IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社敬相の特許一覧

<>
  • 特開-トレーニング用具 図1
  • 特開-トレーニング用具 図2
  • 特開-トレーニング用具 図3
  • 特開-トレーニング用具 図4
  • 特開-トレーニング用具 図5
  • 特開-トレーニング用具 図6
  • 特開-トレーニング用具 図7
  • 特開-トレーニング用具 図8
  • 特開-トレーニング用具 図9
  • 特開-トレーニング用具 図10
  • 特開-トレーニング用具 図11
  • 特開-トレーニング用具 図12
  • 特開-トレーニング用具 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016608
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】トレーニング用具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/04 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
A63B23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121077
(22)【出願日】2021-07-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 試用販売会開催日:令和2年12月1日、開催場所:株式会社敬相内(東京都港区芝三丁目25番5号:株式会社敬相旧住所) 販売日:令和2年12月15日、販売した場所:株式会社The StadiuM(東京都渋谷区神山町11-17日興パレス渋谷504号室) 試用販売会開催日:令和2年12月15日、開催場所:学校法人矢板中央高等学校 東泉グラウンド(栃木県矢板市東泉847) 試用販売会開催日:令和2年12月17日、開催場所:学校法人京都橘学園 京都橘高等学校 グラウンド(京都府京都市伏見区桃山町伊賀50) 試用販売会開催日:令和2年12月25日、開催場所:弓ヶ浜公園(鳥取県米子市両三柳3192) 試用販売会開催日:令和3年1月27日、開催場所:学校法人興國学園 興國高等学校グラウンド(大阪府大阪市天王寺区寺田町1-4-26) 販売日:令和3年2月26日、販売した場所:学校法人興國学園 興國高等学校(サッカー部)(大阪府大阪市天王寺区寺田町1-4-26) 試用販売会開催日:令和3年2月1日、開催場所:学校法人京都産業大学 京都産業大学附属高等学校 グラウンド及び校舎内(京都府京都市下京区中堂寺命婦町1-10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日:令和3年2月9日、販売した場所:学校法人京都産業大学 京都産業大学附属高等学校(サッカー部)(京都府京都市下京区中堂寺命婦町1-10) 試用販売会開催日:令和3年2月7日、開催場所:学校法人武陽学園 西武台高等学校第二グラウンド(埼玉県新座市大和田3丁目10-20) 販売日:令和3年3月1日、販売した場所:学校法人武陽学園 西武台高等学校(サッカー部)(埼玉県新座市中野2丁目9-1) 試用販売会開催日:令和3年2月16日、開催場所:学校法人湘南工科大学 湘南工科大学附属高等学校 グラウンド(神奈川県藤沢市辻堂西海岸1丁目1-25) 販売日:令和3年2月17日、販売した場所:学校法人湘南工科大学 湘南工科大学附属高等学校(サッカー部)(神奈川県藤沢市辻堂西海岸1丁目1-25) 試用販売会開催日:令和3年2月20日、開催場所:フットサルポイント朝霞台(埼玉県朝霞市溝沼498-2) 試用販売会開催日:令和3年4月16日、開催場所:Fitness Base LIBERTAD KOMAZAWA(東京都世田谷区駒沢2丁目17-5) 販売日:令和3年5月6日、販売した場所:株式会社Next GR(東京都板橋区南常盤台1-11-7-101)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月13日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月14日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月15日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月19日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月20日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月21日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月25日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月26日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月28日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月29日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年2月10日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