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特開2023-166528冷却可能なエネルギー放出アセンブリを有する送達デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166528
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】冷却可能なエネルギー放出アセンブリを有する送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144932
(22)【出願日】2023-09-07
(62)【分割の表示】P 2021129745の分割
【原出願日】2010-10-27
(31)【優先権主張番号】61/255,367
(32)【優先日】2009-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/260,348
(32)【優先日】2009-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512120362
【氏名又は名称】ヌバイラ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】メイス, マーティン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ディマー, スティーブン シー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組織を切除すること、損傷すること、または別様に影響を及ぼすことのためのシステム、送達デバイス、および方法を提供する。
【解決手段】治療システムは、非標的組織を損傷することなく標的組織を切除する冷却可能な切除アセンブリ208を送達することが可能である。冷却可能な切除アセンブリは、神経組織を損傷して、神経系入力を一時的または永久的に減少させる。いくつかの実施形態では、治療システムは、喘息、COPD、閉塞性肺疾患、または肺における空気への増大した抵抗につながる他の疾患を無制限に含む、広範囲の肺の症状、状態、および/または疾患を治療するように、肺根の左右の主気管支、ならびに肺内のより遠位の気道等の気道を通してナビゲートすることができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の気管支樹を治療するための治療システムであって、送達デバイスを備え、
該送達デバイスが、
気道の内面を通してエネルギーを送達し、該内面から半径方向外向きに位置する組織
の標的領域を損傷させ、その結果損傷した該標的領域が該気道の内面から半径方向に分離
した第1の場所で最大断面幅を有するように構成される、エネルギーエミッタ;
冷却剤を含有し、該エネルギーエミッタと該標的領域との間の組織を冷却するために
該冷却剤を循環させるように構成され、かつ膨張可能部材を備える冷却部;および
該冷却剤がそれを通して該冷却部および該エネルギーエミッタへと流れることが可能
となる細長いシャフトであって、該冷却部が該シャフトの遠位端に直接連結されている、
前記細長いシャフトを備え、
ここで該エネルギーエミッタが、その近位端で該シャフトの遠位端に直接連結され、そ
の遠位端で該冷却部の遠位端に直接流体連結されるチャネルに連結されており、かつ該エ
ネルギーエミッタがエネルギーを出力するときに、該冷却剤が該チャネルを通して流れ、
該エネルギーエミッタの組織接触部分を冷却することが可能であり、かつ該エネルギーエ
ミッタの細長い部分が該冷却部の周りに円周方向に延在しており、かつ
該細長いシャフトが該チャネルと流体的に連絡している第1の管腔および該送達デバイ
スの該膨張可能部材のチャンバと流体的に連絡している第2の管腔を有し、ここで該チャ
ネルが該チャンバと連絡し、該冷却剤が該チャネルおよび該膨張可能部材を通して連続的
に流れることを可能にする、前記治療システム。
【請求項2】
前記冷却部が前記エネルギーエミッタの近位および遠位にある両方の組織を冷却するよ
うに構成される、請求項1記載の治療システム。
【請求項3】
前記エネルギーエミッタが前記標的領域で神経幹を永久的に損傷させて、該標的領域の
前記気管支樹の部分に遠位に伝送される神経系信号を減衰させるように構成される、請求
項1記載の治療システム。
【請求項4】
前記エネルギーエミッタが前記エネルギーを送達し、その結果前記第1の場所を前記気
道の平滑筋領域の外側にとるように構成される、請求項1記載の治療システム。
【請求項5】
前記エネルギーエミッタが前記エネルギーを送達し、その結果前記第1の場所を前記内
面から少なくとも約2mmにとるように構成される、請求項1記載の治療システム。
【請求項6】
対象を治療するための治療システムであって:
冷却剤がそれを通して流れることを可能にし、流入管腔および流出管腔を有する細長い
シャフト;および
該細長いシャフトに連結された管腔内エネルギー送達デバイスを備え、
該送達デバイスが、
エネルギーを出力して気管支樹の標的組織を切除するように構成された電極、および
該シャフトの該流入管腔および該流出管腔のうちの1つに直接連結され、該電極がそこに
連結された導管を備えるエネルギーエミッタアセンブリであって、該冷却剤が該エネルギ
ーエミッタアセンブリの組織接触部分を冷却するように、該導管を通して該細長いシャフ
トから直接流れることが可能である、前記エネルギーエミッタアセンブリ;および
該エネルギーエミッタアセンブリの該組織接触部分を該気管支樹の気道壁と接触させ
るように、折り畳み状態から拡張状態に移動可能な配備可能要素であって、該エネルギー
エミッタアセンブリの細長い部分が該拡張状態における該配備可能要素の周りに円周方向
に延在し、該配備可能要素が該シャフトの他方の該流入管腔および該流出管腔に直接連結
された膨張性バルーンを備え、かつ冷却部を備え、該導管が該冷却部と流体的に連絡して
おり、該膨張性バルーンが該冷却剤を含有し、かつ該冷却剤を循環させるように構成され
ており、かつ該冷却部が、エネルギーがそこから出力されるときに、該エネルギーエミッ
タアセンブリの該組織接触部分に隣接する組織を冷却するよう、気道壁と接触するように
移動可能である、前記配備可能要素を備え、
ここで該管腔内エネルギー送達デバイスが、エネルギーを送達して該エネルギーエミッ
タアセンブリの該組織接触部分から分離された組織の標的領域を損傷させ、その結果損傷
した該標的領域が該エネルギーエミッタアセンブリの該組織接触部分から分離された第1
の深さで最大断面幅を有するように構成される、前記治療システム。
【請求項7】
前記送達デバイスがエネルギーを送達し、その結果前記標的領域の前記最大断面幅が前
記エネルギーエミッタアセンブリの前記組織接触部分から少なくとも2mmの深さにある
ように構成される、請求項6記載の治療システム。
【請求項8】
前記送達デバイスが、前記第1の深さが前記組織における平滑筋組織の領域よりも深く
なるようにさらに構成される、請求項6記載の治療システム。
【請求項9】
前記送達デバイスがエネルギーを出力して組織を損傷させ、その結果損傷した組織の大
部分が前記気道壁の平滑筋組織の領域の外側にくるように構成される、請求項6記載の治
療システム。
【請求項10】
前記標的領域が、前記対象の気道の平滑筋組織へのあらゆる永久的損傷が該気道の反応
性または収縮を大幅に改変するために必要とされる損傷よりも小さくなるように位置する
、請求項6記載の治療システム。
【請求項11】
前記導管の少なくとも部分が、前記拡張状態にあるときに、前記配備可能要素の表面の
部分を包み込むように構成される、請求項6記載の治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/255,367号(2009年10月27日出願)お
よび米国仮特許出願第61/260,348号(2009年11月11日出願)の米国特
許法第119条第(e)項の利益を主張する。これら2つの仮出願の各々は、その全体が
本明細書に参照することによって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、組織を治療するためのシステム、装置、および方法に関し、より具
体的には、本発明は、所望の応答を引き出すための冷却可能なエネルギー放出アセンブリ
を有する送達デバイスを有するシステムまたは治療システムに関する。
【背景技術】
【0003】
肺疾患は、肺の性能に悪影響を及ぼす、広範囲の問題を引き起こす場合がある。喘息お
よび慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)等の肺疾患は、肺における増大した空気流抵抗に
つながる場合がある。死亡率、健康関連費用、および肺疾患による悪影響を受けている人
口の規模は、全て多大である。これらの疾患はしばしば、生活の質に悪影響を及ぼす。症
状は様々であるが、しばしば、咳、息切れ、および喘鳴を含む。COPDでは、例えば、
息切れは、ランニング、ジョギング、早歩き等のいくぶん活発な活動を行うときに気付か
れる場合がある。疾患が進行するにつれて、息切れは、歩行等の活発でない活動を行うと
きに気付かれる場合がある。経時的に、COPDの症状は、常に存在するまで次第に少な
い努力で発生し、それにより、通常の作業を達成する個人の能力を大幅に制限する場合が
ある。
【0004】
肺疾患はしばしば、気道管腔の閉塞、気道壁の肥厚、気道壁内または周囲の構造の変質
、またはそれらの組み合わせと関連付けられる気道閉塞によって特徴付けられる。気道閉
塞は、肺の中で交換されるガスの量を有意に減少させ、息切れをもたらし得る。気道管腔
の閉塞は、過剰な管腔内粘液または浮腫液、あるいは両方によって引き起こされ得る。気
道壁の肥厚は、気道平滑筋の過剰な収縮、気道平滑筋肥大、粘液腺肥大、炎症、浮腫、ま
たはそれらの組み合わせに起因する場合がある。肺組織自体の破壊等の気道の周囲の構造
の変質は、気道壁への半径方向牽引力の損失、および後続の気道の狭窄につながり得る。
【0005】
喘息は、気道平滑筋の収縮、平滑筋肥大、過剰な粘液産生、粘液腺肥大、および/また
は気道の炎症ならびに腫脹によって特徴付けることができる。これらの異常は、局所炎症
性サイトカイン(気道壁の中または付近に位置する免疫細胞によって局所的に放出される
化学物質)、吸入した刺激物(例えば、冷気、煙、アレルゲン、または他の化学物質)、
全身ホルモン(抗炎症性コルチゾールおよび刺激性エピネフリン等の血液中の化学物質)
、局所神経系入力(平滑筋細胞および粘液腺の局所反射刺激を生成することができる、気
道壁内に完全に含有された神経細胞)、および中枢神経系入力(迷走神経を通して運ばれ
る、脳から平滑筋細胞および粘液腺への神経系信号)の複雑な相互作用の結果である。こ
れらの症状はしばしば、喘息患者が呼吸することを困難にする、最終的に永久的組織改編
および永久的空気流閉塞につながる場合がある、広範囲に及ぶ一時的な組織変質および最
初は可逆的な空気流閉塞を引き起こす。喘息はさらに、空気流抵抗を有意に増加させる過
敏反応性気道平滑筋の収縮を介した、付加的な気道狭窄の急性エピソードまたは発作を含
み得る。喘息症状は、息切れ(例えば、息が切れること、または呼吸困難)、喘鳴、胸苦
しさ、および咳の再発エピソードを含む。
【0006】
肺気腫は、肺の中の気道を包囲する、または気道に隣接する肺組織の変質によってしば
しば特徴付けられる、一種のCOPDである。肺気腫は、低減したガス交換および周辺肺
組織によって気道壁に印加される低減した半径方向牽引力につながる、肺組織(例えば、
肺胞嚢等の肺胞組織)の破壊を伴い得る。肺胞組織の破壊は、肺胞壁および肺胞毛細血管
が欠けており、それにより、ガス交換に効果がない、全体的に大きい空隙を有する肺気腫
を患った肺の領域を残す。空気は、これらのより大きい空隙の中に「閉じ込められる」。
この「閉じ込められた」空気は、肺の過膨張を引き起こし、胸部という制限の中で、酸素
が豊富な空気の流入およびより健康な組織の適正な機能を制限する場合がある。これは、
有意な息切れをもたらす場合があり、血液中の低酸素レベルおよび高二酸化炭素レベルに
つながる場合がある。この種類の肺組織破壊は、健康な個人でさえも、通常の加齢過程の
一部として発生する。残念ながら、化学物質または他の物質(例えば、煙草の煙)への暴
露が、組織損傷または破壊の速度を有意に加速する場合がある。息切れはさらに、気道閉
塞によって増加させられる場合がある。半径方向牽引力の低減は、呼気中に気道壁が部分
的または完全に虚脱するように、気道壁を「柔軟」にさせる場合がある。肺気腫がある個
人は、呼気中のこの気道虚脱および気道閉塞により、肺から外へ空気を送達できない場合
がある。
【0007】
慢性気管支炎は、気道平滑筋の収縮、平滑筋肥大、過剰な粘液産生、粘液腺肥大、およ
び気道壁の炎症によって特徴付けることができる、一種のCOPDである。喘息のように
、これらの異常は、局所炎症性サイトカイン、吸入した刺激物、全身ホルモン、局所神経
系、および中枢神経系の複雑な相互作用の結果である。呼吸閉塞が大部分は可逆的である
場合がある、喘息と違って、慢性気管支炎における気道閉塞は、主に慢性かつ永久的であ
る。息切れ、喘鳴、および胸苦しさ、ならびに粘液を産生する咳という慢性症状により、
しばしば、慢性気管支炎患者が呼吸することは困難である。
【0008】
肺疾患の重症度および進行を評価するために、異なる技法を使用することができる。例
えば、被検体を評価するために、肺機能検査、運動能力、および生活の質の質問表がしば
しば使用される。肺機能検査は、総空気量、肺容量、およびガス交換等の基本生理学的肺
パラメータの客観的かつ再現可能な尺度を伴う。閉塞性肺疾患の評価に使用される肺機能
検査の指数は、1秒間の努力呼気肺活量(FEV1)、努力肺活量(FVC)、FEV1
のFVCに対する比、全肺気量(TLC)、気道抵抗、および動脈血ガスの検査を含む。
FEV1は、肺が完全に空気で充填された状態で始まる強制的呼気の最初の1秒中に患者
が吐き出すことができる、空気の容量である。FEV1はまた、強制的呼気の最初の1秒
中に発生する平均流量でもある。このパラメータは、気道閉塞の存在および影響を評価お
よび決定するために使用されてもよい。FVCは、肺が完全に空気で充填された状態で始
まる強制的呼気中に患者が吐き出すことができる、空気の全容量である。FEV1/FV
Cは、最初の1秒中の強制的呼気中に吐き出すことができる、全ての空気の割合である。
少なくとも1つの気管支拡張剤の投与の0.7秒未満後のFEV1/FVC比は、COP
Dの存在を定義する。TLCは、肺が完全に充填されたときの肺内の空気の総量であり、
閉塞性肺疾患がある患者の肺内に空気が閉じ込められたときに増加する場合がある。気道
抵抗は、肺胞と口との間の空気の流速に対する肺胞と口との間の圧力勾配として定義され
る。同様に、所与の気道の抵抗は、所与の気道を通る流量に対する、気道にわたる圧力勾
配の比として定義される。動脈血ガス検査は、血液中の酸素の量および二酸化炭素の量を
測定し、空気から血液の中へ酸素を運ぶ、および血液から体外へ二酸化炭素を出す、肺お
よび呼吸系の能力を評価するための最も直接的な方法である。
【0009】
運動能力検査は、活動を行う患者の能力の客観的および再現可能な尺度である。6分歩
行検査(6MWT)は、患者が6分間に平面上を可能な限り遠くまで歩く、運動能力検査
である。別の運動能力検査は、患者の最大運動能力を想定することを伴う。例えば、医師
は、患者が自転車エルゴメータ上にいる間に産生することができる電力の量を測定するこ
とができる。患者は、30%の酸素を呼吸することができ、作業負荷は、3分毎に5~1
0ワット増加することができる。
【0010】
生活の質の質問表は、患者の全体的健康および福祉を評価する。St.Georgeの
呼吸器質問表は、全体的健康、日常生活、知覚福祉に対する閉塞性肺疾患の影響を測定す
るように設計されている75の質問を含む、生活の質の質問表である。肺疾患の治療の有
効性は、肺機能検査、運動能力検査、および/または質問表を使用して評価することがで
きる。治療プログラムは、これらの検査および/または質問表に基づいて修正することが
できる。
【0011】
気管支温熱療法等の治療は、肺内の多数の気管支枝における気道壁を切除し、それによ
り、肺の気道壁内の平滑筋および神経の両方を排除することによって、平滑筋緊張を破壊
することを伴う。治療された気道は、吸入した刺激物、全身ホルモン、ならびに局所およ
び中枢神経系入力の両方に有利に応答することができない。したがって、残念ながら、こ
の気道壁内の平滑筋および神経の破壊は、肺の性能に悪影響を及ぼす場合がある。例えば
、煙または他の有害物質等の吸入した刺激物は通常、肺刺激受容体を刺激して、咳および
気道平滑筋の収縮を生じる。気道壁内の神経の排除は、局所神経機能および中枢神経入力
の両方を除去し、それにより、強制的な咳で有害物質を排出する肺の能力を排除する。気
道平滑筋緊張の排除は、収縮する気道の能力を排除し、それにより、肺の中への有害物質
等の不要な物質のより深い浸透を可能にする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
喘息およびCOPDの両方は、増大する数の患者がいる重篤な疾患である。処方薬を含
む、現在の管理技法は、完全に成功しているわけでもなければ、副作用を含まないわけで
もない。加えて、多くの患者が、薬剤の処方用量レジメンに従わない。したがって、患者
の薬剤服用順守を必要としない、空気流への抵抗を向上させる治療を提供することが望ま
しいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
いくつかの実施形態では、治療システムは、喘息、COPD、閉塞性肺疾患、または肺
における空気への増大した抵抗につながる他の疾患を無制限に含む、広範囲の肺の症状、
状態、および/または疾患を治療するように、肺根の左右の主気管支、ならびに肺内のよ
り遠位の気道等の気道を通してナビゲートすることができる。折り畳み式切除(アブレー
ション)アセンブリに、便宜的に気道を通過させることができる。切除(アブレーション
)アセンブリのエネルギーエミッタアセンブリは、非標的部位を治療することなく、1つ
以上の治療部位を治療することができる。たとえ主気管支、葉気管支、区域気管支、また
は亜区域気管支という標的解剖学的特徴(例えば、神経、腺、粘膜、および同等物)が治
療されても、非標的解剖学的特徴は実質的に不変となり得る。例えば、治療システムは、
治療を行った後に機能的なままとなることができる非標的組織を有意な程度まで破壊する
ことなく、標的部位における神経組織を破壊することができる。エネルギーエミッタアセ
ンブリは、非標的組織の破壊を回避または制限するように冷却可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、被検体を治療するためのシステムは、気管支樹の気道の管腔
に沿って移動することが可能な送達デバイスを含む。送達デバイスは、気道の内面または
平滑筋等の非標的特徴を有意な程度まで不可逆的に損傷することなく、神経幹の神経組織
等の神経組織によって伝送される信号を減衰させるように、病変を形成することができる
。送達デバイスは、少なくとも1つの切除アセンブリを有する遠位先端を含むことができ
る。
【0015】
切除アセンブリは、いくつかの実施形態では、送達のための薄型構成から、標的領域に
おける組織を治療するための配備構成へ移動させることができる。切除要素は、組織を切
除するように起動することができる。各切除要素は、超音波、電気エネルギー、および/
または無線周波数(RF)エネルギーを出力するように動作可能な1つ以上の電極を含む
ことができる。ある実施形態では、各電極は、流体冷却可能電極である。
【0016】
他の実施形態では、送達デバイスは、折り畳み式エネルギーエミッタアセンブリを有す
るカテーテルである。拡張型要素、または他の付勢特徴は、エネルギーエミッタアセンブ
リを気道壁に押し付ける。エネルギーエミッタアセンブリは、エネルギーを標的組織に送
達する。ある実施形態では、エネルギーエミッタアセンブリおよび拡張型要素は、同時に
拡張される。他の実施形態では、拡張型要素は、エネルギーエミッタアセンブリが配備さ
れる前または後に拡張される。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、神経系信号が、第1の主気管支に接続された実質的
に全ての遠位気管支枝に伝わることを実質的に防止するように、第1の主気管支の神経組
織を損傷するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の主気管支の遠位にある気
管支枝の大部分または全てが治療される。損傷した神経組織は、ある実施形態では、気管
と、それを通って気管支枝が延在する肺との間に設置される。方法はさらに、神経系信号
が、第2の主気管支に接続された実質的に全ての遠位気管支枝に伝わることを実質的に防
止するように、第2の主気管支の神経組織を損傷するステップを含むことができる。
【0018】
少なくともいくつかの実施形態は、無線周波数切除を使用して病変を作成することによ
って、肺気管支の神経を麻痺させることができる。左右両方の主気管支の外側に沿って横
断する神経幹を切除することにより、迷走神経および中枢神経系から、肺気道の内側を覆
う気道平滑筋および気道とともに位置する粘液産生腺を効果的に断絶する。これが起こる
と、気道平滑筋が弛緩し、粘液産生が減少させられる。これらの変化は、COPDおよび
喘息等の病状下の気道閉塞を低減する。低減した気道閉塞は、呼吸をより容易にし、患者
の生活の質および健康状態を改善することができる。
【0019】
病変は、差温制御を使用して成形または修正することができる。差温制御は、切除アセ
ンブリ、拡張型要素、またはエネルギーエミッタアセンブリ等の送達デバイスの異なる特
徴の独立した冷却を伴うことができる。差動冷却は、病変の深さを増大または最大化する
ために使用される。いくつかの手技では、神経組織および他の構造(例えば、隣接組織構
造、器官、または癌性あるいは非癌性腫瘍等の罹患組織等)が、標的領域の一部である。
加えて、または代替として、差動冷却は、浅部または表面組織損傷を制御(例えば、制限
または最小化)または排除するために使用することができる。
【0020】
病変は、標的領域において形成することができる。標的領域は、無制限に、神経組織(
例えば、迷走神経、神経幹等の組織)、線維組織、罹患または異常組織(例えば、癌性組
織、炎症組織、および同等物)、心臓組織、筋肉組織、血液、血管、解剖学的特徴(例え
ば、粘膜、腺、繊毛、および同等物)、または他の関心の部位を含むことができる。RF
切除では、RF電流が組織を通って伝わるにつれて、熱が組織抵抗により生成される。組
織抵抗は、組織抵抗を掛けた電流の二乗に等しい電力消費をもたらす。深部組織を切除す
るために、RF電極と深部組織との間の組織は、能動冷却が採用されなければ加熱され得
る。電極冷却は、細胞死または損傷をもたらす温度以下で電極付近の組織を保ち、それに
より、組織を保護するために使用することができる。例えば、冷却は、電極・組織界面に
おける過熱を防止または制限することができる。過熱(例えば、95℃から約110℃を
上回る温度での組織)は、凝塊の形成、組織乾燥、組織炭化、および蒸気の爆発的脱ガス
につながり得る。これらの効果は、増大した組織抵抗および組織の中への低減したRFエ
ネルギー伝達をもたらし、効果的なRF切除病変の深さを制限することができる。能動冷
却は、有意に深い組織病変を生成するために使用することができる。能動冷却のための冷
却剤の温度は、約0℃から約24℃となり得る。いくつかの実施形態では、冷却剤および
電極は、少なくとも約3mmの治療深さで病変を生成する。いくつかの実施形態では、病
