(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166141
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】固形入浴剤
(51)【国際特許分類】
A63H 23/10 20060101AFI20231114BHJP
A63H 3/16 20060101ALI20231114BHJP
A61Q 19/10 20060101ALN20231114BHJP
【FI】
A63H23/10 Z
A63H3/16
A61Q19/10
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076960
(22)【出願日】2022-05-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】安永 亮彦
(72)【発明者】
【氏名】濱田 哲人
(72)【発明者】
【氏名】松井 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】齊田 直希
(72)【発明者】
【氏名】京田 佳典
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶太
【テーマコード(参考)】
2C150
4C083
【Fターム(参考)】
2C150DA20
2C150DD21
2C150EB02
4C083BB60
4C083CC25
4C083DD21
4C083EE41
4C083EE50
4C083FF06
(57)【要約】
【課題】入手後の玩具の遊戯性を高めて今までに無い興趣を使用者に提供可能な固形入浴剤を提供する。
【解決手段】固形入浴剤1であって、水溶性の本体部である入浴剤部10と、入浴剤部10に内包されている玩具20と、を備え、入浴剤部10は、所定の外形を成し、溶解前において玩具20を視認不可能に構成され、玩具20は、外殻部30と、外殻部30に保持されているパーツ部40と、を含み、外殻部30は、溶解前において入浴剤部10に接し、パーツ部40は、溶解前において入浴剤部10に接していないように収容されている、固形入浴剤1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形入浴剤であって、
水溶性の本体部と、前記本体部に内包されている玩具と、
を備え、
前記本体部は、所定の外形を成し、溶解前において前記玩具を視認不可能に構成され、
前記玩具は、外殻部と、前記外殻部に保持されているパーツ部と、を含み、
前記外殻部は、溶解前において前記本体部に接し、前記パーツ部は、溶解前において前記本体部に接していないように収容されている、
固形入浴剤。
【請求項2】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部は、前記玩具よりも重く構成されている、
固形入浴剤。
【請求項3】
請求項2に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部、及び前記玩具は、水中への投入後、且つ前記本体部の溶解前において沈下し、
前記玩具は、水中への投入後、且つ前記本体部の溶解後において浮上する、
固形入浴剤。
【請求項4】
請求項3に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、前記本体部の溶解後において水と接し、前記パーツ部は、前記本体部の溶解後において水と接しないように囲まれている、
固形入浴剤。
【請求項5】
請求項4に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部は、有色の材料により構成され、
前記外殻部は、前記本体部の溶解後において、少なくともその一部が外部から前記パーツ部を視認可能に構成されている、
固形入浴剤。
【請求項6】
請求項5に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部には、第1の空洞が形成され、前記外殻部には、第2の空洞が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項7】
請求項6に記載の固形入浴剤であって、
前記第1の空洞は、前記第2の空洞よりも大きい、
固形入浴剤。
【請求項8】
請求項7に記載の固形入浴剤であって、
前記第1の空洞に前記外殻部が収容され、前記第2の空洞に前記パーツ部が収容されている、
固形入浴剤。
【請求項9】
請求項8に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部は、その外表面において凹凸が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項10】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、複数の枠体部を含み、
前記複数の枠体部は、前記本体部の溶解前において互いに分離不可能に連結され、前記本体部の溶解後において互いに分離可能である、
固形入浴剤。
【請求項11】
