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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166128
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】会話支援構造
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/28 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
G10K11/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076932
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 菖
(72)【発明者】
【氏名】増田 崇
(57)【要約】
【課題】新型コロナウイルスの感染リスクの低減を図りつつも、打ち合わせなどにおけるコミュニケーションを円滑化できる会話支援構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る会話支援構造は、話者である第1の人による音声を、聴取者である第2の人に対して伝達する会話の支援を行うための会話支援構造(1)であって、第1の人の背後に配される放物面(21)と、前記放物面(21)の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てるパーティション板(31)と、を有することを特徴とする
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
話者である第1の人による音声を、聴取者である第2の人に対して伝達する会話の支援を行うための会話支援構造であって、
第1の人の背後に配される放物面と、
前記放物面の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てるパーティション板と、を有することを特徴とする会話支援構造。
【請求項2】
前記放物面と、第1の人が着座する座席と、前記パーティション板と、の位置関係が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の会話支援構造。
【請求項3】
第1の人と、第2の人との間の会話の支援を行うための会話支援構造であって、
第1の人の背後に配される第1放物面と、
前記第1放物面の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てる第1パーティション板と、
第2の人の背後に配される第2放物面と、
前記第2放物面の焦点と、第2の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第2の人と第1の人とを隔てる第2パーティション板と、を有することを特徴とする会話支援構造。
【請求項4】
前記第1放物面と、第1の人が着座する第1座席と、前記第1パーティション板と、
前記第2放物面と、第2の人が着座する第2座席と、前記第2パーティション板と、
の位置関係が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の会話支援構造。
【請求項5】
第1の人と、第2の人との間の会話の支援を行うための会話支援構造であって、
第1の人の背後に配される第1放物面と、
第2の人の背後に配される第2放物面と、
前記第1放物面の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配されると共に、
前記第2放物面の焦点と、第2の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てる共通パーティション板と、を有することを特徴とする会話支援構造。
【請求項6】
前記第1放物面と、第1の人が着座する第1座席と、
前記第2放物面と、第2の人が着座する第2座席と、前記共通パーティション板と、
の位置関係が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の会話支援構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型コロナウイルスなどの感染症の感染リスクの低減を図りつつも、打ち合わせなどにおけるコミュニケーションを円滑化できる会話支援構造に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスやこれが変異したコロナウイルスの感染が広まる中、感染リスク予防を図るために、オフィスなどの空間での打ち合わせ時においては、マスクの着用や、打ち合わせテーブルの上に、飛沫感染防止用のパーティションを設置することが常態化している。
【0003】
上記のようなパーティションの設置に伴い、打合せ時に打ち合わせ相手の音声が、明瞭に聞き取れないという問題が生じている。このような問題は、音声が話者から発せられ空気中を伝搬して、相手に届くまでに、パーティションによって遮られるために音声が通常より減衰するために生じる。
【0004】
上記のような問題に対処する一つの方策として、発明者は特許文献1(特開2019-39166号公報)記載の技術や特許文献2(特開2021-40301号公報)記載の技術の提案を行っている。
【0005】
例えば、特許文献1には、会議参加者による発声を集音し、集音された発声をスピーカで再生し会議参加者に提示することで会議の支援を行う会議支援システムであって、入力された音声信号を電気信号に変換するマイクロホン30と、マイクロホン30で変換された電気信号を増幅する音声処理部40の中のアンプと、アンプで増幅された電気信号を再生するスピーカ60と、スピーカ60で再生された音を反射する天井の一部に形成される放物面天井部17と、を有する構成についての開示がある。