変は、神経組織を損傷するように、約3mmから約5mmの深さで形成することができる
【0021】
いくつかの実施形態では、温度、膨張圧、冷却剤の流速、組織インピーダンス、または
他の関心のパラメータを監視するために、センサが使用される。センサからのフィードバ
ックは、電極に送達される電力を変調するために使用することができる。局所インピーダ
ンスを改変する組織の局所変化に対処し、したがって、不要な高温点につながり得る過剰
な加熱を回避するように、出力エネルギーを調整することができる。病変はまた、局所組
織特性とは無関係に形成することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、送達デバイスは、切除アセンブリと、エネルギーエミッタア
センブリ切除アセンブリの組織接触部分を、気道壁、心臓組織、または同等物等の組織と
接触させるように、折り畳み状態から拡張状態に移動可能な配備可能要素を含む、配備可
能要素とを備える。
【0023】
エネルギーエミッタアセンブリは、いくつかの実施形態では、エネルギーを出力して気
管支樹の標的組織を切除するように構成され、エネルギーエミッタアセンブリの組織接触
部分を冷却するよう、それを通って冷却剤が流れることが可能である。冷却部は、冷却剤
を含有するように構成され、エネルギーがそこから出力されているときに、エネルギーエ
ミッタアセンブリの組織接触部分に隣接する組織を冷却するよう、気管壁と接触するよう
に移動可能である。配備可能要素は、切除アセンブリと標的組織との間の組織への損傷を
制限または防止するように、配備可能要素が拡張状態であり、切除アセンブリが気道壁と
接触しているときに、冷却剤がエネルギーエミッタアセンブリおよび配備可能要素を冷却
するように、冷却剤を含有するように構成される。細長いシャフトは、切除アセンブリに
連結され、冷却剤流を切除アセンブリに提供し、切除アセンブリから冷却剤を受容する。
【0024】
コントローラは、流体送達システムに通信可能に連結し、切除アセンブリのセンサに通
信可能に連結することができる。コントローラは、センサからの少なくとも1つの信号に
基づいて流体送達システムに命令するように構成される。コントローラは、少なくとも1
つの差動冷却プログラムを実行して、第2の流体の温度とは有意に異なる温度で第1の流
体を送達するように構成される。温度差は、少なくとも摂氏約5、10、20、または3
0度となり得る。
【0025】
ある実施形態では、送達デバイスは、エネルギーを出力して気管支樹の標的組織を切除
するように構成され、エネルギーエミッタアセンブリの組織接触部分を冷却するよう、そ
れを通って冷却剤が流れることが可能である、エネルギーエミッタアセンブリと、エネル
ギーエミッタアセンブリの組織接触部分を気管支樹の気管壁と接触させるように、折り畳
み状態から拡張状態に移動可能な配備可能要素とを含む、切除アセンブリを備える。冷却
部は、冷却剤を含有するように構成され、エネルギーがそこから出力されているときに、
エネルギーエミッタアセンブリの組織接触部分に隣接する組織を冷却するよう、気管壁と
接触するように移動可能である。細長いシャフトは、切除アセンブリに連結される。冷却
剤は、シャフトを通って切除アセンブリへと流れることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、送達デバイスは、エネルギーを出力して気道の標的組織を切
除するように構成される電極を含む、切除アセンブリを含む。電極は、電極が気道に沿っ
て軸方向に延在する第1の配向と、電極全体が気道の隣接する軟骨輪の間の空間内に配置
される第2の配向との間で移動可能である。
【0027】
送達デバイスは、いくつかの実施形態では、折り畳み状態と拡張状態との間で移動可能
な配備可能要素を含む。軟骨間エネルギーエミッタアセンブリは、配備可能要素の少なく
とも一部分を包囲する。エネルギーエミッタアセンブリの少なくとも一部分は、気管支樹
の気道壁の隣接する軟骨輪の間でエネルギーエミッタアセンブリの電極を押し進めるよう
に、拡張状態の配備可能要素に対して移動可能である。
【0028】
さらに他の実施形態では、送達デバイスは、エネルギーエミッタアセンブリと、膨張可
能冷却バルーンとを含む、切除アセンブリを含む。エネルギーエミッタアセンブリは、冷
却チャネルを含む。膨張可能冷却バルーンは、冷却チャンバを含む。細長いシャフトは、
第1の流体を冷却チャネルへ、第2の流体を冷却チャンバへ独立して送達するように構成
される。
【0029】
送達デバイスは、細長いシャフトと、細長いシャフトに連結される切除アセンブリとを
含む。切除アセンブリは、いくつかの実施形態では、切除エネルギーを放出することが可
能であり、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間の本体を有す
る、電極を含む。第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つは、遮蔽体となり
得る、切除エネルギー絶縁体によって覆われる。
【0030】
治療システムは、標的領域の最大断面幅を画定する標的領域の一部分が、第1の組織表
面から分離されるように、送達デバイスに近接する第1の組織表面にエネルギーを送達し
て、組織の標的領域を損傷するように構成される、送達デバイスを含む。
【0031】
被検体を治療する方法は、被検体の気道の中に位置するエネルギーエミッタアセンブリ
の受容開口部を通して、送達デバイスの冷却要素を移動させるステップを含む。冷却要素
は、冷却要素と気道の壁との間にエネルギーエミッタアセンブリの少なくとも一部分を設
置するように拡張される。エネルギーは、冷却剤が拡張した冷却要素およびエネルギーエ
ミッタアセンブリを通って流れている間に、気道の壁の組織を切除するように、エネルギ
ーエミッタアセンブリから送達される。
【0032】
被検体を治療する方法は、気管支樹の気道の中へアセンブリを移動させるステップを含
む。切除アセンブリは、冷却要素と、エネルギーエミッタアセンブリとを含む。冷却要素
は、気道の壁を冷却要素と接触させるように拡張される。エネルギーは、気道に沿って延
在する神経幹の神経組織を損傷するように、エネルギーエミッタアセンブリから送達され
る。冷却剤は、気道の壁を冷却して、損傷した神経組織と切除アセンブリとの間に位置す
る組織における細胞死を制限または防止するようにエネルギーを送達しながら、エネルギ
ーエミッタアセンブリの少なくとも一部分と接触して流れる。
【0033】
被検体を治療する方法は、気道内に送達デバイスの切除アセンブリを設置するステップ
を含む。エネルギーは、気管支樹の一部分に伝送される神経系信号が減衰させられるよう
に、神経幹の神経組織を損傷するように切除アセンブリの電極に由来する。冷却剤は、切
除アセンブリの電極のチャネルを通して送達される。
【0034】
組織を治療する方法は、組織の第1の表面付近に設置される送達デバイスから組織にエ
ネルギーを送達するステップを含む。エネルギーは、標的領域の最大断面幅を画定する標
的領域の一部分が第1の表面から分離されるように、標的領域を損傷する。
【0035】
エネルギーを送達する方法は、組織を電極の縁と接触させることなく、組織と接触して
いる電極表面にわたって実質的に均一な電圧で、電極からエネルギーを送達するステップ
を含む。電極は、所望の順序で独立して操作することができる、複数のサブ電極を備える
ことができる。
【0036】
図中、同一の参照数字は、同様の要素または行為を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、肺、血管、ならびに肺の付近および中の神経の説明図である。
図2図2は、一実施形態による、左主気管支内に設置された管腔内治療システムの説明図である。
図3図3は、左主気管支の中に設置された送達装置から延在する送達デバイスの説明図である。
図4図4は、気管支樹の気道、および気道管腔に沿って設置された、部分的に拡張した切除アセンブリの断面図である。
図5図5は、気道の平滑筋が収縮され、粘液が気道管腔の中にあるときに、部分的に拡張した切除アセンブリを包囲する気道の断面図である。
図6図6は、組織の温度と対比した組織の深さのグラフである。
図7図7は、気道の中の切除アセンブリの側面図である。
図8図8は、一実施形態による、送達デバイスの等角図である。
図9図9は、図8の線9-9に沿って得られた、細長い本体の断面図である。
図10図10は、図9の送達デバイスの正面図である。
図11図11は、切除アセンブリの左側の立面図である。
図12図12は、図11の切除アセンブリの右側の立面図である。
図13図13は、図11の線13-13に沿って得られた断面図である。
図14図14は、電極アセンブリの等角図である。
図15図15は、線15-15に沿って得られた図14の電極アセンブリの断面図である。
図16図16は、送達装置から外へ延在する送達デバイスを有する治療システムの部分断面図である。
図17図17は、エネルギーエミッタアセンブリを通って流れる流体を有する、配備された切除アセンブリの側面図である。
図18図18は、拡張型部材を通って流れる流体を有する、配備された切除アセンブリの断面図である。
図19図19は、拡張型部材に流入する流体を有する切除アセンブリの断面図である。
図20図20は、エネルギーエミッタアセンブリを通って流れる流体を有する切除アセンブリの立面図である。
図21図21は、軟骨輪に隣接する電極の側面図である。
図22図22は、軟骨輪の間に設置される電極の側面図である。
図23図23は、一対の電極を有する切除アセンブリの等角図である。
図24図24は、3つの電極を有する切除アセンブリの等角図である。
図25図25は、配備されたエネルギーエミッタアセンブリおよび折り畳まれた拡張型要素を有する切除アセンブリの側面図である。
図26図26は、膨張状態の拡張型要素を有する図25の切除アセンブリの側面図である。
図27図27は、柔軟拡張型要素を有する切除アセンブリの側面図である。
図28図28は、線28-28に沿って得られた、図27の切除アセンブリの断面図である。
図29図29は、気道壁に接触する、図27の切除アセンブリの断面図である。
図30図30は、一体エネルギーエミッタアセンブリを有する切除アセンブリの等角図である。
図31図31は、線31-31に沿って得られた、切除アセンブリの断面図である。
図32図32は、図31の線32-32に沿って得られた、切除アセンブリの断面図である。
図33図33は、送達デバイスの側面図である。
図34図34は、配備された拡張型要素を有する、図33の送達デバイスの側面図である。
図35図35は、図33の線35-35に沿って得られた、細長い本体の断面図である。
図36図36は、膨張した電極アセンブリを有する切除アセンブリの側面図である。
図37図37は、線37-37に沿って得られた、図36の切除アセンブリの断面図である。
図38図38は、図37の電極アセンブリの詳細図である。
図39図39は、多構成要素切除アセンブリの等角図である。
図40図40は、エネルギーエミッタアセンブリのループを通して挿入される準備ができている、拡張型要素の等角図である。
図41図41は、図39の切除アセンブリの側面図である。
図42図42は、図39の切除アセンブリの縦断面図である。
図43図43は、呼気中の切除アセンブリの等角図である。
図44図44は、吸気中の図43の切除アセンブリの等角図である。
図45図45は、図43の切除アセンブリの平面図である。
図46図46は、コイル状切除アセンブリの等角図である。
図47図47は、拡大コイルを有するコイル状切除アセンブリの等角図である。
図48図48は、開放冷却チャネルを有する切除アセンブリの等角図である。
図49図49は、線49-49に沿って得られた、図48の切除アセンブリの断面図である。
図50図50は、別の実施形態による、切除アセンブリの縦断面図である。
図51図51は、作動可能送達導管を有する切除アセンブリの縦断面図である。
図52図52は、配備構成の図51の切除アセンブリの断面図である。
図53図53は、線53-53に沿って得られた、図52の切除アセンブリの一部分の断面図である。
図54図54は、エネルギーエミッタアセンブリの横断面図である。
図55図55は、線55-55に沿って得られた、図54のエネルギーエミッタアセンブリの断面図である。
図56図56は、多管腔電極を有するエネルギーエミッタアセンブリの横断面図である。
図57図57は、線57-57に沿って得られた、図56のエネルギーエミッタアセンブリの断面図である。
図58図58および59は、組織に接触する電極の断面図である。
図59図58および59は、組織に接触する電極の断面図である。
図60図60および61は、組織に接触する熱伝導性部分を有する電極の断面図である。
図61図60および61は、組織に接触する熱伝導性部分を有する電極の断面図である。
図62図62および63は、組織を加熱する電極の側面図である。
図63図62および63は、組織を加熱する電極の側面図である。
図64図64は、リング電極を有する電極アセンブリの側面図である。
図65図65は、組織を加熱する遮蔽電極の側面図である。
図66図66は、組織を加熱する弓形遮蔽電極の側面図である。
図67図67A-71Bは、等温線および対応する病変を示す。
図68図67A-71Bは、等温線および対応する病変を示す。
図69図67A-71Bは、等温線および対応する病変を示す。
図70図67A-71Bは、等温線および対応する病変を示す。
図71図67A-71Bは、等温線および対応する病変を示す。
図72図72は、送達構成の遠位に膨張性拡張型要素を有する送達デバイスの等角図である。
図73図73は、線73-73に沿って得られた切除アセンブリの断面図である。
図74図74は、配備構成の遠位に膨張性拡張型要素を有する送達デバイスの等角図である。
図75図75は、線75-75に沿って得られた切除アセンブリの断面図である。
図76図76は、図75の線76-76に沿って得られた、細長い本体の断面図である。
図77図77は、電極を携持する、遠位に膨張性拡張型要素を有する送達デバイスの等角図である。
図78図78は、膨張状態の拡張型要素の等角図である。
図79図79は、図77の線79-79に沿って得られた、切除アセンブリの断面図である。
図80図80は、図78の線80-80に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図81図81は、図80の線81-81に沿って得られた、細長い本体の断面図である。
図82図82は、独立して冷却された遠位に膨張性拡張型要素および電極を有する送達デバイスの等角図である。
図83図83は、送達構成の遠位に膨張性拡張型要素の等角図である。
図84図84は、図82の線84-84に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図85図85は、線85-85に沿って得られた、図86の細長い本体の断面図である。
図86図86は、図82の線86-86に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図87図87A-89Bは、等温線および対応する病変を示す。
図88図87A-89Bは、等温線および対応する病変を示す。
図89図87A-89Bは、等温線および対応する病変を示す。
図90図90は、放出ポートを有する送達デバイスの等角図である。
図91図91は、図90の線91-91に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図92図92は、縦方向に離間した放出ポートを有する送達デバイスの縦断面図である。
図93図93は、絞り過程を行う送達デバイスの等角図である。
図94図94は、図93の線94-94に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図95図95は、送達構成の送達デバイスの等角図である。
図96図96は、配備構成の送達デバイスの等角図である。
図97図97は、送達デバイスの遠位部の詳細断面図である。
図98図98は、位置決め特徴を有する送達デバイスの等角図である。
図99図99は、図98の送達デバイスの平面図である。
図100図100は、線100-100に沿って得られた送達デバイスの断面図である。
図101図101は、送達装置および送達デバイスの縦断面図である。
図102図102は、送達デバイスを保持する送達装置の等角切断図である。
図103図103は、配備される準備ができている送達デバイスの等角図である。
図104図104は、配備構成の図103の送達デバイスの等角図である。
図105図105は、配備構成の切除アセンブリの側面図である。
図105A図105Aは、図105の線105A-105Aに沿って得られた、電極の断面図である。
図106図106は、部分的膨張状態の拡張型要素および膨張したエネルギーエミッタアセンブリを有する切除アセンブリの側面図である。
図107図107は、収縮したエネルギーエミッタアセンブリを有する切除アセンブリの側面図である。
図108図108は、折り畳み構成の収縮したエネルギーエミッタアセンブリを有する切除アセンブリの側面図である。
図109図109は、独立して配備可能な電極アセンブリおよび拡張型要素を有する送達デバイスの等角図である。
図110図110は、配備状態の拡張型要素を有する送達デバイスの等角図である。
図111図111は、電極アセンブリおよび送達状態の拡張型要素の等角図である。
図112図112は、図111の線112-112に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図113図113は、図111の線113-113に沿って得られた、送達デバイスの断面図である。
図114図114は、円周方向に拡張可能な電極を有する送達デバイスの等角図である。
図115図115は、拡張状態の図114の電極の等角図である。
図116図116は、拡張状態の電極を保持する拡張要素の等角図である。
図117図117は、別の実施形態による、送達デバイスの等角図である。
図118図118は、拡張状態の送達デバイスの等角図である。
図119図119は、拡張状態の送達デバイスの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、左肺11および右肺12を有する、ヒト肺10を図示する。気管20は、鼻お
よび口から下向きに延在し、左主気管支21および右主気管支22に分かれる。左主気管
支21および右主気管支22はそれぞれ、外向き方向(すなわち、遠位方向)に連続して
より小さい直径およびより短い長さを有する、葉気管支、区域気管支、または亜区域気管
支に分岐する。主肺動脈30は、心臓の右心室から出て、肺根24の前を通過する。肺根
24において、動脈30は、左右の肺動脈の中へ分岐し、それは次に、分岐して分岐血管
網を形成する。これらの血管は、気管支樹27の気道と平行に延在することができる。気
管支樹27は、左主気管支21、右主気管支22、細気管支、および肺胞を含む。迷走神
経41、42は、気管20と平行に延在し、分岐して神経幹45を形成する。
【0039】
左右の迷走神経41、42は、脳幹に由来し、頸部を通過し、気管20の両側で胸部を
通って降下する。迷走神経41、42は、気管20、左主気管支21、および右主気管支
22を包み込む前後の肺神経叢を含む、神経幹45の中へ広がる。神経幹45はまた、気
管支樹27の分岐気道に沿って、およびその外側に延在する。神経幹45は、頑丈な結合
組織鞘によって結合される神経線維束を備える、神経の主幹である。
【0040】
肺10の主な機能は、空気から血液の中へ酸素を交換すること、および血液から空気へ
二酸化炭素を交換することである。ガス交換の過程は、豊富な空気が肺10の中へ引き込
まれるときに始まる。横隔膜および肋間胸壁筋肉の収縮は、胸部内の圧力を減少させて、
酸素が豊富な空気を肺10の気道を通して流れさせるように協働する。例えば、空気は、
口および鼻、気管20、次いで、気管支樹27を通過する。空気は、最終的に、ガス交換
過程のために肺胞空気嚢に送達される。
【0041】
酸素の乏しい血液は、肺動脈30を通して心臓の右側から拍出され、最終的に肺胞毛細
血管に送達される。この酸素の乏しい血液は、二酸化炭素廃棄物が豊富である。薄い半透
性膜が、肺胞中の酸素が豊富な空気から、毛細血管中の酸素が乏しい血液を分離する。こ
れらの毛細血管は、肺胞を包み込み、肺胞の間に延在する。空気からの酸素は、膜を通っ
て血液の中へ拡散し、血液からの二酸化炭素は、膜を通って肺胞中の空気へと拡散する。
次いで、新たな酸素富化血液が、肺胞毛細血管から肺静脈系の分岐血管を通って心臓へと
流れる。心臓は、身体の全体を通して酸素が豊富な血液を拍出する。肺の中の酸素が使い
尽くされた空気は、横隔膜および肋間筋が弛緩し、肺および胸壁が弾性的に通常の弛緩状
態に戻るときに吐き出される。このようにして、空気は、分岐細気管支、気管支21、2
2、および気管20を通って流れることができ、最終的に口および鼻を通して排出される
【0042】
図2は、呼気または吸気、あるいは両方の間に空気流を調整するように治療を行うこと
が可能な治療システム200を示す。ガス交換を増加させるように空気流抵抗を減少させ
るために、治療システム200は、気道を拡大(例えば、拡張)するために使用すること
ができる。いくつかの手技では、気道を拡張させるように、肺の内側または外側の神経幹
の神経組織等の神経組織に影響を及ぼすことができる。神経系は、電気および化学信号を
使用して、脳と肺10との間の通信を提供する。自律神経系の神経組織網は、呼吸器系お
よび血管系の活動を感知し、調節する。神経組織は、1つの身体部分から別の身体部分へ
感覚および運動情報を伝送するために化学および電気信号を使用する、線維を含む。例え
ば、神経組織は、筋肉の収縮または他の応答を引き起こす信号等の神経系入力の形態で、
運動情報を伝送することができる。線維は、ニューロンで構成することができる。神経組
織は、結合組織、すなわち、神経上膜によって包囲することができる。自律神経系は、交
感神経系および副交感神経系を含む。交感神経系は、大部分はストレスの期間中の「興奮
性」機能に関与する。副交感神経系は、大部分はエネルギー保存の期間中の「植物性」機
能に関与する。交感および副交感神経系は、同時に活性であり、概して、器官系に互恵的
効果を及ぼす。血管の神経支配が、両方の神経系から発生する一方で、気道の神経支配は
、大部分は本質的に副交感であり、右迷走神経42および左迷走神経41において肺と脳
との間に伝わる。
【0043】
これらの神経幹関連付けられる肺の部分に影響を及ぼすように、任意の数の手順を、こ
れらの神経幹45のうちの1つ以上に行うことができる。神経幹45網の中の神経組織の
うちのいくつかが、他の神経(例えば、食道に接続された神経、胸部を通り、腹部の中へ
入る神経、および同等物)と連合するため、治療システム200は、これらの他の神経の
不要な損傷を最小化する、制限する、または実質的に排除するように特定の部位を治療す
ることができる。前後の肺神経叢のいくつかの線維は、肺10の中へ外向きに伝わるにつ
れて、気管20の外面ならびに気管支分岐および細気管支に沿って延在する、小神経幹に
連合する。気管支分岐に沿って、これらの小神経幹は、図4および5に関連して論議され
るように、相互と継続的に分岐し、線維を気道の壁の中へ送る。本発明のデバイスおよび
方法のうちの少なくともいくつかを用いて行われてもよい、種々の手技が、その全体で参
照することにより本明細書に組み込まれる、2009年5月8日出願の同時係属出願第1
2/463,304号で説明されている。
【0044】
治療システム200は、特定の関心の部位と関連付けられる、迷走神経組織等の特定の
神経組織に影響を及ぼすことができる。迷走神経組織は、神経枝内で相互と平行に配向さ
れる、遠心性線維および求心性線維を含む。遠心性神経組織は、脳から気道エフェクタ細
