IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ネットアプリの特許一覧

<>
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図1
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図2
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図3
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図4
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図5
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図6
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図7
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図8
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図9
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図10
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図11
  • 特開-飲料用演出グラス及び光透過装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166306
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】飲料用演出グラス及び光透過装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20231114BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A47G19/22 S
A47G19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022085605
(22)【出願日】2022-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001CC01
3B001CC02
3B001CC35
(57)【要約】
【課題】 本発明はグラス内部に光透過性が低い飲料が充填されている場合でもグラス側面に固定された映像表示装置の画像や映像の光がグラス内部を透過することが可能な飲料用演出グラスを提供することを課題とする。また、その飲料用演出グラスを構成する際に用いる光透過装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、透明な材料から成る光透過トンネルとを備え、前記グラス本体の側面は水平方向に湾曲しており、前記光透過トンネルは前記グラス本体の内部に固定され、前記映像表示装置の画像が前記グラス本体の側面と前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、
透明な材料から成る光透過トンネルと
を備え、
前記グラス本体の側面は透明な材料から成り、
前記グラス本体の側面は水平方向に湾曲しており、
前記光透過トンネルは前記グラス本体の内部に固定されており、
前記光透過トンネルの側面と前記グラス本体の内壁面は前記グラス本体に飲料が充填されている時に光が透過することが可能な程度に近接しており、
前記映像表示装置の画像が前記グラス本体の側面と前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする飲料用演出グラス。
【請求項2】
前記光透過トンネルの鉛直方向の長さは前記グラス本体の鉛直方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の飲料用演出グラス。
【請求項3】
前記光透過トンネルの側面に水平方向に湾曲した湾曲部を備えることを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項4】
前記光透過トンネルの内部に空気が充填可能なチャンバーを備え、
前記光透過トンネルを前記グラス本体内の所定の位置に固定するための固定手段を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項5】
前記チャンバー内の空間と前記光透過トンネルの外の空間を繋げるための下部開口を前記光透過トンネルの下端近傍に備えることを特徴とする請求項4に記載の飲料用演出グラス
【請求項6】
前記下部開口を塞ぐための蓋を備えることを特徴とする請求項5に記載の飲料用演出グラス。
【請求項7】
前記チャンバー内の空間に前記映像表示装置の画像を拡大又は縮小するための無色透明なレンズを備えることを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項8】
前記チャンバー内の空間に着脱可能なビームスプリッターを備え、
前記チャンバー内の空間に前記ビームスプリッターを挿入するための挿入口を備え、
