(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166773
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/22 20140101AFI20231115BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20231115BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231115BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20231115BHJP
【FI】
A63F13/22
A63F13/30
A63F13/53
A63F13/85
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077547
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】
【課題】ゲーム画面にあわせて表示されるゲーム情報を、画一的な情報ではなく、多種多様な情報とすることができるコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示は、1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、表示ステップでは、所定のゲームに関するゲーム画面を、第1ユーザの操作に基づいて表示し、設定ステップでは、ゲームに関する状況情報のうちから第1ユーザが選択した第1設定情報を設定し、受信ステップでは、状況情報のうちから第2ユーザが選択した第2設定情報を受信し、選択ステップでは、第1設定情報の少なくとも一部および/または第2設定情報の少なくとも一部、である選択情報に基づくゲーム情報を、第1ユーザの操作に基づいて選択し、表示ステップでは、選択ステップで選択されたゲーム情報を、ゲーム画面とともに表示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
出力ステップでは、所定のゲームに関するゲーム画面を、第1ユーザの操作に基づいて出力し、
設定ステップでは、前記ゲームに関する状況情報のうちから前記第1ユーザが選択した第1設定情報を設定し、
受信ステップでは、前記状況情報のうちから第2ユーザが選択した第2設定情報を受信し、
選択ステップでは、前記第1設定情報の少なくとも一部および/または前記第2設定情報の少なくとも一部、である選択情報を、前記第1ユーザの操作に基づいて選択し、
前記出力ステップでは、前記選択ステップで選択された前記選択情報に基づいた情報であるゲーム情報を、前記ゲーム画面とともに出力する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記出力ステップでは、前記第2設定情報のうちから少なくとも1つ選択された強制設定情報に基づく情報を、前記ゲーム情報に代えて、または、前記ゲーム情報の少なくとも一部とともに、前記第2ユーザからの指示に基づいて出力する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記強制設定情報は、前記ゲームの進行状況に応じて自動的に選択された情報である、
請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記第2ユーザが操作する前記端末装置に、さらに次のステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
集計ステップでは、前記第1ユーザが操作する前記端末装置において出力される前記ゲーム情報、に関する集計情報を生成し、
提示ステップでは、前記第2ユーザが操作する前記端末装置において、前記集計情報を前記第2ユーザに提示する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、eスポーツなどの大会における実況動画を配信する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この従来技術では、eスポーツ大会の会場に設置される大型モニタにゲーム画面が表示されるとともに、実況者が付加したゲーム情報(例えば、キャラクタが繰り出した技の説明、キャラクタの体力値、対戦者の対戦履歴など)があわせて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来技術では、ゲーム画面とともに表示されるゲーム情報が必ずしもすべての視聴者にとって知りたい情報であるとはいえない。
【0006】
また、視聴者の自宅など、eスポーツ大会が開催される会場ではない場所でeスポーツ大会を楽しむ視聴者には、自身が知りたい情報を参照しながら実況動画を視聴したいという要望がある。
【0007】
本開示の目的は、ゲーム画面にあわせて表示されるゲーム情報を多種多様な情報とすることができるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の開示は、
1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
出力ステップでは、所定のゲームに関するゲーム画面を、第1ユーザの操作に基づいて出力し、
設定ステップでは、前記ゲームに関する状況情報のうちから前記第1ユーザが選択した第1設定情報を設定し、
受信ステップでは、前記状況情報のうちから第2ユーザが選択した第2設定情報を受信し、
選択ステップでは、前記第1設定情報の少なくとも一部および/または前記第2設定情報の少なくとも一部、である選択情報を、前記第1ユーザの操作に基づいて選択し、
前記出力ステップでは、前記選択ステップで選択された前記選択情報に基づいた情報であるゲーム情報を、前記ゲーム画面とともに出力する、
コンピュータプログラムである。
【0009】
また、第1の開示において、
前記出力ステップでは、前記第2設定情報のうちから少なくとも1つ選択された強制設定情報に基づく情報を、前記ゲーム情報に代えて、または、前記ゲーム情報の少なくとも一部とともに、前記第2ユーザからの指示に基づいて出力する、
ことができる。
【0010】
また、第1の開示において、
