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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166774
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】冷媒検知装置、及び空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/36 20180101AFI20231115BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20231115BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20231115BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20231115BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F11/89
F24F11/50
F24F11/56
F25B49/02 520M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077549
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】足立 直也
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA38
3L260BA52
3L260BA66
3L260DA10
3L260HA02
3L260JA07
3L260JA20
(57)【要約】
【課題】ノイズの影響を抑える冷媒検知装置、及び空調システムを提供する。
【解決手段】冷媒検知装置は、室内機から直流電源電圧が供給されるリモコン通信線に接続される信号処理キットを備え、信号処理キットは、リモコン通信線に接続可能なリモコン通信回路と、直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を冷媒センサに供給可能な供給部と、冷媒センサで検出された冷媒検出信号を取得可能である処理部と、を備え、リモコン通信回路は、直流電源電圧に冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させた重畳信号を出力可能であり、リモコン通信線を介して、室内機と双方向通信可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機から直流電源電圧が供給されるリモコン通信線に接続される信号処理キットを備え、
前記信号処理キットは、
前記リモコン通信線に接続可能なリモコン通信回路と、
前記直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を冷媒センサに供給可能な供給部と、
前記冷媒センサで検出された冷媒検出信号を取得可能である処理部と、を備え、
前記リモコン通信回路は、
前記直流電源電圧に前記冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させた重畳信号を出力可能であり、
前記リモコン通信線を介して、前記室内機と双方向通信可能である
冷媒検知装置。
【請求項2】
前記信号処理キットは、冷媒を検知可能な冷媒センサをさらに備える
請求項1に記載の冷媒検知装置。
【請求項3】
前記信号処理キットにセンサ信号線を介して接続され、冷媒を検知可能な冷媒センサを有するセンサキットをさらに備える
請求項1又は2に記載の冷媒検知装置。
【請求項4】
前記センサキットは、
前記冷媒センサで検出された冷媒検出信号を取得可能であるとともに、前記冷媒検出信号を前記信号処理キットに出力可能であるセンサ処理部、をさらに備える
請求項3に記載の冷媒検知装置。
【請求項5】
前記リモコン通信線に対し、複数の前記信号処理キットが接続されている
請求項1又は2に記載の冷媒検知装置。
【請求項6】
前記リモコン通信線に接続され、前記室内機を遠隔操作可能なリモートコントローラをさらに備え、
前記信号処理キットは、前記リモコン通信線を介して前記リモートコントローラに接続される
請求項1又は2に記載の冷媒検知装置。
【請求項7】
前記冷媒センサを複数備える
請求項1又は2に記載の冷媒検知装置。
【請求項8】
前記信号処理キットは、前記室内機が空調する空間の温度を検知可能な温度センサをさらに備える
請求項1又は2に記載の冷媒検知装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の冷媒検知装置を備える