前記ビームスプリッターで反射された前記映像表示装置の画像が前記光透過トンネルの上面部又は上部を透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項9】
前記光透過トンネルの上端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離は前記光透過トンネルの下端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離よりも長いことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項10】
前記グラス本体の上部開口の径は前記グラス本体の内壁面の底面の径よりも長いことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項11】
前記光透過トンネルの下端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離は前記光透過トンネルの上端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離よりも長いことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項12】
前記グラス本体の内部か底面近傍に反射鏡を備え、
前記反射鏡で反射された前記映像表示装置の画像が前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項13】
前記光透過トンネルは比重が1よりも大きい材料から成ることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項14】
前記光透過トンネルは無色透明な材料から成ることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項15】
前記光透過トンネルの側面に前記映像表示装置の画像の光を垂直入射させるための平坦な平坦面を備えることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の飲料用演出グラスに用いる光透過装置であり、
前記光透過トンネルと、
前記光透過トンネルを前記グラス本体内に支持又は固定するための支持棒と、
前記上部開口と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームと
を備え、
前記支持棒の上端と前記コの字フレームが連結しており、
前記支持棒の下端と前記光透過トンネルが連結しており、
前記上部開口の端部を前記コの字フレームに挿入することにより前記光透過トンネルが前記グラス本体内に固定され、
前記上部開口の端部を前記コの字フレームに挿入した状態で前記映像表示装置の画像が前記グラス本体の側面と前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする光透過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用演出グラス及びその飲料用演出グラスを構成する際に用いる光透過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、水平方向に湾曲したグラス本体とを備えてりおり、映像表示装置の映像をグラス内部の飲料を用いて縦横比の歪み無く拡大することが可能なグラスである。
例えば特許文献2には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置された反射鏡とを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
特許文献3には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置されたビームスプリッターとを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6797447号
【特許文献2】特許第6488049号
【特許文献3】特許第6528162号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1~3はグラス内部の飲料がコーヒーや赤ワインなどの光透過性が低い飲料の場合、グラス側面に固定された映像表示装置の画像や映像の光がグラス内部を透過することが出来ない。別の言い方をすれば、グラス内部に充填されている飲料の光透過性が低い場合、ユーザーはグラス側面に固定された映像表示装置の画像をそのグラス越しに視認することが不可能という問題を有する。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、グラス内部に光透過性が低い飲料が充填されている場合でもグラス側面に固定された映像表示装置の画像や映像の光がグラス内部を透過することが可能な飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
また、その飲料用演出グラスを構成する際に用いる光透過装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、透明な材料から成る光透過トンネルとを備え、前記グラス本体の側面は透明な材料から成り、前記グラス本体の側面は水平方向に湾曲しており、前記光透過トンネルは前記グラス本体の内部に固定されており、前記光透過トンネルの側面と前記グラス本体の内壁面は前記グラス本体に飲料が充填されている時に光が透過することが可能な程度に近接しており、前記映像表示装置の画像が前記グラス本体の側面と前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする。
