(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166313
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】複雑ネットワークノードの重要度評価方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06N 99/00 20190101AFI20231114BHJP
【FI】
G06N99/00 180
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103501
(22)【出願日】2022-06-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】202210499237.3
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521063410
【氏名又は名称】中国人民解放軍国防科技大学
【氏名又は名称原語表記】No. 109, Deya Road, Kaifu District, Changsha, Hunan Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阮 逸潤
(72)【発明者】
【氏名】白 亮
(72)【発明者】
【氏名】黄 鋳敏
(72)【発明者】
【氏名】湯 俊
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複雑ネットワークにおけるノード重要度をより正確且つ効果的に評価、ソーティングでき、重要性ノードを効果的に発見し、かつ、適応性が強い複雑ネットワークノードの重要度評価方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップと、各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップと、前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップと、各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複雑ネットワークノードの重要度評価方法であって、前記方法は、
評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップと、
各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップと、
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップと、
各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップは、
評価対象となる前記複雑ネットワークに対してKシェル分解を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記グローバル位置情報を表徴するためのコア数を取得するステップと、
前記複雑ネットワークに対してH指数処理を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記ローカルトポロジ情報を表徴するためのH指数値を取得するステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップは、
前記コア数及び前記H指数値に基づき、各ノードの平衡係数を計算するステップと、
前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得するステップと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得する前記ステップは、
前記平衡係数γに基づき、以下の関係式を利用して、前記コア数と前記H指数値を融合するステップを備え、
ks
iはノードiの前記コア数であり、h
iはノードiの前記H指数値であり、m(i)はノードiの前記質量であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップは、
前記複雑ネットワークにおける各ノードiの、前記構造的空隙特徴を表徴するためのネットワーク拘束係数を取得するステップと、
前記ネットワーク拘束係数に基づき、各ノードiの前記補正関数を計算するステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップは、
万有引力の公式に基づき、ノードiと近傍ノードの間の相互作用力を総合的に考慮し、以下の関係式を利用して、各ノードの重要度ISM(i)を計算するステップと、
前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、
Ψiはノードiまでの距離が、第1の所定値rの以下である近傍ノードセットであり、ks
i、ks
jはそれぞれノードi及びノードjのコア数であり、h
i、h
jはそれぞれノードi及びノードjの前記H指数値であり、γは平衡係数であり、ω(i)はノードiの前記補正関数であり、m(i)、m(j)はそれぞれノードi及びノードjの前記質量であり、d
ijはノードiとノードjの間の距離であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得する前記ステップは、
前記複雑ネットワークにおける何れか1つのノードに対して、前記重要度に基づき、以下の関係式を利用して、前記何れか1つのノードiの拡張重要度ISM
+(i)を計算するステップと、
前記拡張重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、
θは第2の所定値であり、0≦θ≦1であり、Γ
iは前記何れか1つのノードiの近傍ノードセットであり、ISM(j)はノードjの前記重要度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複雑ネットワークノードの重要度評価装置であって、前記装置は、
