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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166142
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ダブルバスレフ型スピーカシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
H04R1/02 101B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076961
(22)【出願日】2022-05-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】509259873
【氏名又は名称】有限会社クラフトワーク
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】吉田 文一
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AD15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザが好みの音質を簡易に設定するダブルバスレフ型スピーカシステムを提供する。
【解決手段】ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、前面及び後面が円形の円筒状で、側面の曲面に第1ダクト103を有する上部スピーカ部10と、概直方体で、上部スピーカ部を乗せる下部キャビネット部20で構成される。下部キャビネット部は、上部に開口部と前面に第2ダクト201を有する。電動式スピーカを有する前面スピーカ部100から後方に送出された音声S11は、第1ダクトを通って下部キャビネット部に流入し、第2ダクトから前方に送出されるS14。上部スピーカ部を回転させることで第1ダクトの位置を変更し、第2ダクトから送出される音声の音質を調整できる調整機能を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び後面が円形の円筒状であって、
内部が空洞であって、
前方に電動式スピーカを有し、
側面の曲面に開けられた第1穴である第1ダクトを有する上部スピーカ部と、
上部が開放された概直方体であって、
前面に、第2穴及び第2穴から内方向に連結するパイプで構成される第2ダクトを有し、
上部の開放部は、前面及び後面の上部が前記上部スピーカ部の円の半径と同じ半径の半円であって、両側の内側面が前記上部スピーカ部の側面の曲面の一部と同じ曲面である下部キャビネット部と、で構成され、
前記上部スピーカ部が、前記下部キャビネット部の前記開放部に乗せられた状態で外部に音声が送出され、
音声送出時、前記電動式スピーカから前方に音声が送出され、
さらに、前記電動式スピーカから後方に送出された音声が、前記第1ダクトを通って前記下部キャビネット部に流入し、前記流入した音声が、前記パイプを介して前記第2ダクトから前方に送出される
ダブルバスレフ型スピーカであって、
前記上部スピーカ部を回転させることで前記第1ダクトの位置を変更し、前記第1ダクトの前記開放部に向けて開口される面積を調整し、前記第2ダクトから送出される音声の音質を調整できる調整機能を有する
ダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項2】
前記第1ダクトの穴は、円形である
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項3】
前記第2ダクトの穴は、円形である
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項4】
前記上部スピーカ部の側面は、前記第1ダクトの反対側の側面から前記第1ダクトを見ることが可能である材質で構成される
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項5】
前記上部スピーカ部の側面は、透明又は半透明の材質で構成される
請求項4記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項6】
前記調整機能は、前記上部スピーカ部を持ち上げ、前記上部スピーカ部を回転させ、前記上部スピーカ部を前記下部キャビネット部に乗せることで実行される
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項7】
前記調整機能は、前記面積を調整することで、前記第1ダクト及び前記第1ダクトの周辺の空気量を調整し、前記第1ダクトにおける共振周波数を調整する
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項8】
前記パイプは、着脱可能であって、