請求項10に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、前記パーツ部を前記複数の枠体部内に保持している、
固形入浴剤。
【請求項12】
請求項11に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、さらに2つの蓋部を含み、
前記蓋部は、前記本体部の溶解前において前記複数の枠体部の一部に連結され、前記本体部の溶解後において前記複数の枠体部の一部から分離可能である、
固形入浴剤。
【請求項13】
請求項12に記載の固形入浴剤であって、
前記複数の枠体部は、保持している前記パーツ部の側面部を囲み、前記蓋部は、前記パーツ部の上面部、及び底面部を囲む、
固形入浴剤。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、前記本体部の溶解後において、前記蓋部を介して、前記パーツ部を視認可能である、
固形入浴剤。
【請求項15】
請求項10に記載の固形入浴剤であって、
前記複数の枠体部のうちの少なくとも1つの枠体部には、その外周部に凸部が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項16】
請求項15に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部には、その内周面の一部に前記凸部が嵌まる凹部が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項17】
請求項10に記載の固形入浴剤であって、
前記複数の枠体部は、連結状態において中央に位置している枠体部が他の枠体部よりもサイズが大きい、
固形入浴剤。
【請求項18】
請求項17に記載の固形入浴剤であって、
前記中央に位置している枠体部は、保持している前記パーツ部の体積が他の枠体部が保持している前記パーツ部の体積よりも大きい、
固形入浴剤。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の固形入浴剤であって、
前記中央に位置している枠体部は、少なくとも一部が組み立てられた形状の前記パーツ部を保持している、
固形入浴剤。
【請求項20】
請求項10に記載の固形入浴剤であって、
前記パーツ部は、前記本体部の溶解前において、他の前記パーツ部と連結しないように前記複数の枠体部に保持されている、
固形入浴剤。
【請求項21】
請求項20に記載の固形入浴剤であって、
前記パーツ部は、前記複数の枠体部からの分離を条件として、他の前記パーツ部と連結可能である、
固形入浴剤。
【請求項22】
請求項21に記載の固形入浴剤であって、
前記パーツ部は、他の前記パーツ部との連結を条件として、所定のキャラクター形状を成す、
固形入浴剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形入浴剤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水溶性の固形入浴剤内に比重が1以下の玩具を収容した玩具入り入浴剤が開示されている。この玩具入り入浴剤は、当該玩具入り入浴剤を浴槽内に投入して固形入浴剤が湯に溶けたときに玩具を湯面に浮揚させることをその主眼としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された玩具入り入浴剤は、当該玩具入り入浴剤を浴槽内に投入した後に玩具を湯面に浮揚させて入手できる点で面白みがあるものの、入手した玩具はそのままの態様で遊ぶことしかできないために当該玩具に対する興味や関心が失われやすい。
【0005】
本発明は、入手後の玩具の遊戯性を高めて今までに無い興趣を 使用者に提供可能な固形入浴剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の固形入浴剤は、水溶性の本体部と、本体部に内包されている玩具と、を備え、本体部は、所定の外形を成し、溶解前において玩具を視認不可能に構成され、玩具は、外殻部と、外殻部に保持されているパーツ部と、を含み、外殻部は、溶解前において本体部に接し、パーツ部は、溶解前において本体部に接していないように収容されている、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入手後の玩具の遊戯性を高めて今までに無い興趣を使用者に提供可能な固形入浴剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る固形入浴剤の外観の一態様を示す正面図である。
【
図2】
図1に示す固形入浴剤において、入浴剤部と球状玩具とを分離した状態で示す説明図であって、(a)は、入浴剤部の内部構造を示し、(b)は、玩具の外観を示す正面図である。
【
図5】
図4に示す玩具の分解初期状態の一例の斜視図である。
【
図6】
図4に示す玩具の分解中段状態の一例の斜視図である。
【
図7】
図4に示す玩具の枠体部を分離した状態を示す斜視図である。
【
図8】パーツ部を組み立てたキャラクターの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一側面を表す一態様について、
図1~
図8を参照して説明する。
