(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166351
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5258 20140101AFI20231114BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231114BHJP
A63F 13/537 20140101ALI20231114BHJP
A63F 13/56 20140101ALI20231114BHJP
A63F 13/822 20140101ALN20231114BHJP
【FI】
A63F13/5258
A63F13/53
A63F13/537
A63F13/56
A63F13/822
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023094866
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】松浦 龍平
(72)【発明者】
【氏名】山本 真伊
(72)【発明者】
【氏名】入江 瞭汰
(72)【発明者】
【氏名】足助 重之
(72)【発明者】
【氏名】中尾 一
(57)【要約】
【課題】画面外の他のプレイヤキャラクタの状態を適切に表示するゲームプログラム、ゲーム処理方法、ゲームシステムを提供すること。
【解決手段】プレイヤによる操作入力に応じて第1プレイヤオブジェクトを移動させ、ゲーム画像の範囲外に他のプレイヤによって操作される第2プレイヤオブジェクトがいるとき、当該第2プレイヤオブジェクトを示す2Pアイコンを、ゲーム画像内であって当該第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示する。第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときであって、第2プレイヤオブジェクトの位置が第1プレイヤオブジェクトから所定距離内のときは、2Pアイコンに代えて、または加えて、第1状態を示す状態アイコンを表示し、所定距離以上離れているときは、2Pアイコンを表示する一方で状態アイコンは表示しない。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
プレイヤによる操作入力に応じて仮想空間内において第1プレイヤオブジェクトを移動させるオブジェクト移動手段と、
ゲーム画像を生成するための仮想カメラを前記第1プレイヤオブジェクトの位置に関連して制御する仮想カメラ制御手段と、
前記仮想空間内において前記ゲーム画像の範囲外となる位置に他のプレイヤによって操作される第2プレイヤオブジェクトがいるとき、当該第2プレイヤオブジェクトを示す2Pアイコンを、前記ゲーム画像内であって当該第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成するアイコン生成手段として機能させ、
前記アイコン生成手段は、前記第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときであって、
前記第2プレイヤオブジェクトの位置が前記第1プレイヤオブジェクトに関する基準位置から所定距離未満のときには、前記2Pアイコンに代えて、または前記2Pアイコンに加えて、前記第1状態を示す状態アイコンを前記ゲーム画像内であって前記第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成し、
前記第2プレイヤオブジェクトが前記所定距離以上離れているときには、前記2Pアイコンを前記ゲーム画像内に表示されるように生成する一方で前記状態アイコンは生成しない、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1状態である状態は所定時間続き前記第1プレイヤオブジェクトと前記第2のプレイヤオブジェクトとが当該第1状態が続いている間に近接することで所定のゲーム内効果が生じる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム内効果は、前記第2プレイヤオブジェクトが前記ゲームを有利に進めることができる効果である、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第1状態は、前記所定時間を経過すると、一旦プレイが中断されてプレイのやり直しが発生する状態、または、ゲームオーバーとなる状態であって、前記ゲーム内効果は、前記プレイを継続できる状態とする効果である、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記所定距離は、前記第1プレイヤオブジェクトが前記所定時間の間に継続的に移動した場合に進める距離よりも短い距離である、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記状態アイコンは、前記第2プレイヤオブジェクトについて前記所定時間が経過するまでの残り時間に関する情報を含む、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記状態アイコンは、前記第2プレイヤオブジェクトの位置までの距離に関する情報を含む、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記アイコン生成手段は、前記第1プレイヤオブジェクトが前記第1状態となった場合は、前記2Pアイコンに代えて、または、2Pアイコンに加えて、前記第2プレイヤオブジェクトの位置までの距離情報を前記ゲーム画像内に表示されるように生成する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記所定距離までは、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトの距離が離れるほど前記2Pアイコンを小さくしていき、当該所定距離より離れた場合は、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトの距離にかかわらず当該2Pアイコンの大きさを一定の大きさとする、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトの距離が前記所定距離より離れた場合、前記2Pアイコンの表示態様を変化させる、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記アイコン生成手段は、前記第2プレイヤオブジェクトが第2状態のときは、前記第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトとの距離にかかわらず、当該第2状態を示す特定状態アイコンを前記2Pアイコンに代えて、または前記2Pアイコンに加えて、前記ゲーム画像内に表示されるように生成する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記第2状態は、前記第2プレイヤオブジェクトが前記仮想空間からいなくなる状態である、請求項11に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記第2プレイヤオブジェクトは、前記仮想空間内に配置される所定のアイテムを取得することで、前記第1状態に変化する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記仮想空間は、前記第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときに移動可能となる領域を含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記ゲームは、互いに連続的に繋がっていない第1の仮想空間と第2の仮想空間とを含む仮想コースにおいて、前記第1プレイヤオブジェクトを移動させるゲームであり、
前記第1プレイヤオブジェクトが前記第1の仮想空間内に、前記第2プレイヤオブジェクトが前記第2の仮想空間内にあるときに、前記2Pアイコンを、前記第1の仮想空間に関するゲーム画像内であって、前記第2の仮想空間内における前記第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記ゲームは前記仮想世界が横スクロールまたは縦スクロールするように前記ゲーム画像が表示されるゲームであり、
前記第1の仮想空間における左右方向または上下方向に延びる第1の所定範囲と、前記第2の仮想空間における左右方向または上下方向に延びる第2の所定範囲とが、関係する範囲として予め設定されており、
前記第2プレイヤオブジェクトが左右方向または上下方向において前記第2の所定範囲に含まれる位置にあるとき、前記2Pアイコンを、前記第1の仮想空間に関するゲーム画像内であって、前記第2プレイヤオブジェクトの位置に基づく前記第2の所定範囲の位置に対応する前記第1の所定範囲の位置に応じた位置に表示されるように生成する、請求項15に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
前記第2の仮想空間内における位置を前記第1の仮想空間内における位置に対応付けるための関係が予め設定されており、
前記アイコン生成手段は、当該関係に基づいて前記第2の仮想空間内における第2プレイヤオブジェクトの位置を前記第1の仮想空間内における位置に対応付けし、当該第1の仮想空間における対応付けられた位置に応じた前記ゲーム画像内の位置に表示されるように、前記2Pアイコンを生成する、請求項15に記載のゲームプログラム
【請求項18】
前記アイコン生成手段は、前記第1プレイヤオブジェクトと前記第2プレイヤオブジェクトとが異なる空間にいる場合は、当該第2プレイヤの状態が第1状態のときであっても、前記状態アイコンは生成せずに、前記2Pアイコンを生成する、請求項15に記載のゲームプログラム。
【請求項19】
ゲームシステムのコンピュータに実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
プレイヤによる操作入力に応じて仮想空間内において第1プレイヤオブジェクトを移動させ、
ゲーム画像を生成するための仮想カメラを前記第1プレイヤオブジェクトの位置に関連して制御させ、
前記ゲーム画像の範囲外に他のプレイヤによって操作される第2プレイヤオブジェクトがいるとき、当該第2プレイヤオブジェクトを示す2Pアイコンを、前記ゲーム画像内であって当該第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成させ、
前記第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときであって、
前記第2プレイヤオブジェクトが前記第1プレイヤオブジェクトに関する基準位置から所定距離未満のときには、前記2Pアイコンに代えて、または前記2Pアイコンに加えて、前記第1状態を示す状態アイコンを前記ゲーム画像内に表示されるように生成させ、
