IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ EPSホールディングス株式会社の特許一覧

特開2023-166180治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム
<>
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図1
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図2
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図3
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図4
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図5
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図6
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図7
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図8
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図9
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図10
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図11
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図12
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図13
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図14
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図15
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図16
  • 特開-治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166180
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20231114BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20231114BHJP
【FI】
G16H10/40
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077053
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】520153648
【氏名又は名称】EPSホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】町田 伸雄
(72)【発明者】
【氏名】原 伸彰
(72)【発明者】
【氏名】城間 俊兼
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】治験作業者の作業負担を軽減しつつ治験データの信頼性を確保する。
【解決手段】本治験データ処理装置は、ユーザのログインを受け付けるログイン処理部と、治験に参加する治験参加者に係る治験データ及び上記治験データに対する修正内容と修正理由とを含む修正指示を受信する受信部と、上記修正指示によって修正が指示された修正箇所を編集可能とし、かつ、上記修正箇所以外の箇所を編集不可として上記治験データを出力する出力部と、ログインした上記ユーザによる上記修正箇所に対する修正を受け付ける修正受付部と、上記修正箇所の修正前のデータと、上記修正箇所の修正後のデータと、上記修正を行った上記ユーザを示すユーザ情報と、上記修正が行われた日時と、上記修正理由と、を対応付ける修正履歴を記憶する記憶部と、照会要求に応じて上記修正履歴を出力する照会部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのログインを受け付けるログイン処理部と、
治験に参加する治験参加者に係る治験データ及び前記治験データに対する修正内容と修正理由とを含む修正指示を受信する受信部と、
前記修正指示によって修正が指示された修正箇所を編集可能とし、かつ、前記修正箇所以外の箇所を編集不可として前記治験データを出力する出力部と、
ログインした前記ユーザによる前記修正箇所に対する修正を受け付ける修正受付部と、
前記修正箇所の修正前のデータと、前記修正箇所の修正後のデータと、前記修正を行った前記ユーザを示すユーザ情報と、前記修正が行われた日時と、前記修正理由と、を対応付ける修正履歴を記憶する記憶部と、
照会要求に応じて前記修正履歴を出力する照会部と、を備える、
治験データ処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、人体に生じる有害事象を示す言葉と、前記有害事象を示す医学用語とを対応付ける用語対応関係をさらに記憶し、
前記治験データは、前記治験の実施中に前記治験参加者に生じた有害事象を示す言葉を含み、
前記治験データ処理装置は、前記治験参加者に生じた有害事象を示す言葉に対して、前記用語対応関係において対応付けられた前記医学用語を付加する付加部をさらに備える、
請求項1に記載の治験データ処理装置。
【請求項3】
前記治験データは、複数の項目を含み、
前記記憶部は、前記治験データに含まれる前記項目を種別と対応付ける種別対応関係をさらに記憶し、
前記治験データ処理装置は、前記種別対応関係を参照して、前記治験データの各項目を種別ごとに分割した分割ファイルを出力する分割部をさらに備える、
