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特開2023-166758生分解性製品の販売及び回収システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166758
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】生分解性製品の販売及び回収システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20231115BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20231115BHJP
【FI】
G06Q10/00 400
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077520
(22)【出願日】2022-05-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000083355.html [刊行物等] https://www.kenja.tv/president/detjx4zb.html [刊行物等] https://hedge.guide/news/cresava-fundinno-252.html [刊行物等] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000083355.html [刊行物等] https://japan-indepth.jp/?p=62887 [刊行物等] https://www.sankei.com/article/20211204-ZTMBGOHYXZM35L3I7CJSAQ62VQ/ [刊行物等] https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211221/se1/00m/020/065000c [刊行物等] https://forbesjapan.com/articles/detail/45473 [刊行物等] https://dime.jp/genre/1371292/ [刊行物等] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000083355.html [刊行物等] https://japan.cnet.com/article/35179150/ [刊行物等] https://www.youtube.com/watch?v=GkSZgq2pF9g [刊行物等] https://www.youtube.com/watch?v=9udIU5tNCzk [刊行物等] https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2074129/ [刊行物等] https://www.youtube.com/watch?v=EQAn-TZHSCY [刊行物等] https://www.youtube.com/watch?v=Xo-JrD2KHG0
(71)【出願人】
【識別番号】520201905
【氏名又は名称】クレサヴァ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】園部 皓志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】循環型社会を構成することができる、新規な販売及び回収システムを提供する。
【解決手段】サーバ、ユーザ端末装置、出荷拠点端末装置、び回収拠点端末装置と、を含む販売及び回収システムにおいて、サーバ4は、サーバ4の記憶領域であるサーバ記憶部411を含む。また、サーバ4は、ポイント処理部413及び販売及び回収処理部414を含むサーバ処理部412を更に備える。更に、サーバ4は、ユーザ端末装置及び店舗端末と通信するためにサーバ通信部415を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性製品及び農作物を含む商品を販売し、かつ前記販売された生分解性製品を回収するための販売及び回収システムであって、
前記農作物は、前記生分解性製品から製造された土壌改質剤を用いて生産され、
前記販売及び回収システムは、サーバ、ユーザ端末装置、出荷拠点端末装置、及び回収拠点端末装置を具備しており、
前記サーバは、サーバ記憶部、サーバ処理部、及びサーバ通信部を備えており、
前記サーバ記憶部は、
複数のユーザ情報を記憶するユーザデータベース、
前記ユーザ情報のそれぞれに対して販売した商品の販売情報及び回収情報を記憶する販売データベース、及び
前記商品の商品情報を記憶する商品データベース
を含み、
前記サーバ処理部は、販売及び回収処理部を含み、前記販売及び回収処理部は、
前記ユーザ端末装置から前記サーバ通信部を介して特定の商品の購入要求を受信した場合に、前記購入された商品の販売情報を前記ユーザデータベースに記憶させると共に、前記特定の商品をユーザに出荷するための商品出荷情報を前記出荷拠点端末装置に送信し、かつ
前記生分解性製品の回収後に前記生分解性製品の回収情報を、前記サーバ通信部を介して前記回収拠点端末装置から受信して、前記販売データベースに前記生分解性製品が回収された旨の回収情報を記憶させる、
生分解性製品の販売及び回収システム。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、ポイント情報を含み
前記サーバ処理部は、ポイント処理部をさらに含み、
前記ポイント処理部は、前記生分解性製品の販売情報及び回収情報に基づいて、ユーザに付与するポイントを算出して、前記算出したポイントを前記ユーザデータベースに記憶させる、
請求項1に記載の販売及び回収システム。
【請求項3】
前記商品データベースには、前記生分解性製品の同一の商品に対して、前記生分解性製品の回収期限に応じた複数の価格情報が記憶されている、請求項1に記載の販売及び回収システム。
【請求項4】
前記商品データベースには、前記回収期限が短ければ短いほど低い価格情報が記憶されている、請求項3に記載の販売及び回収システム。
【請求項5】
前記販売及び回収処理部は、前記生分解性製品の回収期限が近づくと、前記サーバ通信部を介してユーザにその旨の通知を送信する、請求項1に記載の販売及び回収システム。
【請求項6】
前記販売及び回収処理部は、前記生分解性製品の回収情報と、前記販売データベースに記憶されている前記生分解性製品の販売情報とが合致することが確認された後に、前記販売データベースに、回収が行われたことを記憶させる、請求項1に記載の販売及び回収システム。
【請求項7】
前記サーバ記憶部の商品データベースは、前記農作物の生産者、前記農作物の生産に使用された土壌改質材、及び前記土壌改質材の生産に使用された生分解性製品の情報を含む農産物のトレース情報を記憶している、請求項1に記載の販売及び回収システム。
【請求項8】
前記生分解性製品が、生分解繊維を含む衣服である、請求項1に記載の販売及び回収システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の生分解性製品の販売及び回収システムを用いた、生分解性製品及び農作物を含む商品の販売及び回収方法であって、
前記販売及び回収システムを通じて前記生分解性製品を販売すること、
前記販売及び回収システムを通じて前記販売した生分解性製品を回収すること
前記回収した生分解性製品から土壌改質剤を製造すること、
前記土壌改質剤を用いて農作物を生産すること、及び
前記販売及び回収システムを通じて前記農作物を販売すること、
を含む、生分解性製品の販売及び回収方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性製品の販売及び回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)の1つとして、「つくる責任つかう責任(Responsible Consumption and Production)」が掲げられており、大量消費社会のあり方が見直されている。
【0003】
それに対して、例えばファッション業界では、トレンドを先読みし、売れるとわかったものしか作らないマーチャンダイズプランを掲げており、これにより、ひたすらサンプルを作り続け、トレンドが過ぎたものは棄てるといった、大量生産・大量消費・大量廃棄が発生している。
【0004】
実際に、日本における服の廃棄量は年間100万トンを超えるとされており、世界で見ると年間1億トンに近い服が廃棄されている。その約7割は生産する企業側が生み出しており、トレンドに応じた売れる服を大量生産するために作られる多くのサンプル及び過剰な在庫品が廃棄されている。製造された服は、大量に消費者の元へ届き、消費されるものの、不要となる服は大量に生まれ、結果として廃棄物となっている。
【0005】
