ホーム > 特許ランキング > スタンレー電気株式会社
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166666
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/241 20180101AFI20231115BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20231115BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231115BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20231115BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231115BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20231115BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20231115BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20231115BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20231115BHJP
F21W 103/15 20180101ALN20231115BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231115BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231115BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20231115BHJP
【ＦＩ】
F21S43/241
F21S43/14
F21V8/00 310
F21S43/50
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:55
F21W103:45
F21W103:20
F21W103:15
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022077310
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】南 春奈
【テーマコード（参考）】
3K244
【Ｆターム（参考）】
3K244AA05
3K244BA16
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA02
3K244EA01
3K244EA08
3K244EA16
3K244GA06
(57)【要約】
【課題】前後方向の寸法を短縮しながら、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】第１の導光レンズ３は、一の方向に延在する導光部７と、導光部７の一端側に位置して、導光部７の背面側に位置して、導光部７の他端側に向かって導光される光Ｌを導光部７の正面側に向けて反射する反射部９と、導光部７の正面側に位置して、反射部９により反射された光Ｌを導光部７の外部へと出射する出射部１０とを有し、第２の導光レンズ４は、出射部１０から出射された光Ｌを背面側から内部へと入射する第２の入射部１１と、第２の入射部１１から入射した光Ｌの一部Ｌ１を正面側から外部へと出射することにより発光する第１の発光部１２と、第２の入射部１１から入射した光Ｌの一部Ｌ２を第１の発光部１２とは異なる位置から外部へと出射することにより発光する第２の発光部１３とを有する。
【選択図】図３
【解決手段】第１の導光レンズ３は、一の方向に延在する導光部７と、導光部７の一端側に位置して、導光部７の背面側に位置して、導光部７の他端側に向かって導光される光Ｌを導光部７の正面側に向けて反射する反射部９と、導光部７の正面側に位置して、反射部９により反射された光Ｌを導光部７の外部へと出射する出射部１０とを有し、第２の導光レンズ４は、出射部１０から出射された光Ｌを背面側から内部へと入射する第２の入射部１１と、第２の入射部１１から入射した光Ｌの一部Ｌ１を正面側から外部へと出射することにより発光する第１の発光部１２と、第２の入射部１１から入射した光Ｌの一部Ｌ２を第１の発光部１２とは異なる位置から外部へと出射することにより発光する第２の発光部１３とを有する。
【選択図】図３
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を導光させる第１の導光レンズ及び第２の導光レンズとを備え、
前記第１の導光レンズは、一の方向に延在する導光部と、
前記導光部の一端側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する第１の入射部と、
前記導光部の背面側に位置して、前記導光部の他端側に向かって導光される光を前記導光部の正面側に向けて反射する反射部と、
前記導光部の正面側に位置して、前記反射部により反射された光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記第２の導光レンズは、前記一の方向に延在する形状を有して、
前記出射部から出射された光を背面側から内部へと入射する第２の入射部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を正面側から外部へと出射することにより発光する第１の発光部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を前記一の方向とは直交する他の方向の少なくとも一方側から外部へと出射することにより発光する第２の発光部とを有することを特徴とする車両用灯具。
