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特開2023-166751診断支援システム、診断支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166751
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】診断支援システム、診断支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20231115BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077503
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 真理子
(72)【発明者】
【氏名】藤本 克彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】購買履歴を考慮した有効な診断支援情報の提供を可能にする診断支援システム、診断支援方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態の診断支援システムは、取得部と、分類部と、抽出部と、提示部とを持つ。取得部は、対象者の購買履歴情報と、対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得する。分類部は、取得された購買履歴情報に含まれる商品を管理対象購買履歴情報に登録する。抽出部は、管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品を抽出する。提示部は、抽出された商品と、抽出された商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の購買履歴情報と、前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得する取得部と、
取得された前記購買履歴情報に含まれる商品を管理対象購買履歴情報に登録する分類部と、
前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品を抽出する抽出部と、
抽出された前記商品と、抽出された前記商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を提示する提示部と、を備える診断支援システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記対象者の症状情報を取得し、
前記抽出部は、前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の症状情報に含まれる症状と関連付けられる商品を抽出する、
請求項1に記載の診断支援システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記対象者の検査情報を取得し、
前記抽出部は、前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の検査情報に含まれる検査異常値と関連付けられる商品を抽出する、
請求項1に記載の診断支援システム。
【請求項4】
前記提示部は、抽出された前記商品により引き起こされ得る疾患情報に対応付けられた診療科の情報をあわせて提示する、
請求項1から3の何れか一項に記載の診断支援システム。
【請求項5】
前記診断支援情報において提示される抽出された前記商品の優先順位を決定する優先順位決定部をさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の診断支援システム。
【請求項6】
前記優先順位決定部は、抽出された前記商品と関連付けられた健康への影響度を示す少なくとも1つの指標値と、前記商品の購買回数との少なくとも一方に基づいて、前記優先順位を決定する、
請求項5に記載の診断支援システム。
【請求項7】
前記分類部は、取得された前記購買履歴情報に含まれる商品を商品分類により分類して前記管理対象購買履歴情報に登録し、
前記抽出部は、前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品分類に分類された商品を抽出する、
請求項1から3の何れか一項に記載の診断支援システム。
【請求項8】
前記商品分類には、引き起こされ得る症状情報、血液検査の異常値情報、疾患情報、および診療科情報が関連付けられている、
請求項7に記載の診断支援システム。
【請求項9】
前記対象者の購買履歴情報には、前記対象者に関連付けられる他者の購買履歴が含まれ、
前記分類部は、前記商品分類によって分類された前記商品の内、前記対象者および前記他者により予め決定された商品分類の商品のみを前記管理対象購買履歴情報に登録する、
請求項8に記載の診断支援システム。
【請求項10】
診断支援システムのコンピュータが、
