(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166435
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】コメント配信システム、コメント配信サーバ、端末、コメント配信方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/212 20220101AFI20231114BHJP
H04L 51/04 20220101ALI20231114BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20231114BHJP
H04N 21/435 20110101ALI20231114BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20231114BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20231114BHJP
【FI】
H04L51/212
H04L51/04
H04N21/235
H04N21/435
H04N21/431
G06Q50/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134598
(22)【出願日】2023-08-22
(62)【分割の表示】P 2021035134の分割
【原出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】横畑 聡士
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コメントを投稿する意欲を失わせることなく、コメントを適切に処理するコメント配信システムを提供する。
【解決手段】コメント配信システムは、動画を配信する配信者端末および動画配信サーバと、動画に対して入力されたコメントを配信するコメント配信サーバと、動画およびコメントを受信して表示する視聴者端末を備える。コメント配信サーバは、コメントを受信するコメント受信部と、コメントを動画の表示領域内と動画の表示領域外のコメント欄の両方に表示する第1コメントとコメント欄のみに表示する第2コメントに分類するコメント分類部と、第1コメントと第2コメントを配信するコメント配信部と、を備える。視聴者端末は、動画を受信して表示する動画表示部と、第1コメントと第2コメントを受信するコメント受信部を備え、動画表示部は、第1コメントを動画の表示領域内とコメント欄の両方に表示し、第2コメントをコメント欄のみに表示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を配信する動画配信サーバと、前記動画に対して入力されたコメントを配信するコメント配信サーバと、前記動画および前記コメントを受信して表示する端末と、を備えるコメント配信システムであって、
前記コメント配信サーバは、
前記端末からコメントを受信する受信部と、
前記端末から受信したコメントを、前記端末の第1コメント表示領域に表示する第1コメントと、前記端末の第2コメント表示領域に表示する第2コメントに分類する分類部と、
前記第1コメントと前記第2コメントを配信する配信部と、を備え、
前記端末は、
前記動画を受信して表示する動画表示部と、
前記第1コメントを受信して前記第1コメント表示領域に表示し、前記第2コメントを受信して前記第2コメント表示領域に表示するコメント表示部と、を備える、コメント配信システム。
【請求項2】
前記コメント表示部は、前記第1コメントを前記第2コメント表示領域にも表示する、請求項1に記載のコメント配信システム。
【請求項3】
前記コメント表示部は、前記第2コメントを前記第1コメント表示領域に表示しない、請求項1または2に記載のコメント配信システム。
【請求項4】
前記第2コメント表示領域は、動画表示領域外のコメント欄である、請求項1乃至3のいずれかに記載のコメント配信システム。
【請求項5】
前記分類部は、前記端末から受信したコメントを間引くことなく、前記第1コメントおよび前記第2コメントのいずれかに分類する、請求項1乃至4のいずれかに記載のコメント配信システム。
【請求項6】
前記分類部は、前記端末から受信したコメントの一部を間引いて、前記第1コメントおよび前記第2コメントのいずれかに分類する、請求項1乃至4のいずれかに記載のコメント配信システム。
【請求項7】
