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特開2023-166739搭載ユニット、及び、センサユニット
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  • 特開-搭載ユニット、及び、センサユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166739
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】搭載ユニット、及び、センサユニット
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/521 20060101AFI20231115BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20231115BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G01S7/521 B
G01S15/931
H04R1/02 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077473
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】布川 将成
(72)【発明者】
【氏名】古谷 竜洋
【テーマコード(参考)】
5D019
5J083
【Fターム(参考)】
5D019EE01
5D019FF01
5D019GG05
5J083AA02
5J083AB13
5J083AC19
5J083AC40
5J083AD01
5J083AD04
5J083AF09
5J083CA10
5J083CA22
5J083CA32
5J083CA35
(57)【要約】
【課題】検知性能を確保可能な搭載ユニット、及び、センサユニットを提供する。
【解決手段】搭載ユニット30は、ソナーセンサ50が取り付けられると共に金属部品Aに固定される樹脂プレート10と、樹脂プレート10に設けられたゴムクッション20と、を備える。樹脂プレート10は、金属部品Aの開口Ahに挿入される本体部11を有する。本体部11は、ソナーセンサ50が取り付けられる内側表面11sと、本体部11が金属部品Aに対向する対向領域17を含む外側表面11rと、を含む。ゴムクッション20は、対向領域17と金属部品Aとの間に介在するように、外側表面11rに設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の板状の金属部品にソナーセンサを搭載するための搭載ユニットであって、
前記ソナーセンサが取り付けられると共に前記金属部品に固定される樹脂プレートと、
前記樹脂プレートに設けられたゴムクッションと、
を備え、
前記金属部品には、第1開口が形成されており、
前記樹脂プレートは、
前記金属部品の前記第1開口に挿入される本体部と、
前記本体部を前記金属部品に固定するための固定部と、
を有し、
前記本体部は、
前記ソナーセンサが取り付けられる第1表面と、
前記第1表面の反対側の表面であって、当該本体部が前記金属部品の前記第1開口に挿入された挿入状態において前記金属部品に対向する対向領域を含む第2表面と、
前記第1表面に取付られた前記ソナーセンサのマイク面を前記第2表面に露出させる第2開口と、
を含み、
前記ゴムクッションは、前記挿入状態において前記対向領域と前記金属部品との間に介在するように、前記第2表面に設けられている、
搭載ユニット。
【請求項2】
前記対向領域は、環状を有しており、
前記ゴムクッションは、枠状に形成されており、前記対向領域の全周にわたって設けられ、前記挿入状態において前記対向領域と前記金属部品との間を充填する、
請求項1に記載の搭載ユニット。
【請求項3】
前記対向領域は、
前記挿入状態において前記第1開口の内側面に対向する第1領域と、
前記第1領域から前記第1領域に交差する方向に延在し、前記挿入状態において、前記第1開口の外側において前記金属部品の板面に対向する第2領域と、
を含み、
前記ゴムクッションは、
前記挿入状態において、前記本体部と共に前記第1開口に挿入され、前記第1領域と前記内側面との間に介在される筒状部と、
前記筒状部の外側に突出するように前記筒状部に設けられ、前記挿入状態において前記第2領域と前記板面との間に介在されるフランジ部と、
を含む、
請求項2に記載の搭載ユニット。
【請求項4】
前記フランジ部は、前記第2領域の外側に突出する突出部を含む、
請求項3に記載の搭載ユニット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の搭載ユニットと、
前記第1表面に取付られたリテーナと、
前記リテーナに保持されることによって、前記リテーナを介して前記第1表面に取り付けられ、前記第2開口から前記第2表面に前記マイク面が露出された前記ソナーセンサと、