対象者の購買履歴情報と、前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得し、
取得された前記購買履歴情報に含まれる商品を管理対象購買履歴情報に登録し、
前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品を抽出し、
抽出された前記商品と、抽出された前記商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を提示する、診断支援方法。
【請求項11】
診断支援システムのコンピュータに、
対象者の購買履歴情報と、前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得させ、
取得された前記購買履歴情報に含まれる商品を管理対象購買履歴情報に登録させ、
前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品を抽出させ、
抽出された前記商品と、抽出された前記商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を提示させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、診断支援システム、診断支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、問診等の医療行為を支援することを目的として、処方薬の飲み合わせや副作用をシステム上でチェックして、医師等に警告する技術が知られている。また、患者の商取引の履歴に基づいて患者の健康状態を推定し、健康状態について改善が必要である場合には、医師等に通知する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6671609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、患者は、自分の食べた物や飲んだ市販薬等の情報を、限られた問診時間の中で正確に抜けなく医師に伝える事が難しい。また、医師も自分の専門ではない領域の疾患に影響を与える購買物、飲食物までは考えが及ばず、患者の症状の原因物を見落としてしまう恐れがある。これにより、正しい診断に辿りつくまでに時間を要したり、無駄な検査や治療を行ったりする恐れがある。
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、購買履歴を考慮した有効な診断支援情報の提供を可能にすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の診断支援システムは、取得部と、分類部と、抽出部と、提示部とを持つ。取得部は、対象者の購買履歴情報と、対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得する。分類部は、取得された購買履歴情報に含まれる商品を管理対象購買履歴情報に登録する。抽出部は、管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品を抽出する。提示部は、抽出された商品と、抽出された商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る診断支援システムSの一例を示す図。
図2】実施形態に係る購買履歴情報D1の一例を示す図。
図3】実施形態に係る商品マスタM(分類情報M1)の一例を示す図。
図4】実施形態に係る商品マスタM(危険度情報M2)の一例を示す図。
図5】実施形態に係る商品マスタM(疾患情報M3)の一例を示す図。
図6】実施形態に係る診断支援システムSの管理対象購買履歴情報の生成処理の一例を示すフローチャート。
図7】実施形態に係る診断支援システムSの診断支援情報の提示処理の一例を示すフローチャート。
図8】実施形態に係る候補項目表の一例を示す図。
図9】実施形態に係る診断支援情報(医師への提示画面)の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施形態の診断支援システム、診断支援方法、およびプログラムについて説明する。
【0009】
[診断支援システムの構成]
図1は、実施形態に係る診断支援システムSの構成の一例を示す図である。診断支援システムSは、例えば、診断支援装置1、医師端末U、端末装置T、クレジットカード会社サーバS1、EC(Electronic commerce)サイトサーバS2、検査装置S3、電子カルテサーバS4等を備える。診断支援装置1は、例えば、診断支援装置1の管理者Qが所属するサービスセンターに設けられる。または、診断支援装置1は、病院、診療所等の医療施設に設けられてもよい。診断支援装置1に接続された医師端末Uは、例えば、患者である対象者(以下、「患者P」と呼ぶ)の診断、検査等を行うに際して、医師、看護師等である操作者(以下、「医師D」と呼ぶ)により使用される。
【0010】
