(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166234
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】建設工事管理支援方法、プログラム及び建設工事管理支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20231114BHJP
G06Q 10/1091 20230101ALI20231114BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/10 342
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077146
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】521147547
【氏名又は名称】皆元商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(72)【発明者】
【氏名】陳野 源
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】歩掛を容易に算出することができる建設工事管理支援方法を提供する。
【解決手段】建設工事管理支援方法は、(a)複数の作業工程を日単位で入力するステップと、(b)建設工事の作業者が当日に出勤したことを示す出勤情報、及び、作業者が当日に建設工事で行う工種を示す工種情報を取得するステップと、(c)前記(a)で入力した複数の作業工程のうち当日に行われる作業工程と、前記(b)で取得した出勤情報及び工種情報とを対応付けた対応情報をデータベースに格納するステップと、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業工程を含む建設工事の管理を支援するための建設工事管理支援方法であって、
(a)前記複数の作業工程を日単位で入力するステップと、
(b)前記建設工事の作業者が当日に出勤したことを示す出勤情報、及び、前記作業者が前記当日に前記建設工事で行う工種を示す工種情報を取得するステップと、
(c)前記(a)で入力した前記複数の作業工程のうち前記当日に行われる作業工程と、前記(b)で取得した前記出勤情報及び前記工種情報と、を対応付けた対応情報をデータベースに格納するステップと、を含む
建設工事管理支援方法。
【請求項2】
前記(b)において、前記作業者が使用する端末装置からネットワークを介して、前記出勤情報及び前記工種情報を取得する
請求項1に記載の建設工事管理支援方法。
【請求項3】
前記建設工事管理支援方法は、さらに、
(d)前記データベースに格納された前記対応情報を出力するステップを含む
請求項1に記載の建設工事管理支援方法。
【請求項4】
前記建設工事管理支援方法は、さらに、
(e)前記データベースに格納された前記対応情報に基づいて、前記複数の作業工程の各々の歩掛を算出するステップを含む
請求項1~3のいずれか1項に記載の建設工事管理支援方法。
【請求項5】
請求項1に記載の建設工事管理支援方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項6】
複数の作業工程を含む建設工事の管理を支援するための建設工事管理支援装置であって、
前記複数の作業工程を日単位で入力する入力部と、
前記建設工事の作業者が当日に出勤したことを示す出勤情報、及び、前記作業者が前記当日に前記建設工事で行う工種を示す工種情報を取得する取得部と、
前記入力部により入力された前記複数の作業工程のうち前記当日に行われる作業工程と、前記取得部により取得された前記出勤情報及び前記工種情報と、を対応付けた対応情報を格納するデータベースと、を備える
建設工事管理支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事管理支援方法、プログラム及び建設工事管理支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事における作業工程を管理するための工程管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、建設工事を行う作業者の勤怠を管理するための勤怠管理システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-204920号公報