を備えるセンサユニット。
【請求項6】
前記ソナーセンサの前記マイク面に接続されたマイク側面を取り囲むように前記マイク側面に装着されたクッションリングを備える、
請求項5に記載のセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搭載ユニット、及び、センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に超音波センサを搭載する構造が記載されている。この構造では、金属製の板材によって形成されたフロントバンパーに対して、超音波センサを搭載している。フロントバンパーには、超音波センサを取り付けるための取付穴が設けられている。取付穴には、ベゼルが挿通され、その状態において、ベゼルとフロントバンパーとの間でリテーナが挟持される。超音波センサは、ベゼル及びリテーナを介してフロントバンパーに取り付けられている。リテーナは、リテーナ本体から延設された片持ち梁状の板バネ部である弾性部を有しており、弾性部は、フロントバンパーの裏面に当接される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-173560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ソナーセンサは、そのマイク面を振動させて超音波を発生させると共に、障害物に当たり跳ね返ってきた超音波を受信することで、障害物との距離を測定することができる。ソナーセンサを複数搭載することで、障害物の位置まで特定することができる。ソナーセンサは超音波の照射範囲が決まっており、設計値通りの検知性能を確保するためには、最適な搭載位置にソナーセンサを保持する必要がある。しかし、ソナーセンサ単品での保持は困難であるため、バンパーといった被搭載部品に専用のセンサ保持部品(リテーナ)を取り付け、その部品を介してソナーセンサを保持することが考えられる。
【0005】
一方で、ソナーセンサを金属部品に搭載すると、誤検知が発生して十分な性能を担保できないおそれがある。これは、ソナーセンサのマイク側面から、振動減衰しづらい金属部品に振動が伝わって反響することにより、超音波を発したセンサに隣接するセンサが当該振動を受信してしまうことが一因である。特に、金属部品の振動伝達速度は、空気の振動伝達速度の約15倍と速いため、空気振動で障害物を検知するよりも先に金属部品の振動を検知してしまうため、誤検知の発生が顕著となる。
【0006】
特許文献1に記載された構造では、金属製の板材によって形成されたフロントバンパーに対して、リテーナ本体から延設された弾性部が当接されているため、リテーナを介して金属部品であるフロントバンパーに振動が伝達されるおそれがある。よって、誤検知を抑制して検知性能を確保するため、検討の余地がある。
【0007】
そこで、本開示は、検知性能を確保可能な搭載ユニット、及び、センサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る搭載ユニットは、車両の板状の金属部品にソナーセンサを搭載するための搭載ユニットであって、ソナーセンサが取り付けられると共に金属部品に固定される樹脂プレートと、樹脂プレートに設けられたゴムクッションと、を備え、金属部品には、第1開口が形成されており、樹脂プレートは、金属部品の第1開口に挿入される本体部と、本体部を金属部品に固定するための固定部と、を有し、本体部は、ソナーセンサが取り付けられる第1表面と、第1表面の反対側の表面であって、当該本体部が金属部品の第1開口に挿入された挿入状態において金属部品に対向する対向領域を含む第2表面と、第1表面に取付られたソナーセンサのマイク面を第2表面に露出させる第2開口と、を含み、ゴムクッションは、挿入状態において対向領域と金属部品との間に介在するように、第2表面に設けられている。
【0009】
この搭載ユニットは、金属部品に固定される樹脂プレートを備えている。ソナーセンサは、樹脂プレートの本体部の第1表面に取り付けられ、ソナーセンサのマイク面が、本体部の第2開口を介して第1表面の反対側の第2表面に露出される。したがって、ソナーセンサが樹脂プレートに取り付けられ、樹脂プレートの本体部が金属部品の第1開口に挿入されることにより、ソナーセンサのマイク面が第1開口及び第2開口を介して金属部品の外部に露出される。これにより、金属部品の外部への超音波の送信、及び金属部品の外部からの超音波の受信が可能となる。特に、この搭載ユニットでは、樹脂プレートの本体部が金属部品の第1開口に挿入された挿入状態において、樹脂プレートの第2表面の対向領域と金属部品との間に、ゴムクッションが介在される。つまり、この搭載ユニットによれば、ソナーセンサと金属部品との間に、少なくとも、振動減衰に優れる樹脂プレートとゴムクッションとが介在される。よって、ソナーセンサからの振動が金属部品に伝わることによる誤検知が抑制され、検知性能が確保される。換言すれば、この搭載ユニットによれば、ソナーセンサを搭載することが困難であった金属部品に対して、好適にソナーセンサを搭載することが可能となる。