【0010】
図1は、固形入浴剤の外観の一態様を示す正面図である。
【0011】
図1に示すように、固形入浴剤1は、その外観形状が球形状をしており、その内部には球形状の第1の形態の玩具20(以下、「球形玩具20A」ともいう)が収容されている。例えば、固形入浴剤1は、本体部の入浴剤部10が所定の厚みで設けられ、入浴剤部10の内側に球形玩具20Aが設けられた構造である。
【0012】
なお、入浴剤部10は、後述する水溶性の素材にて構成されており、所定の色で構成されていることから、溶解前において内部の球形玩具20Aを見ることが出来ない。また、入浴剤部10の外表面10usは、手で持った時に、ザラザラと感じる程度の凹凸に形成されている。
【0013】
球形玩具20Aは、その全体が、例えば合成樹脂にて構成されている。そして、球形の外形をなした外殻部30と、この外殻部30の内部に保持されているパーツ部40と、を備える。パーツ部40は、後述するように、組み立てられた第2の形態の玩具20(以下、「組立玩具20B」ともいう)の部品部分である。
【0014】
固形入浴剤1は、球形状に構成されていることで転動し易いことから、この商品の提供形態としては、
図1に示すような状態のまま(実際には、表面をラッピングフィルム等で覆った状態)、店舗での提供の他に、物品供給装置などの自動販売機にて提供することもできる。
【0015】
図2は、入浴剤部10と球形玩具20Aとを分離した状態で示す説明図である。
図2に示すように、入浴剤部10の内周面10isには、凹部14が形成されている。この凹部14は、外殻部30の外面に環状に形成された凸部34を受容する環状の窪みとして構成されている。入浴剤部10の形成方法については、特に制限するものではないが、例えば、中空で半球状の形状の入浴剤部を製造した後に、球形玩具20Aを収容する場合には、第1の空洞10h内において、凹部14に凸部34が嵌ることで、外殻部30を位置決め保持することができる。
【0016】
図3は、固形入浴剤1の概略断面図である。
外殻部30は、
図2に示すように、入浴剤部10が形成する内部空間である第1の空洞10hの内周面10isに接するように設けられている。また、外殻部30は、その球形の全面を隙間なく覆うように構成され、内部には第1の空洞10h(
図2参照)よりも小さい第2の空洞30hが形成されている。そして、パーツ部40は、外殻部30の第2の空洞30hの内側に向って張り出したパーツ支持部30aによって支持されている。したがって、パーツ部40は、入浴剤部10とは接触することなく分離された状態で収容されている。
【0017】
また、外殻部30は、その詳細については後述するが複数の部材にて構成されている。例えば、外殻部30は、複数の環状の枠体部31,32,33と、図示において枠体部31,32,33の上下に配置される一対の蓋部35,36と、を備えている。
そして、複数のパーツ部40は、枠体部31,32,33に適宜分散するようにして保持されている。パーツ部40は、第2の空洞30h内に収容されている状態では、他のパーツ部40同士において接触することもなく、また、連結しない状態で保持されている。
【0018】
固形入浴剤1は、その使用形態としては、先ず、入浴剤として使用する。この場合、固形入浴剤1を、入浴時において、湯船に投入するが、この固形入浴剤1は、当初は湯船の水面下に沈下する。その後、入浴剤部10が溶解するのに伴って軽くなり、所定以上溶解した時に水面に浮上する。これは、例えば、入浴剤部10が、玩具20よりも重く構成されていることで、入浴剤部10が溶解する前においては、水面下に沈ませる重さ設定となっている。一方、入浴剤部10が溶解したときには、球形玩具20Aがその浮力によって水面上に浮上する。この浮力の設定は、球形玩具20Aの重さだけに関連するものではなく、第2の空洞30hの大きさ、すなわち、球形玩具20Aの体積も考慮して設定されている。
【0019】
ここで、入浴剤部10の素材について説明する。
入浴剤部10は、温浴効果がある硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム等のいずれか1種を主成分としたものであり、必要に応じて公知の生薬類、酵素類、保湿剤を適宜含んでいる。
【0020】
なお、入浴剤部10は、温浴効果を高めるための公知の発砲剤、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩と、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等 の有機酸とを組み合わせたものを含んでいてもよい。
【0021】
また、入浴剤部10は、視覚上の温浴効果を得るための公知の着色剤、例えばリボフラビン、カロチン、クロロフィル、色素(黄色202号、黄色4号、青色1号、緑色201号、緑色204号等)等を含んでいてもよい。
【0022】
さらに、入浴剤部10は、嗅覚上の温浴効果を得るための公知の芳香剤、例えば公知の天然香料、合成香料等を含んでいてもよい。
【0023】
図4は、球形玩具20Aを示す斜視図である。