【特許文献2】特開2018-180724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の建設工事では、上述した工程管理システムと勤怠管理システムとが別々に運用されているため、各作業工程を行うのに何人の作業者で何日かかったか(すなわち、歩掛)を容易に算出することができないという課題が生じる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、歩掛を容易に算出することができる建設工事管理支援方法、プログラム及び建設工事管理支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る建設工事管理支援方法は、複数の作業工程を含む建設工事の管理を支援するための建設工事管理支援方法であって、(a)前記複数の作業工程を日単位で入力するステップと、(b)前記建設工事の作業者が当日に出勤したことを示す出勤情報、及び、前記作業者が前記当日に前記建設工事で行う工種を示す工種情報を取得するステップと、(c)前記(a)で入力した前記複数の作業工程のうち前記当日に行われる作業工程と、前記(b)で取得した前記出勤情報及び前記工種情報と、を対応付けた対応情報をデータベースに格納するステップと、を含む。
【0007】
本態様によれば、対応情報は、日単位で入力した複数の作業工程のうち当日に行われる作業工程と、取得した出勤情報及び工種情報とを対応付ける。このように、当日に行われる作業工程と、出勤情報及び工種情報とをリアルタイムでリンクさせることにより、当日に何人の作業者がどの作業工程を行ったのかを容易に把握することができる。その結果、各作業工程を行うのに何人の作業者で何日かかったか(すなわち、歩掛)を容易に算出することができる。
【0008】
例えば、前記(b)において、前記作業者が使用する端末装置からネットワークを介して、前記出勤情報及び前記工種情報を取得するように構成してもよい。
【0009】
本態様によれば、作業者が端末装置を操作することにより、端末装置からネットワークを介して出勤情報及び工種情報を容易に取得することができる。
【0010】
例えば、前記建設工事管理支援方法は、さらに、(d)前記データベースに格納された前記対応情報を出力するステップを含むように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、データベースに格納された対応情報を任意の装置に出力することにより、当該任意の装置で歩掛を算出することができる。
【0012】
例えば、前記建設工事管理支援方法は、さらに、(e)前記データベースに格納された前記対応情報に基づいて、前記複数の作業工程の各々の歩掛を算出するステップを含むように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、歩掛を容易に算出することができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、上述した建設工事管理支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0015】
また、本発明の一態様に係る建設工事管理支援装置は、複数の作業工程を含む建設工事の管理を支援するための建設工事管理支援装置であって、前記複数の作業工程を日単位で入力する入力部と、前記建設工事の作業者が当日に出勤したことを示す出勤情報、及び、前記作業者が前記当日に前記建設工事で行う工種を示す工種情報を取得する取得部と、前記入力部により入力された前記複数の作業工程のうち前記当日に行われる作業工程と、前記取得部により取得された前記出勤情報及び前記工種情報と、を対応付けた対応情報を格納するデータベースと、を備える。
【0016】
本態様によれば、対応情報は、日単位で入力した複数の作業工程のうち当日に行われる作業工程と、取得した出勤情報及び工種情報とを対応付ける。このように、当日に行われる作業工程と、出勤情報及び工種情報とをリアルタイムでリンクさせることにより、当日に何人の作業者がどの作業工程を行ったのかを容易に把握することができる。その結果、歩掛を容易に算出することができる。
【0017】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様に係る建設工事管理支援方法等によれば、歩掛を容易に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施の形態に係る建設工事管理支援システムの概要を示す図である。
【
図2】建設工事に含まれる複数の作業工程を示す図である。
【
図3】構造物構築グループ及び切土工グループの各構成を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態に係る建設工事管理支援システムの動作の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】第1の端末装置の操作を説明するための図である。
