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特開2023-166212通信方法、プログラム及び情報処理端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166212
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】通信方法、プログラム及び情報処理端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231114BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077112
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】越智 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】プライバシーの保護を向上できる通信方法を提供する。
【解決手段】本開示の通信方法は、電子機器と情報処理端末とを備える通信システムの通信方法であって、前記情報処理端末によって、前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記情報処理端末によって、検出された前記位置情報と、予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定するステップ、前記情報処理端末によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と情報処理端末とを備える通信システムの通信方法であって、
前記情報処理端末によって、前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、
前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、
前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記情報処理端末によって、検出された前記位置情報と、予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定するステップ、
前記情報処理端末によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、
を含む、通信方法。
【請求項2】
前記情報処理端末の場所を判定するステップは、前記位置情報及び前記登録位置情報に基づいて前記情報処理端末が前記登録場所にあるか否かを判定すること、を有し、
前記場所判定情報を出力するステップは、前記情報処理端末が前記登録場所にあると判定された場合に、前記情報処理端末がある登録場所を示す場所判定情報を出力すること、を有する、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記場所判定情報を出力するステップは、前記情報処理端末が前記登録場所にないと判定された場合に、前記情報処理端末が前記登録場所にないことを示す場所判定情報を出力すること、を有する、
請求項2に記載の通信方法。
【請求項4】
前記情報処理端末の場所を判定するステップは、前記情報処理端末が第1登録場所又は前記第1登録場所と異なる第2登録場所にあるかを判定すること、を有し、
前記場所判定情報を出力するステップは、前記情報処理端末が前記第1登録場所にあると判定された場合に、前記第1登録場所を示す場所判定情報を出力すること、を有し、
前記通信方法は、前記情報処理端末が前記第2登録場所にあると判定された場合に、前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の前記位置情報を出力するステップ、をさらに含む、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項5】
前記情報処理端末によって、現在時刻を取得するステップ、
前記情報処理端末によって、取得した前記現在時刻が所定の時間内にあるか否かを判定するステップ、
をさらに含み、
前記場所判定情報を出力するステップは、前記現在時刻が前記所定の時間内にないと判定された場合に、前記場所判定情報を出力すること、を有する、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項6】
前記現在時刻が前記所定の時間内にあると判定された場合に、前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の前記位置情報を出力するステップ、をさらに含む、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
前記通信システムは、前記電子機器及び前記情報処理端末とネットワークを介して接続されるサーバを備え、
前記通信方法は、
前記サーバによって、前記情報処理端末から出力された前記場所判定情報を受信するステップ、
前記場所判定情報に基づいて、前記電子機器の前記サーバへのアクセス権限を設定するステップ、
をさらに含む、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項8】
前記通信システムは、前記電子機器及び前記情報処理端末とネットワークを介して接続されるサーバを備え、
前記通信方法は、
前記サーバによって、前記情報処理端末から出力された前記場所判定情報を受信するステップ、
前記場所判定情報に基づいて、前記電子機器の動作を制限するステップ、
をさらに含む、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項9】
前記サーバによって、前記情報処理端末を識別する固有端末識別情報を少なくとも含む固有識別情報を受信するステップ、
前記固有識別情報と、予め登録された情報処理端末の登録端末識別情報及び予め登録された電子機器の登録機器識別情報を含む登録識別情報と、に基づいて、前記情報処理端末及び前記電子機器を識別するステップ、
をさらに含む、
請求項7又は8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記情報処理端末によって、前記電子機器を識別する固有機器識別情報を受信するステップをさらに含み、
前記固有識別情報は、前記固有機器識別情報を含む、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記通信システムは、前記電子機器及び前記情報処理端末とネットワークを介して接続されるサーバを備え、
前記通信方法は、
前記サーバによって、前記情報処理端末から出力された前記位置情報を受信するステップ、
前記位置情報に基づいて、前記電子機器の位置を検出するステップ、
をさらに含む、
請求項4又は6に記載の通信方法。
【請求項12】
電子機器と情報処理端末とを備える通信システムにより実行されるプログラムであって、
前記情報処理端末によって、前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、