【特許文献1】特開2019-39166号公報
【特許文献2】特開2021-40301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記いずれの特許文献記載の従来技術においても、マイクとスピーカを用いる構成が採用されているために、ハウリングが起こりやすく、ハウリングを抑制するための調整が難しい、といった課題がある。また、上記いずれの特許文献記載の技術においても、ハウリングを抑えるために十分な拡声量が得られず、打ち合わせなどにおけるコミュニケーションを円滑化する効果が限定的である、という課題が存在していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明に係る会話支援構造は、話者である第1の人による音声を、聴取者である第2の人に対して伝達する会話の支援を行うための会話支援構造であって、第1の人の背後に配される放物面と、前記放物面の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てるパーティション板と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る会話支援構造は、前記放物面と、第1の人が着座する座席と、前記パーティション板と、の位置関係が固定されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る会話支援構造は、第1の人と、第2の人との間の会話の支援を行うための会話支援構造であって、第1の人の背後に配される第1放物面と、前記第1放物面の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てる第1パーティション板と、第2の人の背後に配される第2放物面と、前記第2放物面の焦点と、第2の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第2の人と第1の人とを隔てる第2パーティション板と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る会話支援構造は、前記第1放物面と、第1の人が着座する第1座席と、前記第1パーティション板と、前記第2放物面と、第2の人が着座する第2座席と、前記第2パーティション板と、の位置関係が固定されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る会話支援構造は、第1の人と、第2の人との間の会話の支援を行うための会話支援構造であって、第1の人の背後に配される第1放物面と、第2の人の背後に配される第2放物面と、前記第1放物面の焦点と、第1の人が音声を発する口の位置との中間点に配されると共に、前記第2放物面の焦点と、第2の人が音声を発する口の位置との中間点に配され、第1の人と第2の人とを隔てる共通パーティション板と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る会話支援構造は、前記第1放物面と、第1の人が着座する第1座席と、前記第2放物面と、第2の人が着座する第2座席と、前記共通パーティション板と、の位置関係が固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る会話支援構造は、マイクやスピーカを用いることなく、放物面とパーティション板とからなる構造により会話の支援を行うので、本発明に係る会話支援構造によれば、ハウリングなどの問題が発生することがない。
【0014】
また、本発明に係る会話支援構造によれば、パーティション板により感染症対策を行いつつも、会話音声を明瞭に対面する相手に伝達することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る会話支援構造によれば、マイクやスピーカ等の会話音声を電気的に拡声する装置が不要であり、コストを抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る会話支援構造は、打ち合わせ等を行う二人同士の会話を支援するものであり、オフィスなどにおいて当該二人の周囲で作業している執務者に、打ち合わせの会話音声が大きく聞こえて作業の邪魔となるようなことを低減することができる。すなわち、近年、オープンプランオフィスにおける打ち合わせスペース周囲で、打ち合わせの会話が作業の邪魔になる、といった問題を解決することができる。
【0017】
また、本発明に係る会話支援構造において、放物面とパーティション板と座席とを、一体化する構成を採用し、これを移動可能とすれば、任意の方向に向けて音声を明瞭に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る会話支援構造1の模式的平面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る会話支援構造1の模式的側面図である。
図3】本発明に係る会話支援構造1が機能する原理を説明する図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る会話支援構造1の模式的平面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る会話支援構造1の模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る会話支援構造1の模式的平面図である。図1(A)は会話支援構造1自体の構成を鳥瞰したものであり、図1(B)は会話支援構造1における2つの座席に、第1の人P1と、第2の人P2とが着座している様子を鳥瞰したものである。図2は本発明の第1実施形態に係る会話支援構造1の模式的側面図である。
【0020】
会話支援構造1においては、第1の人P1が着座する第1座席11と、第2の人P2が着座する第2座席12とが設けられている。第1座席11と第2座席12とは、打ち合わせ等を行い得るように対向している。図1(B)において、第1の人P1が話者であり、第2の人P2が聴取者である。
