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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016669
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】自律走行車両の制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/08 20120101AFI20230126BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230126BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20230126BHJP
   B60W 30/16 20200101ALI20230126BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20230126BHJP
【FI】
B60W30/08
G08G1/16 C
B60W30/10
B60W30/16
B60W60/00
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192279
(22)【出願日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0097125
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0122337
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MEMORY STICK
(71)【出願人】
【識別番号】521518987
【氏名又は名称】クックミン ユニヴァーシティ インダストリー アカデミー コオペレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パク キホン
(72)【発明者】
【氏名】オ テヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ウォンイル
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA11
3D241BA31
3D241BB16
3D241BB37
3D241DC01Z
3D241DC21Z
3D241DC25Z
5H181AA01
5H181BB02
5H181BB04
5H181BB12
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自律走行車両が周辺車両と衝突することなく車線変更を含むあらゆる走行を円滑に行えるようにする。
【解決手段】自律走行車両の制御装置は、プロセッサと、プロセッサと動作可能に連結され、プロセッサで行なわれる少なくとも一つのコードを保存するメモリとを含み、メモリは、プロセッサを介して実行されるとき、プロセッサをして、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように自律走行車両を制御し、車線変更の要請発生に連動して、自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び自律走行車両と側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断し、危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうように惹起するコードを保存することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ;及び、
上記プロセッサと動作可能に連結され、上記プロセッサで行なわれる少なくとも一つのコードを保存するメモリ;を含み、
上記メモリは、上記プロセッサを介して実行されるとき、上記プロセッサをして、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように上記自律走行車両を制御し、
車線変更の要請発生に連動して、上記自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び上記自律走行車両と上記側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断し、上記危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうように惹起するコードを保存する、
自律走行車両の制御装置。
【請求項2】
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記危険度として車線変更の危険が存在すると判断されたら、上記走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように上記自律走行車両の縦方向制御を行なうように惹起するコードを保存する、
請求項1に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項3】
上記側方車両は、車線変更の上記目的車線を走行する側前方車両及び側後方車両を含み、
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記自律走行車両と上記側前方車両との間の距離及び上記自律走行車両と上記側後方車両との間の距離に係る条件を拘束条件として上記走行車線で上記自律走行車両が最小限に移動するように車線変更可能な上記位置を決定し、上記走行車線内で前方車両が感知される場合、上記感知された前方車両の後方範囲で上記拘束条件を満たす位置に決定するように惹起するコードを保存する、
請求項2に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項4】
上記側方車両は、車線変更の上記目的車線を走行する側前方車両及び側後方車両を含み、
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記自律走行車両の速度に比例して上記側前方車両を基準とする第1安全距離を決定し、上記側後方車両の速度に比例して上記側後方車両を基準とする第2安全距離を決定し、上記第1安全距離及び上記第2安全距離に基づいて上記危険度を判断するように惹起するコードを保存する、
請求項1に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項5】
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記自律走行車両の速度
【数1】
から上記側前方車両の速度
【数2】
を差し引いた第1結果値及び上記自律走行車両の速度
【数3】
に基づいて上記第1安全距離を決定し、上記側後方車両の速度
【数4】
から上記自律走行車両の速度
【数5】
を差し引いた第2結果値及び上記側後方車両の速度
【数6】
に基づいて上記第2安全距離を決定するように惹起するコードを保存する、
請求項4に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項6】
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記自律走行車両の速度
【数7】
及び上記側後方車両の速度
【数8】
にそれぞれ付与された第1加重値と、上記第1結果値及び上記第2結果値にそれぞれ付与された第2加重値とに基づいて上記第1安全距離及び上記第2安全距離を決定するように惹起するコードを保存し、
上記第1加重値及び上記第2加重値は、
自律走行車両の車線変更による側後方車両の速度変化、自律走行車両の車線変更遂行中における側前方車両の減速による自律走行車両の速度変化に基づいてあらかじめ設定される、
請求項5に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項7】
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記前方車両又は上記側方車両を目標車両として設定し、
上記目標車両を基準として上記自律走行車両が移動しなければならない距離である制御要求距離
【数9】
上記目標車両と上記自律走行車両との間の距離
【数10】
上記目標車両の速度
【数11】
及び上記自律走行車両の速度
【数12】
に基づいて上記自律走行車両の目標加速度を算出し、上記目標加速度に基づいて上記自律走行車両の縦方向速度を制御するように惹起するコードをさらに保存する、
請求項1に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項8】
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記目標車両と上記自律走行車両との間の距離
【数13】
と上記制御要求距離
【数14】
との間の第1差及び上記目標車両の速度
【数15】
と上記自律走行車両の速度
【数16】
との間の第2差に基づいて上記自律走行車両の上記目標加速度を算出するように惹起するコードを保存し、
上記目標車両と上記自律走行車両との間の距離
【数17】
と上記制御要求距離
【数18】
は、自律走行車両の走行制御モードによって異なるように設定される、
請求項7に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項9】
上記メモリは、上記プロセッサをして、
上記自律走行車両が上記目的車線に車線変更を行なうLCモードで、上記目的車線に対する収斂程度に基づいて上記前方車両と上記側方車両との間の仮想車両を設定し、上記仮想車両を上記目標車両として設定するように惹起するコードを保存する、
請求項7に記載の自律走行車両の制御装置。
【請求項10】
プロセッサ;及び
上記プロセッサと動作可能に連結され、上記プロセッサで行なわれる少なくとも一つのコードを保存するメモリ;を含み、
上記メモリは、上記プロセッサを介して実行されるとき、上記プロセッサをして、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて上記自律走行車両の縦方向又は横方向制御を行なうi)ACC(Adaptive Cruise Control)モード、車線変更の要請発生に連動して、上記自律走行車両の情報、車線変更の目的車線を走行する側方車両の情報に基づいて車線変更の危険度を判断し、上記危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうii)LC(Lane Change)モード、又は、車線変更の要請発生に連動して、上記危険度に基づいて上記走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように上記自律走行車両を縦方向制御するiii)DC(Distant Control)モードのうちいずれか一つで動作するように惹起するコードを保存する、
