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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016627
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】連続焼成装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/04 20060101AFI20230126BHJP
   A21B 5/02 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
A47J37/04 101Z
A21B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121103
(22)【出願日】2021-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】520285880
【氏名又は名称】中部電力ミライズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 有紗
(72)【発明者】
【氏名】河村 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大山 真人
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA01
4B040AA08
4B040AC01
4B040AD04
4B040AD22
4B040CA05
4B040CA17
4B040CB05
4B040GD01
(57)【要約】
【課題】エネルギーの消費量を抑えつつ品質の高い焼成製品を製造できる連続焼成装置を提供すること。
【解決手段】連続焼成装置1は、コンベア2、加熱部40を備える。コンベア2は、無端状のベルト21およびモーター25を有する。モーター25は、ベルト21における上側に位置するベルト搬送領域21Cに載置された被焼成物91が、搬送方向Xへと移動するようにベルト21を回転させる。加熱部40は、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lにより構成されている。上側加熱部40Uは、ベルト搬送領域21Cの上方に配置されている。下側加熱部40Lは、ベルト21の下方であって、ベルト21の内周側に配置されている。そして、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lはそれぞれ、ベルト搬送領域21Cと対向して設けられた平板状の加熱プレート50と、加熱プレート50のヒーター面52に設けられたシーズヒーター60とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被焼成物を搬送方向に搬送しつつ加熱することで、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成装置であって、
無端状のベルト、および、前記ベルトにおける上側に位置する領域であるベルト搬送領域に載置された被焼成物が前記搬送方向へと移動する向きに前記ベルトを回転させる駆動部を有するコンベアと、
前記ベルト搬送領域の上方に配置された上側加熱部、および、前記ベルト搬送領域の下方であって、前記ベルトの内周側に配置された下側加熱部を有する加熱部とを備え、
前記上側加熱部および前記下側加熱部はそれぞれ、
前記ベルト搬送領域と対向して設けられた平板状の加熱プレートと、前記加熱プレートの前記ベルト搬送領域の側とは反対側である裏面に設けられたヒーターとを有することを特徴とする連続焼成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の連続焼成装置において、
前記ベルトは、シート状の金属よりなるものであることを特徴とする連続焼成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の連続焼成装置において、
前記ヒーターは、線状の発熱体であるとともに、前記ベルトの幅方向に延びる複数の幅方向部と、2つの前記幅方向部の端部同士を接続する接続部とを有し、
複数の前記幅方向部は、前記搬送方向に並べて設けられており、
前記接続部は、前記幅方向について、前記ベルト搬送領域のうち、被焼成物が載置される領域よりも外側に位置していることを特徴とする連続焼成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の連続焼成装置において、
前記加熱部は、前記搬送方向について、前記被焼成物の加熱温度が異なる複数の加熱領域を備えることを特徴とする連続焼成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の連続焼成装置において、
前記加熱温度が同じ前記加熱領域内に、前記搬送方向について複数、設けられた前記加熱プレートよりなる同一温度加熱プレート群を有し、
前記同一温度加熱プレート群における隣り合う2つの前記加熱プレートは、少なくとも被焼成物の加熱時には、端部同士にて互いに接触した接触状態をとるものであることを特徴とする連続焼成装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の連続焼成装置において、
隣り合う2つの前記加熱領域のうちの一方である一方加熱領域に設けられ、他方の前記加熱領域である他方加熱領域の側の端に位置する前記加熱プレートと、前記他方加熱領域に設けられ、前記一方加熱領域の側の端に位置する前記加熱プレートとは、少なくとも被焼成物の加熱時には、互いの間に隙間が設けられた非接触状態をとるものであることを特徴とする連続焼成装置。
【請求項7】
請求項4または請求項5に記載の連続焼成装置において、
隣り合う2つの前記加熱領域のうちの一方である一方加熱領域に設けられ、他方の前記加熱領域である他方加熱領域の側の端に位置する前記加熱プレートと、前記他方加熱領域に設けられ、前記一方加熱領域の側の端に位置する前記加熱プレートとの間には、前記加熱プレートよりも熱伝導率の低い断熱材が設けられていることを特徴とする連続焼成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被焼成物を搬送方向に搬送しつつ加熱することで、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、焼成菓子等の製造では、生地を高温の炉内へと通過させることで生地の焼成が行われている。例えば、特許文献1には、ガスを燃焼させて高温としたハウジング内に、被加熱物をコンベアによって搬送することで、焼物を大量に得ることができる焼成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-327566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された焼成装置は、ガスの燃焼によりハウジング内を加熱する方式のものである。このような従来の焼成装置では、被焼成物の焼き色のバラつき等を抑制するため、ハウジング内の空間における温度の極端な偏りを抑制する必要がある。このため、例えば、加熱源と被焼成物との距離をある程度、確保する必要などがあり、ハウジング内の空間が大きくなってしまう傾向にある。また、ハウジング内の空間を大きく確保しつつ、その大きな空間全体を加熱する必要があるため、エネルギーの消費量が多くなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、エネルギーの消費量を抑えつつ品質の高い焼成製品を製造できる連続焼成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る連続焼成装置は、被焼成物を搬送方向に搬送しつつ加熱することで、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成装置であって、無端状のベルト、および、ベルトにおける上側に位置する領域であるベルト搬送領域に載置された被焼成物が搬送方向へと移動する向きにベルトを回転させる駆動部を有するコンベアと、ベルト搬送領域の上方に配置された上側加熱部、および、ベルト搬送領域の下方であって、ベルトの内周側に配置された下側加熱部を有する加熱部とを備え、上側加熱部および下側加熱部はそれぞれ、ベルト搬送領域と対向して設けられた平板状の加熱プレートと、加熱プレートのベルト搬送領域の側とは反対側である裏面に設けられたヒーターとを有することを特徴とする連続焼成装置である。