診断支援システムSは、特許請求の範囲における「診断支援システム」の一例である。診断支援システムは、診断支援装置1により構成されるものであってよい。或いは、診断支援システムは、診断支援装置1と、医師端末Uとの組み合わせにより構成されるものであってよい。この場合、診断支援装置1の機能の一部は、医師端末U側で行われるようにしてもよいし、医師端末Uの機能の一部は、診断支援装置1側で行われるようにしてもよい。
【0011】
診断支援システムSにおいては、例えば、通信ネットワークNWを介して、診断支援装置1、患者Pの端末装置T、医師端末U、クレジットカード会社サーバS1、ECサイトサーバS2、検査装置S3、電子カルテサーバS4等が互いに通信可能に接続されている。端末装置T、クレジットカード会社サーバS1、ECサイトサーバS2等には、患者Pが過去に購入した商品に関する購買履歴情報が保持されている。端末装置Tは、例えば、家計簿管理のアプリケーションが実行されることで、患者Pの購買履歴情報を取得および保持している。端末装置Tは、例えば、カメラ機能を用いて、商品購入時に発行されたレシート等の情報を読み取り、テキストマイニング等の技術を用いることで、購買履歴情報を取得および保持している。また、端末装置Tは、お薬手帳のアプリケーションが実行されることで、患者Pの処方箋情報(購買履歴情報の一例)を取得および保持している。クレジットカード会社サーバS1は、例えば、患者Pのクレジットカード決済情報を購買履歴情報として保持している。ECサイトサーバS2は、例えば、患者Pの購入履歴情報を購買履歴情報として保持している。
【0012】
尚、購買履歴情報は、患者Pの購買履歴に加えて、患者Pと関連付けられる他者(例えば、患者Pと同居する家族)の購買履歴の情報を含んでいてもよい。以下、患者Pと関連付けられる他者を総称する場合は、「患者Pら」と記載する。
【0013】
検査装置S3は、患者Pの状態を確認するための各種の検査を行う装置である。検査装置S3には、例えば、血液検査装置、尿検査装置、糞便検査装置、身体測定装置、血圧検査装置、画像診断検査装置、生体検査装置等が含まれる。
【0014】
電子カルテサーバS4は、例えば、患者Pの診断を行った医師Dが医師端末Uを介して入力した患者Pの症状情報D3、検査装置S3により取得された患者Pの検査情報D4、患者Pの診断を行った医師Dが医師端末Uを介して入力した患者Pの処方箋情報D5等を保持している。症状情報D3には、例えば、患者Pが訴えている症状(主訴)や、患者Pを診断した医師Dが判断した症状が含まれる。症状情報D3には、例えば、頭痛、しびれ、吐き気、嘔吐、動悸、悪寒、意識消失、腹痛、尿閉、蕁麻疹、黄疸等の各種症状が含まれる。検査情報D4には、例えば、血液検査の結果(カリウム値、リン値、血糖値、乳酸値、コレステロール値、中性脂肪値、リン酸エタノールアミン値、非特異的IgE値、血清アミロイドA蛋白値等)、尿検査の結果、糞便検査の結果、身体測定検査の結果、血圧検査の結果、画像診断検査の結果、生体検査の結果等が含まれる。尚、検査情報D4は、医師Dが医師端末Uを介して入力したものであってもよい。
【0015】
通信ネットワークNWは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を示す。通信ネットワークNWは、病院基幹LAN(Local Area Network)等の無線/有線LANやインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワーク等を含む。
【0016】
[医師端末U]
医師端末Uは、例えば、処理回路100と、通信インターフェース200と、入力インターフェース300と、ディスプレイ400とを備える。処理回路100は、診断支援装置1、検査装置S3、電子カルテサーバS4等と各種情報の送受信を行う。処理回路100は、診断支援装置1から受信した診断支援情報を、ディスプレイ400に表示する。
【0017】
通信インターフェース200は、通信ネットワークNWを介して、診断支援装置1、検査装置S3、電子カルテサーバS4等と通信する。通信インターフェース20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを含む。
【0018】
入力インターフェース300は、例えば、問診で患者Pから得られた症状情報D3、検査装置S3から得られた検査情報D4、処方箋情報D5等の、医師Dからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路100に出力する。例えば、入力インターフェース300は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を含む。入力インターフェース300は、例えば、マイク等の音声入力を受け付けるユーザインターフェースであってもよい。
【0019】
なお、本明細書において入力インターフェースはマウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0020】
