(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166247
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
F24H9/02 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077170
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 友助
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AA02
3L037AC07
3L037AC18
(57)【要約】
【課題】バーリング部が後寄りとなる排気フードを用いる場合でも、バーリング部を歪みなく形成可能とする。
【解決手段】給湯器は、後面が鉛直面への設置面となる筐体と、筐体内に設けられ、バーナユニットと、熱交換器と、上面に下排気筒が接続される排気フード13とを含む燃焼装置と、を備える。排気フード13は、天面部27が平面視矩形状の平面となり、その四辺がR部31を介して前後左右の各面と連続する上方への膨出状に絞り加工されてなると共に、天面部27に形成した透孔32の周縁に、下排気筒34が接続されるバーリング部33が立ち上げ形成される、そして、透孔32は、天面部27の前後方向の中央から後寄りの位置に配置されて、天面部27の後側のR部31Aは、左右方向の外側から透孔32へ近づくに従って曲率が徐々に小さくなるように形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面が鉛直面への設置面となる筐体と、
前記筐体内に設けられ、バーナと、その上側の熱交換器と、その上側に設けられ、上面に排気筒が接続される排気フードとを含む燃焼装置と、を備え、
前記排気フードが、天面部が平面視矩形状の平面となり、その四辺がR部を介して前後左右の各面と連続する上方への膨出状に絞り加工されてなると共に、前記天面部に形成した透孔の周縁に、前記排気筒が接続されるバーリング部が立ち上げ形成される給湯器であって、
前記透孔は、前記天面部の前後方向の中央から後寄りの位置に配置されて、前記天面部の後側の前記R部は、左右方向の外側から前記透孔へ近づくに従って曲率が徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器の上部に排気フードを備えた給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は、バーナや熱交換器、ファン等の燃焼装置を筐体に収容してなり、燃焼装置の上部には、熱交換器を通過した燃焼排ガスを排出するための排気フードが設けられている。この排気フードは、特許文献1に開示されているように、金属板を絞り加工して上方へドーム状に膨出形成されている。排気フードの上面には、周縁にバーリング部が立ち上がる透孔が形成されて、バーリング部に、筐体から突出する排気筒が接続されている。排気筒は、下流端が屋外に配設される排気管に接続されて、排気筒から排気される燃焼排ガスを排気管を介して屋外に排出可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の給湯器においては、既存の排気管に接続できるように、排気フードに設けるバーリング部の位置が決定されている。このため、熱交換器の蛇行状の伝熱管の折り返し部が熱交換器の後方に突出することで筐体内で熱交換器の位置が前寄りとなったり、壁面の過熱防止のために筐体自体を壁から離して設置したりすることで、既存の排気管に対して熱交換器の位置が前側にずれると、バーリング部を排気フードの後寄りに設ける必要がある。
しかし、バーリング部が後寄りとなると、バーリング部の位置が排気フードの平坦な天面部とその後側のR部とに跨がることになり、絞り加工を行うと歪みが生じてバーリング部の寸法精度が悪くなってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、バーリング部が後寄りとなる排気フードを用いる場合でも、バーリング部を歪みなく形成可能となる給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、後面が鉛直面への設置面となる筐体と、
前記筐体内に設けられ、バーナと、その上側の熱交換器と、その上側に設けられ、上面に排気筒が接続される排気フードとを含む燃焼装置と、を備え、
前記排気フードが、天面部が平面視矩形状の平面となり、その四辺がR部を介して前後左右の各面と連続する上方への膨出状に絞り加工されてなると共に、前記天面部に形成した透孔の周縁に、前記排気筒が接続されるバーリング部が立ち上げ形成される給湯器であって、
