(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166273
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ラベル帳票
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20231114BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20231114BHJP
B31D 1/02 20060101ALI20231114BHJP
G09F 3/10 20060101ALN20231114BHJP
【FI】
G09F3/00 P
G09F3/00 D
G09F3/02 C
G09F3/02 Q
B31D1/02 A
G09F3/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077206
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】西澤 文子
(72)【発明者】
【氏名】高取 奨
(72)【発明者】
【氏名】垣ヶ原 円美
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075BA83
3E075CA01
3E075CA02
3E075DB12
3E075DB22
3E075DD02
3E075GA04
(57)【要約】
【課題】従来構成に比べて取扱いが容易なラベル帳票を提供する。
【解決手段】台紙3上に、二片のラベル片5,6が剥離可能に貼着され、台紙3上で、二片のラベル片5,6を貼り合わせて、二片のラベル片5,6を貼り合せた状態で、台紙3から剥離するよう構成されたラベル帳票1にあって、台紙3に、第一担持部13と、第二担持部14と、貼り合せ部11とを、折り線12,15を介して連成し、一方のラベル片5を、第一担持部13の表面の剥離剤層8の上に貼着し、他方のラベル片6を、第二担持部の表面の剥離剤層8の上に貼着する。さらに、貼り合せ部11の表面に、両ラベル片5,6より大きい剥離剤層8を形成し、該剥離剤層8の上にシート4を剥離可能に貼着する。そして、シート4を剥離した後に、二片のラベル片5,6を貼り合せ部11の上で貼り合わせて、貼り合せた状態で貼り合せ部11から剥離し得るよう構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙上に、二片のラベル片が剥離可能に貼着され、
前記台紙上で、二片の前記ラベル片を貼り合わせて、二片の前記ラベル片を貼り合せた状態で、前記台紙から剥離するよう構成されたラベル帳票であって、
前記台紙には、第一担持部と、第二担持部と、貼り合せ部とが、折り線を介して連成されており、
前記第一担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に一方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、
前記第二担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に他方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、
前記貼り合せ部の表面には、いずれの前記ラベル片よりも大きい剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上にシートが剥離可能に貼着されており、
前記シートを前記貼り合せ部から剥離した後に、前記第一担持部から剥離した前記ラベル片と、前記第二担持部から剥離した前記ラベル片とを、前記貼り合せ部上で貼り合わせて、二片の前記ラベル片を貼り合せた状態で、前記貼り合せ部から剥離可能に構成されていることを特徴とするラベル帳票。
【請求項2】
台紙上に、二片のラベル片が剥離可能に貼着され、
前記台紙上で二片の前記ラベル片を貼り合わせて、貼り合せた二片の前記ラベル片を、前記台紙から剥離するよう構成されたラベル帳票であって、
前記台紙には、第一担持部と第二担持部とが折り線を介して連成されており、
前記第一担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に一方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、