前記調整機能は、前記パイプを取り外し、異なるパイプを取り付けることを含む
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項9】
前記異なるパイプを取り付けることは、前記第2ダクト及び前記第2ダクトの周辺の空気量を調整し、前記第2ダクトにおける共振周波数を調整する
請求項8のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【請求項10】
前記下部キャビネット部と前記上部スピーカ部との接触面は、密着する材質で構成される
請求項1記載のダブルバスレフ型スピーカシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブルバスレフ型スピーカシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカシステムの一種として、ダブルバスレフ型スピーカシステムが知られている。ダブルバスレフ型スピーカシステムは、スピーカ部から発せられた低音の音圧を増幅させるため、内部に2つのバスレフダクトを設け、キャビネット部とスピーカ部の両方から音声を発するスピーカシステムである。
【0003】
ダブルバスレフ型スピーカシステムに関する技術は、以下に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-162203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダブルバスレフ型スピーカシステムにおける音質の調整は、例えば、音源信号を電気的に調整することで実現する。しかし、電気的な調整機能を設けることで、スピーカシステム自体が高価になる場合がある。
【0006】
また、ダブルバスレフ型スピーカシステムにおける音質は、2つのバスレフダクトの大きさや形状によって差異がある。そのため、ユーザは、再生する音源の種類に合わせて、複数のダブルバスレフ型スピーカシステムを所有する場合がある。
【0007】
そこで、一開示は、ユーザが好みの音質を簡易に設定することができる、ダブルバスレフ型スピーカシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前面及び後面が円形の円筒状であって、内部が空洞であって、前方に電動式スピーカを有し、側面の曲面に開けられた第1穴である第1ダクトを有する上部スピーカ部と、上部が開放された概直方体であって、前面に、第2穴及び第2穴から内方向に連結するパイプで構成される第2ダクトを有し、上部の開放部は、前面及び後面の上部が前記上部スピーカ部の円の半径と同じ半径の半円であって、両側の内側面が前記上部スピーカ部の側面の曲面の一部と同じ曲面である下部キャビネット部と、で構成され、前記上部スピーカ部が、前記下部キャビネット部の前記開放部に乗せられた状態で外部に音声が送出され、音声送出時、前記電動式スピーカから前方に音声が送出され、さらに、前記電動式スピーカから後方に送出された音声が、前記第1ダクトを通って前記下部キャビネット部に流入し、前記流入した音声が、前記パイプを介して前記第2ダクトから前方に送出されるダブルバスレフ型スピーカであって、前記上部スピーカ部を回転させることで前記第1ダクトの位置を変更し、前記第1ダクトの前記開放部に向けて開口される面積を調整し、前記第2ダクトから送出される音声の音質を調整できる調整機能を有する。
【発明の効果】
【0009】
ユーザが好みの音質を簡易に設定することができる、ダブルバスレフ型スピーカシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1の例を示す図である。
図2図2は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1を構成する2つのパーツの例を示す図である。
図3図3は、上部スピーカ部10の例を示す図である。
図4図4は、下方(第1ダクト103方向)から見た上部スピーカ部10の例を示す図である。
図5図5は、下部キャビネット部20の例を示す図である。
図6図6は、下部キャビネット部20の正面図及び断面図の例を示す図である。
図7図7は、レール204の例を示す図である。
図8図8は、下部キャビネット部20を上方より見た図である。
図9図9は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1の仕組みの例を示す図である。
図10図10は、第1ダクト103が全開口されている例を示す図である。
図11図11は、第1ダクト103が半開口されている例を示す図である。
図12図12は、第1ダクト103が1/4開口されている例を示す図である。
図13図13は、3種類の第2ダクト連結筒202の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。
【0012】
<ダブルバスレフ型スピーカシステム1の構成例>
