(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166062
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】光硬化型樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C09J 153/00 20060101AFI20231114BHJP
C09J 4/02 20060101ALI20231114BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
C09J153/00
C09J4/02
C09J11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076818
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】青谷 光
(72)【発明者】
【氏名】中里 紘也
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040DM001
4J040FA131
4J040GA05
4J040HB14
4J040HB18
4J040HB41
4J040KA13
4J040MA09
4J040MB03
4J040NA10
(57)【要約】
【課題】情報担持シートに代表されるラミネートシート等に使用することができ、光により硬化させて貼り合せ後、経時的に剥離力が急上昇することなく、安定した再剥離性を維持できる光硬化型の圧着樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アクリル系ブロック共重合体と、水酸基含有(メタ)アクリレートと、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートと、光重合開始剤と、を含み、前記アクリル系ブロック共重合体の配合量が固形分全量に対し2~10重量%であることを特徴とする光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系ブロック共重合体(A)と、水酸基含有(メタ)アクリレート(B)と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、前記(A)の配合量が固形分全量に対し2~10重量%であることを特徴とする光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)がメチルメタクリレートとブチルアクリレートのトリブロック共重合体エラストマーであることを特徴とする請求項1記載の光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物。
【請求項3】
更に反応性希釈剤(E)を含むことを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1又は2いずれか記載の光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物の硬化層を有する圧着用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線などの光により硬化する再剥離性が良好な圧着樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隠匿状態を保持した情報の送付には封書が用いられてきたが、現在はV型またはZ型のハガキの内側に情報を記載した上で接着し、隠匿状態を保った状態で郵送できるハガキが用いられるようになり、これらは一般に情報担持シートと総称されている。
【0003】
この情報担持シートに用いられる接着剤としては、剥離が容易であるが再接着が困難という特性が要求され、当初水性タイプのラテックスやエマルジョンが用いられており、過去に出願人も、酢酸ビニルエマルジョンと可塑剤と脂肪酸カルシウムからなる組成物を発明している(特許文献1)。しかしながら、こうした水性タイプの接着剤は、塗布後の乾燥に長時間が必要とされ、また基体となる紙が水分吸収により伸縮、反りが発生しやすい等の多くの問題があった。
【0004】
そのためこうした問題に対応できる接着剤として、短時間で硬化が可能な紫外線硬化接着剤が使用されるようになり、こちらについても過去に出願人はビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレートと、アルキレンオキサイド骨格のジ(メタ)アクリレートと、無官能アクリル系ポリマーと、光重合開始剤からなる組成物を発明している(特許文献2)。この組成物は、基材に塗布して硬化後に放置しても反りが発生しにくく、貼り合わせ工程で不具合が発生にしにくいという優れた特性を持っていた。しかしながら、貼り合わせ後に長時間放置した場合には、再剥離が困難になるまで剥離力が上昇する場合があり、経時的に剥離力が急上昇することなく、安定した再剥離性を維持できる光硬化性の接着剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5008934号公報
【特許文献2】特開2021-075614
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、情報担持シートに代表されるラミネートシート等に使用することができ、光により硬化させて貼り合せ後、経時的に剥離力が急上昇することなく、安定した再剥離性を維持できる圧着樹脂組成物を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため請求項1の発明は、アクリル系ブロック共重合体(A)と、水酸基含有(メタ)アクリレート(B)と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、前記(A)の配合量が固形分全量に対し2~10重量%であることを特徴とする光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物を提供する。
【0008】
請求項2の発明は、前記(A)がメチルメタクリレートとブチルアクリレートのトリブロック共重合体エラストマーであることを特徴とする請求項1記載の光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物を提供する。
【0009】