前記第二担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に他方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、
一方の前記ラベル片は、他方の前記ラベル片よりも小さく、
前記第一担持部の剥離剤層は、前記他方のラベル片よりも大きく形成され、
前記第一担持部の剥離剤層には、前記一方のラベル片の貼着部位の周囲に、枠状のシートが剥離可能に貼着されており、
前記シートを前記第一担持部から剥離した後に、前記第一担持部の前記一方のラベル片の上に前記他方のラベル片を貼り合わせて、貼り合せた二片の前記ラベル片を、前記第一担持部から剥離可能に構成されていることを特徴とするラベル帳票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二片のラベル片を貼り合わせてラミネートラベルを作成するためのラベル帳票に関する。
【背景技術】
【0002】
台紙上に剥離可能に貼着された二片のラベル片を備え、ラベル片に所要情報を印字した後に、台紙を折り線でZ状に折り畳むことによって、二片のラベル片を貼り合せたラミネートラベルを作成可能なラベル帳票が知られている。かかるラベル帳票の多くは、台紙上の、一方のラベル片が貼着された部位に、他方のラベル片を上から直接貼り合わせてラミネートラベルを作成するよう構成される(特許文献1~4参照)。また、台紙上の、ラベル片が貼着されていない部位に、二片のラベル片を順番に貼り合わせてラミネートラベルを作成するものも提案されている(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3686351号公報
【特許文献2】特許4374214号公報
【特許文献3】特許6139245号公報
【特許文献4】特許6860876号公報
【特許文献5】特開2021-179508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献5のラベル帳票では、ラミネートラベルを台紙から剥離し得るように、二片のラベル片を貼り合わせる部位に剥離剤層が形成されている。しかしながら、貼り合わせる部位の剥離剤層が汚損していると、ラミネートラベルを台紙から剥離し難くなり、ラミネートラベルの剥離に手間取ったり、剥離の際にラミネートラベルや台紙が破損するおそれがある。また、剥離剤層に付着した汚れがラミネートラベルの粘着剤に付着することにより、ラミネートラベルの粘着力が低下するおそれがある。さらには、ラミネートラベルの構成によっては、粘着剤に付着した汚れによって、ラベルの美観が損なわれるおそれもある。
【0005】
また、特許文献1~4のように、一方のラベル片が貼着された部位に、他方のラベル片を上から直接貼り合わせる構成にあっても、小さいラベル片の上に大きいラベル片を貼り合わせる場合には、大きいラベル片が、小さいラベル片の周囲で台紙の剥離剤層に貼着されるため、小さいラベル片の周囲の剥離剤層が汚損していると、上述のように、ラミネートラベルの剥離に手間取ったり、剥離の際にラミネートラベルや台紙が破損するおそれがある。また、剥離剤層に付着した汚れによって、ラミネートラベルの粘着力が低下したり、美観が損なわれたりするおそれもある。
【0006】
このように、上記従来のラベル帳票では、ラベル片を貼り合わせる部位の剥離剤層が汚損していると、種々の不具合が生じるため、剥離剤層が汚損しないよう、比較的厳格な取扱いが要求される。本発明は、かかる現状に鑑みて為されたものであり、従来構成に比べて取扱いが容易なラベル帳票の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、台紙上に、二片のラベル片が剥離可能に貼着され、前記台紙上で、二片の前記ラベル片を貼り合わせて、二片の前記ラベル片を貼り合せた状態で、前記台紙から剥離するよう構成されたラベル帳票であって、前記台紙には、第一担持部と、第二担持部と、貼り合せ部とが、折り線を介して連成されており、前記第一担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に一方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、前記第二担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