前記透孔は、前記天面部の前後方向の中央から後寄りの位置に配置されて、前記天面部の後側の前記R部は、左右方向の外側から前記透孔へ近づくに従って曲率が徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、バーリング部が排気フードの平坦な天面部とその後側のR部とに跨がらない。よって、バーリング部が後寄りとなる排気フードを用いる場合でも、バーリング部を歪みなく形成でき、バーリング部の寸法精度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】フロントカバーを取り外した給湯器の正面図である。
【
図4】(A)は
図3のA-A線部分断面、(B)は
図3のB-B線部分断面、(C)は
図3のC-C線部分断面をそれぞれ示す。
【
図5】排気フード及び接続部の前方からの斜視図である。
【
図9】第1給排気管を接続した状態を示す
図7のD-D線断面に相当する部分断面図である。
【
図10】第2給排気管を接続した状態を示す
図7のD-D線断面に相当する部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す正面図で、フロントカバーを取り外した状態で示している。
給湯器1は、正面視矩形状の筐体2を有している。筐体2は、前面を開口し、前後に深底となる箱本体3と、箱本体3の前面を閉塞し、箱本体3より浅底となる図示しないフロントカバーとからなる。箱本体3は、背板4、左右の側板5,5、天板6、底板7を備えている。背板4の前面には、取付板8が取り付けられている。背板4の後面で上下には、壁面等の鉛直面に取り付けるためのブラケット9,9がそれぞれ取り付けられている。
箱本体3内には、下からバーナユニット11、熱交換器12、排気フード13を備えた燃焼装置10が設置されている。排気フード13の上側には、後述する給排気管との接続部14が設けられている。バーナユニット11の下部には、ファンモータを有するファン15が設けられている。ファン15の前方には、図示しないコントローラが設けられている。
【0010】
バーナユニット11は、下ケーシング16内に図示しない複数のバーナを収容している。下ケーシング16の前面には、燃料ガスをバーナへ供給するためのノズル台17が設けられている。
熱交換器12は、下ケーシング16の上側に連結される上ケーシング18を有している。上ケーシング18内には、蛇行状に配設される伝熱管19が設けられている。伝熱管19の上流端は、給水管20に接続され、下流端は、出湯管21に接続されている。給水管20及び出湯管21は、底板7の下側で外部配管と接続される。
【0011】
排気フード13は、上ケーシング18の上端に取り付けられている。排気フード13は、
図2及び
図3に示すように、下面を開口した箱状の本体部25と、本体部25の下端から前後左右へ張り出し形成される平面視横長矩形状のフランジ部26とを備えている。フランジ部26の外周が上ケーシング18に取り付けられる。
本体部25は、金属板を上方へ絞り形成して形成される平面視横長矩形状で、天面部27と、前面部28と、後面部29と、左右の側面部30,30とを備えている。天面部27と前後左右の各面部との境界部分は、天面部27から前後左右へ離れるに従って下向きにカーブするR部31,31・・となっている。
後面部29には、左右方向に延びる支持バー22(
図1、
図5)が取り付けられている。支持バー22は、背板4側の取付板8に固定される。
【0012】
天面部27には、平面視円形の透孔32が設けられている。透孔32は、天面部27の左右の中央で、且つ後寄りに設けられている。透孔32の内縁には、上方へ立ち上がる短筒状のバーリング部33が形成されている。透孔32及びバーリング部33を後寄りとしたのは、蛇行状の伝熱管19の折り返し部が熱交換器12の上ケーシング18の後方にも突出することで筐体2内で燃焼装置10が前寄りに配置されるため、外部での位置が固定されている既存の給排気管に接続部14を接続可能とするためである。
【0013】
バーリング部33の後端は、後面部29に近接している。このため天面部27と後面部29との間に形成される後側のR部31(以下、区別する際には「31A」と表記する。)では、
図4(A)に示す透孔32から離れる左右両側部分での曲率R1が最も大きく、そこから透孔32へ近づくに従って、
図4(B)に示すように曲率R2が徐々に小さくなり、透孔32の左右中央の真後ろとなる
図4(C)で曲率R1が最小となるように形成されている。
