース、ラクトース、ガラクトース及びトレハロース等の糖、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のいずれを用いてもよく、例えば非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。また、両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン、酢酸ベタイン、スルホベタイン、及びアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。その他の酵素としては、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、カタラーゼ等が挙げられ、これは検体中に含まれるアスコルビン酸やビリルビン、または内在性の過酸化物が測定値に影響を与えるのを抑制するために用いられる。
【0438】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物における4-アミノアンチピリンの濃度は、生じた過酸化水素と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.01mmol/L以上、好ましくは0.1mmol/L以上、さらに好ましくは0.5mmol/L以上が例示される。また、上限としては、コストの観点から、100mmol/L以下、好ましくは50mmol/L以下、さらに好ましくは30mmol/L以下が例示される。
【0439】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物、トリンダー試薬含有部分組成物、又はフェロシアン化物含有部分組成物におけるプロテアーゼの濃度は、適当な時間内に糖化タンパク質を分解できる濃度であればよく、下限としては、100U/mL以上、好ましくは1kU/mL以上、より好ましくは10kU/mL以上が例示される。また、上限としては、コストの観点から、1000kU/mL以下、好ましくは200kU/mL以下、より好ましくは100kU/mL以下が例示される。
【0440】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬におけるプロテアーゼの安定化剤の濃度は、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができる濃度である。
【0441】
例えば、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、トリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を含む場合、トリンダー試薬含有部分組成物におけるプロテアーゼの安定化剤の濃度が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができるプロテアーゼの安定化剤の濃度と同じになるよう調整される。
【0442】
例えば、4-アミノアンチピリン含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を含む場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロテアーゼの安定化剤の濃度が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができるプロテアーゼの安定化剤の濃度と同じになるよう調整される。
【0443】
例えば、トリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、4-アミノアンチピリン含有部分組成物がフェロシアン化物を含む場合、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物を混合した際の濃度が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができるプロテアーゼの安定化剤の濃度と同じになるよう調整される。
【0444】
例えば、4-アミノアンチピリン含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、トリンダー試薬含有部分組成物がフェロシアン化物を含む場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物とトリンダー試薬含有部分組成物を混合した際の濃度が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができるプロテアーゼの安定化剤の濃度と同じになるよう調整される。
【0445】
例えば、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれる場合、トリンダー試薬含有部分組成物又は4-アミノアンチピリン含有部分組成物のうちプロテアーゼ安定化剤を含むいずれか一方とフェロシアン化物含有部分組成物を混合した際のプロテアーゼの安定化剤の濃度が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができるプロテアーゼの安定化剤の濃度と同じになるよう調整される。
【0446】
例えば、フェロシアン化物含有部分組成物がフェロシアン化物とプロテアーゼの安定化剤を含む場合、フェロシアン化物含有部分組成物におけるプロテアーゼの安定化剤の濃度が、プロテアーゼの安定化剤及びフェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系において、プロテアーゼの安定化剤とフェロシアン化物を混合した場合のフェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくすることができるプロテアーゼの安定化剤の濃度と同じになるよう調整される。
【0447】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールである場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度の下限は、例えば7.5wt/vоl%以上、10wt/vоl%以上、15wt/vоl%以上、20wt/vоl%以上、22.5wt/vоl%以上、25wt/vоl%以上、27.5wt/vоl%以上、30wt/vоl%以上、35wt/vоl%以上、あるいは37.5wt/vоl%以上である。また、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度の上限は、例えば80wt/vol%以下、62.5wt/vоl%以下、60wt/vоl%以下、57.5wt/vоl%以下、55wt/vоl%以下、52.5wt/vоl%以下、あるいは50wt/vоl%以下である。
【0448】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールである場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度の下限は、例えば40wt/vоl%以上、42.5wt/vоl%以上、45wt/vоl%以上、47.5wt/vоl%以上、50wt/vоl%以上、52.5wt/vоl%以上、55wt/vоl%以上、57.5wt/vоl%以上、60wt/vоl%以上、あるいは62.5wt/vоl%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度の上限は、例えば80wt/vol%以下、75wt/vоl%以下、あるいは70wt/vоl%以下である。
【0449】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールである場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物におけるエチレングリコールの濃度の下限は、例えば40wt/vоl%以上、42.5wt/vоl%以上、45wt/vоl%以上、47.5wt/vоl%以上、50wt/vоl%以上、52.5wt/vоl%以上、55wt/vоl%以上、57.5wt/vоl%以上、60wt/vоl%以上、あるいは62.5wt/vоl%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物におけるエチレングリコールの濃度の上限は、例えば80wt/vol%以下、75wt/vоl%以下、あるいは70wt/vоl%以下である。
【0450】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば0.2wt/vоl%以上、0.45wt/vоl%以上、0.5wt/vоl%以上、0.55wt/vоl%以上、0.6wt/vоl%以上、0.75wt/vоl%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば10wt/vol%以下、7.5wt/vоl%以下、5wt/vоl%以下である。
【0451】
フェロシアン化物含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤がプロピレングリコールである場合、フェロシアン化物含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度の下限は、例えば7.5wt/vоl%以上、10wt/vоl%以上、15wt/vоl%以上、20wt/vоl%以上、22.5wt/vоl%以上、25wt/vоl%以上、27.5wt/vоl%以上、30wt/vоl%以上、35wt/vоl%以上、あるいは37.5wt/vоl%以上である。また、フェロシアン化物含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度の上限は、例えば80wt/vol%以下、62.5wt/vоl%以下、60wt/vоl%以下、57.5wt/vоl%以下、55wt/vоl%以下、52.5wt/vоl%以下、あるいは50wt/vоl%以下である。
【0452】
フェロシアン化物含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤がトリメチレングリコールである場合、フェロシアン化物含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度の下限は、例えば40wt/vоl%以上、42.5wt/vоl%以上、45wt/vоl%以上、47.5wt/vоl%以上、50wt/vоl%以上、52.5wt/vоl%以上、55wt/vоl%以上、57.5wt/vоl%以上、60wt/vоl%以上、あるいは62.5wt/vоl%以上である。フェロシアン化物含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度の上限は、例えば80wt/vol%以下、75wt/vоl%以下、あるいは70wt/vоl%以下である。
【0453】
フェロシアン化物含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤がエチレングリコールである場合、フェロシアン化物含有部分組成物におけるエチレングリコールの濃度の下限は、例えば40wt/vоl%以上、42.5wt/vol%以上、45wt/vol%以上、47.5wt/vol%以上、50wt/vоl%以上、52.5wt/vоl%以上、55wt/vоl%以上、57.5wt/vоl%以上、60wt/vоl%以上、あるいは62.5wt/vоl%以上である。フェロシアン化物含有部分組成物におけるエチレングリコールの濃度の上限は、例えば80wt/vol%以下、75wt/vоl%以下、あるいは70wt/vоl%以下である。
【0454】
フェロシアン化物含有部分組成物がプロテアーゼの安定化剤を含み、プロテアーゼの安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である場合、フェロシアン化物含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば0.2wt/vоl%以上、0.45wt/vоl%以上、0.5wt/vоl%以上、0.55wt/vоl%以上、0.6wt/vоl%以上、あるいは0.75wt/vоl%以上である。フェロシアン化物含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば10wt/vol%以下、7.5wt/vоl%以下、あるいは5wt/vоl%以下である。
