(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166749
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】委託者と製作者とのマッチングシステム及びマッチング方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231115BHJP
G06Q 30/0282 20230101ALI20231115BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077498
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】522107854
【氏名又は名称】JUKIプロサーブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】安納 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】本水 紀恵
(72)【発明者】
【氏名】青山 玲理
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】製作品を製作したい製作者と製作を委託したい委託者とをマッチさせることができるマッチングシステム及びマッチング方法を提供する。
【解決手段】マッチングシステム100は、委託者Dが要求する課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPに基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定部30と、合否判定部30で合格と判定された製作品WW又は製作品画像WWPを送付した製作者Uを資格認定製作者としてリストに登録する資格認定登録部50と、リストからの資格認定製作者Urの指名と製作条件とを、委託者Dから受け付けるマッチング部60と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託者が要求する課題作品の製作品又は前記製作品を撮像した製作品画像に基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定部と、
前記合否判定部で合格と判定された前記製作品又は前記製作品画像を送付した製作者を資格認定製作者としてリストに登録する資格認定登録部と、
前記リストからの前記資格認定製作者の指名と製作条件とを、前記委託者から受け付けるマッチング部と、を備える
マッチングシステム。
【請求項2】
前記委託者から前記課題作品の製作条件を受け付ける製作条件受付部と、
前記製作条件に対応可能な前記資格認定製作者の識別情報と、前記資格認定製作者が製作した前記課題作品の前記製作品又は前記製作品を撮像した前記製作品画像とを、紐付けて表示する資格認定製作者情報表示部と、を備える
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
委託者が要求する課題作品の製作品又は前記製作品を撮像した製作品画像に基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定工程と、
前記合否判定工程で合格と判定された前記製作品又は前記製作品画像を送付した製作者を資格認定製作者としてリストに登録する資格認定登録工程と、
前記資格認定製作者の指名及び製作条件を、前記委託者から受け付けるマッチング工程と、を含む
マッチング方法。
【請求項4】
前記委託者から前記課題作品の製作条件を受け付ける製作条件受付工程と、
前記製作条件に対応可能な前記資格認定製作者の識別情報と、前記資格認定製作者が製作した前記課題作品の前記製作品又は前記製作品を撮像した前記製作品画像とを、紐付けて表示する資格認定製作者情報表示工程と、を含む
請求項3に記載のマッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、委託者と製作者とのマッチングシステム及びマッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザとインストラクターとの間で、インターネットを介して、教育に関する動画コンテンツをリアルタイムで共有するシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムは、製作品の動画コンテンツを共有するものではなかった。そして、製作品を製作したい製作者と製作品の製作を委託したい委託者とをマッチさせる仕組みはなかった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、製作品を製作したい製作者と製作を委託したい委託者とを引き合わせることができるマッチングシステム及びマッチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決する手段は、次のとおりである。
