(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166043
(43)【公開日】2023-11-20
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/847 20140101AFI20231113BHJP
A63F 13/42 20140101ALI20231113BHJP
A63F 13/803 20140101ALI20231113BHJP
A63F 13/837 20140101ALI20231113BHJP
【FI】
A63F13/847
A63F13/42
A63F13/803
A63F13/837
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022084082
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】神門 有史
(57)【要約】
【課題】操作対象となる複数のオブジェクトがあり、これらが一体化する要素のあるゲームにおける操作の容易性が向上できる情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供すること。
【解決手段】シングルプレイモードでは、照準移動指示入力を用いた第1操作方法で照準の移動を行い、アクション指示入力を用いた第2操作方法で操作対象オブジェクトにアクションを実行させ、第3操作方法で操作対象オブジェクトの移動を行う。また、マルチプレイモードでは、第1プレイヤによって行われる第1操作方法で照準の移動を行い、第1プレイヤによって行われる第2操作方法で、操作対象オブジェクトにアクションを実行させ、第2プレイヤの移動入力に基づく第4操作方法により、当該操作対象オブジェクトの移動を行わせる。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
1人のプレイヤによりビデオゲームがプレイされるシングルプレイモードにおいて、
前記プレイヤの照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動を行う照準移動手段と、
前記プレイヤのアクション指示入力を用いた第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトにアクションを実行させるアクション実行手段と、
第3操作方法により、前記操作対象オブジェクトの移動を行うプレイヤ移動手段と、
複数のプレイヤにより前記ビデオゲームがプレイされるマルチプレイモードにおいて、
前記複数のプレイヤのうち第1プレイヤによって行われる前記照準移動指示入力を用いた前記第1操作方法により、前記操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準の移動を行う共同照準移動手段と、
前記第1プレイヤによって行われる前記アクション指示入力を用いた前記第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトに、当該操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準に向けた前記アクションを実行させる共同アクション実行手段と、
前記複数のプレイヤのうち第2プレイヤの移動入力に基づく第4操作方法により、当該操作対象オブジェクトの移動を行う共同プレイヤ移動手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第4操作方法は、前記第3操作方法とは異なる操作方法である、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記共同プレイヤ移動手段は、前記第4操作方法として、前記第2プレイヤの移動入力に基づき、前記操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準の移動とは異なる方向に移動できる態様で、当該操作対象オブジェクトの移動を行う、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記共同プレイヤ移動手段は、前記第4操作方法として、前記第2プレイヤの前記移動入力に直接的に基づいて、前記操作対象オブジェクトの移動を行う、請求項3に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記シングルプレイモードにおいてキャラクタ切替条件が満たされた場合、前記プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトを、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトとの間で切り替えるキャラクタ切替手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記操作対象オブジェクトは、前記第1プレイヤオブジェクトおよび第2プレイヤオブジェクトが一体化したものである、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記操作対象オブジェクトは、前記第2プレイヤオブジェクトの上に、前記第1プレイヤオブジェクトが乗ったものである、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記シングルプレイモードにおいて、前記プレイヤが前記一体化した状態の操作対象オブジェクトを操作する状態から、前記プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトとして前記第1プレイヤオブジェクトまたは第2プレイヤオブジェクトのいずれかを操作する状態へと移行した場合、当該操作対象オブジェクトに関連付けられていた関連オブジェクトを当該プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトに関連付ける第1関連付け手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記第2プレイヤオブジェクトは、前記第1プレイヤオブジェクトよりも移動性能が高く、
前記操作対象オブジェクトは、前記第2プレイヤオブジェクトの前記移動性能を有する、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記プレイヤ移動手段は、前記第3操作方法として、前記照準の移動に連動して前記操作対象オブジェクトの移動を行う、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記プレイヤ移動手段は、前記照準の移動に追従するように、前記操作対象オブジェクトの移動を行う、請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記アクションは、前記操作対象オブジェクトに関連付けられている関連オブジェクトを前記照準に向けて投擲するアクションである、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記マルチプレイモードにおいて切替条件が満たされたことによって、前記複数のプレイヤの入力により前記プレイヤオブジェクトを操作する操作方式を個別操作方式から共同操作方式へと切り替える切替手段と、
前記個別操作方式において、
前記複数のプレイヤの各々によって行われる前記照準移動指示入力を用いた前記第1操作方法により、当該複数のプレイヤの各々に対応する前記プレイヤオブジェクトに関連付けられた前記照準の移動を行う個別照準移動手段と、
前記複数のプレイヤの各々によって行われる前記アクション指示入力を用いた前記第2操作方法により、当該複数のプレイヤの各々に対応する前記プレイヤオブジェクトに、当該プレイヤオブジェクトに関連付けられた前記照準に向けたアクションを実行させる個別アクション指示手段と、
前記第3操作方法により、前記複数のプレイヤの各々に対応する前記プレイヤオブジェクトの移動を行う個別プレイヤ移動手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記切替条件は、前記第1プレイヤが切替操作を行ったときに満たされる、請求項13に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
前記切替手段は、前記操作方式が前記共同操作方式である場合に前記第1プレイヤが解除操作を行ったときに、前記操作方式を前記共同操作方式から前記個別操作方式へと切り替える、請求項13に記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
前記操作方式が前記個別操作方式から前記共同操作方式へと切り替えられた場合、当該個別操作方式において前記複数のプレイヤの各々に対応する前記プレイヤオブジェクトに関連付けられた関連オブジェクトを合算したものを前記操作対象オブジェクトに関連付ける第2関連付け手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項13に記載の情報処理プログラム。
【請求項17】
前記第2関連付け手段は、前記操作方式が前記共同操作方式から前記個別操作方式へと切り替えられた場合、前記共同操作方式において前記操作対象オブジェクトに関連付けられていた前記関連オブジェクトの全てを、前記第2プレイヤに対応する前記プレイヤオブジェクトに関連付ける、請求項16に記載の情報処理プログラム。
【請求項18】
1人のプレイヤによりビデオゲームがプレイされるシングルプレイモードにおいて、
前記プレイヤの照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動を行う照準移動手段と、
前記プレイヤのアクション指示入力を用いた第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトにアクションを実行させるアクション実行手段と、
第3操作方法により、前記操作対象オブジェクトの移動を行うプレイヤ移動手段と、
複数のプレイヤにより前記ビデオゲームがプレイされるマルチプレイモードにおいて、
前記複数のプレイヤのうち第1プレイヤによって行われる前記照準移動指示入力を用いた前記第1操作方法により、前記操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準の移動を行う共同照準移動手段と、
前記第1プレイヤによって行われる前記アクション指示入力を用いた前記第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトに、当該操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準に向けた前記アクションを実行させる共同アクション実行手段と、
前記複数のプレイヤのうち第2プレイヤの移動入力に基づく第4操作方法により、当該操作対象オブジェクトの移動を行う共同プレイヤ移動手段と、を備える、情報処理装置。
【請求項19】
1人のプレイヤによりビデオゲームがプレイされるシングルプレイモードにおいて、
前記プレイヤの照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動を行う照準移動手段と、
前記プレイヤのアクション指示入力を用いた第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトにアクションを実行させるアクション実行手段と、
第3操作方法により、前記操作対象オブジェクトの移動を行うプレイヤ移動手段と、
複数のプレイヤにより前記ビデオゲームがプレイされるマルチプレイモードにおいて、
前記複数のプレイヤのうち第1プレイヤによって行われる前記照準移動指示入力を用いた前記第1操作方法により、前記操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準の移動を行う共同照準移動手段と、
前記第1プレイヤによって行われる前記アクション指示入力を用いた前記第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトに、当該操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準に向けた前記アクションを実行させる共同アクション実行手段と、
前記複数のプレイヤのうち第2プレイヤの移動入力に基づく第4操作方法により、当該操作対象オブジェクトの移動を行う共同プレイヤ移動手段と、を備える、情報処理システム。
【請求項20】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行させる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
1人のプレイヤによりビデオゲームがプレイされるシングルプレイモードにおいて、
前記プレイヤの照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動を行わせ、
前記プレイヤのアクション指示入力を用いた第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトにアクションを実行させ、
第3操作方法により、前記操作対象オブジェクトの移動を行わせ、
複数のプレイヤにより前記ビデオゲームがプレイされるマルチプレイモードにおいて、
前記複数のプレイヤのうち第1プレイヤによって行われる前記照準移動指示入力を用いた前記第1操作方法により、前記操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準の移動を行わせ、
前記第1プレイヤによって行われる前記アクション指示入力を用いた前記第2操作方法により、前記操作対象オブジェクトに、当該操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準に向けた前記アクションを実行させ、