【0007】
この連続焼成装置では、ヒーターにて発生した熱を、平板状の加熱プレートによって均すことができる。つまり、加熱プレートに極端な温度差が生じることを抑制できる。このため、上側加熱部および下側加熱部をそれぞれ、加熱対象に近づけることができる。つまり、上側加熱部を、被焼成物のすぐ上に配置できる。下側加熱部については、ベルトの内周側において、ベルト搬送領域のすぐ下に配置できる。これにより、上側加熱部の加熱プレートと、下側加熱部の加熱プレートとの間に形成される加熱空間を、狭くできる。よって、被焼成物の加熱効率を高めることができる。さらに、ヒーターにて発生した熱が加熱プレートによって均されているため、被焼成物の焼成の進行度合いに差が生じることを抑制できる。従って、エネルギーの消費量を抑えつつ品質の高い焼成製品を製造できる。
【0008】
また上記に記載の連続焼成装置であって、ベルトは、シート状の金属よりなるものであることが好ましい。この連続焼成装置では、シート状の金属をベルトとして用いることで、上側加熱部とベルトとの隙間の空間から外部へと熱が逃げることを抑制できる。これにより、被焼成物の加熱効率をより高めることができる。
【0009】
また上記に記載の連続焼成装置であって、ヒーターは、線状の発熱体であるとともに、ベルトの幅方向に延びる複数の幅方向部と、2つの幅方向部の端部同士を接続する接続部とを有し、複数の幅方向部は、搬送方向に並べて設けられており、接続部は、幅方向について、ベルト搬送領域のうち、被焼成物が載置される領域よりも外側に位置していることが好ましい。この連続焼成装置では、上側加熱部および下側加熱部により、被焼成物の加熱を、ベルトの幅方向について均一に行うことができる。よって、品質の高い焼成製品を、安定して製造することができる。
【0010】
また上記に記載の連続焼成装置であって、加熱部は、搬送方向について、被焼成物の加熱温度が異なる複数の加熱領域を備えることが好ましい。この連続焼成装置では、焼成の開始から終了までの各時間における被焼成物の加熱温度を、適切に推移させることなどができる。すなわち、例えば、焼成の初期には、高温で加熱することで被焼成物から除去される水分量を多くし、焼成の後期には、初期よりも低温で加熱することで、被焼成物の焦げを抑制しつつ、被焼成物の含水率を微調整することなどができる。よって、品質の高い焼成製品を製造できる。
【0011】
また上記に記載の連続焼成装置であって、加熱温度が同じ加熱領域内に、搬送方向について複数、設けられた加熱プレートよりなる同一温度加熱プレート群を有し、同一温度加熱プレート群における隣り合う2つの加熱プレートは、少なくとも被焼成物の加熱時には、端部同士にて互いに接触した接触状態をとるものであることが好ましい。例えば、搬送方向について、実際の加熱温度が目標温度よりも低い位置がある場合、その位置での被焼成物の焼成が進まず、焼成炉の全長を長くすること等が必要となってしまう。しかし、焼成炉を大型にするほど、焼成に要するエネルギーも多くなってしまう傾向にある。これに対し、この連続焼成装置では、加熱温度が同じ加熱領域内における上側加熱部および下側加熱部は、加熱プレートが複数ある場合、その境目においても、加熱温度が低下してしまうことを抑制できる。これにより、エネルギーの消費量を抑えつつ、品質の高い焼成製品を製造できる。
【0012】
また上記に記載の連続焼成装置であって、隣り合う2つの加熱領域のうちの一方である一方加熱領域に設けられ、他方の加熱領域である他方加熱領域の側の端に位置する加熱プレートと、他方加熱領域に設けられ、一方加熱領域の側の端に位置する加熱プレートとは、少なくとも被焼成物の加熱時には、互いの間に隙間が設けられた非接触状態をとるものであることが好ましい。この連続焼成装置では、加熱プレートの温度が、他の加熱領域の加熱温度の影響を受けて変化してしまうことが抑制できる。よって、各加熱領域ごとについて予め定めた正確な加熱温度で、被焼成物を加熱することができる。よって、品質の高い被焼成物を製造できる。
【0013】
また上記に記載の連続焼成装置であって、隣り合う2つの加熱領域のうちの一方である一方加熱領域に設けられ、他方の加熱領域である他方加熱領域の側の端に位置する加熱プレートと、他方加熱領域に設けられ、一方加熱領域の側の端に位置する加熱プレートとの間には、加熱プレートよりも熱伝導率の低い断熱材が設けられていることが好ましい。この連続焼成装置では、加熱プレートの温度が、他の加熱領域の加熱温度の影響を受けて変化してしまうことが抑制できる。よって、各加熱領域ごとについて予め定めた正確な加熱温度で、被焼成物を加熱することができる。よって、品質の高い焼成製品を製造できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エネルギーの消費量を抑えつつ品質の高い焼成製品を製造できる連続焼成装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る連続焼成装置の全体の概略図である。
図2図1に示す連続焼成装置のA-A断面図である。
図3】第1実施形態に係る上側加熱部および下側加熱部の、同じ加熱領域内における構成を示す図である。
図4】第1実施形態に係る上側加熱部の、同じ加熱領域内における構成を示す平面図である。
図5】第1実施形態に係る上側加熱部および下側加熱部の、異なる加熱領域の境目における構成を示す図である。
図6】第2実施形態に係る上側加熱部の、同じ加熱領域内における構成を示す平面図である。
図7】第2実施形態に係る上側加熱部および下側加熱部の、異なる加熱領域の境目における構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る実施形態である連続焼成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、実施形態のひとつである第1実施形態について説明する。その後、他の形態について、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本形態に係る連続焼成装置1の全体を示す概略図である。図1に示すように、連続焼成装置1は、コンベア2および焼成炉3を備えている。連続焼成装置1は、被焼成物91を、図1に矢印で示す搬送方向Xの向きに搬送しつつ加熱する。被焼成物91は、水分を含む固形物である。被焼成物91は、連続焼成装置1による加熱によって水分が除去され、焼成製品92となる。連続焼成装置1は、被焼成物91の焼成を連続的に行うことで、焼成製品92を連続的に製造することができる。