(1)本発明の一態様に係るマッチングシステムは、委託者が要求する課題作品の製作品又は前記製作品を撮像した製作品画像に基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定部と、前記合否判定部で合格と判定された前記製作品又は前記製作品画像を送付した製作者を資格認定製作者としてリストに登録する資格認定登録部と、前記リストからの前記資格認定製作者の指名と製作条件とを、前記委託者から受け付けるマッチング部と、を備える。
(2)上記(1)において、前記委託者から前記課題作品の製作条件を受け付ける製作条件受付部と、前記製作条件に対応可能な前記資格認定製作者の識別情報と、前記資格認定製作者が製作した前記課題作品の前記製作品又は前記製作品を撮像した前記製作品画像とを、紐付けて表示する資格認定製作者情報表示部と、を備えてよい。
(3)本発明の一態様に係るマッチング方法は、委託者が要求する課題作品の製作品又は前記製作品を撮像した製作品画像に基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定工程と、前記合否判定工程で合格と判定された前記製作品又は前記製作品画像を送付した製作者を資格認定製作者としてリストに登録する資格認定登録工程と、前記資格認定製作者の指名及び製作条件を、前記委託者から受け付けるマッチング工程と、を含む。
(4)上記(3)において、前記委託者から前記課題作品の製作条件を受け付ける製作条件受付工程と、前記製作条件に対応可能な前記資格認定製作者の識別情報と、前記資格認定製作者が製作した前記課題作品の前記製作品又は前記製作品を撮像した前記製作品画像とを、紐付けて表示する資格認定製作者情報表示工程と、を含んでよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製作品を製作したい製作者と製作を委託したい委託者とを引き合わせることができるマッチングシステム及びマッチング方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面を参照し、実施形態に係るマッチングシステム100をマッチング方法に沿って説明する。
図1は、マッチングシステム100の全体概要図である。
図2は、マッチング方法のフローチャートである。
【0010】
(マッチングシステム)
図1に示すように、マッチングシステム100は、製作者Uの端末であるユーザ端末UTと、委託者Dの端末である委託者端末DTと、製作者Uと委託者Dとの仲介者Vの端末であるベンダ端末VTと、インターネット等の通信ネットワークNと、を備えている。ユーザ端末UTと、委託者端末DTと、ベンダ端末VTとは、通信ネットワークNを通じて双方向通信可能に接続されている。
ユーザ端末UTは、通信ネットワークNに複数接続されていてよい。
ユーザ端末UTでは、製作者Uは、有料又は無料の動画コンテンツCの閲覧(受講)の申込をしたり、動画コンテンツCを閲覧したり、クレジットカード決済をしたり、チャットアプリを利用してテキストメッセージ、画像又は動画を、通信ネットワークNに接続された他の端末に送受信したりできる。
委託者端末DTは、通信ネットワークNに複数接続されていてよい。
委託者端末DTでは、委託者Dは、動画コンテンツCをベンダ端末VTにアップロードしたり、動画コンテンツCを閲覧したり、資格認定製作者UrのリストL及び資格認定製作者Urの識別情報を閲覧したりできる。
ベンダ端末VTは、資格認定を行う主体となる組織(仲介者V)によって管理されるサーバであってよい。
ベンダ端末VTでは、仲介者Vは、有料又は無料の動画コンテンツCを配信したり、クレジットカード決済をしたり、チャットアプリを利用してテキストメッセージを通信ネットワークNに接続された他の端末に送受信したりできる。
【0011】
ここで、マッチングシステム100は、委託者Dが要求する課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPに基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定部30と、合否判定部30で合格と判定された製作品WW又は製作品画像WWPを送付した製作者Uを資格認定製作者UrとしてリストLに登録する資格認定登録部50と、リストLからの資格認定製作者Urの指名と製作条件とを、委託者Dから受け付けるマッチング部60と、を備えている。