前記複数のプレイヤのうち第2プレイヤの移動入力に基づく第4操作方法により、当該操作対象オブジェクトの移動を行わせる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチプレイ可能なゲームにおいてプレイヤキャラクタオブジェクト等を移動させるゲーム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シングルプレイ、および、マルチプレイの両方が可能なゲームが知られている。更に、このようなゲームで、各プレイヤが操作可能なオブジェクト同士の合体(一体化)要素があるゲームも知られている。例えば、帽子を被ったキャラクタオブジェクトであって、当該「キャラクタオブジェクト」と「帽子(オブジェクト)」とが操作可能なゲームが知られている(例えば非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】任天堂株式会社、”Super Mario Odyssey Co-op Mode”、[online]、[令和4年4月13日検索]、インターネット(URL:https://www.youtube.com/watch?v=qR9Afbr3XA8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のゲームでは、2人のプレイヤで遊ぶマルチプレイモードの場合、当該2人のプレイヤの一方が「キャラクタオブジェクト」を操作し、他方が「帽子」を操作することが可能であった。例えば、第1プレイヤがプレイヤキャラクタが被っている帽子を投げる操作を行うと、帽子が投げられる動作が行われ、帽子がプレイヤキャラクタから離れて(独立して)移動する状態となる。そして、この状態になれば、第2のプレイヤは当該帽子の移動操作を行うことが可能であった。
【0005】
しかし、上記マルチプレイモードにおいて、第2のプレイヤが帽子について移動等の操作を行うためには、帽子がプレイヤキャラクタから離れる(帽子投げ操作が行われる)必要があった。そのため、プレイヤキャラクタが帽子を被っている状態のときは、第2のプレイヤは、帽子に関する操作は何も行えなかった。
【0006】
一方、プレイヤ1人で遊ぶシングルプレイモードでは、「キャラクタオブジェクト」と「帽子」の双方を1人で操作する必要があった。例えば、帽子を投げた後に、プレイヤがコントローラを振る操作を行うと、帽子の移動軌道を変化させることも可能であったが、その反面、操作の複雑性もあった。
【0007】
それ故に、本開示における目的は、操作対象となる複数のオブジェクトがあり、これらが一体化する要素のあるゲームにおける操作の容易性が向上できる情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0009】
(構成1)
構成1は、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、コンピュータを、1人のプレイヤによりビデオゲームがプレイされるシングルプレイモードにおいて、プレイヤの照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動を行う照準移動手段と、当該プレイヤのアクション指示入力を用いた第2操作方法により、操作対象オブジェクトにアクションを実行させるアクション実行手段と、第3操作方法により、操作対象オブジェクトの移動を行うプレイヤ移動手段として機能させる。また、コンピュータを、複数のプレイヤによりビデオゲームがプレイされるマルチプレイモードにおいて、当該複数のプレイヤのうち第1プレイヤによって行われる照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動を行う共同照準移動手段と、第1プレイヤによって行われるアクション指示入力を用いた第2操作方法により、操作対象オブジェクトに、当該操作対象オブジェクトに関連付けられた前記照準に向けたアクションを実行させる共同アクション実行手段と、複数のプレイヤのうち第2プレイヤの移動入力に基づく第4操作方法により、当該操作対象オブジェクトの移動を行う共同プレイヤ移動手段として機能させる。
【0010】
上記構成によれば、マルチプレイモードにおいて、シングルプレイモードで行う必要がある操作の一部を他のプレイヤに任せることができる。これにより、操作の容易性を向上できる。
【0011】
(構成2)
構成2は、上記構成1において、第4操作方法は、第3操作方法とは異なる操作方法であってもよい。
【0012】
上記構成によれば、シングルプレイモードおよびマルチプレイモードのそれぞれに適した操作方法を用いることができる。
【0013】
(構成3)
構成3は、上記構成1又は2において、第4操作方法として、第2プレイヤの移動入力に基づき、操作対象オブジェクトに関連付けられた照準の移動とは異なる方向に移動できる態様で、当該操作対象オブジェクトの移動を行ってもよい。
【0014】
上記構成によれば、照準の移動と操作対象オブジェクトの移動を独立して行うことができる。これにより、マルチプレイモードにおいて照準移動と操作対象オブジェクトの移動とを最適化することができる。
【0015】
(構成4)
構成4は、上記構成3において、共同プレイヤ移動手段は、第4操作方法として、第2プレイヤの移動入力に直接的に基づいて、操作対象プレイヤオブジェクトの移動を行ってもよい。
【0016】
上記構成によれば、操作対象オブジェクトの移動について、より直感的な移動操作が可能となる。
【0017】
(構成5)
構成5は、上記構成1~4において、コンピュータを更に、シングルプレイモードにおいてキャラクタ切替条件が満たされた場合、プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトを、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトとの間で切り替えるキャラクタ切替手段として機能させてもよい。
【0018】
上記構成によれば、シングルプレイモードにおいて、プレイヤは2体の別のキャラクタを操作できる。そのため、当該2体のキャラクタを用いて作業を分担させることができる。また、2体のうち一方のキャラクタしかできないようなアクションを状況に応じて活用できるようになり、ゲームの興趣性を向上できる。
【0019】
(構成6)
構成6は、上記構成1~5において、操作対象オブジェクトは、第1プレイヤオブジェクトおよび第2プレイヤオブジェクトが一体化したものであってもよい。
【0020】
上記構成によれば、第1プレイヤオブジェクトおよび第2プレイヤオブジェクトをまとめて移動操作できる。
【0021】
(構成7)
構成7は、上記構成6において、操作対象オブジェクトは、第2プレイヤオブジェクトの上に、第1プレイヤオブジェクトが乗ったものでもよい。
【0022】
(構成8)
構成8は、上記構成6において、コンピュータを更に、シングルプレイモードにおいて、一体化した状態の操作対象オブジェクトをプレイヤが操作する状態から、当該プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトとして第1プレイヤオブジェクトまたは第2プレイヤオブジェクトのいずれかを操作する状態へと移行した場合、当該操作対象オブジェクトに関連付けられていた関連オブジェクトを当該プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトに関連付ける第1関連付け手段として機能させてもよい。
【0023】
上記構成によれば、一体化した状態の操作対象オブジェクトを操作する状態から、第1プレイヤオブジェクトまたは第2プレイヤオブジェクトのいずれかを操作する状態へと移行したとき、関連オブジェクトを速やかに利用可能な状況にすることができる。
【0024】
(構成9)
構成9は、上記構成6において、第2プレイヤオブジェクトは、第1プレイヤオブジェクトよりも移動性能が高く、一体化した操作対象オブジェクトは、第2プレイヤオブジェクトの移動性能を有していてもよい。
【0025】
上記構成によれば、移動性能が高い第2プレイヤオブジェクトを使えるようにすることができる。更に、第1プレイヤオブジェクトおよび第2プレイヤオブジェクトを一体化させたものを操作対象オブジェクトとして用いる場合にも、プレイヤは、高い移動性能を活用することができる。
【0026】
(構成10)
構成10は、上記構成1~9において、第3操作方法として、照準の移動に連動して操作対象オブジェクトの移動を行ってもよい。
【0027】
(構成11)
構成11は、上記構成10において、プレイヤ移動手段は、照準の移動に追従するように、操作対象オブジェクトの移動を行ってもよい。
【0028】
上記構成によれば、照準とプレイヤオブジェクトとをまとめて同じ方向に移動させることができる。これにより、移動操作に関してプレイヤにシンプルな操作性を提供できる。
【0029】
(構成12)
構成12は、上記構成1~11において、アクションは、照準に向けて所定のオブジェクトを投擲するアクションであってもよい。
【0030】
(構成13)
構成13は、上記構成1~12において、コンピュータを更に、マルチプレイモードにおいて切替条件が満たされたことによって、複数のプレイヤの入力によりプレイヤオブジェクトを操作する操作方式を個別操作方式から共同操作方式へと切り替える切替手段と、個別操作方式において、複数のプレイヤの各々によって行われる照準移動指示入力を用いた第1操作方法により、当該複数のプレイヤの各々に対応するプレイヤオブジェクトに関連付けられた照準の移動を行う個別照準移動手段と、複数のプレイヤの各々によって行われるアクション指示入力を用いた第2操作方法により、当該複数のプレイヤの各々に対応するプレイヤオブジェクトに、当該プレイヤオブジェクトに関連付けられた照準に向けたアクションを実行させる個別アクション指示手段と、第3操作方法により、複数のプレイヤの各々に対応するプレイヤオブジェクトの移動を行う個別プレイヤ移動手段として機能させてもよい。
【0031】
上記構成によれば、ゲームの展開や状況に応じて、各自が照準およびプレイヤオブジェクトの双方を操作する個別操作方式と、照準とプレイヤオブジェクトとで操作を分担可能な共同操作方式とを使い分けながら進めることが可能なゲームをプレイヤに提供できる。
【0032】
(構成14)
構成14は、上記構成1~13において、切替条件は、第1プレイヤが切替操作を行ったときに満たされてもよい。
【0033】
上記構成によれば、第1プレイヤは、移動に関する操作を第2プレイヤに任せることができる。これにより、第1プレイヤは照準の操作に集中することが可能となる。
【0034】
(構成15)
構成15は、上記構成1~14において、切替手段は、操作方式が共同操作方式である場合に第1プレイヤが解除操作を行ったときに、操作方式を共同操作方式から個別操作方式へと切り替えてもよい。
【0035】
上記構成によれば、第1プレイヤにとって都合のよいタイミングで、個別操作方式に切り替えることができる。
【0036】
(構成16)
構成16は、上記構成1~15において、コンピュータを更に、操作方式が個別操作方式から共同操作方式へと切り替えられた場合、個別操作方式において複数のプレイヤの各々に対応するプレイヤオブジェクトに関連付けられた関連オブジェクトを合算したものを共同プレイヤオブジェクトに関連付ける第2関連付け手段として機能させてもよい。
【0037】
上記構成によれば、共同操作方式において、第1プレイヤが利用可能な関連オブジェクトの数を増やすことができる。
【0038】
(構成17)
構成17は、上記構成16において、第2関連付け手段は、操作方式が共同操作方式から個別操作方式へと切り替えられた場合、共同操作方式において操作対象オブジェクトに関連付けられていた関連オブジェクトの全てを、第2プレイヤに対応するプレイヤオブジェクトに関連付けてもよい。
【0039】
上記構成によれば、操作方式を共同操作方式から個別操作方式へと切り替えたとき、第1プレイヤに関連オブジェクトを関連付けないようにすることができる。第1プレイヤにどれだけの関連オブジェクトを関連付けるべきかは状況によるところ、一旦、関連付けない状態とすることで、必要数をプレイヤ間で相談して調整することが可能となる。これにより、関連オブジェクトとプレイヤオブジェクトとの関連付けについて、柔軟な対応が可能となる。
【発明の効果】
【0040】
本実施形態によれば、シングルプレイモードでは1人で照準操作と操作対象オブジェクトの移動操作を行う必要があるところ、マルチプレイモードにおいて、その操作の一部を他のプレイヤに任せることができる。これにより、操作の容易性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図
【
図2】本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図
【
図6】本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図
【
図7】本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図
【
図20】DRAM85に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図25】本実施形態に係るマルチプレイモード処理の詳細を示すフローチャート
【
図26】1P側操作処理の詳細を示すフローチャート
【
図27】1P左スティック処理の詳細を示すフローチャート
【
図29】共同化関連処理の詳細を示すフローチャート
【
図30】共同化制御処理の詳細を示すフローチャート
【
図32】2P側操作処理の詳細を示すフローチャート
【
図33】2P左スティック処理の詳細を示すフローチャート
【
図34】照準移動制御処理の詳細を示すフローチャート
【
図35】PC移動制御処理の詳細を示すフローチャート
【
図36】シングルプレイモード処理の詳細を示すフローチャート
【
図37】シングルモード操作処理の詳細を示すフローチャート
【
図38】左スティック処理(シングル)の詳細を示すフローチャート
【
図39】共同化制御処理(シングル)の詳細を示すフローチャート
【
図40】解除制御処理(シングル)の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、一実施形態について説明する。
【0043】
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(
図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0044】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。
図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、プレイヤが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0045】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。
図1および
図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0046】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。
図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0047】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0048】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0049】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0050】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、
