IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 枇榔(辰巳) みゆきの特許一覧

<>
  • 特開-カーラー 図1
  • 特開-カーラー 図2
  • 特開-カーラー 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166695
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】カーラー
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/10 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A45D2/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077385
(22)【出願日】2022-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】522183973
【氏名又は名称】枇榔(辰巳) みゆき
(74)【代理人】
【識別番号】100109254
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 雅典
(72)【発明者】
【氏名】枇榔(辰巳) みゆき
【テーマコード(参考)】
3B038
【Fターム(参考)】
3B038AB01
(57)【要約】
【課題】 周囲の人に違和感を与えず、装着中の不快感が少なく、カールの仕上がり良好で、直径サイズを変更できるカーラーを提供する。
【解決手段】 スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有する概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成される目隠しカバーと、を有してなり、前記芯部を前記目隠しカバーの長手方向の略中央部に収容する一方、前記芯部より長く延在する前記目隠しカバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成されるカバーと、を備えてなり、
前記芯部を前記カバーの長手方向の略中央部に収容すると共に前記芯部より長く延在する前記カバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成され、押し込まれたカバーの両側端部により前記貫通孔が外部から内側を見通すことができない程度に閉じられていることを特徴とするカーラー。
【請求項2】
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より稍長い筒状に形成されて両側端部がそれらの縁部に縫い込まれる伸縮性紐により窄められることで閉鎖されるカバーと、を備えてなり、
前記芯部を前記カバー内に収容することにより形成され、前記貫通孔が前記伸縮性紐により窄められることにより内側を見通すことができない程度に閉じられていることを特徴とするカーラー。
【請求項3】
前記スポンジシートは、PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするPVAスポンジをシート状に形成したものであることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー。
【請求項4】
前記カバーは、前記スポンジシートの巻き具合を加減することによる前記芯部の直径の変化に応じて前記芯部の外表面に沿うようにフィット可能な伸縮性を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー。
【請求項5】
弾発性素材で形成されており、前記貫通孔に挿通されることにより前記カーラーの両側端から両端部が延出するように配設されて、延出する両端部どうしを連結することにより環状を成す髪留め具を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー。
【請求項6】
前記貫通孔に挿通されて両端部が前記カーラーの両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部が前記ピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、髪をカールさせるためのヘアスタイリング器具としてカーラーがよく用いられている。具体的には蓄熱型カーラーを加熱して髪を巻き付けた後、又は髪を巻き付けたカーラーをドライヤー等で加熱した後、髪を巻いたままで放置して自然冷却することによりカール状態を定着させる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