このように、マッチングシステム100は、資格認定製作者Urの指名と製作条件とを、委託者Dから受け付けるマッチング部60を備えている。このため、仲介者Vは、製作品WWを製作したい製作者Uと製作を委託したい委託者Dとを引き合わせることができる。そして、委託者Dは、仲介者Vを介して、課題作品Wの資格認定製作者Urを確認でき、資格認定製作者Urに、課題作品Wの製作品WWの製作を発注できる。製作者Uは、仲介者Vを介して、課題作品Wの委託者Dを確認でき、委託者Dから受注した委託された製作条件に応じた対価を得ることができる。仲介者Vは、委託者D及び製作者Uから、中間マージンを得ることができる。
【0012】
(動画コンテンツC)
動画コンテンツCは、課題作品Wの製作技能を学習するための複数のステップを有していることが好ましい。
動画コンテンツCは、例えば、課題作品Wの製作を実演する教師が、特定の材料から、特定の製作道具を用いて、製作品WWを完成するまでの複数のステップを、時間軸に沿って動画で説明するものであってよい。
【0013】
(ユーザ端末)
マッチングシステム100のユーザ端末UTは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置である。ユーザ端末UTは、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してベンダ端末VTとデータ通信する。入力部は、ユーザの入力を受け付ける。入力部は、例えば、ボタン、キーボード、ポインティングデバイスを用いたものであってよい。出力部は、画像又は動画を表示する。出力部は、モニタであってよい。出力部は、振動又は音を出力する。出力部は、バイブレータやスピーカ等の装置を含んでいる。記憶部は、ユーザ端末UTの駆動に必要なオペレーションシステム等のソフトウェア、適宜インストールされたアプリケーション、その他のデータを記憶する。記憶部は、磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置等のメモリであってよい。制御部は、ユーザ端末UTを構成する他の機能部(通信部、入力部、出力部及び記憶部)と連携して情報処理を行う。制御部は、プロセッサであってよい。
【0014】
通信部は、通信機器である。通信部は、例えば、ネットワークインターフェースであってよい。通信部は、例えば、通信ネットワークNに接続された他の端末とデータ通信する。通信部は、例えば、通信ネットワークNを介してベンダ端末VT又は委託者端末DTとデータ通信する。通信部は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0015】
記憶部は、磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置等のメモリである。記憶部は、制御部が動作する際に使用されるプログラムやデータを記憶する。
【0016】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部は、プロセッサがプログラムを実行することによって機能する。制御部の機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えば、SSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。プログラムは、マッチングシステム100を用いたマッチング方法をコンピュータに実行させるプログラムを含んでよい。
【0017】
ユーザ端末UTは、少なくとも、動画コンテンツCを表示可能なモニタ、通信ネットワークNを介してユーザ端末UTとベンダ端末VTとの双方向通信を可能にするユーザ通信装置と、製作品画像WWPを記憶可能なメモリと、を備えている。ユーザ端末UTのモニタは、適宜、動画コンテンツCの選択画面を表示できる。ユーザ端末UTのモニタは、適宜、ユーザ端末UTのメモリに記憶された製作品画像WWPをベンダ端末VTに送付するための送付指示画面を表示できる。
ユーザ端末UTの入力部は、製作者Uの操作による入力を受け付けると、製作者Uの操作に応じたデータ(信号、情報)を制御部に入力する。すると、制御部は、ユーザ通信装置を介してデータをベンダ端末VTに送信する。
【0018】
(委託者端末)