胞、大部分は気道平滑筋細胞および粘液産生細胞へ信号を伝送する。求心性神経組織は、
刺激物に応答し、脳まで及ぶ、気道感覚受容器から信号を伝送する。遠心性神経組織が、
気管20から終末細気管支までの平滑筋細胞に神経を分布する一方で、求心性線維神経支
配は、大部分は気管20および大気管支に限定される。基準レベルの平滑筋収縮および粘
液分泌を引き起こす、気道に対する遠心性迷走神経組織の一定の基準緊張性活動がある。
治療システム200は、気道平滑筋(例えば、平滑筋に神経を分布する)、粘液分泌、神
経媒介炎症、および組織流体内容物(例えば、浮腫)を制御するように、遠心性および/
または求心性組織に影響を及ぼすことができる。気道平滑筋の収縮、過剰な粘液分泌、炎
症、および肺疾患と関連付けられる気道壁浮腫はしばしば、低減したガス交換および減少
した肺性能を引き起こす、比較的高い空気流抵抗をもたらす。
【0045】
ある手技では、治療システム200は、筋肉収縮、粘液産生、炎症、浮腫、および同等
物を引き起こす、または仲介する、迷走神経41、42に沿って伝わる信号の伝送を減衰
させるために使用することができる。減衰は、無制限に、信号の伝送を妨害、制限、遮断
、および/または中断することを含むことができる。例えば、減衰は、神経信号の信号振
幅を減少させること、または神経信号の伝送を弱めることを含むことができる。遠位気道
への神経系入力を減少または停止することにより、気道平滑筋緊張、気道粘液産生、気道
炎症、および同等物を改変し、それにより、肺10の中および外への空気流を制御するこ
とができる。また、気道および肺から局所エフェクタ細胞または中枢神経系への感覚入力
を減少または停止することにより、反射性気管支収縮、反射性粘液産生、炎症性メディエ
ータの放出、および気道壁浮腫を引き起こす場合がある体内の肺または器官の中の他の細
胞への神経系入力を減少させることもできる。いくつかの実施形態では、神経系入力は、
それに対応して気道平滑筋緊張を減少させるように減少させることができる。いくつかの
実施形態では、気道粘液産生は、咳および/または空気流抵抗の大幅な減少を引き起こす
ように十分な量で減少させることができる。いくつかの実施形態では、気道炎症は、空気
流抵抗および気道壁への継続的炎症性損傷の大幅な減少を引き起こすように十分な量で減
少させることができる。信号減衰は、平滑筋が弛緩することを可能にし、粘液産生細胞に
よる粘液産生を防止、制限、または実質的に排除し、炎症を減少させてもよい。このよう
にして、肺機能を調整するように、健康および/または罹患気道を改変することができる
。治療後に、治療に対する患者の応答を評価するために、種々の種類の質問表および検査
を使用することができる。必要または所望であれば、咳の頻度を低減し、息切れを減少さ
せ、喘鳴を減少させ、および同等のことを行うように、付加的な手技を行うことができる
【0046】
図1および2の主気管支21、22(すなわち、気道生成1)は、気管支樹27の遠位
部分に影響を及ぼすように治療することができる。いくつかの実施形態では、左右の主気
管支21、22は、左右の肺根24に沿った場所、および左右の肺11、12の外側で治
療される。治療部位は、迷走神経枝が気管および主気管支21、22に接続する場所の遠
位にあり、かつ肺11、12の近位にあり得る。気管支樹27の大部分または全体を治療
するために、2つの治療用途を有する単一の治療セッションを使用することができる。高
レベルの治療有効性を提供するように、肺11、12の中へ延在する気管支枝の実質的に
全てが影響を受けてもよい。主気管支21、22の中の気管支動脈は、比較的大きい直径
および高いヒートシンク能力を有するため、気管支動脈は、治療による意図しない損傷か
ら保護されてもよい。
【0047】
図3は、送達装置206を通って延在するカテーテルシステム204の形態で送達デバ
イスを示す。カテーテルシステム204は、主気管支21、22の気道、ならびに主気管
支21、22の遠位にある気道を治療することができる。切除アセンブリ208は、右ま
たは左の主気管支、葉気管支、および中間幹気管支内にある、肺の外側に設置することが
できる。中間気管支は、右主気管支の一部分であり、かつ中および下葉気管支の始点であ
る。切除アセンブリ208は、気管支樹27の遠隔遠位部分に影響を及ぼすように、より
高い世代の気道(例えば、気道世代>2)の中に設置することができる。カテーテルシス
テム204は、例えば、葉の一部分、葉全体、複数の葉、または一方の肺あるいは両方の
肺の脱神経等の広範囲の異なる手技を行うように、蛇行性気道を通してナビゲートするこ
とができる。いくつかの実施形態では、葉気管支は、肺葉の神経を麻痺させるように治療
される。例えば、葉気管支に沿った1つ以上の治療部位が、その葉気管支に接続された葉
全体の神経を麻痺させるように標的化されてもよい。左葉気管支は、左上葉および/また
は左下葉に影響を及ぼすように治療することができる。右葉気管支は、右上葉、右中葉、
および/または右下葉に影響を及ぼすように治療することができる。葉は、同時または連
続的に治療することができる。いくつかの実施形態では、医師が1つの葉を治療すること
ができる。治療の有効性に基づいて、医師は、付加的な葉を同時または連続的に治療する
ことができる。このようにして、気管支樹の異なる隔離領域を治療することができる。
【0048】
各区域気管支は、各区域気管支に沿った単一の治療部位にエネルギーを送達することに
よって治療されてもよい。例えば、カテーテルシステム204は、右肺の各区域気管支に
エネルギーを送達することができる。いくつかの手技では、エネルギーの10回の印加が
、右肺の大部分または実質的に全体を治療することができる。いくつかの手技では、両方
の肺の大部分または実質的に全体は、エネルギーの36回未満の異なる印加を使用して治
療される。気管支樹の解剖学的構造に応じて、区域気管支はしばしば、エネルギーの1回
または2回の印加を使用して、神経を麻痺させることができる。
【0049】
粘液腺、繊毛、平滑筋、身体管(例えば、血管)、および同等物等の他の組織または解
剖学的特徴の機能は、神経組織が切除されるときに維持することができる。神経組織は、
神経細胞、神経線維、樹状突起、および神経膠等の支持組織を含む。神経細胞は、電気イ
ンパルスを伝送し、神経線維は、インパルスを伝導する長い軸索である。電気パルスは、
エフェクタ細胞または他の神経細胞と通信するように化学信号に変換される。一例として
、神経組織によって伝送される1つ以上の神経系信号を減衰させるように、気管支樹27
の気道の一部分の神経を麻痺させることができる。神経を麻痺させることは、実質的に全
ての信号が、神経幹の損傷部を通って気管支樹に沿ったより遠位の場所へと、または気管
支樹から中枢神経系へとより近位に伝わることを阻止するように、気道に沿った神経幹の
一部の神経組織の全てを損傷することを含む。加えて、気道中の感覚受容器(例えば、咳
および刺激物受容器)から付近のエフェクタ細胞(例えば、節後神経細胞、平滑筋細胞、
粘液細胞、炎症細胞、および血管細胞)まで直通する神経線維に沿って伝わる信号も、停
止させられる。複数の神経幹が気道に沿って延在する場合、各神経幹を損傷することがで
きる。そのようなものとして、気管支樹の一部に沿った神経供給を切断することができる
。信号が切断されると、遠位気道平滑筋が弛緩することができ、気道拡張につながり、粘
膜細胞が粘膜産生を減少させ、または炎症細胞が気道壁の腫脹および浮腫を生じることを
止める。これらの変化は、肺10の中のガス交換を増加させるよう、空気流抵抗を低減し
、それにより、息切れ、喘鳴、胸苦しさ、および同等物等の1つ以上の症状を低減、制限
、または実質的に排除する。標的神経組織を包囲する、またはそれに隣接する組織は、影
響を受けてもよいが、永久的に損傷されなくてもよい。いくつかの実施形態では、例えば
、治療された気道に沿った気管支血管は、気管支壁組織に同様の量の血液を送達すること
ができ、治療された気道に沿った肺血管は、治療前および後の気管支樹27の遠位領域に
おける肺胞嚢に同様の量の血管を送達することができる。これらの血管は、十分なガス交
換を維持するように、血液を輸送し続けることができる。いくつかの実施形態では、気道
平滑筋は、有意な程度まで損傷されない。例えば、呼吸機能に感知できるほど影響を及ぼ
さない気道壁内の平滑筋の比較的小さい一部が、可逆的に改変されてもよい。気道の外側
の神経組織を破壊するためにエネルギーが使用される場合、治療的有効量のエネルギーは
、非標的平滑筋組織のかなりの部分に到達しない。
【0050】
いくつかの実施形態では、左および右の主気管支21、22のうちの一方が、気管支樹
27の片側を治療するように治療される。他方の主気管支21、22は、第1の治療の有
効性に基づいて治療することができる。例えば、左主気管支21は、左肺11を治療する
ように治療することができる。右主気管支22は、右肺12を治療するように治療するこ
とができる。いくつかの実施形態では、単一の治療システムは、気管支21、22のうち
の一方の神経組織を損傷することができ、気管20から治療システムを除去することなく
、他方の主気管支21、22の神経組織を損傷することができる。したがって、気管20
から治療システムを除去することなく、気管支21、22に沿って設置された神経組織を
損傷することができる。いくつかの実施形態では、患者の気管支樹の実質的に全体、また
は少なくてもかなりの部分(例えば、気管支気道の少なくとも50%、70%、80%、
90%)を都合良く治療するように、単一の手技を行うことができる。他の手技では、肺
11、12のうちの一方を治療した後に、治療システムを患者から除去することができる
。必要であれば、他方の肺11、12を後続の手技で治療することができる。
【0051】
図4は、気管支として図示された健康な気道100の横断面図である。切除アセンブリ
208は、部分的拡張状態であり、気道100の内面102によって画定される管腔10
1に沿って設置される。図示した内面102は、支質112aによって包囲される上皮1
10のひだ状層によって画定される。平滑筋組織114の層は、支質112aを包囲する
。支質112bの層は、筋肉組織114と結合組織124との間にある。粘液腺116、
軟骨板118、血管120、および神経線維122は、支質層112b内にある。気管支
動脈分岐130および神経幹45は、気道100の壁103の外部にある。図示した動脈
130および神経幹45は、気道壁103を包囲する結合組織124内にあり、気道10
0と略平行に配向することができる。例えば、図1では、神経幹45は、迷走神経41、
42に由来し、空気嚢に向かって気道100に沿って延在する。神経線維122は、気道
壁103の中にあり、神経幹45から筋肉組織114まで延在する。神経系信号は、神経
線維122を介して、神経幹45から筋肉114および粘液腺116に伝送される。加え
て、信号は、感覚受容器(例えば、咳、刺激物、および伸張)から神経幹45を通して中
枢神経系へ伝送される。
【0052】
粘膜繊毛輸送を制御する(例えば、増加または減少させる)ために、上皮110に沿っ
て所望の応答を引き出すように、繊毛を損傷、冷気、または別様に改変することができる
。個人が呼吸するにつれて多くの粒子が吸引され、気道は、空気から粒子を除去するフィ
ルタとして機能する。粘膜繊毛輸送系は、肺10の全体を通した全ての気道のための自浄
機構として機能する。粘膜繊毛輸送は、肺10の遠位部分からの粘液クリアランスのため
の主要な方法であり、それにより、肺10にとって主要な免疫障壁としての機能を果たす
。例えば、図4の内面102を、繊毛で覆い、粘液で被覆することができる。粘液繊毛輸
送系の一部として、粘液は、多くの吸引した粒子(例えば、煙草の煙等の不要な汚染物質
)を捕捉し、これらの粒子を喉頭に向かって移動させる。繊毛の繊毛拍動は、呼吸系から
排出するために、肺10の遠位部分から喉頭を通り過ぎて咽頭へ、連続的な一面の粘液お
よび捕捉粒子を移動させる。切除アセンブリ208は、粘液繊毛輸送を減少させるように
繊毛を損傷するか、または粘膜繊毛輸送を増加させるように繊毛を興奮させることができ
る。
【0053】
切除アセンブリ208は、気道壁103の内側の標的領域(例えば、支質112a、1
12bの中の解剖学的特徴)を選択的治療することができる。例えば、必要または所望で
あれば、効果的な粘膜繊毛輸送を維持するほど十分な粘液産生を保ちながら、増加した空
気流抵抗を引き起こす粘液の蓄積を防止するのに十分な量で粘液産生を低減するように、
粘液腺116を損傷することができる。気道壁103または気道壁103の中の他の解剖
学的特徴を通過する神経枝/線維も破壊することができる。
【0054】
切除要素がRF電極214の中にある場合、電極214を内面102と接触または近接
させることができる。RF電極214は、組織を通って伝わり、熱に変換されるRFエネ
ルギーを出力することができる。熱は、病変の形成を引き起こす。RFエネルギーは、神
経幹45に向かって半径方向外向きに、および軟骨板118の間に方向付けることができ
る。隣接軟骨板118への感知できる損傷を引き起こすことなく、神経幹45を損傷する
ことができる。他の非標的領域(例えば、上皮)への損傷も、感知できるレベルに、また
はそれ以下に保つことができる。
【0055】
天然身体機能が、組織への損傷を防止、低減、または制限するのに役立つことができる
。血管130内の血液は、熱エネルギーを吸収することができ、次いで、分岐130の加
熱された部分から離して熱エネルギーを運ぶことができる。このようにして、血液は、血
管130への損傷を軽減または回避することができる。治療が行われた後、気管支動脈分
岐130は、肺組織の健康を維持し続けることができる。いくつかの実施形態では、血管
130に到達するエネルギーの量を、血管130の組織破壊を引き起こす量以下に保ちな
がら、神経幹45の縦断面全体を破壊するように、十分な量のRFエネルギーが神経幹4
5に送達される。したがって、気道100の他の領域、治療部位に隣接する領域でさえも
有意な程度まで損傷することなく、治療を行うことができる。
【0056】
治療有効性は、1つ以上の気道属性、肺機能検査、運動能力検査、および/または質問
表に少なくとも部分的に基づいて評価することができる。進展を追跡および監視するよう
に、患者を評価することができる。必要または所望であれば、所望の応答が達成されるま
で、付加的な手技を行うことができる。気道の属性を評価するための異なる種類の器具が
使用されてもよい。切除中に、器具からのフィードバックは、標的組織が切除されたかど
うかを示すことができる。いったん標的組織が切除されると、もしあれば、健康な非標的
組織への付随損傷を最小化または制限するように、治療を中止することができる。
【0057】
行われる手技を決定するように、気道の異なる属性を評価することができる。そのよう
な気道の属性は、無制限に、気道の物理的性質(例えば、気道の従順性、収縮性等)、気
道抵抗、気道管腔の寸法(気道の形状、気道の寸法等)、気道の応答性(例えば、刺激へ
の応答性)、筋肉特性(例えば、筋緊張、筋肉の張力等)、炎症細胞、炎症性サイトカイ
ン、または同等物を含む。いくつかの実施形態では、既知の圧力まで膨張させられる切除
アセンブリ208の圧力変化を測定することによって、気道筋肉特性の変化を監視するこ
とができる。圧力変化に基づいて、医師は、もしあれば、無制限に、標的領域が刺激され
たか切除されたかどうか、または同等物を含む、治療の効果を決定する。
【0058】
図5は、収縮状態の平滑筋組織114、肥大粘液腺116からの粘液150、ならびに
気道壁103を肥厚する炎症性腫脹および浮腫液を有する、気道100の一部分の横断面
図である。収縮した筋肉組織114、粘液150、肥厚した気道壁103は、管腔101
を部分的に閉塞するように協働し、比較的高い空気流抵抗をもたらす。神経組織45は、
筋肉組織114を弛緩して気道100を拡張し、空気流抵抗を低減するように損傷され、
それにより、ガス交換過程のために、より多くの空気が肺胞嚢に到達することを可能にす
る。気道抵抗の減少は、例えば、気道への神経系入力の減衰に応じて、これらの気道の通
路が開いていることを示してもよい。低世代気道(例えば、主気管支、葉気管支、区域気
管支)を治療することと関連付けられる気道抵抗の減少は、高世代気道(例えば、亜区域
気管支)を治療することと関連付けられる気道抵抗の減少の量より大きくてもよい。医師
は、患者の口、治療部位に近接する気管支枝、または任意の他の好適な場所で測定するこ
とができる、気道抵抗の所望の減少を達成するように、治療のために適切な気道を選択す
ることができる。気道抵抗は、治療を行う前、治療中、および/または治療後に測定する
ことができる。いくつかの実施形態では、気道抵抗は、例えば、治療部位のより遠位にあ
る領域からの呼吸を可能にする、通気式治療システムを使用することによって、気管支樹
内の場所で測定される。
【0059】
エネルギーは、標的領域を損傷するために使用することができる。本明細書で使用され
るように、「エネルギー」という用語は、無制限に、熱エネルギー、極低温エネルギー(
例えば、冷却エネルギー)、電気エネルギー、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギ
ー)、無線周波数エネルギー、パルス高電圧エネルギー、機械エネルギー、電離放射、光
学エネルギー(例えば、光エネルギー)、およびそれらの組み合わせ、ならびに組織を治
療するために好適な他の種類のエネルギーを含むように広く解釈される。いくつかの実施
形態では、カテーテルシステム204は、エネルギーおよび1つ以上の物質(例えば、放
射性シード、放射性物質等)、治療薬、および同等物を送達する。例示的な非限定的治療
薬は、無制限に、1つ以上の抗生物質、抗炎症薬、薬学的活性物質、気管支収縮剤、気管
支拡張剤(例えば、ベータアドレナリン作動薬、抗コリン作用薬等)、神経遮断薬、光反
応性薬、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、信号伝送を一時的または永久的に減
衰させるように、長時間作用型または短時間作用型神経遮断薬(例えば、抗コリン作用薬
)を神経組織に送達することができる。物質はまた、神経組織を化学的に損傷するように
、神経122または神経幹45、あるいは両方に直接送達することもできる。
【0060】
図6および7は、RFエネルギーによる表面および深部加熱、および切除アセンブリ2
08の中で冷却剤を循環させることによる表面冷却によって生成される効果を示す。切除
アセンブリ208の冷却部209は、エネルギーが出力されるときに、エネルギーエミッ
タアセンブリ220の組織接触部分215に隣接する組織を冷却するように、冷却剤を含
有する。冷却部209は、エネルギーエミッタアセンブリ220と神経組織または他の標
的組織との間の組織への損傷を制限または防止するように、気道壁100から十分な量の
熱エネルギーを吸収することができる。
【0061】
図7は、組織を切除するように、それを通してRFエネルギーが送達される、気道壁の
一部における断面温度プロファイルを示す。それらの派生語を含む、「切除する」または
「切除」という用語は、無制限に、組織の電気的性質、機械的性質、化学的性質、または
他の性質の大幅な改変を含む。本明細書で使用されるように、その派生語を含む、「切除
する」という用語は、無制限に、組織を破壊すること、または組織を永久的に損傷、負傷
、または外傷させることを指す。例えば、切除は、局部的組織破壊、細胞溶解、細胞サイ
ズ縮小、壊死、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。肺切除用途との関連で、「切
除」という用語は、切除した神経組織を通した電気信号の伝送を実質的に遮断するように
、神経組織性質を十分に改変することを含む。
【0062】
図6は、摂氏温度単位の組織の温度に対応する縦軸とともに、ミリメートル単位の電極
214との接触または近接点から気道壁の組織の中への深さに対応する横軸を有するグラ
フである。図中の温度は、特に指示がない限り、摂氏温度単位である。グラフ上の点「0
」は、電極214と気道壁の組織との間の接触点または域に対応する。3つの曲線A、B
、およびCがグラフに示され、組織の中へ送達されている無線周波数エネルギーの3つの
異なる電力レベルに対応する。グラフ上の温度は、最大約100℃である。RF切除中の
組織温度の上限であると見なされるため、約100℃、またはそれをわずかに下回る温度
が示されている。約90℃で、組織流体が沸騰し始め、組織が凝固および炭化し、それに
より、そのインピーダンスを多大に増加させ、気道壁の中へRFエネルギーを伝達する能
力を低下させる。したがって、組織温度を約90℃以下にとどまらせることが望ましくて
もよい。約50℃で、線216は、それ以上で組織細胞死が発生し、それ以下で組織が大
幅な長期的影響を受けない(またはいずれの長期的影響も受けない)温度を表す。
【0063】
図6に示された曲線Aは、比較的低い電力レベル、例えば、約10ワットのRFエネル
ギーでの電極214の冷却を伴って、および伴わずに発生するものを表す。曲線Aは、3
つの線分A1、A2、およびA3に分割される。破線分A2は、冷却が適用されないとき
の指数曲線A3の継続を表す。曲線Aから分かるように、冷却を伴わない電極・組織界面
の温度は、80℃に達し、気道100の組織の中への距離が増加するにつれて指数関数的
に減少する。示されるように、曲線A3は、約5ミリメートルの深さで線216によって
表される50℃組織細胞死境界を横断する。したがって、電極冷却がないと、発生する細
胞死の深さは、距離d1によって表されるように約5ミリメートルとなる。さらなる細胞
死は、この電力レベルで停止する。
【0064】
能動冷却が採用される場合、温度は、0ミリメートルの距離で電極・組織界面において
曲線A1によって表されるように、はるかに低いレベル、例えば、約35℃まで降下する
。この温度が50℃下回るため、曲線A2が、50℃、例えば、表面から3ミリメートル
の深さで細胞死線を横断する点におけるd2の距離まで、細胞死は発生し始めない。細胞
死は、距離d3によって表されるように、3ミリメートルから5ミリメートルの深さで発
生する。そのような冷却切除手技は、上皮および上皮のすぐ下に位置する組織を破壊する
ことなく、電極・組織界面からのある距離で、細胞死および組織破壊が発生することを可
能にするため有利である。いくつかの実施形態では、上皮または支質および平滑筋細胞等
の基礎構造を損傷することなく、気道の外側に沿って伸びる神経組織を切除することがで
きる。
【0065】
曲線Bは、より高いレベル、例えば、20ワットのRFエネルギーでの電極の冷却を伴
って、および伴わずに発生するものを表す。曲線Bの線分B2は、冷却を伴わない線分B
3の指数曲線の継続を表す。分かるように、電極・組織界面における温度は、組織流体の
沸騰および電極・組織界面における組織の凝固および炭化が発生する温度であり、したが
って、組織インピーダンスを有意に増加させ、気道壁の中へ付加的なRFエネルギーを送
達する能力を低下させるため、望ましくない場合がある、100℃に近づく。能動冷却を
提供することによって、曲線B1は、電極・組織界面における温度が約40℃まで降下し
、細胞死が、d4によって表されるような2ミリメートルの深さから、曲線B3が50℃
組織細胞死境界を横断する約8ミリメートルの深さで発生することを示す。したがって、
望ましくない高温(例えば、電極・組織界面における組織の凝固および炭化をもたらす温
度)に達することなく、より高い電力レベルを使用して、細胞死のはるかに深く大きい領
域を提供することが可能であることが分かる。表面が破壊される必要がなく、したがって
、患者による治療からの早期回復を促進するように、気道の上皮表面より下側で細胞死を
達成するために、システムを使用することができる。
【0066】
