(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166713
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20231115BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20231115BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q11/00
A61K8/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077411
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】391066490
【氏名又は名称】日本ゼトック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】志賀 一貴
(72)【発明者】
【氏名】田邉 伸哉
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC132
4C083AC432
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD531
4C083AD532
4C083BB06
4C083CC41
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】清涼感効果に優れ、ジ長鎖型カチオン界面活性剤由来の苦味を抑制した口腔用組成物を提供する。
【解決手段】 本発明に係る口腔用組成物は、(A)成分:メントールまたはその誘導体と、(B)成分:ジ長鎖型カチオン界面活性剤と、(C)成分:糖アルコール及び/またはグリセリンとを含有し、前記(A)成分の含有量が、0.01~1.5質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.005~1.5質量%である。前記(A)成分は、l-メントールであることが好ましい。また、前記ジ長鎖型カチオン界面活性剤は、一つの鎖長の炭素数が14~22であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:メントールまたはその誘導体と、
(B)成分:ジ長鎖型カチオン界面活性剤と、
(C)成分:糖アルコール及び/またはグリセリンと
を含有し、
前記(A)成分の含有量が、0.01~1.5質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.005~1.5質量%である
口腔用組成物。
【請求項2】
前記(A)成分は、l-メントールである
請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
前記ジ長鎖型カチオン界面活性剤は、一つの鎖長の炭素数が14~22である
請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
前記(B)成分は、ジステアリルジメチルアンモニウムまたはその塩である
請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
前記(B)成分は、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムである
請求項4に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
前記糖アルコールは、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトールよりなる群から選択される少なくとも1種である
請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
液体歯磨剤、練状歯磨剤、潤製歯磨剤、または洗口剤である
請求項1に記載の口腔用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧料分野において、カチオン界面活性剤は、配合した製剤の安定性、洗浄性、粉末分散性等の向上効果を有することが知られており、乳化化粧料等に用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、近年では、ジ長鎖型カチオン界面活性剤をメントール等の清涼剤と組み合わせて化粧料に配合すると、清涼感効果の向上が得られることが見出され、水系皮膚用化粧料にジ長鎖型カチオン界面活性剤を配合して、冷感効果と乳化安定性が向上された水中油型乳化化粧料が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-246521号公報
【特許文献2】特開2013-82687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、口腔用組成物において、ジ長鎖型カチオン界面活性剤と清涼剤とを組み合わせた製剤は存在していないが、組み合わせることで、清涼感効果に優れた口腔用組成物となることが期待される。
しかし、ジ長鎖型カチオン界面活性剤と清涼剤とを組み合わせた口腔用組成物では、清涼感効果は高いが、ジ長鎖型カチオン界面活性剤の特有の苦味が生じ、口腔用組成物として使用に耐えうるものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、清涼感効果に優れ、ジ長鎖型カチオン界面活性剤由来の苦味を抑制した口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る口腔用組成物は、(A)成分:メントールまたはその誘導体と、
(B)成分:ジ長鎖型カチオン界面活性剤と、
(C)成分:糖アルコール及び/またはグリセリンと
を含有し、
前記(A)成分の含有量が、0.01~1.5質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.005~1.5質量%である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、清涼感効果に優れ、ジ長鎖型カチオン界面活性剤由来の苦味を抑制した口腔用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の口腔用組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書中における口腔用組成物は、練状歯磨剤、潤製歯磨剤、粉歯磨剤、液状歯磨剤、液体歯磨剤などの歯磨剤類、トローチ剤、錠剤、クリーム剤、軟膏剤、貼付剤、洗口剤、及びチューインガム等を含むものである。これらの中でも、本発明の口腔用組成物は、液体歯磨剤、練状歯磨剤、潤製歯磨剤、または洗口剤に適用することが好ましく、液体歯磨剤または洗口剤に適用することがより好ましい。
【0010】
本発明の口腔用組成物は、(A)成分:メントールまたはその誘導体と、(B)成分:ジ長鎖型カチオン界面活性剤と、(C)成分:糖アルコール及び/またはグリセリンと
を含有するものである。
これら成分を含むことにより、清涼感効果に優れ、ジ長鎖型カチオン界面活性剤由来の苦味を抑制した口腔用組成物を提供することができる。
【0011】
<(A)成分>
本発明の口腔用組成物は、(A)成分として、メントールまたはその誘導体を0.01~1.5質量%含有する。このような(A)成分を含むことにより、口腔用組成物の使用後に清涼感が発現する。