前記第2プレイヤオブジェクトが前記所定距離以上離れているときには、前記2Pアイコンを前記ゲーム画像内であって前記第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成させる一方で前記状態アイコンは生成させない、ゲーム処理方法。
【請求項20】
プレイヤによる操作入力に応じて仮想空間内において第1プレイヤオブジェクトを移動させるオブジェクト移動手段と、
ゲーム画像を生成するための仮想カメラを前記第1プレイヤオブジェクトの位置に関連して制御する仮想カメラ制御手段と、
前記ゲーム画像の範囲外に他のプレイヤによって操作される第2プレイヤオブジェクトがいるとき、当該第2プレイヤオブジェクトを示す2Pアイコンを、前記ゲーム画像内であって当該第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成するアイコン生成手段とを備え、
前記アイコン生成手段は、前記第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときであって、
前記第2プレイヤオブジェクトが前記第1プレイヤオブジェクトに関する基準位置から所定距離未満のときには、前記2Pアイコンに代えて、または前記2Pアイコンに加えて、前記第1状態を示す状態アイコンを前記ゲーム画像内に表示されるように生成し、
前記第2プレイヤオブジェクトが前記所定距離以上離れているときには、前記2Pアイコンを前記ゲーム画像内であって前記第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成する一方で前記状態アイコンは生成しない、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画面外にいるプレイヤキャラクタに関する情報の表示制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定条件を満たした状態のプレイヤオブジェクトが表示範囲外に存在する場合に、当該プレイヤオブジェクトの位置を示す位置マークを表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、所定条件を満たした状態であることの通知が常に表示されることによって、プレイヤ自身のゲームプレイに集中できなくなる虞があった。その一方で、上記のような位置マークが無いと、他のプレイヤオブジェクトの存在やその位置がわからなくなってしまう虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0006】
(構成1)
構成1は、情報処理装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムである。コンピュータを、プレイヤによる操作入力に応じて仮想空間内において第1プレイヤオブジェクトを移動させるオブジェクト移動手段と、ゲーム画像を生成するための仮想カメラを前記第1プレイヤオブジェクトの位置に関連して制御する仮想カメラ制御手段と、ゲーム画像の範囲外に他のプレイヤによって操作される第2プレイヤオブジェクトがいるとき、当該第2プレイヤオブジェクトを示す2Pアイコンを、ゲーム画像内であって当該第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成するアイコン生成手段として機能させる。そして、上記アイコン生成手段は、第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときであって、(1)第2プレイヤオブジェクトが第1プレイヤオブジェクトに関する基準位置から所定距離未満のときには、2Pアイコンに代えて、または2Pアイコンに加えて、第1状態を示す状態アイコンをゲーム画像内であって第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成し、(2)第2プレイヤオブジェクトが所定距離以上離れているときには、2Pアイコンをゲーム画像内に表示されるように生成する一方で状態アイコンは生成しない。
【0007】
上記構成によれば、画面外にいる第2プレイヤオブジェクトが第1状態になった場合、第1プレイヤオブジェクトから所定距離よりは近いときには、当該第1状態であることがわかる。そのため、プレイヤは、第2プレイヤオブジェクトのいる位置および状態に応じたゲーム進行ができる。他方、上記所定距離よりも遠いときには、第1状態であることまではプレイヤには伝えられない。そのため、プレイヤは、第2プレイヤオブジェクトがいることやその位置は把握しつつも、第1状態であることが必要以上に知らされることによってゲームの興趣性が低下することを抑制できる。
【0008】
(構成2)
構成2は、上記構成1において、第1状態である状態は所定時間続き、第1プレイヤオブジェクトと第2のプレイヤオブジェクトとが、当該第1状態が続いている間に近接することで所定のゲーム内効果が生じる状態であってもよい。
【0009】
上記構成によれば、所定のゲーム内効果を生じさせる、または生じさせないようにすることにあたって、第2プレイヤオブジェクトが第1状態であることが把握できるため、ゲームの興趣性が向上できる。その一方で、第2プレイヤオブジェクトがある程度離れている場合には、第1状態かどうかを表示しないことで、プレイヤは自身のゲーム操作に集中できる。
【0010】
(構成3)
構成3は、上記構成1において、ゲーム内効果は、第2プレイヤオブジェクトがゲームを有利に進めることができる効果であってもよい。
【0011】
上記構成によれば、プレイヤがゲーム内効果を発生させるために第2プレイヤオブジェクトに第1プレイヤオブジェクトを近づけようとしたにもかかわらず、第2プレイヤオブジェクトまでの距離が遠かったためにゲーム内効果を発生できなかった場合、興趣性を低下させる虞があるが、所定距離以上離れている場合は第1状態かどうかの情報を表示しないようにすることで、このような興趣性の低下を抑制できる。その一方で、第1状態であることが表示されると、ある程度近くに第2プレイヤオブジェクトがいるということになるため、ゲーム内効果を発生させるために第2プレイヤオブジェクトに第1プレイヤオブジェクトを近づけさせることのモチベーションを提供できる。
【0012】
(構成4)
構成4は、上記構成3において、第1状態は、所定時間を経過すると、一旦プレイが中断されてプレイのやり直しが発生する状態、または、ゲームオーバーとなる状態であって、ゲーム内効果は、プレイを継続できる状態とする効果であってもよい。
【0013】
上記構成によれば、所定時間内にゲーム内効果を発生させることへのモチベーションを高めることができる。
【0014】
(構成5)
構成5は、上記構成2~4のいずれかにおいて、所定距離は、第1プレイヤオブジェクトが所定時間の間に継続的に移動した場合に進める距離よりも短い距離であってもよい。
【0015】
上記構成によれば、所定のゲーム内効果が生じない、あるいは生じさせることが困難な状況であるにもかかわらず、状態アイコンを表示することでゲームの興趣性が低下することを抑制できる。
【0016】
(構成6)
構成6は、上記構成2~5のいずれかにおいて、状態アイコンは、第2プレイヤオブジェクトについて上記所定時間が経過するまでの残り時間に関する情報を含んでいてもよい。
【0017】
上記構成によれば、制限時間の残りを表示することでプレイヤの緊張感を高め、ゲームの興趣性を向上できる。
【0018】
(構成7)
構成7は、上記構成2~6のいずれかにおいて、状態アイコンは、第2プレイヤオブジェクトの位置までの距離情報を含んでいてもよい。
【0019】
上記構成によれば、第2プレイヤオブジェクトまでの距離を寄り具体的に把握できるため、プレイヤの利便性を向上できる。
【0020】
(構成8)
構成8は、上記構成2~7のいずれかにおいて、アイコン生成手段は、第1プレイヤオブジェクトが第1状態となった場合は、2Pアイコンに代えて、または、2Pアイコンに加えて、第2プレイヤオブジェクトの位置までの距離情報をゲーム画像内に表示されるように生成してもよい。
【0021】
上記構成によれば、いずれのプレイヤにとっても、他のプレイヤオブジェクトがどの方向にどの程度離れているのか把握しやすくなる。
【0022】
(構成9)
構成9は、上記構成2~8のいずれかにおいて、所定距離までは、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトの距離が離れるほど2Pアイコンを小さくしていき、当該所定距離より離れた場合は、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトの距離にかかわらず当該2Pアイコンの大きさを一定の大きさとしてもよい。
【0023】
上記構成によれば、第2プレイヤオブジェクトが第1状態のとき、アイコンのサイズである程度距離がわかるため、第2プレイヤオブジェクトに近づくか否かの判断を行いやすくなる。
【0024】
(構成10)
構成10は、上記構成2~8のいずれかにおいて、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトの距離が所定距離より離れた場合、2Pアイコンの表示態様を変化させてもよい。
【0025】
上記構成によれば、第1状態か否かが表示されない状況であることがプレイヤにわかりやすくなる。
【0026】
(構成11)
構成11は、上記構成1~10のいずれかにおいて、アイコン生成手段は、第2プレイヤオブジェクトが第2状態のときは、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトとの距離にかかわらず、当該第2状態を示す特定状態アイコンを2Pアイコンに代えて、または2Pアイコンに加えて、ゲーム画像内に表示されるように生成してもよい。
【0027】
上記構成によれば、例えばプレイヤによって重要性の高い特定の状態の情報は距離に関わらず常に表示し、距離によっては重要性が低下する状態の情報については、距離に応じて表示を切り替えることで、快適なゲームプレイが可能となる。
【0028】
(構成12)
構成12は、上記構成11において、第2状態は、前記第2プレイヤオブジェクトが前記仮想空間からいなくなる状態であってもよい。
【0029】
上記構成によれば、例えば第2プレイヤオブジェクト(他のプレイヤ)が仮想空間からいなくなった場合、2Pアイコンを消すだけではそのことが伝わりにくいところ、2Pアイコンを消すだけの場合に比べて、わかりやすく伝えることができる。
【0030】
(構成13)
構成13は、上記構成1において、第2プレイヤオブジェクトは、仮想空間内に配置される所定のアイテムを取得することで、第1状態に変化してもよい。
【0031】
上記構成によれば、第2プレイヤオブジェクトが第1状態に変化したことをプレイヤが把握でき、これをもって、プレイヤは、第1プレイヤオブジェクトの近くに、所定のアイテムが存在していることが認識できる。
【0032】
(構成14)
構成14は、上記構成1において、仮想空間は、第2プレイヤオブジェクトが第1状態のときに移動可能となる領域を含んでいてもよい。
【0033】
上記構成によれば、2Pアイコン、状態アイコンの表示によって、第1状態に変化しないと行けない場所があるということをプレイヤに認識させることができる。