これにより、透孔32を天面部27の後寄りに設けても、透孔32及びバーリング部33が後側のR部31Aに重なることがない。よって、バーリング部33を平坦な天面部27へ簡単に形成可能となる。
【0014】
図5は、排気フード13及び接続部14の前方からの斜視図、
図6は側面図、
図7は接続部部分の平面図、
図8は
図7のD-D線断面図である。
バーリング部33には、筒状の下排気筒34が接続されている。下排気筒34は、バーリング部33に外嵌されて上方へ延びる円筒である。
接続部14は、外筒40と、内筒41と、連結板42とを備えている。
外筒40は、箱本体3の天板6に設けた図示しない透孔を貫通して上方へ延びている。外筒40の下端全周には、径方向外側へ張り出すフランジ板43が取り付けられている。排気フード13の上方で取付板8には、フランジ板43が固定される受け板44(
図1及び
図8)が設けられている。受け板44の底面には、外筒40の下端開口を筐体2内に開放させる貫通孔45が形成されている。
外筒40の上部には、上方へ向かうに従って拡開した後、下部よりも大径となって上方へ延びる外大径部46が形成されている。外大径部46の上部には、外径が小さくなる外小径部47が形成されて、外大径部46と外小径部47との間に全周に亘って段状の外規制部48を形成している。外筒40の上端には、内側への折り返し部49が全周に亘って形成されている。
【0015】
内筒41は、外筒40内で下端が下排気筒34に外嵌され、上方へ延びる円筒である。内筒41の下端には、下排気筒34の外周面に当接するOリング51を保持するリング状の下保持部50が形成されている。下保持部50の上方には、くびれ部52が形成されている。くびれ部52の内側には、上排気筒53が設けられている。上排気筒53は、下排気筒34の上方に同軸で位置する円筒で、下部外周面がくびれ部52の内周面へ全周に亘って当接する状態で固定されている。上排気筒53の上部は、上方へ向かうに従って先細りとなるテーパ部54が形成されて、テーパ部54の上側には、小径の先端部55が上向きに形成されている。くびれ部52の上側で内筒41は、先端部55の外側で上方へ延び、先端部55との間にリング状の空間Sを形成している。この空間Sには、外筒40及び内筒41を径方向外側から貫通するセンサ筒56の端部が突出している。センサ筒56は、図示しない温度センサを収容して空間S内の燃焼排ガスの温度を検出するために用いられる。
【0016】
先端部55の外側で内筒41には、上方へ向かうに従って拡開するテーパ状の下規制部60が形成されている。下規制部60の上側には、外側へ膨らむ帯状の中保持部61が形成されている。中保持部61の内側には、帯リング状のシール板62が保持されている。
シール板62の上側には、上方へ向かうに従って拡開するテーパ状の上規制部63が形成されている。上規制部63の上側には、Oリング65を保持するリング状の上保持部64が形成されている。
連結板42は、外筒40の内周面と内筒41の外周面との間へ径方向に配置される板状で、両筒40,41の周方向に等間隔をおいて3つ配置されて外筒40と内筒41とを同軸で連結している。各連結板42は、外筒40の内周面に連結される下板部66と、内筒41の外周面に連結される上板部67と、下板部66と上板部67とを繋ぐ傾斜板部68とからなる。下板部66は、外筒40の外規制部48よりも上側に固定され、上板部67は、内筒41の上保持部64よりも上側に固定されている。
【0017】
以上の如く構成された給湯器1において、接続部14には、
図9及び
図10に示すように、2種類の第1給排気管70と第2給排気管80とが選択的に接続可能となっている。
まず、第1給排気管70は、第1給気管71と第1排気管72とを同軸で備えている。第1給気管71は、接続部14の外筒40に上方から差し込み挿入可能な外径を有する円筒である。第1給気管71の下端は、外筒40への差し込みに伴い、連結板42の下板部66の上端に当接可能となっている。
第1排気管72は、内筒41に上方から差し込み挿入可能な外径を有する円筒である。第1排気管72の下端部は、第1給気管71の下端よりも下方へ突出しており、下方へ向かうに従って縮径する第1テーパ部73となっている。この第1テーパ部73は、内筒41への差し込みに伴い、内筒41に設けた上規制部63に当接可能となっている。
【0018】
よって、接続部14に第1給排気管70を接続する際は、第1給気管71を外筒40に、第1排気管72を内筒41にそれぞれ上方から差し込む。すると、
図9及び
図11に示すように、第1給気管71の下端が各連結板42の下板部66の上端に当接すると共に、第1排気管72の第1テーパ部73が内筒41の上規制部63に当接してそれ以上の挿入が規制される。このとき第1排気管72の外周面には、内筒41のOリング65が全周に亘って当接して内筒41と第1排気管72との間をシールする。