前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、
前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記情報処理端末によって、検出された前記位置情報と、予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定するステップ、
前記情報処理端末によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、
を含む、プログラム。
【請求項13】
電子機器と近距離無線通信を行う情報処理端末であって、
プロセッサと、
予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報を格納する記憶部と、
前記電子機器と近距離無線通信する近距離無線通信部と、
前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出する位置情報検出部と、
ネットワークを介して情報を出力するネットワーク通信部と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記近距離無線通信部によって前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定し、
前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記位置情報検出部によって検出された前記位置情報と前記記憶部に格納された前記登録位置情報とに基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定し、
前記ネットワーク通信部によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力する、情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信方法、プログラム及び情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、社員の業務を支援して管理することが可能な業務支援システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の業務支援システムは、社員の業務を管理する管理サーバと、社員によって所持され、通信ネットワークを介して管理サーバにアクセス可能な携帯端末と、管理サーバと連携してデータを管理するデータベースとを備える。携帯端末は、現在の位置情報及びその取得時刻情報を管理サーバに定期的又は不定期に送信する。管理サーバは、携帯端末の位置情報及びその取得時刻情報をデータベースに登録すると共に、位置情報及びその取得時刻情報を社員の業務スケジュールデータと比較して社員が所定の時刻に所定の場所で所定の業務を実施しようとしているかどうかを判断する。管理サーバは、判断結果に基づいて社員が所定の業務を実施するために必要な業務支援データをデータベースから読み出して携帯端末に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-167701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の業務支援システムでは、プライバシーの保護の向上という点で未だ改善の余地がある。
【0006】
本開示は、プライバシーの保護を向上できる通信方法、プログラム及び情報処理端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に通信方法は、
電子機器と情報処理端末とを備える通信システムの通信方法であって、
前記情報処理端末によって、前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、
前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、
前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記情報処理端末によって、検出された前記位置情報と、予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定するステップ、
前記情報処理端末によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、
を含む。
【0008】
本開示の一態様にかかるプログラムは、
電子機器と情報処理端末とを備える通信システムにより実行されるプログラムであって、
前記情報処理端末によって、前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、
前記情報処理端末によって、前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、
前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記情報処理端末によって、検出された前記位置情報と、予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定するステップ、
前記情報処理端末によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、
を含む。
【0009】
本開示の一態様にかかる情報処理端末は、
電子機器と近距離無線通信を行う情報処理端末であって、
プロセッサと、
予め登録された登録位置及び前記登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報を格納する記憶部と、
前記電子機器と近距離無線通信する近距離無線通信部と、
前記情報処理端末の位置を示す位置情報を検出する位置情報検出部と、
ネットワークを介して情報を出力するネットワーク通信部と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記近距離無線通信部によって前記電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定し、
前記電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、前記位置情報検出部によって検出された前記位置情報と前記記憶部に格納された前記登録位置情報とに基づいて、前記情報処理端末のある場所を判定し、
前記ネットワーク通信部によって、判定された前記情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、プライバシーの保護を向上できる通信方法、プログラム及び情報処理端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態1に係る通信システムの構成を示す概略ブロック図
図2】登録位置情報の一例
図3】本開示の実施の形態1に係る情報処理端末の制御フローチャート