ディスプレイ400は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ400は、処理回路100によって生成された画像や、医師Dからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。例えば、ディスプレイ400は、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。入力インターフェース300がタッチパネルである場合、ディスプレイ400の表示機能は、入力インターフェース300に組み込まれても良い。
【0021】
[診断支援装置1]
診断支援装置1は、例えば、処理回路10と、通信インターフェース20と、入力インターフェース30と、ディスプレイ40と、メモリ50とを備える。診断支援装置1は、1つの装置で構成されるものであってもよいし、複数の装置が協働して動作することで機能を実現するものであってもよい。通信インターフェース20は、通信ネットワークNWを介して、端末装置T、医師端末U、クレジットカード会社サーバS1、ECサイトサーバS2、検査装置S3、電子カルテサーバS4等と通信する。通信インターフェース20は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。
【0022】
入力インターフェース30は、管理者Qからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路10に出力する。
【0023】
ディスプレイ40は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ40は、処理回路10によって生成された画像や、管理者Qからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。
【0024】
処理回路10は、例えば、取得機能11と、管理対象決定機能12と、分類機能13と、抽出機能14と、優先順位決定機能15と、提示機能16と、表示制御機能17とを備える。処理回路10は、例えば、ハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がメモリ50(記憶回路)に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。
【0025】
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))等の回路(circuitry)を意味する。メモリ50にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは、回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。上記のプログラムは、予めメモリ50に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の非一時的記憶媒体に格納されており、非一時的記憶媒体が診断支援装置1のドライブ装置(不図示)に装着されることで非一時的記憶媒体からメモリ50にインストールされてもよい。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。
【0026】
取得機能11は、通信インターフェース20を介して、端末装置T、クレジット会社サーバS1、ECサイトサーバS2等から、患者Pの購買履歴情報を取得し、メモリ50に購買履歴情報D1として格納する。或いは、取得機能11は、通信インターフェース20を介して、医師端末Uから、患者Pの問診を行った医師Dが医師端末Uを介して入力した購買履歴情報を取得してもよい。取得機能11は、「取得部」の一例である。
【0027】
図2は、実施形態に係る購買履歴情報の一例を示す図である。購買履歴情報は、患者Pが過去に購入した商品に関する情報を含む。購買履歴情報は、例えば、「購買日」、「商品名」、「購買回数(或いは個数)」の項目の情報を含む。図2の例では、例えば、患者Pが、「購買日(2022/02/01)」に、「商品名(〇〇納豆)」を「個数(1)」購入したデータが登録されている。
【0028】
また、取得機能11は、通信インターフェース20を介して、医師端末Uから、患者Pの診断を行った医師Dが医師端末Uを介して入力した患者Pの症状情報および検査情報の少なくとも一方を取得する。或いは、取得機能11は、通信インターフェース20を介して、電子カルテサーバS4から、症状情報および検査情報の少なくとも一方を取得する。
【0029】
すなわち、取得機能11は、対象者の購買履歴情報と、対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得する。
【0030】
管理対象決定機能12は、患者Pまたは患者Pらが管理対象とすることを希望する商品分類を決定する。管理対象決定機能12は、例えば、患者Pまたは患者Pらの希望を確認した診断支援装置1の管理者Q(AI(Artificial Intelligence)等の装置を含む)等が入力インターフェース30を介して入力した情報に基づいて、管理対象とする商品分類を決定する。また、管理対象決定機能12は、端末装置Tから送信された情報に基づいて、管理対象とする商品分類を決定するようにしてもよい。管理対象決定機能12の詳細については後述する。管理対象決定機能12は、「管理対象決定部」の一例である。
