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特開2023-166608清掃容易な加熱チャンバーを備えたエアロゾル発生装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166608
(43)【公開日】2023-11-21
(54)【発明の名称】清掃容易な加熱チャンバーを備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/85 20200101AFI20231114BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231114BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20231114BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231114BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20231114BHJP
【FI】
A24F40/85
A24F40/40
A24F40/465
A24F40/46
A24F40/30
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156685
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2020532757の分割
【原出願日】2018-12-18
(31)【優先権主張番号】17210344.2
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ルシオ ダニ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド キーサン ダスネイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】マーラー ボリス
(72)【発明者】
【氏名】モルー パトリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】清掃しやすい加熱チャンバーを含むエアロゾル発生装置を提供する。
【解決手段】エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバー30を備える。加熱チャンバ30は、開口部を有する第一の端32、基部35を有する第二の端34、および基部35から実質的に垂直に延びる側壁31によって画定される。基部35の周囲部分は、基部35と側壁31の内部表面35a、35b間の面取りされたまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーであって、開口部を有する第一の端と、基部を有する第二の端と、前記開口部と前記基部との間に延びる側壁と、を含む、加熱チャンバーを備え、
くぼみが前記基部と側壁の内部表面によって画定され、前記基部の周囲部分は、前記基部と前記側壁の内部表面間の面取りされたまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされる、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記側壁が、前記基部と直角をなす方向に実質的に延びる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記基部と前記側壁の前記内部表面間の前記面取りされたまたはフィレットされた交点が、前記基部の周囲の周りに実質的に延びる、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記装置が、加熱組立品および電源をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記加熱組立品が、前記基部の内側部分を通って前記加熱チャンバー内に延びるヒーターを備え、前記基部の前記内側部分が、前記基部と前記ヒーターの間の面取りされたまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされる、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記電気ヒーターが抵抗ヒーターまたは誘導ヒーターである、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記ヒーターがサセプタであり、前記加熱組立品がインダクタコイルをさらに含む、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ヒーターが、前記側壁に平行な方向に前記加熱チャンバー内に実質的に延びる、請求項5~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記加熱手段が外部ヒーターを備える、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記加熱チャンバーの前記開口部が前記側壁によって画定され、前記開口部が前記基部に対向するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記基部が前記加熱チャンバーの側壁と一体的に形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記基部が前記装置から取り外し可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記基部が取り外し可能であって、前記加熱チャンバーの前記第一の端の前記開口部を通して挿入可能である、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記基部が取り外し可能であって、前記加熱チャンバーの前記第二の端に隣接した前記加熱チャンバーの側壁の前記開口部を通して挿入可能である、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記基部が、取り外しツールと係合するための係合手段を有する、請求項12~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル形成基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを形成するためのエアロゾル発生装置に関する。