このような状況の下、様々な製品のリサイクル技術が開発されている。例えば、特許文献1は、有機廃棄物を成型、焼成等を行って土壌改良材として利用する技術を開示している。繊維のリサイクル技術を開示している。
【0006】
特許文献2は、いわゆる紙コップをパルプ土壌として再利用する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-248442号公報
【特許文献2】特開2016-93772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、循環型社会を構成することができる、新規な販売及び回収システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの実施形態において、本発明は、以下の態様を有する。
《態様1》
生分解性製品及び農作物を含む商品を販売し、かつ前記販売された生分解性製品を回収するための販売及び回収システムであって、
前記農作物は、前記生分解性製品から製造された土壌改質剤を用いて生産され、
前記販売及び回収システムは、サーバ、ユーザ端末装置、出荷拠点端末装置、及び回収拠点端末装置を具備しており、
前記サーバは、サーバ記憶部、サーバ処理部、及びサーバ通信部を備えており、
前記サーバ記憶部は、
複数のユーザ情報を記憶するユーザデータベース、
前記ユーザ情報のそれぞれに対して販売した商品の販売情報及び回収情報を記憶する販売データベース、及び
前記商品の商品情報を記憶する商品データベース
を含み、
前記サーバ処理部は、販売及び回収処理部を含み、前記販売及び回収処理部は、
前記ユーザ端末装置から前記サーバ通信部を介して特定の商品の購入要求を受信した場合に、前記購入された商品の販売情報を前記ユーザデータベースに記憶させると共に、前記特定の商品をユーザに出荷するための商品出荷情報を前記出荷拠点端末装置に送信し、かつ
前記生分解性製品の回収後に前記生分解性製品の回収情報を、前記サーバ通信部を介して前記回収拠点端末装置から受信して、前記販売データベースに前記生分解性製品が回収された旨の回収情報を記憶させる、
生分解性製品の販売及び回収システム。
《態様2》
前記ユーザ情報は、ポイント情報を含み
前記サーバ処理部は、ポイント処理部をさらに含み、
前記ポイント処理部は、前記生分解性製品の販売情報及び回収情報に基づいて、ユーザに付与するポイントを算出して、前記算出したポイントを前記ユーザデータベースに記憶させる、
態様1に記載の販売及び回収システム。
《態様3》
前記商品データベースには、前記生分解性製品の同一の商品に対して、前記生分解性製品の回収期限に応じた複数の価格情報が記憶されている、態様1に記載の販売及び回収システム。
《態様4》
前記商品データベースには、前記回収期限が短ければ短いほど低い価格情報が記憶されている、態様3に記載の販売及び回収システム。
《態様5》
前記販売及び回収処理部は、前記生分解性製品の回収期限が近づくと、前記サーバ通信部を介してユーザにその旨の通知を送信する、態様1に記載の販売及び回収システム。
《態様6》
前記販売及び回収処理部は、前記生分解性製品の回収情報と、前記販売データベースに記憶されている前記生分解性製品の販売情報とが合致することが確認された後に、前記販売データベースに、回収が行われたことを記憶させる、態様1に記載の販売及び回収システム。
《態様7》
前記サーバ記憶部の商品データベースは、前記農作物の生産者、前記農作物の生産に使用された土壌改質材、及び前記土壌改質材の生産に使用された生分解性製品の情報を含む農産物のトレース情報を記憶している、態様1に記載の販売及び回収システム。
《態様8》
前記生分解性製品が、生分解繊維を含む衣服である、態様1に記載の販売及び回収システム。
《態様9》
態様1~8のいずれか一項に記載の生分解性製品の販売及び回収システムを用いた、生分解性製品及び農作物を含む商品の販売及び回収方法であって、
前記販売及び回収システムを通じて前記生分解性製品を販売すること、
前記販売及び回収システムを通じて前記販売した生分解性製品を回収すること
前記回収した生分解性製品から土壌改質剤を製造すること、
前記土壌改質剤を用いて農作物を生産すること、及び
前記販売及び回収システムを通じて前記農作物を販売すること、
を含む、生分解性製品の販売及び回収方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、環境面に配慮した生分解性製品の流通を促進し、循環型社会を構成することができるため、地球環境の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の販売及び回収システム1が用いられ、かつ販売及び回収システム1によって提供されうる循環型社会の一例の概要を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システムによる処理の一例を説明するための模式図である。
図3図3は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システムの概略構成の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態にかかるユーザ端末装置の概略構成の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態にかかる店舗端末の概略構成の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態にかかるサーバの概略構成の一例を示す図である。
図7図7は、ユーザデータベースの構成を示す図である。
図8図8は、衣服データベースの構成を示す図である。
図9図9は、販売データベースの構成を示す図である。
図10図10は、商品データベースの構成を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システムによるユーザ端末装置及びサーバが協働してユーザが衣服を選択して購入するまでの一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システムによるユーザ端末装置2又は店舗端末、及びサーバが協働してユーザから衣服を回収する要求を受信した際のポイントの算出及び記憶の際の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システムによるユーザ端末装置及びサーバが協働してユーザがポイントを用いて商品の提供を要求するまでの一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
図14図14は、サーバ処理部が生成した衣服の一覧表示をユーザ端末装置に表示する画面構成の一例を示す図である。
図15図15は、サーバ処理部が特定の衣服の選択要求をユーザ端末装置から受信した場合に表示する衣服の詳細を示す画面構成の一例を示す図である。
図16図16は、サーバ処理部が特定のユーザの購入した衣服の返却要求をユーザ端末装置から受信する際に表示する画面構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一側面に係る販売及び回収システムについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物におよぶ点に留意されたい。
【0013】
まず、図1において、販売及び回収システム1によって提供されうる循環型社会と販売及び回収システム1との関係について単純化して示す。
【0014】
販売及び回収システム1は、ユーザに生分解性製品を販売する。その際に、販売及び回収システム1は、販売拠点端末に必要な情報を送信する。
【0015】
そして、販売及び回収システム1は、販売した生分解性製品を一定期間後にユーザから回収するための管理等を行う。販売及び回収システム1は、販売した生分解性製品をユーザから回収したら、その回収拠点端末装置から情報を受けてその旨の情報を記憶する。
【0016】
その後、回収された生分解性製品を用いて、土壌改質剤が製造される。販売及び回収システム1は、この際に、どのような種類の生分解性製品が使われて、その土壌改質剤が製造されているかについて管理を行ってもよい。
【0017】
次に、その土壌改質剤を使用して農作物を生産する。販売及び回収システム1は、この際に、どのような種類の土壌改質剤が使われて、その農作物が製造されているかについて管理を行ってもよい。
【0018】
そして、このような方法によって得られた農作物を販売及び回収システム1が販売する。その際に、販売及び回収システム1は、販売拠点端末に必要な情報を送信する。ユーザは、このようにして生産された農作物を消費することによって、再度、生分解性製品を購入する動機付けとなり、生分解性製品を再購入する。販売及び回収システム1は、ユーザにアンケート等を送信することができ、また再購入を促すダイレクトメール等を送ることもできる。
【0019】