評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するための情報取得ユニットと、
各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するための情報融合ユニットと、
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するための特徴処理ユニットと、
各ノードの前記質量、前記補正関数応用重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するための重要度評価ユニットと、を備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
メモリ、プロセッサー、及びメモリに記憶されており、プロセッサーで運転可能なコンピュータプログラムを備える電子装置であって、前記プロセッサーは前記プログラムを実行する際、請求項1~7の何れか1項に記載の方法を実現することを特徴とする電子装置。
【請求項10】
コンピュータ記憶媒体であって、前記記憶媒体には少なくとも1つの実行可能な指令が記憶され、前記実行可能な指令はプロセッサーに請求項1~7の何れか一項に記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネットワーク分析の技術分野に属し、具体的に、複雑ネットワークノードの重要度評価方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークノードの重要度ソーティングはネットワーク科学分野の研究重点及び焦点であり、より大きな程度でネットワーク構成及び機能に影響できるキーノードを掘り起こすことを目的とする。ネットワークのキーノードを迅速且つ正確に認識できるアルゴリズムを設計することは、理論研究及び生活実践で、何れも重要な意味を有する。例えば、ウイルス伝播ネットワークに対して、ネットワークにおけるいくつかの重要ノードを選択性的に制御し、又はその構成属性を変更し、例えば、ワクチン接種、再接続又はバグ修正などを行うと、ウイルスの伝播速度を効果的に低減させ、拡散範囲を小さくすることができ、軍事サプライチェーンネットワークにおいて、キーノードを検索し、主な保護対象とすることで、物資保障の確実性及び効率を向上させ、後方支援タスクを効果的に完成でき、ソーシャルネットワークにおいて、一定の戦略で、影響力があるユーザー(例えば、スター、インターネットセレブリティなど)を選択し、新規製品のプロモーション及びマーケティングを行うことで、製品情報はネットワークにおいて、幅広く広められ、収益を増やす。
【0003】
ネットワークキーノードの掘り起こし方法について、既に多くの研究成果があり、典型的な指標は、次数中心性(Degree)、半局所性(Semi―local)、近接中心性(Closeness)、中間中心性(Betweenness)、K―シェル分解方法(K―shellDecomposition)及びH指数などを有する。次数中心性指標は、ノードの直接近傍数を考慮し、簡単且つ直観であるが、各近傍ノードを同様に重要と見なし、ところが、実際、近傍ノードの間には差が存在し、異なる近傍の、ターゲットノードに対する重要性は大きく異なっている可能性があるため、多くのシーンで、十分に正確ではない。半局所性指標は、ノードの4層の近傍の情報を考慮し、アルゴリズム精度を向上させるとともに、アルゴリズムの効率も配慮する。近接中心性及び中間中心性は何れも、ネットワークにおける情報が最短経路に基づき伝播されると仮定し、ところが、実際、多くの実際シーンで、情報伝播はランダム性を具備する。K―シェル分解方法は以下のように考えて、即ち、ネットワークノードの重要性が、ノードの、ネットワークでの位置によって決定され、ノードがコア層に近接するほど、その重要性が高くなり、エッジノードの重要性が最も低い。K―シェル分解方法の計算の複雑さが低いため、大型・複雑ネットワークに適用され、ウイルス伝播ネットワークにおける、最も影響力を有するノードをよく検索できるが、同一シェル層にあるノードの重要度を区別できないため、一般的に、粗粒化されたソーティング方法とみなされる。H指数は、1つのノードのH指数がhであれば、当該ノードが少なくともh個の近傍を有し、それらの次数が何れもh以上であることを示す、H指数の、いくつかのシーンにおける総合表現が、次数及びコア数より優れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、ほとんど指標は、何れもある特定の角度から、ノードの重要度を評価し、一定の適用性を具備するが、同時に、一定の不足を有し、異なるソーティング指標又は戦略を融合することで、よりよいソーティング結果を取得する。従来技術において、万有引力の公式の啓発によって、ノード近傍情報及び経路情報を総合的に考慮する引力方法を提出し、ノードのコア数は、ノードの質量とみなされ、ノードの間の最短距離は物体の間の距離とみなされる。ところが、コア数のみを物体の質量として示され、考慮する要因が単一である。また、アルゴリズムはノードと近傍ノードの間の相互作用力を利用して、ノードの影響力を量子化することで、局所の、高度クラスタリング特徴を呈するノードを、重要度が高いノードに誤判断しやすく、実際、伝播がこのようなノードから開始すると、小さなグループ内部に制限されやすくて、伝播が迅速に外部に蔓延することに不利である。
【0005】
従来のノード重要度評価の精度が足りないという問題を解决するために、本発明は複雑ネットワークノードの重要度評価方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的に基づき、本発明の実施例は複雑ネットワークノードの重要度評価方法を提供し、評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップと、各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップと、前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップと、各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備える。
