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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016635
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/00 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
H01H21/00 330B
H01H21/00 320C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121125
(22)【出願日】2021-07-23
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219FU17
5G219GS21
5G219HT20
5G219HW04
5G219KS05
5G219KY04
5G219NS13
(57)【要約】
【課題】スイッチの保護性能を向上する。
【解決手段】スイッチ装置10の弾性押圧部46では、弾性連結部46Bがレバー40の回動方向に弾性変形可能に構成されており、スイッチ押圧部46Aが、弾性連結部46Bによってレバー本体44に連結されて、レバー本体44と一体回動可能に構成されている。このため、操作者の操作によって、レバー40が操作位置から回動方向一方側へ回動した場合には、スイッチ部32Aからスイッチ押圧部46Aに作用する反力によって弾性連結部46Bが弾性変形して、スイッチ押圧部46Aがレバー本体44に対して回転方向他方側(前方側)へ相対変位する。すなわち、レバー40を操作位置から規制位置へ回動させるためにレバー本体44に入力された操作力を、弾性連結部46Bの弾性変形によって吸収することができる。したがって、スイッチ押圧部46Aからスイッチ部32Aに過大な押圧力が作用することを抑制できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部を有するケースと、
前記収容部に収容されたスイッチと、
前記収容部に収容され、前記ケースに回動可能に支持されたレバーと、
前記ケースの一部を構成し、前記レバーに対して前記スイッチとは反対側に設けられて前記レバーを覆うと共に、操作可能に露出された弾性を有するカバーと、
前記レバーと一体回転可能に構成され、前記レバーが初期位置から回動することで前記スイッチを押圧するスイッチ押圧部と、
前記レバーと前記スイッチ押圧部とを一体回動可能に連結すると共に、前記レバーの回動方向に弾性変形可能に構成された弾性連結部と、
を備えたスイッチ装置。
【請求項2】
前記レバーは、
前記ケースに回動可能に支持されたレバー軸と、
前記レバー軸に連結され、前記カバーと前記スイッチとの間に配置されたレバー本体と、
を含んで構成されており、
前記弾性連結部及び前記スイッチ押圧部が前記レバー本体に一体に形成されている請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記弾性連結部は、前記レバーの回動方向を板厚方向とする長尺板状に形成され、
前記レバー本体には、前記弾性連結部を配置するためのレバー孔が形成されており、
前記弾性連結部の一端部は、前記レバー孔の内周面に接続されており、前記スイッチ押圧部が前記弾性連結部の他端部に接続されている請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記カバーと前記スイッチ押圧部との間には、弾性変形可能に構成されたクッション部が設けられている請求項1~請求項3の何れか1項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の電気式バックドアハンドルでは、レバーがブラケットに回動可能に支持されており、レバーの一端部は、バックドアの外側に配置され、レバーの他端部が、バックドアの内部に配置されている。レバーの一端部は、バックドアに設けられた開口部を有するケースによって覆われており、開口部は、弾性を有する防水部材によって塞がれている。そして、操作者が、防水部材を介してレバーの一端部を押圧すると、レバーが回動し、レバーの他端部がバックドアの内部のスイッチを押圧する。これにより、電気式バックドアハンドルにおいて、防水性を確保しつつ、レバーによってスイッチを操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-307949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記電気式バックドアハンドルでは、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、電気式バックドアハンドルでは、レバーがスイッチを押圧した後では、レバーの一端部がケースに当接することで、レバーの回動が制限される。ここで、一般に、部品の公差や組付誤差などを考慮して、レバーのスイッチ押圧時には、レバーの一端部とケースとの間に隙間を設けておく必要がある。
【0005】