図4に示すように、外殻部30は、前述したように、入浴剤部10が溶解した後に湯船の水面上に浮上する。この状態においては、外殻部30の外面が水と接してはいるものの、パーツ部40は、内部の第2の空洞30hに保持されて水と接することはない。例えば、複数の枠体部31,32,33は、パーツ部40の側面部を囲み、蓋部35,36は、パーツ部40の上面部、及び底面部を囲むように閉じている(
図3参照)。
【0024】
球形玩具20Aは、浮上した状態においては、重い側を下にして浮いた状態となる。そこで、湯船に浮いた状態において、球形玩具20Aの内部のパーツ部40が、光透過性の素材の蓋部35,36の何れから見えるように構成することができる。これは、例えば、球形玩具20Aの重心設定を蓋部35又は蓋部36が上になるようにすればよい。また、重心が球形の偏った設定となっていない場合には、浮上したときに、球形玩具20Aを回転させることができる。
【0025】
以下、枠体部31,32,33、及び蓋部35,36の組付け構造、並びにパーツ部40の保持構造について説明する。
図5は、球形玩具20Aの蓋部35を外した状態の斜視図である。
図6は、球形玩具20Aの枠体部32、及び蓋部35を外した状態の斜視図である。
【0026】
図5に示すように、蓋部35は、外面が球状の一部分を成すように構成されており、その開口側の縁部35eが枠体部32に係合する構造となっている。例えば、枠体部32の一端縁32e(図中上側の縁)には、嵌合溝32gが設けられており、この嵌合溝32gに縁部35eが連結可能に構成されている。また、枠体部32には、連結孔30cを有する複数(図示では3個)連結ボス30bが設けられている。すなわち、連結孔30cに嵌合する嵌入軸部30dが蓋部35に設けられている。
【0027】
パーツ部40は、枠体部32の内側に延びたパーツ支持部30aに連結されて支持されている。なお、このパーツ支持部30aとパーツ部40との接続部は、容易に分離ができる括れた分離部30gが設けられている。
【0028】
枠体部32の他端縁(図中下側の縁)にも、一端縁32eと同様な嵌合溝(不図示)が設けられている。したがって、
図6に示すように、中央の枠体部31は、この嵌合溝内に図中上側の外周縁部が嵌るように構成されている。また、枠体部31には、複数の嵌入軸部30e(3個)が設けられている。嵌入軸部30eは、枠体部32の連結孔30cに対して図中下側から嵌合するように構成されている。これによって、中央の枠体部31は、上側の枠体部32と連結される。
【0029】
なお、中央の枠体部31と、図中において下側の枠体部33の連結構造については、
図6に示した構造と同じであるので説明を省略する(
図3参照)。また、下側の枠体部33と下側の蓋部36との連結構造についても、
図5に示した構造と同じであるので説明を省略する。
【0030】
中央の枠体部31のサイズは、他の枠体部32,33に比べて大きく構成されている。したがって、
図7に示すように、枠体部31に保持されたパーツ部40は、組立玩具20Bの胴体部の一部が組み立てられたものとして、大きなパーツ部40にて構成されている。このように、央の枠体部31においては、他の枠体部32,33が保持しているパーツ部40よりも大きなものを保持することが可能であり、また、保持できる数量も多くすることができる。
【0031】
球形玩具20Aが合成樹脂にて形成される場合、枠体部31,32,33とパーツ支持部30a、及び分離部30gは、射出成型によって容易に形成することができる。すなわち、枠体部31,32,33は、射出成型時において、パーツ支持部30aも含めて、パーツ部40を成形するためのランナー部分として構成され、これを利用することができる。更に、分離部30gは、パーツ部40形成のためのゲート部分として構成され、パーツ部40を、分離部30gを介してパーツ支持部30aに連結している。
【0032】
図7は、
図3に示す球形玩具20Aを枠体部31,32,33及び蓋部35,36を分離した状態を示す斜視図である。
球形玩具20Aは、球形状に組み立てられている状態では、水に浮く玩具として遊ぶ一方、
図7に示すように、全ての枠体部31,32,33、及び蓋部35,36が分離された状態においては、枠体部31,32,33内部に保持されたパーツ部40に対して、上下両側からアプローチできる状態となる。この結果、パーツ部40の分離操作がし易い。
【0033】
図8は、パーツ部40を分離して組み立てた状態の組立玩具20Bの一例を示す説明図である。
前述したように、パーツ部40は、各枠体部31,32,33のパーツ支持部30aに対して分離部30gの部位から分離する。そして、各パーツ部40を所定の位置で連結する。この結果、
図8に示すようなロボットのキャラクターとして組み立てることができる。
【0034】
以上述べたように、
図1~
図8に示した本態様においては、外殻部30は、溶解前において入浴剤部10に接し、入浴剤部10によって覆われているが、パーツ部40は、溶解前において入浴剤部10に接していないように収容されていることで、パーツ部40の収容空間が形成される。この結果、収容空間により大きな浮力を付与することを可能とすることで、外殻部30内に収容するパーツ部40が水に浮かない素材により構成されている場合でも水面に浮上させることができる。反対に、この収容空間の存在により、固形入浴剤が水に沈まないようなときには、重りを収容することもできる。
【0035】