自律走行車両の制御装置。
【請求項11】
自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように上記自律走行車両を制御する段階;
車線変更の要請発生に連動して、上記自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び上記自律走行車両と上記側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断する段階;及び
上記危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なう段階;を含む、
自律走行車両の制御方法。
【請求項12】
上記横方向又は縦方向制御を行なう段階は、
上記危険度として車線変更の危険が存在すると判断されたら、上記走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように上記自律走行車両の縦方向制御を行なう段階を含む、
請求項11に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項13】
上記側方車両は、車線変更の上記目的車線を走行する側前方車両及び側後方車両を含み、
上記位置に移動するように上記自律走行車両の縦方向制御を行なう段階は、
上記自律走行車両と上記側前方車両との間の距離及び上記自律走行車両と上記側後方車両との間の距離に係る条件を拘束条件として上記走行車線で上記自律走行車両が最小限に移動するように車線変更可能な上記位置を決定する段階;及び
上記走行車線内で前方車両が感知される場合、上記感知された前方車両の後方範囲で上記拘束条件を満たす位置に決定する段階;を含む、
請求項12に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項14】
上記側方車両は、車線変更の上記目的車線を走行する側前方車両及び側後方車両を含み、
上記車線変更の危険度を判断する段階は、
上記自律走行車両の速度に比例して上記側前方車両を基準とする第1安全距離を決定し、上記側後方車両の速度に比例して上記側後方車両を基準とする第2安全距離を決定する段階;及び
上記第1安全距離及び上記第2安全距離に基づいて上記危険度を判断する段階;を含む、
請求項11に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項15】
上記決定する段階は、
上記自律走行車両の速度から上記側前方車両の速度を差し引いた第1結果値及び上記自律走行車両の速度に基づいて上記第1安全距離を決定し、上記側後方車両の速度から上記自律走行車両の速度を差し引いた第2結果値及び上記側後方車両の速度に基づいて上記第2安全距離を決定する段階を含む、
請求項14に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項16】
上記第2安全距離を決定する段階は、
上記自律走行車両の速度及び上記側後方車両の速度にそれぞれ付与された第1加重値と、上記第1結果値及び上記第2結果値にそれぞれ付与された第2加重値とに基づいて上記第1安全距離及び上記第2安全距離を決定する段階を含み、
上記第1加重値及び上記第2加重値は、
自律走行車両の車線変更による側後方車両の速度変化、自律走行車両の車線変更遂行中における側前方車両の減速による自律走行車両の速度変化に基づいてあらかじめ設定される、
請求項15に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項17】
上記前方車両又は上記側方車両を目標車両として設定する段階;
上記目標車両を基準として上記自律走行車両が移動しなければならない距離である制御要求距離、上記目標車両と上記自律走行車両との間の距離、上記目標車両の速度及び上記自律走行車両の速度に基づいて上記自律走行車両の目標加速度を算出する段階;及び
上記目標加速度に基づいて上記自律走行車両の縦方向速度を制御する段階;をさらに含む、
請求項11に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項18】
上記自律走行車両の目標加速度を算出する段階は、
上記目標車両と上記自律走行車両との間の距離と上記制御要求距離との間の第1差及び上記目標車両の速度と上記自律走行車両の速度との間の第2差に基づいて上記自律走行車両の上記目標加速度を算出する段階を含み、
上記目標車両と上記自律走行車両との間の距離と上記制御要求距離は、自律走行車両の走行制御モードによって異なるように設定される、
請求項17に記載の自律走行車両の制御方法。
【請求項19】
上記前方車両又は上記側方車両を目標車両として設定する段階は、
上記自律走行車両が上記目的車線に車線変更を行なうLCモードで、上記目的車線に対する収斂程度に基づいて上記前方車両と上記側方車両との間の仮想車両を設定する段階;及び
上記仮想車両を上記目標車両として設定する段階;を含む、
請求項17に記載の自律走行車両の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、韓国特許庁に2021年7月23日付で出願された韓国特許出願第10-2021-0097125号(「周辺車両の安全を考慮した自動車線変更アルゴリズム開発」)及び2021年9月14日付で出願された韓国特許出願第10-2021-0122337号(「自律走行車両の制御装置及び方法」)に対して優先権を主張しています。
【0002】
政府支援(STATEMENT REGARDING GOVERNMENT SUPPORT)
本発明は、産業通商資源部の支援を受けた自動車産業核心技術開発事業の一環として行われた研究から導き出されたものである(課題固有番号:10062448、課題名:自律走行自動車周辺環境認知モジュールの安全度評価技法及び車両安全制御(Fail-operation)源泉技術開発、課題遂行機関名:国民大学校産学協力団)。
【0003】
本開示は、周辺車両との相対距離に基づいた危険度によって自律走行車両の位置移動を通して車線変更を安全且つ容易に行う自律走行車両の制御装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0004】
自動車は運転者により便利で安全な走行環境を提供するために開発されてきた。また、運転者の安全及び便宜を向上させるための安全制御システムが開発されている。さらに、運転者により楽で安全な走行環境を提供するための知能型運転者サポートシステムに関する研究も活発に進められており、究極的には自律走行又は無人自律走行のための制御システムに関する研究に拡大しつつある。
【0005】
自律走行車両は、運転者の操作なしに自ら周辺環境を認識し走行する車両であり、走行中に前方車両が周辺交通の流れに比べて過度に徐行していたら渋滞及び追突を回避するために速度を落としたり走行車線を変更したりする動作を行う。
【0006】
車線変更時、自律走行車両は周辺車両との距離に基づいて車線を変更することができる。
【0007】
先行技術(韓国登録特許第10-1307109号)には後方車両との距離と設定値とを比較して車両の車線変更安全該否を判断し、車両の車線変更が安全と判断される場合、車線を変更する構成を開示しているが、車線変更が安全ではないと判断されるときの制御方法については具体的に開示していない。
【0008】
したがって、円滑な走行のために自律走行車両の危険が存在すると判断される場合にも、周辺車両の情報(例えば、周辺車両の速度(相対速度)、位置(相対距離))に基づいて移動することにより、危険が除去された状態で自律走行車両の車線変更を行なうことができる技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1307109号公報(2013.09.04.登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示の一実施例は、3つの走行制御モード(例えば、ACCモード、LCモード、DCモード)で自律走行車両を制御して、自律走行車両が周辺車両と衝突することなく車線変更を含むあらゆる走行を円滑に行えるようにすることを目的とする。すなわち、本開示の一実施例は、前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて自律走行車両を走行させるACCモード、自律走行車両の車線変更を行なうLCモードの他に、車線変更の危険度に基づいて車線変更可能な位置に自律走行車両を移動させるDCモードのうちの一つのモードで自律走行車両を制御することにより、周辺交通の流れに合わせて最適の走行を行えるようにすることを目的とする。
【0011】
本開示の一実施例は、周辺車両の情報に基づいて車線変更の危険が存在すると判断される場合、周辺車両の情報に基づいて設定される拘束条件を満たしながら、自律走行車両が最小限に移動するように車線変更可能な位置を決定し、該当位置に自律走行車両を移動させることにより、安全且つ効率的に自律走行車両の車線変更を行えるようにすることを目的とする。
【0012】
本開示の一実施例は、自律走行のために前方車両又は側方車両を自律走行車両の目標車両として設定し、目標車両の情報(例えば、目標車両の速度(相対速度)、位置(相対距離))に基づいて自律走行車両の目標加速度を算出するにあたって、3つの走行制御モード(例えば、ACCモード、LCモード、DCモード)別に自律走行車両の目標加速度を相異なるように算出することにより、自律走行車両をして走行状況に応じた最適の走行を行えるようにさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施例は、3つの走行制御モード(例えば、ACCモード、LCモード、DCモード)で自律走行車両を制御して、自律走行車両が周辺車両と衝突することなく車線変更を含むあらゆる走行を円滑に行えるようにする自律走行車両の制御装置及び方法であり得る。
【0014】
本開示の一実施例は、プロセッサと、プロセッサと動作可能に連結され、プロセッサで行なわれる少なくとも一つのコードを保存するメモリとを含み、メモリは、プロセッサを介して実行されるとき、プロセッサをして、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように自律走行車両を制御し、車線変更の要請発生に連動して、自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び自律走行車両と側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断し、危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうように惹起するコードを保存する、自律走行車両の制御装置であり得る。