マッチングシステム100の委託者端末DTは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置である。委託者端末DTは、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してベンダ端末VTとデータ通信する。入力部は、ユーザの入力を受け付ける。入力部は、例えば、ボタン、キーボード、ポインティングデバイスを用いたものであってよい。出力部は、画像又は動画を表示する。出力部は、モニタであってよい。出力部は、振動又は音を出力する。出力部は、バイブレータやスピーカ等の装置を含んでいる。記憶部は、ユーザ端末UTの駆動に必要なオペレーションシステム等のソフトウェア、適宜インストールされたアプリケーション、その他のデータを記憶する。記憶部は、磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置等のメモリであってよい。制御部は、委託者端末DTを構成する他の機能部(通信部、入力部、出力部及び記憶部)と連携して情報処理を行う。委託者端末DTの制御部は、プロセッサであってよい。通信部、記憶部及び制御部は、ユーザ端末UTと同様の機能部であってよい。
【0019】
委託者端末DTは、ユーザ端末UTと同様に、少なくとも、動画コンテンツCを表示可能なモニタ、通信ネットワークNを介して委託者端末DTとベンダ端末VTとの双方向通信を可能にする委託者通信装置と、委託者Dが自身で作成した動画コンテンツCを記憶可能なメモリと、を備えている。委託者端末DTのモニタは、適宜、委託者端末DTのメモリに記憶された動画コンテンツCをベンダ端末VTに送付するための送付指示画面を表示できる。委託者端末DTのモニタは、仲介者Vから提供された資格認定製作者UrのリストLから特定の資格認定製作者Urを指名するための指名画面を表示できる。
委託者端末DTの入力部は、委託者Dの操作による入力を受け付けると、委託者Dの操作に応じたデータ(信号、情報)を制御部に入力する。すると、制御部は、委託者通信装置を介してデータをベンダ端末VTに送信する。
【0020】
(ベンダ端末)
マッチングシステム100のベンダ端末VTは、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。ベンダ端末VTは、ユーザ端末UTと同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してユーザ端末UTとデータ通信する。
ベンダ端末VTは、通信ネットワークNを介してユーザ端末UTと委託者端末DTとベンダ端末VTとの間の双方向通信を可能にするベンダ通信装置を備えている。
【0021】
ベンダ端末VTは、動画配信部10と、受信部20と、合否判定部30と、資格認定登録部50と、マッチング部60と、を備えている。
【0022】
動画配信部10は、ユーザ端末UT、委託者端末DT又はベンダ端末VTからの要求に応じて、メモリにあらかじめ記憶された動画コンテンツCのデータを、ベンダ端末VTからユーザ端末UT又は委託者端末DTに向けてダウンロード配信又はストリーミング配信可能にする機能部である。動画配信部10は、ソフトウェア(プログラム)であってよい。
【0023】
受信部20は、ユーザ端末UTから送信された画像等のデータを受信する機能部である。受信部20は、受信したデータをメモリに格納する。受信部20は、ソフトウェア(プログラム)であってよい。
【0024】
合否判定部30は、ユーザ端末UTから送信された画像等のデータに基づいて、合格か不合格かを判定する機能部である。合否判定部30は、合格か不合格かの判定を、例えば、画像のデータに基づいて、ディープラーニング等の機械学習を用いた人工知能(AI)によって行う。合否判定部30は、ソフトウェア(プログラム)であってよい。
【0025】
このように、マッチングシステム100は、課題作品Wの製法を含む動画コンテンツCを随時閲覧可能に配信する動画配信部10と、製作者Uから送信された課題作品Wの製作品WWを撮像した製作品画像WWPを受領する受信部20と、製作品画像WWPに基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定部30と、を備えていてよい。
これにより、仲介者Vは、課題作品Wの製法を含む動画コンテンツCを製作者Uによって随時閲覧可能に配信できる。よって、動画コンテンツCを閲覧した製作者Uから対価を得ることができる。仲介者Vは、製作者Uから送信された課題作品Wの製作品WWを撮像した製作品画像WWPを受領できる。よって、課題作品Wの製法に係る製作者Uの習熟を促進できる。仲介者Vは、製作者Uからの反応とともに動画コンテンツCの成果を得ることができる。