請求項3の発明は、更に反応性希釈剤(E)を含むことを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物を提供する。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は2いずれか記載の光硬化型再剥離性圧着樹脂組成物の硬化層を有する圧着用紙を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組成物は、基材に塗布後、光により硬化させて貼り合わせ後でも、経時的に剥離力が急上昇することなく安定した再剥離性を維持できるため、情報担持シート等に用いる圧着用の樹脂組成物として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の紫外線硬化樹脂組成物の構成は、アクリル系ブロック共重合体(A)と、水酸基含有(メタ)アクリレート(B)と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)と、光重合開始剤(D)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
【0013】
本発明に使用されるアクリル系ブロック共重合体(A)は、硬化反応に関与しない可塑剤的な成分であり、応力緩和により反りを低減し、適度な初期剥離力と糊残りのない剥離を可能とする役割を担う。「アクリル系」とは、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びそのエステル類、並びに、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体よりなる群から選ばれたモノマー由来の構成単位を少なくとも1つ含んでいることを意味するが、これらの中では(メタ)アクリル酸及びそのエステル類からなる共重合体が好ましい。
【0014】
前記(A)の構造としては、線状ブロック共重合体、分岐状(星状)ブロック共重合体等が挙げられるが、コスト面で線状ブロック共重合体が好ましい。また線状ブロック共重合体では、加工時の取り扱い容易性や組成物の物性、コストの点から、2種類のモノマー(A及びB)から構成されるジブロック共重合体(A-B)及びトリブロック共重合体(A-B-A)が更に好ましい
【0015】
前記(A)を構成するモノマーとしては、硬化樹脂の強度及び透明性が良好で、容易かつ安価に入手できる点からメチルメタクリレート(以下MMAという)が好ましい。また硬化樹脂が優れた柔軟性で良好な接着性を発現できる点からn-ブチルアクリレート(以下BAという)が好ましい。MMAとBAから構成されるブロック共重合体としては、例えばP(ポリ)MMAからなるハードセグメントと、P(ポリ)BAからなるソフトセグメントから構成され、ソフトセグメントの両端をハードセグメントで挟んだトリブロック構造(PMMA-PBA-PMMA)などが挙げられる。この構造であれば、PMMAが持つ透明性や耐候性と、PBAが持つ柔軟性や接着性を併せ持つという特徴がある。
【0016】
前記(A)がPMMA-PBA-PMMAのトリブロック共重合体である場合、MMAの共重合比率は、粘着力と再剥離性のバランスが適度となるよう、重量比で10~50%が好ましく、15~45%が更に好ましい。MMAの共重合比率を10%以上とすることで、粘着力が適度となり剥離した時に糊残りがしにくく十分な再剥離性を確保でき、50%以下とすることで硬度が高くなりすぎず十分な密着性を確保できる。
【0017】
前記(A)がPMMA-PBA-PMMAのトリブロック共重合体である場合、MMA比率の異なる共重合体を2種類以上組み合わせて使用しても良い。その場合の配合比率は、単独で使用する場合と同様にMMA比率が目安となり、異なる共重合体の各々のMMA比率に、その含有比率を掛け合わせた値の和が10~50重量%となることが好ましい(例えば、MMA比率50重量%の配合量が40%で、MMA比率30重量%の配合量が60%の場合は、50重量%×0.4+30重量%×0.6=38重量%)。
【0018】
前記(A)の重量分子量(以下Mwという)は、30,000~200,000が好ましく、50,000~150,000が更に好ましい、30,000以上とすることで十分な初期剥離力を確保することができ、200,000以下とすることでモノマー成分への十分な溶解性と、作業性に適した粘度を確保できる。なおMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、スチレンジビニルベンゼン基材の充填剤を用いたカラムでテトラハイドロフラン溶離液を用いて、標準ポリスチレン換算の分子量を測定、算出した。
【0019】
前記(A)の固形分全量に対する配合量は2.0~10重量%であり、3.0~9.0重量%が好ましく、4.0~8.0重量%が更に好ましい。2.0重量%未満では初期の剥離力が低い傾向があり、10重量%超では塗工に適した粘度に調整しづらくなる傾向がある。
【0020】
本発明に使用される水酸基含有(メタ)アクリレート(B)は、(A)成分を溶解すると共に、組成物の硬化性を向上させる目的で配合する。水酸基含有であれば特に限定されないが、硬化収縮の点で2官能以下が好ましく、単官能が更に好ましい。例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、(A)の溶解性が非常に優れる点で4-ヒドロキシブチルアクリレート(以下4HBAという)が好ましい。
【0021】
前記(B)の固形分全量に対する配合量は5~25重量%が好ましく、8~20重量%が更に好ましく、10~18重量%が特に好ましい。5重量%以上とすることで(A)の溶解性を十分確保することができ、25重量%以下とすることで十分な初期剥離力を確保することができる。
【0022】
本発明に使用されるエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)は、硬化性の向上と共に、経時的な剥離力上昇や、過度な硬化進行を抑制する目的で配合する。エチレンオキサイド(以下EOという)変性しているため低粘度で、可撓性も付与された硬化皮膜を形成できる。一分子あたりに付加されるEO変性の総数は、6~14が好ましく、8~12が更に好ましく、10が特に好ましい。
【0023】
前記(C)の固形分全量に対する配合量は30~55重量%が好ましく、35~50重量%が更に好ましく、38~45重量%が特に好ましい。30重量%以上とすること経時的な剥離力の上昇や、過度な硬化進行を十分に抑制することが可能となり、55重量%以下とすることで十分な相溶性と初期剥離力を確保することができる。
【0024】