特に、本発明は、清掃しやすい加熱チャンバーを含む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生するための装置は、当業界で公知である。こうした装置は通常、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受ける加熱チャンバーを含む。また、こうした装置は通常、吸入可能なエアロゾルを発生するために加熱チャンバー内にエアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒーター組立品も含む。例えば、WO2013/102614号は、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受けるための加熱チャンバーを含む、エアロゾル発生装置を開示している。使用時、エアロゾル発生物品を加熱チャンバー内に挿入して、チャンバー内に配置されたヒーター上に突き刺す。その後、ヒーターが起動して、エアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾルを発生し得る。消費の後、エアロゾル発生物品は装置から取り外されて廃棄される。
【0003】
こうしたエアロゾル発生装置内のエアロゾル形成基体の挿入、取り外し、および加熱は通常、加熱チャンバー内に遊離した破片などの残留物を生成する。加熱プロセスからの残留物は、ヒーター上、特に基体内に貫通する内部ヒーター上に蓄積し得る。残留物はまた、加熱チャンバーの内壁上にも蓄積し得る。エアロゾル発生物品からのエアロゾル形成基体の粒子または断片は、エアロゾル形成基体が加熱チャンバーに挿入された時、または加熱チャンバーから取り外された時に、遊離して加熱チャンバー内に放出され得る。これらの破片の形態は、経時的に、そして装置の複数回の使用に伴い加熱チャンバー内に蓄積し得る。特に、破片は加熱チャンバーの基部または閉端部の周りに蓄積し得る。内部ヒーターがある場合、破片はヒーターの基部の周りにも蓄積し得る。蓄積された破片は、例えば、エアロゾル形成基体を加熱することが意図されているヒーターから熱の一部を吸熱することにより、装置を通る気流に影響を与えることにより、またはエアロゾル発生物品の挿入および取り外しを阻害することによって、装置の有効な動作を妨げかねない。
【0004】
エアロゾル発生装置の加熱チャンバー通常、エアロゾル発生物品の一部を密接に収容するようにサイズ設定および形状設定される。したがって、例えば、従来的な紙巻たばこのような形状のエアロゾル発生物品の端部を収容するための加熱チャンバーは、物品の端部の外側寸法よりもわずかに大きな寸法を有する円筒形の加熱チャンバーであり得る。一般的に、使用間にエアロゾル発生装置の加熱チャンバーを清掃して、残留物および破片の蓄積を最小化することが望ましい。使用の合間に加熱チャンバー内にブラシを挿入し、蓄積された残留物を外して除去することは公知である。しかしながら、エアロゾル発生装置内の加熱チャンバーの一般的に小さなサイズ、さらに加熱チャンバー内の鋭角の存在により、蓄積された残留物を除去するのにブラシは完全には有効でない場合がある。清掃をさらに効果的にすることが望ましいこととなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によると、エアロゾル形成基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを形成するためのエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーを備える。加熱チャンバーは、開口部を有する第一の端と、基部を有する第二の端と、開口部と基部との間に延びる側壁とを含み、ここでくぼみが基部と側壁の内部表面によって画定される。基部の周囲部分は、基部と側壁の内部表面間の面取りされたまたはフィレット(filleted)された交点を提供するような輪郭とされる。
【0006】
本明細書で使用される場合、「交点(intersection)」という用語は、二つの表面が接する領域を意味する。例えば、交点は、側壁の内部表面が基部の内部表面と接する領域で加熱チャンバーに形成される。一部の実施形態では、装置は基部を通って加熱チャンバー内に延びるヒーターを備えることができ、また基部がヒーターの表面に接する領域で交点が形成される場合もある。本明細書で使用される交点は一般に、180°未満の角度で接する面を意味する。こうした交点は、内角と称され得る。本発明のエアロゾル発生装置などのエアロゾル発生装置の加熱チャンバーでは、表面間の交点は、基部および側壁の内部表面などの表面が、典型的には相互に実質的に垂直に延びるため、一般的に約90°である。実質的に90°以下の角度を有する交点は、ブラシなどのツールをそのような鋭角によって作られた小さな空間に挿入するのが困難であり得るため、清掃しにくい場合がある。
【0007】
加熱チャンバー内の表面間の交点は、加熱チャンバーの清掃を容易にするために90°より大きい角度を有することが望ましい。加熱チャンバー内の表面間の交点または内角は、90°より大きく、かつ180°未満の角度を有し得る。
【0008】
本明細書に開示される加熱チャンバーは輪郭付けされた基部を有し、そのため、基部と側壁の内部表面の間の交点が面取りまたはフィレットされたような輪郭とされる。こうした面取りされたまたはフィレットされた交点は、加熱チャンバー内の基部と側壁の内部表面の間の交点を清掃することの困難を低減し得る。
【0009】