前記動画配信サーバが前記動画を前記端末に配信し、前記コメント配信サーバが前記第1コメントおよび前記第2コメントを前記端末に配信することにより、前記端末には、前記動画が表示されるとともに、前記第1コメントが前記第1コメント表示領域に表示され、前記第2コメントが前記第2コメント表示領域に表示される、請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
動画を視聴する端末から受信したコメントを第1コメントと第2コメントに分類して配信するコメント配信サーバから前記第1コメントと前記第2コメントを受信するコメント受信部と、
前記動画を受信して表示する動画表示部と、
前記第1コメントを第1コメント表示領域に表示し、前記第2コメントを第2コメント表示領域に表示するコメント表示部と、を備える端末。
【請求項9】
コンピュータを、
動画を視聴する端末から受信したコメントを第1コメントと第2コメントに分類して配信するコメント配信サーバから前記第1コメントと前記第2コメントを受信するコメント受信部と、
前記動画を受信して表示する動画表示部と、
前記第1コメントを第1コメント表示領域に表示し、前記第2コメントを第2コメント表示領域に表示するコメント表示部と、として機能させるプログラム。
【請求項10】
コメント受信部が、動画を視聴する端末から受信したコメントを第1コメントと第2コメントに分類して配信するコメント配信サーバから前記第1コメントと前記第2コメントを受信し、
動画表示部が、前記動画を受信して表示し、
コメント表示部が、前記第1コメントを第1コメント表示領域に表示し、前記第2コメントを第2コメント表示領域に表示する、コメント表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コメント配信システム、コメント配信サーバ、端末、コメント配信方法、お
よびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して配信される動画を視聴し、動画に対してコメントを投稿できるサ
ービスが広く利用されている。投稿されたコメントは、動画の表示領域外に設けられたコ
メント欄に表示されたり、動画の表示領域内で動画に重畳させて表示されたりする。リア
ルタイムで動画が配信される、いわゆる生放送番組では、視聴者が投稿したコメントを配
信者が読み上げることで視聴者と配信者との間でコミュニケーションを取ることができる
。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6295494号公報
【特許文献2】特開2011-118730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、画面上とコメント欄の両方にコメントが表示されるので、コメント欄
で投稿されたコメントを確認できるが、大量のコメントが投稿された場合、配信者はコメ
ント欄内の全てのコメントを読み上げることはできない。その結果、番組の視聴者が少な
い場合には配信者とコミュニケーションを取ることができていた視聴者が離れて行ってし
まう可能性がある。
【0005】
特許文献2では、投稿されたコメントの属性情報に基づいて配信するコメントを抽出し
、抽出されたコメントのみが配信されるので、大量のコメントが投稿された場合であって
も、配信されるコメントを視聴者の把握可能な程度の数に抑えることができる。しかしな
がら、配信するコメントを間引くと、投稿されるコメントの量で番組の盛り上がりを可視
化できなくなるという問題がある。また、コメントが間引かれて配信されないので、コメ
ントを投稿する意欲をなくしたり、番組を視聴しなくなったりする可能性がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、コメントを投稿する意欲を失わせること
なく、コメントを適切に処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のコメント配信システムは、動画を配信する動画配信サーバと、前記動
画に対して入力されたコメントを配信するコメント配信サーバと、前記動画および前記コ
メントを受信して表示する端末を備えるコメント配信システムであって、前記コメント配
信サーバは、コメントを受信する受信部と、前記コメントを前記動画の表示領域内と前記
動画の表示領域外のコメント欄に表示する第1コメントと前記コメント欄のみに表示する
