(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166190
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】足用サポーター
(51)【国際特許分類】
A41B 11/00 20060101AFI20231114BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A41B11/00 J
A41D13/06
A41B11/00 F
A41B11/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077068
(22)【出願日】2022-05-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】522181957
【氏名又は名称】加藤 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩久
【テーマコード(参考)】
3B011
3B018
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA15
3B011AB18
3B011AC17
3B011AC21
3B011AC22
3B018AA02
3B018AB03
3B018AB07
3B018AB08
3B018AC01
3B018AC12
3B211AA15
3B211AB18
3B211AC17
3B211AC21
3B211AC22
(57)【要約】
【課題】ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることなどを防止することを目的とする。
【解決手段】
被介護者が足用サポーター1を装着すると、足用サポーター1は、被介護者の足首、足の甲の部分26、足の裏の部分27を覆う。足の指の裏および足の裏の部分27に対応する部分にはポケット部8が形成されており、そのポケット部8にはタオル10が収納されている。ポケット部8の厚さが厚くなっているので、そのポケット部8により被介護者の足の指から足の裏の部分27が支えられる。介護者の土踏まずを中心に歪曲してしまうことが防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏の部分27がつることを未然に防止される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下腿の少なくとも一部、足首ならびに足の少なくとも甲の部分および足の裏の部分を覆い、
周方向に伸縮性のある生地素材で製造されており、
下腿に対応する位置の基端が開いている筒状であり、
内周面において足の裏および足の指の裏に対応する位置の部分が他の部分と比べて厚く形成されている、
足用サポーター。
【請求項2】
上記厚く形成されている部分は、先端側に開口部があるポケットが形成されていることにより、他の部分と比べて厚く形成されている、
請求項1に記載の足用サポーター。
【請求項3】
上記ポケットの深さ以上に長く、上記ポケットに出し入れ自在に収納される布材、
をさらに備えた請求項2に記載の足用サポーター。
【請求項4】
上記足用サポーターは、足の指まで覆っている、
請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項5】
基端部および先端部の少なくとも一方における周方向の伸縮性が、基端部および先端部以外の他の部分における周方向の伸縮性よりも高い、
請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項6】
下腿の少なくとも一部を覆う部分において、足のすね側を覆う部分よりも足のふくらはぎ側を覆う部分の方が相対的に厚くなっている、
請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項7】
足先に対応する位置である先端が開いている、
請求項1から3のうち、いずれか一方に記載の足用サポーター。
【請求項8】
上記厚く形成されている部分が、上記開いている先端よりも外側に突出している、または内側に引っ込んでいる、
請求項7に記載の足用サポーター。
【請求項9】
足先に対応する位置である先端が閉じている、
請求項1から3のうち、いずれか一方に記載の足用サポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、足用サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