空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒検知装置、及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の冷媒漏洩を検出するために、冷媒センサを設けることが知られている。例えば、特許文献1には、冷媒を検出可能なセンサ(第2のセンサ部)と、センサ駆動電力をセンサに供給する電力供給部とを備え、センサの検出結果に基づいて冷媒漏洩の発生を検知する構成が開示されている。この構成において、電力供給部は、空気調和装置を構成する室内機よりも下方に配置されたリモートコントローラに備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-162912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のような構成を、ビルディング等に設置される業務用の空気調和装置に適用する場合、リモートコントローラと冷媒センサとは、有線の配線によって接続され、電力供給と、冷媒センサの信号とを、配線を介して行うことになる。このため、室内機が設置される室内の複数個所に冷媒センサを配置する場合等、リモートコントローラと冷媒センサとの距離によって、通信線が長くなることがある。すると、特に、センサの信号が、ノイズの影響を受けやすくなるという課題がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、ノイズの影響を抑えることができる冷媒検知装置、空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る冷媒検知装置は、室内機から直流電源電圧が供給されるリモコン通信線に接続される信号処理キットを備え、前記信号処理キットは、前記リモコン通信線に接続可能なリモコン通信回路と、前記直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を冷媒センサに供給可能な供給部と、前記冷媒センサで検出された冷媒検出信号を取得可能である処理部と、を備え、前記リモコン通信回路は、前記直流電源電圧に前記冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させた重畳信号を出力可能であり、前記リモコン通信線を介して、前記室内機と双方向通信可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の冷媒検知装置、及び空調システムによれば、ノイズの影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る空調システムの概略構成を示す図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る冷媒検知装置、及び空調システムの機能構成を示す図である。
図3】本開示の第二実施形態に係る冷媒検知装置、及び空調システムの機能構成を示す図である。
図4】本開示の第三実施形態に係る冷媒検知装置、及び空調システムの機能構成を示す図である。
図5】本開示の第三実施形態の変形例に係る冷媒検知装置、及び空調システムの機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
(空調システムの構成)
以下、本開示の実施形態に係る冷媒検知装置、及び空調システムについて、図1図2を参照して説明する。
図1図2に示すように、空調システム1は、室内機2と、室外機(図示せず)と、リモートコントローラ5と、冷媒検知装置10Aと、を備える。
図1に示すように、室内機2は、各種の建物や構造物に備えられた室R内に備えられる。
室内機2は、例えば、室Rの天井Rtに配置される。
室内機2は、例えば、室Rの壁Rwに配置されていてもよい。
室内機2と室外機とは、冷媒回路(図示せず)を介して接続される。
室内機2と室外機との間で、冷媒回路を通して冷媒が循環する。
本実施形態において、冷媒として、例えば可燃性ガスが用いられる。
冷媒としての可燃性ガスは、例えば、ジフルオロメタン等のフロンガスである。
本実施形態では、可燃性ガスは、空気よりも比重が大きく、室R内で下方に沈む。
図2に示すように、室内機2は、交流電源6から供給される交流電源電圧により作動する。
室内機2は、交流電源6から供給される交流電源電圧を直流電源電圧に変換するAC-DCコンバータ(図示せず)を備える。
室内機2は、変換された直流電源電圧を、後述するリモコン通信線100を介してリモートコントローラ5、及び冷媒検知装置10Aに供給する。
【0010】
リモートコントローラ5は、室内機2の動作を遠隔操作するためのものである。
リモートコントローラ5は、室内機2を遠隔操作するためのボタン、スイッチ等(図示せず)を備えている。
図1に示すように、リモートコントローラ5は、例えば、室Rの壁Rwに配置される。
リモートコントローラ5は、室内機2よりも下方に配置される。
リモートコントローラ5は、室内機2の作動状態を示すランプ、表示画面等を有していてもよい。
【0011】
リモートコントローラ5は、リモコン通信線100を介して室内機2に接続されている。
リモートコントローラ5は、リモコン通信線100を介して供給される直流電源電圧により作動する。
リモートコントローラ5は、リモコン通信線100を介して、室内機2の動作を遠隔操作する。
リモートコントローラ5は、リモコン通信線100を介して、室内の動作を遠隔操作するための指令信号を室内機2に転送する。
