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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166710
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20230101AFI20231115BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B05B11/00 102B
B05B11/00 102G
B65D47/34 100
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077408
(22)【出願日】2022-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000166155
【氏名又は名称】古沢 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】古沢 正弘
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA25
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC04
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC04
3E084GA04
3E084GB04
3E084KB01
3E084KB05
3E084KB06
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
(57)【要約】
【課題】ノズルヘッド部の噴出口から噴出される液体の噴出態様を簡単な構成で切替え可能にする液体噴出器を提供すること。
【解決手段】液体噴出器では、容器の内部から供給された液体を、ノズルヘッド部の噴出口から前方側に噴出可能であり、ノズルヘッド部と一体又は固定された収納ケース部が、外周側からノズルヘッド部を覆う。収納ケース部では、貫通孔が、外周面から内周面まで貫通し、可動スリーブは、ノズルヘッド部の軸方向に沿って移動可能な状態で、ノズルヘッド部の外周面と収納ケース部の内周面との間に設けられる。可動スリーブの内部に、ノズルヘッド部の噴出口が位置し、ノズルヘッド部の移動に対応して、噴出口と通気孔との間の収納ケース部の内部における連通状態が、切替わる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器とともに用いられる液体噴出器であって、
前方端に噴出口が形成され、前記容器の内部から供給された液体を前記噴出口から前方側に噴出可能なノズルヘッド部と、
前記ノズルヘッド部と一体の状態、又は、前記ノズルヘッド部に固定された状態で設けられ、外周側から前記ノズルヘッド部を覆う収納ケース部であって、外周面から内周面まで貫通する通気孔が、前記ノズルヘッド部の前記噴出口に対して後方側に形成される収納ケース部と、
前記ノズルヘッド部の軸方向に沿って移動可能な状態で、前記ノズルヘッド部の外周面と前記収納ケース部の前記内周面との間に設けられ、前記ノズルヘッド部の前記噴出口が内部に位置する可動スリーブであって、前記ノズルヘッド部の前記軸方向に沿った移動に対応して、前記ノズルヘッド部の前記噴出口と前記収納ケース部の前記通気孔との間の前記収納ケース部の内部における連通状態が切替わる可動スリーブと、
を具備する、液体噴出器。
【請求項2】
前記可動スリーブが最も前記後方側の最後方位置に位置する状態では、前記収納ケース部の前記内部において、前記ノズルヘッド部の前記噴出口と前記収納ケース部の前記通気孔との間が連通せず、
前記最後方位置から前記前方側に前記可動スリーブが移動することにより、前記収納ケース部の前記内部において、前記ノズルヘッド部の前記噴出口と前記収納ケース部の前記通気孔との間が連通し、前記可動スリーブの前記内部において前記噴出口に対して前記前方側の領域に前記通気孔から空気が流入可能となる、
請求項1の液体噴出器。
【請求項3】
前記収納ケース部の前記通気孔は、前記収納ケース部の前記内部において、前記ノズルヘッド部の前記外周面と前記可動スリーブの内周面との間の隙間を通して、前記ノズルヘッド部の前記噴出口と連通する、請求項1又は2の液体噴出器。
【請求項4】
前記可動スリーブの前記内周面には、前記外周側に凹む溝が、前記ノズルヘッド部の前記軸方向に沿って形成され、
前記収納ケース部の前記通気孔は、前記収納ケース部の前記内部において、前記可動スリーブの前記内周面の前記溝を通して、前記ノズルヘッド部の前記噴出口と連通する、
請求項3の液体噴出器。
【請求項5】
前記可動スリーブの前方端には、前記可動スリーブの前記内部の空間が前記前方側へ開口する前方開口が形成され、
前記ノズルヘッド部の前記軸方向に沿った前記可動スリーブの前記移動に対応して、前記ノズルヘッド部の前記噴出口から前記可動スリーブの前記前方開口までの前記前方側への離間距離が変化し、前記噴出口から噴出された前記液体において、前記前方開口からの広がり範囲が変化する、
請求項1又は2の液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が収容される容器とともに用いられる液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体が収容される容器とともに用いられる液体噴出器が開示されている。この液体噴出器では、容器の内部から供給された液体が、ノズルヘッド部の噴出口から、前方側に噴出される。また、液体噴出器では、ノズルヘッド部の噴出口は、可動スリーブの内部に配置され、可動スリーブは、ノズルヘッド部の軸方向に移動可能である。液体噴出器では、可動スリーブの移動に対応して、ノズルヘッド部の噴出口から噴出された液体の広がり範囲(噴出範囲)が、変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-192514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のようにノズルヘッド部の噴出口から液体が噴出される液体噴出器では、噴出された液体の広がり範囲だけでなく、霧墳出及び泡噴出のいずれで噴出するか等の液体の噴出態様を1つの液体噴出器で切替え可能であることが、求められている。