(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166215
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】バッテリパック、電子機器、通信システム、および通信方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20231114BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G06F1/26
G06F3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077116
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】越智 誠
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011EA02
(57)【要約】
【課題】電子機器の電源がオフの場合でも通信機能を使用することのできる、バッテリパックを提供する。
【解決手段】
本開示のバッテリパックは、電子機器に搭載されるバッテリパックであって、電子機器に電力を供給するバッテリと、バッテリから電力を受給し、近距離通信する通信部と、バッテリから通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を備え、通信部は、バッテリパックが電子機器に接続されているときに、設定保持部に保持された設定に基づいてバッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に搭載されるバッテリパックであって、
前記電子機器に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから電力を受給し、近距離通信する通信部と、
前記バッテリから前記通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、
を備え、
前記通信部は、前記バッテリパックが前記電子機器に接続されているときに、前記設定保持部に保持された設定に基づいて前記バッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う、
バッテリパック。
【請求項2】
前記バッテリと前記通信部とは、前記電子機器を介して電気的に接続される、
請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記通信部は、前記電子機器の電源がオフの場合に、前記電子機器を介して前記バッテリから電力を供給される、
請求項1または2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
バッテリで駆動可能な電子機器であって、
前記電子機器に電力を供給するバッテリと、前記バッテリから電力を受給し近距離通信する通信部と、前記バッテリから前記通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を有するバッテリパックと、
を備え、
前記通信部は、前記バッテリパックが前記電子機器に接続されているときに、前記設定保持部に保持された設定に基づいて前記バッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う、
電子機器。
【請求項5】
前記バッテリと前記通信部とは、前記電子機器を介して電気的に接続される、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
さらに、
前記電子機器を制御するプロセッサと、
前記バッテリと前記通信部との接続および切断を切り替える切替部と、
を備え、
前記プロセッサは、前記設定保持部の設定を更新し、前記設定保持部の設定に基づいて前記切替部を制御し、
前記通信部は、前記切替部により前記バッテリと前記通信部とが接続されている場合に、前記バッテリから電力を供給される、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記通信部は、前記電子機器の電源がオフの場合に、前記バッテリから電力を供給される、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
前記バッテリパックは、前記電子機器に着脱可能に取り付けられる、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項9】
さらに、アンテナ、を備え、
前記電子機器と接続されているときに、前記通信部と前記アンテナとが電気的に接続される、
請求項4から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
電子機器と、
前記電子機器に電力を供給するバッテリと、前記バッテリから電力を受給し近距離通信する通信部と、前記バッテリから前記通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を有し、前記電子機器に搭載されるバッテリパックと、
位置情報検出部を有し、前記通信部と近距離通信する情報処理端末と、
を備え、
前記通信部は、前記電子機器と前記バッテリパックとが接続されているときに、前記設定保持部の設定に基づいて前記バッテリから電力を供給され、