前記強制設定情報は、前記ゲームの進行状況に応じて自動的に選択された情報である、
ことができる。
【0011】
また、第1の開示において、
前記第2ユーザが操作する前記端末装置に、さらに次のステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
集計ステップでは、前記第1ユーザが操作する前記端末装置において出力される前記ゲーム情報、に関する集計情報を生成し、
提示ステップでは、前記第2ユーザが操作する前記端末装置において、前記集計情報を前記第2ユーザに提示する、
ことができる。
【0012】
第2の開示は、
第1の開示のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ゲーム画面にあわせて表示されるゲーム情報を多種多様な情報とすることができるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態における、ゲーム情報出力システムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態における、ゲームサーバのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本実施形態における、配信サーバのハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本実施形態における、ユーザ端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】本実施形態における、ユーザ端末装置に表示される実況動画、およびゲーム情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態における、配信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
本開示の実施形態にかかるゲーム情報出力システム1について、
図1~
図6を参照して説明する。ゲーム情報出力システム1は、
図1のとおり、ゲームサーバ2と、ゲーム装置3、配信サーバ4と、ユーザ端末装置5とを備える。なお、ゲーム情報出力システム1および後述の処理手順は一例であり、本開示の実施形態はこれらには限られない。ゲーム情報出力システム1および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【0016】
<格闘ゲームの説明>
ゲームサーバ2により、複数のゲーム装置3で実行される所定のゲームが提供される。このゲームは、仮想空間上で対戦者が操作するキャラクタ同士が格闘をすることで進行する対戦型の格闘ゲームである。
【0017】
本実施形態において、対戦者は、eスポーツ大会に参加しているユーザである。
【0018】
また、本実施形態において、格闘ゲームは、複数の対戦者それぞれがキャラクタを操作してキャラクタに技を繰り出させることで、先に相手のキャラクタの体力値を0(ゼロ)にした対戦者を勝者として決定するゲームである。
【0019】
本実施形態にかかる格闘ゲームは、2人の対戦者がそれぞれ操作するキャラクタの間で対戦が行われる対戦モードで進行する。この対戦モードは、ゲームサーバ2を介して行われる2台のゲーム機3におけるオンラインモードでの対戦である。
【0020】
ゲームサーバ2と、各対戦者が操作する各ゲーム装置3とは、ネットワーク回線(図示略)に接続されており、このネットワーク回線を介して互いにデータ通信を行うことができる。
【0021】
各ゲーム装置3には、オンライン対戦機能を備える格闘ゲームのゲームプログラムと、そのゲームプログラムで使用されるゲームデータと、が読み込まれている。
【0022】
各ゲーム装置3では、CPU(Central Processing Unit)、メモリなどにより、ゲームプログラムが実行される。
【0023】
対戦者が操作するコントローラ(図示略)は、ゲーム装置3本体にユーザの操作信号を入力するための操作部材である。コントローラには、例えば、十字キー、ジョイスティック、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、R1ボタン、R2ボタン、L1ボタン、およびL2ボタンが設けられている。
【0024】
十字キーおよびジョイスティックは、格闘ゲームが実行されているときに、対戦者が操作するキャラクタをゲーム空間上で移動させるための操作部材である。
【0025】
また、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、R1ボタン、R2ボタン、L1ボタン、およびL2ボタンは、キャラクタに攻撃などを行わせるための操作部材である。
【0026】
対戦者が、各種のメニュー画面を用いて、格闘ゲームを実行する前の準備作業、キャラクタのステータス情報を閲覧するなどの作業をするときには、十字キーおよびジョイスティックは、主としてメニュー画面に表示される項目を選択するための操作部材として機能する。
【0027】
また、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、R1ボタン、R2ボタン、L1ボタン、およびL2ボタンは、対戦者が、選択した項目を確定し、その項目の作業を実行させるための操作部材である。
【0028】
各コントローラからの操作信号は、各ゲーム装置3からゲームサーバ2へ送信される。
【0029】
ゲームサーバ2が受信した操作信号に基づいて、ゲームサーバ2は、ゲーム進行を制御し、その結果を、各ゲーム装置3へと送信する。これにより、2つのゲーム装置3間で同期された格闘ゲームが実行される。
【0030】
<ゲーム実況動画の配信処理の説明>
配信サーバ4により、ユーザ端末装置5において、ゲームサーバ2および各ゲーム装置3で実行されているゲームについてのゲーム動画の配信および受信が行われる。
【0031】
なお、以下では、「配信サーバ4を介して他のユーザに実況動画(ゲーム画面、ゲーム音声、および実況者の音声)を配信するユーザ」を「実況者(第2ユーザの一例)」、「配信サーバ4を介して実況者が配信した実況動画を視聴するユーザ」を「視聴者(第1ユーザの一例)」という。また、単に「ユーザ」という場合は、「実況者」および「視聴者」の双方を意味する。
【0032】
