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特開2023-166251認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システム
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  • 特開-認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システム 図1
  • 特開-認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システム 図2
  • 特開-認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システム 図3
  • 特開-認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166251
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20231114BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20231114BHJP
   G06F 21/35 20130101ALI20231114BHJP
【FI】
E05B49/00 K
G06F1/16 311A
G06F21/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077174
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 滉輝
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA13
2E250BB43
2E250CC20
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図った認証装置、筐体装置および筐体管理システムを提供する。
【解決手段】認証装置1であって、第2UWB通信部10からID情報を含むUWB信号を受信する第1UWB通信部2と、第2UWB通信部10の位置情報を算出する位置情報算出部31と、第2UWB通信部10に最も近い筐体を特定する筐体特定部32と、ID情報に基づいて、筐体特定部32で特定した筐体の開錠権限がある場合に、筐体を開錠する開錠制御部33と、を備える。位置情報算出部31は、UWB信号に基づいて、第2UWB通信部10の位置情報を算出し、筐体特定部32は、位置情報に基づいて、第2UWB通信部10に最も近い筐体を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能な複数の筐体を有する筐体装置に用いられる認証装置であって、
第2UWB通信部からID情報を含むUWB信号を受信する第1UWB通信部と、
前記第2UWB通信部の位置情報を算出する位置情報算出部と、
複数の前記筐体のうち、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定する筐体特定部と、
前記ID情報に基づいて、前記筐体特定部で特定した前記筐体の開錠権限がある場合に、前記筐体を開錠する開錠制御部と、を備え、
前記位置情報算出部は、
前記UWB信号に基づいて、前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部までの距離および前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部への方向を測定することで、前記第2UWB通信部の前記位置情報を算出し、
前記筐体特定部は、
前記位置情報に基づいて、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定することを特徴とする、認証装置。
【請求項2】
前記筐体特定部は、前記第2UWB通信部が所定領域内に侵入してから所定時間経過した場合に、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定することを特徴とする、請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記開錠制御部は、前記位置情報が前記第2UWB通信部の所定の移動軌跡を含む場合に、前記筐体を開錠することを特徴とする、請求項1に記載の認証装置。
【請求項4】
前記開錠制御部は、
前記筐体特定部で特定した前記筐体の開錠権限があり前記筐体を開錠する場合に、前記筐体を開錠した旨をユーザに通知することを特徴とする、請求項1に記載の認証装置。
【請求項5】
前記開錠制御部は、
前記筐体特定部で特定した前記筐体の開錠権限がなく前記筐体を開錠しない場合に、前記筐体の開錠権限が無い旨をユーザに通知することを特徴とする、請求項1に記載の認証装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の認証装置と、
前記施錠可能な複数の筐体と、を備えた、