このため、レバーの一端部がケースに当接する位置まで回動したときには、レバーがスイッチを過度に押圧する可能性がある。このとき、仮に、レバーが比較的大きな荷重で操作された場合には、スイッチに過大な操作力が入力されて、スイッチが破損する虞がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、スイッチの保護性能を向上することができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、収容部を有するケースと、前記収容部に収容されたスイッチと、前記収容部に収容され、前記ケースに回動可能に支持されたレバーと、前記ケースの一部を構成し、前記レバーに対して前記スイッチとは反対側に設けられて前記レバーを覆うと共に、操作可能に露出された弾性を有するカバーと、前記レバーと一体回転可能に構成され、前記レバーが初期位置から回動することで前記スイッチを押圧するスイッチ押圧部と、前記レバーと前記スイッチ押圧部とを一体回動可能に連結すると共に、前記レバーの回動方向に弾性変形可能に構成された弾性連結部と、を備えたスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成のスイッチ装置によれば、スイッチの保護性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係るスイッチ装置を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図2図1に示されるスイッチ装置の右側から見た断面図(図1の2-2線断面図)である。
図3図2に示されるケース、レバー、及びスイッチ基板の右斜め前方から見た斜視図である。
図4図3に示されるケース及びレバーの右斜め後方から見た斜視図である。
図5】(A)は、図2に示されるレバーが操作位置に回動した状態を示す右側から見た断面図であり、(B)は、(A)のレバーが規制位置に回動した状態を示す右側から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係るスイッチ装置10について説明する。スイッチ装置10は、車両(自動車)のサイドドアやバックドアなどのドアハンドルに適用されたドア開閉用スイッチ装置として構成されている。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印RHは、それぞれスイッチ装置10の上側、前側、右側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、スイッチ装置10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
【0011】
図1図4に示されるように、スイッチ装置10は、ケース20と、スイッチ基板30と、レバー40と、を含んで構成されている。
【0012】
(ケース20について)
ケース20は、スイッチ装置10の外郭を構成している。ケース20は、後側へ開放され且つ左右方向を長手方向とする略矩形箱状に形成されている。ケース20は、モールド部22(広義には、ケース本体として把握される要素である)と、カバーとしてのラバー部24と、を含んで構成されており、モールド部22及びラバー部24が2色成形等の手法によって一体に形成されている。
【0013】
モールド部22は、樹脂材によって構成されている。モールド部22は、前後方向に貫通された略矩形枠状に形成されて、ケース20の上下壁及び左右壁を構成している。ラバー部24は、エラストマ等の弾性材によって構成されている。ラバー部24は、モールド部22の前側の開口部を閉塞しており、ラバー部24の外周部が、モールド部22の前端部の外周部に一体に形成されている。これにより、ラバー部24が、ケース20の前壁を構成している。また、ラバー部24は、左右方向から見て、上側へ向かうに従い前側へ傾斜する傾斜方向に沿って配置されている。ラバー部24は、操作者が押圧操作する操作部として構成されて、スイッチ装置10の前側へ操作可能に露出されている。すなわち、スイッチ装置10の操作時には、ラバー部24が後側へ押圧操作されることで、ラバー部24が後側へ変位するように弾性変形(引張変形)して、後述するレバー40に操作力を伝達するように構成されている。
【0014】
ケース20の内部は、後述するスイッチ基板30及びレバー40を収容する収容部20Aとして構成されている。また、モールド部22の後側開口部の内周部には、モールド部22の外周側へ一段下がった段差部22Aが形成されている。そして、段差部22A内には、略矩形板状の蓋部26が嵌入されており、ケース20の後側開口部が、蓋部26によって閉塞されている。
【0015】
モールド部22における収容部20Aの下端部には、後述するレバー40を支持するための支持部22Bが形成されており、支持部22Bは、左右方向から見て、後側へ開放された凹状に形成されている。支持部22Bの上壁には、左右一対の切欠部22C(図4参照)が形成されており、切欠部22Cは、後側へ開放された凹状に形成されると共に、上下方向に貫通している。また、支持部22Bの後面は、段差部22Aの前面と面一に配置されている。
【0016】
ラバー部24の後面の左右方向中央部には、複数(本実施の形態では、3箇所)のクッション部としての第1クッション部24Aが形成されている。第1クッション部24Aは、左右方向に延在されたリブ状に形成されて、上下方向に等間隔毎に並んで配置している。また、ラバー部24の後面の左右方向中央部には、第1クッション部24Aの下側において、クッション部としての第2クッション部24Bが形成されている。第2クッション部24Bは、矩形枠状に形成されて、ラバー部24から後側へ突出している。