自力で立つことや寝たきりで下肢を動かすことが困難な被介護者は、筋力の低下により下腿、足首より先の足全体、足首まわり、足の裏などが痩せてしまうので、足の裏の土踏まずの中心くらいから歪曲してしまい、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることがある。このような症状を防ぐために硬いギプスのようなもので足首を固定してしまうことがある。また、足のつま先から足首のバンドを回し、足を固定するサポーターもある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ギプスで足を固定してしまうと足がむくんでしまうし、特許文献1に記載のように足のつま先から足首のバンドを回し、足を固定するサポーターでは、足先挿入部に足先を入れ、その足先挿入部から伸びた2つのバンドを足首の後ろに回して、それらの2つのバンドを固定しなければならず、簡単に足に装着できない。
【0005】
この発明は、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることなどを比較的簡単に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による足用サポーターは、下腿の少なくとも一部、足首ならびに足の少なくとも甲の部分および足の裏の部分を覆い、周方向に伸縮性のある生地素材(この実施例において生地素材とは、織物、編物、不織布などのいずれも含み、いわゆる布と呼ばれる織物を含むが織物に限らない。)で製造されており、下腿(脛、ふくらはぎの部分)に対応する位置の基端が開いている筒状であり、内周面において足の裏および足の指の裏に対応する位置の部分が他の部分と比べて厚く形成されていることを特徴とする。
【0007】
上記厚く形成されている部分は、先端側に開口部があるポケットが形成されていることにより、他の部分と比べて厚く形成されていてもよい。
【0008】
上記ポケットの深さ以上に長く、上記ポケットに出し入れ自在に収納される布材をさらに備えてもよい。
【0009】
上記足用サポーターは、足の指の部分まで覆っていることが好ましい。足用サポーターを装着したときに、足の指が覆われればよく、足用サポーターの先端は開いていてもよいし、閉じていてもよい。
【0010】
基端部および先端部の少なくとも一方における周方向の伸縮性が、基端部および先端部以外の他の部分における周方向の伸縮性よりも高いことが好ましい。
【0011】
下腿の少なくとも一部を覆う部分において、足のすね側を覆う部分よりも足のふくらはぎ側を覆う部分の方が相対的に厚くなっていることが好ましい。
【0012】
足先に対応する位置である先端が開いていてもよいし、足先に対応する位置である先端が閉じていてもよい。
【0013】
足先に対応する位置である先端が開いている場合には、上記厚く形成されている部分が、上記開いている先端よりも外側に突出している、または内側に引っ込んでいるものでもよい。
【0014】
上記の特徴は、独立項にどのように組み合わせてもよいし、それぞれの特徴を抽出して独立項に組み合わせてもよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明によると、足の裏および足の指の裏に対応する位置の部分が他の部分と比べて厚く形成されているから、土踏まずの部分を中心に足の裏が歪曲してしまうことが防止できる。足用サポーターを足に装着するだけでふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることなどを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】被介護者が足用サポーターを装着した様子を示す右側面図である。
【
図5】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図6】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図7】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図8】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図9】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図10】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図11】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図12】他の実施例を示すもので、足用サポーターの右側面図である。
【
図13】他の実施例を示すもので、被介護者が足用サポーターを装着した様子を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、この発明の実施例による足用サポーター1の斜視図である。この足用サポーター1を被介護者に適用した実施例について説明するが、被介護者、患者以外の他の人々である使用者にも利用できる。