【0019】
次に、第2給排気管80は、第2給気管81と第2排気管82とを同軸で備えている。第2給気管81は、接続部14の外筒40に上方から外嵌可能な内径を有する円筒である。第2給気管81の下部には、下方へ向かうに従って拡開するテーパ状の第2下当接部83が設けられている。第2下当接部83は、外筒40への外嵌に伴い、外筒40に設けた外規制部48に当接可能となっている。第2下当接部83の上方にも、下方へ向かうに従って拡開するテーパ状の第2上当接部84が設けられている。第2上当接部84は、第2下当接部83が外規制部48に当接するのと同時に、外筒40の上端の折り返し部49に当接可能となっている。
第2排気管82は、内筒41に上方から差し込み挿入可能な外径を有する円筒である。第2排気管82の下部は、第1給排気管70の第1排気管72の外径及び、内筒41の上規制部63の内径よりも小さい外径となって、下端部を第2給気管81の下端よりも下方へ突出させている。第2排気管82の下端部は、下方へ向かうに従って縮径する第2テーパ部85が設けられている。
【0020】
よって、接続部14に第2給排気管80を接続する際は、第2給気管81を外筒40に上方から外嵌させると共に、第2排気管82を内筒41に上方から差し込む。すると、
図10及び
図12に示すように、第2排気管81の第2下当接部83が外筒40の外規制部48に当接すると共に、第2上当接部84が折り返し部49に当接してそれ以上の外嵌が規制される。このとき第2排気管82は、Oリング65及びシール板62を通過して、下端の第2テーパ部85が下規制部60に近接或いは当接する。この差し込み状態で第2排気管82の外周面には、シール板62の内周面のリップが全周に亘って当接して内筒41と第2排気管82との間をシールする。
【0021】
(給排気管との接続部に係る開示の効果)
上記形態の給湯器1は、接続部14に、外筒40に対応する第1給気管71と、内筒41に対応する第1排気管72とを同軸で備える第1給排気管70と、外筒40に対応し、第1給気管71の外径よりも大きい内径を有する第2給気管81と、内筒41に対応する第2排気管82とを同軸で備える第2給排気管80とが選択的に接続可能である。
そして、接続部14には、第1給気管71が外筒40に内挿されると共に、第1排気管72が内筒41に内挿されることで第1給排気管70が接続可能であり、第2給気管81が外筒40に外嵌されると共に、第2排気管82が内筒41に内挿されることで第2給排気管80が接続可能である。
この構成によれば、径が異なる2つのタイプの第1、第2給排気管70,80が何れも接続部14に接続可能となる。
【0022】
第2排気管82の下部の外径は、第1排気管72の下部の外径よりも小径となっており、外筒40には、第1給気管71の内挿位置を規制する連結板42の下板部66(第1給気管規制部の一例)が内面に、第2給気管81の外嵌位置を規制する外規制部48(第2給気管規制部の一例)が外面に、それぞれ上下に隔てて設けられている。
一方、内筒41には、第1排気管72の内挿位置を規制する上規制部63(第1排気管規制部の一例)と、上規制部63よりも下方位置で第2排気管82の内挿位置を規制する下規制部60(第2排気管規制部の一例)とが設けられている。
また、内筒41の内周面には、内挿された第1排気管72の外周面に当接するOリング65(第1シール部材の一例)と、内挿された第2排気管82の外周面に当接するシール板62(第2シール部材の一例)とがそれぞれ上下に隔てて設けられている。
そして、第1給排気管70が接続部14に接続されると、外筒40に内挿された第1給気管71が下板部66により内挿が規制され、内筒41に内挿された第1排気管72が上規制部63により内挿が規制されると共に、Oリング65が第1排気管72の外周面に当接する。
一方、第2給排気管80が接続部14に接続されると、外筒40に外嵌された第2給気管81が外規制部48により外嵌が規制され、内筒41に内挿された第2排気管82が下規制部60により内挿が規制されると共に、シール板62が第2排気管82の外周面に当接する。
この構成によれば、接続部14に対して第1、第2給排気管70,80を適正な位置で接続可能となる。また、内筒41と第1、第2排気管72,82との間を確実にシールでき、燃焼排ガスの漏れを防止可能となる。
【0023】
上規制部63は、下方へ向かうに従って先細りとなり、第1排気管72の下端の外径よりも小径で、且つ第2排気管82の外径よりも大径となるテーパ部である。