そして、簡単な構成で、霧墳出及び泡噴出のいずれで噴出するか等の液体の噴出態様を切替え可能にすることが、求められている。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ノズルヘッド部の噴出口から噴出される液体の噴出態様を簡単な構成で切替え可能にする液体噴出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のある態様は、容器とともに用いられる液体噴出器であって、前方端に噴出口が形成され、前記容器の内部から供給された液体を前記噴出口から前方側に噴出可能なノズルヘッド部と、前記ノズルヘッド部と一体の状態、又は、前記ノズルヘッド部に固定された状態で設けられ、外周側から前記ノズルヘッド部を覆う収納ケース部であって、外周面から内周面まで貫通する通気孔が、前記ノズルヘッド部の前記噴出口に対して後方側に形成される収納ケース部と、前記ノズルヘッド部の軸方向に沿って移動可能な状態で、前記ノズルヘッド部の外周面と前記収納ケース部の前記内周面との間に設けられ、前記ノズルヘッド部の前記噴出口が内部に位置する可動スリーブであって、前記ノズルヘッド部の前記軸方向に沿った移動に対応して、前記ノズルヘッド部の前記噴出口と前記収納ケース部の前記通気孔との間の前記収納ケース部の内部における連通状態が切替わる可動スリーブと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ノズルヘッド部の噴出口から噴出される液体の噴出態様を簡単な構成で切替え可能にする液体噴出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る液体噴出器、及び、液体噴出器とともに用いられる容器を概略的に示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る液体噴出器において、ノズルユニット及びその近傍の構成を概略的に示す断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る液体噴出器において、ノズルユニットの可動スリーブの構成の一例を概略的に示す断面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る液体噴出器のノズルユニットにおいて、可動スリーブが最後方位置に位置する場合での、ノズルヘッド部の噴出口から液体を噴出している状態を概略的に示す断面図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る液体噴出器のノズルユニットにおいて、可動スリーブが最後方位置と最前方位置との間の中途位置に位置する場合での、ノズルヘッド部の噴出口から液体を噴出している状態を概略的に示す断面図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る液体噴出器のノズルユニットにおいて、可動スリーブが最前方位置に位置する場合での、ノズルヘッド部の噴出口から液体を噴出している状態を概略的に示す断面図である。
図7図7は、第1の変形例に係る液体噴出器において、ノズルユニット及びその近傍の構成を概略的に示す断面図である。
図8図8は、第2の変形例に係る液体噴出器、及び、液体噴出器とともに用いられる容器を概略的に示す断面図である。
図9図9は、第3の変形例に係る液体噴出器、及び、液体噴出器とともに用いられる容器を概略的に示す断面図である。
図10図10は、第4の変形例に係る液体噴出器、及び、液体噴出器とともに用いられる容器を概略的に示す断面図である。
図11図11は、第5の変形例に係る液体噴出器、及び、液体噴出器とともに用いられる容器を概略的に示す断面図である。
図12図12は、第6の変形例に係る液体噴出器、及び、液体噴出器とともに用いられる容器を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る液体噴出器1、及び、液体噴出器1とともに用いられる容器2を示す。容器2の内部には、液体Lが収容される。液体Lとしては、殺菌用の次亜塩素酸ナトリウム水溶液、及び、強酸性又は強アルカリ性の金属腐食性を有する液体等が挙げられる。また、液体噴出器1及び容器2を構成する材料としては、耐薬品性が高く、かつ、柔軟性を有し、かつ、長寿命であることが求められる。液体噴出器1及び容器2の構成要素のそれぞれは、特に示さない限り、例えば、ポリエチレン系の合成樹脂から形成される。
【0011】
液体噴出器1及び容器2では、高さ方向(矢印V1及び矢印V2で示す方向)、高さ方向に対して交差する(直交又は略直交する)横方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、高さ方向及び横方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)奥行き方向(図1の紙面に直交又は略直交する方向)が、規定される。また、液体噴出器1及び容器2では、高さ方向の一方側が上側(矢印V1側)となり、高さ方向について上側とは反対側が下側(矢印X2側)となる。
【0012】
容器2には、開口3が形成され、開口3は、上側に向かって開口する。液体噴出器1は、噴出器本体5及び噴出器本体5の下側に形成される接続キャップ6を備える。接続キャップ6が上側から容器2に接続されることにより、液体噴出器1は、取外し可能に容器2に取付けられる。図1の一例では、接続キャップ6の内周面の雌ネジ7が、容器2の外周面において開口3の近傍に形成される雄ネジ8とネジ結合することにより、接続キャップ6が容器2に接続される。
【0013】
液体噴出器1では、接続キャップ6の内部に、筒状の支持部材10が配置される。図1の一例では、支持部材10の外周面の雄ネジ11が、接続キャップ6の内周面の雌ネジ12とネジ結合することにより、支持部材10が接続キャップ6に取付けられる。また、液体噴出器1では、支持部材10に、吸引管13の上端が接続される。吸引管13は、支持部材10への接続位置から容器2の内部へ向かって下側に、延設される。吸引管13の下端は、例えば、容器2の内部に収容される液体Lに挿入される。また、吸引管13の内部には、流路15が形成される。支持部材10の内部には、ボール弁16が形成される。ボール弁16は、吸引管13の支持部材10への接続位置に対して、すなわち、吸引管13の流路15の上端に対して、上側に隣接して形成される。