請求項1または2に記載の治験データ処理装置。
【請求項4】
ユーザのログインを受け付けるログイン処理と、
治験に参加する治験参加者に係る治験データ及び前記治験データに対する修正内容と修正理由とを含む修正指示を受信する受信処理と、
前記修正指示によって修正が指示された修正箇所を編集可能とし、かつ、前記修正箇所以外の箇所を編集不可として前記治験データを出力する出力処理と、
ログインした前記ユーザによる前記修正箇所に対する修正を受け付ける修正受付処理と、
前記修正箇所の修正前のデータと、前記修正箇所の修正後のデータと、前記修正を行った前記ユーザを示すユーザ情報と、前記修正が行われた日時と、前記修正理由と、を対応付ける修正履歴を記憶部に記憶させる記憶処理と、
照会要求に応じて前記修正履歴を出力する照会処理と、をコンピュータが実行する、
治験データ処理方法。
【請求項5】
ユーザのログインを受け付けるログイン処理と、
治験に参加する治験参加者に係る治験データ及び前記治験データに対する修正内容と修正理由とを含む修正指示を受信する受信処理と、
前記修正指示によって修正が指示された修正箇所を編集可能とし、かつ、前記修正箇所以外の箇所を編集不可として前記治験データを出力する出力処理と、
ログインした前記ユーザによる前記修正箇所に対する修正を受け付ける修正受付処理と、
前記修正箇所の修正前のデータと、前記修正箇所の修正後のデータと、前記修正を行っ
た前記ユーザを示すユーザ情報と、前記修正が行われた日時と、前記修正理由と、を対応付ける修正履歴を記憶部に記憶させる記憶処理と、
照会要求に応じて前記修正履歴を出力する照会処理と、をコンピュータに実行させる、
治験データ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
新しく見出された医薬品、化粧品、健康食品等(以下、「医薬品等」と称する)の安全性及び有効性を確認するために治験が行われる。治験は、治験参加者の安全性や治験の信頼性等を考慮して所定の基準を満たした医療機関(以下、「治験医療機関」と称する)にて行われる。近年では、治験の一部をインターネット経由で行うことも検討されている。
【0003】
治験参加者の性別、年齢等の治験参加者の情報や、治験中における治験参加者の体調変化等を含む治験データが収集され、統計解析されることで、医薬品等の有効性及び副作用が評価される。このような医薬品等の評価に対する信頼性を担保するため、収集した治験データに対する処理プロセスが、例えば、日本国における「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」(通称、ER/ES指針)や米国におけるFDA21 CFR Part11において規定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-299150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治験の信頼性を担保するため、所定のデータ形式で生成された治験データはElectronic Data Capture(EDC)を介して収集される。そして、EDCは、収集した治験データの整合性のチェックやデータの修正等を行った上で統計解析に適したデータ形式に変換して解析システムに出力する。
【0006】
しかしながら、治験の現場では、EDCを介さずに収集される治験データも存在する。そして、このような治験データは、Comma Separated Value(CSV)形式のように容易に編集可能なファイル形式であることが多い。治験データが容易に編集可能なファイル形式である場合、修正対象外のデータまで修正される等の意図しない修正が治験データに対して行われる虞がある上に、修正を行った治験作業者の追跡も困難となり得る。そのため、治験データの信頼性が低下する虞があった。また、このような信頼性の低下を抑制するため、修正前後の治験データを対比する目視確認及び確認結果の記録の作成等が行われており、治験作業者の負担となっていた。
【0007】
開示の技術の1つの側面は、治験作業者の作業負担を軽減しつつ治験データの信頼性を確保できる治験データ処理装置、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術の1つの側面は、次のような治験データ処理装置によって例示される。本治験データ処理装置は、ユーザのログインを受け付けるログイン処理部と、治験に係る治験データ及び上記治験データに対する修正内容と修正理由とを含む修正指示を受信する受信部と、上記修正指示によって修正が指示された修正箇所を編集可能とし、かつ、上記修正箇所以外の箇所を編集不可として上記治験データを出力する出力部と、ログインした上記
ユーザによる上記修正箇所に対する修正を受け付ける修正受付部と、上記修正箇所の修正前のデータと、上記修正箇所の修正後のデータと、上記修正を行った上記ユーザを示すユーザ情報と、上記修正が行われた日時と、上記修正理由と、を対応付ける修正履歴を記憶する記憶部と、照会要求に応じて上記修正履歴を出力する照会部と、を備える。
【0009】
本治験データ処理装置によれば、修正が指示された箇所以外の箇所に対する意図しない修正が抑制される。また、修正前のデータと、修正箇所の修正後のデータと、修正を行ったユーザを示すユーザ情報と、修正が行われた日時と、修正理由と、を対応付ける修正履歴が照会要求に応じて出力することができることから、治験データに対する修正が、いつ、どのような理由で、誰が行ったか容易に把握できる。すなわち、本治験データ処理装置によれば、意図しない修正が抑制されるとともに修正履歴を容易に照会可能であることから、治験作業者の作業負担を軽減しつつ治験データの信頼性を確保することができる。
【0010】