【0031】
分類機能13は、購買履歴情報D1に含まれる商品(商品名)を商品分類により分類して管理対象購買履歴情報D2に登録する。分類機能13は、例えば、メモリ50に保管されている商品マスタM(分類情報M1)を参照し、購買履歴情報D1に含まれる商品の分類を行う。分類機能13および商品マスタMの詳細については後述する。分類機能13は、「分類部」の一例である。
【0032】
抽出機能14は、管理対象購買履歴情報D2に含まれる商品の中から、患者Pの症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品分類に分類された商品を抽出する。すなわち、抽出機能14は、患者Pが過去に購入した商品の中から、症状情報に含まれる症状や、検査情報に含まれる異常値の原因となりうる商品分類に属する商品を抽出する。抽出機能14の詳細については後述する。抽出機能14は、「抽出部」の一例である。
【0033】
優先順位決定機能15は、抽出された商品を医師Dに提示する際の優先順位を決定する。例えば、優先順位決定機能15は、抽出された商品の商品分類と関連付けられた健康への影響度を示す少なくとも1つの指標値と、商品の購買回数との少なくとも一方に基づいて、優先順位を決定する。優先順位決定機能15の詳細については後述する。優先順位決定機能15は、「優先順位決定部」の一例である。
【0034】
提示機能16は、抽出された商品と、抽出された商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を医師端末Uに送信することで、診断支援情報を医師Dに提示する。また、提示機能16は、抽出された商品により引き起こされうる疾患情報に対応付けられた専門の診療科の情報を医師端末Uに送信することで、診療科の情報をあわせて医師Dに提示する。提示機能16の詳細については後述する。提示機能16は、「提示部」の一例である。
【0035】
表示制御機能17は、メモリ50に保管されている各種情報や商品マスタの情報、管理者Qからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI等の各種の情報を、ディスプレイ40に表示させる制御を行う。
【0036】
メモリ50は、例えば、購買履歴情報D1、管理対象購買履歴情報D2、商品マスタM等を記憶する。その他、メモリ50は、処理回路10が利用するプログラムやパラメータデータやその他のデータを記憶する。メモリ50は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクによって実現される。これらの非一過性の記憶媒体は、NAS(Network Attached Storage)や外部ストレージサーバ装置といった通信ネットワークNWを介して接続される他の記憶装置によって実現されてもよい。また、メモリ50には、ROM(Read Only Memory)やレジスタ等の非一過性の記憶媒体が含まれてもよい。
【0037】
[商品マスタ]
商品マスタMは、商品の各々に対して予め定義された分類情報M1、危険度情報M2、および疾患情報M3を対応付けた参照情報である。
【0038】
分類情報M1は、商品の分類情報を含む。図3は、実施形態に係る分類情報M1の一例を示す図である。分類情報M1では、「商品名」に対して、「商品大分類」、「商品中分類」、および「商品小分類」が対応付けられている。「商品大分類」および「商品中分類」は、総務省等により定義された商品分類に基づくものである。「商品大分類」には、例えば、「保険医療」、「食料」、「教養娯楽」等の分類が含まれる。「商品中分類」は、「商品大分類」をさらに詳細に分類したものである。「商品中分類」には、例えば、「商品大分類(保健医療)」の下位に定義された中分類として「医薬品」等が含まれ、「商品大分類(食料)」の下位に定義された中分類として「食品」、「飲料」、「果物」等が含まれ、「商品大分類(教養娯楽)」の下位に定義された中分類として「玩具」等が含まれる。
【0039】
「商品小分類」は、診断支援装置1の管理者Qや医師D等により予め定義される。「商品小分類」は、「商品中分類」をさらに詳細に分類したものであり、商品名に関連付けられて商品の特性、用途等の商品固有の情報を識別可能なものである。「商品小分類」には、例えば、「商品中分類(医薬品)」の下位に定義された小分類として「総合感冒薬」、「胃腸薬」、「鎮痛剤」、「カフェイン剤」等が含まれ、「商品中分類(食品)」の下位に定義された小分類として「高ビタミンK食品」等が含まれ、「商品中分類(玩具)」の下位に定義された小分類として「ゲーム関連商品」等が含まれる。
【0040】