【0014】
噴出器本体5の内部には、流路17が形成される。流路17は、ボール弁16に対して上側に配置され、ボール弁16は、流路15,17の間に配置される。流路17は、ボール弁16を間に介して、吸引管13の内部の流路15と連通可能である。図1の一例では、流路17に屈曲部分18が形成され、流路17は、上側に向かう状態から横方向の一方側(矢印X1側)に向かう状態に、屈曲部分18において屈曲する。
【0015】
また、噴出器本体5には、空洞20が形成される。空洞20は、横方向の一方側(矢印X1側)に向かって、噴出器本体5の外部に対して開口する。空洞20は、吸引管13及びボール弁16に対して上側に位置し、流路17の屈曲部分18に対して下側に位置する。空洞20には、シリンダ21が配置され、シリンダ21は、シリンダチューブ22及びピストン23を備える。シリンダチューブ22は、例えば、ガラス繊維強化プラスチックから形成され、耐薬品性が高い。シリンダ21では、ピストン23は、横方向の一方側(矢印X1側)からシリンダチューブ22の内部に挿入され、シリンダチューブ22に対して横方向に沿って移動可能である。前述のようにピストン23が移動可能であるため、シリンダ21は、空洞20において伸縮可能となる。
【0016】
シリンダ21は、最も伸長する最伸長状態と最も収縮する最収縮状態との間で、伸縮可能である。シリンダ21では、最伸長状態において、横方向の一方側(矢印X1側)へのシリンダチューブ22からのピストン23の突出量が、最も大きい。また、シリンダ21では、コイルバネ25によってシリンダチューブ22とピストン23との間が接続され、コイルバネ25の弾性力によって、シリンダ21は最伸長状態に付勢される。
【0017】
噴出器本体5の内部では、シリンダチューブ22の内部空間は、流路17と連通する。また、ピストン23の外周面と空洞20の内周面との間には、隙間が形成される。シリンダチューブ22の内周面とピストン23の外周面の間には、図示しないシール部材等が配置され、シール部材において、シリンダチューブ22とピストン23との間は、気密に保たれる。このため、シリンダチューブ22の内部空間は、ピストン23の外周面と空洞20の内周面との間の隙間と連通しない。なお、容器2の内部は、ピストン23の外周面と空洞20の内周面との間の隙間と連通し、容器2の外部からピストン23の外周面と空洞20の内周面との間の隙間を通して、容器2の内部に空気が流入可能である。
【0018】
噴出器本体5には、手動レバー26が取付けられる。手動レバー26は、噴出器本体5への接続位置を中心として、回動可能である。手動レバー26の回動軸は、奥行き方向に沿う。手動レバー26は、横方向についてシリンダチューブ22が位置する側とは反対側から、ピストン23に当接する。手動レバー26は、接続キャップ6等に対して最も離れる最離間位置と接続キャップ6等に対して最も近づく最近接位置との間で、回動可能である。
【0019】
図1の一例では、コイルバネ25によってシリンダ21が最伸長状態に付勢されるため、手動レバー26は、最離間位置に付勢される。液体噴出器1では、使用者等によって手動レバー26が最離間位置から最近接位置に向かって押圧されることにより、コイルバネ25からの付勢に反して、シリンダ21が収縮する。なお、図1の状態では、シリンダ21は最伸長状態であり、手動レバー26は最離間位置に位置する。
【0020】
噴出器本体5には、横方向についてピストン23が突出する側(矢印X1側)から、中継部材31が接続される。図1の一例では、中継部材31の内周面の雌ネジ32が噴出器本体5の外周面の雄ネジ33とネジ結合することにより、中継部材31が噴出器本体5に接続される。また、中継部材31は、横方向について、接続キャップ6及び吸引管13対して、手動レバー26が位置する側に位置する。中継部材31の内部には、流路35が形成される。噴出器本体5の流路17と中継部材31の内部の流路35との間には、逆止弁36が配置される。流路17において流路15と連通する側とは反対側の端は、逆止弁36を間に介して、流路35と連通する。逆止弁36では、流路17から液体L等が流路35へ流入可能であるが、流路35から流路17への液体の逆流は、防止される。
【0021】
液体噴出器1は、ノズルユニット40を備える。図1の一例では、ノズルユニット40は、横方向について噴出器本体5が接続される側とは反対側から、中継部材31に接続される。図2は、ノズルユニット40及びその近傍の構成を示す。図2では、奥行き方向に直交又は略直交する断面が示される。また、ノズルユニット40では、前後方向(矢印C1及び矢印C2で示す方向)が規定される。図1及び図2の一例では、ノズルユニット40の前後方向は、液体噴出器1及び容器2の横方向と一致又は略一致する。また、ノズルユニット40では、前後方向の一方側が前方側(矢印C1側)となり、前後方向について前方側とは反対側が後方側(矢印C2側)となる。
【0022】
ノズルユニット40には、容器2の内部に収容される液体Lを供給可能である。そして、ノズルユニット40は、供給された液体Lを、前方側へ向かって噴出する。図1及び図2等に示すように、ノズルユニット40は、ノズル本体41、ノズルチップ42、可動スリーブ43及び締付けリング45を備える。また、ノズル本体41は、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47を備える。図1及び図2の一例では、ノズル本体41において、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47が、互いに対して一体に形成される。
【0023】