【0007】
好ましくは、前記評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップは、評価対象となる前記複雑ネットワークに対してKシェル分解を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記グローバル位置情報を表徴するためのコア数を取得するステップと、前記複雑ネットワークに対してH指数処理を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記ローカルトポロジ情報を表徴するためのH指数値を取得するステップと、を備える。
【0008】
好ましくは、前記各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップは、前記コア数及び前記H指数値に基づき、各ノードの平衡係数を計算するステップと、前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得するステップと、を備える。
【0009】
好ましくは、前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得するステップは、前記平衡係数γに基づき、以下の関係式を利用して、前記コア数と前記H指数値を融合するステップを備え、 m(i)=ksi+γhi、ksiはノードiの前記コア数であり、hiはノードiの前記H指数値であり、m(i)はノードiの前記質量である。
【0010】
好ましくは、前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップは、前記複雑ネットワークにおける各ノードiの、前記構造的空隙特徴を表徴するためのネットワーク拘束係数を取得するステップと、前記ネットワーク拘束係数に基づき、各ノードiの前記補正関数を計算するステップと、を備える。
【0011】
好ましくは、前記各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップは、万有引力の公式に基づき、ノードiと近傍ノードの間の相互作用力を総合的に考慮し、以下の関係式を利用して、各ノードの重要度ISM(i)を計算するステップと、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、
Ψiはノードiまでの距離が、第1の所定値rの以下である近傍ノードセットであり、ks
i、ks
jはそれぞれノードi及びノードjの前記コア数であり、h
i、h
jはそれぞれノードi及びノードjの前記H指数値であり、γは平衡係数であり、m(i)、m(j)はそれぞれノードi及びノードjの前記質量であり、d
ijはノードiとノードjの間の距離である。
【0012】
好ましくは、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップは、前記複雑ネットワークにおける何れか1つのノードに対して、前記重要度に基づき、以下の関係式を利用して、前記何れか1つのノードiの拡張重要度ISM
+(i)を計算するステップと、前記拡張重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、
θは第2の所定値であり、0≦θ≦1であり、Γ
iは前記何れか1つのノードiの近傍ノードセットであり、ISM(j)はノードjの前記重要度である。
【0013】
同一の発明構想に基づき、本発明の実施例は複雑ネットワークノードの重要度評価装置をさらに提出し、評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するための情報取得ユニットと、各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するための情報融合ユニットと、前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するための特徴処理ユニットと、各ノードの前記質量、前記補正関数応用重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するための重要度評価ユニットと、を備える。
【0014】
同一の発明構想に基づき、本発明の実施例は電子装置をさらに提出し、メモリ、プロセッサー、及びメモリに記憶されており、プロセッサーで運転可能なコンピュータプログラムを備え、前記プロセッサーは前記プログラムを実行する際、以上の何れか1項に記載の方法を実現する。
【0015】
同一の発明構想に基づき、本発明の実施例はコンピュータ記憶媒体をさらに提出し、記憶媒体には少なくとも1つの実行可能な指令が記憶され、前記実行可能な指令は、プロセッサーに以上の何れか1項に記載の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の技術効果は以下の通り、以上から分かるように、本発明の実施例が提供する複雑ネットワークノードの重要度評価方法及び装置において、評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップと、各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップと、前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップと、各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、これによって、複雑ネットワークにおけるノード重要度をより正確且つ効果的に評価、ソーティングでき、重要性ノードを効果的に発見し、適応性が強い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決策を明らかに説明するために、以下は実施例又は従来技術の記載の必要な図を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図は本発明の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図に基づき、他の図を取得できる。