ここで、販売及び回収システム1は、楽天市場(商標)のように、複数の店舗がそれぞれにおいて在庫を管理し、商品の出荷等を行う、複数の店舗を総括するシステムであってもよく、又はZOZOタウン(商標)のように、自ら在庫を管理し、商品の出荷等も行うためのシステムであってもよい。
【0020】
なお、生分解性製品の回収後に土壌改質材を製造し、農作物を生産するためには、例えば、生分解性製品を破砕する工程、破砕した生分解性製品をペレット化する工程、ペレット化した生分解性製品を土壌に配置又は混合する工程、及びその土壌で農作物を生産する工程を経ることができ、これらの各工程は、周知の裁断機、破砕機、ペレタイザ等を用いて行うことができる。この方法は、生分解性製品から土壌改質材を製造し、農作物を生産する効率的な方法であり、本発明者が見出した。従来は、生分解性製品と、生分解性製品を回収してそこから製造された土壌改質剤を用いて製造された農作物とを同時に販売するシステムは、存在していなかった。
【0021】
生分解性製品を土壌に配置又は混合すると、一定期間後に生分解性製品は分解して土壌に還る。したがって、本発明の販売及び回収システム1によって販売される生分解性製品は、大量に生産されたとしても、土壌で分解されるため廃棄物とはならない。ここで、本発明の販売及び回収システム1によって売られる用いられる生分解性製品は親水性で水を含むことができるため、土壌に配置又は混合された場合には、土壌の含水率を向上及び又は維持することができ、農作物の生産をするために有効に利用することができる。
【0022】
〈生分解性製品〉
本発明の販売及び回収システム1で販売される生分解性製品は、例えば、衣服、食器、容器、家具、建材、玩具、本等を挙げることができるが、販売及び回収システム1は、生分解性製品以外の商品も併せて販売することができる。例えば、本発明のシステムで販売されている農作物を使用した飲食を提供する飲食店での役務提供を受けるためのクーポン等を含んでいてもよい。好ましくは、本発明の販売及び回収システム1で販売される商品の全種類のうち半数以上が、生分解性製品及び農作物である。
【0023】
特に、本発明の販売及び回収システム1で販売される生分解性製品は、衣服である。流行のファッション性を考慮する消費者は、流行に応じて新しい衣服を購入して、流行が過ぎた衣服を処分することが一般的である。しかしながら、このような消費者が、環境面を考慮して、流行遅れの衣服を着用し続けることもファッション業界の意図と反してしまう。また、流行のファッション性よりも環境面への配慮を重視したい消費者としては、店頭やECサイトに並ぶ数多い衣服のどれが生分解性繊維を用いているのかを見極めることは極めて困難である。それに対して、衣服を販売する本発明の販売及び回収システム1は、これらの課題を解決することができる。
【0024】
生分解性材料としては、特に天然繊維を挙げることができ、例えば綿、麻、絹、ウール、又はこれらに由来する材料を挙げることができる。本発明者は、これらの中でも特に綿及び麻、特に和紙として用いられる繊維が特に土壌における生分解性に優れており、かつ非常に吸水性が高いため、特に好適に用いられることを見出した。
【0025】
ここで、和紙とは、こうぞ、みつまた、麻類、針葉樹、笹等の和紙に適した原料植物から得られる繊維からなる和紙原料を漉いて作られる紙をいう。特に、生分解性製品が衣服である場合、近年、マニラ麻を原料とした和紙が衣服用として知られており、この生分解性及び吸水性は非常に高いため好適である。
【0026】
〈農作物〉
農作物としては、米、小麦等の穀物、野菜、果物、花等を挙げることができるが、これらに限定されない。生分解性製品を多く消費させる観点からは、農作物は、1年草であってもよい。なお、販売及び回収システム1で販売される農作物は、販売及び回収システム1で販売された生分解性製品を原料とした土壌改質材を用いて生産された農作物であるが、ユーザが購入した生分解性製品を回収して土壌改質材を製造することによって生産された農作物のみを、そのユーザが購入できるというものではなく、販売及び回収システム1によって過去に販売及び回収されて製造された土壌改質材を用いて生産された農作物であれば、ユーザは購入することができる。
【0027】
以下、販売及び回収システム1の具体的な構成を説明する。なお、以下では、理解の促進のため、生分解性製品を、好適な実施形態である生分解性繊維を用いた衣服に限定して説明するが、上述のとおり生分解性製品は、衣服に限定されるものではない。
【0028】
(販売及び回収システム1による処理の概要)
図2は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システム1による処理の一例を説明するための模式図である。
【0029】
販売及び回収システム1は、複数のユーザ端末装置2,2,2・・・、複数の店舗端末3,3,3・・・、及びサーバ4を有する。ここで、店舗は、対面販売等を行う実店舗又は倉庫等の仮想店舗であり、販売拠点及び/又は回収拠点であり、店舗端末は、出荷拠点端末装置及び/又は回収拠点端末装置となることができる。したがって、出荷拠点端末装置とは、出荷を行わない対面販売の記録端末であってもよい。
【0030】
サーバ4のサーバ通信部415は、複数のユーザ端末装置2,2,2・・・から、購入される衣服の販売情報をユーザ情報と共に受け付ける。ここで、販売情報とは、商品の種類に関する情報、商品の価格情報、商品が生分解性製品である場合の回収期限に関する情報を含む。
【0031】
サーバ4のサーバ処理部412は、サーバ4のサーバ記憶部411にユーザ情報に対応付けて、ユーザに販売された衣服の販売情報、及びユーザに販売した衣服が回収されたか否かの回収情報を記憶させる。サーバ処理部412は、販売情報及び/又は回収情報からユーザに付与するポイントを算出して、サーバ記憶部411にユーザ情報に対応付けて算出したポイント情報を記憶させることができる。サーバ4のサーバ通信部415は、複数のユーザ端末装置2,2,2・・・を通じてユーザが希望する商品の購入要求を受け付ける。サーバ処理部412は、購入要求を受けた商品について販売処理を行って、サーバ通信部415を介して、ユーザが購入希望する商品をユーザに出荷するための商品出荷情報を出荷拠点端末装置等に送信する。ここで、販売処理とは、代金の決済、商品の在庫情報の変更等を含むことができる。また、商品出荷情報とは、ユーザが希望する場所及び時間に、商品を届けるために必要な情報であり、例えば配送先住所、配送日時等であることができる。
【0032】
サーバ4のサーバ記憶部411は、複数のユーザ情報を記憶している。ここで、ユーザ情報は、例えば、ユーザID、パスワード、氏名、電子メールアドレス、住所、電話番号、クレジットカード情報、余裕しているポイント数等を含むことができる。また、サーバ記憶部411は、商品情報を記憶している。ここで、商品情報は、例えば、商品ID、価格、生分解性製品の場合の回収期限及びそれに変動した価格等を含むことができる。さらに、商品情報は、商品が農作物の場合には、農作物の生産者、農作物の生産に使用された土壌改質材、及び土壌改質材の生産に使用された生分解性製品の情報を含む農産物のトレース情報を含むことができる。更に、サーバ記憶部411は、商品の販売情報及び回収情報をユーザ情報と対応付けて記憶している。そして、サーバ記憶部411は、衣服の販売情報及び/又は回収情報を基に算出されたポイント情報をユーザ情報に対応付けて記憶している。なお、これらのユーザ情報、販売情報、回収情報、ポイント情報、商品情報、又は商品出荷情報は、本実施形態においてサーバ4のサーバ記憶部411が記憶している構成としたが、サーバ4の外部に記憶されていてもよく、その場合でも、本明細書においては、記憶されている部分をサーバ記憶部411という。
【0033】
店舗が実店舗である場合には、まず、顧客(ユーザ)は衣服を購入する前に会員登録を行って、ユーザ端末装置又は販売拠点端末装置から、サーバ4のサーバ記憶部411にユーザ情報を記憶させる。その後、ユーザが購入した衣服の情報をサーバ4のサーバ記憶部411に記憶させる。
【0034】
(販売及び回収システム1の概略構成)
図3は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0035】
本発明の実施形態にかかる販売及び回収システム1は、複数のユーザ端末装置2,2,2・・・と、複数の店舗端末3,3,3・・・と、複数のサーバ4とを有する。以下では、複数のユーザ端末装置を単にユーザ端末装置2と称する場合があり、複数の店舗端末を単に店舗端末3と称する場合がある。ユーザ端末装置2、店舗端末3、及びサーバ4は、たとえば、インターネット5などの通信ネットワークを介してそれぞれ相互に接続される。また、ここではインターネット5が1つ例示されているが、インターネット5が複数のネットワークからなる場合は、それぞれのネットワーク間にゲートウェイ(図示しない)を適宜設けてもよい。ユーザ端末装置2で実行されるプログラム(たとえば、閲覧プログラム)と、店舗端末3で実行されるプログラム(たとえば、閲覧プログラム)と、サーバ4で実行されるプログラム(たとえば、管理プログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)などの通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0036】