【0034】
(構成15)
構成15は、上記構成1~14のいずれかにおいて、上記ゲームは、互いに連続的に繋がっていない第1の仮想空間と第2の仮想空間とを含む仮想コースにおいて、第1プレイヤオブジェクトを移動させるゲームであってもよい。そして、第1プレイヤオブジェクトが第1の仮想空間内に、第2プレイヤオブジェクトが第2の仮想空間内にあるときに、2Pアイコンを、第1の仮想空間に関するゲーム画像内であって、第2の仮想空間内における第2プレイヤオブジェクトの位置に応じた位置に表示されるように生成してもよい。
【0035】
上記構成によれば、繋がっていない異なる仮想空間にそれぞれプレイヤオブジェクトがいるような場合でも、あたかも同じ仮想空間内にいるように感じさせることができる。
【0036】
(構成16)
構成16は、上記構成15において、ゲームは仮想世界が横スクロールまたは縦スクロールするように前記ゲーム画像が表示されるゲームであり、第1の仮想空間における左右方向または上下方向に延びる第1の所定範囲と、第2の仮想空間における左右方向または上下方向に延びる第2の所定範囲とが、関係する範囲として予め設定されていてもよい。そして、第2プレイヤオブジェクトが左右方向または上下方向において第2の所定範囲に含まれる位置にあるとき、2Pアイコンを、第1の仮想空間に関するゲーム画像内であって、第2プレイヤオブジェクトの位置に基づく第2の所定範囲の位置に対応する第1の所定範囲の位置に応じた位置に表示されるように生成してもよい。
【0037】
(構成17)
構成17は、上記構成15において、第2の仮想空間内における位置を第1の仮想空間内における位置に対応付けるための関係が予め設定されていてもよい。そして、アイコン生成手段は、当該関係に基づいて第2の仮想空間内における第2プレイヤオブジェクトの位置を第1の仮想空間内における位置に対応付けし、当該第1の仮想空間における対応付けられた位置に応じたゲーム画像内の位置に表示されるように、2Pアイコンを生成してもよい。
【0038】
上記構成によれば、別の仮想空間にいる第2プレイヤオブジェクトの移動に応じて2Pアイコンが所定の位置に表示されるため、あたかも同じ世界にいるように感じさせることができる。
【0039】
(構成18)
構成18は、上記構成15において、アイコン生成手段は、第1プレイヤオブジェクトと第2プレイヤオブジェクトとが異なる空間にいる場合は、当該第2プレイヤの状態が第1状態のときであっても、状態アイコンは生成せずに、2Pアイコンを生成してもよい。
【0040】
上記構成によれば、第2プレイヤオブジェクトが第1プレイヤオブジェクトとは別の仮想空間にいることがわかりやすくなる。
【発明の効果】
【0041】
本開示によれば、画面外にいる他のプレイヤオブジェクトとの距離によって、第1状態であることを表示したりしなかったりすることができる。これにより、ゲームの興趣性が低下することを抑制しつつ、プレイヤは、第2プレイヤオブジェクトのいる方向および状態に応じた快適なゲーム進行ができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの全体像を示す模式図
【
図2】ゲームサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】ゲーム装置3のハードウェア構成を示すブロック図
【
図13】2Pアイコン211のサイズと1Pキャラ201の距離との関係を説明するための図
【
図22】ゲーム装置3の記憶部32に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図23】ゲーム装置3で実行されるゲーム処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム(ゲームシステム)の全体像を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、ゲームサーバ1と、複数の情報処理端末3とを含む。ゲームサーバ1および情報処理端末3は、インターネット等のネットワーク10を介して通信可能に構成されている。本実施形態では、このような構成で、情報処理が実行されるが、以下では、当該情報処理の一例として、ゲーム処理を例として説明する。具体的には、情報処理端末3上にゲームプログラムがインストールされ、必要に応じてサーバ1や他の情報処理装置3と通信を行いながら実行されるゲーム処理を例示する。
【0044】
[ゲームサーバのハードウェア構成]
まず、上記ゲームサーバ1のハードウェア構成について説明する。本実施形態では、
図2は、ゲームサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。また、以下では、ゲームサーバ1のことを単にサーバと呼ぶこともある。サーバ1は、プロセッサ11と、記憶部12と、通信部13とを少なくとも備えている。プロセッサ11は、サーバ1を制御するための各種プログラムを実行する。記憶部12には、プロセッサ11によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部13は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記情報処理端末3または図示しない他のサーバとの間で所定のデータを送受信する。
【0045】
[情報処理端末のハードウェア構成]
次に、上記情報処理端末3について説明する。当該情報処理端末3は、例えばスマートフォン、据置型または携帯型のゲーム装置、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等である。本実施形態では、据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と呼ぶ)を情報処理端末3の一例として説明する。
【0046】
図3は、本実施形態に係るゲーム装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、ゲーム装置3は、プロセッサ31を備える。プロセッサ31は、ゲーム装置3において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ31は、記憶部32に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。なお、記憶部32は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0047】
また、ゲーム装置3は、ゲーム装置3が他のゲーム装置3や上記サーバと無線通信を行うための無線通信部33を備える。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。
【0048】
また、ゲーム装置3は、ゲーム装置3がコントローラ4と有線または無線通信を行うためのコントローラ通信部34を備える。
【0049】
また、ゲーム装置3には、画像音声出力部35を介して表示部5(例えば、テレビ等)が接続される。プロセッサ31は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像や音声を、画像音声出力部35を介して表示部5に出力する。
【0050】
次に、コントローラ4について説明する。コントローラ4は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック42を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック42は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。プレイヤは、アナログスティック42を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ4は、各種操作ボタンを含むボタン部43を備える。例えば、コントローラ4は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。
【0051】
また、コントローラ4は、慣性センサー44を備える。具体的には、コントローラ4は、慣性センサー44として、加速度センサー、角速度センサーを備えている。本実施形態においては、加速度センサーは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサーは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0052】
また、コントローラ4は、上記コントローラ通信部34と有線または無線通信を行うための通信部41も備える。上記アナログスティック42に対する方向入力内容、ボタン部43の押下状態を示す情報、および、慣性センサー44による各種の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信部41へ出力され、ゲーム装置3に送信される。
【0053】
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態に係る情報処理の動作概要を説明する。本実施形態では、情報処理の一例として、仮想空間内に存在するプレイヤキャラクタオブジェクト(以下、プレイヤキャラと呼ぶ)をプレイヤが操作して遊ぶゲーム処理を想定して説明する。より具体的には、本実施形態では、2D画面で進行する横スクロール型のアクションゲーム(以下、本ゲームと呼ぶ)を想定して説明する。本ゲームでは、プレイの主な舞台となる、「コース」と呼ばれる仮想空間が用意されている。当該仮想空間は、たとえば、2次元の仮想空間であり、横長の領域に各種のオブジェクトが配置されている。また、当該コースには、スタート地点とゴール地点が設定されている。スタート地点からゴール地点までの間には、様々な敵キャラクタや障害物、ジャンプ台や落とし穴等の各種ギミックが配置されている。そして、本ゲームは、これら敵キャラクタ等を倒したり回避したりしながら、プレイヤキャラをゴール地点に到達させるゲームである。なお、当該コースは、ゲームによっては「ステージ」や「ラウンド」等と呼ばれることもある。
【0054】
また、本ゲームは、マルチプレイが可能である。一例として、ゲーム装置3を上記サーバや他のゲーム装置3と、インターネット経由で接続することで、他のプレイヤとオンラインマルチプレイが可能である。より具体的には、本ゲームでは、いわゆるMO(Multiplayer Online)タイプのオンラインゲームにおける通信グループの構成を利用したオンラインマルチプレイが可能である。すなわち、上記コースに対応する通信グループ(以下、コース部屋と呼ぶ)、および、上記コースに相当する仮想空間が生成される。そして、当該仮想空間に、所定人数のプレイヤが「入室」することで、入室したプレイヤ同士でオンラインマルチプレイが可能となる態様である。なお、上記ステージ部屋には入室可能な人数の最大値が設けられている。本例では、ステージ部屋は1部屋に最大4人まで入室可能であるとする。また、本ゲームでは、一例として、ステージ部屋については、P2P(Peer to peer)の通信方式でゲーム装置3同士が接続する態様を用いるとする。