また、前記光透過トンネルの鉛直方向の長さは前記グラス本体の鉛直方向の長さよりも短いことを特徴とする。
また、前記光透過トンネルの側面に水平方向に湾曲した湾曲部を備えることを特徴とする。
また、前記光透過トンネルの内部に空気が充填可能なチャンバーを備え、前記光透過トンネルを前記グラス本体内の所定の位置に固定するための固定手段を備えることを特徴とする。
また、前記チャンバー内の空間と前記光透過トンネルの外の空間を繋げるための下部開口を前記光透過トンネルの下端近傍に備えることを特徴とする。
また、前記下部開口を塞ぐための蓋を備えることを特徴とする。
また、前記チャンバー内の空間に前記映像表示装置の画像を拡大又は縮小するための無色透明なレンズを備えることを特徴とする。
また、前記チャンバー内の空間に着脱可能なビームスプリッターを備え、前記チャンバー内の空間に前記ビームスプリッターを挿入するための挿入口を備え、前記ビームスプリッターで反射された前記映像表示装置の画像が前記光透過トンネルの上面部又は上部を透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする。
また、前記光透過トンネルの上端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離は前記光透過トンネルの下端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離よりも長いことを特徴とする。
また、前記グラス本体の上部開口の径は前記グラス本体の内壁面の底面の径よりも長いことを特徴とする。
また、前記光透過トンネルの下端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離は前記光透過トンネルの上端外周部と前記グラス本体の内壁面との最短距離よりも長いことを特徴とする。
また、前記グラス本体の内部か底面近傍に反射鏡を備え、前記反射鏡で反射された前記映像表示装置の画像が前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする。
また、前記光透過トンネルは比重が1よりも大きい材料から成ることを特徴とする。
また、前記光透過トンネルは無色透明な材料から成ることを特徴とする。
また、前記光透過トンネルの側面に前記映像表示装置の画像の光を垂直入射させるための平坦な平坦面を備えることを特徴とする。
本発明の光透過装置は、上記飲料用演出グラスに用いる光透過装置であり、前記光透過トンネルと、前記光透過トンネルを前記グラス本体内に支持又は固定するための支持棒と、前記上部開口と結合するようにコの字の形状をしたコの字フレームとを備え、前記支持棒の上端と前記コの字フレームが連結しており、前記支持棒の下端と前記光透過トンネルが連結しており、前記上部開口の端部を前記コの字フレームに挿入することにより前記光透過トンネルが前記グラス本体内に固定され、前記上部開口の端部を前記コの字フレームに挿入した状態で前記映像表示装置の画像が前記グラス本体の側面と前記光透過トンネルを透過して前記グラス本体の外部に至ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の飲料用演出グラスはグラス内部に画像を透過させるための透明な(より厳密には無色透明な)光透過トンネルを備えるため、グラス本体内に光透過性が低い飲料(コーヒーや赤ワインなど)が充填されている場合でも、ユーザーはそのグラス本体越しにグラス本体の側面の映像表示装置の画像(又は映像)を視認することが出来る。
本発明の飲料用演出グラスでは映像表示装置の画像(映像)のマスキングに光透過トンネルとグラス内の飲料を用いるため飲料の色や透明度でマスキングの強さを調整出来る。
本発明の飲料用演出グラスは、画像の一部だけを透過させるため映像表示装置の画像の一部分だけをユーザーに視認させることが可能である。
本発明の光透過装置は光透過トンネルをグラス本体の内部に固定又は支持するための支持棒とコの字フレームとを備えるため、ユーザーはグラス本体内の飲料に手を触れること無しに光透過トンネルをグラス本体内部に固定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図
図2】画像の一部をくり抜く飲料用演出グラスの例を示す正面図(a)及び正面図(b)
図3】光透過トンネルに湾曲部を備える例を示す上方断面図(a)及び湾曲部を備えない例を示す上方断面図(b)
図4】第2の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図
図5】第2の実施の形態の飲料用演出グラスを示す断面図(a)と断面図(b)
図6】第3の実施の形態の飲料用演出グラスを示す断面図
図7】下部開口を塞ぐための蓋を備える飲料用演出グラスの例を示す断面図(a)と断面図(b)
図8】チャンバー内にレンズを備える飲料用演出グラスの例を示す断面図
図9】第4の実施の形態の飲料用演出グラスを示す断面図(a)と断面図(b)
図10】第5の実施の形態の飲料用演出グラスを示す断面図(a)と断面図(b)