図1においては足用サポーター1を、平面につぶれている状態ではなく、いわば膨らませた状態で示している。
図2は、足用サポーター1の正面図、
図3は、足用サポーター1の右側面図である。
【0018】
主に
図1を参照して、足用サポーター1は、全体として筒状となっており、少なくとも周方向に伸縮自在な布地で作られている。布地の一例としては、天然繊維、化学繊維、合成繊維、のいずれでもよく、タオル、ウール、アンゴラ、コットン、シルク、ポリエステル、アクリル、ナイロン、リネンなどのいずれでもよく、これらの布地を組み合わせた素材でもよく、これらの布地以外の素材でもよい。織物、編物により足用サポーター1を作ってもよいし、不織布を利用して足用サポーターを作ってもよい。不織布を利用する場合には伸縮性を持たせるために糸ゴムが縫い付けられることとなろう。コットン、シルク、ウールなどを表糸として使用し、ナイロン、ポリウレタンなどの裏糸を一緒に編み込むことにより足用サポーター1を作ることもできる。表糸だけで編み込んでもよい。足用サポーター1および後述する他の実施例の足用サポーターは、いずれにしても少なくとも周方向に伸縮性をもつものであればよい。足用サポーター1の長手方向に伸縮性を持たせてもよいし、持たせなくともよい。
【0019】
主に
図1および
図2を参照して、足用サポーター1には、下腿保護部2および足保護部5が含まれている。下腿保護部2は、被介護者の足のつま先から被介護者の脛およびふくらはぎの部分に足用サポーター1を装着することにより被介護者の下腿の一部を覆う。足保護部5は、同様に、被介護者の足の甲の部分および足の裏の部分を覆う。下腿保護部2と足保護部5との境界部分は、同様に、被介護者の足首および足のかかとの部分を覆う。足用サポーター1および後述する実施例の足用サポーターは、下腿の一部、足首ならびに足の少なくとも甲の部分および足の裏の部分を覆うことができればよい。
【0020】
下腿保護部2は、たとえば、長さH1が25cmから35cm程度、内周L1が10cmから25cm程度、足保護部5は、たとえば、長さH2が23cmから27cm、内周L2が10cmから20cm程度であるが、被介護者の足の大きさなどに応じた様々な大きさの足用サポーター1を作ることができる。
【0021】
図3を参照して、下腿保護部2と足保護部5とは一直線上につながっていず、足用サポーター1を被介護者が装着したときに(被介護者があおむけに寝た状態で)被介護者の足の甲から脛の角度に沿うように所定の角度曲がっている。しかしながら、下腿保護部2と足保護部5との間に角度をつけず、一直線上につながっていてもよい。
【0022】
主に
図1および
図3を参照して、下腿保護部2の内側の下側部分(たとえば、被介護者が足用サポーター1を装着したときにアキレス腱からふくらはぎに対応する部分、少なくともアキレス腱に対応する部分)にはアキレス腱保護部3が形成されている。このアキレス腱保護部3は、下腿保護部2のアキレス腱保護部3以外の他の部分(たとえば、被介護者が足用サポーター1を装着したときに脛に対応する部分)よりも厚く形成されている。たとえば、アキレス腱保護部3の部分だけ足用サポーター1の布地を二重、三重などとし、下腿保護部2に内側から縫い付けたり接着したりしても良いし、アキレス腱保護部3の部分だけ厚い布地を使用し、下腿保護部2のその他の部分に縫い付けてもよい。アキレス腱保護部3の厚さは1cmから2cm程度であるが、その他の厚さでもよい。
【0023】
足用サポーター1の基端側(下腿保護部2の基端側)(
図1において右側、後述のように足用サポーター1を被介護者が装着した場合に膝に近くなる側)は開口している基端側開口部4Aであり、この基端側の部分に口ゴム部4が形成されている。口ゴム部4は、たとえば、糸ゴムが編まれており(縫い付けられており)、基端側開口部4Aの内周が下腿保護部2の内周L1よりも短くなっている(すぼまっている)。口ゴム部4の周方向の伸縮性は、口ゴム部4以外の下腿保護部2、足保護部5などの周方向の伸縮性よりも高いこととなる(より伸び縮みする)。
【0024】
足用サポーター1の先端側(足保護部5の先端側)(
図1において左側、後述のように足用サポーター1を被介護者が装着した場合に足の指先に近くなる側)にはつま先保護部6が形成されている。つま先保護部6の先端部分には先端側開口部7が形成されており、開いている。このつま先保護部6にも糸ゴムが編まれており、先端側開口部7の内周もつま先保護部6が開放されている状態では足保護部5の内周L2よりも短くなっている(すぼまっている)。つま先保護部6の周方向の伸縮性は、つま先保護部6以外の下腿保護部2、足保護部5などの周方向の伸縮性よりも高いこととなる(より伸び縮みする)。