【0010】
ここで、ソナーセンサと金属部品との間が保水されると、振動伝達速度が増大し、誤検知のリスクが上昇する。したがって、誤検知を抑制して検知性能を確保するためには、ソナーセンサと金属部品との間に水分が侵入しにくい環境を形成することが望ましい。
【0011】
そこで、本開示に係る搭載ユニットでは、対向領域は、環状を有しており、ゴムクッションは、枠状に形成されており、対向領域の全周にわたって設けられ、挿入状態において対向領域と金属部品との間を充填してもよい。この場合、樹脂プレートと金属部品との間に水分が侵入することが抑制される。よって、誤検知がより抑制され、検知性能が確実に確保される。
【0012】
本開示に係る搭載ユニットでは、対向領域は、挿入状態において第1開口の内側面に対向する第1領域と、第1領域から第1領域に交差する方向に延在し、挿入状態において、第1開口の外側において金属部品の板面に対向する第2領域と、を含み、ゴムクッションは、挿入状態において、本体部と共に第1開口に挿入され、第1領域と内側面との間に介在される筒状部と、筒状部の外側に突出するように筒状部に設けられ、挿入状態において第2領域と板面との間に介在されるフランジ部と、を含んでもよい。この場合、上記のようなゴムクッションを確実に構成できる。
【0013】
本開示に係る搭載ユニットでは、フランジ部は、第2領域の外側に突出する突出部を含んでもよい。この場合、樹脂プレートの第2表面の対向領域から、ゴムクッションのフランジ部が突出されている。したがって、樹脂プレートの対向領域と金属部品との間が保水されることが確実に抑制される。
【0014】
本開示に係るセンサユニットは、上記のいずれかの搭載ユニットと、第1表面に取付られたリテーナと、リテーナに保持されることによって、リテーナを介して第1表面に取り付けられ、第2開口から第2表面にマイク面が露出されたソナーセンサと、を備える。このセンサユニットは、上記の搭載ユニットを備える。よって、ソナーセンサからの振動が金属部品に伝わることによる誤検知が抑制され、検知性能が確保される。また、金属部品に対して、好適にソナーセンサを搭載することが可能となる。
【0015】
本開示に係るセンサユニットは、ソナーセンサのマイク面に接続されたマイク側面を取り囲むようにマイク側面に装着されたクッションリングを備えてもよい。この場合、クッションリングによって、マイク側面から発する振動を減衰させることにより、当該振動がリテーナを介して他部品に伝搬することが抑制される。よって、検知性能を確実に確保し、金属部品に対してより好適にソナーセンサを搭載することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、検知性能を確保可能な搭載ユニット、及び、センサユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態に係る搭載ユニットが金属部品に搭載される様子を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示された搭載ユニットを備えるセンサユニットの分解斜視図である。
図3図3は、図2に示されたセンサユニットが金属部品に搭載された状態の断面図である。
図4図4は、図1に示された搭載ユニットの各部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、第1方向D1を示す第1軸、第2方向D2を示す第2軸、及び、第3方向D3を示す第3軸によって規定される直交座標系を示す場合がある。一例として、第1方向D1及び第2方向D2は、互いに交差する水平2方向であり、第3方向D3は第1方向D1及び第2方向D2に交差する鉛直方向である。
【0019】
図1は、本実施形態に係る搭載ユニットが金属部品に搭載される様子を示す斜視図である。図2は、図1に示された搭載ユニットを備えるセンサユニットの分解斜視図である。図3は、図2に示されたセンサユニットが金属部品に搭載された状態の断面図である。図4は、図1に示された搭載ユニットの各部を示す斜視図である。
【0020】
図1~4に示されるように、センサユニット1は、超音波の送信及び受信を行うソナーセンサ50を備え、板状の金属部品Aに搭載される。金属部品Aは、一例としてトラック等の車両のリアバンパーであり、板金部品である。金属部品Aには、当該金属部品Aを貫通する複数の開口(第1開口)Ahが形成されている(1つのみを図示している)。複数の開口Ahは、第2方向D2に沿って互いに離間しつつ配列されている。
【0021】