図11】第6の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図(a)と断面図(b)
図12】第1の実施の形態の光透過装置を示す斜視図(a)と拡大断面図(b)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[飲料用演出グラスの第1の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1はグラス本体10と映像表示装置80を固定するための固定機構15と光透過トンネル20とから概略構成される。
グラス本体10は上部開口11を有する有底の筒状体であり、その内部に飲料を充填する事が出来る飲料用容器である。グラス本体10はガラスやアクリル樹脂等の透明な材料から成る。グラス本体10の形状としては図1のような通常のコップ型の形状の他に、取っ手を備えるビールジョッキ等が挙げられる。なお、グラス本体10は通常のコップやビールジョッキと同じく水平方向に湾曲している(つまりグラス本体10の形状は通常のコップやビールジョッキと同じく円筒形状の筒状体である)。グラス本体10の側面は通常のコップやビールジョッキと同じく透明な材料から成る。
固定機構15はスマートフォンや小型のディスプレイデバイス等の映像表示装置80をグラス本体10の側面(又は側面近傍)に固定するための固定機構である。図1の例では固定機構15としてポケット機構を用いて映像表示装置80をグラス本体10側面に固定している。固定機構15としてポケット機構以外にマグネット機構やネジ等を用いても良い。
光透過トンネル20は映像表示装置80の画像82をグラス本体10の外部に透過させるためにグラス本体10の内部に固定されたトンネル(透明部)である。通常、グラスにコーヒーや赤ワイン等の光透過性が低い飲料(又は色の暗い飲料)が充填されている場合は、グラス側面より入射した(画像82の)光はその飲料により遮蔽されてしまうためグラスを透過することは不可能である。そこで本発明の飲料用演出グラス1では光透過トンネル20をグラス本体10内に備えることにより画像82の光をグラス本体10の外部へ強制的に透過させている。なお、図1図3(a)、図3(b)中の破線矢印は説明のために映像表示装置80(又は映像表示面81)から投影される画像82の光路Pのイメージを表現した物である。光透過トンネル20は画像82を透過させるために透明な材料から成り、光透過トンネル20の側面とグラス本体10の内壁面(飲料Lが接する側の面)はグラス本体10に飲料Lが充填されている時に光が透過することが可能な程度に近接又は密着しており、画像82(より厳密には画像82の光)はグラス本体10の側面と光透過トンネル20を透過して(通過して)グラス本体10の外部に至る。
なお、図1の例では光透過トンネル20をグラス本体10内部に固定するために支持棒21とコの字フレーム22から成る支持機構(又は固定機構)を用いているが、本発明の飲料用演出グラス1では光透過トンネル20はグラス本体10内に固定されてさえいればよく、その支持機構や固定方法はどのような物を用いても構わない。
【0010】
光透過トンネル20について補足説明をする。
光透過トンネル20のサイズは必ずしも画像82全てをカバー出来るサイズにする必要は無い。例えば図1のように光透過トンネル20のサイズは画像82の一部分だけが透過出来るサイズにしても良い。具体的には図1図2(a)のように光透過トンネル20の鉛直方向の長さh2をグラス本体10の鉛直方向の長さh1よりも短くすると良い。こうすることにより図1図2(a)のように画像82の一部分だけを透過画像83としてユーザーUから視認可能な状態とし残りをマスキング画像84として飲料Lにより遮蔽(又はマスキング)することが可能になる。例えば光透過トンネル20の(ユーザーU側から見た)断面の形状を図2(a)の四角形や図2(b)のハート型の形状にすれば画像82を四角形やハート型の形状でくり抜く演出が可能である(なお、図1図2(a)及び図2(b)の例では画像82の例としてAの文字画像を用いている)。
本発明では光透過トンネル20の鉛直方向の長さh2をグラス本体10の鉛直方向の長さh1に比して短くすることにより、図1図2(a)のように飲料Lによって画像82の上端部及び下端部にマスキングが可能である。つまり、本発明の飲料用演出グラス1を用いれば、画像82に飲料Lによる(上端と下端の)レターボックスの挿入する演出が可能である(なお、図1図2(a)、図2(b)では画像82のうち飲料Lでマスキングされたエリアの画像をマスキング画像84としている)。
光透過トンネル20の鉛直方向の長さh2をグラス本体10の鉛直方向の長さh1よりも短くすることにより映像表示装置80の画像82の一部分のみ(つまり透過画像83のみ)がグラス本体10と光透過トンネル20を透過して(通過して)グラス本体10の外部に至る。
本発明の飲料用演出グラス1では画像82のマスキングに光透過トンネル20と飲料Lを用いる方式のため飲料Lの透明度(光透過性)によりマスキングの強さを自由に調整出来るのが大きな特長である。なお、光透過トンネル20の(ユーザーUから見た)断面の形状は図1図2(a)或いは図2(b)のような四角形(長方形)やハート型に限定されることはなく、円形、三角形などユーザーの好みに応じて様々な形状を用いても良い。
光透過トンネル20の材料は透明であればどのような材料を用いても構わない。但し、光を反射させる反射層を備える材料(ハーフミラーや金属層を添加又は蒸着した素材など)はその反射損失により減光するので光透過トンネル20の材料として用いてはならない。