【0018】
焼成製品92は、例えば、小型の焼き菓子である。本実施形態の焼成製品92としては、具体的に、例えば、小麦を主原料とし、油脂を含むビスケットやクッキー等の洋菓子が挙げられる。本実施形態における連続焼成装置1の焼成対象となる被焼成物91は、焼成製品92の原料を混合した生地を、所定の大きさに成形した状態のものである。
【0019】
コンベア2は、ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23を有する。ベルト21は、金属製のシートを環状に繋いでなる無端状のコンベアベルトである。具体的に、本形態のベルト21は、シート状のステンレスである。ステンレスシートをベルト21として用いることで、被焼成物91から脱落した固形物や液体がベルト21から落下してしまうことを抑制しつつ、それらの除去を容易に行うことができる。例えば、焼成時に被焼成物91から出てくる油分が、ベルト21の下方に垂れてしまうことを抑制できる。また、ステンレスシートのベルト21は、ベルト21の表面に付着した油分を、容易に除去することができる。よって、連続焼成装置1を清潔な状態で維持できる。
【0020】
ベルト21は、駆動ローラ22および従動ローラ23の外周面に巻き掛けられている。これにより、ベルト21の図1における左右方向の両端部は、駆動ローラ22および従動ローラ23によってそれぞれ支持されている。ベルト21のうち、駆動ローラ22と従動ローラ23との間に位置する上側の領域を、ベルト搬送領域21Cとする。また、ベルト搬送領域21Cにおける外周面を上面21Aとし、ベルト搬送領域21Cにおける内周面を下面21Bとする。
【0021】
駆動ローラ22は、駆動源であるモーター25に接続されている。モーター25の駆動時には、駆動ローラ22は、図1に矢印で示す方向に回転する。従動ローラ23には、ベルト21を介して駆動ローラ22の駆動力が伝達される。従動ローラ23は、ベルト21を介して駆動力が伝達されることで従動回転する。このように、駆動ローラ22が回転することで、ベルト21も回転移動する。
【0022】
ベルト21の回転時には、ベルト搬送領域21Cは、搬送方向Xの向きに移動する。被焼成物91は、ベルト搬送領域21Cの上面21Aに位置する供給位置91Aに供給される。供給位置91Aは、ベルト搬送領域21Cの上面21Aのうち、搬送方向Xについて、焼成炉3よりも上流側の位置である。供給位置91Aに供給された被焼成物91は、その後、ベルト搬送領域21Cに載置された状態で、ベルト搬送領域21Cの移動によって搬送方向Xの向きに移動する。つまり、ベルト21が回転駆動されることで、被焼成物91は焼成炉3を通過する。被焼成物91は、焼成炉3を通過することによって焼成され、焼成製品92となる。焼成炉3を通過後の焼成製品92は、ベルト搬送領域21Cの上面21Aに位置する取出位置92Aにて、連続焼成装置1から取り出される。取出位置92Aは、ベルト搬送領域21Cの上面21Aのうち、搬送方向Xについて、焼成炉3よりも下流側の位置である。
【0023】
焼成炉3は、複数の外壁31によって外部から区画された焼成空間35を備えている。搬送方向Xにおける上流側の焼成炉3の端部を形成している外壁31には、ベルト搬送領域21Cに対応した位置に、入口32が形成されている。搬送方向Xにおける下流側の焼成炉3の端部を形成している外壁31には、ベルト搬送領域21Cに対応した位置に、出口33が形成されている。入口32は、コンベア2のベルト21および被焼成物91を、焼成空間35の外側から焼成空間35内へと通過させるための貫通孔である。出口33は、コンベア2のベルト21および焼成製品92を、焼成空間35内から外側へと通過させるための貫通孔である。
【0024】
焼成空間35の内部には、複数の隔壁37が設けられている。複数の隔壁37は、搬送方向Xについて並べて設けられており、焼成空間35を搬送方向Xについて分割している。本形態に係る焼成炉3において、焼成空間35は、6枚の隔壁37により、7つの加熱領域36に分けられている。図1には、複数の加熱領域36を、搬送方向Xにおける上流側から下流側に向かって順に、加熱領域36A~36Gとして示している。また、隔壁37にはそれぞれ、ベルト搬送領域21Cに対応した位置に、連通孔38が形成されている。連通孔38は、被焼成物91を、隣り合う加熱領域36の上流側から下流側へと通過させるための貫通孔である。
【0025】
また、焼成炉3は、被焼成物91の焼成を行うための加熱部40を備えている。加熱部40には、ベルト搬送領域21Cの上方に配置された上側加熱部40Uと、ベルト搬送領域21Cの下方に配置された下側加熱部40Lとがある。下側加熱部40Lは、ベルト21の内周側に配置されている。上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、これらにより、ベルト搬送領域21Cを挟んで対向して設けられた一対の加熱部40を構成している。
【0026】
本形態の上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、複数の加熱領域36においてそれぞれ異なる温度で、被焼成物91を加熱する。すなわち、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、隣り合う加熱領域36にて異なる温度で、被焼成物91を加熱する。上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lによる加熱領域36A~36Gごとの加熱温度は、加熱前における被焼成物91に含まれている水分量や、目標とする焼成製品92の焼き加減などに基づいて予め定められている。
【0027】
焼成炉3の上部には、排気ダクト39が設けられている。排気ダクト39は、焼成炉3との接続側とは反対側に排気ファンが接続されている。これにより、排気ダクト39は、焼成空間35内の空気を外部へと排出することができる。排気ダクト39は、複数の加熱領域36ごとに設けられている。焼成炉3にて被焼成物91が焼成されると、被焼成物91に含まれていた水分は、被焼成物91から除去される。被焼成物91から除去された水分は、焼成空間35の空気に含まれることとなる。焼成空間35の空気中に含まれる水分量が多くなりすぎた場合、被焼成物91から水分を適切に除去できなくなる。焼成炉3では、排気ダクト39により焼成空間35から水分を含む空気を排出することで、焼成空間35内の空気に含まれる水分量を低く維持することができる。これにより、連続的な焼成を適切に行うことができる。
【0028】
図2は、図1に示すA-A位置における連続焼成装置1の断面図である。すなわち、図2は、連続焼成装置1の加熱領域36Aの位置での断面図である。ただし、加熱領域36A以外の加熱領域36B~36Gにおいても、同様の構成とすることができる。
【0029】
図2に示すように、焼成炉3には、上側加熱部40Uを上下に移動させることができる上下調整部80が設けられている。上下調整部80は、軸部81と、軸部81に設けられたハンドル82とを有している。上側加熱部40Uは、軸部81の下端側に設けられている。軸部81の上端側は、上部の外壁31を貫通し、焼成炉3の上方へと突き出ている。ハンドル82は、軸部81の上部であって、焼成炉3の外側に設けられている。上下調整部80は、ハンドル82を軸部81を中心として一方、または、他方に回転させることで、上側加熱部40Uを上下に移動させることができる。これにより、上側加熱部40Uの高さ調整を行うことができる。
【0030】