液体噴出器1では、中継部材31に噴出器本体5とは反対側から、ノズルユニット40のノズル本体41が接続される。図1及び図2等の一例では、ノズル本体41の内周面の雌ネジ51が中継部材31の外周面の雄ネジ52とネジ結合することにより、中継部材31にノズル本体41が接続される。ノズル本体41では、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47のそれぞれは、前方側に突出する状態で形成される。また、ノズル本体41では、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47は、雌ネジ51に対して前方側に位置する。
【0024】
ノズルヘッド部46の内部を含むノズル本体41の内部には、内部空洞53が形成される。ノズル本体41の内部空洞53は、中継部材31の内部の流路35と連通し、内部空洞53に、ノズルチップ42が配置される。容器2の内部から供給された液体Lは、流路35から内部空洞53に流入する。そして、内部空洞53においてノズルチップ42によって形成される流路を通って、液体Lは、前方側へ向かって流れる。
【0025】
なお、ノズルヘッド部46は、中心軸Cを有し、中心軸Cに沿って延設される。ノズルユニット40及びノズルヘッド部46では、中心軸Cに沿う方向が軸方向として規定され、軸方向は、前後方向と一致又は略一致する。また、ノズルユニット40では、径方向について中心軸Cから離れる側が外周側となり、径方向について外周側とは反対側、すなわち、径方向について中心軸Cに近づく側が内周側となる。そして、ノズルユニット40では、中心軸Cの軸回り方向が、周方向として規定される。
【0026】
ノズルヘッド部46では、前方端に、すなわち、前方側への突出端に、噴出口55が形成される。ノズルヘッド部46の内部を含む内部空洞53は、噴出口55を通して、ノズルヘッド部46の外部(ノズル本体41の外部)と連通する。また、ノズルユニット40では、容器2の内部から流路35等を通して内部空洞53に供給された液体は、噴出口55から前方側へ向かって噴出される。したがって、ノズルヘッド部46は、供給された液体Lを、噴出口55から前方側へ向かって噴出可能である。
【0027】
図1及び図2の一例では、使用者等によって手動レバー26を最近接位置まで押圧し、シリンダ21を最収縮状態まで収縮させると、シリンダチューブ22の内部空間の空気が、流路17,35を通って、ノズルヘッド部46の内部空洞53に流入する。これにより、シリンダチューブ22の内部空間から供給された空気が、ノズルヘッド部46の噴出口55から前方側へ噴出される。そして、手動レバーの押圧を一旦停止し、手動レバー26を最離間位置まで戻すと、シリンダ21は最伸長状態に戻る。この際、シリンダチューブ22の内部空間が負圧になり、ボール弁16が開く。これにより、容器2の内部の液体Lは、吸引管13の流路15を通して、流路17及びシリンダチューブ22の内部空間に流入する。
【0028】
そして、シリンダチューブ22の内部空間に液体Lが流入した状態で、使用者等によって手動レバー26を最近接位置まで再び押圧し、シリンダ21を最収縮状態まで再び収縮させる。これにより、流路17及びシリンダチューブ22の内部空間の液体が加圧され、流路17から逆止弁36を通して流路35に液体Lが流入する。そして、流路35からノズル本体41の内部空洞53に液体Lが供給され、ノズルヘッド部46の噴出口55から液体Lが噴出される。
【0029】
また、ノズルユニット40では、収納ケース部47は、ノズルヘッド部46を外周側から覆う。収納ケース部47は、筒状に形成され、周方向(中心軸Cの軸回り方向)について全周に渡ってノズルヘッド部46を覆う。収納ケース部47は、ノズルヘッド部46から外周側に離れて配置される。このため、収納ケース部47の内周面とノズルヘッド部46の外周面との間に、隙間が形成される。なお、収納ケース部47の内周面とノズルヘッド部46の外周面との間の隙間は、ノズルヘッド部46の内部を含む内部空洞53に対して、噴出口55以外の部分を通しては連通しない。
【0030】
収納ケース部47には、1つ以上の通気孔56が形成される。通気孔56のそれぞれは、収納ケース部47を外周面から内周面まで貫通する。このため、収納ケース部47の内周面とノズルヘッド部46の外周面との間の隙間は、通気孔56のそれぞれを通して、収納ケース部47の外部と連通する。また、通気孔56は、ノズルヘッド部46の噴出口55に対して、後方側に位置する。
【0031】
可動スリーブ43は、筒状に形成され、締付けリング45を間に介して、ノズル本体41に取付けられる。図1及び図2の一例では、ノズル本体41の収納ケース部47に、締付けリング45が前方側から接続され、締付けリング45が外周側から収納ケース部47に当接する状態で、収納ケース部47に締付けリング45が接続される。そして、締付けリング45の内周面の雌ネジ57が可動スリーブ43の外周面の雄ネジ58とネジ結合することにより、締付けリング45に可動スリーブ43が接続される。ノズルユニット40では、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46の外周面と収納ケース部47の内周面との間に配置される。そして、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46の外周面と収納ケース部47の内周面との間の隙間に、前方側から挿入される。
【0032】
また、可動スリーブ43は、ノズル本体41(ノズルヘッド部46及び収納ケース部47)及び締付けリング45に対して、ノズルヘッド部46の軸方向に沿って、すなわち、ノズルユニット40の前後方向に沿って移動可能である。図2等の一例では、締付けリング45に可動スリーブ43が前述のようにネジ結合されているため、使用者等によって可動スリーブ43を締付けリング45に対して周方向(中心軸Cの軸回り方向)に回転させることにより、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47等に対して、中心軸Cに沿う軸方向に移動する。可動スリーブ43は、最も後方側の最後方位置と最も前方側の最前方位置との間で、ノズルヘッド部46の軸方向(中心軸C)に沿って移動可能である。なお、図2の状態では、可動スリーブ43は、最後方位置に位置する。
【0033】