図6に示すスピーカ88)を備えている。
図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0051】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0052】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0053】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0054】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。
図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、
図4における上下方向(
図4に示すz軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0055】
左コントローラ3は、方向入力デバイスの一例である左アナログスティック(以下、左スティックと呼ぶ)32を備える。
図4に示すように、左スティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。左スティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。プレイヤは、左スティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、左スティック32を押下する入力が可能である。
【0056】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。更に、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0057】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0058】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。
図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、
図5における上下方向(
図5に示すz軸方向)に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0059】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部として右アナログスティック(以下、右スティックと呼ぶ)52を備える。本実施形態においては、右スティック52は、左コントローラ3の左スティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。更に、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0060】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0061】
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、
図3に示す構成の他、
図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0062】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0063】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0064】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0065】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0066】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0067】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0068】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0069】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のプレイヤは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1プレイヤが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2プレイヤが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0070】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0071】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0072】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0073】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0074】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0075】
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、
図6で示しているため
図7では省略している。
【0076】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。
図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0077】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0078】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、左スティック32を備える。各ボタン103および左スティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0079】
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
【0080】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、左スティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0081】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103および左スティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
【0082】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0083】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0084】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、右スティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0085】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0086】
[本実施形態におけるゲーム処理の概要]
次に、本実施形態に係るゲームシステム1で実行されるゲーム処理の動作概要を説明する。上記のように、上記ゲームシステム1では、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能な構成となっている。本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態でゲームを遊ぶ場合は、ゲーム画像はディスプレイ12に出力される。また、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の本体装置2単体がクレードルに装着された場合は、本体装置2が、クレードルを介してゲーム画像を据置型モニタ等に出力することもできる。本実施形態では、後者の態様でゲームプレイを行う場合を例に説明する。具体的には、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の本体装置2単体がクレードルに装着され、本体装置2が、クレードルを介してゲーム画像等を据置型モニタ等に出力する態様である。
【0087】
[想定するゲームについて]
本実施形態で想定するゲームは、プレイヤが1人でプレイすることも可能であり、また、2人のプレイヤで協力プレイを行うことも可能なゲームである。以下の説明では、プレイヤが1人でプレイするゲームモードのことをシングルプレイモード、2人でプレイするゲームモードのことをマルチプレイモードと呼ぶ。以下、本実施形態におけるゲーム処理の概要を説明するが、まず、マルチプレイモードにおけるゲーム概要(操作・動作例)を説明し、その後、シングルプレイモードの概要(操作・動作例)について説明する。なお、本実施形態では、各プレイヤはそれぞれ、左コントローラ3および右コントローラ4を用いてプレイするものとする。つまり、マルチプレイモードの場合は、左コントローラ3および右コントローラ4のセットが2つ用いられる場合を想定する。また、シングルプレイモードの場合は1セットが用いられる場合を想定する。また、以下の説明では、左コントローラ3および右コントローラ4を総称して単に「コントローラ」と呼ぶこともある。
【0088】
[マルチプレイモードにおけるゲームの概要]
図8は、本ゲームの舞台となる仮想3次元ゲーム空間を仮想カメラで撮像することで生成される本ゲームの画面例である。
図8では、プレイヤキャラクタオブジェクト(以下、単にPCと呼ぶこともある)が2体表示されている。具体的には、第1のプレイヤの操作対象である第1プレイヤキャラクタオブジェクト(以下、単に1Pキャラと呼ぶ)201、第2のプレイヤの操作対象である第2プレイヤキャラクタオブジェクト(以下、2Pキャラと呼ぶ)211とが表示されている。なお、本ゲームでは、1Pキャラ201は人型のオブジェクトであり、ゲームのストーリー上における「主人公」の立場である。一方、2Pキャラ211は、4足歩行の動物をモチーフにしたキャラクタであり、ゲームのストーリー上では、主人公をサポートする立場のキャラクタ(サポートキャラクタ)である。そして、本ゲームでは、このような立場の違いを踏まえて、1Pキャラ201と2Pキャラ211とで、主に移動性能の面で差が設けられており、2Pキャラ211のほうが移動性能が高いものとなっている。具体的には、移動速度に差があり、2Pキャラ211のほうが、1Pキャラ201よりも移動速度が速い。また、その他、2Pキャラ211は、1Pキャラ201が実行できない「固有アクション」を行うこともできる。具体的には、2Pキャラ211は、例えばXボタン55の押下によって「ジャンプ」も可能である(1Pキャラ201は「ジャンプ」ができない)。そのため、2Pキャラ211は、段差がある地形でも、「ジャンプ」で飛び越えて先に進むことが可能となっている。また、その他、2Pキャラ211の固有の移動性能や固有アクションとして、水面を泳いで移動することが可能であったり、「突進」のアクションが可能であったりしてもよい。
【0089】
[照準オブジェクトについて]
また、
図8では、各PCの進行方向側であって、PCの位置から所定距離離れた位置に、円形の照準オブジェクト202および212が表示されている。1つめの照準オブジェクト202は、1Pキャラ201に関連付けられている照準オブジェクトであり、第1のプレイヤの操作対象でもある。また、もう1つの照準オブジェクト212は、2Pキャラ211に関連付けられている照準オブジェクトであり、第2のプレイヤの操作対象でもある。以下、前者の照準のことを「1P照準」と呼び、後者の照準のことを「2P照準」と呼ぶ。また、両者を総称して、単に「照準」と呼ぶこともある。なお、
図8では、各照準と、それぞれに関連付けられているPCとを結ぶような直線画像も表示されている。当該直線画像により、各照準がどちらのPCの照準であるのかが視覚的に把握しやすくなっている。当該照準およびPCの移動に関しては、後ほど改めて説明する。
【0090】
[関連キャラクタオブジェクトについて]
また、
図8では、各PCの進行方向の後方側に、関連キャラクタオブジェクト(以下、関連オブジェクトと呼ぶ)が複数表示されている。当該関連オブジェクトは、各PCに関連付けられているNPC(ノンプレイヤキャラクタ)である。当該関連オブジェクトは、ある程度自律的に行動する生物的なキャラクタオブジェクトである。また、当該関連オブジェクトは、基本的には、PCの移動に追従して自動的に移動する。ここで、本ゲームでは、「隊列」の概念がある。当該「隊列」は、1体の「リーダー」と複数の「メンバー」で構成され得る。隊列には、少なくとも1体の「リーダー」が必要であるが、「メンバー」は0体でもよい。すなわち、「リーダー」だけで構成される隊列もあり得る。本ゲームでは、各PCはそれぞれ「リーダー」となり得る。そして、上記関連オブジェクトは、「メンバー」として構成される。この関連オブジェクトは、隊列に所属していない状態でゲームフィールド上に点在しており(以下、この状態のキャラクタを非所属キャラクタと呼ぶ)、プレイヤが所定の操作を行うことで、所定の非所属キャラクタを自身の隊列に加えることができる。本ゲームでは、PCの移動は、この「隊列」単位での移動となる。なお、以下の説明では、1Pキャラをリーダーとする隊列のメンバーとなっている関連オブジェクトのことを「1P関連オブジェクト」、2Pキャラ211をリーダーとする隊列のメンバーとなっている関連オブジェクトのことを「2P関連オブジェクト」と呼ぶ。
図8の例では、1P関連オブジェクト203として3体の関連オブジェクトが1Pキャラ201の隊列に加わっている。また、2P関連オブジェクト213として、2体の関連オブジェクトが2Pキャラ211の隊列に加わっている。
【0091】