上下調整部80による上側加熱部40Uの高さ調整は、例えば、被焼成物91の厚みに応じて行う。具体的には、上下調整部80による上側加熱部40Uの高さ調整は、例えば、ある厚みの被焼成物91の焼成を行った後、これとは厚みの異なる被焼成物91の焼成を行う前に行われる。上下調整部80は、上側加熱部40Uの複数の加熱領域36ごとに設けられている。よって、連続焼成装置1においては、加熱領域36ごとに、上側加熱部40Uの高さ調整ができる。
【0031】
連続焼成装置1は、制御部85を備えている。制御部85は、連続焼成装置1における各部の制御を行うためのものである。具体的に、制御部85は、例えば、コンベア2のモーター25の駆動、加熱部40による加熱、排気ダクト39からの排気等を制御する。
【0032】
次に、本形態に係る上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lの構成について説明する。図3は、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lの拡大図である。図3には、加熱温度が同じ加熱領域36における上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lを示している。図3に示すように、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lはともに、ひとつの加熱領域36内に、それぞれ複数の加熱器41を有している。
【0033】
加熱器41は、加熱プレート50およびシーズヒーター60を有している。加熱プレート50は、ベルト搬送領域21Cと対向して設けられた平板状の部材である。加熱プレート50は、被焼成物91の加熱時には、温度が均一であることが好ましい。被焼成物91の加熱を均一に行うことができるからである。また、加熱プレート50は、加熱の開始後、早期に目標温度まで到達できることが好ましい。このため、加熱プレートとしては、比熱の低い金属を用いることが好ましい。具体的には、加熱プレート50の材質として、チタンやステンレスを用いることができる。加熱プレート50は、ベルト搬送領域21C側の加熱面51と、加熱面51の裏面であるヒーター面52とを有している。
【0034】
加熱プレート50は、加熱面51において、ベルト搬送領域21Cと対向している。加熱プレート50のヒーター面52には、シーズヒーター60が接触した状態で設けられている。上側加熱部40Uの加熱器41は、加熱プレート50の加熱面51を下方に向けた状態で設けられている。下側加熱部40Lの加熱器41は、加熱プレート50の加熱面51を上方に向けた状態で設けられている。つまり、上側加熱部40Uの加熱器41と、下側加熱部40Lの加熱器41とは、上下が逆に取り付けられている。シーズヒーター60は、電気が流れることにより発熱し、加熱プレート50を熱伝導によって加熱するための発熱体である。
【0035】
図4は、加熱温度が同じ加熱領域36における上側加熱部40Uの平面図である。なお、下側加熱部40Lの加熱器41についても、上側加熱部40Uのものと同様の構成である。図4に示すように、加熱プレート50は、ベルト21の幅方向Yについて、ベルト21のベルト幅21Yよりも幅広のものである。ベルト搬送領域21Cには、複数の被焼成物91が、搬送方向Xおよび幅方向Yに並べて載置される。図4には、ベルト搬送領域21Cのうち、被焼成物91が載置される領域の幅91Yを示している。
【0036】
シーズヒーター60は、線状のものであり、ベルト21の幅方向Yに蛇行するように曲げられつつ搬送方向Xに設けられている。線状のシーズヒーター60の端部は、制御部85に接続されている。これにより、制御部85は、シーズヒーター60の発熱を制御することができる。制御部85は、予め定められた温度にて、シーズヒーター60を発熱させることができる。
【0037】
また、シーズヒーター60は、幅方向Yに延びる直線部61を複数、有している。複数の直線部61は、搬送方向Xに並べて設けられている。隣り合う2つの直線部61同士の間にはいずれも、等間隔の隙間が設けられている。よって、シーズヒーター60は、加熱プレート50のうち、被焼成物91が載置される領域に対応する領域を、搬送方向Xについて均一に加熱することができる。
【0038】
シーズヒーター60は、直線部61の幅方向Yにおける一方の端部に、屈曲部62を有している。屈曲部62は、隣り合う2つの直線部61を、その一方の端部同士にて接続している。また、本形態では、図4に示すように、直線部61の幅方向Yにおける長さは、ベルト幅21Yと同じ長さとされている。これにより、屈曲部62はいずれも、幅方向Yについて、被焼成物91が載置される領域の外側に位置している。よって、シーズヒーター60は、加熱プレート50のうち、被焼成物91が載置される領域に対応する領域を、幅方向Yについて均一に加熱することができる。
【0039】
すなわち、シーズヒーター60は、発熱時には、設定された一定温度とされる。シーズヒーター60が発熱すると、シーズヒーター60と接触している加熱プレート50が、シーズヒーター60からの熱伝熱により加熱される。加熱プレート50は、シーズヒーター60からの加熱により、全体として均一な温度に維持される。すなわち、加熱器41では、加熱プレート50により、発熱したシーズヒーター60の熱が均される。これにより、加熱器41は、加熱プレート50の加熱面51と対向している加熱対象を、熱放射によって加熱する。そして、加熱面51の熱放射によるの加熱の程度は、搬送方向Xおよび幅方向Yの双方について、ムラのない均一なものである。
【0040】
本形態の加熱器41は、このように、搬送方向Xおよび幅方向Yの両方に広い加熱面51ごとに、加熱温度を制御できる。このため、線状の発熱体であるシーズヒーター60を用いつつ、そのシーズヒーター60の温度制御により、広範囲の加熱温度を制御できる。すなわち、温度制御が必要なシーズヒーター60の数が少なく、制御部85との配線作業が容易である。また、温度制御が必要なシーズヒーター60の数が少なく、制御が煩雑になってしまうことが抑制されている。
【0041】
また、図3および図4に示すように、本形態の上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lはそれぞれ、搬送方向Xについて複数の加熱器41を有している。すなわち、上側加熱部40Uは、同じ加熱領域36内に、複数の加熱プレート50からなる上側同一温度加熱プレート群50SUを有する。また、下側加熱部40Lは、同じ加熱領域36内に、複数の加熱プレート50からなる下側同一温度加熱プレート群50SLを有する。
【0042】
制御部85は、焼成時には、加熱温度が同じ加熱領域36における上側加熱部40Uを構成する複数の加熱器41のシーズヒーター60を、同じ温度となるように制御する。そして、上側同一温度加熱プレート群50SUの隣り合う加熱プレート50は、焼成時には、その搬送方向Xの端部同士において互いに接触した接触状態をとる。下側加熱部40Lについても同様である。
【0043】
このため、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、加熱温度が同じ加熱領域36では、隣り合う2つの加熱器41の境目においても、境目以外の箇所と同程度で、被焼成物91を加熱できる。つまり、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、加熱温度が同じ加熱領域36では、複数の加熱器41を備えているにも関わらず、加熱対象を搬送方向Xについて均一に加熱できる。なお、隣り合う加熱プレート50は、焼成時に接触状態であればよい。すなわち、加熱プレート50が温度上昇に伴い膨張するものである場合、焼成が行われていない常温時には、隣り合う加熱プレート50の間には隙間が設けられていてもよい。