カールを長持ちさせるにはカーラーに髪を巻いておく時間をできるだけ長くすることが好ましい。一方、カーラーを装着していても手は空いているため、待ち時間中にメイクや着替え等の身支度をしたり家事を済ませたりする人が多く、中には外出したいと考える人もいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-320677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のカーラーは、硬質樹脂製や金属製の円筒形状であり、その両端部が髪を巻いた横からはみ出している様子は不細工であり、更に髪が解けないように大きなクリップや二股の留めピンで挟み込んだりすると、目立ち易く周囲の人に違和感を与える。
【0006】
また、従来のカーラーを装着したままで身体を動かすと、その重さや硬さの影響で髪が引っ張られて頭部に不快感を生じ易い。クリップや留めピンで髪をしっかり挟み込むように固定して長時間経つと、クリップや留めピンの痕が付くこともある。
【0007】
その他、従来のカーラーでは、ヘアスタイリングを変えるために直径サイズの異なる複数種類を用意しておくことが必要で保管や収納の負担が大きい。
【0008】
上記の実情に鑑みて、本発明は、周囲の人に違和感を与えにくく、装着中の不快感が少なく、カールの仕上がり良好で、異なる直径サイズに対応するカーラーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成されるカバーと、を備えてなり、
前記芯部を前記カバーの長手方向の略中央部に収容すると共に前記芯部より長く延在する前記カバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成され、押し込まれたカバーの両側端部により前記貫通孔が外部から内側を見通すことができない程度に閉じられていることを特徴とするカーラー
を提供する。
【0010】
請求項2の発明は、
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より稍長い筒状に形成されて両側端部がそれらの縁部に縫い込まれる伸縮性紐により窄められることで閉鎖されるカバーと、を備えてなり、
前記芯部を前記カバー内に収容することにより形成され、前記貫通孔が前記伸縮性紐により窄められることにより内側を見通すことができない程度に閉じられていることを特徴とするカーラー
を提供する。
【0011】
請求項3の発明は、
前記スポンジシートは、PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするPVAスポンジをシート状に形成したものであることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー
を提供する。
【0012】
請求項4の発明は、
前記カバーは、前記スポンジシートの巻き具合を加減することによる前記芯部の直径の変化に応じて前記芯部の外表面に沿うようにフィット可能な伸縮性を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー
を提供する。
【0013】
請求項5の発明は、
弾発性素材で形成されており、前記貫通孔に挿通されることにより前記カーラーの両側端から両端部が延出するように配設されて、延出する両端部どうしを連結することにより環状を成す髪留め具を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー
を提供する。
【0014】
請求項6の発明は、
前記貫通孔に挿通されて両端部が前記カーラーの両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部が前記ピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のカーラー
を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、周囲の人に違和感を与えにくく、装着中の不快感が少なく、カールの仕上がり良好で、直径サイズを変更できるカーラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るカーラー及びその形成方法を示す図。
図2】スポンジシートの巻き具合の加減による芯部の直径の調節について説明する図。
図3】カーラーに巻き付けた髪が解けないようにする髪留め具について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態であるカーラー1について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(カーラー1)
カーラー1は、図1(a)に示される概ね円筒形状体であり、下記のように形成される。まず、図1(b)に矢印Aで示すように概ね矩形板状の薄いスポンジシートSを端からくるくる巻くことにより、図1(c)又は図2に示すように軸方向から見ると、渦巻き状で且つ中心部(軸心)に貫通孔2aを有する概ね円筒形状の芯部2を形成する。次に、芯部2を、これよりも長く、視覚的な遮蔽性を有するニット素材で筒状に形成される目隠しカバー3に挿入して、図1(d)に示すようにその長手方向の略中央部に収容する。そして、同図に矢印Bで示すように芯部2よりも長く延在するカバー3の両側端部をそれぞれ内側に折り返すようにして芯部2の貫通孔2a内へ押し込むことによりカーラー1が形成される。