前記光源から出射された光を導光させる第１の導光レンズ及び第２の導光レンズとを備え、
前記第１の導光レンズは、一の方向に延在する導光部と、
前記導光部の一端側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する第１の入射部と、
前記導光部の背面側に位置して、前記導光部の他端側に向かって導光される光を前記導光部の正面側に向けて反射する反射部と、
前記導光部の正面側に位置して、前記反射部により反射された光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記第２の導光レンズは、前記一の方向に延在する形状を有して、
前記出射部から出射された光を背面側から内部へと入射する第２の入射部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を正面側から外部へと出射することにより発光する第１の発光部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を前記一の方向とは直交する他の方向の少なくとも一方側から外部へと出射することにより発光する第２の発光部とを有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第２の入射部は、前記第２の導光レンズの背面側の中央部に位置する第１の集光入射面と、
前記第１の集光入射面を挟んだ前記他の方向の両側から前記出射部側に向かって段差状に並ぶ少なくとも１つ以上の第２の集光入射面と、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間に位置する少なくとも１つ以上の拡散入射面とを含み、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面から入射した光を前記第１の発光部に向けて集光させ、
前記拡散入射面から入射した光の一部を前記第２の発光部に向けて拡散させることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
前記第１の集光入射面を挟んだ前記他の方向の両側から前記出射部側に向かって段差状に並ぶ少なくとも１つ以上の第２の集光入射面と、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間に位置する少なくとも１つ以上の拡散入射面とを含み、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面から入射した光を前記第１の発光部に向けて集光させ、
前記拡散入射面から入射した光の一部を前記第２の発光部に向けて拡散させることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第１の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成され、
前記第２の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面の中央部を溝部を挟んで前記他の方向において分断した曲面により構成され、
前記拡散入射面は、前記溝部の前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間を接続する面により構成されていることを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
前記第２の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面の中央部を溝部を挟んで前記他の方向において分断した曲面により構成され、
前記拡散入射面は、前記溝部の前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間を接続する面により構成されていることを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第１の発光部及び前記出射部は、前記一の方向に延在した形状を有し、
且つ、前記第１の発光部の前記他の方向の寸法が、前記出射部の前記他の方向の寸法よりも小さいことを特徴とすることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
且つ、前記第１の発光部の前記他の方向の寸法が、前記出射部の前記他の方向の寸法よりも小さいことを特徴とすることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第２の発光部は、前記第２の導光レンズの上面側に位置することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第２の導光レンズの少なくとも正面側及び上面側を覆う遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記第１の発光部を外部に露出させる第１の開口部と、前記第２の発光部を外部に露出させる第２の開口部とを有することを特徴とする請求項５に記載の車両用灯具。