【0015】
本開示の他の実施例は、プロセッサと、プロセッサと動作可能に連結され、プロセッサで行なわれる少なくとも一つのコードを保存するメモリとを含み、メモリは、プロセッサを介して実行されるとき、プロセッサをして、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて自律走行車両の縦方向又は横方向制御を行なうi)ACC(Adaptive Cruise Control)モード、車線変更の要請発生に連動して、自律走行車両の情報、車線変更の目的車線を走行する側方車両の情報に基づいて車線変更の危険度を判断し、危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうii)LC(Lane Change)モード、又は車線変更の要請発生に連動して、危険度に基づいて走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように自律走行車両を縦方向制御するiii)DC(Distant Control)モードのうちいずれか一つで動作するように惹起するコードを保存する、自律走行車両の制御装置であり得る。
【0016】
本開示の一実施例は、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように自律走行車両を制御する段階と、車線変更の要請発生に連動して、自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び自律走行車両と側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断する段階と、危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なう段階とを含む、自律走行車両の制御方法であり得る。
【発明の効果】
【0017】
本開示の実施例によれば、3つの走行制御モード(例えば、ACCモード、LCモード、DCモード)で自律走行車両を制御して、自律走行車両が周辺車両と衝突することなく車線変更を含むあらゆる走行を円滑に行なうことができる。
【0018】
本開示の実施例によれば、周辺車両の情報に基づいて車線変更の危険が存在すると判断される場合、周辺車両の情報に基づいて設定される拘束条件を満たしながら、自律走行車両が最小限に移動するように車線変更可能な位置を決定し、該当位置に自律走行車両を移動させることにより、安全且つ効率的に自律走行車両の車線変更を行なうことができる。
【0019】
本開示の一実施例によれば、自律走行のために前方車両又は側方車両を自律走行車両の目標車両として設定し、目標車両の情報(例えば、目標車両の速度(相対速度)、位置(相対距離))に基づいて自律走行車両の目標加速度を算出するにあたって、3つの走行制御モード(例えば、ACCモード、LCモード、DCモード)別に自律走行車両の目標加速度を相異なるように算出することにより、自律走行車両をして走行状況に応じた最適の走行を行えるようにさせる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施例による自律走行車両の構成を概略的に示した図面である。
図2】本開示の一実施例による自律走行車両の走行制御モードに対する一例を示した図面である。
図3】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置の構成を概略的に示した図面である。
図4】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で車線変更の危険度を判断する過程、危険度判断過程で導出される安全領域及び不安全領域を説明するための図面である。
図5】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で自律走行車両の車線変更が不可能な場合における、車線変更のための位置移動の一例を説明するための図面である。
図6】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置での縦方向制御を説明するための図面である。
図7】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で車線変更するときの縦方向制御を説明するための図面である。
図8】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置での横方向制御を説明するための図面である。
図9】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で4つのシナリオによる走行の一例を示した図面である。
図10】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で4つのシナリオによる走行の一例を示した図面である。
図11】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で4つのシナリオによる走行の一例を示した図面である。
図12】本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で4つのシナリオによる走行の一例を示した図面である。
図13図9でのシナリオ1による走行結果を示した図面である。
図14図9でのシナリオ1による走行結果を示した図面である。
図15図9でのシナリオ1による走行結果を示した図面である。
図16図10でのシナリオ2による走行結果を示した図面である。
図17図10でのシナリオ2による走行結果を示した図面である。
図18図10でのシナリオ2による走行結果を示した図面である。
図19図11でのシナリオ3による走行結果を示した図面である。
図20図11でのシナリオ3による走行結果を示した図面である。
図21図11でのシナリオ3による走行結果を示した図面である。
図22図12でのシナリオ4による走行結果を示した図面である。
図23図12でのシナリオ4による走行結果を示した図面である。
図24図12でのシナリオ4による走行結果を示した図面である。
図25】本開示の一実施例による自律走行車両の制御方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本明細書に開示の実施例を詳しく説明するが、図面符号にかかわらず同一又は類似の構成要素は同一の参照番号を付与し、これに関する重複説明は省略することにする。以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書作成の容易性のみ考慮されて付与又は混用されるものであり、それ自体で相互区別される意味又は役割を有するものではない。また、本明細書に開示の実施例を説明するにあたって関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示の実施例の要旨を不明確にし得ると判断される場合、その詳しい説明を省略する。また、添付図面は、本明細書に開示の実施例を容易に理解できるようにするためのものであるだけで、添付図面により本明細書に開示の技術的思想が制限されることはなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されなければならない。
【0022】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、上記構成要素は上記用語により限定されない。上記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」又は「接続されている」と言及されたときは、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されている場合もあれば、中間に別の構成要素が存在する場合もあると理解されるべきである。それに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」又は「直接接続されている」と言及されたときは、中間に別の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。
【0024】
本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置は、自律走行車両の制御部の一部又は別個の装置として具現されることができ、下記実施例は、自律走行車両の制御装置が自動車の制御部の一部として具現されることを前提として説明するが、別個の装置として具現されることを排除しない。
【0025】
また、自律走行車両は、自律走行を支援するあらゆる車両を意味することができるが、下記実施例では周辺車両(例えば、前方車両、後方車両、側前方車両、側後方車両)に取り囲まれて走行する自車両(ego)を意味する。
【0026】
図1は、本開示の一実施例による自律走行車両の構成を概略的に示した図面である。
【0027】
図1を参照すると、自律走行車両100は、通信部101、制御部102、ユーザーインターフェース部103、オブジェクト検出部104、運転操作部105、車両駆動部106、運行部107、センシング部108及び保存部109を含むことができる。
【0028】
通信部101は、外部装置と通信を行なうためのモジュールである。ここで、外部装置は、使用者端末機、他車両又はサーバであり得る。
【0029】
通信部101は、例えば、近距離通信(Short range communication)、GPS信号受信、V2X通信、光通信、放送の送受信及びITS(Intelligent Transport Systems)通信機能を行なうことができる。
【0030】
制御部102は、通信部101、ユーザーインターフェース部103、オブジェクト検出部104、運転操作部105、車両駆動部106、運行部107、センシング部108及び保存部109を制御して、自律走行車両100の全般的な動作を制御することができる。
【0031】
また、制御部102は自律走行車両の制御装置110を含むか、本開示の実施例による自律走行車両の制御装置110は、制御部102と別個に具現されて制御部102と通信することができる。
【0032】
ユーザーインターフェース部103は、走行車両100と車両利用者との疎通のためのものであり、利用者の入力信号を受信し、受信された入力信号を制御部102に伝達し、制御部102の制御により利用者に走行車両100が保有する情報を提供することができる。ユーザーインターフェース部103は、入力モジュール、内部カメラ、生体感知モジュール及び出力モジュールを含むことができるが、これに限定されない。