【0055】
以下では、2人のプレイヤで本ゲームをプレイしている場合を例として説明する。
図4は、本ゲームにおけるゲーム画面の一例である。
図4では、第1プレイヤが操作する1Pキャラ201と、第2プレイヤが操作する2Pキャラ202が表示されている。また、当該ゲーム画面は第1プレイヤのゲーム装置3に係るゲーム画面であり、以下の説明では、第1プレイヤおよび第1プレイヤのゲーム装置3の視点で説明する。また、以下では、当該ゲーム画面の座標軸に関して、上方向をy軸正方向、右方向をx軸正方向として説明する。
【0056】
なお、本ゲームでは、2Pキャラ202は、第2プレイヤの操作が反映されて移動はするが、第1プレイヤのゲーム装置3で実行されているゲームプレイの内容には直接的には干渉せず、影響は与えない。すなわち、第1プレイヤのゲームプレイは2Pキャラ202によって阻害されることがない。具体的には、ゲーム装置3同士の間では、各自のプレイヤキャラの位置情報だけが共有される。一方、敵キャラクタ等のその他のオブジェクトの状態や位置情報等は共有されない。例えば、第1プレイヤのゲーム装置3において、コース内における敵オブジェクト等との衝突判定処理については、1Pキャラ201についてのみ行われ、2Pキャラ202についての当たり判定処理は行われない。そのため、1Pキャラ201が2Pキャラ202の位置と重なっても、衝突せずにすり抜けて移動するような結果となる。また、2Pキャラ202が敵キャラクタと重なった場合も、2Pキャラ202と敵キャラクタとの衝突判定等は行われず、敵キャラクタが2Pキャラ202をすり抜けて移動するような結果となる。また、例えば、1Pキャラ201が敵キャラクタAを倒した場合も、この敵キャラクタAの状態が第2プレイヤのゲーム装置3に反映されることはない。第2プレイヤのゲーム装置3において、第2プレイヤが当該敵キャラクタAを倒していなければ、当該敵キャラクタAは依然として存在している状態で制御される。つまり、コースのプレイの進行管理自体は、各自のゲーム装置上で個別に行われ、この際に、同じコース部屋に2Pキャラ202がいる場合は、その表示だけは行う、というような制御となる。そのため、各プレイヤは、基本的には、他のプレイヤの行動の影響を受けることなく、また、他のプレイヤの行動を阻害等することなく、シングルプレイと同様の感覚でコースをプレイできる。
【0057】
[協力要素について]
上記のように、基本的には、各プレイヤは他のプレイヤからの影響を受けずに個別にゲームを進行できる。但し、本ゲームでは、以下の点で、協力プレイ的な要素を持たせている。具体的には、本ゲームでは、「復活補助」という機能で、他プレイヤとの間で影響を及ぼすことが可能である。当該「復活補助」について説明する。例えば1Pキャラ201が敵キャラクタと接触する等して、シングルプレイをしていると仮定した場合は「ミス」扱いとなる場合を想定する。当該「ミス」は、例えば、ゲームプレイの進行が一旦中断し、残機を1つ失って、プレイのやり直し(リスタート、リスポーン等)が発生するような場合、あるいは、残機が無い場合はゲームオーバーとなる場合のことである。このような場合、オンラインに接続した状態でプレイしている場合は、すぐに「ミス」扱いとはしない。その代わりに、1Pキャラ201の見た目を変化させる。以下では、当該見た目が変化したキャラクタのことを「復活待ちキャラ」と呼ぶ、また、復活待ちキャラに変化する前のプレイヤキャラの状態のことを「通常状態」、復活待ちキャラに変化したプレイヤキャラの状態のことを「復活待ち状態」と呼ぶ。
【0058】
上記復活待ちキャラは、第1プレイヤの操作によって移動させることが可能である。また、復活待ち状態の間は、復活待ちキャラと地形オブジェクト等の障害物との衝突判定は行われず、すり抜けることができる。また、復活待ち状態の間は、敵キャラクタ等からのダメージも受けない状態である。そして、所定時間が経過する前に、2Pキャラ202の位置と復活待ちキャラの位置とが近接すると、1Pキャラ201を通常状態に戻すことが可能である。一例として、見た目上、両者を接触させることで、「ミス」扱いにならずに、復活待ちキャラとなった1Pキャラ201を復活させることが可能である。これは、1Pキャラ201と2Pキャラ202の立場が逆の場合も同様である。すなわち、2Pキャラ202が敵キャラクタと接触する等したとき、2Pキャラ202は復活待ちキャラとなる。そして、所定時間内に1Pキャラ201と2Pキャラ202の位置を重ねることができれば、2Pキャラ202を復活させることができる。一方、所定時間内に両者の位置を重ねることができなかった場合は、そのときに「ミス」が確定し、残機を失ってリスタートする、またはゲームオーバーとなる。そのため、例えば、プレイヤキャラ同士である程度近い距離を保ちながら移動するようにすれば、「ミス」になり得るイベントが発生したときに、復活待ちキャラへの復活の手助けがしやすくなる。その結果、ゲームオーバーになりにくくなるという、マルチプレイでのプレイを活かした利点がある。なお、自身が操作するキャラクタ(1Pキャラ201)が復活待ちキャラに変化した際、上記復活可能な所定時間の残時間を示すカウント表示を画面内の所定の位置に表示するようにしてもよい。例えば、復活待ちキャラの下部付近に、当該復活待ちキャラの移動に追従するように残時間カウンタを表示してもよい。また、復活待ちキャラを復活させるためには、他のキャラに接触までさせなくてもよい。例えば、少なくとも一方のキャラを操作するプレイヤのゲーム画面に他方のキャラが表示される程度に近接したことをもって、復活待ちキャラを復活させてもよい。
【0059】
ところで、上記のように、各ゲーム装置3で個別にゲームを進行できる結果、1Pキャラ201と2Pキャラ202とが同じゲーム画面内に表示されないような位置関係となることもあり得る。
図5は、上記
図4の状態に対応する、コースの一部と、1Pキャラ201および2Pキャラ202との位置関係を示す模式図である。以下では、当該コース(仮想空間)の座標軸に関して、上方向をy軸正方向、右方向(ゴール地点がある方向)をx軸正方向として説明する。また、
図6は、
図5の状態から2Pキャラ202だけ少し先に進んだ状態の位置関係を示す模式図である。また、
図6において、2Pキャラ202の位置は、第1プレイヤのゲーム装置3に係るゲーム画面内には表示されないような位置となっている。
【0060】
図6のような状況の場合、1Pキャラ201を基準として、2Pキャラ202が大体どの位置(方向の概念も含む)にいるのかを第1プレイヤに把握させるために、本ゲームでは、ゲーム画面の右端または左端付近に、2Pキャラ202に対応する「マーカ」を表示する。本例では、以下に説明する「2Pアイコン」、または「状態アイコン」のいずれかが当該マーカとして表示される。なお、本例ではコース部屋に2人だけ入室している場合を例示しているが、例えば4人のプレイヤが入室している場合は、各プレイヤに対応するマーカがそれぞれ表示され得る。例えば、第1プレイヤのゲーム画面では、自分以外のプレイヤ(リモートプレイヤと呼ぶ)が操作する各プレイヤキャラに対応するマーカが、最大で3つまで、同時に表示され得る。
【0061】
図7に、第1プレイヤのゲーム画面におけるマーカの表示の一例を示す。
図7では、画面の右端の略中央付近に、マーカとして2Pアイコン211が表示されている。この図では、上記
図6で示したように、1Pキャラ201の右側(ゴールのある方向側)に距離Aだけ離れた位置に2Pキャラ202がいる関係となっているため、画面の右端に2Pアイコン211が表示されている。もし2Pキャラ202が1Pキャラ201の左側であって画面外となる位置にいる場合は、ゲーム画面の左端に2Pアイコン211が表示されることになる。なお、ゲーム画面上のy軸における2Pアイコン211の表示位置は、仮想空間内のy軸における2Pキャラ202の位置(以下、y軸位置)が反映される。例えば、
図6の状態から、
図8に示すように、2Pキャラ202がジャンプして少し上方向に移動した場合、
図9に示すように、第1プレイヤのゲーム画面でも、2Pアイコン211の表示位置が画面右端にあるまま、少し上方向に垂直移動する。このように、2Pアイコン211を表示することで、第2のプレイヤに係るプレイヤキャラが自分よりも先の位置にいるのか、後方の位置にいるのか、また、上方の位置にいるのか、下方の位置にいるのかについて第1プレイヤが把握しやすくしている。
【0062】
なお、ここでは横長のコースを想定したため、2Pアイコン211が画面の右端または左端のいずれかに表示される例を挙げた。この点、例えば部分的あるいは全体的に縦にも長いコース等、移動可能範囲が上下方向にも拡がるようなコースの場合は、画面の右端または左端に加えてまたは代えて、上端または下端で、2Pキャラ202のx軸における位置(以下、x軸位置)を反映した位置に2Pアイコン211が表示されてもよい。
【0063】
ここで、2Pアイコン211の表示例について補足する。
図10は、2Pアイコン211の拡大図である。
図10に示すように、2Pアイコン211は、丸枠の中に、2Pキャラ202の顔画像が表示されるような表示態様となっている。なお、これは一例であり、2Pキャラ202であることが識別できれば、他の画像を用いてもよい。例えば、「2P」やキャラクタ名等の文字を2Pアイコン211として表示してもよい。
【0064】
更に、本実施形態では、1Pキャラ201と2Pキャラ202との距離に応じて、2Pアイコン211の表示上のサイズを変化させる。具体的には、両者の距離が遠くなるほど、2Pアイコン211サイズを小さくしていく。そして、一定距離以上離れたら、2Pアイコン211を予め規定された最小サイズに固定する。当該距離は、上記仮想空間のx軸の直線距離で計測される。なお、当該距離は、1Pキャラ201と2Pキャラ202の間の2次元的な直線距離で計測されてもよい。これにより、1Pキャラ201と2Pキャラ202とがどの程度離れているのかについて、第1プレイヤが視覚的に把握しやすくなる。例えば、
図11に示すように、1Pキャラ201と2Pキャラ202とが距離Bだけ離れた場合を想定する。これは、上記
図6の状態における距離Aよりも更に長い距離である。このような場合、
図12に示すように、上記
図7の場合よりも小さいサイズで2Pアイコン211が表示される。
【0065】
図13に、2Pアイコン211のサイズと1Pキャラ201の距離との関係を示す。
図13において、第1距離は、1Pキャラ201が画面内で動くことが可能であることを前提として、1Pキャラ201の位置から画面右端までの距離である。第2距離は、第1距離よりは長い距離である。また、後述するが、上記「復活補助機能」を考慮して予め定められた所定の距離でもある。そして、2Pキャラ202が第1距離内にいる場合は、2Pキャラ202が直接表示されるため、2Pアイコン211は表示されない。2Pキャラ202が、第1距離から第2距離の間にいる場合は、1Pキャラ201からのx軸に係る直線距離に応じて、2Pアイコン211のサイズが変化する。また、2Pキャラ202が、第2距離より遠い位置にいる場合は、2Pアイコン211は最小サイズに固定されて表示されることになる。なお、上記第1距離については、上記画面の右端よりも少し先までの距離であってもよい。
【0066】