【
図1】本発明の実施例における複雑ネットワークノードの重要度評価方法のフロー模式図である。
【
図2】本発明の実施例における複雑ネットワークノードの重要度評価装置の構成模式図である。
【
図3】本発明の実施例における電子装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の目的、技術的解決策及び利点をより明瞭するために、以下は具体的に実施例を結合し、図を参照して、本開示をさらに詳しく説明する。
【0019】
ここで、別に定義されていない限り、本発明の実施例が使用する技術用語又は科学用語は、本開示の当業者が理解する通常の意味である。本発明の実施例が使用する「第1」、「第2」及び類似の単語は、何れかの順序、数又は重要性を示されていなく、ただ異なる構成部分を区別するためのものである。「含む」又は「包含」などの類似の単語は、当該単語の前に出現する素子又は物品が、他の素子又は物品を排除することなく、当該単語の後に列挙される素子又は物品及びその均等物をカバーすることを意味する。「接続」又は「連結」などの類似の単語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接又は間接な電気接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、ただ相対位置関係を示し、記載される対象の絶対位置が変更した後、当該相対位置関係も相応的に変更され得る。
【0020】
本発明の実施例は複雑ネットワークノードの重要度評価方法を提供する。
図1に示すように、複雑ネットワークノードの重要度評価方法は以下のステップを備え、
ステップS11:評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得する。
【0021】
本発明の実施例において、複雑ネットワークはウイルス伝播ネットワーク、軍事サプライチェーンネットワーク、ソーシャルネットワークなどであってもよく、ここで、具体的に限定していない。何れか1つの所定の評価対象となる複雑ネットワークG=(N,E)に対して、Nはノードセットを示し、Eはエッジセットを示し、ネットワークのトポロジ構成は一般的に、
隣接行列における要素Z
ijはノードの間の接続関係を説明し、Z
ij=1は、ノードiとノードjの間には接続エッジが存在すると示し、さもなければ、Z
ij=0である。次数はノードの近傍数を示し、以下のように示され、
d
ijはノードiとノードjの間の距離であり、Nは複雑ネットワークのノード数を示す。次数はノードの直接的な影響力を反映し、ノードでのリンク数が多いほど、ノード次数が大きい。次数中心性はノードのローカル情報のみを考慮するため、ローカル中心性指標である。
【0022】
ステップS11において、好ましくは、評価対象となる前記複雑ネットワークに対してKシェル分解(k―shelldecomposition)を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記グローバル位置情報を表徴するためのコア数を取得し、前記複雑ネットワークに対してH指数処理を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記ローカルトポロジ情報を表徴するためのH指数値を取得する。
【0023】
複雑ネットワークに対してKシェル分解を行う場合、複雑ネットワークには、次数が1であるノードが存在すると、次数中心性の角度から見れば、それらは最も重要ではないノードである。次数が1であるノード、及びそれに接続されるエッジを何れも除去すると、残りの複雑ネットワークには、次数が1であるいくつかのノードが新たに出現し、そして、これらの次数が1であるノードを除去し、残りのネットワークには、次数が1であるノードがなくなるまで、操作を繰り返す。この場合、除去された全てのノードは1つの層を形成し、1―シェルと呼ばれ、コア数ks=1と記される。1つのノードに対して、1層をはがした後、残りのネットワークにおいて、ノードの次数は、当該ノードの残留次数である。上記の方法に従って、シェルを継続的にはがし、ネットワークにおける、残留次数が2であるノードを除去し、ネットワークにはノードがなくなるまで、これらの操作を繰り返す。より広範に、初期次数が0である孤立ノードが0―シェルに属し、即ち、コア数ks=0であるように定義されてもよい。複雑ネットワークにおける各ノードは何れも唯一の1層に属し、このように、複雑ネットワークにおける全てのノードは何れもk≧ksを満たしている。各ノードの、前記グローバル位置情報を表徴するコア数は、Kシェル分解過程で、ノードに割り振られたks値である。
【0024】
複雑ネットワークに対してH指数処理を行う場合、複雑ネットワークにおける何れか1つのノードのH指数はhであると、当該何れか1つのノードはh個の近傍ノードを有し、それらの次数は何れもh以上であり、以下のように示され、
k
jsは何れか1つのノードiの第s番目の近傍の次数を示す。以上の公式において、オペレーターHは最大整数hを戻すことで、何れか1つのノードiは少なくとも、次数がh以上であるh個の近傍を有し、そうすれば、当該何れか1つのノードiのH指数値はhである。
【0025】
ステップS12:各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得する。
【0026】
好ましくは、前記コア数及び前記H指数値に基づき、各ノードの平衡係数を計算し、前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得する。
【0027】
本発明の実施例において、ノードのコア数及びH指数値は同一次元ではないため、両者を直接的に融合できない。ノードの当該両面の構成特徴を融合するために、平衡係数γを導入し、ネットワーク平均コア数値とネットワーク平均H指数との比率に定義される。表現式は以下の関係式の通り、
<ks>は前記複雑ネットワークの平均コア数を示し、<h>は前記複雑ネットワークの平均H指数値を示す。