光透過トンネル20としてビームスプリッターやハーフミラーを用いてはならない。何故なら、ビームスプリッターは分光器であり必ずそれに入射した光の一部(ハーフミラーは50%)を反射する構造になっているため、仮に光透過トンネル20としてビームスプリッターを用いるとビームスプリッター(又はハーフミラー)に入射した画像82の光が極端に暗くなり透過画像83を正常に出力出来ないためである(つまり、飲料Lの光の減衰に加えてビームスプリッターの光の反射減衰も加わるため透過画像83が非常に暗くなり最悪の場合出力不能になる)。そもそも、ビームスプリッター(又はハーフミラー)は分光(光を一部を反射)するために金属等の反射膜や反射層が必ず表面か内部に蒸着されているため透明ではないため光透過トンネル20としては不適である(原理上、全てのビームスプリッターは反射膜や反射層を必ず備えるため透明な物体に比して必ず暗い色なる)。ビームスプリッターは光透過性こそ有しているが決して透明でないため(通常、黒や銀色などの反射層や反射物質の粒子の色が混じった暗い色になる)光の透過率が透明な物体に比して悪いため光透過トンネル20としては不適である。また同様に、光透過トンネル20として透明な材料に光を反射するための粒子を添加した材料も用いることも出来ない(何故ならそれら反射の原因となる粒子が光を反射または散乱させてしまい画像82の光を減光するからである)。光透過トンネル20は必ず無色透明な材料を用いなければならない。
また、光透過トンネル20は飲料Lに溶ける材料(つまり常温環境下で水溶性の材料)を用いてはならない。仮に光透過トンネル20に水溶性の物を用いると飲料Lにより光透過トンネル20が溶けて破損やひび割れしてしまうため注意が必要である。光透過トンネル20は常温で水に溶けない材料(常温環境下で非水溶性の材料)を用いなければならない。
【0011】
光透過トンネル20は図1図3(a)のように水平方向に湾曲した湾曲部23をその側面に備える。これは図3(a)のように湾曲部23を備えることにより(水平方向に湾曲している)グラス本体10の側面と光透過トンネル20側面の形状の整合を図り、それによりグラス本体10の内壁面(飲料Lが接する側の面)と光透過トンネル20側面の間の隙間Gを出来る限り小さくするための工夫である。グラス本体10の側面は通常のグラスやコップと同じく水平方向に湾曲しているため、仮に図3(b)のように光透過トンネル20の形状を湾曲部23を備えない形状(図3(b)の例では直方体)にしてしまうと、グラス本体10の内壁面と光透過トンネル20(の側面)との間にはどうしても(図3(a)に比して)大きな隙間Gが発生してしまう。この隙間Gには飲料Lが大量に流れ込むため、その隙間Gに流れ込んだ大量の飲料Lにより画像82の光が遮蔽されてしまいグラス本体10外部に透過しなくなる(特に飲料Lが赤ワインやコーヒーなどの光透過性が非常に低い飲料の場合はこの隙間Gが大きいとユーザーUが画像82をグラス本体10越しに視認することは殆ど不可能になる)。そのため、飲料Lとして光透過性が低い飲料を用いる場合は(図3(a)のように)隙間Gを小さくするために湾曲部23を必ず備えた方が良い。また、湾曲部23とグラス本体10の側面の曲率半径は出来るだけ一致させた方が隙間Gを小さくすることが出来る。原理的には湾曲部23とグラス本体10の側面の曲率半径を一致させれば隙間Gの距離又は大きさを0にすることも出来る(ただし、湾曲部23とグラス本体10の側面の曲率半径を完全に一致させると光透過トンネル20をグラス本体10に挿入出来なくなるため、湾曲部23の曲率半径はグラス本体10の側面の曲率半径よりも僅かだけ小さくした方が良い)。
光透過トンネル20の材料は比重が1より大きい材料を用いた方が良い(つまり光透過トンネル20は水に沈む材料を用いた方が良い)。これは光透過トンネル20が飲料Lの浮力により浮いてしまうのを防ぐためである。仮に光透過トンネル20が水に浮いてしまう材料から作られていると飲料Lの浮力により光透過トンネル20が浮いてしまいグラス本体10の内部の固定位置から意図せず外れたり位置ずれしたりする恐れが有る。光透過トンネル20を比重が1より大きい材料から作ることにより光透過トンネル20をグラス内部の定位置(所定の位置)に固定しておくための固定機構の負荷が浮力分減り安定度が増す。
光透過トンネル20の側面の映像表示面81に面している面は画像82の光を最大効率で受ける(入射させる)ために映像表示面81に対して傾斜してない方が良い(つまり画像82の光が入射角0度で入射可能な平坦面を光透過トンネル20の側面に備えるのが望ましい)。別の言い方をすると光透過トンネル20の側面は画像82の光を垂直に入射出来る形状になっていることが望ましい。光透過トンネル20の画像82の光の透過率を上げるために、光透過トンネル20の外周側面に画像82の光を垂直入射(つまり入射角が0度で入射)するための平坦な平坦面を備えるのが望ましい。なお、グラス本体10側面全体を湾曲部23とするのではなく一部を画像82の光を垂直入射させるための平坦面としても良い。
【0012】
[飲料用演出グラスの第2の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第2の実施の形態を図面を用いて示すが、上記第1の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1では映像表示装置80に表示される画像82をグラス本体10の上部開口11(つまりグラス本体10外側)に反射するための反射鏡30をグラス本体10の内部又は底面近傍に備える。