図4】本開示の実施の形態1に係るサーバの制御フローチャート
図5】変形例1のサーバの制御フローチャート
図6】本開示の実施の形態2に係る情報処理端末の制御フローチャート
図7】本開示の実施の形態2に係るサーバの制御フローチャート
図8】本開示の実施の形態3に係る通信システムの構成を示す概略ブロック図
図9】本開示の実施の形態3に係る情報処理端末の制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示に至った経緯)
近年、テレワークの普及によって、職場以外の場所、例えば、自宅などで電子機器を用いて作業するユーザが増えてきている。
【0013】
近年、ユーザの位置情報を取得し、職場以外の場所で作業するユーザの支援及び管理するシステムが開発されている。例えば、ユーザが所有するスマートフォンなどの情報処理端末が位置情報を検出し、検出した位置情報をサーバに送信する。サーバは、モバイル端末から位置情報を受信し、位置情報に基づいてユーザのいる位置を管理する。
【0014】
しかしながら、このようなシステムにおいては、サーバが受信した情報処理端末の位置情報に基づいてユーザのいる具体的な位置を常に知ることができる状況となり、ユーザのプライバシーの保護の観点から好ましくない。
【0015】
そこで、本発明者らは、プライバシーの保護を向上できる通信方法を検討し、以下の開示に至った。
【0016】
以下、本開示の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0017】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0018】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本開示の実施の形態1に係る通信システム1の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、通信システム1は、電子機器10、情報処理端末20及びサーバ30を備える。通信システム1においては、電子機器10と情報処理端末20とが近距離無線通信を行う。また、電子機器10とサーバ30とがネットワークを介して通信し、情報処理端末20とサーバ30とがネットワークを介して通信する。
【0019】
<電子機器>
電子機器10は、例えば、ラップトップPCである。電子機器10は、第1プロセッサ11と、第1プロセッサ11により実行されるプログラムを記憶した第1記憶部12と、を備える。また、電子機器10は、情報処理端末20との近距離無線通信を行う第1通信部13を含む。近距離無線通信とは、例えば、数m以内の無線通信を意味する。例えば、近距離無線通信は、50m以内の無線通信であってもよく、好ましくは10m以内の無線通信であってもよく、より好ましくは5m以内の無線通信であってもよい。
【0020】
第1プロセッサ11は、電子機器10の各構成要素を制御する。第1プロセッサ11は、半導体素子などで実現可能である。第1プロセッサ11は、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。第1プロセッサ11は、第1記憶部12に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0021】
第1記憶部12は、電子機器10の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。第1記憶部12は、例えば、RAM、ROM、PROM、PROM、EPROM、フラッシュメモリ、HDD、SSD又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0022】
第1記憶部12は、固有機器識別情報14を格納する。固有機器識別情報14は、電子機器10を識別するための固有の識別情報であり、例えば、シリアルNoなどを含む。
【0023】
第1通信部13は、所定の通信規格に準拠して情報処理端末20との近距離無線通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、Bluetooth(登録商標)を含む。
【0024】
また、電子機器10は、ネットワークを介してサーバ30と通信する通信回路を含む。例えば、電子機器10は、Wi-Fi(登録商標)などの規格に従い通信を行うことができる通信回路を含む。
【0025】
<情報処理端末>
情報処理端末20は、ユーザが携帯可能であって、近距離無線通信及び位置情報検出を行うことができるモバイル端末である。情報処理端末20は、例えば、スマートフォンである。情報処理端末20は、第2プロセッサ21、第2記憶部22、第2通信部23、位置情報検出部24及び第3通信部25を備える。
【0026】
第2プロセッサ21は、情報処理端末20の各構成要素を制御する。第2プロセッサ21は、半導体素子などで実現可能である。第2プロセッサ21は、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。第2プロセッサ21は、第2記憶部22に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0027】
第2記憶部22は、情報処理端末20の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。第2記憶部22は、例えば、RAM、ROM、PROM、PROM、EPROM、フラッシュメモリ、HDD、SSD又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0028】
第2記憶部22は、固有端末識別情報26及び登録位置情報27を格納する。固有端末識別情報26は、情報処理端末20を識別するための固有の識別情報であり、例えば、シリアルNo又は電話番号などを含む。登録位置情報27は、予め登録された登録位置と、登録位置と関連付けられた登録場所と、を含む。
【0029】
本明細書において、「位置」とは、例えば、緯度及び経度などの座標ポイントを意味し、「場所」とは、位置を表す名称を意味し、位置に関連して名付けられる。「場所」は、例えば、自宅、職場などの任意に名付けられた名称であってもよい。また、「場所」は、例えば、土地、施設又は建物等などの名称であってもよい。「場所」は、具体的な位置を特定できる情報を含んでいない。
【0030】
図2は、登録位置情報27の一例である。図2に示す例において、登録位置は、緯度及び経度を示す。例えば、登録位置(X1,Y1)には登録場所として「自宅」が関連付けられていることを示し、登録位置(X2,Y2)には登録場所として「職場」が関連付けられていることを示す。なお、X1,X2は緯度を示し、Y1,Y2は経度を示す。
【0031】
なお、登録位置情報27には、自宅、職場以外の場所及び位置が登録されていてもよい。例えば、コワーキングスペース又はスポットオフィスという場所の名称と、当該場所を示す位置と、が登録位置情報27に登録されていてもよい。
【0032】