メントールとしては、d-メントール、l-メントール、dl-メントールが挙げられ、これらの中でも、l-メントールを用いることが好ましい。
また、メントール誘導体としては、例えば、乳酸メンチル、l-メンチルグリセリルエーテル、l-メンチルグルコシド、l-メンチルヒドロキシブチレート、メントキシプロパンジオール、メントキシフラン等が挙げられる。
本発明の口腔用組成物において、(A)成分の含有量は、0.01~1.5質量%であるが、0.05~1.2質量%であることが好ましく、0.1~1.0質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値未満であると、十分な清涼感が得られない。これに対して、(A)成分の含有量が前記上限値を超えると、清涼感は得られるが、(A)成分由来の味が口腔用組成物の味に影響が出てしまい、苦味が感じられる場合がある。
【0012】
<(B)成分>
本発明の口腔用組成物は、(B)成分として、ジ長鎖型カチオン界面活性剤を0.005~1.5質量%含有する。ジ長鎖型カチオン界面活性剤を含むことにより、(A)成分の清涼感を高いものとすることができる。
ジ長鎖型カチオン界面活性剤は、一つの鎖長の炭素数が14~22であることが好ましく、16~20であることがより好ましい。これにより、口腔内における(A)成分の感受性を高めることができ、清涼感をより高いものとすることができる。
また、ジ長鎖型カチオン界面活性剤としては、例えば、ジベヘニルジメチルアンモニウム、ジセトステアリルジメチルアンモニウム、ジミリスチルジメチルアンモニウム、ジオクタデシルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ジココイルジメチルアンモニウム、ジココイルジメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジセチルジメチルアンモニウム、ジパルミチルジメチルアンモニウム、ジオレイルジメチルアンモニウム、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウム、ジココイルヒドロキシエチルメチルモニウム、ジステアリルエチルヒドロキシエチルモニウム、または、これらの塩(ハロゲン化物(塩化物や臭化物等)やメトサルフェート)等が挙げられる。なかでも、ジステアリルジメチルアンモニウムまたはその塩を用いることが好ましく、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムまたは臭化ジステアリルジメチルアンモニウムを用いることがより好ましく、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを用いることがさらに好ましい。これにより、口腔内における(A)成分の感受性を高めることができ、清涼感をより高いものとすることができる。
本発明の口腔用組成物において、(B)成分の含有量は、0.005~1.5質量%であるが、0.01~1.2質量%であることが好ましく、0.1~1.0質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値未満であると、清涼感を向上させる効果が十分に得られない場合がある。これに対して、(A)成分の含有量が前記上限値を超えると、(B)成分由来の味が口腔用組成物の味に影響が出てしまい、苦味が感じられる。
【0013】
<(C)成分>
本発明の口腔用組成物は、(C)成分として、糖アルコール及び/又はグリセリンを含有する。(C)成分を含有することにより、(B)成分の苦味を抑制することができる。また、口腔用組成物使用時の(A)成分の口腔内での分散性を向上させることができ、清涼感を向上させることができる。
糖アルコールとしては、例えば、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、スレイトール、グリトール、タリトール、ガラクチトール、アリトール、アルトリトール、ドルシトール、イディトール、イノシトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、ツラニトール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトールからなる群より選ばれる1種を用いることが好ましい。
【0014】
本発明の口腔用組成物において、(C)成分の含有量は、特に限定されないが、1~50質量%であることが好ましく、3~40質量%であることがより好ましく、5~30質量%であることがさらに好ましい。これにより、(C)成分自体の味への影響を抑えつつ、(B)成分の苦味をより効率よく抑制することができる。
【0015】
<その他の成分>
本発明の口腔用組成物には、その剤型等に応じて、種々の成分を配合してもよい。例えば、本発明の口腔用組成物には、研磨剤、湿潤剤(グリセリン、糖アルコール以外の湿潤剤)、粘結剤、発泡剤、甘味剤、防腐剤、香料成分、薬用成分等を配合することができる。
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、火成性シリカ、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ゼオライト、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸カルシウム無水和物等の歯磨用リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0016】
グリセリン、糖アルコール以外の湿潤剤としては、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等が挙げられ、これらの内、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
溶剤としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の有機溶剤、水等が挙げられる。これら溶剤は単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
粘結剤としては、カラギーナン(ι、λ、κ)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルシウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩及びその誘導体、キサンタンガム、グァーガム、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0018】
香料としては、アネトール、メントン、シネオール、リモネン、カルボン、メチルサリシレート、エチルブチレート、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。これらの成分は単品で配合してもよいが、これらを含有する精油等を配合してもよい。また、上記香料成分に加え、脂肪族アルコールやそのエステル、テルペン系炭化水素、フェノールエーテル、アルデヒド、ケトン、ラクトン等の香料成分、精油を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
【0019】