【0455】
トリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はフェロシアン化物含有部分組成物におけるフェロシアン化物の濃度は、検体に含まれるビリルビンが糖化タンパク質の測定に与える影響を抑制するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.001mmol/L以上、好ましくは0.01mmol/L以上、より好ましくは0.02mmol/L以上が例示される。また、コストの観点から、上限としては、10mmol/L以下、好ましくは1mmol/L以下、0.9mmol/L以下、0.8mmol/L以下、0.7mmol/L以下、0.6mmol/L以下、より好ましくは0.5mmol/L以下が例示される。
【0456】
トリンダー試薬含有部分組成物又は4-アミノアンチピリン含有部分組成物、あるいはフェロシアン化物含有部分組成物における糖化アミノ酸オキシダーゼの濃度は、生じた糖化アミノ酸と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.1U/mL以上、好ましくは1U/mL以上、さらに好ましくは10U/mL以上が例示される。また、コストの観点から、上限としては、1000U/mL以下、好ましくは200U/mL以下、さらに好ましくは100U/mL以下が例示される。
【0457】
トリンダー試薬含有部分組成物におけるトリンダー試薬の濃度は、生じた過酸化水素と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.01mmol/L以上、好ましくは0.1mmol/L以上、さらに好ましくは0.5mmol/L以上が例示される。また、上限としては、コストの観点から、100mmol/L以下、好ましくは10mmol/L以下、さらに好ましくは5mmol/L以下が例示される。
【0458】
トリンダー試薬含有部分組成物又は4-アミノアンチピリン含有部分組成物、あるいはフェロシアン化物含有部分組成物におけるペルオキシダーゼの濃度は、生じた過酸化水素と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.01U/mL以上、好ましくは0.1U/mL以上、さらに好ましくは1U/mL以上が例示される。また、コストの観点から、上限としては、500U/mL以下、好ましくは100U/mL以下、さらに好ましくは50U/mL以下が例示される。
【0459】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はフェロシアン化物含有部分組成物におけるキレート剤の濃度の下限としては、5μmol/L以上、好ましくは10μmol/L以上、50μmol/L以上、75μmol/L以上、1mmol/L以上、さらに好ましくは1.25mmol/L以上が例示される。また、例えば、4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はフェロシアン化物含有部分組成物におけるキレート剤の濃度の上限としては、1000mmol/L以下、好ましくは100mmol/L以下、25mmol/L以下、15mmol/l以下、10mmol/l以下、さらに好ましくは5mmol/L以下が例示される。
【0460】
トリンダー試薬含有部分組成物は液状であってもよく、4-アミノアンチピリン含有部分組成物と混合されるまで保存されてもよい。トリンダー試薬含有部分組成物において、含有物は混合されている。4-アミノアンチピリン含有部分組成物は液状であってもよく、トリンダー試薬含有部分組成物と混合されるまで保存されてもよい。4-アミノアンチピリン含有部分組成物において、含有物は混合されている。4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、トリンダー試薬含有部分組成物とは、それぞれ、別個に包装されてもよい。
【0461】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬がフェロシアン化物含有部分組成物を含む場合、フェロシアン化物含有部分組成物は液状であってもよく、トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物と混合されるまで保存されてもよい。フェロシアン化物含有部分組成物において、含有物は合されている。フェロシアン化物含有部分組成物と、4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、トリンダー試薬含有部分組成物とは、それぞれ、別個に包装されてもよい。
【0462】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又はフェロシアン化物含有部分組成物のpHの下限は、例えば5以上、5.5以上、6以上、6.5以上、あるいは7以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又はフェロシアン化物含有部分組成物のpHは、例えば7より大であってもよい。4-アミノアンチピリン含有部分組成物及び/又はフェロシアン化物含有部分組成物のpHの上限は、例えば10以下、9.5以下、あるいは9以下である。
【0463】
プロテアーゼの安定化剤を含んでいない、糖化タンパク質測定試薬は、保存安定性に問題が生じ得る。これに対し、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬は、プロテアーゼの安定化剤を含んでいるため、長期にわたって保存安定性が良好である。そのため、長期にわたって、糖化タンパク質を正確に測定することが可能である。
【0464】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬は、例えば、流通に要する実用的な期間の間、安定的に保存することが可能である。例えば、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬は、少なくとも1か月間、保存可能である。実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬の保存期間の下限としては、1日以上、1カ月以上、6カ月あるいは1年以上が例示される。また、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬の保存期間の上限としては、5年以下、2年以下、1年6カ月以下、1年3カ月以下、6カ月以下、あるいは7日以下が例示される。
【0465】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬の保存温度の下限としては、2℃以上、4℃以上、あるいは5℃以上が例示される。また、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬の保存温度の上限としては、10℃以下、8℃以下、あるいは5℃以下が例示される。
【0466】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がトリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物の少なくともいずれかに含まれている場合、5℃で14日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物または4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、30℃で14日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物またはトリンダー試薬含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物または4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、30℃で28日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物またはトリンダー試薬含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、感度残存率という。感度残存率の下限としては、80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、あるいは95%以上が例示される。上限としては、120%以下、110%以下、あるいは105%以下が例示される。
【0467】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物が4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれている場合、5℃で14日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と、30℃で14日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と、30℃で28日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、感度残存率という。感度残存率の下限としては、80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、あるいは95%以上が例示される。上限としては、120%以下、110%以下、あるいは105%以下が例示される。
【0468】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がトリンダー試薬含有部分組成物に含まれている場合、5℃で14日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、30℃で14日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で28日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、30℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、感度残存率という。感度残存率の下限としては、80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、あるいは95%以上が例示される。上限としては、120%以下、110%以下、あるいは105%以下が例示される。
【0469】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれている場合、5℃で14日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物又は4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、30℃で14日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物又は4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、30℃で28日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物又はトリンダー試薬含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、感度残存率という。感度残存率の下限としては、80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、あるいは95%以上が例示される。上限としては、120%以下、110%以下、あるいは105%以下が例示される。