危険度情報M2は、商品に関する各種の危険度(指標値)の情報を含む。この危険度は、例えば、商品が健康に影響を与える度合いを示すものである。図4は、実施形態に係る危険度情報M2の一例を示す図である。危険度情報M2では、「商品小分類」に対して、「重要成分」、「存在危険度」、「過剰危険度」、「健康に影響する方法(重要カテゴリ)」、「要確認事項」、「要確認事項点数」、および「通報基準」が対応付けられている。
【0041】
「重要成分」は、対応する商品小分類の商品に含まれる医学的に重要な成分の情報を示す(例えば、アセトアミノフェン、甘草、ビタミンK、ニッケル、カリウム等)。「存在危険度」は、対応する商品小分類の商品の健康への危険度の情報を示す(例えば、5段階の数値,数値が高いほど危険度が高い)。「過剰危険度」は、対応する商品小分類の商品が過剰に存在した場合の健康への危険度の情報を示す(例えば、5段階の数値,数値が高いほど危険度が高い)。「健康に影響する方法(重要カテゴリ)」は、対応する商品小分類の商品の健康に影響する方法(使用方法)を示す(例えば、薬物中毒、過剰摂取、薬品相互作用、依存、金属アレルギー、糖分過剰摂取、食物アレルギー、カリウム過剰摂取等)。「要確認事項」は、対応する商品小分類の商品が存在する場合に確認するべき事項を示す(例えば、同成分の薬剤の摂取の有無、ワルファリン(禁忌)の摂取の有無、精神科関連薬剤の摂取の有無、抗アレルギー薬の過剰摂取の有無等)。「要確認事項点数」は、「要確認事項」の危険度の情報を示す(例えば、1から100の数値,数値が高いほど危険度が高い)。「通報基準」は、「存在危険度」、「過剰危険度」、および「要確認事項点数」に基づいて決定される通報の優先度(重要度)を示す。「通報基準」は、例えば、「存在危険度」、「過剰危険度」、および「要確認事項点数」の各数値の乗算値である。
【0042】
疾患情報M3は、商品により生じ得る疾患の情報等を含む。図5は、実施形態に係る疾患情報M3の一例を示す図である。疾患情報M3では、「商品小分類」に対して、「通常または過剰症状」、「過小症状」、「重篤な疾患/死因」、「血液検査項目との関係」、および「想定される診療科」が対応付けられている。更に、疾患情報M3は、電子カルテサーバS4に格納されている症状情報D3、検査情報D4と紐づけられる、各種疾患における症状や検査値のマスタ情報を含み、疾患情報M3を介して患者の主訴の症状と製品情報を結びつけることができる。
【0043】
「通常または過剰症状」は、商品が1つでも存在する、または過剰に存在する場合に生じ得る症状の情報を示す(例えば、腹痛、嘔吐、尿閉、蕁麻疹、黄疸、頭痛、しびれ、肩こり、眼痛、頭痛、不眠、ドライアイ、イライラ、肥満、喉渇き、多尿、痒み、湿疹、水疱、発熱、知覚過敏、脱力感等)。「過小症状」は、商品の存在か過小か、存在しない場合に生じ得る症状の情報を示す(例えば、商品小分類「運動用品」に対して、耐糖能異常、脂質異常、高血圧、肥満等の症状が対応付けられる)。「重篤な疾患/死因」は、商品の単独の存在、或いは「要確認事項」との併存によって生じ得る重篤な疾患の情報を示す(例えば、スティーブンス・ジョンソン症候群、脳梗塞、心筋梗塞、ゲーム依存症、鬱病、アナフィラキシーショック(窒息)、心不全等)。「血液検査項目との関係」は、商品の単独の存在、或いは「要確認事項」との併存によって生じ得る検査値の異常の情報を示す(例えば、血清アミロイドA蛋白高値、カリウム高値、リン酸エタノールアミン(PEA)高値、非特異的IgE高値等)。「想定される診療科」は、重篤な疾患の可能性がある場合の振り分け先の診療科を示す(例えば、泌尿器科、皮膚科、脳神経外科、精神科、救命救急センター、循環器内科、心臓血管外科等)。
【0044】
上記の例では、分類情報M1、危険度情報M2、および疾患情報M3の各々が分離された構成の例を説明したが、これらの情報は1つの情報としてまとめられたものであってもよい。すなわち、商品マスタM(商品分類)には、引き起こされ得る症状情報、血液検査の異常値情報、疾患情報、および診療科情報等が関連付けられていてよい。
【0045】
[処理フロー]
(管理対象購買履歴情報の生成処理)
次に、実施形態に係る診断支援システムSの処理フローの一例を説明する。図6は、実施形態に係る診断支援システムSの管理対象購買履歴情報の生成処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えば、管理者Qが入力インターフェース30を介して処理開始の指示を入力することにより開始される。或いは、図6に示す処理は、例えば、週次、月次等の所定のタイミングでのバッチプログラムが実行されることにより開始される。
【0046】
まず、管理対象決定機能12は、患者Pまたは患者Pらが管理対象とすることを希望する商品分類(商品大分類)を決定する(ステップS101)。管理対象決定機能12は、例えば、患者Pまたは患者Pらの希望を確認した診断支援装置1の管理者Q(AI等の装置を含む)等が入力インターフェース30を操作して入力した情報に基づいて、管理対象とする商品大分類を決定する。このように管理対象とする商品大分類を決定することで、患者Pまたは患者Pらのプライバシーに配慮し、管理希望の分類の商品のみを診断支援装置1の管理対象とすることができる。また、患者Pまたは患者Pらが管理を希望しない分類の商品の購入履歴については、入力インターフェース30を介した操作やバッチプログラムの処理により、個別に削除できるようにしてもよい。