【0017】
(スイッチ基板30について)
図2及び図3に示されるように、スイッチ基板30は、前後方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。スイッチ基板30は、ケース20の段差部22A内に配置され、段差部22Aと蓋部26とによって前後方向に挟み込まれて、ケース20に固定されている。また、スイッチ基板30のケース20への固定状態では、スイッチ基板30によって支持部22Bが後側から塞がれている。スイッチ基板30の前面には、略中央部において、スイッチ32が設けられている。スイッチ32は、前側へ突出したスイッチ部32Aを有しており、スイッチ部32Aは、後側へ押圧可能に構成されている。具体的には、スイッチ32の非作動状態では、スイッチ部32Aがオフ位置(図2に示される位置)に配置されており、スイッチ32の作動状態では、スイッチ部32Aがオフ位置から後側へ変位したオン位置(図5(A)及び(B)に示される位置)に配置される。さらに、スイッチ部32Aをオフ位置からオン位置へ変位させるための押圧力を、スイッチ32の作動力としている。
【0018】
(レバー40について)
図2図4に示されるように、レバー40は、樹脂材によって構成されると共に、全体として、略前後方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。レバー40は、レバー40の下端部を構成するレバー軸42と、レバー40の上部を構成するレバー本体44と、スイッチ32を押圧するための弾性押圧部46と、を含んで構成されている。
【0019】
レバー軸42は、左右方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。レバー本体44は、左右方向から見て傾斜方向に直交する直交方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。レバー本体44の下端部には、左右一対のアーム部44Aが形成されており、一対のアーム部44Aは、左右方向から見て、レバー本体44から後斜め下方に延出され且つ下側へ屈曲されて、レバー軸42に接続されている。
【0020】
そして、レバー軸42が、ケース20の支持部22Bに後側から挿入され、アーム部44Aがケース20の切欠部22C内に配置された状態で、レバー40がケース20の収容部20A内に収容されている。また、レバー40のケース20への収容状態では、レバー軸42が、支持部22Bに回動可能に支持されている。これにより、レバー40が、左右方向を軸方向としてケース20に回動可能に支持されている。具体的には、レバー40が、初期位置(図2に示される位置)と、初期位置から回動方向一方側(図2の矢印A方向側)へ回動した規制位置(図5(B)に示される位置)と、の間を回動するように構成されている。
【0021】
レバー40の初期位置では、レバー本体44が、ラバー部24の後側に隣接配置されると共に、直交方向において、ラバー部24と対向して配置されている。なお、レバー40とスイッチ基板30との間には、図示しない付勢部材が設けられており、付勢部材がレバー40を前方側へ付勢している。これにより、付勢部材の付勢力によって、レバー40が初期位置に保持されている。そして、操作者が、ラバー部24を後側へ押圧操作すると、ラバー部24が後側へ変位するように弾性変形すると共に、後側への操作力がレバー本体44に入力されて、レバー40が初期位置から回動方向一方側へ回動する。
【0022】
レバー本体44の上部には、複数(本実施の形態では、4箇所)のストッパ部44Bが設けられている。ストッパ部44Bは、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、レバー本体44から後側に突出している。2箇所のストッパ部44Bは、レバー本体44の左右方向両端部に設けられており、他の2箇所のストッパ部44Bは、レバー本体44の左右方向中央部において、左右方向に所定の間隔を空けて配置されている。具体的には、他の2箇所のストッパ部44Bは、前側から見て、スイッチ32に対して左右方向外側に配置されている。そして、レバー40の規制位置では、ストッパ部44Bが、スイッチ基板30の前面に当接して、規制位置におけるレバー40の回動方向一方側への回動が規制される構成になっている。なお、レバー本体44の上端部には、連結リブ44Cが設けられており、連結リブ44Cは、レバー本体44から後側へ突出し、左右方向に延在されて、4箇所のストッパ部44Bを連結している。また、レバー本体44の左右方向中央部には、後述する弾性押圧部46を配置するためのレバー孔44Dが貫通形成されており、レバー孔44Dは、上下方向に延在された矩形長孔状に形成されている。
【0023】
弾性押圧部46は、直交方向を板厚方向とし且つ傾斜方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。そして、弾性押圧部46の下端部(一端部)が、レバー孔44Dの下端内周面に接続されて、弾性押圧部46が、レバー孔44D内に配置されている。これにより、弾性押圧部46は、所謂片持ち梁構造を成している。弾性押圧部46の前面は、レバー本体44の前面よりも後側に一段下がった位置に配置され、弾性押圧部46の後面は、レバー本体44の後面と面一に配置されている。すなわち、弾性押圧部46の板厚がレバー本体44の板厚と比べて薄く設定されている。そして、弾性押圧部46は、下端部を起点として、上端部が弾性押圧部46の板厚方向に変位するように、弾性変形可能に構成されている。すなわち、弾性押圧部46は、レバー40の回動方向に弾性変形可能に構成されている。また、弾性押圧部46の前側には、ラバー部24の第1クッション部24Aと第2クッション部24Bが隣接して配置されて、直交方向において、弾性押圧部46と、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bと、が対向して配置されている。