また、本ゲームでは、プレイヤは所定の操作、具体的には、Aボタン53の押下によって、自分の操作しているPCに、自身の隊列内の関連オブジェクトを、上記照準のある地点に向けて「投擲」させることができる(以下、投擲アクションと呼ぶ)。投擲された関連オブジェクトは、着地後、その周囲の状況に応じて所定の行動・動作を行う。例えば、着地点の近くに敵キャラクタがいれば、関連オブジェクトはその敵キャラクタに「攻撃」を行う。また、素材アイテムが近くにあれば、関連オブジェクトはその素材アイテムの「採集」を行う。
【0092】
[移動操作方法について]
次に、上記照準およびPCの移動操作に関して説明するが、説明の便宜上、本ゲームにおける操作モードとして、2つの操作モードがあるとして説明する。以下では、第1の操作モードを「個別操作モード」と呼び、第2の操作モードを「共同操作モード」と呼ぶ。「個別操作モード」は、マルチプレイにおける各プレイヤが銘々にPCを操作する操作モードである。一方、「共同操作モード」は、後述する「共同型プレイヤオブジェクト」を操作するときの操作モードである。まず、「個別操作モード」における操作等について説明し、その後「共同操作モード」に関して説明する。
【0093】
[個別操作モードでの操作について]
個別操作モードにおいては、第1のプレイヤは、1P照準202および1Pキャラ201の移動操作が可能であり、第2のプレイヤは、2P照準212および2Pキャラ211の移動操作が可能である。具体的には、各プレイヤは、左スティック32を操作することで、各照準を地面に沿って移動させることができる。すなわち、左スティック32に対する入力内容に応じて照準を移動させる制御が行われる。この際、左スティック32を傾ける角度が一定以上の大きさであれば、左スティック32に対する入力内容に応じてPCも移動させる制御が行われる。つまり、左スティック32の傾きが小さい間は、照準のみを移動させ、一定の大きさ以上の傾きで入力が発生すれば、照準と共に(連動するように)PCを移動させることができる。例えば、
図8の状態から、第1のプレイヤが左スティック32を上方向に倒しきる入力を行った場合、当該上方向入力に従って、1P照準202および1Pキャラ201を同じ移動速度で上方向に移動させる制御が行われる。その結果、
図9に示すように、1Pキャラ201および1P照準202の双方とも、連動するように上方向に向けて移動する。また、
図8の状態から第2のプレイヤが左スティック32を右方向に倒しきる入力を行った場合は、同様に、
図9に示すように、2Pキャラ211および2P照準212の双方とも、右方向に向けて連動するように移動する(なお、両PCが同じ1画面内に映らない位置関係となった場合は、自動的に左右に画面分割が行われる)。また、プレイヤは、左スティック32を傾けすぎないようにしながら操作することで、PCは移動させないようにしながら、照準の位置だけを微調整することもできる。
【0094】
ここで、本ゲームでは、照準とPCとの間の相対的な距離が一定以上の距離とならない(離れすぎない)ような調整制御も行われている。例えば、照準とPCとの間の相対的な距離が、ゲーム空間内距離で5m以上離れないような制御も行われている。具体的には、照準とPCとの間の相対的な距離が5mとなった場合は、5m以上離れるような照準の操作が行われても、照準はこれ以上は移動しないように制御される。
【0095】
上記のような操作および制御によって、プレイヤの見た目からすれば、照準に追従してPCが移動するような制御が行われることになる。
【0096】
このように、個別操作モードでは、プレイヤは、左スティックを操作することで、照準およびPCを(連動して)移動させることができる。また、プレイヤは、上記のようなAボタン53の操作で、PCに関連オブジェクトを投擲させることも可能である。以下、照準を移動させるための左スティック32の操作のことを「第1操作方法」と呼び、上記Aボタン53の操作で関連オブジェクトを投擲させる操作のことを「第2操作方法」と呼び、当該個別操作モードにおいてPCを移動させるための左スティック32による操作(所定の傾き角度以上の入力)のことを「第3操作方法」と呼ぶ。
【0097】
なお、本実施形態では、第1操作方法の入力を照準の移動に反映させ、第3操作方法の入力をPCの移動に反映させるような制御を例示している。つまり、同じ左スティック32に対する入力内容を照準とPCとに分配するような制御を行い、結果的に、照準にPCが追従するような動作に見える例を挙げている。この点、他の実施形態では、左スティック32への入力内容は照準の移動にのみ反映させ、この照準の位置に基づいて、PCの移動する位置を決定するような制御を行ってもよい。この場合も、照準にPCが追従するような動作となる。
【0098】
[共同操作モードでの操作について]
次に、上記共同操作モードにおける操作に関して説明するが、その前に、上記「共同型プレイヤオブジェクト」について説明する。本ゲームのマルチプレイモードでは、1Pキャラ201と2Pキャラ211とを共同化(一体化)して、一体的に移動可能な状態とするギミックがある。具体的には、1Pキャラ201を2Pキャラ211に騎乗させることができる。画面例を用いて操作の一例を示すと、まず、
図10に示すように、1Pキャラ201が2Pキャラ211にある程度近づいている状態で、第1のプレイヤがYボタン56を押す(共同化操作)。すると、
図11に示すように、1Pキャラ201が2Pキャラ211に飛び乗るような演出動作が行われて、
図12に示すように、1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中に騎乗した状態となる。上記「共同型プレイヤオブジェクト」とは、このような1Pキャラ201が2Pキャラ211に騎乗している状態の1Pキャラ201および2Pキャラ211を総称したプレイヤキャラクタオブジェクトのことである。換言すれば、2Pキャラ211に騎乗している状態の1Pキャラ201および2Pキャラ211を、全体として1つのPCとして捉えたものである。
【0099】
上記のように、共同化操作が行われることで1Pキャラ201および2Pキャラ211が上記共同型プレイヤオブジェクトとなると、上記操作モードは共同操作モードとなる。また、照準に関しては、
図12に示すように、1P照準202の1つだけが表示される状態となる。なお、この状態での1P照準202は、共同型プレイヤオブジェクトに関連付けられた照準でもある(共同型プレイヤオブジェクトの照準として、1P照準202を使い回ししているともいえる)。そして、共同操作モードでは、第1のプレイヤは、左スティック32の操作で1P照準202の移動を行い、第2のプレイヤは、左スティック32の操作で、共同型プレイヤオブジェクトの移動を行うことができる。より正確には、第2のプレイヤが2Pキャラ211の移動操作を行うことで、これに騎乗している1Pキャラ201も一緒に移動することになり、結果として、共同型プレイヤオブジェクトの移動が行われることになる。この点につき、第2のプレイヤにとっては、2Pキャラ211の移動について、個別操作モードでは、間接的に移動させる操作感であったところ、共同操作モードでは、直接的に移動させる操作感に変化し得る。換言すれば、第2のプレイヤからすると、個別操作モードでは、例えば第2のプレイヤが右方向に左スティック32を倒し続けると、右側に走って移動する2Pキャラ211よりも更に右側に2P照準212が位置することになる。すなわち、2Pキャラ211は、右方向(進行方向上)の所定の位置について、2P照準212よりも遅れて到達することとなる。このことは、第2のプレイヤからすれば、先導する2P照準212を2Pキャラ211が追いかけているかのような印象を受けると考えられる。つまり、2P照準212に追従させるようにして、間接的に2Pキャラ211を移動させるという操作感が提供されているといえる。これに対して、共同操作モードでは、2P照準212に追従させるというのではなく、左スティックで直接的に2Pキャラ211(共同型プレイヤオブジェクト)の移動操作を行うことができるという操作感が提供されるといえる。
【0100】
上記のように、個別操作モードでは、照準の移動とPCの移動との2種類の移動操作を各自で行うところ、共同操作モードにおいては、照準移動の担当とPCの移動の担当とで役割を分担して操作を行うことができる。そのため、個別操作モードでは、上記のような制御により、照準とPCの移動方向が同じ方向となっていたが、共同操作モードではそれぞれ異なる方向に移動させることが可能となる。例えば、
図13に示すように、第2のプレイヤは左スティック32の操作で共同型プレイヤオブジェクトを右方向に移動させることができる。また、このときに、第1のプレイヤは、左スティック32の操作で、1P照準202を自由に動かすことができる(但し、上記のような5mの移動範囲制限はある)。そのため、共同型プレイヤオブジェクトの移動方向とは異なる方向に向けて1P照準202を移動させることも可能である。このことは、換言すれば、共同操作モードでは、第1のプレイヤは移動操作ができず、第2のプレイヤは照準操作ができないということでもある。
【0101】
また、共同操作モードにおいても、第2のプレイヤは、上記2Pキャラ211に固有のアクション(ジャンプ等)の操作は個別操作モードと同様に可能である。
【0102】
以下の説明では、共同型プレイヤオブジェクトを移動させるための左スティック32による操作のことを「第4操作方法」と呼ぶ。つまり、共同操作モードにおいては、第1のプレイヤは上記第1操作方法で1P照準202を移動させ、第2のプレイヤは、第4操作方法で共同型プレイヤオブジェクトを移動させることになる。
【0103】
ここで、上記共同化(騎乗)の際における上記照準および関連オブジェクトの扱いについて補足する。まず、照準については、上記のように、第1のプレイヤが共同化操作を行うことで、共同化に係る演出動作(以下、共同化動作)が行われるが、この際に、2P照準212の表示はフェードアウトする。そして、当該共同化動作が完了したときには、1P照準202のみが表示されている状態となる。また、2P照準212が表示されていないため、共同型プレイヤオブジェクトの状態における上記投擲アクションについては、第1のプレイヤのみ可能となっている。
【0104】
次に、共同化に伴う関連オブジェクトの扱いについて、本実施形態では、1P関連オブジェクト203と2P関連オブジェクト213とを合算した分の関連オブジェクトを共同型プレイヤオブジェクトに関連付けられた関連オブジェクトとして扱う。具体的には、本実施形態では、1Pキャラの隊列に所属していた関連オブジェクトを2Pキャラ211の隊列に合算し、合算後の2P関連オブジェクト213を共同型プレイヤオブジェクトの関連オブジェクトとして扱うような制御が行われる。例えば、上記共同化動作として、1P関連オブジェクト203の3体が2P関連オブジェクト213の2体の集まっている位置に向けて移動するような制御が行われる。そして、共同化動作の完了時には、2P関連オブジェクト213が5体となる。その後は、共同化プレイヤオブジェクトの移動に追従するように、当該5体の2P関連オブジェクト213は移動することになる。また、第1のプレイヤの操作によって上記投擲アクションが行われる際は、当該5体の2P関連オブジェクト213が投擲される対象となる。
【0105】
なお、本実施形態では、共同化の一例として、1Pキャラ201が2Pキャラ211に騎乗するという例を挙げた。この他、当該共同化は、以下のような態様であってもよい。例えば、他の実施形態において、2体のキャラクタが合体、あるいは融合して、外観の変化を伴うような別のキャラクタとなる場合も、ここでいう共同化に該当する。またその他、2体のキャラクタが車両オブジェクトに乗り込み、一方が運転席、一方が助手席に座り、1体の車両として移動制御等が行われるような場合も、共同化に該当する。その他、2体のキャラクタの移動について、一体的に移動するような各種の態様を、ここでいう共同化に該当するものとして扱ってもよい。
【0106】
[共同化の解除について]
次に、共同型プレイヤオブジェクトの状態を解除する場合に関して説明する。すなわち、共同型プレイヤオブジェクトとして一体化していた1Pキャラ201と2Pキャラ211とを分離させる場合に関して説明する。本実施形態では、共同型プレイヤオブジェクトの状態において、第1プレイヤが所定の解除操作(本例ではYボタン56の押下)を行うことで、共同型プレイヤオブジェクトの状態を解除できる。例えば、当該解除操作を行うことで、1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中から飛び降りる演出動作(以下、解除動作)が行われる。その結果、
図14に示すように、共同型プレイヤオブジェクトの状態が解除される。これに伴い、操作モードは上記個別操作モードに切り替わることになり、表示されなくなっていた2P照準212も表示される。
【0107】
なお、関連オブジェクトについては、共同型プレイヤオブジェクトの状態の解除に伴う隊列の再編成は行われない。つまり、共同化する際に1P関連オブジェクト203が存在していたとしても、解除動作の完了時点では、
図14で示すように、1Pキャラ201の隊列にはメンバがいない状態となる。これは、第1のプレイヤにどれだけの関連オブジェクトを関連付けるべきかは、そのときの状況によることを考慮したものである。また、本実施形態では、共同化およびその解除の操作は第1プレイヤのみが可能である。その反面、第2のプレイヤにとっては、第1のプレイヤの意思で解除が行われたにも関わらず、第1のプレイヤに自身の関連オブジェクトを勝手に持って行かれるということになり、第2のプレイヤに理不尽感を与える虞があることも考慮している。そのため、解除の際は、ひとまずは関連オブジェクトを全く関連付けていない状態として、その後に、プレイヤ間で相談して必要数を調整することを可能としている。例えば、第2のプレイヤは2P関連オブジェクト213の一部を隊列から外す操作を行い、第1プレイヤは、当該外された関連オブジェクトを自身の隊列に加える操作を行ってもよい。
【0108】
また、本実施形態では、第2のプレイヤからは、上記共同化操作および解除操作はできないようにしている。これを可能とすると、例えば第1と第2のプレイヤがほぼ同じタイミングでYボタン56を押した場合、PCが共同化してすぐに解除されるような動きとなる等で、プレイヤに混乱を招きかねないためである。
【0109】
このように、マルチプレイモードでは、各プレイヤはそれぞれの操作対象PCを操作しつつ、必要に応じて、共同型プレイヤオブジェクトとして行動することも可能となっている。上記のように1Pキャラ201と2Pキャラ211とで移動性能に差がある。そのため、例えば、地形に段差があるため、(ジャンプが出来ない)1Pキャラ201単体では先に進めないような場合に、共同型プレイヤオブジェクトになってジャンプすることで、先に進むことができる。また、共同型プレイヤオブジェクトの状態においては、第1のプレイヤは照準操作に集中でき、第2のプレイヤは共同型プレイヤオブジェクトの移動操作に集中できる。そのため、例えば段差や落下ポイントが多数有るような地形で、ジャンプ移動を多用しないと進めないような場所では、共同型プレイヤオブジェクトとなることで、第2プレイヤはジャンプ移動の操作に集中することができる。そして、第1プレイヤが(ジャンプ移動中の)照準操作を担当することで、先に進みやすくなることが期待でき、協力プレイの楽しさをプレイヤに提供できる。
