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特開2023-166437プログラム、情報処理装置、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166437
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/10 20220101AFI20231114BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20231114BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20231114BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20231114BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20231114BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231114BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231114BHJP
【FI】
H04L67/10
H04L67/00
G06F3/04842
G06F9/445
A63F13/30
A63F13/53
A63F13/69
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134842
(22)【出願日】2023-08-22
(62)【分割の表示】P 2020117122の分割
【原出願日】2019-04-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】村上 克弥
(57)【要約】
【課題】ユーザの待機時間を抑制したプログラム、情報処理装置、及びシステムを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、複数のコンテンツを含むアプリケーションを取得するためのプログラムであって、サーバからネットワークを介して前記複数のコンテンツを取得可能に構成されたコンピュータを、表示部と入力部と取得部として機能させ、前記表示部は、前記複数のコンテンツの取得中に、取得が完了した既取得コンテンツに含まれる画像を表示し、前記入力部は、表示中の前記画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記取得部は、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、プログラムが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム要素を含むアプリケーションプログラムであって、
サーバからネットワークを介して前記複数のゲーム要素を取得可能に構成されたコンピュータを、表示部と入力部と取得部として機能させ、
前記表示部は、前記複数のゲーム要素の取得を開始してから前記複数のゲーム要素のすべての取得が完了する前に、取得が完了した第1ゲーム要素の画像を表示させ、
前記入力部は、表示中の前記第1ゲーム要素から遷移可能なゲーム要素のうちから選択された第2ゲーム要素の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、
前記取得部は、前記第2ゲーム要素が未取得である場合、前記第2ゲーム要素を優先的に取得する、
アプリケーションプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のアプリケーションプログラムにおいて、
前記表示部は、前記第2ゲーム要素の取得が完了した後に、前記第2ゲーム要素の画像を表示させる、
アプリケーションプログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータを入替部としてさらに機能させ、
前記入替部は、前記第1ゲーム要素の画像を表示した後に、前記複数のゲーム要素のうち未取得のゲーム要素の取得順序の入れ替えを可能とする、
アプリケーションプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のアプリケーションプログラムにおいて、
前記入替部は、現在取得中のゲーム要素の次に前記第2ゲーム要素の取得が開始されるように、前記取得順序を入れ替える、
アプリケーションプログラム。
【請求項5】
請求項3に記載のアプリケーションプログラムにおいて、
前記入力部が前記命令を受け付けると、前記取得部は、現在取得中のゲーム要素の取得を中断し、
前記入替部は、前記第2ゲーム要素の取得が開始されるように、前記取得順序を入れ替える、
アプリケーションプログラム。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載のアプリケーションプログラムにおいて、
前記複数のゲーム要素は、ゲームのチュートリアルを含み、
前記取得部は、前記チュートリアルを構成するゲーム要素を取得した後に、前記第1ゲーム要素を取得する、
アプリケーションプログラム。
【請求項7】
情報処理装置であって、
取得部と、表示部と、入力部とを備え、
前記取得部は、複数のゲーム要素を含むアプリケーションプログラムを実行し、サーバからネットワークを介して前記複数のゲーム要素を取得し、
前記表示部は、前記複数のゲーム要素の取得を開始してから前記複数のゲーム要素の全ての取得が完了する前に、取得が完了した第1ゲーム要素の画像を表示させ、