【0019】
(芯部2)
芯部2を形成するスポンジシートSには、PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするPVAスポンジをシート状に形成したものを用いる。PVAスポンジは、湿らせた状態では柔軟性に優れており、乾燥状態になると或る程度の撓み性を残しながら硬化する。したがって、水分を加え湿らせて、希望のヘアスタイリングに適した直径になるように巻いて、それを乾燥することで、撓み性を有しながら型崩れしにくい芯部2が得られる。なお、PVAスポンジ等の吸水性に優れたスポンジを用いることで、乾燥した芯部がセットした髪から湿気を速やかに取りスタイリング時間の短縮に貢献することが期待される。
【0020】
図2(a)及び(b)は、同じ大きさのスポンジシートSを円筒形状に丸めて軸方向から見た状態を模式的に示したものであるが、目隠しカバー3から取り出して湿らせた状態で巻き具合を加減して巻くことにより芯部2の直径を変化させることができる。例えば軽くふんわりしたカールに仕上げたいときは、図2(a)に示すように芯部の直径を大きくするように調節し、くっきりしたカールに仕上げたいときは、図2(b)に示すように芯部の直径を小さくするように調節すると良い。乾燥すると、不意に拡径したり広がったりしにくくなり、調節して得られた直径が維持される。カール形状のアレンジに応じて円筒形状に限らず楕円筒形状に形成することにしても良い。上記のとおりであるから、直径サイズや断面形状の異なる複数種類のカーラーを保有する必要がない。
【0021】
(目隠しカバー3)
目隠しカバー3は、太い糸で編み目が大きく形成されて表面に凹凸があり厚みがあって伸縮性を有するニット素材で形成され、且つ芯部2よりも筒軸方向に長い筒状体であり、芯部2を収容することにより、芯部2が捲れたりしないように保護する。目隠しカバー3は、芯部2を内部に挿入したときに、芯部2の直径の変化(大小)に応じて、その伸縮性により芯部2の外表面に沿うようにフィットすることで芯部2を一層型崩れしにくくする保形性を有しており、また、芯部2を形成するスポンジ地が外部から見えないか、殆ど見えなくするように覆う視覚的な遮蔽性(目隠し効果)を有するカバーである。
【0022】
芯部2よりも長く延在する目隠しカバー3の両側端部は、芯部2の内側へ折り返されて縮径されることで径方向に波打ち、且つ厚みが大きくボリュームを有していることにより図1(a)に示すように、貫通孔2aの内側を外部から見通すことができない程度に閉じる(閉塞させる)。したがって、芯部2の内側面(貫通孔2a)に表れるスポンジシート地も外部から見えることはない。但し、目隠しカバー3自体の両側端は、図1(c)及び(d)に示すように開口しており、また、ニット素材でクッション性があるため、後述する髪留め具4を貫通孔2a内へ挿通することを妨げることはない。なお、目隠しカバー3は、その両側端部が芯部2の内部に押し込まれることにより、空洞の芯部2が平たく押し潰されることを防止する詰め物の役割も果たすものである。
【0023】
目隠しカバー3によれば、上述したようにスポンジシートSを丸めただけで空洞の芯部2を潰れないように保形しながら、外部から見えないように隠すことに加えて、その厚みと凹凸により芯部2の円周面全体を柔らかく膨らませることができ、しかも芯部2の両側縁部のエッジを丸めるように覆うため、単なるヘアスタイリング器具である従来のカーラーとは異なり、頭飾具のような外観を呈する。したがって、装着したままで外出しても周囲の人に対する違和感を与えにくい。
【0024】
目隠しカバーの素材として、例えば装着者の髪色に似た色合いのものを選択すれば、カーラー自体が目立ち難くなって一層の違和感防止効果が期待できる。また、分厚く凹凸のあるニット素材は巻き付けた髪が食い込み易いため、装着中にズレにくく、従来のカーラーのように髪の横ズレを防ぐための突起やフランジを設ける必要がない。ニット素材としてタオル地のものを用いることにより吸水性を向上させるようにしても良い。
【0025】
上記のとおり、カーラー1は、スポンジシートSを円筒状(空洞状)に丸めたものをニット地で覆っただけの構造であるから軽量で柔らかく、たとえ装着した状態で多少身体を動かしても髪が引っ張られるような不快感が少なく、待ち時間に用事を済ませながら快適に過すことができる。しかも、芯部2を筒状の目隠しカバー3内に収納して、カバーの両端部を芯部内に押し込むだけで簡単且つ直感的に組み立てることができて、縫い留めたりする面倒な作業は一切不要で分解や直径寸法の変更も容易に行える。なお、分解したスポンジシートSを、湿らせた状態で平坦状に広げたり折り畳んだり、或いは小径に巻いたりして乾燥させれば、嵩が小さく抑えられて保管スペースが少なく済む。
【0026】
上述したカーラー1に巻いた髪が解けないようにするために、従来のクリップや留めピンを使用することにしても良いが、装着したままで長時間経つと、クリップや留めピンの痕が付くこともあるため、以下のような留め具を組み合わせて備えるようにしても良い。
【0027】