前記遮光部材は、前記第１の発光部を外部に露出させる第１の開口部と、前記第２の発光部を外部に露出させる第２の開口部とを有することを特徴とする請求項５に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード（ＬＥＤ）などの光源と、導光レンズなどの導光体とを組み合わせたものが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献１には、導光体の構成として、水平面内において前後長が変化するように形成されており、且つ、鉛直面内において後面の光入射領域よりも前面の光出射領域の方が短く設定されている場合であっても、均一発光を実現可能とする車両用灯具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開２０１５－４９９７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献１に記載の発明では、導光体の前後長が長くなるため、例えば、車両の前端又は後端側のコーナー部に付与されるスラント形状や周り込みのきつい形状によっては、灯体内に配置することが困難となる。また、特許文献１に記載の発明では、前面の光出射領域のみをライン状に発光させる構成のため、見栄えのバリエーションが乏しくなっている。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、前後方向の寸法を短縮しながら、ライン状の発光と共に、見栄えの良い別の発光を行うことを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔１〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる第１の導光レンズ及び第２の導光レンズとを備え、
前記第１の導光レンズは、一の方向に延在する導光部と、
前記導光部の一端側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する第１の入射部と、
前記導光部の背面側に位置して、前記導光部の他端側に向かって導光される光を前記導光部の正面側に向けて反射する反射部と、
前記導光部の正面側に位置して、前記反射部により反射された光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記第２の導光レンズは、前記一の方向に延在する形状を有して、
前記出射部から出射された光を背面側から内部へと入射する第２の入射部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を正面側から外部へと出射することにより発光する第１の発光部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を前記一の方向とは直交する他の方向の少なくとも一方側から外部へと出射することにより発光する第２の発光部とを有することを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 前記第２の入射部は、前記第２の導光レンズの背面側の中央部に位置する第１の集光入射面と、
前記第１の集光入射面を挟んだ前記他の方向の両側から前記出射部側に向かって段差状に並ぶ少なくとも１つ以上の第２の集光入射面と、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間に位置する少なくとも１つ以上の拡散入射面とを含み、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面から入射した光を前記第１の発光部に向けて集光させ、
前記拡散入射面から入射した光の一部を前記第２の発光部に向けて拡散させることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔３〕 前記第１の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成され、
前記第２の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面の中央部を溝部を挟んで前記他の方向において分断した曲面により構成され、
前記拡散入射面は、前記溝部の前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間を接続する面により構成されていることを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記第１の発光部及び前記出射部は、前記一の方向に延在した形状を有し、
且つ、前記第１の発光部の前記他の方向の寸法が、前記出射部の前記他の方向の寸法よりも小さいことを特徴とすることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔５〕 前記第２の発光部は、前記第２の導光レンズの上面側に位置することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔６〕 前記第２の導光レンズの少なくとも正面側及び上面側を覆う遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記第１の発光部を外部に露出させる第１の開口部と、前記第２の発光部を外部に露出させる第２の開口部とを有することを特徴とする前記〔５〕に記載の車両用灯具。
〔１〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる第１の導光レンズ及び第２の導光レンズとを備え、
前記第１の導光レンズは、一の方向に延在する導光部と、
前記導光部の一端側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する第１の入射部と、
前記導光部の背面側に位置して、前記導光部の他端側に向かって導光される光を前記導光部の正面側に向けて反射する反射部と、
前記導光部の正面側に位置して、前記反射部により反射された光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記第２の導光レンズは、前記一の方向に延在する形状を有して、
前記出射部から出射された光を背面側から内部へと入射する第２の入射部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を正面側から外部へと出射することにより発光する第１の発光部と、