前記情報処理端末は、前記通信部と近距離通信した場合に、前記位置情報検出部により検出した位置情報に基づいて前記電子機器の位置を検出する、
通信システム。
【請求項11】
前記バッテリと前記通信部とは、前記電子機器を介して電気的に接続される、
請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記情報処理端末は、スマートフォンである、
請求項10または11に記載の通信システム。
【請求項13】
情報処理端末と電子機器と備える通信システムの通信方法であって、
前記電子機器に搭載されたバッテリパックに含まれる設定保持部の設定に基づいて、バッテリパックに含まれる通信部に、前記バッテリパックに含まれるバッテリから電力を供給するステップと、
前記情報処理端末が、前記バッテリパックの前記通信部と近距離通信するステップと、
前記情報処理端末が、位置情報を取得するステップと、
前記情報処理端末が、前記位置情報に基づいて前記電子機器の位置を検出するステップと、
を含む、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリパック、電子機器、通信システム、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信機能を有する電子機器が知られている。例えば、特許文献1には、パソコンとドッカーとのアンドッキングを検知すると、無線通信部へ電源供給を行い無線通信可能状態にし、外部無線機器と無線通信を行うことを可能にする電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子機器は、電子機器の電源がオフの場合には無線通信機能が使用できないという課題がある。
【0005】
本開示は、電子機器の電源がオフの場合でも通信機能を使用することのできる、バッテリパック、電子機器、アセット管理システム、および電子機器を管理する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかるバッテリパックは、
電子機器に搭載されるバッテリパックであって、
前記電子機器に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから電力を受給し、近距離通信する通信部と、
前記バッテリから前記通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、
を備え、
前記通信部は、前記バッテリパックが前記電子機器に接続されているときに、前記設定保持部に保持された設定に基づいて前記バッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う。
【0007】
本開示の一態様にかかる電子機器は、
バッテリで駆動可能な電子機器であって、
前記電子機器に電力を供給するバッテリと、前記バッテリから電力を受給し近距離通信する通信部と、前記バッテリから前記通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を有するバッテリパックと、
を備え、
前記通信部は、前記バッテリパックが前記電子機器に接続されているときに、前記設定保持部に保持された設定に基づいて前記バッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う。
【0008】
本開示の一態様にかかる通システム信は、
電子機器と、
前記電子機器に電力を供給するバッテリと、前記バッテリから電力を受給し近距離通信する通信部と、前記バッテリから前記通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を有し、前記電子機器に搭載されるバッテリパックと、
位置情報検出部を有し、前記通信部と近距離通信する情報処理端末と、
を備え、
前記通信部は、前記電子機器と前記バッテリパックとが接続されているときに、前記設定保持部の設定に基づいて前記バッテリから電力を供給され、
前記情報処理端末は、前記通信部と近距離通信した場合に、前記位置情報検出部により検出した位置情報に基づいて前記電子機器の位置を検出する。
【0009】
本開示の一態様にかかる通信方法は、
情報処理端末と電子機器と備える通信システムの通信方法であって、
前記電子機器に搭載されたバッテリパックに含まれる設定保持部の設定に基づいて、バッテリパックに含まれる通信部に、前記バッテリパックに含まれるバッテリから電力を供給するステップと、
前記情報処理端末が、前記バッテリパックの前記通信部と近距離通信するステップと、
前記情報処理端末が、位置情報を取得するステップと、
前記情報処理端末が、前記位置情報に基づいて前記電子機器の位置を検出するステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、電子機器の電源がオフの場合でも通信機能を使用することのできる、バッテリパック、電子機器、通信システム、および通信方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1にかかる電子機器の構成を示す概略ブロック図
【
図2】本開示の実施の形態2にかかるアセット管理システムを示す概略ブロック図
【
図4】
図2のアセット管理システムの制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示に至った経緯)
PCまたはタブレット等の電子機器では、近距離無線通信機能を有するものがある。通常、近距離無線通信機能を提供する通信部は、電子機器の本体に搭載されており、電子機器の電源がオンである場合に使用することができる。