(髪留め具4)
例えば、金属製又は樹脂製の弾発性素材(力を加えると容易に撓み変形し、力を取り除くと元に戻る素材)で形成されて、図3(a)に示すように、両端部にマグネット式の連結具41a、41aからなる連結機構を有するワイヤー状の本体41と、本体41の変形及び復元を阻害しないように取り付けられる装飾材42を備えており、連結機構の磁力で環状に閉じられる髪留め具4を備えることとしても良い。装飾材42は、複数の玉状体で貫通形成された孔に本体41が通された状態で動かないように固定されている。
【0028】
髪留め具4の本体41をカーラー1の内部(貫通孔2a)に挿通させて、両端部がカーラー1の両側端から延出するように配設しておき、カーラー1に髪を巻き付けた後で、図3(b)に示すように両端部の連結具41a、41aを連結して環状に閉じることにより、巻き付けた髪(不図示)を解けないように押さえることができる。芯部の外側に現れる部分には装飾材42が取り付けられているため、従来のクリップや留めピンを用いるよりも見栄えが良い。
【0029】
ここで、環状に閉じられた髪留め具4の内周側には、スポンジシート2aとその外表面を覆う目隠しカバー3の中央部及び押し込まれた目隠しカバーの両端が存在するため、これらのクッション性或いは撓み性により、カーラー1に巻き付けられた髪がカーラー1の外側を通る髪留め具4に弾性的に押し付けられる。したがって、髪は確り固定されて容易に解けることが無く、その一方で従来の髪をクリップやピン等で挟み込むものと異なり、留め痕が付きにくいものである。
【0030】
(上記実施形態の変形例)
上記実施形態では、芯部2を形成するスポンジシートSの素材として、PVAスポンジを用いたが、これに限らず、湿らせた状態では柔軟性に優れており、乾燥状態になると或る程度の撓み性を残しながら硬化する他のスポンジを用いてもよく、ウレタンスポンジや更に別のスポンジを用いてもよい。また、目隠しカバー3は編物(ニット生地)等の厚みがある伸縮性の柔軟素材で形成することとしたが、スポンジシートSを外部から見通せないように隠すことができる柔軟素材であれば、織物で形成してもよく、綿生地、麻生地、その他の生地あるいは不織布や紙材を用いてもよい。なお、直径を大きめに設定すれば、伸縮性を有しないものでも芯部の直径サイズ変更に対応可能である。
【0031】
上記実施形態では、図1(d)に示すように、目隠しカバー3を芯部2よりかなり長めの筒状として、芯部2より長く延在する両側端部を貫通孔2a内へ折り返すように押し込むことで貫通孔2aを閉鎖したが、これに代えて、目隠しカバーを芯部2より稍長い筒状にすると共に両側端部の縁部沿いにごく短い伸縮性紐(ゴム紐等)を縫い込むことにより開口が窄められて閉鎖されるように形成しても良い。閉鎖された両側端部の一方を広げるように開口することで芯部2を収容することができて、一旦収容すると、広げた側端部は再び小さく窄められて外部から貫通孔の内側を見通すことができないように閉鎖される。これにより、上記実施形態に比べて目隠しカバーを短くコンパクトになり、両側端部を折り返したり押し込んだりする手間もなく、より簡単にカーラーを形成することができる。
【0032】
上記実施形態では、髪留め具として両端部にマグネット式の連結機構を有する弾発性のワイヤー状体を採用したが、ワイヤー状体に代えて、革紐、ゴム紐その他の紐状体、半硬質プラスチック製の棒状体を用いてもよく、マグネット式連結機構に代えて、両端部に相互に掛止め合うようなフックを設けたり、両端部の一方にリング、他方に開閉式リングを設けたりしても良いし、本体が紐状体であれば連結機構を設けずに両端部を直接結び合わせたり、撚り合わせたりして連結できるものとしてもよい。
【0033】
上記実施形態では、カーラー1に両端部を相互に連結することにより環状をなす髪留め具を組み合わせることとしたが、これに代えてカーラー1の軸心部に挿通されて両端部がカーラー1の両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部がピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることとしても良い。その他、本発明は、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更をなし得る。
【符号の説明】
【0034】
1 カーラー
2 芯部
3 目隠しカバー(カバー)
4 髪留め具
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバーの長手方向の略中央部に収容すると共に前記芯部より長く延在する前記カバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成され、押し込まれたカバーの両側端部により前記貫通孔が外部から内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
弾発性素材で形成されており、前記貫通孔に挿通されることにより前記カーラーの両側端から両端部が延出するように配設されて、延出する両端部どうしを連結することにより環状を成す髪留め具を備えることを特徴とするカーラー。