に他方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、前記貼り合せ部の表面には、いずれの前記ラベル片よりも大きい剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上にシートが剥離可能に貼着されており、前記シートを前記貼り合せ部から剥離した後に、前記第一担持部から剥離した前記ラベル片と、前記第二担持部から剥離した前記ラベル片とを、前記貼り合せ部上で貼り合わせて、二片の前記ラベル片を貼り合せた状態で、前記貼り合せ部から剥離可能に構成されていることを特徴とするラベル帳票である。
【0008】
かかる構成によれば、ラベル片を貼り合わせるまで、シートによって貼り合せ部の汚損が防止されるため、貼り合せ部の汚損によって、ラミネートラベルを剥がし難くなったり、ラミネートラベルの貼着力が低下したりすることがない。
【0009】
本発明の別の態様として、台紙上に、二片のラベル片が剥離可能に貼着され、前記台紙上で二片の前記ラベル片を貼り合わせて、貼り合せた二片の前記ラベル片を、前記台紙から剥離するよう構成されたラベル帳票であって、前記台紙には、第一担持部と第二担持部とが折り線を介して連成されており、前記第一担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に一方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、前記第二担持部の表面には剥離剤層が形成され、該剥離剤層の上に他方の前記ラベル片が剥離可能に貼着されており、一方の前記ラベル片は、他方の前記ラベル片よりも小さく、前記第一担持部の剥離剤層は、前記他方のラベル片よりも大きく形成され、前記第一担持部の剥離剤層には、前記一方のラベル片の貼着部位の周囲に、枠状のシートが剥離可能に貼着されており、前記シートを前記第一担持部から剥離した後に、前記第一担持部の前記一方のラベル片の上に前記他方のラベル片を貼り合わせて、貼り合せた二片の前記ラベル片を、前記第一担持部から剥離可能に構成されていることを特徴とするラベル帳票である。
【0010】
かかる構成にあっても、ラベル片を貼り合わせるまで、シートによって第一ラベル片の周囲の汚損が防止されるため、第一ラベル片の上に第二ラベル片を積層してなるラミネートラベルが、台紙から剥がし難くなったり、貼着力が低下したりすることがない。
【発明の効果】
【0011】
以上に述べたように、本発明のラベル帳票によれば、二片のラベル片を貼り合わせる部分が汚損し難いため、従来構成に比べて、取扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】内貼用の印字を施したラベル帳票1の表面図である。
【
図4】内貼用ラミネートラベルA作成時の操作手順を示すラベル帳票1の概略側面図である。
【
図5】内貼用ラミネートラベルAが完成した状態のラベル帳票1の表面図である。
【
図6】外貼用の印字を施したラベル帳票1の表面図である。
【
図7】外貼用ラミネートラベルB作成時の操作手順を示すラベル帳票1の概略側面図である。
【
図8】外貼用ラミネートラベルBが完成した状態のラベル帳票1の表面図である。
【
図11】ラミネートラベル作成時の操作手順を示すラベル帳票1aの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。なお、以下の実施例において、本発明に係るシートは保護シート4,4aに相当する。また、本発明に係る一方のラベル片は第一ラベル片5に相当し、本発明に係る他方のラベル片は第二ラベル片6に相当する。
【実施例0014】
図1,2に示すように、本実施例のラベル帳票1には、上下に長尺な矩形状の台紙3の表面に、保護シート4と二片のラベル片5,6が貼着される。台紙3は、台紙本体7と剥離剤層8とによって構成される。剥離剤層8は、台紙本体7の表面全体に、シリコン等からなる剥離剤を塗工することによって形成される。台紙本体7の素材には、適宜の耐屈撓性を有する上質紙、合成紙等が用いられる。
【0015】
二片のラベル片5,6は、台紙3の上部と下部に夫々貼着される。台紙3の上部に貼着される第一ラベル片5は透明である。台紙3の下部に貼着される第二ラベル片6は不透明であり、その両面には地紋27が印刷されている。第一ラベル片5と第二ラベル片6は、いずれも正方形状をなしており、第一ラベル片5は、第二ラベル片6よりも一回り小さくなっている。