年2月15日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年2月16日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年2月17日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年4月15日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年4月16日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年4月19日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年4月23日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年4月26日、ソーシャルネットワーキングサービス:Instagram、アカウント名:keiaicoltd、アカウントアドレス:https://www.instagram.com/keiaicoltd/ ウェブサイトの掲載日:令和3年1月28日、ウェブサイトのアドレス:https://keiaionline.theshop.jp/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日(投稿日):令和3年1月15日、動画共有サービス:YouTube、サービスアドレス:https://www.youtube.com/、アカウント名:敬相youtube、投稿アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=1ljyyncXSak
(71)【出願人】
【識別番号】397055300
【氏名又は名称】株式会社敬相
(74)【代理人】
【識別番号】100169155
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075638
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 祐造
(57)【要約】
【課題】ハムストリングス、大腿四頭筋、股関節などのストレッチ/筋力トレーニングが出来て、また、肩甲骨の可動域を広げ、上半身、下半身共に身体全体のストレッチが可能であり、筋力及び柔軟性の向上を図ることができる、軽量で持ち運びが可能なトレーニング用具を提供する。
【解決手段】トレーニング用具は、各々環状に形成され、下肢に通して大腿部領域に装着することのできる二つの輪部2(2a、2b)と、二つの輪部を接続する連結部3と、を有する本体部1A、及び、本体部を既設の構造物に取付ける固定部20を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々環状に形成され、下肢に通して大腿部領域に装着することのできる二つの輪部と、前記二つの輪部を連結する連結部と、を有する本体部、及び
前記本体部を既設の構造物に取付ける固定部、
を有することを特徴とするトレーニング用具。
【請求項2】
少なくとも、前記輪部と前記連結部との連結位置と対向する前記輪部の所定長さ領域に位置してクッション部を有していることを特徴とする請求項1に記載のトレーニング用具。
【請求項3】
前記輪部は、可撓性を有しているが非伸縮性の広幅帯状体にて環状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトレーニング用具。
【請求項4】
少なくとも、前記輪部と前記接続部との連結位置と対向する前記輪部の所定長さ領域に位置してクッション部を有しており、
前記輪部は、1層又は複数層とされる可撓性を有しているが非伸縮性の広幅細長部材にて作製された広幅帯状体にて環状に形成されており、
前記クッション部は、前記広幅帯状体の内部にクッション材を内蔵して形成されているか、又は、前記広幅帯状体の外周を取り巻いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトレーニング用具。
【請求項5】
前記環状の輪部を形成する前記広幅帯状体は、円形状をとった場合に内径(D2)125~435mmとされることを特徴とする請求項3又は4に記載のトレーニング用具。
【請求項6】
前記連結部は、1層又は複数層とされる可撓性を有しているが非伸縮性の広幅細長部材にて作製された広幅帯状体にて形成されることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載のトレーニング用具。
【請求項7】
前記広幅帯状体は、幅(W)が80~150mmとされる帯状部材であることを特徴とする請求項3~6のいずれかの項に記載のトレーニング用具。
【請求項8】
前記広幅帯状体は、ポリアミド系繊維若しくはポリエステル系繊維を、単独で、又は、組み合わせて作製された織物又は編物とされることを特徴とする請求項3~7のいずれかの項に記載のトレーニング用具。
【請求項9】