筐体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の筐体装置と、
少なくとも1つの前記第2UWB通信部と、を備えた、
筐体管理システム。
【請求項8】
施錠可能な複数の筐体を有する少なくとも1つの筐体装置と、
前記筐体装置と通信可能に接続されたサーバと、
少なくとも1つの第2UWB通信部と、
を備え、
前記筐体装置は、
第2UWB通信部からID情報を含むUWB信号を受信する第1UWB通信部と、
前記サーバと通信可能な第1通信部と、を有し、
前記サーバは、
前記ID情報に基づいて、前記筐体特定部で特定した前記筐体の開錠権限がある場合に、前記筐体を開錠するための開錠信号を送信する開錠制御部と、
前記筐体装置と通信可能な第2通信部と、を有することを特徴とする、サーバ管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載のサーバ管理システムであって、
前記筐体装置は、
前記第2UWB通信部の位置情報を算出する位置情報算出部と、
複数の前記筐体のうち、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定する筐体特定部と、をさらに有し、
前記位置情報算出部は、
前記第1通信部から前記第2通信部へ送信される前記UWB信号に基づいて、前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部までの距離および前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部への方向を測定することで、前記第2UWB通信部の前記位置情報を算出し、
前記筐体特定部は、
前記位置情報に基づいて、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定する。
【請求項10】
請求項8に記載のサーバ管理システムであって、
前記サーバは、
前記第2UWB通信部の位置情報を算出する位置情報算出部と、
複数の前記筐体のうち、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定する筐体特定部と、をさらに有し、
前記位置情報算出部は、
前記第1通信部から前記第2通信部へ送信される前記UWB信号に基づいて、前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部までの距離および前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部への方向を測定することで、前記第2UWB通信部の前記位置情報を算出し、
前記筐体特定部は、
前記位置情報に基づいて、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンタでは、各々のサーバが筐体に収納されており、複数の筐体が筐体装置としてまとめられている。また、セキュリティのため、個々の筐体は施錠されている。このような筐体装置では、各々の筐体の解錠/施錠は、筐体装置に設けられた管理装置等で一括管理されている。
例えば、特許文献1では、IDカード認証により、複数の筐体の解錠/施錠を集中管理する筐体管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-211170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような構成では、ある筐体は管理装置から遠く離れた場所に位置している。このため、一度開錠した筐体をユーザが誤って施錠してしまった場合、再度開錠するために、ユーザは管理装置まで戻ってIDカード認証を行う必要があるため、手間がかかる。
【0005】
本開示は、利便性の向上を図った認証装置、筐体装置および筐体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の認証装置は、
施錠可能な複数の筐体を有する筐体装置に用いられる認証装置であって、
第2UWB通信部からID情報を含むUWB信号を受信する第1UWB通信部と、
前記第2UWB通信部の位置情報を算出する位置情報算出部と、
複数の前記筐体のうち、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定する筐体特定部と、
前記ID情報に基づいて、前記筐体特定部で特定した前記筐体の開錠権限がある場合に、前記筐体を開錠する開錠制御部と、を備え、
前記位置情報算出部は、
前記UWB信号に基づいて、前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部までの距離および前記第1UWB通信部から前記第2UWB通信部への方向を測定することで、前記第2UWB通信部の前記位置情報を算出し、
前記筐体特定部は、
前記位置情報に基づいて、前記第2UWB通信部に最も近い前記筐体を特定することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の筐体装置は、
前記認証装置と、
前記施錠可能な複数の筐体と、を備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の筐体管理システムは、