第2通信部23は、所定の通信規格に準拠して電子機器10との近距離無線通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、Bluetooth(登録商標)を含む。本明細書では、第2通信部23は、近距離無線通信部23と称してもよい。
【0033】
位置情報検出部24は、情報処理端末20の位置情報を検出する。位置情報検出部24は、例えば、GPS(Global Positioning System)などの位置を検出するセンサである。
【0034】
第3通信部25は、ネットワークを介してサーバ30と無線通信を行う通信回路を含む。例えば、第3通信部25は、Wi-Fi(登録商標)などの規格に従い通信を行うことができるものであればよい。本明細書では、第3通信部25は、ネットワーク通信部25と称してもよい。
【0035】
<サーバ>
サーバ30は、電子機器10及び情報処理端末20とネットワークを介して通信可能な情報処理装置である。サーバ30は、第3プロセッサ31と、第3記憶部32と、第4通信部33と、を備える。
【0036】
第3プロセッサ31は、サーバ30の各構成要素を制御する。第3プロセッサ31は、半導体素子などで実現可能である。第3プロセッサ31は、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。第3プロセッサ31は、第3記憶部32に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0037】
第3記憶部32は、サーバ30の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。第3記憶部32は、例えば、RAM、ROM、PROM、PROM、EPROM、フラッシュメモリ、HDD、SSD又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0038】
第3記憶部32は、登録識別情報34を格納する。登録識別情報34は、情報処理端末20を識別するための登録端末識別情報と、電子機器10を識別するための登録機器識別情報と、を含む。登録端末識別情報は、例えば、情報処理端末20のシリアルNo又は電話番号などを含む。登録機器識別情報は、電子機器10のシリアルNoなどを含む。
【0039】
第4通信部33は、ネットワークを介して情報処理端末20及び電子機器10と無線通信を行う通信回路を含む。例えば、第4通信部33は、Wi-Fi(登録商標)などの規格に従い通信を行うことができるものであればよい。
【0040】
[動作]
通信システム1の動作、即ち、通信方法の一例を、図3及び図4を用いて説明する。
【0041】
図3は、本開示の実施の形態1に係る情報処理端末20の制御フローチャートを示す。
【0042】
図3に示すように、ステップS1では、情報処理端末20が、電子機器10と近距離無線通信をしているか否かを判定する。例えば、第2プロセッサ21は、第2通信部23が電子機器10と近距離無線通信しているか否かを判定する。これにより、情報処理端末20が電子機器10の近くにあるか否かを判定する。
【0043】
第2プロセッサ21は、第2通信部23と電子機器10の第1通信部13とが近距離無線通信している場合、情報処理端末20が電子機器10の近くにあると判定する。また、第2プロセッサ21は、第2通信部23と電子機器10の第1通信部13とが近距離無線通信していない場合、情報処理端末20が電子機器10の近くにないと判定する。
【0044】
ステップS1では、情報処理端末20が電子機器10と近距離無線通信をしていると判定された場合、処理はステップS2へ進む。情報処理端末20が電子機器10と近距離無線通信していないと判定された場合、処理はステップS1を繰り返す。
【0045】
ステップS2では、情報処理端末20が電子機器10の固有機器識別情報14を受信する。例えば、電子機器10では、第1プロセッサ11が第1記憶部12に格納された固有機器識別情報14を読み出し、第1通信部13を介して固有機器識別情報14を出力する。情報処理端末20では、第2プロセッサ21が第2通信部23を介して第1通信部13と近距離無線通信することによって、固有機器識別情報14を受信する。第2プロセッサ21は、受信した固有機器識別情報14を第2記憶部22に格納する。
【0046】
ステップS3では、情報処理端末20が位置情報を検出する。例えば、位置情報検出部24が情報処理端末20の位置情報として、緯度及び経度の情報を検出する。
【0047】
ステップS4では、情報処理端末20が、検出した位置情報及び登録位置情報27に基づいて情報処理端末20の場所を判定する。例えば、第2プロセッサ21は、位置情報検出部24から情報処理端末20の位置情報を受信する。また、第2プロセッサ21は、第2記憶部22に格納された登録位置情報27を読み出す。第2プロセッサ21は、登録位置情報27に予め登録された登録位置の中から位置情報検出部24で検出した位置情報を検索し、情報処理端末20の場所を判定する。具体的には、第2プロセッサ21は、検出された位置情報と登録位置情報27とに基づいて、情報処理端末20が予め登録された登録場所にあるか否かを判定する。
【0048】
例えば、位置情報検出部24で検出した位置情報が位置(X1,Y1)である場合、第2プロセッサ21は、登録位置情報27の登録位置の中から位置(X1,Y1)を検索する。図2に示すように、登録位置情報27では、位置(X1,Y1)は登録場所として「自宅」が関連付けられている。よって、第2プロセッサ21は、情報処理端末20が「自宅」にあると判定する。即ち、第2プロセッサ21は、情報処理端末20が「登録場所にある」と判定する。
【0049】
位置情報検出部24で検出した位置情報が位置(X0,Y0)である場合、図2に示す例では、位置(X0,Y0)は登録位置情報27に登録されていない。この場合、第2プロセッサ21は、情報処理端末20が「自宅」にも「職場」にもないと判定する。即ち、第2プロセッサ21は、情報処理端末20が「登録場所にない」と判定する。
【0050】
なお、情報処理端末20の場所を判定する際に、第2プロセッサ21は、検出された位置情報が登録位置情報27の予め登録された登録位置、即ち、緯度及び経度から所定の範囲内にあるか否かを判定してもよい。一例として、検出された位置情報が位置(X3,Y3)である場合を説明する。検出された位置(X3,Y3)が登録位置情報27において自宅の場所を示す登録位置(X1,Y1)の所定の範囲(X1±α,Y1±β)以内にある場合に、第2プロセッサ21は、情報処理端末20が「自宅」にあると判定してもよい。「α」、「β」は任意の数値を設定してもよい。
【0051】
ステップS5では、情報処理端末20が、判定された情報処理端末20の場所を示す場所判定情報及び固有識別情報を出力する。例えば、第2プロセッサ21は、情報処理端末20の場所判定情報及び固有識別情報を第3通信部25によって出力する。本実施形態では、第2プロセッサ21は、第3通信部25によってネットワークを介してサーバ30へ場所判定情報及び固有識別情報を送信する。
【0052】