前記入力部は、表示中の前記第1ゲーム要素から遷移可能なゲーム要素のうちから選択された第2ゲーム要素に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、
ここで、前記取得部は、前記第2ゲーム要素が未取得である場合、前記第2ゲーム要素を優先的に取得する、
情報処理装置。
【請求項8】
システムであって、
サーバと、情報処理装置とを備え、
前記サーバは、複数のゲーム要素を含むアプリケーションプログラムを格納し、
前記情報処理装置は、
前記サーバとネットワークを介して接続可能に構成され、且つ
取得部と、表示部と、入力部とを備え、
前記取得部は、前記サーバからネットワークを介して前記複数のゲーム要素を取得し、
前記表示部は、前記複数のゲーム要素の取得を開始してから前記複数のゲーム要素の全ての取得が完了する前に、取得が完了した第1ゲーム要素の画像を表示させ、
前記入力部は、表示中の前記第1ゲーム要素から遷移可能なゲーム要素のうちから選択された第2ゲーム要素に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、
ここで、前記取得部は、前記第2ゲーム要素が未取得である場合、前記第2ゲーム要素を優先的に取得する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のアプリケーションは、サーバからインターネット又はイントラネット等のネットワークを介してスマートフォン等の端末にダウンロードされることが一般的である。例えば、非特許文献1に示されるウェブサイトによれば、ユーザは様々なアプリケーションをダウンロードし、自身の端末に当該アプリケーションをインストールすることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“App Store”,[平成31年4月10日検索,インターネット<URL:https://www.apple.com/jp/ios/app-store/>]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年のゲーム等のアプリケーションはデータ容量が大きいため、当該アプリケーションを構成するすべてのコンテンツをダウンロードするには相当の時間を要する。このような待機時間によって、ユーザが心理的ストレスを感じることや、そもそもインストールを躊躇するといった問題が考えられる。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザの待機時間を抑制したプログラム、情報処理装置、及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、複数のコンテンツを含むアプリケーションを取得するためのプログラムであって、サーバからネットワークを介して前記複数のコンテンツを取得可能に構成されたコンピュータを、表示部と入力部と取得部として機能させ、前記表示部は、前記複数のコンテンツの取得中に、取得が完了した既取得コンテンツに含まれる画像を表示し、前記入力部は、表示中の前記画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記取得部は、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、プログラムが提供される。
【0007】
本発明に係るプログラムによれば、ユーザの待機時間を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システムの構成概要を示す機能ブロック図。
図2】[図2A]情報処理装置のハードウェア構成概要を示すブロック図、[図2B]制御部の機能を示す機能ブロック図。
図3】情報処理装置において実現される並行取得機能を示すアクティビティ図。
図4】チュートリアル画面の表示中に並行取得機能が実行される態様を示す図。
図5】選択画面の表示中に並行取得機能が実行される態様を示す図。
図6】コンテンツの取得の優先順位を示すコンテンツリストの概要図。
図7】コンテンツの取得の優先順位に関するアクティビティ図。
図8】未取得のコンテンツが選択された場合のコンテンツリストを示す態様図。
図9図8に示した場合に入替機能が実行されたコンテンツリストを示す態様図。
図10】[図10A][図10B図9に示した場合の別例を示す態様図。
図11】サーバに新たなコンテンツが追加された場合のコンテンツリストを示す態様図。
図12図11に示した場合に入替機能が実行されたコンテンツリストを示す態様図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報(プログラムPG、各コンテンツ等)を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
1.全体構成
第1節では、本実施形態に含まれる構成要素について、順次説明する。
【0012】
1.1 システム1
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成概要を示す機能ブロック図である。システム1は、サーバ2と、情報処理装置3とを備える。本実施形態では、サーバ2と、情報処理装置3とはインターネット等に代表されるネットワークNを介して接続されている。かかる接続は有線であっても無線であってもよい。
【0013】
1.2 サーバ2
サーバ2は、複数のコンテンツを含むアプリケーションAPを格納している。また、アプリケーションAPを取得(インストール)するためのプログラムPGを格納している。プログラムPGは、サーバ2からネットワークNを介して複数のコンテンツを取得(ダウンロード)可能に構成されたコンピュータ(スマートフォン、タブレット端末等を含む)を、情報処理装置3として機能させるものである。プログラムPGは、アプリケーションAPに含まれるように実施してもよいし、別のインストーラとして実施してもよい。また、アプリケーションAPの種類は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、ゲームを例に説明をする。