なお、2Pキャラ202が、上記第2距離より遠い位置にいる場合は、2Pアイコン211の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、2Pキャラ202が、第1距離から第2距離の間にいる場合は、上記
図10で示したような丸枠の中に2Pキャラ202の顔画像が表示されるような表示態様とする。一方、2Pキャラ202が、第2距離より遠い位置にいる場合、丸枠は表示せずに2Pキャラ202の顔画像だけを最小サイズで表示するようにしてもよい。すなわち、第2距離以内か否かでアイコンの表示態様が変わった場合においても、第2距離よりも遠い位置にいるときのアイコンの大きさは、第2距離以内にいるときのアイコンの大きさの最小サイズ(すなわち、第2距離にいるときのアイコンのサイズ)と同じかそれよりも小さい。
【0067】
次に、2Pキャラ202が復活待ち状態である場合の上記マーカの表示について説明する。2Pキャラ202が復活待ちキャラに変化しているときは、状態アイコンがマーカとして表示される。例えば、
図14で示すような、1Pキャラ201と2Pキャラ202との間が距離Aであるような位置関係において、2Pキャラ202が復活待ちキャラに変化した場合を想定する。この場合は、上記2Pアイコン211に代えて、例えば
図15に示すような状態アイコン212がマーカとして表示される。
図16に、当該状態アイコン212の拡大図を示す。
図16で示すように、状態アイコン212は、「HELP」の文字と、1Pキャラ201から見た2Pキャラ202までのゲーム内距離を示す距離カウンタとを含む画像となっている。このような内容が状態アイコン212として表示されることで、第1プレイヤは、画面外にいる2Pキャラ202が復活待ちキャラになったことと、どの程度離れていいるのかについて把握することが可能となる。また、当該状態アイコン212のサイズも、2Pアイコン211の場合と同様に、距離に応じて変化させる。そのため、状態アイコン212のサイズでも距離感が把握しやすくなる。これにより、当該状態アイコン212を認識した第1プレイヤは、2Pキャラ202を助けるべく、当該マーカを目印にして1Pキャラ201を2Pキャラ202に近づけるという、いわば救助活動を行うことへのモチベーションを得ることができる。
【0068】
なお、上記状態アイコン212は、第2プレイヤが所定の操作を行うことに応じて変化してもよい。例えば、2Pキャラ202が復活待ち状態に変化している間、第2プレイヤが、2Pキャラ202を一時的に高速移動させることができる操作(例えばBボタン連打)を行っている間だけ、「HELP」の状態アイコン212を表示させてもよい。一方、このような操作を行っていないときは、復活待ち状態であることを示すその他の状態アイコンを表示するようにしてもよい。これにより、第1プレイヤは、第2プレイヤが積極的に助けを求めているか否かをある程度推測できる。すなわち、状態アイコン212が表示されている場合は、第2プレイヤが2Pキャラ202をこちらに向けて急いで移動させていると考えられるため、積極的に助けを求めていると推測できる。その結果、第1プレイヤも、1Pキャラ201を2Pキャラ202に積極的に近づける操作を行う、という判断が可能となる。なお、第2プレイヤが復活待ち状態になっても、所定の操作を行わない限りは引き続き2Pアイコン211を表示するようにしてもよい。
【0069】
また、上記距離カウンタの表示態様に関して、数字の形式ではなく、例えばメータの形式で表示されてもよい。また、その他、距離カウンタに代えて、または加えて、上記所定時間経過までの残り時間を示す時間カウンタを上記状態アイコン212に含めてもよい。これも、数字形式の他、メータで表示してもよい。また、残り時間ではなく、復活待ち状態になってからの経過時間を示す時間カウンタを表示することで、間接的に残り時間を示してもよい。なお、「時間」は1秒、2秒といった時間の概念に限らず、1、2・・・といった時間的なカウントであってもよい。このとき、1カウントは1秒に対応せず、0.8秒や1.2秒に対応してもよい。また、復活待ち状態でいられるカウント数や1カウントの対応秒数は、ゲーム状況に応じて変化してもよい。
【0070】
また、2Pキャラ202が復活待ち状態である場合のマーカについて、本実施形態では2Pアイコン211に代えて状態アイコン212を表示する例を示した。この点、他の実施形態では、例えば
図17に示すような、2Pアイコン211に状態アイコン212を加えた画像をマーカとして表示してもよい。
図17の例では、2Pアイコン211の下部付近に状態アイコン212を加えた例を示している。リモートプレイヤが複数いる場合で、復活待ちキャラも複数同時に存在する場合、このようなマーカであれば、各リモートプレイヤを識別しやすくなる。
【0071】
ところで、上記の状態アイコン212の例示説明では、
図14の距離Aのように、1Pキャラ201と2Pキャラ202との位置関係がある程度近い場合を想定していた。この点、例えば、
図18に示すように、1Pキャラ201と2Pキャラ202との距離が上記距離Aよりも長い距離Bである場合を想定する。この距離Bは、どんなに急いでも、上記所定時間内に1Pキャラ201と復活待ちキャラ化した2Pキャラ202との位置を重ねることができないような距離であるとする。つまり、1Pキャラ201は2Pキャラ202を復活させることが間に合わないような距離であるとする。このような位置関係の場合にまで上記状態アイコン212を表示すると、状態アイコン212を認識した第1プレイヤが上記のような救助活動を行うものの、結局は2Pキャラ202の復活が間に合わず、却ってゲームの興趣性を低下させる虞がある。そこで、本実施形態では、1Pキャラ201と2Pキャラ202との距離が、上記所定時間内に1Pキャラ201が2Pキャラ202に到達できないと考えられるような距離より長いときは、上記状態アイコン212は表示しないようにする。すなわち、2Pキャラ202が復活待ちキャラに変化しても、両者の距離が所定距離以上の場合は、上記状態アイコン212は表示せずに、
図19に示すように、マーカの内容は2Pアイコン211のままとする。このような表示制御を行うことで、2Pキャラ202が復活待ちキャラに変化した際に、上記のような救助活動が間に合う可能性がある場合は、上記状態アイコン212を表示することで、救助活動を促す。これにより、オンラインプレイならではのメリットを感じさせ、また、オンラインでプレイすることを促進できる。その一方で、救助活動が間に合いそうもない場合は、状態アイコン212を表示しないようにすることで、ゲームの興趣性が低下してしまうことを抑制することができる。
【0072】
ここで、上記状態アイコン212を表示するか否かの閾値となる距離(以下、状態アイコン閾値距離と呼ぶ)については、復活待ちキャラになってから「ミス」が確定するまでの上記所定時間に基づいて予め決定される。具体的には、状態アイコン閾値距離は、通常状態のキャラが上記所定時間移動したとして近接可能であることを想定した距離の上限値と同じかまたは短い距離である。つまり、1Pキャラ201の位置から見て、復活待ち状態の2Pキャラ202を復活させることが間に合う範囲を想定したものである。なお、本実施形態では、上記
図13で示した第2距離を状態アイコン閾値距離として用いるものとする。換言すれば、状態アイコン閾値距離と、2Pアイコン211が最小サイズに固定されて表示される閾値となる距離とを、同じ上記第2距離として扱っている。そのため、上記
図13の例で言うと、上記第2距離までは、基本的には2Pアイコン211を表示しつつ、2Pキャラ202が復活待ちキャラになったときは状態アイコン212が表示される。また、上記第2距離までは、2Pアイコン211も状態アイコン212も、距離に応じてサイズが変更されて表示される。一方、2Pキャラ202が第2距離より先の位置にいる場合は、復活待ちキャラに変化したとしても、最小サイズの2Pアイコン211が表示されることになる。なお、他の実施形態では、上記第2距離と、状態アイコン閾値距離とで別の値を用いてもよい。この場合は、例えば、状態アイコン閾値距離は、上記第2距離よりも短い距離としてもよい。
【0073】
また、上記で言及したように、2Pキャラ202が、第2距離より遠い位置にいる場合、2Pアイコン211の丸枠を表示しない態様にすれば、2Pキャラ202の状態変化がマーカとして表示されない状況である、ということを第1プレイヤに把握させやすくできる。そのため、2Pアイコン211の丸枠が表示されていないことを視認した第1プレイヤは、少なくともそのときは、2Pキャラ202を復活させに行っても間に合わないくらい距離が離れている状況であることを認識できる。
【0074】
なお、本例では、距離の計測において、1Pキャラ側の基準位置を1Pキャラ201の位置としているが、他の実施形態では、第1プレイヤのゲーム画面の右端または左端の位置を基準として2Pキャラ202との距離を判定してもよい。つまり、1Pキャラ201に関する基準位置を設定し、当該基準位置から2Pキャラ202までの距離が状態アイコン閾値距離以上であれば、2Pキャラ202の状態に関わらず、常に2Pアイコン211をマーカとして使用し、状態アイコン212は表示しないようにすればよい。
【0075】
また、本実施形態では、状態アイコン212のサイズについては、2Pキャラ202までの距離に応じて変化させる例を挙げた。この点、他の実施形態では、2Pキャラ202までの距離にかかわらず、状態アイコン212を一定のサイズで固定して表示してもよい。
【0076】
上記の説明は、2Pキャラ202が復活待ちキャラになった場合の例示であった。次に、1Pキャラ201が復活待ちキャラになった場合の画面例を説明する。この場合、2Pキャラ202のマーカとして、
図20に示すようなマーカが表示される。
図21に、この場合の2Pキャラ202に対応するマーカの拡大図を示す。1Pキャラ201が復活待ちキャラになった場合であって、上記
図13で示した第2距離内に2Pキャラ202がいる場合は、
図21に示すように2Pアイコン211の下部に、2Pキャラ202までの距離を示す距離カウンタが加えられたものがマーカとして表示される。第1プレイヤは、当該距離カウンタも併用することで、2Pキャラ202との距離感を把握できる。この点、他の実施形態では、2Pアイコン211に代えて変えて距離カウンタのみをマーカとして表示してもよい。なお、上記第2距離よりも先に2Pキャラ202がいる場合は、上記距離カウンタは表示されない。上記のように、復活が間に合わないような距離であるためである。
【0077】
ここで、本実施形態では、2Pキャラ202が復活待ち状態になったとき、状態アイコン212を表示するという例を挙げた。この点、復活待ち状態とはまた異なる他の状態に応じて、上記状態アイコン212として表示する内容を異ならせてもよい。例えば、各プレイヤは、所定の操作でエモート表示を行えるようにしてもよい。エモート表示とは、プレイヤの感情や気持ちを示すための画像である。例えば、笑い顔のアイコンや「こんにちは」といった文字のアイコンがエモート表示として利用され得る。各プレイヤが、エモート表示操作を行うと、各自のプレイヤキャラの近傍にエモート画像が表示される。そして、例えば画面外にいる第2プレイヤがエモート表示操作を行った場合、2Pキャラ202が「エモート表示中の状態」であるとして、所定時間の間、上記マーカの内容をエモート表示の画像に変更してもよい。