曲線Cは、依然として高い電力レベル、例えば、40ワットのRFエネルギーを表す。
曲線Cは、線分C1、C2、およびC3を含む。破線分C2は、指数曲線C3の継続であ
る。線分C2は、電極・組織界面における温度が100℃をはるかに超え、能動冷却がな
いと不適当になることを示す。能動冷却を用いると、電極・組織界面における温度は、8
0℃に近づき、徐々に増加して95℃に近づき、次いで、指数関数的に降下して、距離d
6によって表される気道の上皮表面における電極・組織界面から約15ミリメートルの距
離で50℃細胞死線216を横断する。開始温度が50℃細胞死線216を上回るため、
組織細胞死は、組織破壊の大きく深い領域を提供するように、上皮表面から約15ミリメ
ートルの深さまで発生する。
【0067】
図7では、矢印218は、エネルギーエミッタアセンブリ220を通る冷却剤の移動を
表す。矢印222は、膨張性および熱伝導性バルーン212として図示される、配備可能
要素を通る冷却剤の移動を表す。等温線は、電力が電極214に印加され、冷却剤(例え
ば、室温の生理食塩水または冷やした生理食塩水)がバルーン212に送達されるときに
、電極214において、および電極・組織界面から気道壁100の中への異なる深さで達
する温度を示す。「拡張型要素」という文脈での「要素」という用語は、離散要素または
複数の離散要素を含む。一例として、拡張型要素は、単一のバルーンまたは相互と流体的
に連絡している複数のバルーンとなり得る。
【0068】
電極214への電力送達速度、冷却剤(例えば、食塩水)がバルーン212の中へ通さ
れる速度、生理食塩水の温度、およびバルーン212のサイズを調整することによって、
個々の等温線の正確な輪郭および温度を修正することができる。例えば、食塩水の適正な
温度および流速ならびに電極への電力送達速度を選択することによって、等温線A=60
℃、B=55℃、C=50℃、D=45℃、E=40℃、およびF=37℃である、温度
を達成することが可能である。さらなる調整は、等温線A=50℃、B=47.5℃、C
=45℃、D=42.5℃、E=40℃、およびF=37℃である、温度を達成すること
を可能にする。50℃の等温線内に含有される領域のみが、細胞死を誘発するほど十分に
加熱される。いくつかの手技では、気道壁の中の約2mmから約8mmの深さにおける組
織を切除できる一方で、気道壁の中の2mm未満の深さにおける他の非標的組織は、細胞
死を引き起こす温度以下の温度に保たれる。冷却剤218は、バルーン212が気道10
0に対してエネルギーエミッタアセンブリ220を保持している間に、エネルギーエミッ
タアセンブリ220の組織接触部分215を冷却するようにエネルギーを吸収する。
【0069】
図8を参照すると、カテーテルシステム204は、シャフト230の形態の細長い本体
を有するカテーテル207に連結される制御モジュール210と、シャフト230の遠位
端に連結される切除アセンブリ208とを含む。切除アセンブリ208は、細長いシャフ
ト230から延在し、バルーン212を包み込むエネルギーエミッタアセンブリ220を
備える。バルーン212は、折り畳み状態から図示した拡張状態に膨張させることができ
る。バルーン212が膨張するにつれて、電極214を気道壁に向かって移動させること
ができる。膨張したバルーン212は、それを通してエネルギーが送達される組織の付近
に(例えば、組織と近接または接触して)電極214を保持することに役立つことができ
る。冷却剤は、熱エネルギーを吸収して、バルーン212またはエネルギーエミッタアセ
ンブリ220、あるいは両方を冷却することができる。これは次に、気道壁の外面を冷却
する。
【0070】
制御モジュール210は、概して、コントローラ244と、流体送達システム246と
を含む。コントローラ244は、無制限に、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ
、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPG
A)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリデバイス、バス、電源
、および同等物を含む。例えば、コントローラ244は、1つ以上のメモリデバイスと通
信しているプロセッサを含むことができる。バスは、内部または外部電力供給をプロセッ
サに結び付けることができる。メモリは、例えば、1つ以上のバッファ、レジスタ、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)、および/または読み出し専用メモリ(ROM)を含む、
種々の形態を成してもよい。コントローラ244はまた、画面等のディスプレイ245、
および入力デバイス250を含んでもよい。入力デバイス250は、キーボード、タッチ
パッド、または同等物を含むことができ、カテーテル207を制御するためにユーザによ
って操作することができる。
【0071】
コントローラ244は、異なるプログラムを記憶することができる。ユーザは、組織お
よび所望の標的領域の特性に対処するプログラムを選択することができる。例えば、空気
で充填した肺は、比較的高いインピーダンスを有することができ、リンパ節は、中間のイ
ンピーダンスを有し、血管は、比較的低いインピーダンスを有する。コントローラ244
は、インピーダンスに基づいて適切なプログラムを決定することができる。バルーン21
2およびエネルギーエミッタアセンブリ220を通して温度差冷却剤を送達するように、
差動冷却プログラムを実行することができる。温度差は、少なくとも10℃となり得る。
性能は、温度、組織インピーダンス、または同等物を検出するセンサからのフィードバッ
クに基づいて最適化することができる。例えば、コントローラ244は、エネルギーが送
達される組織の表面温度に基づいて、切除アセンブリ208の動作を制御することができ
る。表面温度が過剰に熱くなった場合、表面組織を保護しながら深部病変を生成するため
に、冷却を増加することができ、および/または電極電力を減少させることができる。
【0072】
内部電力供給248(図8の鎖線で図示される)は、エネルギーを電極214に供給す
ることができ、無線周波数(RF)発電機等のエネルギー発生器となり得る。RFエネル
ギーは、所望の周波数で出力することができる。周波数例は、無制限に、約50KHZか
ら約1,000MHZの範囲内の周波数を含む。RFエネルギーが組織の中へ方向付けら
れると、エネルギーは、組織内で熱に変換され、組織の温度を約40℃から約99℃の範
囲内にさせる。RFエネルギーは、約1秒から約120秒間印加することができる。いく
つかの実施形態では、RF発生器248は、単一のチャネルを有し、約1~25ワットの
RFエネルギーを送達し、連続流能力を保有する。他の範囲の周波数、時間間隔、および
電力出力も使用することができる。代替として、内部電力供給248は、1つ以上のバッ
テリ等のエネルギー貯蔵デバイスとなり得る。電気エネルギーをRFエネルギーまたは別
の好適な形態のエネルギーに変換するエネルギーエミッタアセンブリ220に、電気エネ
ルギーを送達することができる。送達されてもよい他の形態のエネルギーは、マイクロ波
、超音波、直流、またはレーザエネルギーを含む。代替として、極低温切除が利用されて
もよく、極低温度での流体が、切除アセンブリ208上の極低温熱交換器を冷却するよう
にシャフト230を通して送達される。
【0073】
流体送達システム246は、供給ライン268に連結される流体源260と、帰還ライ
ン272に連結される流体容器262とを含む。流体源260は、筐体ユニット264の
中で保持されるコンテナ(例えば、ボトル、キャニスタ、タンク、または流体を保持する
ための他の種類の容器)を含むことができる。加圧可能な実施形態では、流体源260は
、冷却剤を加圧する、1つ以上の加圧デバイス(例えば、1つ以上のポンプ、圧縮機、ま
たは同等物)を含む。温度制御デバイス(例えば、ペルティエデバイス、熱交換器、また
は同等物)は、流体を冷却または再調節することができる。流体は、生理食塩水、脱イオ
ン水、極低温流体、ガス、または同等物を含む、冷却剤となり得る。他の実施形態では、
流体源260は、冷蔵冷却剤を保持し、供給ライン268に送達する、絶縁コンテナとな
り得る。冷却剤は、細長いシャフト230を通って切除アセンブリ208に遠位に流入す
る。切除アセンブリ208の中の冷却剤は、細長いシャフト230を通って帰還ライン2
72へと近位に流れる。冷却剤は、帰還ライン272に沿って進み、最終的に流体容器2
62に流入する。
【0074】
バルーン212は、随意で、コントローラ244に通信可能に連結されるセンサ247
(鎖線で図示される)を有する。コントローラ244は、センサ247(例えば、圧力セ
ンサ、温度センサ、熱電対、圧力センサ、接触センサ、または同等物)からの信号に基づ
いてカテーテル207に命令することができる。センサはまた、細長いシャフト230に
沿って、または任意の他の場所で、エネルギーエミッタアセンブリ220の上に設置する
ことができる。コントローラ244は、閉ループシステムまたは開ループシステムとなり
得る。例えば、閉ループシステムでは、1つ以上の組織特性、エネルギー分布、組織温度
、または任意の他の測定可能な関心のパラメータを示す1つ以上の信号を伝送(または送
信)するように構成される、1つ以上のセンサからのフィードバック信号に基づいて、電
気エネルギーが電極214に送達される。これらの測定値に基づいて、コントローラ24
4は、電極214の動作を調整する。代替として、開ループシステムでは、電極214の
動作は、ユーザ入力によって設定される。例えば、ユーザは、組織温度またはインピーダ
ンス測定値を観察し、電極214に送達される電力レベルを手動で調整することができる
。代替として、電力を固定電力モードに設定することができる。さらに他の実施形態では
、ユーザは、閉ループシステムと開ループシステムとを繰り返し切り替えることができる
【0075】
電極214を効果的に冷却するために、電極214に連結される導管234は、そこか
ら冷却剤を受容するようにシャフト230内の冷却剤送達管腔に流体連結される。代替と
して、バルーン212内の分流器が、バルーン212の中の冷却剤のいくらかまたは全て
を電極214またはバルーン側壁に向かって方向付けることができ、電極214用の別個
の冷却チャネルを提供してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却チャネルが
、電極214を通って延在する(例えば、電極214は、冷却剤がそれを通って流れるこ
とができるように管状であってもよい)。他の実施形態では、冷却剤は、電極214の周
囲または隣接で流れる。例えば、図8で導管234として図示される外部部材は、流体が
電極214と導管234との間で流れることができるように、電極214を包囲すること
ができる。加えて、または代替として、1つ以上の熱デバイス(例えば、ペルティエデバ
イス)、冷却/加熱チャネル、または同等物を使用して、切除アセンブリ208を能動的
に冷却または加熱することができる。
【0076】
図8および9を参照すると、細長いシャフト230は、制御モジュール210から切除
アセンブリ208まで延在し、電力ライン管腔320、送達管腔324、および帰還管腔
326を含む。電力ライン280は、電力ライン管腔320を通って延在し、コントロー
ラ244を電極214に連結する。送達管腔324は、流体源260とエネルギーエミッ
タアセンブリ220およびバルーン212との間に流体的に連絡を提供する。帰還管腔3
26は、バルーン212および/または電極214と流体容器262との間に流体的に連
絡を提供する。細長いシャフト230は、1つ以上の金属、合金(例えば、ステンレス鋼
等の合金鋼)、プラスチック、ポリマー、およびそれらの組み合わせ、ならびに他の生体
適合性材料で作ることができ、高度に分岐した気道を便宜的に通過するように可撓性とな
り得る。センサは、それを通って流れる流体の温度を検出するように、細長いシャフト2
30に組み込むことができる。
【0077】
切除アセンブリ208が拡張構成である図10-12を参照すると、導管234は、電
極214および電力ライン280を包囲し、外部環境および接続不具合を引き起こし得る
外力から保護する。電気接続はまた、体液にも暴露されない。電力ライン380は、必要
または所望であれば、他の流体経路に沿って送ることができる。代替として、電極214
は、電極214を通して冷却剤を送達するために、その端部のそれぞれに連結されている
導管234を有する金属管状部材であってもよい。この場合、電極214は、エネルギー
送達中に気道壁に接触するために使用される、露出外面を有する。
【0078】
導管234は、近位部286、遠位部288、および非線形部300を含む。近位部2
86は、入口として機能し、細長いシャフト230から遠位に延在する。非線形部300
は、バルーン212の周りに円周方向に延在し、約180度から450度の範囲内の弧長
さを有する。図11に示されるように、切除アセンブリ208の拡張構成では、非線形部
300の少なくとも一部分を、膨張したバルーン212(およびカテーテルシャフト23
0)の長手軸310とほぼ垂直である想像上の平面301に沿って設置することができる
。遠位部288は、近位部286と整合され、出口として機能し、非外傷性先端240ま
で遠位に延在する。
【0079】
収縮させられるとき(すなわち、冷却剤で加圧されないとき)、導管234は、細長い
シャフト230の周囲に一致するように高度に可撓性となり得て、全体的または部分的に
、加圧または活性化されると事前設定された形状を成す材料で作ることができる。そのよ
うな材料は、無制限に、熱成形ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、またはポリウレタン)、形状記憶材料、またはそれらの組み合わせを含む。導管
234が膨張させられると、長手軸310に対して所望の横断配向で電極214を設置す
るように構成される、事前設定された形状を成す。
【0080】
バルーン212は、全体的または部分的に、ポリマー、プラスチック、シリコン、ゴム
、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、化学的不活性材料、無毒材料、電気絶縁材料、それら
の組み合わせ、または同等物で作ることができる。熱伝達を強化するために、バルーン側
壁は、高い熱伝導性を有する1つ以上の伝導性材料を含むことができる。例えば、伝導性
片(例えば、金属片)が、バルーン212に沿って延在し、もしあれば、高温点から熱エ
ネルギーを奪うことに役立つことができる。バルーン212は、気道表面上の不整形(例
えば、軟骨輪、側枝等)に一致することができ、全体的または部分的に、ポリウレタン(
例えば、低デュロメータポリウレタン)、または透明、半透明、あるいは不透明であって
もよい他の種類の高度に一致する材料で作ることができる。バルーン212は、ホットド
ッグ形状、卵形、円筒形、または同等物を含む、異なる膨張形状を有することができる。
【0081】
図13は、導管234のチャネル330の中に設置された電極214を示し、冷却剤チ
ャネル340を含む。電極本体350は、全体的または部分的に、金属(例えば、チタン
304、ステンレス鋼、または同等物)でできた剛性管となり得る。いくつかの実施形態
では、導管234は、電極214全体を覆って延在せず、気道壁と直接接触するために管
状電極の中心部分を露出したままにする。他の実施形態では、電極本体350は、全体的
または部分的に、形状記憶材料でできている。形状記憶材料は、例えば、形状記憶金属ま
たは合金(例えば、Nitinol)、形状記憶ポリマー、強磁性材料、それらの組み合
わせ、および同等物を含む。これらの材料は、拘束状態から解放されると所定の形状を、
または熱で活性化されると異なる構成を成すことができる。いくつかの実施形態では、形
状記憶材料は、活性化される(例えば、熱的に活性化される)と第1の事前設定構成から
第2の事前設定構成に転換することができる。
【0082】
図14および15に示されるように、センサ360a、360b(集合的に「360」
)は、電極本体350に連結される。一対のライン370a、370b(集合的に「37
0」)は、チャネル340を通過し、それぞれ、センサ360a、360bに連結される
。いくつかの実施形態では、センサ360aは、接触センサであり、センサ360bは、
温度センサおよび/または圧力センサである。センサの数、位置、および種類は、行われ
る治療に基づいて選択することができる。
【0083】
多層実施形態では、電極本体350は、1つ以上の被膜または被覆を有する少なくとも
1つの管(例えば、非金属管、プラスチック管等)を含むことができる。被膜または被覆
は、金属、伝導性ポリマー、または沈着過程(例えば、金属沈着過程)、被覆過程等によ
って形成される他の好適な材料で作ることができ、全体的または部分的に、銀インク、銀
エポキシ、それらの組み合わせ、または同等物を含むことができる。
【0084】
本体350を設置するために、放射線不透過性マーカまたは他の種類の可視化特徴を使
用することができる。電極214自体の可視性を増加させるために、電極214は、全体
的または部分的に、放射線不透過性材料でできていてもよい。
【0085】
図16-18は、治療システム200を使用する1つの例示的方法を示す。医師は、治
療を行う前、間、および/または後に、治療部位および非標的組織を見つけて評価するよ
うに、送達装置206を使用して気道100を目視検査することができる。送達装置20
6は、ガイド管、送達鞘、気管支鏡、または内視鏡となり得て、光学視認デバイス(例え
ば、カメラ)、光学列(例えば、一式のレンズ)、および同等物等の1つ以上の視認デバ
イスを含むことができる。例えば、送達装置206は、照明用の1つ以上のライトおよび
画像を伝送するための光ファイバを有する、気管支鏡となり得る。カテーテル207は、
バルーン212とエネルギーエミッタアセンブリ220との間を通過するガイドワイヤ(
図示せず)上で送達されるように適合されてもよい。これは、迅速交換能力を提供する。
【0086】
図16の送達装置206が身体管腔101(例えば、気道)に沿って移動させられると
、折り畳まれた切除アセンブリ208が送達装置206の作業チャネル386内で保持さ
れる。導管234は、カテーテル207が実質的に真っ直ぐな構成であるときに電極21
4が長軸373とほぼ平行であるように、ループ221を形成することができる。図16
の図示した実施形態では、角度βが、カテーテル207の長軸373の方向と電極214
の長軸374との間に画定される。角度βは、約0度から約30度の範囲内となり得る。
いくつかの実施形態では、角度βは、約0度から約20度の範囲内である。曲線状である
電極214はまた、細長いシャフト230と入れ子になり、部分的に取り囲むこともでき
る。ある実施形態では、細長いシャフト230の少なくとも一部分は、さらなる縮小外形
のために電極214の弧内に配置される。そのようなものとして、シャフト230は、電
極214の端部の間に設置することができる。電極214は、各電極位置で作成される病
変の所望の長さに応じて、種々の長さを有してもよい。好ましい実施形態では、電極21
4は、少なくとも約2mmから最大約3mmの長さを有する。電極は、軟骨輪の間の空間
の幅よりも大きくない幅(または円筒形である場合は直径)を有することができ、好まし
くは、いくつかの実施形態では、0.1~約3mmである。
【0087】
図16を引き続き参照すると、作業チャネル386の直径Dは、約8mm未満となり
得る。収縮したバルーン212の直径Dは、比較的小さくなり得る。例えば、最小直径
Bminは、約2mmから約3mmの範囲内となり得て、最大直径DBmaxは、バル
ーン212が完全に折り畳まれると、約5mmから約6mmの範囲内となり得る。電極2
14が折り畳み式である場合、切除アセンブリ208の直径Dmaxは、約3mm未満と
なり得る。超薄型構成では、最大直径Dmaxは、約2.8mm未満となり得る。
【0088】
バルーン212は、気道100の付近に(例えば、気道と近接または接触して)エネル
ギーエミッタアセンブリ220を移動させるように膨張させることができる。角度βは、
バルーン212が完全に膨張させられると、70度から約110度の間に増加させること
ができる。図17は、配備された切除アセンブリ208を示し、電極214は、長軸37
3とほぼ垂直になり得る。解剖学的構造の変動、不整合(例えば、カテーテルシャフト2
30の不整合)、または同等物に適応するために、角度βが約60度から約120度の範
囲内であるように、エネルギーエミッタアセンブリ220とバルーン212との間に遊び
があり得る。いくつかの実施形態では、電極214は、送達配向から配備配向に移動する
につれて、円周方向に延在する配向に向かって移動する。配備配向の電極214は、気道
100の壁に沿って実質的に円周方向に延在する。ある実施形態では、電極214は、切
除アセンブリ208が完全配備構成であるときに、気道壁に沿った軟骨輪376の間の空
間374内に完全に設置されるように構成される。
【0089】
図17および18は、細長いシャフト230およびバルーン212の両方に流体的に連
結されたエネルギーエミッタアセンブリ220を示す。概して、冷却剤は、エネルギーエ
ミッタアセンブリ220の組織接触部分215を冷却する。切除アセンブリ208の冷却
部209は、エネルギーが電極214によって出力されている間に組織接触部分215に
隣接する組織を冷却するよう、気道壁100に接触する。冷却部209は、気道壁100
に接触するエネルギー放出アセンブリ220およびバルーン212の部分によって形成す
ることができる。
【0090】
バルーン212が膨張するにつれて、電極214は、電極214が気道100に沿って
軸方向に延在する図16の第1の配向から、電極214が隣接する軟骨輪376a、37
6bの間の空間374の中に配置される図17の第2の配向に移動する(例えば、旋回す
る、回転する、変位する等)。バルーン212は、気道100を冷却するとともに、電極
114を空間374の中に着座させることができる。
【0091】
図17は、空間374の中で電極214の場所を特定するように設置されたエネルギー
エミッタアセンブリ220を示す。ある実施形態では、第1の配向の電極214が長手軸
373(図16参照)に対して延在する距離は、第2の配向の電極214が長手軸373
に対して延在する距離よりも大きくなり得る。
【0092】
エネルギー放出アセンブリ208を配備するために、細長いシャフト230からの冷却
剤が、エネルギーエミッタアセンブリ220を通ってバルーン212に流入する。電極2
14は、標的領域を切除するように十分な量のエネルギーを出力することができる。冷却
剤は、電極214および気道壁100から熱エネルギーを吸収する。
【0093】
電極214および導管234の直径Dは、冷却剤で加圧されると、約1.5mmから
約2.5mmの範囲内となり得る。そのような実施形態は、主気管支に沿った肺の外側の
組織を治療することによく適している。ある実施形態では、直径Dは、約2mmである
。さらに他の実施形態では、直径Dは、約0.1mmから約3mmの範囲内となり得る
。収縮した導管234および電極214の直径Dは、約0.1mmから約1mmとなり
得る。
【0094】
ヒトの気管支樹を治療するために、膨張したバルーン212の直径は、約12mmから
約18mmの範囲内となり得る。増進した治療融通性のために、膨張したバルーン直径は
、約7mmから約25mmの範囲内であってもよい。当然ながら、バルーン212は、他
の動物の他の器官または組織を治療するように他のサイズとなり得る。
【0095】
切除アセンブリ208は、エネルギーエミッタアセンブリ220の中の冷却剤がバルー