【0110】
[シングルプレイモードについて]
次に、シングルプレイモードに関して説明する。プレイヤが1人でプレイするシングルプレイモードにおいては、プレイヤは、上記1Pキャラ201と2Pキャラ211とを操作する。具体的には、プレイヤはいずれか一方を現在の操作対象として操作できる。そして、操作対象を切り替えるための操作(以下、操作対象切替操作)を行うことで、現在の操作対象を切り替えることができる。例えば、1Pキャラ201を操作対象としている場合は、
図15のような画面が表示される。
図15では、1Pキャラ201が画面の略中央に映るようなゲーム画像となっている。このときの操作は、上述した個別操作モードにおける操作と同様である。そしてプレイヤが上記操作対象切り替え操作を行うことで、操作対象が2Pキャラ211に切り替わる。その結果、
図16に示すように、2Pキャラ211が画面の略中央に映るようなゲーム画像が表示される(仮想カメラが移動する、あるいは2Pキャラ用のカメラに切り替わる)。また、この際、切り替え前の操作対象であった1Pキャラ201は、その場で待機する状態となる。操作対象を2Pキャラ211から1Pキャラ201に切り替えた場合も同様に、2Pキャラ211はその場で待機する。
【0111】
また、シングルプレイモードにおいても、各PCを上記のような共同型プレイヤオブジェクトの状態とすることは可能である。但し、プレイヤは1人だけであるため、上記のような分担操作はできない。この場合、左スティック32への入力は、1P照準202(共同型プレイヤオブジェクトの照準)の移動制御と、2Pキャラ211(共同型プレイヤオブジェクト)の移動制御に用いられることになる。つまり、照準およびPCの移動操作方法については、共同型プレイヤオブジェクトの状態であっても、上記個別操作モードにおける操作方法と同じ操作方法が提供されることになる。そのため、プレイヤに与える操作性としては、共同型プレイヤオブジェクトの状態でも、上記個別操作モードの場合と同じ操作性が提供されることになる。なお、共同型プレイヤオブジェクトの状態では、プレイヤは、上記のような2Pキャラ固有のアクションを共同型プレイヤオブジェクトに行わせることも可能である。そのため、例えば、段差のある地形を越えたい場合、共同型プレイヤオブジェクトとなってジャンプ移動することで、2体まとめて当該段差のある地形を超えさせることが可能となる。
【0112】
また、シングルプレイモードで共同化を解除した際、解除後の操作対象は1Pキャラ201に設定される。
【0113】
また、シングルプレイモードにおける関連オブジェクトの所属については、まず、共同型オブジェクトになる際は、1P関連オブジェクト203は2P関連オブジェクト213に合算される。例えば、
図17に示すように、共同型プレイヤオブジェクトになる前の状態では、1P関連オブジェクト203が3体、2P関連オブジェクト213が2体いる。この状態から、共同型プレイヤオブジェクトになると、
図18のように、1P関連オブジェクト203は2P関連オブジェクト213に合算される。その結果、2P関連オブジェクト213は合計5体となる)。一方、共同化解除した際、本実施形態では、
図19に示すように、2P関連オブジェクト213は全て1P関連オブジェクト203として、1Pキャラ201の隊列に所属させる。これは、上記のように、解除後の操作対象を1Pキャラ201とするところ、解除後、すぐに上記のような投擲アクションも可能な状態とするためである。
【0114】
このように、シングルプレイモードでは、1人のプレイヤが、1Pキャラ201と2Pキャラ211とで操作対象を切り替えながら操作することができる。上記のように、両者の移動性能が異なるところ、このような切り替えを行うことで、1Pキャラ201には備わっていない2Pキャラ211の移動性能を活用することも可能となる。更に、シングルプレイモードでも、上記共同型プレイヤオブジェクトを利用することができる。また、シングルプレイモードでは、共同型プレイヤオブジェクトの状態であるか否かにかかわらず、照準およびPCの移動操作方法は変わらない。つまり、共同型プレイヤオブジェクトの状態となる前となった後とで操作性は変わらないため、プレイヤは操作に戸惑うことなくプレイを継続することができる。また、このことは、共同型プレイヤオブジェクトの操作方法という観点で見ると、次のようにも言える。すなわち、シングルプレイモードでは照準と移動とが連動するような操作方法となるが(上記第1および第3操作方法)、マルチプレイモードでは、照準と移動とが独立した操作方法(上記第1および第4操作方法)になるともいえる。
【0115】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図20~
図40を参照して、本実施形態におけるゲーム処理についてより詳細に説明する。
【0116】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。
図20は、本体装置2のDRAM85に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。本体装置2のDRAM85には、ゲームプログラム301、1Pキャラデータ302、2Pキャラデータ303、1P照準データ304、2P照準データ305、1P操作データ306、2P操作データ307、関連オブジェクトデータ308、その他オブジェクトデータ309、共同化フラグ310、操作対象情報311、等が記憶されている。
【0117】
ゲームプログラム301は、本実施形態におけるゲーム処理を実行するためのプログラムである。
【0118】
1Pキャラデータ302は、上記1Pキャラ201に関するデータである。
図21に、1Pキャラデータ302のデータ構成の一例を示す。1Pキャラデータ302には、PC位置・姿勢データ321、PC移動パラメータ322、PC状態データ323、隊列データ324、外観データ325、アニメーションデータ326が少なくとも含まれている。
【0119】
PC位置・姿勢データ321は、仮想ゲーム空間内における1Pキャラ201の現在位置や現在の姿勢を示すデータである。例えば、現在位置を示す情報として、仮想ゲーム空間内の3次元座標がPC位置・姿勢データ321に格納される。また、1Pキャラの現在姿勢を示す情報として、1Pキャラ201のローカル座標系におけるxyz軸それぞれのベクトルを示したベクトルデータ等がPC位置・姿勢データ321に格納される。
【0120】
PC移動パラメータ322は、1Pキャラ201の移動制御のために用いるデータである。例えば、PC移動パラメータ322には、1Pキャラ201の移動方向や移動速度等を示すパラメータが含まれる。
【0121】
PC状態データ323は、1Pキャラ201の現在の状態であるPC状態を示すデータである。当該PC状態データ323には、例えば、以下のPC状態を示すデータがゲーム状況に応じて適宜設定され得る。
・待機中:1Pキャラ201が移動等のアクションはせずに待機している状態である。
・移動中:1Pキャラ201が移動中の状態である。
・共同化途中:上記共同化指示によって上記共同化動作が開始してから完了するまでの間の状態である。すなわち、1Pキャラ201が2Pキャラ211への騎乗を開始して完了するまでの間の状態である。
・解除途中:解除指示が行われ、上記解除動作が開始してから完了するまでの間の状態である。すなわち、1Pキャラ201が2Pキャラ211から降りるまでの間の状態である。
・投擲中:1Pキャラ201が上記投擲に係る動作を行っている状態である。
・騎乗中:共同型プレイヤオブジェクトの状態(1Pキャラ201が2Pキャラ211に騎乗している状態)であって、1Pキャラ201が投擲の動作を行っていない状態である。
・騎乗投擲中:共同型プレイヤオブジェクトの状態で、1Pキャラ201が投擲の動作を行っているときの状態である。
その他、ゲームの状況に応じた各種のPC状態を示すデータが適宜設定され得る。
【0122】
隊列データ324は、1Pキャラ201をリーダーとする隊列の内容を定義するデータである。隊列データ324には、隊列に加わっている関連オブジェクトを特定するための情報が少なくとも含まれている。
【0123】
外観データ325は、1Pキャラ201の3次元モデルデータやテクスチャデータ等、1Pキャラ201の外観を構成するためのデータである。
【0124】
アニメーションデータ326は、1Pキャラ201が行う各種動作のアニメーションを定義したデータである。具体的には、上記キャラクタ状態に対応するアニメーションのデータが定義されている。例えば、「移動中」に対応して、1Pキャラ201が走る動作のアニメーションのデータが定義されている。また例えば、「共同化途中」に対応して、1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中に飛び乗る動きのアニメーションのデータが定義されている。また例えば、「解除途中」に対応して、1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中から飛び降りて着地するまでの動きのアニメーションのデータが定義されている。その他、アニメーションデータ326には、キャラクタ状態に応じた各種のアニメーションのデータが含まれている。
【0125】
図20に戻り、2Pキャラデータ303は、上記2Pキャラ211に関するデータである。そのデータ構成は、対象が2Pキャラ211となる点を除き、上記1Pキャラデータ302と同様であるため、詳細な説明は割愛する。なお、上記PC状態データ323に関して、2Pキャラ211の場合は、1Pキャラ201にはない固有アクションも可能であるため、例えば「ジャンプ中」「突進中」等、固有アクションの実行中であることを示すキャラクタ状態も設定され得る。
【0126】
次に、1P照準データ304は、上記1P照準に関するデータである。
図22に、1P照準データ304のデータ構成の一例を示す。1P照準データ304には、照準位置・姿勢データ341、照準移動パラメータ342、可視フラグ343が少なくとも含まれる。照準位置・姿勢データ341は、仮想ゲーム空間内における1P照準202の現在位置と現在の姿勢を示すデータである。照準移動パラメータ342は、当該照準を移動させるための各種パラメータ(移動方向、移動速度等)である。可視フラグ343は、1P照準202を画面に表示するか否かを示すためのフラグである。
【0127】
図20に戻り、2P照準データ305は、上記2P照準に関するデータである。そのデータ構成は、上記1P照準データ304と同様であるため、説明は割愛する。
【0128】
1P操作データ306は、上記第1のプレイヤが操作するコントローラから得られるデータである。すなわち、第1のプレイヤが行った操作内容を示すデータである。
図23に、1P操作データ306のデータ構成の一例を示す。1P操作データ306には、デジタルボタンデータ361と、右スティックデータ362と、左スティックデータ363と、右慣性センサデータ364と、左慣性センサデータ365とが少なくとも含まれている。デジタルボタンデータ361は、コントローラが有する各種ボタンの押下状態を示すデータである。右スティックデータ362は、上記右スティック52に対する操作内容を示すためのデータである。具体的には、x、yの2次元のデータが含まれる。左スティックデータ363は、上記左スティック32に対する操作内容を示すためのデータである。右慣性センサデータ364は、右コントローラ4の加速度センサ114や角速度センサ115の慣性センサの検出結果を示すデータである。具体的には、3軸の加速度データや3軸の角速度データが含まれる。左慣性センサデータ365は、左コントローラ3の加速度センサ104や角速度センサ105の慣性センサの検出結果を示すデータである。
【0129】
図20に戻り、2P操作データ307は、上記第2のプレイヤが操作するコントローラから得られるデータである。すなわち、第2のプレイヤが行った操作内容を示すデータである。そのデータ構成は、上記1P操作データ306と同じであるため、説明は割愛する。
【0130】
関連オブジェクトデータ308は、上記関連オブジェクトに関するデータである。関連オブジェクトデータ308は、
図24に示すような項目を含むレコードの集合で構成されるデータベースである。
図24において、各レコードは、関連オブジェクトID381、現在位置382、現在姿勢383、関連キャラ状態384、関連移動パラメータ385、所属隊列386、等の項目を含む。関連オブジェクトID381は、各関連オブジェクトを一意に識別するためのIDである。現在位置382および現在姿勢383は、仮想ゲーム空間内における関連オブジェクトの現在位置と現在姿勢を示す情報である。関連キャラ状態384は、その関連オブジェクトの現在の状態(例えば待機中、移動中、投擲中等)を示す情報である。関連移動パラメータ385は、その関連オブジェクトを移動制御する際に用いられる各種のパラメータである。所属隊列386は、その関連オブジェクトが現在所属している隊列(関連付けられているPC)を示す情報である。所属隊列386には、例えば、「1Pキャラ」、「2Pキャラ」、「無所属」のいずれかが設定される。
【0131】
図20に戻り、その他のオブジェクトデータ309は、PCや上記関連オブジェクト以外の各種のオブジェクト(例えば敵キャラクタ)のデータである。
【0132】
共同化フラグ310は、現在、上記共同型プレイヤオブジェクトの状態であるか否かを示すためのフラグである。また、上記操作モードが個別操作モードか共同操作モードかを示すフラグでもある。共同型プレイヤオブジェクト状態である間は、オンが設定される。また、共同化フラグ310がオンの場合は、操作モードが共同操作モードであることを示すことになる。
【0133】
操作対象情報311は、シングルプレイモードにおいて用いられるデータであり、プレイヤの現在の操作対象を示す情報である、本実施形態では、1Pキャラ201、2Pキャラ211、共同型プレイヤオブジェクトのいずれかを示す情報が設定される。なお、シングルプレイモードによるゲームの開始時は、1Pキャラ201が操作対象情報311に設定される。
【0134】
その他、ゲーム処理に必要な各種データも適宜生成され、DRAM85に格納される。
【0135】
[プロセッサ81が実行する処理の詳細]
次に、本実施形態におけるゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは主に、上記のような移動操作に関する制御について説明し、その他の各種ゲーム処理については詳細な説明は割愛する。また、先にマルチプレイモードの処理に関して説明した後、シングルプレイモードの処理について説明する。また、以下に示すフローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0136】
[マルチプレイモードの処理の詳細]
