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特開2023-166108物品供給装置および物品供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166108
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】物品供給装置および物品供給システム
(51)【国際特許分類】
   B23P 21/00 20060101AFI20231114BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20231114BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20231114BHJP
   B65G 1/133 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
B23P21/00 307P
B23P19/00 301H
B65G1/137 E
B65G1/133 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076903
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087000
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 淳一
(72)【発明者】
【氏名】白井 祐輝
【テーマコード(参考)】
3C030
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3C030AA12
3C030AA14
3C030DA01
3F022AA08
3F022EE01
3F022MM11
3F522AA03
3F522BB03
3F522BB25
3F522CC01
3F522KK02
(57)【要約】
【課題】収納トレイを棒状の回転軸に固定することなく回転することができるようにして、使用する際における自由度を著しく向上させる。
【解決手段】板部材と、板部材に固定された回転モーターと、物品を収納可能な収納トレイと回転モーターにより回転されるとともに該回転を収納トレイに伝達する伝達部材とを有して構成され、かつ、該回転の回転軸心が回転モーターの回転軸の回転軸心と一致する回転部材とを備えた物品供給ユニットと、回転モーターの回転軸の回転を制御する回転制御手段とを有するようにした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納可能な収納トレイを回転可能な物品供給装置において、
板部材と、
前記板部材に固定された回転モーターと、
物品を収納可能な収納トレイと前記回転モーターにより回転されるとともに該回転を前記収納トレイに伝達する伝達部材とを有して構成され、かつ、該回転の回転軸心が前記回転モーターの回転軸の回転軸心と一致する回転部材と
を備えた物品供給ユニットと、
前記回転モーターの前記回転軸の回転を制御する回転制御手段と
を有することを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品供給装置において、
前記伝達部材は、前記収納トレイとは別体に構成され、かつ、前記回転モーターの前記回転軸に固定されており、
前記伝達部材と前記収納トレイとは嵌合されている
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の物品供給装置において、
複数の前記物品供給ユニットを前記回転軸心の軸方向に沿って積層し、
前記複数の前記物品供給ユニットそれぞれの間を支持部材により支持する
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の物品供給装置において、
前記支持部材は、前記板部材に対して取り付け自在、かつ、取り外し自在である
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項5】
請求項1に記載の物品供給装置において、
前記収納トレイは、切り欠き部を有し、
前記伝達部材は、前記収納トレイとは別体に構成され、
前記伝達部材と前記収納トレイとは、前記回転軸心と直交する方向に取り付け自在、かつ、取り外し自在に嵌合される
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項6】
請求項1に記載の物品供給装置において、
前記収納トレイは、複数の収納空間に仕切る仕切り板を有しており、
前記仕切り板の高さは、前記収納トレイの外周を構成する外周壁部の高さよりも高い
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項7】
請求項3に記載の物品供給装置において、
前記複数の前記物品供給ユニットの回転モーターをそれぞれ直列に接続し、該直列に接続した前記回転モーターのうちのいずれか一方の終端に位置する前記回転モーターと前記回転制御手段とを直列に接続する
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載の物品供給装置と、
工程情報を記憶するとともに前記工程情報を前記回転制御手段へ出力する制御装置と
を有し、
前記回転制御手段は、前記制御装置から出力された前記工程情報に基づいて、前記回転モーターの前記回転軸の回転を制御する