図3は、可動スリーブ43の構成の一例を示す。また、図4乃至図6は、ノズルユニット40においてノズルヘッド部46の噴出口55から液体Lを噴出している状態を示す。ここで、図4は、可動スリーブ43が最後方位置に位置する場合を示し、図5は、可動スリーブ43が最後方位置と最前方位置との間の中途位置に位置する場合を示し、図6は、可動スリーブ43が最前方位置に位置する場合を示す。図2乃至図6等に示すように、可動スリーブ43の内部には、空間60が形成される。空間60は、前方側及び後方側の両方に開口する。このため、可動スリーブ43の前方端には、空間60が前方側へ開口する前方開口61が、形成される。
【0034】
可動スリーブ43が最後方位置及び最前方位置を含むいずれの位置に位置する状態でも、ノズルヘッド部46の噴出口55は、可動スリーブ43の内部の空間60に位置する。そして、可動スリーブ43がいずれの位置に位置する状態でも、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47に対して、前方側へ突出する。このため、軸方向(前後方向)についての可動スリーブ43の位置に関係なく、可動スリーブ43の前方開口61は、ノズルヘッド部46の噴出口55(ノズルヘッド部46の前方端)に対して、前方側に位置する。
【0035】
また、ノズルユニット40では、可動スリーブ43の内周面とノズルヘッド部46の外周面との間に、隙間が形成される。可動スリーブ43の内周面とノズルヘッド部46の外周面との間には、可動スリーブ43がいずれの位置に位置する状態でも、可動スリーブ43の後方端からノズルヘッド部46の前方端まで、軸方向(前後方向)に連続して隙間が形成される。
【0036】
図3の一例では、可動スリーブ43の内周面に複数の溝62が形成される。溝62のそれぞれは、外周側へ凹み、ノズルヘッド部46の軸方向に沿って延設される。また、複数の溝62は、周方向に互いに対して離れて配置される。図3の一例では、複数の溝62によって、可動スリーブ43の後方端からノズルヘッド部46の前方端まで軸方向に連続する前述の隙間の少なくとも一部が、形成される。なお、可動スリーブ43の内周面とノズルヘッド部46の外周面との間に前述のような隙間が形成される構成であれば、必ずしも溝62を可動スリーブ43に設ける必要はない。
【0037】
また、図2乃至図6等の一例では、可動スリーブ43が最後方位置まで後方側へ移動すると、可動スリーブ43は、前方側から締付けリング45に当接する。これにより、最後方位置からさらに後方側への可動スリーブ43の移動が、規制される。また、図2乃至図6等の一例では、可動スリーブ43の外周面にストッパ63が固定され、ストッパ63は、可動スリーブ43と一緒に、ノズル本体41等に対して、軸方向に沿って移動可能である。可動スリーブ43が最前方位置まで前方側へ移動すると、ストッパ63は、後方側から締付けリング45に当接する。これにより、最前方位置からさらに前方側への可動スリーブ43の移動が、規制される。
【0038】
図2及び図4等の可動スリーブ43が最後方位置に位置する状態では、可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間は、収納ケース部47の通気孔56に対して連通せず、収納ケース部47の内部において、噴出口55は、通気孔56と連通しない。このため、可動スリーブ43が最後方位置に位置する状態では、可動スリーブ43の内部の空間60において噴出口55に対して前方側の領域に、通気孔56から空気が流入しない。なお、図2及び図4では、可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間は、通気孔56と連通しているよう視え得る。ただし、実際は、通気孔56に対する可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間の連通は、可動スリーブ43及びノズル本体41等によって、遮断される。
【0039】
前述のように、可動スリーブ43が最後方位置に位置する状態では、空間60において噴出口55と前方開口61との間の領域、すなわち、空間60において噴出口55から液体Lが噴出される領域に、可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間を通して、通気孔56からの空気は流入しない。このため、可動スリーブ43が最後方位置に位置する状態では、空間60において噴出口55から噴出される液体Lに、気泡等が発生せず、噴出口55から霧噴出で液体Lが噴出される。
【0040】
また、図5及び図6等に示すように、最後方位置から前方側に可動スリーブ43が移動することにより、可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間は、収納ケース部47の通気孔56に対して連通する。これにより、収納ケース部47の内部において、ノズルヘッド部46の噴出口55と収納ケース部47の通気孔56との間が、連通する。すなわち、最後方位置から前方側に可動スリーブ43が移動した状態では、噴出口55は、溝62等を含む可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間を通して、通気孔56と連通する。噴出口55が前述のように通気孔56と連通することにより、最後方位置から前方側に可動スリーブ43が移動した状態では、可動スリーブ43の内部の空間60において噴出口55に対して前方側の領域に、可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間を通して、通気孔56から空気が流入可能となる。
【0041】
前述のように、可動スリーブ43が最後方位置から前方側に移動した状態では、空間60において噴出口55と前方開口61との間の領域、すなわち、空間60において噴出口55から液体Lが噴出される領域に、可動スリーブ43とノズルヘッド部46との間の隙間を通して、通気孔56から空気が流入する(矢印F)。このため、可動スリーブ43が最後方位置から前方側に移動した状態では、空間60において噴出口55から噴出される液体Lに、気泡等が発生し、噴出口55から泡噴出で液体Lが噴出される。
【0042】
