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  • 特開-加熱調理器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166162
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/10 20060101AFI20231114BHJP
   F24C 3/02 20210101ALI20231114BHJP
   F24C 15/06 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
F24C3/10 G
F24C3/02 H
F24C15/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077001
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】畑岡 完
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大介
(57)【要約】
【課題】乾電池8,8に接続される制御基板10を備える加熱調理器1であって、加熱調理器の器体2内に、器体2の前面21近傍に位置させて電池ケース7が設けられ、器体2の前面21の電池ケース7に対向する部分に電池出し入れ用の開口21aが形成されて、この開口21aと電池ケース7の一面の開放面7aとを通して乾電池8,8を電池ケース7に出し入れ自在とするものにおいて、制御基板10の点検時の作業性に優れた加熱調理器1を提供する。
【解決手段】電池ケース7の開放面7a以外の所定の外面に制御基板10が取り付けられ、電池ケース7は、電池出し入れ用の開口21aに開放面7aが臨む通常姿勢と、電池出し入れ用の開口21aを通して制御基板10が視認可能となる点検姿勢とに回転自在に支持される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾電池に接続される制御基板を備える加熱調理器であって、加熱調理器の器体内に、器体の前面近傍に位置させて電池ケースが設けられ、器体の前面の電池ケースに対向する部分に電池出し入れ用の開口が形成されて、この開口と電池ケースの一面の開放面とを通して乾電池を電池ケースに出し入れ自在とするものにおいて、
電池ケースの開放面以外の所定の外面に制御基板が取り付けられ、電池ケースは、電池出し入れ用の開口に開放面が臨む通常姿勢と、電池出し入れ用の開口を通して制御基板が視認可能となる点検姿勢とに回転自在に支持されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記電池出し入れ用の開口に、前記電池ケースを通常姿勢から回転しないように拘束する拘束枠が着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾電池に接続される制御基板を備える加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
元来、この種の加熱調理器では、加熱調理器の器体内に、器体の前面近傍に位置させて電池ケースを設け、器体の前面の電池ケースに対向する部分に電池出し入れ用の開口を形成して、この開口と電池ケースの一面の開放面とを通して乾電池を電池ケースに出し入れ自在としている。そして、このような加熱調理器において、従来、電池ケースの開放面以外の所定の外面(電池ケースの開放面を前面として、電池ケースの背面や側面)に制御基板を取り付けたものも知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このものでは、電池ケースと制御基板とを接続する配線を短くすることができる利点がある。
【0003】
ところで、制御基板の点検時には、制御基板に故障診断用コネクタを接続して、点検が行われる。上記従来例のものでは、故障診断用コネクタを制御基板に接続するため、加熱調理器の器体の天板を取り外す必要がある。ここで、天板は、使用者が器体内の内蔵品に触れることを防止するため、簡単には取り外せないようになっている。従って、天板の取り外しが必要となる上記従来例のものは、制御基板の点検時の作業性が悪くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10―132280号公報
【特許文献2】特開2007―147111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、制御基板の点検時の作業性に優れた加熱調理器を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、乾電池に接続される制御基板を備える加熱調理器であって、加熱調理器の器体内に、器体の前面近傍に位置させて電池ケースが設けられ、器体の前面の電池ケースに対向する部分に電池出し入れ用の開口が形成されて、この開口と電池ケースの一面の開放面とを通して乾電池を電池ケースに出し入れ自在とするものにおいて、電池ケースの開放面以外の所定の外面に制御基板が取り付けられ、電池ケースは、電池出し入れ用の開口に開放面が臨む通常姿勢と、電池出し入れ用の開口を通して制御基板が視認可能となる点検姿勢とに回転自在に支持されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、電池ケースを点検姿勢に回転させることで、電池出し入れ用の開口を介して、制御基板に故障診断用コネクタを接続することができる。このため、加熱調理器の器体の天板を取り外すことなく、制御基板の点検を行うことができ、点検時の作業性に優れている。
【0008】
また、本発明において、前記電池出し入れ用の開口に、前記電池ケースを通常姿勢から回転しないように拘束する拘束枠が着脱自在に装着されることが望ましい。これによれば、制御基板の点検時以外には、前記拘束枠を前記電池出し入れ用の開口に装着することで、電池ケースが点検姿勢に回転するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の加熱調理器の斜視図。