製作者Uは、随時、動画コンテンツCを閲覧でき、課題作品Wの製法を学習できる。製作者Uは、実際に製作した課題作品Wの製作品WWの出来を、仲介者Vに送って仲介者Vに評価させることができる。よって、製作者Uは、製作者U自身についての、又は、製作者Uによって製作された製作品WWについての客観的な評価を得ることができる。
よって、マッチングシステム100によれば、動画コンテンツCの利用を活性化できる。
【0026】
資格認定登録部50は、合否判定部30で合格と判定された製作品WW又は製作品画像WWPを送付した製作者Uを資格認定製作者UrとしてリストLに登録する機能部である。資格認定登録部50は、資格認定製作者Urの氏名、報酬振込口座番号、受講番号、運転免許証等の公的機関発行の身分証明証の番号、合格と判定された製作品WWに対応する課題作品Wの種類、閲覧した動画コンテンツCの履歴、受注可能な製作数量、製作報酬、製作納期等の識別情報を、互いに紐付けた状態でリスト化して参照可能に記憶している。資格認定登録部50は、ソフトウェア(プログラム)であってよい。
【0027】
マッチング部60は、資格認定登録部50に登録されたリストLからの資格認定製作者Urの指名と製作条件とを、委託者Dから受け付ける機能部である。マッチング部60は、適宜、委託者Dから指名された資格認定製作者Urに、委託者Dからの製作条件を連絡する。製作条件は、例えば、課題作品Wの納期、品質、使用素材、依頼単価等の条件を伴っていてよい。マッチング部60から連絡された製作条件に対して、製作者Uが承諾した場合、マッチングが成立する。マッチング部60は、ソフトウェア(プログラム)であってよい。
【0028】
また、マッチングシステム100は、委託者Dから課題作品Wの製作条件を受け付ける製作条件受付部70と、製作条件に対応可能な資格認定製作者Urの識別情報と、資格認定製作者Urが製作した課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPとを、紐付けて表示する資格認定製作者情報表示部80と、を備えてよい。これにより、委託者Dは、資格認定製作者情報表示部80によって表示された資格認定製作者Urの識別情報等に基づいて、課題作品Wの製作を委託する資格認定製作者Urを選択できる。
【0029】
また、資格認定製作者Urと委託者Dとが共有して専用するチャットルームを提供するチャット部90を備えてよい。これにより、委託者Dと製作者Uとに、双方のコミュニケーションの場を提供できる。
【0030】
(マッチング方法)
次に、実施形態に係るマッチング方法について説明する。
図2は、実施形態に係るマッチング方法のフローチャートである。
図2に示すように、マッチング方法は、ユーザ端末UTとベンダ端末VTと委託者端末DTの間でやり取りされる、一連の工程のフローで実施される。
マッチング方法は、委託者Dが要求する課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPに基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定工程S6と、合否判定工程S6で合格と判定された製作品WW又は製作品画像WWPを送付した製作者Uを資格認定製作者UrとしてリストLに登録する資格認定登録工程S7と、リストLからの資格認定製作者Urの指名及び製作条件を、委託者Dから受け付けるマッチング工程S11と、を含んでいる。
以下、製作者Uが縫製講座を受講(課題作品W(例えば、ハンドバッグ等の縫製品)の製法を解説する縫製講座を収めた有料の動画コンテンツCを閲覧)してから、仲介者Vが製作者Uに縫製の資格を認定し、資格認定製作者Urと委託者Dとがマッチングするまでの工程を例にして、マッチング方法のフローに沿って説明する。なお、課題作品Wは、製作できる物であればよく、縫製品に限らず、例えば、木工品、料理、盆栽であってもよい。
【0031】
(動画配信工程S1)
動画配信工程S1では、まず、仲介者Vは、課題作品Wの製法を含む動画コンテンツCを随時閲覧可能に配信する。言い換えると、仲介者Vは、ベンダ端末VTを利用して、オンライン動画共有プラットフォーム、又は、仲介者Vによって管理されるWEBサイト等を通じてユーザ端末UTを用いて製作者Uが閲覧できるようにしておく。ここでは、仲介者Vは、課題作品Wの製法を解説する縫製講座を有料の動画コンテンツCとして配信する。動画コンテンツCは、委託者Dからの依頼に基づいて仲介者Vによって作成されたものであってよく、委託者Dによって作成されてベンダ端末VTにアップロードされたものであってもよい。
【0032】
(選択工程S2)
選択工程S2では、まず、製作者Uは、ユーザ端末UTに、仲介者Vを介して提供される動画コンテンツCを販売するためのWEBサイトを表示する。