【0025】
足保護部5の内側の底の部分(
図1および
図3において下側の部分、後述のように足用サポーター1を被介護者が装着した場合に足の裏、足の土踏まずに対応する部分)には、内部にタオルなどの布材を出し入れ自在に収納するポケット部8(ポケット)が形成されている。ポケット部8は、足保護部5の内側の側面よりやや底面よりの部分(足保護部5の内側の底面の部分でもよい)にポケット部8の周縁部分を縫い付けたり、接着したりして形成される。ポケット部8は内部にタオルなどを収納することで厚さが2cm程度となるように形成されている(厚さが2cm程度となるタオルを収納する)。ポケット部8の先端は先端側開口部7の位置まで伸びている(ほぼ一致している)。ポケット部8にタオルなどの布材を収納しなくとも、ポケット部8に足の裏が歪曲しない程度の厚さがあれば、ポケット部8にタオルなどの布材を収納しなくともよい。
【0026】
主として
図3を参照して、足保護部5とつま先保護部6との境界近くの部分の内側の上部(
図1および
図3の上部、後述のように被介護者が足用サポーター1を装着した場合に、被介護者の足の指の爪に対応する部分)には、つめ保護部9が形成されている。つめ保護部9は足保護部5、つま先保護部6のつめ保護部9以外の部分や、下腿保護部2のアキレス腱保護部3以外の部分よりも厚くなっている。つま先保護部6の部分に布地を二重、三重にして縫い付けたり、接着したりすることでつめ保護部9を形成してもよいし、つま先保護部6の部分を二重にして、その間に布地などを詰めて厚くしてつめ保護部9を形成してもよい。
【0027】
図2を参照して、
図2は、足用サポーター1の正面図であり、足用サポーター1を先端側から基端側に向かって見ている状態を表している。
【0028】
足用サポーター1を先端側から見ると、先端側開口部7から、足保護部5(足用サポーター1)の内部を見ることができる。先端側開口部7には、足保護部5の内側の底面に形成されているポケット部8が見えている。つま先保護部6に編み込まれている糸ゴムなどにより、先端側開口部7の内周が足保護部5の内周L2よりも短くなっていることが分かる。
【0029】
図4は、足用サポーター1を被介護者に装着した様子を示すもので、
図3に対応する右側面図である。
【0030】
足用サポーター1の足保護部5の部分に形成されているポケット部8にはタオル10が収納されている。
【0031】
基端側開口部4Aから被介護者の足のつめの部分29を足用サポーター1に入れていき、足用サポーター1を被介護者に装着すると、足のつめの部分29がつま先保護部6に対応する位置となり、被介護者の足の部分25が足保護部5に対応する位置となり、かつ被介護者の下腿の部分20が下腿保護部2に対応する位置となる。すると、被介護者の足の指の裏、足の裏の部分27、土踏まずの部分28は、ポケット部8の上面に接し、被介護者の足のつめの部分29は、つめ保護部9に接する。被介護者の足の甲の部分26は、足保護部5の内部の上面の部分に接する。また、被介護者のアキレス腱の部分22およびふくらはぎの部分23は下腿保護部2のアキレス腱保護部3に接し、被介護者の脛の部分21は、下腿保護部2の内部の上面の部分に接する。口ゴム部4は、下腿の部分20に接する。
【0032】
自力で立つことが困難な被介護者は筋力が低下し、下肢を自力で動かすことができないことが多いので、膝から足首までを動かすことができなかったり、ベッド内で足を動かすことができなかったりするので、足の位置を移動させることができず、同じ姿勢を取り続けるので足の同じ部分に負担がかかってしまう。このため、被介護者があおむけに寝ていると、足の土踏まずの部分28を中心として足の裏の部分28が下方向に歪曲してしまい、このことにより、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることがある。足用サポーター1を被介護者が装着すると、被介護者の足の指、足の裏の部分27、足の土踏まずの部分28が足用サポーター1の足保護部5、つま先保護部6、ポケット部8によって支えられるので、土踏まずの部分28を中心として足の裏の部分28が下方向に歪曲してしまうことが未然に防止される。土踏まずの部分28を中心として下方向に歪曲してしまうことにより、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを未然に防止できる。実際、本願の発明者が被介護者を介護しているときに、足の部分が土踏まずの部分28を中心に歪曲してしまいふくらはぎのこむら返りや足の裏がつってしまうような状態にあったが、この実施例による足用サポーター1を被介護者に装着したところ、足の部分が土踏まずの部分28が歪曲しなくなり、足がつってしまうような状態から解放され被介護者を楽にさせることができた。
【0033】