【0078】
また、プレイヤキャラの状態の他の例として、例えば、各プレイヤキャラが、コース上に配置されている所定のアイテムを取得することで、そのプレイヤキャラの状態を特殊な状態に変化させることができるようにしてもよい。この場合、特殊な状態であることを示す画像を上記状態アイコン212として表示してもよい。これにより、例えば第1プレイヤは、2Pキャラ202が特殊な状態に変化したことを認識できる。また、上記のように、2Pキャラ202との距離が一定以上の場合、状態アイコン212は表示されないよう制御される。換言すれば、特殊状態を示す状態アイコン212が表示されているということは、1Pキャラ201の現在位置の近くに上記特殊状態に変化できるアイテムが配置されている可能性が高いということでもある。そのため、特殊状態を示す状態アイコン212を認識した第1プレイヤは、2Pキャラ202のマーカを参考にして、現在位置の付近で上記特殊状態に変化できるアイテムを探すことも可能となる。また、一例として、プレイヤキャラの特殊な状態が、通常の状態のプレイヤキャラでは到達できない仮想空間内の特定の領域に到達可能な状態である場合、第1プレイヤは、2Pキャラ202が特殊な状態だからある位置(方向)にいるように状態アイコン212が表示されていることを把握でき、同様の位置に行くためには自身も特殊な状態になる必要があることを推測することができる。なお、当該特殊状態に変化できるアイテムについては、その取得状況だけはオンライン中のプレイヤ間で共有するようにしてもよい。例えば、各ゲーム装置3に係るコース上に1つだけ配置され、いずれかのプレイヤが取得すれば、他のプレイヤに係るコース上からも消去されるようにしてもよい。つまり、コース部屋全体で1つだけ存在させ、早い者勝ちで取得できるというゲーム要素としてもよい。この場合でも、特殊状態を示す状態アイコン212を認識した第1プレイヤは、その周辺に特殊状態に変化できるアイテムがあることは認識できるため、今回のプレイでは取得できなかったが次回のプレイで取得することの参考情報とすることができる。
【0079】
また、2Pキャラ202の状態が特定の状態となった場合、1Pキャラ201との距離にかかわらず、マーカを、特定の状態であることを示す特定状態アイコンに変化させてもよい。一例として、特定の状態は、2Pキャラ202がコースからいなくなることを示す状態である。例えば、2Pキャラ202が1Pキャラ201より先にゴールしてコースをクリアした場合である。クリアした第2プレイヤ(2Pキャラ202)はコース部屋から退室することになる。この場合は、例えば、旗の画像等、ゴールしたこと(コース部屋から退室した)ことを示す特定状態アイコンを、2Pキャラ202との距離にかかわらず表示するようにしてもよい。なお、このときの特定状態アイコンは、2Pキャラ202との距離にかかわらず一定のサイズで表示するようにしてもよい。また、例えば、2Pキャラ202の残機がなくなり、第2プレイヤがゲームオーバーとなってコース部屋から退室したような場合も、同様にマーカの内容を変更してもよい。例えば丸枠内にバツマークの画像等を、距離にかかわらず表示するようにしてもよい。ゴールやゲームオーバーとなって他プレイヤがコース部屋から退室した(いなくなった)場合、仮に単にマーカを消去するだけでは、他プレイヤがいなくなったことに気付きにくいと考えられる。そこで、このようにマーカで明示的に示すことで、いなくなったことがわかりやすくなる。なお、2Pキャラ202が、残機はあるもののミスした場合、すなわち、2Pキャラ202がプレイのやり直しをするために一時的にコースからいなくなる場合にも、2Pキャラ202との距離にかかわらず特定状態アイコンを表示するようにしてもよい。また、特定の状態は、一例として、2Pキャラ202がそのコースに参加(そのコースでのプレイを開始)した状態であってもよい。
【0080】
上記のように、2Pキャラ202の状態が特定の状態の場合に、距離にかかわらず特定状態アイコンを表示することで、マーカとして第1プレイヤに伝える情報の重要性に応じてマーカの表示を使い分けることができる。例えば、上記のような他のプレイヤキャラのゴール状況やゲームオーバー状態等の、特定の状態であることの情報については、第1プレイヤにとって比較的重要であるとして、距離にかかわらず常にマーカで示すことができる。その一方で、復活待ち状態のような、1Pキャラ201との距離によっては重要度が変化する情報については、距離に応じて表示の有無を切り替えることで、快適なゲームプレイが可能となる。
【0081】
なお、特定の状態になったことを示す特定状態アイコンについては、一定時間表示した後、消去するようにしてもよい。2Pキャラ202の状態は第1プレイヤに十分に周知されたと考えられるためである。
【0082】
次に、第1の実施形態に係るゲーム処理の詳細について説明する。なお、ここでは主に、ゲーム装置3における処理について説明する。ゲームサーバ1では、主にプレイヤ同士をマッチングする処理やコース部屋を管理する処理が行われ得るが、上記マーカの表示制御に直接的に関連しないため、ゲームサーバ1の処理についての説明は割愛する。
【0083】
[ゲーム装置3で用いられるデータについて]
まず、ゲーム装置3で用いられるデータに関して説明する。
図22は、ゲーム装置3の記憶部32に含まれるDRAMに記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。当該各種のデータは、例えば、専用メモリカード等に記憶されているゲームデータから必要に応じて読み出された一部のデータが、DRAMに記憶されたものである。また、ゲーム処理に必要な一時的なデータとして、DRAMに生成されたものである。ゲーム装置3の記憶部32に含まれるDRAMには、ゲームプログラム301、プレイヤキャラデータ302、リモートキャラデータ303、コースデータ304、操作データ305、送信用データ306が少なくとも記憶される。
【0084】
ゲームプログラム301は、ゲーム装置3において、本実施形態におけるゲーム処理を実行するためのプログラムである。
【0085】
プレイヤキャラデータ302は、上記第1プレイヤの操作対象となる上記1Pキャラ201に関するデータである。プレイヤキャラデータ302には、コース内における1Pキャラ201の位置を示すデータ、復活待ちキャラに変化した状態であるか否か等、1Pキャラ201の状態を示すデータ等が含まれている。
【0086】
リモートキャラデータ303は、他のゲーム装置から受信した、上記2Pキャラ202に関するデータである。例えば、リモートキャラデータ303には、コース内における2Pキャラ202の位置を示す情報や、2Pキャラ202の状態を示す情報が含まれている。なお、本実施形態ではコース部屋に2人だけ入室している場合を例示しているが、例えば4人のプレイヤが入室している場合は、3人分のリモートキャラデータ303が記憶され得る。
【0087】
コースデータ304は、プレイする対象となるコースを構築するためのデータが含まれている。具体的には、コースデータ304には、スタート地点とゴール地点の位置情報、配置される各種オブジェクトの外観、配置位置、行動パターン等を示すデータが含まれる。
【0088】
操作データ305は、プレイヤが操作するコントローラ4から得られるデータである。すなわち、プレイヤが行った操作内容を示すデータである。
【0089】
送信用データ306は、1Pキャラ201のコース内における現在位置や現在の状態(通常状態か復活待ち状態か等)を示す情報を他のゲーム装置に送信するために用いられるデータである。
【0090】
[ゲーム装置3のプロセッサ31が実行する処理の詳細]
次に、ゲーム装置3のプロセッサ31が実行するコースプレイ処理の詳細を説明する。
図23は、当該コースプレイ処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態では、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された上記プログラムを読み込んで実行することにより、以下に示すフローチャートが実現される。なお、ここでは、主に上記マーカの表示制御に関する処理を説明し、その他のゲーム処理の詳細な説明は割愛する。また、以下に示すフローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0091】
ゲーム装置3において、所定のコースをプレイする指示が行われることで、コースプレイ処理が開始する。コースプレイ処理が開始されると、まず、ステップS1で、プロセッサ31は、準備処理を実行する。当該準備処理では、以下のような処理が行われる。まず、ゲームサーバ1にマッチング処理のリクエストが送信され、その結果、第1プレイヤと第2プレイヤがマッチングされる。更に、当該マッチング結果をサーバから受信し、その内容に基づいて、上記第1プレイヤおよび第2プレイヤのゲーム装置3に係る通信セッションを確立する処理が実行される。次に、プロセッサ31は、指定されたコースに係るコースデータ304を例えば専用メモリカード等から読み込み、上記DRAMに記憶する。そして、当該コースデータ304に基づいて、今回プレイするコースを構築する処理が行われる。更に、構築されたコース上に1Pキャラ201、敵キャラクタ等の各種オブジェクトを配置する処理が行われる。そして、上記コースを仮想カメラで撮像し、ゲーム開始直後のゲーム画面が生成されて表示部5に表示される。
【0092】
次に、ステップS2で、プロセッサ31は、操作データ305に基づき、1Pキャラ201の動作制御を行う。また、これに伴い、プロセッサ31は、1Pキャラ201の現在位置と、現在の状態とを示す情報を含む送信用データ306を他のゲーム装置3に送信する。
【0093】
次に、ステップS3で、プロセッサ31は、2Pキャラ202の動作制御を行う。具体的には、プロセッサ31は、他のゲーム装置3から受信したリモートキャラデータ303に基づいて、2Pキャラ202を移動させる。
【0094】
次に、ステップS4で、プロセッサ31は、1Pキャラ201と2Pキャラ202の、コースの座標系のx軸における直線距離を算出する。
【0095】
次に、ステップS5で、プロセッサ31は、上述したようなマーカを表示する必要があるか否かを、上記算出した距離に基づいて判定する。具体的には、1Pキャラ201と2Pキャラ202とが1画面内で表示されるような距離(上記第1距離未満)の場合は、マーカ表示は不要と判定される。一方、1Pキャラ201基準で見て、2Pキャラ202が画面外に位置するような距離(上記第1距離以上)の場合は、マーカ表示が必要と判定される。なお、上記は一例であり、例えば、2Pキャラ202が仮想カメラによる撮像範囲内にいるか否かの判定に基づいて、マーカ表示の要否を判定してもよい。
【0096】
上記判定の結果、マーカ表示が不要と判定された場合は(ステップS5でNO)後述のステップS9に処理が進められる。一方、マーカ表示が必要と判定された場合は(ステップS5でYES)、ステップS6で、プロセッサ31は、上記算出した直線距離と、1Pキャラ201および2Pキャラ202の状態に基づいて、上記マーカとして表示する内容を決定する。例えば、上記直線距離が上記