金属部品Aには、複数の開口Ahのそれぞれに対して、センサユニット1(すなわちソナーセンサ50)が取り付けられる。したがって、金属部品Aには、第2方向D2に沿って互いに離間しつつ配列された複数のセンサユニット1が搭載されることとなる(1つのみを図示している)。これにより、当該車両では、障害物を検知すると共に、障害物との距離及び障害物の位置を測定することが可能となる。ここでは、複数のセンサユニット1のうちの1つのセンサユニット1について説明する。
【0022】
センサユニット1は、搭載ユニット30と、リテーナ40と、ソナーセンサ50と、クッションリング54と、を備えている。ソナーセンサ50は、円柱状のセンサ本体51と、センサ本体51の基端部に設けられた筐体52と、を含む。センサ本体51は、筐体52と反対側の先端部に超音波を発するマイク面53が設けられている。また、センサ本体51は、マイク面53の周囲においてマイク面53に接続されたマイク側面(不図示)を有している。クッションリング54は、当該マイク側面を取り囲むようにマイク側面に装着されている。
【0023】
搭載ユニット30は、樹脂プレート10とゴムクッション20とを含む。樹脂プレート10は、本体部11と固定部12とを含む。本体部11は、平板状の底壁部13と、底壁部13の外縁に立設された矩形枠状の内側壁部14と、内側壁部14の外側に設けられ、内側壁部14よりも大きな矩形枠状の外側壁部15と、内側壁部14と外側壁部15とを接続する接続部16と、を含む。
【0024】
これにより、本体部11では、底壁部13と内側壁部14との間、及び、内側壁部14と外側壁部15との間に段差が形成され、底壁部13が最も外側に突出するように(内側に窪むように)構成されている。底壁部13には、底壁部13を貫通する円形の開口(第2開口)13hが形成されている。固定部12は、外側壁部15における開口13hを第2方向D2に挟んで対向する部分において、外側壁部15の外側に張り出すように一対設けられている。一対の固定部12の一方には丸孔貫通孔12h(基準孔)が形成されており、一対の固定部12の他方には長孔貫通孔12i(副基準孔)が形成されている。丸孔貫通孔12hは、第1方向D1からみて円形状に形成されており、長孔貫通孔12iは、第1方向D1からみて、第3方向D3よりも第2方向D2に相対的に長くなるように形成されている。
【0025】
本体部11は、内側表面(第1表面)11sと内側表面11sの反対側の外側表面(第2表面)11rとを含む。内側表面11sは、(リテーナ40を介して)ソナーセンサ50が取り付けられる面である。内側表面11sは、底壁部13、内側壁部14、外側壁部15、及び、接続部16の内面により構成されている。外側表面11rは、底壁部13、内側壁部14、外側壁部15、及び、接続部16の外面により構成されている。開口13hは、内側表面11sにソナーセンサ50が取り付けられたときに、ソナーセンサ50のセンサ本体51が挿入され、ソナーセンサ50のマイク面53を外側表面11r側に露出させる。
【0026】
内側表面11sにおける底壁部13の内面に相当する部分には、開口13hの第3方向D3の両側において、基準線群LGが設けられている。基準線群LGは、内側表面11sにソナーセンサ50を取り付ける際の取付位置(姿勢)の目安を提供する。
【0027】
基準線群LGのそれぞれは、第2方向D2に沿って直線状に延在する基準線L1と、基準線L1の中心において基準線L1に交差すると共に、直線状に延在する一対の基準線L2とを含む。一対の基準線L2のそれぞれは、基準線L1の中心を回転中心として順方向及び方向のそれぞれに所定角度だけ回転されたように、基準線L1に対して傾斜している。一対の基準線群LGの間では、基準線L1同士、及び、同方向に傾斜する基準線L2同士が互いに略平行とされている。
【0028】
したがって、内側表面11sにリテーナ40を介してソナーセンサ50を取り付ける際に、リテーナ40の第3方向D3の外縁を、互いに略平行な一対の基準線L1に合わせることにより、ソナーセンサ50の取付位置(姿勢)を規定することが可能である。また、内側表面11sにリテーナ40を介してソナーセンサ50を取り付ける際に、リテーナ40の第3方向D3の外縁が、一対の基準線L2の間の範囲に収まるようにすることにより、一定の取付精度が確保される。
【0029】
以上のような樹脂プレート10は、固定部12が、金属部品Aの板面Asに設けられた固定部A1に固定されることにより、金属部品Aに固定される。より具体的には、金属部品Aには、ハット型のブラケットである一対の固定部A1が(例えば溶接により)設けられており、固定部12の丸孔貫通孔12hが一方の固定部A1の孔部A1hに一致するように、固定部12と固定部A1とが重ねられる。
【0030】
この状態において、一対の固定部A1の孔部A1hのそれぞれに挿通された被締結部材(例えばグロメット)A2に、丸孔貫通孔12h及び長孔貫通孔12iのそれぞれに挿通された締結部材(例えばタッピングスクリュー)A3を締結(例えば螺合)することにより、固定部12が固定部A1に固定され、本体部11及び樹脂プレート10が金属部品Aに固定される。このとき、樹脂プレート10の一部が、金属部品Aの開口Ahに挿入される。ここでは、本体部11の底壁部13が開口Ahに挿入されて開口Ah内に配置される。以下では、このように本体部11が開口Ahに挿入された状態を単に挿入状態と称する。