【0028】
そして、前記平衡係数γに基づき、以下の関係式を利用して、前記コア数と前記H指数値を融合し、
ks
iはノードiの前記コア数であり、h
iはノードiの前記H指数値であり、m(i)はノードiの前記質量である。
【0029】
ステップS13:前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得する。
【0030】
Kシェル分解方法が複雑ネットワークを分解する際、クラスタリングノードをネットワークコアに誤認識する恐れがあり、クラスタリング内のノードが互いに緊密に接続され、複雑ネットワークの他の部分とほとんど関連がない。実際、H指数処理方法は、ノードの伝播影響力を評価する際も、類似の問題が存在し、クラスタリングノードに対して、H指数は同じように、当該ノードに高いh値を割り振る。相互の間の接続がとても緊密だけではなく、コア以外のノードと大量の接続が存在するノードは、複雑ネットワークの実のコアである。このように、高コア数又は高H指数値のノードに対して、当該ノードは同時に、多くの構造的空隙を占めると、当該ノードは複雑ネットワークの重要ノードである可能性が高い。従って、ネットワーク拘束係数を導入することで、ノードの構造的空隙特徴を測定し、近傍ノードの間の接続状況に基づき、ノード重要度ソーティング値を補正し、Kシェル分解方法及びH指数処理による認識されたクラスタリングノード重要度ソーティングが偽って高いことの、アルゴリズム精度に対する影響を低減させる。
【0031】
ステップS13において、好ましくは、前記複雑ネットワークにおける各ノードiの、前記構造的空隙特徴を表徴するためのネットワーク拘束係数を取得し、前記ネットワーク拘束係数に基づき、各ノードiの前記補正関数を計算する。
【0032】
本発明の実施例において、構造的空隙は、複雑ネットワークにおいて、冗長関連が存在しない2つのノードの間の切り欠きを指し。複雑ネットワークにおける、構造的空隙位置を占めるノードは、他の近傍ノードより、情報優位及び制御優位を含む多くの競争優位を取得でき、社会関係及び情報の伝播に対して影響し、さらに制御する。ネットワーク拘束係数という定量化指標を利用して、ノードによる構造的空隙形成が受けた制約を評価し、以下のように示され、
ノードqはノードiとノードjの間の共同近傍を示し、μ
ijは、ノードiがノードjとの関係を維持するために、投入した労力が総労力に占める比率を示し、μ
iqは、ノードiがノードqとの関係を維持するために、投入した労力が総労力に占める比率を示し、μ
qjは、ノードqがノードjとの関係を維持するために、投入した労力が総労力に占める比率を示す。
【0033】
Γ
iは前記何れか1つのノードiの近傍ノードセットであり、ノードiとノードjの間には接続エッジが存在すると、Z
ij=1であり、その逆、Z
ij=0である。
【0034】
補正関数は以下の関係式を満たし、
ω(i)はノードiの前記補正関数であり、0<ω(i)≦1であり、c
iはノードiの前記ネットワーク拘束係数であり、eは自然定数である。本発明の他の実施例において、補正関数は以下の関係式を満たしてもよく、即ち、ω(i)=e
-ciである。ノードiの次数が大きく、占める構造的空隙が多いほど、ノードのネットワーク拘束係数c
i値が小さく、補正関数ω(i)の値が大きい。逆に、ノードiの次数が小さく、近傍の間の閉じ程度が高いほど、ノードネットワーク拘束係数c
i値が大きく、補正関数ω(i)の値が小さい。
【0035】
ステップS14:各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得する。
【0036】
本発明の実施例において、万有引力の公式に基づき、ノードiと近傍ノードの間の相互作用力を総合的に考慮し、以下の関係式を利用して、各ノードの重要度ISM(i)を計算し、即ち、
ψ
iはノードiまでの距離が、第1の所定値rの以下である近傍ノードセットであり、ks
i、ks
jはそれぞれノードi及びノードjの前記コア数であり、h
i、h
jはそれぞれノードi及びノードjの前記H指数値であり、γは平衡係数であり、m(i)、m(j)はそれぞれノードi及びノードjの前記質量であり、d
ijはノードiとノードjの間の距離である。アルゴリズムの複雑さを低減させるために、第1の所定値rの値を優先的に3にする。ノードiとノードjの間の距離d
ijは、ノード間の、最短経路以外の距離であってもよいし、ノードiとノードjの間の他の到達可能な経路の距離であってもよい。
【0037】
当該補正関数に基づき、万有引力の公式を補正した後、各ノードの重要度を計算し、以下の関係式を満たし、即ち、
計算して、各ノードの重要度ISM(i)を取得した後、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得する。
【0038】
本発明の実施例において、ノード重要度評価の正確さ及び有効性をさらに増やすために、各ノードの重要度ISM(i)を拡張し、ノードの拡張重要度に基づき、各ノードに対して重要度評価を行う。好ましくは、前記複雑ネットワークにおける何れか1つのノードに対して、前記重要度に基づき、以下の関係式を利用して、前記何れか1つのノードiの拡張重要度ISM
+(i)を計算し、
θは第2の所定値であり、0≦θ≦1であり、Γ
iは前記何れか1つのノードiの近傍ノードセットであり、ISM(j)はノードjの前記重要度であり、前記拡張重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得する。小さな第2の所定値θに対して、拡張重要度ISM+方法は、大きな重要度ISMを有する、影響力がある近傍の影響を弱め、大きな第2の所定値θは、大きな重要度ISMを有する、影響力がある近傍の影響を強化させる。一般性を失うことなく、本発明の実施例において、第2の所定値θの値を0.8にする。
【0039】