【0033】
オブジェクト検出部104は、走行車両100の外部に位置するオブジェクトを検出するためのものであり、センシングデータに基づいてオブジェクト情報を生成し、生成されたオブジェクト情報を制御部102に伝達することができる。このとき、オブジェクトは、走行車両100の運行に係る多様な物体、例えば、車線、他車両、歩行者、二輪車、交通信号、光、道路、構造物、減速帯、地形物、動物などを含むことができる。
【0034】
運転操作部105は、運転のための使用者入力を受信することができる。マニュアルモードの場合、走行車両100は、運転操作部105により提供される信号に基づいて運行されることができる。
【0035】
車両駆動部106は、走行車両100内の各種装置の駆動を電気的に制御することができる。車両駆動部106は、走行車両100内のパワートレイン、シャシ、ドア/ウィンドウ、安全装置、ランプ及び空調機の駆動を電気的に制御することができる。
【0036】
運行部107は、走行車両100の各種運行を制御することができる。運行部107は、自律走行制御モードで動作されることができる。
【0037】
センシング部108は、走行車両100に装着されたセンサを用いて走行車両100の状態をセンシング、すなわち、走行車両100の状態に関する信号を感知し、感知された信号によって走行車両100の移動経路情報を獲得することができる。センシング部108は、獲得された移動経路情報を制御部102に提供することができる。
【0038】
保存部109は、制御部102と電気的に連結される。保存部109は、車両事故防止装置の各部に対する基本データ、車両事故防止装置の各部の動作制御のための制御データ、出入力されるデータを保存することができる。保存部109は、制御部102の処理又は制御のためのプログラムなど、走行車両100の全般の動作のための多様なデータ、特に、運転者性向情報を保存することができる。
【0039】
実施例で、制御部102に含まれた自律走行車両の制御装置110は、自律走行車両100をACC(Adaptive Cruise Control)モード、LC(Lane Change)モード及びDC(Distant Control)モードのうちいずれか一つで動作するように制御することができる。
【0040】
具体的に、図2に示されているように、自律走行車両の制御装置110は、自律走行車両100が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて自律走行車両の縦方向又は横方向制御を行なうACCモード201で自律走行車両100を動作させることができる。
【0041】
自律走行車両の制御装置110は、運転者又はシステム(例えば、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)又は制御部102)からの車線変更の要請発生に連動して、車線変更の危険度を判断し、危険度に基づいて目的車線への車線変更が可能な場合、横方向又は縦方向制御を行なって車線を変更するLCモード202で自律走行車両100を動作させることができる。このとき、自律走行車両の制御装置110は、自律走行車両の情報(例えば、自律走行車両の速度)、車線変更の目的車線を走行する側方車両の情報(例えば、側方車両の速度)に基づいて車線変更の危険度を判断することができる。自律走行車両の制御装置110は、目的車線への車線変更が完了したら、ACCモード201に切り替えることができる。
【0042】
また、車線変更の危険度に基づいて車線変更が不可能な場合、自律走行車両の制御装置110は、走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように自律走行車両を縦方向制御するDCモード203で自律走行車両100を動作させることができる。自律走行車両の制御装置110は、DCモード203における自律走行車両の位置移動によって、車線変更の危険度が除去されれば、車線変更のために縦方向又は横方向制御を行なうLCモード202に切り替えることができる。
【0043】
図3は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置の構成を概略的に示した図面である。
【0044】
図3を参照すると、自律走行車両の制御装置300は、プロセッサ301及びメモリ302を含むことができる。
【0045】
プロセッサ301は、自律走行車両の走行制御モードをACCモードに設定して、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように自律走行車両を制御することができる。
【0046】
プロセッサ301は、車線変更の要請発生に連動して、車線変更の危険度を判断し、危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうことができる。このとき、プロセッサ301は、自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び自律走行車両と側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断することができる。ここで、側方車両は、目的車線で自律走行車両(すなわち、自車両)の前側に位置した側前方車両及び目的車線で自律走行車両の後側に位置した側後方車両を含むことができる。
【0047】
プロセッサ301は、車線変更の危険度として車線変更の危険が存在しないと判断されれば、自律走行車両の走行制御モードをLCモードに設定して、目的車線への車線変更を行なうことができる。
【0048】
一方、プロセッサ301は、車線変更の危険度として車線変更の危険が存在すると判断されれば、自律走行車両の走行制御モードをDCモードに設定して、走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように自律走行車両の縦方向制御を行なうことができる。このとき、プロセッサ301は、自律走行車両と側前方車両との間の距離及び自律走行車両と側後方車両との間の距離に係る条件を拘束条件として走行車線で自律走行車両が最小限に移動するように車線変更可能な位置(最適地点)を決定することができる。
【0049】
一実施例で、プロセッサ301は、走行車線内で前方車両が感知される場合、感知された前方車両の後方範囲で拘束条件を満たす位置に決定することができる。すなわち、プロセッサ301は、DCモードで、前方車両、側前方車両、側後方車両の全てを同時に考慮して自律走行車両を走行車線内の車線変更が可能な位置に移動するように縦方向又は横方向制御することができる。
【0050】
車線変更の危険度を判断する一例として、プロセッサ301は、側方車両を基準とする安全距離を決定し、自律走行車両と側方車両との間の実際距離と安全距離とを比較した結果に基づいて危険度を判断することができる。ここで、側方車両は、車線変更の目的車線を走行する側前方車両及び側後方車両を含むことができる。
【0051】
具体的に、プロセッサ301は、自律走行車両の速度に比例して側前方車両を基準とする第1安全距離を決定し、側後方車両の速度に比例して側後方車両を基準とする第2安全距離を決定した後、第1安全距離及び第2安全距離に基づいて車線変更の危険度を判断することができる。このとき、プロセッサ301は、自律走行車両の速度
【0052】
【数1】
と側前方車両の速度
【0053】
【数2】
との間の差をさらに基盤として第1安全距離を決定し、側後方車両の速度
【0054】
【数3】
と自律走行車両の速度
【0055】
【数4】
との間の差をさらに基盤として第2安全距離を決定することができる。すなわち、プロセッサ301は、自律走行車両の速度
【0056】
【数5】
から側前方車両の速度
【0057】
【数6】
を差し引いた第1結果値及び自律走行車両の速度
【0058】
【数7】
に基づいて第1安全距離を決定し、側後方車両の速度
【0059】
【数8】
から自律走行車両の速度
【0060】
【数9】
を差し引いた第2結果値及び側後方車両の速度
【0061】
【数10】
に基づいて第2安全距離を決定することができる。
【0062】
また、プロセッサ301は、自律走行車両の速度及び側後方車両の速度にそれぞれ第1加重値を付与し、第1結果値及び第2結果値にそれぞれ第2加重値を付与して、第1加重値及び第2加重値をさらに基盤として第1安全距離及び第2安全距離を決定することができる。ここで、第1加重値及び第2加重値は、自律走行車両の車線変更による側後方車両の速度変化、自律走行車両の車線変更遂行中における側前方車両の減速による自律走行車両の速度変化に基づいてあらかじめ設定されることができる。第1、2安全距離の決定方法は、説明の便宜上、図4を参照して下記に詳しく説明する。
【0063】
実施例で、プロセッサ301は、自律走行車両と側前方車両との間の実際距離が第1安全距離を超過し、自律走行車両と側後方車両との間の実際距離が第2安全距離を超過することが確認される場合、危険度として車線変更の危険が存在しないと判断することができる。一方、プロセッサ301は、自律走行車両と側前方車両との間の実際距離が第1安全距離を超過しないか、又は、自律走行車両と側後方車両との間の実際距離が第2安全距離を超過しないことが確認される場合、危険度として車線変更の危険が存在すると判断することができる。
【0064】
実施例で、プロセッサ301は、周辺車両(例えば、前方車両、側方車両)を目標車両として設定し、目標車両に基づいて自律走行車両を制御することができる。
【0065】
プロセッサ301は、前方車両又は側方車両を目標車両として設定し、目標車両を基準として上記自律走行車両が移動しなければならない距離である制御要求距離
【0066】
【数11】
目標車両と自律走行車両との間の距離
【0067】
【数12】
目標車両の速度
【0068】
【数13】
及び自律走行車両の速度
【0069】
【数14】
に基づいて自律走行車両の目標加速度を算出し、目標加速度に基づいて自律走行車両の縦方向速度を制御することができる。このとき、プロセッサ301は、目標車両と自律走行車両との間の距離
【0070】
【数15】
と制御要求距離
【0071】
【数16】
との間の第1差、及び目標車両の速度
【0072】
【数17】
と上記自律走行車両の速度
【0073】
【数18】
との間の第2差に基づいて自律走行車両の目標加速度を算出することができる。ここで、目標車両と自律走行車両との間の距離
【0074】
【数19】
と制御要求距離
【0075】
【数20】
は、自律走行車両の走行制御モードによって異なるように設定されることができる。結果的に、プロセッサ301は、自律走行車両の走行制御モード別に自律走行車両の目標加速度を相異なるように算出することができ、これにより自律走行車両をして走行状況に応じた最適の走行を行えるようにさせる。