【0044】
このような加熱器41を有する上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、シーズヒーター60が発熱することで、加熱プレート50の加熱面51を介して被焼成物91を適切に加熱することができる。
【0045】
図3に示すように、上側加熱部40Uの加熱器41の加熱面51は、ベルト搬送領域21Cの上面21Aと対向している。加熱プレート50は、ベルト搬送領域21Cと対向して設けられた平板状のものである。つまり、加熱プレート50の加熱面51は、ベルト搬送領域21Cに沿った形状であり、ベルト搬送領域21Cの上面21Aとの距離が一定である。そして、上側加熱部40Uの加熱器41は、ベルト搬送領域21Cの上面21Aに載置された被焼成物91を、その上方より熱放射によって加熱する。
【0046】
このため、上側加熱部40Uの加熱器41による被焼成物91の加熱の程度は、各加熱領域36において、幅方向Yについて均一である。つまり、上側加熱部40Uの加熱器41は、幅方向Yについて並べて載置された被焼成物91をいずれも、一定の程度で加熱することができる。また、上側加熱部40Uの加熱器41による被焼成物91の加熱の程度は、搬送方向Xについて均一である。つまり、上側加熱部40Uの加熱器41は、搬送方向Xへと移動する被焼成物91を、各加熱領域36において、常に一定の程度で加熱することができる。
【0047】
また、下側加熱部40Lの加熱器41の加熱面51は、ベルト搬送領域21Cの下面21Bと対向している。加熱プレート50は、ベルト搬送領域21Cと対向して設けられた平板状のものである。つまり、加熱プレート50の加熱面51は、ベルト搬送領域21Cに沿った形状であり、ベルト搬送領域21Cの下面21Bとの距離が一定である。そして、下側加熱部40Lの加熱器41は、ベルト搬送領域21Cを、その下方より熱放射によって加熱する。
【0048】
このため、下側加熱部40Lの加熱器41によるベルト搬送領域21Cの加熱の程度は、各加熱領域36において、幅方向Yについて均一である。つまり、下側加熱部40Lの加熱器41は、ベルト搬送領域21Cを幅方向Yについて一定の程度で加熱することができる。また、下側加熱部40Lの加熱器41によるベルト搬送領域21Cの加熱の程度は、搬送方向Xについて均一である。つまり、下側加熱部40Lの加熱器41は、搬送方向Xへと移動するベルト搬送領域21Cを、各加熱領域36において、常に一定の程度で加熱することができる。
【0049】
また、下側加熱部40Lによって加熱されるベルト搬送領域21Cの上面21Aには、被焼成物91が載置されている。よって、ベルト搬送領域21Cは、上面21Aに載置された被焼成物91を、熱伝導によって加熱する。すなわち、下側加熱部40Lの加熱器41は、各加熱領域36において、ベルト搬送領域21Cを介して、幅方向Yについて並べて載置された被焼成物91をいずれも、一定の程度で加熱することができる。さらに、下側加熱部40Lの加熱器41は、各加熱領域36において、ベルト搬送領域21Cを介して、搬送方向Xへと移動する被焼成物91を、常に一定の程度で加熱することができる。
【0050】
このように、本形態では、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lにより、各加熱領域36において、搬送方向Xおよび幅方向Yについて均一に加熱できる。つまり、本形態の連続焼成装置1では、加熱対象が、例えば、ヒーターの直下の位置において、複数のヒーターの隙間の位置よりも、強く加熱されてしまうようなことがない。よって、図3に示すように、上側加熱部40Uを、加熱対象である被焼成物91に近い位置に配置できる。また、下側加熱部40Lを、加熱対象であるベルト搬送領域21Cに近い位置に配置できる。
【0051】
ここで、一般的に、加熱源による加熱効率は、加熱源から加熱対象までの距離が遠いほど、低下する傾向にある。これに対し、本形態の連続焼成装置1では、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lを、それぞれの加熱対象である被焼成物91およびベルト搬送領域21Cに近い位置に配置できている。このため、上側加熱部40Uは被焼成物91を効率良く加熱することができる。また、下側加熱部40Lは、ベルト搬送領域21Cを効率良く加熱することができる。これにより、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、シーズヒーター60の発熱量を抑えつつ、被焼成物91を、所望の条件で適切に加熱できる。
【0052】
また、連続焼成装置1では、上側加熱部40Uの加熱器41の加熱プレート50と、下側加熱部40Lの加熱器41の加熱プレート50との隙間に形成される加熱空間42の高さが狭い。このため、加熱空間42から排出される熱を低減できる。よって、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、より効率よく被焼成物91を加熱できる。
【0053】
また前述したように、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、各加熱領域36において、加熱面51による加熱を、搬送方向Xおよび幅方向Yの両方について均一に行うことができる。このため、複数の被焼成物91を、搬送方向Xおよび幅方向Yのいずれの方向についても、密に並べることができる。よって、連続焼成装置1は、短時間で大量の焼成製品92を製造できる。
【0054】
図5は、加熱領域36の境目における上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lを示す図である。図5は、隣り合う加熱領域36の境目の例として、加熱領域36Aと、加熱領域36Bとの境目を示している。他の隣合う加熱領域36の境目についても同様である。連続焼成装置1では、前述したように、隣り合う加熱領域36同士では、被焼成物91の加熱温度が異なる。つまり、加熱領域36Aにおける上側加熱部40Uのシーズヒーター60と、加熱領域36Bにおける上側加熱部40Uのシーズヒーター60とは、異なる温度に制御される。下側加熱部40Lについても同様である。
【0055】
図5には、加熱領域36Aの上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lを構成する複数の加熱器41のうち、搬送方向Xについて最も下流側に位置する加熱器41を示している。また、加熱領域36Bの上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lを構成する複数の加熱器41のうち、搬送方向Xについて最も上流側に位置する加熱器41を示している。すなわち、図5には、加熱領域36Aに設けられ、加熱領域36B側の端に位置する加熱器41と、加熱領域36Bに設けられ、加熱領域36A側の端に位置する加熱器41とを示している。
【0056】
そして、図5に示すように、加熱領域36Aの上側加熱部40Uの加熱プレート50と、加熱領域36Bの上側加熱部40Uの加熱プレート50とは、接触しておらず、これらの間には隙間Sが設けられている。下側加熱部40Lについても同様である。なお、図5は、焼成時を示したものである。
【0057】