また、足首を保護するギプスのようなもので被介護者の足の裏、土踏まず、足首などを固めてしまうと足がむくんでしまう。この実施例の足用サポーターでは、伸縮性のある布地で足を易しく保護しているので足のむくみの防止できる。また、ギプスのようなものだと肌ざわりによる不快感や圧迫による皮下出血、擦過傷、むくみの原因にもなるが、この実施例の足用サポーターでは、伸縮性のある布地を使用しているので、これらの皮下出血、擦過傷、むくみも防止できる。
【0034】
さらに、被介護者が寝ているときには布団の重み、触感などに過敏となり、かつ自力で足を動かせない状態のときには、被介護者のつま先の部分の皮膚が布団などの圧迫により、皮下出血のような症状を引き起こしてしまう。この実施例の足用サポーター1においては、つま先保護部6が被介護者の足の爪の部分29(つま先の部分)を覆って保護しているので、つま先部分の皮膚が皮下出血なような症状を引き起こしてしまうことを未然に防止できる。
【0035】
とくに、つめ保護部9は厚く形成されているのでつめ保護部9が足のつめ部分29にフィットし、足のつめ部分を保護しやすくなる。
【0036】
さらに、足用サポーター1の下腿保護部2のアキレス腱保護部3は厚く形成されているので、被介護者のアキレス腱の部分22を保護することもできる。
【0037】
また、先端側開口部7が形成されていることにより足用サポーター1の先端が開放されており、被介護者のつま先が蒸れてしまうことも防止できる。
【0038】
さらに、口ゴム部4が形成されているので、足用サポーター1が被介護者の下腿の部分からずれてしまうことも防止できる。
【0039】
図5は、他の実施例を示すもので、足用サポーター1Aの側面図で、
図3に対応する。
図5において、
図3に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
図1から
図4に示す足用サポーター1では、ポケット部8の先端の位置と先端側開口部7の位置とが一致しているが、
図5に示す足用サポーター1Aでは足保護部5Aの内部に形成されているポケット部8Aの先端部8Bが先端側開口部7よりも外側に突出している。このように、ポケット部8Aの先端部8Bが先端側開口部7よりも外側に突出していても土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることなどを未然に防止できる。
【0041】
図6も、他の実施例を示すもので、足用サポーター1Bの側面図で、
図3、
図5に対応する。
図6においても、
図3、
図5に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
図1から
図4に示す足用サポーター1では、ポケット部8の先端の位置と先端側開口部7の位置とが一致しているが、
図6に示す足用サポーター1Bでは足保護部5Bの内部に形成されているポケット部8Cの先端部8Dが先端側開口部7よりも内側に引っ込んでいる。このように、ポケット部8Cの先端部8Dが先端側開口部7よりも内側に引っ込んでいても土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを未然に防止できる。
【0043】
図7も、他の実施例を示すもので、足用サポーター1Cの側面図で、
図3、
図5、
図6に対応する。
図7においても、
図3、
図5に、
図7示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
図1から
図4に示す足用サポーター1、
図5に示す足用サポーター1A、
図6に示す足用サポーター1Bのいずれも先端側開口部7が形成され、足用サポーターの先端側が開放されているが、
図7に示す足用サポーター1Cでは、つま先保護部6Aに先端側開口部7が形成されていず、先端側が開放されていない。足保護部5Cの内部の底面にはポケット部8Eが形成されており、ポケットの先端部8Fはタオルをポケット部8Eに収納できるように開放されている。
図7に示す足用サポーター1Cのポケット部8Eにタオルなどの布材を収納する場合には足用サポーター1Cを裏返してポケット部8Eが外側に露出させてポケットの先端部8Fからタオルなどの布地をポケット部8Eに収納し、再び足用サポーター1Cを裏返すこととなろう。ポケット部8Eに収納されているタオルなどの布地をポケット部8Eから取り出すときも足用サポーター1Cを裏返すこととなろう。
【0045】
【0046】
図1から
図7に示す足用サポーター1などは、足用サポーター1などの内部にポケット部8などが形成されているが、
図8から
図12に示す足用サポーター1Dなどにおいては、足用サポーター1Dの内部にポケット部8などのポケットは形成されていない。
【0047】
図8は、
図3に対応しており、足用サポーター1Dの右側面図である。
【0048】