前記筐体装置と、
少なくとも1つの前記第2UWB通信部と、を備える。
【0009】
上記目的を達成するために、本開示のサーバ管理システムは、
施錠可能な複数の筐体を有する少なくとも1つの筐体装置と、
前記筐体装置と通信可能に接続されたサーバと、
少なくとも1つの第2UWB通信部と、
を備え、
前記筐体装置は、
第2UWB通信部からID情報を含むUWB信号を受信する第1UWB通信部と、
前記サーバと通信可能な第1通信部と、を有し、
前記サーバは、
前記ID情報に基づいて、前記筐体特定部で特定した前記筐体の開錠権限がある場合に、前記筐体を開錠する開錠制御部と、
前記筐体装置と通信可能な第2通信部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、利便性の向上を図った認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第一実施形態に係る筐体管理システムの概略図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る認証処理のフローチャートである。
図3】本開示の第二実施形態に係る筐体管理システム(サーバ管理システム)の概略図である。
図4】本開示の第二実施形態に係る認証処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に係る認証装置、筐体装置、筐体管理システムおよびサーバ管理システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本開示の第一実施形態に係る筐体管理システムの概略図である。
図1に示すように、筐体管理システムS1は、筐体装置100と、ユーザUが所有する少なくとも1つの第2UWB通信部10を有する。筐体装置100は、認証装置1と、施錠可能な複数の筐体101~105と、を備える。複数の筐体101~105は、それぞれ、扉41~45と、扉41~45の解錠/施錠を行う錠管理部21~25と、を有する。扉41~45は、例えば開き戸、引き戸、折れ戸等の開閉方式である。錠管理部21~25は、例えばワイヤレス制御可能な電子錠である。
【0014】
認証装置1は、第1UWB通信部2と、認証制御部3と、記憶部4と、を有する。第1UWB通信部2は、第2UWB通信部10とUWB(ULTRA WIDE BAND)通信可能なI/Fである。認証制御部3は、第2UWB通信部10の位置情報を算出する位置情報算出部31と、複数の筐体101~105のうち第2UWB通信部10に最も近い筐体を特定する筐体特定部32と、筐体を開錠制御する開錠制御部33を有する。認証制御部3は、ユーザUのID情報、第2UWB通信部10の位置情報に基づいて、複数の筐体101~105のうち開錠すべき筐体の開錠制御を行う。記憶部4は、複数の筐体101~105の筐体ID情報や位置情報、各ユーザIDに対する複数の筐体101~105の開錠権限に関するリスト、筐体の扉を開錠するための第2UWB通信部10の所定の移動軌跡等の情報を予め記憶する。
【0015】
図1の例示では、ユーザUは複数の筐体101~105のうち筐体102~104の開錠権限を有するものとする。開錠権限の無い筐体101、105の扉41、45は斜線で示している。
【0016】
第1UWB通信部2と第2UWB通信部10はUWB通信可能であり、第1UWB通信部2は第2UWB通信部10からユーザUのID情報を含むUWB信号を受信する。位置情報算出部31は、第1UWB通信部2が受信したUWB信号に基づいて、第1UWB通信部2から第2UWB通信部10までの距離および第1UWB通信部2から第2UWB通信部10への方向を測定し、第2UWB通信部10の位置情報を算出する。なお、UWB通信は、数百MHz~数GHzの超広帯域無線通信であるため、高速通信が可能、かつ、数cm単位の高精度な第2UWB通信部10の位置情報を算出可能な通信方式である。
【0017】
筐体特定部32は、記憶部4から複数の筐体101~105の筐体ID情報とそれに紐づけされた位置情報を読み出し、複数の筐体101~105の位置情報と、位置情報算出部31が算出した第2UWB通信部10の位置情報に基づいて、複数の筐体101~105のうち第2UWB通信部10に最も近い筐体(図1の例示では、筐体103)を特定する。このとき、筐体特定部32は、第2UWB通信部10が所定領域R内に侵入して所定時間T経過した場合に、複数の筐体101~105のうち第2UWB通信部10に最も近い筐体を特定してもよい。ここで、所定領域Rとは、例えば複数の筐体101~105のそれぞれの扉41~45から1mの範囲であり、所定時間Tとは、例えば3秒である。
【0018】
開錠制御部33は、記憶部4から予め記録された各ユーザIDに対する複数の筐体101~105の開錠権限に関するリストを読み出し、第1UWB通信部2が受信したユーザUのID情報から、ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体(図1の例示では、筐体103)の開錠権限を有するかを判定する。ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体の開錠権限を有する場合、開錠制御部33は、筐体の錠管理部(図1の例示では、錠管理部23)に開錠信号を送信し、筐体の扉(図1の例示では、扉43)を開錠する。