図2】実施形態の加熱調理器の電池ケースが設けられた部分の切断側面図。
図3】(a)図2のIIIa-IIIa線で切断した切断平面図、(b)実施形態の加熱調理器の電池ケースを点検姿勢に回転させた状態の切断平面図。
図4】(a)実施形態の加熱調理器の電池ケースを通常姿勢にした状態の正面図、(b)実施形態の加熱調理器の電池ケースを点検姿勢にした状態の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、本発明の実施形態である加熱調理器1を説明する。この加熱調理器1は、器体たるコンロ本体2の上面を覆う天板3上に露出する左右一対のコンロバーナ4,4と、コンロ本体2内に配置した、前面にグリル扉51を有するグリル5とを備えるガスコンロである。グリル扉51の横方向両側に位置する、コンロ本体2の前面たる左右一対の前面パネル21,22に、各コンロバーナ4やグリルバーナ(図示せず)の点消火ボタン6が配置されている。そして、コンロ本体2には、電池ケース7が内蔵されている。
【0011】
図2乃至図4も参照して、電池ケース7は、2個の乾電池8,8を左右に並べて保持可能であって、左側の前面パネル21の近傍に配置されている。電池ケース7の後述する通常姿勢で前方を向く面を前面として、この前面は開放面7aになっている。電池ケース7の両側面には、前方に延出する舌片部71,71が夫々設けられると共に、各舌片部71,71には、その板厚方向に貫通する開口71a,71aが夫々開設されている。また、電池ケース7の背面には、制御基板10が取り付けられている。
【0012】
制御基板10は、図示省略の配線を介して、電源としての乾電池8,8及び各コンロバーナ4やグリルバーナの点火装置等の各種電装品に接続されて、各種電装品の駆動を制御する。また、制御基板10は、故障診断用コネクタが接続されるコネクタ10aを有しており、制御基板10の点検時には、コネクタ10aに故障診断用コネクタを接続して点検が行われる。
【0013】
電池ケース7に対向する前面パネル21の部分には、略矩形の電池出し入れ用の開口21aが形成されている。そして、開口21aと電池ケース7の開放面7aとを通して、乾電池8,8を電池ケース7に出し入れ自在としている。また、開口21aには、着脱自在な拘束枠9が嵌装されている。拘束枠9の左右方向両側の枠部からは、後方に延出する連結部91,91が設けられると共に、各連結部91,91の先端には、爪部92,92が夫々突設されている。拘束枠9を開口21aに装着する際には、各爪部92,92が、電池ケース7の各舌片部71,71の各開口71a,71aに夫々係合することで、拘束枠9が開口21aの周縁部に圧接する。そして、拘束枠9を開口21aに装着することで、電池ケース7は、前面パネル21の開口21aに電池ケース7の開放面7aが臨む通常姿勢(図2図3(a)及び図4(a)に示す電池ケース7の姿勢)から回転しないように拘束される。また、拘束枠9には、蓋部94が下端のヒンジ95を介して開閉自在に装着されている。
【0014】
コンロ本体2の前部上枠23と前部下枠24には、支持ピン11a,11bが上下方向に夫々突設されると共に、電池ケース7の上面及び下面には、これらの支持ピン11a,11bが夫々篏合する略C形の篏合部73a,73bが夫々設けられている。各支持ピン11a,11bが電池ケース7の各篏合部73a,73bに篏合することで、電池ケース7が支持ピン11a,11bの軸線たる上下方向の軸線回りに回転自在に軸支される。そして、電池ケース7は、上記通常姿勢と、開口21aを通して電池ケース7背面の制御基板10が視認可能となる点検姿勢(図3(b)及び図4(b)に示す電池ケース7の姿勢)とに回転自在となる。尚、上記点検姿勢への回転は、上記各開口71aに対する上記各爪部92の係合を解除して、拘束枠9を取り外した状態で行う。
【0015】
電池ケース7を上記の如く点検姿勢に回転させることで、電池出し入れ用の開口21aを介して、制御基板10のコネクタ10aに故障診断用コネクタを接続することができる。このため、コンロ本体2から天板3を取り外すことなく、制御基板10の点検を行うことができ、点検時の作業性に優れている。また、制御基板10の点検時以外には、拘束枠9を電池出し入れ用の開口21aに装着することで、電池ケース7が上記点検姿勢に回転するのを防止することができる。
【0016】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、上下方向に夫々突設される支持ピン11a,11bにより、電池ケース7が軸支されているが、コンロ本体2内に、左右方向に夫々突出する各支持ピンを設けると共に、電池ケース7の両側面に篏合部を設けて、電池ケース7を左右方向の軸線回りに回転自在に軸支することもできる。また、上記実施形態では、電池ケース7の背面に制御基板10を設けているが、電池ケース7を上下方向又は左右方向の軸線回りに回転させることで、制御基板10が前面パネル21の開口21aを通して視認可能となるのであれば、電池ケース7の側面、上面や下面に制御基板10を設けることもできる。
【0017】
また、上記実施形態では、支持ピン11a,11bを回転中心として、電池ケース7を通常姿勢から時計回り方向に約160度回転させた姿勢を点検姿勢としたが、電池ケース7の回転角度はこれに限定されない。電池ケース7を通常姿勢から回転させて、制御基板10が前面パネル21の開口21aを通して視認可能となる回転角度であり、かつ、コンロ本体2内に設けられる部品や配線等の障害とならない回転角度であればよい。
【符号の説明】
【0018】
1…加熱調理器、2…コンロ本体(加熱調理器の器体)、21…前面パネル(器体の前面)、21a…電池出し入れ用の開口、7…電池ケース、7a…開放面、8…電池、9…拘束枠、10…制御基板。
図1
図2
図3
図4