【0014】
1.3 情報処理装置3
情報処理装置3は、スマートフォン又はタブレット端末等のコンピュータと、先に説明したプログラムPGとによって実現されるものである。なお、コンピュータのユーザUが、サーバ2からネットワークNを介してプログラムPGをコンピュータに取得させることによって情報処理装置3が実現されてもよいし(ダウンロード)、予めコンピュータにプログラムPGが取得されていることによって情報処理装置3が実現されてもよい(プリインストール)。
【0015】
図2Aは、情報処理装置3の構成概要を示し、図2Bは、制御部33の機能を示す機能ブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを有し、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
<通信部31>
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。これらは一例であり、専用の通信規格を採用してもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0017】
特に、通信部31によって、図1に示されるように、情報処理装置3はネットワークNを介してサーバ2と情報通信可能に構成される。例えば、通信部31は、サーバ2に格納されたアプリケーションAPに含まれる各コンテンツをネットワークN経由で受信する。
【0018】
<記憶部32>
記憶部32は、様々な情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0019】
特に、記憶部32は、アプリケーションAPを取得するためのプログラムPGを情報として記憶している。また、アプリケーションAPの取得に際して、まだ取得していないコンテンツ(未取得コンテンツ)それぞれの取得順序を定めたコンテンツリストCLを情報として記憶する。さらに、すでに取得したコンテンツ(既取得コンテンツ)を情報として記憶することができる。
【0020】
<制御部33>
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)として実現される。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラム(プログラムPGを含む)を読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。具体的には、制御部33は、先行してチュートリアル等のコンテンツを取得し、該コンテンツの取得が完了した場合、アプリケーションAP取得中に取得が完了した既取得コンテンツの画面(画像)を表示部34に表示する。また、制御部33は、チュートリアル等の既取得コンテンツの表示中に他の未取得コンテンツを並行して取得する並行取得機能(図3図5参照)、後述の入力部35が表示中の既取得コンテンツの画面から所望のコンテンツの画面に表示を遷移させる命令の入力を受け付けた際に、記憶部32に記憶されたコンテンツリストCLにおける取得順位を入れ替える入替機能(図7図9参照)等が該当する。なお、かかる機能については、第2節においてさらに詳述する。
【0021】
すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、取得部331、入替部332として実行されうる。なお、図2Aにおいては、単一の制御部33として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。以下、取得部331及び入替部332についてさらに詳述する。
【0022】
[取得部331]
取得部331は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。取得部331は、通信部31及びネットワークNを介して、サーバ2に格納されたアプリケーションAPの各コンテンツを取得する。特に取得部331は、後述の表示部34が既取得コンテンツの少なくとも1つ(チュートリアル等)を表示中においても、他の未取得コンテンツを並行して取得することに留意されたい(並行取得機能)。また、取得部331は、記憶部32に記憶されたコンテンツリストCLにおける取得順位に基づいて、未取得コンテンツを順次取得していく。
【0023】
[入替部332]
入替部332は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。入替部332は、後述の入力部35が表示中の既取得コンテンツから所望のコンテンツに表示を遷移させる命令の入力を受け付けた際に、記憶部32に記憶されたコンテンツリストCLにおける取得順位を入れ替える。
【0024】
<表示部34>
表示部34は、例えば、情報処理装置3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザUが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、情報処理装置3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。当該表示デバイスは、制御部33による所定の制御信号に応答して、GUIの画面を選択的に表示しうる。なお、GUIについて補足すると、例えば、入力フォームやラジオボタン等といった具体的なインターフェースが表示されうる。
【0025】