前記固定部は、可撓性を有しているが非伸縮性の紐状細長部材にて作製されたベルト部材有しており、前記ベルト部材は前記連結部に保持されていることを特徴とする請求項1~8のいずれかの項に記載のトレーニング用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハムストリングス、大腿四頭筋、広背筋、股関節などのストレッチ/筋力トレーニングを行うことができ、また、肩甲骨周囲のトレーニングを行い肩甲骨の可動域を広げ、上半身、下半身共に身体全体のストレッチが可能であり、筋力及び柔軟性の向上を図ることのできる、軽量で持ち運びが可能なトレーニング用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、筋力トレーニング用具としては、据え付け型のトレーニング装置が一般的であり、種々の筋力トレーニング装置が提案されているが、一方、持ち運びが可能なトレーニング用具も提案されている。例えば、特許文献1には、比較的簡単な構造で、広背筋、ハムストリングスなどの筋力の増強及び柔軟性向上を図るための各種のトレーニング装置が開示されている。
【0003】
特許文献1にて、例えば、広背筋を鍛えるトレーニング装置100は、本願添付の図11(a)に記載する構成とされ、ユーザは、座席部113に座り、両手でハンドル部121を掴んで、このハンドル部121を下方に移動させる。この時、負荷部130のコイルバネが伸びて、ハンドル部121に負荷が生じるため、ユーザは両腕に負荷に応じた力を入れる必要がある。ユーザが力を抜くと、負荷部130のコイルバネの保持力によりハンドル部121は元の位置に戻る。以上のステップを所定回数だけ、所定の速度で繰り返す。斯かる装置によって、ユーザは、広背筋などを鍛えることが可能であるとされている。
【0004】
また、特許文献1にて、例えば、ハムストリングスを鍛えるトレーニング装置200は、本願添付の図11(b)に記載する構成とされ、ユーザは、座席部213に座った状態で両足を足設置部221に置き、両足で操作部220を上部にスライド移動させる。この時、負荷部230のコイルバネが伸びて、操作部220に負荷が生じるため、ユーザは両脚に負荷に応じた力を入れる必要がある。ユーザが脚の力を抜くと、負荷部230のコイルバネの保持力により操作部220は元の位置に戻る。以上のステップを所定回数だけ、所定の速度で繰り返す。斯かる装置によって、ユーザは、ハムストリングスなどを鍛えることが可能であるとされている。
【0005】
一方、特許文献2には、持ち運びが可能なトレーニング用具を記載している。特許文献2に記載のトレーニング用具300は、図12(a)、(b)に示すように、非弾性でフレキシブルな、例えば、ナイロン繊維などにて作製された細長部材320から成る一対のアーム322a、322bを備えている。各アーム322a、322bの一端はアンカー310が取付けられており、アンカー310によりドア、ポール等の構造物に取り付け可能な構成とされる。一方、各アーム322a、322bの他端には、それぞれグリップ323a、323bが設けられており、ユーザは、このグリップ323a、323bを使用して種々の訓練が可能とされている。
【0006】
例えば、ユーザは、図13(a)に示すように、手でグリップ対323a、323bを握り、足をアンカーポイントAから水平距離Xの位置におき、アンカーポイントAから離れる方向(E方向)へ持たれており、ユーザの体重の一部を用具で支えている。ユーザは、支持される体重の量を変化させることにより、所謂、腕のハイロウ訓練をすることができる。また、図13(b)は、身体を床上に横たえて足をグリップ対323a、323bに掛け止めて、所謂、横臥カール訓練をすることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3163268号公報
【特許文献2】特表2010-538767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、特許文献1に記載のトレーニング装置によれば、筋力の増強及び柔軟性向上を図るためには、例えば、広背筋、ハムストリングスなどといったトレーニングする身体の個所に応じて構造が異なる複数のトレーニング装置100、200をそれぞれ用意する必要がある。これら装置は、大型の剛直のものであり、装置の組み立てに多くの時間と費用とを有する。また、組み立てられた装置自体の持ち運びは不可能か、極めて困難である。従って、これら各種のトレーニング装置を設置するためには、大規模のトレーニング施設を用意することが余儀なくされる。更に、特許文献1に記載の各種のトレーニング装置は、コイルバネなどの負荷部を利用するので、場合によっては、筋肉、膝、股関節などに過剰の負荷が掛かり、怪我を誘発するという恐れがある。
【0009】
一方、特許文献2に記載のトレーニング用具300は、持ち運びが可能であり、特別なトレーニング施設を用意する必要がないという利点はあるが、グリップ対323a、323bを両手、又は、両足を使用し、体重の一部を負荷してのトレーニングであり、ハムストリングス、大腿四頭筋、広背筋、股関節などのストレッチ/筋力トレーニング、或いは、肩甲骨の可動域を広げ、上半身、下半身共に身体全体のストレッチを行い、筋力及び柔軟性の向上を図るには十分であるとは言えない。
【0010】
そこで、本発明は、上記特許文献1、2に記載する従来のトレーニング用具が有する課題を解決するためになされたものである。
【0011】