図4に示すようにグラス本体10内に配置された反射鏡30は映像表示装置80(又は映像表示面81)に表示されている画像82を上部開口11方向に反射するようにグラス本体10底面(又は映像表示面81)に対して傾斜して配置されており、図4図5(a)或いは図5(b)のようにユーザーUは反射鏡30を介して(映像表示装置80の)画像82を上部開口11(グラス本体10の外側)より視認する事が出来る。
図4図5(a)のように反射鏡30と上部開口11(グラス外部)との間には光透過トンネル20が配置されているため、飲料Lが光透過性の低い飲料の場合においてもユーザーUは光透過トンネル20を介して画像82(より厳密には画像82の反射像)をグラス本体10外部(上部開口11側)から視認することが可能である。反射鏡30で反射した画像82の光は光透過トンネル20を透過して上部開口11(つまりグラス本体10)の外部に至る。
なお、ユーザーUがグラス本体10を覗き込む角度(又はユーザーUの視点の方向)によっては画像82の反射像ではなく、映像表示装置80から光透過トンネル20へ直接入射される画像82が見えることがある。本実施の形態の飲料用演出グラス1では画像82の反射像と直接入射する画像82どちらでも光透過トンネル20の効果によりグラス本体10外部から視認することが可能である。
【0013】
[飲料用演出グラスの第3の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第3の実施の形態を図面を用いて示すが、前述の第1の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1では光透過トンネル20の内部に空気が充填可能なチャンバー25(又は気密性を有した空気室)を備え、更にチャンバー25の外の空間を繋げるための下部開口26を光透過トンネル20の下端近傍(又は下部エリア)に備える。
チャンバー25により光透過トンネル20を軽量化出来る。更に、空気は樹脂やガラスに比して透明度が高い物質であるため、光透過トンネル20にチャンバー25を設けて(光透過トンネル20を)中空構造にすることで光透過トンネル20の透明度を飛躍的に高める事が可能である。また、ユーザーUはチャンバー25の空間に意図的に飲料Lを任意の高さまで入れることにより飲料Lにより画像82がマスキングされるエリアの大きさ(又はマスキングされる高さを)を任意に調整出来る。
本実施の形態の飲料用演出グラス1では、チャンバー25の外の空間を繋げるための下部開口26を光透過トンネル20の下端近傍(または下部エリア)に備える。これは、グラス本体10を傾斜させた際にチャンバー25内の空間に飲料Lが流れ込まないようにするための工夫である(グラス本体10内の飲料Lの水圧によりチャンバー25内の空気は常に上方向に向かうため、光透過トンネル20の下端近傍に下部開口26を設けても下部開口26からチャンバー25内の空間に飲料Lが流れ込むことは殆ど無い)。下部開口26により光透過トンネル20を更に軽量にすることが出来る。
図7(a)のように下部開口26を塞ぐための蓋28を備えても良い。また、図7(b)のようにグラス本体10の内部側の底面(グラス本体10の内壁面の底面)を下部開口26を塞ぐための蓋28として用いても良い(図7(b)の例では固定手段27により下部開口26がグラス本体10の内部側の底面に接した状態で固定されている)。蓋28によりチャンバー25内の空間に飲料Lが流れ込むのを完全に防げる(チャンバー25の気密性を高められる)。
なお、チャンバー25内の空気の影響で光透過トンネル20が水(飲料L)の浮力により浮いてしまう問題が有るが、この問題を防ぐために図6では光透過トンネル20をグラス本体10内の所定の位置(又は定位置)に固定するための固定手段27を備える。図6の例ではこの固定手段27として係止とネジ機構を用いている。なお、固定手段27はマグネット機構や吸盤機構を用いても良い。固定手段27は光透過トンネル20をグラス本体10内の所定の位置に固定さえ出来ればどのような機構や手段を用いても良い。チャンバー25内の空気による浮力をキャンセル出来る程度に光透過トンネル20の外周部を構成する材料を比重の重い材料(比重が1よりも大きい材料)にすることにより光透過トンネル20が飲料L内で沈むようにして光透過トンネル20の位置固定の更なる安定化を図っても良い。
また、図8のようにチャンバー25内に無色透明なレンズ50(光学レンズ50)を配置することにより光透過トンネル20を透過する透過画像83(つまり映像表示装置80の画像82)を拡大又は縮小しても良い。なお、レンズ50は画像82の透過光を減じないように必ず無色透明なレンズを用いなければならない。チャンバー25内のスペースを大きくしたい場合はレンズ50としてフレネルレンズ等の薄型レンズを用いても構わない。
【0014】