【0076】
プロセッサ301は、自律走行車両が目的車線に車線変更を行なうLCモードで、目的車線に対する収斂程度に基づいて前方車両と側方車両の危険度を反映した仮想車両を設定し、仮想車両を目標車両として設定することができる。例えば、車線変更遂行開始時点の仮想車両は、前方車両の危険度をより反映するが、車線変更遂行が進むにつれて(目的車線に対する収斂程度が大きくなるにつれて)側方車両の危険度をより反映することができる。すなわち、車線変更遂行中に目的車線に対する収斂程度が変化して仮想車両の性格(前方車両と側方車両の危険度反映比率)も変化し得る。ここで、目的車線に対する収斂程度は、自律走行車両が走行する走行車線から車線変更の目的車線に移動するとき、目的車線に対する自律走行車両の到達程度(進入程度)を意味することができる。
【0077】
車線変更時、プロセッサ301は、前方車両と側方車両の危険度を反映した仮想車両を目標車両として設定することにより、繊細な走行を行なって周辺車両と衝突することなくスムーズに自律走行車両の車線変更を行えるようにする。
【0078】
メモリ302は、プロセッサ301と動作可能に連結され、プロセッサ301で行なわれる動作と連関して少なくとも一つのコードを保存することができる。
【0079】
また、メモリ302は、プロセッサ301が処理するデータを一時的又は永久的に保存する機能を行なうことができる。ここで、メモリ302は、磁気保存媒体(magnetic storage media)又はフラッシュ保存媒体(flash storage media)を含むことができるが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。このようなメモリ302は、内臓メモリ及び/又は外部メモリを含むことができ、DRAM、SRAM、又はSDRAMなどのような揮発性メモリ、OTPROM(one time programmable ROM)、PROM、EPROM、EEPROM、mask ROM、flash ROM、NANDフラッシュメモリ、又はNORフラッシュメモリなどのような非揮発性メモリ、SSD、CF(compact flash)カード、SDカード、Micro-SDカード、Mini-SDカード、Xdカード、又はメモリスティック(memory stick)などのようなフラッシュドライブ、又はHDDのような保存装置を含むことができる。
【0080】
図4は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で車線変更の危険度を判断する過程、危険度判断過程で導出される安全領域及び不安全領域を説明するための図面である。
【0081】
図4を参照すると、走行車線401(Current lane)に位置する自律走行車両411の制御装置は、車線変更の要請発生が受信されたら、車線変更の目的車線402(Side lane)に位置する側方車両412、413を基準とする安全距離421、422を決定し、自律走行車両411と側方車両412、413との間の実際距離と安全距離421、422とを比較した結果に基づいて危険度を判断することができる。
【0082】
このとき、走行車線401に位置する自律走行車両411の制御装置は、数式(1)によって、目的車線402で自律走行車両411の前側に位置した側前方車両412を基準とする第1安全距離421
【0083】
【数21】
及び目的車線402で自律走行車両411の後側に位置した側後方車両413を基準とする第2安全距離422
【0084】
【数22】
を決定することができる。ここで、第1、2安全距離421、422はそれぞれ側前方車両412及び側後方車両413の中心を基準として決定されることができるが、これに限定されない。例えば、第1安全距離421は、側前方車両412の後面を基準として決定されてもよく、第2安全距離422は側後方車両413の前面を基準として決定されてもよい。
【0085】
【数23】
ここで、
【0086】
【数24】
は自律走行車両411の速度であり、
【0087】
【数25】
は側前方車両412の速度であり、
【0088】
【数26】
は側後方車両413の速度である。
【0089】
第1安全距離を決定する数式(1)の(1a)は、自律走行車両411の絶対速度を反映した第1項及び自律走行車両411と側前方車両412との間の相対速度を反映した第2項で構成されることができる。このとき、第1項は、自律走行車両411の速度が早いほど大きくなる。第2項は、自律走行車両411と側前方車両412との間の相対速度が0である場合、0と算出され、自律走行車両411と側前方車両412との間の間隔が狭くなる場合、大きくなり、自律走行車両411と側前方車両412との間の間隔が広くなる場合、小さくなる。
【0090】
第2安全距離を決定する数式(1)の(1b)は、先行車両が自律走行車両411であり追従車両が側後方車両413である部分が第1安全距離を決定する数式(1)の(1a)と差異があるだけで、安全距離が計算される方法は、第1安全距離を決定する数式)(1)の(1a)と同一である。
【0091】
第1安全距離を決定する数式(1)の(1a)で絶対タウ
【0092】
【数27】
と相対タウ
【0093】
【数28】
は、絶対速度を反映した安全距離項(第1項)と相対速度を反映した安全距離項(第2項)にそれぞれ掛けられるタイムギャップ概念の加重値であり、車線変更において積極性と安全性という相反する目標の間に対して折衷点を得ることができるようにするチューニングパラメータである。
【0094】
絶対タウ
【0095】
【数29】
は、第1加重値であり、大きくなるほど絶対速度を反映した安全距離が大きくなることから、相対的に広い車間で車線変更を行なうことになり安全性を向上させ、小さくなるほど安全距離が小さくなることから、相対的に狭い車間で車線変更を行なうことになり積極性を向上させることができるようにするパラメータである。
【0096】
相対タウ
【0097】
【数30】
は、第2加重値であり、大きくなるほど相対速度を反映した安全距離項の増加比率又は減少比率が極大化される。すなわち、側方車両が速度差をもって自律走行車両に近付く場合を例とすると、相対タウ
【0098】
【数31】
が大きくなるほどより防御的(安全性)に自律走行車両411が車線変更を行なうことになり、小さくなるほどより攻撃的(積極性)に自律走行車両411が車線変更を行なうことになる。
【0099】
絶対タウ
【0100】
【数32】
及び相対タウ
【0101】
【数33】
は、車線変更を行なう途中で側前方車両が急制動して発生し得る危険性と、自律走行車両の無理な車線変更による側後方車両で発生し得る危険性などを総合的に考慮して設定されることができる。
【0102】
自律走行車両411の制御装置は、側方車両412、413を基準とする安全距離421、422が決定されれば、自律走行車両411と側方車両412、413との間の実際距離と安全距離421、422とを比較した結果に基づいて車線変更の危険度を判断することができる。ここで、車線変更の危険度は数式(2)により表されることができる。
【0103】
【数34】
ここで、
【0104】
【数35】

は、車線変更の危険度の判断指標を表すことができる。
【0105】
すなわち、自律走行車両411の制御装置は、自律走行車両411と側前方車両412との間の実際距離
【0106】
【数36】
が第1安全距離421を超過(又は、以上)し、同時に自律走行車両411と側後方車両413との間の実際距離
【0107】
【数37】
が第2安全距離422を超過(又は、以上)することが確認される場合(自律走行車両が車線変更可能な安全領域に位置する場合)、危険度として車線変更の危険が存在しないと判断し、車線変更を行なうように自律走行車両411を制御することができる。
【0108】
自律走行車両411の制御装置は、自律走行車両411と側前方車両412との間の実際距離が第1安全距離421を超過しないか、又は、自律走行車両411と側後方車両413との間の実際距離が第2安全距離422を超過しないことが確認される場合(自律走行車両が不安全領域に位置する場合)、危険度として車線変更の危険が存在すると判断し、自律走行車両411の車線変更を制限することができる。このとき、自律走行車両411の制御装置は、車線変更可能な位置に自律走行車両411を移動させた後、車線変更を行なうことができる。
【0109】
図5は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置で自律走行車両の車線変更が不可能な場合における、車線変更のための位置移動の一例を説明するための図面である。
【0110】
図5を参照すると、自律走行車両411の制御装置は、車線変更の要請発生が受信されることにより車線変更の危険度を判断した結果、危険度として車線変更の危険が存在すると判断されて車線変更が不可能な場合、走行車線内で車線変更可能な位置に移動することができる。
【0111】
自律走行車両の制御装置は、数式(3)によって、車線変更可能な位置501(x,y)を決定することができる。
【0112】
【数38】
すなわち、自律走行車両411の制御装置は、数式(3)の(3b)、(3c)、(3d)、(3e)の条件を拘束条件として、走行車線で自律走行車両411が最小限に移動するように車線変更可能な位置を決定することができる。このとき、自律走行車両の制御装置は、走行車線内で前方車両が感知される場合、感知された前方車両の後方範囲で(数式(3)の(3d))残りの拘束条件を満たす位置に決定することができる。
【0113】
数式(3)での(3b)と(3c)は、車線変更が可能な領域内部の最適地点を求めるための不等式の拘束条件であり、数式(2)]で説明した通りである。
【0114】
数式(3)での(3d)は、自律走行車両の最適地点が前方車両よりも前に位置することを防止するための不等式の拘束条件である。ここで、
【0115】
【数39】
は、(x,y)から前方車両までの距離であり、
【0116】
【数40】
は、自律走行車両から前方車両までの距離である。数式(3)での(3d)は、現在走行中の自律走行車両の経路を3次多項式で表したものであり、最適地点が自律走行車両の現在走行車線上に位置するようにするための拘束条件である。現在走行中の道路が直線の場合は、数式(3)での(3e)の係数は全て0になり、数式(3)での(3a)の目的関数でもyが除かれ得るが、現在走行中の道路が曲線の場合は、(3a)の目的関数でyが含まれ得る。
【0117】
自律走行車両の制御装置は、数式(3)の目的関数(3a)及び拘束条件(3b)、(3c)、(3d)、(3e)の条件を通して、ラグランジュ関数(L)を数式(4)のように定義することができる。
【0118】
【数41】
ここで、
【0119】
【数42】