すなわち、連続焼成装置1では、隣り合う2つの加熱領域36の加熱プレート50がそれぞれ、焼成時において、他方の温度による影響を受けにくい構成とされている。このため、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、それぞれの加熱領域36について予め定められた正確な温度で、被焼成物91を加熱することができる。これにより、連続焼成装置1は、品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0058】
<実施例>
次に、本形態の実施例について説明する。本発明者らは、本発明に係る実施例と、本発明とは異なる比較例とのそれぞれの焼成装置を用い、被焼成物を焼成する実験を行った。
【0059】
実施例では、上記の第1実施形態で説明した連続焼成装置1を用い、被焼成物の焼成を行った。被焼成物としては、含水率2%のビスケット用の生地を4mmの厚みに成形したものを用いた。また、実施例では、加熱部40による加熱温度が、搬送方向Xにおける下流側の加熱領域36ほど低い温度となるようにした。具体的には、加熱領域36Aを195℃、加熱領域36Bを190℃、加熱領域36Cを185℃、加熱領域36Dを175℃、加熱領域36Eを165℃、加熱領域36Fを160℃、加熱領域36Gを155℃とした。また、加熱プレート50としては、厚みが1mmのチタン製のプレートを用いた。そして、上側加熱部40Uの加熱プレート50と、下側加熱部40Lの加熱プレート50との隙間の大きさを13mmとし、加熱空間42ができるだけ狭く形成されるように調整を行った。
【0060】
比較例では、ガスの燃焼により焼成炉内を加熱しつつ、その内部にコンベアにより被焼成物を搬送する装置によって焼成を行った。加熱源としては、ラインバーナーを用いた。比較例においても、被焼成物として実施例と同じものを用いた。また、比較例においても、搬送方向の下流側ほど加熱温度が低くなるように加熱を行い、その加熱温度の推移はおおむね、実施例と同じとなるようにした。すなわち、比較例においても、焼成の開始から終了までの各時間において、被焼成物がおおむね実施例と同じ加熱温度で加熱される条件とした。
【0061】
そして、実施例と比較例とのそれぞれで得られた焼成製品を比較した結果、味や食感、焼き色などの品質が同程度であることが確認された。すなわち、本発明に係る実施例により、従来の方式であるガスの燃焼により炉内を加熱する方式を用いた比較例と遜色のない、高い品質の焼成製品を得られることが確認された。また、実施例では、比較例よりも、焼成装置を安価に構成することができた。その結果、実施例では、比較例よりも、焼成製品を安価に製造できることも確認された。
【0062】
さらに、比較例では、焼成炉内の空間全体を高温にする必要がある。このため、焼成炉の外壁を断熱構造のものとしても、焼成装置周辺の環境温度が上昇し、作業者の負担になってしまうことがあった。これに対し、実施例の連続焼成装置1では、高温になるのは、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lの加熱プレート50の間の加熱空間42だけ済む。すなわち、焼成炉3内であっても、加熱空間42以外については、それほど高温にはならない。このため、実施例では、装置周辺の環境温度の上昇が抑制される。これにより、実施例では、作業者の作業環境を快適な環境で維持できる。
【0063】
以上、詳細に説明したように、本形態に係る連続焼成装置1は、被焼成物91を搬送方向Xに搬送しつつ加熱することで、被焼成物91の焼成を連続的に行うことができる。連続焼成装置1は、コンベア2、加熱部40を備える。コンベア2は、無端状のベルト21、ベルト21を回転させるモーター25を有する。モーター25は、ベルト21における上側に位置するベルト搬送領域21Cに載置された被焼成物91が、搬送方向Xへと移動するようにベルト21を回転させる。加熱部40は、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lにより構成されている。上側加熱部40Uは、ベルト搬送領域21Cの上方に配置されている。下側加熱部40Lは、ベルト21の下方であって、ベルト21の内周側に配置されている。そして、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lはそれぞれ、ベルト搬送領域21Cと対向して設けられた平板状の加熱プレート50と、加熱プレート50のヒーター面52に設けられたシーズヒーター60とを有する。このような構成であることで、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、シーズヒーター60にて発生させた熱を、加熱プレート50によって均すことができる。つまり、加熱プレート50に極端な温度差が生じることを抑制できる。このため、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lをともに、加熱対象に近づけることができる。よって、被焼成物91を、狭い加熱空間42で、効率よく焼成することができる。さらに、シーズヒーター60から発生した熱が加熱プレート50によって均されているため、被焼成物91の焼成の進行度合いに差が生じてしまうことを抑制できる。すなわち、被焼成物91の焼成不足や焦げを抑制できる。従って、連続焼成装置1は、エネルギーの消費量を抑えつつ品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0064】
また、コンベア2では、ベルト21として、ステンレスシートを用いている。このようにシート状の金属のベルト21を用いることで、ベルト21上に付着した付着物を、容易に除去できる。また、焼成時に被焼成物91から出てくる油分等が、ベルト21の下方に垂れてしまうことを抑制できる。すなわち、下側加熱部40Lに油分が付着してしまうことなどを抑制できる。これにより、焼成製品92を、清潔な環境において、安定した品質で長期にわたって製造することができる。
【0065】
なお、ベルト21としては、線状の金属を網目状に編み込むことなどにより構成されたメッシュベルトを用いることもできる。ベルト21としてメッシュベルトを用いる場合、開口率が低いものを用いることが好ましい。具体的には、ベルト21として用いるメッシュベルトの開口率は、10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%以下である。また、メッシュベルトとしては、ヘリンボーンタイプのものが好ましい。ヘリンボーンタイプは、一般的に、線材同士を線径よりも小さい隙間で密に編み込むことで構成されており、開口率が低くされているからである。このようなメッシュベルトとして、具体的には、例えば、高い引張強度を備える原金網株式会社製のT&Hタイプのメッシュベルトを用いることができる。このようなメッシュベルトをベルト21に用いることで、被焼成物91から脱落したカス(固形物)や油分(液体)がベルト21から落下してしまうことを抑制できるからである。また、メッシュベルトは、シート状の金属製のベルトよりも安価である傾向にある。このため、連続焼成装置1のコスト、焼成製品92に形成する焼き目等を考慮して、ベルト21としてメッシュベルトを採用することもできる。一方で、ベルト21としてシート状の金属を用いた場合、メッシュベルトを用いた場合よりも、ベルト21上の油分や、搬送に伴ってベルト21等のコンベア2の部材が削れることで形成される異物を、ベルト21上から適切に除去しやすい傾向にある。また、ベルト21としてシート状の金属を用いることで、ベルト搬送領域21Cと上側加熱部40Uとの隙間の空間から外部へと熱が逃げることを抑制できる。すなわち、ベルト21としてシート状の金属を用いることで、メッシュベルトを用いた場合よりも、被焼成物91をより効率良く加熱できる傾向にある。よって、これらの観点においては、ベルト21として、シート状の金属のものを用いることが好ましい。