リモコン通信線100は、直流電源電圧と、指令信号とを重畳させて転送する。
【0012】
(冷媒検知装置の構成)
図2に示すように、冷媒検知装置10Aは、冷媒回路(図示せず)からの冷媒の漏洩を検出する。
冷媒検知装置10Aは、1以上の冷媒センサ20と、信号処理キット30Aと、を少なくとも備える。
本実施形態では、冷媒検知装置10Aは、複数の冷媒センサ20と、信号処理キット30Aと、センサキット40と、を備える。
【0013】
冷媒センサ20は、冷媒を検出する。
冷媒センサ20は、冷媒を検出した場合、冷媒を検出したことを示す冷媒検出信号を出力する。
本実施形態において、冷媒センサ20は、信号処理キット30Aと、センサキット40とに、それぞれ備えられる。
図1に示すように、冷媒センサ20は、例えば、室Rの壁Rwに配置される。
冷媒センサ20は、室Rの床Rfから所定の高さ(例えば30cm)の範囲内に配置される。
【0014】
(信号処理キットの構成)
図2に示すように、信号処理キット30Aは、リモコン通信線100に接続される。
信号処理キット30Aには、リモコン通信線100を介して室内機2から供給される直流電源電圧が供給される。
信号処理キット30Aは、リモコン通信回路31と、処理部32と、供給部33と、を備える。
本実施形態において、信号処理キット30Aは、冷媒センサ20をさらに備える。
【0015】
リモコン通信回路31は、リモコン通信線100に接続可能である。
リモコン通信回路31は、入出力インターフェイス35を介して、リモコン通信線100に接続される。
リモコン通信回路31は、室内機2から供給される直流電源電圧に、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力される冷媒検出信号に関連するパルス信号を、重畳させた重畳信号をリモコン通信線100に出力可能である。
リモコン通信回路31は、リモコン通信線100を介して、直流電源電圧に、冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させて転送することで、信号処理キット30Aへの電力供給と、後述する冷媒センサ20から出力される冷媒検出信号との二線通信を行う。
リモコン通信回路31は、リモコン通信線100を介して、室内機2と双方向通信可能である。
【0016】
供給部33は、リモコン通信線100を介して室内機2から直流電源電圧を受け取ることにより、冷媒センサ20を駆動させる。
供給部33は、直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を、センサキット40(冷媒センサ20)に供給可能である。
供給部33は、室内機2から供給される直流電源電圧を、所望の電圧の直流電源電圧に減圧するDC-DCコンバータ等(図示せず)を備えており、センサキット40に、センサ駆動電圧として減圧した直流電源電圧を供給する。
【0017】
処理部32は、リモコン通信線100、及びリモコン通信回路31を介して室内機2から供給される直流電源電圧を受け取る。
処理部32は、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力される冷媒検出信号を取得可能である。
処理部32は、冷媒センサ20から出力される冷媒検出信号を取得した場合、その冷媒検出信号、またはその冷媒検出信号を取得したことを示す信号を、冷媒検出信号に関連するパルス信号として出力する。
処理部32は、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力されるパルス信号を、リモコン通信回路31、リモコン通信線100を介して、リモートコントローラ5、室内機2に転送する。
処理部32は、ハードウェア的には、CPU等のプロセッサである。
【0018】
室内機2は、処理部32から、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力されるパルス信号を受け取った場合、つまり、冷媒が漏洩していることが検出された場合、例えば、室内機2の動作を停止させる。
リモートコントローラ5は、処理部32から、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力されるパルス信号を受け取った場合、冷媒の漏洩が発生していることを示す情報を、文字情報の表示、ランプの点灯等によって、外部に出力するようにしてもよい。
また、処理部32は、冷媒センサ20から出力される冷媒検出信号を取得した場合、ブザー(図示せず)の鳴動等により、冷媒の漏洩が発生していることを、外部に出力するようにしてもよい。
【0019】
(センサキットの構成)
センサキット40は、信号処理キット30Aに、センサ信号線110を介して接続されている。
本実施形態では、センサキット40は、複数(例えば3つ)配置されている。
複数のセンサキット40は、それぞれアドレス情報が付与されており、信号処理キット30Aの処理部32では、複数のセンサキット40を識別可能となっている。
各センサキット40は、センサ信号線110を介して、信号処理キット30Aの接続インターフェイス38に接続されている。