は、ラグランジュ乗数(Lagrange multi-plier)を表し、
【0120】
【数43】
は、不等式の拘束条件に対するスラック変数(slack variable)を表すことができる。自律走行車両の制御装置は、数式(4)のラグランジュ関数に含まれる最適化変数、ラグランジュ乗数、スラック変数に対して偏微分を行ない数式(5)の方程式の解を求めると、車線変更が可能な領域内部の最適地点を導出することができる。
【0121】
【数44】
ここで、最適地点は安全領域内部に位置し、前方車両と側方車両に対して安全距離が確保された位置である。また、最適地点は、自律走行車両の先に説明した拘束条件を満たしながら最小挙動だけで安全に車線変更を行なうことができる位置である。
【0122】
図6は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置での縦方向制御を説明するための図面である。
【0123】
図6を参照すると、自律走行車両601の制御装置は、3つのモード(ACCモード、LCモード、DCモード)のうちACCモードの等速度制御モードを除いた残りの全てのモードに対して周辺車両のうちの一つを目標車両として設定し、自律走行車両601を制御することができる。自律走行車両601の制御装置は、LQR(Linear Quadratic Regulator)最適制御基盤の縦方向制御アルゴリズムによって、自律走行車両601を制御することができる。ここで、目標車両は、走行制御モードによって、自律走行車両601と同一の車線にある前方車両602であってもよく、又は、変更する車線(目的車線)にある側方車両603であってもよい。
【0124】
自律走行車両601と目標車両との間の関係を表す状態方程式は、数式(6)によって表すことができる。
【0125】
【数45】
ここで、
【0126】
【数46】
は自律走行車両の加速度であり、
【0127】
【数47】
は目標車両に対する制御要求距離であり、
【0128】
【数48】
は目標車両との相対距離である。また、
【0129】
【数49】
は目標車両の速度であり、
【0130】
【数50】
は自律走行車両の速度である。
【0131】
数式(6)の状態変数Xは、2つの変数で構成され、第1状態変数は距離の目標値に対する誤差を意味し、第2状態変数は速度の目標値に対する誤差を意味することができる。
【0132】
実施例で、自律走行車両601の制御装置は、自律走行車両601の目標加速度計算のために、数式(7)におけるような形態の費用関数を定義することができる。
【0133】
【数51】
ここで、QとRは、設計要素であり、自律走行車両601の距離目標値の誤差に対する加重値、自律走行車両601の速度目標値の誤差に対する加重値、自律走行車両601の加速度変化に対する加重値で構成されることができる。ここで、各加重値は、自律走行車両601と周辺車両(例えば、前方車両、側前方車両、側後方車両)の安全に基づいた多くのチューニング過程を通して設定されることができる。
【0134】
自律走行車両601の制御装置は、例えば、行列型リカッチ(Ricatti)方程式から数式(7)の費用関数を最小化する最適ゲインを導出して、数式(8)の状態変数フィードバックを通して自律走行車両の縦方向目標加速度を計算することができる。
【0135】
【数52】
数式(7)の費用関数の中に自律走行車両601の加速度の大きさを制限するための項が含まれているが、数式(8)の(8a)の状態変数フィードバックを通して計算された目標加速度の大きさが依然として大きい値を有し得るため、数式(8)の(8b)は目標加速度を最大値以内の適切な値に制限するための式であり得る。
【0136】
また、数式(8)の(8b)は、運転者の乗り心地を阻害する急加速、急減速のような動きを防止する構成である。
【0137】
自律走行車両601の制御装置は、自律走行車両601の目標加速度が計算されると、目標加速度を加減速アクチュエータの入力値として印加して自律走行車両601の縦方向の動きを制御することができる。
【0138】
実施例で、自律走行車両の制御装置は、3つの走行制御モード、すなわち、ACCモード(等間隔制御モード)、LCモード、DCモードごとに特性に合う最適の縦方向制御を行なえるように状態変数を構成する値を異なるように設定することができる。
【0139】
自律走行車両の制御装置は、ACCモード(等間隔制御モード)で前方車両を目標車両として設定した場合、状態変数の構成要素を数式(9)のように設定することができる。
【0140】
【数53】
ここで、制御要求距離は、安全制動距離
【0141】
【数54】
タイムギャップ
【0142】
【数55】
前方車両の速度
【0143】
【数56】
で構成されることができる。Cpは、前方車両との相対距離である。
【0144】
また、自律走行車両の制御装置は、DCモードで変更する車線の車両のうち安全距離が確保されていない車両を目標車両として設定した場合、状態変数の構成要素を数式(10)のように設定することができる。
【0145】
【数57】
ここで、制御要求距離は、変更する車線の車両に対する安全距離を確保しなければならないため、変更する車線の目標車両の位置
【0146】
【数58】
と数式(3)乃至数式(5)を通して導出された車線変更最適地点
【0147】
【数59】
との間の距離で構成されることができる。
【0148】
side
【0149】
【数60】
は、それぞれ変更する車線の車両との相対距離と車両の速度を表す。
【0150】
また、自律走行車両の制御装置は、図7に示されているように、LCモードにおける車線変更時には、前方車両と変更する車線の車両(二車両)に対する危険度を反映した一つの仮想車両701を導出し、仮想車両を目標車両として設定した場合、状態変数の構成要素を数式(11)のように設定することができる。このとき、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両が前方車両と変更する車線の車両に対して安全距離を維持して車線変更を行なわなければならないことを考慮して、二車両に対する危険度を反映した一つの仮想車両を導出することができる。
【0151】
【数61】
ここで、自律走行車両の制御装置は、二車両の危険度を考慮した一つの仮想車両を導出するために、変更する車線への横方向収斂程度を反映する横方向収斂加重値βを用いることができる。すなわち、自律走行車両の制御装置は、数式(11)のように前方車両と変更する車線の車両に対してそれぞれ横方向収斂加重値βに基づいて目的車線に到逹するほど仮想車両が側方車両を反映するように設定することができる。
【0152】
自律走行車両の制御装置は、βの横方向収斂加重値を付与することができる。これにより、1)制御要求距離、2)相対距離、3)絶対速度の面で、自律走行車両が変更する車線に進入する程度によって、仮想車両に反映される前方車両と変更する車線の車両との比率が変わる。すなわち、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両をして、車線変更を行なう過程の間、初期には前方車両により高い比重をおいて距離制御を行なうようにさせ、後期には変更する車線の車両に対してより高い比重をおいて距離制御を行なうようにさせることができる。これにより、自律走行車両は、車線変更遂行中に二車両に対して適切な安全距離を維持して車線を変更し、車線変更を完了した後には、ACCモードにスムーズに切り替えられることができる。
【0153】
図8は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置での横方向制御を説明するための図面である。
【0154】
自律走行車両の制御装置は、縦方向制御だけではなく、横方向制御を行なうことができる。すなわち、自律走行車両の制御装置は、3つのモード(ACCモード、LCモード、DCモード)の全てで横方向制御を行なうことができる。このとき、自律走行車両の制御装置は、ACCモードとDCモードでは現在の車線を維持するための走行車線内での横方向制御を行ない、LCモードでは車線変更のための横方向制御を行なうことができる。
【0155】
自律走行車両の制御装置は、ACCモードとDCモードで車線維持のための横方向制御を行うとき、自車線の中心線又は側方車線を走行する車両との中間距離線を目標経路として生成することができる。このとき、自車線の中心線は、例えば、イメージセンサを用いるか、高精度地図(HD Map)に基づいた一般的な方法で生成されることができる。
【0156】
実施例で、自律走行車両の制御装置は、LCモードで、例えば、3次スプライン曲線(Cubic spline curve)を用いて、車線変更のための経路を生成することができる。ここで、経路は、数式(12)の3次多項式で表すことができる。
【0157】
【数62】
車線変更経路の特性を考慮して、数式(12)の3次多項式の係数値を決定するための4つの条件は、数式(13)の通りである。
【0158】
【数63】
(x0、y0)は、自律走行車両の現在位置であり、(xf、yf)は、変更する車線の一地点である。車両が安全に車線変更を行なうために考慮されなければならない車線変更経路の特性には、例えば、高速走行で急激な操向入力を避けなければならないし、変更する車線に正確に収斂した後、車線維持のための経路追従に問題があってはならない。このために、変更する車線の一地点(xf、yf)を決定する要素として自律走行車両の速度が反映されることができる。
【0159】
自律走行車両の制御装置は、3つのモードで車線維持又は車線変更のための経路を生成した後は、経路を追従する横方向制御を行なうことができる。このとき、自律走行車両の制御装置は、例えば、ピュアパシュート(Pure Pursuit)経路追従技法に基づいて経路を追従することができる。具体的に、自律走行車両の制御装置は、図8に示されているように、目標経路を追従するために経路上の一点を予見点801(Look ahead point)として設定し、予見点を通るための自律走行車両の要求操向角を生成することができる。予見点は、車の経路追従性能と操向安定性を決定する重要なパラメータであり、数式(14)のように自律走行車両の速度に基づいて設定されることができる。
【0160】
【数64】
ここで、Ldは、自律走行車両の速度
【0161】
【数65】
を考慮した目標経路上の予見点までの距離を示し、kは、車線維持と車線変更の2つの状況に対してそれぞれの適した予見点を設定して自律走行車両の安定的な要求操向角を生成するためのパラメータである。
【0162】
ここで、目標経路を追従するための最終要求操向角
【0163】
【数66】
は、数式(15)によって表すことができる。
【0164】
【数67】
ここで、
【0165】
【数68】
は、車両の軸距であり、θerrは、自律走行車両の座標系基準の予見点のヨー角を示し、Rは、回転半径である。