【0031】
本体部11の外側表面11rは、挿入状態において金属部品Aに対向する対向領域17を含む。対向領域17は、挿入状態において、金属部品Aの開口Ahの内側面Ahsに対向する第1領域17aと、第1領域17aから第1領域17aに交差する方向に延在し、挿入状態において、開口Ahの外側において金属部品Aの板面Asに対向する第2領域17bと、を含む。第1領域17aは、第1方向D1に沿って延びる矩形筒状の領域であり、第2領域17bは、第2方向D2及び第3方向D3に沿って延びる矩形環状の領域である。
【0032】
ゴムクッション20は、挿入状態において、以上のような対向領域17と金属部品Aとの間に介在されるように、本体部11の外側表面11rに設けられている。ゴムクッション20は、例えば両面テープによって外側表面11rに接着されている。ゴムクッション20は、矩形枠状に形成されており、対向領域17の全周にわたって設けられている。より具体的には、ゴムクッション20は、矩形の筒状部21と矩形環状のフランジ部22とを含む。ゴムクッション20は、フランジ部22において外側表面11rに接着され得る。
【0033】
筒状部21は、ゴムクッション20が本体部11の外側表面11rに設けられたときに、底壁部13を囲むように配置される(換言すれば、底壁部13は、筒状部21の内部に配置される)。フランジ部22は、筒状部21の端部から筒状部21の外側に突出するように筒状部21に設けられている。ゴムクッション20は、筒状部21とフランジ部22とによって断面L字状に形成されている。
【0034】
筒状部21は、挿入状態において、樹脂プレート10の本体部11(底壁部13)と共に金属部品Aの開口Ahに挿入され、対向領域17のうちの第1領域17aと開口Ahの内側面Ahsとの間に介在される。フランジ部22は、挿入状態において、対向領域17のちの第2領域17bと金属部品Aの板面Asとの間に介在される。特に、フランジ部22は、第2領域17bの全周にわたって、第2領域17bの外側に突出する突出部23を含む。ゴムクッション20は、樹脂プレート10が金属部品Aに固定されたとき、樹脂プレート10と金属部品Aとの間で押圧されて弾性変形される。これにより、ゴムクッション20は、金属部品Aと樹脂プレート10(本体部11)との両方に接触すると共に、それらの間を略隙間なく充填する。
【0035】
リテーナ40は、筒状のセンサ保持部41と、センサ保持部41の一端に設けられ、センサ保持部41の外側に向けて延在する平板状の取付部42と、センサ保持部41の他端部に設けられた係合部43と、を含む。センサ保持部41は、その内部にソナーセンサ50のセンサ本体51が挿通される。係合部43は、センサ保持部41の内部にセンサ本体51が挿通された状態において、ソナーセンサ50の筐体52に設けられた係合部55に係合される。
【0036】
これにより、リテーナ40はソナーセンサ50を保持する。リテーナ40は、取付部42が樹脂プレート10の本体部11の内側表面11sに接合(例えば両面テープにより接着)されることにより、樹脂プレート10に取り付けられる。換言すれば、ソナーセンサ50は、リテーナ40に保持されることによってリテーナ40を介して樹脂プレート10の内側表面11sに取り付けられ、樹脂プレート10の開口13hから外側表面11rにマイク面53が露出される。
【0037】
なお、一例として、リテーナ40はABSといった樹脂から形成される。また、一例として、樹脂プレート10は、振動エネルギーを熱エネルギーに変換しやすいPP材により形成され得る。さらに、一例として、ゴムクッション20は、EPDM等の材料により形成され得る。また、クッションリング54は、例えばシリコーン等の材料により形成され得る。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係る搭載ユニット30は、金属部品Aに固定される樹脂プレート10を備えている。ソナーセンサ50は、樹脂プレート10の本体部11の内側表面11sに取り付けられ、ソナーセンサ50のマイク面53が、本体部11の開口13hを介して内側表面11sの反対側の外側表面11rに露出される。したがって、ソナーセンサ50が樹脂プレート10に取り付けられ、樹脂プレート10の本体部11が金属部品Aの開口Ahに挿入されることにより、ソナーセンサ50のマイク面53が開口13h及び開口Ahを介して金属部品Aの外部に露出される。これにより、金属部品Aの外部への超音波の送信、及び金属部品Aの外部からの超音波の受信が可能となる。
【0039】