本発明の主たる目的は、ユーザの自重にてハムストリングス、大腿四頭筋、股関節などのストレッチ/筋力トレーニングができて、また、肩甲骨の可動域を広げ、上半身、下半身共に身体全体のストレッチが可能であり、筋力及び柔軟性の向上を図ることができる、軽量で持ち運びが可能なトレーニング用具を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ハムストリングス、大腿四頭筋、股関節などといったトレーニング個所へ過度の負荷が掛かることがなく、トレーニングによる怪我を予防できるトレーニング用具を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、ハムストリング、大腿四頭筋といった比較的に大きい筋肉をも、大型のトレーニングマシン又は専門的なトレーニングルームを必要とせず、手軽に行うことができ、且つ、軽量で持ち運びも容易であるトレーニング用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は本発明に係るトレーニング用具にて達成される。要約すれば、本発明は、各々環状に形成され、下肢に通して大腿部領域に装着することのできる二つの輪部と、前記二つの輪部を連結する連結部と、を有する本体部、及び
前記本体部を既設の構造物に取付ける固定部、
を有することを特徴とするトレーニング用具である。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、少なくとも、前記輪部と前記連結部との連結位置と対向する前記輪部の所定長さ領域に位置してクッション部を有している。
【0016】
本発明の他の実施態様によれば、前記輪部は、可撓性を有しているが非伸縮性の広幅帯状体にて環状に形成されている。
【0017】
本発明の他の実施態様によれば、少なくとも、前記輪部と前記連結部との連結位置と対向する前記輪部の所定長さ領域に位置してクッション部を有しており、
前記輪部は、1層又は複数層とされる可撓性を有しているが非伸縮性の広幅細長部材にて作製された広幅帯状体にて環状に形成されており、
前記クッション部は、前記広幅帯状体の内部にクッション材を内蔵して形成されているか、又は、前記広幅帯状体の外周を取り巻いて形成されている。
【0018】
本発明の他の実施態様によれば、前記環状の輪部を形成する前記広幅帯状体は、円形状をとった場合に内径(D2)が125~435mmとされる。
【0019】
本発明の他の実施態様によれば、前記連結部は、1層又は複数層とされる可撓性を有しているが非伸縮性の広幅細長部材にて作製された広幅帯状体にて形成される。
【0020】
本発明の他の実施態様によれば、前記広幅帯状体は、幅(W)が80~150mmとされる帯状部材である。
【0021】
本発明の他の実施態様によれば、前記広幅帯状体は、ポリアミド系繊維若しくはポリエステル系繊維を、単独で、又は、組み合わせて作製された織物又は編物とされる。
【0022】
本発明の他の実施態様によれば、前記固定部は、可撓性を有しているが非伸縮性の紐状細長部材にて作製されたベルト部材を有しており、前記ベルト部材は前記連結部に保持されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るトレーニング用具は、
(1)転倒してしまうなどの重心を考えず、ユーザが自重にてハムストリングス、大腿四頭筋、股関節などのトレーニング個所のストレッチ/筋力トレーニングができて、また、肩甲骨の可動域を広げ、上半身、下半身共に、身体全体のストレッチが可能であり、体重移動が容易にでき、二人で行うようなストレッチも手を借りずに可能であり、筋力及び柔軟性の向上を図ることができる。また、軽量で持ち運びができる。
(2)トレーニング個所への負荷が自重なため、トレーニング個所へ過度の負荷が掛かることがなく、トレーニング中の怪我を予防できる。
(3)筋肉の中でも意識し難いハムストリングスに対する意識を集中して持っていくことができ、短時間でトレーニングできる。
(4)筋力が落ちた下半身のトレーニングを、膝、腰への負担を少なくして行うことができ、リハビリ中であっても断続的に使用することができる。
(5)ハムストリングスを鍛えることで、運動又はスポーツにおいて基本的な動き、即ち、走る、飛ぶ、投げる、打つなどの動きを飛躍的に向上させ、その結果、体構造の強化と繋がる。
(6)ハムストリングス、大腿四頭筋といった体の中でも比較的に大きい筋肉のトレーニングにも拘らず、大型のトレーニングマシン、又は、専門的なトレーニングルームを必要とせず、手軽に行うことができ、また、軽量で持ち運びも容易である。
などといった作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1(a)は、本発明に係るトレーニング用具の基本構成を説明する模式的平面図であり、図1(b)は、本発明に係るトレーニング用具の一実施例の斜視図である。
図2図2(a)~(c)は、本発明に係るトレーニング用具の製造方法の一実施例を説明するための工程図である。
図3図3(a)、(b)は、本発明に係るトレーニング用具のクッション部の構成の実施例を説明するための分解斜視図である。
図4図4(a)は、本発明に係るトレーニング用具のパッド部材の構成の一実施例を説明するための斜視図であり、図4(b)は、本発明に係るトレーニング用具のパッド部材の構成の一実施例を説明するための分解斜視図である。
図5図5(a)は、本発明に係るトレーニング用具の固定部の構成の一実施例を説明するための図であり、図5(b)は、本発明に係るトレーニング用具の固定部の構造物への連結固定態様の一実施例を説明するための図である。
図6図6(a)~(c)は、本発明に係るトレーニング用具の使用方法の一例を説明する図である。
図7図7(a)、(b)は、本発明に係るトレーニング用具の使用方法の他の例を説明する図である。
図8図8(a)、(b)は、本発明に係るトレーニング用具の使用方法の他の例を説明する図である。