【
図9】第2の端末装置の操作を説明するための図である。
【
図10】更新部により更新された対応情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0021】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、特許請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0022】
また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0023】
(実施の形態)
[1.建設工事管理支援システムの概要]
まず、
図1~
図3を参照しながら、実施の形態に係る建設工事管理支援システム2の概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る建設工事管理支援システム2の概要を示す図である。
図2は、建設工事に含まれる複数の作業工程を示す図である。
図3は、構造物構築グループ及び切土工グループの各構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように、建設工事管理支援システム2は、建設工事の管理を支援するためのシステムである。本明細書において、建設工事とは、例えば、a)住居、マンション及びビル等の建物を構築する建築工事、b)トンネル、橋、ダム及び道路等の構造物を構築する土木工事、c)これらに付随する解体工事及び水道工事等の各種工事等を意味する。
【0025】
本実施の形態では、建設工事が「〇〇会社」の本社社屋を構築する建築工事である場合について説明する。
図2に示すように、建設工事は、複数の作業工程として、構造物構築及び切土工を含んでいる。構造物構築は、さらに、複数の作業工程として、準備工、構造物基礎工、鉄筋工、型枠工、コンクリート打設、養生、型枠解体及び埋め戻しを含んでいる。切土工は、さらに、複数の作業工程として、現地測量、安全対策及び掘削・土砂運搬を含んでいる。
【0026】
図1に示すように、建設工事管理支援システム2は、情報処理装置4(建設工事管理支援装置の一例)と、第1の端末装置6と、第2の端末装置8とを備えている。
【0027】
情報処理装置4は、例えばパーソナルコンピュータであり、工事管理会社に所属する管理者9により使用される。工事管理会社は、建設工事を管理する会社である。情報処理装置4は、インターネット10(ネットワークの一例)を介して、第1の端末装置6及び第2の端末装置8の各々と通信可能である。情報処理装置4の機能構成については、後述する。
【0028】
第1の端末装置6及び第2の端末装置8はそれぞれ、建設現場で建設工事を行う第1の作業者12及び第2の作業者14により使用される。第1の端末装置6及び第2の端末装置8の各々は、例えばスマートフォン又はタブレットである。第1の端末装置6及び第2の端末装置8の各々には、建設工事管理支援システム2専用のアプリケーション(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がインストールされている。
【0029】
第1の作業者12及び第2の作業者14はそれぞれ、構造物構築グループ及び切土工グループに所属している。なお、説明の都合上、
図1では第1の作業者12及び第2の作業者14のみを図示しているが、実際には、構造物構築グループ及び切土工グループの各々には数人~数十人程度の作業者が所属しているものとする。
【0030】
構造物構築グループは、建設工事の構造物構築の各作業工程(
図2参照)を行う作業者グループである。
図3に示すように、構造物構築グループは、6つの工種、すなわち、世話役、鉄筋工、型枠工、足場工、土工及びその他を含んでいる。すなわち、構造物構築グループに所属する第1の作業者12は、上記6つの工種のうち少なくとも1つを建設工事で行う。
【0031】
切土工グループは、建設工事の切土工の各作業工程(
図2参照)を行う作業者グループである。
図3に示すように、切土工グループは、4つの工種、すなわち、世話役、土工、測量及びその他を含んでいる。すなわち、切土工グループに所属する第2の作業者14は、上記4つの工種のうち少なくとも1つを建設工事で行う。
【0032】
[2.情報処理装置の機能構成]
次に、
図4~
図6を参照しながら、実施の形態に係る情報処理装置4の機能構成について説明する。
図4は、実施の形態に係る情報処理装置4の機能構成を示すブロック図である。
図5は、作業者情報24の一例を示す図である。
図6は、対応情報26の一例を示す図である。
【0033】
図4に示すように、情報処理装置4は、入力部16と、取得部18と、データベース20と、更新部22と、算出部23とを備えている。