本実施形態では、ノズルヘッド部46の軸方向(ノズルユニット40の前後方向)に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルヘッド部46の噴出口55と収納ケース部47の通気孔56との間の収納ケース部47の内部における連通状態が、切替わる。このため、可動スリーブ43の移動に対応して、空間60において噴出口55と前方開口61との間の領域への通気孔56からの空気の流入状態が、切替わる。したがって、可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルユニット40において霧墳出及び泡噴出のいずれで液体Lが噴出されるかが、すなわち、噴出口55から噴出される液体Lの噴出態様が、切替わる。
【0043】
また、本実施形態では、ノズルヘッド部46の軸方向に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルヘッド部46の噴出口55から可動スリーブ43の前方開口61までの前方側への離間距離が、変化する。図2乃至図6の一例では、可動スリーブ43の最後方位置において、噴出口55と前方開口61との間の離間距離が、最も小さくなり、可動スリーブ43の最前方位置において、噴出口55と前方開口61との間の離間距離が、最も大きくなる。そして、可動スリーブ43が前方側へ移動するほど、噴出口55と前方開口61との間の離間距離が、大きくなる。
【0044】
前述のように可動スリーブ43の移動に対応して噴出口55と前方開口61との間の離間距離が変化することにより、噴出口55から噴出された液体Lにおいて、中心軸C(軸方向)に交差する(直交又は略直交する)方向へ前方開口61からの広がり範囲が、変化する。前方開口61からの液体Lの広がり範囲(噴出範囲)は、噴出口55と前方開口61との間の離間距離が小さいほど、広い。例えば、可動スリーブ43が中途位置に位置する図5の状態、及び、可動スリーブ43が最前方位置に位置する図6の状態では、いずれでも、液体Lは泡噴出される。ただし、図5の状態に比べて、図6の状態では、前方開口61からの液体Lの広がり範囲が狭い。
【0045】
なお、図2乃至図6の一例では、可動スリーブ43の内部の空間60に、断面積変化部65及び断面積均一部66が形成される。断面積変化部65は、前方開口61から後方側に向かって形成される。そして、断面積変化部65では、後方側に向かうにつれて、ノズルヘッド部46の軸方向に直交又は略直交する断面積が減少する。また、断面積均一部66は、断面積変化部65の後方端から後方側に向かって形成される。そして、断面積均一部66では、ノズルヘッド部46の軸方向に直交又は略直交する断面積が、均一又は略均一になる。また、軸方向について可動スリーブ43がいずれの位置に位置する状態でも、断面積変化部65と断面積均一部66との境界位置は、ノズルヘッド部46の噴出口55に対して前方側に位置する。
【0046】
前述のように本実施形態では、噴出口55が形成されるノズルヘッド部46と一体に収納ケース部47が設けられ、収納ケース部47は、ノズルヘッド部46を外周側から覆う。また、収納ケース部47には、内周面から内周面まで貫通する通気孔56が、形成される。そして、ノズルヘッド部46の外周面と収納ケース部47の内周面との間に、可動スリーブ43が設けられ、可動スリーブ43の内部に、ノズルヘッド部46の噴出口55が位置する。そして、ノズルヘッド部46の軸方向に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、噴出口55と通気孔56との間の収納ケース部47の内部における連通状態が、切替わる。
【0047】
前述のような構成であるため、可動スリーブ43の移動に対応して、空間60において噴出口55と前方開口61との間の領域への通気孔56からの空気の流入状態が、切替わる。このため、可動スリーブ43を移動させることにより、ノズルユニット40において霧墳出及び泡噴出のいずれで液体Lが噴出されるかを、すなわち、噴出口55から噴出される液体Lの噴出態様を、切替え可能になる。したがって、ノズルヘッド部46の噴出口55から噴出される液体Lの噴出態様を、簡単な構成で切替え可能になる。
【0048】
また、本実施形態では、ノズルヘッド部46と一体に収納ケース部47が設けられ、収納ケース部47に通気孔56が形成される。このため、可動スリーブ43が移動しても、ノズルヘッド部46の噴出口55と収納ケース部47の通気孔56との間の位置関係(相対位置)が、変化しない、又は、ほとんど変化しない。このため、可動スリーブ43を移動させることにより、噴出口55と通気孔56との間の位置関係を変化させることなく、又は、ほとんど変化させることなく、噴出口55から噴出される液体Lの噴出態様を切替え可能となる。
【0049】
また、ノズルヘッド部46の軸方向に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルヘッド部46の噴出口55から可動スリーブ43の前方開口61までの前方側への離間距離が、変化する。これにより、可動スリーブ43を移動させることにより、液体Lの噴出態様を切替えることに加えて、噴出口55から噴出された液体Lにおいて、前方開口61からの広がり範囲が変化させることが可能になる。したがって、前方開口61からの液体Lの広がり範囲を、簡単な構成で変化させることが可能となる。
【0050】
(変形例)
なお、前述の実施形態等では、可動スリーブ43は、締付けリング45にネジ結合しているが、これに限るものではない。図7に示す第1の変形例では、可動スリーブ43は、締付けリング45とネジ結合していない。ただし、本変形例でも、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47等に対して、軸方向に沿って移動可能である。そして、前述の実施形態等と同様に、ノズルヘッド部46の軸方向に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルヘッド部46の噴出口55と収納ケース部47の通気孔56との間の収納ケース部47の内部における連通状態が、切替わる。このため、本変形例でも、ノズルヘッド部46の噴出口55から噴出される液体Lの噴出態様を簡単な構成で切替え可能となり、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0051】