場所判定情報とは、情報処理端末20がある場所を示す情報である。本実施形態では、場所判定情報は、ステップS3で判定した情報処理端末20の場所の情報であり、例えば、情報処理端末20が「自宅にある」、「職場にある」又は「登録場所にない」ことを示す情報である。例えば、場所判定情報は、情報処理端末20が自宅及び職場を区別せずに「登録場所にある」又は「登録場所にない」ことを示す情報であってもよい。
【0053】
固有識別情報は、電子機器10から受信した固有機器識別情報14と、情報処理端末20の固有端末識別情報26と、を含む。固有識別情報は、第2記憶部22に格納されている。第2プロセッサ21は、第2記憶部22から固有識別情報を読み出し、第3通信部25を介してサーバ30に固有識別情報を送信する。
【0054】
情報処理端末20は、場所判定情報及び固有識別情報を定期的に又は不定期に出力する。例えば、情報処理端末20は、電子機器10の電源がONになったときに、場所判定情報及び固有識別情報を出力してもよい。情報処理端末20は、所定の時刻に、場所判定情報及び固有識別情報を出力してもよい。情報処理端末20は、所定の時間間隔で場所判定情報及び固有識別情報を出力してもよい。例えば、情報処理端末20は、1時間毎に、場所判定情報及び固有識別情報を出力してもよい。あるいは、情報処理端末20は、位置情報に基づいてユーザが移動したか否かを検出し、ユーザが移動したことを検出したときに場所判定情報及び固有識別情報を出力してもよい。
【0055】
図4は、本開示の実施の形態1に係るサーバ30の制御フローチャートを示す。
【0056】
図4に示すように、ステップS31では、サーバ30が、情報処理端末20から場所判定情報及び固有識別情報を受信する。例えば、第4通信部33が、ネットワークを介して情報処理端末20の第3通信部25から場所判定情報及び固有識別情報を受信する。
【0057】
ステップS32では、サーバ30が、固有識別情報に基づいて情報処理端末20及び電子機器10を識別する。サーバ30は、登録識別情報34を第3記憶部32に格納している。登録識別情報34は、予め登録された情報処理端末20の登録端末識別情報と、予め登録された電子機器10の登録機器識別情報と、を含む。第3プロセッサ31は、第3記憶部32から登録識別情報34を読み出し、登録識別情報34の中から固有識別情報を検索する。具体的には、第3プロセッサ31は、登録識別情報34の登録端末識別情報の中から情報処理端末20の固有端末識別情報26を検索する。また、第3プロセッサ31は、登録識別情報34の登録機器識別情報の中から電子機器10の固有機器識別情報14を検索する。これにより、第3プロセッサ31は、ネットワークを介して通信している情報処理端末20及び電子機器10を識別する。
【0058】
ステップS33では、サーバ30が、場所判定情報に基づいて電子機器10のアクセス権限を設定する。例えば、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「登録場所にない」場合、電子機器10のサーバ30へのアクセスを制限する。一方、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「登録場所にある」場合、電子機器10のサーバ30へのアクセスを許可する。
【0059】
あるいは、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「自宅にある」場合と「職場にある」場合とで、電子機器10のサーバ30へのアクセス権限のレベルを変更してもよい。例えば、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「自宅にある」場合、電子機器10のサーバ30へのアクセスを一部制限してもよい。
【0060】
[効果]
実施の形態1の通信システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0061】
通信システム1において、情報処理端末20は、情報処理端末20の位置情報から情報処理端末20のある場所を判定し、判定した場所を示す場所判定情報を出力している。場所判定情報は、例えば、情報処理端末20が自宅又は職場などの「登録場所にある」、又は「登録場所にない」ことを示す情報であり、具体的な位置を示さない。これにより、情報処理端末20を所持するユーザの具体的な位置が、例えば、管理者などの第三者に常に知られてしまう状況を回避することができる。その結果、ユーザのプライバシーの保護を向上できる。
【0062】
例えば、情報処理端末20を所持するユーザが「自宅」にいる場合、情報処理端末20は「自宅にいる」という場所判定情報を出力し、「自宅」の位置を具体的に示す位置情報を出力しない。あるいは、ユーザが「カフェ」にいる場合、情報処理端末20は「登録場所にいない」という場所判定情報を出力し、「カフェ」の位置を具体的に示す位置情報を出力しない。このように、情報処理端末20は、「登録場所にあるか否か」の判定結果を出力し、具体的な位置を示す位置情報を出力しない。これにより、情報処理端末20から場所判定情報を受信するサーバ30では、ユーザの具体的な位置を常に把握できてしまうという状況を改善できる。その結果、管理者がユーザの具体的な位置を把握し、ユーザのプライバシーを侵害するといった、所謂、ロケーションハラスメントを回避することができる。
【0063】
サーバ30は、情報処理端末20が「登録場所にあるか否か」を示す場所判定情報に基づいて、情報処理端末20と近距離通信している電子機器10のサーバ30へのアクセス権限を設定する。例えば、ユーザが登録された場所以外で電子機器10を使用していると判定された場合、サーバ30は電子機器10のサーバ30へのアクセスを制限する。一方、ユーザが登録された場所で電子機器10を使用していると判定された場合、サーバ30は電子機器10のサーバ30へのアクセスを許可する。このような構成により、電子機器10が登録された場所以外からサーバ30へアクセスできないようにすることができるため、セキュリティを向上できる。
【0064】
また、情報処理端末20は、電子機器10と近距離無線通信をしている場合に、情報処理端末20のある場所を判定し、場所判定情報を出力する。このように、通信システム1では、電子機器10と情報処理端末20とが近距離通信しているか否かの情報と、場所判定情報と、を組み合わせて、電子機器10のサーバ30へのアクセス制御をしている。これにより、電子機器10のサーバ30へのアクセスのセキュリティをより向上できる。
【0065】
通信方法においても上記効果と同様の効果を奏することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、電子機器10がラップトップPCである例について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器10は、デスクトップPC、タブレットPCなどのコンピュータであってもよい。
【0067】
本実施形態では、情報処理端末20がスマートフォンである例について説明したが、これに限定されない。情報処理端末20は、近距離無線通信機能及び位置情報検出機能を有するモバイル端末であればよい。例えば、情報処理端末20は、タブレットPCであってもよい。