本明細書で使用される場合、「面取り(chamfer)」という用語は、二つの面の間の実質的に直線の遷移端に関連する。さもなければ鋭い内角(180°未満の角度の交点)で接する二つの表面の間の直線的な遷移端を提供することにより、二つの表面間の交点に生じるであろう鋭角を二つの交点(第一の表面と遷移端との間の第一の交点および第二の表面と遷移端との間の第二の交点)に置き換えることができ、その交点のそれぞれが二つの表面の間の交点の角度よりも大きい、または鋭くない角度を有する。
【0010】
例えば、加熱チャンバーは、相互に実質的に垂直に延び、かつ90°の角度の交点で接する内部表面を有する基部および側壁を有し得る。しかしながら、基部がその周囲で、基部と側壁の内部表面の間に面取りされた交点を提供するような輪郭とされる場合、本発明によれば、基部と側壁の間に直線の遷移端が提供される。基部の周囲における直線的な遷移端の基部の一般平面対する角度が135°である場合、直線的な遷移端もまた135°で側壁と交差する。したがって、基部と側壁の間の面取りされた交点は、135°の二つの交点を有すると考えられ、90°の基部と側壁の間の単一の交点と置き換わる。
【0011】
本明細書で使用される場合、「フィレット(fillet)」という用語は、二つの表面間の湾曲した遷移端に関連する。さもなければ鋭い交点または内角で接する二つの表面間に湾曲した遷移端を提供することにより、二つの表面間の交点に生じであろう鋭い角度が、二つの表面間の鋭い交点よりも低い曲率を有する曲線で置き換えられ得る。
【0012】
輪郭付けされた基部によって提供される面取りまたはフィレットは、特に清掃が困難となり得る基部と側壁の内部表面の交点の部分を効果的に充填する。
【0013】
加熱チャンバーの側壁は、実質的に基部に対して直角を成す方向に延びてもよい。本明細書で使用される場合、「直角を成す」という用語は、加熱チャンバーの基部と側壁との間の相対的な配向など、装置またはシステムの二つの部品の実質的に直交する相対的な配向に関する。典型的には、側壁は、基部から離れるように延び、基部を実質的に囲んで加熱チャンバーのくぼみを画定する。一部の実施形態では、側壁は、基部に物理的に接続されてもよい。一部の実施形態では、基部は側壁から分離可能であって、側壁に対して可動であり得る。
【0014】
破片は、加熱チャンバーの第二の閉鎖端部における基部が側壁と接する部分、およびヒーターが基部から上方に突出する部分など、加熱チャンバー内の交点または内角に蓄積し得る。加熱チャンバーから破片を清掃するために、ブラシなどの清掃ツールを加熱チャンバーの開口部を通して挿入し、内部表面上に移動して遊離した破片などの残留物を除去することができる。既存の装置では、加熱チャンバー内の内角または交点の一部は90°以下の角度を有し得るが、これは清掃ツールでのアクセスが困難である。このように、これらの加熱チャンバーから蓄積した破片を適切に除去することは困難であり得る。本発明に従って、基部の周囲部分が面取りまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされている場合、基部と側壁の間の鋭い角度の交点は効果的に充填され得る。加熱チャンバー内の表面間の交点で生じる鋭角を充填することにより、ブラシなどの清掃ツールが容易に加熱チャンバーの内部表面のすべての部分にアクセスでき、それによって清掃プロセスをより迅速かつより効率的にする助けとなる。
【0015】
基部の周囲部分は、基部が側壁と接するまたは当接する部分の周りの基部の外部または周囲部分である。基部の周囲部分は、基部の内側部分の半径方向外側にある。基部の内側部分は実質的に平面であってもよく、実質的に平面に延びていてもよい。内側部分の平面は、加熱チャンバーの側壁に対して実質的に垂直であってもよい。周囲部分が上向きに、加熱チャンバーの開口部に向かって、直線状の端で面取りされた基部の内側部分から延びるように周囲部分を輪郭付けすることにより、基部の周囲部分が、輪郭付けなしの場合より大きい角度で加熱チャンバーの側壁と接することができる。周囲部分が上向きに、加熱チャンバーの開口部に向かって、側壁と実質的に平行(基部に対して典型的には垂直)となるまで曲線で基部の内側部分から延びるように周囲部分を輪郭付けすることにより、周囲部分は二つの表面が接する点で側壁と平行になることができる。両方のタイプの輪郭は、基部と側壁の内部表面の間に面取りまたはフィレットされた交点を作り出すことによって、基部および側壁の内部表面の間に鋭角が形成されるのを防止し得る。
【0016】
面取りされた交点またはフィレットされた交点に生じる角度は、好ましくは約90°より大きく、約100°より大きく、約110°より大きく、約120°より大きく、または約135°より大きい。言い換えれば、面取りされたまたはフィレットされた交点は、全て比較的開放的な角度を提供し、清掃するためにブラシによるアクセスが容易である。ブラシは面取りされた、またはフィレットされた交点により容易にアクセスでき蓄積した破片を除去することができる。特に、フィレットされた交点は、ブラシヘッドの凸状の外形の曲率に一致する曲率を有する凹状の湾曲を有するように構成され得る。例えば、フィレットされた交点は、標準的な丸みのあるブラシの外形に一致するような形状とされてもよい。これにより、実質的に変形する必要なく、ブラシがフィレットされた交点のすべての部分に達することが確実になる。これにより、ブラシは加熱チャンバーのすべての領域により簡単に達することができ、こうしてブラシによる清掃効率が改善され得る。
【0017】
本発明の加熱チャンバーは、少なくとも一つの側壁を有する。加熱チャンバーが単一の側壁を有する場合、側壁は実質的に基部の周囲の周りに延び得る。加熱チャンバーが複数の側壁を有する場合、側壁は実質的に基部の周囲の周りに延びるように配置され得る。加熱チャンバーは、適切な任意の数の側壁を有し得る。当然のことながら、単一の側壁を有する加熱チャンバーの特徴への言及は、複数の側壁を有する加熱チャンバーにも等しく適用され得る。
【0018】
基部と側壁の内部表面の間の面取りされたまたはフィレットされた交点は、基部の周囲の周りに実質的に延びてもよい。面取りされたまたはフィレットされた交点は、基部の周囲一杯または全体に延びてもよい。この構成では、基部と側壁の内部表面の間の交点または角は、基部の全周の周りを効果的に充填し、そのため、エアロゾル発生物品のあらゆる部分から蓄積した破片が面取りまたはフィレット上に蓄積する。