【0470】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、フェロシアン化物がフェロシアン化物含有部分組成物に含まれている場合、5℃で14日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と、30℃で14日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と、30℃で28日保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、感度残存率という。感度残存率の下限としては、80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、あるいは95%以上が例示される。上限としては、120%以下、110%以下、あるいは105%以下が例示される。
【0471】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬において、糖化タンパク質測定試薬がトリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物を備える場合、5℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で1年保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、長期の感度残存率という。あるいは糖化タンパク質測定試薬がトリンダー試薬含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びフェロシアン化物含有部分組成物を備える場合、5℃で28日保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とフェロシアン化物含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、5℃で1年保存されたトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とフェロシアン化物含有部分組成物と、を組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、長期の感度残存率という。長期の感度残存率の下限としては、80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、あるいは95%以上が例示される。上限としては、120%以下、110%以下、あるいは105%以下が例示される。
【実施例0472】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではないことはもちろんである。
【0473】
実施例における吸光度の測定には、7170形日立自動分析装置(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。装置において、主波長を546nm、副波長を700nmと設定した。検体の吸光度Absは、波長546nmにおける吸光度をAbs546、波長700nmにおける吸光度をAbs700として、下記(1)式を用いて算出した。
Abs=Abs546-Abs700 (1)
【0474】
[参考例1:試薬ブランクの発生メカニズム]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
【0475】
(4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
後述する濃度の安定化剤
後述する濃度のフェロシアン化物又はフェロシアン化物とフェリシアン化物の混合物
【0476】
(4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物に添加した安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
30wt/vol% エタノール(関東化学社製)
30wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0477】
(4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物に添加したフェロシアン化物又はフェロシアン化物とフェリシアン化物の混合物)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
0.09mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)及び0.01mmol/L フェリシアン化カリウム(富士フイルム和光純薬社製)
0.07mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)及び0.03mmol/L フェリシアン化カリウム(富士フイルム和光純薬社製)
【0478】
(サンプル)
以下のサンプルを用意した。
精製水
【0479】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物と精製水の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(2)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (2)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0480】
サンプルとして精製水を用いたときの吸光度変化を試薬ブランクAcbとして、結果を表1に示す。
【表1】
【0481】
表1から明らかなように、フェリシアン化物が添加されることによって、試薬ブランクが上昇する傾向にあった。よってフェリシアン化物が試薬ブランクの発生に寄与することが示唆された。また、安定化剤にジメチルスルホキシドを添加した場合にはフェロシアン化物であっても1mAbs以上の試薬ブランクが生じており、ジメチルスルホキシドがフェロシアン化物を試薬ブランクの原因となるフェリシアン化物に変化させている可能性が示唆された。
【0482】
[参考例2:試薬配置を変更したときの試薬ブランク]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
【0483】
(トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
0.025mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
【0484】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
1.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
【0485】
(4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
1.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.025mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
【0486】
(4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度の安定化剤
【0487】
(4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に添加した安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0488】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
後述する濃度の安定化剤
【0489】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)に添加した安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0490】
(トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
8mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度の安定化剤
【0491】
(トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に添加した安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0492】
(トリンダー試薬含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物(2)を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
8mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
後述する濃度の安定化剤
【0493】
(トリンダー試薬含有液状部分組成物(2)に添加した安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0494】
(サンプル)
以下のサンプルを用意した。
精製水
【0495】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物(1)180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物(1)に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物(1)と精製水の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(3)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (3)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物(1)の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物(1)と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の総液量を意味する。
【0496】
トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)と精製水の混合液に4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(4)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (4)
ここで180とはトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の液量を、225とはトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)と4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の総液量を意味する。
【0497】
4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1から4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)と精製水の混合液にトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(5)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (5)
ここで180とは4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の液量を、225とは4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の総液量を意味する。
【0498】
4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、トリンダー試薬含有液状部分組成物(2)45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1から4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)と精製水の混合液にトリンダー試薬含有液状部分組成物(2)を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(6)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (6)