次に、製作者Uは、動画コンテンツCを購入するかどうかを判断する。製作者Uが動画コンテンツCを購入する場合、マッチングシステム100は、選択された動画コンテンツCの種類に応じた価格の請求、課題作品Wの製作に用いる縫製道具の販売(KIT販売)等の各種処理を行う。
【0033】
(閲覧工程S3)
次に、閲覧工程S3では、製作者Uは、選択工程S2で選択した(購入した)動画コンテンツCを閲覧する。
【0034】
詳細には、製作者Uは、ユーザ端末UTで、動画コンテンツCを閲覧する。
【0035】
(製作品送付工程S4)
次に、製作品送付工程S4では、製作者Uは、課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPを、仲介者Vに送付する。
【0036】
(製作品受領工程S5)
次に、製作品受領工程S5では、仲介者Vは、製作者Uから送付された課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPを受領する。詳細には、仲介者Vは、ユーザ端末UTから送られた製作品画像WWPをベンダ端末VTによって受信してよく、製作者Uから郵送又は持参された製作品WWを直接受領してよい。仲介者Vは、直接受領した製作品WWを撮像して製作品画像WWPを生成し、生成された製作品画像WWPをマッチングシステム100(例えば、ベンダ端末VT又はクラウド)のメモリに記憶させてもよい。
【0037】
(合否判定工程S6)
次に、合否判定工程S6では、仲介者Vは、受領した課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPに基づいて、合格又は不合格を判定する。
【0038】
詳細には、仲介者Vは、設定された資格認定の基準に基づいて、課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPの合格又は不合格を判定し、製作者Uに資格認定するか否かを判定する。
【0039】
合否判定工程S6において、仲介者Vによって資格認定すると判定された場合、次の工程である資格認定登録工程S7に移る。
【0040】
(資格認定登録工程S7)
次に、資格認定登録工程S7では、仲介者Vは、合格と判定された製作品WW又は製作品画像WWPを送付した製作者Uを、資格認定された製作者UとしてリストLに登録する。この際、例えば、仲介者Vは、ベンダ端末VTのメモリに記憶された、資格認定された製作者UのリストLを更新する。
【0041】
(製作条件工程S8)
次に、製作条件工程S8では、委託者Dは、委託者Dが要求する、課題作品Wの製作条件を仲介者Vに送る。課題作品Wの製作条件は、例えば、課題作品Wの納期、品質、使用素材、依頼単価等の条件を伴っていてよい。
【0042】
(製作条件受付工程S9)
次に、製作条件受付工程S9では、仲介者Vは、委託者Dから、委託者Dが要求する課題作品Wの製作条件を受け付ける。なお、この工程は省略されてもよい。
【0043】
(資格認定製作者情報表示工程S10)
次に、資格認定製作者情報表示工程S10では、仲介者Vは、委託者Dから受け付けた製作条件に対応可能な資格認定製作者Urの識別情報と、資格認定製作者Urが製作した課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPとを、紐付けて表示する。これにより、委託者Dは、識別情報と、資格認定製作者Urが製作した課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPとに基づいて、特定の資格認定製作者Urを指名できる。なお、この工程は省略されてもよい。
【0044】
(マッチング工程S11)
次に、マッチング工程S11では、仲介者Vは、資格認定製作者Urの指名及び製作条件を、委託者Dから受け付ける。これにより、仲介者Vは、指名された資格認定製作者Urと委託者Dとを引き合わせることができる。よって、製作品WWを製作したい製作者Uのニーズと製作を委託したい委託者Dのニーズとをマッチさせることができる。
【0045】
(依頼者スポンサーコース)
上述のマッチングシステム100及びマッチング方法を利用した一例である、「依頼者スポンサーコース」について、以下に説明する。
「依頼者スポンサーコース」によれば、委託者D(例えば、布メーカ)が製作品WW(バッグ等の縫製品の完成体)を、一定技術を習得した製作者Uに依頼したいという要望に対して、仲介者Vは、仲介者Vが提供する民間資格システムともいえるマッチングシステム100を介して、動画コンテンツCの提供によって、一定技術を習得した製作者Uを育成することができるとともに、一定技術を習得して合格したユーザである製作者Uに対して、委託者Dからの業務委託を仲介することができる。