従来技術における重力モデルは、コア数のみを物体の質量として示され、考慮する要因が単一であり、ノードの、ネットワークでの位置は、ノードの重要な属性であり、ここで、位置は、ノードの、グローバル情報によるkシェル中心性だけではなく、ローカル情報による構造的空隙位置も含む。また、H指数もノード重要度を測定するためのよい指標であり、1つのノードのコア数及びH指数が高いとともに、多くの構造的空隙を占めると、一般的に、当該ノードはより大きな影響力を具備する。本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法は引力方法に基づき、ノードH指数、ノードコア数及びノードの構造的空隙位置を総合的に考慮した上で、提出された重力モデルの改善アルゴリズムISM、及びその拡張アルゴリズムISM+であり、ノードローカルトポロジ情報(H指数)及びグローバル位置情報(K―シェル中心性)を総合的に考慮し、物体質量と見なすとともに、ノードの構造的空隙特徴を融合することで、ネットワーク疑似コアノード重要度ソーティングが偽って高いことの、アルゴリズムソーティングの正確さに対する影響を低減させ、ノードと領域ノードの間の相互作用力を利用して、ノードの伝播影響力を説明する。従来技術の重力モデルが、ノードコア数及びノードの経路情報のみを考慮することに対して、重要度ISM及び拡張重要度ISM+アルゴリズムは、アルゴリズムの計算時間をほとんど増やさない場合、ノードH指数、ノード位置、ノード構造的空隙特徴及びノードの経路情報を含むノードの多種の属性情報を融合し、これによって、ノード重要度をより正確にソーティングする。
【0040】
本発明の実施例はSIR(Susceptible Infected Removed)伝播動力学モデル仮想ネットワークの情報伝播過程を、実際の重要度評価結果とし、本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法の評価結果と比較し、本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法の正確さを評価する。SIRモデルにおいて、ノードは以下の3つの状態にある可能性があり、即ち、(1)感染しやすい状態S(susceptible);(2)感染した状態I(infected);(3)回復状態R(removed)である。状態Iにあるノードは、一定の伝播率βでウイルスを、状態Sにある近傍ノードに伝播し、ノードは感染された後、確率λで癒され、回復状態Rを呈し、その後、二度と感染されることない。ネットワークには状態Iのノードが出現しないと、伝播過程が終止する。一般性を失うことなく、本発明の実施例の全ての実験は何れも回復率の状況を考慮し、ノードの、M回のSIR情報伝播実験を経た後の伝播能力Φ(i)は、
Φ’(i)は、そのうちの1回の伝播実験において、ノードiを初期伝播ソースとして、伝播過程が終止する際、状態Rにあるノード総数を示す。
【0041】
本発明の実施例において、相関係数を採用して、異なる重要度測定指標によるノード重要度ソーティングリストと、SIRモデルに基づき得られたノード伝播影響力ソーティングリストの間の関連性を測定し、その表現式は以下の通り、
R
1及びR
2は、n個のノードの2つの異なる重要度ソーティングシーケンスを代表し、n
c及びn
dはそれぞれこの2つのソーティングリストにおける、同ソーティングペア及び異ソーティングペアの数であり、n
t=n(n-1)/2、
n
u及びn
νはそれぞれR
1及びR
2に対して計算して得られて、n
uを例として計算を説明し(n
νの計算過程は類推すればよい)、R
1における同じ要素を小さなセットとして組み合わせて、小さなセット数はSで示され、u
iは第i番目のセットにおける要素の数を示す。相関係数を利用して結果を計算し、関連性τ値が高いほど、ノード重要度評価指標のソーティング結果がSIRシミュレーション結果に近似し、評価結果がより正確である。
【0042】
本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法の評価の正確さを検証するために、上記相関係数を採用して本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法によるノード重要度ソーティングリストと、実際のソーティングリストの間の関連性を測定する。SIRモデルによるノード伝播影響力ソーティングリストを実際ソーティング結果とする。本発明の実施例は、エンロンメールネットワークEnron、モーメンツ関係ネットワークFacebook、ネットサイエンスネットワークNetscience、エアウェイズネットワークUSAir、伝染性ネットワークInfectious及びウェブページネットワークEPAという、異なる分野に由来する6つの実際のデータセットを選択して、本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法によるノード重要度ソーティングリストの正確さを評価する。実験結果から分かるように、他の評価方法、例えば、次数中心性、中間中心性、近接中心性、重力モデルなどの方法に対して、ネットワークノード重要度の認識面での正確さがより高い。本発明の実施例の複雑ネットワークノードの重要度評価方法は、重力モデルに基づき、ISM方法及びその拡張アルゴリズムISM+を設計し、複雑ネットワークにおけるノード重要度を効果的に評価し、ソーティングし、ローカルトポロジ情報及びグローバル位置情報を同時に配慮し、ニュートン力学における引力公式に基づき、ノードH指数、kシェル中心性及びノードの構造的空隙特徴を含むノードの多種の属性情報を融合し、従来方法の評価角度が一面的であるという不足を補填し、ノード重要度を効果的に評価できる。
【0043】
本発明の実施例は、評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップと、各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップと、前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップと、各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記拡張重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、これによって、複雑ネットワークにおけるノード重要度をより正確且つ効果的に評価、ソーティングでき、重要性ノードを効果的に発見し、適応性が強い。