第2コメントに分類する分類部と、前記第1コメントと前記第2コメントを配信する配信
部を備え、前記端末は、前記動画を受信して表示する動画表示部と、前記第1コメントと
前記第2コメントを受信するコメント受信部と、前記第1コメントと前記第2コメントを
前記動画の表示領域外のコメント欄に表示するとともに、前記第1コメントを前記動画の
表示領域内に表示するコメント表示部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コメントを投稿する意欲を失わせることなく、コメントを適切に処理
することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態のコメント配信システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、コメント配信サーバの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、視聴者端末の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、コメント配信サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、視聴者端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
[システムの構成]
図1は、本実施形態のコメント配信システムの構成の一例を示す図である。同図に示す
コメント配信システムは、コメント配信サーバ1、動画配信サーバ2、視聴者端末3、お
よび配信者端末4で構成される。各装置はネットワークを介して通信可能に接続される。
図1では、視聴者端末3を2台のみ図示しているが、これに限るものではない。視聴者は
多数存在し、多数の視聴者端末3が接続される。また、配信者端末4を1台のみ図示して
いるが、実際には多数の配信者が存在し、多数の配信者端末4が接続される。視聴者は自
身の見たい配信者の番組を選択して視聴できる。
【0012】
配信者端末4は、番組を配信する配信者が使用する端末であり、撮影した動画をリアル
タイムに動画配信サーバ2へアップロードする。例えば、配信者端末4は、配信者端末4
に接続したカメラで撮影した映像をリアルタイムに動画配信サーバ2へアップロードする
。配信者端末4は、ゲーム機などの外部の装置から入力した映像を動画配信サーバ2へア
ップロードしてもよい。
【0013】
動画配信サーバ2は、配信者端末4から受信した動画をリアルタイムに視聴者端末3へ
配信する。つまり、配信者は生放送番組を配信している。生放送番組の配信はストリーミ
ング配信ともいう。ここでは、生放送番組を例に説明するが、本発明は、動画配信サーバ
2が生放送番組を録画して時間をずらして動画を配信するタイムシフト配信にも適用可能
である。
【0014】
視聴者端末3は、番組を視聴する視聴者が使用する端末であり、動画配信サーバ2から
動画を受信して表示する。視聴者が視聴者端末3を操作して見たい番組を選択すると、視
聴者端末3は、動画の配信要求を動画配信サーバ2へ送信する。動画配信サーバ2は、配
信要求を受信すると、要求された動画の視聴者端末3への送信を開始する。
【0015】
コメント配信サーバ1は、視聴者が動画に対して入力したコメントを視聴者端末3から
受信し、受信したコメントを、リアルタイムで同じ動画の配信を受けている視聴者端末3
とその動画を配信している配信者端末4へ配信する。コメント配信サーバ1は、視聴者端
末3から受信したコメントを動画ごとに管理している。動画配信サーバ2は、視聴者端末
3から配信要求を受信すると、視聴者端末3を識別する情報と要求された動画を識別する
情報をコメント配信サーバ1へ通知する。コメント配信サーバ1は、動画に対応するコメ
ントの視聴者端末3への送信と視聴者端末3からのコメントの受信を開始する。コメント
の配信については特許文献1に記載の技術を用いることができる。
【0016】
コメント配信サーバ1は、受信したコメントを、動画の表示領域内に表示するコメント
(以下、第1コメントと称する)と動画の表示領域内に表示しないコメント(以下、第2
コメントと称する)に分類し、第1コメントと第2コメントを視聴者端末3と配信者端末
4へ配信する。
【0017】
視聴者端末3は、受信したコメントが第1コメントの場合は、動画の表示領域内と動画
の表示領域外のコメント欄の両方にコメントを表示する。視聴者端末3は、受信したコメ