【0019】
加熱チャンバーの開口部は、側壁の第一の端によって画定され得る。例えば、側壁は、基部の周囲全体の周りに延びてもよく、実質的に垂直方向に基部から延びてもよく、それによって実質的に円筒形の管を形成する。基部の反対にある、第一の端における側壁の終端は、基部と側壁の内側表面の間で、加熱チャンバーが管内に画定された状態で、開口部を提供し得る。開口部は概して基部の反対側に配置される。このような配置では、加熱チャンバーは、従来的な紙巻たばこに似ているエアロゾル発生物品の一部分を受けるように構成され得る。
【0020】
基部は、加熱チャンバーの側壁と一体的に形成され得る この構成では、基部と側壁との間に全く間隔がない場合がある。従って、基部の周囲の周りに破片が落下したり蓄積したりするオリフィスまたは開口部がないため、装置はブラシで清掃しやすい。要素を一体的に形成することはまた、装置の製造および組立を単純化し得る。
【0021】
一部の実施形態では、基部は装置から取り外し可能である。この構成では、加熱チャンバーの基部を加熱チャンバーから完全に取り外すことができる。破片の大部分は基部上に蓄積する。基部が取り除かれると、ブラシの動きが加熱チャンバーの範囲内に限定されないため、ユーザーによってブラシでより簡単に清掃することができる。一部の実施形態では、基部は再利用可能であり得る。再利用可能な基部を取り外して清掃し、清掃した基部を加熱チャンバーに再挿入してもよい。一部の実施形態では、基部は使い捨て式であり得る。これらの実施形態では、基部が加熱チャンバーから取り外されると廃棄されてもよく、基部は加熱チャンバーから取り外されて廃棄され、新しい基部が加熱チャンバーに挿入され得る。基部は、加熱チャンバーから取り外し可能であり得、加熱チャンバーの第一の端の開口部を通して加熱チャンバーに挿入可能であり得る。エアロゾル形成基体は、基部と同じ開口部を通して加熱チャンバー内に挿入可能であり得る。この構成は、加熱チャンバーが単一の開口部を有することを可能にし得るが、これは加熱チャンバーが単純な構造を有することを可能にし得る。加えて、加熱チャンバー内に延びるヒーターを備える実施形態については、この構成は、ユーザーの加熱チャンバーへのアクセスポイントの数を制限し得る。これは、ヒーターがまだ高温である時にヒーターに接触することからユーザーを実質的に保護し得る。
【0022】
基部は、加熱チャンバーから取り外し可能であり得、加熱チャンバーの側壁の開口部を通して加熱チャンバー内に挿入可能であり得る。加熱チャンバーの側壁の開口部は、加熱チャンバーの第二の端に隣接し得る。加熱チャンバーの側壁に開口部を提供することにより、この第二の開口部が基部との使用のために特に構成されることができる。開口部を加熱チャンバーの第二の端に隣接させて位置付けることにより、残留物収集装置が挿入または取り外された時に加熱チャンバー内で基部が移動しなければならない長軸方向の距離が最小化され得る。
【0023】
基部が取り外し可能である一部の実施形態では、基部は取り外しツールと係合するための係合手段を含み得る。ツールは、加熱チャンバーから基部を取り外すための適切な任意のツールとし得る。係合手段は、基部の少なくとも一つの側面のノッチとし得る。こうした実施形態では、ツールは、ツールが基部と係合して、加熱チャンバーから基部を引き出すのに使用されるように、ノッチと係合するためのフックまたはクリップを含み得る。係合手段は、少なくとも基部の一部分に配置された磁性材料であり得る。こうした実施形態では、取り外しツールは、ツールが加熱チャンバーから残留物収集装置を引き出すのに使用され得るように、基部の磁性材料を引き寄せるために一方の端に磁性材料を含み得る。
【0024】
取り外しツールの提供により、取り外しまたは挿入中にユーザーが基部に直接触れる必要性を排除され得る。これは、破片などの残留物が基部上に蓄積された時、取り除く間に有利であり得る。取り外しツールの提供により、また、ユーザーが、加熱チャンバーから残留物収集装置を取り外す前にそれが冷却するのを待つ必要性が排除され得る。
【0025】
基部の周囲部分全体は、基部と側壁の内部表面間の面取りされたまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされ得る。
【0026】
基部は任意の適切な材料で形成され得る。
【0027】
一部の実施形態では、基部が金属で形成され得る。金属基部は、使用中に装置内で発生する温度よりも著しく高い融点を有し得る。したがって、加熱プロセスは、経時的に基部に影響または損傷を与えるべきでない。さらに、基部は高い熱伝導率を有する金属で形成されてもよく、そのため、基部は加熱チャンバーが加熱されると熱をエアロゾル形成基体に伝達し得る。一部の実施形態では、基部に蓄積する破片が加熱された基部に接着する可能性が低くなり得る。従って、高い熱伝導率を有する基部を提供することにより、基部がより簡単に清掃可能となり得る。基部を形成するために適切な任意の金属材料が使用され得る。適切な金属の特定の例として、アルミニウムまたはステンレス鋼が挙げられる。
【0028】
一部の実施形態では、基部はプラスチック材料で形成されてもよい。プラスチック材料で形成された基部は、成形によって便利に製造され得る。これは、安価で単純な製造技術であり得る。基部を形成するために適切な任意のプラスチック材料が使用され得る。例示的な適切なプラスチック材料は、PEEKである。
【0029】
基部には低摩擦コーティングなどの被覆が提供されてもよく、それによって基部への破片の接着をさらに低減できる。
【0030】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。適切なエアロゾル形成基体は、ニコチン、植物由来材料、均質化した植物由来材料、または少なくとも一つのエアロゾル形成体、またはその他の添加剤もしくは成分(風味剤など)を含んでもよい。適切な基体は、たばこプラグなどの固体形態であってもよい。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含んでもよい。
【0031】
たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料はシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で5パーセント~30重量パーセントであってもよい。一部の実施形態では、均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。一部の実施形態では、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、一つ以上の内因性結合剤(たばこ内因性結合剤)、一つ以上の外因性結合剤(たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。一部の実施形態では、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成され得る。
【0032】
エアロゾル形成基体は、担体または支持体に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填される場合がある。
【0033】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル形成基体を含む物品に関する。エアロゾル発生物品は、不燃性のエアロゾル発生物品であってもよい。不燃性のエアロゾル発生物品は、例えばエアロゾル形成基体を加熱することにより、化学反応により、またはエアロゾル形成基体の機械的な刺激により、エアロゾル形成基体を燃焼することなしに揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品である。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品としてもよい。エアロゾル発生物品は、紙巻たばこなどの従来の喫煙物品と似ていてもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、部分的に再使用可能であってもよく、また補充可能または交換可能なエアロゾル形成基体を含んでもよい。
【0034】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体と相互作用してユーザーが吸入可能なエアロゾルを発生させるために、電源からエアロゾル発生手段にエネルギーを供給するために使用される一つ以上の構成要素を含み得る。電源は外部電源でもよく、またはオンボード電池などの装置の一部を形成してもよい。エアロゾル発生手段は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するための適切な任意の手段とし得る。例えば、エアロゾル発生手段は電気ヒーターであってもよい。
【0035】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生手段を含み得る。エアロゾル発生手段、は適切な任意のエアロゾル発生手段であってもよい。例えば、エアロゾル発生手段は、装置の加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒーターを含み得る。ヒーターは、エアロゾル形成基体を加熱して、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生するように構成され得る。ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとし得る。
【0036】
ヒーターは加熱チャンバー内に延びてもよい。ヒーターは、基部を通って加熱チャンバー内に延び得る。ヒーターは、加熱チャンバー内の中央に配置されてもよく、基部の中央部分を通って延びてもよい。加熱チャンバー内に延びるヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体を貫通するように配置され得る。この種類のヒーターは、内部ヒーターと呼ばれ得る。本明細書で使用される場合、「内部ヒーター」とは、エアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に受けられた時にエアロゾル形成基体内に挿入されるように構成されたヒーターに関する。内部ヒーターは、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体に直接的に接触させるために、エアロゾル形成基体内に挿入され得る。内部ヒーターは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を内部から加熱するように構成される。内部ヒーターの使用は、基体を効率的に加熱するためにエアロゾル形成基体と直接接触し得るため、有利であり得る。基部の内側部分は、比較的平坦または平面な部分であってもよい。基部の内側部分は、基部の周囲部分の半径方向内側に位置する。
【0037】
基部を通って加熱チャンバー内に延びるヒーターを含む実施形態では、基部は、基部とヒーターの少なくとも一つの表面との間にまたは面取りされた交点またはフィレットされた交点を提供するような輪郭である。この構成は、ヒーターが基部から外向きに突出するときに、基部の底部とヒーターの一つ以上の表面との間の交点を効果的に埋める。ヒーターが基部を通って実質的に基部に対して直角を成して加熱チャンバー内に延びる場合、ヒーターの表面と基部との間の交点は90°の角度を有する。ヒーターが90°以外の角度で基部を通って延びる場合、ヒーターの表面と基部との間の交点はヒーターの側面間で変化し、一方の側面上には、ヒーターと基部との間に鋭角が存在し得る。これらの構成の両方において、交点内に蓄積する破片を、ブラシなどの清掃用ツールで清掃することは困難である場合がある。面取りまたはフィレットを交点に提供することにより、鋭角が埋まる。面取りされた、またはフィレットされた交点の角度は比較的開いているため、清掃するためにブラシなどの清掃用ツールでアクセスすることが容易であり得る。言い換えれば、ブラシは面取りされた、またはフィレットされた交点により容易にアクセスして蓄積した破片を外し得る。