また、視聴者が操作する装置を「ユーザ端末装置5A」、実況者が操作する装置を「ユーザ端末装置5B」といい、双方を意味する場合は単に「ユーザ端末装置5」という。
【0033】
配信サーバ4は、配信対象のゲーム画面データ、ゲーム音声データ、およびゲームに関する状況情報をゲームサーバ2から受信する。
【0034】
ゲームに関する状況情報には、ゲームに関する様々な情報が含まれる。ゲームに関する状況情報には、対戦者がプレイする/プレイした場合のプレイに関する各種情報のほか、当該プレイのプレイ実績に基づく情報、などが含まれる。
【0035】
ゲームに関する状況情報は、例えば、対戦者が設定した操作ボタンの割り当て(例えば、「Xボタン」を「大パンチ」、「R1ボタン」を「小パンチ」に割り当てるなど)を示す「キーコンフィグ」、キャラクタの体力値などを示す「ステータス」、対戦者の技が連続で成立した回数を示す「コンボ数」、対戦者の操作信号の履歴を示す「操作ログ(例えば、↑、↓、A、Y、R1)」、相手ユーザのキャラクタの攻撃をガードした成功率を示す「ガード割合」、対戦者のキャラクタの「使用率」、対戦者の本日の勝率を示す「勝利レート」、対戦者同士の「過去の対戦履歴」などである。
【0036】
また、配信サーバ4は、ゲームに関する状況情報のうちから実況者が選択した実況者設定情報(第2設定情報の一例)を、ユーザ端末装置5Bから受信して管理する。
【0037】
また、配信サーバ4は、ユーザ端末装置5Bにおける実況者の操作に基づいて、実況者の音声を取得する。
【0038】
これにより、実況者は、自身の音声、ゲーム画面、ゲーム音声で構成される実況動画に加えて、実況者設定情報を視聴者に向けて配信することができる。すなわち、実況者設定情報は、例えば、視聴者にゲーム動画をより深く理解してもらったり楽しんでもらったりすることを想定して実況者が設定した情報、といえる。これらの情報は、配信サーバ4から視聴者のユーザ端末装置5Aへと送信される。
【0039】
また、配信サーバ4は、ゲームに関する状況情報のうちから視聴者が選択した視聴者設定情報(第1設定情報の一例)を、ユーザ端末装置5Aから受信して管理する。すなわち、視聴者設定情報は、視聴者が自身の視聴目的あるいは嗜好に応じて設定した情報、といえる。
【0040】
本実施形態では、視聴者は、実況者によって選択された実況者設定情報に代えて、あるいは、当該実況者設定情報に加えて、自身が選択した視聴者設定情報を、実況動画とともに自身のユーザ端末装置5Aに出力することができる。
【0041】
すなわち、視聴者は、
・視聴者設定情報の一部(または全部)、およびゲーム画面、
・実況者設定情報の一部(または全部)、およびゲーム画面、
・視聴者設定情報の一部(または全部)、実況者設定情報の一部(または全部)、およびゲーム画面、
などのうちから、視聴者が選択した選択情報(例えば、キーコンフィグ、対戦者のコンボ数、などのゲームに関する状況情報)に基づく情報であるゲーム情報(選択情報そのもの、あるいは、選択情報をカスタマイズした情報)をユーザ端末装置5Aに出力させることができる。
【0042】
ここで、選択情報は、視聴者設定情報の少なくとも一部および/または実況者設定情報の少なくとも一部から、ユーザ端末装置5Aに実際に出力させるべき情報として視聴者が選択した情報である。これにより、ゲーム画面とともに表示されるゲーム情報は、従来技術とは異なり、画一的な内容あるいは一方的に設定されたものとはなりにくく、実況者の思い、あるいは、視聴者のニーズに柔軟に対応した内容となりうる。そのため、多くの視聴者は、実況動画から知りたい情報を得たり、ゲーム動画をより深く理解したりすることができる。
【0043】
<ハードウェア構成>
以下、
図2を参照して、ゲームサーバ2のハードウェア構成および機能的構成、配信サーバ4のハードウェア構成および機能的構成、ならびにユーザ端末装置5のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0044】
<ゲームサーバ2のハードウェア構成>
ゲームサーバ2は、
図2のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0045】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してゲームサーバ2の制御部20に接続される。
【0046】
制御部20は、CPU、メモリ、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ゲームサーバ2の動作を制御する。詳細は後述する。
【0047】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0048】
記憶部21には、例えば、本開示のコンピュータプログラム、ゲーム装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラム(ゲームのアプリケーション)を配信するための配信プログラムおよびデータ、ならびに、対戦者データ(対戦者を識別するためのゲームID、対戦者が使用するキャラクタ、ゲーム進行状況、ゲームに関する状況情報など)が記憶される。
【0049】
ネットワークインターフェース22は、ゲームサーバ2とゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワークに接続される。
【0050】
<ゲームサーバ2の制御部20の機能の説明>
ゲームサーバ2の制御部20は、コンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0051】
<認証ステップの説明>
制御部20は、認証手段として機能することで認証ステップを実行する。以下では、認証手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0052】
制御部20は、ゲーム装置3から送信される対戦者のゲームIDを用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0053】
<進行ステップの説明>
制御部20は、ゲーム進行管理手段として機能することで進行ステップを実行する。以下では、ゲーム進行管理手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0054】