ここで180とは4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の液量を、225とは4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)とトリンダー試薬含有液状部分組成物(2)の総液量を意味する。
【0499】
4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、トリンダー試薬含有液状部分組成物(1)45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1から4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)と精製水の混合液にトリンダー試薬含有液状部分組成物(1)を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(7)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (7)
ここで180とは4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の液量を、225とは4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)とトリンダー試薬含有液状部分組成物(1)の総液量を意味する。
【0500】
トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)180μLに精製水4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に精製水を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)と精製水の混合液に4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(8)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (8)
ここで180とはトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の液量を、225とはトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)と4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の総液量を意味する。
【0501】
サンプルとして精製水を用いたときの吸光度変化を試薬ブランクAcbとして、結果を表2に示す。
【表2】
【0502】
表2に示すように、サンプルと1番目に反応させる液状部分組成物がトリンダー試薬を含む場合と、サンプルと1番目に反応させる液状部分組成物が4-アミノアンチピリンを含む場合のいずれの場合においても、安定化剤としてジメチルスルホキシドを用いるほうが、安定化剤としてプロピレングリコールを用いるよりも試薬ブランクが大きくなった。また、試薬ブランクの抑制効果は、試薬の添加順序やフェロシアン化物との組み合わせ方には大きく依存しないことが明らかとなった。
【0503】
[実施例1:安定化剤存在下のフェロシアン化物の酸化還元電位測定]
(フェロシアン化物含有液状組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、フェロシアン化物含有液状組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
150mmol/L 塩化ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0504】
(フェロシアン化物含有液状組成物に添加した安定化剤)
6wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
7.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
10wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
40wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
30wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
30wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% エタノール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% 1-プロパノール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% グリセリン(富士フイルム和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
1wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
1wt/vol% ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製)
1wt/vol% ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製)
1wt/vol% ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製)
1wt/vol% 塩化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製)
1wt/vol% ほう酸(富士フイルム和光純薬社製)
150mmol/L 塩化ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)(上記の150mmol/L 塩化ナトリウムとあわせて合計300mmol/L 塩化ナトリウム)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
50wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
62.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0505】
(測定手順)
フェロシアン化物含有液状組成物10mLをボルタンメトリー用セル(BAS社)に添加し、下記電極と装置を使用して、サイクリックボルタンメトリーを行った
作用極:GCEガラス状カーボン電極 外径6mm×内径3mm(BAS社)
対極:Ptカウンター電極23cm(コイル状)長さ23cm×電極部直径0.5mm(BAS社)
参照電極:RE-1B水系参照電極(Ag/AgCl)(BAS社)
装置:AUTOMATIC POLARIZATION SYSTEM HZ-7000(北斗電工社)
【0506】
サイクリックボルタンメトリー測定の際には、作用極に印加する電位を時間に対して変化させた。掃引速度は0.1V/秒に設定した。初期電位を自然電位として、第1の設定電位まで電位を正側に掃引した。続いて、第1の設定電位から第2の設定電位まで電極電位を負側に折り返す掃引を行った。さらに第2の設定電位から第1の設定電位まで電極電位を正側に折り返す掃引を行った。第1の設定電位及び第2の設定電位は、0.5V及び-0.5Vであった。また、サイクリックボルタンメトリー測定は25℃で実施した。
【0507】
酸化還元電位(E´0)は、酸化電流がピークを示すときの電位値(Eox)と還元電流がピークを示すときの電位値(Ered)との平均値[(Ered+Eox)/2]として算出された。測定結果を表3に示す。
【表3-1】
【表3-2】
【0508】
表3から明らかなように、安定化剤の種類や濃度によってフェロシアン化物の酸化還元電位が変動し、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、トリメチレングリコール及びエチレングリコールでは濃度依存的に酸化還元電位を低下させることが判明した。一方、2-カルボキシフェニルボロン酸では酸化還元電位はほぼ変化しなかった。特にジメチルスルホキシドはプロピレングリコール、トリメチレングリコール及びエチレングリコールと比較して顕著に酸化還元電位を低下させることが判明した。一般的に酸化還元電位が低下すると酸化されやすくなるので、フェロシアン化物を特定の安定化剤と混合することによりフェリシアン化物が発生しやすくなることが示唆された。
【0509】
[実施例2:プロテアーゼ安定化剤の種類による試薬ブランクの変化と検体感度安定性]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0510】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
500U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0511】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0512】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0513】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フィル和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0514】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整して、フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
【0515】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整し、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
【0516】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有するフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.125mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0517】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0518】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0519】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物を5℃で14日又は28日保存した。また、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物と、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物と、フェロシアン化物含有液状部分組成物と、を30℃で14日又は28日保存した。
【0520】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を容量比1:4で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
【0521】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(9)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (9)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0522】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(10)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (10)