[飲料用演出グラスの第4の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第4の実施の形態を図面を用いて示すが、前述の第1の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1では飲料Lによる画像82のマスキングの強さを徐々に強くするために、光透過トンネル20の上端外周部24とグラス本体10の内壁面との最短距離d1を光透過トンネル20の下端外周部29とグラス本体10の内壁面との最短距離d2よりも長くしている。こうする事により図9(a)のようにグラス本体10の上部開口11側に近づくにつれてグラス本体10の内壁面と光透過トンネル20の側面との距離が徐々に離れるため、(ユーザーU側から見た正面図である図9(b)のように)透過画像83(つまり映像表示装置80の画像82)に上部開口11側に近づくにつれて段階的にグラデーションが付くように飲料Lを以ってマスキングする事が出来る(別の言い方をすると、d2<d1にすることにより上部開口11方向に近づくにつれてマスキング用の飲料Lの厚さを徐々に厚くしている)。
図9(a)のようにグラス本体10の上部開口11の径(又は直径)R1をグラス本体10の(内壁面の)底面の径(又は直径)R2よりも長くすることによりd2<d1にして飲料Lの画像82に対するマスキング強度(マスキングの濃さ)を上部開口11方向に近づくにつれて徐々(段階的に)に強くしても良い。
本実施の形態の飲料用演出グラス1では図9(b)のようにグラス本体10の上部開口11に近づくにつれて(画像82の光が透過する)飲料Lの厚さを厚くすることにより(つまり、d2<d1にすることにより)画像82(透過画像83)の上部エリアのマスキングを強める又は飲料マスキングに段階的にグラデーションを付ける演出が可能である。
なお、本願明細書(本発明の明細書)においてグラス本体10の内壁面とは、グラス本体10内部に飲料L充填時にその飲料Lが触れる側の面を指す。
【0015】
[飲料用演出グラスの第5の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第5の実施の形態を図面を用いて示すが、前述の第1の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10(a)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1では飲料Lによる画像82のマスキングの強さを(グラス下端方向に向けて)徐々に強くするため、光透過トンネル20の下端外周部29とグラス本体10の内壁面との最短距離d2を光透過トンネル20の上端外周部24とグラス本体10の内壁面との最短距離d1よりも長くしている。こうする事によりグラス本体10の底部(又は底面)側に近づくにつれてグラス本体10の内壁面と光透過トンネル20の側面との距離が徐々に離れるため、(ユーザーU側から見た正面図である図10(b)のように)透過画像83(つまり映像表示装置80の画像82)にグラス本体10底部方向に近づくにつれて段階的に(徐々に)グラデデーションが付くように飲料Lを以ってマスキングする事が出来る(別の言い方をすると、d1<d2にすることによりグラス本体10底部方向に近づくにつれてマスキング用の飲料Lの厚さを厚くしている)。
図10(a)のように光透過トンネル20上端エリアの(径又は面積の)大きさを透過トンネル20下端エリア(径又は面積の)よりも大きくすることによりd1<d2にして飲料Lの画像82に対するマスキング強度(マスキングの濃さ)をグラス本体10底部方向に近づくにつれて徐々(段階的に)に強くしても良い。
本実施の形態の飲料用演出グラス1では図10(b)のようにグラス本体10の底部に近づくにつれて(画像82の光が透過する)飲料Lの厚さを厚くすることにより(つまり、d1<d2にすることにより)画像82(透過画像83)の下部エリアのマスキングを強める又は飲料マスキングにグラデーションを付ける演出が可能である。
【0016】
[飲料用演出グラスの第6の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第6の実施の形態を図面を用いて示すが、前述の第3の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図11(a)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1では(光透過トンネル20内の)チャンバー25の空間に着脱可能なビームスプリッター60を備え、チャンバー25内の空間にビームスプリッター60を挿入(或いは着脱または装着)するための挿入口61を(光透過トンネル20に)備え、ビームスプリッター60で反射された映像表示装置80の画像82が光透過トンネル20の上面部又は上部を透過して上部開口11(つまりグラス本体10の外部)に至ることを特徴とする(なお、ビームスプリッター60は画像82の光を上部開口11方向へ反射するために図11(a)や図11(b)に示すようにグラス本体10の底面16に対して傾斜した状態でチャンバー25内に配置又は固定されている)。
本実施の形態の飲料用演出グラス1では図11(a)や図11(b)のようにビームスプリッター60は無色透明な光透過トンネル20の内部に収納される構造になっているため、飲料Lが光透過性が低い飲料の場合(例えば濃い色のお茶や赤ワインなど)でもユーザーU1は上部開口11から映像表示装置80の画像82(厳密には画像82の反射像85)を視認する事が可能である(つまり、光透過トンネル20によりビームスプリッター60の周囲の空間に光透過性が低い飲料Lが入り込む事を防いでいる)。光透過トンネル20によりビームスプリッター60周囲の空間を飲料Lの色や透明度に関わらず強制的に透明化(厳密には無色透明化)することで画像82の光の投射光路Pの大部分或いは全てを強制的に透明化している。