本発明に使用される光重合開始剤(D)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等汎用の光重合開始剤が使用できる。重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α-ヒドロキシアセトフェノン系として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0025】
前記(D)の中では、黄変しにくいα-ヒドロキシアセトフェノン系を含むことが好ましい。市販品としてはOmnirad 184、Omnirad 2959(商品名:iGM社製)等が挙げられる。
【0026】
前記(D)の配合量は、光重合性成分100重量部に対して、5~15重量部配合することが好ましく、8~12重量部が更に好ましい。この範囲で配合する事により、過剰添加とならず、組成物を効率的に硬化させる事ができる。
【0027】
本発明の組成物には、更に反応性希釈剤(E)を含むことが好ましい。(E)を配合することで作業性に適した粘度に調整が可能となる。(E)は反応性と硬化収縮の兼ね合いにより2~4官能(メタ)アクリレートが好ましく、3官能(メタ)アクリレートが更に好ましい、また(A)、(B)、及び(C)との相溶性が良好な点で、アルキレンオキサイド変性のようなエーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(但し(C)を除く)が特に好ましい。
【0028】
前記(E)としては、例えばEO変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下POという)変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では反応性が高く、反りが発生しにくい点でグリセリンから誘導されたトリ(メタ)アクリレートが好ましく、入手性の点でPO変性グリセリントリアクリレートが更に好ましい。(E)の配合量としては、40重量%以下が好ましく、35重量%以下が更に好ましい。
【0029】
本発明の組成物には、性能を損なわない範囲で必要により、レベリング剤、粘着付与剤、酸化防止剤顔料、染料、光安定剤、消泡剤、紫外線吸収剤、及び濡れ性調整剤等の各種添加剤が含まれていても良い。
【0030】
レベリング剤にはポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等が有り単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では(C)との相溶性に優れるポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0031】
本組成物の25℃における粘度は、50~1,000mPa・sであることが好ましく、100~800mPa・sであることが更に好ましい。50mPa・s以上とすることで十分な塗布量を確保しやすくなり、1,000mPa・s以下とすることで十分な塗布平滑性を確保することができる。
【0032】
本組成物を基材に塗布して硬化後、圧着した直後の剥離強度(初期剥離強度)は6N/6inch以上で、且つ基材の材破がないことが好ましい。また貼り合わせ後23℃で7日間養生後の剥離強度(経時剥離強度)は30N/6inch以下で、且つ基材の材破がないことが好ましい。この範囲の強度であれば、実用上でも十分な再剥離性を確保できているといえる。
【0033】
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。なお表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。また配合量は重量部を示す。
【実施例0034】
実施例及び比較例
遮光ビンに、前記(A)としてKURARITY LA2140(商品名:クラレ社製、PMMA―PnBA-PMMAトリブロック共重合体、Mw77,000、MMA比率20%)及びKURARITY LA2330(商品名:クラレ社製、同トリブロック共重合体、Mw122,000、MMA比率20%)及びKURARITY LA2270(商品名:クラレ社製、同トリブロック共重合体、Mw70,000、MMA比率40%)を、(B)として4-HBA(商品名:大阪有機化学社製、4ヒドロキシブチルアクリレート)を、(C)としてM-2100(商品名:Miwon社製、EO変性数10)を、(D)としてOmnirad184(iGM社製、α-ヒドロキシアセトフェノン系)を、(E)としてM-320(商品名:Miwon社製、PO変性グリセリントリアクリレート、PO変性数3)を表1に示す量入れ、撹拌脱泡機を用いて均一になるまで撹拌し実施例及び比較例の樹脂組成物を調製した。
【0035】
評価用シートの作製
ニューVマット(商品名:三菱製紙社製、マットコート紙)に、樹脂組成物をバーコーター#8を用いて塗布し、アイグラフィック社製の有電極UV照射装置アイミニグランテージECS-151Uを用い、高圧水銀ランプで出力90mW/cm2、積算光量80mJ/cm2の条件で硬化させ、塗布面を内側にして半分に折り曲げ、硬化樹脂面同士を重ね合わせ、トッパン・フォームズ社製ハガキ圧着機PRESSLE Beeを用いて圧着させ、評価用シートを作製した。
【0036】
【0037】
評価方法は以下の通りとした。
【0038】
粘度:東機産業製のコーンプレート型粘度計RC-550を用い、コーン角3°R17.65で25±1℃、回転数は粘度範囲500mPa・s以下は100rpm、500~2000mPa・sは30rpmで測定し、50~1,000mPa・sを〇、この範囲から外れる場合を×とした。
【0039】
剥離力:前記張り合わせシートを150mm×6inchにカットし、Techno Graph社製の引っ張り試験機TGI-1kNを用い、剥離スピード300mm/minでT字剥離を行った。圧着直後を初期剥離力、23℃で7日間養生後を経時剥離力とし、初期剥離力では6N以上を○、6N未満を×とした。また経時剥離力では6~30Nを〇とし、この範囲から外れる場合を×とした。
【0040】
基材の材破:剥離試験後の基材状態を目視で確認し、材破がない場合を〇、ある場合を×とした。
【0041】
評価結果
評価結果を表2に示す。
【0042】
【0043】
実施例の樹脂組成物は粘度、初期剥離力、経時剥離力、基材の材破、いずれの評価も良好であった。
【0044】
一方、(B)を含まない比較例1は(A)が溶解せず、(C)を含まない比較例2は初期剥離力が低く、経時剥離では材破が発生した。また(A)の配合量が下限よりも少ない比較例3は初期剥離力が低く、(A)の配合量が上限よりも多い比較例4は粘度が高すぎ、いずれも本願発明に適さないものであった。