図25は、本実施形態に係るマルチプレイモード処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートに係る処理は、例えば、所定のメニューからマルチプレイを開始するための操作が行われたことに応じて開始される。また、
図25のステップS1~S8の処理ループは、1フレーム毎に繰り返し実行される。
【0137】
[1P側操作処理]
ゲームのプレイが開始されると、まず、ステップS1で、プロセッサ81は、1P側操作処理を実行する。この処理では、第1のプレイヤの操作内容を1Pキャラ201等の動作に反映させるための処理が行われる。
図26は、当該1P側操作処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS21で、プロセッサ81は、1P左スティック処理を実行する。この処理では、第1のプレイヤによる左スティック操作に基づいた処理、すなわち、上記第1操作方法および第3操作方法に基づく処理が行われる。
【0138】
図27は、当該1P左スティック処理の詳細を示すフローチャートである。
図27において、まず、ステップS31で、プロセッサ81は、1P操作データ306から左スティックデータ363を取得する。次に、ステップS32で、プロセッサ81は、左スティックデータ363に基づき、左スティック32に対する入力があるか否かを判定する。当該判定の結果、入力されていない場合は(ステップS32でNO)、プロセッサ81は、1P左スティック処理を終了する。
【0139】
一方、左スティック32に対して何らかの入力が行われていた場合は(ステップS32でYES)、次に、ステップS33で、プロセッサ81は、左スティックデータ363で示される入力内容に基づき、1P照準202の照準移動パラメータ342を設定する(第1操作方法に基づく処理となる)。
【0140】
次に、ステップS34で、プロセッサ81は、共同化フラグ310はオンであるか否かを判定する。オンである場合は(ステップS34でYES)、プロセッサ81は、1P左スティック処理を終了する。つまり、共同化フラグ310がオンの場合は、操作モードは共同操作モードということになるため、第1のプレイヤに関しては第1操作方法に基づく処理だけ行うことになる。
【0141】
一方、共同化フラグ310がオンではない場合は(ステップS34でNO)、引き続いて上記第3操作方法に基づく処理も行われる。まず、ステップS35で、プロセッサ81は、今回の入力に係る左スティック32の傾きの大きさ(傾き角度)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。すなわち、ある程度大きな傾き入力が行われたか否かが判定されることになる。当該判定の結果、所定の閾値以上ではない場合は(ステップS35でNO)、プロセッサ81は、1P左スティック処理を終了する。つまり、傾きが小さな入力の場合は、1Pキャラ201を移動させないような処理となる。
【0142】
一方、所定の閾値以上の傾き入力が行われている場合は(ステップS35でYES)、ステップS36で、プロセッサ81は、左スティックデータ363で示される入力内容に基づき、1Pキャラ201のPC移動パラメータ322を設定する(第3操作方法に基づく処理となる)。その結果、1P照準202、1Pキャラ201共に、左スティックデータ363で示される入力内容に基づいて移動制御され得る。その結果、両者の移動方向が結果的に一致する方向となり得る。例えば、1P照準202および1Pキャラ201が右方向に移動しているときに左スティック32が左方向に倒された場合、1P照準202は1Pキャラ201を素早く追い抜くようにして左方向に移動し、その後、1P照準202および1Pキャラ201共に、左方向に移動することになる。また、その移動速度について、左スティック32に対して所定の閾値以上の傾き入力が行われていれば、その傾きの大きさに応じて1P照準202および1Pキャラ201の移動速度も速くなる。つまり、移動速度について、1P照準202および1Pキャラ201とで相関関係があるといえる。そのため、1Pキャラ201と1P照準202とは、連動して移動する関係であるといえる。
【0143】
次に、ステップS37で、プロセッサ81は、1Pキャラ201のPC状態データ323に「移動中」を設定する。その後、プロセッサ81は、1P左スティック処理を終了する。
【0144】
図26に戻り、次に、ステップS22で、プロセッサ81は、Aボタン処理を実行する。この処理では、上記第2操作方法に基づく処理が行われる。
図28は、当該Aボタン処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS41で、プロセッサ81は、1P操作データ306からデジタルボタンデータ361を取得する。
【0145】
次に、ステップS42で、プロセッサ81は、Aボタン53に対する入力があるか否かを判定する。当該判定の結果、Aボタン入力がない場合は(ステップS42でNO)、プロセッサ81は、Aボタン処理を終了する。
【0146】
一方、Aボタン入力があった場合は(ステップS42でYES)、上記投擲アクションを実行するための処理が行われる。まず、ステップS43で、プロセッサ81は、投擲する関連オブジェクトを選択する。この際、共同型プレイヤオブジェクトの状態であれば(共同操作モードの場合)、2Pキャラ211の隊列の中から投擲する関連オブジェクトが選択される。上記のように、共同型プレイヤオブジェクトとなった際、1P関連オブジェクト203は2P関連オブジェクト213に合算されるため、共同型プレイヤオブジェクトである間は、2P関連オブジェクト213が投擲アクションの対象となる。一方、共同型プレイヤオブジェクトの状態でなければ(個別操作モードの場合)、各PCに対応する隊列の中から、投擲する関連オブジェクトが選択される。例えば、1Pキャラ201が投擲アクションを行う場合は、1P関連オブジェクト203の中から選択されることになる。なお、投擲対象とする関連オブジェクトの選択手法はどのような手法でもよいが、例えば1Pキャラ201の一番近くにいる関連オブジェクトを選択してもよい。
【0147】
次に、ステップS44で、プロセッサ81は、1P照準202の現在位置が投擲の移動先(着地点)となるように、投擲対象の関連オブジェクトに係る関連移動パラメータ385を設定する。例えば、当該移動先に放物線を描いて移動するような移動軌跡が当該関連移動パラメータ385に設定される。
【0148】
次に、ステップS45で、プロセッサ81は、当該選択された関連オブジェクトの関連キャラ状態384に、投擲によって当該関連オブジェクトが上記移動先に向けて移動中の状態であることを示す「投擲中」を設定する。その後、プロセッサ81は、Aボタン処理を終了する。
【0149】
[共同化関連処理]
図26に戻り、次に、ステップS23で、プロセッサ81は、共同化関連処理を実行する。当該処理では、主に、上記共同化操作および共同化の解除操作(いずれもYボタン56の操作)に関する処理が実行される。
図29は、当該共同化関連処理の詳細を示すフローチャートである。
図29において、まず、ステップS51で、プロセッサ81は、共同化フラグ310がオンか否かを判定する。当該判定の結果、オフの場合は(ステップS51でNO)、ステップS52で、プロセッサ81は、共同化制御処理を実行する。一方、オンの場合は(ステップS51でYES)、ステップS53で、プロセッサ81は、解除制御処理を実行する。その後、プロセッサ81は、共同化関連処理を終了する。以下、共同化制御処理および解除制御処理について説明する。
【0150】
[共同型プレイヤオブジェクトになるときの処理]
図30は、上記ステップS52に係る共同化制御処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS61で、プロセッサ81は、1Pキャラ201のPC状態データ323を参照し、PC状態が「共同化途中」か否かを判定する。当該判定の結果、1Pキャラ201の状態が「共同化途中」ではない場合は(ステップS61でNO)、ステップS62で、プロセッサ81は、1P操作データ306のデジタルボタンデータ361を参照し、上記共同化操作が行われたか否かを判定する。本実施形態では、上記のように、1Pキャラ201の近くに2Pキャラ211がいる状態でYボタン56が押された場合に、共同化操作が行われたと判定される。当該判定の結果、共同化操作が行われていない場合は(ステップS62でNO)、プロセッサ81は、共同化制御処理を終了する。一方、共同化操作が行われた場合は(ステップS62でYES)、ステップS63で、プロセッサ81は、1Pキャラ201が上記共同化動作に係る動きを行うように、1Pキャラ201のPC移動パラメータ322が設定される。本例では、上記のように1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中に飛び乗るような移動軌跡が当該PC移動パラメータ322に設定される。
【0151】
次に、ステップS64で、プロセッサ81は、1Pキャラ201および2Pキャラ211それぞれのPC状態データ323に、「共同化途中」を設定する。その後、プロセッサ81は、共同化制御処理を終了する。
【0152】
一方、上記ステップS61の判定の結果、1Pキャラ201のPC状態が「共同化途中」である場合は(ステップS61でYES)、次に、ステップS65で、プロセッサ81は、上記共同化動作が完了したか否かを判定する。本例の場合は、1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中まで移動したか否かが判定される。当該判定の結果、共同化動作がまだ完了していない場合は(ステップS65でNO)、プロセッサ81は、共同化制御処理を終了する(この後の処理で、実行中の共同化動作に係るアニメーションが継続されることになる)。一方、共同化動作が完了した場合は(ステップS65でYES)、ステップS66で、プロセッサ81は、1Pキャラ201のPC状態データ323に「騎乗中」を設定する。また、プロセッサ81は、2Pキャラ211のPC状態データ323に「待機中」を設定する。そのため、本例では、共同型プレイヤオブジェクトの状態になった直後は、2Pキャラ211は一旦「待機中」状態となる。
【0153】
次に、ステップS67で、プロセッサ81は、共同化フラグ310をオンに設定する。
【0154】
次に、1P関連オブジェクト203を2Pキャラ211の隊列に加えるための処理が行われる。まず、ステップS68で、プロセッサ81は、1P関連オブジェクト203が2Pキャラ211の隊列に加わる動きを行うよう、各1P関連オブジェクト203の関連移動パラメータ385を設定する。また、これに伴い、プロセッサ81は、関連キャラ状態384に「移動中」を設定する。更に、ステップS69で、プロセッサ81は、1P関連オブジェクト203の所属隊列386を、「2Pキャラ」に変更する。
【0155】
なお、上記1P関連オブジェクト203を2Pキャラ211の隊列に加えるための処理については、共同化動作の完了時に行うことに限らず、共同化操作が行われた時点で開始するようにしてもよい。
【0156】
次に、ステップS70で、プロセッサ81は、2P照準データ305の可視フラグ343にオフを設定する。すなわち、共同型プレイヤオブジェクトの状態のときは2P照準212が表示されないような設定が行われる。その後、プロセッサ81は、共同化制御処理を終了する。
【0157】
[共同型プレイヤオブジェクトを解除するときの処理]
次に、上記ステップS53に係る解除制御処理について説明する。
図31は、当該解除制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図31において、まず、ステップS81で、プロセッサ81は、1Pキャラ201のPC状態データ323を参照し、PC状態が「解除途中」であるか否かを判定する。当該判定の結果、「解除途中」ではない場合は(ステップS81でNO)、ステップS82で、プロセッサ81は、1P操作データ306のデジタルボタンデータ361を参照し、上記解除操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、解除操作が行われていない場合は(ステップS82でNO)、プロセッサ81は、解除制御処理を終了する。
【0158】
一方、解除操作が行われた場合は(ステップS82でYES)、ステップS83で、プロセッサ81は、1Pキャラ201が上記解除動作を行うようにPC移動パラメータ322を設定する。本例では、1Pキャラ201が2Pキャラ211の背中から飛び降りる移動軌跡となるようなPC移動パラメータ322が設定される。
【0159】
次に、ステップS84で、プロセッサ81は、1Pキャラ201および2Pキャラ211それぞれのPC状態データ323に、「解除途中」を設定する。その後、プロセッサ81は、解除制御処理を終了する。
【0160】
一方、上記ステップS81の判定の結果、1Pキャラ201のPC状態が「解除途中」である場合は(ステップS81でYES)、次に、ステップS85で、プロセッサ81は、解除動作が完了したか否かが判定される。本例では、2Pキャラ211の背中から飛び降りた1Pキャラ201が着地することで、解除動作が完了したと判定される。当該判定の結果、解除動作がまだ完了していない場合は(ステップS85でNO)、プロセッサ81は、解除制御処理を終了する(この後の処理で、実行中の解除動作に係る動きが継続されることになる)。一方、解除動作が完了した場合は(ステップS85でYES)、次に、ステップS86で、プロセッサ81は、プロセッサ81は、1Pキャラ201、2Pキャラ211のPC状態データ323に「待機中」を設定する。そのため、本例では、共同型プレイヤオブジェクトの状態を解除した直後は、1Pキャラ201、2Pキャラ211共に、一旦「待機中」の状態となる。
【0161】
次に、ステップS87で、プロセッサ81は、共同化フラグ310をオフに設定する。
【0162】
次に、ステップS88で、プロセッサ81は、2P照準データ305の可視フラグ343にオンを設定する。これにより、共同型プレイヤオブジェクト状態の解除に伴い、2P照準212が画面に表示されるようになる。その後、プロセッサ81は、解除制御処理を終了する。
【0163】
[その他の操作に基づく処理]
図26に戻り、共同化関連処理の次に、ステップS24で、プロセッサ81は、その他の操作に基づく処理を実行する。この処理では、上述した左スティック操作、Aボタン操作、Yボタン操作(共同化とその解除操作)以外の操作に基づく処理が適宜実行される。例えば、Bボタン54の押下があれば、自身の隊列の関連オブジェクトを1カ所に集合させる処理が行われる。その後、プロセッサ81は、1P側操作処理を終了する。
【0164】
[2P側の処理]
図25に戻り、次に、ステップS2で、プロセッサ81は、2P側操作処理を実行する。この処理では、第2のプレイヤの操作内容を2Pキャラ211等の動作に反映させるための処理が行われる。