また、ある変形例では、収納ケース部47は、ノズルヘッド部46とは別部材であってもよい。ただし、収納ケース部47は、ノズルヘッド部46に固定された状態で設けられる。本変形例でも、前述の実施形態等と同様にして、ノズルヘッド部46に噴出口55が形成される。そして、前述の実施形態と同様にして、収納ケース部47に通気孔56が形成され、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47等に対して、軸方向に沿って移動可能である。また、本変形例でも、前述の実施形態等と同様に、ノズルヘッド部46の軸方向に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルヘッド部46の噴出口55と収納ケース部47の通気孔56との間の収納ケース部47の内部における連通状態が、切替わる。このため、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0052】
また、ノズルユニット40に液体Lを供給する構成、すなわち、容器2の内部からノズルヘッド部46の噴出口55に液体Lを供給する構成は、前述の実施形態等の構成に限るものではない。図8に示す第2の変形例では、中継部材31の代わりに中継部材71を間に介して、噴出器本体5にノズルユニット40が連結される。中継部材71は、中継部材31に比べて、横方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)に沿った寸法が大きい。また、中継部材71には、ノズルユニット40(ノズル本体41)が接続される側の端部に、屈曲部分73が形成される。中継部材71は、屈曲部分73において、横方向に沿って延設される状態から、上側に向かって屈曲する。
【0053】
中継部材71の内部には、流路75が形成される。本変形例では、流路17において流路15と連通する側とは反対側の端は、逆止弁36を間に介して、流路75と連通する。本変形例では、流路35の代わりに流路75を液体Lが流れることを除き、前述の実施形態等と同様にして、容器2の内部からノズルユニット40の噴出口55に液体Lが供給される。
【0054】
また、図9に示す第3の変形例でも、中継部材71を間に介して、噴出器本体5にノズルユニット40が連結される。ただし、本変形例では、液体噴出器1にシリンダ21及び手動レバー26等は、設けられない。本変形例では、噴出器本体5にポンプシリンダ81が取付けられ、ポンプシリンダ81は、シリンダチューブ82及びピストン83を備える。本変形例では、ポンプシリンダ81において、ピストン83は、横方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)についてノズルユニット40が位置する側とは反対側から、シリンダチューブ82の内部に挿入される。そして、ピストン83は、シリンダチューブ82に対して横方向に沿って移動可能であり、ポンプシリンダ81は、液体噴出器1の横方向に伸縮可能である。ポンプシリンダ81は、最も伸長する最伸長状態と最も収縮する最収縮状態との間で、伸縮可能である。
【0055】
また、ポンプシリンダ81では、伸縮状態に関係なく、シリンダチューブ82からのピストン83の突出端は、噴出器本体5の外部に位置する。そして、シリンダチューブ82からのピストン83の突出端に、ハンドル85が形成される。本変形例の液体噴出器1では、使用者等によってハンドル85でピストン83を移動させる操作が行われることにより、ポンプシリンダ81が伸長又は収縮する。また、本変形例では、シリンダチューブ82の内部空間は、支持部材10に形成されるボール弁16を間に介して、吸引管13の内部の流路15と連通可能である。
【0056】
また、本変形例では、噴出器本体5において、シリンダチューブ82の外周側に、流路86が形成される。シリンダチューブ82の内部空間は、流路86を間に介して、中継部材71の内部の流路75と連通可能である。また、ポンプシリンダ81には、ボール弁87がシリンダチューブ82の内部空間に設けられ、ボール弁87は、ピストン83と一緒に、シリンダチューブ82に対して横方向に移動可能である。噴出器本体5では、ボール弁87の移動に対応して、シリンダチューブ82と流路86との間の連通状態が、切替わる。
【0057】
ポンプシリンダ81の最収縮状態から、使用者等のハンドル85での操作によって、ポンプシリンダ81を伸長させることにより、ボール弁16が開く。これにより、容器2の内部から吸引管13の流路15を通して、シリンダチューブ82の内部空間に液体Lが流入する。そして、最伸長状態になるまでポンプシリンダ81を伸長させ、シリンダチューブ82の内部空間に液体Lを流入させた後、使用者等のハンドル85での操作によって、ポンプシリンダ81を収縮させる。
【0058】
最伸長状態からポンプシリンダ81を収縮することにより、ボール弁87が開き、シリンダチューブ82の内部空間が流路86と連通する。これにより、シリンダチューブ82の内部空間から流路86,75を通して、ノズルユニット40の噴出口55に液体Lが供給される。したがって、本変形例では、シリンダチューブ82の内部空間においてピストン83を往復移動させることにより、すなわち、ポンプシリンダ81の伸縮を繰返すことにより、前述のようにして噴出口55に液体Lが供給される。
【0059】
また、図10に示す第4の変形例でも、液体噴出器1の噴出器本体5が、高さ方向の上側(矢印V1側)から容器2に連結される。そして、噴出器本体5は、中継部材71を間に介して、ノズルユニット40が連結される。ただし、本変形例では、噴出器本体5にポンプシリンダ91が取付けられ、ポンプシリンダ91は、高さ方向に噴出器本体5を貫通する。そして、ポンプシリンダ91は、容器2の内部に挿入される。ポンプシリンダ91は、シリンダチューブ92及びピストン93を備える。
【0060】
本変形例では、ポンプシリンダ91において、ピストン93は、高さ方向の上側から、シリンダチューブ92の内部に挿入される。そして、ピストン93は、シリンダチューブ92に対して高さ方向に沿って移動可能であり、ポンプシリンダ91は、容器2の高さ方向に伸縮可能である。ポンプシリンダ91は、最も伸長する最伸長状態と最も収縮する最収縮状態との間で、伸縮可能である。
【0061】