【0523】
部分組成物を14日保存した後の感度をΔAbs14、部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28として、下記(11)式に示すように感度残存率をΔAbs14とΔAbs28の割合として算出した。部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクAcbの結果と合わせて、感度残存率を表4に示す。
感度残存率(%)= ΔAbs28 ÷ ΔAbs14×100 (11)
【0524】
また、部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクと、フェロシアン化物の酸化還元電位の関係を表5と図1に示す。フェロシアン化物の酸化還元電位は、安定化剤とフェロシアン化物とを混合した場合の濃度における酸化還元電位値を使用した。例えば、安定化剤とフェロシアン化物が同じ部分組成物に含有される場合(2試薬系の4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物、及び3試薬系のフェロシアン化物含有液状部分組成物(2))では、部分組成物中の安定化剤濃度における酸化還元電位値を使用した。また、安定化剤とフェロシアン化物が別の部分組成物に含有される場合(3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1))では、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)と、フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)と、を混合した際の安定化剤濃度における酸化還元電位値を使用した。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0525】
表4、表5、及び図1から明らかなように、2試薬系、3試薬系のいずれにおいても、試薬ブランクを抑制する効果は、フェロシアン化物と混合された際に、フェロシアン化物の酸化還元電位(0.058V)より大きい酸化還元電位を与える安定化剤で顕著であることが示された。またいずれの安定化剤においても、2試薬系から3試薬系にすることで検体感度残存率が向上することが示された。さらに、安定化剤濃度が高いほど検体感度安定化効果が高いことが示された。
【0526】
[実施例3:キレート剤添加の効果]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0527】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
500U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0528】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0529】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0530】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0531】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整したフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
5mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
【0532】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)を含有する部分組成物を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
【0533】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有するフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.125mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0534】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0535】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物を5℃で14日又は28日保存した。また、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物と、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物と、フェロシアン化物含有液状部分組成物と、を30℃で14日又は28日保存した。
【0536】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を容量比1:4で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
【0537】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(12)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (12)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0538】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(13)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (13)
【0539】
部分組成物を14日保存した後の感度をΔAbs14、部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28として、下記(14)式に示すように感度残存率をΔAbs14とΔAbs28の割合として算出した。部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクAcbの結果と合わせて、感度残存率を表6に示す。
感度残存率(%)= ΔAbs28 ÷ ΔAbs14×100 (14)
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【0540】
表6から明らかなように、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える安定化剤を用いると、キレート剤(クエン酸三ナトリウム)を添加していない場合の試薬ブランクと、キレート剤(クエン酸三ナトリウム)を添加した場合の試薬ブランクと、は、ほぼ同じであった。
【0541】
[実施例4:pH及びキレート剤種類の効果]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0542】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
50wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0543】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを調整して、異なるpHのフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度のpHに調整
【0544】
(フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)のpH)
pH6.5
pH7.0
pH7.5
pH8.0
【0545】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整して、キレート剤を含有するフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度のキレート剤
【0546】
(フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に含有させたキレート剤)
5mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製,略称EDTA)
5mmol/L グリコールエーテルジアミン四酢酸(同仁化学社製,略称EGTA)
5mmol/L N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(同仁化学社製,略称HIDA)
5mmol/L ニトリロトリス(メチルホスホン酸),三ナトリウム塩(同仁化学社製,略称NTPO)
5mmol/L ニトリロ三酢酸(同仁化学社製,略称NTA)
5mmol/L トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸,1水和物(同仁化学社製,略称CyDTA)
5mmol/L イミノジ酢酸(同仁化学社製,略称IDA)
5mmol/L ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸(同仁化学社製,略称DTPA)
5mmol/L 1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸(同仁化学社製,略称DPTA-OH)
5mmol/L グルコン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L L(-)-りんご酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L こはく酸(関東化学社製)
5mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L サリチル酸(ナカライテスク社製)
5mmol/L (+)-酒石酸カリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(同仁化学社製,略称Tricine)
5mmol/L N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(同仁化学社製,略称Bicine)
【0547】
(サンプル)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0548】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物を5℃で14日又は28日保存した。また、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)及び(2)を30℃で14日又は28日保存した。
【0549】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)又は(2)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。
【0550】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(15)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (15)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0551】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(16)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (16)
【0552】
部分組成物を14日保存した後の感度をΔAbs14、部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28として、下記(17)式に示すように感度残存率をΔAbs14とΔAbs28の割合として算出した。部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクAcbの結果と合わせて、感度残存率を表7及び図2に示す。