表示部34は、取得部331が未取得コンテンツを取得中に、既取得コンテンツに含まれる画像を表示する(並行取得機能)。例えば、表示部34は、図4に示されるように、アプリケーションAPの操作方法をユーザUに教示するためのコンテンツであるチュートリアル画面(画像)を表示する。例えば、表示部34は、図5に示されるように、アプリケーションAPに含まれるコンテンツ(ここでは、ゲーム要素α~γ)を選択するための
選択画面を表示する。特に、表示部34がメータ34dの画像を表示することによって、ユーザUは、アプリケーションAPに含まれる全コンテンツの容量のうち、どの程度の容量が取得されたかを把握することができる。例えば、図4においては19%の容量分が取得されたことが示され、図5においては35%の容量分が取得されたことが示されている。
【0026】
<入力部35>
入力部35は、情報処理装置3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されうる。タッチパネルであれば、ユーザUは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザUによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0027】
特に、入力部35は、表示中の既取得コンテンツに含まれる画像から所望のコンテンツに係る画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付ける。例えば、入力部35が表示部34と一体となって構成されたタッチパネルである場合、図5に示されるように、選択画面におけるボタン34cに対してユーザUがタップ操作を行うことで、アプリケーションAPの一コンテンツであるゲーム要素γの画面(画像)に表示を遷移させる命令の入力を受け付ける。ここで、ゲーム要素γを構成するコンテンツ(所望のコンテンツ)が既取得コンテンツであれば、かかる命令に基づき制御部33が表示部34にゲーム要素γの画面を表示させる。一方、ゲーム要素γを構成するコンテンツ(所望のコンテンツ)の画像が未取得である場合、取得部331が当該画像を含む未取得コンテンツ(ゲーム要素γを構成するコンテンツ)を優先的に取得する。
【0028】
また同様に、選択画面におけるボタン34aに対してユーザUがタップ操作を行うことで、アプリケーションAPの一コンテンツであるゲーム要素αの画面に表示を遷移させる命令の入力を受け付ける。選択画面におけるボタン34bに対してユーザUがタップ操作を行うことで、アプリケーションAPの一コンテンツであるゲーム要素βの画面に表示を遷移させる命令の入力を受け付ける。
【0029】
2.各機能の説明
第2節では、本実施形態に係る情報処理装置3によって実現される各機能について説明する。
【0030】
2.1 並行取得機能
図3は、情報処理装置3において実現される並行取得機能を示すアクティビティ図である。図4は、チュートリアル画面の表示中に並行取得機能が実行される態様を示し、図5は、選択画面の表示中に並行取得機能が実行される態様を示している。図6は、コンテンツの取得の優先順位を示すコンテンツリストCLの概要図である。以下、図3に示されるアクティビティ図の各アクティビティに沿って並行取得機能の説明をする。
【0031】
[ここから]
(アクティビティA1)
情報処理装置3における記憶部32に記憶されたプログラムPGによって、アプリケーションAPの取得が行われる。アクティビティA1では、取得部331がアプリケーションAPに含まれる初期コンテンツを取得する。ここで、初期コンテンツとは、ユーザUがアプリケーションAPを使用するために最低限必要なコンテンツであり、起動時におけるタイトル画面、チュートリアル画面(図4参照)、又は各コンテンツを選択可能な選択画面(図5参照)等が含まれる。図6に示されるコンテンツリストCLでは、コンテンツA~Cが初期コンテンツであり、原則的に後述の入替機能によらず優先的に取得される。つまり、取得部331は、各コンテンツを選択可能な選択画面コンテンツ又は各コンテンツを説明するチュートリアルコンテンツを優先的に取得する。
【0032】
(アクティビティA2)
アクティビティA1の完了後、後述のアクティビティA3と並列にアクティビティA2が実行される。アクティビティA2では、表示部34がアクティビティA1において取得した初期コンテンツに係る画面を表示する。
【0033】
(アクティビティA3)
アクティビティA1の完了後、前述のアクティビティA2と並列にアクティビティA3が実行される。アクティビティA3では、取得部331が記憶部32に記憶されたコンテンツリストCLにおける取得順位が最上位のコンテンツを取得する。アクティビティA3は、コンテンツリストCLにおける未取得コンテンツがなくなるまで逐次実行される。
[ここまで]
【0034】
すなわち、アクティビティA2及びA3が並行処理されることによって並行取得機能が実行される。並行取得機能によって、ユーザUは全コンテンツのダウンロードが済む前からアプリケーションを起動することができる。その結果、待機時間が短くなり、ユーザUが心理的ストレスを感じることや、そもそもインストールを躊躇するといった問題が緩和される。
【0035】
2.2 入替機能
図7は、コンテンツの取得の優先順位に関するアクティビティ図である。図8は、未取得のコンテンツが選択された場合のコンテンツリストCLを示し、図9は、図8に示した場合に入替機能が実行されたコンテンツリストCLを示し、図10A及び図10Bは、図9の別例を示している。以下、図7に示されるアクティビティ図の各アクティビティに沿って入替機能の説明をする。
【0036】
[ここから]
(アクティビティA2)
アクティビティA3と並列にアクティビティA2が実行される。アクティビティA2では、表示部34が初期コンテンツの一例である選択画面(図5参照)を表示する。
【0037】
(アクティビティA3)