センサ信号線110は、センサキット40の接続インターフェイス45に接続されている。
センサキット40は、室内機2から信号処理キット30Aに供給された直流電源電圧が、センサ信号線110を介して供給される。
センサキット40は、センサ処理部42と、供給部43と、冷媒センサ20と、を備える。
【0020】
供給部43は、センサ信号線110を介して信号処理キット30Aの供給部33から受け取った直流電源電圧により、冷媒センサ20を駆動させる。
供給部43は、直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を、冷媒センサ20に供給可能である。
供給部43は、センサ信号線110を介して信号処理キット30Aの供給部33から受け取った直流電源電圧を、センサキット40の冷媒センサ20に、センサ駆動電圧として供給する。
【0021】
センサ処理部42は、センサ信号線110を介して信号処理キット30Aの供給部33から供給される直流電源電圧を受け取る。
センサ処理部42は、センサキット40の冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力される冷媒検出信号を取得可能である。
センサ処理部42は、冷媒センサ20から出力される冷媒検出信号を取得した場合、その冷媒検出信号、またはその冷媒検出信号を取得したことを示す信号を、冷媒検出信号に関連するパルス信号として出力する。
センサ処理部42は、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力されるパルス信号を、センサ信号線110を介して、信号処理キット30Aの処理部32に伝送する。
処理部32は、センサ信号線110を介して伝送されてきたパルス信号を、室内機2に転送する。
【0022】
このような冷媒検知装置10Aでは、信号処理キット30Aは、室内機2から供給される直流電源電圧を、リモコン通信線100、リモコン通信回路31を介して受け取る。リモコン通信回路31では、直流電源電圧に冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させた重畳信号を出力する。供給部33は、リモコン通信回路31を介して受け取った直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を冷媒センサ20に供給する。これにより、冷媒センサ20に電源を供給するための構成を別途備える必要が無い。冷媒センサ20は、冷媒を検出すると、冷媒検出信号を出力する。処理部32は、冷媒センサ20で検出された冷媒検出信号を取得すると、その冷媒検出信号に関連するパルス信号を、リモコン通信線100を介して室内機2に出力する。これにより、冷媒センサ20で冷媒の漏出を検出した場合、室内機2を停止させる等の措置をとることができる。
【0023】
上述したような構成によれば、冷媒センサ20への電力供給、冷媒センサ20における冷媒検出信号に関連するパルス信号の伝送が、リモコン通信線100を通して行われる。したがって、冷媒センサ20への電力供給、冷媒センサ20における冷媒検出信号に関連するパルス信号の伝送を行うために、新たな信号線を新たに設ける必要が無い。また、リモコン通信回路31は、リモコン通信線100を介して室内機2と双方向通信可能であるため、冷媒検出信号に関連するパルス信号をリモコン通信回路31から室内機2に伝送した場合、室内機2でパルス信号を正しく受け取ったか否か等を、室内機2からリモコン通信回路31に応答する。したがって、リモコン通信線100が長く、ノイズがパルス信号に乗りやすい場合であっても、パルス信号にノイズが乗って、室内機2側でパルス信号を正しく受け取っていない場合には、ノイズが乗ったパルス信号を破棄することができる。その結果、ノイズの影響を抑えることが可能となる。
【0024】
また、信号処理キット30Aは、冷媒を検知可能な冷媒センサ20をさらに備える。
これにより、信号処理キット30Aに備えた冷媒センサ20で、冷媒を検知することができる。
【0025】
また、信号処理キット30Aにセンサ信号線110を介して接続され、冷媒センサ20を有するセンサキット40をさらに備える。
これにより、信号処理キット30Aとは異なる位置に冷媒センサ20を含むセンサキット40を設けることができる。この場合、信号処理キット30Aとセンサキット40とを、センサ信号線110を介して接続する。信号処理キット30Aとセンサキット40の冷媒センサ20との間で、冷媒センサ20に対する電力供給と、冷媒センサ20の冷媒検出信号の伝送とを、センサ信号線110を介して行うことができる。
このように、センサキット40は、室内機2にリモコン通信線100を介して接続された信号処理キット30Aに接続されている。このため、室内機2にセンサキット40が直接接続されていないため、センサキット40の冷媒センサ20に対しては、制御のためのアドレスを付与する必要が無い。これにより、アドレス数を増やすことなく、リモコン通信線100を用いてセンサキット40を配置することができ、冷媒検知装置10A全体の設計自由度を高めることができる。