ントが第2コメントの場合は、コメント欄のみにコメントを表示する。つまり、視聴者端
末3は、コメント欄に全てのコメント(第1コメントと第2コメント)を表示するが、動
画の表示領域内には、第1コメントのみを表示する。配信者端末4も同様に、第1コメン
トは動画の表示領域内とコメント欄の両方に表示し、第2コメントはコメント欄のみに表
示する。
【0018】
[サーバ構成と端末の構成]
次に、コメント配信サーバ1と視聴者端末3の構成例について説明する。
【0019】
図2は、コメント配信サーバ1の構成の一例を示す図である。同図に示すコメント配信
サーバ1は、コメント受信部11、コメント分類部12、コメント配信部13、およびコ
メント蓄積部14を備える。
【0020】
コメント受信部11は、視聴者端末3からコメントを受信し、受信したコメントをコメ
ント蓄積部14に蓄積する。
【0021】
コメント蓄積部14は、動画ごとに、コメントの内容、コメント投稿者の情報、および
コメント投稿時刻を蓄積する。コメントの内容は、基本的に文字列であるが、いわゆるス
タンプなどの画像であってもよい。コメント投稿者の情報は、例えば、投稿者名または投
稿者の識別子である。コメント投稿者は視聴者でもある。コメント投稿時刻は、例えば、
視聴者がコメントを送信したときの動画の再生時間(タイムスタンプ)である。これらの
情報は、受信したコメントに含まれている。受信したコメントは、どの動画に対するコメ
ントであるかを示す識別子を含む。上記の情報に加えて、コメントを受信した順番を示す
コメント番号、コメントの表示態様を指定するコメント表示方法を蓄積してもよい。
【0022】
コメント分類部12は、分類基準に基づき、受信したコメントつまりコメント蓄積部1
4に蓄積されたコメントを第1コメントと第2コメントに分類する。コメントの分類結果
は、コメント蓄積部14に保存する。例えば、第1コメントとして分類されたコメントに
フラグを立てる。分類基準として、例えば、投稿者の属性、コメントの属性を用いること
ができる。
【0023】
コメント配信部13は、コメント蓄積部14からコメントを読み出し、第1コメントま
たは第2コメントの種別を含めて、コメントを視聴者端末3および配信者端末4に配信す
る。生放送番組の場合は、番組の進行に応じて次々とコメントが蓄積されるので、コメン
ト配信部13は、新たに蓄積されたコメントを読み出して配信する。
【0024】
タイムシフト配信では、コメント配信部13は、コメント蓄積部14に蓄積したコメン
トを動画の再生時刻タイムスタンプに従って送出する。
【0025】
図3は、視聴者端末3の構成の一例を示す図である。同図に示す視聴者端末3は、動画
表示部31、コメント受信部32、操作入力部33、およびコメント送信部34を備える
。なお、配信者端末4も視聴者端末3と同様の構成を備えて、配信された動画およびコメ
ントを表示する。
【0026】
動画表示部31は、視聴者によって指定された動画の配信要求を動画配信サーバ2へ送
信し、動画配信サーバ2から配信される動画を受信して表示する。
【0027】
コメント受信部32は、視聴中の動画に対して入力されたコメントをコメント配信サー
バ1から受信し、動画表示部31に表示させる。
【0028】
動画表示部31は、コメントをコメント欄に表示するとともに、コメントが第1コメン
トの場合は、コメントを動画上に重畳させて表示する。
【0029】
操作入力部33は、視聴者からの操作を入力する。例えば、操作入力部33は、動画を
選択する操作、動画に対する操作、および動画に対するコメントを入力する。
【0030】
コメント送信部34は、操作入力部33で入力されたコメントをコメント配信サーバ1
へ送信する。送信するコメントは、コメントの内容、視聴中の動画を識別する情報、視聴
者を識別する情報、およびコメント入力時のタイムスタンプを含む。コメントは、表示態
様などの付加情報を含んでもよい。
【0031】
配信者端末4は、動画に重畳表示された第1コメントを読み上げてもよい。例えば、配
信者のプレイするゲームを実況する番組を配信する場合、配信者はゲーム画面から目が離
せないので、配信者端末4にインストールした読み上げソフトにより、コメントを読み上
げさせる。コメントを読み上げた音声は動画とともに配信される。コメントの量が多くな
った場合、動画に重畳表示されるコメントが間引かれるので、読み上げソフトは大きく遅
れることなくリアルタイムにコメントを読み上げることができる。
【0032】