図13で示した第2距離未満の場合であって、1Pキャラ201も2Pキャラ202も通常状態である場合は、マーカの内容として2Pアイコン211を表示することが決定される。また、同じく第2距離未満の場合で、1Pキャラ201が通常状態で、2Pキャラ202が復活待ち状態やエモート状態である場合は、マーカの内容として状態アイコン212を表示することが決定される。また例えば、1Pキャラ201が復活待ち状態、2Pキャラ202は通常状態の場合であって、2Pキャラ202との距離が上記第2距離未満のあれば、上記
図21で示したような2Pアイコン211に距離カウンタを付加したものがマーカの内容として決定される。また、上記直線距離が第2距離以上の場合は、2Pキャラ202の状態にかかわらず、2Pアイコン211を表示することが決定される。また、例えば2Pキャラ202がゴールした状態であれば、上記直線距離が第2距離以上か否かに関わらずゴールしたことを示す特定状態アイコンがマーカの表示内容として決定される。なお、当該特定状態アイコンの表示態様については、1Pキャラ201との距離にかかわらず同じものであってもよいし、距離に応じて異なっていてもよい。例えば、一定距離未満であれは枠付き表示、一定距離以上では枠無し表示する、等である。
【0097】
次に、ステップS7で、プロセッサ31は、1Pキャラ201および2Pキャラ202の状態と、上記算出した直線距離に基づき、マーカの表示サイズを決定する。具体的には、プロセッサ31は、上記直線距離が上記第2距離より短い場合は、当該直線距離に応じて2Pアイコン211または状態アイコン212の表示サイズを決定する。上記直線距離が上記第2距離より長い場合は、2Pアイコン211を最小サイズに決定する。なお、上記特定状態アイコンをマーカとして表示する場合は、1Pキャラ201との距離にかかわらず一定のサイズで表示してもよい。
【0098】
次に、ステップS8で、プロセッサ31は、1Pキャラ201と2Pキャラ202との位置関係に基づき、マーカの表示位置を決定する。まず、プロセッサ31は、第1プレイヤのゲーム画面の右端にマーカを表示するか左端にマーカを表示するかを決定する。例えば、スタート地点がコースの左端でゴール地点がコースの右端であるとする。この場合、画面外となる位置の2Pキャラ202が1Pキャラ201よりもスタート地点寄りの位置にいれば、プロセッサ31は、ゲーム画面の左端をマーカの表示位置として決定する。逆に、ゴール地点寄りの位置にいれば、ゲーム画面の右端をマーカの表示位置として決定する。次に、プロセッサ31は、コース座標系のy軸における2Pキャラ202の位置に基づき、画面のy軸におけるマーカの表示位置を決定する。これにより、画面の右端または左端で、2Pキャラ202のy軸位置に応じた位置がマーカの表示位置として決定される。また、コースの構成次第では、画面の上端または下端であって、2Pキャラ202のx軸位置に応じた位置がマーカの表示位置として決定されでもよい。
【0099】
次に、ステップS9で、プロセッサ31は、1Pキャラ201の位置に基づいて決定された所定の位置に仮想カメラを移動させ、当該位置からコースを撮像する。当該位置は、例えば1Pキャラ201がゲーム画面のx軸方向上において略中央付近に映るような位置である。
【0100】
次に、ステップS10で、プロセッサ31は、上記撮像した画像に対して、上記決定された表示位置にマーカの画像を合成することで、ゲーム画像を生成する。そして、当該生成したゲーム画像を表示部5に表示する。
【0101】
次に、ステップS11で、プロセッサ31は、1Pキャラ201がゴール地点に到達してコースをクリアしたか否かを判定する。まだゴール地点に到達していない場合は(ステップS11でNO)、上記ステップS2に戻り、処理が繰り返される。ゴールに到達した場合(ステップS11でYES)、コースクリアしたとして、プロセッサ31は、所定のクリア演出等を表示し、コースプレイ処理を終了する。また、これに伴い、他のゲーム装置3との通信セッションも切断され、コース部屋からの退室が行われる。
【0102】
このように、第1の実施形態では、画面外にいる2Pキャラ202が所定距離よりは近い場合は、2Pキャラ202が例えば復活待ち状態になったことがわかるため、第1プレイヤは、2Pキャラ202の位置および状態に応じたゲームの進め方が可能となる。他方で、2Pキャラ202が所定距離よりも遠い場合は、例えば復活待ち状態であることまでは第1プレイヤはわからない。そのため、2Pキャラ202が同じコースにいること、およびその位置は把握しつつも、復活待ち状態等の状態変化が必要以上に知らされることによってゲームの興趣性が低下することが抑制される。
【0103】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態では、上記コースの構成として、スタート地点からゴール地点までの地形が同じ仮想空間内に構築されているものを例示した。いわば、全体として1つのエリアとして構成されているコースを例示した。第2の実施形態では、例えば
図24に示すように、1つにコースの中に、第1エリアと第2エリアとの2つの異なるエリアが含まれているような構成のコースを想定する。当該2つのエリアは、別の仮想空間としてそれぞれ構築されるものである。すなわち、地続きで繋がっているものではない。そして、例えば、
図24の第1エリアにおける第1入口にプレイヤキャラを移動させて所定の操作を行うことで、プレイヤキャラを第2エリアの第1出口に移動させることができる。また、プレイヤキャラを第2エリアの第2入口に移動させて所定の操作を行うことで、第1エリアにおける第2出口にプレイヤキャラを移動させることができる。この際、入口に進入した方向で出口から出るようにしてもよい。例えば、下方向に進むように入口に進入した場合は、下方向へ進むようにして出口から出てきてもよい。なお、
図24では、第1エリアにおける第1入口から第2出口までのゲーム内距離と、第2エリアにおける第1出口から第2入口までのゲーム内距離とが一致する場合を例示するが、両距離は必ずしも一致しなくてもよい。
【0104】
また、第1のエリアおよび第2のエリアについては、ゲームデータの観点で見た場合、第1エリアに関するファイルと第2エリアに関するファイルとは別々のファイルとして作成されている。そして、各ゲーム装置3で別のエリアへの移動が発生する度に、移動先のエリアのファイルの、DRAMへの読み込み直しが発生するような構成となっている。
【0105】
なお、当該第2エリアは、例えば、「隠しルート」のようなものであってもよい。すなわち、第2エリアに行かなくてもコースクリアは可能ではあるが、当該第2エリア内にはプレイヤがより有利になるようなアイテムが配置されていたり、ゴール地点へのショートカットとして利用できたりするものであってもよい。
【0106】
上記のように、1つのコース内に2つ以上のエリアがあるようなコースの場合、例えば1Pキャラ201が第2エリア、2Pキャラ202が第1エリアにいるという状況も発生し得る。このような状況では、2Pキャラ202が1Pキャラ201と同じエリア(仮想空間)にいないため、上記のようなx軸における直線距離の算出ができず、別エリアのプレイヤキャラについてのマーカが表示できない。この点、第2の実施形態では、このような別エリアに他のプレイヤキャラがいるような場合にも、上記のようなマーカを表示して、あたかも両エリアが地続きで繋がっているかのように見せかける。具体的には、以下のような手法で別エリアにいるプレイヤキャラに係るマーカの表示を行う。
【0107】
まず、第1のエリアと第2のエリアについて、相対的な位置関係を定義する。具体的には、
図25に示すように、第2エリアの上辺の横幅と同じ長さを有する「リンク範囲」という範囲を定義する。リンク範囲は不可視であるとする。そして、当該リンク範囲を第1エリアの所定の位置に配置する。ここでは、第1エリアの下辺であって、第1入口および第2出口がリンク範囲の両端となるような位置に配置する例で説明する。また、一例として、当該リンク範囲内でのx軸に係る位置について、第1エリアと第2エリアとで一致する関係となるように定義する。これにより、第1エリアの下辺部分の一部と第2エリアの上辺部分のx軸方向における位置の相対的関係を定義することになる。
【0108】
上記のような位置の相対的関係を前提として、例えば、
図26に示すような位置関係で、第2エリアに1Pキャラ201、第1エリアに2Pキャラ202がいる場合を想定する。
図26の場合、2Pキャラ202のx軸上の位置はリンク範囲内にない状態である。この場合は、第1プレイヤのゲーム画面としては、
図27のようなゲーム画面が表示される。
図27では、画面の左上隅にマーカが表示されている。つまり、リンク範囲外に2Pキャラ202がいる場合は、2Pキャラ202がリンク領域の右側にいるか左側にいるかに応じて、リンク領域の右端または左端がマーカの表示位置に用いられる。
【0109】
また、上記
図26の状態から、
図28で示すように、2Pキャラ202のx軸位置がリンク範囲内に入るよう移動されたとする。この場合、第1プレイヤのゲーム画面としては、
図29に示すように、リンク範囲内における2Pキャラ202のx軸位置が反映されて、マーカ(2Pアイコン211)が表示される。つまり、リンク範囲内に2Pキャラ202がいる間は、2Pキャラ202の移動に応じてマーカの表示位置もリアルタイムに左右に移動し得る状態となる。
【0110】
ここで、別エリアにいる2Pキャラ202のマーカの表示内容については、常に最小サイズの2Pアイコン211が表示される、すなわち、別エリアにいる2Pキャラ202については、常に、上記
図13の第2距離以上離れた位置にいるものとして扱われる。そのため、別エリアにいる2Pキャラ202が上記復活待ち状態になっても、マーカの表示には反映されないことになる。仮に表示しても、エリアが異なることから、1Pキャラ201による救出活動は困難と考えられるためである。
【0111】
また、
図30および
図31に、第1エリアにおける第1入口から第2出口までのゲーム内距離と、第2エリアにおける第1出口から第2入口までのゲーム内距離とが一致しない場合のリンク範囲の設定例を示す。
図30のように、第2エリアの横幅が、第1エリアの第1入口から第2出口までのゲーム内距離より短い場合を想定する。上記の通りリンク範囲の設定は任意であるが、この場合、例えば、第1エリアと第2エリアを同じxy平面上に置いたと仮定した場合に、入口地点または出口地点側の一方の端だけ、x軸上の位置を揃えるように対応付けてリンク範囲を配置してもよい。リンク範囲の長さは任意であるが、例えば、横幅が短いほうのエリアの全幅をリンク範囲としてもよい。例えば、
図31に示すように、出口地点側の端を揃えるようにして、第2エリアの横幅と同じ横幅のリンク範囲を第1エリアに配置してもよい。この場合も、2Pキャラ202のx軸位置が第1エリアにおけるリンク範囲内に位置しているときは、第1プレイヤの画面では、
図29のように、2Pキャラ202の左右方向の移動に応じてマーカが画面上辺に沿って左右に移動し得る状態となる。また、2Pキャラ202のx軸位置がリンク範囲外のときは、左右の上隅のいずれかにマーカの表示位置が固定されることになる。
【0112】
ここで、