【0016】
台紙3の表面には、
図1に示すように、「第1シール」、「第2シール」、「貼り合せ部」、「山折りA」、「山折りB」、「谷折りA」、「谷折りB」などの事前印刷情報10や、後述する指標28,29が印刷されている。なお、事前印刷情報10は、剥離剤層8の塗工前に台紙本体7に印刷される。事前印刷情報10の上に形成される剥離剤層8は透明であるため、事前印刷情報10の視認性が剥離剤層8によって損なわれることはない。また、台紙3には、長手方向を略三等分する位置に、台紙3を短手方向に横断するように、谷折り可能な第一折り線12と第二折り線15が夫々形成される。そして、保護シート4が貼着される中央の貼り合せ部11と、第一ラベル片5が貼着される上側の第一担持部13と、第二ラベル片6が貼着される下側の第二担持部14が連成される。また、第一担持部13の所定位置には、山折り可能な第三折り線16が、第一折り線12及び第二折り線15と平行に形成される。そして、第三折り線16と第一折り線12間に位置する部分を第一折込片部17としている。同様に、第二担持部14の所定位置にも、山折り可能な第四折り線18が、第一折り線12及び第二折り線15と平行に形成される。そして、第四折り線18と第二折り線15間に位置する部分を第二折込片部19としている。かかる第一折り線12、第二折り線15、第三折り線16、及び第四折り線18は、全てミシン目によって形成されるものであり、後述するように折り線12,15,16,18で台紙3をZ状に折り畳む時に、その折り畳み作業を容易に行い得るようになっている。
【0017】
図1,2に示すように、第一ラベル片5は、第一担持部13の略中央位置に、第三折り線16を跨ぐ状態で、剥離可能に貼着される。第一ラベル片5は、透明な第一基材20の裏面に、透明な粘着剤層21を形成してなるものである。第一基材20は、表面に印字可能な材料からなるものであり、PET樹脂などの平滑度の高い透明合成樹脂フィルムが好適に用いられ得る。また、この透明な第一ラベル片5には紫外線吸収加工が施されている。紫外線吸収加工は、第一基材20や粘着剤層21に紫外線吸収剤を混入することにより施され得る。なお、第一ラベル片5は、無色透明なものに限らず、材質を通して裏面側を透視可能な程度で着色することができる。また、第一基材20は複数のシートを積層したラミネート構造であってもよい。
【0018】
一方、
図1,2に示すように、第二ラベル片6は、第二担持部14の略中央位置に、第四折り線18を跨ぐ状態で、剥離可能に貼着される。上述のように、第二ラベル片6は、第一ラベル片5に比べて縦横の寸法がともに大きい正方形状をなしており、貼り合せ部11を挟んで第一ラベル片5と対向する位置に配置される。第二ラベル片6は、不透明な第二基材23の裏面に、透明な粘着剤層24を形成してなるものである。第二基材23は、合成紙やコート紙、上質紙などの印字可能な材料からなるものであり、その両面には地紋27が事前印刷される。地紋27は、第一ラベル片5や第二ラベル片6に印字される所要情報32(
図3参照)の視認性を阻害しない程度の色及び濃度とすることが好ましく、また、その印刷態様として網点印刷が望ましい。このように、第二ラベル片6に地紋27を事前印刷しておくことにより、ラミネートラベルの偽造を困難とし、その美観を向上させることができる。なお、この第二ラベル片6は、完全に光を遮断するものに限らず、材質を通して裏面側を透視できない程度に不透明であればよい。また、第二基材23は、複数のシートを積層したラミネート構造であってもよい。具体的には、粘着剤層を介して、不透明な紙基材の上に、透明シートを積層したものなどが提案される。
【0019】
図1,2に示すように、貼り合せ部11には、略中央位置に保護シート4が剥離可能に貼着される。保護シート4は、第二ラベル片6よりも縦横の寸法がともに大きい正方形状をなしている。第一ラベル片5は、第一折り線12を挟んで保護シート4と対向する位置に配置され、また、第二ラベル片6は、第二折り線15を挟んで保護シート4と対向する位置に配置される。保護シート4は、不透明な第三基材25の裏面に粘着剤層26を形成してなるものである。第三基材25は、合成紙やコート紙、上質紙などの印字可能な材料によって構成され得る。保護シート4は、不透明なものに限られず、透明であってもよい。また、第三基材25は、複数のシートを積層したラミネート構造であってもよい。