制御部20は、対戦者の操作に基づいて格闘ゲームを進行させる。
【0055】
具体的には、制御部20は、各対戦者が操作するゲーム装置3から操作信号を受信して、格闘ゲームを進行する。これにより、制御部20は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0056】
<通信ステップの説明>
制御部20は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0057】
制御部20は、対戦者のゲームID、各対戦者のゲーム装置3からの操作信号、などをゲーム装置3との間で送受信する。
【0058】
また、制御部20は、ゲーム画面データ、ゲーム音声データ、および、ゲームに関する状況情報を配信サーバ4に送信する。
【0059】
<ゲーム装置3のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、図示は省略するが、制御部、記憶部、ネットワークインターフェース、オーディオ処理部、グラフィック処理部、および操作部を備える。
【0060】
ゲーム装置3のオーディオ処理部にはスピーカが接続され、グラフィック処理部には液晶モニタが接続され、操作部には、コントローラが接続される。
【0061】
<ゲーム装置3の制御部の機能の説明>
ゲーム装置3の制御部は、コンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0062】
<実行ステップの説明>
制御部は、実行手段として機能することで実行ステップを実行する。以下では、実行手段としての制御部が実行する処理を説明する。
【0063】
制御部は、対戦者それぞれの操作を受けつける。これにより、仮想ゲーム空間でキャラクタが動作したり、キャラクタの体力値が変化したりする。
【0064】
<通信ステップの説明>
制御部は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部が実行する処理を説明する。
【0065】
制御部は、対戦者のゲームID、各対戦者のゲーム装置3からの操作信号などをゲームサーバ2との間で送受信する。
【0066】
<配信サーバ4のハードウェア構成>
配信サーバ4は、
図3のとおり、制御部40、記憶部41、およびネットワークインターフェース42を備える。
【0067】
記憶部41およびネットワークインターフェース42は、バス49を介して配信サーバ4の制御部40に接続される。
【0068】
制御部40は、CPU、メモリ、各種入出力インターフェースなどで構成されており、配信サーバ4の動作を制御する。詳細は後述する。
【0069】
記憶部41は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0070】
記憶部41には、例えば、ユーザ端末装置5にてサービスを提供するための動画アプリケーションおよびデータ、ならびに、ユーザデータ(視聴者および実況者などのユーザを識別するためのユーザID、ユーザのクレジットカード情報など)が記憶される。
【0071】
ネットワークインターフェース42は、ゲームサーバ2との間、あるいは、ユーザ端末装置5との間でデータを送受信するために、通信ネットワークに接続される。
【0072】
<配信サーバ4の制御部40の機能の説明>
配信サーバ4の制御部40は、コンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0073】
<認証ステップの説明>
制御部40は、認証手段として機能することで認証ステップを実行する。以下では、認証手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0074】
制御部40は、ユーザ端末装置5から送信されるユーザIDを用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0075】
ユーザ端末装置5が通信ネットワークを介して配信サーバ4と通信を行う場合には、ユーザIDがユーザ端末装置5から配信サーバ4へと送信される。送信されたユーザIDは、配信サーバ4において認証処理が行われる。これにより、配信サーバ4とユーザ端末装置5との間での通信が可能となる。
【0076】
<表示ステップの説明>
制御部40は、表示手段として機能することで表示ステップを実行する。以下では、表示手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0077】
制御部40は、実況動画、実況者設定情報、視聴者設定情報などをユーザ端末装置5で表示させるための情報を生成する。これらの情報を受信することにより、視聴者は、自身のユーザ端末装置5Aにおいて、
図5のような実況動画を視聴することができる。
【0078】
<通信ステップの説明>
制御部40は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0079】
制御部40は、ゲームサーバ2から、ゲーム画面データ、ゲーム音声データ、ゲームに関する状況情報などを受信する。
【0080】
また、制御部40は、実況者のユーザ端末装置5Bとの間で、実況者のユーザID、実況者設定情報、ゲーム画面データ、ゲーム音声データ、実況者の音声データ、および実況者の音声データに基づくテキストデータなどを送受信する。
【0081】
また、制御部40は、視聴者のユーザ端末装置5Aとの間で、視聴者のユーザID、実況動画、実況者設定情報、視聴者設定情報、実況者の音声データなどを送受信する。
【0082】
<ユーザ端末装置5のハードウェア構成>
ユーザ端末装置5は、
図4のとおり、スピーカ530、液晶画面540、タッチパッド550が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このユーザ端末装置5において、配信サーバ4から配信された実況動画が表示される。
【0083】
また、ユーザ端末装置5は、配信サーバ4との間で、通信ネットワークを介して互いにデータ通信をすることができる。
【0084】
ユーザ端末装置5は、制御部50、記憶部51、ネットワークインターフェース52、オーディオ処理部53、グラフィック処理部54、および操作部55を備える。
【0085】