前記第２の入射部から入射した光の一部を前記一の方向とは直交する他の方向の少なくとも一方側から外部へと出射することにより発光する第２の発光部とを有することを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 前記第２の入射部は、前記第２の導光レンズの背面側の中央部に位置する第１の集光入射面と、
前記第１の集光入射面を挟んだ前記他の方向の両側から前記出射部側に向かって段差状に並ぶ少なくとも１つ以上の第２の集光入射面と、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間に位置する少なくとも１つ以上の拡散入射面とを含み、
前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面から入射した光を前記第１の発光部に向けて集光させ、
前記拡散入射面から入射した光の一部を前記第２の発光部に向けて拡散させることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔３〕 前記第１の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成され、
前記第２の集光入射面は、前記他の方向に沿った断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面の中央部を溝部を挟んで前記他の方向において分断した曲面により構成され、
前記拡散入射面は、前記溝部の前記第１の集光入射面及び前記第２の集光入射面の互いに隣り合うもの同士の間を接続する面により構成されていることを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記第１の発光部及び前記出射部は、前記一の方向に延在した形状を有し、
且つ、前記第１の発光部の前記他の方向の寸法が、前記出射部の前記他の方向の寸法よりも小さいことを特徴とすることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔５〕 前記第２の発光部は、前記第２の導光レンズの上面側に位置することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔６〕 前記第２の導光レンズの少なくとも正面側及び上面側を覆う遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記第１の発光部を外部に露出させる第１の開口部と、前記第２の発光部を外部に露出させる第２の開口部とを有することを特徴とする前記〔５〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、前後方向の寸法を短縮しながら、ライン状の発光と共に、見栄えの良い別の発光を行うことを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0011】
本発明の一実施形態として、例えば図１～図３に示す車両用灯具１について説明する。
なお、図１は、車両用灯具１の構成を示す斜視図である。図２は、車両用灯具１の構成を示す正面図である。図３は、図２中に示す線分Ａ－Ａによる車両用灯具１の段面図である。
なお、図１は、車両用灯具１の構成を示す斜視図である。図２は、車両用灯具１の構成を示す正面図である。図３は、図２中に示す線分Ａ－Ａによる車両用灯具１の段面図である。
【0012】
また、以下に示す図面では、ＸＹＺ直交座標系を設定し、Ｘ軸方向を車両用灯具１の前後方向（長さ方向）、Ｙ軸方向を車両用灯具１の左右方向（幅方向）、Ｚ軸方向を車両用灯具１の上下方向（高さ方向）として、それぞれ示すものとする。
【0013】
本実施形態の車両用灯具１は、光源２と、前後方向に並ぶ第１の導光レンズ３及び第２の導光レンズ４と、第２の導光レンズ４を覆う遮光部材５とを備えている。
【0014】
光源２は、例えばＬＥＤからなり、このＬＥＤを駆動する駆動回路が設けられた回路基板６の面上に実装されて、第１の導光レンズ３に向けて光Ｌを放射状に出射する。
【0015】
第１の導光レンズ３は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなる。第１の導光レンズ３は、一の方向（本実施形態では左右方向）に延在する棒状の導光部７と、導光部７の一端側（基端側）に位置する第１の入射部８と、導光部７の背面側に位置する反射部９と、導光部７の正面側に位置する出射部１０とを有している。
【0016】
第１の入射部８は、導光部７の一端側に位置して、光源２と対向する平坦（平面）な入射面８ａを有している。第１の入射部８では、光源２から出射された光Ｌを入射面８ａから導光部７（第１の導光レンズ３）の内部へと入射する。また、第１の入射部８から導光部７の内部に入射した光Ｌは、導光部７の他端側（先端側）に向けて導光されることになる。
【0017】
なお、第１の入射部８については、上述した平坦（平面）な入射面８ａを有する構成に限らず、光源２から放射状に出射された光Ｌを平行化又は集光しながら、導光部７の内部へと入射するレンズ形状を有する構成であってもよい。
【0018】
反射部９は、導光部７の背面側の中央部に位置して、導光部７が延在する方向（一の方向）に並ぶ複数の反射カット９ａを有している。複数の反射カット９ａについては、導光部７の背面側に入射した光Ｌを導光部７の正面側から外部へと出射（透過）する角度で反射させるものであればよく、その形状や大きさ、数等について、特に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態では、複数の反射カット９ａとして、例えば、導光部７の背面側の中央部を一の方向とは直交する他の方向（本実施形態では上下方向）に切り欠く断面略三角形状の溝部が一の方向（本実施形態では左右方向）に並ぶことによって構成されている。