【0020】
本実施例では、保護シート4と第一ラベル片5と第二ラベル片6の厚みが略同じとなるように、第一基材20と第二基材23と第三基材25の厚みが設定され、これにより、保護シート4の貼着部分と、第一ラベル片5の貼着部分と、第二ラベル片6の貼着部分とで、ラベル帳票1の厚みの実測値が略同じになるよう調整している。このようにすれば、ラベル帳票1を大きく傾かせることなく積み上げることができ、また、保護シート4と、第一ラベル片5と、第二ラベル片6の印字不良も低減できる。
【0021】
第三折り線16と第四折り線18は、第一折り線12又は第二折り線15を対称軸として、貼り合せ部11の中心と略対称位置に形成され、かつ、第一ラベル片5と第二ラベル片6は、夫々の中心が第三折り線16又は第四折り線18と重なるように貼着されていることが好ましい。かかる構成であれば、台紙3をZ状に折り畳んだ時に、第一ラベル片5と第二ラベル片6を貼り合せ部11の中央で容易に重ね合わせることができ、後述する内貼用ラミネートラベルAや外貼用ラミネートラベルBを作成する際に、位置ずれや皺を生じることなく、第一ラベル片5と第二ラベル片6とを貼り合わせることが可能となる。
【0022】
また、
図1に示すように、貼り合せ部11には、台紙3の表面に、第一ラベル片5と第二ラベル片6の貼着位置を示す指標28,29が事前印刷される。かかる指標28,29は、第一ラベル片5と第二ラベル片6の貼着位置の四隅を夫々示すL形指標であり、第一ラベル片5や第二ラベル片6を貼り合せ部11に貼着する際に、各L形指標に四隅を一致させるように第一ラベル片5や第二ラベル片6を貼着することにより、正確に位置合わせできる。
【0023】
一方、第二ラベル片6の表面にも、第一ラベル片5の貼着位置を示す指標30が事前印刷される。この指標30は、貼り合せ部11の指標28と同様に、第一ラベル片5の貼着位置の四隅を夫々示すL形指標である。第一ラベル片5よりも先に第二ラベル片6を貼り合せ部11に貼着する場合には、貼り合せ部11の指標28が視認できなくなるが、第二ラベル片6の指標30を目印に第一ラベル片5を第二ラベル片6に積層することにより、正確に位置合わせできる。
【0024】
次に、かかるラベル帳票1を用いたラミネートラベルの作成方法について説明する。ラベル帳票1は、
図1に示すように、単票形式でラミネートラベルの発行元(官公庁,大学或いは企業等)に納品される。ラミネートラベルの発行元では、納品されたラベル帳票1を用いて、内貼用と外貼用のラミネートラベルの二種類を選択的に作成できる。
【0025】
ラベル帳票1を用いて内貼用ラミネートラベルを作成する場合には、透明な第一ラベル片5に、パソコン等のコンピュータで出力制御されるプリンタを用いて、
図3に示すように、営業許可証、入校許可証、駐車許可証、入場許可証等としての所要情報32を裏向きに印字する。所要情報32の裏向きの印字は、第二ラベル片6で被覆されるため、所要情報32の印字面を保護し、かつ、その表示情報の改ざんを防止することができる。また、
図3に示すように、必要に応じて第二ラベル片6の表面にも、ラミネートラベルの使用上の注意事項等の情報33を表向きで印字してもよい。また、
図3に示すように、所要情報32の一部又は全部を、保護シート4の表面に控え情報34として印字して、剥がし取った保護シート4を、ラミネートラベルの控えとして利用してもよい。ここで、所要情報32や情報33、控え情報34の印字には、熱転写プリンタやインクジェットプリンタ、レーザプリンタなど、公知のプリンタを用いることができる。
【0026】
上記のようにプリンタで印字を施したラベル帳票1は、
図4(A)に示すように、貼り合せ部11から保護シート4を剥がし取り、続いて、
図4(B)に示すように、第一折込片部17から第一ラベル片5の前端部分を剥離するとともに、台紙3を第一折り線12で谷折りにし、第三折り線16で山折りにしてZ状に折り畳むと、第一折込片部17から剥離した第一ラベル片5の前端部分が前方に延出する。そして、この状態で、第一ラベル片5の前端部分を貼り合せ部11に剥離可能に貼着し、次いで第一ラベル片5の残りの部分を第一担持部13から剥離して、第一ラベル片5の全体を貼り合せ部11に剥離可能に貼着する。ここで、貼り合せ部11には、第一ラベル片5の貼着位置を示す指標28(
図3参照)が表示されているため、第一ラベル片5を、貼り合せ部11の中央に容易に位置合わせできる。
【0027】
その後、