【0038】
ヒーターは、側壁と実質的に平行な方向に加熱チャンバー内に延び得る。ヒーターは、管状または円筒形の加熱チャンバーの長軸方向軸と実質的に平行に延びてもよい。ヒーターは、加熱チャンバーの長さの一部分に沿って延びてもよい。一部の実施形態では、ヒーターは、加熱チャンバーの実質的に全長に延びてもよい。エアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に挿入される時、ヒーターは、エアロゾル形成基体の大きな割合と直接接触するように配置され得る。本明細書で使用される場合、「長さ」とは、加熱チャンバーの第二の端と加熱チャンバーの第一の端との間の距離(すなわち、基部と開口部との間の距離)などの、装置、基体または装置または基体の一部分または部分の最大の長軸方向寸法を指す。
【0039】
ヒーターは、加熱チャンバー内の中央に位置してもよい。言い換えれば、ヒーターは、加熱チャンバーの中心長軸方向軸に実質的に沿って延びてもよい。この構成では、ヒーターにおいて加熱チャンバー内で発生した最高温度は、加熱チャンバーの中心長軸方向軸に沿って発生し得る。この構成では、ヒーターは、中央領域から外向きに、加熱チャンバー内のエアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾル形成基体の全ての側面を均等に加熱するように配置され得る。ヒーターは、すべての側面上で、加熱チャンバーの側壁から実質的に等距離に配置されてもよい。
【0040】
一部の実施形態では、ヒーターは、実質的に側壁と直角を成して加熱チャンバー内に延びてもよい。こうした構成では、ヒーターは、細長い加熱チャンバーにわたって横断方向に延び得る。本明細書で使用される場合、「横断方向」という用語は、加熱チャンバーの長軸方向軸に対して直角を成す方向などの、装置、基体、または装置または基体の一部分または部分に対して直角を成す方向に関する。
【0041】
ヒーターは外部ヒーターとし得る。本明細書で使用される場合、「外部ヒーター」とは、加熱チャンバー内のエアロゾル形成基体、または加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル発生物品の任意の部分を貫通しないヒーターを指す。外部ヒーターは、加熱チャンバーの内表面に、またはその周りに位置付けられ得る。一部の実施形態では、外部ヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル発生物品の外表面と接触し得る。一部の実施形態では、外部ヒーターは、エアロゾル形成基体または加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル発生物品の任意の部分に直接的または物理的に接触しない場合がある。外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内であるが、加熱チャンバーの外側または外部に位置付けられてもよい。外部ヒーターを有する加熱チャンバーはオーブンと呼ばれる場合があり、外部ヒーターはオーブンヒーターと呼ばれる場合がある。
【0042】
ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとし得る。例えば、ヒーターは電気抵抗性のある発熱体であってもよい。こうした発熱体は、装置の電源に直接接続されてもよく、装置の電源からの電流は、抵抗発熱体で熱へと直接的に変換されてもよい。このタイプのヒーターは、装置内に必要な部品の数を最小化し得る。
【0043】
ヒーターは加熱組立品の一部であってもよい。加熱組立品は、適切な任意のタイプの加熱組立品であってもよい。例えば、加熱組立品は電気加熱組立品であってもよい。加熱組立品が電気加熱組立品である場合、エアロゾル発生装置は、加熱組立品に電力を供給するための電源も含み得る。
【0044】
当然のことながら、使用され得る多くの加熱組立品がある。例えば、加熱組立品は、加熱チャンバー内に延びるサセプタ素子の形態のヒーターを含んでもよく、加熱組立品はさらに、サセプタを加熱するように構成された加熱チャンバーに、またはその周りに配置されたインダクタを含み得る。例えば、インダクタは、加熱チャンバーの外側に配置される、またはサセプタ内の加熱用電流を誘発するように作用する加熱チャンバーを囲むコイルを含んでもよい。
ここで特定の実施形態を詳細に論じ、かつ以下の図で例証としてのみ示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1a図1aは、従来的な内部加熱式加熱チャンバーの切欠図を示す。
図1b図1bは、ブラシを含む図1aの加熱チャンバーを示す。
図2a図2aは、本発明の実施形態による内部加熱式加熱チャンバーの切欠図を示す。
図2b図2bは、ブラシを含む図2aの加熱チャンバーを示す。
図3a図3aは、ヒーターブレードの周りに配置された、本発明の第二の実施形態による取り外し可能な基部の側面図を示す。
図3b図3bは、本発明の第二の実施形態による取り外し可能な基部の上面図を示す。
図3c図3cは、ヒーターブレードの周りに配置された、本発明の第二の実施形態による取り外し可能な基部の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1aは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー10の概略図である。加熱チャンバー10は、エアロゾル形成基体を受けて加熱するように構成される。加熱チャンバー10は、開口部13を有する第一の端12と、基部15を有する第二の端14と、開口部13と基部15との間に延びる側壁11と、を含む。側壁11は、基部15によって第二の端14で実質的に閉じられる環状の円筒形チューブであり、これは概して平面の円形ディスクの形態である。くぼみ17は、基部15および側壁11の内部表面によって画定される。加熱チャンバー10は、エアロゾル形成基体をくぼみ17内に、第一の端12の開口部13を通して受けるように構成される。
【0047】