本治験データ処理装置は、次の特徴をさらに備えてもよい。上記記憶部は、人体に生じる有害事象を示す言葉と、上記有害事象を示す医学用語とを対応付ける用語対応関係をさらに記憶し、上記治験データは、上記治験の実施中に上記治験参加者に生じた有害事象を示す言葉を含み、上記治験データ処理装置は、上記治験参加者に生じた有害事象を示す言葉に対して、上記用語対応関係において対応付けられた上記医学用語を付加する付加部をさらに備える。治験データに含まれる有害事象を示す言葉は、治験参加者によって入力されることから、その表現にばらつきが生じやすい。このような特徴を備えることで、本治験データ処理装置は、有害事象を示す言葉にばらつきが生じても、同一の有害事象に対して同一の医学用語を付加することができる。そのため、本治験データ処理装置は、有害事象を示す言葉のばらつきによる後続処理の困難性を低下させることができる。
【0011】
本治験データ処理装置は、次の特徴をさらに備えてもよい。上記治験データは、複数の項目を含み、上記記憶部は、上記治験データに含まれる上記項目を種別と対応付ける種別対応関係をさらに記憶し、上記治験データ処理装置は、上記種別対応関係を参照して、上記治験データの各項目を種別ごとに分割した分割ファイルを出力する分割部をさらに備える。Clinical Data Interchange Standards Consortium(CDISC)標準のStudy Data Tabulation Model(SDTM)では、種別(ドメイン)毎に治験データを分割することが規定されている。このような特徴を備えることで、本治験データ処理装置は、治験データのSDTMに準拠したファイル形式への変換の少なくとも一部を実行することができる。
【0012】
開示の技術は、治験データ処理方法及び治験データ処理プログラムの側面から把握することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、治験作業者の作業負担を軽減しつつ治験データの信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係るデータクリーニングシステムの一例を示す図である。
図2図2は、サーバの処理ブロックの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態において管理データベースに格納される辞書テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態において管理データベースに格納されるドメイン管理テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態において管理データベースに格納される用語管理テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態において治験結果データベースに格納される治験結果テーブル191の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態において治験結果データベースに格納される修正履歴テーブル192の一例を示す図である。
図8図8は、CSV形式の治験データの一例を示す図である。
図9図9は、XML形式の治験データの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態において出力部によって出力される修正画面の一例を示す図である。
図11図11は、患者背景データの内容の一例を模式的に示す図である。
図12図12は、有害事象データの内容の一例を模式的に示す図である。
図13図13は、実施形態における修正履歴照会画面の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係るサーバの処理フローの一例を示す第1の図である。
図15図15は、実施形態に係るサーバの処理フローの一例を示す第2の図である。
図16図16は、実施形態に係るサーバの処理フローの一例を示す第3の図である。
図17図17は、実施形態に係るサーバの処理フローの一例を示す第4の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。図1は、実施形態に係るデータクリーニングシステム600の一例を示す図である。データクリーニングシステム600は、サーバ100、後続処理サーバ400及び治験参加者端末500を含む。サーバ100と後続処理サーバ400とは、コンピュータネットワークN1によって相互に通信可能である。また、サーバ100と治験参加者端末500とは、コンピュータネットワークN2によって相互に通信可能である。また、コンピュータネットワークN1とコンピュータネットワークN2とが分離されていることで、治験参加者端末500から後続処理サーバ400へのアクセスが抑制される。
【0016】
データクリーニングシステム600は、医薬品等の治験に参加する治験参加者からの治験に係る治験データが治験参加者端末500からサーバ100に送信される。サーバ100は、治験参加者端末500から受信した治験データの整合性のチェック及び所定のデータ形式への変換を治験データに対する信頼性を担保しつつ行い、後続処理を行う後続処理サーバ400に対して変換したデータを出力する。
【0017】
サーバ100及び後続処理サーバ400は、情報処理装置である。サーバ100及び後続処理サーバ400は、例えば、治験事業者によって管理される。サーバ100及び後続処理サーバ400は、治験事業者の事業所内に設置されてもよい。また、サーバ100及び後続処理サーバ400は、インターネット上に設置されるサーバ(例えば、クラウドサーバ)であってもよい。
【0018】
治験参加者端末500は、例えば、治験に参加する治験参加者によって使用される可搬型の情報処理装置である。治験参加者端末500としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、ノートブック型パーソナルコンピュータ等を挙げることができる。治験参加者端末500は、例えば、治験を実施する治験事業者から治験参加者に渡される端末である。
【0019】