【0066】
また、シーズヒーター60は、線状の発熱体であるとともに、ベルト21の幅方向Yに延びる複数の直線部61と、2つの直線部61の端部同士を接続する屈曲部62とを有する。複数の直線部61は、搬送方向Xに並べて設けられている。そして、屈曲部62は、幅方向Yについて、ベルト搬送領域21Cのうちの被焼成物91が載置される領域よりも外側に位置している。これにより、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、被焼成物91の加熱を、幅方向Yについて均一に行うことができる。本形態とは異なり、加熱温度が幅方向について不均一である場合、幅方向の異なる位置にて焼成された焼成製品ごとに、焼き加減が異なってしまうこととなる。つまり、焼成製品の品質にバラつきが生じてしまうおそれがある。これに対し、本形態に係る連続焼成装置1は、品質の高い焼成製品92を、安定して製造することができる。
【0067】
また、上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、搬送方向Xについて設けられた複数の加熱領域36ごとに、被焼成物91を異なる加熱温度で加熱する。これにより、焼成の開始から終了までの各時間における被焼成物91の加熱温度を、適切に推移させることなどができる。すなわち、例えば、焼成の初期には、高温で加熱することで被焼成物91から除去される水分量を多くし、焼成の後期には、初期よりも低温で加熱することで、被焼成物91の焦げを抑制しつつ、被焼成物91の含水率を微調整することなどができる。よって、品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0068】
また、上側加熱部40Uには、加熱温度が同じ加熱領域36内に、搬送方向Xについて複数の加熱プレート50が設けられており、上側同一温度加熱プレート群50SUが構成されている。そして、上側同一温度加熱プレート群50SUにおける隣り合う2つの加熱プレート50は、少なくとも被焼成物91の加熱時には、端部同士にて互いに接触した接触状態をとる。また、下側加熱部40Lについても同様に、加熱温度が同じ加熱領域36内に、複数の加熱プレート50よりなる下側同一温度加熱プレート群50SLを有している。さらに、下側同一温度加熱プレート群50SLにおける隣り合う2つの加熱プレート50は、少なくとも被焼成物91の加熱時には、端部同士にて互いに接触した接触状態をとる。これにより、加熱温度が同じ加熱領域36内における上側加熱部40Uおよび下側加熱部40Lは、加熱プレート50が複数ある場合、その境目においても、加熱温度が低下してしまうことを抑制できる。本形態とは異なり、搬送方向Xについて、実際の加熱温度が目標温度よりも低い搬送位置がある場合、その位置での被焼成物の焼成が進まず、焼成炉の全長を長くすること等が必要となってしまう。しかし、焼成炉を大型にするほど、焼成に要するエネルギーも多くなってしまう傾向にある。これに対し、本形態に係る連続焼成装置1では、エネルギーの消費量を抑えつつ、品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0069】
また、連続焼成装置1では、例えば、加熱領域36A内であって加熱領域36B側の端に位置する加熱プレート50と、加熱領域36B内であって加熱領域36A側の端に位置する加熱プレート50とは、互いの間に隙間Sが設けられた非接触状態をとる。他の隣り合う加熱領域36についても同様である。すなわち、隣り合う加熱領域36に位置する加熱プレート50同士が、少なくとも被焼成物91の加熱時には、非接触状態をとるようにされている。これにより、加熱プレート50の温度が、他の加熱領域36の加熱温度の影響を受けて変化してしまうことが抑制できる。よって、各加熱領域36ごとについて予め定めた正確な加熱温度で、被焼成物91を加熱することができる。よって、品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0070】
<第2実施形態>
次に、上記の第1実施形態とは異なる第2実施形態について説明する。本形態においても、連続焼成装置の構成はおおむね、上記の実施形態と同様である。本形態の連続焼成装置では、複数ある加熱プレートの端部における構成が、上記の実施形態と異なる。
【0071】
図6は、本形態に係る連続焼成装置10の上側加熱部140Uおよび下側加熱部140Lを示す図である。図6には、同じ加熱領域36内における上側加熱部140Uおよび下側加熱部140Lの構成を示している。図6に示すように、本形態の上側加熱部140Uおよび下側加熱部140Lについても、ひとつの加熱領域36内に、それぞれ複数の加熱器41を有している。本形態の加熱器41についても、上記の実施形態と同じシーズヒーター60を有している。また、複数の加熱器41により構成される上側加熱部140Uは、複数の加熱プレート150よりなる上側同一温度加熱プレート群150SUを有している。また、複数の加熱器41により構成される下側加熱部140Lは、複数の加熱プレート150よりなる下側同一温度加熱プレート群150SLを有している。
【0072】
本形態においても、上記の実施形態と同様に、上側同一温度加熱プレート群150SUの隣り合う加熱プレート150は、焼成時には、その搬送方向Xの端部同士において互いに接触した接触状態をとる。ただし、本形態の加熱プレート150は、上側同一温度加熱プレート群150SUの隣り合う加熱プレート150と接触する端部形状が異なる。
【0073】
具体的には、上側同一温度加熱プレート群150SUにて隣り合う加熱プレート150が存在する加熱プレート150の端部の側面は、隣り合う加熱プレート150の側面とともに、互いに対応した向きの傾斜面とされている。図6における右側の加熱プレート150の左側の側面は、上側ほど左側へと突出した傾斜面である。左側の加熱プレート150の右側の側面は、下側ほど右側へと突出した傾斜面である。
【0074】
よって、右側の加熱プレート150の左側の端部は、熱膨張に伴い搬送方向Xにおける長さが長くなった際に、左側の加熱プレート150の右側の端部の傾斜面に沿って上側に反った形状となる。左側の加熱プレート150の右側の端部は、熱膨張に伴い搬送方向Xにおける長さが長くなった際に、右側の加熱プレート150の左側の端部の傾斜面に沿って上側に反った形状となる。これにより、上側同一温度加熱プレート群150SUにて隣り合う2つの加熱プレート150が、熱膨張時に圧縮応力によって損傷してしまうことなどを防止できる。よって、上側同一温度加熱プレート群150SUにて隣り合う2つの加熱プレート150を、被焼成物91の加熱時に熱膨張による損傷等を抑制しつつ、接触させることができる。
【0075】
なお、加熱プレート150の端部形状は、図6に示す形状に限られるものではない。つまり、加熱プレート150の端部形状は、搬送方向Xについて熱膨張し、上側同一温度加熱プレート群150SUにおける隣り合う加熱プレート150と接触した際に、搬送方向Xとは異なる方向に変形できる形状であればよい。すなわち、加熱プレート150の端部は、被焼成物91の加熱時には、上側同一温度加熱プレート群150SUにおける隣り合う加熱プレート150と接触することで、常温時よりも、搬送方向Xと交差する方向に移動する形状であればよい。下側同一温度加熱プレート群150SLについても同様である。