【0034】
入力部16は、例えば管理者9によるキーボード、マウス又はタッチパネル等の操作を受け付けることにより、建設工事の複数の作業工程を日単位で入力する。
【0035】
取得部18は、インターネット10を介して、第1の端末装置6及び第2の端末装置8の各々から出勤情報及び工種情報を取得(受信)する。出勤情報は、複数の作業者(第1の作業者12及び第2の作業者14を含む)の各々が当日に出勤したことを示す情報である。工種情報は、複数の作業者(第1の作業者12及び第2の作業者14を含む)が当該当日に建設工事で行う工種を示す情報である。なお、工種情報により示される工種は、構造物構築グループ及び切土工グループのいずれかに紐付けられている。
【0036】
データベース20は、作業者情報24及び対応情報26を格納する。データベース20は、情報処理装置4の内部のメモリであってもよいし、情報処理装置4の外部の記憶媒体であってもよい。
【0037】
作業者情報24は、例えば
図5に示すようなテーブル形式のデータである。
図5に示すように、作業者情報24では、作業者を識別するための作業者IDと、当該作業者が所属するグループと、当該作業者が行う工種とが対応付けられている。
【0038】
図5に示す例では、作業者情報24の1行目には、a)作業者ID「0001」、b)グループ「構造物構築」、c)工種「土工」がそれぞれ格納されている。また、作業者情報24の2行目には、a)作業者ID「0002」、b)グループ「構造物構築」、c)工種「鉄筋工」がそれぞれ格納されている。また、作業者情報24の3行目には、a)作業者ID「0003」、b)グループ「切土工」、c)工種「測量」がそれぞれ格納されている。
【0039】
複数の作業者(第1の作業者12及び第2の作業者14を含む)にはそれぞれ、互いに異なる複数の作業者IDが割り当てられている。なお、本実施の形態では、作業者ID「0001」は第1の作業者12に割り当てられ、作業者ID「0003」は第2の作業者14に割り当てられているものとする。
【0040】
対応情報26は、例えば
図6に示すようなテーブル形式のデータである。
図6に示すように、対応情報26では、入力部16により入力された複数の作業工程のうち当日に行われる作業工程と、当該当日に取得部18により取得された出勤情報及び工種情報とが対応付けられている。
【0041】
対応情報26の上段26aには、入力部16により日単位で入力された複数の作業工程が格納されている。対応情報26の上段26aにおける黒色の帯は、各作業工程が行われる期間を表している。また、対応情報26の下段26bには、取得部18により取得された出勤情報及び工種情報が格納されている。対応情報26の下段26bにおける数字は、当日に出勤した作業者の人数を表している。
【0042】
例えば、
図6に示す対応情報26の1列目(最も左端の列)の上段26aには、入力部16により入力された作業工程として、2022年3月20日に構造物構築の準備工及び構造物基礎工、並びに、切土工の現地測量が行われることが格納されている。また、対応情報26の1列目の下段26bには、取得部18により取得された出勤情報及び工種情報として、2022年3月20日に、構造物構築グループに所属する土工(工種)の作業員2人、及び、切土工グループに所属する測量(工種)の作業員2人が出勤したことが格納されている。すなわち、対応情報26の1列目は、2022年3月20日に、構造物構築グループに所属する土工(工種)の2人の作業者が構造物構築の準備工及び構造物基礎工を行い、且つ、切土工グループに所属する測量(工種)の2人の作業者が切土工の現地測量を行ったことを意味している。
【0043】
更新部22は、入力部16の入力結果、及び、取得部18の取得結果に基づいて、データベース20に格納された対応情報26を更新する。
【0044】
算出部23は、データベース20に格納された対応情報26に基づいて、建設工事の複数の作業工程の各々の歩掛(すなわち、各作業工程を行うのに何人の作業者で何日かかったか)を算出する。算出部23は、算出結果を情報処理装置4の外部に出力する。
【0045】
[3.建設工事管理支援システムの動作]
次に、
図7~
図10を参照しながら、実施の形態に係る建設工事管理支援システム2の動作について説明する。
図7は、実施の形態に係る建設工事管理支援システム2の動作の流れを示すシーケンス図である。
図8は、第1の端末装置6の操作を説明するための図である。
図9は、第2の端末装置8の操作を説明するための図である。
図10は、更新部22により更新された対応情報26の一例を示す図である。
【0046】
以下、建設工事が、2022年3月20日から2022年4月22日までの期間に行われる場合について説明する。
【0047】