【0024】
また、弾性押圧部46の上端部は、スイッチ押圧部46Aとして構成されている。スイッチ押圧部46Aには、後側へ突出した突起部46A1が形成されており、突起部46A1は、左右方向に延在されたリブ状に形成されると共に、左右方向から見て後側へ凸となる略半円状に形成されている。そして、レバー40が、初期位置から規制位置の手前の位置(図5(A)に示される位置であり、以下、この位置を操作位置という)まで回動すると、スイッチ押圧部46Aの突起部46A1がスイッチ32のスイッチ部32Aを押圧して、スイッチ部32Aがオフ位置からオン位置に変位する構成になっている。
【0025】
さらに、弾性押圧部46のスイッチ押圧部46A以外の部分は、弾性連結部46Bとして構成されている。このため、弾性押圧部46では、弾性連結部46Bがレバー40の回動方向に弾性変形可能に構成されており、スイッチ押圧部46Aが、弾性変形可能に構成された弾性連結部46Bによってレバー本体44に連結されて、レバー本体44と一体回転可能に構成されている。
【0026】
また、弾性押圧部46では、スイッチ32の作動力以下の押圧力がスイッチ押圧部46Aに入力された場合には、弾性連結部46Bが弾性変形しないように、弾性連結部46Bの板厚等が設定されている。すなわち、レバー40が回動して、スイッチ押圧部46Aがスイッチ32のスイッチ部32Aを押圧するときには、弾性連結部46Bが弾性変形せずに、レバー40が操作位置に回動すると共に、スイッチ押圧部46Aによってスイッチ32がオフ位置からオン位置へ変位するようになっている。換言すると、スイッチ32の作動力よりも大きい特定荷重が、スイッチ押圧部46Aに入力されたときに、弾性連結部46Bが弾性変形するように、弾性連結部46Bの板厚等が設定されている。
【0027】
また、前述した、ラバー部24の第1クッション部24A及び第2クッション部24Bにおいても、スイッチ32の作動力以下の圧縮荷重が、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bに入力された場合には、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが圧縮変形しないように、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bの厚みやラバー部24の硬度等が設定されている。つまり、スイッチ32の作動力よりも大きな圧縮荷重が、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bに入力された場合には、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが圧縮変形するように構成されている。
【0028】
(作用効果)
上記のように構成されたスイッチ装置10の非操作状態では、レバー40が、初期位置に配置されると共に、レバー本体44がラバー部24の後側に隣接して配置されている。そして、操作者が、ラバー部24の前面を後側へ押圧操作すると、ラバー部24が後側へ弾性変形すると共に、ラバー部24からレバー本体44に操作力が入力される。したがって、レバー40が初期位置から回動方向一方側へ回動する。
【0029】
レバー40が回動方向一方側へさらに回動すると、レバー40のスイッチ押圧部46Aがスイッチ32のスイッチ部32Aに当接して、スイッチ押圧部46Aによるスイッチ部32Aへの押圧が開始される。そして、図5(A)に示されるように、レバー40が、操作位置まで回動すると、スイッチ押圧部46Aによるスイッチ部32Aへの押圧が完了して、スイッチ部32Aがオン位置に変位する。
【0030】
また、スイッチ装置10では、各部品の寸法公差や組付誤差等を考慮して、規制位置の手前の操作位置において、レバー40のスイッチ押圧部46Aによるスイッチ部32Aへの押圧が完了するように設定されている。すなわち、レバー40の操作位置では、ストッパ部44Bとスイッチ基板30との間に隙間が設けられており、レバー40が回動方向一方側へさらに回動することができる。これにより、仮に、レバー40の操作位置において、操作者がラバー部24を後側へ押圧操作した場合には、オン位置のスイッチ部32Aにスイッチ押圧部46Aから後側への操作力が作用する。
【0031】