本明細書において、サーバ4を主体とした場合に衣服を「販売」「回収」と称するが、これらは、ユーザ端末装置2又は店舗端末3を主体とすると「購入」「返却」とそれぞれ称する点に留意されたい。
【0037】
(ユーザ端末装置2の概略構成)
図4は、本発明の実施形態にかかるユーザ端末装置2の概略構成の一例を示す図である。
【0038】
ユーザ端末装置2は、無線通信ネットワークへの接続、Webアクセスなどを実行する。そのために、ユーザ端末装置2は、端末通信部211と、端末記憶部212と、端末操作部213と、端末表示部214と、端末処理部215とを備える。
【0039】
なお、ユーザ端末装置2としては、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)又はタブレットPCやノートPCを想定するが、本発明はこれに限定されない。ユーザ端末装置2は、本発明が適用可能であればよく、たとえば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレット端末、などでもよい。
【0040】
端末通信部211は、通信インターフェース回路を備え、ユーザ端末装置2をインターネット5に接続する。端末通信部211は、ネットワークを介して端末処理部215から供給されたデータをサーバ4などに送信する。また、端末通信部211は、ネットワークを介してサーバ4などから受信したデータを端末処理部215に供給する。
【0041】
端末記憶部212は、たとえば、半導体メモリ装置を備える。端末記憶部212は、端末処理部215での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。たとえば、端末記憶部212は、ドライバプログラムとして、端末操作部213を制御する入力デバイスドライバプログラム、端末表示部214を制御する出力デバイスドライバプログラムなどを記憶する。各種プログラムは、たとえばCD-ROM、DVD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、又は端末通信部211からダウンロードした、公知のセットアッププログラムなどを用いて端末記憶部212にインストールされてもよい。また、端末記憶部212は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0042】
端末操作部213は、ユーザ端末装置2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、たとえば、タッチパネル、マウス、又はキーボタンなどである。ユーザ端末装置2のユーザは、端末操作部213を用いて、情報の選択や解除、文字や数字などを入力することができる。端末操作部213は、ユーザ端末装置2のユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、端末処理部215に送信される。
【0043】
端末表示部214も、映像や画像などの表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、たとえば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。端末表示部214は、端末処理部215から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像などを表示する。
【0044】
端末処理部215は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部215は、ユーザ端末装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、たとえば、CPUである。端末処理部215は、ユーザ端末装置2の各種処理が端末記憶部212に記憶されているプログラムや端末操作部213の操作などに基づいて適切な手順で実行されるように、端末通信部211や端末表示部214などの動作を制御する。端末処理部215は、端末記憶部212に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラムなど)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部215は、複数のプログラム(アプリケーションプログラムなど)を並列に実行することができる。
【0045】
端末処理部215は、ユーザ端末装置2の外部から受信した画面表示情報をユーザ端末装置2のユーザに閲覧可能な画面表示として処理をする機能や、ユーザ端末装置2のユーザからの端末操作部213の操作内容に基づく処理をユーザ端末装置2の外部に送信可能な信号に変換して端末通信部211に送る機能を備える。これらの機能は、端末処理部215が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてユーザ端末装置2に実装されてもよい。
【0046】
(ユーザ端末装置2の処理)
ユーザは、ユーザ端末装置2を用いて、衣服及び農作物を含む商品を検索することができる。一方、ユーザは、検索エンジンを用いて、販売及び回収システム1に掲載されている商品を検索することもできる。本発明は、検索対象の架空店舗やインターネットサイトに限定されることはない。そして、ユーザ端末装置2は、ユーザが入力した検索条件を、インターネット5を介してサーバ4へ送信する。検索条件とは、衣服のブランド、衣服のジャンル、衣服の型番、衣服の色、衣服のサイズ、衣服の価格、農作物の種類、農作物の生産地、農作物の価格などである。ユーザは、これらの検索条件のいずれか1つ以上をユーザ端末装置2に入力する。
【0047】
ユーザ端末装置2は、サーバ4から検索結果を受信すると検索結果を表示する。ユーザは、表示された検索結果をユーザが選択することで、商品の詳細を確認することができたり、商品を購入したりすることができる。詳細は後述するが、衣服の購入は、衣服の使用できる購入期間と共に、購入要求を、インターネット5を介してサーバ4に送信することで完了してもよい。
【0048】
この場合、ユーザは、ユーザ端末装置2を用いて購入した衣服の回収期限を、インターネット5を介してサーバ4に送信する。具体的には、衣服の情報を、受取予定日や返却予定日などと共にサーバ4に送信する。これらの情報は、ユーザ端末装置2から送信されてもよく、サーバ4上において、ユーザ端末装置2からこれらを特定する操作を受け付ける構成であってもよい。また、これらの情報を、ユーザ端末装置2において、ユーザの購入履歴を検索して表示させることができる。更に、ユーザ端末装置2は、サーバ4から返却期限を受け取って、ユーザに通知してもよい。
【0049】
ユーザは、返却期限以内に衣服を返却することでポイントを得ることができる。また、ユーザ端末装置2は、ユーザからポイントを使用してユーザが提供を希望する商品の選択要求を受け付けて、商品情報と共にユーザ情報をサーバ4に送信することができる。なお、ユーザへの商品の提供に関しては、既存の技術を用いることができるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0050】
(店舗端末3の概略構成)
図5は、本発明の実施形態にかかる店舗端末3(出荷拠点端末装置及び回収拠点端末装置)の概略構成の一例を示す図である。
【0051】
店舗端末3は、無線通信ネットワークへの接続、Webアクセスなどを実行する。そのために、店舗端末3は、店舗通信部311と、店舗記憶部312と、店舗操作部313と、店舗表示部314と、店舗処理部315とを備える。
【0052】
なお、店舗端末3としては、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)又はタブレットPCやノートPCを想定するが、本発明はこれに限定されない。店舗端末3は、本発明が適用可能であればよく、たとえば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレット端末、などでもよい。
【0053】
店舗通信部311は、通信インターフェース回路を備え、店舗端末3をインターネット5に接続する。店舗通信部311は、ネットワークを介して店舗処理部315から供給されたデータをサーバ4などに送信する。また、店舗通信部311は、ネットワークを介してサーバ4などから受信したデータを店舗処理部315に供給する。
【0054】