【0021】
第1実施形態に係る会話支援構造1は、話者である第1の人P1による音声を、聴取者である第2の人P2に対して伝達する会話の支援を行うことが想定されている。第1の人P1の背後には、第1放物面21が設けられており、第1放物面21の焦点Fは第1の人P1の前方に位置するように設定されている。
【0022】
なお、第1放物面21は、壁面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1放物面21は、音を反射する面であれば、第1放物面21を構成する材質は特に限定されるものではない。
【0023】
第1放物面21の焦点Fと、第1座席11に着座した第1の人P1の口の位置(おおよその位置)の中間点には、平板状の第1パーティション板31が設けられている。すなわち、第1座席11に着座した第1の人P1の口の位置と、第1パーティション板31との間の距離はdであるし、第1パーティション板31と第1放物面21の焦点Fとの間の距離もdである。ここで、第1パーティション板31の厚さは無視している。
【0024】
なお、本発明に係る会話支援構造1においては、第1放物面21と、第1座席11と、第1パーティション板31とを一体化するなどして、第1放物面21と、第1座席11と、第1パーティション板31との位置関係を固定するようにしてもよい。もちろん、先の位置関係を固定することなく、適時本発明に基づくレイアウトで、第1放物面21と、第1座席11と、第1パーティション板31とを配置するようにしてもよい。
【0025】
第1パーティション板31の対向する2つの主面は、紙面の奥行き方向に広がっている。また、第1パーティション板31は、音を反射する平板状のものであれば、特に材質は問わないが、アクリル板等の透明な材料によって構成することが好ましい。第1パーティション板31は、第1の人P1と、第2の人P2とを隔てることで、感染症対策と機能する。
【0026】
第1座席11に着座した第1の人P1と、第1パーティション板31と、第1放物面21の放物面の焦点Fは、放物面の軸線(前記放物面の軸)上に並ぶようにレイアウトされている。また、第1パーティション板31の主面と、放物面の軸線とは、直交していることが好ましい。
【0027】
図1の紙面の上下方向を幅方向と定義すると、第1放物面21の幅(W1)は、第1パーティション板31の幅(W2)より大きくなるように設定されている。具体的には、第1放物面21は、第1パーティション板31の外縁を通り放物面の軸線と平行な直線(図1中の一点鎖線)との交点より外側に拡がりを持つような幅を有している。
【0028】
さらに、第1放物面21の放物面の軸線上には、第2座席12に着座する第2の人P2が配されるように、第2座席12が設定されている。
【0029】
以上のように構成される第1実施形態に係る会話支援構造1に基づいて、本発明に係る会話支援構造1が機能する原理を説明する。図3は本発明に係る会話支援構造1が機能する原理を説明する図である。
【0030】
図3に示すように、話者である第1の人P1の口から発せられた音声は、第1パーティション板31に入射し、第1の人P1の後方へ反射する。
【0031】
第1の人P1の口は実音源である。本発明に係る会話支援構造1においては、この実音源と、第1放物面21の焦点Fとの中間点には第1パーティション板31が配置されている。第1パーティション板31に対する実音源の虚像の位置は、第1放物面21の焦点Fの位置に一致する。
【0032】
すなわち、第1放物面21の幾何的特性から、実音源から発せられた音声は、第1パーティション板31と第1放物面21とで反射したのち、図示するように第1の人P1の前方へ直線的に伝搬することとなる。
【0033】
ここで、直線的に伝搬する音声は、音源(第1の人P1の口)から放射状に伝搬する通常の音声と異なり、距離に従う音圧レベルの低下、すなわち距離減衰が生じない。したがって、本発明に係る会話支援構造1においては、離れた位置にいても、第2座席12に着座する第2の人P2は音声を明瞭に聞き取ることが可能となる。
【0034】
以上のように本発明に係る会話支援構造1は、マイクやスピーカを用いることなく、第1放物面21と第1パーティション板31とからなる構造により会話の支援を行うので、本発明に係る会話支援構造1によれば、ハウリングなどの問題が発生することがない。
【0035】
また、本発明に係る会話支援構造1によれば、と第1パーティション板31により感染症対策を行いつつも、会話音声を明瞭に対面する相手に伝達することが可能となる。
【0036】
また、本発明に係る会話支援構造によれば、マイクやスピーカ等の会話音声を電気的に拡声する装置が不要であり、コストを抑制することができる。
【0037】
また、本発明に係る会話支援構造は、打ち合わせ等を行う二人同士の会話を支援するものであり、オフィスなどにおいて当該二人の周囲で作業している執務者に、打ち合わせの会話音声が大きく聞こえて作業の邪魔となるようなことを低減することができる。すなわち、近年、オープンプランオフィスにおける打ち合わせスペース周囲で、打ち合わせの会話が作業の邪魔になる、といった問題を解決することができる。
【0038】
また、本発明に係る会話支援構造において、第1放物面21と第1パーティション板31と第1座席11とを、一体化する構成を採用し、これを移動可能とすれば、任意の方向に向けて音声を明瞭に伝達することができる。
【0039】
第1座席11又は/及び第2座席12に高さを調整する機構を設けることは好ましい実施形態である。第1座席11に着座する人P1の座高に応じて、そして、第2座席12に着座する人P2の座高に応じて、第1座席11又は/及び第2座席12の高さを調整することで、会話音声を明瞭に伝えることが可能となるからである。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る会話支援構造1は、話者である第1の人P1による音声を、聴取者である第2の人P2に対して伝達する会話の支援を行うことが想定されていたが、第2実施形態に係る会話支援構造1においては、第1の人P1及び第2の人P2の双方が、話者であり、かつ聴取者である場合の会話支援を行うためのものである。図4は本発明の第2実施形態に係る会話支援構造1の模式的平面図である。