本態様においては、入浴剤部10が玩具20よりも重く構成されていることで、入浴剤部10が溶解した後に玩具20を水に浮くように構成することが可能になる。
【0036】
本態様においては、玩具20には、外殻部30の内部に閉塞空間が形成されているので、例えば、玩具20のパーツ部40が比重が1よりも大きい部材であっても、水面に浮かすことができる。
【0037】
本態様においては、入浴剤部10は有色で入浴剤として綺麗な色を演出できる。外殻部30は、その一部が光透過性の部材にて構成されていることで、玩具20のパーツ部40を組み立てる前から見ることができ、水面に浮上した際に、その外観を楽しむことができる。
【0038】
本態様においては、第1の空洞10hに玩具20を収容することで、入浴剤部10が溶解したときに玩具20の外殻部30の出現を楽しむことができ、更に、外殻部30内の第2の空洞30hにより玩具20のパーツ状態を楽しむことができる。
【0039】
本態様においては、入浴剤部10の外表面10usが小さな凹凸でザラザラした状態であることで、素手で持った時に滑ることなく確りと把持することができる。
【0040】
本態様においては、外殻部30が複数の枠体部31,32,33にて構成されていることで、パーツ部40を取り出すときに操作し易い。
複数の枠体部31,32,33、及び蓋部35,36にて外殻部30が構成されても、特別な固定手段を設けることなく、入浴剤部10にて固定することができる。更に、入浴剤部10の溶解後において,容易に分離することができる。
【0041】
本態様においては、枠体部の上下に蓋部35,36により囲むことができるので、パーツ部40の収容空間を閉じた構成にできる。更に、蓋部35,36が容易に分離できることで、パーツの取出しが容易になる。
【0042】
本態様においては、蓋部35,36が光透過性の素材にて構成されていることで、玩具20のパーツ状態を楽しむことができる。また、蓋部35,36が枠部材と別部材にて構成されているので、射出成型において、蓋部35,36とパーツ部40とが互いに素材制約を受けることなく両部材の素材を選定できる。
【0043】
本態様においては、枠体部32の凸部34と、この凸部34に嵌る入浴剤部10の凹部14によって、入浴剤部10と外殻部30との位置決めが容易にできる。
【0044】
本態様においては、中央に位置する枠体部32が他の枠体部よりもサイズが大きいことで、円形にし易いこと、内径を大きくでき、大きいパーツや多くのパーツを保持できる。
【0045】
本態様においては、球形の枠体部における中央に位置している枠体部32は、最も大きい内形にできることから、保持しているパーツ部40の体積が他の枠体部31,33が保持しているパーツ部40の体積よりも大きくできる。
【0046】
本態様においては、中央に位置している枠体部32は、内形が大きいので、パーツ部40が組み立てられた大きな組立状態のパーツも収容保持することができる。
【0047】
本態様においてはパーツ部40を複数の枠体部31,32,33に分離して設けることができるので、パーツ数を多くすることができる。この結果、複雑な組立玩具20Bを構成することができる。また、各枠体部31,32,33は、射出成型時のランナーを利用できる。
【0048】
本態様においては、パーツ部40は、複数の枠体部31,32,33からの分離を条件としていることで、例えば、各枠体部31,32,33をランナーとするだけでなく、ランナーからのパーツ分離部分を、射出成型時のゲート部とすることができ、パーツ部40の分離が容易にでき、他のパーツ部40と連結・組み立てが簡単にできる。
【0049】
本態様においては、複数のパーツ部40で玩具20を組み立てることができることから、複雑な形状のロボットなどのキャラクターを楽しむことができる。
【0050】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、玩具20を球形状としたが、これに限るものではなく、楕円形や卵型形状であっても良い。
【0051】
また、上記態様においては、外殻部30は、3個に分離できる構成としたが、これに限るものではなく、より多くの枠体部であっても良い。また、蓋部35,36については、パーツ部40を保持しない構成としたが、蓋部35,36にパーツ部40を保持するような構成であっても良い。
【0052】
また、上記態様においては、各枠体部31,32,33、及び蓋部35,36の連結構造については、図示の構造に何ら制限されるものではなく、適宜変更することができる。
【0053】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0054】
(1)
固形入浴剤であって、
水溶性の本体部と、上記本体部に内包されている玩具と、
を備え、
上記本体部は、所定の外形を成し、溶解前において上記玩具を視認不可能に構成され、
上記玩具は、外殻部と、上記外殻部に保持されているパーツ部と、を含み、
上記外殻部は、溶解前において上記本体部に接し、上記パーツ部は、溶解前において上記本体部に接していないように収容されている、
固形入浴剤。
【0055】
(2)
(1)に記載の固形入浴剤であって、
上記本体部は、上記玩具よりも重く構成されている、
固形入浴剤。