なお、コメント配信サーバ1と視聴者端末3が備える各部は、演算処理装置、記憶装置
等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるも
のとしてもよい。このプログラムはコメント配信サーバ1と視聴者端末3が備える記憶装
置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録する
ことも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0033】
なお、コメント配信サーバ1の機能の一部を視聴者端末3が備えてもよい。例えば、コ
メント分類部12を視聴者端末3が備え、受信したコメントを基準に従って分類してもよ
い。
【0034】
[表示画面]
図4を参照し、視聴者端末3での表示例について説明する。
図4の表示画面100は、
動画表示領域110、コメント欄120、およびコメント入力欄130で構成される。
【0035】
動画表示領域110には、配信される動画が表示されるとともに、第1コメントが動画
上に重畳して表示される。なお、図示していないが、動画表示領域110内に、音量の調
節、動画の再生ボタン、動画の一時停止ボタン、および表示の最大化ボタンなどの操作ボ
タンを備えてもよいし、動画のタイトル、動画再生時間、および動画の再生時間長などの
動画に関する情報を表示してもよい。
【0036】
動画表示領域110では、コメントが右端から出現し、任意の移動スピードで左端に向
かって移動する。コメントの出現位置、移動方向、および移動スピードは、視聴者端末3
が任意に設定してもよいし、コメントの付加情報で指定されてもよい。なお、動画表示領
域110内でのコメントの表示方法をこれに限るものではない。
【0037】
コメント欄120には、第1コメントと第2コメントが時系列順に表示される。つまり
、コメント欄120には、視聴者端末3が受信した全てのコメントの内容が時系列順に表
示される。コメント欄120に表示されたコメントのうち第1コメントと分類されたコメ
ントは、動画表示領域110にも表示される。
図4の例では、符号121で示すコメント
が第1コメントであり、コメント欄120と動画表示領域110の両方に表示されている
。コメント欄120では、第1コメントと第2コメントが区別できるように色、サイズ、
フォントなどの表示態様を変えて表示してもよいし、第1コメントと第2コメントが区別
できないように同じ表示態様で表示してもよい。第1コメントは、動画表示領域110内
に表示されている間のみコメント欄120での表示態様を第2コメントの表示態様と変え
てもよい。
【0038】
視聴者がマウスカーソルをコメント欄120のコメントに合わせると、そのコメントの
情報が表示されてもよい。例えば、マウスカーソルで選択されたコメントの投稿時刻およ
び投稿者名などの情報をポップアップして表示する。
【0039】
視聴者端末3は、新たなコメントを受信すると、コメント欄120に表示されているコ
メントの下に新たなコメントを追加して表示する。コメント欄120の最下部までコメン
トが表示されている場合は、表示されているコメントを上にスクロールさせて、新たなコ
メントをコメント欄120の最下部に表示する。大量のコメントが投稿されている場合、
速いスピードでコメント欄120のコメントがスクロールする。動画表示領域110に表
示するコメントを間引いても、コメントがスクロールする速度で番組の盛り上がりを可視
化できる。視聴者は、コメント欄120のスクロールバーを操作し、コメント欄120の
コメントを任意の方向にスクロールさせて過去のコメントを確認することができる。
【0040】
コメント入力欄130には、視聴者が動画に対するコメントを入力する。入力したコメ
ントは、コメント配信サーバ1へ送信され、コメント配信サーバ1によって配信される。
コメント配信サーバ1によって配信された自身のコメントは、他の視聴者が入力したコメ
ントと同様に、第1コメントまたは第2コメントに分類されて、コメント欄120と動画
表示領域110に表示される。
【0041】
図5は、スマートフォンなどの縦長の表示面を持つ携帯端末を視聴者端末3として用い
たときの表示画面の一例である。縦長の表示画面100では、動画表示領域110、コメ
ント欄120、およびコメント入力欄130を縦に並べて表示する。
【0042】
[サーバと端末の動作]
次に、コメント配信サーバ1と視聴者端末3の動作について説明する。
【0043】