【0047】
次に、取得機能11は、通信インターフェース20を介して、クレジット会社サーバS1、ECサイトサーバS2、端末装置T等から、患者Pまたは患者Pらの購買履歴情報D1を取得する(ステップS103)。尚、取得機能11は、医師端末Uから送信された医師Dが医師端末Uを介して入力した購買履歴情報D1や処方箋情報D5を取得してもよい。或いは、取得機能11は、電子カルテサーバS4から、処方箋情報D5を取得してもよい。
【0048】
次に、分類機能13は、購買履歴情報D1や処方箋情報D5に含まれる購入済みの商品の商品名を抽出する(ステップS105)。続いて、分類機能13は、メモリ50に保管されている商品マスタM(分類情報M1)を参照し、抽出された商品名の各々を商品大分類ごとに振り分ける(ステップS107)。
【0049】
次に、分類機能13は、商品大分類ごとに振り分けられた商品名の中から、患者Pまたは患者Pらの希望に従って管理対象となった商品大分類に対応する管理対象の商品名を抽出する(ステップS109)。続いて、分類機能13は、商品マスタM(分類情報M1)を参照し、抽出された管理対象の商品名に対して、商品中分類および商品小分類に振り分け(ステップS111)、管理対象購入履歴情報D2に登録する(ステップS113)。以上により、本フローチャートの処理が完了する。
【0050】
(診断支援情報の提示処理)
図7は、実施形態に係る診断支援システムSの診断支援情報の提示処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、例えば、医師Dが医師端末Uを介して処理開始の指示を入力することにより開始される。ここでは、病院において医師Dが患者Pの診断および検査を行う場面を想定する。
【0051】
まず、取得機能11は、医師端末Uから送信された、患者Pの診断(問診等)を行った医師Dが医師端末Uの入力インターフェース300を介して入力した症状情報を取得する(ステップS201)。次に、抽出機能14は、取得された症状情報に関連付けられる商品が、管理対象購買履歴D2に存在するか否かを判定する(ステップS203)。抽出機能14は、取得された症状情報に関連付けられる商品が管理対象購買履歴D2に存在する場合、当該商品を候補項目表EDに追加する(ステップS205)。症状情報に複数の症状が含まれる場合には、症状ごとに、上記のステップS203およびS205の処理が繰り返し行われる。
【0052】
ステップS205における商品の候補項目表EDへの追加処理が完了した場合、或いは、ステップS203において症状情報に関連付けられる商品が管理対象購買履歴D2に存在しないと判定された場合、取得機能11は、患者Pの検査情報を取得する(ステップS207)。ここでは、医師Dが患者Pを診断(問診等)した結果に応じて患者Pに対して血液検査等の検査を行い、検査情報(特に、検査異常値)が取得される場面が想定される。次に、抽出機能14は、取得された検査情報(例えば、検査異常値)に関連付けられる商品が、管理対象購買履歴D2に存在するか否かを判定する(ステップS209)。抽出機能14は、取得された検査情報(検査異常値)に関連付けられる商品が管理対象購買履歴D2に存在する場合、当該商品を候補項目表EDに追加する(ステップS211)。検査情報に複数の検査情報(検査異常値)が含まれる場合には、検査異常値ごとに、上記のステップS209およびS211の処理が繰り返し行われる。
【0053】
図8は、実施形態に係る候補項目表EDの一例を示す図である。図8では、症状情報に含まれる症状が「しびれ」であり、検査情報に含まれる検査異常値が「血液検査異常値(カリウム高値)」である場合を示している。上記のステップS205における症状情報に基づく候補項目表EDへの追加処理により、商品マスタM(疾患情報M3)の「通常または過剰症状」の欄において「しびれ」が登録されている商品小分類(例えば「高ビタミンK食品」)に分類される商品(例えば「〇〇納豆」)が、候補項目として追加される。また、上記のステップS211における検査情報に基づく候補項目表EDへの追加処理により、商品マスタM(疾患情報M3)の「血液検査項目との関係」の欄において「カリウム高値」が登録されている商品小分類(例えば「高カリウム食品」)に分類される商品(例えば「バナナ」)が、候補項目として追加される。この候補項目表EDには、「商品名」に加えて、分類情報M1、危険度情報M2、疾患情報M3に含まれる項目が関連付けて登録される。
【0054】