【0026】
また、センサキット40は、センサ処理部42をさらに備える。
センサ処理部42は、冷媒センサ20で検出された冷媒検出信号を信号処理キット30Aに出力する。したがって、信号処理キット30A側では、センサキット40が複数配置されている場合であっても、どの冷媒センサ20で冷媒を検知したかを容易に判断できる。
【0027】
また、信号処理キット30Aは、リモコン通信線100を介してリモートコントローラ5に接続される。
このように、信号処理キット30Aが、リモコン通信線100を介してリモートコントローラ5に接続されることで、天井Rt等の高い位置に配置されることが多い室内機2と信号処理キット30Aとをリモコン通信線100を介して直接接続する場合に比較し、室内機2に比較すれば低い位置に配置されるリモートコントローラ5と信号処理キット30Aとを接続するリモコン通信線100の長さを低減することができる。
【0028】
また、複数の冷媒センサ20を備えることで、室R内の複数個所で冷媒を検知することができる冷媒検知装置10Aを構成することができる。
【0029】
<第二実施形態>
次に第二実施形態について、図3を参照して説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第一実施形態の信号処理キット30Bは、冷媒センサ20、センサキット40を備えていた。これに対して第二実施形態では、センサキット40を備えておらず、冷媒センサ20は、信号処理キット30Bの外部に配置されている。
図3に示すように、本実施形態における空調システム1の冷媒検知装置10Bは、1以上の冷媒センサ20と、信号処理キット30Bと、を備える。
本実施形態では、冷媒検知装置10Bは、複数の冷媒センサ20と、信号処理キット30Bと、を備える。
【0030】
(信号処理キットの構成)
図3に示すように、信号処理キット30Bは、リモコン通信線100に接続される。
信号処理キット30Bは、リモコン通信線100を介して室内機2から供給される直流電源電圧が供給される。
信号処理キット30Bは、リモコン通信回路31と、処理部32と、供給部33と、を備える。
【0031】
冷媒センサ20は、信号処理キット30Bの外部に配置されている。
冷媒センサ20は、信号線120を介して、信号処理キット30Bの接続インターフェイス38に接続されている。
冷媒センサ20は、冷媒を検出した場合、冷媒を検出したことを示す冷媒検出信号を出力する。
【0032】
処理部32は、信号処理キット30Bの外部に配置された冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力される冷媒検出信号を取得可能である。
処理部32は、冷媒センサ20から出力される冷媒検出信号を取得した場合、その冷媒検出信号、またはその冷媒検出信号を取得したことを示す信号を、冷媒検出信号に関連するパルス信号として出力する。
処理部32は、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力されるパルス信号を、リモコン通信回路31、リモコン通信線100を介して、リモートコントローラ5、室内機2に転送する。
【0033】
このような冷媒検知装置10Bにおいても、リモコン通信回路31は、リモコン通信線100を介して室内機2と双方向通信可能であるため、パルス信号にノイズが乗って、室内機2側でパルス信号を正しく受け取っていない場合には、ノイズが乗ったパルス信号を破棄することができる。その結果、ノイズの影響を抑えることが可能となる。
【0034】
<第三実施形態>
次に第三実施形態について、図4を参照して説明する。第三実施形態において、第一実施形態、第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第三実施形態では、信号処理キット30Cを複数備えている点が、第一、第二実施形態とは異なる。
図4に示すように、本実施形態における空調システム1の冷媒検知装置10Cは、1以上の冷媒センサ20と、信号処理キット30Cと、を備える。
本実施形態では、冷媒検知装置10Cは、複数の冷媒センサ20、及び信号処理キット30C、を備える。
【0035】
(信号処理キットの構成)
図4に示すように、複数の信号処理キット30Cは、それぞれ、リモコン通信線100に接続される。
複数の信号処理キット30Cは、それぞれリモコン通信線100によって、リモートコントローラ5に並列に接続される。
各信号処理キット30Cは、リモコン通信線100を介して室内機2から供給される直流電源電圧が供給される。
各信号処理キット30Cは、リモコン通信回路31と、処理部32と、供給部33と、を備える。
【0036】
冷媒センサ20は、各信号処理キット30Cの外部に配置されている。
冷媒センサ20は、信号線120を介して、各信号処理キット30Cの接続インターフェイス38に接続されている。
【0037】
処理部32は、信号処理キット30Cの外部に配置された冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力される冷媒検出信号を取得可能である。