記憶部51、ネットワークインターフェース52、オーディオ処理部53、グラフィック処理部54、および操作部55は、バス59を介して、制御部50に接続される。
【0086】
制御部50は、CPU、メモリ、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ユーザ端末装置5の動作を制御する。
【0087】
記憶部51は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部51には、例えば、動画アプリケーション、ユーザIDなどが記憶される。
【0088】
ネットワークインターフェース52は、ユーザ端末装置5と配信サーバ4との間でデータを送受信するために、通信ネットワークに接続される。これにより、ユーザ端末装置5に動画アプリケーション、ゲーム画面データ、ゲーム音声データなどがダウンロードされる。
【0089】
オーディオ処理部53は、制御部50の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部53には、スピーカ530が接続される。ゲーム音声および実況者の音声は、スピーカ530から出力される。
【0090】
グラフィック処理部54は、制御部50の指示に従ってゲーム画面、実況者設定情報および/または視聴者設定情報、実況者の音声データに基づくテキストデータなどを液晶画面540に出力する。
【0091】
操作部55には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部55には、入力位置検出装置であるタッチパッド550を介してユーザからの操作信号が入力される。この機能に基づいて、ユーザは、実況者設定情報の設定、視聴者設定情報の設定、選択情報の選択などを行うことができる。
【0092】
ここで、実況者設定情報の設定においては、例えば、実況動画の編集/メニュー画面等から、実況者認定情報の候補となる状況情報それぞれが選択可能に一覧表示され、その中から実況者が任意の情報を選択して設定ボタンを押下することで、選択中の状況情報が実況者設定情報として設定される。
【0093】
視聴者設定情報の設定においては、視聴者が閲覧する視聴動画の編集/メニュー画面あるいは設定画面等から、視聴者認定情報の候補となる状況情報それぞれが選択可能に一覧表示され、その中から視聴者が任意の情報を選択して設定ボタンを押下することで、選択中の状況情報が視聴者設定情報として設定される。視聴者設定情報の設定は、視聴者が、様々なゲーム画面を視聴する際にあらかじめ行っておくこともできるが、ゲーム画面を視聴するたびに行うこともできる。
【0094】
<ユーザ端末装置5の制御部50の機能の説明>
制御部50は、動画アプリケーションを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0095】
<設定ステップの説明>
制御部50は、動画アプリケーションの指示によって設定手段として機能することで、設定ステップを実行する。以下では、設定手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0096】
制御部50は、対戦ゲームに関する状況情報のうちから実況者が選択した実況者設定情報を設定する。本実施形態では、図示はされていないが、この実況者設定情報として、各対戦者のキーコンフィグ、各キャラクタのステータス、各対戦者のキャラクタの使用率、各対戦者の本日の勝利レート、各対戦者における攻撃が相手にガードされた回数、各対戦者における相手の攻撃をガードした回数、などが選択されている。
【0097】
制御部50は、対戦ゲームに関する状況情報のうちから視聴者が選択した視聴者設定情報を設定する。本実施形態では、図示はされていないが、この視聴者設定情報として、対戦者のコンボ数、対戦者の操作ログ、過去の対戦履歴などが選択されている。
【0098】
<配信ステップの説明>
制御部50は、動画アプリケーションの指示によって配信手段として機能することで、配信ステップを実行する。以下では、配信手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0099】
具体的には、制御部50は、実況者の操作(配信要求)に基づいて、実況動画、実況者設定情報、実況者の音声データに基づくテキストデータなどを配信サーバ4へ送信するための処理を行う。
【0100】
<通信ステップの説明>
制御部50は、動画アプリケーションの指示によって通信手段として機能することで、通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0101】
制御部50は、実況者の操作に基づいて、ゲーム画面データ、ゲーム音声データ、ゲームに関する状況情報などを配信サーバ4から受信する。
【0102】
制御部50は、実況者の操作(配信要求)に基づいて、実況者のユーザID、実況動画、ゲームに関する状況情報のうちから実況者が選択した実況者設定情報を配信サーバ4へ送信する。
【0103】
また、制御部50は、視聴者の操作(視聴要求)に基づいて、実況動画、実況者設定情報などを配信サーバ4から受信する。
【0104】
また、制御部50は、例えば、視聴者の操作に基づいて、視聴者のユーザID、視聴者設定情報、視聴要求、選択情報などを配信サーバ4へ送信する。
【0105】
<選択ステップの説明>
制御部50は、動画アプリケーションの指示によって選択手段として機能することで、選択ステップを実行する。以下では、選択手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0106】
制御部50は、視聴者設定情報の少なくとも一部および/または実況者設定情報の少なくとも一部、である選択情報に基づくゲーム情報を、視聴者の操作に基づいて選択する。
【0107】
図5の例では、視聴者は、実況者設定情報から「キーコンフィグ」を選択しており、視聴者設定情報から「対戦者のコンボ数」、「対戦者Bの操作ログ」、および「過去の対戦履歴」を選択している。
【0108】
なお、本実施形態では、「キーコンフィグ」、「対戦者のコンボ数」、および「過去の対戦履歴」は、選択情報であり、かつ、ゲーム情報である。一方、「対戦者Bの操作ログ」は、ゲーム情報であるが、選択情報「対戦者A、Bの操作ログ」のうちの一部の情報である。したがって、ゲーム情報としての「対戦者Bの操作ログ」は、選択情報としての「対戦者A、Bの操作ログ」のうちの一部の情報が選択されたものである。