店舗記憶部312は、たとえば、半導体メモリ装置を備える。店舗記憶部312は、店舗処理部315での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。たとえば、店舗記憶部312は、ドライバプログラムとして、店舗操作部313を制御する入力デバイスドライバプログラム、店舗表示部314を制御する出力デバイスドライバプログラムなどを記憶する。各種プログラムは、たとえばCD-ROM、DVD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、又は店舗通信部311から公知のセットアッププログラムなどを用いて店舗記憶部312にインストールされてもよい。また、店舗記憶部312は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0055】
店舗操作部313は、店舗端末3の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、たとえば、タッチパネル、マウス、又はキーボタンなどである。店舗端末3のユーザ(店員)は、店舗操作部313を用いて、情報の選択や解除、文字や数字などを入力することができる。店舗操作部313は、店舗端末3のユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、店舗処理部315に送信される。
【0056】
店舗表示部314も、映像や画像などの表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、たとえば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。店舗表示部314は、店舗処理部315から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像などを表示する。
【0057】
店舗処理部315は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。店舗処理部315は、店舗端末3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、たとえば、CPUである。店舗処理部315は、店舗端末3の各種処理が店舗記憶部312に記憶されているプログラムや店舗操作部313の操作などに基づいて適切な手順で実行されるように、店舗通信部311や店舗表示部314などの動作を制御する。店舗処理部315は、店舗記憶部312に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラムなど)に基づいて処理を実行する。また、店舗処理部315は、複数のプログラム(アプリケーションプログラムなど)を並列に実行することができる。
【0058】
店舗処理部315は、店舗端末3の外部から受信した画面表示情報を店舗端末3のユーザに閲覧可能な画面表示として処理をする機能や、店舗端末3のユーザからの店舗操作部313の操作内容に基づく処理を店舗端末3の外部に送信可能な信号に変換して店舗通信部311に送る機能を備える。これらの機能は、店舗処理部315が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして店舗端末3に実装されてもよい。
【0059】
(店舗端末3の処理)
店舗が実店舗である場合、店舗端末3を操作する店員は、衣服の購入を希望するユーザ情報と共に購入した衣服の販売情報を、インターネット5を介してサーバ4に送信する。ユーザ情報は、例えば、会員証などの固定データであってもよく、ユーザ端末装置2などに記憶されているデータであってもよい。又は、店舗に設置されたカメラ(図示しない)などによってユーザを識別したユーザ情報を、店舗端末3がインターネット5を介してサーバ4に送信してもよい。店舗端末3は、ユーザが購入した衣服の購入金額及び購入日時をユーザ情報と共にインターネット5を介してサーバ4に送信する。店舗端末3は、例えば、衣服のそれぞれに取り付けられたタグに付記されたコードを読み取ることによって、衣服の情報や衣服の購入金額等の販売情報を取得してもよい。店舗端末3は、所謂POS(Point of Sales)レジとして機能することができる。
【0060】
店舗端末3は、衣服の返却を希望するユーザ情報と共に返却された衣服の識別情報を、インターネット5を介してサーバ4に送信することができる。衣服の識別情報は、ユーザの購入履歴から検索してもよく、衣服ごとに識別情報を備えており、店舗端末3がこの識別情報を読み取られることで特定されてもよい。例えば、衣服のタグに二次元コードが付記されていたり、衣服にICチップが埋め込まれていたりしてもよい。
【0061】
また、店舗端末3は、サーバ4が衣服の販売データのマスタデータを有する場合に、サーバ4から衣服の販売情報を受信してもよい。更に、サーバ4がユーザ情報及び過去の販売情報を記憶している場合には、サーバ4に販売情報を照会して、店舗端末3に表示してもよい。この場合、店舗端末3は、中枢サーバとして構成されたサーバ4にアクセスするための端末として機能する。
【0062】
更に、店舗端末3は、ユーザからポイントを用いた商品の提供を受け付けることも可能である。この場合、店舗端末3は、ユーザが提供を希望する商品情報と共にユーザ情報をサーバ4に送信する。なお、ユーザが提供を希望する商品が実店舗内に存在する場合には、ポイントを用いてユーザが商品の提供を受けたことを店舗端末3がサーバ4に送信する構成としてもよい。
【0063】
(実施形態にかかるサーバ4の概略構成)
図6は、本発明の実施形態にかかるサーバ4の概略構成の一例を示す図である。
【0064】
図6に示されるように、サーバ4は、サーバ4の記憶領域であるサーバ記憶部411を含む。また、サーバ4は、ポイント処理部413及び販売及び回収処理部414を含むサーバ処理部412を更に備える。更に、サーバ4は、ユーザ端末装置2及び店舗端末3と通信するためにサーバ通信部415を備える。
【0065】
サーバ記憶部411は、たとえば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置の内の少なくとも一つを有し、バスを介してサーバ4と接続される。サーバ記憶部411は、サーバ処理部412による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。たとえば、サーバ記憶部411は、ドライバプログラムとして、サーバ通信部415を制御する通信デバイスドライバプログラムなどを記憶する。コンピュータプログラムは、たとえばCD-ROM、DVD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、又はサーバ通信部415から公知のセットアッププログラムなどを用いてサーバ記憶部411にインストールされてもよい。また、サーバ記憶部411は、後述するユーザデータベース41、衣服データベース42、販売データベース43、商品データベース44などを記憶する。なお、本発明における記憶部は、サーバ記憶部411に相当することができる。
【0066】
サーバ処理部412による機能は、サーバ処理部412が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ4に実装されてもよい。なお、サーバ処理部412の処理内容は後述する。また、サーバ処理部412の構成要素の切り分けは、一例であって、どの構成要素がどの処理を行うかは、特に本実施形態の記載に限定されない。
【0067】
ポイント処理部413は、ユーザから衣服の回収が完了した旨の回収情報に基づいて、ユーザにポイントを付与する。ポイント処理部413は、ユーザに販売した衣服に対応付けられている回収期限までにユーザから衣服の回収が完了しているか否かに応じてユーザにポイントを付与してもよい。例えば、ポイント処理部413は、販売情報を基に算出されるユーザへ販売した衣服の回収期限までに衣服をユーザから回収した場合にユーザにポイントを付与する。ここで、衣服の回収日は、ユーザがユーザ端末装置2に回収情報を入力した日時であってもよく、実際に衣服の回収者が受ける予定日又は確定日であってもよい。
【0068】
ポイント処理部413は、ユーザが選択した衣服の購入期間に応じて算出される回収期限に応じて異なるポイントをユーザに付与してもよい。例えば、ポイント処理部413は、衣服の購入期間が短いほど大きいポイントを付与してもよい。また、回収期限と実際に回収された日時との差分に応じたポイントが付与されるようにしてもよい。すなわち、回収期限よりも早く衣服を回収すればするほど、付与するポイントを大きくすることができる。また、回収期限を渡過してしまった場合にも、通常よりも減額したポイントを付与してもよい。このように構成することで、短いスパンでの衣服の購入をユーザに促すことができ、ファッション業界としての流行を促進することができる。
【0069】
ポイント処理部413は、ユーザへ販売した衣服の量とユーザから回収した衣服の量に基づいて、ユーザに付与するポイントを算出してもよい。衣服の量とは、衣服の点数又は回収重量であってもよい。衣服の量が点数である場合には、トップスごとの回収点数を比較したり、ボトムスごとの点数を比較したりするとよい。具体的には、販売点数が5点であった場合に、回収点数が3点である場合よりも5点である場合の方が高いポイントが付与される。又は、衣服の販売重量が500gであった場合に、回収重量が300gである場合よりも500g回収した場合の方が高いポイントが付与される。すなわち、ポイント処理部413は、販売量及び回収量から回収率を算出して、算出された回収率からユーザに付与するポイントを算出することができる。