加熱チャンバー10は、対向する第一および第二の面18aおよび点18bで終端する細長い、平面の加熱ブレードの形態の内部ヒーター18を含む。ヒーター18の対向する第一および第二の面18aは、ヒーター18の幅および長さによって画定される。ヒーター18の長さ寸法はその幅寸法よりも大きいが、幅寸法はその厚さ寸法よりも大きい。ヒーター18は、加熱チャンバー10の閉じた第二の端14で基部15からくぼみ17内に延びる。ヒーター18は一般に、加熱チャンバー10の中央長手方向軸に沿って、基部15に垂直に、側壁11に平行に整列する。
【0048】
たばこのロッドなどのエアロゾル形成基体(図示せず)は、遠位端にエアロゾル形成基体、近位端にフィルターを有する、エアロゾル発生物品の一部として一般的に提供される。使用時、エアロゾル形成基体は、ヒーター18の先細の点18bが基体と係合するように、加熱チャンバー10の開端部12を通してくぼみ17内に挿入される。エアロゾル発生物品に力を加えることによって、ヒーター18はエアロゾル形成基体の中へと貫通する。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置と完全に係合する時、エアロゾル形成基体はくぼみ17内に実質的に受けられ、ヒーター18はエアロゾル形成基体によって囲まれる。ヒーター18が作動する時、エアロゾル形成基体はヒーター18により温められ、基体から蒸気として揮発性物質が発生または放出される。ユーザーが物品のマウスピースを吸うと、空気がエアロゾル発生物品内に引き込まれ、揮発性物質が凝縮して吸入可能なエアロゾルを形成する。このエアロゾルは、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気中に閉じ込められ、エアロゾル発生物品のマウスピースを通って、ユーザーの口内へと入る。
【0049】
加熱チャンバー10のくぼみ17内へのエアロゾル形成基体の挿入、およびくぼみからの基体の取り外しの間、遊離した基体がチャンバー17中に放出され、基部15で望ましくない破片22を形成し得る。基体からの残留物(図示せず)はまた、ヒーター18の表面18a上にも堆積し得る。図1aおよび1bでは、破片22は、基部15の内部表面と側壁11の内部表面との間の交点25で加熱チャンバー10内に蓄積して示される。破片22はまた、基部15の内部表面とヒーター18の表面18aとの間の交点27に蓄積して示される。
【0050】
ブラシなどのツールは、加熱チャンバー10から破片22を、ヒーター18から残留物を清掃するために提供され得る。図1bでは、加熱チャンバー10内の清掃ブラシ28が示される。ブラシ28のヘッドは円形の長軸方向の断面を有する。加熱チャンバーは第二の端14に実質的に長方形の断面を有するため、ブラシ28のブラシ毛(図示せず)は、加熱チャンバー10の角または交点25、27に達しない。ブラシ28のブラシ毛は、一部のブラシ毛が加熱チャンバー10の交点25、27に達することを可能にするために変形可能であり得る。しかしながら、交点25、27に達するためにブラシ28のブラシ毛を変形させることにより、加熱チャンバー10を清掃するためにユーザーに必要とされる労力を受け入れがたいほど増大させ得、ブラシを傷めるか、またはブラシ毛をより柔らかく、またはより変形可能であることを求めることによって、ブラシの効率を低減させ得る。
【0051】
図2aでは、本発明の実施形態による加熱チャンバー30が示される。加熱チャンバー30は、側壁11と同一の側壁31と、第一の端12と同一の第一の端32と、ヒーター18と同一のヒーター38と、を有する、図1aの加熱チャンバー10と実質的に類似している。しかしながら、加熱チャンバー30は、その周囲で輪郭付けされて、基部35の内部表面と側壁31の間の基部35の外側端の周りで面取り部35aを形成する、第二の端34に基部35を有する。面取り部35aは、基部35の内部表面と側壁31の内部表面との間に延び、基部35の内部表面と外壁31の内部表面との間の交点を効果的に充填する実質的に直線状の端である。チャンバー35aは、基部35の一般平面から約135°の角度で上向きに延びる。面取り部35aの外側端は、側壁31の周囲全体の周りの側壁31の内部表面に約135°の角度で当接する。基部35は、基部35の内部表面とヒーター38の表面38aとの間に内部面取り部35bを作り出すために、中央領域でさらに輪郭付けられる。内部面取り部35bは、基部35の内部表面とヒーターブレード表面38aとの間に延び、基部35の内部表面とヒーター表面38aとの間の交点を効果的に充填する。内部面取り部35bは、基部の一般平面から約135°の角度で上方に延び、内部面取り部35bの内部端は、ヒーターの下側部分の周囲全体の周りで約135°の角度でヒーター表面38aに当接する。
【0052】
図2bでは、加熱チャンバー30内のブラシ28が示される。ブラシ28の円形プロファイルは、基部35の内部表面のプロファイル、特に面取り部35a、35bにおいて緊密に対応する。ブラシ28が加熱チャンバー30に挿入されると、ブラシ毛(図示せず)は、面取り部35a、35bの全表面と接触することができる。したがって、ブラシ28は、面取り部35a、35bの全表面を含む加熱チャンバーの内部表面の全てから破片および残留物を除去することができる。
【0053】
図2aおよび2bの実施形態では、基部35は、加熱チャンバーを画定する外壁31と一体的に形成される。
【0054】
代替的な実施形態が図3a、3bおよび3cに示され、ここにおいて基部55は加熱チャンバー50から取り外し可能である。この実施形態の加熱チャンバー50は、端部分54aによって画定される閉じた第二の端54を有する。図3aは、閉じた第二の端55で加熱チャンバー内に位置付けられた取り外し可能な基部55を示す(基部をインシチュで示すために側壁を除去した)。基部55は、実質的に平面のディスク型要素であり、隆起した周囲縁が外側フィレット端55aを形成し、中央スロット55cの周りに隆起した中央部分が内部フィレット端55bを形成する。この実施形態では、基部55は、外周および中央領域では面取り部ではなくむしろフィレットを含む。フィレット55a、55bは、基部55と側壁(図示せず)の内部表面と基部55およびヒーター58の内部表面の間の交点に湾曲した端を提供する。