【請求項2】
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバーの長手方向の略中央部に収容すると共に前記芯部より長く延在する前記カバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成され、押し込まれたカバーの両側端部により前記貫通孔が外部から内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
前記貫通孔に挿通されて両端部が前記カーラーの両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部が前記ピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることを特徴とするカーラー。
【請求項3】
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部を収容することができる長さの筒状に形成されて両側端部がそれらの縁部に縫い込まれる伸縮性紐により窄められることで閉鎖されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバー内に収容することにより形成され、前記貫通孔が前記伸縮性紐により窄められることにより内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
弾発性素材で形成されており、前記貫通孔に挿通されることにより前記カーラーの両側端から両端部が延出するように配設されて、延出する両端部どうしを連結することにより環状を成す髪留め具を備えることを特徴とするカーラー。
【請求項4】
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部を収容することができる長さの筒状に形成されて両側端部がそれらの縁部に縫い込まれる伸縮性紐により窄められることで閉鎖されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバー内に収容することにより形成され、前記貫通孔が前記伸縮性紐により窄められることにより内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
前記貫通孔に挿通されて両端部が前記カーラーの両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部が前記ピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることを特徴とするカーラー。
【請求項5】
前記スポンジシートは、PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするPVAスポンジをシート状に形成したものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカーラー。
【請求項6】
前記カバーは、前記スポンジシートの巻き具合を加減することによる前記芯部の直径の変化に応じて前記芯部の外表面に沿うようにフィット可能な伸縮性を有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカーラー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、髪をカールさせるためのヘアスタイリング器具としてカーラーがよく用いられている。具体的には蓄熱型カーラーを加熱して髪を巻き付けた後、又は髪を巻き付けたカーラーをドライヤー等で加熱した後、髪を巻いたままで放置して自然冷却することによりカール状態を定着させる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
カールを長持ちさせるにはカーラーに髪を巻いておく時間をできるだけ長くすることが好ましい。一方、カーラーを装着していても手は空いているため、待ち時間中にメイクや着替え等の身支度をしたり家事を済ませたりする人が多く、中には外出したいと考える人もいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-320677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のカーラーは、硬質樹脂製や金属製の円筒形状であり、その両端部が髪を巻いた横からはみ出している様子は不細工であり、更に髪が解けないように大きなクリップや二股の留めピンで挟み込んだりすると、目立ち易く周囲の人に違和感を与える。
【0006】
また、従来のカーラーを装着したままで身体を動かすと、その重さや硬さの影響で髪が引っ張られて頭部に不快感を生じ易い。クリップや留めピンで髪をしっかり挟み込むように固定して長時間経つと、クリップや留めピンの痕が付くこともある。
【0007】
その他、従来のカーラーでは、ヘアスタイリングを変えるために直径サイズの異なる複数種類を用意しておくことが必要で保管や収納の負担が大きい。