【0070】
また、ポイント処理部413は、販売情報に含まれるユーザへ販売した衣服の第1識別情報及びユーザから回収した衣服の第2識別情報が一致した場合に、ユーザに前記ポイントを付与してもよい。ここで、識別情報とは、衣服の種類、サイズ、色等の情報であることができる。例えば、ユーザへ販売した衣服と同一の衣服を回収した場合にポイントを付与したり、販売した衣服と同一種類の衣服を回収した場合にポイントを付与したり、販売主体が同一の衣服を回収した場合にポイントを付与したりすることができる。
【0071】
更に、ポイント処理部413は、ユーザへ販売又はユーザから回収した衣服の生分解性の度合いに基づいて異なるポイントをユーザに付与してもよい。具体的には、回収した衣服の素材、織り方、及び縫製等の情報の少なくともいずれか1つに基づいてポイントを算出することができる。環境への配慮の面からは、生分解性の高い衣服を市場で循環させることが好ましい。例えば、和紙を用いた衣服については高いポイントを付与することが考えられる。
【0072】
ここでポイントとは、一般的なインセンティブである割引ポイント又は購入ポイントであってもよい。更に、ポイントは、後述する商品の提供を受けることができる権利であってもよい。この場合、ユーザは、衣服を返却することによって、得られたポイントが所定数以上になった場合に、商品の提供を受ける権利を得ることができる。これによって、商品を購入できること自体にプレミア感を与えることができる。
【0073】
販売及び回収処理部414はユーザが希望する商品をユーザに出荷するのに必要な情報、すなわち商品出荷情報を販売拠点端末に送信する。ユーザは、クレジットカード決済等の通常の決済方法で商品を購入することができ、ポイント処理部413によってユーザに付与されたポイントを用いて、これらの商品を購入することもできる。販売及び回収処理部414が、衣服を購入することで得られるポイントで購入可能な農作物の情報をユーザ端末装置に送信して、ユーザは、衣服と農作物を同時に購入することもできるようになっていてもよい。
【0074】
一実施形態では、販売及び回収処理部414は、回収した衣服に対応付けられた農作物を前記ユーザに商品として提供してもよい。この場合、サーバ記憶部411は、回収した衣服から製造される土壌又は肥料の種別に応じて育てられる農作物の種類を対応付けて記憶しているとよい。ここで、土壌の少なくとも一部が、生分解性製品から製造された土壌改質剤が用いられていればよい。
【0075】
サーバ通信部415は、サーバ4をインターネット5に接続するための通信インターフェース回路を有する。そして、サーバ通信部415は、インターネット5を介してユーザ端末装置2及び店舗端末3と通信をする。ここで通信とは、受信及び送信を含み、受信及び送信とが同時に行われてもよい。また、本実施形態において、ユーザ端末装置2及び店舗端末3は、どちらかだけでもよい。よって、本発明において、ユーザ端末装置2及び店舗端末3をまとめて端末装置と称する。なお、本発明における受付部は、サーバ通信部415に相当することができる。
【0076】
サーバ通信部415は、上記商品をユーザが購入した後に生成される販売情報をユーザ端末装置2又は店舗端末3から受け付ける。また、サーバ通信部415は、使用済みの生分解性製品がユーザから回収された旨の回収情報をユーザ端末装置2又は店舗端末3から受け付ける。
【0077】
(ユーザデータベース41の構成)
図7は、ユーザデータベース41の構成を示す図である。
【0078】
ユーザデータベース41は、ユーザID、パスワード、氏名、電子メールアドレス、住所、電話番号、クレジットカード情報等のユーザ情報及び付与されたポイント情報としてのポイント数をそれぞれ対応付けて記憶している。また、これらの情報は、一例であって、一部が省略されてもよく、異なる情報を更に含んでいてもよい。なお、ユーザIDのそれぞれが、後述する販売データベース43を有する。図中でU0001は、衣服をまだ一度も返却していないユーザである。
【0079】
(衣服データベース42の構成)
図8は、衣服データベース42の構成を示す図である。
【0080】
1つの実施形態において、衣服データベース42は、衣服ごとの識別情報を示す衣服ID、衣服名、衣服の期販売間ごとの価格、販売期間に応じたポイント数(回収時に付与)、回収後に製造される土壌改質材の種類をそれぞれ対応付けて記憶している。また、これらの情報は、一例であって、一部が省略されてもよく、異なる情報を更に含んでいてもよい。例えば、本発明の販売・回収システムにおいて、生分解性製品と、それから製造される土壌改質材との種類との情報は関連付けられていてもよく、関連付けられていてもよい。ただし、これらが関連付けられていることで農作物のトレース情報を構築することができるため、関連付けられることが好ましい。
【0081】
図示するとおり、それぞれの衣服は、回収期限までの購入期間が短いほど価格が低くなっている。このように構成することで、ファッション業界として、常に最新のファッショを世の中に広めることができる。また、ユーザは、衣服が回収されることによって付与されるポイントで再び衣服を購入することができるため、販売及び回収システムとして非常に有益である。
【0082】
この実施形態で示されているように、衣服が回収された際にユーザに付与されるポイントであるポイント数も販売期間が短いほど高く設定してもよいが、逆に、販売期間が長いほどポイント付与率を高くしてもよい。また、ユーザに付与されるポイント数が、同一価格の衣服によっても異なっていてもよい。例えば、生分解性の度合いに応じて付与されるポイント付与率をかえて、生分解性の度合いが高い衣服ほど、ユーザが購入した際及び/又は衣服を返却した際にユーザに付与されるポイント数を大きくすることができる。
【0083】
(販売データベース43の構成)
図9は、販売データベース43の構成を示す図である。
【0084】
販売データベース43は、ユーザ情報であるユーザIDのそれぞれに対して、当該ユーザに対する販売情報及び回収情報、例えば販売した衣服ID、衣服の販売日、販売期間、回収期限、回収の有無をそれぞれ対応付けて記憶している。また、これらの情報は、一例であって、一部が省略されてもよく、異なる情報を更に含んでいてもよい。なお、図中では、U0002の販売データが示されている。
【0085】
(商品データベース44の構成)
図10は、商品データベース44の構成を示す図である。
【0086】
商品データベース44は、商品情報である商品ID、商品名、生産される際に使用された土壌改質材、生産された農場をそれぞれ対応付けて記憶している。また、これらの情報は、一例であって、一部が省略されてもよく、異なる情報を更に含んでいてもよい。例えば、さらに生産された農場の情報を対応付けで記憶していてもよく、本発明の販売・回収システムにおいて、農作物を購入するのにポイントが不要である場合には、必要ポイント数及び必要累積ポイント数の情報は、商品データベース44から削除され、代わりに価格情報が記憶される。また、本発明の販売・回収システムにおいて、用いた土壌改質材及び農作物の種類の情報は関連付ける必要は必ずしもないため、その場合には、使用した土壌改質材の情報は、商品データベース44から削除される。
【0087】
例えば、1つの実施形態では、ユーザがV0005のグレープをポイントで提供を受けたい場合に、グレープの使用肥料がNPK0005であるため、図8を参照するとS0005のニット羽織を購入して返却したユーザであれば提供可能とすることができる。この場合、図9を参照すると、ユーザU0002は、過去にS0005を返却済みである。
【0088】
ここで、図10の商品データベース44に、「必要累積ポイント数」の情報がない場合には、ユーザU0002は、保有する1,500ポイントを使用してグレープを購入可能である。図10の商品データベース44に、「必要累積ポイント数」の情報がある場合には、ユーザU0002は、バイオグレープの提供を受けるためには、累積ポイント数が5,000に満たない4,000ポイントしか保有していないため、ユーザU0002は、バイオグレープの提供を受けることができない。
【0089】
このように、必要ポイント数以外に必要となる累積ポイント数によって、更に農作物の提供にプレミア感を持たせることができる。このような実施形態の場合、農作物ではなく、一般的に入手困難な商品に高い累積ポイント数の設定をしておいてもよい。
【0090】
(販売及び回収システム1による衣服の購入処理)