ことを特徴とする物品供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置および物品供給システムに関する。さらに詳細には、本発明は、各種製品の組み立て作業を行う工場などにおいて、製品の組み立て作業に用いる部品を収納して当該組み立て作業に供する際に用いて好適な物品供給装置および物品供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物品供給装置として、例えば、特開2009-12158号公報に開示された物品供給装置が知られている。
【0003】
この特開2009-12158号公報に開示された従来の物品供給装置は、物品を収納するための収納容器をコア部材に取り付けて構成した収納皿を備えるとともに、この収納皿のコア部材に多重回転軸を係合し、当該多重回転軸を回転することにより収納皿を回転するようにしたものである。
【0004】
ここで、多重回転軸とは、複数の筒状の回転軸を同心円状に組み合わせて構成されているものである。
【0005】
特開2009-12158号公報に開示された従来の物品供給装置においては、多重回転軸を構成する複数の筒状の回転軸のそれぞれに対して複数の収納皿を軸方向に積み上げるようにそれぞれ配置して固定し、当該複数の筒状の回転軸のなかで駆動モーターからの駆動力を伝達する回転軸を選択して切り替えることにより、複数の筒状の回転軸にそれぞれ固定された収納皿を選択的に独立して回転することができるようにしている。
【0006】
しかしながら、上記において説明したような従来の物品供給装置によれば、複数の収納皿、即ち、収納トレイを棒状の回転軸にそれぞれ固定しないと当該収納トレイを回転することができないため、棒状の回転軸へ複数の収納トレイをそれぞれ固定することが必須となっていた。
【0007】
このため、従来の物品供給装置を使用する際においては、棒状の回転軸と複数の収納トレイとの固定関係を常に維持する必要があるので、物品供給装置を使用する際における自由度が著しく低いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-12158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の技術の有する上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納トレイを棒状の回転軸に固定することなく回転することができるようにして、物品供給装置を使用する際における自由度を著しく向上させた物品供給装置および物品供給システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明による物品供給装置および物品供給システムは、物品を収納する個々の収納トレイをそれぞれ回転モーターにより回転する構成を採用するようにしたものである。
【0011】
従って、本発明による物品供給装置および物品供給システムによれば、収納トレイを棒状の回転軸に固定することなく回転することができるので、物品供給装置を使用する際における自由度が著しく向上する。
【0012】
即ち、本発明による物品供給装置は、物品を収納可能な収納トレイを回転可能な物品供給装置において、板部材と、上記板部材に固定された回転モーターと、物品を収納可能な収納トレイと上記回転モーターにより回転されるとともに該回転を上記収納トレイに伝達する伝達部材とを有して構成され、かつ、該回転の回転軸心が上記回転モーターの回転軸の回転軸心と一致する回転部材とを備えた物品供給ユニットと、上記回転モーターの上記回転軸の回転を制御する回転制御手段とを有するようにしたものである。
【0013】
従って、本発明による物品供給装置によれば、収納トレイを棒状の回転軸に固定しなくても、収納トレイを回転させることができるようになる。また、本発明による物品供給装置によれば、回転モーターの回転軸の回転軸心と回転部材の回転軸心とが一致しているため、装置全体の構成を小型化することができる。
【0014】
また、本発明による物品供給装置は、上記した本発明による物品供給装置において、上記伝達部材は、上記収納トレイとは別体に構成され、かつ、上記回転モーターの上記回転軸に固定されており、上記伝達部材と上記収納トレイとは嵌合されているようにしたものである。
【0015】
従って、本発明による物品供給装置によれば、収納トレイが回転モーターの回転軸に直接固定されていないため、収納トレイの取り外しが容易となる。
【0016】
また、本発明による物品供給装置は、上記した本発明による物品供給装置において、複数の上記物品供給ユニットを上記回転軸心の軸方向に沿って積層し、上記複数の上記物品供給ユニットそれぞれの間を支持部材により支持するようにしたものである。
【0017】
従って、本発明による物品供給装置によれば、使用する収納トレイの数が増えたり減ったりした場合に容易に対応することができるようになる。
【0018】
また、本発明による物品供給装置は、上記した本発明による物品供給装置において、上記支持部材は、上記板部材に対して取り付け自在、かつ、取り外し自在であるようにしたものである。
【0019】
従って、本発明による物品供給装置によれば、使用する収納トレイの数に合わせて装置を結合したり分離したりすることができるため、装置の使用方法の自由度を向上させることができる。
【0020】
また、本発明による物品供給装置は、上記した本発明による物品供給装置において、上記収納トレイは、切り欠き部を有し、上記伝達部材は、上記収納トレイとは別体に構成され、上記伝達部材と上記収納トレイとは、上記回転軸心と直交する方向に取り付け自在、かつ、取り外し自在に嵌合されるようにしたものである。
【0021】