図7に示すように、まず、建設工事の開始日(2022年3月20日)の前日までに、工事管理会社の管理者9が例えば情報処理装置4のキーボード、マウス又はタッチパネル等を操作することにより、入力部16は、建設工事の複数の作業工程を日単位で入力する(S101)。
【0048】
更新部22は、入力部16により入力された複数の作業工程を、データベース20に格納された対応情報26に反映することにより、対応情報26を更新する(S102)。具体的には、更新部22は、
図10に示すように、対応情報26の上段26aにおいて、入力部16により入力された複数の作業工程を日単位で格納する。これにより、例えば、対応情報26の1列目の上段26aには、入力部16により入力された作業工程として、2022年3月20日に構造物構築の準備工及び構造物基礎工、並びに、切土工の現地測量が行われることが格納される。
【0049】
建設工事の開始日の当日に、構造物構築グループに所属する第1の作業者12は、例えば建設現場に到着した際に、第1の端末装置6を操作して専用アプリを起動する。そして、第1の作業者12が、自身の作業者ID「0001」及びパスワードを入力してログインすることにより、当該第1の作業者12専用の画面が第1の端末装置6に表示される。
【0050】
具体的には、
図8の(a)に示すように、第1の端末装置6には、構造物構築グループの工種を選択する工種選択画面28が表示される。工種選択画面28には、土工ボタン30、鉄筋工ボタン32及び型枠工ボタン34等が表示される。第1の作業者12が当日(2022年3月20日)に工種として土工を行う場合には、第1の作業者12は、土工ボタン30を操作(タップ)することにより工種を選択する(S103)。
【0051】
その後、
図8の(b)に示すように、第1の端末装置6には、出退勤を選択する出退勤選択画面36が表示される。出退勤選択画面36には、出勤ボタン38及び退勤ボタン40が表示される。第1の作業者12は、出勤ボタン38を操作する(S104)。
【0052】
第1の端末装置6は、上述したステップS103及びS104の各操作に基づいて、インターネット10を介して、作業者ID、出勤情報及び工種情報を情報処理装置4に送信する(S105)。作業者IDは、第1の作業者12に割り当てられた作業者ID「0001」であり、第1の端末装置6の内部のメモリに保存されている。出勤情報は、第1の作業者12が当日(2022年3月20日)に出勤したことを示す情報であり、出勤ボタン38を操作することにより生成される。工種情報は、第1の作業者12が当日(2022年3月20日)に建設工事で行う工種(土工)を示す情報であり、土工ボタン30を操作することにより生成される。
【0053】
情報処理装置4の取得部18は、第1の端末装置6から送信された作業者ID、出勤情報及び工種情報を取得する(S106)。更新部22は、取得部18により取得された出勤情報及び工種情報に基づいて、データベース20に格納された対応情報26を更新する(S107)。具体的には、更新部22は、
図10に示すように、対応情報26の下段26bにおいて、「2022年3月20日」の列と、構造物構築グループの「土工」の行とが交差する欄の数字を「1」にインクリメントする。
【0054】
同様に、建設工事の開始日の当日に、切土工グループに所属する第2の作業者14は、例えば建設現場に到着した際に、第2の端末装置8を操作して専用アプリを起動する。そして、第2の作業者14が、自身の作業者ID「0003」及びパスワードを入力してログインすることにより、当該第2の作業者14専用の画面が第2の端末装置8に表示される。
【0055】
具体的には、
図9の(a)に示すように、第2の端末装置8には、切土工グループの工種を選択する工種選択画面42が表示される。工種選択画面42には、土工ボタン44及び測量ボタン46等が表示される。第2の作業者14が当日(2022年3月20日)に工種として測量を行う場合には、第2の作業者14は、測量ボタン46を操作することにより工種を選択する(S108)。
【0056】
その後、
図9の(b)に示すように、第2の端末装置8には、出退勤を選択する出退勤選択画面48が表示される。出退勤選択画面48には、出勤ボタン50及び退勤ボタン52が表示される。第2の作業者14は、出勤ボタン50を操作する(S109)。
【0057】
第2の端末装置8は、上述したステップS108及びS109の各操作に基づいて、インターネット10を介して、作業者ID、出勤情報及び工種情報を情報処理装置4に送信する(S110)。作業者IDは、第2の作業者14に割り当てられた作業者ID「0003」であり、第2の端末装置8の内部のメモリに保存されている。出勤情報は、第2の作業者14が当日(2022年3月20日)に出勤したことを示す情報であり、出勤ボタン50を操作することにより生成される。工種情報は、第2の作業者14が当日(2022年3月20日)に建設工事で行う工種(測量)を示す情報であり、測量ボタン46を操作することにより生成される。