感度残存率(%)= ΔAbs28 ÷ ΔAbs14×100 (17)
【表7-1】
【表7-2】
【0553】
表7及び図2から明らかなように、フェロシアン化物含有液状部分組成物のpHを変化させても、試薬ブランクの変化は小さかった。また、フェロシアン化物含有液状部分組成物へ添加されたキレート剤の種類を変化させても、試薬ブランクの変化は小さかった。
【0554】
[実施例5:pHの効果]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0555】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0556】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0557】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、pH7.0又はpH8.0に調整してフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。また、pH8.0のフェロシアン化物含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
5mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
【0558】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0又はpH8.0に調整して4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。また、pH8.0に調整した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)(pH8.0に調整した場合にのみ添加した)
【0559】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有したフェロシアン化物含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.125mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0560】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0561】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物を5℃で14日又は28日保存した。また、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物とフェロシアン化物含有液状部分組成物を30℃で14日又は28日保存した。
【0562】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を容量比1:4で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
【0563】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(18)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (18)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0564】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(19)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (19)
【0565】
部分組成物を14日保存した後の感度をΔAbs14、部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28として、下記(20)式に示すように感度残存率をΔAbs14とΔAbs28の割合として算出した。部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクAcbの結果と合わせて、感度残存率を表8に示す。
感度残存率(%)= ΔAbs28 ÷ ΔAbs14×100 (20)
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【表8-5】
【0566】
表8から明らかなように、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える安定化剤を用いると、pHを7より大きくしても、試薬ブランクの変化は小さかった。また、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える安定化剤を用いると、キレート剤を添加しても、試薬ブランクの変化は小さかった。
【0567】
[実施例6:試薬配置の変更]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
50mmol/L トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(富士フイルム和光純薬社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
8mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
10kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
10wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0568】
(トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。
50mmol/L トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(富士フイルム和光純薬社製)
5wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
10mmol/L TOOS(同仁化学社製)
5U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
20U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
0.08mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
【0569】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0570】
(試薬保存)
調製した調製したトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を30℃で14日又は28日保存し、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を5℃で14日又は28日保存した。
【0571】
(測定手順)
4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物180μLにサンプル検体6μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、トリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物60μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1から4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液にトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(21)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/240 (21)
ここで180とは4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の液量を、240とは4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物とトリンダー試薬及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0572】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(22)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (22)
【0573】
部分組成物を14日保存した後の感度をΔAbs14、部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28として、下記(23)式に示すように感度残存率をΔAbs14とΔAbs28の割合として算出した。部分組成物を14日保存した後の試薬ブランクAcbの結果と合わせて、感度残存率を表9に示す。
感度残存率(%)= ΔAbs28 ÷ ΔAbs14×100 (23)
【表9】
【0574】
表9から明らかなように、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える濃度の安定化剤を用いると、試薬ブランクが低いことが明らかとなった。
【0575】
[実施例7:プロテアーゼ安定化剤の種類による試薬ブランクの変化と検体感度安定性の長期安定性の検証]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0576】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
500U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0577】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0578】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0579】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
50wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フィル和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0580】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整して、フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
【0581】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整し、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
【0582】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有するフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.125mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0583】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0584】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0585】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有部分組成物、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物、フェロシアン化物含有液状部分組成物を5℃で28日又は1年保存した。