ステップS211における商品の候補項目表EDへの追加処理が完了した場合、或いは、ステップS209において検査情報に関連付けられる商品が管理対象購買履歴D2に存在しないと判定された場合、優先順位決定機能15は、候補項目表EDに含まれる候補項目を医師Dに提示する際の優先順位を決定する(ステップS213)。例えば、優先順位決定機能15は、抽出された商品の商品分類と関連付けられた健康への影響度を示す少なくとも1つの指標値(危険度)と、商品の購買回数とに基づいて、優先順位を決定する。優先順位決定機能15は、例えば、候補項目表ED(危険度情報M2)に含まれる「通報基準」が高いほど優先順位が高くなるように、優先順位を決定する。また、優先順位決定機能15は、例えば、候補項目表EDに含まれる「購買回数」が多いほど優先順位が高くなるように、優先順位を決定する。
【0055】
次に、提示機能16は、候補項目表EDにリストアップされた商品と、抽出された商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を医師端末Uに送信することで、診断支援情報を医師Dに提示する(ステップS215)。また、提示機能16は、候補項目表EDにリストアップされた商品により引き起こされ得る疾患ごとに登録された診療科の情報をあわせて医師Dに提示する。これにより、医師端末Uのディスプレイ400に診断支援情報および診療科の情報が表示される。図9は、実施形態に係る診断支援情報(医師への提示画面)の一例を示す図である。図9に示すように、医師端末Uのディスプレイ400に表示される医師への提示画面では、症状「しびれ」、血液検査異常値「カリウム高値」に加えて、「優先順位」、「重篤な疾患」、「想定される診療科」、「商品名」、「商品小分類」、「健康に影響する方法(重要カテゴリ)」、「要確認事項」等の情報が表示される。以上により、本フローチャートの処理が終了する。医師Dは、この提示画面を確認することで、患者Pに生じている症状の原因となっている可能性のある商品を特定でき、疾患の候補(「重篤な疾患」)や診断時の確認事項(「要確認事項」)といった有効な情報を漏れなく確認することができる。
【0056】
以上説明した実施形態によれば、購買履歴を考慮した有効な診断支援情報の提供を行うことができる。特に、患者の主訴や検査結果と関連があると推測される購買物情報を、疾患候補と共に、優先順位を付けて医師に参考情報として提示することができる。これにより、患者が自分の食べたものや飲んだ市販薬などの情報を医師に正確に伝えられなくても、医師が正しい診断に辿りつくまでに時間を要したり、無駄な検査や治療を行ったりする恐れが少なくなり、疾患の早期発見につながると共に、医療費削減にもつながることが期待できる。また、必要に応じて専門の診療科に振り分けを行うことができるようになる。
【0057】
例えば、患者が「脛が痛い」という症状を訴えているときに、医師は「深部静脈血栓症」を疑うことは難しい、医師は、通常、過労性骨膜炎や疲労骨折を疑い、整形外科へ振り分け、第一にX線撮影を行うことが多い。これに対して、診断支援システムを用いることで、患者の購買履歴情報(お薬手帳)からホルモン製剤の摂取があることと、検査情報(血液検査情報)としてDダイマーが徐々に高値となっていることとが総合的に考慮されることで、「深部静脈血栓症」の疑いを早期に検知でき、血管内科への振り分けを可能にする。また、例えば、患者が「不正出血」の症状を訴えているときに、医師は「ホルモン製剤」の効き過ぎを疑い、減薬してしまうことが多い。これに対して、診断支援システムを用いることで、患者の購買履歴情報(お薬手帳)からホルモン製剤の摂取があることと、豆乳(大豆イソフラボン)の過剰摂取があることが総合的に考慮され、ホルモン製剤の減薬ではなく、豆乳の中止という指示を行うことが可能となる。
【0058】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
処理回路(processing circuitry)を備え、
前記処理回路は、
対象者の購買履歴情報と、前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方とを取得し、
取得された前記購買履歴情報に含まれる商品を管理対象購買履歴情報に登録し、
前記管理対象購買履歴情報に含まれる商品の中から、取得された前記対象者の症状情報および検査情報の少なくとも一方と関連付けられる商品を抽出し、
抽出された前記商品と、抽出された前記商品により引き起こされ得る疾患情報とを含む診断支援情報を提示する、
診断支援システム。
【0059】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
1…診断支援装置,10…処理回路,11…取得機能,12…管理対象決定機能,13…分類機能,14…抽出機能,15…優先順位決定機能,16…提示機能,17…表示制御機能,20…通信インターフェース,30…入力インターフェース,40…ディスプレイ,50…メモリ,100…処理回路,200…通信インターフェース,300…入力インターフェース,400…ディスプレイ,S…診断支援システム,S1…クレジットカード会社サーバ,S2…ECサイトサーバ,S3…検査装置,S4…電子カルテサーバ,T…端末装置,U…医師装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9