図9図9(a)、(b)は、本発明に係るトレーニング用具の使用方法の他の例を説明する図である。
図10図10(a)~(c)は、本発明に係るトレーニング用具の使用方法の他の例を説明する図である。
図11図11(a)、(b)は、従来のトレーニング装置の構成及び使用方法の一例を説明する図である。
図12図12(a)、(b)は、従来のトレーニング用具の構成の一例を示す図である。
図13図13(a)、(b)は、図12(a)、(b)に示す従来のトレーニング用具の使用方法の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るトレーニング用具を図面に則して更に詳しく説明する。
【0026】
実施例1
図1(a)は、本発明に係るトレーニング用具1の基本構成を説明する模式的な平面図であり、図1(b)に本発明に係るトレーニング用具1の一実施例の概略構成を斜視図で示す。
【0027】
本実施例にて本発明に係るトレーニング用具1は、図1(a)に示すように、各々環状に形成された対を成す二つの輪部2(2a、2b)と、この二つの輪部2a、2bを連結する連結部3と、を有した本体部1Aを備えている。各輪部2a、2bは、同じ形状、構造とされ、各々が、トレーニング用具1を使用するユーザの下肢に通して太腿部領域に挿入して装着できる寸法とされる。従って、各輪部2a、2bは、上肢を通して片側の肩部領域を包囲して装着することもできる大きさとされている。二つの輪部2a、2bは各々、内径D2とされる円形状の形態をとり得るが、本実施例にて、二つの輪部2a、2bには、詳しくは後述するが、連結部3との結合位置Fとは対向した領域に弾性的に変形可能なクッション部4を設けることができる。輪部2a、2bは、例えクッション部4を設けたとしても、下肢を挿入して大腿部領域周囲に装着可能の大きさとされる。実質的に円形状とされる輪部2a、2bにて形成される内径D2は、図1(a)に示すように、各々、内径D2=125~435mmとされる(本実施例では、具体的にはD2=290mm)。
【0028】
更に、トレーニング用具1は、図1(a)に図示するように、本体部1Aを、例えば既設の固定されたポール等の構造物P(図5(b)参照)に連結して取付けるための固定部20を備えている。本実施例では、固定部は20は、詳しくは後述するように、ベルト、ロープなどとされる細長紐状部材(本明細書では「ベルト部材」という。)21とされ、連結部3に形成されたベルト通し、即ち、ベルト保持部5に通されて、連結部3に対して可動に保持されている。連結部3及び固定部20については、トレーニング用具1の製造方法の説明に関連して後で再度説明する。
【0029】
次に、本発明に係るトレーニング用具1を、図1(b)に示される実施例に則して更に詳しく説明する。
【0030】
本実施例にて、本体部1Aを形成する各輪部2a、2bは、可撓性を有しているが、非弾性、即ち、非伸縮性とされる広幅帯状体10にて環状に形成される。本実施例では、広幅帯状体10は、幅Wが80~150mm、厚さT2が1~3mm(本実施例では、具体的には、幅W=100mm、厚さT2=1.3mm)とされる広幅の細長部材とされ、可撓性であるが非伸縮性の部材を1層或いは複数層積層して作製される。即ち、広幅帯状体10は、長手方向及び幅方向には可撓性を有しており曲げ変形することが可能とされるが、幅方向及び長手方向に対しての伸縮性は実質的に有していない、即ち、非弾性部材とされる。本実施例にて、広幅帯状体10は、幅Wが80mm未満では、詳しくは後述するように、トレーニング用具使用時に、ユーザの大腿部の筋肉、例えば、ハムストリングスや大腿四頭筋に掛かる荷重が局所的となり、即ち、単位面積当たりの荷重が大となり、大腿部筋肉に過大の荷重を付与することとなり、筋肉を損傷する恐れが生じる。一方、幅Wが150mmを超えると、反対に、ハムストリングスや大腿四頭筋などに掛かる、ユーザの体重を利用しての荷重が弱くなり、即ち、単位面積当たりの荷重が小さくなり過ぎ、大腿部筋肉の訓練が達成されないこととなる。更に又、後述するように、輪部2a、2bは手で把持して、例えば肩甲骨周囲のトレーニングをも可能とするものであるが、この時、幅Wが150mmを超えると、幅Wが広過ぎて輪部2a、2bを、特に輪部2a、2bのクッション部4を把持するのが困難となる恐れが生じる。勿論、広幅帯状体10は、トレーニング用具使用時に負荷されるユーザの体重(最大200kg)程度の荷重にて破断しない強度(破断強度)を有していることは当然である。詳しくは述するが、広幅帯状体10は、合成繊維製、天然繊維製、或いは、これらの混紡の織物又は編物生地が好適に使用される。特に、本実施例では、合成繊維製の織物生地を好適に使用することができ、非伸縮性素材としては、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリエチレンレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、などの合成繊維を、単独で、又は、組み合わせて作製された織物、編物などとされる。本実施例では、具体的には、TM Vu Hung株式会社製のポリエステル系繊維の非伸縮性合成繊維織物を使用した。
【0031】