ン212の中の冷却剤よりも低い温度および高い速度であるため、差動冷却を提供する。
矢印によって表される冷却剤は、細長いシャフト230から流出してエネルギーエミッタ
アセンブリ220に流入する。冷却剤は、エネルギーエミッタアセンブリ220および電
極214の冷却剤チャネル340(図15)を通過する。冷却剤は、電極214から熱エ
ネルギーを吸収する。加熱した冷却剤は、先端240に流入し、図18に示されるように
、管腔400を通って近位に進む。冷却剤は、弁420(例えば、スロットル)を通って
流れ、ポート424を通過する。弁420は、エネルギー放出アセンブリ220、および
冷却部209を画定するバルーン212の部分を接続する、流体経路に沿って配置される
。冷却剤は、チャンバ426の中で循環し、組織から熱を吸収する。これは、細胞死また
は組織損傷を引き起こす温度以下で浅部組織を保つことに役立つ。
【0096】
冷却剤は、ポート430、管腔432、およびスロットル434を通って流れる。スロ
ットル420、434は、所望の圧力を維持するように協働することができる。スロット
ル420は、エネルギー放出アセンブリ220を通る冷却剤の第1の流速、および冷却部
209を通る冷却剤の第2の流速を維持するように構成される。第1の流速は、第2の流
速とは有意に異なり得る。
【0097】
導管234は、加圧されると事前設定された形状を成すことができる。弁420、43
4は、約5psigから約15psigの範囲内でバルーン212内の所望の圧力を維持
するように協働することができる。そのような圧力は、軟骨輪の間に電極214を押し込
むことに役立つようによく適している。行われる治療に基づいて、他の圧力を選択するこ
とができる。弁420、434は、スロットル弁、バタフライ弁、逆止め弁、ダックビル
弁、一方向弁、または他の好適な弁となり得る。
【0098】
RFエネルギーが電極214に伝送されると、電極214は、組織を通って伝わるRF
エネルギーを出力する。RFエネルギーは、冷却剤が組織(例えば、表面組織)を冷却し
ている間に組織(例えば、表面および深部組織)を加熱することができる。RFエネルギ
ーによるこの表面および深部加熱ならびに循環冷却剤による表面冷却の正味の効果は、図
6および7に関連して論議されるように、気道壁100の外層内の熱の集中である。結合
組織の温度は、上皮、支質、および/または平滑筋の温度よりも高くなり得る。一例とし
て、結合組織の温度は、非標的組織への損傷を防止または制限するように、気道の非表的
組織がより低い温度で保たれている間に、神経幹組織または他の深部組織への損傷を引き
起こすように十分高くなり得る。
【0099】
熱は、気道壁の内層(例えば、支質)のうちの1つ以上の中で、または気道壁の内膜(
例えば、上皮)の中で集中させることができる。さらに、気管支動脈分岐の血管のうちの
1つ以上が、病変内にあってもよい。電極214を使用して生成される熱は、たとえ神経
組織が動脈分岐の隣にあったとしても、神経幹組織が損傷されている間に、気管支動脈分
岐を通って流れる血液が熱傷からこれらの分岐を保護するように、制御することができる
。カテーテル207は、比較的小さい領域の細胞死を生成することができる。例えば、気
道壁100の中央にある、または気道壁100の外面に沿った組織の2mmから3mmの
切片を破壊することができる。電力の適切な印加および適切な冷却によって、病変を任意
の所望の深さで作成することができる。
【0100】
切除アセンブリ208をゆっくり回転させながら組織を切除することによって、または
、そのそれぞれでエネルギーが所望の期間にわたって送達される、一連の回転位置に切除
アセンブリ208を設置することによって、気道壁100の円周の全体または大部分の周
囲で円周病変を形成することができる。いくつかの手技は、連続的となり、気道壁100
の周囲全体で円周帯を形成する、隣接病変を形成する。いくつかの実施形態では、ループ
全体221(図17)が電極となり得る。ループ221は、伝導性材料で被覆することが
でき、電極を携持することができる。単一の手技が、円周病変を生成することができる。
病変を形成した後、バルーン212に流入する冷却剤を停止することができる。バルーン
212が収縮され、エネルギーエミッタアセンブリ220を気道壁100から離して跳ね
返らせる。カテーテル207は、他の場所を治療するように再配置されるか、または完全
に被検体から除去されてもよい。
【0101】
バルーン212の中の冷却剤がエネルギーエミッタアセンブリ220の中の冷却剤より
も低い温度となることをユーザが望む場合、冷蔵冷却剤をバルーン212の中へ送達し、
次いで、エネルギーエミッタアセンブリ220の中へ送達することができる。図19およ
び20は、そのような冷却剤流を示す。細長い本体230を通って流れる低温冷却剤は、
弁434およびポート430を通過する。冷却剤は、チャンバ426の中で循環し、熱を
吸収する。加熱した冷却剤は、弁420を通って流れ、エネルギーエミッタアセンブリ2
20を通って進んで電極214を冷却する。
【0102】
気道軟骨輪または軟骨層は、典型的には、気道軟組織(例えば、平滑筋または結合そそ
行き)よりも有意に大きい電気抵抗を有する。気道軟骨は、エネルギー流(例えば、電気
無線周波数電流フロー)を妨げ、電極が軟骨の隣にあるときに、気道神経幹に影響を及ぼ
すための無線周波数電気エネルギーを用いた治療病変の形成を困難にする。
【0103】
ポジショナが、電極の位置決めを促進することができる。そのようなポジショナは、無
制限に、好ましくは電極214を所望の場所で着座させることに役立ち、それにより、治
療を行うこと、または正しい位置決めを検証することを容易にする、段差、隆起、突出、
リブ、または他の特徴を含む。図21および22は、軟骨間ポジショナとしての機能を果
たすことが可能なエネルギーエミッタアセンブリを示す。バルーン212が気道100を
圧迫すると、ループ221は、バルーン212に沿って移動し、軟骨輪452a、452
bの間に優先的に電極214を設置する。ループ221は、十分な距離でバルーン212
から外向きに突出し、切除アセンブリ208が自己着座を引き起こすように気道壁に十分
な圧力を印加することを確実にする。カテーテルは、空間453の中で柔軟組織453の
隣に電極214を設置することに役立つように前後に移動させることができる。エネルギ
ーエミッタアセンブリ220は、軟骨輪452a、452bの間の距離Dの少なくとも半
分である、距離D(例えば、長軸310に沿って測定される)で変位するように構成す
ることができる。これは、電極214を軟骨輪452a、452bの略中間に設置するこ
とができることを確実にする。
【0104】
複数の電極214は、単一の電極を有するカテーテルと比較して、治療時間および手技
の複雑性の両方を低減することができる。これは、所望の治療サイズのいくつかの病変を
生成するように、単一電極カテーテルと比較してより少ない回数で、多電極カテーテルが
気管支樹(または他の中空器官)内に設置される必要があってもよいためである。したが
って、多電極カテーテルは、ユーザの呼吸器系を精密および正確に治療することができる
【0105】
図23は、バルーン520の円周の周囲で相互から離間した2つの電極510a、51
0b(集合的に「510」)を含む、エネルギーエミッタアセンブリ500を示す。電極
510a、510bは、切除アセンブリ501の長軸511に対してもう一方から約45
度から210度にあり得る。他の電極位置も可能である。図24は、相互から約60度に
設置された3つの電極540a、540b、540c(集合的に「540」)を有するエ
ネルギーエミッタアセンブリ530を示す。これらの実施形態では、各電極が、それぞれ
の独立した制御を可能にするように別個の電力ラインに連結されてもよく、または全ての
電極が、一緒に操作されるよう同じ電力ラインに連結されてもよい。さらに、一対の電極
が双極性に操作されてもよく、一方の電極が正であり、他方の電極が負であり、RF電力
が組織を通して一方から他方へ伝送される。
【0106】
図25および26を参照すると、エネルギーエミッタアセンブリ552の遠位端560
は、先端562に連結される。エネルギーエミッタアセンブリ552の近位端570は、
細長い本体574に連結される。曲線部576として図示される中心部は、バルーン55
4に直接接続されない。これは、電極583の有意量の移動および軟骨または他の特徴の
間の間隙との好都合な整合を可能にする。
【0107】
バルーン554が部分的に膨張させられると(図25に示される)、中心部576の弓
形部580は、バルーン554の長手軸582と略垂直になり得る。バルーン554が完
全に膨張させられると(図26に示される)、バルーン554の有意な変形を伴わずに電
極583の移動を可能にするように十分な隙間があり得る。例えば、電極583は、約-
30度から約30度の範囲内の角度で移動させることができる。他の角度も可能である。
【0108】
図27および28は、全体的または部分的に、高度に柔軟な材料で作ることができる、
適合バルーン594を示す。高度に柔軟な材料は、無制限に、シリコン、ゴム、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、または大きな変形を受けることが可能な他の材料を含む。図29
は、気道壁597に接触し、比較的大量の表面接触を提供する、バルーン594の側壁5
95を示す。これは、神経組織の一部として図示される、より深い標的領域601が損傷
されている間に、気道壁表面の上または付近の組織の急速かつ効果的な冷却を提供する。
【0109】
図30-32は、内部電極620a、620bを有する一体エネルギーエミッタアセン
ブリ610を含む、切除アセンブリ600を示す。側壁630の略外向きに突出するU字
形部分650は、電極620a、620bを設置することに役立つことができる。細長い
本体670は、バルーン640から近位に延在し、送達管腔672、帰還管腔674、お
よび内部支持シャフト675を含む。ポート679は、冷却チャネル678とチャンバ6
80との間に流体的に連絡を提供する。冷却剤は、帰還ライン674を介してバルーン6
40から退出する。側壁630は、送達管腔672の一部を形成する。いくつかの実施形
態では、導管(例えば、流体ラインまたはホース)が、細長い本体670とエネルギーエ
ミッタアセンブリ610との間の流体的に連絡を提供する。
【0110】
図33および34は、膨張性バルーン720と、エネルギーエミッタアセンブリ730
図34の鎖線で示される)を含む、切除アセンブリ710を示す。別個のチャネルが、
別個の流体経路を提供して、バルーン720およびエネルギーエミッタアセンブリ730
の中の圧力を独立して調整する。バルーン720およびエネルギーエミッタアセンブリ7
30の両方は、異なるサイズの気管支管腔の中に嵌合するように、柔軟材料(例えば、ウ
レタンまたは他の柔軟な生体適合性材料)で作ることができる。有利に、異なるサイズの
管腔の中に嵌合するために最適に調整可能ではない、非柔軟材料でできているカテーテル
バルーンと比較して、より少ないカテーテルの最小在庫管理単位(SKU)を必要とする
ことができる。
【0111】
カテーテル704は、差動冷却のために構成される近位部732を有する。流入ライン
742の近位端741は、インライン弁743を有し、図35の流入管腔750と流体的
に連絡している。図37および38の供給導管816は、流入管腔750から膨張アセン
ブリ780aのチャンバ811へと冷却剤を送達する。
【0112】
図33の流入ライン745の近位端744は、インライン弁746を有し、図35の流
入管腔752と流体的に連絡している。インライン弁743、746は、流体供給に接続
することができる。流出ライン759の近位端758は、アウトライン弁761を有し、
図35の流出管腔756と流体的に連絡している。電力ライン760、762は、それぞ
れ、電極790a、790bを電源コネクタ781に別個に連結する。
【0113】
図36および37は、拡張状態の膨張性切除アセンブリ780a、780b(集合的に
「780」)を示す。アセンブリ780は、電極790a、790bを設置することに役
立つように独立して膨張させることができる。異なる冷却剤温度(例えば、冷やした、温
めた、室温等)での異なる冷却剤(例えば、生理食塩水、水、または同等物)が、切除ア
センブリ780を通って流れることができる。膨張圧は、気道壁に印加される圧力を増加
させ、切除アセンブリ780を着座させることに役立つように、増加させることができる
【0114】
切除アセンブリ780は、切除アセンブリ780のそれぞれが軟骨輪の間に設置される
ことを可能にするように、離間されてもよい。例えば、図36の距離Dは、約1mmから
約5mmの範囲内となり得る。医師は、気道を点検することによって距離Dを決定するこ
とができ、次いで、適切なサイズのカテーテルを選択することができる。軸方向に離間さ
れることに加えて、電極790a、790bは、エネルギーを気道壁の異なる面に送達す
るよう、円周方向にオフセットした位置に配置されてもよい。例えば、電極790aは、
電極790bに対して45度、90度、または180度オフセットされてもよい。さらに
、各切除アセンブリ780a、780bは、バルーン720の周囲で円周方向に離間した
複数の電極を有してもよい。
【0115】
異なる温度での流体を、切除アセンブリ780およびバルーン720に送達することが
できる。いくつかの実施形態では、冷却剤は、治療目標が最大深さで病変を生成すること
である場合に、エネルギー放出アセンブリ780の冷却チャネルを通して、次いで、バル
ーン720の中へ送達される。バルーン720およびエネルギー放出アセンブリ780は
また、共通源(またはシンク)経路に連結することもできる。これは、各経路の中で独特
の冷却剤流を可能にする。これはまた、完全に別個の冷却剤経路を使用することと比較し
て、拡張した切除アセンブリ710の全体的直径を縮小してもよい。電極790a、79
0bは、エネルギーが同時または別個に、および同じまたは異なる電力レベルで送達され
てもよいように、独立して制御されてもよい。
【0116】
図39および40は、バルーン810、およびバルーン810を覆って取り外し可能に
設置可能なエネルギーエミッタアセンブリ820を有する、配備カテーテル811を有す
る切除アセンブリ800を示す。エネルギーエミッタアセンブリ820は、遠位ループ8
23によって接続される一対の管状シャフト817、819を備える。遠位ループ823
は、シャフト817、819の長手軸と平行な軸の周囲で事前形成されてもよい。代替と
して、遠位ループ823は、シャフト817、819の中の冷却剤の導入によって加圧さ
れると、配備配向を成すように構成することができる。
【0117】
シャフト817、819のうちの一方が、ループ823を通して冷却剤を送達するよう
に適合される一方で、他方は、ループから冷却剤を受容し、それをデバイスの近位端に戻
す。図41では、シャフト817は、冷却剤をバルーン810に送達する。冷却剤は、シ
ャフト819を介してバルーン810から退出する。図40に図示されるように、配備カ
テーテル811の遠位先端834は、エネルギーエミッタアセンブリ820の受容開口部
830を通して挿入し、通過させることができる。いったん表面載置電極836として図
示される電極が、遠位先端834とバルーン810の近位端840との間に設置されると
、バルーン810は、エネルギーエミッタアセンブリ820をしっかりと保持するように
膨張させられる。
【0118】
エネルギーエミッタアセンブリ820は、送達のための真っ直ぐな折り畳み構成と図示
した配備構成との間で移動可能となり得る。例えば、上記で説明される事前形成した実施
形態では、エネルギーエミッタアセンブリ820上の遠位ループ823は、導入中に拘束
鞘の中で設置可能となるように、真っ直ぐにし、内向きに折り畳むことができる。鞘から
除去すると、遠位ループ823は、その不偏配向に戻り、シャフト817、819の長手
軸と略垂直な平面内に位置する。代替実施形態では、遠位ループ823は、加圧されてい
ないときに弛緩性で折り畳み式であってもよく、冷却剤がシャフト817、819を通し
て導入されると所望の配備形状を成す。遠位ループ823を製造するために、加圧された
ときに所望の形状を成すように、ポリマー管が熱処理されてもよい。
【0119】
配備カテーテル811からエネルギーエミッタ装置820を分断することによって、そ
れらは相互とは別個に導入されてもよく、装置が非常に小さい直径の通路を通して導入さ
れることを可能にする。これは、切除アセンブリが気管支鏡の作業チャネルを通して挿入
されることを可能にすることに特に有用である。第1に、エネルギーエミッタアセンブリ
820が折り畳まれ、(鞘を伴う、または伴わない)作業チャネルを通して導入されても
よく、次いで、配備カテーテル811が導入されてもよい。次いで、複合アセンブリが気
道内で組み立てられてもよい。
【0120】
図41および42に図示されるように、流体は、エネルギーエミッタアセンブリ820
およびバルーン810を通して独立して送達することができる。図41は、エネルギーエ
ミッタアセンブリ820を通って流れる冷却剤を表す矢印を示す。図42は、バルーン8
10を通って流れる冷却剤を表す矢印を示す。冷却剤は、送達管腔854およびポート8
56を通って流れることができる。冷却剤は、ポート860を介してチャンバ857から
退出し、帰還管腔864を通って流れる。別個の送達管腔867は、冷却剤をエネルギー
エミッタアセンブリ820に送達する。帰還管腔869は、エネルギーエミッタアセンブ
リ820から外へ冷却剤を送達する。いくつかの実施形態では、冷却剤は、バルーン81
0およびエネルギーエミッタアセンブリ820に独立して送達される。別個のラインをバ
ルーン810およびエネルギーエミッタアセンブリ820に接続することができる。
【0121】
1つ以上の弁が、バルーン810およびエネルギーエミッタアセンブリ820を通る異
なる流速を提供することができる。例えば、弁システム(例えば、1つ以上の弁、スロッ
トル等)は、エネルギー放出アセンブリ220を通る冷却剤の第1の流速、およびバルー
ン810を通る冷却剤の第2の流速を提供することができる。第1の流速は、第2の流速
とは有意に異なり得る。例えば、第1の流速は、第2の流速よりも有意に大きくなり得る
。さらに他の実施形態では、第1の流速は、第2の流速と略同一となり得る。
【0122】
図43-45を参照すると、カテーテル883は、気道の切除治療中に換気を提供する
ことができる。拡張型要素882は、遠位端884、近位端886、および端部884、
886の間に延在する換気通路890を有する。拡張型要素882は、その内壁と外壁の
間に円筒チャンバを画定する、二重壁円筒バルーンとなり得る。内壁と外壁との間の間隔
図45参照)は、十分な流体が要素882の中で循環し、気道壁と係合するようにエネ
ルギー放出アセンブリ896を拡張させること、および組織温度を効果的に制御すること
を可能にするように十分大きくなり得る。
【0123】
換気通路890は、図43の矢印892によって表される呼気流、および図44の矢印
894によって表される吸気流を可能にするように構成される。治療による空気流の変化
を決定するように、流速センサを通路890に沿って設置することができる。加えて、ま
たは代替として、空気流を制御するために、弁(例えば、一方向弁、双方向弁等)または
流量調節器を使用することができる。そのような要素は、通路890に設置することがで
きる。
【0124】
図39-42の実施形態のように、エネルギーエミッタアセンブリ896および拡張型
要素882は、独立して配備可能であってもよい。エネルギーエミッタアセンブリ896
は、送達構成(例えば、真っ直ぐな構成)から図示した治療構成(ループとして図示され
る)に膨張させることができる。拡張型要素882は、図示した管状構成に膨張させるこ
とができる。膨張した端部884、886は、気道を圧迫して、拡張型要素882に対し
て静止した状態で電極900をしっかりと保持することができる。冷却剤が、エネルギー
エミッタアセンブリ896を通って膨張性要素882の中へ循環することができる。強化
した差動冷却のために、異なる冷却剤が、エネルギーエミッタアセンブリ896および膨
張性要素882を通って流れることができる。
【0125】
図46は、コイル状エネルギーエミッタアセンブリ920を有する切除アセンブリ91
0を示す。冷却剤は、送達ライン944およびコイル状部946を通って流れる。冷却剤
は、コイル状部946の付近の組織から熱エネルギーを吸収する。冷却剤はまた、電極9
40も冷却する。冷却剤は、切除アセンブリ910の遠位端へと流れ、帰還ライン950
を介して近位に戻る。送達ライン944および帰還ライン950は、カテーテルシャフト
952を形成する。このようにして、別個のバルーンを利用することなく、気道壁および
電極940の両方が同時に冷却される。
【0126】
コイル状部946は、中空管状部材で形成することができ、7つのコイル巻きを有する
。コイル巻きの数は、コイル状部946の軸長を増加または減少させるように、増加また
は減少させることができる。各コイル巻きは、分離を防止するように隣接コイル巻きに接
続することができる。代替として、隣接コイル巻きは、切除アセンブリ910が気道を通
した送達のために伸びることを可能にするように、一緒に物理的に連結されなくてもよい
【0127】
切除アセンブリ910は、コイル状の構成を成すように膨張させることができ、全体的
または部分的に、PETまたは他の熱形成材料等の事前形成材料で作ることができる。代
替として、切除アセンブリ910は、熱的に活性化されると、または拘束構成から解放さ
れると異なる構成を成す、形状記憶材料で形成することができる。
【0128】
電極940と組織との間の接触を促進することに役立つために、電極940は、外向き
に突出することができる。電極940は、表面載置板となり得る。他の実施形態では、電
極940は、伝導性被覆である。
【0129】
図47は、3つのコイル巻きを有する管状部材964を有する、コイル状部962を示
す。中心コイル巻き970は、電極975がコイルの半径方向外向きに設置されるように
、隣接コイル972、974よりもわずかに大きくなり得る。冷却剤は、送達ライン96
7を通って流れ、コイル状部962を通って流れ、帰還ライン966を介して戻ることが
できる。いくつかの実施形態では、内部コイルがコイル巻き970を外向きに押す。
【0130】
図48および49は、バルーンのチャンバと連通している開放冷却チャネルを示す。電
極1010は、バルーン1014の外部に取り付けられる。環状リブ1030をバルーン
1014の中に形成することができ、電極1010は、電極1010の位置を維持するこ
とに役立つように、およびバルーンと電極との間の熱伝達のためのより大きい表面積を作
成するように、環状リブを覆って入れ子になる、曲線断面形状を有してもよい。送達管腔
1016を通して冷却剤を送達することができる。冷却剤は、バルーン1014のチャン
バ1020の中へとポート1019を通過する。ポート1019は、流れまたは噴霧の形
態で冷却剤を電極1010に向かって方向付け、電極を冷却するように構成される。冷却
剤は、循環し、ポート1022を介してチャンバ1020から退出する。冷却剤は、帰還
管腔1018に沿って近位に流れる。冷却能力を強化するために、冷却剤流は、電極10
10に向けられ、それに向かって送達される。
【0131】
図50に示されるように、送達導管1044は、出口ポート1042が電極1010に
近接して設置されるように、長手軸1050から離れて電極1010に向かって横方向に
延在する、先端1040を有する。冷却剤は、ポート1042から退出し、電極1010
に向かって直接流れ、その冷却を最大化することができる。
【0132】
図51は、送達位置1112から図52の配備位置1113に移動可能な細長い本体1