治験参加者端末500には、治験参加者によって治験中に生じた体調の変化(例えば、体調の悪化を示す有害事象)、服用した医薬品等の種類、日時及び量等の治験に係る情報が入力される。治験参加者端末500は、治験に係る情報を含む治験データをサーバ100に送信する。ここで、治験参加者端末500から送信される治験データは、CSV形式やXML形式によって例示される容易に編集可能なファイル形式である。そして、後続処理サーバ400で実行される後続処理では、治験データはSDTMに準拠したファイル形式が受け付けられる。また、治験では、日本国におけるER/ES指針や米国におけるFDA21 CFR Part11によって、治験データに対して高い信頼性が要求される。そこで、サーバ100では、治験参加者端末500から受信した治験データを固定して保存するとともに、修正が行われる場合には修正前後の値、修正の理由、修正が行われた日時、修正を行った治験作業者を管理することで治験データに対する信頼性を担保するとともに、後続処理サーバ400で処理可能なファイル形式への変換を行う。サーバ100は、「治験データ処理装置」の一例である。
【0020】
コンピュータネットワークN1、N2は、情報処理装置を相互に通信可能に接続する。コンピュータネットワークN1は、例えば、インターネットである。コンピュータネットワークN2は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)である。
【0021】
続いて、図1を参照して、サーバ100のハードウェア構成について説明する。サーバ100は、CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、第1通信部104、第2通信部及びディスプレイ106を備える。
【0022】
CPU101は、マイクロプロセッサーユニット(MPU)、プロセッサーとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサーに限定される訳ではなく、マルチプロセッサー構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサー、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサー、ベクトルプロセッサー、画像処理プロセッサー等の専用プロセッサーで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラーユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0023】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0024】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、第1通信部104及び第2通信部105を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理
装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0025】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0026】
第1通信部104は、例えば、コンピュータネットワークN1とのインターフェースである。また、第2通信部105は、例えば、コンピュータネットワークN2とのインターフェースである。コンピュータネットワークN1、N2は、有線であっても無線であってもよい。第1通信部104は、コンピュータネットワークN1を介して外部の装置と通信を行う。また、第2通信部105は、コンピュータネットワークN1を介して外部の装置と通信を行う。
【0027】
ディスプレイ106は、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを表示する。ディスプレイ106は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、無機Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルである。
【0028】
<サーバ100の処理ブロック>
図2は、サーバ100の処理ブロックの一例を示す図である。サーバ100は、ログイン処理部11、受信部12、付加部13、出力部14、修正受付部15、分割部16、照会部17、管理データベース18及び治験結果データベース19を備える。サーバ100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記サーバ100の、ログイン処理部11、受信部12、付加部13、出力部14、修正受付部15、分割部16、照会部17、管理データベース18及び治験結果データベース19等の各部としての処理を実行する。なお、管理データベース18及び治験結果データベース19は、例えば、補助記憶部103上に構築される。また、図2において、「データベース」は、「DB」と表記される。
【0029】
管理データベース18には、体調不良等の人体に生じる有害事象を示す言葉と医学用語との対応関係や、治験データの各項目のドメイン(種別)が記憶される。図3は、実施形態において管理データベース18に格納される辞書テーブル181の一例を示す図である。辞書テーブル181には、「医学用語」及び「有害事象コード」の各項目を含む。「医学用語」には、医師等の医療関係者が用いる有害事象を示す用語が格納される。「有害事象コード」には、有害事象を一意に識別する識別コードが格納される。
【0030】
図4は、実施形態において管理データベース18に格納されるドメイン管理テーブル182の一例を示す図である。ドメイン管理テーブル182は、「項目」及び「ドメイン」の各項目を含む。「項目」には、治験データに含まれる項目が格納される。図4の例では、治験データの項目として、「患者番号」、「年齢」、「性別」、「有害事象」、「医学用語事象」、「有害事象コード」、「開始日」、「終了日」が挙げられる。「ドメイン」には、治験データに含まれる各項目のドメインを示す情報が格納される。ドメイン管理テーブル182は、「種別対応関係」の一例である。