【0044】
以上は本発明の特定の実施例を記載する。他の実施例は特許請求の範囲内に該当する。ある場合、請求項に記載の動作又はステップは、実施例と異なる順序で実行されても、依然として、所望の結果を実現できる。また、図に描画される過程は必ずしも、示される特定順序又は連続的な順序だけで、所望の結果を実現できるように要求されるわけではない。いくつかの実施形態において、マルチタスク処理及び並行処理も可能、又は有利である可能性がある。
【0045】
同一の発明構想に基づき、本発明の実施例は複雑ネットワークノードの重要度評価装置を提供する。
図2に示すように、複雑ネットワークノードの重要度評価装置は、情報取得ユニット、情報融合ユニット、特徴処理ユニット及び重要度評価ユニットを備える。
【0046】
評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するための情報取得ユニットと、
各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するための情報融合ユニットと、
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するための特徴処理ユニットと、
各ノードの前記質量、前記補正関数応用重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するための重要度評価ユニットと、を備える。
【0047】
記載を便利にするために、以上の装置を記載する場合、機能に従って、各種モジュールに分けられ、それぞれ記載する。無論、本発明の実施例を実施する時、各モジュールの機能を、同一又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアで実現してもよい。
【0048】
上記の実施例の装置は、前述上記実施例の相応的な方法を実現し、相応的な方法実施例の有益な効果を具備するため、ここで、贅言していない。
【0049】
同一の発明構想に基づき、本発明の実施例は電子装置をさらに提供し、当該電子装置は、メモリ、プロセッサー、及びメモリに記憶されており、プロセッサーで運転可能なコンピュータプログラムを備え、前記プロセッサーは前記プログラムを実行する際、以上の何れか1つの実施例に記載の方法を実現する。
【0050】
図3は、本実施例が提供する、より具体的な電子装置のハードウェア構成模式図を示し、当該装置は、プロセッサー301、メモリ302、入力/出力インターフェース303、通信インターフェース304及びバス305を備える。プロセッサー301、メモリ302、入力/出力インターフェース303及び通信インターフェース304はバス305によって、相互の間の、装置内部での通信接続を実現する。
【0051】
プロセッサー301に対して、汎用のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、マイクロプロセッサー、アプリケーション専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、又は1つ又は複数の集積回路などの形態で実現され、関連プログラムを実行し、本発明の実施例が提供する技術的解決策を実現する。
【0052】
メモリ302に対して、ROM(Read Only Memory、読み取り専用メモリ)、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)、静的記憶装置、動的記憶装置などの形態で実現される。メモリ302はオペレーティングシステム及び他のアプリケーションプログラムを記憶し、ソフトウェア又はファームウェアによって、本発明の実施例が提供する技術的解決策を実現する場合、関連のプログラムコードはメモリ302に保存され、プロセッサー301によって呼び出され、実行される。
【0053】
入力/出力インターフェース303は入力/出力モジュールに接続され、情報の入力及び出力を実現する。入力出力/モジュールはコンポーネントとして、装置に配置されてもよいし(図示せず)、装置の外部に接続され、相応的な機能を提供してもよい。入力装置はキーボード、マウス、タッチパネル、マイク、いろんなセンサーなどを備え、出力装置はディスプレイ、スピーカ、振動器、指示照明などを備える。
【0054】
通信インターフェース304は通信モジュール(図示せず)に接続され、当該装置と他の装置との通信インタラクションを実現する。通信モジュールは有線方式(例えば、USB、ネットワーク回線など)で通信を実現してもよいし、無線方式(例えば、移動体通信ネットワーク、WIFI、ブルートゥース(登録商標)など)で通信を実現してもよい。
【0055】
バス305はパスを具備し、装置の各コンポーネント(例えばプロセッサー301、メモリ302、入力/出力インターフェース303及び通信インターフェース304)の間で情報を伝送する。
【0056】
ここで、上記の装置はプロセッサー301、メモリ302、入力/出力インターフェース303、通信インターフェース304及びバス305のみを示すが、具体的な実施過程で、当該装置は、正常な運転を実現するための他の必要なコンポーネントを備えてもよい。また、当業者が理解できるように、上記装置は、図示される全てのコンポーネントではなく、本発明の実施例の解決策を実現するための必要なコンポーネントのみを備えてもよい。
【0057】
当業者が理解すべきことは、以上の実施例に対する任意の議論は本開示の範囲(請求項を含む)がこれらの例に限定されると暗示しているものでなく、ただ例示的なものであり、本開示の考え方で、以上の実施例、又は異なる実施例における技術特徴の間を組み合わせて、ステップを任意の順序で実現してもよいことである。以上に記載の本発明の異なる態様の他のいろんな変更が存在し、簡潔さの目的で、細部で提供されていない。
【0058】