図1は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1の例を示す図である。図1は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1を右斜め前から見た斜視図である。ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、前方(前面)の二か所から音声を発する。
【0013】
図2は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1を構成する2つのパーツの例を示す図である。ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、上部スピーカ部10と下部キャビネット部20で構成される。上部スピーカ部10の形状は、例えば、円筒状である。下部キャビネット部20の形状は、例えば、上部に半円筒状の開口部を有する箱型(直方体)である。上部スピーカ部10は、下部キャビネット部20の半円筒状の開口部に載せられることで、簡易にダブルバスレフ型スピーカシステム1を構成することができる。
【0014】
下部キャビネット部20の開口部が半円筒状であって、上部スピーカ部10が円筒状であるため、特に固定具を使用することなく、上部スピーカ部10は、下部キャビネット部20の上部で安定して静止することができる。
【0015】
ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、例えば、高さ252mm、奥行き240mm、幅116mmである。
【0016】
<上部スピーカ部10の構成例>
図3は、上部スピーカ部10の例を示す図である。上部スピーカ部10は、前面スピーカ部100、筐体101、後面信号入力部102、及び第1ダクト103で構成される。
【0017】
前面スピーカ部100は、円筒状であって、前方に音声を発する電動式スピーカを有する。電動式スピーカは、例えば、通電することで動作するスピーカであり、入力された電気信号を音波として前方に出力する。なお、前面スピーカ部100のスピーカは、前方以外に、後方に対しても、前方に発した音波の一部又は全部の音波を発することができる。スピーカは、例えば、後面信号入力部102と有線で接続され、有線を介して電気信号が入力され、入力された電気信号を音波に変換し、音声を発する。
【0018】
筐体101は、円筒状であり、前面に前面スピーカ部100、後面に後面信号入力部102が接続(固定)されている。筐体101は、例えば、透明や半透明であって、ガラス、プラスチックなどの材質で構成され、筒の外径及び内径を形成する壁は、ある程度の幅(例えば、3mm程度)を有する。筐体101が透明又は半透明である理由は、後述する第1ダクト103の開口面積の調整をユーザが行うため、透明又は半透明など、第1ダクト103などを含む筐体101の内部を、外部(例えば、第1ダクト103が位置する反対方向の側面)から視覚で確認できるものである必要があるからである。
【0019】
後面信号入力部102は、円筒状であり、外部から電気信号(ライン入力)や電源の入力を行う入力端子を有する。後面信号入力部102は、前面スピーカ部100と有線で接続し、外部から入力した信号を前面スピーカ部100に伝送する。
【0020】
図4は、下方(第1ダクト103方向)から見た上部スピーカ部10の例を示す図である。上部スピーカ部10の下部には、図4に示すように、円(概円)状のダクト(穴)が開いている。この穴を第1ダクト103と呼ぶ場合がある。第1ダクト103は、筐体101の壁の幅の深さを有する穴であり、円筒状であると言える。上部スピーカ部10の内部は、端子やケーブルを除き、概ね空洞である。
【0021】
上部スピーカ部10の円の半径は、例えば、52mmである。上部スピーカ部10の長さ(奥行き)は、例えば、下部キャビネット部20の奥行き240mmと同じ、又は少しはみ出る長さであってもよい。
【0022】
<下部キャビネット部20の構成例>
図5は、下部キャビネット部20の例を示す図である。下部キャビネット部20は、筐体部200、第2ダクト201、第2ダクト連結筒202、開口部203、及びレール204で構成される。第2ダクト連結筒202については、後述する。
【0023】
筐体部200は、箱型(概直方体)のキャビネットであって、上部は開放されており、開口部203(開放部)を有する。筐体部200の内部は、後述する第2ダクト連結筒202以外、概ね空洞である。筐体部200は、例えば、木材やプラスチックなどで構成され、第1ダクト103から流入した音声が反響する構成となっている。
【0024】
また、下部キャビネット部20は、前面に第2ダクト201を有する。第2ダクト201は、後述する第2ダクト連結筒202と接続する穴であり、円(概円)状である。筐体部200の内部で反響した音声は、第2ダクト連結筒202を介して(通って)、第2ダクト201から流出する。なお、第2ダクト201に第2ダクト連結筒202が接続された状態において、第2ダクト201と第2ダクト連結筒202で構成されるダクトを、第2ダクトと考えてもよい。