処理部32は、冷媒センサ20から出力される冷媒検出信号を取得した場合、その冷媒検出信号、またはその冷媒検出信号を取得したことを示す信号を、冷媒検出信号に関連するパルス信号として出力する。
処理部32は、冷媒センサ20で冷媒を検出した場合に出力されるパルス信号を、リモコン通信回路31、リモコン通信線100を介して、リモートコントローラ5、室内機2に転送する。
【0038】
このような冷媒検知装置10Cにおいても、リモコン通信回路31は、リモコン通信線100を介して室内機2と双方向通信可能であるため、パルス信号にノイズが乗って、室内機2側でパルス信号を正しく受け取っていない場合には、ノイズが乗ったパルス信号を破棄することができる。その結果、ノイズの影響を抑えることが可能となる。
【0039】
このような冷媒検知装置10Cでは、リモコン通信線100に対し、複数の信号処理キット30Cが接続されている。
これにより、室内機2を起点として、リモコン通信線100を介して複数の信号処理キット30Cを配置することができる。
【0040】
(第三実施形態の変形例)
図5に示すように、上記第三実施形態で示した冷媒検知装置10Cの信号処理キット30Cが、室内機2が空調する空間の温度を検知可能な温度センサ50をさらに備えるようにしてもよい。
【0041】
このような冷媒検知装置10Cでは、室内機2が空調する空間の温度を検知する温度センサ50を備えることで、冷媒の漏洩に起因して生じる空間の温度変化を、より高感度に検知することができる。
また、室内機2に比較すれば低い位置に配置される信号処理キット30に温度センサ50を備えることで、室内の空間で人がいる付近の温度を、より正確に検知することができる。
【0042】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲とその均等の範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態では、信号処理キット30A~30Cと室内機2との間に、リモートコントローラ5が配置されているが、このような構成に限られない。信号処理キット30A~30Cは、リモートコントローラ5を介さず、リモコン通信線100に直接接続されていてもよい。
【0043】
<付記>
各実施形態に記載の冷媒検知装置10A、10B、10C、及び空調システム1は、例えば以下のように把握される。
【0044】
(1)第1の態様に係る冷媒検知装置10A、10B、10Cは、室内機2から直流電源電圧が供給されるリモコン通信線100に接続される信号処理キット30A、30B、30Cを備え、前記信号処理キット30A、30B、30Cは、前記リモコン通信線100に接続可能なリモコン通信回路31と、前記直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を冷媒センサ20に供給可能な供給部33と、前記冷媒センサ20で検出された冷媒検出信号を取得可能である処理部32と、を備え、前記リモコン通信回路31は、前記直流電源電圧に前記冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させた重畳信号を出力可能であり、前記リモコン通信線100を介して、前記室内機2と双方向通信可能である。
【0045】
この冷媒検知装置10A、10B、10Cは、信号処理キット30A、30B、30Cが、室内機2から供給される直流電源電圧を、リモコン通信線100、リモコン通信回路31を介して受け取る。リモコン通信回路31では、直流電源電圧に冷媒検出信号に関連するパルス信号を重畳させた重畳信号を出力する。供給部33は、リモコン通信回路31を介して受け取った直流電源電圧に基づくセンサ駆動電圧を冷媒センサ20に供給する。これにより、冷媒センサ20に電源を供給するための構成を別途備える必要が無い。冷媒センサ20は、冷媒を検出すると、冷媒検出信号を出力する。処理部32は、冷媒センサ20で検出された冷媒検出信号を取得すると、その冷媒検出信号に関連するパルス信号を、リモコン通信線100を介して室内機2に出力する。このようにして、冷媒検出信号に関連するパルス信号は、リモコン通信線100を通して伝送されるため、パルス信号を伝送するための信号線を新たに設ける必要が無い。また、リモコン通信回路31は、リモコン通信線100を介して室内機2と双方向通信可能であるため、例えば、冷媒検出信号に関連するパルス信号をリモコン通信回路31から室内機2に伝送した場合、室内機2でパルス信号を正しく受け取ったか否か等を、室内機2からリモコン通信回路31に応答することができる。したがって、リモコン通信線100が長く、ノイズがパルス信号に乗りやすい場合であっても、パルス信号にノイズが乗って、室内機2側でパルス信号を正しく受け取っていない場合には、ノイズが乗ったパルス信号を破棄することができる。その結果、ノイズの影響を抑えることが可能となる。
【0046】
(2)第2の態様に係る冷媒検知装置10Aは、(1)の冷媒検知装置10Aであって、前記信号処理キット30Aは、冷媒を検知可能な冷媒センサ20をさらに備える。
【0047】
これにより、信号処理キット30Aに備えた冷媒センサ20で、冷媒を検知することができる。