【0031】
図5は、実施形態において管理データベース18に格納される用語管理テーブル183の一例を示す図である。用語管理テーブル183は、「有害事象を示す言葉」及び「有害事象コード」の各項目を含む。「有害事象を示す言葉」には、治験対象者によって入力される有害事象を示す言葉が格納される。「有害事象を示す言葉」に格納される言葉は医療
関係者以外の一般人が体調の変化を示す際に用いられる言葉を含む。「有害事象を示す言葉」としては、例えば、「熱っぽい」、「だるい」といった言葉を挙げることができる。「有害事象コード」は、辞書テーブル181の「有害事象コード」と同一であるため、その説明を省略する。辞書テーブル181及び用語管理テーブル183は、「用語対応関係」の一例である。
【0032】
治験結果データベース19には、治験参加者端末500から受信した治験データ及びその修正履歴が格納されるデータベースである。図6は、実施形態において治験結果データベース19に格納される治験結果テーブル191の一例を示す図である。治験結果テーブル191は、「試験名」、「患者番号」、「年齢」、「性別」、「有害事象」、「医学用語事象」、「有害事象コード」、「開始日」、「終了日」の各項目を含む。
【0033】
「試験名」には、治験を一意に特定する名称が格納される。「患者番号」には、治験参加者夫々に対応付けられた番号が格納される。「年齢」には、治験参加者の年齢が格納される。「性別」には、治験参加者の性別が格納される。「有害事象」には、治験参加者端末500において治験参加者によって入力された有害事象を示す言葉が格納される。「医学用語事象」には、「有害事象」に入力された有害事象を示す言葉を示す医学用語が格納される。「有害事象コード」は、辞書テーブル181の「有害事象コード」と同一であるため、その説明を省略する。「開始日」には、有害事象の開始日が格納される。「終了日」には、有害事象の終了日が格納される。なお、図6の例では、「開始日」及び「終了日」は年4桁、月4桁、日2桁で示されるが、これ以外の表記法によって「開始日」及び「終了日」が示されてもよい。なお、図6の例では、「試験名」、「患者番号」、「年齢」、「性別」、「有害事象」、「医学用語事象」、「有害事象コード」、「開始日」、「終了日」の各項目が挙げられたが、これら以外の項目が治験結果テーブル191に含まれてもよいし、一部の項目が治験結果テーブル191から省略されてもよい。また、「医学用語事象」は、後述する付加部13による処理が行われる前の段階では、例えば、空欄とされる。
【0034】
図7は、実施形態において治験結果データベース19に格納される修正履歴テーブル192の一例を示す図である。修正履歴テーブル192は、「試験名」、「修正項目」、「修正前値」、「修正日時」、「修正後値」、「修正理由」、「修正者」の各項目を含む。
【0035】
「試験名」は、治験結果テーブル191の「試験名」と同一であるため、その説明を省略する。「修正項目」には、治験結果テーブル191に格納されたデータのうち、修正の対象となる項目が格納される。複数の治験に係る治験データが治験結果テーブル191に格納されている場合でも、「試験名」と「修正項目」によって修正対象となる項目を一意に特定される。
【0036】
「修正日時」には、治験データに対する修正が行われた日時が格納される。なお、図7の例では、「修正日時」は年4桁、月4桁、日2桁、時2桁、分2桁で示されるが、これ以外の表記法によって「修正日時」が示されてもよい。
【0037】
「修正前値」には、修正が行われる前のデータが格納される。「修正後値」には、修正が行われた後のデータが格納される。「修正理由」には、修正が行われた理由が格納される。「修正者」には、修正を行った修正者を示す情報が格納される。修正者を示す情報としては、例えば、サーバ100にログインした治験作業者のユーザ名を挙げることができる。管理データベース18及び治験結果データベース19が構築される補助記憶部103は、「記憶部」の一例である。
【0038】
ログイン処理部11は、治験参加者端末500から受信した治験データの修正を行う治
験作業者のログイン処理を行う。ログイン処理は、例えば、パスワード認証や生体認証によって行われる。また、ログイン認証は、異なる認証方式を組み合わせた二要素認証によって行われてもよい。
【0039】
受信部12は、治験データを治験参加者端末500から受信する。受信部12は、受信した治験データを治験結果テーブル191に格納する。図8及び図9は、実施形態において受信部12が受信する治験データの一例を示す図である。図8は、CSV形式の治験データの一例を示す図である。図8の例では、試験名、患者番号、年齢、性別、有害事象、開始日、終了日の各項目の値がこの順に「、(カンマ)」で区切られて並べられている。換言すれば、図8に例示されるCSV形式の治験データでは、デリミタとして「、(カンマ)」が採用されている。受信部12は、図8に例示するようなCSV形式の治験データを受信すると、「、(カンマ)」で区切って各項目の値を抽出し、抽出した各項目の値を治験結果テーブル191に格納する。なお、CSV形式のファイルにおけるデリミタは「、(カンマ)」に限定されず、タブ、スペース、改行等であってもよい。
【0040】
図9は、XML形式の治験データの一例を示す図である。図9の例では、試験名は、「STUDYID」の属性として示される。また、図9の例では、患者番号、年齢、性別、有害事象、開始日、終了日の夫々は、「XUSUBJID」タグ、「AGE」タグ、「SEX」タグ、「AETERM」タグ、「AEDTDTC」タグ及び「AEENDDTC」タグの要素として示される。治験データのうち、患者番号、年齢及び性別を含む患者背景を示す患者情報は、「DM」タグの要素として示される。さらに、治験データのうち、有害事象、開始日及び終了日を含む有害事象を示す有害事象情報は、「AE」タグの要素として示される。受信部12は、図9に例示するようなXML形式の治験データを受信すると、治験データ中の属性及び要素を抽出し、抽出した属性及び要素を治験結果テーブル191に格納する。