ここで、レバー本体44は、弾性押圧部46を有しており、弾性押圧部46が、スイッチ押圧部46Aと弾性連結部46Bとを含んで構成されている。そして、弾性押圧部46では、弾性連結部46Bがレバー40の回動方向に弾性変形可能に構成されており、スイッチ押圧部46Aが、弾性変形可能に構成された弾性連結部46Bによってレバー本体44に連結されて、レバー本体44と一体回動可能に構成されている。このため、操作者の操作によって、レバー40が操作位置から回動方向一方側へ回動した場合には、スイッチ部32Aからスイッチ押圧部46Aに作用する反力によって弾性連結部46Bが弾性変形して、スイッチ押圧部46Aがレバー本体44に対して回転方向他方側(前方側)へ相対変位する。すなわち、レバー40を操作位置から規制位置へ回動させるためにレバー本体44に入力された操作力を、弾性連結部46Bの弾性変形によって吸収することができる。したがって、スイッチ押圧部46Aからスイッチ32のスイッチ部32Aに過大な押圧力が作用することを抑制できる。以上により、スイッチ32に対する保護性能を向上することができる。
【0032】
また、レバー40は、ケース20に回動可能に支持されたレバー軸42と、レバー軸42に連結されたレバー本体44と、を含んで構成されている。そして、弾性連結部46B及びスイッチ押圧部46Aがレバー本体44に一体に形成されている。このため、スイッチ32に対する保護性能を、簡易で且つ安価な構成で実現することができる。
【0033】
また、弾性連結部46Bは、レバー40の回動方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする長尺板状に形成され、レバー本体44には、弾性連結部46Bを配置するためのレバー孔44Dが形成されている。そして、弾性連結部46Bの下端部が、レバー孔44Dの下端内周面に接続されており、スイッチ押圧部46Aが弾性連結部46Bの上端部に接続されている。このため、弾性連結部46Bを所謂片持ち梁構造にしてレバー本体44に一体に形成することができると共に、スイッチ押圧部46Aを片持ち梁構造の弾性連結部46Bによってレバー本体44に連結することができる。
【0034】
また、ラバー部24には、後側へ突出した第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが設けられており、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが、直交方向において、スイッチ押圧部46Aを含む弾性押圧部46と対向して配置されている。このため、操作者が、スイッチ押圧部46Aの前側のラバー部24の部位を押圧して、レバー40を操作位置から規制位置へ回動させた場合でも、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが圧縮変形することで、スイッチ32に過大な押圧力が作用することを抑制できる。
【0035】
すなわち、操作者が、スイッチ押圧部46Aの前側のラバー部24の部位を押圧して、レバー40を操作位置から規制位置へ回動させた場合には、弾性押圧部46の前方側への変位が操作者によって制限される。すなわち、スイッチ押圧部46Aのレバー本体44に対する回転方向他方側(前方側)への相対変位が制限される。この場合には、弾性連結部46Bが弾性変形されず、スイッチ32に過大な押圧力が作用する可能性がある。ここで、弾性押圧部46とラバー部24との間には、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが設けられており、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bは、弾性変形可能に構成されている。詳しくは、スイッチ32の作動力よりも大きな圧縮荷重が、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bに入力された場合には、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bが圧縮変形するように構成されている。このため、操作者が、スイッチ押圧部46Aの前側のラバー部24の部位を押圧して、レバー40を操作位置から回動方向一方側へ回動させた場合でも、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bを圧縮変形させて、スイッチ押圧部46Aのレバー本体44に対する回転方向他方側(前方側)への相対変位を許容することができる。したがって、操作者が、スイッチ押圧部46Aの前側のラバー部24の部位を押圧して、レバー40を操作位置から規制位置へ回動させた場合でも、スイッチ32に過大な押圧力が作用することを抑制できる。
【0036】
なお、本実施の形態では、レバー40及び弾性押圧部46が樹脂材によって構成されて、両者が一体に形成されている。これに代えて、レバー40及び弾性押圧部46を別体で構成して、両者を一体的に構成してもよい。例えば、弾性押圧部46を金属製の板バネとして構成して、インサート成形等の手法によって弾性押圧部46をレバー40に一体に形成してもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bがラバー部24と一体に形成されているが、第1クッション部24A及び第2クッション部24Bを、ラバー部24とは別体に形成して、ラバー部24とスイッチ押圧部46Aとの間に配置してもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 スイッチ装置
20 ケース
20A 収容部
24 ラバー部(カバー)
24A 第1クッション部(クッション部)
24B 第2クッション部(クッション部)
32 スイッチ
40 レバー
42 レバー軸
44 レバー本体
44D レバー孔
46A スイッチ押圧部
46B 弾性連結部
図1
図2
図3
図4
図5