従って、本発明による物品供給装置によれば、積層方向と直交する方向(例えば、水平方向である。)に収納トレイを取り外すことができるようになるため、物品供給装置を分解しなくても収納トレイを取り外すことができる。
【0022】
また、本発明による物品供給装置は、上記した本発明による物品供給装置において、上記収納トレイは、複数の収納空間に仕切る仕切り板を有しており、上記仕切り板の高さは、上記収納トレイの外周を構成する外周壁部の高さよりも高いようにしたものである。
【0023】
従って、本発明による物品供給装置によれば、作業者が収納部に収納された部品を取り出す際に、作業者が隣の収納部に部品を混入させてしまうことを抑制することができる。
【0024】
また、本発明による物品供給装置は、上記した本発明による物品供給装置において、上記複数の上記物品供給ユニットの回転モーターをそれぞれ直列に接続し、該直列に接続した上記回転モーターのうちのいずれか一方の終端に位置する上記回転モーターと上記回転制御手段とを直列に接続するようにしたものである。
【0025】
従って、本発明による物品供給装置によれば、回転モーターを直列で接続するようにしたので、収納トレイの数を増やすときに接続しやすい。
【0026】
また、本発明による物品供給システムは、上記した本発明による物品供給装置と、工程情報を記憶するとともに上記工程情報を上記回転制御手段へ出力する制御装置とを有し、上記回転制御手段は、上記制御装置から出力された上記工程情報に基づいて、上記回転モーターの上記回転軸の回転を制御するようにしたものである。
【0027】
従って、本発明による物品供給システムによれば、工程に合わせて収納トレイを回転させることができ、作業者による部品のピッキングを支援することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、以上説明したように構成されているので、収納トレイを棒状の回転軸に固定することなく回転することができるようになり、物品供給装置を使用する際における自由度を著しく向上することができるようになるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の実施の形態の一例による物品供給装置を備えた本発明の実施の形態の一例による物品供給システムを模式的に示す斜視構成説明図である。
図2図2は、図1に示す物品供給装置を構成する物品供給ユニットの分解斜視構成説明図である。
図3図3は、図1に示す物品供給装置を構成する物品供給ユニットにおいて収納トレイを取り外した状態を示す斜視構成説明図である。
図4図4は、図1に示す物品供給装置を構成する物品供給ユニットの収納トレイを模式的に示す斜視構成説明図である。
図5図5は、図4に示す収納トレイのA矢視における平面図(XY平面図)である。
図6図6は、複数の物品供給ユニットを組み付ける際の様子を模式的に示す斜視構成説明図である。
図7図7は、複数の物品供給ユニットを組み付けて構成した物品供給装置を備えた物品供給システムを模式的に示す斜視構成説明図である。
図8図8は、図7に示す物品供給装置を構成する複数の物品供給ユニットの一部分解斜視構成説明図である。
図9図9は、図7に示す物品供給装置を構成する複数の物品供給ユニットのB矢視における平面図(XY平面図)である。
図10図10は、図7に示す物品供給装置を構成する複数の物品供給ユニットを、図9のX-X線によりZ軸方向に沿って縦断した場合の断面を示す断面構成説明図である。
図11図11は、図7に示す物品供給システムにおける電気的な接続関係を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による物品供給装置および物品供給システムの実施の形態の一例を詳細に説明することとする。
【0031】
なお、以下の説明においては、説明ならびに図示の便宜上、本発明による物品供給装置をXYZ直交座標系におけるXY平面上に配置して用いる場合について説明する。物品供給装置をXYZ直交座標系におけるXY平面上に配置した場合には、後述するように、物品供給ユニットにおける回転モーターの回転軸の軸方向はZ軸方向となる。
【0032】
また、上記した物品供給装置の配置については、説明ならびに図示の便宜上定めた方向に過ぎないものであって、物品供給装置の設置態様を何ら限定するものではないことは勿論であって、また、本発明を何ら限定するものでもないことも勿論である。
【0033】
(I) 本発明による物品供給装置および物品供給システムの基本的な構成の説明
【0034】
図1には、本発明の実施の形態の一例による物品供給装置を備えた本発明の実施の形態の一例による物品供給システムを模式的に示す斜視構成説明図があらわされている。
【0035】
図2には、図1に示す物品供給装置を構成する物品供給ユニットの分解斜視構成説明図があらわされている。
【0036】
図3には、図1に示す物品供給装置を構成する物品供給ユニットにおいて収納トレイを取り外した状態を示す斜視構成説明図があらわされている。
【0037】
図4には、図1に示す物品供給装置を構成する物品供給ユニットの収納トレイを模式的に示す斜視構成説明図があらわされている。
【0038】
図5には、図4に示す収納トレイのA矢視における平面図(XY平面図)があらわされている。
【0039】
本発明による物品供給システム10は、XYZ直交座標系におけるXY平面上に配置された物品供給装置20と、物品供給装置20の動作を指示する情報として各種製品の製造工程を示す工程情報などを含む各種の情報を記憶するとともに当該情報の信号を物品供給装置20へ出力するコンピュータシステムからなる制御装置200とを有して構成されている。
【0040】