図4(C)に示すように、第二折込片部19から第二ラベル片6の前端部分を剥離するとともに、台紙3を第二折り線15で谷折りにし、第四折り線18で山折りにしてZ状に折り畳むと、第一折込片部17から剥離した第二ラベル片6の前端部分が前方に延出する。そして、この状態で、第二ラベル片6の前端部分を裏面の粘着剤層24の接着力を介して第一ラベル片5に剥離困難に積層し、次いで第二ラベル片6の残りの部分を第二担持部14から剥離して、粘着剤層24を介して第一ラベル片5に剥離困難に積層する。ここで、貼り合せ部11には、第二ラベル片6の貼着位置を示す指標29(
図3参照)が表示されているため、第一ラベル片5と第二ラベル片6の中央位置を略一致させる位置合わせを容易に行うことができる。そして、かかる手順により、
図5に示すように、貼り合せ部11の上に内貼用ラミネートラベルAが作成される。
【0028】
上記のように作成された内貼用ラミネートラベルAは、
図5に示すように、保護シート4の剥離剤層8の上に、第一ラベル片5の粘着剤層21及び第二ラベル片6の外周部分の粘着剤層24を介して剥離可能に貼着された状態であるため、貼り合せ部11から簡単に剥離できる。そして、かかる内貼用ラミネートラベルAを貼り合せ部11から剥離して粘着剤層21を介して透明なウインドウガラス等の内側に貼着することにより、第一ラベル片5に印字された裏向きの所要情報32(
図3参照)を、ウインドウガラス等の外側から表向きで視認し得るものとなる。この時、不透明な第二ラベル片6によって裏面側への光の透過が遮断されることにより、所要情報32の視認性が高められる。
【0029】
一方、ラベル帳票1によって外貼用ラミネートラベルを作成する場合には、第二ラベル片6に、パソコン等のコンピュータで出力制御されるプリンタを用いて、
図6に示すように、営業許可証、入校許可証、駐車許可証、入場許可証等としての所要情報32を表向きに印字する。また、必要に応じて、
図6に示すように、所要情報32の一部又は全部を、保護シート4の表面に控え情報34として印字して、剥がし取った保護シート4を控えとして利用してもよい。ここで、所要情報32や控え情報34の印字には、熱転写プリンタやインクジェットプリンタ、レーザプリンタなど、公知のプリンタを用いることができる。
【0030】
上記のようにプリンタで印字を施したラベル帳票1は、
図7に示すように、内貼用ラミネートラベルAの作成時とは逆の手順で二片のラベル片5,6を折り重ねる。具体的には、
図7(A)に示すように、貼り合せ部11から保護シート4を剥がし取り、続いて、
図7(B)に示すように、第二折込片部19から第二ラベル片6の前端部分を剥離するとともに、台紙3を第二折り線15で谷折りにし、第四折り線18で山折りにしてZ状に折り畳むと、第二折込片部19から剥離した第二ラベル片6の前端部分が前方に延出する。そして、この状態で、第二ラベル片6の前端部分を貼り合せ部11に剥離可能に貼着し、次いで第二ラベル片6の残りの部分を第二担持部14から剥離して、第二ラベル片6の全体を貼り合せ部11に剥離可能に貼着する。ここで、貼り合せ部11には、第二ラベル片6の貼着位置を示す指標29(
図3参照)が表示されているため、第二ラベル片6を、貼り合せ部11の中央に容易に位置合わせできる。
【0031】
その後、
図7(C)に示すように、第一折込片部17から第一ラベル片5の前端部分を剥離するとともに、台紙3を第一折り線12で谷折りにし、第三折り線16で山折りにしてZ状に折り畳むと、第一折込片部17から剥離した第一ラベル片5の前端部分が前方に延出する。そして、この状態で、第一ラベル片5の前端部分を裏面の粘着剤層21の接着力を介して第二ラベル片6に剥離困難に積層し、次いで第一ラベル片5の残りの部分を第一担持部13から剥離して、粘着剤層21を介して第二ラベル片6に剥離困難に積層する。ここで、第二ラベル片6の表面には、第一ラベル片5の貼着位置を示す指標30(
図3参照)が表示されているため、第一ラベル片5と第二ラベル片6の中央位置を略一致させる位置合わせを容易に行うことができる。そして、かかる手順により、
図8に示すように、貼り合せ部11の上に外貼用ラミネートラベルBが作成される。
【0032】
上記のように作成された外貼用ラミネートラベルBは、貼り合せ部11の剥離剤層8の上に、第二ラベル片6の粘着剤層24を介して剥離可能に貼着された状態であるため、貼り合せ部11から簡単に剥離できる。そして、かかる外貼用ラミネートラベルBを貼り合せ部11から剥離して粘着剤層24を介して車体等の外表面に貼着することにより、第一ラベル片5に印字された表向きの所要情報32(