【0109】
<出力ステップの説明>
制御部50は、動画アプリケーションの指示によって出力手段として機能することで、出力ステップを実行する。以下では、出力手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0110】
制御部50は、視聴者の操作に基づいて視聴要求がなされることで、必要な情報を取得し、実況動画、ゲーム情報をユーザ端末装置5Aに出力させる。以下では、「液晶画面540への表示」および「スピーカ530への音出力」をまとめて「出力」として説明する。
【0111】
図5の例では、実況動画(実況動画のうちのゲーム画面)は、動画表示枠F1に表示されている。
【0112】
また、
図5の例では、ゲーム情報を表示するためのゲーム情報表示枠F2には4つの枠が表示されており、ここに、「キーコンフィグ」、「対戦者のコンボ数」、「対戦者Bの操作ログ」、および「過去の対戦履歴」が表示されている。
【0113】
また、実況者の音声は、視聴ユーザのユーザ端末装置5Aのスピーカ530から出力される。
【0114】
また、
図5のとおり、実況者の音声データがテキストデータに変換され、そのテキストデータがテキスト枠F3に表示されている。
【0115】
<配信処理の説明>
以下、
図6を参照して、本開示の配信処理について説明する。
【0116】
まず、配信サーバ4の制御部40が、ゲームサーバ2から、ゲーム画面データ、ゲーム音声データ、対戦者のキーコンフィグなどのゲームに関する状況情報、などを受信する(ステップS1)。
【0117】
ついで、実況者のユーザ端末装置5Bの制御部50が、実況者の操作に基づいて、実況者設定情報の設定を行う(ステップS2)。
【0118】
ついで、実況者のユーザ端末装置5Bの制御部50が、配信サーバ4を介して、実況動画、実況者の音声データに基づくテキストデータ、および実況者設定情報を、視聴者のユーザ端末装置5Aへ向けて配信する(ステップ3)。
【0119】
ついで、視聴者のユーザ端末装置5Aの制御部50が、視聴者から、自身でゲーム情報を設定したいとする意思表示がなされたか否かを判定する(ステップS4)。この意思表示は、例えば、視聴動画の編集/メニュー画面あるいは設定画面等を介して、視聴者が「ゲーム情報の設定をする」ボタンを押下したか否かによって判定される。
【0120】
視聴者から意思表示がなされていないと判定された場合(S4:NO)には、処理はステップS7へと進む。
【0121】
一方、視聴者から意思表示がなされたと判定された場合(S4:YES)には、視聴者のユーザ端末装置5Aの制御部50が、視聴者の操作に基づいて視聴者設定情報の設定操作がなされたか否かを判定する(ステップS5)。
【0122】
この設定操作がなされたか否かは、例えば、視聴動画の編集/メニュー画面あるいは設定画面等を介して、実際に視聴者設定情報の設定操作が行われたか否か(より具体的には、視聴者が任意の情報を選択して設定ボタンを押下する操作を行ったか否か)によって判定される。また、例えば、あらかじめ視聴者設定情報が設定されている場合であれば、「設定済みの内容を反映するか?」がポップアップ表示され、視聴者が当該表示に「はい」を選択した場合に、設定操作がされたと判定されてもよい。
【0123】
視聴者設定情報の設定操作がなされていないと判定された場合(S5:NO)には、処理はステップS7へと進む。これは、ステップS4でゲーム情報を設定したいとする意思表示が誤ってされた場合などに該当する。
【0124】
一方、視聴者設定情報の設定操作がなされたと判定された場合(S5:YES)には、視聴者のユーザ端末装置5Aの制御部50が、視聴者設定情報の設定を行う(ステップS6)。すなわち、これにより、視聴者によって選択された視聴者設定情報がアクティブになる。
【0125】
ついで、視聴者のユーザ端末装置5Aの制御部50が、視聴者によって選択された選択情報に基づくゲーム情報(視聴者設定情報の少なくとも一部、および/または、実況者設定情報の少なくとも一部)を設定する(ステップS7)。なお、例えば、視聴者が設定を変更しない場合には(すなわち、ステップS6において視聴者設定情報の設定が行われなかった場合)、デフォルトである実況者設定情報が、選択情報およびゲーム情報として設定される。
【0126】
視聴者が設定を変更した場合(すなわち、ステップS6において視聴者設定情報の設定が行われた場合)には、変更された部分については、デフォルトである実況者設定情報に代えて、視聴者設定情報が選択情報およびゲーム情報として設定される。
【0127】
ついで、視聴者のユーザ端末装置5Aの制御部50が、視聴者の操作に基づいて、実況動画などを出力するための視聴要求がなされたか否かを判定する(ステップS8)。この視聴要求としては、例えば、視聴者が視聴開始ボタンを押下することがあげられる。
【0128】
視聴要求がなされていないと判定された場合(S8:NO)には、処理はステップS8を繰り返す。
【0129】
視聴要求がなされたと判定された場合(S8:YES)には、視聴者のユーザ端末装置5Aの制御部50が、実況動画、実況者の音声データに基づくテキストデータ、およびゲーム情報を、ユーザ端末装置5Aにおいて出力する(ステップS9)。すなわち、視聴開始ボタンが押下されることで、ステップS7で設定された選択情報およびゲーム情報の反映された実況動画が報知される。
以上の手順により、本開示の配信処理が実行される。
【0130】
以上をまとめると、本開示は、
実況者のユーザ端末装置5Bおよび視聴者のユーザ端末装置5Aを含むユーザ端末装置5に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
出力ステップでは、格闘ゲームに関する実況動画を、視聴者の操作に基づいて、視聴者のユーザ端末装置5Aにおいて出力し、
設定ステップでは、格闘ゲームに関する状況情報(例えば、キーコンフィグ、対戦者のコンボ数)のうちから視聴者が選択した視聴者設定情報を設定し、
受信ステップでは、格闘ゲームに関する状況情報のうちから実況者が選択した実況者設定情報を受信し、
選択ステップでは、視聴者設定情報の少なくとも一部および/または実況者設定情報の少なくとも一部、である選択情報を、視聴者の操作に基づいて選択し、