ここで、物品供給装置20は、各種製品の部品などの物品を収納する物品供給ユニット30と、物品供給ユニット30を構成する回転モーター42(後述する。)における回転軸42a(後述する。)の回転を制御するコンピュータシステムからなる回転制御装置100とを備えている。
【0041】
まず、物品供給ユニット30について詳細に説明すると、物品供給ユニット30は、長手方向と幅方向とがXY平面に沿って延長するとともに厚さ方向がZ軸方向に延長する略四角形形状を備えた薄板である板部材32を備えている。
【0042】
この板部材32においては、略四角形形状における角部の一箇所が略扇形状に切り欠かれ、略扇形状切り欠き部32aが形成されている。
【0043】
また、板部材32の略四角形形状における略中央部には、Z軸方向に沿って貫通する回転モーターケーブル通し穴32bが穿設されている。
【0044】
さらに、板部材32においては、略四角形形状における略扇形状切り欠き部32aが形成された角部を除く三箇所の角部近傍に、Z軸方向に沿って貫通する支持部材通し穴32c、32d、32eが穿設されているとともに、略扇形状切り欠き部32aとXY平面において対向する角部近傍に位置する支持部材通し穴32dに隣接して、Z軸方向に沿って貫通するケーブル通し穴32fが穿設されている。
【0045】
こうした板部材32においては、回転モーターケーブル通し穴32bを取り囲むようにして、Z軸方向に沿って貫通する4個の回転モーター固定板金用ねじ穴32gが穿設され、これら4個の回転モーター固定板金用ねじ穴32gを取り囲むようにして、Z軸方向に沿って貫通する4個のスラストベアリングガイドパーツ固定用ねじ穴32hが穿設されている。
【0046】
さらに、板部材32においては、ケーブル通し穴32fの近傍に、Z軸方向に沿って貫通する2個の結束バンド通し穴32iが穿設されている。
【0047】
物品供給ユニット30は、上記した板部材32の上面32jに、円環状のスラストベアリングガイドパーツ34と、円環状のスラストベアリング36と、伝達部材38と、一対の回転モーター固定板金40a、40bに固定的に狭持されるとともに回転軸42aの回転軸心CがZ軸方向に延長する回転モーター42と、伝達部材38とは別体に構成された収納トレイ46とを組み付けることにより形成されている。
【0048】
ここで、スラストベアリングガイドパーツ34は、スラスト荷重を緩和するためのスラストベアリング36の位置決めをするための部材であり、回転モーター固定板金40a、40bに固定的に狭持された回転モーター42が貫通可能な穴部34aを備えている。
【0049】
このスラストベアリングガイドパーツ34は、周部に4個のねじ穴34bを備え、この4個のねじ穴34bと4個のスラストベアリングガイドパーツ固定用ねじ穴32hとをそれぞれ連通させてネジ(図示せず。)により締結することにより、板部材32に対して固定されている。
【0050】
なお、スラストベアリングガイドパーツ34と板部材32とは、穴部34aの中心位置と回転モーターケーブル通し穴32bの中心位置とが回転軸心Cと一致するように寸法設定されている。
【0051】
次に、スラストベアリング36は、スラスト荷重を緩和するための部材であり、回転モーター固定板金40a、40bに固定的に狭持された回転モーター42が貫通可能な穴部36aを備えている。
【0052】
このスラストベアリング36は、その外径面36bがスラストベアリングガイドパーツ34の内径面34cと当接するように寸法設定されており、スラストベアリングガイドパーツ34の内径側に嵌合された際に、外径面36bと内径面34cとが当接して位置決めされる(後述する図10を合わせて参照する。)。
【0053】
なお、スラストベアリング36は、穴部36aの中心位置と回転軸心Cとが一致するように寸法設定されている。
【0054】
次に、伝達部材38は、略アーチ形状を備えた腕部材48と、上面に腕部材48を載置する円環状の受け部材50とにより構成されている。
【0055】
腕部材48は、XY平面に沿って延長する上方腕部48aと、上方腕部48aの一方の端部からZ軸方向下方側に向けて延設された第1下方腕部48bと、上方腕部48aの他方の端部からZ軸方向下方側に向けて延設された第2下方腕部48cとを備えている。
【0056】
上記した上方腕部48aのXY平面における中心位置には、回転モーター42の回転軸42aを嵌合して固定するための穴部48aaがZ軸方向に穿設されている。
【0057】
受け部材50は、腕部材48に対してZ軸方向下方側に位置し、スラストベアリング36上に配置可能な大きさに寸法設定されている。
【0058】
この受け部材50は、回転モーター固定板金40a、40bに固定的に狭持された回転モーター42が貫通可能な穴部50aと、第1下方腕部48bの下端面48bbと嵌合して第1下方腕部48bのXY平面方向へのずれを抑止する第1凹部50bと、第2下方腕部48cの下端面48ccと嵌合して第2下方腕部48cのXY平面方向へのずれを抑止する第2凹部50cとを備えている。
【0059】
なお、第1下方腕部48bの下端面48bbと受け部材50の第1凹部50bとを接着剤などを用いて固定するとともに、第2下方腕部48cの下端面48ccと受け部材50の第2凹部50cとを接着剤などを用いて固定して、腕部材48と受け部材50とが一体的に固定された伝達部材38を形成してもよい。
【0060】
回転モーター42は、回転軸42aの回転軸心CがZ軸方向に沿って延長するようにして、回転モーター固定板金40a、40bを介して板部材32の上面32jに固定される。
【0061】