111の偏向可能な送達導管1110を示す。送達導管は、配備位置1113に弾性的に
付勢される。偏向バルーン1130は、バルーン1130が膨張させられるまで真っ直ぐ
な構成で送達導管1110を維持することができる。バルーン1130および付勢送達導
管1110の両方を一緒に配備することができる。他の実施形態では、送達導管1110
は、活性化されると移動する形状記憶材料でできている。例えば、送達導管1110は、
加熱すると送達位置1112から配備位置1113に移動することができる。
【0133】
図53を参照すると、ポート1114は、長手軸1117(図52)よりも冷却チャネ
ル1119に近い。流体噴流がポート1114から流出し、チャネル1119に流入する
。冷却剤は、電極1120の全長および全幅に沿って流れ、略均一な電極冷却を提供する
ことができる。バルーン1130が収縮されると、送達導管1110は、略正中線位置に
戻される。
【0134】
図54および55は、外側部材または導管1220に内部電極1210を含む、エネル
ギーエミッタアセンブリ1200の一部分を示す。スペーサ1222a、1222b、1
222c、1222d、1222e、1222f(集合的に「1222」)は、外側部材
1220から電極1210を離間する。電極1210は、内部冷却チャネル1234を有
する。外部冷却チャネル1235は、電極1210と外側部材1220との間にある。図
55に示されるように、冷却剤は、冷却チャネル1234を通して1つの方向に流れるこ
とができ、冷却剤は、チャネル1235を通して反対方向に流れることができる。
【0135】
図56および57は、複数の冷却チャネル1242a、1242b、1242c、12
42d、1242e(集合的に「1242」)を有する、電極1240を示す。同じ流体
を、チャネル1242の全てを通して送達することができる。代替として、異なる温度で
の異なる流体を、チャネル1242を通して送達することができる。いくつかの実施形態
では、冷却剤が一方の方向にチャネル1242のうちのいくつかを通って流れ、異なる冷
却剤が反対方向に他のチャネル1242を通って流れることができる。
【0136】
図58および59を参照すると、電極1300が金属管を備える。電極1300の円周
の周囲および冷却チャネル1320の中の冷却剤の中で、熱を伝導することができる。熱
の流れは図59に示されている。熱が内面1330に沿って流れる冷却剤によって吸収さ
れるように、熱を電極1300の壁に沿って略均一に伝達することができる。
【0137】
電極は、熱伝達を強化するための1つ以上の熱伝達要素を含むことができる。図58
、冷却剤チャネル1320の中へ延在する、鎖線で図示されるフィン1306の形態で随
意的な熱伝達要素を示す。対流を介した強化熱伝達のために、任意の数の内向きに延在す
るフィンが、冷却剤チャネル1320の中に位置することができる。フィンは、高い熱伝
導性を有する材料で作ることができる。熱伝達を制御するために、他の種類の熱伝達要素
または特徴(例えば、表面テクスチャリング)を制御することができる。
【0138】
図60および61は、熱伝導性部分1360および絶縁部分1362を有する電極13
50を示す。熱伝導性部分1360は、全体的または部分的に、高い熱伝導性を有する金
属または他の材料で作ることができる。絶縁部分1362は、ゴム、プラスチック、また
は同等物等の絶縁材料で作ることができる。図61に示されるように、熱伝達は、概して
、バルーン等の温度感受性要素と接触してもよい、絶縁部材1362の過剰な加熱を防止
するように、熱伝導性部分1360に隔離される。
【0139】
電極が一方または両方の端に鋭い縁を有する場合、電子は、鋭い縁および他の不整形の
付近に蓄積する傾向を有する。縁の付近の電圧はしばしば、電極の他の領域の中よりも高
い。図62は、絶縁部材1372に接続される電極1370を示し、プラス記号によって
表される印加電荷は、鋭い縁1374に沿って蓄積する傾向がある。高電荷は、過剰な加
熱を引き起こし、「周縁効果」と呼ばれる。高電荷縁1374が組織に接触すると、電極
縁1374の付近の高い局所電圧は、より多くの電力を、縁1374に接触または近接す
る組織に送達させる。したがって、その組織は、電極1370に接触する他の組織よりも
熱くなる。これは、組織の不均一な加熱および不要な高温点をもたらす。RF切除中、病
変形成は、非常に不均等かつ過剰な組織損傷となり得て、一般的に周縁効果と呼ばれる。
【0140】
図63は、絶縁体1376に接続される電極1375を示す。電極1375は、複数の
個々の電極で形成される。個々の電極のうちの1つ以上は、鋭い縁を有してもよいが、電
極は、電荷密度が全体的な電極1375の長さおよび幅にわたって比較的均一であるよう
に、十分に小さい。電荷は、周縁効果を最小化、制限、または実質的に排除するように、
略均等に分布している。これは、図63に示されるように、電極1375の長さに沿って
略均一な温度をもたらす。
【0141】
図64は、電極リング1382a、1382b、1382c、1382d(集合に「1
382」)として図示される、複数の離散的な離間電極要素を示す。各電極リング138
2は、周縁効果を軽減するように複数の個別電極を備える。絶縁部分1390a、139
0b、1390c、1390d(集合的に「1390」)は、電極リング1382を絶縁
する。
【0142】
図65は、遮蔽1420によって覆われた電極要素1410の縁1430を示す。電極
要素1410の露出接触表面1440は、組織1450に接触することができ、略均一な
加熱をもたらすことができる。遮蔽1420は、電極要素1410によって出力されるエ
ネルギーを阻止または遮断する絶縁材料となり得る。電極要素1410が電気エネルギー
を出力する場合、遮蔽1420は、非伝導性プラスチックまたはポリマーあるいは他の誘
電材料等の電気絶縁材料で作ることができる。
【0143】
図66は、電極1480と、遮蔽部分1484a、1484b(集合的に「1484」
)とを含む、切除アセンブリ1470を示す。電極1480は、第1の端部1481、第
2の端部1483、および本体1485を有する。遮蔽部分1484a、1484bは、
端部1481、1483を覆い、切除エネルギー絶縁体の一部となり得る。露出した電極
1480の長さに沿って、略均一な温度分布を生成することができる。電極1480と遮
蔽部分1484との間の重複の長さは、用途に基づいて選択することができる。いくつか
の実施形態では、電極1480の約4mmの長さを、遮蔽部分1484のそれぞれの内側
で受容することができる。電極1480の露出部の長さは、約6mmから10mmの範囲
内となり得る。電極1480の長さは、約8mmとなり得る。他の寸法の可能である。
【0144】
遮蔽部分1484a、1484bは、冷却導管となり得る。冷却剤は、遮蔽部分148
4を通って、および電極1480の冷却チャネルを通って流れることができる。他の実施
形態では、電極1480を冷却するためにペルティエデバイスが使用される。図54-6
6の電極実施形態のうちのいずれかは、本願で開示されるエネルギーエミッタアセンブリ
のうちのいずれかで利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0145】
病変の形状は、冷却剤の温度、冷却剤流速、冷却剤の熱運搬能力、バルーンの熱的特性
(例えば、バルーンの熱伝達性質)、または送達された電力の量を調整することによって
、制御することができる。図67A-71Bは、バルーンによる次第に増大した冷却によ
って形成される、温度プロファイルおよび対応する病変を示す。バルーンの冷却能力は、
冷却剤温度を減少させることによって、または冷却剤流速を増加させることによって、あ
るいは両方によって増加させることができる。電極の冷却剤能力を変化させながら、バル
ーンの冷却能力を略一定に保持することによって、または組織に送達される電力を増加ま
たは減少させることによって、病変成形も達成することができる。一例として、図8の切
除アセンブリ208は、図67B、68B、69B、70B、および71Bの病変を形成
するために使用することができる。バルーン212が電極チャネル340よりも大きい直
径を有するため、電極214を通る高い速度および低い速度と比較して、バルーン表面に
沿って比較的低い流速がある。これは、差動冷却をもたらす。電極214およびバルーン
212が独立した流量を有する場合、冷却剤は、差動冷却のための異なる温度および/ま
たは流速となり得る。図39-42の切除アセンブリ800は、差動冷却に使用すること
ができる。電極836によって組織に送達される電力を固定することができる。エネルギ
ーエミッタアセンブリ820を通る冷却剤の流速を固定することができる。バルーン81
0を通る冷却剤の流速は、異なる形状の病変を形成するように変化させることができる。
【0146】
図67Aは、80℃、60℃、および40℃の等温線を伴う、等温線および組織内の温
度分布を示す。図67Bは、図67Aの等温線に対応する病変1504を示す。冷却チャ
ネル1522の中の冷却剤は、有意量の熱を吸収する冷却剤のみである。バルーン151
0は、有意量の熱エネルギーを吸収し、室温と略平等である、または約20℃~30℃の
範囲内にある温度の流体で充填することができる。いくつかの実施形態では、バルーン1
510は、周囲空気で膨張させられ、組織1500に対して電極1524を保持すること
ができる。他の実施形態では、バルーン1510は、温かい食塩水で膨張させられる。
【0147】
図67Bは、略半円形状を有する、病変1504を示す。それぞれ、冷却チャネル15
22の中の冷却剤の温度を減少または増加させることによって、半径rおよび深さDを増
加または減少させることができる。加えて、または代替として、それぞれ、冷却剤の流速
を減少または増加させることによって、半径rおよび深さDを増加または減少させること
ができる。
【0148】
組織表面1525における病変の断面幅を縮小するように、バルーン1510を通して
冷蔵冷却剤を送達することができる。図68Aおよび68Bは、冷却剤が電極1524を
冷却するとき、および低温冷却剤がバルーン1510を通って低い速度で流れるときの等
温線および対応する病変1527を示す。バルーン1510の中の冷却剤は、バルーン・
組織界面に接触または近接する組織を保護するように、十分な量の熱エネルギーを吸収す
る。
【0149】
病変は、略楕円形状を有し得る。図68Bの図示された実施形態を含むいくつかの実施
形態において、表面1525における病変1504の断面幅は、表面1525における図
67Bの病変1504の断面幅よりも小さい。図68Bの病変1504の断面幅は、深さ
とともに最大幅WMaxまで増加し、次いで、最深領域1530まで減少する。最大幅W
Maxは、病変1504の深さDよりも小さい。図68Bは、電極幅のせいぜい約150
%の幅を有する表面1525における病変1527を示す。図69Bは、電極幅にほぼ等
しい、組織表面1525における病変1527の最大断面幅を示す。
【0150】
図69Aおよび69Bは、低温冷却剤がバルーン1510を通って高い速度で流れるか
、または低温冷却剤がバルーン1510を通って低い速度で流れるときの等温線および病
変1527を示す。いくらか涙滴状の病変1527が、組織表面1525から延在する。
病変1527の浅い部分または狭窄部分1534の幅は、電極1524の断面幅Wとほ
ぼ等しい。したがって、表面1525における病変1527は、電極・組織界面のわずか
約150%である最大断面を有する。これは、最小量の表面組織が損傷されることを確実
にする。病変1527は、浅い部分1534から拡大領域1535まで外向きに先細にな
る。病変断面幅は、概して、深さとともに最大幅WMaxまで徐々に増加する。最大幅W
Maxは、表面1525における断面幅よりも約1~約3倍大きくなり得る。病変152
7の最深領域1530は、部分的に円形の形状を有する。
【0151】
図70Aおよび70Bは、非常に低温の冷却剤がバルーン1510を通って流れるとき
に形成することができる、等温線および涙滴状の病変1527を示す。病変1527は、
組織表面1525から延在し、広い深部領域1552へと外向きに急速に拡張する狭い浅
部領域1534を有する。浅い部分1534の幅は、電極1524の幅Wよりも小さい
。断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで急速に増加する。したがって、病変152
7の体積の大部分は組織の深くにある。そのようなものとして、領域の重心の深さは、表
面1525における病変1527の幅よりも有意に大きい。
【0152】
図71Aおよび71Bは、非常に低温の冷却剤がバルーン1510を通って非常に高い
速度で流れるときに形成することができる、等温線および対応する円形の病変1527を
示す。病変1527は、組織表面1525の深さDで配置される。病変1527の最大断
面幅WMaxは、深さDWidth Maxにある。病変1527は、電極・組織界面か
ら離間しており、冷却剤の流速および温度に応じて、異なる形状を有することができる。
略楕円形、細長い形状、または同等物等の、他の埋没病変形状を達成するために、差動冷
却を使用することができる。
【0153】
Width Maxは、標的領域の場所に基づいて選択することができる。神経組織
を損傷するために、DWidth Maxは、病変が神経組織を含むことを確実にするよ
うに、少なくとも約2mmとなり得る。深さDは、平滑筋組織への有意量の損傷を軽減ま
たは回避するように、少なくとも約2mmとなり得る。そのような実施形態は、平滑筋組
織が典型的には2mmの深さより下側にないため、気道壁を治療するためによく適してい
る。このようにして、標的領域の断面幅を、平滑筋組織よりも深い深さで最大化すること
ができる。病変の大部分、いくつかの実施形態では実質的には全体が、典型的には平滑筋
組織の領域よりも気道壁の中で深く位置する、平滑筋組織ではない組織内に生じる。さら
に、気道壁内の平滑筋細胞への損傷は、神経組織を損傷しない場合に、例えば、喘息、C
OPD、または他の肺疾患の結果として、気道の反応性または収縮を大幅に改変するため
に必要とされる損傷の領域よりも少なくなり得る。
【0154】
病変は、有意量の組織が永久的に損傷されない保護領域によって、組織表面から分離す
ることができる。図70Bおよび71Bは、深さDを有する保護領域1561を示す。
有利なことに、保護領域1561の中の有意量の組織が永久的に損傷されないため、組織
機能を保存することができる。深さDは、神経組織を切除するように、少なくとも約1
mmから約2mmとなり得る。
【0155】
本明細書で使用されるような「病変」という用語は、永久的に、すなわち、細胞死の点
まで損傷される、組織を意味することを目的としている。場合によっては、エネルギーの
送達が、「病変」と呼ばれる領域の外側の細胞への一時的または非致命的損傷を引き起こ
す。例えば、上皮または平滑筋細胞が、本明細書で説明されるエネルギー送達によって一
時的に損傷または改変されてもよい。しかしながら、有利なことに、差動冷却の使用を通
して、これらの細胞は再生して機能的なままとなることができ、したがって、作成される
「病変」の一部と見なされない。対照的に、カテーテル207は、気道壁の中の深くに、
または気道壁の外側に位置する神経組織に永久的損傷を付与し、したがって、ある肺疾患
の原因である神経信号を減衰させることができる。
【0156】
図8のカテーテル207は、図71Bの病変1527を形成することができる。送達管
腔324、帰還管腔326、および電極チャネル340(図13)はそれぞれ、約2.1
mmの直径を有することができる。バルーン212は、約0.019mmから約0.02
5mmの壁厚さおよび約20mmの縦長さを有する低デュロメータウレタンで作ることが
できる。バルーン212の外径は、約16mmであり、約10psigの圧力まで膨張さ
せられる。冷却剤は、約100~120ml/分の流速で電極214を通って流れ、冷蔵
生理食塩水または水(例えば、冷えた生理食塩水または水)である。電極214は、約8
mmの長さを有し、約25Wの電力を組織に送達して、約7mmから約8mmの最大深さ
Maxを有する病変1527、および約1mmから約2mmのDを有する保護領域1
561を形成する。言い換えれば、病変1527は、組織表面から少なくとも1mmから
約2mmの距離で離間して。
【0157】
図72および73は、電極1610およびバルーン1620の形態の拡張型要素を有す
る送達デバイス1600を示す。電極1610は、細長いシャフト1640を密接に包囲
することができる、収縮したバルーン1620から遠位に延在する。細長いシャフト16
40の遠位部1688は、チャンバ1690を通して軸方向に延在する、電極1610を
携持する。バルーン1620は、膨張させられると電極1610に沿って延在するように
遠位に膨張可能である。
【0158】
図74は、遠位に対面する接触表面1630を画定する、膨張した略釣鐘状のバルーン
1620を示す。接触表面1630は、電極1610を包囲し、略環状の形状を有する。
バルーン1620は、外部流体流量が電極1610に沿って流れることを防止することが
できる。
【0159】
図75は、送達ライン1700に沿って流れる冷却剤を示す。冷却剤は、出口1710
から退出し、電極1610の内面1720に沿って流れる。冷却剤は、熱エネルギーを吸
収するにつれて加熱される。冷却剤は、ポート1720a、1720bを介して電極16
10から退出し、バルーンチャンバ1690の中で循環する。冷却剤は、熱エネルギーを
吸収して組織を冷却する。冷却剤は、ポート1730a、1730bを介してチャンバ1
690から退出し、帰還ライン1740を通って流れる。
【0160】
外部液体(例えば、血液、尿、粘液等)が送達デバイス1600の周囲を流れる場合、
バルーン1620は、組織1650に沿った液体流を遮断することができる。電極161
0は、適切な量の熱が外部流体流量によって吸収されることなく、エネルギーを組織16
50に送達することができる。例えば、組織1650が心臓組織である場合、バルーン1
620は、バルーン1620と組織1650との間の有意量の血流を妨げ、したがって、
電極1610の付近の組織が血流により冷却されることを防止することができる。加えて
、バルーン1620は、必要または所望であれば、病変を成形するように組織1650を
冷却することができる。
【0161】
図77-81は、電極1810および同軸シャフト1801に連結された釣鐘状の拡張
型要素1814を有する、送達デバイス1800を示す。電極1810は、拡張型要素1
814の遠位面に連結される。シャフト1820の中の内側管腔1803は、その拡張の
ために、拡張型要素1814の内部に冷却膨張流体を送達する。膨張流体は、拡張型要素
から流出して、シャフト1852の中の外側管腔1850に流入する。冷却剤は、近位電
極表面1830に向かってポート1818から流出することができ、チャンバ1840を
通って循環することができる。電極1810は、エネルギーを電極に送達するように、流
体送達管腔およびバルーンを通って延在してもよい、電力ワイヤ(図示せず)に連結され
てもよい。代替として、電極を極低温まで冷却して極低温切除を行うように、極低温流体
がバルーンを通して循環させられてもよい。
【0162】
図82-86は、送達デバイス1900を示す。拡張型要素1910を膨張させるため
の流体は、送達管腔1920に沿って流れ、チャンバ1930に流入する。流体は、帰還
管腔1934を介して退出する。電極1940を冷却する冷却剤は、送達管腔1950に
沿って流れ、電極チャンバ1954を通って循環する。冷却剤は、帰還管腔1960を介
してチャンバ1954から退出する。電極冷却剤およびバルーン冷却剤は、差動冷却のた
めに異なる温度となり得る。有利に、電極およびバルーン冷却剤の流速および温度を独立
して制御することができる。
【0163】
図72-86の遠位に切除する送達デバイスは、エネルギーを心臓組織に送達すること
に特によく適している。バルーンは、二酸化炭素、ヘリウム、または空気等のガス、ある
いは心内膜表面病変、比較的大きい心内膜表面さえも形成する比較的低い熱容量を有する
他の流体等で充填することができる。流体は、不要な冷却を防止するように、組織の正常
温度と略平等である、またはそれを上回る温度となり得る。低温冷却剤は、バルーンを通
過して、バルーン・組織界面付近の組織を保護および冷却し、心内膜病変を制限または排
除し、および心外膜病変を生成するために使用することができる。
【0164】
図87A-89Bは、等温線および対応する病変を示す。図87Aは、エネルギーを組
織2010に送達する電極1610を示す。電極1610は、冷却剤を使用して冷却する
ことができる。組織2010が心臓組織である場合、血液は組織表面2034を横断して
流れることができ、対流を介して組織2010から熱を吸収することができる。したがっ
て、天然身体機能が、図68Bの病変1527の形状と同様である形状を有する病変20
30を形成するように、組織2010を冷却することに役立つことができる。図87A
最大深さDΜaxは、心外膜2032を損傷することを回避するように、厚さtより小さ
くなり得るが、電極1610の付近の心内膜2034の一部が損傷される。
【0165】
バルーン1620は、ガス(例えば、周囲空気)または有意量の熱エネルギーを吸収し
ない他の流体で膨張させることができる。バルーン1620は、血流を遮断し、バルーン
・組織界面2042に隣接する組織の切除を可能にする。図88Bに示されるように、病
変2030は、広い基部を有する。したがって、図88Bの病変2030の最大幅は、表
面2044に沿って位置する。
【0166】
送達デバイス・組織界面から離間した病変を形成するように、冷蔵冷却剤を電極161
0およびバルーン1620の両方に通過させることができる。図89Aおよび89Bは、
等温線および対応する病変2030を示す。冷却剤は、電極1610を冷却することがで
きる。細胞損傷または死を誘発する温度で、またはそれ以下でバルーン1620に近接す
る組織を保つように、冷却剤がバルーン1620を通過することができる。心内膜203
4を保護することができ、有意量の心外膜2032を損傷することができる。保護領域2
035が、病変2030と電極1610との間にある。
【0167】
他の種類の構造が流体または血流を遮断することができる。例えば、組織に沿った天然
体液の流動を妨げ、したがって、浅部病変形成を推進するように、遮蔽体、マスク、傘構
造、または同等物を組織に対して配置することができる。
【0168】
図90および91は、放出ポート2112を有する電極2110を有する、非膨張性送
達デバイス2100を示す。有利に、送達デバイス2100を拡張することなく病変を形
成することができる。ポート2112は、相互から円周方向に離間され、冷却剤を組織2
116に向かって噴霧するように構成される。矢印によって表される冷却剤は、ポート2
112から流出して組織2116に沿って流れる。長手軸2117と噴霧との間の噴霧角
は、約90度未満となり得る。ある実施形態では、噴霧角は、冷却剤が対流を介して有意
量の熱を吸収することを確実にするように、約70度未満である。
【0169】
冷却剤は、体液(例えば、血液)と混合する冷蔵生理食塩水または冷蔵水となり得る。
送達デバイス2100が空気または他のガスを含有する器官の中で使用される場合、冷却
剤はガスとなり得る。
【0170】
図92は、第1組の円周方向に離間した放出ポート2021、および第2組の円周方向
に離間した放出ポート2022を有する、修正送達デバイス2020を示す。複数組のポ
ート2021、2022は、送達デバイス2020の長手軸2028に沿って相互から軸
方向に離間される。
【0171】
図93および94は、低温流体を生成するための減圧要素2032を含む、送達デバイ