足用サポーター1Dの足保護部5Dの内側の底面にはポケット部8などの代わりに厚底部11が形成されている。この厚底部11はポケット部8のように収納部が形成されておらず、足の甲の部分が接する足保護部5Dの部分の厚さよりも厚くなっている。厚底部11の厚さは、たとえば、2cmから3cm程度であるが、その他の厚さでもよい。厚底部11は足の甲の部分が接する足保護部5Dの素材と同じ素材で二重、三重に足保護部5Dの底面に内側から縫い付けたり接着したりすることにより形成できるし、足用サポーター1Dの素材と異なる厚手の布地を足保護部5Dの底面に内側から縫い付けたり、接着したりすることにより形成してもよい。厚底部11の先端の位置は先端側開口部7の位置とほぼ同じとなっている。
【0049】
このように厚底部11を形成しても被介護者の足の指の裏、足の裏、土踏まずの部分を厚底部11によって支えることができるので、土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを未然に防止できる。
【0050】
図9は、他の実施例を示すもので、足用サポーター1Eの側面図で、
図5、
図8に対応する。
図9において、
図5、
図8に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
図8に示す足用サポーター1では、厚底部11の先端の位置と先端側開口部7の位置とが一致しているが、
図9に示す足用サポーター1Eでは足保護部5Eの内部に形成されている厚底部11Aの先端部11Bが先端側開口部7よりも外側に突出している。このように、厚底部11Aの先端部11Bが先端側開口部7よりも外側に突出していても土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを未然に防止できる。
【0052】
図10は、他の実施例を示すもので、足用サポーター1Fの側面図で、
図6、
図8、
図9に対応する。
図10において、
図6、
図8、
図9に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
図8に示す足用サポーター1では、厚底部11の先端の位置と先端側開口部7の位置とが一致しているが、
図10に示す足用サポーター1Fでは足保護部5Fの内部に形成されている厚底部11Cの先端部11Dが先端側開口部7よりも内側に引っ込んでいる。このように、厚底部11Cの先端部11Dが先端側開口部7よりも内側に引っ込んでいても土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを未然に防止できる。
【0054】
【0055】
図8に示す足用サポーター1では、つま先保護部6に先端側開口部7が形成されており、つま先保護部6の先端が開放されているが、
図11に示す足用サポーター1Gではつま先保護部6Aには先端側開口部7は形成されていず閉じている。厚底部11Cの先端部11Dの少なくとも一部は、つま先保護部6Aの先端部の内側には接していない。このように先端側開口部7が閉じていても厚底部11Cにより土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを未然に防止できる。
【0056】
【0057】
上述したように、
図11に示す足用サポーター1Gではつま先保護部6Aには先端側開口部7は形成されていず閉じており、厚底部11Cの先端部11Dの少なくとも一部は、つま先保護部6Aの先端部の内側には接していない。しかしながら、
図12に示す足用サポーター1Hでは、つま先保護部6Aには先端側開口部7は形成されていず閉じているが、厚底部11Eは、つま先保護部6Aの先端部分の内側に向かって厚さが徐々に薄くなり足保護部5Hの上部に形成されているつめ保護部9まで一体となり続いている。このように、厚底部11Eがつめ保護部9まで一体となり徐々に厚さが薄くなるように続いていても厚底部11Eにより土踏まずの部分を中心として足の裏が歪曲してしまうことを未然に防止でき、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることなどを未然に防止できる。
【0058】
図13は、他の実施例を示すもので、足用サポーター1Jを被介護者に装着した様子を示す右側面図であり、
図4に対応している。
図13において
図4に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
図4に示す足用サポーター1では、足用サポーター1の先端部分につま先保護部6が形成されているが、
図13に示す足用サポーター1Jにはつま先保護部6は形成されていない。このため、被介護者の足のつめの部分は足用サポーター1Jから外部に露出している。また、ポケット部8の先端部分も足用サポーター1Jの内部から外部に露出している。ポケット部8にはタオル10が収納されている。被験者の足の指の裏、足の裏、土踏まずの部分は、ポケット部8によって支えられている。このため、土踏まずを中心に足首よりも先の足の部分が下方向に歪曲してしまうことが防止される。つま先保護部6が無くとも、ふくらはぎのこむら返りや足の裏がつることを防止できる。