具体的には、回転モーター固定板金40aは2個のねじ穴40aaを備え、同様に、回転モーター固定板金40bは2個のねじ穴40bb(図2においては、斜視図の関係上、1個のねじ穴40bbは腕部材48に隠れて視認できない。)を備えており、これら4個のねじ穴40aa、40bbと4個の回転モーター固定板金用ねじ穴32gとをそれぞれ連通させてネジ(図示せず。)により締結することにより、回転モーター42が板部材32に対して固定的に配置される。
【0062】
なお、回転モーター42のケーブルは、回転モーターケーブル通し穴32bに挿通されて、回転制御装置100に接続される。
【0063】
さらに、回転制御装置100は制御装置200に接続されていて、回転制御装置100は制御装置200から出力された工程情報に基づいて、回転モーター42の回転軸42aの回転を制御する。
【0064】
収納トレイ46は、XY平面視において一部が略扇形状に切り欠かれて伝達部材挿通用開口部52が形成された略円環形状であり、XY平面に沿って延長する一部が略扇形状に切り欠かれた底板部54と、底板部54の内径縁部からZ軸方向上方に立ち上がり形成されて内周を構成する内周壁部56と、底板部54の外径縁部からZ軸方向上方に立ち上がり形成されて外周を構成する外周壁部58と、内周壁部56と外周壁部58とを連結するようにして底板部54からZ軸方向上方に立ち上がっており、XY平面における内周壁部56に囲まれた領域Dの中心位置から放射状に広がる位置に形成された複数の仕切り板部60とにより、複数の収納空間たる収納部62を備えた皿状に形成されている。
【0065】
伝達部材挿通用開口部52は、内周壁部56側の最も狭い最狭開口部52aが、XY平面に沿って腕部材48が挿通可能な大きさに寸法されている。即ち、XY平面において、最狭開口部52aの開口幅α(図5を参照する。)が、腕部材48の幅β(図3を参照する。)よりも大きくなるように寸法設定されている。
【0066】
また、収納トレイ46は、XY平面における内周壁部56に囲まれた領域Dの中心位置と回転軸心Cとが一致するとともに、領域D内に腕部材48が配置可能に寸法設定されている。
【0067】
そして、内周壁部56には、伝達部材38の腕部材48の第1下方腕部48bまたは第2下方腕部48cを嵌合して狭持することのできる一対の支持部56aがZ軸方向に延長して内径側に突出形成されている。
【0068】
また収納部62を区切る外周壁部58のZ軸方向における高さH1と仕切り板部60のZ軸方向における高さH2については、外周壁部58の高さH1の方が仕切り板部60の高さH2よりも低くなるように寸法設定されている。
【0069】
上記した収納部62のそれぞれには、例えば、組み立て対象の製品の組み立て工程などに応じた種々の部品のような物品が収納される。
【0070】
なお、ケーブル通し穴32fには必要に応じて各種のケーブルが挿通され、また、結束バンド通し穴32iには必要に応じて各種の結束バンドが挿通される。
【0071】
(II) 本発明による物品供給装置および物品供給システムの基本的な構成における動作ならびに作用の説明
【0072】
上記(I)に説明した構成において、物品供給ユニット30を組み立てるには、上記に説明した回転軸心Cに対する各構成部材の位置関係において、板部材32の上面32jに、回転モーター固定板金40a、40bを介して回転モーター42を固定するとともに、スラストベアリング36を嵌合したベアリングガイドパーツ34を固定する。
【0073】
その後に、スラストベアリング36上に受け部材50を配置するようにして伝達部材38を位置させて、腕部材48の穴部48aaに回転モーター42の回転軸42aを嵌合して固定する。
【0074】
これにより、収納トレイ46を取り外した状態の物品供給ユニット30が構成されるものであり(図3を参照する。)、伝達部材38における腕部材48の第1下方腕部48bまたは第2下方腕部48cを、収納トレイ46の内周壁部56に突出形成された一対の支持部56aに嵌合することにより、物品供給ユニット30が組み立てられる。
【0075】
このようにして組み立てられた物品供給ユニット30の回転モーター42は、回転制御装置100と接続されて、物品供給装置10が完成する。
【0076】
物品供給装置10においては、回転制御装置100の制御により回転モーター42の回転軸42aを回転軸心C周りに回転すると、回転軸42aの回転に伴い伝達部材38が穴部48aaを中心に回転軸心C周りに回転し、伝達部材38に嵌合されている収納トレイ46も回転軸心C周りに回転する。
【0077】
即ち、物品供給装置10においては、棒状の回転軸に固定しなくても収納トレイ46を回転させることができるようになる。
【0078】
また、物品供給装置10においては、回転モーター42の回転軸42aと伝達部材38ならびに収納トレイ46との回転軸心Cが一致しているため、全体の装置構成の小型化を図ることができるようになる。
【0079】
さらに、物品供給装置10においては、収納トレイ46が回転モーター42に直接固定されておらず、収納トレイ46が伝達部材38に取り外し自在に嵌合されているので、必要に応じて収納トレイ46の取り付けや取り外しを容易に行うことができる。
【0080】
また、収納トレイ46においては、収納部62を区切る外周壁部58の高さH1の方が仕切り板部60の高さH2よりも低くなるように寸法設定されているので、作業者が収納部62に収納された部品を取り出す際に、外周壁部58よりも高い仕切り板60が邪魔になって、当該収納部62の隣にある収納部62に部品が混入してしまうことを抑制することができる。
【0081】
ここで、回転制御装置100は、制御装置200から出力された工程情報に基づいて、回転モーター42における回転軸42aの回転を制御している。