ス2031を示す。流体は、細長い本体2039の送達管腔2037を流れることができ
る。流体は、減圧要素2032を通過して電極チャンバ2039内で低温流体を形成する
。本明細書で使用されるように、「減圧要素」という用語は、無制限に、作業流体の圧力
を低減するように構成されるデバイスを指す。いくつかの実施形態では、減圧要素は、作
業流体の圧力を、作業流体の蒸発圧力以下の圧力まで低減することができる。作業流体は
、冷媒(例えば、極低温冷媒または非極低温冷媒)を含むことができる。いくつかの実施
形態では、減圧要素は、それを通過する作業流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こす
、減圧または拡張弁の形態である。減圧要素は、有効量の作業流体(例えば、極低温流体
)を蒸発させて作業流体の温度を低減する。いくつかの様態では、弁要素2032を通過
する、重量による作業流体の実質的に全てまたは大部分が、低温および低圧ガスに変換さ
れる。低温ガスは、拡張チャンバ2039を通って流れ、排出口2033を介して退出す
る。いくつかの実施形態では、減圧要素2032は、ノズル弁、ニードル弁、ジュールト
ムソンスロットル、スロットル要素、または所望の圧力降下を提供するための任意の他の
好適なとなり得る。例えば、ジュールトムソンスロットルは、流体の拡張から作業エネル
ギーを回収し、より低い下流温度をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、特
に、作業流体が水等の非冷媒である場合に、減圧要素を流量調節要素(例えば、弁システ
ム)と置換することができる。
【0172】
図94の高圧ガスPは、送達管腔2037を通過させられる。高圧ガスPは、要素
2032を通過し、圧力がPまで降下する拡張チャンバ2039に進入する。Pから
への圧力の降下は、TからTへのガスの温度の降下につながる。温度変化の大き
さは、以下によって求められ、
Τ-Τ=μ(Ρ-Ρ
式中、
Tは、ガスの温度であり、
Pは、ガスの圧力であり、
μは、ガスのジュールトムソン係数であり、
下付き文字1は、高圧状態を表し、
下付き文字2は、低圧状態を表す。
【0173】
拡張チャンバ2039の中のガスが2033を通って退出し、周辺圧力まで降下すると
、第2の圧力降下が発生する。送達デバイス2031が肺の中で使用される場合、周辺圧
力は、大気圧である。この温度降下は、
Τ-Τ=μ(Ρ-ΡΑΤΜ
である。
【0174】
したがって、弁要素2032を通って拡張チャンバ2039に流入する冷ガスは、電極
2035を冷却し、拡張チャンバ2039からポート2033を通って流れる冷ガスは、
周辺気道に方向付けられ、周辺組織を冷却する。
【0175】
ジュールトムソン係数(μ)は、各ガスまたはガスの組み合わせに特異的である。μに
対する標準温度値は、
二酸化炭素について
【0176】
【数1】
また、空気について
【0177】
【数2】
である。
【0178】
これらの係数は、所与の圧力降下のために、COが、空気が体験する同様の圧力の降
下よりも5倍大きい温度の降下を引き起こすことを示す。
【0179】
肺の中の空気の使用が望ましくなり得る。肺から外へこの付加的な二酸化炭素を換気す
る患者の能力を圧倒しないよう、冷却剤ガスの流速が十分低い場合に、二酸化炭素を使用
することができる。冷却剤導管の中の冷却剤が、液体空気または液体CO等の高圧液体
である場合に、冷却効果を強化することができる。高圧液体は、減圧要素2032(例え
ば、スロットル)を通過し、ガスの温度を高圧液体の温度よりも低くさせる、低圧液体か
ら高圧ガスへの吸熱位相変化を受ける。次いで、それは、通気口2033を介して電極か
ら外へ放出される前に、さらなる温度の降下を引き起こす、PからPへのジュールト
ンプソン拡張を受ける。
【0180】
本明細書で開示されるエネルギーエミッタアセンブリの実施形態のうちのいずれかで、
電極および/または電極に隣接する組織は、上記で説明されるようなジュールトンプソン
拡張を受ける流体によって冷却されてもよいことが理解されるであろう。例えば、流体が
、冷却される電極に直接向かって、および/または電極による接触領域に隣接する気道壁
組織に向かって放出されてもよいガスへの位相変化を受けるように、加圧流体が、これら
のエネルギー放出アセンブリのうちのいずれかにおける減圧要素を通過させられてもよい
【0181】
図95-97は、図95の送達構成から図96の組織治療構成に移動可能な作動型カテ
ーテル2200を示す。作動型カテーテル2200は、スリーブ2210と、細長い本体
2212とを含む。細長い本体2212は、3つの通気口2215として図示されるポー
トを備える電極2214を含む。冷蔵生理食塩水または水等の低温液体であってもよい、
冷却剤は、通気口2215を介して放出することができる。弁要素2216(例えば、ジ
ュールトンプソン要素)は、作業流体の温度を低減することができる。
【0182】
配備部2230は、気道または他の体内の管の内面に一致するための弓形形状を有する
ことができる。弓形配備部2230は、細長い本体2212の長手軸と略同一の平面上に
ある湾曲の軸を有することができる。細長い本体2212を通って延在するワイヤまたは
プッシュロッド等の付勢要素が、送達デバイス2200の構成を調整することができる。
付勢要素がワイヤである場合、配備部2230を弓形形状にするようにワイヤを引くこと
ができる。代替として、配備部2230を覆い、送達中にそれを真っ直ぐにした構成で拘
束するように、スリーブ2210を遠位部1230上で遠位に摺動することができる。ス
リーブが除去されると、配備部2230は、弓形形状に弾性的に戻る。他の実施形態では
、冷却剤が遠位部2230を通して送達されると、冷却剤の圧力が、遠位部2230を曲
線形状(例えば、渦巻き状構成、コイル状構成、またはらせん構成)にさせることができ
る。
【0183】
図98は、シャフト2350上に配置された視覚表示器2310aを有する送達デバイ
ス2300を示す。アセンブリ2320が気道の中で膨張させられると、特に、電極23
40が軟骨輪の間にある場合、または粘液がバルーン2330の外部の周囲に集結する場
合に、電極2340を見るのが困難な場合がある。したがって、医師が電極2340を正
確に設置することが困難な場合がある。視覚表示器2310aは、拡張型要素2330の
近位に位置し、したがって、拡張型要素に対して近位位置から視認可能である。視覚表示
器2310aは、電極2340の位置に対応する。図示した実施形態を含む、いくつかの
実施形態では、電極2340は、図100に示されるように、略半径方向外向きに設置さ
れ、視覚表示器2310aの軸方向にオフセットされる。図100の電極2340は、視
覚表示器2310aの弧長さと略平等である弧長さを有する。視覚表示器2310aの場
所に基づいて、医師は、電極端2352、2354の近似場所を決定することができる。
これにより、医師が電極2340を回転させて正確に設置しやすくなる。
【0184】
視覚表示器またはマーキング2310aは、色付き、反射型、あるいは気管支鏡を通し
て容易に可視的となり得る。いくつかの実施形態では、視覚表示器2310aは、縦方向
に延在するストライプまたはマークとなり得る。他の実施形態では、視覚表示器2310
aは、1つ以上の光源となり得る。切除アセンブリ2320が複数の電極を含む場合、異
なる視覚表示器が異なる電極の位置に対応することができる。視覚表示器は、細長いシャ
フト2350、バルーン2330、電極2340、または他の好適な場所の上に位置する
ことができる。
【0185】
図100は、細長いシャフト2350の周囲に設置された視覚表示器を示す。視覚表示
器2310a、2310b、2310c、2310d(集合的に「2310」)のそれぞ
れは、異なる色となり得る。ユーザは、視覚表示器2310を使用して、切除アセンブリ
2320を設置することができる。他の実施形態では、バルーン2330の近位端は、視
覚表示器を有する。
【0186】
図101は、送達装置2410の中に設置されたカテーテル2400を示す。細長い本
体2420は、作業管腔2430を通って延在する。切除アセンブリ2450を視認し、
設置するために、光学要素2440を使用することができる。バルーン2460は、透明
または半透明となり得る。
【0187】
送達装置2410は、カメラ光学部2440を有する気管支鏡である。カメラ光学部2
440の遠位端2470は、随意で、バルーン壁に連結される。遠位端2470は、光学
結合を提供するように、適合バルーンの近位表面に押し付けることができる。使用中、ユ
ーザは、バルーンの壁およびバルーン内の流体を通して、電極または他の構成要素あるい
は解剖学的特徴を視認してもよい。
【0188】
他の実施形態では、送達装置2410は、レンズ、光源、カメラ、または同等物を有す
る、光ファイバ2440を有する鞘となり得る。ある実施形態では、光学要素2440は
、バルーン2460に統合または連結される。これは、粘液または他の不要物質がユーザ
の視界を覆い隠すことを防止する。バルーンの幾何学形状、具体的には、近位バルーン壁
の角度は、カメラ光学部2440との光学結合を最適化するように選択されてもよい。近
位バルーン壁は、カメラ光学部2440と整合させることができ、実質的に平坦、平滑、
透明であり、カメラ光学部2440の遠位端2470の平面と平行であり、好ましくはい
くつかの実施形態では、細長い本体2420の長手軸に対して約75度から約105度の
角度で配置される、一部を有することができる。近位バルーン壁の材料は、可視性および
透明性を最適化するように、例えば、カメラ光学部2440および/またはバルーン内の
流体と適合する屈折率を伴って、選択されてもよい。
【0189】
図102は、細長いシャフト2530と、バルーン2540と、変位可能エネルギーエ
ミッタアセンブリ2550とを含む、切除アセンブリ2510を示す。概して真っ直ぐな
構成の切除アセンブリ2510は、約180度の弧長さで図示される曲線構成を成すよう
に、送達装置2500から外へ移動させることができる。エネルギーエミッタアセンブリ
2550は、事前設定された渦巻き状または曲線形状を成すように付勢することができる
。それが作業管腔2520から外へ通過すると、送達構成を成すことができる。代替とし
て、それを通して冷却剤を送達することができる、エネルギーエミッタアセンブリ255
0は、形状記憶材料で形成することができる。
【0190】
図104に示されるように、バルーン2540は、先端2570を通り過ぎて遠位に延
在する。膨張したバルーン2540は、電極2571がバルーン2540の外側に沿って
設置されるように、エネルギーエミッタアセンブリ2510の曲線部2560によって受
容される。電極2571は、バルーン2540によって冷却することができる。加えて、
または代替として、エネルギーエミッタアセンブリ2550は、それを通って冷却剤が流
れる、冷却チャネルを有することができる。いくつかの実施形態では、エネルギーエミッ
タ2550は、逆流を提供する、図54-57に示された実施形態と同様となり得る。さ
らに他の実施形態では、組織の直接冷却を提供するように、ポート、通気口、または他の
特徴をエネルギーエミッタアセンブリ2550に組み込むことができる。
【0191】
図105および105Aは、導管または管状部材2618上で携持される折り畳み式電
極2614を含む、切除アセンブリ2600を示す。電極2614は、被覆、薄箔、被膜
、または他の導電性材料となり得る。電極2614を形成するために、異なる種類の被覆
、メッキ、または他の製造技法を使用することができる。他の実施形態では、電極261
4は、管状部材2618の内面2620に連結することができる。これは、組織または体
液との直接電極接触を防止する。
【0192】
図106-108は、折り畳み過程を示す。図106は、部分的折り畳み構成のバルー
ン2630を示す。導管2618は、電極2614を配備構成で保持する。
【0193】
図107は、完全折り畳み構成のバルーン2630、および折り畳み構成のエネルギー
エミッタアセンブリ2634を示す。半径方向に折り畳んだ電極2614は、比較的小さ
い外形を成す。折り畳み過程を促進するために、真空を引き込むことができる。図108
に示されるように、電極2614は、細長い本体2640およびバルーン2630に対し
て位置し、比較的薄型の位置を成すことができる。
【0194】
切除アセンブリ2600を膨張させるために、流体が導管2618を通って流れ、膨張
させることができる。内部スロットル弁は、導管2618とバルーン2630との間の相
対圧力を制御することができる。図106は、部分的に膨張したバルーン2630を示す
。流体は、バルーン2630が完全に配備されるまでバルーン2630を充填し続ける。
したがって、導管2618は、バルーン2630の膨張が完了する前に完全に膨張させる
ことができる。他の種類の膨張過程も使用することができる。
【0195】
図109は、変位可能電極アーム2710a、2710b、2710c、2710d、
2710e(集合的に「2710」)を有する拡張型バスケット2709を含む、切除ア
センブリ2700を示す。電極アーム2710は、膨張性バルーンとして図示される、拡
張型要素2720の周囲で円周方向に離間される。アーム2710は、細長いシャフト2
730から遠位に延在する。各アーム2710は、電極要素2740a、2740b、2
740c、2740d、2740e(集合的に「2740」)を携持する。Nitino
l等の伝導性形状記憶材料であってもよい、アーム2710は、細長いシャフト2730
から遠位に延長されたときに、図110に示されるような半径方向に拡張した構成に戻る
ように、弾性的に外向きに付勢される。拡張型要素2720は、気道壁に対してアーム2
710を押し進めるように拡張されてもよい。さらに、電極2740a-eおよびそれに
隣接する組織を冷却するように、冷却剤が拡張型要素2720を通して循環されてもよい
【0196】
図112は、導電体2748aを包囲する絶縁体2746aを有する細長いアーム27
10aを示す。導電体2748aは、電極2740aと細長いシャフト2730との間の
電気連通を提供する。導電体は、Nitinol等の、アーム2710自体を形成するた
めに使用される伝導性金属材料であってもよい。
【0197】
図113は、拡張型要素2720の周囲で円周方向に離間した電極2740a-eを示
す。図示した実施形態は、5つの電極を含む。治療部位の数に基づいて、より多いまたは
少ない数の電極を使用することができる。他の実施形態では、細長いアームのそれぞれに
沿って、複数の離間した電極を設置することができる。電極は、連続して、または同時に
活性化することができる。いくつかの実施形態では、電極は、同時に単極モードで操作す
ることができる。代替として、種々の複数対の複数の電極を双極モードで操作することが
できる。広範囲の異なる動作モードを使用することができる。
【0198】
図113の送達導管2754は、各電極2740に向かって半径方向外向きに、矢印に
よって表される冷却剤を送達する。冷却剤は、バルーン2720の中で循環することがで
きる。
【0199】
図114-116は、拡張型要素2810と、配備可能エネルギーエミッタアセンブリ
2820とを含む、切除アセンブリ2800を示す。エネルギーエミッタアセンブリ28
20は、ジグザグまたは波形電極2830を配備するように拡張することができる。配備
した電極2830は、一対のアーム2834a、2834bの端部の間に延在する。図示
した電極2830は、ジグザグ構成を有するが、他の構成も可能である。
【0200】
組織の付近に電極2830を設置するために、アーム2834a、2834bを外向き
に移動させるように、拡張型要素2810を膨張させることができる。いくつかの実施形
態では、アーム2834a、2834bは、自己拡張式である。切除アセンブリ2800
が送達アセンブリの作業管腔から外へ移動するにつれて、アーム2834a、2834b
は、拡張構成を成すことができる。他の実施形態では、アーム2834a、2834bは
、形状記憶材料でできており、拡張構成を成すように起動することができる。アーム自体
は、エネルギーを電極2830に伝導するように、Nitinol等の伝導性材料ででき
ていてもよい。
【0201】
図117は、配備可能バスケット2910を含む、送達デバイス2090を示す。配備
可能バスケット2910は、細長い形状を有し、電極2912を携持する複数の細長いア
ームまたは支柱を含む。他の実施形態では、バスケット2910は、略球形、卵形となり
得るか、または任意の他の好適な構成を有することができる。有利に、空気がバスケット
2910を通過して換気を維持することができる。複数の支柱は、それを通って冷却剤が
流れる通路、1つ以上の弁(例えば、スロットル、ジュールトンプソンスロットル、また
は同等物)を含むことができる。いくつかの実施形態では、強化した冷却のために、支柱
(5本の支柱で図示される)を通して極低温流体または冷媒を送達することができる。図
54および57に示された実施形態を、支柱に組み込むことができる。いくつかの実施形
態では、要素2912は、電極と、内部スロットル弁とを備える、エネルギー放出アセン
ブリの形態となり得る。
【0202】
図118は、部分的拡張構成のバスケット2910を示す。電極2912は、バスケッ
トが拡張するにつれて半径方向外向きに移動させられる。図119は、完全拡張構成の下
のバスケット29を示す。図119の枢軸または継手2914は、細長いシャフト291
8に対するバスケット2910の回転を提供することができる。これは、高度に曲線状の
管腔に沿ってバスケット2910を配置するときに、可撓性を可能にする。枢軸2914
は、関節動作継手、可撓性部材、ヒンジ、または比較的大量の回転を提供するための他の
好適な特徴によって形成することができる。
【0203】
本明細書で開示される送達デバイスは、消化器系、神経系、血管系、または他の体系を
治療することができる。例えば、血管系を治療するように、血管を通して、本明細書で開
示される細長いアセンブリ、管腔内カテーテル、および送達デバイスを送達することがで
きる。本明細書で開示される治療システムおよびその構成要素は、低侵襲性手技、切開手
技、半切開手技、または所望の標的部位へのアクセスを提供する他の外科的手技(例えば
、肺容量減少手術)等の別の医療手技中に、補助として使用することができる。胸部での
種々の外科的手技が、肺組織へのアクセスを提供してもよい。標的組織へのアクセスを提
供するために使用される、アクセス技法および手技は、外科医および/またはロボットシ
ステムによって行うことができる。当業者であれば、標的領域にアクセスすることができ
る多くの異なる方法があることを認識するであろう。
【0204】
本明細書で開示される送達デバイスは、ガイドワイヤ、送達鞘、光学器具、導入器、ト
ロカール、生検針、または他の好適な医療機器とともに使用することができる。標的治療
部位が患者の遠位場所(例えば、図1の肺根24の付近の治療部位)にある場合、部位に
アクセスするために広範囲の器具および技法を使用することができる。可撓性の細長いア
センブリは、例えば、上記で論議されるような内視鏡および気管支鏡等の操縦可能な送達
デバイスを使用して、患者体内に容易に設置することができる。
【0205】
半剛性または剛性の細長いアセンブリは、半切開手技、切開手技、またはいくらか真っ
直ぐな送達経路を提供する他の送達ツール/手技を使用し、トロカール、アクセスポート
、剛性送達鞘を使用して送達することができる。有利に、半剛性または剛性の細長いアセ
ンブリは、気道を通して細長いアセンブリを送達することなく、気道に沿った迷走神経、
神経枝、神経線維、および/または神経幹等の遠隔組織にアクセスし、治療するように十
分剛性となり得る。本明細書で開示される実施形態および技法は、気管支温熱療法等の他
の手技をとともに使用することができる。
【0206】
文脈が他に要求しない限り、本明細書および以下に続く請求項の全体を通して、「備え
る」という用語、および「~を備える」等のその変化形は、非限定的で包含的な意味で、
つまり、「を含むが、それらに限定されない」として解釈されるものである。
【0207】
上記で説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせる
ことができる。上記の詳細な説明を踏まえて、これらおよび他の変化を実施形態に行うこ
とができる。本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、
および技法は、2009年5月8日出願の出願第12/463,304号、2009年1
0月27日出願の米国仮特許出願第61/255,367号、および2009年11月1
1日出願の米国仮特許出願第61/260,348号で説明されている実施形態、特徴、
システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上と同様であって
もよい。これらの出願のそれぞれは、その全体で参照することにより本明細書に組み込ま
れる。加えて、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法
、および技法は、ある実施形態では、上記の米国特許出願第12/463,304号で開
示されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのい
ずれか1つ以上に適用されるか、またはそれらと関連して使用されてもよい。例えば、米
国特許出願第12/463,304号で開示されている装置は、本明細書で開示される電
極または他の特徴を組み込んでもよい。
【0208】
加えて、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、送達デバイス、材料、方法
、および技法は、ある実施形態では、上記の2009年5月8日出願の出願第12/46
3,304号、2009年10月27日出願の米国仮特許出願第61/255,367号
、および2009年11月11日出願の米国仮特許出願第61/260,348号で開示
されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいず
れか1つ以上に適用されるか、またはそれらと関連して使用されてもよい。
【0209】
一般に、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項で開示
される具体的実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、そのような請求項が享有
できる同等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。
したがって、請求項は、本開示によって限定されない。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
切除アセンブリであって、該切除アセンブリは、
エネルギーを出力して気管支樹の標的組織を切除するように構成されるエネルギーエ
ミッタアセンブリであって、該エネルギーエミッタアセンブリを通って冷却剤が流れるこ
とが可能であることにより、該エネルギーエミッタアセンブリの組織接触部分を冷却する
エネルギーエミッタアセンブリと、
折り畳み状態から拡張状態まで移動可能である配備可能要素であって、それにより、
該エネルギーエミッタアセンブリの該組織接触部分を該気管支樹の気管壁と接触させる配
備可能要素と、
該冷却剤を含有するように構成され、該気管壁と接触するように移動可能である冷却
部であって、それにより、エネルギーが該エネルギーエミッタから出力されているときに
、該エネルギーエミッタアセンブリの該組織接触部分に隣接する組織を冷却する冷却部と