【0020】
また、複数の反射カット９ａは、後述する出射部１０から出射される光Ｌを導光部７が延在する方向（一の方向）に均一化するため、導光部７の一端側から他端側に向かって、反射カット９ａを形成する溝部の深さが漸次深くなっている。若しくは、導光部７の一端側から他端側に向かって、複数の反射カット９ａの隣り合う間隔が漸次狭くなっている。
【0021】
また、反射部９は、導光部７の背面側の中央部（複数の反射カット９ａ）を挟んだ他の方向（上下方向）の両側に、一対の反射面９ｂを有している。一対の反射面９ｂは、導光部７の他の方向（上下方向）に沿った断面（以下、「鉛直断面」という。）において、円弧状に湾曲した凹状の曲面により構成されている。
【0022】
反射部９では、これら複数の反射カット９ａ及び一対の反射面９ｂに入射した光Ｌを導光部７の正面側にある出射部１０に向けて反射する。
【0023】
出射部１０は、導光部７の正面側に位置して、一の方向（左右方向）に延在する出射面１０ａを有している。出射面１０ａは、導光部７の鉛直断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成されている。
【0024】
出射部１０では、反射部９で反射された光Ｌを出射面１０ａから導光部７（第１の導光レンズ３）の外部（前方）にある第２の導光レンズ４に向けて出射する。また、出射部１０では、出射面１０ａに入射した光Ｌを第１の導光レンズ３と第２の導光レンズ４との中心を結ぶ中心軸ＡＸに対して平行となるように、前方の第２の導光レンズ４に向けて出射する。
【0025】
第２の導光レンズ４は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなり、一の方向に延在しながら、導光部７（第１の導光レンズ３）の正面側、上面側及び下面側を覆う形状を有している。
【0026】
すなわち、この第２の導光レンズ４は、導光部７（第１の導光レンズ３）の正面側に位置する第１のレンズ部４１と、第１のレンズ部４１の背面側の中央部を挟んだ他の方向（上下方向）の両側から後方に向かって延在する一対の第２のレンズ部４２とを有している。
【0027】
第１のレンズ部４１は、中心軸ＡＸに対して互いに逆向きに前方に向かって傾斜した上面４ａ及び下面４ｂと、上面４ａ及び下面４ｂの先端側に後述する第１の発光面１２ａを挟んで互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜面４ｃ，４ｄとを有している。
【0028】
一対の第２のレンズ部４２は、第１のレンズ部４１の上面４ａ及び下面４ｂに連続しながら、中心軸ＡＸに対して互いに逆向きに傾斜した平板形状を有している。なお、一対の第２のレンズ部４２は、車両用灯具１の発光に寄与する部分ではないため、必ずしも必要な構成ではなく、場合によっては省略することも可能である。
【0029】
また、第２の導光レンズ４の背面側には、第１のレンズ部４１と一対の第２のレンズ部４２とにより構成される凹部４３が設けられている。第１の導光レンズ３は、この凹部４３の内側に配置されている。
【0030】
第２の導光レンズ４は、第１のレンズ部４１の背面側に位置する第２の入射部１１と、第１のレンズ部４１の正面側に位置する第１の発光部１２と、第１のレンズ部４１の上面４ａ側に位置する第２の発光部１３とを有している。
【0031】
第２の入射部１１は、第１のレンズ部４１の背面側の中央部に位置する第１の集光入射面１１ａと、第１の集光入射面１１ａを挟んだ他の方向（上下方向）の両側から出射部１０側に向かって段差状に並ぶ少なくとも１つ以上（本実施形態では上下２つずつ）の第２の集光入射面１１ｂと、第１の集光入射面１１ａ及び第２の集光入射面１１ｂの互いに隣り合うもの同士の間に位置する少なくとも１つ以上（本実施形態では上下２つずつ）の拡散入射面１１ｃとを含む形状（いわゆるフレネルレンズ形状）を有している。
【0032】
第１の集光入射面１１ａは、第１のレンズ部４１（第２の導光レンズ４）の鉛直断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成されている。
【0033】
第２の集光入射面１１ｂは、円弧状に湾曲した凸状の曲面の中央部を溝部１１ｄを挟んで上下に分断した曲面により構成されている。
【0034】
拡散入射面１１ｃは、中心軸ＡＸに対して互いに逆向きに前方に向かって傾斜した溝部１１ｄの第１の集光入射面１１ａ及び第２の集光入射面１１ｂの互いに隣り合うもの同士の間を接続する上面及び下面により構成されている。
【0035】
本実施形態では、第１の集光入射面１１ａを挟んだ他の方向（上下方向）の両側に、それぞれ２つの第２の集光入射面１１ｂが段差状に並んで設けられている。また、第１の集光入射面１１ａと１段目の第２の集光入射面１１ｂとの間を接続する１段目の拡散入射面１１ｃと、１段目の第２の集光入射面１１ｂと２段目の第２の集光入射面１１ｂとの間との間を接続する２段目の拡散入射面１１ｃとが設けられている。なお、第２の集光入射面１１ｂ及び拡散入射面１１ｃを段差状に並べる数については、特に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
【0036】
第２の入射部１１では、出射部１０から第２の導光レンズ４に向けて出射された光Ｌのうち、第１の集光入射面１１ａ及び第２の集光入射面１１ｂから入射した光Ｌ１を第１の発光部１２に向けて集光させる。一方、拡散入射面１１ｃから入射した光Ｌ２を第２の発光部１３に向けて拡散させる。
【0037】