【0082】
即ち、物品供給システム10においては、制御装置200から出力された工程情報に基づいて、回転制御装置100により回転モーター42における回転軸42aの回転が制御されるので、工程に合わせて伝達部材38に嵌合されている収納トレイ46を回転させることができ、作業者が収納トレイ46から物品をピッキングする作業を効率よく支援することができる。
【0083】
(III) 本発明による物品供給装置および物品供給システムの他の構成および動作ならびに作用の説明
【0084】
図6には、複数の物品供給ユニットを組み付ける際の様子を模式的に示す斜視構成説明図があらわされている。
【0085】
図7には、複数の物品供給ユニットを組み付けて構成した物品供給装置を備えた物品供給システムを模式的に示す斜視構成説明図があらわされている。
【0086】
図8には、図7に示す物品供給装置を構成する複数の物品供給ユニットの一部分解斜視構成説明図があらわされている。
【0087】
図9には、図7に示す物品供給装置を構成する複数の物品供給ユニットのB矢視における平面図(XY平面図)があらわされている。
【0088】
図10には、図7に示す物品供給装置を構成する複数の物品供給ユニットを、図9のX-X線によりZ軸方向に沿って縦断した場合の断面を示す断面構成説明図があらわされている。
【0089】
図11には、図7に示す物品供給システムにおける電気的な接続関係を模式的に示す説明図があらわされている。
【0090】
なお、以下の説明においては、図1乃至図5を参照しながら説明した構成ならびに作用と同一あるいは相当する構成ならびに作用については、図1乃至図5において用いた符号と同一の符号をそれぞれ付して示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略する。
【0091】
本発明による物品供給装置は、上記した物品供給ユニット30を回転軸心Cの軸方向、即ち、Z軸方向に複数個積層して構成することができる。
【0092】
なお、図6乃至図10においては、物品供給ユニット30をZ軸方向に3個積層して構成した物品供給装置300を備えた物品供給システム400の例を示しており、以下においては、図6乃至図10を参照しながら、物品供給ユニット30をZ軸方向に3個積層して構成した物品供給装置300を備えた物品供給システム400について説明する。
【0093】
ここで、物品供給ユニット30をZ軸方向に3個積層する際には、まず、Z軸方向において最下層(1段目)に位置する物品供給ユニット30の板部材32’(板部材32’は、略扇形状切り欠き部32aが形成されていない点においてのみ板部材32と異なり、その他の構成は板部材32と同一である。)の支持部材通し穴32c、32d、32eに、底面側固定部材70を組み付ける。
【0094】
ここで、底面側固定部材70について説明すると、底面側固定部材70のZ軸方向上方に位置する上部細径部70aの外周面にはネジ山が形成されており、上部細径部70aの下方に下部大径部70bが形成されている。
【0095】
底面側固定部材70は、上部細径部70aのみが支持部材通し穴32c、32d、32eに挿通可能、かつ、板部材32’の上面32jから上方に突出可能な寸法に設定されており、底面側固定部材70のネジ山が形成された上部細径部70aを支持部材通し穴32c、32d、32eに挿通して、底面側固定部材70のネジ山が形成された上部細径部70aを板部材32’の上面32jから上方に突出させる。
【0096】
なお、底面側固定部材70は、上部細径部70aが支持部材通し穴32c、32d、32eに挿通した際に、下部大径部70bの上端部が板部材32’の下面32kとが当接して位置決めされる。
【0097】
その後に、底面側固定部材70に第1支持部材72を連結するが、第1支持部材72は上部細径支持部72aおよび下部大径支持部72bを備えている。
【0098】
下部大径支持部72bは、底面側固定部材70の下部大径部70bと同径に寸法設定されており、下端部の内周面に上部細径部70aに形成されたネジ山とネジ結合するネジ溝が形成されていて、底面側固定部材70と第1支持部材72とは当該ネジ山と当該ネジ溝とをネジ結合させて連結される。
【0099】
また、上部細径支持部72aの外周面には、底面側固定部材70の上部細径部70aと同様にネジ山が形成されており、上部細径支持部72aは、支持部材通し穴32c、32d、32eに挿通可能、かつ、板部材32の上面32jから上方に突出可能な寸法に設定されている。
【0100】
上記のようにして底面側固定部材70に第1支持部材72を連結した後に、Z軸方向において中層(2段目)に位置する物品供給ユニット30の板部材32の支持部材通し穴32c、32d、32eに上部細径支持部72aを挿通し、第1支持部材72のネジ山が形成された上部細径支持部72aを板部材32の上面32jから上方に突出させる。
【0101】
中層(2段目)に位置する板部材32は、下部大径支持部72bの上端部が板部材32の下面32kと当接して位置決めされる。
【0102】
なお、第1支持部材72のZ軸方向の寸法は、物品供給ユニット30のZ軸方向の寸法よりも大きく設定されている。
【0103】
次に、第1支持部材72に第2支持部材74を連結するが、第2支持部材74は第1支持部材72と同一の構成を備えている。
【0104】
即ち、第2支持部材74は、上部細径支持部74aおよび下部大径支持部74bを備えている。
【0105】
下部大径支持部74bは、第1支持部材72の下部大径支持部72bと同径に寸法設定されており、下端部の内周面に上部細径支持部72aに形成されたネジ山とネジ結合するネジ溝が形成されていて、第1支持部材72と第2支持部材74とは当該ネジ山と当該ネジ溝とをネジ結合させて連結される。