【0013】
一方で、電子機器の電源がオフの場合にも近距離無線機能を使用したいというニーズもある。例えば、近距離無線通信機能を使用して、電源がオフの状態の電子機器の位置を把握したい場合がある。しかし、従来の電子機器では、電源がオフの場合には近距離無線通信機能が使用できないという課題がある。
【0014】
本発明者らは、電子機器の電源がオフの場合に、近距離通信を行うことのできるバッテリパック、電子機器、通信システム、および通信方法について検討し、以下の発明に至った。
【0015】
以下、本開示の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0016】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0017】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本開示の実施の形態1にかかる電子機器の構成を示す概略ブロック図である。電子機器10は、バッテリパック20を着脱可能に取り付けることができ、バッテリパック20のバッテリ21から電力を供給される。
【0018】
<バッテリパック>
バッテリパック20は、電子機器10に着脱可能に搭載されて、電子機器10に電力を供給する。バッテリパック20は、バッテリ21と、第1通信部22と、設定保持部23と、を備える。
【0019】
バッテリ21は、例えばリチウムイオン電池などの二次電池により構成される。バッテリ21は、電子機器10に電力を供給し、また、第1通信部22にも電力を供給する。なお、バッテリ21から第1通信部22への電力の供給は、バッテリパック20が電子機器10に接続されている場合に、設定保持部23に設定された設定に基づいて行われる。
【0020】
第1通信部22は、所定の通信規格に準拠して電子機器10の外部の装置(図示省略)との近距離無線通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、Bluetooth(登録商標)を含む。近距離無線通信とは、例えば数m以内の無線通信を意味する。例えば、近距離無線通信は、50m以内の無線通信であってもよく、好ましくは10m以内の無線通信であってもよく、より好ましくは5m以内の無線通信であってもよい。なお、第1通信部22が、本開示の「通信部」に相当する。
【0021】
設定保持部23は、バッテリ21から第1通信部22への電力供給に関する設定を保持する。電力供給に関する設定は、バッテリパック20が電子機器10に接続されている場合に、バッテリ21から第1通信部22への電力供給を行うか否かを示す値である。電力に関する設定は、例えば、バッテリ21から第1通信部22へ電力を供給すること(オン)または電力を供給しないこと(オフ)を示すフラグとして設定保持部23に保持される。設定保持部23は、例えば、例えば、RAM、ROM、PROM、PROM、EPROM、フラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。
【0022】
<電子機器>
電子機器10は、例えば、ラップトップPCなどのバッテリで駆動可能な電子機器である。電子機器10は、バッテリパック20と、第1プロセッサ11と、切替部12と、アンテナ13と、を備え、バッテリパック20のバッテリ21により電力を供給される。
【0023】
第1プロセッサ11は、電子機器10の各構成要素を制御する。第1プロセッサ11は、半導体素子などで実現可能である。第1プロセッサ11は、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。第1プロセッサ11は、図示省略の記憶媒体に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0024】
第1プロセッサ11は、設定保持部23の設定に基づいて、切替部12を制御する。第1プロセッサ11は、設定保持部23の設定が「オン」に変更されている場合、バッテリパック20が電子機器10に接続されたときに、バッテリ21と第1通信部22とを接続するよう、切替部12を制御する。また、第1プロセッサ11は、設定保持部23の設定が「オフ」に変更されている場合、バッテリパック20が電子機器10に接続されたときに、バッテリ21と第1通信部22とを接続しないよう、切替部12を制御する。また、第1プロセッサ11は、バッテリパック20が電子機器10に接続されているときに、バッテリパック20の設定保持部23の設定を更新することができる。例えば、第1プロセッサ11は、OS(Operating System)またはBIOS(Basic Input Output System)などのプログラムを実行することにより、設定保持部23の設定を更新することができる。なお、第1プロセッサ11が本開示の「プロセッサ」に相当する。
【0025】
切替部12は、バッテリパック20が電子機器10に接続されたときに、バッテリ21と第1通信部22との電気的な接続の切り替えを行う回路である。切替部12は、バッテリパック20に含まれる設定保持部23の設定に基づいて、バッテリパック20が電子機器10に接続されたときに、バッテリ21と第1通信部22とを電気的に接続するか否かのスイッチングを行う。例えば、設定保持部23の設定が「オン」である場合、切替部12は、バッテリパック20が電子機器10に接続されたときに、バッテリ21と第1通信部22とを電気的に接続し、バッテリ21から第1通信部22に電力を供給できるようにする。また、設定保持部23の設定が「オフ」である場合、切替部12は、バッテリパック20が電子機器10に接続されたときに、バッテリ21と第1通信部22との電気的な接続を切断し、バッテリ21から第1通信部22へ電力が供給されないようにする。