【0586】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を容量比1:4で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
【0587】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(24)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (24)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0588】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(25)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (25)
【0589】
部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28、部分組成物を1年保存した後の感度をΔAbs365として、下記(26)式に示すように長期の感度残存率をΔAbs28とΔAbs365の割合として算出した。部分組成物を1年保存した後の試薬ブランクの結果と合わせて、長期の感度残存率を表10に示す。
長期の感度残存率(%)= ΔAbs365 ÷ ΔAbs28×100 (26)
【0590】
また、部分組成物を1年保存した後の試薬ブランクと、フェロシアン化物の酸化還元電位の関係を表11と図3に示す。フェロシアン化物の酸化還元電位は、安定化剤とフェロシアン化物とを混合した場合の濃度における酸化還元電位値を使用した。例えば、安定化剤とフェロシアン化物が同じ部分組成物に含有される場合(2試薬系の4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物、及び3試薬系のフェロシアン化物含有液状部分組成物(2))では、部分組成物中の安定化剤濃度における酸化還元電位値を使用した。また、安定化剤とフェロシアン化物が別の部分組成物に含有される場合(3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1))では、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)と、フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)と、を混合した際の安定化剤濃度における酸化還元電位値を使用した。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【表10-5】
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【0591】
長期保存した試薬も実施例2と同様の結果を示した。すなわち表10、表11、及び図3から明らかなように、2試薬系、3試薬系のいずれにおいても、試薬ブランクを抑制する効果は、フェロシアン化物と混合された際に、フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤で表れることが示された。またいずれの安定化剤においても、2試薬系から3試薬系にすることで検体感度残存率が向上することが示された。安定化剤としてジメチルスルホキシドを使用した2試薬系は、感度残存率が80%以下まで低下した。よって感度残存率の観点からも安定化剤としてジメチルスルホキシド以外を用いることがより好ましいことが示された。
【0592】
[実施例8:キレート剤添加の効果の長期安定性の検証]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0593】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
500U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0594】
(2試薬系:4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0595】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0596】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0597】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整したフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
5mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
【0598】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)を含有する部分組成物を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
【0599】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有するフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.125mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0600】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0601】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物、フェロシアン化物含有液状部分組成物を5℃で28日又は1年保存した。
【0602】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を容量比1:4で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
【0603】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(27)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (27)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0604】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(28)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (28)
【0605】
部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28、部分組成物を1年保存した後の感度をΔAbs365として、下記(29)式に示すように長期の感度残存率をΔAbs28とΔAbs365の割合として算出した。部分組成物を1年保存した後の試薬ブランクの結果と合わせて、長期の感度残存率を表12に示す。
長期の感度残存率(%)= ΔAbs365 ÷ ΔAbs28×100 (29)
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【0606】
表12から明らかなように、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える安定化剤を用いると、キレート剤(クエン酸三ナトリウム)を添加していない場合の試薬ブランクと、キレート剤(クエン酸三ナトリウム)を添加した場合の試薬ブランクは、ほぼ同じであった。
【0607】
[実施例9:pH及びキレート剤種類の効果の長期安定性の検証]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0608】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
50wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0609】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを調整して、異なるpHのフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度のpHに調整
【0610】
(フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)のpH)
pH6.5
pH7.0
pH7.5
pH8.0
【0611】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整して、キレート剤を含有するフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度のキレート剤
【0612】
(フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)に含有させたキレート剤)
5mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製,略称EDTA)
5mmol/L グリコールエーテルジアミン四酢酸(同仁化学社製,略称EGTA)
5mmol/L N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(同仁化学社製,略称HIDA)
5mmol/L ニトリロトリス(メチルホスホン酸),三ナトリウム塩(同仁化学社製,略称NTPO)
5mmol/L ニトリロ三酢酸(同仁化学社製,略称NTA)
5mmol/L トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N,N-四酢酸,1水和物(同仁化学社製,略称CyDTA)
5mmol/L イミノジ酢酸(同仁化学社製,略称IDA)
5mmol/L ジエチレントリアミン-N,N,N’,N”,N”-五酢酸(同仁化学社製,略称DTPA)
5mmol/L 1,3-ジアミノ-2-プロパノール-N,N,N’,N’-四酢酸(同仁化学社製,略称DPTA-OH)
5mmol/L グルコン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L L(-)-りんご酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L こはく酸(関東化学社製)
5mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L サリチル酸(ナカライテスク社製)
5mmol/L (+)-酒石酸カリウム(富士フイルム和光純薬社製)
5mmol/L N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(同仁化学社製,略称Tricine)
5mmol/L N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(同仁化学社製,略称Bicine)
【0613】
(サンプル)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0614】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物、フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)及び(2)を5℃で28日又は1年保存した。
【0615】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)又は(2)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。
【0616】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(30)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (30)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0617】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(31)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (31)