【0106】
また、上部細径支持部74aの外周面には、第1支持部材72の上部細径支持部72aと同様にネジ山が形成されており、上部細径支持部74aは、支持部材通し穴32c、32d、32eに挿通可能、かつ、板部材32の上面32jから上方に突出可能な寸法に設定されている。
【0107】
上記のようにして第1支持部材72に第2支持部材74を連結した後に、Z軸方向において最上層(3段目)に位置する物品供給ユニット30の板部材32の支持部材通し穴32c、32d、32eに上部細径支持部74aを挿通し、第2支持部材74のネジ山が形成された上部細径支持部74aを板部材32の上面32jから上方に突出させる。
【0108】
最上層(3段目)に位置する板部材32は、下部大径支持部74bの上端部が板部材32の下面32kと当接して位置決めされる。
【0109】
なお、第2支持部材74のZ軸方向の寸法は、物品供給ユニット30のZ軸方向の寸法よりも大きく設定されている。
【0110】
以上の手順により、物品供給ユニット30をZ軸方向に3個積層して構成した物品供給装置300を構成することができるが、さらに、図6乃至図10に示すように、第2支持部材72と同一の構成の第3支持部材76(第3支持部材76は、上部細径支持部74aと同一の構成の上部細径支持部76aおよび下部大径支持部74bと同一の構成の下部大径支持部76を備えている。)を用いて、上記と同様にして第2支持部材74に第3支持部材76を連結し、第3支持部材76の上部細径支持部76aに板部材32の支持部材通し穴32c、32d、32eを挿通して上面32jから突出させ、内周面にネジ溝を形成した上面側固定部材78を上部細径支持部76aのネジ山にネジ結合して固定するようにしてもよい。
【0111】
ここで、物品供給ユニット30を3個積層した物品供給装置300を備えた物品供給システム400においては、各物品供給ユニット30の回転モーター42を直列に接続するとともにし、最下層(1段目)の物品供給ユニット30の回転モーター42を回転制御装置100に直列に接続し、回転制御装置100と制御装置200とを接続している。
【0112】
図11を参照しながら、より詳細に説明すると、最上層の物品供給ユニット30の回転モーター42と中層の物品供給ユニット30の回転モーター42とを直列に接続し、中層の物品供給ユニット30の回転モーター42と最下層の物品供給ユニット30の回転モーター42とを直列に接続し、最下層の物品供給ユニット30の回転モーター42と回転制御装置100とを直列に接続し、回転制御装置100と制御装置200とを接続するようにしている。
【0113】
回転制御装置100は、制御装置200から出力された工程情報に基づいて、最上層の物品供給ユニット30の回転モーター42の回転軸42aの回転と、中層の物品供給ユニット30の回転モーター42の回転軸42aの回転と、最下層の物品供給ユニット30の回転モーター42の回転軸42aの回転とを、工程に合わせてそれぞれ個別に制御する。
【0114】
これにより、最上層、中層あるいは最下層のそれぞれに位置する物品供給装置30の収納トレイ46を工程に合わせて回転させることができ、作業者が最上層、中層あるいは最下層のそれぞれに位置する物品供給装置30の収納トレイ46から物品をピッキングする作業を効率よく支援することができる。
【0115】
上記において説明したように、本発明による物品供給装置および物品供給システムにおいては、板部材32に対してネジ結合することにより取り付け自在、かつ、取り外し自在な支持部材(第1支持部材72、第2支持部材74ならびに第3支持部材76)を介して任意の数(図6乃至図11に示す例においては3個である。)の物品供給ユニット30をZ軸方向に積層することにより、任意の数(図6乃至図11に示す例においては3個である。)の収納トレイ46を配置することができる。
【0116】
このため、本発明による物品供給装置ならびに物品供給システムによれば、使用する収納トレイ46の数が増えたり減ったりした場合に柔軟に対応することができる。
【0117】
即ち、本発明による物品供給装置ならびに物品供給システムにおいては、使用する収納トレイ46の数に合わせて物品供給ユニット30を結合したり分離したりすることができるので、装置としての使用方法における自由度が高いとともに、使用する収納トレイ46の数に応じて装置全体の大きさが変化するため、装置を置く空間を有効に活用することも可能となる。
【0118】
さらにまた、本発明による物品供給装置ならびに物品供給システムにおいては、物品供給ユニット30における伝達部材38に収納トレイ46を嵌合して取り付けたり、あるいは、物品供給ユニット30における伝達部材38から収納トレイ46を取り外したりする際には、回転軸心Cと直交するXY平面に沿って水平方向に収納トレイ46を移動すればよい(図6を参照する。)。
【0119】
即ち、回転軸心Cと直交するXY平面に沿って水平方向に収納トレイ46を移動する動作により、伝達部材38に対して収納トレイ46を自在に取り付けたり、あるいは、伝達部材38から収納トレイ46を自在に取り外すことができるので、物品供給ユニット30を回転軸心C方向、即ち、Z軸方向に複数重ねて積層することにより構成された物品供給装置を何ら分解することなく、伝達部材38に収納トレイ46を嵌合して取り付けたり取り外したりすることができる。
【0120】
また、収納トレイ46の収納部62へ物品を供給する際には、物品供給ユニット30から取り外した状態の収納トレイ46に対して行うことができるので、収納部62への部品の供給作業をも容易に行うことができる。