【0060】
また、口ゴム部4やアキレス腱保護部3も必ずしも設ける必要は無い。
【符号の説明】
【0061】
1、1A-1J:足用サポーター
2:下腿保護部
3:アキレス腱保護部
4:口ゴム部
4A:基端側開口部
5、5A-5H:足保護部
6、6A:つま先保護部
7:先端側口部
8、8A、8C、8E:ポケット部
8B、8D、8F:ポケットの先端部
9:つめ保護部
10:タオル
11、11A、11C、11E:厚底部
11B、11D:先端部
20:下腿の部分
21:すねの部分
22:アキレス腱の部分
23:ふくらはぎの部分
25:足の部分
26:足の甲の部分
27:足の裏の部分
28:土踏まずの部分
29:足のつめの部分
L1:下腿保護部の内周
L2:足保護部の内周
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下腿の少なくとも一部、足首ならびに足の少なくとも甲の部分および足の裏の部分を覆い、
周方向に伸縮性のある生地素材で製造されており、
先端側には、足の爪の部分を覆い、かつ足先に対応する位置である先端は開いている先端側開口部となっているつま先保護部が形成されており、
上記つま先保護部の周方向の収縮性は足の甲の部分および足の裏の部分を覆う足保護部の周方向の収縮性よりも高く、かつ上記足保護部の内周より上記先端側開口部の内周の方が短くなるように、上記つま先保護部がすぼまっており、
下腿に対応する位置の基端が開いている筒状であり、
内周面において足の裏および足の指の裏に対応する位置の部分に、上記先端側開口部の部分に開口部分があるポケットが形成されている、
足用サポーター。
【請求項2】
上記ポケットの深さ以上に長く、上記ポケットに出し入れ自在に収納される布材、
をさらに備えた請求項1に記載の足用サポーター。
【請求項3】
基端部における周方向の伸縮性が、基端部以外の他の部分における周方向の伸縮性よりも高い、
請求項1または2に記載の足用サポーター。
【請求項4】
下腿の少なくとも一部を覆う部分において、足のすね側を覆う部分よりも足のふくらはぎ側を覆う部分の方が相対的に厚くなっている、
請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項5】
上記ポケットの開口部分が、上記先端側開口部よりも外側に突出している、または内側に引っ込んでいる、
請求項1から4のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項6】
足の指の爪に対応する部分に、上記足保護部の部分よりも厚くなっているつめ保護部が形成されている、
請求項1から5のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下腿の少なくとも一部、足首ならびに足の少なくとも甲の部分および足の裏の部分を覆い、
周方向に伸縮性のある生地素材で製造されており、
先端側には、足の爪の部分を覆い、かつ足先に対応する位置である先端は開いている先端側開口部となっているつま先保護部が形成されており、
上記つま先保護部の周方向の伸縮性は足の甲の部分および足の裏の部分を覆う足保護部の周方向の伸縮性よりも高く、かつ上記足保護部の内周より上記先端側開口部の内周の方が短くなるように、上記つま先保護部がすぼまっており、
下腿に対応する位置の基端が開いている筒状であり、
内周面において足の裏および足の指の裏に対応する位置の部分に、上記先端側開口部の部分に開口部分があるポケットが形成されている、
足用サポーター。
【請求項2】
上記ポケットの深さ以上に長く、上記ポケットに出し入れ自在に収納される布材、
をさらに備えた請求項1に記載の足用サポーター。
【請求項3】
基端部における周方向の伸縮性が、基端部以外の他の部分における周方向の伸縮性よりも高い、
請求項1または2に記載の足用サポーター。
【請求項4】
下腿の少なくとも一部を覆う部分において、足のすね側を覆う部分よりも足のふくらはぎ側を覆う部分の方が相対的に厚くなっている、
請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項5】
上記ポケットの開口部分が、上記先端側開口部よりも外側に突出している、または内側に引っ込んでいる、
請求項1から4のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。
【請求項6】
足の指の爪に対応する部分に、上記足保護部の部分よりも厚くなっているつめ保護部が形成されている、
請求項1から5のうち、いずれか一項に記載の足用サポーター。