連結部3は、限定されるものではないが、図示して後述するように、輪部2(2a、2b)と同様の広幅帯状体10にて且つ輪部2と一体に作製するのが好ましい。従って、本実施例では、輪部2(2a、2b)と同様の広幅帯状体10を使用しており、幅W3は、輪部2の幅Wと同じとされ、W3=W=80~150mm(本実施例では、具体的には、W3=W=100mm)とされる。ただ、厚さT3は輪部2と同様の厚さT2=1~3mmとすることができるが、本実施例では、厚さT3は、後述するように、製造上の関係から具体的には厚さT3=3×T2とされる広幅の帯状体とされ、可撓性を有しているが非伸縮性の広幅帯状体10とされる。すなわち、連結部3の広幅帯状体10もまた、可撓性を有しており曲げ変形することが可能とされるが、幅方向及び長手方向に対しての伸縮性は実質的に有していない、即ち、非弾性部材とされる。また、連結部3は、輪部2(2a、2b)を適当な間隔で接続して、且つ、後述するようにベルト部材21とされる固定部20を保持して運動具としての使用を好適とするために、限定されるものではないが、その長さL3は、10~30cm(本実施例では、具体的には、190mm)とされる。
【0032】
上述したように、本実施例では、本発明のトレーニング用具1の二つの輪部2a、2bには、図1(a)、(b)に示すように、クッション部4を有している。クッション部4は、例えば、下肢を通して大腿部領域を輪部2a、2bに装着した時、下肢大腿部に直接接触して押圧されて負荷を受ける領域(負荷領域)、即ち、連結部3との接合部Fとは対向する領域に長さL4に渡って輪部2a、2bに一体に設け、筋肉部との接触時の違和感覚を低減し、且つ、筋肉部に予期せぬ過大の荷重が掛かり筋肉部が損傷を受けるのを保護することができる。勿論、輪部2a、2bの全内周囲に配置することもできる。本実施例では、クッション部4の領域長さL4は、50~530mmとされ、具体的には、380mmとした。クッション部4については、トレーニング用具1の製造方法の説明に関連して後で再度説明する。
【0033】
更に、トレーニング用具1は、上述したように、連結部3を、例えば、既設の固定されたポール等の構造物P(図5(b)参照)に連結して本体部1Aを保持する固定部20を有している。本実施例にて固定部20は、ベルト、ロープ等とされる細長帯状の可撓性を有した、例えば合繊繊維織物で作製されたベルト部材21を有しており、ベルト部材21は連結部3に形成されたベルト部材保持部、即ち、ベルト通し5に通されて、連結部3に対して可動に保持されている。ベルト保持部5については、トレーニング用具1の製造方法の説明に関連して後で再度説明する。
【0034】
ベルト部材21の一端21aには、2個のD形状リング金具22a、22bを備えたバックル(留め金具)22が装備され、図5(a)、(b)に図示するように、ベルト部材21の他端21bが通されて、ベルト部材21の使用長さを調節して、固定係止することができる。つまり、ベルト部材21の端部21bは、バックル22のD形状リング金具22a、22bの穴部を通り、その後折り返して金具22aの外側を通り越して、金具22bの穴部を通した後、ベルト部材21の長さを調整してベルト部材21の端部21bを引張って、引き締め固定する。固定部20としては、上記構成のベルト部材21の代わりに、例えば、ロープを使用し、その先端にフックを装備して、既設の構造物Pに連結固定するように構成することも可能である。
【0035】
また、ベルト部材21には、好ましくは、図1(a)、(b)、及び、後述する図4(a)、(b)に示すように、細長形状のパッド部材30をベルト部材21の長手方向に沿って移動自在に装着するのが好ましい。このパッド部材30は、ベルト部材21をポール等の構造物Pに連結固定する際に、固定位置がずれるのを防止する摩擦部材として機能することができ、また、ポール等を損傷するのを防止することができる。パッド部材30は、適当な任意のものを使用することができ、次に説明するものに限定されるものではないが、本実施例では、基材31aの一側にパッド材31bがステッチ加工などにより一体に形成された第1、第2パッド部材30A、30Bを使用した。第1、第2パッド部材30A、30Bは、同じ幅W30A、30Bを有しているが、長さL30A、L30Bは、第1パッド部材30Aが、僅かに長くされている(L30A>L30B)。また、第1パッド部材30Aの両端部は、必須ではないが、本実施例では、湾曲形状に形成されている。本実施例では、パッド部材30(30A、30B)の基材31aとしては、上述の広幅帯状体10に使用した合成繊維織物生地を使用し、パッド材31bとしては、例えば、伸縮性のポリウレタン樹脂製パッド材を使用した。限定されるものではないが、本実施例では、幅W30A、30Bは、W30A=30B=65mmとし、長さL30A、L30Bは、L30A=190mm、L30B=140mmとした。
【0036】
両部材30A、30Bは、基材31aが対向するようにして、長手方向に沿った両端縁部がステッチ加工S30がされ、一体とされている。これにより、長手方向に延在して形成された中央スロットG30にベルト部材21を移動自在に挿通して取り付けられる。
【0037】
ベルト部材21は、図1(a)、(b)を参照すると、幅W21が30~100mm、厚さT21が1~3mm、全長L21が600~2400mm(本実施例では、具体的には、幅W21=50mm、厚さT21=1.3mm、全長L21=1200mm)とされる紐状の細長部材とされ、非弾性でフレキシブルの、即ち、曲げ撓めることが可能とされ、可撓性を有しているが、伸縮性は有していない部材とされる。勿論、トレーニング用具使用時に負荷されるユーザの体重(最大200kg)程度の荷重にて破断しない強度を有していることは当然である。紐状細長部材は、基材として合成繊維製の織物生地が好適に使用され、上述したように、輪部2、連結部3などを形成する広幅帯状体と同様の非伸縮性の合成繊維製の織物生地などを好適に使用することができる。