図6参照)を、車体等の外側から表向きで視認し得るものとなる。
【0033】
以下に、本発明の要部に係る構成について詳述する。
上述のように本実施例のラベル帳票1は、貼り合せ部11の剥離剤層8に保護シート4が貼着される。そして、ラミネートラベルA,Bの作成時に、保護シート4を剥離してから、貼り合せ部11の剥離剤層8の上で、二片のラベル片5,6を貼り合わせるよう構成される。かかる構成によれば、ラベル片5,6を貼り合わせる直前まで、貼り合わせる部位の剥離剤層8の汚損を、保護シート4によって防止できる。
【0034】
ラベル片5,6を貼り合わせる部位の剥離剤層8が汚損していると、ラミネートラベルA,Bを台紙3から剥離し難くなり、ラミネートラベルA,Bの剥離に手間取ったり、剥離の際にラミネートラベルA,Bや台紙3が破損するおそれがある。また、剥離剤層8に付着した汚れがラミネートラベルA,Bの粘着剤に付着することにより、ラミネートラベルA,Bの粘着力が低下するおそれがある。また、内貼用ラミネートラベルAは、粘着剤層21を透して所要情報32を視認するため、粘着剤層21に付着した汚れによって、内貼用ラミネートラベルAの美観が損なわれるおそれもある。
【0035】
このように、ラミネートラベルA,Bの作成時に、ラベル片5,6を貼り合わせる部位の剥離剤層8が汚損していると種々の不具合が生じることとなるが、本実施例では、ラベル片5,6を貼り合わせる部位の剥離剤層8が汚損し難いため、従来構成ほど注意して取り扱わなくても不具合は生じない。このため、本実施例のラベル帳票1は、従来構成に比べて、容易に取り扱うことができる。
【0036】
また、本実施例では、保護シート4を剥離剤層8に貼着することにより、当該部位の剥離剤層8が、熱によって劣化するのも防止できる。例えば、レーザープリンタでラベル片5,6に所要情報32を印字する場合には、トナーを定着させるためにラベル帳票1が加熱される。この時、剥離剤層8が剥き出しになっている部分は、加熱により剥離剤層8が変質して劣化し易いが、保護シート4で覆われた部分は温度が上昇し難いため、加熱時の劣化を防止できる。すなわち、本実施例のラベル帳票1は、レーザープリンタによって所要情報32を好適に印字できるという利点がある。
【0037】
また、本実施例では、保護シート4の表面に印字可能であるため、上記のように控え情報34を印字して、保護シート4をラベル帳票1の控えとして利用できるという利点がある。
【0038】
本実施例のラベル帳票1は、例えば、以下の工程により製造可能である。なお、(1)~(5)の工程は、公知技術を用いて行うことができるため詳細な説明は省略する。
(1)事前情報印刷
台紙本体7に事前印刷情報10や指標28~30を印刷する。
(2)剥離剤層形成
台紙本体7の表面全体に剥離剤を塗工して剥離剤層8を形成する。
(3)折り線形成
台紙3に折り線12,15,16,18を形成する。
(4)ラベル片貼着
台紙3に保護シート4とラベル片5,6を貼着する。
(5)台紙切断
台紙3を単票のサイズに切断する。
本実施例のラベル帳票1aは、上記実施例1と多くの構成が共通であるため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と共通する構成については、本文中及び図中で同一符号を付して、説明を省略する。
保護シート4aは、第一ラベル片5と一体のシートとして台紙3に貼着され、貼着後に、当該シートを切断し、台紙3を切断しないハーフカット線40を、保護シート4aと第一ラベル片5の境界に沿って形成することによって、第一ラベル片5から切離されたものである。すなわち、保護シート4aは、第一ラベル片5と同じ第一基材20と粘着剤層21で構成される。このように、保護シート4aを、第一ラベル片5と共通の基材20と粘着剤層21で構成すれば、保護シート4aを低コストで配設できる。
このように、本実施例では、第一担持部13において第一ラベル片5の上に第二ラベル片6を貼り合せることで内貼ラミネートラベルを作成し、第二担持部14において第二ラベル片6の上に第一ラベル片5を貼り合せることで外貼用ラミネートラベルBを作成する。担持部13,14の上に作成されたラミネートラベルは、剥離剤層8に貼着された状態であるため、担持部13,14から簡単に剥離して、実施例1に係るラミネートラベルと同様に、車体やウインドウガラスに貼着できる。