【0068】
本実施形態では、情報処理端末20が位置情報検出部24で検出した位置情報及び登録位置情報27に基づいて情報処理端末20の場所を判定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理端末20は、位置情報検出部24で検出した位置情報をサーバ30に送信してもよい。この場合、サーバ30が位置情報に基づいて情報処理端末20の場所を判定してもよい。即ち、図3に示すステップS4は、サーバ30で行われてもよい。
【0069】
本実施形態では、情報処理端末20が固有識別情報をサーバ30に送信する例について説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理端末20は固有識別情報をサーバ30に送信しなくてもよい。
【0070】
本実施形態では、固有識別情報が固有機器識別情報14と、固有端末識別情報26と、を含む例について説明したが、これに限定されない。固有識別情報は、少なくとも固有端末識別情報26を含んでいればよい。例えば、固有識別情報は、固有機器識別情報14を含んでいなくてもよい。この場合、図3に示すステップS2は省略してもよい。
【0071】
また、サーバ30の第3記憶部32に格納される登録識別情報34において、登録端末識別情報と登録機器識別情報とが紐づけられていてもよい。この場合、サーバ30の第3プロセッサ31は、固有機器識別情報14を用いなくても、情報処理端末20の固有端末識別情報26と登録識別情報34とに基づいて、電子機器10を識別できる。
【0072】
本実施形態では、図2に示すように、1つの登録場所に対して1つの登録位置が関連付けられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、1つの登録場所に対して所定の範囲が関連付けられていてもよい。
【0073】
本実施形態では、サーバ30へのアクセス制限を実施する例について説明したが、これに限定されない。例えば、サーバ30は、場所判定情報に基づいて電子機器10の動作を制限してもよい。
【0074】
図5は、変形例1のサーバ30の制御フローチャートである。図5に示すように、変形例1の制御では、サーバ30が電子機器10の動作を制限するステップS33Aを含む点で実施の形態1と異なる。
【0075】
例えば、ステップS33Aでは、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「登録場所にない」場合、電子機器10へのログインを制限してもよい。一方、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「登録場所にある」場合、電子機器10へのログインを許可してもよい。
【0076】
あるいは、ステップS33Aでは、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「登録場所にない」場合、カメラ、スピーカ、マイク、カードスロット又は入出力端子等の特定のデバイスの使用を制限してもよい。一方、第3プロセッサ31は、情報処理端末20が「登録場所にある」場合、カメラ、スピーカ、マイク、カードスロット又は入出力端子等の特定のデバイスの使用を許可してもよい。
【0077】
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2に係る通信方法について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0078】
実施の形態2の通信方法の一例について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、本開示の実施の形態2に係る情報処理端末20の制御フローチャートである。図7は、本開示の実施の形態2に係るサーバ30の制御フローチャートである。
【0079】
実施の形態2では、情報処理端末20のある場所に応じて情報処理端末20の場所判定情報を出力するのか、又は位置情報を出力するかを判定する点で、実施の形態1と異なる。具体的には、図6に示すように、実施の形態2の通信方法では、ステップS4A,S4B,S5A,S7を含む点で、実施の形態1と異なる。
【0080】
ステップS4Aでは、情報処理端末20が登録場所にあるか否かを判定する。例えば、情報処理端末20は、ステップS3で検出した位置情報及び登録位置情報27に基づいて情報処理端末20が登録場所にあるか否かを判定する。
【0081】
ステップS4Aにおいて、情報処理端末20が登録場所にあると判定された場合、処理はステップS4Bへ進む。情報処理端末20が登録場所にないと判定された場合、処理はステップS7へ進む。
【0082】
ステップS4Bでは、情報処理端末20が予め登録された第1登録場所又は第2登録場所にあるかを判定する。第1登録場所と第2登録場所とは異なる。例えば、第1登録場所は「自宅」であり、第2登録場所は「職場」であってもよい。
【0083】
ステップS4Bにおいて、情報処理端末20が第1登録場所にあると判定された場合、処理はステップS5Aへ進む。情報処理端末20が第2登録場所にあると判定された場合、処理はステップS6へ進む。
【0084】
ステップS5Aでは、情報処理端末20が、情報処理端末20がある第1登録場所を示す場所判定情報及び固有識別情報を出力する。例えば、第1登録場所が「自宅」である場合、情報処理端末20は、情報処理端末20が「自宅にある」ことを示す場所判定情報を出力する。例えば、情報処理端末20は、情報処理端末20が「自宅にある」ことを識別可能な場所識別情報を含む場所判定情報を出力する。
【0085】
ステップS6では、情報処理端末20が、情報処理端末20の位置情報及び固有識別情報を出力する。例えば、第2登録場所が「職場」である場合、情報処理端末20は、ステップS3で検出した情報処理端末20の位置情報を出力する。
【0086】
ステップS7では、情報処理端末20が、情報処理端末20が登録場所にないことを示す場所判定情報及び固有識別情報を出力する。
【0087】
次に、サーバ30の制御について図7を用いて説明する。ここでは、サーバ30がステップS5で情報処理端末20から出力された位置情報及び固有識別情報を受信する例について説明する。なお、サーバ30がステップS5A及びS7で情報処理端末20から出力された場所判定情報及び固有識別情報を受信する制御は、実施の形態1の図4と同様のため説明を省略する。
【0088】
図7に示すように、ステップS41では、サーバ30が情報処理端末20から出力された位置情報及び固有識別情報を受信する。例えば、第4通信部33が、ネットワークを介して情報処理端末20の第3通信部25から位置情報及び固有識別情報を受信する。
【0089】
ステップS42では、サーバ30が、固有識別情報に基づいて情報処理端末20及び電子機器10を識別する。ステップS42は、実施の形態1のステップS32と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