【0008】
上記の実情に鑑みて、本発明は、周囲の人に違和感を与えにくく、装着中の不快感が少なく、カールの仕上がり良好で、異なる直径サイズに対応するカーラーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバーの長手方向の略中央部に収容すると共に前記芯部より長く延在する前記カバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成され、押し込まれたカバーの両側端部により前記貫通孔が外部から内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
弾発性素材で形成されており、前記貫通孔に挿通されることにより前記カーラーの両側端から両端部が延出するように配設されて、延出する両端部どうしを連結することにより環状を成す髪留め具を備えることを特徴とするカーラー
を提供する。
【0010】
請求項2の発明は、
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部より長い筒状に形成されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバーの長手方向の略中央部に収容すると共に前記芯部より長く延在する前記カバーの両側端部を前記貫通孔内へ折り返すように押し込むことにより形成され、押し込まれたカバーの両側端部により前記貫通孔が外部から内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
前記貫通孔に挿通されて両端部が前記カーラーの両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部が前記ピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることを特徴とするカーラー
を提供する。
【0011】
請求項3の発明は、
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部を収容することができる長さの筒状に形成されて両側端部がそれらの縁部に縫い込まれる伸縮性紐により窄められることで閉鎖されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバー内に収容することにより形成され、前記貫通孔が前記伸縮性紐により窄められることにより内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
弾発性素材で形成されており、前記貫通孔に挿通されることにより前記カーラーの両側端から両端部が延出するように配設されて、延出する両端部どうしを連結することにより環状を成す髪留め具を備えることを特徴とするカーラー
を提供する。
【0012】
請求項4の発明は、
スポンジシートが渦巻き状に巻かれることにより中心部に貫通孔を有して概ね円筒形状又は楕円筒形状に形成される芯部と、遮蔽性を有する柔軟素材で前記芯部を収容することができる長さの筒状に形成されて両側端部がそれらの縁部に縫い込まれる伸縮性紐により窄められることで閉鎖されるカバーと、を備えてなり、前記芯部を前記カバー内に収容することにより形成され、前記貫通孔が前記伸縮性紐により窄められることにより内側を見通すことができない程度に閉じられているカーラーであって、
前記貫通孔に挿通されて両端部が前記カーラーの両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部が前記ピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることを特徴とするカーラー
を提供する。
【0013】
請求項5の発明は、
前記スポンジシートは、PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするPVAスポンジをシート状に形成したものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカーラー
を提供する。
【0014】
請求項6の発明は、
前記カバーは、前記スポンジシートの巻き具合を加減することによる前記芯部の直径の変化に応じて前記芯部の外表面に沿うようにフィット可能な伸縮性を有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカーラー
を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、周囲の人に違和感を与えにくく、装着中の不快感が少なく、カールの仕上がり良好で、直径サイズを変更できるカーラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るカーラー及びその形成方法を示す図。
図2】スポンジシートの巻き具合の加減による芯部の直径の調節について説明する図。