以上に述べたように、本実施例では、小さい方の第一ラベル片5の貼着部位の周囲に、枠状の保護シート4aが剥離可能に貼着され、ラミネートラベルの作成時に、保護シート4aを剥離してから、二片のラベル片5,6を貼り合わせるよう構成される。かかる構成によれば、ラベル片5,6を貼り合わせる直前まで、小さい方の第一ラベル片5の周囲の剥離剤層8の汚損を、保護シート4aによって防止できる。
本実施例では、仮に、内貼用ラミネートラベルの作成時に、第一ラベル片5の周囲の剥離剤層8が汚損していると、種々の不具合が生じることとなる。例えば、当該部位に貼着する第二ラベル片6の外周部を台紙3から剥離し難くなり、内貼用ラミネートラベルの剥離に手間取ったり、剥離の際に内貼用ラミネートラベルや台紙3が破損するおそれがある。また、汚損した剥離剤層8の汚れがラミネートラベルの粘着剤に付着することにより、内貼用ラミネートラベルの粘着力が低下するおそれがある。また、粘着剤層21に付着した汚れによって、内貼用ラミネートラベルの美観が損なわれるおそれもある。従来構成のラベル帳票では、これらの不具合が生じないように、ラベル帳票1aを比較的厳格に取り扱う必要があるが、本実施例のラベル帳票1aは、当該部位の剥離剤層8の汚損を、保護シート4aによって防止できるため、従来構成に比べて、容易に取り扱うことができる。なお、外貼用ラミネートラベル作成時に関しては、保護シート4aの剥離は必須ではないが、台紙3をZ状に折り畳む際の邪魔となるため、上述のように、台紙3を折り畳む前に剥がし取ることが望ましい。
また、本実施例のラベル帳票1aは、保護シート4aの貼着部位の剥離剤層8が、熱で劣化するのを防止できるため、上記実施例1のラベル帳票1と同様に、レーザープリンタによって所要情報32を好適に印字できるという利点がある。
例えば、上記実施例のラベル帳票1,1aは単票形式であるが、本発明は、複数のラベル帳票が長手方向又は短手方向に連続した連続帳票形式であってもよい。また、台紙3の裏面に、ラミネートラベルの作成手順を印字してもよい。また、ラミネートラベルA,Bの作成手順を印字した説明紙片をラベル帳票1,1aと切離可能に連接してもよい。
また、上記実施例では、ラベル帳票1,1aに形成される各折り線12,15,16,18をミシン目で構成しているが、本発明に係る折り線は、ミシン目に限らず、加圧加工により形成した凹溝状の折り筋や、紙厚を切断しないハーフカット線等によって構成してもよい。
また、基本的に本発明に係る二片のラベル片の少なくとも一方は透明であるが、無色透明なものに限らず、材質を通して裏面側を透視可能な程度で、着色したり、地紋を印刷しておくことができる。また、上記実施例では、第一ラベル片5及び第二ラベル片6が矩形状であるが、本発明に係る第一ラベル片及び第二ラベル片は、円形、楕円形、多角形その他の任意の形状とすることができる。また、上記実施例では、透明な第一ラベル片5よりも、不透明な第二ラベル片6が大きくなっているが、第一ラベル片5を第二ラベル片6より大きくしてもよいし、第一ラベル片5と第二ラベル片6を同じ大きさにしてもよい。
また、保護シート4,4aは、透明なシートであってもよいし、表面に印字困難なシートであってもよい。また、保護シート4,4aは、二片のラベル片5,6を貼り合わせる部位全体をカバーする形状・大きさであれば足り、正方形状や矩形枠状でなくても構わない。
また、上記実施例1のラベル帳票1は、第一担持部13、貼り合せ部11、第二担持部14の順番に連続しているが、貼り合せ部11は、ラベル帳票1の端部に配置してもよい。また、第一担持部13、貼り合せ部11、及び第二担持部14を、L字状に連続させるようにしてもよい。
また、上記実施例1では、貼り合せ部11の表面全体に剥離剤層8が形成されるが、剥離剤層8は、保護シート4の貼着部位全体に形成されていれば足りる。保護シート4は、いずれのラベル片5,6よりも大きいため、保護シート4の貼着部位全体に剥離剤層8が形成されていれば、ラベル片5,6を貼り合せる部位よりも広範囲に剥離剤層8が形成される。同様に、実施例2では、第一担持部13の表面全体に剥離剤層8が形成されるが、剥離剤層8は、第一ラベル片5及び保護シート4aの貼着部位全体に形成されていれば足りる。保護シート4aの外形は、第二ラベル片6よりも大きいため、保護シート4aの貼着部位全体に剥離剤層8が形成されていれば、第二ラベル片6の外周部が貼着する部位よりも広範囲に剥離剤層8が形成される。