【0166】
自律走行車両の制御装置は、ピュアパシュートアルゴリズムを通して自律走行車両の要求操向角が計算されると、自律走行車両の要求操向角を操向アクチュエータの入力値として印加して車両の横方向挙動を制御することができる。
【0167】
以下、図9乃至図12を参照して自律走行車両の制御装置での多様な走行の一例を説明する。図9乃至図12は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御装置における4つのシナリオによる走行の一例を示した図面である。
【0168】
ここで、図9乃至図11で、自律走行車両901は、例えば、60km/hで前方車両902を追従することができる。これによって、自律走行車両901と前方車両902は同一の速度で走行しているため、自律走行車両901と前方車両902との間の間隔は車線変更前まで初期の設定された間隔に維持されることができる。図12で、側後方車両904は、100km/hの速い速度で接近した後、急減速して側前方車両を追従することができ、自律走行車両901は、側後方車両904が自律走行車両901の後方25m地点に到逹した時点で車線変更要請を受信することができる。
【0169】
また、図9乃至図11で、自律走行車両901が一定距離を維持して前方車両902を追従するとき、最小の安全のために確保しなければならない距離を時間で示した指標であり、設定された範囲の値(例えば、1.5秒~2.2秒)を有するタイムギャップが用いられることができる。図9乃至図11で、自律走行車両901は、車線変更要請を受信する直前まで設定された範囲の値のうち最も小さい値である1.5秒のタイムギャップで前方車両902を追従することができる。ここで、周辺車両(前方車両、側前方車両、側後方車両)は、ACCモードで動作されることができる。ACC等速度制御モードの設定速度は、あらかじめ定められた値に設定されることができ、ACC等間隔制御モードの設定タイムギャップは、年齢と性別による運転者の手動運転走行特性を分析した結果に基づいて設定されることができる。
【0170】
4つのシナリオの場合全てで、例えば、10秒で運転者の方向指示器作動又は自律走行ロジックの判断によって車線変更を受信したことと仮定されることができる。自律走行車両901の走行制御モードは、ACCモード、LCモード、DCモードに区分される。ACCモードは車線変更の要請直前まで自律走行車両901が前方車両902を一定間隔で追従する状況を示し、LCモードは自律走行車両901が車線変更をしている過渡状態を示す。DCモードは自律走行車両901が車線変更をすぐ行なうことができず最適の地点に移動している状態を示す。
【0171】
図13乃至図15は、図9でのシナリオ1による走行結果を示した図面である。
【0172】
図13は、それぞれ5秒、12秒、20秒時点での走行状況を示す。自律走行車両が前方車両をタイムギャップ1.5秒で追従中の状況で、10秒又は190m近傍で車線変更要請が入ってきた場合である。10秒以前まで側前方車両と側後方車両は同一の60km/hの速度で走っている。10秒以前まで側後方車両は側前方車両と40mの距離間隔で走っており、これは側前方車両のタイムギャップが先に設定した1.8秒よりも大きい間隔であるため、側後方車両のACC等間隔制御モードは作動しない状態と見ることができる。
【0173】
図14及び図15は、自律走行車両から見た前方車両と側方車両の相対距離と相対速度を示している。車線変更要請時点で側前方車両と側後方車両の相対距離がそれぞれ20mと-20mである。これは、自律走行車両の速度と側方車両の速度を通して導出した[数式1]の側前方安全距離及び側後方安全距離20mを満たすため、自律走行車両は安全距離確保のための追加挙動なしにすぐ車線変更を行なうことができる。
【0174】
図15において、自律走行車両は車線変更(LC)領域で側前方車両に対して減速し最大5km/hの速度差を作り出すことが分かるが、これは、車線変更以後、側前方車両を自身の新たな前方車両としてタイムギャップ1.5秒で追従するための戦略と見ることができる。
【0175】
図15を通して、自律走行車両は車線変更要請が入って来た10秒から減速をしているが、側後方車両は約12.5秒から減速することが分かる。これは、自律走行車両が車線変更を始めても側後方車両が自律走行車両を自身の車線に進入する車両として認知するのに一定時間がかかるためである。側後方車両は、その後、自律走行車両に比べて最大6km/hの速度差が出るように減速することが分かるが、これは、側後方車両が自律走行車両の車線変更以後に自律走行車両を自身の新たな前方車両としてタイムギャップ1.8秒で追従するためである。
【0176】
図13乃至図15から、自律走行車両の車線変更は側後方車両に脅威を与えない範囲内で行われたことが分かる。
【0177】
図14において、車線変更以後に自律走行車両は側前方車両に対してタイムギャップ1.5秒、すなわち、車速60km/h基準25mの間隔を維持するために縦方向制御を行い、側後方車両は自律走行車両に対してタイムギャップ1.8秒、すなわち、車速60km/h基準30mの間隔を維持するために縦方向制御を行なうことが分かる。前方車両と側前方車両は、自律走行車両の車線変更と車速変更並びに側後方車両の車速変更に全く影響を受けず60km/hの設定速度で走行し続けることが分かる。
【0178】
図16乃至図18は、図10でのシナリオ2による走行結果を示した図面である。
【0179】
図16は、それぞれ5秒、12秒、18秒、25秒時点での走行状況を示している。自律走行車両が前方車両をタイムギャップ1.5秒で追従する途中、10秒時点で車線変更要請が入って来たが、変更する車線の車両と安全距離が確保できず、距離制御(DC)を行ってから車線変更を行なう場合である。10秒以前まで側後方車両は側前方車両と50mの距離間隔で走っており、この距離は、側後方車両のタイムギャップ1.8秒よりも大きい間隔であるため、側後方車両のACC等間隔制御モードは作動していない状態と見られる。車線変更は、自律走行車両を基準に側前方車両と側後方車両のいずれも安全距離が確保されたときに行なわれることができるが、図17を通して、10秒時点で側後方車両は安全距離が確保されているが側前方車両は安全距離が確保されていないことが分かる。これによって、自律走行車両は側前方車両に対して安全距離を確保するために約3.5秒間距離制御(DC)を行った後、約6.5秒にわたって車線変更(LC)を行なう。
【0180】
図18において、自律走行車両は距離制御(DC)領域で側前方車両に対して最大6km/hの速度差が出るように減速することができる。自律走行車両の速度変化により、図17におけるように、側前方安全距離は減少し、側後方安全距離は増加(大きさにおいて)する。距離制御(DC)を行なってから3.5秒が経った13.5秒時点で自律走行車両に対する側前方安全距離と側後方安全距離がいずれも確保されて、その時から自律走行車両の車線変更(LC)が始まる。車線変更は約6.5秒にわたって行われるが、車線変更開始後2秒間は側前方車両に対して最大7km/hの速度差が出るように追加減速し、その後、4.5秒間は加速して車線変更以後のタイムギャップ制御に備えることが分かる。
【0181】
図17から、車線変更以後、自律走行車両は側前方車両に対してタイムギャップ1.5秒の間隔を維持するための縦方向制御を行い、側後方車両は自律走行車両に対してタイムギャップ1.8秒の間隔を維持するための縦方向制御を行うことが分かる。前方車両と側前方車両の場合、自律走行車両の車線変更と車速変更並びに側後方車両の車速変更に全く影響を受けず60km/hの設定速度で走行し続けることができる。
【0182】
図16乃至図18のグラフから、シナリオ2の走行状況に対して自律走行車両は周辺車両に危険をもたらすことなく車線変更を上手く行なうことが確認できる。
【0183】
シナリオ2では、シナリオ1と異なり、側前方車両に対する安全距離未充足により直ちにLCモードに切り替えできず、DCモード切り替え後、十分な安全距離が確保されたと判断したとき、LCモードに切り替えられたことが確認できる。
【0184】
図19乃至図21は、図11でのシナリオ3による走行結果を示した図面である。
【0185】
図19は、それぞれ5秒、14秒、23秒、32秒時点での走行状況を示している。自律走行車両が前方車両をタイムギャップ1.5秒で追従する途中、10秒時点で車線変更要請が入って来たが、変更する車線の車両と安全距離が確保できず、距離制御(DC)を行ってから車線変更(LC)を行う場合である。10秒以前まで側後方車両は側前方車両を先に設定したタイムギャップ1.5秒で追従している場合である。
【0186】
図20を見ると、10秒時点で側前方車両と側後方車両のいずれも車線変更のための安全距離が確保されていないことが分かる。これにより、自律走行車両は側前方車両に対して安全距離を確保するために約11秒間距離制御(DC)を行ってから、その後、約7秒にわたって車線変更(LC)を行なう。
【0187】
図21において、自律走行車両は距離制御(DC)領域で側前方車両に対して最大17km/hの速度差が出るように減速をするが、これは先の二つのシナリオの場合に比べて相当大きい値であることが分かる。これに対する原因を明らかにするために、11秒間の距離制御(DC)領域を大きく初めの2秒とその後との二つの領域に分けて考察する。初めの2秒の間に自律走行車両の減速により側前方車両との相対速度が約10km/hに広がりながら側前方車両に対する安全距離が確保される(図20)。
【0188】
しかし、このような減速により側後方車両との安全距離はむしろ悪化し、その間に側後方車両が自律走行車両のすぐ側面まで近接することになる。これにより、自律走行車両は側方車両の現在挙動が継続して維持される限り、側前方車両と側後方車両との間の空間では車線変更を行なうことができないと判断し、側後方車両の後方に行って車線変更をすることを決定することができる。これにより、追加の減速を通して側方車両と最大17km/hの速度差を作ることになり、側後方車両の後側で安全距離を確保することになる。
【0189】
図20を見ると、14秒時点で側後方車両の相対距離が負数から正数に変わることが分かるが、これは、側後方車両が自律走行車両を通り過ぎて前側へ行くことを意味する。これにより、安全距離に対する基準も後方安全距離から前方安全距離に切り替えられる。さらに、図21を見ると、距離制御(DC)領域の約15秒時点から自律走行車両は加速して側方車両との速度差を減らすことが分かる。これは、以後、車線変更を行なう状況で変更する車線の車両と過度な速度差をおくことが望ましくないため行った正しい挙動と言え、これにより自律走行車両は車線変更(LC)領域で緩やかな減速、すなわち、側方車両と速度差を最大2km/hだけ発生させタイムギャップ追従モードに切り替えることが分かる。
【0190】