アクティビティA2と並列にアクティビティA3が実行される。アクティビティA3では、取得部331が記憶部32に記憶されたコンテンツリストCLにおける取得順位が最上位のコンテンツを取得する。アクティビティA3は、コンテンツリストCLにおける未取得コンテンツがなくなるまで逐次実行される。また、後述のアクティビティA4及びA5ではコンテンツリストCLにおける取得順位の入替が行われるため、アクティビティA3は、最新のコンテンツリストCLに基づいて実行されることに留意されたい。
【0038】
(アクティビティA4)
アクティビティA4は、アクティビティA2及びA3の実行中にユーザUが所望するタイミングで実行される。アクティビティA4では、入力部35が表示部34によって表示中の選択画面から所望のコンテンツに遷移するための命令を受け付ける。例えば、図5に示される選択画面におけるボタン34cに対してユーザUがタップ操作を行うことで、アプリケーションAPの一コンテンツであるゲーム要素γの画面(画像)に表示を遷移させ
る命令の入力を受け付ける。
【0039】
(アクティビティA5)
アクティビティA4において所望されたゲーム要素γの画像が未取得コンテンツである場合、アクティビティA5が実行される。アクティビティA5では、入替部332が記憶部32に記憶されたコンテンツリストCLにおける取得順位を入れ替える(入替機能)。図8に示される具体例では、アクティビティA4が実行されたときのコンテンツリストCLにおける最上位のコンテンツがコンテンツD(ゲーム要素αを構成するもの)であり、ゲーム要素γは未取得コンテンツであるコンテンツH,Iから構成されている。また、コンテンツH,IはコンテンツD~Gよりも取得順位が下位に位置している。
【0040】
アクティビティA5において入替機能が実行されることで、図9に示されるように、コンテンツH,Iの取得順位が上位に入れ替えられる。換言すると、入替部332は、現在取得中のコンテンツであるコンテンツDの次に所望のコンテンツであるコンテンツH(さらに続いてコンテンツI)の取得が開始されるように、コンテンツリストCLにおける取得順序を入れ替える。
【0041】
また、図10A及び図10Bに示されるように、現在取得中のコンテンツDの取得を中断して、所望のコンテンツであるコンテンツH(続いて、コンテンツI)を優先的に取得するように実施してもよい。つまり、入力部35が所望のコンテンツであるゲーム要素γ(コンテンツH,I)の画面に遷移させる命令を受け付けると、取得部331は、現在取得中のコンテンツDの取得を中断し、入替部332は、所望のコンテンツの取得が開始されるように、コンテンツリストCLにおける取得順序を入れ替える。
【0042】
(アクティビティA6)
所望のコンテンツであるゲーム要素γを構成するコンテンツH,Iの取得が完了すると、表示部34はゲーム要素γの画面に遷移してこれを表示する。なお、コンテンツHの取得完了後に、コンテンツHに係る画面(ゲーム要素γの一部)を表示してもよいし、ゲーム要素γを構成するコンテンツH,Iの両方の取得完了後に、ゲーム要素γの画面を表示してもよい。
[ここまで]
【0043】
すなわち、アクティビティA3の実行中において、アクティビティA4及びA5による入替機能を実行することができる。これによりユーザUが所望するコンテンツが優先的に取得されることとなる。その結果、待機時間が短くなり、ユーザが心理的ストレスを感じることや、そもそもインストールを躊躇するといった問題が緩和される。
【0044】
3.その他
前述の入替機能をさらに創意工夫してもよい。
【0045】
一般的にサーバ2に格納されるアプリケーションAPは事後的にバージョンアップされてコンテンツが追加されることがある。このような追加コンテンツが話題となって、市場においてアプリケーションAPを自身のコンピュータに取得させるユーザUが増加することがある。このようなユーザUたちは、追加コンテンツを目的として、アプリケーションAPの取得に至った者であると想定される。
【0046】
したがって、取得部331は、サーバ2がアップデートされた追加コンテンツ(新たなコンテンツ)を格納している場合に、かかるコンテンツを優先的に取得することが好ましい。ここで、図11は、サーバ2に新たなコンテンツであって、ゲーム要素νを構成するコンテンツY,Zが追加された場合のコンテンツリストCLを示し、図12は、図11に示した場合に入替機能が実行されたコンテンツリストCLを示している。すなわち、追加コンテンツに紐付けられているアップデートされた日時に基づいて、入替部332が、初期コンテンツの次に追加コンテンツであるコンテンツY,Zが優先的に取得されるように、取得順位を入れ替えるとよい。
【0047】
4.結言
以上のように、本実施形態によれば、アプリケーションAPのインストール時間や各コンテンツのロード時間によって、従来生じていたユーザUの待機時間を抑制したプログラムPGを提供することができる。このようなプログラムPGを、コンピュータ(情報処理装置3)が読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよいし、外部のサーバ2からダウンロード可能に提供してもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させて、クライアント端末で各機能を実施可能な、いわゆるクラウド・コンピューティングを実施してもよい。
【0048】
すなわち、複数のコンテンツを含むアプリケーションを取得するためのプログラムであって、サーバからネットワークを介して前記複数のコンテンツを取得可能に構成されたコンピュータを、表示部と入力部と取得部として機能させ、前記表示部は、前記複数のコンテンツの取得中に、取得が完了した既取得コンテンツに含まれる画像を表示し、前記入力部は、表示中の前記画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記取得部は、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、プログラムが提供される。