【0048】
(3)第3の態様に係る冷媒検知装置10Aは、(1)又は(2)の冷媒検知装置10Aであって、前記信号処理キット30Aにセンサ信号線110を介して接続され、冷媒を検知可能な冷媒センサ20を有するセンサキット40をさらに備える。
【0049】
これにより、信号処理キット30Aとは異なる位置に冷媒センサ20を含むセンサキット40を設ける場合、信号処理キット30Aとセンサキット40とを、センサ信号線110を介して接続する。信号処理キット30Aとセンサキット40の冷媒センサ20との間で、冷媒センサ20に対する電力供給と、冷媒センサ20の冷媒検出信号の伝送とを、センサ信号線110を介して行うことができる。
このように、センサキット40は、室内機2にリモコン通信線100を介して接続された信号処理キット30Aに接続されている。このため、室内機2にセンサキット40が直接接続されていないため、センサキット40の冷媒センサ20に対しては、制御のためのアドレスを付与する必要が無い。これにより、アドレス数を増やすことなく、リモコン通信線100を用いてセンサキット40を配置することができ、冷媒検知装置10A全体の設計自由度を高めることができる。
【0050】
(4)第4の態様に係る冷媒検知装置10Aは、(3)の冷媒検知装置10Aであって、前記センサキット40は、前記冷媒センサ20で検出された冷媒検出信号を取得可能であるとともに、前記冷媒検出信号を前記信号処理キット30Aに出力可能であるセンサ処理部42、をさらに備える。
【0051】
これにより、センサ処理部42は、冷媒センサ20で検出された冷媒検出信号を信号処理キット30Aに出力する。したがって、信号処理キット30A側では、センサキット40が複数配置されている場合であっても、どの冷媒センサ20で冷媒を検知したかを容易に判断できる。
【0052】
(5)第5の態様に係る冷媒検知装置10Cは、(1)から(4)の何れか一つの冷媒検知装置10Cであって、前記リモコン通信線100に対し、複数の前記信号処理キット30Cが接続されている。
【0053】
これにより、リモコン通信線100に複数の信号処理キット30Cを接続することにより、室内機2を起点として、リモコン通信線100を介して複数の信号処理キット30Cを配置することができる。
【0054】
(6)第6の態様に係る冷媒検知装置10A、10B、10Cは、(1)から(5)の何れか一つの冷媒検知装置10A、10B、10Cであって、前記リモコン通信線100に接続され、前記室内機2を遠隔操作可能なリモートコントローラ5をさらに備え、前記信号処理キット30A、30B、30Cは、前記リモコン通信線100を介して前記リモートコントローラ5に接続される。
【0055】
これにより、信号処理キット30A、30B、30Cが、リモコン通信線100を介してリモートコントローラ5に接続されることで、天井Rt等の高い位置に配置されることが多い室内機2と信号処理キット30A、30B、30Cとをリモコン通信線100を介して接続する場合に比較し、室内機2に比較すれば低い位置に配置されるリモートコントローラ5と信号処理キット30A、30B、30Cとを接続するリモコン通信線100の長さを低減することができる。
【0056】
(7)第7の態様に係る冷媒検知装置10A、10B、10Cは、(1)から(6)の何れか一つの冷媒検知装置10A、10B、10Cであって、前記冷媒センサ20を複数備える。
【0057】
これにより、複数の冷媒センサ20を備えることで、室R内の複数個所で冷媒を検知することができる冷媒検知装置10A、10B、10Cを構成することができる。
【0058】
(8)第8の態様に係る冷媒検知装置10A、10B、10Cは、(1)から(7)の何れか一つの冷媒検知装置10A、10B、10Cであって、前記信号処理キット30A、30B、30Cは、前記室内機2が空調する空間の温度を検知可能な温度センサ50をさらに備える。
【0059】
これにより、信号処理キット30A、30B、30Cが、室内機2が空調する空間の温度を温度センサ50で検知する温度センサ50を備えることで、冷媒の漏洩に起因して生じる空間の温度変化を、より高感度に検知することができる。
【0060】
(9)第9の態様に係る空調システム1は、(1)から(8)の何れか一つの冷媒検知装置10A、10B、10Cを備える。
【0061】
これにより、ノイズの影響を抑えることが可能となる冷媒検知装置10A、10B、10Cを備えた、空調システム1を構成することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…空調システム
2…室内機
5…リモートコントローラ
6…交流電源
10A~10C…冷媒検知装置
20…冷媒センサ
30A~30C…信号処理キット
31…リモコン通信回路
32…処理部
33…供給部
35…入出力インターフェイス
38…接続インターフェイス
40…センサキット
42…センサ処理部
43…供給部
45…接続インターフェイス
50…温度センサ
100…リモコン通信線
110…センサ信号線
120…信号線
R…室
Rf…床
Rt…天井
Rw…壁
図1
図2
図3
図4
図5