図32は、当該2P側操作処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS91で、プロセッサ81は、2P左スティック処理を実行する。この処理では、第2のプレイヤによる左スティック操作に基づいた処理が行われる。すなわち、上記第1操作方法、第3操作方法、および第4操作方法に基づく処理が行われる。
【0165】
図33は、当該2P左スティック処理の詳細を示すフローチャートである。
図33において、まず、ステップS101で、プロセッサ81は、2P操作データ307から左スティックデータ363を取得する。次に、ステップS102で、プロセッサ81は、左スティックデータ363に基づき、左スティック32に対する入力があるか否かを判定する。当該判定の結果、入力されていない場合は(ステップS102でNO)、プロセッサ81は、2P左スティック処理を終了する。
【0166】
一方、左スティック32に対して何らかの入力が行われていた場合は(ステップS102でYES)、次に、ステップS103で、プロセッサ81は、共同化フラグ310がオンか否かを判定する。当該判定の結果、共同化フラグ310がオンではない場合は(ステップS103でNO)、現在の操作モードは個別操作モードということになる。この場合は、第2のプレイヤの左スティック操作に基づき、2P照準212および2Pキャラ211を移動させるための処理が行われる。具体的には、まず、ステップS104で、プロセッサ81は、左スティックデータ363で示される入力内容に基づき、2P照準212の照準移動パラメータ342を設定する(第1操作方法に基づく処理となる)。
【0167】
次に、ステップS105で、プロセッサ81は、今回の入力に係る左スティック32の傾きの大きさ(傾き角度)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。当該判定の結果、所定の閾値以上ではない場合は(ステップS105でNO)、プロセッサ81は、2P左スティック処理を終了する。
【0168】
一方、所定の閾値以上の傾き入力が行われている場合は(ステップS105でYES)、ステップS106で、プロセッサ81は、左スティックデータ363で示される入力内容に基づき、2Pキャラ211のPC移動パラメータ322を設定する(第3操作方法に基づく処理となる)。なお、1Pキャラ201の場合と同様に、2Pキャラ211と2P照準212の移動方向は一致する結果となり、また、両者の移動速度も相関関係があるといえる。そのため、2Pキャラ211と2P照準212も、連動して移動する関係にあるといえる。
【0169】
次に、ステップS107で、プロセッサ81は、2Pキャラ211のPC状態データ323に「移動中」を設定する。その後、プロセッサ81は、2P左スティック処理を終了する。
【0170】
一方、上記ステップS103の判定の結果、共同化フラグ310がオンの場合は(ステップS103でYES)、現在の操作モードは共同操作モードということになる。この場合は、第2のプレイヤの左スティック操作に基づき、共同型プレイヤオブジェクトを移動させるための処理が行われる。まず、ステップS108で、プロセッサ81は、左スティックへの入力内容に基づき、2Pキャラ211のPC移動パラメータ322を設定する。続くステップS109で、プロセッサ81は、2Pキャラ211との相対的位置関係を保ったまま(つまり、背中に乗せたまま)1Pキャラ201が移動するように、1Pキャラ201のPC移動パラメータ322を設定する。すなわち、2Pキャラ211と同じ移動方向、移動速度がPC移動パラメータ322に設定される。
【0171】
次に、ステップS110で、プロセッサ81は、左スティックデータ363で示される入力内容に基づき、2P照準212の照準移動パラメータ342を設定する。つまり、共同型プレイヤオブジェクトの状態においても、第2のプレイヤの左スティック操作で2P照準212の移動制御自体は行われる。但し、上記のように共同型プレイヤオブジェクトの状態では2P照準212は不可視の状態であるため、画面には表示されないことになる。その後、プロセッサ81は、2P左スティック処理を終了する。
【0172】
図32に戻り、次に、ステップS92で、プロセッサ81は、共同化フラグ310がオンか否かを判定する。当該判定の結果、オンではない場合は(ステップS92でNO)、操作モードは個別操作モードということになるため、ステップS93で、プロセッサ81は、Aボタン処理を実行する。すなわち、第2のプレイヤの投擲アクション操作に応じた処理が行われる(上記第2操作方法に基づく処理)。当該処理は、上記ステップS22と同様の処理であるため、詳細説明は省略する。一方、共同化フラグ310がオンの場合は(ステップS92でYES)、上記ステップS93の処理はスキップされる。つまり、共同型プレイヤオブジェクトの状態である間(操作モードは共同操作モードのとき)は、第2のプレイヤは、2Pキャラ211に上記投擲アクションを行わせることができない状態となる。
【0173】
次に、ステップS94で、プロセッサ81は、その他の操作に基づく処理を実行する。すなわち、第2のプレイヤに関して、上記第1~第4操作方法以外の操作に基づく処理が実行される例えば、上記「ジャンプ」等の固有アクションを指示する操作があれば、固有アクションを2Pキャラ211に行わせるための処理が適宜実行される。その後、プロセッサ81は、2P側操作処理を終了する。
【0174】
[照準の移動制御処理]
図25に戻り、次に、ステップS3で、プロセッサ81は、照準移動制御処理を実行する。
図34は、当該照準移動制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図34において、まず、ステップS121で、プロセッサ81は、共同化フラグ310がオンか否かを判定する。オフの場合は(ステップS121でNO)、後述のステップS124に処理が進められる。一方、オンの場合は(ステップS121でYES)、共同型プレイヤオブジェクトの状態において、1P照準202と共同型プレイヤオブジェクトとの距離が離れすぎないように調整するための処理が行われる。上記第4操作方法によって共同型プレイヤオブジェクト(2Pキャラ211)を直接的に移動させる場合、1P照準202と連動する動きとはならない場合もある。例えば、1P照準202の移動方向と共同型プレイヤオブジェクトの移動方向が真逆となった場合に、両者間の距離が広がりすぎる虞がある。このような場合を想定して、両者間の距離が一定以上の距離とならないように調整する処理が行われる。まず、ステップS122で、プロセッサ81は、1P照準202と共同型プレイヤオブジェクトとの間の距離が所定の閾値を超えているか否かを判定する。当該判定の結果、超えている場合は(ステップS122でYES)、ステップS123で、プロセッサ81は、両者間の距離が当該所定の閾値を超えないような位置に1P照準202が移動するように、1P照準202の照準移動パラメータ342を調整する。その後、後述のステップS124に処理が進められる。
【0175】
一方、上記ステップS122の判定の結果、1P照準202と共同型プレイヤオブジェクトとの間の距離が所定の閾値を超えていない場合は(ステップS122でNO)、上記ステップS123の処理はスキップされる。
【0176】
次に、ステップS124で、プロセッサ81は、1P照準202、2P照準212それぞれに設定されている照準移動パラメータ342に基づき、各照準を移動させる(但し、共同型プレイヤオブジェクトの状態のときは2P照準212は表示されない)。その後、プロセッサ81は、照準移動制御処理を終了する。
【0177】
[各PCの移動制御処理]
図25に戻り、次に、ステップS4で、プロセッサ81は、PC移動制御処理を実行する。
図35は、当該PC移動制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図35において、まず、ステップS131で、プロセッサ81は、プロセッサ81は、各PCに設定されているPC移動パラメータ322に基づいて、各PCを移動させる。
【0178】
次に、ステップS132で、プロセッサ81は、各PCのPC状態に応じたアニメーションの再生制御を行う。例えば、PC状態が「移動中」であれば、走っている動きのアニメーションが再生される。また例えば、PC状態が「共同化途中」であれば、1Pキャラ201は2Pキャラ211に飛び乗る動きのアニメーションが再生される。2Pキャラ211は、例えばその場で待機するアニメーションが再生される。また、PC状態が「解除途中」であれば、1Pキャラ201については2Pキャラ211から飛び降りて地面に着地する動きのアニメーションが再生される。2Pキャラ211は、この場合もその場で待機するアニメーションが再生される。更に、プロセッサ81は、例えば1Pキャラ201の移動が終了した場合に、1Pキャラ201のPC状態を「移動中」から「待機中」に変更する等、PCが行った所定のアクションの終了に伴って、PC状態を適宜他の状態に遷移させる制御も行う。その後、プロセッサ81は、PC移動制御処理を終了する。
【0179】
上記のような移動制御によって、上記個別操作モードでは、各照準と各PCとが連動して移動するような制御が行われる。その一方で、共同操作モードでは、照準と共同型プレイヤオブジェクトとは、その移動が連動していないような制御が行われることになる。ここで、当該連動に関して補足する。例えば、共同操作モードにおいて、第1のプレイヤは照準操作をしておらず、第2のプレイヤのみが共同型プレイヤオブジェクトの移動操作を行っている場合を想定する。この場合、上記の処理によって、1P照準202と共同型プレイヤオブジェクトとの相対的な位置関係が保たれたまま1P照準202も移動するという結果になるが、この態様は、上述のような連動した移動には該当しない。共同型プレイヤオブジェクトの移動方向が変更されても、共同プレイヤオブジェクトを基準とした1P照準202の方向は変化しないためである。
【0180】
[関連オブジェクトの動作制御]
図25に戻り、次に、ステップS5で、プロセッサ81は、関連オブジェクト動作制御処理を実行する。プロセッサ81は、各関連オブジェクトに設定されている関連移動パラメータ385に基づき関連オブジェクトを移動させる処理を行う。また、プロセッサ81は、各関連オブジェクトの関連キャラ状態384に応じたアニメーションも再生する。その他、プロセッサ81は、必要に応じて、関連オブジェクトに所定のアクション(攻撃行動など)を行わせる制御も行う。
【0181】
[その他のゲーム処理]
次に、ステップS6で、プロセッサ81は、上記以外の各種のゲーム処理を実行する。例えば、所定の敵キャラクタの行動を制御する処理等が行われる。
【0182】
[ゲーム画像の出力]
次に、ステップS7で、プロセッサ81は、ゲーム画像出力制御処理を実行する。すなわち、プロセッサ81は、上記のゲーム処理が反映された仮想ゲーム空間を仮想カメラで撮像し、ゲーム画像を生成する。そして、プロセッサ81は、当該ゲーム画像を上記据え置き型モニタ等に出力する。
【0183】
次に、ステップS8で、プロセッサ81は、ゲーム処理の終了条件が満たされたか否かを判定する。例えば、プレイヤによるゲーム終了指示操作があったか否かを判定する。その結果、終了条件が満たされていなければ(ステップS8でNO)、上記ステップS1に戻り、処理が繰り返される。終了条件が満たされていれば(ステップS8でYES)、プロセッサ81は、当該マルチプレイモード処理を終了する。
【0184】
[シングルプレイモードの処理の詳細]
次に、シングルプレイモードにおける処理の詳細について説明する。
図36は、本実施形態に係るシングルプレイモード処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートに係る処理は、例えば、所定のメニューからシングルプレイを開始するための操作が行われたことに応じて開始される。なお、シングルプレイモードの処理の一部には、上記マルチプレイモードの処理と同様の処理が含まれている。そのため、このような処理については詳細説明は省略する。
【0185】
図36において、まず、ステップS141で、プロセッサ81は、シングルモード操作処理を実行する。
図37は、当該シングルモード操作処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS151で、プロセッサ81は、1P操作データ306に基づき、操作対象の切り替え操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、操作対象切り替え操作が行われていた場合は(ステップS151でYES)、ステップS152で、プロセッサ81は、共同化フラグ310がオンか否かを判定する。つまり、現在、共同型プレイヤオブジェクトの状態か否かを判定する。当該判定の結果、共同化フラグ310がオンの場合は(ステップS152でYES)、プロセッサ81はシングルモード操作処理を終了する。つまり、操作対象が共同型プレイヤオブジェクトとなっている間は、切り替え操作は事実上受け付けられないことになる。
【0186】
一方、共同化フラグ310がオンではない場合は(ステップS152でNO)、ステップS153で、プロセッサ81は、操作対象情報311を参照して現在の操作対象のPCを特定する。そして、当該PCのPC状態データ323に「待機中」に設定する。
【0187】
次に、ステップS154で、プロセッサ81は、1Pキャラ201と2Pキャラ211との間で操作対象を切り替える処理を行う。すなわち、プロセッサ81は、操作対象情報311の内容を、現在の操作対象ではないほうのPCに変更することで、操作対象を切り替える。また、これに伴い、プロセッサ81は、照準の表示/非表示を切り替える処理も行う。すなわち、プロセッサ81は、切り替え前の操作対象のPCに係る可視フラグ343にオフを設定し、切り替え後の操作対象のPCの可視フラグ343にオンを設定する。
【0188】
次に、ステップS155で、プロセッサ81は、当該操作対象の切り替え後に伴う仮想カメラの設定を行う。すなわち、プロセッサ81は、切り替え後の操作対象のPCが画面の略中央に映るように、仮想カメラの位置を移動させる。あるいは、各PCに対応づけて仮想カメラを用いているような場合は、例えば、切り替え後の操作対象のPCに係る仮想カメラを有効化し、切り替え前のPCの仮想カメラを無効化する。いずれにせよ、操作対象の切り替え後のPCにフォーカスされたようなゲーム画像が表示されるよう、仮想カメラの設定が行われればよい。その後、プロセッサ81は、シングルモード操作処理を終了する。
【0189】
次に、上記ステップS151の判定の結果、切り替え操作が行われていない場合の処理について説明する。この場合は、コントローラの入力に基づき、現在の操作対象PCを操作するための処理が実行される。まず、ステップS156で、プロセッサ81は、左スティック処理(シングル)を実行する。