【0041】
第2実施形態に係る会話支援構造1においては、第1の人P1及び第2の人P2の双方に対して、第1実施形態で説明した構成が設けられている。すなわち、第2実施形態に係る会話支援構造1では、第2座席12に着座する第2の人P2に対しても、背後に第2放物面22が設けられ、前方に第2パーティション板32が設けられている。ここで、第2放物面22と、第2座席12と、第2パーティション板32との間の位置関係は、先の実施形態と同様のものとすることができる。
【0042】
このように構成された第2実施形態に係る会話支援構造1の場合、第1の人P1を話者とすると、話者側から発せられて直線的に伝搬してきた音声は、聴取者である第2の人P2側の第2放物面22および第2パーティション板32で反射して、第2の人P2の背後の第2放物面22の焦点の虚像である第2の人P2の口の位置に集中して到達する。
【0043】
話者(第1の人P1)からの音声は、厳密には第2の人P2の耳の位置に集中するわけではないが、耳のごく近傍に第2放物面22の焦点の虚像が位置するため、話者から発せられた音声を、第2の人P2は明瞭に聞き取ることができる。
【0044】
第2実施形態に係る会話支援構造1では、話者と聴取者が入れ替わっても、同様の効果が得られるので、離れた位置においてもスムーズな会話・コミュニケーションが成立する。
【0045】
なお、第2実施形態に係る会話支援構造1において、第1放物面21と、第1座席11と、第1パーティション板31と、第2放物面22と、第2座席12、第2パーティション板32と、を一体化するなどして、それぞれの位置関係を固定するようにしてもよい。
【0046】
以上のような第2実施形態に係る会話支援構造1によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0047】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る会話支援構造1も、第2実施形態に係る会話支援構造1同様、第1の人P1及び第2の人P2の双方が、話者であり、かつ聴取者である場合の会話支援を行うためのものである。図5は本発明の第3実施形態に係る会話支援構造1の模式的平面図である。
【0048】
第2実施形態に係る会話支援構造1では、第1の人P1及び第2の人P2のそれぞれのために、第1パーティション板31及び第2パーティション板32が設けられていたが、第3実施形態に係る会話支援構造1においては、第1の人P1及び第2の人P2の両者が、共通パーティション板33を共有するように構成されている。
【0049】
第1放物面21と、第1座席11と、共通パーティション板33との間の位置関係は、これまでの実施形態と同様であるし、第2放物面22と、第2座席12と、共通パーティション板33との間の位置関係もこれまでの実施形態と同様である。
【0050】
第3実施形態に係る会話支援構造1が機能する原理は前述の実施形態と同じであるが、打合せスペース等の比較的近距離で会話する場合には、このような第3実施形態が想定される。
【0051】
第3実施形態に係る会話支援構造1では、パーティション板を共用するため、構成する部材を減らすことができる、というメリットをさらに有するものである。共通パーティション板33をアクリル板等の透明な部材で構成することで、飛沫防止用のパーティションと機能を兼ねることができる。この第3実施形態に係る会話支援構造1においても、小声での会話において極めて明瞭に音声を聞き取ることができる。
【0052】
なお、第3実施形態に係る会話支援構造1において、第1放物面21と、第1座席11と、第2放物面22と、第2座席12、共通パーティション板33と、を一体化するなどして、それぞれの位置関係を固定するようにしてもよい。
【0053】
以上のような第3実施形態に係る会話支援構造1によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0054】
以上、本発明に係る会話支援構造は、マイクやスピーカを用いることなく、放物面とパーティション板とからなる構造により会話の支援を行うので、本発明に係る会話支援構造によれば、ハウリングなどの問題が発生することがない。
【0055】
また、本発明に係る会話支援構造によれば、パーティション板により感染症対策を行いつつも、会話音声を明瞭に対面する相手に伝達することが可能となる。
【0056】
また、本発明に係る会話支援構造によれば、マイクやスピーカ等の会話音声を電気的に拡声する装置が不要であり、コストを抑制することができる。
【0057】
また、本発明に係る会話支援構造は、打ち合わせ等を行う二人同士の会話を支援するものであり、オフィスなどにおいて当該二人の周囲で作業している執務者に、打ち合わせの会話音声が大きく聞こえて作業の邪魔となるようなことを低減することができる。すなわち、近年、オープンプランオフィスにおける打ち合わせスペース周囲で、打ち合わせの会話が作業の邪魔になる、といった問題を解決することができる。
【0058】
また、本発明に係る会話支援構造において、放物面とパーティション板と座席とを、一体化する構成を採用し、これを移動可能とすれば、任意の方向に向けて音声を明瞭に伝達することができる。
【符号の説明】
【0059】
1・・・会話支援構造
11・・・第1座席
12・・・第2座席
21・・・第1放物面
22・・・第2放物面
31・・・第1パーティション板
32・・・第2パーティション板
33・・・共通パーティション板
F・・・焦点
P1・・・第1の人
P2・・・第2の人
図1
図2
図3
図4
図5