図21で三車両の相対速度がいずれも同一に出るのは、これら三車両が自律走行車両の挙動に全く影響を受けずに同一の速度で等速走行するためである。
【0191】
図19乃至図21のグラフから、運転者にとって相当困難なシナリオ3の走行状況に対して、自律走行車両は周辺車両に危険をもたらすことなく車線変更を上手く行なうようにすることが確認できる。
【0192】
シナリオ3では、シナリオ2とは異なり、二つの側方車両に対する安全距離をいずれも未充足の状況で自律走行車両は側方車両間の車線変更可能空間がないと判断して側後方車両の後方に移動した後に車線変更を行ったことが確認できた。
【0193】
図22乃至図24は、図12でのシナリオ4による走行結果を示した図面である。
【0194】
自律走行車両が前方車両をタイムギャップ1.5秒で追従する途中、10秒時点で車線変更要請が入って来たが、側後方車両が高速で近接して自律走行車両の車線変更危険度を高めているため、自律走行車両は距離制御を行ってから車線変更を試みる場合である。図22は、それぞれ5秒、14秒、21秒、28秒時点での走行状況を示している。
【0195】
図23を見ると、初めの5秒間は側後方車両が自律走行車両の80m以上後方に位置していて自律走行車両のセンサがこれを認知できずにいる。約5秒時点から側後方車両が認知され側後方車両の高い車速が反映されて、後方安全距離が他のシナリオに比べて非常に大きいことが分かり、車線変更要請がある10秒時点で側後方車両に対する安全距離が確保されていないことが分かる。
【0196】
自律走行車両は、側前方車両と側後方車両に対する相対距離と安全領域を考慮して側前方車両と側後方車両との間の空間には車線変更を行なうことができないと判断し、これにより、自律走行車両を側後方車両の後方に移動するための距離制御を行なう。距離制御(DC)は、約7秒にわたって行われ、その後、約6秒にわたって車線変更(LC)が行なわれる。
【0197】
図24で、自律走行車両は距離制御(DC)領域で側前方車両に対して減速し最大19km/hの速度差が出るように減速するが、これは、4つのシナリオの中で最も大きい値であることが分かる。このような減速を通して側後方車両の相対距離は急激に小さくなり約12.5秒時点では正数に切り替わるが、これは、自律走行車両が側後方車両の後方に移動したことを意味する。側後方車両が自律走行車両の前方に位置することになりながら本来側後方車両が側前方車両に切り替わり、これは、図23の12.5秒時点で前方安全距離のグラフにおける若干の不連続的変化からも確認することができる。この不連続変化の大きさが大きくないのは、図24から分かるように、12.5秒時点で側後方車両と側前方車両との速度の差が4km/h程度とあまり大きくないためである。さらに、図23で10秒以後、後方安全距離がシナリオ2、3とは異なり速く小さくなるのは、側後方車両が走行中近くなった側前方車両と一定距離を維持するために急減速する程度が、自律走行車両が車線変更のための距離制御のために減速する程度よりも遥かに大きいからである。
【0198】
距離制御(DC)領域の終了時点ではすべての車両の相対距離が前方安全距離を示す線よりも前方に位置し安全距離が確保されたことが確認できる。これを通して、シナリオ4でも側方車両に対して安全距離を確保するための挙動が上手くなされたことが分かる。
【0199】
自律走行車両は、車線変更(LC)領域で自身よりも先に行く側後方車両との速度差を減らして車線変更を行なっており、車線変更を完了した後は側後方車両に対して1.5秒のタイムギャップを維持して追従中であることが確認できる。
【0200】
図22乃至図24のグラフから、車線変更に非常に悪意的で、大事故につながり得るシナリオ4の走行状況に対しても、本開示の一実施例による自律走行車両は周辺車両に危険をもたらすことなく車線変更を上手く行なうことが確認できる。
【0201】
このとき、シナリオ4では、シナリオ1と異なり、側後方車両が自律走行車両と大きい速度差をもって急加速して接近する場合、自律走行車両は側方車両間の車線変更可能空間がないと判断して側後方車両の後方に移動した後、車線変更を行ったことが確認できる。
【0202】
図25は、本開示の一実施例による自律走行車両の制御方法を示したフローチャートである。
【0203】
図25を参照すると、段階2510で、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両が走行する走行車線で前方車両との距離又はあらかじめ設定された速度に基づいて走行するように自律走行車両を制御することができる。
【0204】
段階2520で、自律走行車両の制御装置は、車線変更の要請発生に連動して、自律走行車両の速度、車線変更の目的車線を走行する側方車両の速度及び自律走行車両と側方車両との間の距離に基づいて車線変更の危険度を判断することができる。ここで、側方車両は、車線変更の目的車線を走行する側前方車両及び側後方車両を含むことができる。
【0205】
実施例で、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両の速度に比例して側前方車両を基準とする第1安全距離を決定し、側後方車両の速度に比例して側後方車両を基準とする第2安全距離を決定した後、第1安全距離及び第2安全距離に基づいて車線変更の危険度を判断することができる。
【0206】
このとき、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両の速度から側前方車両の速度を差し引いた第1結果値及び自律走行車両の速度に基づいて第1安全距離を決定することができる。また、自律走行車両の制御装置は、側後方車両の速度から自律走行車両の速度を差し引いた第2結果値及び側後方車両の速度に基づいて第2安全距離を決定することができる。
【0207】
第1、2安全距離の決定時、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両の速度及び側後方車両の速度にそれぞれ付与された第1加重値と、第1結果値及び第2結果値にそれぞれ付与された第2加重値とに基づいて、第1安全距離及び第2安全距離を決定することができる。第1加重値及び第2加重値は、自律走行車両の車線変更による側後方車両の速度変化、自律走行車両の車線変更遂行中の側前方車両の減速による自律走行車両の速度変化に基づいてあらかじめ設定されることができる。
【0208】
以後、自律走行車両の制御装置は、危険度に基づいて車線変更のための横方向又は縦方向制御を行なうことができる。
【0209】
具体的に、段階2530で、自律走行車両の制御装置は、危険度として車線変更の危険が存在すると判断されたら、段階2540で、走行車線内で車線変更可能な位置に移動するように自律走行車両の縦方向制御を行なうことができる。
【0210】
このとき、自律走行車両の制御装置は、自律走行車両と側前方車両との間の距離及び自律走行車両と側後方車両との間の距離に係る条件を拘束条件として走行車線で自律走行車両が最小限に移動するように車線変更可能な位置を決定することができる。ここで、自律走行車両の制御装置は、走行車線内で前方車両が感知される場合、感知された前方車両の後方範囲で拘束条件を満たす位置に決定することができる。
【0211】
段階2550で、自律走行車両の制御装置は、車線変更するように自律走行車両を制御することができる。
【0212】
上記段階2530で、危険度として車線変更の危険が存在しないと判断されたら、自律走行車両の制御装置は、上記段階2550に移動して、車線変更するように自律走行車両を制御することができる。
【0213】
実施例で、自律走行車両の制御装置は、前方車両又は側方車両を目標車両として設定し、目標車両に基づいて自律走行車両を制御することができる。具体的に、自律走行車両の制御装置は、目標車両を基準として自律走行車両が移動しなければならない距離である制御要求距離、目標車両と自律走行車両との間の距離、目標車両の速度及び自律走行車両の速度に基づいて自律走行車両の目標加速度を算出し、目標加速度に基づいて自律走行車両の縦方向速度を制御することができる。
【0214】
このとき、自律走行車両の制御装置は、目標車両と自律走行車両との間の距離と制御要求距離との間の第1差及び目標車両の速度と自律走行車両の速度との間の第2差に基づいて自律走行車両の目標加速度を算出することができる。ここで、目標車両と自律走行車両との間の距離と制御要求距離は、自律走行車両の走行制御モードによって異なるように設定されることができる。
【0215】
また、自律走行車両が目的車線に車線変更を行なうLCモードで、自律走行車両の制御装置は、目的車線に対する収斂程度に基づいて前方車両と側方車両との間の仮想車両を設定し、仮想車両を目標車両として設定することができる。自律走行車両の制御装置は、車線変更時、前方車両と側方車両との間の仮想車両を目標車両として設定することにより、繊細な走行を行なって周辺車両と衝突することなくスムーズに自律走行車両の車線変更を行えるようにする。
【0216】
本開示の明細書(特に、特許請求の範囲)で「上記」の用語及びこれと類似の指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものであり得る。また、本開示で範囲(range)を記載した場合、上記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものであり(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に上記範囲を構成する各個別の値を記載したものと同じである。
【0217】
本開示による方法を構成する段階について明白な順序の記載又は反する記載がなければ、上記段階は適当な順序で行われることができる。必ずしも上記段階の記載順序によって本開示が限定されるものではない。本開示で全ての例又は例示的な用語(例えば、等々)の使用は、単純に本開示を詳しく説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、上記例又は例示的な用語により本開示の範囲が限定されるものではない。また、通常の技術者は多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲又はその均等物の範疇内で設計条件及び因子(factor)によって構成され得ることが分かる。
【0218】
したがって、本開示の思想は、上記説明された実施例に極限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等な又はそれから等価的に変更されたあらゆる範囲は、本開示の思想の範疇に属するとものと言える。
【符号の説明】
【0219】
100:自律走行車両
110:自律走行車両の制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25