図3】カーラーに巻き付けた髪が解けないようにする髪留め具について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態であるカーラー1について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(カーラー1)
カーラー1は、図1(a)に示される概ね円筒形状体であり、下記のように形成される。まず、図1(b)に矢印Aで示すように概ね矩形板状の薄いスポンジシートSを端からくるくる巻くことにより、図1(c)又は図2に示すように軸方向から見ると、渦巻き状で且つ中心部(軸心)に貫通孔2aを有する概ね円筒形状の芯部2を形成する。次に、芯部2を、これよりも長く、視覚的な遮蔽性を有するニット素材で筒状に形成される目隠しカバー3に挿入して、図1(d)に示すようにその長手方向の略中央部に収容する。そして、同図に矢印Bで示すように芯部2よりも長く延在するカバー3の両側端部をそれぞれ内側に折り返すようにして芯部2の貫通孔2a内へ押し込むことによりカーラー1が形成される。
【0019】
(芯部2)
芯部2を形成するスポンジシートSには、PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするPVAスポンジをシート状に形成したものを用いる。PVAスポンジは、湿らせた状態では柔軟性に優れており、乾燥状態になると或る程度の撓み性を残しながら硬化する。したがって、水分を加え湿らせて、希望のヘアスタイリングに適した直径になるように巻いて、それを乾燥することで、撓み性を有しながら型崩れしにくい芯部2が得られる。なお、PVAスポンジ等の吸水性に優れたスポンジを用いることで、乾燥した芯部がセットした髪から湿気を速やかに取りスタイリング時間の短縮に貢献することが期待される。
【0020】
図2(a)及び(b)は、同じ大きさのスポンジシートSを円筒形状に丸めて軸方向から見た状態を模式的に示したものであるが、目隠しカバー3から取り出して湿らせた状態で巻き具合を加減して巻くことにより芯部2の直径を変化させることができる。例えば軽くふんわりしたカールに仕上げたいときは、図2(a)に示すように芯部の直径を大きくするように調節し、くっきりしたカールに仕上げたいときは、図2(b)に示すように芯部の直径を小さくするように調節すると良い。乾燥すると、不意に拡径したり広がったりしにくくなり、調節して得られた直径が維持される。カール形状のアレンジに応じて円筒形状に限らず楕円筒形状に形成することにしても良い。上記のとおりであるから、直径サイズや断面形状の異なる複数種類のカーラーを保有する必要がない。
【0021】
(目隠しカバー3)
目隠しカバー3は、太い糸で編み目が大きく形成されて表面に凹凸があり厚みがあって伸縮性を有するニット素材で形成され、且つ芯部2よりも筒軸方向に長い筒状体であり、芯部2を収容することにより、芯部2が捲れたりしないように保護する。目隠しカバー3は、芯部2を内部に挿入したときに、芯部2の直径の変化(大小)に応じて、その伸縮性により芯部2の外表面に沿うようにフィットすることで芯部2を一層型崩れしにくくする保形性を有しており、また、芯部2を形成するスポンジ地が外部から見えないか、殆ど見えなくするように覆う視覚的な遮蔽性(目隠し効果)を有するカバーである。
【0022】
芯部2よりも長く延在する目隠しカバー3の両側端部は、芯部2の内側へ折り返されて縮径されることで径方向に波打ち、且つ厚みが大きくボリュームを有していることにより図1(a)に示すように、貫通孔2aの内側を外部から見通すことができない程度に閉じる(閉塞させる)。したがって、芯部2の内側面(貫通孔2a)に表れるスポンジシート地も外部から見えることはない。但し、目隠しカバー3自体の両側端は、図1(c)及び(d)に示すように開口しており、また、ニット素材でクッション性があるため、後述する髪留め具4を貫通孔2a内へ挿通することを妨げることはない。なお、目隠しカバー3は、その両側端部が芯部2の内部に押し込まれることにより、空洞の芯部2が平たく押し潰されることを防止する詰め物の役割も果たすものである。
【0023】
目隠しカバー3によれば、上述したようにスポンジシートSを丸めただけで空洞の芯部2を潰れないように保形しながら、外部から見えないように隠すことに加えて、その厚みと凹凸により芯部2の円周面全体を柔らかく膨らませることができ、しかも芯部2の両側縁部のエッジを丸めるように覆うため、単なるヘアスタイリング器具である従来のカーラーとは異なり、頭飾具のような外観を呈する。したがって、装着したままで外出しても周囲の人に対する違和感を与えにくい。
【0024】
目隠しカバーの素材として、例えば装着者の髪色に似た色合いのものを選択すれば、カーラー自体が目立ち難くなって一層の違和感防止効果が期待できる。また、分厚く凹凸のあるニット素材は巻き付けた髪が食い込み易いため、装着中にズレにくく、従来のカーラーのように髪の横ズレを防ぐための突起やフランジを設ける必要がない。ニット素材としてタオル地のものを用いることにより吸水性を向上させるようにしても良い。
【0025】