【0056】
(3)
(1)又は(2)に記載の固形入浴剤であって、
上記本体部、及び上記玩具は、水中への投入後、且つ上記本体部の溶解前において沈下し、
上記玩具は、水中への投入後、且つ上記本体部の溶解後において浮上する、
固形入浴剤。
【0057】
(4)
(1)~(3)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記外殻部は、上記本体部の溶解後において水と接し、上記パーツ部は、上記本体部の溶解後において水と接しないように囲まれている、
固形入浴剤。
【0058】
(5)
(1)~(4)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記本体部は、有色の材料により構成され、
上記外殻部は、上記本体部の溶解後において、少なくともその一部が外部から上記パーツ部を視認可能に構成されている、
固形入浴剤。
【0059】
(6)
(1)~(5)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記本体部には第1の空洞が形成され、上記外殻部には第2の空洞が形成されている、
固形入浴剤。
【0060】
(7)
(6)に記載の固形入浴剤であって、
上記第1の空洞は、上記第2の空洞よりも大きい、
固形入浴剤。
【0061】
(8)
(6)又は(7)に記載の固形入浴剤であって、
上記第1の空洞に上記外殻部が収容され、上記第2の空洞に上記パーツ部が収容されている、
固形入浴剤。
【0062】
(9)
(1)~(8)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記本体部は、その外表面において凹凸が形成されている、
固形入浴剤。
【0063】
(10)
(1)~(9)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記外殻部は、複数の枠体部を含み、
上記複数の枠体部は、上記本体部の溶解前において互いに分離不可能に連結され、上記本体部の溶解後において互いに分離可能である、
固形入浴剤。
【0064】
(11)
(10)に記載の固形入浴剤であって、
上記外殻部は、上記パーツ部を上記複数の枠体部内に保持している、
固形入浴剤。
【0065】
(12)
(11)に記載の固形入浴剤であって、
上記外殻部は、さらに2つの蓋部を含み、
上記蓋部は、上記本体部の溶解前において上記複数の枠体部の一部に連結され、上記本体部の溶解後において上記複数の枠体部の一部から分離可能である、
固形入浴剤。
【0066】
(13)
(12)に記載の固形入浴剤であって、
上記複数の枠体部は、保持している上記パーツ部の側面部を囲み、上記蓋部は、上記パーツ部の上面部、及び底面部を囲む、
固形入浴剤。
【0067】
(14)
(12)又は(13)に記載の固形入浴剤であって、
上記外殻部は、上記本体部の溶解後において、上記蓋部を介して、上記パーツ部を視認可能である、
固形入浴剤。
【0068】
(15)
(10)~(14)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記複数の枠体部のうちの少なくとも1つの枠体部には、その外周部に凸部が形成されている、
固形入浴剤。
【0069】
(16)
(15)に記載の固形入浴剤であって、
上記本体部には、その内周面の一部に上記凸部が嵌まる凹部が形成されている、
固形入浴剤。
【0070】
(17)
(10)~(16)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記複数の枠体部は、連結状態において中央に位置している枠体部が他の枠体部よりもサイズが大きい、
固形入浴剤。
【0071】
(18)
(17)に記載の固形入浴剤であって、
上記中央に位置している枠体部は、保持している上記パーツ部の体積が他の枠体部が保持している上記パーツ部の体積よりも大きい、
固形入浴剤。
【0072】
(19)
(17)又は(18)に記載の固形入浴剤であって、
上記中央に位置している枠体部は、少なくとも一部が組み立てられた形状の上記パーツ部を保持している、
固形入浴剤。
【0073】
(20)
(10)~(19)の何れかに記載の固形入浴剤であって、
上記パーツ部は、上記本体部の溶解前において、他の上記パーツ部と連結しないように上記複数の枠体部に保持されている、
固形入浴剤。
【0074】
(21)
(20)に記載の固形入浴剤であって、
上記パーツ部は、上記複数の枠体部からの分離を条件として、他の上記パーツ部と連結可能である、
固形入浴剤。
【0075】
(22)
(21)に記載の固形入浴剤であって、
上記パーツ部は、他の上記パーツ部との連結を条件として、所定のキャラクター形状を成す、
固形入浴剤。
【符号の説明】
【0076】
1 固形入浴剤
10 入浴剤部(本体部)
10h 第1の空洞
10is 内周面
10us 外表面
14 凹部
20 玩具
20A 球形玩具(玩具)
20B 組立玩具(玩具)
30 外殻部
30h 第2の空洞
31,32,33 枠体部
34 凸部
35,36 蓋部
40 パーツ部
【手続補正書】