【0026】
図1に示すように、バッテリ21と第1通信部22とは、バッテリパック20内では電気的に接続されておらず、バッテリパック20を電子機器10に接続したときに切替部12を介して電気的に接続される。切替部12は、設定保持部23の設定に基づいて、バッテリ21と第1通信部22とを接続するか否かの切り替えを行う。
【0027】
アンテナ13は、第1通信部22と接続されて近距離無線通信の電波を送受信する。第1通信部22が、電子機器10の本体に配置されたアンテナ13を用いることで、バッテリパック20にアンテナを搭載しなくてもよいため、バッテリパック20を小型化することができる。なお、アンテナ13は、バッテリパック20に配置されていてもよい。
【0028】
[動作]
電子機器10およびバッテリパック20の動作について説明する。
【0029】
図1に示すように、バッテリパック20の単体では、バッテリ21と第1通信部22とは電気的に接続されていない。バッテリパック20を電子機器10に接続すると、切替部12を介して、バッテリ21と第1通信部22とが接続される。言い換えると、バッテリ21と第1通信部22とは、電子機器10を介して電気的に接続される。
【0030】
バッテリパック20が電子機器10に接続されたとき、切替部12は、バッテリパック20の設定保持部23の設定に基づいて、バッテリ21と第1通信部22との接続の「オン」または「オフ」を切り替える。設定保持部23の設定が「オン(バッテリ21と第1通信部22とを接続する)」である場合、バッテリ21と第1通信部22とが切替部12を介して電気的に接続される。設定保持部23の設定が「オフ(バッテリ21と第1通信部22とを切断する)」である場合、バッテリ21と第1通信部22とは電気的に接続されない。
【0031】
本実施の形態では、電子機器10の電源がオフの場合に、バッテリ21から第1通信部22に電力が供給される。すなわち、バッテリパック20の第1通信部22は、電子機器10の電源がオフの場合に使用することができる。
【0032】
また、バッテリ21と第1通信部22とが電気的に接続されている場合、切替部12を介して第1通信部22とアンテナ13とが接続される。第1通信部22は、アンテナ13を用いて、電子機器10の外部の装置と近距離無線通信を行うことができる。
【0033】
外部の装置は、例えば、スマートフォンまたはタブレットなどのユーザが携帯可能な情報処理端末である。情報処理端末が第1通信部22と近距離無線通信を行うことができる場合、情報処理端末は、情報処理端末の近くに電子機器10があると判定することができる。情報処理端末の近くとは、近接無線通信が可能な距離の範囲内であり、例えば数m以内であり、好ましくは5m以内であるとよい。したがって、情報処理端末は、情報処理端末に搭載されたGPSの位置情報などに基づいて、電子機器10の位置を検出することができる。電子機器10の電源がオフのときにバッテリパック20の第1通信部22と情報処理端末とが近距離無線通信をすることができるため、電子機器10の電源がオフの場合にも、電子機器10の位置を検出することができる。
【0034】
[効果]
上述した実施の形態によると、電子機器の電源がオフの場合でも通信機能を使用することのできる、バッテリパックおよび電子機器を提供することができる。
【0035】
バッテリパック20に第1通信部22を配置することで、電子機器10の電源がオフの場合にも、第1通信部22にバッテリ21から電力を供給して、近距離無線通信機能を使用することができる。電子機器10の電源がオフの場合でも近距離無線通信機能を使用することができるため、例えばスマートフォンなどの情報処理端末を用いて、電源がオフの状態の電子機器10の位置の検出が可能になる。また、設定保持部23の設定に基づいてバッテリ21から第1通信部22に電力が供給されるため、第1通信部22を使用しない場合には電力の供給を行わずに、省電力化を図ることができる。
【0036】
また、例えば、近距離無線通信の規格または仕様が異なる国で電子機器10を使用する場合に、対応する第1通信部22を備えるバッテリパック20に交換することで、様々な規格または仕様に対応させることができる。
【0037】
(実施の形態2)
図2を参照して、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0038】
図2は、本開示の実施の形態2にかかるアセット管理システムを示す概略ブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1で説明した電子機器10およびバッテリパック20を備えるアセット管理システム100について説明する。
【0039】
アセット管理システム100は、電子機器10と、バッテリパック20と、情報処理端末30と、を備える。電子機器10およびバッテリパック20は、実施の形態1で説明したものと同様のものであるため、説明を省略する。
【0040】
情報処理端末30は、ユーザが携帯可能であって、近距離無線通信を行うことのできるモバイル端末である。情報処理端末30は、位置情報検出部31を有する。また、情報処理端末30は、第2通信部32と、第2プロセッサ33と、を備える。