図38は、当該左スティック処理(シングル)の詳細を示すフローチャートである。この処理は、上記マルチプレイモードにおける1P左スティック処理(
図27参照)から、上記ステップS34の処理を省いたものとほぼ同様の処理が実行される。また、1P左スティック処理で制御対象としていた1Pキャラ201の代わりに、そのときの操作対象となっているPCを制御対象とする処理となっている。そのため、詳細な説明は割愛するが、
図38のステップS161~S163では、上記
図27のステップS31~S33と同様に、上記第1の操作方法による照準の移動制御を行う。また、ステップS164~S166の処理では、上記ステップS35~S37と同様に、操作対象のPCを上記第3操作方法によって移動させる制御が行われる。なお、操作対象が共同型プレイヤオブジェクトである場合は、1P照準202と、(1Pキャラを乗せている)2Pキャラ211(つまり、共同型プレイヤオブジェクト)が連動して移動するような制御となる。換言すれば、シングルプレイモードでは、共同型プレイヤオブジェクトになっているときと、そうではないときとで、プレイヤが行う操作性は変わらないと言える。いずれの場合も、左スティックの操作で操作対象のPCと照準とが連動するように移動するという制御になるためである。
【0190】
図37に戻り、次に、ステップS157で、プロセッサ81は、Aボタン処理を実行する。当該処理は、現在の操作対象PC(共同型プレイヤオブジェクトの状態であれば、共同型プレイヤオブジェクトになる)を制御対象とする点を除き、上記マルチプレイモードにおけるAボタン処理(
図28参照)と同様の処理が行われる(第2操作方法による処理)。そのため、ここでは詳細説明は割愛するが、当該処理では、Aボタン53の入力に応じて、操作対象PCに投擲アクションを行わせる制御が行われる。
【0191】
次に、ステップS158で、プロセッサ81は、共同化関連処理を実行する。当該処理も、基本的には、上記マルチプレイモードにおけるステップS23の共同化関連処理と同様の処理が行われる。但し、上記
図30で示したような共同化制御処理の代わりに、
図39に示すような共同化制御処理(シングル)が実行される。また、
図31で示したような解除制御処理の代わりに、
図40に示すような解除制御処理(シングル)が実行される。以下、それぞれの処理について説明する。
【0192】
まず、
図39に示す共同化制御処理(シングル)について説明する。基本的には、上記
図30で示した共同化制御処理とほぼ同様の処理が行われる、具体的には、
図39のステップS171~S180までの処理は、上記
図30のステップS61~S70の処理と同様の処理が行われる。但し、ステップS172における「共同化操作」の判定について、操作対象が2Pキャラ211であるときは、2Pキャラ211が1Pキャラ201にある程度近くにいる状態でYボタン56が押された場合に、共同化操作が行われたと判定される。なお、他の実施形態では、2Pキャラ211を操作対象としているときは共同化操作は受け付けないような制御としてもよい。つまり、マルチプレイモードの場合と同様に、シングルプレイモードにおいても、共同化操作は1Pキャラ201側からしかできないように構成してもよい。また、ステップS180の処理において、1P照準202が不可視の状態であれば、1Pキャラ201の可視フラグ343にオンを設定する処理も適宜行われる。
【0193】
また、シングルプレイモードの場合は、
図39のステップS181の処理が更に行われる。ステップS181では、プロセッサ81は、操作対象情報311「共同型プレイヤオブジェクト」を設定する。つまり、共同化動作が完了すれば、操作対象を「共同型プレイヤオブジェクト」とする処理が行われる。
【0194】
次に、
図40に示す解除制御処理(シングル)について説明する。基本的には、上記
図31を用いて上述した解除制御処理とほぼ同様の処理が行われる、具体的には、
図40のステップS191~S197までの処理は、上記
図31のステップS81~S87の処理と同様の処理が行われる。一方、
図31におけるステップS88の処理、すなわち、2P照準212の可視化はこの処理では行われない。また、ステップS198およびS199の処理は、マルチプレイモードにおける解除制御処理とは異なる。具体的には、ステップS198で、プロセッサ81は、2P関連オブジェクトの所属する隊列を、1Pキャラ201の隊列に変更する。上記のようにシングルプレイモードの場合は、共同型プレイヤオブジェクトの状態を解除したとき、関連オブジェクトは1Pキャラ201の隊列に入ってついてくることになる。
【0195】
次に、ステップS199で、プロセッサ81は、操作対象情報311に1Pキャラ201を設定する。つまり、共同型プレイヤオブジェクトの状態を解除した直後は、自動的に1Pキャラ201が操作対象となる(そのため、上記2P照準212の可視化は行っていない)。その後、プロセッサ81は、解除制御処理(シングル)を終了する。
【0196】
図37に戻り、次に、ステップS159で、プロセッサ81は、その他の操作に基づく処理を実行する。当該処理では、上記左スティック32、Aボタン53、Yボタン56以外の操作に基づいた各種のゲーム処理が実行される。その後、プロセッサ81は、シングルモード操作処理を終了する。
【0197】
図36に戻り、次に、ステップS142で、プロセッサ81は、照準移動制御処理を実行する。この処理では、そのときの操作対象に係る照準を、照準移動パラメータ342に基づいて移動させる処理が行われる。
【0198】
次に、ステップS143で、プロセッサ81は、操作対象キャラ移動制御処理を実行する。この処理では、そのときの操作対象であるPC(1Pキャラ201、2Pキャラ211、共同型プレイヤオブジェクトのいずれか)をPC移動パラメータ322に基づいて移動させる処理が行われる。
【0199】
次に、ステップS144で、プロセッサ81は、関連オブジェクト動作制御処理を実行する。すなわち、上記ステップS5の処理と同様に、関連オブジェクトの動作を制御する処理が行われる。
【0200】
次に、ステップS145で、プロセッサ81は、上記以外の各種のゲーム処理を実行する。続くステップS146で、プロセッサ81は、ゲーム画像出力制御処理を実行する。すなわち、プロセッサ81は、上記のゲーム処理が反映されたゲーム画像を生成して出力する。
【0201】
次に、ステップS147で、プロセッサ81は、ゲーム処理の終了条件が満たされたか否かを判定する。終了条件が満たされていなければ(ステップS147でNO)、上記ステップS141に戻り、処理が繰り返される。終了条件が満たされていれば(ステップS147でYES)、プロセッサ81は、当該シングルプレイモード処理を終了する。
【0202】
以上で、本実施形態に係るマルチプレイモードおよびシングルプレイモードに係るゲーム処理の詳細説明を終了する。
【0203】
このように、本実施形態では、マルチプレイモードにおいては、上記照準およびPCの移動に関して、上記個別操作モードおよび共同操作モードの2種類の操作方法を提供している。個別操作モードのときは、プレイヤは照準の操作およびPCの移動操作の2つの操作を意識してコントローラを操作する必要があるが、共同操作モードになれば、いずれか一方の操作だけを行えばよい状態となる。そのため、共同操作モードによる操作を用いることで、操作の容易性を向上できる。また、いずれの場合も、左スティック32を用いた操作を提供しており、個別操作モードおよび共同操作モードとで、共通的な操作性を提供している。そのため、個別操作モードと共同操作モードとで操作モードが切り替わっても、当該切り替え前後に渡って、操作に戸惑うことなくゲームプレイを継続させることができる。
【0204】
[変形例]
なお、上記実施形態では、2P照準212の操作について、PCが共同型プレイヤオブジェクトの状態のときでも、左スティック入力に基づいて、不可視の状態の2P照準212の移動自体は行う例を挙げていた。他の実施形態では、共同型プレイヤオブジェクトの状態のときは、左スティック32の入力を2P照準212の移動に反映しないようにしてもよい。すなわち、共同型プレイヤオブジェクトの状態のときは2P照準212の移動制御処理を行わないようにしてもよい。これにより、共同型プレイヤオブジェクトの状態のときの処理負荷を軽減することができる。
【0205】
また、他の実施形態では、シングルプレイモードの場合、2Pキャラ211については、「リーダー」にも「メンバー」にもなり得るようにしてもよい。そして、上記共同化を解除した際、1Pキャラ201の隊列の「メンバー」として2Pキャラ211を加えるようにしてもよい。これにより、共同化の解除後、1Pキャラ201の移動に追従して2Pキャラ211を移動させることもできる。つまり、1Pキャラ201と2Pキャラ211を一緒に移動させることも可能となり、シングルプレイモード時におけるプレイヤの利便性やプレイの快適さを向上できる。
【0206】
また、上記実施形態では、関連オブジェクトの一例として生物的なオブジェクトである場合を例示した。この他、関連オブジェクトとして、武器等の非生物的なオブジェクトを上記関連オブジェクトとして扱ってもよい。
【0207】
また、上記実施形態では、PCが共同型プレイヤオブジェクトになる際、1P関連オブジェクト203を2P関連オブジェクト213に合算する例を挙げた。他の実施形態では、合算ではなく、1P関連オブジェクト203と2P関連オブジェクト213を「合体」あるいは「合成」させて、(外観が異なる)新たな関連オブジェクト(合体関連オブジェクト)となるような制御を行ってもよい。例えば、1P関連オブジェクト203を2P関連オブジェクト213と合体させて、通常の関連オブジェクトよりも大きなサイズで、その外観も異なる合体関連オブジェクトとしてもよい。また、その他、関連オブジェクトが例えば武器等の非生物的なオブジェクトであれば、1P関連オブジェクト203である第1武器オブジェクトと、2P関連オブジェクト213である第2武器オブジェクトとが合成されて、第3の武器オブジェクトとして利用可能に構成してもよい。また、共同型プレイヤオブジェクトの状態が解除された場合は、関連オブジェクトの合体や合成も解除されるようにしてもよい。この際、関連オブジェクトの隊列への所属関係については、合体前の所属関係を復元するようにしてもよいし、1Pキャラ201の隊列(シングルプレイモードの場合)、または2Pキャラ211の隊列(マルチプレイモードの場合)のいずれか一方のみに所属させるようにしてもよい。そして、このような「合体」等させた関連オブジェクトの性能を「合体」等していない場合よりも向上させてもよい。例えば、通常の関連オブジェクトの状態ではできないような攻撃方法や攻撃手段を有するようにしてもよい。このように、関連オブジェクトに関して、「合体」や「合成」によって性能を向上させることで、共同型プレイヤオブジェクトを積極的に活用させる動機付けをプレイヤに提供でき、また、ゲームの興趣性を向上できる。
【0208】
また、上記実施形態では、シングルプレイモードの場合であって、上記共同化を解除した際、1Pキャラ201が操作対象となり、2P関連オブジェクト213が全て1P関連オブジェクト203となる例を挙げた。他の実施形態では、シングルプレイモードで上記共同化を解除した際、上記2Pキャラ211のほうを操作対象とし、2P関連オブジェクト213の所属関係は変更しないようにしてもよい。
【0209】
また、上記実施形態では、Yボタン56の操作で、共同化および共同化の解除操作を行う例を示した。他の実施形態では、このような操作を行うことなく共同化が可能な構成としてもよい。例えば、所定のゲージが溜まれば自動的に上記共同型プレイヤオブジェクトの状態となるようにしてもよい。また、共同化の解除についても、上記の操作を行うことなく解除可能としてもよい。例えば所定時間が経過したときに自動的に解除されるようにしてもよい。
【0210】
また、共同化の操作に関して、上記実施形態では、1Pキャラ201と2Pキャラ211がある程度近づいた状態でYボタン56が押下される例を示した。他の実施形態では、1Pキャラ201と2Pキャラ211との距離に関係無く、常時、共同化が可能な構成としてもよい。
【0211】
また、上記実施形態では、左スティック32の傾きが小さい入力によって照準を動かした場合、当該照準がPCから一定距離以上は離れないような制御を行っていた。この点、他の実施形態では、照準の移動を優先させ、当該一定距離以上とならないようにPCのほうを照準に向けて移動させる制御を行ってもよい。例えば、小さな傾け方で上記左スティックを操作し、照準だけを動かした結果、照準とPCとの間の相対的な距離が5m以上となった場合を想定する。このような場合、PCの位置を照準寄りに自動で移動させる制御を行い、両者間の距離が5m離れないような調整が行われてもよい。
【0212】
また、上記実施形態では、照準とPCとの相対的距離(位置関係)を保ったまま移動する例を挙げた。そのため、例えば、共同操作モードにおいて、第1のプレイヤは何も操作しておらず、第2のプレイヤのみが共同型プレイヤオブジェクトの移動操作を行っている場合でも、共同型プレイヤオブジェクトとの相対的な位置関係を保ったまま1P照準202が移動する場合もあった。この点、他の実施形態では、共同操作モードにおいて、相対的距離を保たずにそれぞれ移動可能な構成としてもよい。例えば、第1のプレイヤは何も操作しておらず、第2のプレイヤのみが共同型プレイヤオブジェクトの移動操作を行った場合、1P照準202の仮想空間内における位置は変化せずに、共同型プレイヤオブジェクトのみ移動するようにしてもよい。
【0213】
また、上記第2のプレイヤが共同型プレイヤオブジェクトを移動させる場合に、個別操作モードで考慮されていた、左スティック32の傾き角度の大きさについて考慮しないようにしてもよい。つまり、傾き角度の大小にかかわらず、左スティック32への入力が検出されれば、その入力に応じて共同型プレイヤオブジェクトを移動させる制御が行われてもよい。これにより、個別操作モードよりも細かい移動を行わせることが可能となる。つまり、左スティック32の傾きが小さくなるような繊細な操作によって、共同型プレイヤオブジェクトの位置の微調整を行うことも可能となる。この場合は、第2のプレイヤにとっては、このような微調整ができるという点で、共同操作モードにおける操作感は個別操作モードのときと若干変わり得ることになる。
【0214】
また、上記実施形態においては、ゲーム処理に係る一連の処理を単一の本体装置2で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、本体装置2は、プレイヤの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声として本体装置2にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0215】
1 ゲームシステム
2 本体装置
3 左コントローラ
4 右コントローラ
81 プロセッサ
84 フラッシュメモリ
85 DRAM