出力ステップでは、選択ステップで選択された選択情報に基づく情報であるゲーム情報を、視聴者のユーザ端末装置5Aにおいて、実況動画とともに出力する、
コンピュータプログラムである。
【0131】
<効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、ゲーム画面にあわせて表示されるゲーム情報を多種多様な情報とすることができる。
【0132】
[他の実施形態]
前記実施形態において、出力ステップ、設定ステップなどは、ユーザ端末装置が単体で実行する例が記載されているが、本開示はこれには限られない。これらのステップは、配信サーバ単体、あるいは、配信サーバとユーザ端末装置との協働によって実行されてもよい。
【0133】
前記実施形態に限られず、格闘ゲームは、ユーザおよびコンピュータ(例えば、ユーザが操作するゲーム装置内のCPU)がそれぞれ制御するキャラクタ(プレイヤキャラクタおよびノンプレイヤキャラクタ)が技を繰り出し合うことで、勝敗を決する格闘ゲームであってもよい。
【0134】
また、前記実施形態に限られず、配信対象のゲーム画面にかかるゲームは、2人の対戦者によって実行されるゲームに限られず、3人以上の対戦者によって実行されるゲームであってもよい。
【0135】
また、前記実施形態に限られず、本開示のゲームとして、ユーザが操作するレーシングカーなどによってラップタイムを競い合うレースゲーム、ユーザが操作するキャラクタが敵キャラクタを討伐するハンティングゲームあるいはアクションゲーム、ユーザが操作するキャラクタが敵キャラクタを銃撃するシューティングゲーム、パズルピースを所定の規則に従った並びに並べ替えて進行させるパズルゲームなど、さまざまな種類の電子ゲームが採用されうる。
【0136】
この場合において、例えばレースゲームでは、ゲームに関する状況情報として、ラップタイム、全体の順位、マップ、車体のチューニング内容、クラッシュによるロスタイム、平均ラップ、最速ラップなどがあり、シューティングゲームでは、状況情報として、取得アイテムの一覧、試合中のヘッドショット数、敵を倒した数、生存時間、全体マップなどがあげられる。
【0137】
また、前記実施形態に限られず、視聴者による選択情報の選択は、視聴要求がなされたあとに(実況動画の視聴中に)実行されてもよい。この場合には、視聴者がはじめに設定した選択情報では満足しきれなかった場合に、自身の要望に即した選択情報を選択しなおすことができる。
【0138】
また、前記実施形態に限られず、ゲーム画面にあわせて(例えば、ゲーム画面の左下に)、対戦者がゲームをプレイしている状況を映した動画が表示されてもよい。
【0139】
また、前記実施形態に限られず、実況者設定情報のうちから少なくとも1つ選択された強制設定情報に基づく情報が、ゲーム情報に代えて、または、ゲーム情報の少なくとも一部とともに、実況者からの指示に基づいて、視聴者のユーザ端末装置に出力されてもよい。
【0140】
この強制設定情報とは、ゲームに関する状況情報のうち、視聴者に視聴するか否かの選択権が与えられることなく、視聴者に必須の情報として視聴してもらうための情報である。強制設定情報は、例えば、実況動画の編集/メニュー画面等から実況者が任意の情報を実況者設定情報として選択し、さらに、当該実況者設定情報の中から視聴者に強制的に視聴させるための情報を強制設定情報として選択操作することで、設定される。
【0141】
この場合には、特に実況者が注目してほしい情報を視聴者により確実に届けることができる。
【0142】
また、この場合において、強制設定情報は、ゲームの進行状況に応じて配信サーバ(あるいはゲームサーバ)などによって自動的に選択される情報であってもよい。配信サーバあるいはゲームサーバが自動で情報を選択するためのルールは、実況者、ゲーム開発者などによって、あらかじめ設定されていることが好ましい。ルールは、例えばゲームのジャンルあるいは対戦の運営ルールなどに基づいて設定されていてもよい。
【0143】
この場合には、対戦の勝敗を決定づけるアクションが実行されている場合などに、強制設定情報が当該ルールに基づいて自動的にゲーム情報に含められる。そのため、実況者が注目してほしい情報をリアルタイムに視聴者に届けることができる。
【0144】
また、視聴者のユーザ端末装置において出力されるゲーム情報に関する統計情報を配信サーバから実況者のユーザ端末装置が受信し、実況者のユーザ端末装置において、それらの統計情報が出力されてもよい。
【0145】
この場合には、実況者は、視聴者が好むゲーム情報を把握して、自身の実況に活用することができる。
【0146】
また、実況者に送られる統計情報には、どのような視聴者(例えば、視聴者の性別、年齢、視聴している動画についてのゲームのプレイ時間などの、視聴者の属性)が、どのような情報を表示させたかの情報が含まれていてもよい。統計情報は、視聴者の視聴履歴が例えば直近の1か月などの所定間隔ごとに視聴者の属性に従って配信サーバによって集計される。
【0147】
これにより、実況者は、視聴者の好みを把握することができ、実況者設定情報を設定する際に役立てることができる。
【0148】
また、前記統計情報は、視聴者のユーザ端末装置において出力されるゲーム情報を配信サーバが集計したのちにその情報が実況者のユーザ端末装置に送信されたものでもよく、また、集計されていない情報が配信サーバから実況者のユーザ端末装置へ送信され、その情報が実況者のユーザ端末装置で集計されたものでもよい。
【0149】
また、実況者および視聴者が、ゲーム情報表示枠の大きさ、および、その中に表示される枠の数を変更(すなわち、ゲーム情報表示枠をカスタマイズ)することができてもよい。
【0150】
また、視聴者は、例えば、
図5における動画表示枠F1を右側に配置し、ゲーム情報表示枠F2を左側に配置するとともにゲーム情報表示枠F2の大きさを大きくすることができてもよい。また、視聴者は、
図5のような1画面ではなく、複数の画面にわたって動画表示枠F1、ゲーム情報表示枠F2およびテキスト枠F3を表示させる際に、どの画面にどの枠F1、F2、F3を表示させるかを設定することができてもよい。
【0151】
前記実施形態のように視聴者の操作に基づいて、さまざまにゲーム情報をカスタマイズすることができるものに限られず、視聴者は、あらかじめ設定されたモードのうちから、自身が設定したゲーム情報を表示させて観戦するモード、および、実況者が設定した実況者設定情報を表示させて観戦するモード、のうちからいずれかを選択することができてもよい。