本発明は、添付の請求項の幅広い範囲内に該当する、このような全ての置換、補正及び変形を包含することを意図している。従って、本発明の精神及び原則内で、完成した任意の省略、修正、等価置換、改良などは、何れも本開示の保護範囲内に該当すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複雑ネットワークノードの重要度評価装置における複雑ネットワークノードの重要度評価方法であって、前記方法は、
評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を位置情報取得ユニットによって取得するステップと、
各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を情報融合ユニットによって取得するステップと、
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を特徴処理ユニットによって取得するステップと、
各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを重要度評価ユニットによって取得するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するステップは、
評価対象となる前記複雑ネットワークに対してKシェル分解を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記グローバル位置情報を表徴するためのコア数を取得するステップと、
前記複雑ネットワークに対してH指数処理を行って、前記複雑ネットワークにおける各ノードの、前記ローカルトポロジ情報を表徴するためのH指数値を取得するステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するステップは、
前記コア数及び前記H指数値に基づき、各ノードの平衡係数を計算するステップと、
前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得するステップと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記平衡係数に基づき、前記コア数と前記H指数値を融合し、各ノードの前記質量を取得する前記ステップは、
前記平衡係数γに基づき、以下の関係式を利用して、前記コア数と前記H指数値を融合するステップを備え、
ks
iはノードiの前記コア数であり、h
iはノードiの前記H指数値であり、m(i)はノードiの前記質量であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するステップは、
前記複雑ネットワークにおける各ノードiの、前記構造的空隙特徴を表徴するためのネットワーク拘束係数を取得するステップと、
前記ネットワーク拘束係数に基づき、各ノードiの前記補正関数を計算するステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記各ノードの前記質量、及び前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するステップは、
万有引力の公式に基づき、ノードiと近傍ノードの間の相互作用力を総合的に考慮し、以下の関係式を利用して、各ノードの重要度ISM(i)を計算するステップと、
前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、
Ψiはノードiまでの距離が、第1の所定値rの以下である近傍ノードセットであり、ks
i、ks
jはそれぞれノードi及びノードjのコア数であり、h
i、h
jはそれぞれノードi及びノードjの前記H指数値であり、γは平衡係数であり、ω(i)はノードiの前記補正関数であり、m(i)、m(j)はそれぞれノードi及びノードjの前記質量であり、d
ijはノードiとノードjの間の距離であることを特徴とする請求項
2に記載の方法。
【請求項7】
前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得する前記ステップは、
前記複雑ネットワークにおける何れか1つのノードに対して、前記重要度に基づき、以下の関係式を利用して、前記何れか1つのノードiの拡張重要度ISM
+(i)を計算するステップと、
前記拡張重要度に基づき、前記複雑ネットワークにおけるノードをソーティングし、前記重要度ソーティングリストを取得するステップと、を備え、
θは第2の所定値であり、0≦θ≦1であり、Γ
iは前記何れか1つのノードiの近傍ノードセットであり、ISM(j)はノードjの前記重要度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複雑ネットワークノードの重要度評価装置であって、前記装置は、
評価対象となる複雑ネットワークにおける各ノードのローカルトポロジ情報、及びグローバル位置情報を取得するための情報取得ユニットと、
各ノードの前記ローカルトポロジ情報と前記グローバル位置情報を融合し、前記複雑ネットワークにおける各ノードの質量を取得するための情報融合ユニットと、
前記複雑ネットワークの構造的空隙特徴を取得し、前記構造的空隙特徴に基づき、各ノードの補正関数を取得するための特徴処理ユニットと、
各ノードの前記質量、前記補正関数を利用して補正する重力モデルに基づき、各ノードの重要度を評価して計算し、前記重要度に基づき、前記複雑ネットワークの重要度ソーティングリストを取得するための重要度評価ユニットと、を備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
メモリ、プロセッサー、及びメモリに記憶されており、プロセッサーで運転可能なコンピュータプログラムを備える電子装置であって、前記プロセッサーは前記プログラムを実行する際、請求項1~7の何れか1項に記載の方法を実現することを特徴とする電子装置。
【請求項10】
コンピュータ記憶媒体であって、前記記憶媒体には少なくとも1つの実行可能な指令が記憶され、前記実行可能な指令はプロセッサーに請求項1~7の何れか一項に記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。