図11は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システム1によるユーザ端末装置2、出荷拠点端末装置、回収拠点端末装置、及びサーバ4が協働して、ユーザが衣服を選択して購入するまでの一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【0091】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部411に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部412により、サーバ4の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ4は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2と各種の情報を送受信する。サーバ処理部412によって実施される処理の順序は、処理に矛盾がない限り入れ替えたり、同時に実施されたりしてもよい。
【0092】
ここで説明する動作シーケンスは、ユーザがユーザ端末装置2からサーバ4にログインをした状態からスタートする。そして、サーバ処理部412は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2から衣服の閲覧要求の受信を待つ(ステップS101)。このステップS101は、ユーザ端末装置2から衣服の閲覧要求を受信するまで続けられる(ステップS101がNO)。
【0093】
サーバ処理部412は、サーバ通信部415が衣服の閲覧要求を受信した場合(ステップS101がYES)に、衣服の一覧を、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2に送信する(ステップS102)。なお、衣服の一覧の生成は、サーバ処理部412が行うこととするが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
【0094】
次に、サーバ処理部412は、ユーザから衣服の購入要求を待つ(ステップS103)。このステップS103は、ユーザ端末装置2から衣服の購入要求を受信するまで続けられる(ステップS103がNO)。なお、サーバ処理部412は、所定時間購入要求が受信できない場合に、本処理を終了させてもよい。
【0095】
サーバ処理部412は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2から特定の衣服の購入要求を受信した場合(ステップS103がYES)にサーバ処理部412は、その商品ID、回収期限等を含む販売情報を生成する。そして、サーバ処理部412は、その販売情報をサーバ記憶部411に記憶する(ステップS104)。なお、サーバ処理部412は、店舗端末3からこの販売情報を受信した場合にも同様に販売情報をサーバ記憶部411に記憶する。サーバ処理部412及び出荷拠点端末装置による、決済処理や衣服の配送処理は、一般的な技術を用いることができるため、ここでは説明を割愛する。
【0096】
(販売及び回収システム1による衣服の回収処理)
図12は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システム1によるユーザ端末装置2、店舗端末3(出荷拠点端末装置及び回収拠点端末装置)、及びサーバ4が協働してユーザが衣服を返却する要求を受信した際のポイントの算出及び記憶の際の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。なお、ユーザが返却を希望する衣服の選択から返却要求を確定するまでの処理は、後述する。
【0097】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部411に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部412により、サーバ4の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ4は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2又は店舗端末3と各種の情報を送受信する。サーバ処理部412によって実施される処理の順序は、処理に矛盾がない限り入れ替えたり、同時に実施されたりしてもよい。
【0098】
ここで説明する動作シーケンスは、購入した衣服をユーザが返却した場合にポイントを付与する実施形態において、そのポイント付与までのシーケンスであるが、ユーザが返却した際にポイントを付与しない場合であっても、このシーケンスの途中までについて参考にすることができる。
【0099】
このシーケンスは、ユーザがユーザ端末装置2からサーバ4にログインをした状態からスタートする。そして、サーバ処理部412は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2から衣服の返却要求の受信を待つ(ステップS201)。このステップS201は、ユーザ端末装置2から衣服の返却要求を受信するまで続けられる(ステップS201がNO)。なお、ユーザが店舗端末3を用いて衣服の返却要求を行ってもよい。
【0100】
ユーザが最初に設定した返却期間が来る前に、サーバ4は、ユーザ端末装置2に、返却期間が近づいている旨を通知することができる。これに対して、ユーザは、予定どおり返却する場合には、サーバ4に対して返却要求を行い、返却期間を超えて衣服を使用する場合には、追加で支払いを行って返却期間を先延ばしする要求もすることもできる。
【0101】
サーバ処理部412は、サーバ通信部415を介して衣服の返却要求を受信した場合(ステップS201がYES)に、衣服の回収情報を、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2又は店舗端末3から受信する(ステップS202)。なお、衣服の回収情報は、衣服の返却要求に含まれていてもよい。
【0102】
次に、サーバ処理部412は、衣服の回収情報に含まれる衣服の識別情報(第2識別情報)が衣服の販売情報に含まれる衣服の識別情報(第1識別情報)と一致するかを判定する(ステップS203)。衣服の第1識別情報及び第2識別情報が一致しない場合には、処理が終了する(ステップS203がNO)。ただし、ステップS203の判定は、回収された衣類と、販売された衣類が同一であるかどうかは回収された後に人が行ってもよい。その場合には、その判定を行った人が、サーバ4に対してその判定情報を送信し、次のステップに以降することができる。
【0103】
一方、サーバ処理部412は、ステップS203がYESの場合には、販売情報から算出される回収期限以内に衣服が回収されているかを判定する(ステップS204)。衣服が回収期限までに回収されていない場合にポイントを全く付与しない場合は、処理を終了することができる(ステップS204がNO)。
【0104】
サーバ処理部412は、衣服が回収期限までに回収されているか否かに応じて、ユーザに付与するポイントを算出する(ステップS205)。そして、サーバ処理部412は、算出したポイントをサーバ記憶部411に記憶して(ステップS206)、本処理を終了する。
【0105】
(販売及び回収システム1による衣服の購入処理)
図13は、本発明の実施形態にかかる販売及び回収システム1によるユーザ端末装置2、店舗端末3(出荷拠点端末装置及び回収拠点端末装置)、及びサーバ4が協働してユーザがポイントを用いて商品の提供を要求するまでの一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。ここでは、例えば、通常の決済方法によっては購入できないが、一定のポイントを保有し、かつ一定の累積ポイントを保有する者が、ポイントのみで商品を購入する実施形態が想定されている。
【0106】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部411に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部412により、サーバ4の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ4は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2と各種の情報を送受信する。サーバ処理部412によって実施される処理の順序は、処理に矛盾がない限り入れ替えたり、同時に実施されたりしてもよい。
【0107】
ここで説明する動作シーケンスは、ユーザがユーザ端末装置2からサーバ4にログインをした状態からスタートする。そして、サーバ処理部412は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2から商品の閲覧要求の受信を待つ(ステップS301)。このステップS301は、ユーザ端末装置2から商品の閲覧要求を受信するまで続けられる(ステップS301がNO)。
【0108】