【提出日】2023-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形入浴剤であって、
水溶性の本体部と、前記本体部に内包されている玩具と、
を備え、
前記本体部は、所定の外形を成し、溶解前において前記玩具を視認不可能に構成され、
前記玩具は、2つの蓋部及び複数の枠体部を含む外殻部と、前記枠体部内に保持されているパーツ部と、を含み、
前記外殻部は、溶解前において前記本体部に接し、前記パーツ部は、溶解前において前記本体部に接していないように収容され、
前記蓋部は、前記本体部の溶解前において前記複数の枠体部の一部に連結され、前記本体部の溶解後において前記複数の枠体部の一部から分離可能であり、
前記複数の枠体部は、前記本体部の溶解前において互いに分離不可能に連結され、前記本体部の溶解後において互いに分離可能である、
固形入浴剤。
【請求項2】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部は、前記玩具よりも重く構成されている、
固形入浴剤。
【請求項3】
請求項2に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部、及び前記玩具は、水中への投入後、且つ前記本体部の溶解前において沈下し、
前記玩具は、水中への投入後、且つ前記本体部の溶解後において浮上する、
固形入浴剤。
【請求項4】
請求項3に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、前記本体部の溶解後において水と接し、前記パーツ部は、前記本体部の溶解後において水と接しないように囲まれている、
固形入浴剤。
【請求項5】
請求項4に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部は、有色の材料により構成され、
前記外殻部は、前記本体部の溶解後において、少なくともその一部が外部から前記パーツ部を視認可能に構成されている、
固形入浴剤。
【請求項6】
請求項5に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部には、第1の空洞が形成され、前記外殻部には、第2の空洞が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項7】
請求項6に記載の固形入浴剤であって、
前記第1の空洞は、前記第2の空洞よりも大きい、
固形入浴剤。
【請求項8】
請求項7に記載の固形入浴剤であって、
前記第1の空洞に前記外殻部が収容され、前記第2の空洞に前記パーツ部が収容されている、
固形入浴剤。
【請求項9】
請求項8に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部は、その外表面において凹凸が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項10】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記複数の枠体部は、保持している前記パーツ部の側面部を囲み、前記蓋部は、前記パーツ部の上面部、及び底面部を囲む、
固形入浴剤。
【請求項11】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記外殻部は、前記本体部の溶解後において、前記蓋部を介して、前記パーツ部を視認可能である、
固形入浴剤。
【請求項12】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記複数の枠体部のうちの少なくとも1つの枠体部には、その外周部に凸部が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項13】
請求項12に記載の固形入浴剤であって、
前記本体部には、その内周面の一部に前記凸部が嵌まる凹部が形成されている、
固形入浴剤。
【請求項14】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記複数の枠体部は、連結状態において中央に位置している枠体部が他の枠体部よりもサイズが大きい、
固形入浴剤。
【請求項15】
請求項14に記載の固形入浴剤であって、
前記中央に位置している枠体部は、保持している前記パーツ部の体積が他の枠体部が保持している前記パーツ部の体積よりも大きい、
固形入浴剤。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の固形入浴剤であって、
前記中央に位置している枠体部は、少なくとも一部が組み立てられた形状の前記パーツ部を保持している、
固形入浴剤。
【請求項17】
請求項1に記載の固形入浴剤であって、
前記パーツ部は、前記本体部の溶解前において、他の前記パーツ部と連結しないように前記複数の枠体部に保持されている、
固形入浴剤。
【請求項18】
請求項17に記載の固形入浴剤であって、
前記パーツ部は、前記複数の枠体部からの分離を条件として、他の前記パーツ部と連結可能である、
固形入浴剤。
【請求項19】
請求項18に記載の固形入浴剤であって、
前記パーツ部は、他の前記パーツ部との連結を条件として、所定のキャラクター形状を成す、
固形入浴剤。