第１の発光部１２は、第１のレンズ部４１の正面側に位置して、一の方向に延在するライン状の第１の発光面１２ａを有している。第１の発光面１２ａは、第１のレンズ部４１（第２の導光レンズ４）の鉛直断面において、平面又は円弧状に湾曲した凸状の曲面（本実施形態では平面）により構成されている。また、第１の発光面１２ａは、出射面１０ａよりも他の方向（上下方向）の寸法が小さくなっている。
【0038】
第１の発光部１２では、第１の集光入射面１１ａ及び第２の集光入射面１１ｂから入射した光Ｌ１を第１の発光面１２ａから外部へと出射する。これにより、第１の発光面１２ａ（第１の発光部１２）をライン状に発光（以下、「ライン発光」という。）させることが可能である。
【0039】
第２の発光部１３は、第１のレンズ部４１の上面４ａ側に位置して、一の方向に並ぶ複数の第２の発光面１３ａを有している。複数の第２の発光面１３ａは、第１のレンズ部４１の上面４ａ側において、第１のレンズ部４１の前後方向に延在する矩形状の発光パターンＰが一の方向に等間隔に並ぶことによって構成されている。
【0040】
なお、発光パターンＰの形状や数等については、特に限定されるものではなく、車両用灯具１のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0041】
第２の発光部１３では、拡散入射面１１ｃから入射した光Ｌ２を複数の第２の発光面１３ａから外部へと出射する。これにより、複数の第２の発光面１３ａ（第２の発光部１３）を発光パターンＰの形状に合わせて発光（以下、「パターン発光」という。）させることが可能である。
【0042】
ここで、第１の発光面１２ａ（第１の発光部１２）から出射される光Ｌ１が集光された光であるのに対して、第２の発光面１３ａ（第２の発光部１３）から出射される光Ｌ２が拡散された光である。このことから、第１の発光面１２ａ（第１の発光部１２）は、第２の発光面１３ａ（第２の発光部１３）よりも相対的に明るく発光することになる。
【0043】
遮光部材５は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の樹脂に遮光性（例えば黒色）の顔料を含有したものからなり、第２の導光レンズ４の少なくとも正面側及び上面側（本実施形態では正面側、上面側及び下面側）を覆う形状を有している。
【0044】
なお、遮光部材５は、上述した第２の導光レンズ４と別体に形成されたものに限らず、例えば、第２の導光レンズ４と遮光部材５とを二色成形により一体に形成したものであってもよい。また、遮光部材５は、第２の導光レンズ４を覆う塗膜により形成することも可能である。
【0045】
遮光部材５は、第１の発光面１２ａ（第１の発光部１２）を外部に露出させるライン状の第１の開口部５ａと、複数の第２の発光面１３ａ（第２の発光部１３）を外部に露出させる複数の第２の開口部５ｂとを有している。発光パターンＰは、この第２の開口部５ｂの形状を反映したものとなっている。
【0046】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具１では、その正面側を第１の発光部１２によりライン発光させると共に、その上面側を第２の発光部１３によりパターン発光させることが可能である。
【0047】
また、本実施形態の車両用灯具１では、遮光部材５に形成される第１の開口部５ａ及び第２の開口部５ｂを狭小な幅とすることで、非点灯時にブラックアウトさせることも可能である。
【0048】
このように、本実施形態の車両用灯具１では、上述したライン発光とパターン発光（別の発光）とにより見栄えのバリエーションを増やしつつ、点灯時及び非点灯時における見栄えを良くすることが可能である。
【0049】
また、本実施形態の車両用灯具１では、上述した第２の導光レンズ４の背面側に設けられた凹部４３の内側に第１の導光レンズ３を配置することで、第１の導光レンズ３のみでライン状の発光を行う場合よりも光Ｌのロスが少なく、光源２から出射された光Ｌの利用効率を高めることが可能である。
【0050】
また、本実施形態の車両用灯具１では、上述した第２の導光レンズ４（第１のレンズ部４１）の背面側にある第２の入射部１１をフレネルレンズ形状とすることで、第１の導光レンズ３及び第２の導光レンズ４の前後方向の寸法を大幅に短縮することが可能である。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0052】
例えば、上記第２の発光部１３については、上述した第１の発光部１２とは異なる位置に設けられたものでればよく、第２の導光レンズ４の上面側に位置するものに限らず、例えば、第２の導光レンズ４の下面側に配置したり、第２の導光レンズ４の上面側及び下面側に配置したりすることも可能である。
【0053】
なお、本発明が適用される車両用灯具１については、特に限定されるものではなく、例えば、尾灯（テールランプ）や車幅灯（ポジションランプ）、昼間点灯用ランプ（ＤＲＬ）、バックランプ、方向指示器（ウィンカーランプ）、サイドマーカーランプなど、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0054】
また、上記光源２については、光Ｌを放射状に出射するものであればよく、上述したＬＥＤ以外にも、例えばレーザーダイオード（ＬＤ）などの発光素子を用いることができる。また、光源２が発する光の色については、赤色光や白色光、橙色光など、その車両用灯具１の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
１…車両用灯具 ２…光源 ３…第１の導光レンズ ４…第２の導光レンズ ５…遮光部材 ６…回路基板 ７…導光部 ８…第１の入射部 ９…反射部 １０…出射部 １１…第２の入射部 １１ａ…第１の集光入射面 １１ｂ…第２の集光入射面 １１ｃ…拡散入射面 １２…第１の発光部 １３…第２の発光部 ４１…第１のレンズ部 ４２…第２のレンズ部 ４３…凹部 Ｐ…発光パターン Ｌ…光
【図1】
【図2】
【図3】