ポンプシリンダ91では、伸縮状態に関係なく、シリンダチューブ92からのピストン93の突出端は、噴出器本体5に対して上側に位置する。そして、シリンダチューブ92からのピストン93の突出端に、ハンドル95が形成される。本変形例の液体噴出器1では、使用者等によってハンドル95でピストン93を移動させる操作が行われることにより、ポンプシリンダ91が伸長又は収縮する。
【0062】
また、シリンダチューブ92には、逆止弁96が設置される。シリンダチューブ92の内部空間は、逆止弁96を間に介して、容器2の内部と連通可能である。逆止弁96では、シリンダチューブ92の内部空間から容器2の内部へ空気等が流入可能であるが、容器2の内部からシリンダチューブ92の内部空間への空気等の逆流は、防止される。
【0063】
また、本変形例では、噴出器本体5の内部に流路97が形成される。流路97の一端は、吸引管13の内部の流路15と連通する。また、流路97において流路15と連通する側とは反対側の端は、中継部材71の内部の流路75と連通する。流路97には、開閉弁98が配置される。本変形例では、噴出器本体5に手動レバー100が取付けられる。使用者等による手動レバー100での操作によって、開閉弁98の開閉状態が切替わる。開閉弁98の開閉状態が切替わることにより、流路15,75の間の流路97を通しての連通状態が、切替わる。
【0064】
本変形例では、使用者等のハンドル95での操作によって、ポンプシリンダ91を最収縮状態まで収縮する度に、シリンダチューブ92の内部空間の空気が加圧され、逆止弁96が開く。このため、ポンプシリンダ91を収縮する度に、シリンダチューブ92の内部空間から容器2の内部へ空気が流入し、液体Lが収容される容器2の内部が蓄圧される。そして、ポンプシリンダ91の伸縮を繰返し行うことにより、すなわち、ピストン93の往復移動を繰返し行うことにより、容器2の内部がある程度蓄圧されると、流路15等を通して開閉弁98まで液体が汲上げられる。そして、開閉弁98まで液体が汲上げられた状態で、使用者等の手動レバー100での操作によって、開閉弁98を開く。これにより、流路15,75の間が流路97を通して連通し、開閉弁98まで汲上げられた液体Lは、流路75等を通して、ノズルユニット40の噴出口55に供給される。
【0065】
また、図11に示す第5の変形例では、中継部材71の代わりに中継部材101を間に介して、噴出器本体5にノズルユニット40が連結される。中継部材101は、中継部材71に比べて、横方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)に沿った寸法が小さい。また、中継部材101の内部には、流路102が形成される。本変形例では、噴出器本体5の内部の流路97において流路15と連通する側とは反対側の端は、流路102と連通する。本変形例では、流路75の代わりに流路102を液体Lが流れることを除き、図10の変形例と同様にして、容器2の内部からノズルユニット40の噴出口55に液体Lが供給される。
【0066】
また、図12に示す第6の変形例では、容器2に、可撓性を有するチューブ103が接続される。チューブ103の内部には、流路105が形成され、流路105は、吸引管13の内部の流路15と連通する。また、チューブ103において容器2に接続される側とは反対側の端部は、操作ブロック110に接続される。操作ブロック110の内部には流路111が形成される。流路105において流路15と連通する側とは反対側の端は、流路111と連通する。本変形例では、操作ブロック110の内部の流路111に、開閉弁98が配置される。また、本変形例では、操作ブロック110に手動レバー112が取付けられ、使用者等による手動レバー112での操作によって、開閉弁98の開閉状態が切替わる。
【0067】
本変形例では、操作ブロック110が、中継部材113,115を間に介して、ノズルユニット40に連結される。そして、中継部材113,115の内部には、流路117が形成される。本変形例では、流路111において流路105と連通する側とは反対側の端は、流路117と連通する。そして、本変形例では、開閉弁98の開閉状態が切替わることにより、流路105,117の間の流路111を通しての連通状態が、切替わる。
【0068】
本変形例でも、図10及び図11に示す変形例と同様にして、ポンプシリンダ91によって、液体Lが収容される容器2の内部が蓄圧される。そして、ポンプシリンダ91の伸縮を繰返し行うことにより、容器2の内部がある程度蓄圧されると、流路15,105等を通して操作ブロック110の開閉弁98まで、液体が汲上げられる。そして、開閉弁98まで液体が汲上げられた状態で、使用者等の手動レバー112での操作によって、開閉弁98を開く。これにより、流路105,117の間が流路111を通して連通し、開閉弁98まで汲上げられた液体Lは、流路117等を通して、ノズルユニット40の噴出口55に供給される。
【0069】
図8乃至図12に示すいずれの変形例でも、第1の実施形態及び図7の変形例等のいずれかと同様のノズルユニット40が設けられる。このため、これらの変形例でも、前述の実施形態等と同様にして、ノズルヘッド部46に噴出口55が形成される。そして、前述の実施形態等と同様にして、収納ケース部47に通気孔56が形成され、可動スリーブ43は、ノズルヘッド部46及び収納ケース部47等に対して、軸方向に沿って移動可能である。また、図8乃至図12に示すいずれの変形例でも、前述の実施形態等と同様に、ノズルヘッド部46の軸方向に沿った可動スリーブ43の移動に対応して、ノズルヘッド部46の噴出口55と収納ケース部47の通気孔56との間の収納ケース部47の内部における連通状態が、切替わる。このため、これらの本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0070】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0071】
1…液体噴出器、2…容器、5…噴出器本体、40…ノズルユニット、41…ノズル本体、42…ノズルチップ、43…可動スリーブ、46…ノズルヘッド部、47…収納ケース部、55…噴出口、56…通気孔、60…空間、61…前方開口、L…液体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12