特に、搭載ユニット30では、樹脂プレート10の本体部11が金属部品Aの開口Ahに挿入された挿入状態において、樹脂プレート10の外側表面11rの対向領域17と金属部品Aとの間に、ゴムクッション20が介在される。つまり、搭載ユニット30によれば、ソナーセンサ50と金属部品Aとの間に、少なくとも、振動減衰に優れる樹脂プレート10とゴムクッション20とが介在される。よって、ソナーセンサ50からの振動が金属部品Aに伝わることによる誤検知が抑制され、検知性能が確保される。換言すれば、搭載ユニット30によれば、ソナーセンサ50を搭載することが困難であった金属部品Aに対して、好適にソナーセンサ50を搭載することが可能となる。
【0040】
また、搭載ユニット30では、対向領域17は、環状を有しており、ゴムクッション20は、枠状に形成されており、対向領域17の全周にわたって設けられている。そして、ゴムクッション20は、挿入状態において対向領域17と金属部品Aとの間を充填している。このため、樹脂プレート10と金属部品Aとの間に水分が侵入することが抑制される。よって、誤検知がより抑制され、検知性能が確実に確保される。
【0041】
また、搭載ユニット30では、対向領域17は、挿入状態において開口Ahの内側面Ahsに対向する第1領域17aと、第1領域17aから第1領域17aに交差する方向に延在し、挿入状態において、開口Ahの外側において金属部品Aの板面Asに対向する第2領域17bと、を含む。そして、ゴムクッション20は、挿入状態において、本体部11と共に開口Ahに挿入され、第1領域17aと内側面Ahsとの間に介在される筒状部21と、筒状部21の外側に突出するように筒状部21に設けられ、挿入状態において第2領域17bと板面Asとの間に介在されるフランジ部22と、を含む。このようにすれば、上記のようなゴムクッション20を確実に構成できる。
【0042】
また、搭載ユニット30では、フランジ部22は、第2領域17bの外側に突出する突出部23を含んでいる。このため、樹脂プレート10の外側表面11rの対向領域17から、ゴムクッション20のフランジ部22が突出されている。したがって、樹脂プレート10の対向領域17と金属部品Aとの間が保水されることが確実に抑制される。
【0043】
また、本実施形態に係るセンサユニット1は、上記の搭載ユニット30と、内側表面11sに取付られたリテーナ40と、リテーナ40に保持されることによって、リテーナ40を介して内側表面11sに取り付けられ、開口13hから外側表面11rにマイク面53が露出されたソナーセンサ50と、を備える。センサユニット1は、上記の搭載ユニット30を備える。よって、ソナーセンサ50からの振動が金属部品Aに伝わることによる誤検知が抑制され、検知性能が確保される。また、金属部品Aに対して、好適にソナーセンサ50を搭載することが可能となる。
【0044】
さらに、センサユニット1は、ソナーセンサ50のマイク面53に接続されたマイク側面を取り囲むようにマイク側面に装着されたクッションリング54を備えている。このため、クッションリング54によって、マイク側面から発する振動を減衰させることにより、当該振動がリテーナ40を介して他部品に伝搬することが抑制される。よって、検知性能を確実に確保し、金属部品に対してより好適にソナーセンサ50を搭載することが可能となる。
【0045】
以上の実施形態は、本開示に係る搭載ユニット及びセンサユニットの一形態を説明したものである。したがって、本開示に係る搭載ユニット及びセンサユニットは、上述したものを任意に変形したものとし得る。
【0046】
例えば、金属部品Aと樹脂プレート10との固定や、樹脂プレート10へのゴムクッション20及びリテーナ40の取り付けの態様は、上述したものに限らず、任意の態様とすることが可能である。一例として、樹脂プレート10に対して、嵌め合せにより、ゴムクッション20やリテーナ40を固定するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、ゴムクッション20のフランジ部22が、樹脂プレート10の対向領域17の第2領域17bと金属部品Aとが対向する領域から外側に突出する突出部23を有していた。しかし、フランジ部22は、樹脂プレート10の対向領域17の第2領域17bと金属部品Aとの間を充填する観点からは、突出部23は必須ではない。この場合、一例として、フランジ部22の端部と第2領域17bの端部とが面一となるように構成されていてもよい。さらには、水分の侵入の可能性が低い場合には、フランジ部22の端部が第2領域17bの端部に対して窪んでいてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…センサユニット、10…樹脂プレート、11…本体部、11s…内側表面(第1表面)、11r…外側表面(第2表面)、12…固定部、13h…開口(第2開口)、20…ゴムクッション、21…筒状部、22…フランジ部、23…突出部、30…搭載ユニット、40…リテーナ、50…ソナーセンサ、54…クッションリング、A…金属部品、As…板面、Ah…開口(第1開口)、Ahs…内側面。
図1
図2
図3
図4