上記のとおり、カーラー1は、スポンジシートSを円筒状(空洞状)に丸めたものをニット地で覆っただけの構造であるから軽量で柔らかく、たとえ装着した状態で多少身体を動かしても髪が引っ張られるような不快感が少なく、待ち時間に用事を済ませながら快適に過すことができる。しかも、芯部2を筒状の目隠しカバー3内に収納して、カバーの両端部を芯部内に押し込むだけで簡単且つ直感的に組み立てることができて、縫い留めたりする面倒な作業は一切不要で分解や直径寸法の変更も容易に行える。なお、分解したスポンジシートSを、湿らせた状態で平坦状に広げたり折り畳んだり、或いは小径に巻いたりして乾燥させれば、嵩が小さく抑えられて保管スペースが少なく済む。
【0026】
上述したカーラー1に巻いた髪が解けないようにするために、従来のクリップや留めピンを使用することにしても良いが、装着したままで長時間経つと、クリップや留めピンの痕が付くこともあるため、以下のような留め具を組み合わせて備えるようにしても良い。
【0027】
(髪留め具4)
例えば、金属製又は樹脂製の弾発性素材(力を加えると容易に撓み変形し、力を取り除くと元に戻る素材)で形成されて、図3(a)に示すように、両端部にマグネット式の連結具41a、41aからなる連結機構を有するワイヤー状の本体41と、本体41の変形及び復元を阻害しないように取り付けられる装飾材42を備えており、連結機構の磁力で環状に閉じられる髪留め具4を備えることとしても良い。装飾材42は、複数の玉状体で貫通形成された孔に本体41が通された状態で動かないように固定されている。
【0028】
髪留め具4の本体41をカーラー1の内部(貫通孔2a)に挿通させて、両端部がカーラー1の両側端から延出するように配設しておき、カーラー1に髪を巻き付けた後で、図3(b)に示すように両端部の連結具41a、41aを連結して環状に閉じることにより、巻き付けた髪(不図示)を解けないように押さえることができる。芯部の外側に現れる部分には装飾材42が取り付けられているため、従来のクリップや留めピンを用いるよりも見栄えが良い。
【0029】
ここで、環状に閉じられた髪留め具4の内周側には、スポンジシート2aとその外表面を覆う目隠しカバー3の中央部及び押し込まれた目隠しカバーの両端が存在するため、これらのクッション性或いは撓み性により、カーラー1に巻き付けられた髪がカーラー1の外側を通る髪留め具4に弾性的に押し付けられる。したがって、髪は確り固定されて容易に解けることが無く、その一方で従来の髪をクリップやピン等で挟み込むものと異なり、留め痕が付きにくいものである。
【0030】
(上記実施形態の変形例)
上記実施形態では、芯部2を形成するスポンジシートSの素材として、PVAスポンジを用いたが、これに限らず、湿らせた状態では柔軟性に優れており、乾燥状態になると或る程度の撓み性を残しながら硬化する他のスポンジを用いてもよく、ウレタンスポンジや更に別のスポンジを用いてもよい。また、目隠しカバー3は編物(ニット生地)等の厚みがある伸縮性の柔軟素材で形成することとしたが、スポンジシートSを外部から見通せないように隠すことができる柔軟素材であれば、織物で形成してもよく、綿生地、麻生地、その他の生地あるいは不織布や紙材を用いてもよい。なお、直径を大きめに設定すれば、伸縮性を有しないものでも芯部の直径サイズ変更に対応可能である。
【0031】
上記実施形態では、図1(d)に示すように、目隠しカバー3を芯部2よりかなり長めの筒状として、芯部2より長く延在する両側端部を貫通孔2a内へ折り返すように押し込むことで貫通孔2aを閉鎖したが、これに代えて、目隠しカバーを芯部2より稍長い筒状にすると共に両側端部の縁部沿いにごく短い伸縮性紐(ゴム紐等)を縫い込むことにより開口が窄められて閉鎖されるように形成しても良い。閉鎖された両側端部の一方を広げるように開口することで芯部2を収容することができて、一旦収容すると、広げた側端部は再び小さく窄められて外部から貫通孔の内側を見通すことができないように閉鎖される。これにより、上記実施形態に比べて目隠しカバーを短くコンパクトになり、両側端部を折り返したり押し込んだりする手間もなく、より簡単にカーラーを形成することができる。
【0032】
上記実施形態では、髪留め具として両端部にマグネット式の連結機構を有する弾発性のワイヤー状体を採用したが、ワイヤー状体に代えて、革紐、ゴム紐その他の紐状体、半硬質プラスチック製の棒状体を用いてもよく、マグネット式連結機構に代えて、両端部に相互に掛止め合うようなフックを設けたり、両端部の一方にリング、他方に開閉式リングを設けたりしても良いし、本体が紐状体であれば連結機構を設けずに両端部を直接結び合わせたり、撚り合わせたりして連結できるものとしてもよい。
【0033】
上記実施形態では、カーラー1に両端部を相互に連結することにより環状をなす髪留め具を組み合わせることとしたが、これに代えてカーラー1の軸心部に挿通されて両端部がカーラー1の両側端から延出するように設けられるピンと、アーチ状に形成されてその両端部がピンの両端部にそれぞれ係合する髪留め具を備えることとしても良い。その他、本発明は、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更をなし得る。
【符号の説明】
【0034】
1 カーラー
2 芯部
3 目隠しカバー(カバー)
4 髪留め具