【0041】
受信部12は、また、治験データに対する修正指示を受信する。修正指示は、例えば、修正対象となる項目及び修正後の値を含む修正内容と、修正理由とを含む。修正内容としては、試験名、患者名及び修正対象となる項目の項目名及び修正後の値を挙げることができる。修正指示は、治験参加者端末500から受信してもよいし、治験参加者端末500以外の医師等の医療関係者によって使用される情報処理装置から受信してもよい。
【0042】
付加部13は、用語管理テーブル183を参照して、受信部12によって受信された治験データの有害事象に記載された有害事象を示す言葉に対応する有害事象コードを特定する。そして、付加部13は、辞書テーブル181を参照して、特定した有害事象コードに対応する医学用語を特定し、特定した医学用語を治験データに付加する。付加部13は、受信部12によって治験結果テーブル191に格納された治験データのうち、「有害事象」の値を取得する。付加部13は、取得した値に対応付けられた有害事象コードを用語管理テーブル183から取得する。付加部13は、用語管理テーブル183から取得した有害事象コードに対応付けられた医学用語を辞書テーブル182から取得する。付加部13は、辞書テーブル181から取得した医学用語及び用語管理テーブル183から取得した有害事象コードの夫々を、治験結果テーブル191の「医学用語事象」及び「有害事象コード」に格納する。
【0043】
出力部14は、受信部12によって受信された修正指示によって修正が指示された修正箇所を編集可能とし、修正箇所以外の箇所を編集不可の状態としてディスプレイ106に治験データを出力する。図10は、実施形態において出力部14によって出力される修正画面141の一例を示す図である。修正画面141は、「項目」、「現在の値」、「修正後値」、「修正理由」の各項目を含む。
【0044】
「試験名」、「患者番号」、「年齢」、「性別」、「入力事象」、「医学用語事象」、「開始日」、「終了日」の夫々は、治験結果テーブル191と同一であるため、その説明を省略する。「現在のデータ」には、治験結果テーブル191に格納された各項目の値が表示される。出力部14は、例えば、修正履歴テーブル192に修正履歴が格納されていない項目については、治験参加者端末500から受信した治験データの値を表示する。出力部14は、修正履歴テーブル192に修正履歴が格納された項目については、修正履歴テーブル192を参照して、これまでに修正された値を全て表示する。なお、出力部14は、受信部12によって受信された修正指示によって修正が指示された修正箇所に「修正理由」が含まれる場合には、「修正理由」も編集可能の状態で出力すればよい。
【0045】
「修正後値」には、修正受付部15によって受け付けられた修正後の値が入力される。「修正理由」には、受信部12によって受信された修正指示に含まれる修正理由が表示される。図10に例示する修正画面141では修正箇所として「年齢」が指定され、それ以外の項目は修正箇所として指定されなかった場合が例示される。そのため、図10の例では、修正画面141は、「項目」、「現在のデータ」及び「修正理由」は編集不可の状態で表示される。また、「修正後値」のうち、修正対象ではない項目の値については編集不可の状態で表示される。図10の例では、「現在の値」、「修正後値」及び「修正理由」のうち編集不可とされた値については、背景をグレーとしている。なお、出力部14は、受信部12によって受信された修正指示によって修正が指示された修正箇所に「修正理由」が含まれる場合には、「修正理由」も編集可能の状態で修正画面141を出力すればよい。
【0046】
修正受付部15は、ログイン処理部11によってログインに成功したユーザによる修正画面141の修正箇所に対する修正後値の入力を受け付ける。修正受付部15は、治験結果テーブル191において修正の対象となった項目の値を、受け付けた修正後の値に更新する。さらに、修正受付部15は、修正指示に含まれる修正理由、修正対象となった項目の修正前の値、受け付けた修正後の値、修正が行われた日時、修正を行った治験作業者のユーザ名の夫々を、修正履歴テーブル192の「修正理由」、「修正前値」、「修正後値」、「修正日時」、「修正者」に格納する。図10に例示した修正画面141が表示された場合、修正受付部15は、年齢についての修正を受け付ける。修正を行った治験作業者のユーザ名は、「前記修正を行った前記ユーザを示すユーザ情報」の一例である。
【0047】
分割部16は、ドメイン管理テーブル182を参照して、治験結果テーブル191に格納された治験データをドメイン毎に分割し、分割した夫々の治験データをSDTMに準拠したファイル形式で出力する。分割部16は、さらに、修正履歴テーブル192に修正履歴が格納された項目については、修正履歴を付した上で出力する。分割部16は、ドメイン毎に分割し、SDTMに準拠したファイル形式とした治験データを後続処理サーバ400に対して送信する。分割部16によって分割されたファイルの夫々は、「分割ファイル」の一例である。
【0048】
分割部16は、例えば、治験結果テーブル191に格納された治験データのうち、患者番号、年齢及び性別を含む患者背景を示す患者情報に試験名を付した患者背景データを出力する。また、分割部16は、治験結果テーブル191に格納された治験データのうち、有害事象、開始日及び終了日を含む有害事象を示す有害事象情報に試験名を付した有害事象データを出力する。図11は、患者背景データの内容の一例を模式的に示す図である。図11の例では、年齢について修正前に「40」歳であった値を「41」歳に改める修正が行われた場合について例示される。分割部16は、修正履歴テーブル192を参照して年齢について修正が行われたことを検出すると、「修正日時」、「修正前値」、「修正後値」、「修正理由」及び「修正者」を含む修正に係る各情報を年齢について付加する。
【0049】