【0025】
開口部203は、下部キャビネット部20の上部に構成される。開口部203は、例えば、半円筒状であり、上部スピーカ部10を密着して載せることができる形状である。
【0026】
開口部203は、左右にレール204を有する。レール204は、開口部203の上部を形成する形状であって、半円筒状の一部の弧(曲面)を内側に有する。レール204は、上部スピーカ部10が下部キャビネット部20の上に搭載されているとき、上部スピーカ部10の側面(筐体101)と密着するような形状(上部スピーカ部10の側面の曲面の一部と同じ曲面)である。レール204を内側に曲面を有する構造とすることで、開口部203の側面の内側(内側面)は、上部スピーカ部10と同じ曲面を両側に有する形状となる。
【0027】
また、レール204は、例えば、ゴムなどの密着する材質で構成される。レール204を設置することで、下部キャビネット部20と上部スピーカ部10が密着して接することができ、上部スピーカ部10が静止状態(前後の動きや回転をしない状態)を維持しやすくなり、さらに、音声(特に下部キャビネット部20の筐体部200の内部で反響する音声)が、外部に漏れにくくなる。
【0028】
図6は、下部キャビネット部20の正面図及び断面図の例を示す図である。図6(A)は、下部キャビネット部20の正面図の例であって、図6(B)は、下部キャビネット部20を前後方向の中央付近で切断した断面図の例である。
【0029】
正面図について説明する。下部キャビネット部20は、前面の概中央に第2ダクト201を有する。そして、下部キャビネット部20は、上部に概半円上の開口部203を有する。開口部203の半円は、一部がレール204で構成され、残りを前面のパネルで構成される。開口部203の半円の半径は、上部スピーカ部10(筐体101)の円筒の半径と同じである。前面の開口部203は、上部スピーカ部10が上に載せられているとき、上部スピーカ部10を下方より支える。
【0030】
断面図について説明する。下部キャビネット部20は、第2ダクト201の位置に、第2ダクト連結筒202を有する。第2ダクト連結筒202は、筒状のパイプであって、第2ダクト201と結合できる形状である。図6(B)の第2ダクト連結筒202は断面であって、外径(筒の外側の円の半径)は、第2ダクト201と同じである。そして、下部キャビネット部20は、上部に開口部203を有する。断面において、開口部203は、半円の一部(円弧)で構成される。開口部203の円弧は、左右のレール204で構成される。開口部203の円弧の半径は、前面の開口部203の半径と同じく、上部スピーカ部10(筐体101)の円筒の半径と同じである。断面の開口部203は、上部スピーカ部10が上に載せられているとき、上部スピーカ部10を下方より支える。上部スピーカ部10を支える部分(接触する部分)は、例えば、ゴムなどの密着する材質で構成される。
【0031】
図7は、レール204の例を示す図である。レール204は、前方及び後方の一部が中央部よりも細い(小さい)柱状の形状を有する。よって、断面図におけるレール204の面積のほうが、正面図におけるレール204の面積よりも、大きくなる。
【0032】
また、下部キャビネット部20の前面上部及び後面上部の半円は、例えば、前面のパネル及び後面のパネルを当該形状とすることで実現する。下部キャビネット部20の側面における曲線は、レール204で構成される。レール204の曲面は、上部スピーカ部10の側面との接触面となる。
【0033】
図8は、下部キャビネット部20を上方より見た図である。図8に示すように、第2ダクト201と第2ダクト連結筒202は、第2ダクト201において接続(連結)している。そして、第2ダクト連結筒202は、下部キャビネット部20の前方より中央付近までの長さを有する筒である。第2ダクト連結筒202の長さは一例であって、この長さに限定されない。第2ダクト連結筒202は、第2ダクト201の穴に差し込むことで連結可能であるため、取り付け及び取り外しが容易である。そこで、複数の第2ダクト連結筒202を用意し、これ取り替えることで、好みの音声を探索することも可能である。
【0034】
下部キャビネット部20は、例えば、高さ200mm、奥行き240mm、幅116mmである。
【0035】
<ダブルバスレフ型の仕組み>
図9は、ダブルバスレフ型スピーカシステム1の仕組みの例を示す図である。図9は、上部スピーカ部10が下部キャビネット部20の上に載っている、組み立て済みの状態である。
【0036】
ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、上部スピーカ部10の前面スピーカ部100より、前方に音声を送出する(S10)。このとき、一部の音声は、前面スピーカ部100の後方に送出される(S11)。
【0037】