ステップS43では、サーバ30が、位置情報に基づいて電子機器10の位置を検出する。例えば、サーバ30は、情報処理端末20の位置情報に基づいて情報処理端末20の具体的な位置を検出する。情報処理端末20と電子機器10とは近距離無線通信をしているため、電子機器10は情報処理端末20の近くにある。このため、サーバ30は、情報処理端末20の位置を検出することによって、電子機器10の位置を検出することができる。
【0091】
例えば、第2登録場所である「職場」が複数の作業場を含む場合、サーバ30は、情報処理端末20の位置情報に基づいて電子機器10が複数の作業場のうちいずれの作業場にあるのかを検出することができる。
【0092】
[効果]
実施の形態2の通信方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0093】
実施の形態2の通信方法では、情報処理端末20のある場所に応じて情報処理端末20の場所判定情報を出力するのか、又は位置情報を出力するかを判定している。このような構成により、ユーザが電子機器10を用いて作業する環境などに応じて情報処理端末20の場所判定情報を出力するか、位置情報を出力するか、を選択できるため、通信システム1の使い勝手が向上する。
【0094】
例えば、ユーザが職場で電子機器10を用いて作業をしている場合、情報処理端末20が具体的な位置を示す位置情報をサーバ30に送信する。サーバ30は、位置情報に基づいて電子機器10及び情報処理端末20が職場のどこにあるかを検出することができる。これにより、ユーザが職場にいるとき、職場内における電子機器10及び情報処理端末20のアセット管理を行うことができる。
【0095】
一方、ユーザが職場以外の場所、例えば、自宅などにいる場合、情報処理端末20が具体的な位置を含まない場所判定情報をサーバ30に送信する。サーバ30は、電子機器10及び情報処理端末20が「自宅にある」という情報を得ることはできるが、具体的な位置まで把握することができない。これにより、ユーザが職場以外にいるとき、サーバ30はユーザの具体的な位置を把握しないため、ユーザのプライバシーの侵害を抑制できる。
【0096】
なお、本実施形態では、第1登録場所が「自宅」であり、第2登録場所が「職場」である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2登録場所が「スポットオフィス」などであってもよい。第1登録場所及び第2登録場所は、任意に設定できる。また、登録場所の数は2つに限定されない。例えば、登録場所の数は2つ以上であってもよい。
【0097】
本実施形態では、情報処理端末20が第2登録場所「職場」にあると判定された場合に、情報処理端末20が位置情報を出力する例について説明したが、これに限定されない。位置情報を出力する登録場所は任意に設定されてもよい。また、「職場」以外の登録場所についても、情報処理端末20が位置情報の出力を行ってもよい。
【0098】
(実施の形態3)
本開示の実施の形態3に係る通信システムについて説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0099】
実施の形態3の通信システム1Aの一例について、図8を用いて説明する。また、実施の形態3の情報処理端末20Aの制御について、図9を用いて説明する。図8は、本開示の実施の形態3に係る通信システム1Aの構成を示す概略ブロック図である。図9は、本開示の実施の形態3に係る情報処理端末20Aの制御フローチャートである。
【0100】
実施の形態3では、情報処理端末20Aがタイマー28を備え、所定の時間内であるか否かに基づいて情報処理端末20Aの場所判定情報を出力するのか、又は位置情報を出力するかを判定する点で、実施の形態1と異なる。
【0101】
図8に示すように、通信システム1Aにおいて、情報処理端末20Aは、タイマー28を備える。タイマー28は、時刻を計時する。例えば、第2プロセッサ21は、タイマー28によって現在時刻を計時する。これにより、第2プロセッサ21は、現在時刻の情報を取得する。
【0102】
次に、情報処理端末20Aの制御について図9を用いて説明する。なお、実施の形態3では、ステップS8~S10を含む点で、実施の形態1と異なる。
【0103】
図9に示すように、ステップS8では、情報処理端末20Aが現在時刻を取得する。例えば、第2プロセッサ21は、タイマー28によって現在時刻を取得する。
【0104】
ステップS9では、情報処理端末20Aが取得した現在時刻が所定の時間内であるか否かを判定する。所定の時間とは、任意に設定された時間であり、例えば、就業時間である。例えば、就業時間が午前9時から12時及び午後13時から17時である場合、第2プロセッサ21は、現在時刻が午前9時から12時及び午後13時から17時の範囲内であるか否かを判定する。
【0105】
ステップS9では、現在時刻が所定の時間内にないと判定された場合、処理はステップS5Bへ進む。現在時刻が所定の時間内であると判定された場合、処理はステップS10へ進む。
【0106】
ステップS5Bでは、実施の形態1のステップS5と同様に、情報処理端末20Aは、情報処理端末20の場所判定情報を出力する。
【0107】
ステップS10では、実施の形態2のステップS6と同様に、情報処理端末20Aは、情報処理端末20Aの位置情報を出力する。
【0108】
実施の形態3では、サーバ30の制御は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
[効果]
実施の形態3の通信方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0110】
実施の形態3の通信方法においては、情報処理端末20Aが現在時刻を取得し、現在時刻が所定の時間内にあるか否かの判定結果に基づいて、情報処理端末20Aの場所判定情報を出力するか、又は位置情報を出力するかを決定している。例えば、情報処理端末20Aは、就業時間内において位置情報を出力し、就業時間外において場所判定情報を出力する。これにより、サーバ30は、就業時間内においては電子機器10及び情報処理端末20Aの位置を具体的に特定できるが、就業時間外においては電子機器10及び情報処理端末20Aの位置を具体的に特定できない設定とすることができる。このような構成により、通信システム1Aの使い勝手が向上する。
【0111】
なお、本実施形態では、情報処理端末20Aがタイマー28を備える例について説明したが、これに限定されない。タイマー28は必須の構成ではない。例えば、情報処理端末20Aは、外部機器から現在時刻の情報を取得してもよい。
【0112】
本実施形態では、所定の時間が就業時間である例について説明したが、これに限定されない。所定の時間は、任意の時間に設定してもよい。また、所定の時間は、情報処理端末20A毎に設定を変更してもよい。
【0113】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0114】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【0115】