【0618】
部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28、部分組成物を1年保存した後の感度をΔAbs365として、下記(32)式に示すように長期の感度残存率をΔAbs28とΔAbs365の割合として算出した。部分組成物を1年保存した後の試薬ブランクの結果と合わせて、長期の感度残存率を表13と図4示す。
長期の感度残存率(%)= ΔAbs365 ÷ ΔAbs28×100 (32)
【表13-1】
【表13-2】
【0619】
表13及び図4から明らかなように、フェロシアン化物含有液状部分組成物のpHを変化させても、試薬ブランクの変化は小さかった。また、フェロシアン化物含有液状部分組成物へ添加されたキレート剤の種類を変化させても、試薬ブランクの変化は小さかった。
【0620】
[実施例10:pHの効果の長期安定性の検証]
(トリンダー試薬含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有液状部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(富士フイルム和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,二ナトリウム塩(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(天野エンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0621】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
6.25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
後述する濃度の安定化剤
【0622】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)に含有させた安定化剤)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% トリメチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
62.5wt/vol% エチレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
0.75wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0623】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(1)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、pH7.0又はpH8.0に調整してフェロシアン化物含有液状部分組成物を調製した。また、pH8.0のフェロシアン化物含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.5mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
5mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
【0624】
(3試薬系:4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.0又はpH8.0に調整して4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。また、pH8.0に調整した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
100mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
25mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)(pH8.0に調整した場合にのみ添加した)
【0625】
(3試薬系:フェロシアン化物含有液状部分組成物(2)の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、安定化剤としてプロピレングリコールを含有したフェロシアン化物含有液状部分組成物であって、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物と、を調製した。
250mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin300(Sigma-Aldrich社製)
0.125mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
625U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
50kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.25mmol/L クエン酸三ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)
37.5wt/vol% プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
【0626】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
【0627】
(試薬保存)
調製したトリンダー試薬含有液状部分組成物、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物、フェロシアン化物含有液状部分組成物を5℃で28日又は1年保存した。
【0628】
(測定準備)
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(1)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を容量比4:1で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(1)を調製した。
3試薬系の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物(2)とフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を容量比1:4で混合して、測定に使用する4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物(2)を調製した。
【0629】
(測定手順)
トリンダー試薬含有液状部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有液状部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有液状部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(33)式で与えられる。
C=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (33)
ここで180とはトリンダー試薬含有液状部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有液状部分組成物と4-アミノアンチピリン及びフェロシアン化物含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0630】
サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acs、サンプル検体の代わりに精製水を用いて測定された吸光度変化を試薬ブランクAcbとし、下記(34)式に示すように、サンプル検体を用いて測定された吸光度変化Acsから試薬ブランクの吸光度変化Acbを引いた値を感度ΔAbsとして算出した。
ΔAbs= Acs - Acb (34)
【0631】
部分組成物を28日保存した後の感度をΔAbs28、部分組成物を1年保存した後の感度をΔAbs365として、下記(35)式に示すように長期の感度残存率をΔAbs28とΔAbs365の割合として算出した。部分組成物を1年保存した後の試薬ブランクの結果と合わせて、長期の感度残存率を表14に示す。
長期の感度残存率(%)= ΔAbs365 ÷ ΔAbs28×100 (35)
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【表14-4】
【表14-5】
【0632】
表14から明らかなように、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える安定化剤を用いると、pHを7より大きくしても、試薬ブランクの変化は小さかった。また、フェロシアン化物と混合された際に、0.058Vより大きいフェロシアン化物の酸化還元電位を与える安定化剤を用いると、キレート剤を添加しても、試薬ブランクの変化は小さかった。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、フェロシアン化物を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法。
【請求項2】
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
少なくともフェロシアン化物を含むフェロシアン化物含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかに、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、当該プロテアーゼの安定化剤と混合した場合の前記フェロシアン化物の酸化還元電位を0.058Vより大きくする安定化剤であり、
前記酸化還元電位が、前記プロテアーゼの安定化剤及び前記フェロシアン化物を含み、糖化タンパク質を含まない反応系における酸化還元電位である、
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法。
【請求項3】
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物のいずれか一方に、フェロシアン化物を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法。
【請求項4】
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法であって、
少なくともトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物を調製することと、
少なくとも4-アミノアンチピリンを含む4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
少なくともフェロシアン化物を含むフェロシアン化物含有部分組成物を調製することと、
を含み、
前記トリンダー試薬含有部分組成物、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物、及び前記フェロシアン化物含有部分組成物のいずれかに、プロテアーゼ及びプロテアーゼの安定化剤を含ませ、
前記プロテアーゼの安定化剤が、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール及びカルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される、
糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法。
【請求項5】
前記試薬ブランクが、フェリシアン化物を原因とする試薬ブランクである、請求項1から4のいずれか1項に記載の糖化タンパク質測定試薬の試薬ブランクの抑制方法。