【0076】
図7は、本形態に係る連続焼成装置10の加熱領域36の境目における上側加熱部140Uおよび下側加熱部140Lを示す図である。図7は、隣り合う加熱領域36の境目の例として、加熱領域36Aと、加熱領域36Bとの境目を示している。他の隣合う加熱領域36の境目についても同様である。連続焼成装置10においても、隣り合う加熱領域36同士では、被焼成物91の加熱温度が異なる。図7には、加熱領域36Aに設けられ、加熱領域36B側の端に位置する加熱器41と、加熱領域36Bに設けられ、加熱領域36A側の端に位置する加熱器41とを示している。
【0077】
図7に示すように、加熱領域36Aの上側加熱部140Uの加熱プレート150と、加熱領域36Bの上側加熱部140Uの加熱プレート150とは、直接接触しておらず、これらの間には隙間Sが設けられている。そして、その隙間Sには、断熱材170が挟み込まれている。断熱材170は、例えば、隣の2つの加熱プレート150のうちのどちらかに固定されている。
【0078】
断熱材170は、加熱プレート150よりも熱伝導率が低い材質のものである。具体的には、例えば、断熱材170の材質として、耐熱温度がシーズヒーター60の発熱温度以上のものが好ましい。具体的には、例えば、断熱材170として、耐熱温度が400℃以上のフェノール樹脂系の発泡断熱材、アルミナファイバー、グラスファイバーなどのセラミックス系の繊維状の断熱材などを用いることができる。下側加熱部140Lについても同様、隣り合う加熱領域36の加熱プレート150の隙間Sには、断熱材170が挟み込まれている。
【0079】
これにより、連続焼成装置1は、隣り合う2つの加熱領域36の加熱プレート150がそれぞれ、他方の温度による影響を受けにくい構成とされている。このため、上側加熱部140Uおよび下側加熱部140Lは、それぞれの加熱領域36について予め定められた正確な温度で、被焼成物91を加熱することができる。よって、連続焼成装置1は、品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0080】
以上、詳細に説明したように、本形態に係る連続焼成装置10でも、上側加熱部140Uおよび下側加熱部140Lは、搬送方向Xについて設けられた複数の加熱領域36ごとに、被焼成物91を異なる加熱温度で加熱する。そして、例えば、加熱領域36A内であって加熱領域36B側の端に位置する加熱プレート150と、加熱領域36B内であって加熱領域36A側の端に位置する加熱プレート150との間には、断熱材170が挟み込まれている。他の隣り合う加熱領域36についても同様である。これにより、加熱プレート150の温度が、他の加熱領域36の加熱温度の影響を受けて変化してしまうことが抑制できる。よって、各加熱領域36ごとについて予め定めた正確な加熱温度で、被焼成物91を加熱することができる。よって、品質の高い焼成製品92を製造できる。
【0081】
さらに、連続焼成装置10でも、上側加熱部140Uには、加熱温度が同じ加熱領域36内に、搬送方向Xについて複数の加熱プレート150が設けられており、上側同一温度加熱プレート群150SUが構成されている。そして、加熱プレート150の端部は、被焼成物91の加熱時には、上側同一温度加熱プレート群150SUにおける隣り合う加熱プレート150と接触することで、常温時よりも、搬送方向Xと交差する方向に移動する形状である。上側同一温度加熱プレート群150SUにて隣り合う2つの加熱プレート150が、熱膨張時に圧縮応力によって損傷してしまうことなどを防止できる。よって、上側同一温度加熱プレート群150SUにて隣り合う2つの加熱プレート150を、被焼成物91の加熱時に熱膨張による損傷等を抑制しつつ、接触させることができる。下側同一温度加熱プレート群150SLについても同様である。
【0082】
またこのように、連続焼成装置10では、加熱プレート150の搬送方向Xについての熱膨張を、上側同一温度加熱プレート群150SUにおいて隣り合う2つの加熱プレート150の境目にて吸収することができる。よって、加熱プレート150の熱膨張により、隣り合う2つの加熱領域36の境目に存在する加熱プレート150の隙間Sが狭くなることを抑制できる。下側同一温度加熱プレート群150SLについても同様である。つまり、熱膨張した加熱プレート150により、断熱材170が圧縮される向きの力を受けてしまうことを抑制できる。従って、加熱プレート150の熱膨張による断熱材170の損傷等についても抑制できる。
【0083】
<変形例>
上記の実施形態は、異なる実施形態の一部を組み合わせることもできる。例えば、第1実施形態の連続焼成装置に、第2実施形態の一部を組み合わせることができる。具体的には、第2実施形態では、同一温度加熱プレート群において隣り合う2つの加熱プレートの境目にて加熱プレートの熱膨張を吸収できる構造について説明した。このような構造を、第1実施形態の連続焼成装置に適用してもよい。また、第2実施形態では、隣り合う2つの加熱領域のそれぞれ境目に位置する加熱プレートの隙間に、断熱材を設ける構成について説明した。このような構造を、第1実施形態の連続焼成装置に適用してもよい。
【0084】
また上記の実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。例えば、上記の実施形態では、焼成製品の例として、ビスケットやクッキーを挙げて説明した。しかし、例えば、その他の焼成製品を製造することとしてもよい。ただし、上記の実施形態で説明した構成全体としては、小麦を主原料とし、油脂を含む洋菓子の製造に特に適した構成である。
【0085】
また上記の実施形態では、加熱部は、搬送方向について、被焼成物の加熱温度が異なる7つの加熱領域を備えることとして説明した。しかし、加熱温度が異なる加熱領域の数は、7つに限られるものではない。また例えば、隣り合う2つの加熱領域の加熱温度が異なっていればよく、複数ある加熱領域の中に、同じ加熱温度の加熱領域を設けることとしてもよい。
【0086】
また上記の実施形態では、上側加熱部および下側加熱部の加熱源としてのヒーターに、シーズヒーターを採用した例について説明した。しかし、例えば、他の種類のヒーターを使用することとしてもよい。また例えば、シーズヒーターの経路は、図4に示すようなパターンに限られるものではない。例えば、直線部61として説明した部分は、幅方向Yに延びつつ、搬送方向Xに蛇行しているような形状であってもよい。
【0087】
また上記の実施形態では、小麦を主原料とし、油脂を含むビスケットやクッキー等の洋菓子を焼成対象とした連続焼成装置1について具体的に説明した。しかし、連続焼成装置1のような構成の連続焼成装置は、上記実施形態に係る洋菓子の他、茶の火入れ、ゴマまたは珈琲の焙煎、ナッツ類(例えば、アーモンド、カシューナッツ、落花生など)のロースト等にも用いることができる。このような場合、焼成対象に応じて連続焼成装置の加熱温度等を定めることとすればよい。
【符号の説明】
【0088】
1、10 連続焼成装置
2 コンベア
21 ベルト
21C ベルト搬送領域
25 モーター
36 加熱領域
40 加熱部
40U、140U 上側加熱部
40L、140L 下側加熱部
50、150 加熱プレート
50SU、150SU 上側同一温度加熱プレート群
50SL、150SL 下側同一温度加熱プレート群
60 シーズヒーター
61 直線部
62 屈曲部
91 被焼成物
92 焼成製品
170 断熱材
S 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7