【0038】
(製造方法)
次に、本発明に係るトレーニング用具1の製造方法について、図2(a)~(c)を参照して、その一実施例について説明する。
【0039】
本実施例にて、本発明に係るトレーニング用具1は、図2(a)に図示するように、幅W0、長さL0の非伸縮性の帯状素材11を長手方向に折り曲げて細長の所定の幅(W)及び長さ(L)に裁断された細長矩形状の非弾性素材からなる表地11a及び裏地11bを作製する。この表地11a及び裏地11bを、例えば長手方向に沿って両端縁部から3~5mm程度の位置にてステッチ加工(縫製加工)S10することによって広幅帯状体10を作製する。本実施例では、広幅帯状体10は、表地11aと裏地11bとの2層構成とされているが、更に、3層以上の構成とすることもできる。勿論、1層構成であっても良い。また、表地11aと裏地11bは、本実施例では同じものを使用しているが、これに限定されるものではなく、各層の素材は異なる材質のものを使用することもできる。
【0040】
次いで、図2(b)に図示するように、細長の所定の幅(W)及び長さ(L)の広幅帯状体10をループ状に折り込み、広幅帯状体10の両端部10A、10Bの長さL3とされる領域を直接重ね合わせて、連結部3の領域を形成する。次いで、重ねられた両端部10A、10Bの両側に、長さL2とされるループ部10C、10Cが形成されるように広幅帯状体10を賦形する。次いで、長さL3の広幅帯状体10の中央部10Dと、両端部10A、101Bにて形成された長さL3の連結部3の領域とを重ね合わせて、ステッチ加工S3を行う。これにより、図2(c)、及び、図1(a)に示すように、広幅帯状体10にて環状に形成された直径D2の対を成す二つの輪部2a、2bと、この二つの輪部2a、2bを連結する長さL3の連結部3とを有したトレーニング用具1の本体部1Aが作製される。ただ、本実施例では、長さL3の連結部3は、広幅帯状体10が3重とされ、強度(耐荷重)が増大されている。
【0041】
次に、クッション部4の製造方法について次に説明する。本実施例では、上述したように、広幅帯状体10は、細長の所定の幅(W)及び長さ(L)に裁断された細長矩形状の非弾性素材からなる表地11a及び裏地11bを縫製加工することによって作製されている。そこで、本実施例では、長さL4の負荷領域(即ち、クッション部4)において、表地11aと裏地11bとの間に、図3(a)に示すように、クッション材6を挿入することができ、表地11aと裏地11bとを縫製加工によりクッション材6を内包して一体に縫い合わせることができる。クッション材6を内蔵した厚さT4が10~100mm程度(図3(a)参照)とされる長さL4のクッション部4を作製することができる。クッション材6としては、例えば、高密度フォームであるポリウレタン発泡材など種々のものを使用し得るが、本実施例では、具体的には高密度フォームを使用し、図3(a)に示すように、直径D4が50mm、長さL4が380mmに加工して、長さL4のクッション部4の領域に挿入した。勿論、クッション部4の構造は、上記構造に限定されるものではなく、図3(b)に示すように、円筒形状に成形されたクッション材6を広幅帯状体10に外挿して、広幅帯状体の外側を取り巻いて配設することもできる。また、図示してはいないが、細長形状、或いは、平板状のクッション材6を広幅帯状体10の外周囲に巻き付けることもできる。
【0042】
更に、本発明のトレーニング用具は、図1(b)、図2(c)に示すように、本実施例では、長さL3とされる連結部3にベルト通し(ベルト保持部)5が形成される。ベルト保持部5は、好ましくは、図2(c)に示すように、例えば、上記帯状部材10を形成したと同じ基材11にて、ただ、本実施例では、幅W5は、連結部3の幅W3より、例えば、20~40mm程度小さくされ、長さL5が50~150mmとされた長方形の細長部材にて形成される。本実施例では、具体的には、幅W5=50mm、長さL5=90mmとした。ベルト保持部5は、その長手方向の両端部が連結部3にステッチ加工S5が施され、ベルト保持部5と連結部3との間には隙間G5(図1(a)参照)が形成され、従って、ベルト部材21はベルトの長手方向に沿って連結部3の長手方向に直交して移動自在とされる。しかし、隙間G5の幅WG5(図1(a)参照)は、ベルト部材21の連結部3の長手方向(即ち、輪部2a、2b方向)への移動は僅かとされ、実質的にズレ移動はない空隙幅とされる。つまり、空隙幅WG5は、ベルト幅W21より僅かに、例えば、2~3mm程度大きくされる。このベルト保持部5は、ベルト部材21をポール等の構造物Pに連結し、トレーニング用具1に負荷をかけて使用する際に、ベルト部材21と構造物Pとの保持位置がずれるのを防止し、トレーニング用具1を構造物Pに対して安定して保持する機能をも有している。
【0043】
上述のように構成される本発明に係るトレーニング用具1は、例えば、輪部2(2a、2b)、連結部3を含む本体部1Aの重量が約350g、固定部20の重量が約160g程度とされ、また、折り畳むことにより、長さ440mm、幅330mm程度のバッグに収納することができ、軽量で、持ち運びが容易である。また、本実施例の上記構成とされるトレーニング用具の耐荷重は135kg以上の性能を得ることができた。
【0044】
(使用方法)
次に、本発明のトレーニング用具を使用して実施し得るトレーニング方法について説明する。上記構成とされる本発明のトレーニング用具を使用すると、例えば、次のようなトレーニングを実施することができるが、勿論、本発明のトレーニング用具の使用態様はこれらのトレーニング方法に限定されるものではない。