【0055】
スロット55cは、細長い、平面状の加熱ブレード58を受けるように配置または寸法設定され、そのため、内部フィレット55bの内側端は、発熱体58の下部の表面58aに当接する。基部55は、基部55の下側面から下向きに突出して、加熱チャンバー50の端部54aと係合して、基部55の下側面を端部54aから離間させる円形隆起リップ55dを含む。当然のことながら、その他の実施形態では、円形リップは、例えば、基部の周りで均等に離間した三つ足または四つ足要素など、複数の足要素で置き換えられ得る。
【0056】
この実施形態では、内部フィレット55bは、ヒーター58の周囲全体の周りに延びない。この実施形態では、基部55は、狭い端58cに破片の蓄積がほとんどないため、ヒーター58の狭い端58cでは隆起しない。言い換えれば、内部フィレット55bの高さは、ヒーター58の周囲の周りで変化する。内部フィレット55bの高さは、ヒーター58の狭い端58cからヒーター58の表面58aを横切って各表面58aの中心に向かって徐々に隆起し、ヒーター58の表面58aにわたって湾曲したフィレットプロファイルを提供する。当然のことながら、その他の実施形態では、内部フィレット55bは、ヒーター58の周囲全体の周りに延びてもよく、またはヒーターの表面58aにわたって任意の他の適切なプロファイルを有してもよい。
【0057】
取り外し可能な基部55は、加熱チャンバー50の開端部(図示せず)を通して加熱チャンバー50に挿入される。ヒーター58は、スロット55c内に受けられ、基部55は、基部55が閉じた端部54の定位置につくまで、加熱チャンバー50のくぼみ内に下げられ、隆起リップ55dは加熱チャンバー50の端部54aに当接する。基部55がこのように配置される時、装置は使用可能である。加熱チャンバー50からの基部55を取り外すために、取り外しツール(図示せず)を加熱チャンバー50の中へと挿入することができ、基部55の周囲で取り外しノッチ55eにより基部55と係合することができる。ツールは、基部55の下に引っかけても、またはノッチ55eで基部55に取り付けてもよく、ユーザーはツールと基部55を加熱チャンバー50から引き出し得る。基部55は、加熱チャンバー50内で清掃および交換されてもよく、または上述の通り、廃棄されて新しい基部55が加熱チャンバー50の中へと挿入されてもよい。
【0058】
当然のことながら、一体型および取り外し可能な基部の両方が、面取りされたまたはフィレットされた交点を備えていてもよい。一部の実施形態では、基部は、外側および内側の交点の一方に面取りされた交点を、外側交点および内側交点のうちの他方にフィレット交点を含み得る。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
【手続補正書】
【提出日】2023-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーであって、開口部を有する第一の端と、基部を有する第二の端と、前記開口部と前記基部との間に延びる側壁と、を含む、加熱チャンバーを備え、
くぼみが前記基部と側壁の内部表面によって画定され、
前記装置が加熱組立品および電源をさらに備え、
前記加熱組立品が、前記基部の内側部分を通って前記加熱チャンバー内に延びるヒーターを備え、前記基部の前記内側部分が、前記基部と前記ヒーターの間の面取りされたまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされる、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記側壁が、前記基部と直角をなす方向に実質的に延びる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記基部の周囲部分は、前記基部と前記側壁の内部表面間の面取りされたまたはフィレットされた交点を提供するような輪郭とされ、前記基部と前記側壁の前記内部表面間の前記面取りされたまたはフィレットされた交点が、前記基部の周囲の周りに実質的に延びる、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記ヒーターが抵抗ヒーターまたは誘導ヒーターである、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ヒーターがサセプタであり、前記加熱組立品がインダクタコイルをさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記ヒーターが、前記側壁に平行な方向に前記加熱チャンバー内に実質的に延びる、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記加熱組立品が外部ヒーターを備える、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記加熱チャンバーの前記開口部が前記側壁によって画定され、前記開口部が前記基部に対向するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記基部が前記加熱チャンバーの側壁と一体的に形成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記基部が前記装置から取り外し可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記基部が取り外し可能であって、前記加熱チャンバーの前記第一の端の前記開口部を通して挿入可能である、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記基部が取り外し可能であって、前記加熱チャンバーの前記第二の端に隣接した前記加熱チャンバーの側壁の前記開口部を通して挿入可能である、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記基部が、取り外しツールと係合するための係合手段を有する、請求項10~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。