よって、第1排気管72より下方に長い第2排気管82の通過を許容しつつ、第1排気管72の適正な位置決めが可能となる。
外筒40の内面と内筒41の外面との間には、両筒40,41を同軸で連結する連結板42(連結部材の一例)が架設されており、連結板42における外筒40の内面との接続部分である下板部66の上端が、第1給気管規制部と兼用されている。
よって、連結板42を利用して第1給気管71の差し込みを規制でき、部品点数を削減した合理的な構成となる。
【0024】
以下、給排気管の接続部の開示に係る変更例を説明する。
上記形態では、第1、第2給排気管の第1、第2排気管は、接続部に対する下方への突出長さが異なり、第2排気管が第1排気管よりも長くなっているが、逆でもよいし、両排気管とも同じ長さであってもよい。この場合、第1排気管規制部と第2排気管規制部とを兼用する(上記形態ではOリングとシール板とを何れか一方とする)ことができる。
上記形態では、第1給気管規制部を連結板と兼用しているが、第1給気管規制部を連結板と別体で形成してもよい。
連結部材は、上記形態の連結板に限らない。数や形状は適宜変更可能である。例えば棒状の連結部材を外筒と内筒との間で径方向に架設してもよい。
上記形態では、第2給気管規制部、第1、第2排気管規制部をテーパ状の規制部としているが、これに限らず、径方向へ突出させたリブや突起等で規制部を形成してもよい。
上記形態では、第1給排気管の接続状態で、第1給気管が第1給気管規制部に当接し、第1排気管が第1排気管規制部に当接しているが、第1給気管と第1排気管との何れか一方のみが対応する規制部に当接し、他方が対応する規制部に近接して移動が規制されるものであってもよい。第2給排気管についても同様である。
上記形態では、排気フードの下排気筒は後寄りに配置されなくてもよい。
【0025】
(排気フードに係る開示の効果)
上記形態の給湯器1は、後面が鉛直面への設置面となる筐体2と、筐体2内に設けられ、バーナユニット11(バーナの一例)と、その上側の熱交換器12と、その上側に設けられ、上面に下排気筒34(排気筒の一例)が接続される排気フード13とを含む燃焼装置10と、を備える。排気フード13は、天面部27が平面視矩形状の平面となり、その四辺がR部31を介して前後左右の各面と連続する上方への膨出状に絞り加工されてなると共に、天面部27に形成した透孔32の周縁に、下排気筒34が接続されるバーリング部33が立ち上げ形成される。
そして、透孔32は、天面部27の前後方向の中央から後寄りの位置に配置されて、天面部27の後側のR部31Aは、左右方向の外側から透孔32へ近づくに従って曲率R3~R1が徐々に小さくなるように形成されている。
この構成によれば、バーリング部33の位置が排気フード13の平坦な天面部27とその後側のR部31Aとに跨がらない。よって、バーリング部33が後寄りとなる排気フード13を用いる場合でも、バーリング部33を歪みなく形成でき、バーリング部33の寸法精度を維持できる。
【0026】
以下、排気フードの開示に係る変更例を説明する。
排気フードの本体部は、上記形態のように平面視で左右方向に延びる矩形状でなくてもよい。平面視で前後方向に延びる矩形状や平面視正方形状であってもよい。
上記形態では、バーリング部は天面部の左右方向の中央に配置されているが、左右何れかへ偏る配置であってもよい。この場合も後側のR部は、バーリング部へ近づくに従って曲率が小さくなるように形成すればよい。
バーリング部の後寄り位置も上記形態に限らず、上記形態よりも中央に近い位置であってもよい。
【0027】
その他、各開示に共通して、給湯器は、一次熱交換器と二次熱交換器とを有する潜熱回収型であってもよい。
熱交換器は、給湯回路とその他の回路(例えば風呂回路や暖房回路)との2回路に分けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0028】
1・・給湯器、2・・筐体、3・・箱本体、10・・燃焼装置、11・・バーナユニット、12・・熱交換器、13・・排気フード、14・・接続部、15・・ファン、25・・本体部、26・・フランジ部、27・・天面部、29・・後面部、31(31A)・・R部、32・・透孔、33・・バーリング部、34・・下排気筒、40・・外筒、41・・内筒、42・・連結板、48・・外規制部、51,65・・Oリング、53・・上排気筒、60・・下規制部、62・・シール板、63・・上規制部、66・・下板部、67・・上板部、68・・傾斜板部、70・・第1給排気管、71・・第1給気管、72・・第1排気管、73・・第1テーパ部、80・・第2給排気管、81・・第2給気管、82・・第2排気管、83・・第2下当接部、84・・第2上当接部、85・・第2テーパ部。