【0046】
具体的には、「依頼者スポンサーコース」は、次のような流れで実施できる。
(1)まず、委託者Dが仲介者Vに、一定技術を養える動画を提供する。又は、仲介者Vが委託者Dにヒアリングして委託者Dが要望する一定技術を養える動画を作成する。
(2)製作者Uは、一定技術を養える動画を閲覧し、一定技術を養い、一定技術が得られたか否かを判定するための一定技術から作成された製作品WWを、仲介者Vに、写真、又は、実物の状態で送付する。
(3)委託者D、又は、仲介者Vが、送付された製作者Uの製作品WWの写真、又は、実物から一定技術が得られたかを判定する。
(4)製作者Uが一定技術を得られたと判定された場合、委託者Dが直接、又は、仲介者Vを介して、製作者Uに製作品WWの完成体の製作の業務を委託する。
(5)製作者Uは製作品WWの完成体を作成し、委託者Dに送付等することにより、委託者D、又は、仲介者Vから対価を得られる。
(6)製作者Uが一定技術を得られたと判定された場合には、動画の受講料金を委託者Dが仲介者Vに支払ってもよい。仲介者Vは、委託者D及び製作者Uの両方から、中間マージンを取得できる。
このように、「依頼者スポンサーコース」によれば、一定技術を習得した製作者Uを育成することができ、委託者Dにとっては、製作の業務を製作者Uに対して手軽に委託できるといった利益を得ることができる。
【0047】
(依頼者、ユーザマッチングシステム)
上述のマッチングシステム100及びマッチング方法を利用した一例である、「依頼者、ユーザマッチングシステム」について、以下に説明する。
「依頼者、ユーザマッチングシステム」によれば、民間資格認定によって、民間資格を付与された製作者Uとその製作者Uが製作した製作品WWを、委託者Dが閲覧し、委託者Dが気に入った製作者Uに対して、製作品WWの製作依頼を行うことができる。
【0048】
具体的には、「依頼者、ユーザマッチングシステム」は、次のような流れで実施できる。
(1)まず、委託者Dが、仲介者Vに対して、民間資格を付与されたユーザである製作者Uとその製作者Uが製作した製作品WWの製作品画像WWP、又は、製作品WWそのものを閲覧できるように請求する。
(2)仲介者Vは、委託者Dの要望(いかなる技能か?)に基づいて、委託者Dの希望に近い製作者Uと製作品WWの製作品画像WWP、又は、製作品WWそのものの情報を提供する。
(3)委託者Dは、気に入った製作者Uに製作品WWの製作依頼を行う。その際に、委託者Dは製作者Uに依頼条件(納期、品質、使用素材、依頼単価)を提示する。
(4)委託者Dと製作者Uとの合意が形成されたときに、製作物製作依頼のマッチングが成立する。
このように、「依頼者、ユーザマッチングシステム」によれば、委託者Dは、すでに民間資格認定を得た製作者Uを仲介者Vから紹介されるので、安心して業務を委託できるといった利益を得ることができる。
【0049】
以上説明したように、実施形態に係るマッチングシステム100は、委託者Dが要求する課題作品Wの製作品WW又は製作品WWを撮像した製作品画像WWPに基づいて、合格又は不合格を判定する合否判定部30と、合否判定部30で合格と判定された製作品WW又は製作品画像WWPを送付した製作者Uを資格認定製作者UrとしてリストLに登録する資格認定登録部50と、リストLからの資格認定製作者Urの指名と製作条件とを、委託者Dから受け付けるマッチング部60と、を備える。これにより、仲介者Vは、製作品WWを製作したい製作者Uと製作を委託したい委託者Dとを引き合わせることができる。そして、委託者Dは、仲介者Vを介して、課題作品Wの資格認定製作者Urを確認でき、資格認定製作者Urに、課題作品Wの製作品WWの製作を発注できる。製作者Uは、仲介者Vを介して、課題作品Wの委託者Dを確認でき、委託者Dから受注した委託された製作条件に応じた対価を得ることができる。仲介者Vは、委託者D及び製作者Uから、中間マージンを得ることができる。
【0050】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0051】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 動画配信部
20 受信部
30 合否判定部
50 資格認定登録部
60 マッチング部
70 製作条件受付部
80 資格認定製作者情報表示部
90 チャット部
100 マッチングシステム
C 動画コンテンツ
D 委託者
DT 委託者端末
L リスト
N 通信ネットワーク
U 製作者
Ur 資格認定製作者
UT ユーザ端末
V 仲介者
VT ベンダ端末
W 課題作品
WW 製作品
WWP 製作品画像