図31の例において、1Pキャラ201と2Pキャラ202とがともに第1入口におり、第1プレイヤのゲーム画面中央に第1入口、1Pキャラ201および2Pキャラ202が表示されている場合を考える。このとき、2Pキャラ202が第1入口に入ると、2Pキャラ202は第1出口から出ることになるが、第1プレイヤのゲーム画面においては2Pキャラ202のマーカは画面下辺の中央ではなく右隅に表示される。そのため、第1プレイヤにとっては、2Pキャラ202が高速で右方向に移動したかのように見える。このようなエリアを移動した際のマーカ位置の高速移動を抑制するために、第1エリアと第2エリアとで配置するリンク範囲の長さ(横幅)をそれぞれのエリアの横幅に合わせて異ならせてもよい。ただし、その場合、例えば2Pキャラ202がリンク範囲内において移動するのに応じてマーカを移動させるときに、マーカの移動速度は実際の2Pキャラ202の移動速度よりも高速あるいは低速となる。
【0113】
次に、
図32~
図34に、上記とは逆に、1Pキャラ201が第1エリア、2Pキャラ202が第2エリアにいる場合の例を示す。まず、1Pキャラ201と2Pキャラ202の位置が、
図32のような位置関係である場合を想定する。この場合、第1プレイヤのゲーム画面としては、
図33に示すような、画面の右下隅に最小サイズの2Pアイコン211が固定的に表示されるゲーム画面となる。更に、この後、上記
図32の状態から、1Pキャラ201のx軸位置がリンク範囲内となる位置に移動すれば、第1プレイヤのゲーム画面では、例えば
図34に示すように、最小サイズの2Pアイコン211が画面の下辺に沿って、左右に動き得るような状態となる。
【0114】
なお、上記の例では、第1エリアの下辺部分と第2エリアの上辺部分との相対的位置を対応付ける例を示したが、これとは逆に、第1エリアの上辺部分と第2エリアの下辺部分との相対的位置を対応付けてもよい。この場合は、あたかも第1エリアの上に第2エリアがあるかのように見せかけることができる。
【0115】
また、上記の例では、各エリアの横辺部分の相対的位置を対応付ける例を挙げた。他の実施形態では、例えば、各エリアの縦辺部分を対応付けてもよい。例えば、
図35に示すようなコースの構成を想定する。
図35は、第1エリア~第3エリアの3つのエリアが含まれるコースの一例である。
図35では、第1エリアの第1入口から第2エリアの第1出口に移動でき、第2エリアの第2入口から第3エリアの第2出口に移動でき、第3エリアの第3入口から第1エリアの第3出口に移動できるような構成となっている。そして、このようなコース構成で、第2エリアの右片と第3エリアの左辺とを、上記リンク範囲として定義してもよい。これにより、例えば第2エリアに1Pキャラ201、第3エリアに2Pキャラ202がいる場合は、第1プレイヤの画面の右端に最小サイズのマーカが表示される。またリンク範囲内における2Pキャラのy軸方向の動きに応じて、当該マーカも上下方向に移動することになる。
【0116】
また、
図35の例において、例えば、第1エリアおよび第2エリア、第1エリアおよび第3エリアの位置関係は特にプレイヤに意識させなくてもよい、という場合は、これらのエリアについてのリンク範囲は定義しなくてもよい。一例として、1Pキャラ201が、第1入口に対して画面奥方向に入っていき、第1出口において画面手前方向に出てくるような演出がなされる場合、エリア間の上下左右方向の位置関係はプレイヤに意識させなくてもよい。なお、このとき、例えば第1エリアに1Pキャラ201、第2エリアまたは第3エリアに2Pキャラ202がいる場合は、第1プレイヤの画面には2Pキャラ202のマーカは表示されなくなる。逆に、例えば
図35でいうと、第2エリアと第3エリアに関しては位置関係をユーザに意識させたい、というような場合は、上記のようにリンク範囲を定義すればよい。このように、異なるエリアについて互いの位置関係をプレイヤに意識させたいか否かに応じて、上記リンク範囲の定義の有無を使い分けてもよい。なお、
図35の例において、スタート地点とゴール地点はともに第1エリア内にあってもよい。この場合、
図35に示すように、スタート地点とゴール地点を共に有さないエリア同士でリンク範囲が定義されてもよい。また、少なくとも一部のエリアは、スタート地点とゴール地点を共に有するエリアに対してリンク範囲が定義されなくてもよい。
【0117】
上記のように、第2の実施形態では、同じコース内のものとして扱われる異なるエリアについて、位置の相対的関係を定義する。そして、この定義内容に基づき、別エリアにいるプレイヤキャラのマーカの表示位置を決める。これにより、別エリア間における相対的な位置関係を、上記のようなマーカとしてプレイヤに見せることができる。その結果、直接的には繋がっていない複数のエリアについて、あたかも繋がっているように見せかけることができる。例えば、上記リンク範囲内で、2Pアイコン211が画面の下辺に沿って左右に移動していることに第1プレイヤが気付けば、その近くに別エリアに移動するための仕掛けがあることに気付くことも可能となる。なお、第2の実施形態に示すように同じコース内に複数のエリアがある場合、スタート地点とゴール地点はそれぞれ同じエリアに設けられてもよいし、別のエリアに設けられてもよい。したがって、スタート地点があるエリアから別のエリアに移動した場合に必ずしもスタート地点があるエリアに戻ってくる必要もない。
【0118】
[変形例]
なお、上記の説明では、複数のゲーム装置3をインターネット経由で接続する態様でのオンラインマルチプレイを想定して説明していた。他の実施形態では、1台のゲーム装置3を用いて複数のプレイヤでプレイするローカルマルチプレイの態様において、上記のような処理を適用してもよい。例えば、いわゆる画面分割の手法で1つの表示部に各プレイヤに係るゲーム画像を表示し、上述したようなマーカの表示制御を行ってもよい。
【0119】
また、上記第2の実施形態において、1つのコースに複数のエリアが含まれる場合のマーカの表示について説明した。この点、コースによっては、別エリアにいるプレイヤキャラについては上記マーカを表示しないように制御してもよい。つまり、コースの構成に応じて、別エリアにいるプレイヤキャラのマーカを表示したり、あえて表示しないようにしてもよい。これにより、他のプレイヤキャラの現在位置が推測できないという要素を活かして興趣性が高まるコースが提供できる。
【0120】
また、上記第2の実施形態ではリンク範囲という形で異なるエリアの位置の相対的関係を定義する例を挙げたが、「リンク範囲」という形に限らず、どのような関係を用いてもよい。例えば、所定の関係を用いて、一方のエリアにおけるx軸位置を、他方のエリアにおけるx軸位置に変換してもよい。一例として、予めエリア間のx座標を調整しておくことで、一方のエリアにおけるx座標の値を、そのまま他方のエリアにおけるx座標の値に対応付けてもよい。例えば、一方のエリアにおける2Pキャラ202のx軸位置を他方のエリアにおけるx軸位置に対応付けて、その対応付けられた位置と1Pキャラ201の位置とを用いて、2Pアイコン211の表示位置を決定してもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、第1プレイヤのゲーム画面上のy軸やx軸における2Pアイコン211の表示位置は、仮想空間内のy軸やx軸における2Pキャラ202の位置が反映される例を挙げたが、これとは異なる位置に表示されてもよい。例えば、1Pキャラ201と第1プレイヤのゲーム画面外の2Pキャラ202を結んだ線分と、第1プレイヤのゲーム画面の端部との交点に応じた位置、例えば交点付近に、2Pアイコン211が表示されてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、第1プレイヤのゲーム画面上の上下左右端に2Pアイコン211が表示される例を挙げたが、これとは異なる位置に表示されてもよい。例えば、第1プレイヤのゲーム画面上の隅に2Pアイコン211が移動可能な矩形や円形の領域が表示され、その領域内において、1Pキャラ201と2Pキャラ202との位置に基づく位置に2Pアイコン211が表示されてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、2D画面で進行するゲームを例示した。これに限らず、他の実施形態では、一人称視点や三人称視点等の3D画面でゲーム画面が表示されるゲームであって、上記のようなオンラインマルチプレイが可能なゲームについても、上述した処理は適用可能である。
【0124】
また、上記実施形態では、協力プレイ的な要素として上記「復活補助」の例を挙げた。これは、復活待ち状態のプレイヤキャラが所定時間内に他のプレイヤキャラと近接することで、復活待ち状態から復活するというゲーム内効果を発生させるものと言える。この点、他の実施形態では、上記のような「復活補助」に限らず、所定時間内に他のプレイヤキャラと近接することで他のゲーム内効果を発生させてもよい。例えば、2Pキャラ202が所定のアイテムを取得することで、パワーアップ可能な状態に変化する。そして、所定時間内に1Pキャラ201と近接することで、2Pキャラ202はパワーアップするという効果を発生させてもよい。このような場合も、上記のようなマーカの表示制御を行うことで、お互いに近接することへのモチベーションを高めたり、他のプレイヤキャラまでの距離感が把握できたりして、ゲームの興趣性を向上できる。あるいは、2Pキャラ202が所定のアイテムを取得することで、パワーダウン可能な状態に変化してもよい。そして、所定時間内に1Pキャラ201と近接することで、2Pキャラ202はパワーダウンするという効果を発生させてもよい。このように、2Pキャラ202に不利なゲーム内効果が生じるような状態の場合にも、2Pキャラ202は1Pキャラ201から逃げるように、あるいは1Pキャラ201は2Pキャラ202を邪魔するべく追いつくように移動するモチベーションとなり、ゲームの興趣性を向上できる。
【0125】
また、上記実施形態では、「復活待ち状態」から復活可能な所定時間が固定的な時間である場合を想定して説明していた。この点、他の実施形態では、当該所定時間が可変としてもよい。例えば、「復活待ち状態」に変化する回数が増えるほど、所定時間が短くなっていくようにしてもよい。この場合、上記状態アイコン閾値距離は、当該所定時間が最も短いときの移動可能距離と同じかそれよりも短い距離であってもよい。すなわち、上記状態アイコン閾値距離は、可変の所定時間がいずれの時間であっても、その所定時間内に復活待ち状態の2Pキャラ202に到達できる程度の距離としてもよい。また、上記状態アイコン閾値距離は、所定時間の変化に応じて変化してもよい。
【0126】
また、上記実施形態においては、ゲーム処理に係る一連の処理を単一のゲーム装置3で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置3は、プレイヤの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置3にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 ゲームサーバ
3 情報処理端末(ゲーム装置)
4 コントローラ
31 プロセッサ
32 記憶部
33 無線通信部
34 コントローラ通信部