また、本開示の概括的かつ特定の態様は、システム、方法、及びコンピュータプログラム、並びに、それらの組み合わせにより、実現されてもよい。
【0116】
(実施形態の概要)
(1)本開示の通信方法は、電子機器と情報処理端末とを備える通信システムにより実行される通信方法であって、情報処理端末によって、電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、情報処理端末によって、情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、情報処理端末によって、検出された位置情報と、予め登録された登録位置及び登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、情報処理端末のある場所を判定するステップ、情報処理端末によって、判定された情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、を含む。
【0117】
(2)(1)の通信方法において、情報処理端末の場所を判定するステップは、位置情報及び登録位置情報に基づいて情報処理端末が登録場所にあるか否かを判定すること、を有してもよく、場所判定情報を出力するステップは、情報処理端末が登録場所にあると判定された場合に、情報処理端末がある登録場所を示す場所判定情報を出力すること、を有してもよい。
【0118】
(3)(2)の通信方法において、場所判定情報を出力するステップは、情報処理端末が登録場所にないと判定された場合に、情報処理端末が登録場所にないことを示す場所判定情報を出力すること、を有してもよい。
【0119】
(4)(1)~(3)のいずれか1つの通信方法において、情報処理端末の場所を判定するステップは、情報処理端末が第1登録場所又は第1登録場所と異なる第2登録場所にあるかを判定すること、を有してもよく、場所判定情報を出力するステップは、情報処理端末が第1登録場所にあると判定された場合に、第1登録場所を示す場所判定情報を出力すること、を有してもよく、通信方法は、情報処理端末が第2登録場所にあると判定された場合に、情報処理端末によって、情報処理端末の位置情報を出力するステップ、をさらに含んでもよい。
【0120】
(5)(1)~(4)のいずれか1つの通信方法は、情報処理端末によって、現在時刻を取得するステップ、情報処理端末によって、取得した現在時刻が所定の時間内にあるか否かを判定するステップ、をさらに含んでもよく、場所判定情報を出力するステップは、現在時刻が所定の時間内にないと判定された場合に、場所判定情報を出力すること、を有してもよい。
【0121】
(6)(5)の通信方法は、現在時刻が所定の時間内にあると判定された場合に、情報処理端末によって、情報処理端末の位置情報を出力するステップ、をさらに含んでもよい。
【0122】
(7)(1)~(6)のいずれか1つの通信方法において、通信システムは、電子機器及び情報処理端末とネットワークを介して接続されるサーバを備えてもよく、通信方法は、サーバによって、情報処理端末から出力された場所判定情報を受信するステップ、場所判定情報に基づいて、電子機器のサーバへのアクセス権限を設定するステップ、をさらに含んでもよい。
【0123】
(8)(1)~(6)のいずれか1つの通信方法において、通信システムは、電子機器及び情報処理端末とネットワークを介して接続されるサーバを備えてもよく、通信方法は、サーバによって、情報処理端末から出力された場所判定情報を受信するステップ、場所判定情報に基づいて、電子機器の動作を制限するステップ、をさらに含んでもよい。
【0124】
(9)(7)又は(8)の通信方法は、サーバによって、情報処理端末を識別する固有端末識別情報を少なくとも含む固有識別情報を受信するステップ、固有識別情報と、予め登録された情報処理端末の登録端末識別情報及び予め登録された電子機器の登録機器識別情報を含む登録識別情報と、に基づいて、情報処理端末及び電子機器を識別するステップ、をさらに含んでもよい。
【0125】
(10)(9)の通信方法は、情報処理端末によって、電子機器を識別する固有機器識別情報を受信するステップをさらに含んでもよく、固有識別情報は、固有機器識別情報を含んでもよい。
【0126】
(11)(4)又は(6)の通信方法において、通信システムは、電子機器及び情報処理端末とネットワークを介して接続されるサーバを備えてもよく、通信方法は、サーバによって、情報処理端末から出力された位置情報を受信するステップ、位置情報に基づいて、電子機器の位置を検出するステップ、をさらに含んでもよい。
【0127】
(12)本開示のプログラムは、電子機器と情報処理端末とを備える通信システムを制御するプログラムであって、情報処理端末によって、電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定するステップ、情報処理端末によって、情報処理端末の位置を示す位置情報を検出するステップ、電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、情報処理端末によって、検出された位置情報と、予め登録された登録位置及び登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報と、に基づいて、情報処理端末のある場所を判定するステップ、情報処理端末によって、判定された情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力するステップ、を含む。
【0128】
(13)本開示の情報処理端末は、電子機器と近距離無線通信を行う情報処理端末であって、プロセッサと、予め登録された登録位置及び登録位置と関連付けられた登録場所を含む登録位置情報を格納する記憶部と、電子機器と近距離無線通信する近距離無線通信部と、情報処理端末の位置を示す位置情報を検出する位置情報検出部と、ネットワークを介して情報を出力するネットワーク通信部と、を備え、プロセッサは、近距離無線通信部によって電子機器と近距離無線通信しているか否かを判定し、電子機器と近距離無線通信していると判定された場合に、位置情報検出部によって検出された位置情報と記憶部に格納された登録位置情報とに基づいて、情報処理端末のある場所を判定し、ネットワーク通信部によって、判定された情報処理端末の場所を示す場所判定情報を出力する。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本開示は、電子機器と情報処理端末とを含む通信システム及び通信方法に適用できる。
【符号の説明】
【0130】
1,1A 通信システム
10 電子機器
11 第1プロセッサ
12 第1記憶部
13 第1通信部
14 固有機器識別情報
20,20A 情報処理端末
21 プロセッサ
22 第2記憶部
23 第2通信部
24 位置情報検出部
25 第3通信部
26 固有端末識別情報
27 登録位置情報
28 タイマー
30 サーバ
31 第3プロセッサ
32 第3記憶部
33 第4通信部

34 登録識別情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9