賦形剤としては、例えば、ショ糖、乳糖、デンプン、ブドウ糖、結晶性セルロース、パラチノース、トレハロース、ラクチュロース、カップリングシュガー、ガムベース、アラビアガム、ゼラチン、セチルメチルセルロース、軽質無水ケイ酸、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0020】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、トレハロース、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0021】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、パントテン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、または、リン酸水素二ナトリウム等のこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウムなどが挙げられ、これらは、組成物のpHが適切な範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0022】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0023】
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアロイル乳酸ナトリウム、大豆リン脂質、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
可溶化剤としては、例えば、エステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類などが挙げられる。
【0024】
発泡剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、N-アシルグルタメート等のN-アシルアミノ酸塩、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、硬化油などが挙げられる。
油としては、抗菌成分として使用される上記精油や上記香料として使用される油以外の油、例えば、ココナッツ油、オリーブ油、ごま油、落花生油、パセリ油、パセリ種子オイル、紅花油などが挙げられる。
【0025】
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、α - オレフィンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N-アシルグルタミン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アルキルグリコシド類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルエタノールアマイド、ココイルサルコシン酸ナトリウム、N-ラウロイルメチルタウリンナトリウム液などが挙げられる。
【0026】
また、本発明の口腔用組成物には、更なる有効成分を配合してもよい。そのような有効成分として塩化リゾチーム、トラネキサム酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼオライト、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩類、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、イソプロピルメチルフェノール、ビサボロール、アスコルビン酸および/またはその誘導体、酢酸トコフェロール、ε-アミノカプロン酸、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム、ジヒドロコレステロール、銅クロロフィリン塩、塩化ナトリウム、グァイアズレンスルホン酸塩、デキストラナーゼ、塩酸ピリドキシン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を配合することができる。
【0027】
また、本発明の口腔用組成物には、上記のほか、生薬抽出物を配合してもよい。
生薬抽出物としては、例えば、生薬エキスの例として、カミツレエキス、カノコソウエキス、ナツメエキス、ホップエキス、ラベンダーエキス、リンデンエキス、カリンエキス、キンギンカエキス、クマザサエキス、グミエキス、チョウジエキス、デンシチニンジンエキス、サルビアエキス、ムクロジエキス、キキョウエキス、ジオウエキス、シャクヤクエキス、サンザシエキス、トウキエキス、チャエキス、ウラジロガシエキス、オオバクエキス、シラカバエキス、ニンジンエキス、アセンヤクエキス、ウコンエキス、ローズマリーエキス等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
本発明の口腔用組成物は、常法に準じて製造することができ、その製法は特に限定されるものではない。
また、得られた口腔用組成物の組成物は、アルミニウムチューブ、ラミネートチューブ、ガラス蒸着チューブ、プラスチックチューブ、プラスチックボトル、エアゾール容器等に充填して使用することができる。
【0029】
以上、本発明の口腔用組成物について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の口腔用組成物には、前述した成分の他に、任意の機能を有する成分を配合することができる。
【実施例0030】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
<口腔用組成物の製造>
(実施例1~11、比較例1~7)
表1および2に示す成分を表1および2に示す含有量となるように調製し、口腔用組成物(液体歯磨剤)を常法に準じて製造した。
【0031】
<評価方法>
(清涼感の評価)
10人の被験者に、各実施例及び各比較例の口腔用組成物を使用してもらい、以下の基準で評価してもらい、その平均値を用いて以下の基準に従って評価した。
・清涼感(評価基準)
5点:清涼感を非常に感じる
4点:清涼感を感じる
3点:清涼感をやや感じる
2点:清涼感をほとんど感じない
1点:清涼感を感じない
【0032】
・平均点の評価
◎:平均点が4.0点以上
○:平均点が3.0点以上4.0点未満
△:平均点が2.0点以上3.0点未満
×:平均点が2.0点未満
【0033】
(味の評価)
10人の被験者に、各実施例及び各比較例の口腔用組成物を使用してもらい、以下の基準で評価してもらい、その平均値を用いて以下の基準に従って評価した。
・味(評価基準)
5点:苦味を感じない
4点:苦味をほとんど感じない
3点:苦味をやや感じる
2点:苦味を感じる
1点:苦味を非常に感じる
【0034】
・平均点の評価
◎:平均点が4.0点以上
○:平均点が3.0点以上4.0点未満
△:平均点が2.0点以上3.0点未満
×:平均点が2.0点未満
これらの結果を表1および2に合わせて示した。
【0035】
【0036】
【0037】
表1、2から解るように、実施例の口腔用組成物は、清涼感に優れる、また、ジ長鎖型カチオン界面活性剤由来の苦味が抑制され、使用感に優れたものであった。これに対して、比較例では満足のいく結果が得られなかった。
なお、練状歯磨剤、潤製歯磨剤、洗口剤についても、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有量を上記各実施例及び上記各比較例と同様の含有量の製剤を製造し、上記と同様の評価を行ったところ、同様の結果が得られた。