図6は、コメント配信サーバ1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。コメ
ント配信サーバ1は、視聴者端末3に対してコメントの配信を開始しているものとする。
【0044】
ステップS11にて、コメント配信サーバ1は、視聴者端末3からコメントを受信する
。ここで受信するコメントは、視聴中のいずれかが視聴中の動画に対して入力したコメン
トである。
【0045】
ステップS12にて、コメント配信サーバ1は、動画に重畳して表示するコメントを間
引くか否か判定する。つまり、コメント配信サーバ1は、受信したコメントを第1コメン
トと第2コメントに分類するか否か判定する。コメント配信サーバ1は、時間当たりのコ
メント量が少ない場合は、受信した全てのコメントを動画に重畳して表示し、時間当たり
のコメント量が基準を超えた場合に、動画に重畳して表示するコメントを間引くと判定す
る。例えば、1秒当たりのコメント数が10以上の場合に、コメントを間引くと判定する
。コメントを間引かない場合は、処理をステップS14に進める。
【0046】
コメントを間引く場合、ステップS13にて、コメント配信サーバ1は、分類基準に基
づき、受信したコメントを間引くコメント(第2コメント)と間引かないコメント(第1
コメント)に分類する。コメントの分類の詳細については後述する。
【0047】
ステップS14にて、コメント配信サーバ1は、コメントの分類結果に関わらず、受信
した全てのコメントを対応する動画を視聴中の視聴者端末3へ配信する。このとき、コメ
ント配信サーバ1は、ステップS13でコメントを分類した場合、分類結果を付与してコ
メントを配信する。例えば、第2コメントに動画に重畳して表示しない情報を付与する。
なお、コメント配信サーバ1は、生放送番組では、配信者端末4にも視聴者端末3と同様
に全てのコメントを配信する。
【0048】
なお、ステップS11のコメント受信時に、不適切な内容のコメントをフィルタリング
してもよい。例えば、ステップS11にて、不適切な内容のコメントを受信した場合、コ
メント配信サーバ1は、受信したコメントを破棄し、そのコメントに対する処理を終了す
る。
【0049】
また、ステップS12において、コメントを間引く処理を行うか否かは、配信者が指定
してもよい。配信者は、コメントを間引かない区間を設定できるようにする。ステップS
12のコメントを間引く条件に当てはまる場合であっても、配信者がコメントを間引かな
い設定を行っているときは、処理をステップS14に進める。例えば、配信者が歌ってい
る区間をコメントを間引かない区間と設定することで、配信者が歌っているときに盛り上
げる手段である、コメントによる弾幕および文字を組み合わせて絵を表現するコメントア
ートへの間引き処理の影響を抑えることができる。
【0050】
あるいは、配信者の状況に応じて、ステップS12のコメントを間引く条件に当てはま
る場合であっても、コメントを間引かないと判定してもよい。例えば、配信している動画
から配信者の視線を検出し、配信者が画面を見ていないときは、ステップS12のコメン
トを間引く条件に当てはまる場合であっても、コメントを間引かないと判定する。あるい
は、動画から配信者の顔の大きさを検出し、顔の領域が基準よりも小さければ、配信者は
配信者端末4から離れているのでコメントを読んでいないとみなし、ステップS12のコ
メントを間引く条件に当てはまる場合であっても、コメントを間引かないと判定する。
【0051】
図7は、視聴者端末3の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS21にて、視聴者端末3は、コメント配信サーバ1からコメントを受信する
。
【0053】
ステップS22にて、視聴者端末3は、受信したコメントをコメント欄に表示する。
【0054】
ステップS23にて、視聴者端末3は、受信したコメントを動画に重畳して表示するか
否か判定する。動画に重畳して表示しないコメントの場合、つまり受信したコメントが第
2コメントに分類されている場合は、処理を終了する。
【0055】
動画に重畳して表示するコメントの場合、つまり受信したコメントが第1コメントに分
類されている場合は、ステップS24にて、視聴者端末3は、動画に重畳させてコメント
を表示する。
【0056】
[コメントの分類基準]
コメントの分類基準として、コメント投稿者の属性情報を用いることができる。
【0057】