【0041】
位置情報検出部31は、情報処理端末30の位置情報を検出する。位置情報検出部31は、例えば、GPS(Global Positioning System)である。位置情報は、例えば、緯度および経度を含む情報である。
【0042】
第2通信部32は、所定の通信規格に準拠してバッテリパック20の第1通信部22と近距離無線通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、Bluetooth(登録商標)を含む。
【0043】
第2プロセッサ33は、情報処理端末30の各構成要素を制御する。第2プロセッサ33は、半導体素子などで実現可能である。第2プロセッサ33は、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICなどにより構成することができる。
【0044】
第1通信部22は、電子機器10とバッテリパック20とが接続されているときに、バッテリ21から電力を供給されて、近距離無線通信が可能な状態となる。情報処理端末30は、第2通信部32がバッテリパック20の第1通信部22と近距離無線通信を行った場合に、位置情報検出部31により位置情報を取得する。情報処理端末30は、取得した位置情報と、情報処理端末30の第2通信部32と第1通信部22とが近接通信していることと、に基づいて、電子機器10の位置を検出する。
【0045】
図3は、
図2のアセット管理システムを示す概略図である。
図3を参照して、複数の電子機器10を収容ラック40に収容して管理する例について説明する。
【0046】
例えば、電子機器10が、検査員が収容ラック40から持ち出して使用して使用後は収容ラックに返却する検査用ラップトップPCなどの機器である場合、電子機器10が返却されたか否かの確認を、アセット管理システム100を用いて行うことができる。
【0047】
図2に示すように、収容ラック40には複数の電子機器10を収容することができる。収容ラック40の近くで情報処理端末30を操作して、情報処理端末30と近距離無線通信を行うことのできる電子機器10を検出する。情報処理端末30は、情報処理端末30と近距離無線通信を行うことのできる電子機器10が、情報処理端末30の近くにあると判定することができる。実際には、情報処理端末30の第2通信部32とバッテリパック20の第1通信部22とが近距離無線通信を行う。
【0048】
このとき、位置情報検出部31により検出された位置情報が、収容ラック40の設置されている場所の付近を示す場合、情報処理端末30は、近距離無線通信を行うことのできる電子機器10が、収容ラック40に収容されていると判定することができる。
【0049】
バッテリパック20に第1通信部22が設けられていることにより、電子機器10の電源がオフの場合でも電子機器10と情報処理端末30との近距離無線通信が可能となる。このため、電子機器10が収容ラック40に収容されているか否かを容易に判定することができ、電子機器10を管理する上で利便性を向上することができる。
【0050】
[動作]
図4は、
図2のアセット管理システムの制御フローチャートである。
図4を参照して、アセット管理システム100の動作について説明する。
【0051】
図4に示すように、ステップS1では、電子機器10にバッテリパック20が装着される。例えば、ユーザが電子機器10にバッテリパックを装着すると、電子機器10とバッテリパック20とが接続される。
【0052】
バッテリパック20が電子機器10に接続されると、ステップS2において、電子機器10の電源がオフの場合に、バッテリパック20のバッテリ21から第1通信部22に電力が供給される。バッテリ21から第1通信部22への電力の供給は、電子機器10を介して行われる。具体的には、
図2に示すように、電子機器10の切替部12を介してバッテリ21と第1通信部22とが電気的に接続されて、バッテリ21から第1通信部22へ電力が供給される。切替部12は、バッテリパック20の設定保持部23の設定に基づいて、バッテリ21と第1通信部22との接続を行う。
【0053】
バッテリ21から第1通信部22へ電力が供給されると、バッテリパック20は近距離無線通信が可能な状態となる。ステップS3において、情報処理端末30がバッテリパック20の第1通信部22と近距離無線通信を行う。本実施の形態では、情報処理端末30の第2通信部32と、バッテリパック20の第1通信部22とが近距離無線通信を行う。このとき、情報処理端末30は、複数の電子機器10の第1通信部22と近距離無線通信を行うことができる。
【0054】
ステップS4において、情報処理端末30は位置情報検出部31により位置情報を取得する。
【0055】
情報処理端末30は、検出した位置情報に基づいて、ステップS5において、電子機器10の位置を検出する。情報処理端末30は、バッテリパック20の第1通信部22と近距離無線通信できることにより、電子機器10が情報処理端末30の近くにあると判断することができる。このため、情報処理端末30の位置情報を、電子機器10の位置情報として用いることができる。情報処理端末30が、複数の電子機器10と近距離無線通信している場合、情報処理端末30は、それらの電子機器10の位置情報を、情報処理端末30の位置情報として検出することができる。
【0056】
[効果]