サーバ処理部412は、サーバ通信部415が商品の閲覧要求を受信した場合(ステップS301がYES)に、商品の一覧を、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2に送信する(ステップS302)。なお、商品の一覧の生成は、サーバ処理部412が行うこととするが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
【0109】
次に、サーバ処理部412は、ユーザから商品の提供要求を待つ(ステップS303)。このステップS303は、ユーザ端末装置2から商品の提供要求を受信するまで続けられる(ステップS303がNO)。
【0110】
サーバ処理部412は、サーバ通信部415を介してユーザ端末装置2から特定の商品の提供要求を受信した場合(ステップS303がYES)にサーバ処理部412は、ユーザの保有するポイント数が、特定の人気商品の提供に必要なポイント数を上回るかを判定する(ステップS304)。ユーザの保有するポイント数が、その商品に必要なポイント数以下である場合には、処理が終了する(ステップS304がNO)。
【0111】
ステップS304がYESである場合に、サーバ処理部412は、ユーザの保有する累積ポイント数が、その商品に必要な累積ポイント数を上回るか(人気商品の提供を受ける権利を有するか)を判定する(ステップS305)。ユーザの保有する累積ポイント数が、その商品に必要な累積ポイント数以下である場合には、処理が終了する(ステップS305がNO)。
【0112】
ステップS305がYESの場合、サーバ処理部412は、ユーザの保有するポイント数から商品の提供に必要なポイント数を減算して、新たな保有ポイント数をサーバ記憶部411に記憶して(ステップS306)、本処理を終了する。
【0113】
なお、その商品が農作物で、ユーザが過去に返却した衣服及びその衣服から製造された土壌改質材を用いてどの農作物が生産されたかどうかについてのデータベースが作成されている場合に、購入される農作物が、ユーザが過去に返却した衣服及びその土壌改質材と関係があるかどうかについての判定が追加でなされてもよい。
【0114】
なお、ステップS304、ステップS305、及びステップS306は、AND条件であるため、順序に特に意味はない。
【0115】
(ユーザ端末装置2の画面構成200)
図14は、サーバ処理部412が生成した衣服の一覧表示をユーザ端末装置2に表示する画面構成200の一例を示す図である。
【0116】
図14は、図8で示した衣服データベース42に含まれる複数の衣服をユーザ端末装置2から受信した閲覧要求に一致した衣服の一覧表示を表した画面構成200の一例である。なお、閲覧要求には、衣服のジャンル、種別、サイズ、色などを含んでいればよい。図14の例では、女性用の衣服のジャンルの閲覧要求をユーザ端末装置2から受信した場合の画面構成が示されている。画面構成200には、ユーザが一覧表示を希望する衣服のジャンルが表示される条件表示領域201、衣服の一覧表示を構成する個々の衣服の表示領域202、表示するページを切り替えるための切り替えボタン203が表示されている。
【0117】
図8の衣服データベース42では、詳細を割愛したが、図14の画面構成200では、衣服のそれぞれのサイズごとに衣服の表示領域202が生成されている。また、サイズが存在しない場合や、欠品の場合には、この衣服の表示領域202が省略されていてもよく、グレーアウトで表示を残してもよい。
【0118】
ユーザは、図14に示す衣服の一覧表示を表した画面構成200において、購入を希望する衣服を探す。衣服の表示領域202のそれぞれを選択することで、図15に示す衣服ごとの詳細画面を表示することができる。ユーザは、購入を希望する衣服をページ内に見つけることができなかった場合には、切り替えボタン203を操作して、他の一覧をサーバ4に要求することができる。
【0119】
(ユーザ端末装置2の画面構成300)
図15は、サーバ処理部412が特定の衣服の選択要求をユーザ端末装置2から受信した場合に表示する衣服の詳細を示す画面構成300の一例を示す図である。
【0120】
図15は、図14で示した衣服の一覧表示を表した画面構成200において、ユーザ端末装置2から特定の衣服の選択要求を受信した場合に特定の衣服に関する詳細情報を表示した場合の画面構成300の一例である。図15の例では、図14におけるS0005のニット羽織を選択した場合の画面構成300が表示されている。画面構成300には、ユーザが詳細表示を希望する衣服の詳細情報が表示される詳細情報表示領域301、衣服の販売期間及び価格を表示する販売情報表示領域302、購入要求をサーバ4に送信する場合に商品の購入を希望する商品をカートに追加するカート追加ボタン303が表示されている。
【0121】
ユーザは、販売情報表示領域302において、希望する販売期間を選択して、カート追加ボタン303を押下することで、希望する衣服及び販売期間を対応付けてカートに追加することができる。この後の処理で、ユーザは、決済処理などを実施する必要があるが、この処理は、一般的な処理であるため、ここでは説明を割愛する。
【0122】
(ユーザ端末装置2の画面構成300)
図16は、サーバ処理部412が、特定のユーザの購入した衣服の返却要求をユーザ端末装置2から受信する際に表示する画面構成400の一例を示す図である。なお、店舗端末3からも同様に特定のユーザが購入した衣服の返却要求を受信することができるが、その際の画面構成は、本画面構成400と類似するため、ここでは説明を割愛する。
【0123】
図16は、販売データベース43に基づく特定のユーザにおける衣服の販売履歴や回収情報を表示する画面構成400を表示している。ユーザがユーザ端末装置2を用いて返却要求を送信した際に、サーバ4は、ユーザへの販売履歴や回収有無などを含む回収情報を含む画面構成400をユーザ端末装置2に送信する。画面構成400には、ユーザに販売した個々の衣服ID、衣服名、及び未返却の場合には衣服の回収期限が表示される販売情報表示領域401、衣服が返却済み又は返却するかを表示する返却可否表示領域402、返却要求をサーバ4に送信するための返却確定ボタン403が表示されている。なお、画面構成400において、返却可否表示領域402は、販売情報表示領域401内に配置されているが、返却可否表示領域402は、販売情報表示領域401外に配置されていてもよい。
【0124】
ユーザは、画面構成400において、返却を希望する衣服に対応する返却可否表示領域402を押下することで、返却を希望する衣服を選択し、選択した衣服の返却を確定するために返却確定ボタン403を押下する。これによって、ユーザが衣服を返却したことがサーバ4に送信される。
【0125】
以上説明したように、本実施形態にかかる販売及び回収システム1は、ユーザに生分解性繊維を使用した衣服を着用する販売期間と共に販売し、販売期間が終了する頃に衣服を回収することができる。また、衣服を回収することで、ユーザにポイントを付与することができる。そして、このポイントを用いて、ユーザは、希望する商品の提供を受けることができる。すなわち、販売及び回収システム1は、環境面に配慮した衣服の流通を促進すると共に、ファッション業界の流行を促進することができる。また、販売及び回収システム1は、環境面に配慮した衣服を流通させることで、地球環境の悪化を抑制することができる。更に、販売及び回収システム1は、ユーザに環境面での罪悪感を取り払うと共に、環境に配慮した衣服を返却することでしか提供されない商品をユーザに提供することでプレミア感を感じることができる。
【0126】
また、本発明は、生分解性繊維を使用した衣服をユーザから回収したことを示す回収情報を端末装置から受け付けるステップと、上記回収情報に基づいて、上記ユーザにポイントを付与するステップと、上記付与されたポイント情報を記憶するステップと、を含む情報処理方法としても成り立つ。
【0127】
また、本発明は、コンピュータに、生分解性繊維を使用した衣服をユーザから回収したことを示す回収情報を端末装置から受け付ける機能と、上記回収情報に基づいて、上記ユーザにポイントを付与する機能と、上記付与されたポイント情報を記憶する機能と、を実行させる情報処理プログラムとしても成り立つ。
【0128】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、さまざまな変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0129】
1 販売及び回収システム
2 ユーザ端末装置
211 端末通信部
212 端末記憶部
213 端末操作部
214 端末表示部
215 端末処理部
3 店舗端末装置
311 店舗通信部
312 店舗記憶部
313 店舗操作部
314 店舗表示部
315 店舗処理部
4 サーバ
411 サーバ記憶部
412 サーバ処理部
413 ポイント処理部
414 販売及び回収処理部
415 サーバ通信部
5 インターネット
41 ユーザデータベース
42 衣服データベース
43 販売データベース
44 商品データベース

図1
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