例えば、コメント投稿者の属性情報として会員種別(一般会員、有料会員など)を用い
てもよい。コメント配信サーバ1は、コメント投稿者の会員種別に応じてコメントに優先
度を付与し、優先度の高い順に、所定数になるまで間引かないコメントを抽出する。優先
度ごとにコメント数の比率を決めてもよい。例えば、コメント配信サーバ1は、所定数A
になるまで有料会員のコメントを抽出し、所定数Bになるまで一般会員のコメントを抽出
する。抽出したコメントを第1コメントとする。これにより、会員種別に応じて、コメン
トが動画上に重畳表示されやすくなる。
【0058】
あるいは、コメント投稿者の属性情報として、配信者の番組への参加度(過去の視聴回
数、過去のコメント数)を用いてもよい。コメント配信サーバ1は、配信者ごとに、視聴
者の視聴履歴(コメント履歴を含めてもよい)を保持しておく。コメント配信サーバ1は
、コメント投稿者の視聴履歴に応じてコメントに優先度を付与し、優先度の高い順に、所
定数になるまで間引かないコメントを抽出する。視聴回数やコメント数が多い視聴者のコ
メントは優先度を高くする。初めての視聴者や初めてコメントする視聴者のコメントの優
先度を高くしてもよい。配信者または配信システムが視聴者を優良視聴者としてフラグ付
けしてもよい。
【0059】
コメント投稿者の属性情報として、性別や年齢などの視聴者本人の属性情報を用いても
よい。例えば、配信者は、優先したい投稿者の属性(性別や年齢)をコメント配信サーバ
1に登録しておく。コメント配信サーバ1は、コメント投稿者の属性に応じてコメントに
優先度を付与し、優先度の高い順に、所定数になるまで間引かないコメントを抽出する。
【0060】
また、コメントの分類基準として、コメントの属性情報を用いてもよい。例えば、視聴
者端末3から対価の支払いとともにコメントを投稿できるようする。コメント配信サーバ
1は、対価が支払われたコメントを第1コメントに分類する。視聴者は、対価を支払うこ
とにより、間引かれることなく、コメントを動画上に重畳表示させることができる。
【0061】
コメントの分類基準として、コメントの内容を用いてもよい。例えば、コメントが所定
の文字数以上で意味を成しているものを第1コメントに分類したり、コメントが番組を盛
り上げるための動画上をにぎやかにする文字列であるものを第1コメントに分類したりす
る。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のコメント配信システムは、動画を配信する配信者端
末4および動画配信サーバ2と、動画に対して入力されたコメントを配信するコメント配
信サーバ1と、動画およびコメントを受信して表示する視聴者端末3を備える。コメント
配信サーバ1は、コメントを受信するコメント受信部11と、コメントを動画の表示領域
内と動画の表示領域外のコメント欄に表示する第1コメントとコメント欄のみに表示する
第2コメントに分類するコメント分類部12と、第1コメントと第2コメントを配信する
コメント配信部13を備える。視聴者端末3は、動画を受信して表示する動画表示部31
と、第1コメントと第2コメントを受信するコメント受信部32を備え、動画表示部31
は、第1コメントを動画の表示領域内とコメント欄の両方に表示し、第2コメントをコメ
ント欄のみに表示する。これにより、動画表示領域内に重畳表示されるコメントが間引か
れるので、大量のコメントが投稿されてもコメントを読むことができ、投稿されたコメン
トの全てがコメント欄に表示されるので、コメント欄に表示されるコメントの量で番組の
盛り上がりを可視化でき、コメントが無駄になることがない。
【0063】
本実施形態のコメント配信サーバ1は、コメントの投稿者の会員種別に応じてコメント
を第1コメントまたは第2コメントに分類することにより、有料会員の契約を促進できる
。
【0064】
本実施形態のコメント配信サーバ1は、コメントの属性またはコメントの内容に基づい
てコメントを第1コメントまたは第2コメントに分類することにより、動画上にコメント
を重畳表示させて番組を盛り上げる弾幕およびコメントアートへの影響を抑えることがで
きる。
【符号の説明】
【0065】
1…コメント配信サーバ
11…コメント受信部
12…コメント分類部
13…コメント配信部
14…コメント蓄積部
2…動画配信サーバ
3…視聴者端末
31…動画表示部
32…コメント受信部
33…操作入力部
34…コメント送信部
4…配信者端末
100…表示画面
110…動画表示領域
120…コメント欄
130…コメント入力欄