上述した実施の形態によると、複数の電子機器10の管理を容易に行うことができる。実施の形態2のアセット管理システム100においては、電子機器10の電源がオフの状態でも、バッテリパック20の第1通信部22により近距離無線通信が可能である。このため、情報処理端末30と電子機器10とが近距離無線通信している場合に、情報処理端末の位置情報を用いることで、電子機器10が所定の位置にあることを把握することができる。
【0057】
例えば、収容ラック40に収容された電子機器10の数を把握したい場合に、情報処理端末30により収容ラック40に収容されたすべての電子機器10を把握することができるため、ユーザがカウントする手間を省くことができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態では、情報処理端末30がスマートフォンである例について説明したが、これに限定されない。情報処理端末30は、近距離無線通信機能および位置情報検出機能を有するモバイル端末であればよい。例えば、情報処理端末30はタブレットPC等であってもよい。
【0059】
(実施の形態の概要)
(1)本開示のバッテリパックは、電子機器に搭載されるバッテリパックであって、電子機器に電力を供給するバッテリと、バッテリから電力を受給し、近距離通信する通信部と、バッテリから通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を備え、通信部は、バッテリパックが電子機器に接続されているときに、設定保持部に保持された設定に基づいてバッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う。
【0060】
(2)(1)のバッテリパックにおいて、バッテリと通信部とは、電子機器を介して電気的に接続されてもよい。
【0061】
(3)(1)または(2)のバッテリパックにおいて、通信部は、電子機器の電源がオフの場合に、電子機器を介して前記バッテリから電力を供給されてもよい。
【0062】
(4)本開示の電子機器は、バッテリで駆動可能な電子機器であって、電子機器に電力を供給するバッテリと、バッテリから電力を受給し近距離通信する通信部と、バッテリから通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を有するバッテリパックと、を備え、通信部は、バッテリパックが電子機器に接続されているときに、設定保持部に保持された設定に基づいてバッテリから電力が供給されて、近距離通信を行う。
【0063】
(5)(4)の電子機器において、バッテリと通信部とは、電子機器を介して電気的に接続されてもよい。
【0064】
(6)(4)または(5)の電子機器は、さらに、電子機器を制御する制御部と、バッテリと通信部との接続および切断を切り替える切替部と、を備え、制御部は、設定保持部の設定を更新し、設定保持部の設定に基づいて切替部を制御し、通信部は、切替部によりバッテリと通信部とが接続されている場合に、バッテリから電力を供給されてもよい。
【0065】
(7)(4)から(6)のいずれか1つの電子機器において、通信部は、電子機器の電源がオフの場合に、バッテリから電力を供給されてもよい。
【0066】
(8)(4)から(7)のいずれか1つの電子機器において、バッテリパックは、電子機器に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0067】
(9)(4)から(8)のいずれか1つの電子機器は、さらに、アンテナ、を備え、電子機器と接続されているときに、通信部とアンテナとが電気的に接続されてもよい。
【0068】
(10)本開示の通信システムは、電子機器と、電子機器に電力を供給するバッテリと、バッテリから電力を受給し近距離通信する通信部と、バッテリから通信部への電力供給に関する設定を保持する設定保持部と、を有し、電子機器に搭載されるバッテリパックと、位置情報検出部を有し、通信部と近距離通信する情報処理端末と、を備え、通信部は、電子機器とバッテリパックとが接続されているときに、設定保持部の設定に基づいてバッテリから電力を供給され、情報処理端末は、通信部と近距離通信した場合に、位置情報検出部により検出した位置情報に基づいて電子機器の位置を検出する。
【0069】
(11)(10)の通信システムにおいて、バッテリと通信部とは、電子機器を介して電気的に接続されてもよい。
【0070】
(12)(10)または(11)の通信システムにおいて、情報処理端末は、スマートフォンであってもよい。
【0071】
(13)本開示の通信方法は、情報処理端末と電子機器と備える通信システムの通信方法であって、電子機器に搭載されたバッテリパックに含まれる設定保持部の設定に基づいて、バッテリパックに含まれる通信部に、バッテリパックに含まれるバッテリから電力を供給するステップと、情報処理端末が、バッテリパックの通信部と近距離通信するステップと、情報処理端末が、位置情報を取得するステップと、情報処理端末が、位置情報に基づいて電子機器の位置を検出するステップと、を含む。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示は、バッテリパック、バッテリにより電力を供給される電子機器、通信システム、および通信方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 電子機器
11 第1プロセッサ(プロセッサ)
12 切替部
13 アンテナ
20 バッテリパック
21 バッテリ
22 第1通信部(通信部)
23 設定保持部
30 情報処理端末
31 位置情報検出部
32 第2通信部
33 第2プロセッサ
40 収容ラック