を備える、切除アセンブリと、
該切除アセンブリに連結される細長いシャフトであって、該細長いシャフトを通って該
冷却剤が該切除アセンブリへと流れることが可能である細長いシャフトと
を備える、送達デバイス。
(構成2)
前記配備可能要素は、膨張可能部材を備え、前記冷却部は、該膨張可能部材の一部分を
備える、構成1に記載の送達デバイス。
(構成3)
前記配備可能要素は、拡張型バスケットを備え、前記冷却部は、該拡張型バスケットの
一部分を備える、構成1に記載の送達デバイス。
(構成4)
前記エネルギーエミッタアセンブリのチャネルは、前記配備可能要素のチャンバから分
離していることにより、前記細長いシャフトから該エネルギーエミッタアセンブリのチャ
ネルまでの第1の冷却剤、および該配備可能要素のチャンバまでの第2の冷却剤の独立し
た送達を可能にする、構成1に記載の送達デバイス。
(構成5)
前記エネルギーエミッタアセンブリは、冷却剤が流動するために通る冷却剤チャネルを
有する電極を含む、構成1に記載の送達デバイス。
(構成6)
前記細長いシャフトの第1の送達管腔は、前記電極の前記冷却剤チャネルと流体的に連
絡しており、該細長いシャフトの第2の送達管腔は、前記配備可能要素のチャンバと流体
的に連絡している、構成5に記載の送達デバイス。
(構成7)
前記エネルギーエミッタアセンブリの一部は、前記配備可能要素の周りに円周方向に延
在し、および該配備可能要素の長手軸の方向に該配備可能要素に対して自由に移動可能で
ある、構成1に記載の送達デバイス。
(構成8)
前記エネルギーエミッタアセンブリの冷却剤チャネルは、前記細長いシャフトの送達管
腔を前記配備可能要素のチャンバに流体的に連結し、該配備可能要素のチャンバは、該細
長いシャフトの帰還管腔に流体的に連結される、構成1に記載の送達デバイス。
(構成9)
前記配備可能要素は、第1の端部、第2の端部、および該第1の端部と該第2の端部と
の間に延在する換気通路を有する本体を含み、該換気通路は、該配備可能要素が前記拡張
状態にあるときに、該換気通路を通る吸気流および該換気通路を通る呼気流を可能にする
ように構成される、構成1に記載の送達デバイス。
(構成10)
前記エネルギーエミッタアセンブリと前記配備可能要素とは、独立して拡張可能である
、構成1に記載の送達デバイス。
(構成11)
前記折り畳み状態の前記配備可能要素は、前記エネルギーエミッタアセンブリの受容開
口部の中に挿入可能であり、前記拡張状態の該配備可能要素は、該エネルギーエミッタア
センブリを半径方向外向きに圧迫するように構成される、構成1に記載の送達デバイス。
(構成12)
前記エネルギーエミッタアセンブリは、前記配備可能要素が前記拡張状態にある間、前
記気管支樹に沿って延在する神経幹の一部分を切除することに十分な量の無線周波数エネ
ルギーを出力して、該気管支樹の一部分に伝送される神経系信号を減衰させるように構成
される無線周波数電極を含み、前記冷却部は、該エネルギーエミッタアセンブリと前記神
経組織との間の前記組織への損傷を制限または防止するために、気道から十分な量の熱エ
ネルギーを吸収する、構成1に記載の送達デバイス。
(構成13)
スロットルをさらに備え、該スロットルは、前記エネルギー放出アセンブリを通る前記
冷却剤の第1の流速および前記冷却部を通る該冷却剤の第2の流速を維持するように構成
される、構成1に記載の送達デバイス。
(構成14)
前記エネルギー放出アセンブリは、前記冷却部に流体的に接続されることにより、前記
冷却剤が該エネルギー放出アセンブリから該冷却部まで連続的に流れ、前記スロットルは
、該エネルギー放出アセンブリと該冷却部との間に配置される、構成13に記載の送達デ
バイス。
(構成15)
前記配備可能要素は、前記エネルギー放出アセンブリに流体的に接続される膨張可能部
材を備え、それにより、前記冷却剤が該エネルギー放出アセンブリから該膨張可能部材ま
でそれの膨張のために連続的に流れ、前記冷却部は、該膨張可能部材の一部分を備える、
構成13に記載の送達デバイス。
(構成16)
前記スロットルは、前記エネルギー放出アセンブリと前記膨張可能部材との間に配置さ
れる、構成15に記載の送達デバイス。
(構成17)
前記スロットルは、前記エネルギー放出アセンブリと前記膨張可能部材との間の前記冷
却剤の圧力を下げる、構成16に記載の送達デバイス。
(構成18)
前記細長いシャフトおよび前記配備可能要素のうちの少なくとも1つの上に設置される
可視的マーキングをさらに備え、該可視的マーキングは、前記エネルギーエミッタアセン
ブリの位置を示す、構成1に記載の送達デバイス。
(構成19)
前記配備可能要素は、前記エネルギーエミッタアセンブリが該配備可能要素の壁を通し
て視認可能であるように透明である、構成1に記載の送達デバイス。
(構成20)
切除アセンブリは、エネルギーを出力して気道の標的組織を切除するように構成される
電極を含み、該電極は、該気道に沿って軸方向に延在する第1の配向と、該電極全体が該
気道の隣接する軟骨輪の間の空間内に配置される第2の配向との間を移動可能である、送
達デバイス。
(構成21)
前記切除アセンブリは、前記気道の組織を冷却するための拡張型要素を含み、該拡張型
要素は、前記拡張型要素が拡張されるにつれて、前記電極を前記隣接する軟骨輪の間に着
座させるように構成される、構成20に記載の送達デバイス。
(構成22)
前記電極は、前記第1の配向において、前記切除アセンブリの長手軸に対してある角度
を成している、構成20に記載の送達デバイス。
(構成23)
前記電極は、該電極が前記第1の配向から前記第2の配向まで移動するにつれて、円周
方向に延在する配向に向かって移動する、構成20に記載の送達デバイス。
(構成24)
前記第1の配向の前記電極が前記切除アセンブリの長手軸の方向に延在する距離は、前
記第2の配向の該電極が該切除アセンブリの該長手軸の方向に延在する距離よりも大きい
、構成20に記載の送達デバイス。
(構成25)
折り畳み状態と拡張状態との間を移動可能な配備可能要素と、
該配備可能要素の少なくとも一部分を包囲する軟骨間エネルギーエミッタアセンブリで
あって、該エネルギーエミッタアセンブリの少なくとも一部分は、該拡張状態の該配備可
能要素に対して移動可能であることにより、気管支樹の気管壁の隣接する軟骨輪の間で該
エネルギーエミッタアセンブリの電極を押し進める、エネルギーエミッタアセンブリと
を備える、送達デバイス。
(構成26)
前記エネルギーエミッタアセンブリは、送達構成から配備構成まで移動可能であり、該
配備構成の該エネルギーエミッタアセンブリは、前記気道壁を圧迫して、前記隣接する軟
骨輪間の軟骨間空間の中に前記電極を移動させるように構成され、前記拡張状態の前記配
備可能要素は、該エネルギーエミッタアセンブリを該配備構成に保持する、構成25に記
載の送達デバイス。
(構成27)
前記エネルギーエミッタアセンブリの少なくとも一部分は、前記配備可能要素に対して
移動可能であることにより、前記電極が該配備可能要素に沿って軟骨間空間の中に移動す
ることが可能である、構成25に記載の送達デバイス。
(構成28)
前記エネルギーエミッタアセンブリは、前記配備可能要素から半径方向外向きに突出す
る、構成25に記載の送達デバイス。
(構成29)
前記電極は、前記配備可能要素が前記折り畳み状態にあるときの第1の配向から、該配
備可能要素が前記拡張状態にあるときの第2の配向まで旋回し、該電極は、該第2の配向
にあるときよりも該第1の配向にあるときに、長手軸に対して小さい角度を成している、
構成25に記載の送達デバイス。
(構成30)
前記エネルギーエミッタアセンブリの前記電極は、前記配備可能要素が拡張するときに
軟骨間空間に向かって移動するように構成される、構成25に記載の送達デバイス。
(構成31)
前記エネルギーエミッタアセンブリの前記電極は、前記配備可能要素が前記拡張状態に
あるときに、該配備可能要素に連結される細長いシャフトの長手軸と実質的に垂直である
想像上の平面内に配置される、構成30に記載の送達デバイス。
(構成32)
エネルギーエミッタアセンブリ、および膨張可能冷却バルーンを含む切除アセンブリで
あって、該エネルギーエミッタアセンブリは、冷却チャネルを含み、該膨張可能冷却バル
ーンは、冷却チャンバを含む、切除アセンブリと、
第1の流体を該冷却チャネルまで、および第2の流体を該冷却チャンバまで独立して送
達するように構成される細長いシャフトと
を備える、送達デバイス。
(構成33)
前記エネルギーエミッタアセンブリは、電極を含み、該電極は、前記第1の流体が前記
冷却チャネルを通って流れ、および前記第2の流体が前記冷却チャンバを通って流れる間
に、該電極と前記標的組織との間の非標的組織を破壊することなく該標的組織を切除する
ように構成される、構成32に記載の送達デバイス。
(構成34)
前記エネルギーエミッタアセンブリは、無線周波数エネルギー、超音波エネルギー、電
離放射、マイクロ波エネルギー、および電気エネルギーのうちの少なくとも1つを出力す
るように構成される、構成33に記載の送達デバイス。
(構成35)
前記細長いシャフトは、
前記第1の流体を前記冷却チャネルに送達するための第1の送達管腔と、
前記第2の流体を前記冷却チャンバに送達するための第2の送達管腔と
を備える、構成32に記載の送達デバイス。
(構成36)
前記細長いシャフトは、
前記冷却チャネルから該細長いシャフトの近位端まで前記第1の流体を送達するための
第1の帰還管腔と、
該冷却チャネルから該シャフトの該近位端まで前記第2の流体を送達するための第2の
帰還管腔と
を備える、構成35に記載の送達デバイス。
(構成37)
前記第1の送達管腔および前記第2の送達管腔に連結される流体送達システムをさらに
備え、該流体送達システムは、前記第2の流体の温度とは異なる温度で前記第1の流体を
出力することが可能である、構成35に記載の送達デバイス。
(構成38)
前記流体送達システムに通信可能に連結され、および前記切除アセンブリのセンサに通
信可能に連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該センサからの少な
くとも1つの信号に基づいて該流体送達システムに命令するように構成される、構成37
に記載の送達デバイス。
(構成39)
前記コントローラは、差動冷却プログラムを実行して、前記第2の流体の前記温度とは
有意に異なる温度で前記第1の流体を送達するように構成される、構成38に記載の送達
デバイス。
(構成40)
前記膨張可能冷却バルーンは、前記エネルギーエミッタアセンブリの電極を越えて近位
および遠位に延在することにより、該冷却バルーンが膨張させられたときに該電極が前記
気道壁に近接して保持される、構成32に記載の送達デバイス。
(構成41)
前記膨張可能冷却バルーンは、換気通路を画定し、該膨張可能バルーンが拡張させられ
たときに、該換気通路を通って呼気流および吸気流が流れることが可能である、構成40
に記載の送達デバイス。
(構成42)
細長いシャフトと、
該細長いシャフトに連結され、電極を含む切除アセンブリであって、該電極は、切除エ
ネルギーを放出することが可能であり、第1の端部、第2の端部、および該第1の端部と
該第2の端部との間の本体を有し、該第1の端部および該第2の端部のうちの少なくとも
1つは、切除エネルギー絶縁体によって覆われる、切除アセンブリと
を備える、送達デバイス。
(構成43)
前記切除エネルギー絶縁体の第1の部分は、前記第1の端部を覆い、該切除エネルギー
絶縁体の第2の部分は、前記第2の端部を覆い、前記電極の前記本体は、該第1の部分と
該第2の部分との間に延在する、構成42に記載の送達デバイス。
(構成44)
前記電極は、管状であり、前記切除エネルギー絶縁体は、該電極まで、または該電極か
ら冷却剤を送達するための冷却剤管を備える、構成42に記載の送達デバイス。
(構成45)
前記電極の前記本体は、弓形形状を有する、構成42に記載の送達デバイス。
(構成46)
送達デバイスを備える治療システムであって、該送達デバイスは、該送達デバイスに近
接する第1の組織表面にエネルギーを送達して、組織の標的領域を損傷するように構成さ
れ、それにより、該標的領域の最大断面幅を画定する該標的領域の一部分が、該第1の組
織表面から分離される、システム。
(構成47)
前記送達デバイスは、前記標的領域の前記最大断面幅が前記第1の組織表面から少なく
とも2mmの深さにあるように組織を損傷することが可能であるエネルギーエミッタアセ
ンブリを含む、構成46に記載の治療システム。
(構成48)
前記送達デバイスは、組織保護装置とエネルギー放出デバイスとを含み、該組織保護装
置とエネルギー放出デバイスとは、前記標的領域が前記組織内の平滑筋組織の領域よりも
深い深さにおいて最大化された幅を有するように、該標的領域の組織を損傷するように協
働する、構成47に記載の治療システム。
(構成49)
前記組織保護装置は、冷却剤を含有することにより前記標的領域の外側の組織を冷却す
るように構成される、構成48に記載の治療システム。
(構成50)
前記送達デバイスは、電極を有し、該電極は、損傷された組織の体積の大部分が気道壁
の平滑筋組織の領域の外側にあるようにエネルギーを出力して該組織を損傷する、構成4
6に記載の治療システム。
(構成51)
前記送達デバイスは、前記平滑筋組織への損傷が、もしある場合には、前記気道の反応
性または収縮を実質的に改変するために必要とされるものよりも少ないように、該平滑筋
組織への損傷を制限するために前記組織を冷却すること可能である、構成46に記載の治
療システム。
(構成52)
前記送達デバイスは、組織保護装置を含み、該組織保護装置は、前記組織の大部分が永
久的に損傷されない組織の保護領域を形成するように構成され、該組織の保護領域は、前
記標的領域と該送達デバイスとの間にある、構成46に記載の治療システム。
(構成53)
前記送達デバイスは、前記保護領域内の前記組織の大部分を永久的に損傷しないように
構成され、前記エネルギーは、該保護領域を通って伝わる、構成52に記載の治療システ
ム。
(構成54)
前記送達デバイスは、電極幅を有する電極を含み、該電極は、前記標的領域が、前記第
1の表面において該電極幅のせいぜい約150%である断面幅を有するように、エネルギ
ーを出力するように構成される、構成46に記載の治療システム。
(構成55)
被検体を治療する方法であって、
該被検体の気道の中に位置するエネルギーエミッタアセンブリの受容開口部を通して、
送達デバイスの冷却要素を移動させることと、
該冷却要素と該気道の壁との間に該エネルギーエミッタアセンブリの少なくとも一部分
を設置するように、該冷却要素を拡張することと、
冷却剤が該拡張した冷却要素および該エネルギーエミッタアセンブリを通って流れてい
る間に該気道の壁の組織を切除するために、該エネルギーエミッタアセンブリからエネル
ギーを送達することと
を含む、方法。
(構成56)
隣接する軟骨輪の間に前記エネルギーエミッタアセンブリの電極を保持することをさら
に含み、それにより、該エネルギーエミッタアセンブリから出力される前記エネルギーの
大部分が、隣接する軟骨輪の間に集束される、構成55に記載の方法。
(構成57)
前記拡張した冷却要素を通して第1の流速で第1の冷却剤を送達することと、
前記エネルギーエミッタアセンブリを通して第2の流速で第2の冷却剤を送達すること
であって、該第2の流速は、該第1の流速とは異なる、ことと
をさらに含む、構成55に記載の方法。
(構成58)
前記冷却要素を少なくとも部分的に拡張する間に、該冷却要素の遠位端と該冷却要素の
近位端との間に前記エネルギーエミッタアセンブリの弓形部分を設置することをさらに含
む、構成55に記載の方法。
(構成59)
前記冷却要素は、バルーンである、構成55に記載の方法。
(構成60)
被検体を治療する方法であって、
気管支樹の気道の中に切除アセンブリを移動させることであって、該切除アセンブリは
、冷却要素およびエネルギーエミッタアセンブリを含む、ことと、
該気道の壁を該冷却要素と接触させるように、該冷却要素を拡張することと、
該気道に沿って延在する神経幹の神経組織を損傷するように、該エネルギーエミッタア
センブリからエネルギーを送達することと、
該気道の壁を冷却して、該損傷した神経組織と該切除アセンブリとの間に位置する組織
における細胞死を制限または防止するように該エネルギーを送達する間に、冷却剤を流し
て該エネルギーエミッタアセンブリの少なくとも一部分と接触させることと
を含む、方法。
(構成61)
前記組織に向かって前記エネルギーエミッタアセンブリの放出ポートから外へ前記冷却
剤を送達することをさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成62)
前記組織を冷却するように、該組織に対して前記冷却剤を噴霧することをさらに含む、
構成60に記載の方法。
(構成63)
前記気道の前記壁を冷却する前記冷却剤の温度を低減するように、ジュールトムソンス
ロットルを通して該冷却剤を送達することをさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成64)
前記冷却剤に前記エネルギーエミッタアセンブリを通過させることは、該エネルギーエ
ミッタアセンブリの冷却チャネルを通して該冷却剤を送達することを含む、構成60に記
載の方法。
(構成65)
前記神経組織を損傷する前に、薄型送達構成から組織係合構成まで前記エネルギーエミ
ッタアセンブリを移動させることをさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成66)
前記組織係合構成の前記エネルギーエミッタアセンブリは、前記気道の前記壁の周りに
円周方向に延在する、構成65に記載の方法。
(構成67)
前記組織係合構成の前記エネルギーエミッタアセンブリは、コイル状の構成にある、構
成65に記載の方法。
(構成68)
前記薄型送達構成から前記組織係合構成まで前記エネルギーエミッタアセンブリを移動
させるように、細長いシャフトの遠位端に対して該エネルギーエミッタアセンブリを回転
させることをさらに含む、構成65に記載の方法。
(構成69)
細長いシャフトから前記エネルギーエミッタアセンブリまで冷却剤を送達することと、
該エネルギーエミッタアセンブリから前記冷却要素まで冷却剤を送達することと、
該冷却要素から該細長いシャフトまで冷却剤を送達することと
をさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成70)
前記エネルギーエミッタアセンブリおよび前記冷却要素を通して冷却剤を独立して送達
することをさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成71)
他の組織の温度を、細胞死が発生する温度より低く維持しながら、神経組織細胞死を引
き起こすように、前記エネルギーを使用して神経組織を加熱することをさらに含む、構成
60に記載の方法。
(構成72)
前記気道壁内の2mm未満の深さにある組織を、細胞死が発生する温度以下の温度に維
持しながら、該気道壁内の約2mmから約8mmの深さにある組織を、細胞死を引き起こ
すように加熱することをさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成73)
前記冷却要素を拡張することは、換気通路を形成することを含み、それにより、該換気
通路を通る吸気流および該換気通路を通る呼気流を可能にする、構成60に記載の方法。
(構成74)
送達導管の端部におけるポートから外へ前記冷却剤を送達することをさらに含み、該送
達導管の端部は、前記エネルギーエミッタアセンブリの電極に向かって前記切除アセンブ
リの長手軸から離れる方向に延在する、構成60に記載の方法。
(構成75)
前記冷却要素のチャンバを通して、および前記エネルギーエミッタアセンブリに向かっ
て送達導管の一部分を移動させることと、
該エネルギーエミッタアセンブリの電極を冷却するように、該送達導管の一部分から冷
却剤を送達することと
をさらに含む、構成60に記載の方法。
(構成76)
被検体を治療する方法であって、
気道内に送達デバイスの切除アセンブリを設置することと、
気管支樹の一部分に伝送される神経系信号が減衰させられるように神経幹の神経組織を
損傷するために、該切除アセンブリの電極からエネルギーを送達することと、
該切除アセンブリの該電極のチャネルを通して冷却剤を送達することと
を含む、方法。
(構成77)
前記電極が前記エネルギーを出力している間、該電極の前記チャネルを通して冷却剤を
送達することをさらに含む、構成76に記載の方法。
(構成78)
組織を治療する方法であって、
該組織の第1の表面付近に設置される送達デバイスから該組織までエネルギーを送達す
ることを含み、該エネルギーが、標的領域を損傷することにより、該標的領域の最大断面
幅を画定する該標的領域の一部分が、該第1の表面から分離される、方法。
(構成79)
前記標的領域の前記最大断面幅は、前記第1の組織表面から少なくとも2mmの深さに
ある、構成78に記載の方法。
(構成80)
前記第1の表面と、前記標的領域の前記最大断面幅を画定する該標的領域の一部分との
間の組織の狭窄領域を損傷することをさらに含む、構成78に記載の方法。
(構成81)
前記標的領域の前記最大断面幅が、前記組織内の平滑筋組織の領域よりも深い深さにお
いて最大化されるように、該標的領域の組織を損傷することをさらに含む、構成78に
記載の方法。
(構成82)
エネルギーを送達することは、前記標的領域の大部分が前記組織の平滑筋組織の領域の
外側にあるように該標的領域を損傷することを含む、構成78に記載の方法。
(構成83)
前記標的領域の断面の重心領域が、前記組織の平滑筋の領域よりも深いように、該標的
領域を損傷することさらに含む、構成78に記載の方法。
(構成84)
前記損傷した組織の体積の大部分は、平滑筋組織の領域の外側にある、構成78に記載
の方法。
(構成85)
前記送達デバイスから前記組織まで送達される前記エネルギーが、前記第1の表面から
ある深さに配置される該組織の前記標的領域を損傷するように、過敏反応性のまたは収縮
した気道の中に該送達デバイスを設置することをさらに含み、平滑筋組織への損傷は、該
気道の反応性および収縮を実質的に改変するために必要とされるものよりも少ない、構成
78に記載の方法。
(構成86)
エネルギーを前記組織に送達することは、該組織の大部分が永久的に損傷されない保護
領域を維持し、該保護領域は、前記標的領域と前記第1の表面との間にある、構成78に
記載の方法。
(構成87)
エネルギーを前記組織に送達することは、該エネルギーが通って伝わる前記保護領域の
中の組織の大部分を永久的に損傷しないことを含む、構成78に記載の方法。
(構成88)
エネルギーを前記組織に送達することは、該組織の前記標的領域が、前記第1の表面に
おける電極幅のせいぜい約150%である断面幅を有するように、該電極幅を有する電極
からエネルギーを送達することを含む、構成78に記載の方法。
(構成89)
エネルギーを送達する方法であって、
組織を電極の縁と接触させることなく、該組織と接触している電極表面にわたる実質的
に均一な電圧によって該電極からエネルギーを送達することを含む、方法。
(構成90)
前記エネルギーを送達しながら、前記送達デバイスの電極を通して冷却剤を送達するこ
とをさらに含む、構成89に記載の方法。
(構成91)
前記エネルギーを送達することは、前記均一な電圧を生成するために前記電極の複数の
サブ電極からエネルギーを送達することを含み、該複数のサブ電極は、該電極の前記表面
を画定する、構成89に記載の方法。
(構成92)
前記サブ電極は、相互から離間している、構成91に記載の方法。
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【手続補正書】
【提出日】2023-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。