また、図12は、有害事象データの内容の一例を模式的に示す図である。図12の例では、いずれの項目についても修正が行われていない場合について例示される。分割部16は、修正履歴テーブル192を参照していずれの項目についても修正が行われていないことを検出すると、有害事象データのいずれの項目についても修正履歴を付加しない。
【0050】
照会部17は、照会要求を受け付けると、治験結果テーブル191に格納された治験データに格納された各項目について、治験結果テーブル191に格納された修正履歴を対応付けた修正履歴照会画面をディスプレイ106に出力する。図13は、実施形態における修正履歴照会画面171の一例を示す図である。修正履歴照会画面171は、「治験データ」、「修正日時」、「修正前値」、「修正後値」、「修正理由」及び「修正者」の各項目を含む。「治験データ」には、治験参加者端末500から受信した治験データに含まれる値が項目ごとに出力される。「修正日時」、「修正前値」、「修正後値」、「修正理由」及び「修正者」は、修正履歴テーブル192の「修正日時」、「修正前値」、「修正後値」、「修正理由」及び「修正者」と同一であるため、その説明を省略する。
【0051】
また、修正履歴照会画面171では、過去に修正が行われた項目については、項目名に「修正」の文言と、修正の回数を示す数字を付した表記を行って修正の履歴が表示される。なお、「修正」の文言が付されていない項目名には、治験データの最新の値が表示される。図13の例では、「年齢(修正1)」及び「年齢(修正2)」には、過去の修正履歴が表示され、「治験データ」は空欄とされる。「年齢」の項目の「治験データ」には、修正履歴照会画面171が表示された時点における「年齢」の値が表示される。
【0052】
図13の例では、年齢について「年齢(修正1)」と「年齢(修正2)」で例示される2回の修正が行われていることが理解できる。1回目の修正「年齢(修正1)」では、2022年1月10日9時12分に修正前の値「40」が「42」にユーザ「usr01」によって「誤記訂正」を理由として修正されている。そして、2回目の修正「年齢(修正2)」では、2022年1月11日12時33分に修正前の値「42」が「41」にユーザ「usr01」によって「誤記訂正」を理由として修正されている。このように、修正履歴照会画面171は、過去に修正が行われた項目については、行われた全ての修正について「修正日時」、「修正前値」、「修正後値」、「修正理由」、「修正者」の情報を表示することで、修正の履歴を容易に把握させることができる。
【0053】
なお、図13の例では、「治験データ」の最新の値と修正履歴とが、ひとつの修正履歴照会画面171で表示されているが、修正履歴照会画面171はこのような態様に限定されるものではない。修正履歴照会画面171は、例えば、修正が行われた項目については修正が行われたことを示す符号を付し、当該符号を指定するとポップアップで当該項目の修正履歴が表示されるようにされてもよい。
【0054】
<処理フロー>
図14は、実施形態に係るサーバ100の処理フローの一例を示す第1の図である。図14では、治験参加者端末500から治験データを受信する際のサーバ100の処理の一例が示される。以下、図14を参照して治験参加者端末500から治験データを受信する際のサーバ100の処理フローの一例について説明する。
【0055】
S1では、受信部12は、治験参加者端末500から治験データを受信する。受信部12は、受信した治験データを治験結果テーブル191に格納する。S2では、付加部13は、S1で治験結果テーブル191に格納された治験データの「有害事象」の値を取得する。付加部13は、取得した「有害事象」に対応する医学用語及び有害事象コードを辞書テーブル181及び用語管理テーブル183から取得し、取得した医学用語及び有害事象コードの夫々を、治験結果テーブル191の「医学用語事象」、「有害事象コード」に格
納する。
【0056】
図15は、実施形態に係るサーバ100の処理フローの一例を示す第2の図である。図15では、治験参加者端末500または医師等の医療関係者によって使用される情報処理装置から修正指示を受信した場合におけるサーバ100の処理の一例が示される。以下、図15を参照して、修正指示を受信した場合におけるサーバ100の処理の一例について説明する。
【0057】
S11では、ログイン処理部11は、修正を行う治験作業者のログイン処理を受け付ける。S12では、出力部14は、修正画面141をディスプレイ106に出力する。S13では、修正受付部15は、修正画面141で編集可能とされた修正対象の項目に対する修正を受け付ける。S14では、修正受付部15は、S13で受け付けた修正を修正履歴テーブル192に格納する。
【0058】
図16は、実施形態に係るサーバ100の処理フローの一例を示す第3の図である。図16では、照会要求を受け付けた場合におけるサーバ100の処理の一例が示される。以下、図16を参照して、照会要求を受け付けた場合におけるサーバ100の処理の一例について説明する。なお、図16において図15の処理と同一の処理については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
S21では、照会部17は、修正履歴照会画面171をディスプレイ106に出力する。ログイン処理部11でログインしたユーザは、表示された修正履歴照会画面171を基に、治験結果テーブル191及び修正履歴テーブル192に格納されたデータに問題が無いことを確認する。
【0060】
図17は、実施形態に係るサーバ100の処理フローの一例を示す第4の図である。図17では、出力要求を受け付けた場合におけるサーバ100の処理の一例が示される。以下、図17を参照して、出力要求を受け付けた場合におけるサーバ100の処理の一例について説明する。なお、図17において図15の処理と同一の処理については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