【0019】
このとき、認証制御部3は、記憶部4から予め記録された所定の移動軌跡を読み出し、位置情報算出部31が算出した第2UWB通信部10の位置情報に所定の移動軌跡が含まれる場合に、筐体の錠管理部に開錠信号を送信し、筐体の扉を開錠してもよい。ここで、所定の移動軌跡とは、例えば扉と平行であって水平方向に1m移動する軌跡である。これにより、ユーザUが第2UWB通信部10を水平方向に動かすなどのユーザUの意思に従って、筐体を開錠することができる。つまり、ユーザUが筐体の前にいる場合に、ユーザUに開錠する意思がないにもかかわらず、誤って第2UWB通信部10に最も近い筐体を開錠するのを防止できる。
【0020】
ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体23の開錠権限を有する場合、認証制御部3は、第1UWB通信部2から第2UWB通信部10を通じて、UWB信号によって、ユーザUに対して筐体103の扉43が開錠された旨を通知してもよい。または、認証制御部3は、筐体103の扉43に設けられた音声出力部(不図示)や画像表示部(不図示)を通じて、音声や画像表示によって、ユーザUに対して筐体103の扉43が開錠された旨を通知してもよい。これにより、ユーザUは筐体103の扉43が開錠されたことを容易に認識することができる。
【0021】
ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体の開錠権限を有さない場合、開錠制御部33は、筐体の錠管理部に開錠信号を送信しない。このとき、認証制御部3は、第1UWB通信部2から第2UWB通信部10を通じて、ユーザUに対して、ユーザUが筐体103の開錠権限を有さない旨を通知してもよい。これにより、ユーザUは筐体103の扉43が開錠されない原因を容易に認識することができる。
【0022】
図2は、本開示の第一実施形態に係る認証処理のフローチャートである。
認証装置1が認証処理を開始し(S100)、第2UWB通信部10を有するユーザUが複数の筐体101~105のいずれかに近づくと、第1UWB通信部2と第2UWB通信部10のUWB通信が開始し(S101)、第1UWB通信部2は第2UWB通信部10からユーザUのID情報を含むUWB信号を受信する(S102)。
【0023】
次に、位置情報算出部31が、第1UWB通信部2で受信したUWB信号に基づいて、第1UWB通信部2から第2UWB通信部10までの距離および第1UWB通信部2から第2UWB通信部10への方向を測定し、第2UWB通信部10の位置情報を算出する(S103)。
【0024】
次に、筐体特定部32が、記憶部4から複数の筐体101~105の位置情報を読み出し、複数の筐体101~105の位置情報と、位置情報算出部31が算出した第2UWB通信部10の位置情報に基づいて、複数の筐体101~105のうち第2UWB通信部10に最も近い筐体を特定する(S104)。
【0025】
次に、開錠制御部33は、記憶部4から各ユーザIDに対する複数の筐体101~105の開錠権限に関するリストを読み出し、第1UWB通信部2で受信したユーザUのID情報から、ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体の開錠権限を有するかを判定する(S105)。
【0026】
ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体の開錠権限を有する場合(S105のYES)、開錠制御部33は、筐体の錠管理部に開錠信号を送信し(S106)、筐体の扉を開錠する。その後、認証処理を終了する(S107)。
【0027】
ユーザUが筐体特定部32によって特定された筐体の開錠権限を有さない場合、開錠制御部33は、筐体の錠管理部に開錠信号を送信せずに、認証処理を終了する(S107)。
【0028】
なお、本実施形態では第2UWB通信部10から受信するUWB信号(S102)にユーザUのID情報が含まれているが、ユーザUのID情報はUWB通信ではなくBLE通信等で受信してもよい。
【0029】
図3は、本開示の第二実施形態に係る筐体管理システム(サーバ管理システム)の概略図である。
図3に示すように、筐体管理システムS2は、筐体装置100と、ユーザUが所有する少なくとも1つの第2UWB通信部10と、外部サーバ201から構成される。筐体装置100は、認証装置1と、施錠可能な複数の筐体101~105と、を備える。
【0030】
図1図3を比較すると、第一実施形態に係る筐体管理システムS1における認証装置1の記憶部4と、位置情報算出部31と、筐体特定部32と、開錠制御部33が、それぞれ、第二実施形態に係る筐体管理システムS2における外部サーバ201の記憶部204と、位置情報算出部301と、筐体特定部302と、開錠制御部303に置き換わった構成である。
【0031】