本実施の形態の飲料用演出グラス1では透明(厳密には無色透明)な光透過トンネル20内(チャンバー25内)にビームスプリッター60を挿入口61より挿入(装着)することにより光透過トンネル20そのものをビームスプリッター化する事が可能である。なお、光透過トンネル20をビームスプリッターとして用いたくない場合は光透過トンネル20の挿入口61よりビームスプリッター60を光透過トンネル20の外部に取り出せば良い。
光透過トンネル20のビームスプリッター化について一つ注意点が有る。図11(a)のように光透過トンネル20内に配置されたビームスプリッター60は映像表示装置80の画像82の光の一部(ビームスプリッター60がハーフミラーの場合は50%)を上部開口11方向に反射するため、その反射損失分だけ必ず光透過トンネル20の側面を透過する画像82の光は減衰するので注意が必要である(通常、ビームスプリッターは光を反射する反射層を必ず備えるためその反射損失分だけ無色透明な物体に比して暗い色になり光を減衰させてしまう)。つまり、光透過トンネル20をビームスプリッター化すると図11(a)におけるユーザーU2が視認する画像82の光がビームスプリッター60の反射損失分だけ暗くなるという事であり、特にグラス本体10内の飲料Lが透明度や光透過性が低い飲料の場合における光透過トンネル20のビームスプリッター化については注意が必要である。
グラス本体10側面と光透過トンネル20側面を透過する画像82の光の光量を増やしたい場合は光透過トンネル20内からビームスプリッター60を取り外して光透過トンネル20を無色透明にすると良い(こうすることにより飲料Lの光透過性が低い場合や隙間Gが大きい場合でもユーザーU2から画像82が視認出来るようになる)。
本実施の形態の飲料用演出グラス1では飲料Lの透明度や状況に応じて光透過トンネル20のビームスプリッター化をON-OFF出来るのが大きなメリットである。
なお、ビームスプリッター60をチャンバー25内に固定する方法はマグネット機構や係止爪機構、ネジ等の取り外しが可能な機構や方法を用いるが望ましい。また、挿入口61は光透過トンネル20のどこに設けても構わないし、下部開口26を用いても良い。
【0017】
[光透過装置の第1の実施の形態]
以下、本発明の光透過装置の第1の実施の形態を図面を用いて示すが、上記第1の実施の形態の飲料用演出グラス1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12(a)に示すように、本実施の形態の光透過装置100では光透過トンネル20と、光透過トンネル20をグラス本体10の内部に固定(又は支持)するための支持棒21と、コの字形状のコの字フレーム22とを備える。
支持棒21の上端と前記コの字フレーム22が連結しており、支持棒21の下端と光透過トンネル20が連結しており図12(a)や図12(b)に示すように上部開口11の端部をコの字フレーム22に挿入することにより光透過トンネル20がグラス本体10内に固定される。
上部開口11の端部をコの字フレーム22に挿入した状態で映像表示装置80の画像82がグラス本体10と光透過トンネル20(の側面)を透過してグラス本体10の外部に至る。
光透過装置100は支持棒21を備えるためユーザーはグラス本体10内の飲料Lに触れること無しに光透過トンネル20をグラス本体10の内部に配置出来る。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、光透過トンネルを内部に備える飲料用演出グラスであり、グラス内部の飲料が赤ワインやコーヒーなどの光透過性が低い飲料の場合においてもユーザーはグラス越しにグラス側面の映像表示装置の映像や画像を視認できる。また、本発明の光透過装置を用いることによりユーザーはグラス本体内の飲料に触れること無しに光透過トンネルをグラス本体の内部に配置出来る。以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0019】
U ユーザー
U1 ユーザー
U2 ユーザー
a なす角
P 光路(画像の光の投射光路)
L 飲料
G 隙間(グラス本体の内壁面と光透過トンネルとの隙間)
d1 光透過トンネルの上端外周部とグラス本体内壁面との最短距離
d2 光透過トンネルの下端外周部とグラス本体内壁面との最短距離
h1 鉛直方向の長さ(グラス本体の高さ)
h2 鉛直方向の長さ(光透過トンネルの高さ)
R1 上部開口の径(上部開口の直径)
R2 グラス本体の内壁面の底面の径(グラス本体の内壁面の底面の直径)
1 飲料用演出グラス
10 グラス本体
11 上部開口
15 固定機構(ポケット機構)
20 光透過トンネル
21 支持棒
22 コの字フレーム
23 湾曲部
24 上端外周部(光透過トンネルの上端外周部)
25 チャンバー(空気室)
26 下部開口
27 固定手段
28 蓋
29 下端外周部(光透過トンネルの下端外周部)
30 反射鏡
50 無色透明なレンズ(光学レンズ)
60 ビームスプリッター
61 挿入口(ビームスプリッター着脱用の挿入口)
80 映像表示装置
81 映像表示面
82 画像(映像表示装置の画像)
83 透過画像(光透過トンネルを透過した画像)
84 マスキング画像(飲料により遮蔽された部分の画像)
85 反射像
100 光透過装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12