S31では、分割部16は、ユーザからの指示に応じて、治験結果テーブル191及び修正履歴テーブル192に格納されたデータを患者背景データと有害事象データとに分割し、分割したデータの夫々をSDTMに準拠したファイル形式に変換する。分割部16は、変換したファイルの夫々を後続処理サーバ400に対して送信する。
【0062】
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、治験参加者端末500から受信した治験データは治験結果テーブル191に格納される。そして、修正指示を受信した場合には、出力部14は、修正指示によって修正対象とされた項目を編集可能とするとともに、修正対象外とされた項目を編集不可とした修正画面141を出力する。本実施形態によれば、このような構成により、誤った項目が修正されることを抑制することができる。
【0063】
本実施形態では、修正受付部15は、受け付けた修正の内容として、修正日時、「修正前値」、修正後値、修正理由及び修正者を含む情報を修正履歴テーブル192に格納する。そして、修正された最新の値は、治験結果テーブル191に格納される。そのため、本実施形態によれば、治験データに対する監査証跡が担保される。また、本実施形態によれば、治験参加者端末500から受信した治験データが誤って編集されたり削除されたりすることが抑制される。
【0064】
本実施形態では、照会部17は、治験結果テーブル191に格納された治験データ及び修正履歴テーブル192に格納された修正履歴を含む修正履歴照会画面171をディスプレイ106に出力する。そのため、本実施形態によれば、照会部17によって修正履歴照会画面171が表示されることで、治験データの各項目について、いつ、どのような修正が、どのような理由で、誰によって行われたかが容易に把握可能となる。換言すれば、サーバ100は、治験データ及び治験データに対する修正作業に対する高い信頼性を担保することができる。
【0065】
本実施形態では、管理データベース18は、辞書テーブル181及び用語管理テーブル183を参照して、治験データに含まれる有害事象を示す言葉に対して医学用語と有害事象コードとを付加する。治験データに含まれる有害事象を示す言葉は、治験参加者によって入力されるため、同一の有害事象に対する言葉にばらつきが生じ得る。本実施形態によれば、有害事象を示す言葉にばらつきが生じても、医学用語及び有害事象コードが付加されることで、同一の有害事象を同一のものとして後続処理サーバ400で扱うことが容易となる。
【0066】
本実施形態では、分割部16は、ドメイン管理テーブル182を参照して、治験結果テーブル191に格納された治験データをドメイン毎に分割し、分割した夫々の治験データをSDTMに準拠したファイル形式に変換する。すなわち、本実施形態によれば、後続処理サーバ400における処理に好適なSDTMに準拠したファイル形式で治験データを出力することができる。
【0067】
<変形例>
以上説明した実施形態では、受信部12は、ファイル形式の治験データを受信したが、受信部12は、例えば、Application Programming Interface(API)を利用して治験データを取得してもよい。受信部12は、例えば、APIに対して取得対象とする治験データを指定することで、治験データを取得してもよい。また、治験データの指定は、例えば、取得対象とする項目を指定するものであってもよい。
【0068】
以上説明した実施形態では、分割部16は、治験データを患者背景及び有害事象の2つのドメインに分割したが、分割部16は3つ以上のドメインに治験データを分割してもよい。分割部16は、例えば、SDTMによって規定される複数のドメインに治験データを分割してもよい。
【0069】
以上説明した実施形態では、サーバ100が、XML形式やCSV形式のように所定のルールにしたがってデータが配置された(構造化された)治験データが治験参加者端末500から送信される場合について説明した。しかしながら、サーバ100は、構造化されていない治験データを治験参加者端末500から受信してもよい。治験データが構造化されていない場合、治験データ中のどの値がどの項目に対応するかがサーバ100にとって不明となる。そこで、構造化されていない治験データを受信したサーバ100の受信部12は、予め記憶部103に記憶されたデータ形式とは異なる治験データを受信したときは、その旨の通知を行う。通知は、例えば、ディスプレイ106へのメッセージの表示、スピーカーからの音の出力、メール送信等によって行われる。そして、受信部12は、通知を受けたユーザの目視確認や手入力による治験データの治験結果テーブル192への登録を受け付ければよい。
【0070】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0071】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0072】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリーなどのメモリーカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0073】
11・・ログイン処理部
12・・受信部
13・・付加部
14・・出力部
15・・修正受付部
16・・分割部
17・・照会部
18・・管理データベース
19・・治験結果データベース
100・・サーバ
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・第1通信部
105・・第2通信部
106・・ディスプレイ
141・・修正画面
171・・修正履歴照会画面
181・・辞書テーブル
182・・ドメイン管理テーブル
183・・用語管理テーブル
191・・治験結果テーブル
192・・修正履歴テーブル
400・・後続処理サーバ
500・・治験参加者端末
600・・データクリーニングシステム
B1・・接続バス
N1・・コンピュータネットワーク
N2・・コンピュータネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17