つまり、複数の筐体101~105の位置情報、各ユーザIDに対する複数の筐体101~105の開錠権限に関するリスト、筐体の扉を開錠するための第2UWB通信部10の所定の移動軌跡等の情報は外部サーバ201内に予め記憶される。また、第2UWB通信部10の位置情報の算出、第2UWB通信部10に最も近い筐体(図3の例示では、筐体103)の特定、ユーザUが特定された筐体103の開錠権限を有するかの判定及び開錠信号の送信は、それぞれ、外部サーバ201内の位置情報算出部301、筐体特定部302で行われる。
【0032】
認証装置1の第1通信部5と、外部サーバ201の第2通信部205は、無線LAN等の通信が可能である。第二実施形態に係る筐体管理システムS2では、認証制御部3は、第1UWB通信部2で受信したUWB信号を、第1通信部5から第2通信部205に送信する。また、認証制御部203は、位置情報算出部301で算出された第2UWB通信部10の位置情報、筐体特定部302で特定された第2UWB通信部10に最も近い筐体103の情報、開錠制御部303による、ユーザUが筐体103の開錠権限を有するか否かの判定結果及び開錠信号を、第2通信部205から第1通信部5に送信する。認証装置1は、外部サーバ201から受信した開錠信号を筐体の錠管理部(図3の例示では、錠管理部23)に送信し、筐体の扉(図3の例示では、扉43)を開錠する。
【0033】
上記構成によれば、ID認証をサーバで行うため、サーバで認証処理の集中管理が可能となり、認証装置等のコストを削減することができる。
【0034】
図4は、本開示の第二実施形態に係る認証処理のフローチャートである。
認証装置1が認証処理を開始し(S200)、第2UWB通信部10を有するユーザUが複数の筐体101~105のいずれかに近づくと、第1UWB通信部2と第2UWB通信部10のUWB通信が開始し(S201)、第1UWB通信部2は第2UWB通信部10からユーザUのID情報を含むUWB信号を受信する(S202)。認証制御部3は、第1UWB通信部2で受信したUWB信号を、第1通信部5から外部サーバ201の第2通信部205に送信する(S203)。
【0035】
次に、外部サーバ201において、位置情報算出部301が、第2通信部205で受信したUWB信号に基づいて、第1UWB通信部2から第2UWB通信部10までの距離および第1UWB通信部2からの第2UWB通信部10の方向を測定し、第2UWB通信部10の位置情報を算出する(S204)。
【0036】
次に、筐体特定部302が、記憶部204から複数の筐体101~105の位置情報を読み出し、複数の筐体101~105の位置情報と、位置情報算出部301が算出した第2UWB通信部10の位置情報に基づいて、複数の筐体101~105のうち第2UWB通信部10に最も近い筐体を特定する(S205)。
【0037】
次に、開錠制御部303は、記憶部204から各ユーザIDに対する複数の筐体101~105の開錠権限に関するリストを読み出し、第2通信部205で受信したユーザUのID情報から、ユーザUが筐体特定部302によって特定された筐体の開錠権限を有するかを判定する(S206)。
【0038】
ユーザUが筐体特定部302によって特定された筐体の開錠権限を有する場合(S206のYES)、開錠制御部303は、開錠信号を第2通信部205から認証装置1の第1通信部5に送信する(S207)。
【0039】
ユーザUが筐体特定部302によって特定された筐体の開錠権限を有さない場合(S206のNO)、開錠制御部303は、開錠禁止信号を第2通信部205から認証装置1の第1通信部5に送信する(S208)。
【0040】
認証装置1は、第1通信部5で開錠信号を受信した場合(S206のYES、S207)、筐体の錠管理部に開錠信号を送信し(S209)、筐体の扉を開錠する。その後、認証処理を終了する(S210)。
【0041】
認証装置1は、第1通信部5で開錠禁止信号を受信した場合(S206のNO、S208)、筐体の錠管理部に開錠信号を送信せず、認証処理を終了する(S210)。
【0042】
なお、本実施形態では第2UWB通信部10から受信するUWB信号(S202)にユーザUのID情報が含まれているが、ユーザUのID情報はUWB通信ではなくBLE通信等で受信してもよい。
【0043】
また、本実施形態では第2UWB通信部10の位置情報の算出(S204)、第2UWB通信部10に最も近い筐体の特定(S205)を外部サーバ201で行っているが、これらの処理を認証装置1で行ってもよい。
【0044】
以上、本実施形態について説明をしたが、本実施形態に係る技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本実施形態に係る技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0045】
S1、S2:筐体管理システム
1:認証装置
2:第1UWB通信部
3、203:認証制御部
4、204:記憶部
5:第1通信部
10:第2UWB通信部
21~25:錠管理部
31、301:位置情報算出部
32、302:筐体特定部
33、303:開錠制御部
41~45:扉
100:筐体装置
101~105:筐体
201:外部サーバ
205:第2通信部
図1
図2
図3
図4