後方に送出された音声は、第1ダクト103を通って、下部キャビネット部20の筐体部200に流入する。筐体部200内に流入した音声は第2ダクト連結筒202を通って、第2ダクト201から送出される(S14)。
【0038】
これにより、ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、前面スピーカ部100と第2ダクトの両方から音声が送出される。ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、第1ダクト103と第2ダクト連結筒202があることにより、2つのバスレフダクトによる共振を持ったスピーカシステムとなる。
【0039】
第1ダクト103の共振周波数は、例えば、第1ダクト103及びその周辺の空気量(S12)によって変化する。また、第2ダクト連結筒202の共振周波数は、例えば、第2ダクト連結筒202及びその周辺の空気量(S13)によって変化する。
【0040】
<第1ダクト103の調整>
ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、第1ダクト103の開口面積を、ユーザが簡易に調整することができる。開口面積を変化させることで、第1ダクト103内及び周辺の空気量を変化させることができる。第1ダクト103内及び周辺の空気量を変化させることで、第1ダクト103の共振周波数を変化させることができる。
【0041】
ユーザは、調整において、例えば、上部スピーカ部10を持ち上げ、円筒の円方向に回転し、再度上部スピーカ部10を下部キャビネット部20の上に置く。ユーザは、回転の角度(回転度合い)を調整することで、第1ダクト103の面積(第1ダクト103の共振周波数)を調整することができる。
【0042】
図10は、第1ダクト103が全開口されている例を示す図である。第1ダクト103の穴は、両サイドにあるレール204に触れておらず、全て開口されている。
【0043】
図11は、第1ダクト103が半開口されている例を示す図である。第1ダクト103の穴は、左サイドにあるレール204に約半分の面積がふさがれており、約半分の面積だけ開口されている。
【0044】
図12は、第1ダクト103が1/4開口されている例を示す図である。第1ダクト103の穴は、左サイドにあるレール204に約3/4の面積がふさがれており、約1/4の面積だけ開口されている。
【0045】
第1ダクト103の開口面積は、全開口、半開口、1/4開口の順に少なくなる。第1ダクト103の開口面積によって、第1ダクト103の共振周波数が変化し、音質が変化する。例えば、第1ダクト103の面積が小さくなるほど、共振周波数は低くなる傾向がある。ユーザは、例えば、音声を流しながら上部スピーカ部10を回転させ、好みの音質となるまで調整を行うことができる。
【0046】
なお、例えば、図10の全開口の場合、第1ダクト103は、左右において、およそ真ん中付近に位置するが、左又は右にずらしてもよい。第1ダクト103を、左右にずらずことで、同じ全開口でも、音質が変化する場合がある。すなわち、ユーザは、開口面積以外の要素を調整することで、音質の調整を行うことができる。
【0047】
さらに、図示しないが、ユーザは、第1ダクト103を全てレール204にふさがれる、開口なし状態にしてもよい。この開口なし状態を実現するため、レール204の有する弧の幅は、例えば、第1ダクト103の直径より大きくしてもよい。
【0048】
<第2ダクト連結筒202の調整>
ダブルバスレフ型スピーカシステム1は、第2ダクト連結筒202を変更することができる。ユーザは、第2ダクト連結筒202を変更することで、音質を調整することができる。例えば、第2ダクト連結筒202を変更することで、共振周波数が変わる。
【0049】
図13は、3種類の第2ダクト連結筒202の例を示す図である。図13(A)は、長さが50mmである。図13(B)は、長さが70mmである。図13(C)は、長さが90mmである。このように、ユーザは、第2ダクト連結筒202を取り換えることで、音質を調整することができる。
【0050】
ユーザは、上部スピーカ部10を回転させる調整、及び第2ダクト連結筒202を交換する調整を行うことで、簡易に、好みの音質を探索することができる。
【0051】
なお、図13においては、長さが異なる第2ダクト連結筒202を用意したが、例えば、内径(内側の半径)が異なる第2ダクト連結筒202を複数用意してもよい。内径を変更することで、第2ダクト連結筒202内の空気量が変化するため、第2ダクト連結筒202における共振周波数が変わる。
【符号の説明】
【0052】
1 :ダブルバスレフ型スピーカシステム
10 :上部スピーカ部
100 :前面スピーカ部
101 :筐体
102 :後面信号入力部
103 :第1ダクト
20 :下部キャビネット部
200 :筐体部
201 :第2ダクト
202 :第2ダクト連結筒
203 :開口部
204 :レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13