【0045】
先ず、トレーニング用具1を使用するに先立って、トレーニング用具1の固定部20を固定用ポール等の構造物Pに連結してトレーニング用具1をセットする。つまり、図1(a)、(b)に示すように、ベルト保持部5を通されたベルト部材21を、連結部3のベルト保持部5とは反対側へと回して、図5(a)、(b)に示すように、固定用ポール等の構造物Pにクッション部30が接触するようにして巻き付ける。次いで、ベルト部材21の一方の端部21bを、他方の端部21aに設けたバックル金具22の穴部を通し、折り返して、締め付け、ベルト部材21の両端部21a、21bをしっかりと連結する。これにより、トレーニング用具1は、構造物Pに取り付けられる。次いで、トレーニング用具1を使用して、以下に説明するようにして、ユーザが必要とするトレーニングを実施することができる。
(1)ハムストリングスのストレッチとトレーニング(図6(a)~(c))
ユーザは、下肢の大腿部前方領域が輪部2(2a、2b)のクッション部4と対向するようにして、下肢をそれぞれトレーニング用具1の二つの輪部2(2a、2b)に挿入する(図6(a))。次いで、トレーニング用具1の輪部2(2a、2b)を膝上に当て、ぴんと張り、腰を曲げないようにして、股関節を曲げて(図6(b))、体を前方へと「くの字」に曲げて引っ張る(図6(c))。その後、ゆっくりと起き上がる。
(2)大腿四頭筋のトレーニング(図7(a)、(b))
ユーザは、下肢の大腿部後方領域が輪部2(2a、2b)のクッション部4と接触するようにして、下肢をそれぞれトレーニング用具1の二つの輪部2(2a、2b)に挿入する(図7(a))。次いで、トレーニング用具1の輪部2(2a、2b)を膝裏に当て、ぴんと張り、臀部を斜め下に落とし、股関節を曲げる(図7(b))。その後、ゆっくりと起き上がる。
(3)両側広背筋のストレッチ(図8(a)、(b))
ユーザは、トレーニング用具1に正面にて対面して位置し、トレーニング用具1を腕の高さまで上げて、両手でそれぞれトレーニング用具1の二つの輪部2(2a、2b)の端部(クッション部4)を把持する(図8(a))。次いで、ユーザは重心を踵に移動し、身体を「くの字」に曲げて引っ張る(図8(b))。その後、ゆっくりと元に戻す。
(4)片側広背筋のストレッチ(図9(a)、(b))
ユーザは、トレーニング用具1に対して横向きにて位置し、両手でそれぞれトレーニング用具1の二つの輪部2(2a、2b)の端部(クッション部4)を把持する(図9(a))。次いで、トレーニング用具1を腕の高さまで上げて、両手でそれぞれトレーニング用具1の二つの輪部2a、2bの端部(クッション部4)を把持し、次いで、ユーザは重心を右脚に移動し、右側の上肢が左側上肢の上方に位置するようにして、身体を「くの字」に曲げて引っ張る(図9(b))。その後、ゆっくりと元に戻す。必要に応じて、反対向きにて、つまり、左側の上肢が右側上肢の上方に位置するようにして、同じトレーニングを行う。
(5)肩甲骨周囲のストレッチ(図10(a)~(c))
ユーザは、トレーニング用具1に対して後ろ向きの姿勢で位置し、上肢をそれぞれトレーニング用具の二つの輪部2(2a、2b)に挿入して、各輪部2(2a、2b)のクッション部4が、肩の前方領域に当たるようにして設置する(図10(a))。次いで、クリーニング用具1を背負った状態にて、肩甲骨を背骨に寄せて、胸を張り、身体を前に倒す(図10(b))。次いで、前に壁があると思い、腕をクロスさせながら押し、押した勢いで、上半身を元の状態へと戻す(図10(c))。
【0046】
以上説明したように、上述のように構成され、また、ユーザが身体のトレーニングに使用することのできる本発明に係るトレーニング用具は、
(1)転倒してしまうなどの重心を考えず、ユーザが自重にてハムストリングス、大腿四頭筋、股関節などのトレーニング個所のストレッチ/筋力トレーニングができて、また、肩甲骨の可動域を広げ、上半身、下半身共に、身体全体のストレッチが可能であり、体重移動が容易にでき、二人で行うようなストレッチも手を借りずに可能であり、筋力及び柔軟性の向上を図ることができる。また、軽量で持ち運びができる。
(2)トレーニング個所への負荷が自重なため、トレーニング個所への過度の負荷が掛かることがなく、トレーニング中の怪我を予防できる。
(3)筋肉の中でも意識し難いハムストリングスに対する意識を集中して持っていくことができ、短時間でトレーニングできる。
(4)筋力が落ちた下半身のトレーニングを、膝、腰への負担を少なくして行うことができ、リハビリ中であっても断続的に使用することができる。
(5)ハムストリングスを鍛えることで、運動又はスポーツにおいて基本的な動き、即ち、走る、飛ぶ、投げる、打つなどの動きを飛躍的に向上させ、その結果、体構造の強化と繋がる。
(6)ハムストリングス、大腿四頭筋といった体の中でも比較的に大きい筋肉のトレーニングにも拘らず、大型のトレーニングマシン、又は、専門的なトレーニングルームを必要とせず、手軽に行うことができ、また、軽量で持ち運びも容易である。
などといった特長を有している。
【符号の説明】
【0047】
1 トレーニング用具
1A 本体部
2(2a、2b) 輪部
3 連結部
4 クッション部
5 ベルト保持部
20 固定部
21 ベルト部材
22 留め金具
30 パッド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13