【0152】
また、例えば、視聴者は、実況者が設定したモードをデフォルトモードとして、視聴者が設定したモードに切り替えることができてもよい。
【0153】
さらには、複数のゲーム情報表示枠がある場合に、少なくともそれらの一部に対してモードを切り替えることができてもよい。この場合には、例えば、第1のゲーム情報表示枠には、視聴者モードが設定され、第2のゲーム情報表示枠には、実況者モードが設定される。
【0154】
また、この場合において、実況者は、視聴者のステータス(例えば、初心者、上級者など)に応じて、例えば、初心者観戦モード、上級者観戦モードのように、複数のモードを用意することができてもよい。
【0155】
また、実況者が設定した実況者設定情報が表示される際には、実況者は、「自由閲覧可能」とするゲーム情報の候補をあらかじめ設定することができてもよい。この場合には、視聴者はその情報の中から自身が表示したい内容を選択することができてもよい。
【0156】
また、視聴者が、実況者に表示してもらいたい状況情報を決定するための投票イベントに参加した場合には、配信サーバが、その視聴者に特典を付与してもよい。この場合における特典は、その視聴者が実況者とともに配信動画に出演することができる権利(あるいは、その権利を受け取るための抽選が受けられること)、あるいは、ゲーム内でのポイントが付与されること、アイテムが付与されることなどであってもよい。
【0157】
なお、視聴者によって投票される状況情報のランキング情報は、実況動画に含められるように設定されていてもよい。
【0158】
この場合において、ランキングおよび/または投票による状況情報の組み合わせが、人気のテンプレートとして、実況者および/または視聴者のユーザ端末装置にて生成されてもよい。さらに、そのテンプレートがそれ以降で、さまざまな視聴者に使用されてもよい。なお、そのテンプレートは、他の実況者にも配布されてもよい。
【0159】
また、前記実施形態に限られず、選択情報とゲーム情報とは、すべて同じであってもよい。すなわち、前記実施形態では、選択情報「対戦者A、Bの操作ログ」のうち、「対戦者Bの操作ログ」がゲーム情報として選択されているが、「対戦者A、Bの操作ログ」がゲーム情報として選択されてもよい。
【0160】
さらには、前記実施形態に限られず、例えば、ゲーム情報は、選択情報が修正された(例えば、選択情報として選択されている実況者設定情報では「10/100」であるが、視聴者のユーザ端末装置では「10%」と表示されているなど)、および/または、脚色されたデータであってもよい。また、この場合において、視聴者は、自身の好みに応じた表記(視聴者によってあらかじめ設定された表記、単位)でゲーム情報を出力することができてもよい。
【0161】
また、前記実施形態では、視聴者のユーザ端末装置の1つの液晶画面に実況動画、ゲーム情報などが出力される例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、視聴者の第1モニタに、実況動画が表示され、視聴者の第2モニタに、実況者の音声データに基づくテキストデータ、ゲーム情報が表示されてもよい。
【0162】
また、前記実施形態では、視聴者のユーザ端末装置に表示される実況動画は1つである例が記載されているが、実況動画は、2つ以上で構成されるゲーム画面(第1の対戦者視点の画面、第2の対戦者視点の画面、第3の対戦者視点の画面)で構成されてもよい。
【0163】
また、前記実施形態に限られず、視聴者がeスポーツ大会の会場にいる場合に、視聴者がユーザ端末装置としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することでゲーム動画を視聴することができてもよい。この場合には、例えば、ユーザが所有するスマートフォンとHMDとを連動させて、HMDに表示させたいゲーム情報をユーザが選択することができてもよい。
【0164】
また、本開示は、リプレイ動画の配信に適用することができるほか、生配信(ライブ配信)にも適用することができる。
【0165】
また、前記実施形態に限られず、ゲームに関する状況情報のすべてがゲームサーバから配信サーバへダウンロードされるのではなく、その一部(例えば、対戦者同士の過去の対戦履歴)があらかじめ配信サーバで集計されて記憶されていてもよい。
【0166】
また、前記実施形態においては、ユーザ端末装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本開示は、これには限られない。ユーザ端末装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0167】
また、例えば、視聴者が使用するユーザ端末装置としてのパーソナルコンピュータとスマートフォンとで、表示されるゲーム情報表示枠の数、およびゲーム情報表示枠に優先的に表示される内容、などが異なっていてもよい。
【0168】
その他の例として、
1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
出力ステップでは、所定のアクティビティに関するアクティビティ画面を、第1ユーザの操作に基づいて出力し、
設定ステップでは、前記アクティビティに関する状況情報のうちから前記第1ユーザが選択した第1設定情報を設定し、
受信ステップでは、前記状況情報のうちから第2ユーザが選択した第2設定情報を受信し、
選択ステップでは、前記第1設定情報の少なくとも一部および/または前記第2設定情報の少なくとも一部、である選択情報を、前記第1ユーザの操作に基づいて選択し、
前記出力ステップでは、前記選択ステップで選択された前記選択情報に基づいた情報であるアクティビティ情報を、前記アクティビティ画面とともに出力する、
コンピュータプログラムがある。
【0169】
この場合には、前記実施形態のような電子ゲームに限られず、実在のスポーツ選手によるスポーツ、実在の棋士による将棋あるいは囲碁などの盤上ゲームなどのさまざまなアクティビティに関する配信動画に、本開示の技術を適用することができる。
【符号の説明】
【0170】
1 ゲーム情報出力システム
2 ゲームサーバ
3 ゲーム装置
4 配信サーバ
5 ユーザ端末装置