【0058】
情報処理装置4の取得部18は、第2の端末装置8から送信された作業者ID、出勤情報及び工種情報を取得する(S111)。更新部22は、取得部18により取得された出勤情報及び工種情報に基づいて、データベース20に格納された対応情報26を更新する(S112)。具体的には、更新部22は、
図10に示すように、対応情報26の下段26bにおいて、「2022年3月20日」の列と、切土工グループの「測量」の行とが交差する欄の数字を「1」にインクリメントする。
【0059】
上述したステップS103~S112の各処理を、2022年3月20日~2022年4月22日の期間に毎日(建設工事を行わない休工日を除く)実行することにより、上述した
図6に示す対応情報26が生成される。なお、情報処理装置4は、
図6に示す対応情報26を、例えば外部のサーバ装置等に出力してもよい。
【0060】
建設工事の終了後に、情報処理装置4の算出部23は、
図6に示す対応情報26に基づいて、建設工事の複数の作業工程の各々の歩掛を算出する。
【0061】
[4.効果]
対応情報26は、日単位で入力した複数の作業工程のうち当日に行われる作業工程と、取得した出勤情報及び工種情報とを対応付ける。このように、当日に行われる作業工程と、出勤情報及び工種情報とをリアルタイムでリンクさせることにより、当日に何人の作業者がどの作業工程を行ったのかを容易に把握することができる。その結果、各作業工程を行うのに何人の作業者で何日かかったか(すなわち、歩掛)を容易に算出することができる。
【0062】
(変形例等)
以上、本発明の1つ又は複数の態様に係る建設工事管理支援システムについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0063】
上記実施の形態では、工種情報は、工種選択画面28(42)における各種ボタンを操作することにより生成されるようにしたが、これに限定されない。例えば、LINE(登録商標)等のインスタントメッセンジャアプリケーションと連動して、工種に関連する文字及びイラストが表示されたスタンプを工種情報として第1の端末装置6及び第2の端末装置8から情報処理装置4に送信するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、出勤情報は、出退勤選択画面36(48)における出勤ボタン38(50)を操作することにより生成されるようにしたが、これに限定されない。例えば、各作業者が建設現場に到着した際に、各作業者の顔をスキャンする、あるいは、各作業者に割り当てられたQR(Quick Response)コードをスキャンすることにより、出勤情報を生成してもよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、第1の作業者12が、建設現場に到着した際に第1の端末装置6を操作して専用アプリを起動し、自身の作業者ID及びパスワードを入力するようにしたが、これに限定されない。第1の作業者12は、予め1回だけ専用アプリ内で自身の作業者ID及びパスワードを入力しておくことにより、第1の作業者12に関する情報がデータベース化されるようにしてもよい。これにより、第1の作業者12は、例えば同じ月内に異なる複数の建設現場で作業する場合であっても、建設現場に到着する都度、自身の作業者ID及びパスワードを入力せずに済む。あるいは、建設工事管理支援システム2を既存のデータベースと連携させることにより、第1の作業者12に関する情報をデータベース化するようにしてもよい。
【0066】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0067】
本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、例えば建設工事の管理を支援するための建設工事管理支援システム等に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
2 建設工事管理支援システム
4 情報処理装置
6 第1の端末装置
8 第2の端末装置
9 管理者
10 インターネット
12 第1の作業者
14 第2の作業者
16 入力部
18 取得部
20 データベース
22 更新部
23 算出部
24 作業者情報
26 対応情報
26a 上段
26b 下段
28,42 工種選択画面
30,44 土工ボタン
32 鉄筋工ボタン
34 型枠工ボタン
36,48 出退勤選択画面
38,50 出勤ボタン
40,52 退勤ボタン
46 測量ボタン