【0049】
また、本実施形態によれば、アプリケーションAPのインストール時間や各コンテンツのロード時間によって、従来生じていたユーザUの待機時間を抑制した情報処理装置3を提供することができる。
【0050】
すなわち、情報処理装置であって、取得部と、表示部と、入力部とを備え、前記取得部は、複数のコンテンツを含むアプリケーションのインストーラを実行し、サーバからネットワークを介して前記複数のコンテンツを取得し、前記表示部は、前記複数のコンテンツの取得中に、取得が完了した既取得コンテンツに含まれる画像を表示し、前記入力部は、表示中の前記画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、ここで、前記取得部は、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合、前記画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、情報処理装置が提供される。
【0051】
また、本実施形態によれば、アプリケーションAPのインストール時間や各コンテンツのロード時間によって、従来生じていたユーザUの待機時間を抑制したシステム1を提供することができる。
【0052】
すなわち、システムであって、サーバと、情報処理装置とを備え、前記サーバは、複数のコンテンツを含むアプリケーションを格納し、前記情報処理装置は、前記サーバとネットワークを介して接続可能に構成され、且つ取得部と、表示部と、入力部とを備え、前記取得部は、前記サーバからネットワークを介して前記複数のコンテンツを取得し、前記表示部は、前記複数のコンテンツの取得中に、取得が完了した既取得コンテンツに含まれる画像を表示し、前記入力部は、表示中の前記画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、ここで、前記取得部は、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合、前記画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、システムが提供される。
【0053】
本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1 :システム
2 :サーバ
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :入替部
34 :表示部
34a :ボタン
34b :ボタン
34c :ボタン
34d :メータ
35 :入力部
AP :アプリケーション
CL :コンテンツリスト
N :ネットワーク
PG :プログラム
U :ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
ゲームのアプリケーションを構成する複数のコンテンツを取得中に、各コンテンツを説明するためのチュートリアルコンテンツに含まれる画像と、前記アプリケーションに含まれる全てのコンテンツの容量に対する取得が完了した既取得コンテンツの容量の度合いとを表示し、
前記チュートリアルコンテンツを優先的に取得し、
表示中の画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合には、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、ゲームのアプリケーションを構成する複数のコンテンツを取得中に、各コンテンツを説明するためのチュートリアルコンテンツに含まれる画像と、前記アプリケーションに含まれる全てのコンテンツの容量に対する取得が完了した既取得コンテンツの容量の度合いとを表示し、
プロセッサが、前記チュートリアルコンテンツを優先的に取得し、
プロセッサが、表示中の画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合には、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得する、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、ゲームのアプリケーションを構成する複数のコンテンツを取得中に、各コンテンツを説明するためのチュートリアルコンテンツに含まれる画像と、前記アプリケーションに含まれる全てのコンテンツの容量に対する取得が完了した既取得コンテンツの容量の度合いとを表示させ、
プロセッサに、前記チュートリアルコンテンツを優先的に取得させ、
プロセッサに、表示中の画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合には、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを優先的に取得させる、
処理を実行させるプログラム。
【請求項4】
情報処理装置と端末を備え、
前記情報処理装置は、
ゲームのアプリケーションを構成する複数のコンテンツを取得中に、各コンテンツを説明するためのチュートリアルコンテンツに含まれる画像と、前記アプリケーションに含まれる全てのコンテンツの容量に対する取得が完了した既取得コンテンツの容量の度合いとを前記端末に表示させ、
前記チュートリアルコンテンツを前記端末に優先的に取得させ、
表示中の画像から所望の画像に表示を遷移させる命令の入力を受け付け、前記命令に対応する前記所望の画像が未取得である場合には、前記所望の画像を含む未取得コンテンツを前記端末に優先的に取得させる、
システム。