【0121】
また、本発明による物品供給装置ならびに物品供給システムにおいては、Z軸方向に複数重ねて積層された物品供給ユニット30におけるそれぞれの回転モーター42を直列で接続すればよいので、収納トレイ46の数を増やすときにおいても容易に電気的な接続を行うことができる。

(IV) その他の実施の形態および変形例の説明
【0122】
上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。
【0123】
例えば、上記した実施の形態は、以下の(IV-1)乃至(IV-6)に示すように変形するようにしてもよい。
【0124】
(IV-1) 上記した実施の形態においては、略アーチ形状を備えた腕部材48と円環状の受け部材50とを組み合わせて伝達部材38を構成したが、これに限られるものではないことは勿論である。伝達部材は、例えば、一体成型や削り出しなどで最初から一体的に形成してもよい。また、伝達部材の形状についても、上記した実施の形態に示す形状に限定されるものではなく、回転モーター42における回転軸42aの回転を収納トレイ46に伝達可能な形状であれば、設計条件などに応じて適宜の形状を選択することができる。
【0125】
(IV-2) 上記した実施の形態においては、伝達部材38と収納トレイ46は別体に構成されていたが、これに限られるものではないことは勿論である。伝達部材38と収納トレイ46は、一体に構成されていてもよい。即ち、収納トレイ46が回転モーター42の回転軸42aに直接固定されていてもよい。
【0126】
(IV-3) 上記した実施の形態においては、物品供給ユニット30をZ軸方向に3個重ねて積層した場合について説明したが、物品供給ユニット30を積層可能な数は3個に限られるものではないことは勿論であり、2個でも4個以上でもよい。
【0127】
(IV-4) 上記した実施の形態においては、各種の構成部材を結合する手法としてネジ結合を用いる場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、ボルトやナットを用いたり、あるいは、構成部材同士を圧入したりするなど、設計条件などに応じて適宜の結合方法を選択することができる。
【0128】
(IV-5) 上記した実施の形態においては、最上層の物品供給ユニット30の回転モーター42と中層の物品供給ユニット30の回転モーター42とを直列に接続し、中層の物品供給ユニット30の回転モーター42と最下層の物品供給ユニット30の回転モーター42とを直列に接続し、最下層の物品供給ユニット30の回転モーター42と回転制御装置100とを直列に接続し、回転制御装置100と制御装置200とを接続するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。即ち、複数の物品供給ユニット30を積層した用いる場合には、これら複数の物品供給ユニット30の回転モーター42をそれぞれ直列に接続し、当該直列に接続した回転モーター42のうちのいずれか一方の終端に位置する回転モーター42と回転制御装置100とを直列に接続し、回転制御装置100と制御装置200とを接続すればよい。
【0129】
(IV-6) 上記した実施の形態ならびに上記した(IV-1)乃至(IV-5)に示す各種の他の実施の形態や変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、各種の製品の組み立て作業を行う工場などにおいて、製品の組み立て作業に用いる部品を収納して当該組み立て作業に供する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0131】
10 物品供給システム
20 物品供給装置
30 物品供給ユニット
32、32’ 板部材
32a 略扇形状切り欠き部
32b 回転モーターケーブル通し穴
32c、32d、32e 支持部材通し穴
32f ケーブル通し穴
32g 回転モーター固定板金用ねじ穴
32h スラストベアリングガイドパーツ固定用ねじ穴
32i 結束バンド通し穴
32j 上面
32k 下面
34 スラストベアリングガイドパーツ
34a 穴部
34b ねじ穴
34c 内径面
36 スラストベアリング
36a 穴部
36b 外径面
38 伝達部材(回転部材)
40a、40b 回転モーター固定板金
40aa、40bb ねじ穴
42 回転モーター
42a 回転軸
46 収納トレイ(回転部材)
48 腕部材
48a 上方腕部
48aa 穴部
48b 第1下方腕部
48bb 下端面
48c 第2下方腕部
48cc 下端面
50 受け部材
50a 穴部
50b 第1凹部
50c 第2凹部
52 伝達部材挿通用開口部(切り欠き部)
52a 最狭開口部
54 底板部
56 内周壁部
56a 支持部材
58 外周壁部
60 仕切り板部
62 収納部
70 底面側固定部材
70a 上部細径部
70b 下部大径部
72 第1支持部材(支持部材)
72a 上部細径支持部
72b 下部大径支持部
74 第2支持部材(支持部材)
74a 上部細径支持部
74b 下部大径支持部
76 第3支持部材(支持部材)
76a 上部細径支持部
76b 下部大径支持部
78 上面側固定部材
100 回転制御装置(回転制御手段)
200 制御装置
300 物品供給装置
400 物品供給システム
C 回転軸心
D 内周壁部に囲まれた領域
α 伝達部材挿通用開口部における最狭開口部の開口幅
β 腕部材の幅
H1 外周壁部の高さ
H2 仕切り板部の高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11